JP2000163569A - 画質改善方法及び画質改善装置 - Google Patents
画質改善方法及び画質改善装置Info
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Abstract
によりノイズを信号と平均化してノイズを信号に隠蔽
し、かつ信号成分はエッジなどの情報を失い、復元時エ
ッジ強調処理を行うと,隠蔽したノイズが再び顕在化
し,画質改善の効果を失うばかりか,更なる画質劣化を
誘発する要因ともなっていた。 【解決手段】 本発明は画像データを主成分分析を主成
分分析手段で実行する工程と、画像データを再構成する
ために必要とされる主成分の次元を主成分次元選択手段
で決定する工程と,主成分データから画像データを画像
再構成手段で再構成する工程とを備える。
Description
れたノイズを除去することにより画質を補正する方法お
よび装置に関するものである。
院猛, 中嶋正之,昭晃堂, pp.30,1988)に示された従
来のノイズ除去手法である。ノイズを除去して画質補正
を実行しようとするディジタル画像データに対して3画
素×3画素の平均化フィルタを作用させ,画像に混入し
ているノイズの振幅を平均化させることにより,ノイズ
を目立たなくさせて画質改善を図っている。
ィルタなどを作用させてノイズを除去する手法も良く知
られている。
交変換により周波数領域に変換し,周波数領域において
ノイズを除去するWienerフィルタ等の手法も用いられて
いる。
リジナルデータをより低次元で表現することが可能な手
法として多くの分野で用いられている。画像処理の分野
においても画像圧縮などに適用されている例があるが,
ノイズ除去のために適用した例はない。
る信号の成分と,様々な理由により混入されるノイズの
成分とが混在している。ノイズ成分は画質劣化の要因と
なるため,ノイズ除去は画質を改善するためには非常に
重要な画像処理技術である。
代表されるように,ノイズを信号と平均化することによ
り目立たなくし,その結果として観察時の画質を改善し
ていた。しかし,厳密な意味ではノイズは除去されたの
ではなく,信号に隠蔽されただけである。さらに平滑化
フィルタにより信号成分はエッジなどの情報を失うこと
となり,これを復元させるためにエッジ強調処理を行う
と,隠蔽したはずのノイズが再び顕在化し,画質改善の
効果を失うばかりか,更なる画質劣化を誘発する要因と
もなっていた。
ためになされたもので,ノイズが混入されて画質が劣化
している画像から,鮮鋭性を損なうことなくノイズを除
去し,画質を改善するするとともに,主成分分析により
画像の冗長性を削減し,画像データを圧縮することを目
的とする。
記載の画質改善方法は,画像データを主成分分析を実行
する工程と、画像データを再構成するために必要とされ
る主成分の次元を決定する工程と,主成分データから画
像データを再構成する工程とを備えるものである。
法は,再構成される画像の画像データを小領域に分割す
る分割工程を付加し、分割された各々の小領域毎に画像
データの主成分分析をし、画像データを再構成するため
に必要とされる主成分の次元を決定し、決定された主成
分データから画像データを再構成するものである。
法は,小領域に分割する分割工程は再構成される画像の
画像データをh画素×v画素からなる空間的な小領域に
分割するものである。
法は,小領域に分割する分割工程は再構成される画像の
画像データを画素値の量子化方向に関して小領域に分割
するものである。
法は,小領域に分割する分割工程は再構成される画像に
おける画像データの統計的または形状等の特徴量に基づ
いて小領域に分割するものである。
法は,小領域に分割する分割工程は再構成される画像の
画像データを記述しているディジタル値空間から,三刺
激値などにより構成される色空間へ変換し、変換後の色
空間の画像を小領域に分割するものである。
法は,主成分の次元を決定する主成分次元選択工程は主
成分分析により得られる累積寄与率を計算し、累積寄与
率に基づいて画像再構成のための主成分次元を決定する
ものである。
法は,主成分の次元を決定する主成分次元選択工程は、
分割された各々の領域において個別に決定するか,また
は一様に決定するかを選択する工程を有するものであ
る。
法は,小領域に分割する再構成される画像の画像データ
を小領域に分割する工程は、画質改善対象の画像データ
に対して平滑化処理を行う補助工程と,前記平滑化され
た画像に対して領域分割を行う工程と,前記領域分割の
結果を保持する補助工程とを有し,主成分分析工程は前
記平滑化された画像から得られた分割領域毎に前記画像
データを主成分分析するものである。
装置は,n次元データで構成されるディジタル画像に対
して主成分分析を適用し、前記主成分分析の結果得られ
た第1から第nまでの主成分により画像を記述する主成
分分析手段と,第1から第nまでの主成分から第m主成
分(m≦n)までを選択する主成分次元選択手段と、こ
の選択結果により第m主成分までを用いて画像を再構成
する画像再構成手段とを有するものである。
実施の形態1の装置の概略を示す構成図である。図1に
おいて,1は画像データ100を入力する画像入力手
段,2は画像入力手段1で入力された画像データ100
の主成分を演算する主成分分析手段,3は主成分分析手
段2で分析された主成分データ200を基に画像の再構
成に用いる主成分次元数300の選択をする主成分次元
選択手段,4は主成分次元選択手段で選択された主成分
次元数300から画像データ400を再構成する画像再
構成手段である。なお、400は再構成された画像デー
タである。
多変量解析手法の一種である。多変量解析手法は多変量
の測定値が得られたとき,線形変換によって変量間の相
関をなくし,より少ない変量によって測定対象の特徴を
記述しようとする手法である。今,ある画像データの画
素値を表すk種(k≧2)の変量(1x,2x, …
kx)がn組(1xj,2xj,…,Kxj)(j = 1,2,…,
n)得られたとする。画像を記述するための新しい変量
zを以下のようにこれらの変量ixの1次結合で表すこ
とを考える。 z= a11x + a22x + … + akkx ・・・ (1)
ai 2 = 1の条件のもとでzの分布が最大になるように定
めると,変量zは第1主成分と呼ばれれ,係数a = (a
1,a2, …, ak)は第1主成分ベクトルと呼ばれる。第
1主成分ベクトルは分布の分散が最大の方向となる。い
ま,第1主成分zを1z,第1主成分ベクトルaを1と
書くと,第α主成分αzおよび第α主成分ベクトルαaは
以下の2つの条件を満たすように決定される。コンピュ
ータによる実際の演算には,ラグランジュの未定係数法
などを用いる。 (条件1) αaαat= 1 (条件2) 第α主成分αzはβz(α≠β)と無相関
で,その分散v{αz}がv{αz}≧v{βz}(α≧β)
を満足する。
ル値と主成分との関係を表している。横軸はRデータ,
縦軸はGデータを示している。黒点は画素データを表し
ており,RG平面内に分布している。このような分布を
持つ画像データに対して主成分分析を行うと図中に示さ
れている第1主成分軸と第2主成分軸が得られる。各主
成分は前述の通りRGデータの1次結合で表されてい
る。ここに示す例では,第1主成分はその画像の持つ情
報,即ち信号成分を最も良く表している変数であり,第
2主成分がノイズ成分となる。黒丸で示されている画像
データには信号成分とともにノイズ成分も含まれている
が,第1主成分軸へ射影される事によりノイズ成分は除
去される。ここに示す例の通り,画像データに対して主
成分分析を適用し,ノイズ成分を多く含んでいる主成分
を削除した後に画像を再構成することにより,ノイズを
除去することが可能となる。
るが,ディジタル画像データは一般的にRGBの3次元
であり,この画像データから主成分分析により計算され
る主成分の次元も3次元である。図2に示した例と同様
に,計算された第1主成分は信号成分を最もよく表して
おり,第2主成分,第3主成分になるにしたがってノイ
ズ成分が多く含まれるようになる。
ルデータ,piを第i主成分ベクトルとすると,再構成
された画素ベクトルD■は式(2)から(7)により求められ
る。
結果の次元であり,tは転置を表している。P1は第1
主成分だけを用いて画像を再構成する際に用いられる変
換行列,P2,P3はそれぞれ第2主成分,第3主成分を
用いて画像を再構成する際に用いられる変換行列であ
る。式(2)により表される画素データは選択された主成
分次元だけを用いるように式(4)から(6)のいずれかの変
換行列を用いる。第1主成分だけを用いて画像を再構成
するときにはi = 1となり,式(4)の変換行列が用いられ
る。第2主成分まで用いるならば式(5),第3主成分ま
でを用いるならば式(6)に示す変換行列がそれぞれ用い
られる。
ための主成分の次元を決定する方法は主成分分析手段2
での演算結果である画像の主成分データ200の累積寄
与率を算出し、この累積寄与率が予め設定された累積寄
与率を越えた次元までを選択する。この累積寄与率はも
との画像データの情報をどの程度表現しているかを表す
指標である。
1で入力された画像データ100はまず主成分分析手段
2により主成分が演算され,その結果として画像の主成
分データ200が算出される。この主成分データ200
はディジタル値からの1次結合として算出される。補正
画像は主成分次元の選択手段3により累積寄与率を用い
て定められた上位の主成分だけを用いて画像再構成手段
4でディジタル値へと変換され,画像データ400が再
構成される。
説明する。上位の主成分は本来画像の有している情報を
記述している変数であり,以上のように,上位の主成分
だけを用いて画像を再構成するようにしているので,下
位の主成分に多く含まれているノイズを除去することが
できる。除去するのはノイズ成分だけであり,本来画像
の持つエッジなどの信号は保持されるので,鮮鋭性を損
なうことなくノイズを除去することが可能となり画質を
改善することができる。
成に使用する主成分の次元を決定しなければならない。
しかしこの際,効果的にノイズ成分を除去するために
は,削減する主成分をどのように決定するかが重要であ
る。第3主成分までを用いて画像を再構成するとノイズ
除去の効果は皆無となる。第1主成分のみを使って低次
元近似を行った場合,ノイズ除去効果は高くなるが,低
次元近似による情報損失も大きくなり,両者はトレード
オフの関係となる。本実施の形態においては累積寄与率
を用いて画像再構成に使用する主成分の次元を決定する
ことにより,経験によらず自動的に本手法を適用してノ
イズを除去できる。
画像全体に対して主成分分析を実行するようにしたもの
であるが,次に画像を空間的に領域分割した後に本手法
を適用する実施の形態を示す。
割の例を示している。H画素×V画素からなる入力画像
は,任意の大きさh画素×v画素の小領域に分割され
る。分割された小領域に対してそれぞれ個別に実施の形
態1に示す手法を適用する。
正対象の画像を空間的に領域分割する。次に分割された
各領域毎に主成分分析を適用し,実施の形態1と同様に
ノイズと見なす下位の主成分を削除する。最後に上位の
成分を用いて各領域毎に画像データを再構成する。
処理する時,画像劣化は画像の位置に依存せずに一様に
劣化しているとの仮定に基づいて行われる。しかしなが
ら,実際には画像入力装置のレンズ系における周辺光量
の低下などの理由により,画像の位置により劣化の程度
は異なっている。このような場合にも画像を空間的な小
領域に分割し,各々の領域毎に適用しているため本実施
の形態により画質を改善することができる。
間的に画像を分割したものであるが,画像を画像データ
の深さ方向すなわちディジタル値空間で分割し,分割さ
れた各々の領域毎に適用してもよい。
方向における領域分割して画質を改善する装置の概略を
示す構成図である。図4において,1は画像データを入
力する画像入力手段,5は画像入力手段1で入力された
画像データをディジタル値方向に小領域に分割する領域
分割手段、6は領域分割手段5で分割された小領域毎に
画像データの主成分を演算する領域毎主成分分析手段,
7は領域毎主成分分析手段6で分析された主成分データ
を基に画像の再構成に用いる主成分次元数の選択をする
領域毎主成分次元選択手段,4は領域毎主成分次元選択
手段7で選択された主成分次元数から画像データを再構
成する画像再構成手段である。
質を改善する手順は次のとおりである。まず画像入力手
段1で入力された画質補正対象の画像データに対して領
域分割手段5でディジタル値空間において領域分割を行
う。次に,領域毎主成分分析手段6で各々の領域におい
て主成分分析を適用した後,領域毎主成分次元選択手段
7で各々の領域においてノイズを除去する。最後に,画
像再構成手段4により主成分データから画像を再構成す
る。なお、領域毎主成分次元選択手段7で各々の領域に
おけるノイズを除去する方法は実施の形態1で述べた方
法と同様である。
った領域分割を用いた主成分分析の模式図である。横軸
はRデータ,縦軸はGデータであり,黒点は画素データ
である。画像には人物や背景などの様々な物体が含まれ
ているため,画素データはRG平面で物体毎にいくつか
の集合をなすように分布する。図5では例として2つの
集合が示されている。これらの集合をディジタル値空間
において異なる領域として分割し,各々の領域において
主成分分析を適用した結果として得られた主成分が図中
に示されている。領域1における第1主成分がP11,第
2主成分がP12であり,領域2における第1主成分がP
21,第2主成分がP22である。
に対しても同様にディジタル値空間において領域分割を
行うことができる。カラー画像の領域分割には様々な手
法が用いられているが,ここではディジタルRGB値に
基づいて入力画像をRed,Green,Blue,Skin,Gray,Bl
ackの6つの色カテゴリへ領域分割し,その後,各カテ
ゴリにおいて主成分分析を行う例を挙げる。
B値から次式によりopq値へと変換して行われる。
Bディジタル値空間の単位面と同一平面内にあり,単位
面の重心を原点として直交している。o軸はRGB空間
の原点と単位面の重心を通っている。このopq座標系
を用いた領域分割は以下の手順で行われる。まず原点か
ら単位面の各辺への垂線を境界としてRed,Green,Blue
の領域を決定する。また,単位面の重心,即ち原点を中
心とした半径rg内の領域をGray領域とし,Gray領域内で
o≦Kthとなる領域をBlack領域とする。最後に,予め統
計的に定められた肌色領域を近似する確率楕円内の領域
をSkin領域とする。以上の手法により,入力画像は6つ
の色カテゴリへと領域分割される。図6は,このような
場合の,ディジタル値方向における領域分割の説明図で
ある。図7はディジタル値空間において分割された領域
の例を示している。
割を用いた場合の手順を説明している図である。まず,
入力された画像データが上記手法により図示のようにS
個の領域に分割される。次に,分割された各々の領域に
おいて主成分分析を行い,続いてノイズ成分を削除して
画像を再構成する。最後に,各領域を統合して補正画像
を得る。
画像には多くの被写体が含まれているが,画像データ全
体に対して主成分分析を行うのではなく,小領域に分割
した後に行う方がより低次元で元の情報を表すことがで
きる。低次元で近似できることは,すなわちノイズ除去
の効果が高いことを意味している。
軸とみなすことができる。この赤軸からずれているほど
ノイズである可能性が高くなる。
は,画像の有する統計的性質や,画像中の被写体の形状
などの特徴量を用いることにより適応的に領域分割を行
うことが可能となり,ノイズ除去の効果を向上させるこ
とが可能となる。
の形態3の構成図と同様である。前記実施の形態3で
は、領域分割手段5は入力画像データをディジタル値方
向に小領域に分割したが、実施の形態4では画像の有す
る統計的性質や,画像中の被写体の形状などの特徴量を
用いて小領域に分割する
ような場合の,形状を考慮した領域分割の手順である。
まず画像入力手段1で画像データを入力する(S1)。
次に入力された画質補正対象の画像データに対して領域
分割手段5で形状等に着目して小領域に領域分割を行う
(S2)。続いて,領域毎主成分分析手段6で各々の領
域において主成分分析を適用し(S3)た後,領域毎主
成分次元選択手段7で各々の領域においてノイズを除去
する(S4)。最後に,画像再構成手段4により選択さ
れた主成分だけを用いて画像を再構成する(S5)。
データからエッジ検出オペレータを作用させることによ
り画像のエッジを抽出し,抽出されたエッジで作られる
閉領域を一つの領域とするなどの手法を用いる。これを
画像全体に対して適用し,必要に応じて孤立点除去等の
処理を行う。
る。テクスチャは閉領域における統計的性質に基づいて
判別することができ,領域分割に際して同一の統計的性
質を有する領域は同一のテクスチャを有する領域として
空間的に隣接していなくても同一領域として分類する。
図10は,このような場合の,形状を考慮した行われた
領域分割の例である。
徴を用いることにより領域分割の精度を向上させること
ができるため,画質を改善することが可能となる。
タを構成している3つのディジタル値を用いて領域分割
を行ったが,所定の手段を用いてディジタル値空間から
色空間へ変換し,この色空間において画像を分割する方
法について説明する。
を示す構成図である。図11において,1は画像データ
を入力する画像入力手段,8は入力画像データを所定の
手法により色空間へと変換する色空間変換手段、5は変
換された色空間において領域分割を行い小領域に分割す
る領域分割手段、6は領域分割手段5で分割された小領
域毎に画像データの主成分を演算する領域毎主成分分析
手段,7は領域毎主成分分析手段6で分析された主成分
データを基に画像の再構成に用いる主成分次元数の選択
をする領域毎主成分次元選択手段,9はディジタル値空
間に変換するディジタル値空間変換手段、4は領域毎主
成分次元選択手段7で選択され、ディジタル値空間変換
手段9によりディジタル値に変換された主成分次元数か
ら画像データを再構成する画像再構成手段である。
のような場合の,色空間への変換手順を示している。こ
こでは色空間として三刺激値XYZ空間を考える。三刺
激値XYZは国際照明委員会によって定められた表色の
ための空間である。まず画像データを構成しているR,
G,Bのディジタル値から,式(12)に示されるモニタの
特性式を用いて各原色の発光輝度LR,LG,LBを算出
する。式(12)において,kr1,kg1,kb1はディジタル値
と発光輝度とを近似する曲線の回帰係数である。続いて
式(13)に示される加法混色モデルを用いて,各原色の発
光輝度から三刺激値X,Y,Zへ変換する。式(13)にお
いて,m11からm33までの係数はモニタの原色の三刺激
値から決定される係数である。
換は,式(12)および(13)に示される通り,画像表示装置
の赤,緑,青の各原色の三刺激値と,各原色におけるデ
ィジタル値に対する発光輝度との関係から定式化するこ
とができる。必要に応じて,数式によらずルックアップ
テーブルを用いてディジタル値から三刺激値への変換を
行ってもよい。
値は画像装置の駆動信号であるため,色情報を直接与え
るものではなく,そのためのパラメータにすぎない。三
刺激値は色を表すための変数であるため,三刺激値を用
いることにより人間の視覚に基づいた領域分割を行うこ
とができる。このため,人間の視覚に合致するように画
質を改善することが可能となる。
て,分割された各々の領域において個別に決定するか,
あるいは一様に決定するかを選択できるように構成して
もよい。図13は,このような場合の,画像再構成に用
いる主成分次元を各領域毎に決定する手段の構成図であ
る。
る画像入力手段,5は画像入力手段1で入力された画像
データを小領域に分割する領域分割手段、6は領域分割
手段5で分割された小領域毎に画像データの主成分を演
算する領域毎主成分分析手段,10は画像データ全体に
同一の主成分次元を用いるか、領域毎に主成分次元を選
択するか切替える主成分次元選択切替手段、7は領域毎
主成分分析手段6で分析された主成分データを基に画像
の再構成に用いる主成分次元数を領域毎に選択する領域
毎主成分次元選択手段,11は画像データ全体に用いる
同一の主成分次元数を選択する一括主成分次元選択手
段,4は領域毎主成分次元選択手段7又は一括主成分次
元選択手段11で選択された主成分次元数から画像デー
タを再構成する画像再構成手段である。
積寄与率を算出し、オペレータにより入力されるか,あ
るいは予め設定された累積寄与率の閾値と比較し,閾値
を越えたところまでの主成分次元を用いる。
常に様々な情報が含まれており,領域分割を行ったとし
ても各々の領域毎に信号成分とノイズ成分の存在比率は
異なる。したがって領域毎に再構成のための主成分次元
を決定することにより,画像に適応したノイズ除去がで
きるようになり画質が改善される。一括して主成分次元
を決定する場合には、領域毎に主成分次元を決定する必
要がなく簡易に主成分次元を決定することができる。一
括して主成分次元を決定する場合においても領域分割を
行うことにより画質を改善することができる。
とノイズ成分とに分離し,ノイズ成分だけを除去してい
る。このためこの方法により信号は劣化しないため,本
方法を他の画質改善の前処理あるいは後処理として作用
させることにより画質を改善することが可能となる。図
14は,このような場合の,本方法を前処理として適用
している手順である。
入力する(S1)。入力された画像データに対して主成
分分析を行い(S3),画像の再構成に用いる主成分次
元数を選択する(S4)。選択された主成分だけを用い
てノイズを除去して画像を再構成する(S5)。その
後,エッジ強調処理を適用する(S6)。
像では,ノイズ混入とともに画像の鮮鋭性も損なわれて
いるため,ノイズ除去と鮮鋭化の両立が望まれる。しか
し,従来の手法ではノイズを除去するために鮮鋭性が劣
化し,本来の鮮鋭性劣化と相乗して著しく鮮鋭性を損な
っていた。これを改善するためには強度のエッジ強調処
理が必要である。本手法では,ノイズ除去に伴う鮮鋭性
の低下が発生しないため,本手法を適用した後にエッジ
強調を行うことで,ノイズが強調されることなく画質を
改善することが可能となる。
際には,領域分割が適切に行われなければならない。特
に,ランダムドット状のノイズが混入しているときに
は,それを信号と見なすかノイズと見なすかが画質改善
結果に影響を及ぼす。本画質改善方法では,領域分割に
際してのみ劣化画像に対して平滑化処理等を行っても,
実際のノイズ除去は本手法によれば鮮鋭性を劣化させな
い。図15は,このような場合の,領域分割のために平
滑化処理を行う装置の概略を示す構成図である。
る画像入力手段,12は画像入力手段1で入力された画
像データの劣化画像に対して平滑化処理を行う平滑化処
理手段、13は平滑化された画像データに対して前記実
施の形態のいずれかの手法で領域分割を行う領域分割手
段、14は領域分割手段13で分割された各画素位置に
おける領域をラベリングし、記憶するラベリング手段、
6は領域分割手段13で分割された小領域毎にラベリン
グ手段14で処理されたラベリンを基に画像入力手段1
で入力された画像データの主成分を演算する領域毎主成
分分析手段,7は領域毎主成分分析手段6で分析された
主成分データを基に画像の再構成に用いる主成分次元数
の選択をする領域毎主成分次元選択手段,4は領域毎主
成分次元選択手段7で選択された主成分次元数から画像
データを再構成する画像再構成手段である。
化画像に対して平滑化処理を行う。平滑化された画像デ
ータに対して前記実施の形態のいずれかの手法で領域分
割を行い,各画素位置における領域を記憶する。同じ領
域として分割された平滑化前の画像データから領域の属
する画素の集合を作成し,各々の集合毎に主成分分析を
適用する。
手法では鮮鋭性を劣化させないという特徴を活かし,領
域分割のためだけに平滑化処理を行う。その結果,ラン
ダムドット状のノイズに影響されることなく,適切な領
域分割が可能となり,ノイズを除去することができる。
態8に記載の画質改善方法を反復して適用することによ
りノイズ除去の効果を高めることができる。図16は,
このような場合の,反復して本方法を適用する際の手順
である。
入力する(S1)。入力された画像データに対して主成
分分析を行い(S3),画像の再構成に用いる主成分次
元数を選択する(S4)。選択された主成分だけを用い
てノイズを除去して画像を再構成する(S5)。この
(S5)の結果を新たな入力画像と見なして,本画質改
善方法を反復して実行する。このとき,反復毎に領域分
割の方法を代えてもよい。この反復は予め設定された評
価値を満たすまで繰り返される。評価値としては原画像
と補正画像の平均二乗誤差や,累積寄与率などを用いて
もよい。なお、画質改善方法は実施の形態1から実施の
形態8の方法を適用する。
一般的にRGBの3次元データであり,この画像の主成
分は同様に3次元まで算出される。したがって,ノイズ
を除去するには第1主成分を用いるか,あるいは第2主
成分までを用いるかして画像を再構成する。しかし,混
入されているノイズが複雑に作用しているならば,1回
だけ本方法を適用してもノイズを十分に除去できない場
合がある。このような場合には,本方法を反復して適用
することでノイズ除去の効果を高めることができる。反
復して本方法を適用しても,本方法は鮮鋭性を劣化させ
ない。
び請求項10記載の画質改善方法及び画質改善装置によ
れば、画像データを信号成分とノイズ成分とに分離し,
本来画像の有している情報を記述している変数である上
位の主成分だけを用いて画像を再構成するようにしてい
るので,下位の主成分に多く含まれているノイズを除去
することができる。除去するのはノイズ成分だけであ
り,本来画像の持つエッジなどの信号は保持されるの
で,鮮鋭性を損なうことなくノイズを除去することが可
能となり画質を改善することができる。
いため,エッジ強調処理などの他の画像処理方法と本方
法とを併用することに弊害は生じない。
般的に画像処理する画像データは画像の位置により劣化
の程度は異なっている。このような場合にも画像を小領
域に分割し,各々の領域毎に適用しているため画質改善
の効果が更に向上する。
般的に画像処理する画像データは画像入力装置のレンズ
系における周辺光量の低下などの理由により,画像の位
置により劣化の程度は異なっている。このような場合に
も画像を空間的な小領域に分割し,各々の領域毎に適用
しているため画質改善の効果が更に向上する。
般的に,画像には多くの被写体が含まれているが,画像
データ全体に対して主成分分析を行うのではなく,小領
域に分割した後に行う方がより低次元で元の情報を表す
ことができる。低次元で近似できることは,すなわちノ
イズ除去の効果が高いことを意味している。
ば、領域分割に形状等の特徴を用いることにより領域分
割の精度を向上させることができるため,画質改善の効
果が更に向上する。
ば、ディジタル値は画像装置の駆動信号であるため,色
情報を直接与えるものではなく,そのためのパラメータ
にすぎない。三刺激値は色を表すための変数であるた
め,三刺激値を用いることにより人間の視覚に基づいた
領域分割を行うことができる。このため,人間の視覚に
合致するように画質を改善することが可能となる。
ば、画像の再構成に使用する主成分の次元を決定に累積
寄与率を用いて画像再構成に使用する主成分の次元を決
定することにより,経験によらず自動的に本手法を適用
してノイズを除去できる。
は、画像には非常に様々な情報が含まれており,領域分
割を行ったとしても各々の領域毎に信号成分とノイズ成
分の存在比率は異なる。したがって領域毎に再構成のた
めの主成分次元を決定することにより,領域毎の画像に
適応したノイズ除去ができるようになり画質が改善され
る。
鮮鋭性を劣化させないという特徴を活かし,領域分割の
ためだけに平滑化処理を行う。その結果,ランダムドッ
ト状のノイズに影響されることなく,適切な領域分割が
可能となり,ノイズを除去することができる。
ズを除去するので画像の内容に適応した画質改善を行う
ことができる。
たディジタル値と主成分との関係を表す説明図。
割例を示す説明図。
向に領域分割する手順を示す説明図。
分分析の模式図。
図。
を示す説明図。
を示す説明図。
割を用いた手順を示す説明図。
分割例の説明図。
ら変換した色空間における領域分割の手順を示す説明
図。
ら色空間への変換手順を示す説明図。
主成分次元を各領域毎に決定する概略構成図。
処理に適用する手順を示す説明図。
理を行う手法の手順を示す説明図。
して適用する際の手順を示す説明図。
元選択手段,4:画像再構成手段、5:領域分割手段、
6:領域毎主成分分析手段,7:領域毎主成分次元選択
手段, 8:色空間変換手段、9:ディジタル値空間
変換手段、10:主成分次元選択切替手段、11:一括
主成分次元選択手段,12:平滑化処理手段、13:領
域分割手段、14:ラベリング手段、100:画像デー
タ、200:主成分データ、300:主成分次元数、4
00:画像データ。
Claims (10)
- 【請求項1】 n次元データで構成されるディジタル画
像のノイズを除去し、画像を再構成する画質改善方法に
おいて,n次元データで構成されるディジタル画像に対
して主成分分析を適用し、前記主成分分析の結果得られ
た第1から第nまでの主成分により画像を記述する主成
分分析工程と,第1から第nまでの主成分から第m主成
分(m≦n)までを選択する主成分次元選択工程と、こ
の選択結果により第m主成分までを用いて画像を再構成
する画像再構成工程とを有することを特徴とする画質改
善方法。 - 【請求項2】 再構成される画像の画像データを小領域
に分割する分割工程と、分割された各々の小領域毎にn
次元データで構成されるディジタル画像に対して主成分
分析を適用し、前記主成分分析の結果得られた第1から
第nまでの主成分により画像を記述する主成分分析工程
と,第1から第nまでの主成分から第m主成分(m≦
n)までを選択する主成分次元選択工程と、この選択結
果により第m主成分までを用いて画像を再構成する画像
再構成工程とを有することを特徴とする画質改善方法。 - 【請求項3】 分割工程は再構成される画像の画像デー
タをh画素×v画素からなる空間的な小領域に分割する
ことを特徴とする請求項2に記載の画質改善方法。 - 【請求項4】 分割工程は再構成される画像の画像デー
タを画素値の量子化方向に関して小領域に分割すること
を特徴とする請求項2に記載の画質改善方法。 - 【請求項5】 分割工程は再構成される画像における画
像データの統計的または形状等の特徴量に基づいて小領
域に分割することを特徴とする請求項2に記載の画質改
善方法。 - 【請求項6】 分割工程は再構成される画像の画像デー
タを記述しているディジタル値空間から,三刺激値など
により構成される色空間へ変換し、変換後の色空間の画
像を小領域に分割することを特徴とする請求項2に記載
の画質改善方法。 - 【請求項7】 主成分の次元を決定する主成分次元選択
工程は主成分分析により得られる累積寄与率を計算し、
累積寄与率に基づいて画像再構成のための主成分次元を
決定することを特徴とする請求項1から請求項5に何れ
かに記載の画質改善方法。 - 【請求項8】 主成分の次元を決定する主成分次元選択
工程は、分割された各々の領域において個別に決定する
か,または一様に決定するかを選択する工程を有するこ
とを特徴とする請求項6に記載の画質改善方法。 - 【請求項9】 再構成される画像の画像データを小領域
に分割する工程は、画質改善対象の画像データに対して
平滑化処理を行う補助工程と,前記平滑化された画像に
対して領域分割を行う工程と,前記領域分割の結果を保
持する補助工程とを有し,主成分分析工程は前記平滑化
された画像から得られた分割領域毎に前記画像データを
主成分分析することを特徴とする請求項2から請求項8
の何れかに記載の画質改善方法。 - 【請求項10】 n次元データで構成されるディジタル
画像のノイズを除去し、画像を再構成する画質改善装置
において,n次元データで構成されるディジタル画像に
対して主成分分析を適用し、前記主成分分析の結果得ら
れた第1から第nまでの主成分により画像を記述する主
成分分析手段と,第1から第nまでの主成分から第m主
成分(m≦n)までを選択する主成分次元選択手段と、
この選択結果により第m主成分までを用いて画像を再構
成する画像再構成手段とを有することを特徴とする画質
改善装置。
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