JP2000162480A - 多層スロット型光ケ―ブル - Google Patents

多層スロット型光ケ―ブル

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JP2000162480A
JP2000162480A JP11219945A JP21994599A JP2000162480A JP 2000162480 A JP2000162480 A JP 2000162480A JP 11219945 A JP11219945 A JP 11219945A JP 21994599 A JP21994599 A JP 21994599A JP 2000162480 A JP2000162480 A JP 2000162480A
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幸昭 神部
Masayuki Tanaka
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Yoshiyuki Kamata
良行 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層スロット型光ケーブルの光伝送特性の信
頼性を高める。 【解決手段】 内層スロット1の外側に押え巻テープ8
aを螺旋状に巻回形成し、その外側に引き裂き紐6を内
層スロット1の長手方向に沿って真っ直ぐに配設する。
その外側に上記引き裂き紐6を押さえるようにして押え
巻テープ8bを螺旋状に巻回する。押え巻テープ8bの
外側に外層スロット2を押し出し成型技術により形成す
る。押え巻テープ8aは外層スロット2を押し出し成型
する際に溶融状態の外層スロット2の材料が侵透しない
材質により形成する。押え巻テープ8bは外層スロット
2との密着性が高い不織布により形成する。外層スロッ
ト2の光ファイバ心線収容溝4の形状崩れを防止でき、
光ファイバ心線収容溝4内の光ファイバ心線の光伝送損
失の増加を抑制できる。引き裂き紐6によって容易に外
層スロット2を引き裂くことができて端末処理の作業効
率が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバ心線を収
容するための内層スロット(内層スペーサ)の外側に光
ファイバ心線を収容するための外層スロット(外層スペ
ーサ)が設けられている多層スロット型光ケーブルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図9には本出願人等が開発している多層
スロット型光ケーブルの一例が断面により示されてい
る。この多層スロット型光ケーブルは内層スロット1の
外側に外層スロット2が形成されており、その外層スロ
ット2の外側は被覆部材3により被覆されている。
【0003】上記内層スロット1および外層スロット2
の各外周部分にはそれぞれ光ファイバ心線(図示せず)
を収容するための光ファイバ心線収容溝4が複数本形成
されている。また、上記内層スロット1の中心部には光
ファイバ心線を保護するための鋼線等の抗張力体5が設
けられている。
【0004】上記内層スロット1と外層スロット2の間
には光ケーブルの長手方向に沿って引き裂き紐6が設け
られている。この引き裂き紐6は光ケーブルの敷設工事
等で光ケーブルの端末処理を行うときに、光ケーブルの
端部の外層スロット2および被覆部材3を引き裂くため
のものである。
【0005】上記多層スロット型光ケーブルは次に示す
ようにして製造される。例えば、まず、光ファイバ心線
収容溝4が形成された内層スロット1を押し出し成型技
術等を利用して形成する。次に、内層スロット1の光フ
ァイバ心線収容溝4に光ファイバ心線を収容し、この光
ファイバ心線を収容した内層スロット1に引き裂き紐6
を長手方向に沿って添わせ、該内層スロット1を芯材と
してその外側に外層スロット2を押し出し成型技術によ
り形成する。そして、外層スロット2の光ファイバ心線
収容溝4に光ファイバ心線を収容した後に、外層スロッ
ト2の外側に被覆部材3を施して多層スロット型光ケー
ブルが完成する。
【0006】上記図9に示すような多層スロット型光ケ
ーブルは、光ファイバ心線を収容するためのスロットが
二重構造となっているので、光ケーブル内に収容できる
光ファイバ心線の数を増大させることが容易であるとい
う効果を奏することができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の多層スロット型光ケーブルでは次に示すような様々
な問題が生じる。
【0008】例えば、内層スロット1の外側に直接的に
外層スロット2を押し出し成型するので、その押し出し
成型時に、溶融状態の外層スロット2の材料(例えば、
ポリエチレン(密度約0.91〜0.95g/cm
等の樹脂)が内層スロット1の光ファイバ心線収容溝4
内に入り込み、このことに起因して外層スロット2の光
ファイバ心線収容溝4の形状が崩れてしまう場合があ
る。また、外層スロット2は内層スロット1に対して滑
り易く、外層スロット2が滑って光ファイバ心線収容溝
4の形状が崩れてしまう場合もある。
【0009】これらのように、光ファイバ心線収容溝4
の形状が崩れてしまうと、その光ファイバ心線収容溝4
に収容される光ファイバ心線の光伝送損失が増加する等
の問題が生じる。このために、光ケーブルにおける光伝
送特性の信頼性が低下してしまうことがある。また、光
ケーブル毎に光伝送特性が異なり、光ケーブルの伝送特
性がばらついてしまうという問題発生の虞もある。
【0010】さらに、上記図9に示す多層スロット型光
ケーブルでは、内層スロット1の外側に直接的に引き裂
き紐6を添えるので、引き裂き紐6が内層スロット1の
光ファイバ心線収容溝4内に入り込んで弛んでしまうこ
とがある。また、外層スロット2を押し出し成型する際
に、溶融状態の外層スロット2の材料の流れによって、
引き裂き紐6が捻れたり、弛んでしまうことがある。
【0011】上記のように、引き裂き紐6が弛んだり、
捻れてしまい、光ケーブルの長手方向に沿って真っ直ぐ
に引き裂き紐6が配設されていない場合には、引き裂き
紐6を利用して外層スロット2を容易に引き裂くことが
できず、光ケーブルの敷設工事等での光ケーブル端末処
理の作業効率を悪化させてしまうという問題が生じる。
【0012】さらにまた、外層スロット2の押し出し成
型時に、内層スロット1の光ファイバ心線収容溝4から
光ファイバ心線が出てしまい、製造上の不都合が生じて
しまう。
【0013】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その第1の目的は、外層スロットの押し
出し成型時に、内層スロットの光ファイバ心線収容溝か
ら光ファイバ心線が出てしまうのを防止することであ
り、第2の目的は、外層スロットの光ファイバ心線収容
溝の形状崩れを防止して光ケーブルの光伝送特性の信頼
性を向上させることであり、第3の目的は、引き裂き紐
を確実に光ケーブルの長手方向に真っ直ぐに配設し、光
ケーブルの敷設工事時等における端末処理の作業効率を
向上させることが可能な多層スロット型光ケーブルを提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、第1の発明は、光ファイ
バ心線を収容する光ファイバ心線収容溝が形成された内
層スロットを芯材としてその外側に光ファイバ心線を収
容する溝が形成された外層スロットが押し出し成型技術
により形成されている多層スロット型光ケーブルであっ
て、上記内層スロットには光ファイバ心線を押えるため
の押え巻テープが螺旋状に巻回されており、この押え巻
テープが巻回された内層スロットの外側に外層スロット
が形成されている構成をもって前記課題を解決する手段
としている。
【0015】第2の発明は、上記第1の発明を構成する
押え巻テープは、外層スロットを押し出し成型する際
に、溶融状態の外層スロットの材料が侵透しない材質に
よって形成されていることを特徴として構成されてい
る。
【0016】第3の発明は、上記第1又は第2の発明を
構成する押え巻テープの外層スロットに接触する側の面
を、外層スロットとの密着性を向上させる材質により形
成された面と凹凸形状の面との少なくとも一方の面とし
たことを特徴として構成されている。
【0017】第4の発明は、上記第1又は第2又は第3
の発明の構成に加えて、押え巻テープと内層スロットと
の間には、押え巻テープおよび外層スロットを引き裂く
ための引き裂き紐と、該引き裂き紐が内層スロットの光
ファイバ心線収容溝に落ち込むのを防止するための引き
裂き紐落ち込み防止層とが設けられていることを特徴と
して構成されている。
【0018】第5の発明は、上記第1の発明の構成を備
え、内層スロットに押え巻テープが2本以上巻回されて
いる構成と成し、それら押え巻テープのうちの少なくと
も1本は外層スロットを押し出し成型する際に溶融状態
の外層スロットの材料が侵透しない材質によって形成さ
れていることを特徴として構成されている。
【0019】第6の発明は、上記第5の発明の構成を備
え、外層スロットに接触する押え巻テープは外層スロッ
ト側の面を、外層スロットとの密着性を向上させる材質
により形成された面と凹凸形状の面との少なくとも一方
の面としたことを特徴として構成されている。
【0020】第7の発明は、上記第5又は第6の発明の
構成に加えて、外層スロットを引き裂くための引き裂き
紐が内層スロットの長手方向に沿って押え巻テープ間に
挟み込まれた形態で1本以上設けられていることを特徴
として構成されている。
【0021】第8の発明は、上記第1〜第7の発明のい
ずれか1つの発明の構成に加えて、押え巻テープの外側
には外層スロットとの密着性を向上させるための密着向
上層が設けられていることを特徴として構成されてい
る。
【0022】第9の発明は、上記第1〜第8の発明のい
ずれか1つの発明の構成に加えて、外層スロットにおけ
る隣り合う光ファイバ心線収容溝間のリブ部は、該リブ
部のヤング率に断面積を積算した値が2Kg以上かつ35
00Kg以下の範囲内と成し、かつ、外層スロットの光フ
ァイバ心線収容溝が形成されている肉薄部分の厚みが
0.1mm以上かつ3.0mm以下の範囲内であることを特
徴として構成されている。
【0023】上記構成の発明において、例えば、内層ス
ロットの光ファイバ心線収容溝に光ファイバ心線を収容
し、その外側に押え巻テープを螺旋状に巻回し、さら
に、その押え巻テープが施された内層スロットを芯材と
してその外側に外層スロットを押し出し成型技術により
形成する。
【0024】上記押え巻テープを、外層スロットの押し
出し成型時に溶融状態の外層スロットの材料が侵透しな
い材質によって形成した場合には、溶融状態の外層スロ
ットの材料が内層スロット側に侵透せず、つまり、内層
スロットの光ファイバ心線収容溝に溶融状態の外層スロ
ットの材料が入り込むのを防止できる。このことによっ
て、内層スロット側への材料入り込みに起因した外層ス
ロットの光ファイバ心線収容溝の形状崩れを防止でき
る。
【0025】また、外層スロットに接触する押え巻テー
プの面を、外層スロットとの密着性を向上させる材質に
より形成した面と、凹凸形状の面との少なくとも一方の
面としたり、外層スロットと押え巻テープとの間に外層
スロットとの密着性を向上させる密着向上層を介在させ
ることによって、外層スロットは押え巻テープ又は密着
向上層に密着し、外層スロットが滑って外層スロットの
光ファイバ心線収容溝の形状が崩れるという問題が回避
される。上記のように、光ファイバ心線収容溝の形状崩
れを防止できるので、該溝に収容される光ファイバ心線
の光伝送特性の悪化が回避され、多層スロット型光ケー
ブルの光伝送特性に対する信頼性を向上させることが可
能となる。
【0026】さらに、引き裂き紐を内層スロットに長手
方向に沿って真っ直ぐに配設し押え巻テープで押え込ん
だ状態にしてから、外層スロットを押し出し成型する構
成とした場合には、外層スロットの押し出し成型時に、
引き裂き紐が捻れたり、弛むことは無く、外層スロット
を押し出し成型した後も、引き裂き紐は、確実に、内層
スロット(光ケーブル)の長手方向に沿って真っ直ぐに
配設されている。このことによって、光ケーブルの敷設
時等で光ケーブル端末処理を行う際に、引き裂き紐を利
用して容易に外層スロットを引き裂くことができ、作業
効率の向上が図れる。
【0027】さらにまた、押え巻テープによって、内層
スロットの光ファイバ心線収容溝に光ファイバ心線は押
えられていることから、外層スロットの押し出し成型時
に、内層スロットの光ファイバ心線収容溝から光ファイ
バ心線が出てしまうという問題は防止される。以上のよ
うに、前記課題は解決される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づき説明する。
【0029】図1には第1の実施形態例において特徴的
な多層スロット型光ケーブルが断面により示されてい
る。なお、この第1の実施形態例の説明において、前記
図9に示した多層スロット型光ケーブルと同一構成部分
には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略す
る。
【0030】この第1の実施形態例では、図1および図
2に示される如く、内層スロット1の外側に押え巻テー
プ8aが螺旋状に巻回形成されている。この押え巻テー
プ8aの外側には内層スロット1の長手方向に沿って引
き裂き紐6が真っ直ぐに配設されており、この状態で引
き裂き紐6を押えるようにして、その外側に押え巻テー
プ8bが螺旋状に巻回形成されている。この押え巻テー
プ8a,8bが巻回形成された内層スロット1を芯材と
してその外側に外層スロット2が押し出し成型技術によ
り形成されている。
【0031】この第1の実施形態例では、上記内側の押
え巻テープ8aは、外層スロット2を押し出し成型する
際に、溶融状態の外層スロット2の材料(例えばポリエ
チレン等の樹脂)が侵透しない材質(例えば、PET
(ポリエチレンテレフタラート)等の樹脂)によって構
成されている。この押え巻テープ8aを内層スロット1
に巻回する際には、巻回するテープの一部分が1巻回前
に巻回されたテープの一部分に重なるように巻回されて
いる。
【0032】上記外側の押え巻テープ8bは不織布によ
り形成されたテープである。この不織布は外層スロット
2の材料との密着性を向上させることができる材質で形
成されているものである。このように、押え巻テープ8
bを上記不織布により形成することによって、外層スロ
ット2に接触する側の押え巻テープ8bの面が外層スロ
ット2との密着性を向上させることができる材質で形成
された面と成し、かつ、外層スロット2に接触する側の
面が凹凸形状(布目形状)と成している。
【0033】さらに、この第1の実施形態例では、引き
裂き紐6は、該引き裂き紐6よりも外側の押え巻テープ
8bと外層スロット2と被覆部材3とを容易に引き裂く
ことができる強度を持つように、その材質や太さ等が設
定されて形成されており、例えば、引き裂き紐6は炭素
繊維である、ケブラー(商標名)により形成される。さ
らに、この第1の実施形態例では、図1に示すように、
外層スロット2の外側にも、光ファイバ心線を押えるた
めの押え巻テープ9が螺旋状に巻回形成されており、そ
の外側に被覆部材3が設けられている。
【0034】この第1の実施形態例によれば、上記の如
く、内層スロット1の外側に押え巻テープ8a,8bを
螺旋状に巻回形成し、この押え巻テープ8a,8bが巻
回形成された内層スロット1を芯材としてその外側に外
層スロット2を押し出し形成する構成を備えたので、外
層スロット2の押し出し成型時に、内層スロット1の光
ファイバ心線収容溝4から光ファイバ心線が出てしまう
という問題を防止することができる。
【0035】また、上記内側の押え巻テープ8aは、外
層スロット2の押し出し成型時に、溶融状態の外層スロ
ット2の材質が侵透しない材質によって形成されている
ので、溶融状態の外層スロット2の材料が内層スロット
1の光ファイバ心線収容溝4内に入り込むのを阻止する
ことができ、このことによって、外層スロット2の材料
の入り込みに起因した外層スロット2の光ファイバ心線
収容溝4の形状崩れの問題発生を防止することができ
る。
【0036】さらに、上記外側の押え巻テープ8bは外
層スロット2に接触する面が外層スロット2の材料と密
着し易い材質の面であり、かつ、凹凸形状(布目形状)
の面となっているので、押え巻テープ8bの材質によっ
て外層スロット2との密着性が高められる上に、外層ス
ロット2を押し出し成型する際に、溶融状態の外層スロ
ット2の材料が上記押え巻テープ8bの凹凸形状面の凹
部(布目形状の布目)内に入り込んで、さらに、外層ス
ロット2の密着性を向上させることとなる。このように
押え巻テープ8bと外層スロット2との密着性は高いこ
とから、外層スロット2が押え巻テープ8bに対して滑
るということは無く、外層スロット2の滑りに起因した
外層スロット2の光ファイバ心線収容溝4の形状崩れの
問題発生を回避することができる。
【0037】上記のように、外層スロット2の材料の入
り込みに起因した外層スロット2の光ファイバ心線収容
溝4の形状崩れと、外層スロット2の滑りに起因した光
ファイバ心線収容溝4の形状の崩れとを両方とも防止す
ることができるので、光ファイバ心線収容溝4の形状崩
れの問題発生を確実に回避することができる。このこと
によって、光ファイバ心線の光伝送特性の悪化を防止す
ることができ、光伝送特性の信頼性が高い多層スロット
型光ケーブルを提供することができる。
【0038】さらに、押え巻テープ8aの外側に引き裂
き紐6が設けられているので、引き裂き紐6が内層スロ
ット1の光ファイバ心線収容溝4に落ち込んで弛んでし
まうという問題を防止できる。さらにまた、引き裂き紐
6は押え巻テープ8aと押え巻テープ8bとに挟み込ま
れているので、外層スロット2の押し出し成型時に、引
き裂き紐6が捻れたり、弛むのを防止することができ
る。上記のように、引き裂き紐6の捻れや弛みを防止で
きるので、引き裂き紐6は必ず光ケーブルの長手方向に
沿って真っ直ぐに配設され、このことにより、引き裂き
紐6を用いて容易に外層スロット2等を引き裂くことが
できる。このことから、光ケーブルの敷設工事等におけ
る光ケーブルの端末処理の作業効率を高めることができ
る。
【0039】以下に、第2の実施形態例を説明する。図
3には第2の実施形態例において特徴的な多層スロット
型光ケーブルが断面により示されている。なお、この第
2の実施形態例の説明において、前記図9に示す多層ス
ロット型光ケーブルの構成部分と同一構成部分には同一
符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0040】この第2の実施形態例では、図3に示すよ
うに、内層スロット1の外側に引き裂き紐落ち込み防止
層10が形成されている。その引き裂き紐落ち込み防止
層10の外側に引き裂き紐6が内層スロット1の長手方
向に沿って真っ直ぐに配設され、この状態で引き裂き紐
6を押えるように押え巻テープ8が螺旋状に巻回形成さ
れている。この押え巻テープ8の外側に外層スロット2
が押し出し成型技術により形成されている。さらに、こ
の第2の実施形態例では、外層スロット2の外側にも、
光ファイバ心線を押えるための押え巻テープ9が螺旋状
に巻回形成されており、その外側に被覆部材3が設けら
れる。
【0041】上記引き裂き紐落ち込み防止層10は引き
裂き紐6が内層スロット1の光ファイバ心線収容溝4に
落ち込むのを防止するためのものであり、例えば、図4
に示すように、内層スロット1の外側に複数の糸を螺旋
状に巻回して引き裂き紐落ち込み防止層10を形成する
ことができる。上記複数の例えばナイロン製の糸は束ね
られていないものであり、容易にばらすことができる。
以下、それら複数の糸をまとめてばら糸11と記す。
【0042】この第2の実施形態例では、押え巻テープ
8は複数の層が積層されて成る多層構造であり、それら
複数の層のうちの少なくとも1層は、外層スロット2を
押し出し成型する際に、溶融状態の外層スロット2の材
料が侵透しない材質(例えば、PET等の樹脂)により
形成されている。また、外層スロット2に接触する押え
巻テープ8の最外層は前記第1の実施形態例に示した不
織布により形成されており、外層スロット2との密着性
を高めることができるものである。
【0043】この第2の実施形態例によれば、前述した
ように、内層スロット1の外側に引き裂き紐落ち込み防
止層10を設け、この引き裂き紐落ち込み防止層10の
外側に引き裂き紐6を設けるので、引き裂き紐6が内層
スロット1の光ファイバ心線収容溝4に落ち込んで引き
裂き紐6が弛むという問題を防止することができる。ま
た、引き裂き紐6は、内層スロット1の長手方向に沿っ
て真っ直ぐに配設された後に、その状態のまま、押え巻
テープ8によって押えられ、この押え巻テープ8の外側
に外層スロット2を押し出し成型する構成であるので、
外層スロット2の押し出し成型時に、引き裂き紐6が捻
れたり、弛むという問題が回避される。上記のように引
き裂き紐6の捻れや弛みを確実に回避できるので、前記
した如く、光ケーブル敷設時におけるケーブル端末処理
の作業効率を高めることができる。
【0044】さらに、押え巻テープ8は多層構造と成
し、押え巻テープ8を構成する複数の層のうちの少なく
とも1層は、外層スロット2の押し出し成型時に、溶融
状態の外層スロット2の材料が侵透しない材質により構
成されているので、前記したように、溶融状態の外層ス
ロット2の材料が内層スロット1の光ファイバ心線収容
溝4内に入り込むのを防止することができ、このことに
よって、外層スロット2の光ファイバ心線収容溝4の形
状が崩れるという問題を回避することができる。
【0045】さらに、押え巻テープ8の最外層は不織布
により形成されているので、外層スロット2に接触する
面は外層スロット2の材料に密着し易い材質で形成され
た面と成し、かつ、凹凸形状の面と成すこととなるの
で、前記第1の実施形態例で述べたように、外層スロッ
ト2と押え巻テープ8の密着性は非常に高く、外層スロ
ット2が押え巻テープ8に対して滑るのを確実に防止す
ることができる。このことによって、外層スロット2の
滑りに起因した外層スロット2の光ファイバ心線収容溝
4の形状崩れを回避することができる。
【0046】上記の如く、光ファイバ心線収容溝4の形
状崩れを確実に回避できるので、光ファイバ心線の光伝
送特性の悪化を回避することができ、光伝送特性の信頼
性が高い多層スロット型光ケーブルを提供することがで
きる。
【0047】以下に、第3の実施形態例を説明する。こ
の第3の実施形態例の多層スロット型光ケーブルは前記
第1の実施形態例の多層スロット型光ケーブルとほぼ同
様な構成を持つが、第3の実施形態例が上記第1の実施
形態例と異なる特徴的なことは、外側の押え巻テープ8
bを不織布により形成するのに代えて、押え巻テープ8
bをPET等の樹脂により形成し、図5に示すように、
その押え巻テープ8bの外側に密着向上層12を設けた
ことである。なお、この第3の実施形態例の説明におい
て、前記第1の実施形態例と共通する部分の重複説明は
省略する。
【0048】上記密着向上層12は外層スロット2の密
着性を向上させるものであり、例えば、図6に示す如
く、押え巻テープ8の外側に前記ばら糸11を螺旋状に
巻回して密着向上層12を形成する。このように、押え
巻テープ8の外側にばら糸11を巻回することによっ
て、外層スロット2が接触する部分は凹凸形状と成し、
外層スロット2を押し出し成型する際に、溶融状態の外
層スロット2の材料が上記凹凸形状の凹部(つまり、糸
と糸との間の隙間(溝))に入り込んで、外層スロット
2の密着性を向上させることができる。
【0049】この第3の実施形態例によれば、押え巻テ
ープ8bの外側に密着向上層12を設けたので、押え巻
テープ8bの外層スロット2側の面を外層スロット2と
の密着性を向上させる材質の面や凹凸形状の面に形成す
ることなく、外層スロット2の密着性を向上させること
ができる。このことにより、押え巻テープ8bを構成す
る材質の選択自由度を高めることができる。
【0050】もちろん、この第3の実施形態例において
も、前記第1の実施形態例で述べたような、外層スロッ
ト2の光ファイバ心線収容溝4の形状崩れの問題発生を
防止することができ、このことによって、光伝送特性の
信頼性が高い多層スロット型光ケーブルを提供できると
いう効果や、引き裂き紐6を確実に内層スロット1の長
手方向に沿って真っ直ぐに配設することができ、光ケー
ブルの端末処理作業の効率を高めることができるという
効果を奏することができるものである。
【0051】以下に、第4の実施形態例を説明する。こ
の第4の実施形態例は前記第2の実施形態例とほぼ同様
な構成を持つが、この第4の実施形態例が第2の実施形
態例と異なる特徴的なことは、押え巻テープ8を多層構
造に形成するのに代えて、押え巻テープ8は溶融状態の
外層スロット2の材料が侵透しない材質により形成され
た単層構造のテープと成し、この押え巻テープ8の上側
に密着向上層12を設けたことである。なお、この第4
の実施形態例の説明において、前記第2の実施形態例と
共通する部分の重複説明は省略する。
【0052】上記密着向上層12は前記第3の実施形態
例に示した密着向上層12と同様なものである。つま
り、密着向上層12は押え巻テープ8の外側に設けら
れ、外層スロット2との密着性を向上させるものであ
り、例えば、前記図6に示す如く、押え巻テープ8の外
側にばら糸11を螺旋状に巻回して密着向上層12を形
成する。
【0053】この第4の実施形態例によれば、押え巻テ
ープ8の外側に密着向上層12を設けたので、外層スロ
ット2との密着性を向上させるために前記第2の実施形
態例に示したような多層構造の押え巻テープ8を用いな
くて済み、単層構造の押え巻テープ8を用いることがで
きる。このことから、特殊な押え巻テープ8を用いない
分、多層スロット型光ケーブルの価格を安価に抑えるこ
とが容易となる。
【0054】以下に、第5の実施形態例を説明する。な
お、この第5の実施形態例の説明において、前記各実施
形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部
分の重複説明は省略する。
【0055】この第5の実施形態例において特徴的なこ
とは、外層スロット2の肉薄部分の厚み、つまり、図7
に示す光ファイバ心線収容溝4が形成されている肉薄部
分の厚みDが、0.1mm以上かつ3.0mm以下の範囲内
であり、かつ、外層スロット2における隣り合う光ファ
イバ心線収容溝4間のリブ部13は、該リブ部13の断
面積(図7に示す斜線領域の面積)Sにリブ部13のヤ
ング率を積算した値が2Kg以上かつ3500Kg以下の範
囲内であることである。それ以外の構成は前記各実施形
態例と同様である。
【0056】この第5の実施形態例では、上記のよう
に、外層スロット2の光ファイバ心線収容溝4が形成さ
れている肉薄部分の厚みDや、リブ部13の大きさを限
定することによって、次に示すような問題を回避するこ
とができる。
【0057】上記外層スロット2の厚みが厚かったり、
外層スロット2の剛性が強過ぎると、光ケーブルの端末
処理時等に、引き裂き紐6を用いて外層スロット2およ
び被覆部材3を引き裂くことが非常に困難であるという
問題が生じ、また、反対に、外層スロット2を薄くした
り、剛性を弱めると、光ケーブルに側圧が加えられたと
きに該側圧の悪影響が光ファイバ心線に及び易くなり、
側圧特性が劣化してしまうという問題が生じる。これに
対して、この第5の実施形態例では、上記外層スロット
2の肉薄部分の厚みDや、リブ部13の大きさを限定す
ることによって、上記引き裂き性および側圧特性を共に
良好にすることが可能となる。
【0058】上記引き裂き性および側圧特性を共に良好
にする外層スロット2の肉薄部分の厚みDや、リブ部1
3の大きさは、本発明者による実験から得ることができ
た。すなわち、本発明者は、上記外層スロット2のリブ
部13の幅Wやリブ部13の高さH、外層スロット2の
光ファイバ心線収容溝4が形成されている肉薄部分の厚
みD等を様々に変化させて、それら各外層スロット2の
引き裂き性および側圧特性を調べる実験を行った。
【0059】その実験の結果から、本発明者は、外層ス
ロット2の引き裂き性の向上を図ることができ、かつ、
外層スロット2の側圧特性の劣化を防止するためには、
外層スロット2の光ファイバ心線収容溝4が形成されて
いる肉薄部分の厚みを0.1mm以上かつ3.0mm以下の
範囲内とし、かつ、リブ部13の幅Wを0.5mm以上か
つ5.0mm以下の範囲内とし、かつ、リブ部13の高さ
Hを0.5mm以上かつ5.0mm以下の範囲内とすればよ
いことが分かった。
【0060】また、外層スロット2の構成材料として主
に用いられる低密度ポリエチレン(LDPE)のヤング
率は9.0〜30.0(Kg/mm)であり、また、高密
度ポリエチレン(HDPE)のヤング率は40.0〜1
26.0(Kg/mm)である。このような外層スロット
2のヤング率を考慮すると、引き裂き性および側圧特性
を共に良好にするためには、上記したように、上記外層
スロット2の肉薄部分の厚みDを、0.1mm以上かつ
3.0mm以下の範囲内とし、かつ、外層スロット2のリ
ブ部13は該リブ部13のヤング率にリブ部13の断面
積を積算した値が2Kg以上かつ3500Kg以下の範囲内
にすれば良いことが分かった。
【0061】この第5の実施形態例によれば、上記各実
施形態例と同様の構成を備えたので、上記各実施形態例
と同様の効果を得ることができる上に、上記のように、
外層スロット2の肉薄部分の厚みD及び外層スロット2
のリブ部13の大きさを限定することによって、外層ス
ロット2の引き裂き性を向上させることができ、しか
も、側圧特性の劣化を防止することができるという効果
を得ることが可能である。
【0062】なお、この発明は上記各実施形態例に限定
されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例
えば、上記各実施形態例では、引き裂き紐6は1本だけ
設けられていたが、引き裂き紐6は2本以上設けてもよ
い。引き裂き紐6を2本設ける場合には、例えば、図8
に示す如く、抗張力体5を挟んで互いに向かい合う位置
に設けるようにする。この図8に示すように2本の引き
裂き紐6を配設することにより、引き裂き紐6を利用し
て外層スロット2を半割り状に引き裂くことができ、光
ケーブルの端末処理の作業効率をより高めることが可能
となる。
【0063】このように、引き裂き紐6を複数本配設す
ることによって、光ケーブルの端末処理の作業効率をよ
り高めることが可能になるという効果を奏することがで
きる。また、引き裂き紐6以外の手段によって、外層ス
ロット2を引き裂くようにする場合には、上記引き裂き
紐6を設けなくてもよい。
【0064】さらに、上記各実施形態例では、内層スロ
ット1には5本の光ファイバ心線収容溝4が形成され、
外層スロット2には8本の光ファイバ心線収容溝4が形
成されていたが、内層スロット1や外層スロット2に形
成される光ファイバ心線収容溝4は数に限定されるもの
ではなく、内層スロット1に形成する光ファイバ心線収
容溝4の数は4本以下でもよいし、6本以上でもよい。
また、外層スロット2に形成される光ファイバ心線収容
溝4の数は7本以下でもよいし、9本以上でもよい。
【0065】さらに、上記第1の実施形態例では、内層
スロット1の外側に巻回形成される押え巻テープ8は2
本であったが、押え巻テープ8を3本以上内層スロット
1の外側に螺旋状に巻回してもよく、前記第1の実施形
態例と同様の効果を奏することができる。そのように押
え巻テープ8を3本以上設ける場合には、例えば、外層
スロット2に接触する最外の押え巻テープ8は前記不織
布テープとし、それ以外の押え巻テープ8のうちの少な
くとも1本はPETテープ等の、溶融状態の外層スロッ
ト2の材料が侵透しない材質のテープにする。なお、上
記のように押え巻テープ8を3本以上設ける場合にも、
引き裂き紐6は押え巻テープ8間に挟み込まれた形態で
設けられる。
【0066】さらに、上記第3の実施形態例に示した外
側の押え巻テープ8bは外層スロット2との密着性を向
上させるための前記したような特有な構成を備えていな
いものであり、また、第4の実施形態例に示した押え巻
テープ8の外層スロット2側の面も外層スロット2との
密着性を向上させるための特有な構成を備えていないも
のであったが、それら押え巻テープ8の外層スロット2
側の面を、外層スロット2との密着性を向上させるため
の前記したような特有な構成を備えた面とし、このよう
な面を持つ押え巻テープ8の外側に密着向上層12をさ
らに設けてもよい。
【0067】さらに、上記第1の実施形態例に示した外
側の押え巻テープ8bや、第2の実施形態例に示した多
層構造の押え巻テープ8の最外層は不織布により形成さ
れていた。つまり、外層スロット2との密着性を向上さ
せることができる材質で形成され、かつ、外層スロット
2側の面が凹凸形状と成しているものであったが、上記
押え巻テープ8bや、多層構造の押え巻テープ8の最外
層を、PET等の樹脂(外層スロット2との密着性が低
い材料)により形成し、その外層スロット2側の面を凹
凸形状に形成して外層スロット2との密着性を向上させ
るようにしてもよい。また、上記押え巻テープ8bや、
多層構造の押え巻テープ8の最外層における外層スロッ
ト2側の面を平坦に形成するけれども、密着性を向上さ
せるための材質により形成することで外層スロット2と
の密着性を向上させるようにしてもよい。
【0068】さらに、上記各実施形態例では、外層スロ
ット2との密着性を高める材質として不織布を用いてい
たが、不織布以外のものを外層スロット2との密着性を
高める材質として用いてもよい。さらに、上記各実施形
態例では、外層スロット2の外側に押え巻テープ9が巻
回されていたが、この押え巻テープ9は必要に応じ設け
られるものであり、省略してもよい。
【0069】さらに、上記各実施形態例では、外層スロ
ット2側の押え巻テープ8の面を、外層スロット2との
密着性を高める材質により形成されている面と凹凸形状
の面との少なくとも一方の面とするか、あるいは、押え
巻テープ8の外側に密着向上層12を設けるというよう
な、外層スロット2の密着性を向上させる手段が講じら
れていたが、例えば、外層スロット2が滑り難い材料に
よって形成されて外層スロット2の滑りに起因した外層
スロット2の光ファイバ心線収容溝4の形状崩れの問題
発生の心配が殆ど無いと想定される場合には、上記外層
スロット2の密着性を向上させる手段を講じなくてもよ
い。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、内層スロットの外側
に押え巻テープを螺旋状に巻回し、この押え巻テープを
巻回した内層スロットを芯材としてその外側に外層スロ
ットを押し出し成型技術により形成する構成としたの
で、外層スロットを押し出し成型する際に、内層スロッ
トの光ファイバ心線収容溝に収容された光ファイバ心線
は上記押え巻テープによって押えられ、光ファイバ心線
収容溝から光ファイバ心線が出てしまうという問題を防
止することができる。
【0071】外層スロットを押し出し成型する際に、溶
融状態の外層スロットの材料が侵透しない材質によって
押え巻テープが形成されているものにあっては、溶融状
態の外層スロットの材料が内層スロットの光ファイバ心
線収容溝に入り込むのを防止することができ、外層スロ
ットの材料の入り込みに起因した外層スロットの光ファ
イバ心線収容溝の形状崩れの問題発生を回避することが
できる。
【0072】また、押え巻テープの外層スロットに接触
する側の面を、外層スロットとの密着性を向上させる材
質により形成された面と、凹凸形状の面との少なくとも
一方の面としたものにあっては、押え巻テープと外層ス
ロットとの密着性が向上し、押え巻テープに対して外層
スロットが滑ってしまうのを確実に回避することができ
る。このために、外層スロットの滑りに起因した外層ス
ロットの光ファイバ心線収容溝の形状崩れの問題発生を
防止することができる。
【0073】上記のように、光ファイバ心線収容溝の形
状崩れを防止することができるので、光ケーブル内に収
容される光ファイバ心線の光伝送損失の増加は抑制さ
れ、このことに起因して光伝送特性の信頼性が高い多層
スロット型光ケーブルを提供することができる。
【0074】押え巻テープの外側に密着向上層を設けた
ものにあっては、外層スロットの密着性を向上させるこ
とができ、上記したように、外層スロットが滑ってしま
うのを防止することができ、外層スロットの光ファイバ
心線収容溝の形状の崩れを回避することができ、多層ス
ロット型光ケーブルの光伝送特性の信頼性を高めること
ができる。
【0075】内層スロットに押え巻テープが2本以上巻
回されている構成と成し、それら押え巻テープのうちの
少なくとも1本は、外層スロットの押し出し成型時に、
溶融状態の外層スロットの材料が侵透しない材質により
形成されているものにあっては、溶融状態の外層スロッ
トの材料が内層スロットの光ファイバ心線収容溝に入り
込むのを防止することができ、上述したように、外層ス
ロットの光ファイバ心線収容溝の形状の崩れを防止する
ことができ、光ケーブル内に収容される光ファイバ心線
の光伝送損失の増加を抑制することができる。
【0076】また、内層スロットに押え巻テープが2本
以上巻回されている構成と成し、外層スロットに接触す
る押え巻テープにおける外層スロット側の面を、外層ス
ロットとの密着性を向上させる材質により形成された面
と、凹凸形状の面との少なくとも一方の面としたものに
あっては、押え巻テープと外層スロットとの密着性が向
上し、押え巻テープに対して外層スロットが滑ってしま
うのを確実に回避することができる。このことにより、
前記した如く、外層スロットの光ファイバ心線収容溝の
形状の崩れを防止することができ、光ケーブル内に収容
される光ファイバ心線の光伝送損失の増加を抑制するこ
とができ、光伝送特性の信頼性の高い多層スロット型光
ケーブルを提供することができる。
【0077】内層スロットの外側に引き裂き紐落ち込み
防止層を形成し、その外側に引き裂き紐を配設し、さら
に、その外側に押え巻テープを螺旋状に巻回したもの
や、内層スロットの外側に押え巻テープを複数本螺旋状
に巻回し、それら押え巻テープ間に挟み込み形態で引き
裂き紐を配設するものにあっては、引き裂き紐が内層ス
ロットの光ファイバ心線収容溝に入り込むのを防止する
ことができ、前記したような引き裂き紐が内層スロット
の光ファイバ心線収容溝に入り込んで引き裂き紐が弛ん
でしまうという問題を確実に回避することができる。ま
た、外層スロットを押し出し成型する際に、引き裂き紐
が捻れたり、弛んでしまうという問題も防止することが
できる。
【0078】このように、引き裂き紐が弛んだり、捻れ
るのを確実に回避することができ、このことによって、
引き裂き紐を内層スロットの長手方向に沿って真っ直ぐ
に配設することができ、引き裂き紐を用いて外層スロッ
トを容易に引き裂くことができるようになる。このた
め、光ケーブルの敷設工事等で光ケーブルの端末処理を
行う際に、作業効率を向上させることが可能である。
【0079】外層スロットにおける隣り合う光ファイバ
心線収容溝間のリブ部は、該リブ部のヤング率に断面積
を積算した値が2Kg以上かつ3500Kg以下の範囲内と
成し、かつ、外層スロットの光ファイバ心線収容溝が形
成されている肉薄部分の厚みが0.1mm以上かつ3.0
mm以下の範囲内であるものにあっては、光ケーブルの側
圧特性の劣化を防止しつつ、光ケーブルの引き裂き性を
向上させることができ、光ケーブルの端末処理時等の作
業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例の多層スロット型光ケーブル
を断面により示す説明図である。
【図2】第1の実施形態例において特徴的な押え巻テー
プの巻回状態および引き裂き紐の配設状態の一例を示す
説明図である。
【図3】第2の実施形態例の多層スロット型光ケーブル
を断面により示す説明図である。
【図4】引き裂き紐落ち込み防止層の一例を示す説明図
である。
【図5】第3の実施形態例の多層スロット型光ケーブル
を断面により示す説明図である。
【図6】密着向上層の一例を示す説明図である。
【図7】第5の実施形態例を示す説明図である。
【図8】その他の実施形態例を示す説明図である。
【図9】本出願人が提案している多層スロット型光ケー
ブルの一例を断面により示す説明図である。
【符号の説明】
1 内層スロット 2 外層スロット 4 光ファイバ心線収容溝 6 引き裂き紐 8 押え巻テープ 10 引き裂き紐落ち込み防止層 11 ばら糸 12 密着向上層 13 リブ部
フロントページの続き (72)発明者 神部 幸昭 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 田中 雅之 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 鎌田 良行 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線を収容する光ファイバ心
    線収容溝が形成された内層スロットを芯材としてその外
    側に光ファイバ心線を収容する溝が形成された外層スロ
    ットが押し出し成型技術により形成されている多層スロ
    ット型光ケーブルであって、上記内層スロットには光フ
    ァイバ心線を押えるための押え巻テープが螺旋状に巻回
    されており、この押え巻テープが巻回された内層スロッ
    トの外側に外層スロットが形成されていることを特徴と
    する多層スロット型光ケーブル。
  2. 【請求項2】 押え巻テープは、外層スロットを押し出
    し成型する際に、溶融状態の外層スロットの材料が侵透
    しない材質によって形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の多層スロット型光ケーブル。
  3. 【請求項3】 押え巻テープの外層スロットに接触する
    側の面を、外層スロットとの密着性を向上させる材質に
    より形成された面と凹凸形状の面との少なくとも一方の
    面としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    多層スロット型光ケーブル。
  4. 【請求項4】 押え巻テープと内層スロットとの間に
    は、押え巻テープおよび外層スロットを引き裂くための
    引き裂き紐と、該引き裂き紐が内層スロットの光ファイ
    バ心線収容溝に落ち込むのを防止するための引き裂き紐
    落ち込み防止層とが設けられていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2又は請求項3記載の多層スロット型
    光ケーブル。
  5. 【請求項5】 内層スロットに押え巻テープが2本以上
    巻回されている構成と成し、それら押え巻テープのうち
    の少なくとも1本は外層スロットを押し出し成型する際
    に溶融状態の外層スロットの材料が侵透しない材質によ
    って形成されていることを特徴とする請求項1記載の多
    層スロット型光ケーブル。
  6. 【請求項6】 外層スロットに接触する押え巻テープは
    外層スロット側の面を、外層スロットとの密着性を向上
    させる材質により形成された面と凹凸形状の面との少な
    くとも一方の面としたことを特徴とする請求項5記載の
    多層スロット型光ケーブル。
  7. 【請求項7】 外層スロットを引き裂くための引き裂き
    紐が内層スロットの長手方向に沿って押え巻テープ間に
    挟み込まれた形態で1本以上設けられていることを特徴
    とする請求項5又は請求項6記載の多層スロット型光ケ
    ーブル。
  8. 【請求項8】 押え巻テープの外側には外層スロットと
    の密着性を向上させるための密着向上層が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つ
    に記載の多層スロット型光ケーブル。
  9. 【請求項9】 外層スロットにおける隣り合う光ファイ
    バ心線収容溝間のリブ部は、該リブ部のヤング率に断面
    積を積算した値が2Kg以上かつ3500Kg以下の範囲内
    と成し、かつ、外層スロットの光ファイバ心線収容溝が
    形成されている肉薄部分の厚みが0.1mm以上かつ3.
    0mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項8の何れか1つに記載の多層スロット型光ケーブ
    ル。
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