JP2000162744A

JP2000162744A - レンズ付きフイルムユニット

Info

Publication number: JP2000162744A
Application number: JP10340352A
Authority: JP
Inventors: Taku Tobioka; 卓飛岡; Takayuki Kuriyama; 隆之栗山
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1998-11-30
Filing date: 1998-11-30
Publication date: 2000-06-16

Abstract

(57)【要約】【目的】レンズ付きフイルムユニット本体内部への異
物の侵入を防止する。【構成】レンズ付きフイルムユニット２は、ユニット
本体３とその外周面を帯状に覆うラベル４とからなる。
ユニット本体３の外周面には、ファインダ対物開口１１
や、フイルムカウンタ表示開口１９等が設けられてい
る。これらの開口に対応して、ラベル４にも開口４ａ
と、窓部４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅが設けられている。ラ
ベル４は、文字や模様が印刷されて表面を形成する紙製
の外装層とプラスチックの透明シート３１が層設された
ものからなり、裏面に粘着剤を塗布してユニット本体３
に貼り付けられる。前記窓部４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ
は、外装層が除去されて透明シート３１のみで構成され
ている。ファインダ対物開口１１等はこの透明シート３
１で覆われるので、外部からの異物の侵入が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ付きフイル
ムユニットに関するものであり、詳しくは、レンズ付き
フイルムユニットの本体外周面を覆う外装体の改良に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】低価格で手軽に写真撮影を楽しむことが
できるように、本出願人よりレンズ付きフイルムユニッ
ト（以下、フイルムユニットという。）が市販されてい
る。フイルムユニットは、簡単な撮影機構を組み込んだ
ユニット本体に予め未露光の写真フイルムを内蔵したも
ので、購入したその場ですぐに写真撮影ができ、また撮
影後にもそのまま現像取扱い店に出せばよいという簡便
性から一般に広く利用されている。特に、海や山などの
いわゆるアウトドアレジャーにおいても、その低価格、
簡便性から広く利用されるようになってきている。

【０００３】一方、資源節約と産業廃棄物を減らすため
に、フイルムユニットのリサイクルが積極的に進められ
ている。フイルムユニットのリサイクルを行う前提とし
て、使用済みのフイルムユニットの本体構成部品が良好
な状態で維持されていることが必要である。このため、
フイルムユニットには、フイルムユニット本体外周面を
外装体によって保護されているものがある。この外装体
は、いわゆるラベルシールと呼ばれ、本体保護機能を有
する他、外観を綺麗にするために用いられる。

【０００４】フイルムユニット本体は、一般に、プラス
チック成形され、その本体外周面には、本体内部に組み
込まれたファインダレンズや、フイルムカウンタ表示等
を本体外部に露呈させるための露呈開口の他、成形上又
は機能上の必要から外部への露呈を要しない各種の非露
呈開口が設けられている。

【０００５】ラベルシールは、一般に、表面に化粧用の
印刷を施した紙製の外装層を、ユニット本体形状に合わ
せて裁断し、前記露呈開口に対応する位置に窓部が設け
られる。そして、このラベルシールの裏面には、本体接
着用の粘着剤が塗布されて、本体外周面に貼り付けられ
る。

【０００６】フイルムユニットは、このラベルシールが
貼り付けられることによって、その外観に化粧が施され
る。同時に、外部に露呈させる必要がない非露呈開口部
分を覆うことにより、該開口部分から本体内部へ水、
砂、埃等の異物の侵入を防いでいる。この結果、使用済
みのフイルムユニットは、その本体構成部品の損傷が少
なくなり、良好な状態が維持され、リサイクル性が向上
することになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のラベル
シールに設けられた窓部は、単なる開口で形成されてい
るので、ファインダレンズやフイルムカウンタ等は、直
接外部に露出されたままである。フイルムユニットが、
前述のように海や山などで用いられることも多いことを
考えた場合、水や、砂、埃等の本体外部からの異物の侵
入への対策がより重要になる。このような問題を解決す
るため、従来は、例えば、フイルムユニット本体全体を
覆う防水カバーなどが考案されている。

【０００８】しかしながら、このような防水カバーは、
防水対策も本格的であり、そこまでの性能を要求しない
場合には、コストも高く、フイルムユニットの特徴の１
つである低価格に反する面がある。また、本体を防水カ
バーで覆うことにより、外形サイズも大型化することに
もなる。

【０００９】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、コストの大幅な上昇及び外形サイズの大
型化を招くことなく、本体構成部品のリサイクル適性の
高いレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的
とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、本体内部
に組み込まれたファインダレンズや、フイルムカウンタ
表示等を本体外部へ露呈するために、本体外周面に設け
られる露呈開口を有するレンズ付きフイルムユニット本
体と、少なくとも本体外周面の一部を覆い、前記露呈開
口に対応する位置に窓部を有する外装体とからなるレン
ズ付きフイルムユニットにおいて、前記外装体は、文字
や柄などの印刷が施される外装層と、可視光線を透過可
能な透明シートとが層設され、その裏面に、本体外周面
と接着するための剥離可能な、粘着剤が塗布された外装
シートであって、前記窓部は、前記外装層が除去されて
いることを特徴とするものである。また、この外装層が
除去された窓部は、粘着剤も塗布されていないことを特
徴とするものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】図２は、本発明のレンズ付きフイ
ルムユニットを示すものである。フイルムユニット２
は、ユニット本体３と外装用のラベル４とから構成され
る。ユニット本体３は、主にプラスチックで形成され、
簡単な撮影機構や未露光の写真フイルムが組み込まれた
本体基部（図示せず）と、これを前後から覆う前カバー
５及び後ろカバー６から構成される。ラベル４は、ユニ
ット本体３の中央部を帯状に覆っている。

【００１２】ラベル４で覆われたユニット本体３前面の
中央部には、隆起部９が設けられており、その中央に
は、撮影レンズ７を外部に露呈させる撮影レンズ開口８
が設けられている。そして、その上方に、ファインダ対
物レンズ１１を外部に露呈させる露呈開口であるファイ
ンダ対物開口１２、その横に、ストロボ発光部１３を外
部に露呈させる発光部開口１４、及びストロボ充電スイ
ッチ１６が設けられている。

【００１３】ユニット本体３の上面には、ストロボ充電
完了表示ランプ１７を露呈させるランプ表示開口１８、
フイルムカウンタ表示板１９を外部に露呈させるカウン
タ開口２１及びシャッタボタン２２が設けられている。
また、ユニット本体３の背面には、巻上げノブ２３と、
図示しないが、ファインダ接眼レンズを外部に露呈させ
るファインダ接眼開口が設けられている。

【００１４】図１に示すように、ラベル４が剥がされた
ユニット本体３中央部の本体外周面には、前述の外部へ
露呈させる必要がある露呈開口の他、プラスチック成形
上必要な開口２６及び開口２７や、本体基部取り付け用
の爪を設ける開口２８等、外部へ露呈させる必要のない
各種の非露呈開口が設けられている。

【００１５】ラベル４は、この非露呈開口を塞ぐことに
より、ユニット本体３内部へ、水、砂、埃等の異物が侵
入することを防いでいる。また、ラベル４表面に文字、
模様などを印刷することにより、外観デザインを向上さ
せている。

【００１６】他方、ラベル４には、ユニット本体３外部
へ露呈させる必要がある部分、すなわち、撮影レンズ開
口８を含む隆起部９、ファインダ対物開口１２、カウン
タ開口２１、ランプ表示開口１８、背面のファインダ接
眼開口（図示せず）のそれぞれに対応する位置に、隆起
部開口４ａ、ファインダ対物窓部４ｂ、カウンタ窓部４
ｃ、ランプ表示窓部４ｄ、ファインダ接眼窓部４ｅが設
けられている。

【００１７】これらの内、隆起部開口４ａ以外の、ファ
インダ対物窓部４ｂ、カウンタ窓部４ｃ、ランプ窓部４
ｄ、ファインダ接眼窓部４ｅには、各窓部に透明シート
３１が設けられている。この透明シート３１によって、
ファインダ対物レンズ１１や、フイルムカウンタ表示板
１９等の外部に露呈される部分が覆われる。これによ
り、各部分は、直接外部に露呈されることがなくなり、
傷や、指紋等の汚れから保護される。同時に、これらユ
ニット本体内部に設けられる各部材と、前カバー５又は
後ろカバー６との隙間から、水、砂、埃等の異物がユニ
ット本体内部へ侵入するのを防いでいる。

【００１８】このラベル４は、図３に示すように、表面
に模様や文字等の印刷が施される紙製の外装層３２と、
可視光線を透過させるプラスチック製の透明シート３１
と、この透明シート３１の裏面に塗布された剥離可能な
粘着剤３３とからなる。ファインダ対物窓部４ｂは、当
該部分に対応する外装層３２が切り取られ、粘着剤３３
も塗布されておらず、透明シート３１のみからなる。カ
ウンタ窓部４ｃ、ランプ表示窓部４ｄ、ファインダ接眼
窓部４ｅについても、ファインダ対物窓部４ｂと同様
に、透明シート３１のみによって構成される。

【００１９】ラベル４は、粘着剤３３によって、ユニッ
ト本体３の外周面に接着される。リサイクル時には、ラ
ベル４が剥がされて、ラベル４、ユニット本体３ともに
再利用が行われる。

【００２０】上記構成による作用について説明する。フ
イルムユニット２の組立工程において、撮影機構及び未
露光の写真フイルムが組み込まれたユニット本体３は、
ラベル４の貼付け工程に移送される。

【００２１】ラベル４は、外装層３２と透明シート３１
を層設したシート材を所定の形状に裁断し、窓部４ｂ、
４ｃ、４ｄ、４ｅに対応する外装層を除去した後、この
窓部４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ以外の透明シート３１の裏
面に粘着剤３３を塗布して形成される。貼り付け工程で
は、このラベル４がユニット本体３中央部に帯状に貼り
付けられる。ラベル４が貼り付けられて完成したフイル
ムユニット２は、包装工程に送られて出荷準備が行われ
る。

【００２２】透明シート３１は、外装層３２とともに層
設されているから、ラベル４を貼り付けるだけで、フイ
ルムユニット２に設けられる。このため、別の部材を組
み付けたりする等の工程が追加されることはない。ま
た、透明シート３１を付加することによって、ユニット
本体３の外形サイズが大きくなることもない。

【００２３】撮影者は、フイルムユニット２を用いて撮
影を行う。この使用時において、ファインダ対物開口１
２、ファインダ接眼開口（図示せず）、ランプ表示開口
１８、カウンタ開口２１は、透明シート３１によって覆
われているから、これらの開口から水、砂、埃等の異物
が侵入することを防ぐことができる。

【００２４】全てのコマの撮影が終了した時に、フイル
ムユニット２ごと現像取扱い店に持ってゆきＤＰＥを依
頼する。撮影済のフイルムユニット２は、現像取扱い店
から更に現像所に集められ、ここでユニット本体３から
露光済の写真フイルムが取り出される。ユニット本体３
から取り出された写真フイルムはフイルム現像及びプリ
ント処理が施され、できあがったプリント写真が現像取
扱い店を通して撮影者の手元に渡される。一方、写真フ
イルムが取り出された後のフイルムユニット２はメーカ
ーによって現像所から回収され、再利用のための分解工
程に回される。

【００２５】フイルムユニット２の分解工程では、まず
ユニット本体３からラベル４が取り外される。ユニット
本体３は、付着物の洗浄を行って、分解工程に移送さ
れ、部品ごとに分解される。この時、フイルムユニット
２は、ラベル４によってユニット本体３の外部からの異
物の侵入が少なくなっているから、部品の損傷が少な
く、再使用が可能な本体構成部品が多くなる。

【００２６】これら再使用可能な本体構成部品は、製造
工程に供給されて製品の一部として用いられる。また、
部品としてそのまま使用できないものはペレット化して
再溶融され、原材料として利用される。また、ユニット
本体３から分離されたラベル４も再溶融され、再生紙と
してリサイクルされる。

【００２７】上記実施例においては、ラベルの外装層を
紙製として説明したが、例えば、プラスチック等を使用
してもよい。また、透明シートは、透明度が５０％程度
のものでもよい。さらに、外装層と透明シートの２層構
造で説明したが、２層以上で構成しても構わないし、透
明シートを最上層にする等、各層の順序を入れ替えても
よい。

【００２８】また、上記実施形態においては、ラベルの
窓部の裏面に粘着剤が塗布されていない例で説明した
が、視認性が確保できるものであれば、窓部の裏面に粘
着剤が塗布されてあるものでもよい。

【００２９】上記実施形態における外装体は、ユニット
本体中央部の外周面を帯状に覆う形状のものであるが、
中央部以外を覆うものでもよく、例えば、ストロボ発光
部が露呈される発光部開口まで外装体で覆う形状とし、
発光部開口を透明シートで覆うようにしてもよい。この
ように、透明シートで覆う開口の数については、上記実
施形態と同じでなくてもよく、少なくとも、１つの開口
に実施していればよい。

【００３０】

【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
は、フイルムユニット本体外周面に設けられるファイン
ダレンズ等を外部に露呈させる開口を、外装体を構成す
る透明シートで覆ったから、ユニット本体内部に外部か
ら砂、水、埃等の異物が侵入することを防ぐことができ
る。このため、本体構成部品が使用中の損傷から保護さ
れて、フイルムユニットのリサイクル適性が向上するこ
とになる。特に、海や、山等で使用される場合、異物の
量が多いと考えられ、特に、その効用を発揮することが
期待できる。また、これにより、製品の機能保証面の対
策としての効果も期待できる。

【００３１】さらに、透明シートを外装体に層設して設
けたから、本体の外形サイズの大型化、及びコストアッ
プを控えたまま、リサイクル適性を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ユニット本体とラベルを分離した状態を示す説
明図である。

【図２】本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観斜
視図である。

【図３】ユニット本体に貼り付けたラベルの断面図であ
る。

【符号の説明】

２レンズ付きフイルムユニット３ユニット本体４ラベル４ｂファインダ対物窓部４ｃカウンタ窓部４ｄランプ表示窓部４ｅファインダ接眼窓部３１透明シート３２外装層３３粘着剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】本体内部に組み込まれたファインダレン
ズや、フイルムカウンタ表示等を本体外部へ露呈するた
めに、本体外周面に設けられる露呈開口を有するレンズ
付きフイルムユニット本体と、少なくとも本体外周面の
一部を覆い、前記露呈開口に対応する位置に窓部を有す
る外装体とからなるレンズ付きフイルムユニットにおい
て、前記外装体は、文字や柄などの印刷が施される外装層
と、可視光線を透過可能な透明シートとが層設され、そ
の裏面に、本体外周面と接着するための剥離可能な、粘
着剤が塗布された外装シートであって、前記窓部は、前
記外装層が除去されていることを特徴とするレンズ付き
フイルムユニット。
【請求項２】前記外装層が除去された窓部は、粘着剤
も塗布されていないことを特徴とする請求項１記載のレ
ンズ付きフイルムユニット。