JP2000162453A - アレイ導波路回折格子の製造方法 - Google Patents

アレイ導波路回折格子の製造方法

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JP2000162453A
JP2000162453A JP33352598A JP33352598A JP2000162453A JP 2000162453 A JP2000162453 A JP 2000162453A JP 33352598 A JP33352598 A JP 33352598A JP 33352598 A JP33352598 A JP 33352598A JP 2000162453 A JP2000162453 A JP 2000162453A
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photoresist
mask material
diffraction grating
arrayed waveguide
electron beam
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Yutaka Urino
豊 賣野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アレイ導波路回折格子において、トリミング
後は電力を必要とせず、素子の小型化・低価格化が可能
であり、かつ、トリミングの偏光依存性の小さい光路長
調整方法を提供する。 【解決手段】石英系アレイ導波路回折格子におけるアレ
イ導波路2上に形成されている上層クラディング3上に
紫外線を透過しないマスク材4を成膜し、各アレイ導波
路2上のマスク材4を各アレイ導波路2毎に付与したい
光路長に応じた長さだけ除去して窓4aを形成し、窓4
aを通して各アレイ導波路2に紫外線6を照射し、紫外
線照射部分7の屈折率を上昇させることにより光路長を
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アレイ導波路回折
格子の製造方法に関し、特に、石英系アレイ導波路回折
格子のアレイ導波路の光路長を調整することができる製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、1本の光ファイバ中に多数の異な
る波長の光信号を多重化して伝送する波長多重通信が実
用化されつつある。この種の通信システムでは、光をそ
の波長によって合波又は分波する光合分波器が重要な要
素の一つとなっている。
【0003】この光合分波器としては、従来からバルク
の回折格子や誘電体多層膜等が知られているが、これら
は、(1)選択波長の設定が難しい、(2)製造工程が
複雑であるため高価である、(3)損失が大きい等の欠
点があり、多数の波長を合分波する波長多重通信へ適用
することは困難であった。
【0004】そこで、近年、例えば、1996年電子情
報学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集
1、C−3、162頁に掲載されているアレイ導波路回
折格子が注目されている。
【0005】図4はアレイ導波路回折格子の一例を示す
平面図である。
【0006】このアレイ導波路回折格子は、複数の入力
導波路41、入力導波路41と結合されている入力側ス
ラブ導波路42、入力側スラブ導波路42の反対端に取
り付けられた多数の導波路よりなるアレイ導波路43、
アレイ導波路43の他端に取り付けられた出力側スラブ
導波路44、スラブ導波路44の他端に取り付けられた
複数の出力導波路45よりなる。
【0007】入力導波路41から入射した光信号は入力
側スラブ導波路42に入射し、多数の導波路よりなるア
レイ導波路43に等位相で入射する。
【0008】アレイ導波路43の入力端、入力導波路4
1の出力端はそれぞれ一つの円の円周上に配置されてお
り、アレイ導波路43の入力端が配置される円の半径は
入力導波路41の出力端が配置される円の半径の2倍で
あり、アレイ導波路43の入力端が配置される円の中心
は入力導波路41の出力端が配置される円の円周上に配
置されている。
【0009】アレイ導波路43を構成する各導波路は等
間隔の位相差を付与するように調整されており、アレイ
導波路43の他端には出力側スラブ導波路44が配置さ
れている。
【0010】アレイ導波路43、出力側スラブ導波路4
4、出力導波路45の配置は入力側と同様である。すな
わち、アレイ導波路43の出力端、出力導波路45の入
力端はそれぞれ一つの円の円周上に配置されており、ア
レイ導波路43の出力端が配置される円の半径は出力導
波路45の入力端が配置される円の半径の2倍であり、
アレイ導波路43の出力端が配置される円の中心は出力
導波路45の入力端が配置される円の円周上に配置され
ている。
【0011】アレイ導波路回折格子の性能指標の一つ
に、選択すべき波長の光のパワーに対する他の波長の光
のパワーの比として定義され、チャンネル間の信号の洩
れを表すクロストークがある。高品位の通信を実現する
ためには、低いクロストークの実現が必要である。低い
クロストークを実現するためには、アレイ導波路43の
光路長(長さと屈折率との積)を波長の1/10程度の
精度で制御する必要があり、そのためには、光路長の正
確な測定とその測定結果に基づく光路長の調整(トリミ
ング)が必要になる。
【0012】アレイ導波路43の光路長の測定方法とし
ては、K.Takada,H.Yamada,Y.In
oue,“Optical Low Coherenc
eMethod for Characterizin
g Silica−Based Arrayed−Wa
veguide",Journal of Light
wave Technology,Vol.14,N
o.7,1677頁、1966に記載されているマッハ
ツェンダ干渉系とフーリエ変換分光法を用いた方法が知
られている。
【0013】一方、光路長のトリミングの方法として
は、例えば、1995年電子情報通信学会総合大会講演
論文集C−253に記載されているように、各アレイ導
波路にヒーターを設置して熱光学効果により屈折率を調
整する方法や、1996年電子情報通信学会エレクトロ
ニクスソサエティ大会講演論文集C−162に記載され
ているように、各アレイ導波路にa−Si膜を装荷し、
このa−Si膜をトリミングする方法などが知られてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の光路長調整方法には以下のような問題がある。
【0015】先ず、前者のヒーターで屈折率を調整する
方法によれば、常時ヒーターを駆動する必要があるた
め、膨大な消費電力が必要である。さらに、アレイ導波
路間で熱の分離をするために、アレイ導波路間の間隔を
大きくとる必要があり、素子の大型化を避けることがで
きない。 また、後者のa−Si膜をトリミングする方
法によれば、光路長の変化に偏光依存性が出やすく、T
E・TM両方の偏光を同時に調整することが困難であ
る。
【0016】これらの欠点を解決するため、例えば、特
開平5−157920号公報には、偏波依存性を改良し
たアレイ導波路回折格子が開示されている。このアレイ
導波路回折格子には、複屈折率B1を有し、かつ、光路
長Lのチャンネル導波路からなるアレイ導波路上に、複
屈折率B1を複屈折率B2に変化させる応力付与部が装
荷されている。
【0017】また、特開平5−323246号公報に
は、光路長を等価的に変えることができる位相制御器を
備えたアレイ導波路回折格子が開示されている。
【0018】特開平7−333446号公報には、アレ
イ導波路作成時の屈折率変動により誘起されるチャネル
導波路における位相変化量の誤差を低減することができ
るアレイ導波路回折格子型光合分波器が開示されてい
る。この光合分波器においては、熱光学位相シフター
が、各チャネル導波路での位相変化量の誤差が一定にな
るように、各チャネル導波路の位相を個別に制御してい
る。
【0019】特開平9−73018号公報には、製造段
階で生じる中心波長のずれを補正することができる光波
長合分波器が開示されている。
【0020】特開平9−288205号公報には、グレ
ーティング特性を制御することができる光導波路グレー
ティングの製造方法が開示されている。この製造方法に
よれば、コアが酸化ゲルマニウム添加石英ガラスからな
る光ファイバに所定の間隔のスリットを有するマスクを
介して紫外線を照射し、グレーティングが形成される。
この後、グレーティングに紫外線を照射することによ
り、コアの実効屈折率を変化させ、これによって、グレ
ーティングの阻止帯域の中心波長を調整する。
【0021】しかしながら、上記の公報に記載された各
アレイ導波路回折格子又は光号分波器によっても、光路
長の変化に偏光依存性が出やすいという欠点は十分に解
決されていない。さらに、場合によっては、光路長の調
整を行うために素子の大型化を招くという欠点を内包し
ている。
【0022】本発明は、このような従来の装置又は方法
における問題点に鑑みてなされたものであり、素子を大
型化することなく、偏光依存性の小さい光路長調整方法
を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明のうち、請求項1は、石英系アレイ導波路回
折格子の少なくとも各アレイ導波路の部分の上層クラデ
ィング上に紫外線を透過しないマスク材を成膜する第1
の過程と、各アレイ導波路毎に所望の光路長に応じた長
さの窓をマスク材に形成する第2の過程と、窓を介して
各アレイ導波路に紫外線を照射し、紫外線を照射した部
分の屈折率を上昇させることにより光路長を調整する第
3の過程と、を有することを特徴とするアレイ導波路回
折格子の製造方法を提供する。
【0024】請求項2又は4に記載されているように、
マスク材は、例えば、アルミニウム膜又は誘電体多層膜
から作成することが好ましい。アルミニウム膜を用いる
場合には、アルミニウム膜の厚さは約1μmであること
が好ましい。
【0025】各アレイ導波路毎に所望の光路長に応じた
長さの窓をマスク材に形成する第2の過程は請求項5乃
至10に記載されているように種々の態様をとり得る。
【0026】例えば、第2の過程は、マスク材上にポジ
型の電子線用レジストを塗布する過程と、電子線ビーム
をアレイ導波路上で走査し、電子線用レジストを露光す
る過程と、露光した電子線用レジストを現像して露光部
分の電子線用レジストを除去する過程と、電子線用レジ
ストをマスクとしてマスク材をエッチングする過程と、
からなるものとすることができる。
【0027】あるいは、第2の過程は、マスク材上にポ
ジ型のフォトレジストを塗布する過程と、アレイ導波路
上で紫外線ビームを走査し、フォトレジストを露光する
過程と、露光したフォトレジストを現像して露光部分の
フォトレジストを除去する過程と、フォトレジストをマ
スクとしてマスク材をエッチングする過程と、からなる
ものとすることができる。
【0028】あるいは、第2の過程は、各アレイ導波路
に直線部分を設ける過程と、マスク材上にポジ型のフォ
トレジストを塗布する過程と、窓よりも大きなビームサ
イズの紫外線をアレイ導波路方向に長さが可変のスリッ
トを介して直線部分に照射してフォトレジスト露光する
過程と、フォトレジストを現像して露光部分のフォトレ
ジストを除去する過程と、フォトレジストをマスクとし
てマスク材をエッチングする過程と、からなるものとす
ることができる。
【0029】あるいは、第2の過程は、マスク材を形成
する前に上層クラディング上にネガ型の電子線用レジス
トを塗布する過程と、アレイ導波路上で電子線ビームを
走査し、電子線用レジストを露光する過程と、電子線用
レジストを現像して非露光部分の電子線用レジストを除
去する過程と、マスク材を形成する過程と、電子線用レ
ジストを除去することによって電子線用レジスト上のマ
スク材を除去する過程と、からなるものとすることがで
きる。
【0030】あるいは、第2の過程が、マスク材を成膜
する前に上層クラディング上にネガ型のフォトレジスト
を塗布する過程と、アレイ導波路上で紫外線ビームを走
査し、フォトレジストを露光する過程と、フォトレジス
トを現像して非露光部分のフォトレジストを除去する過
程と、マスク材を形成する過程と、フォトレジストを除
去することによってフォトレジスト上のマスク材を除去
する過程と、からなるものとすることができる。
【0031】あるいは、第2の過程は、各アレイ導波路
に直線部分を設ける過程と、マスク材を成膜する前に上
層クラディング上にネガ型のフォトレジストを塗布する
過程と、窓よりも大きなビームサイズの紫外線をアレイ
導波路方向に長さが可変のスリットを介して直線部分に
照射してフォトレジストを露光する過程と、フォトレジ
ストを現像して非露光部分のフォトレジストを除去する
過程と、マスク材を形成する過程と、フォトレジストを
除去することによってフォトレジスト上のマスク材を除
去する過程と、からなるものとすることができる。
【0032】また、第3の過程において紫外線を発生す
る装置としては、請求項11乃至14に記載されている
ように、例えば、ArFガス又はKrFガスを用いたエ
キシマレーザー、Arイオンレーザーの四逓倍光発生装
置、He−Cdレーザー又は超高圧水銀灯を用いること
ができる。
【0033】マスク材は、請求項15に記載されている
ように、10kJ/cm2以上の紫外線の照射量に対し
て劣化しないものであることが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係
る、アレイ導波路回折格子のアレイ導波路の光路長の調
整方法の手順を示した断面図であり、(A)乃至(G)
は図4に示すアレイ導波路回折格子のB−B'線、すな
わち、あるアレイ導波路に沿った断面図であり、(a)
乃至(g)は図4に示すアレイ導波路回折格子のA−
A'線、すなわち、アレイ導波路に垂直な面の断面図で
ある。但し、図1では、基板は省略してある。
【0035】光路長を調整する対象物である石英(Si
2)系アレイ導波路回折格子のアレイ導波路部分の断
面構造を図1(A)及び(a)に示す。
【0036】例えば、シリコン(Si)基板上に、化学
的気相堆積法(CVD)や火炎堆積法(FHD)等を用
いて、下クラッド層1となる石英ガラス膜を堆積する。
次いで、下クラッド層1の上に同様の方法で、下クラッ
ド層1よりも屈折率の高い石英ガラス膜を堆積し、フォ
トリソグラフィ技術と反応性イオンエッチング(RI
E)法等を用いて、この石英ガラス膜をパターニング
し、下クラッド層1上にコア2を形成する。
【0037】さらに、コア2を埋め込むための上クラッ
ド層3として、下クラッド層1と同じ屈折率を有する石
英ガラス膜を堆積する。
【0038】シリコン基板の代わりに石英ガラス基板を
用いることもできる。この場合には、石英ガラス基板が
下クラッド層1を兼ねることができる。いずれにして
も、導波路の材料が石英系ガラスであれば、この時点ま
での製造方法は任意の公知の方法を採用することができ
る。
【0039】次に、本実施形態に係る光路長の調整方法
を説明する。
【0040】まず、アレイ導波路回折格子の上クラッド
層3の表面に、図1(B)及び(b)に示すように、少
なくともアレイ導波路43を覆うように、紫外線を透過
しないマスク材4を成膜する。
【0041】後述するように、紫外線によって誘起され
る石英ガラスの屈折率変化を利用するためには、通常、
10kJ/cm2程度以上の高い積算エネルギー密度の
紫外線を照射することが必要である。そのため、マスク
材4は紫外線を透過しないだけではなく、上記の紫外線
照射量に対してマスク材が劣化しないことも必要であ
る。
【0042】このような特性を要求されるマスク材4の
素材としては、紫外線に対する反射率が高い材料が適し
ており、例えば、アルミニウム(Al)や誘電体多層膜
が優れている。特に、厚さが1μm程度のアルミニウム
膜は紫外線に対する反射率が90%程度と非常に高く、
成膜や後述の窓形成加工を容易に行うことができるた
め、マスク材4の素材としては最適である。 厚さ1μ
m程度のアルミニウム膜は、例えば、真空蒸着法やスパ
ッタリング法によって成膜することができる。
【0043】次に、図1(C)及び(c)に示すよう
に、マスク材4上にポジ型のレジスト5を塗布する。
【0044】次に、図1(D)及び(d)に示すよう
に、各アレイ導波路コア2上のレジスト5の一部を感光
させた後、レジスト5を現像し、感光した部分のレジス
ト5を除去する。
【0045】このとき、各アレイ導波路に必要な光路長
の調整量に応じて、アレイ導波路方向における露光領域
(すなわち、後述する窓4a)の長さを変化させる。
【0046】次に、図2(E)及び(e)に示すよう
に、レジスト5をマスクとして、レジスト5が除去され
た部分において露出しているマスク材4を上クラッド層
3の表面までエッチングし、マスク材4に窓4aを形成
する。
【0047】さらに、マスク材4上に残存しているレジ
スト5を除去する。マスク材4が厚さ1μm程度のアル
ミニウム膜からなるものである場合には、例えば、リン
酸に数十分浸すことによって窓4aを形成することがで
きる。
【0048】次に、図2(F)及び(f)に示すよう
に、マスク材4の窓4aを介して各アレイ導波路コア2
に紫外線6を照射し、紫外線により誘起される屈折率変
化現象によって窓4aの直下の部分のアレイ導波路コア
2の屈折率を上昇させる。
【0049】石英系光導波路に効率的に上記の屈折率変
化を発生させるための紫外線光源としては、ArFやK
rFガス用いたエキシマレーザが知られている。例え
ば、AP−CVD法で成膜された石英系光導波路にAr
Fエキシマレーザ光(波長193nm)を照射すると、
10kJ/cm2程度の積算照射エネルギー密度で、1
×10-3程度の屈折率の増加が発生する。
【0050】最後に、図2(G)及び(g)に示すよう
に、必要に応じて、上クラッド層3上に残存しているマ
スク材4を除去する。
【0051】以上の方法により、各アレイ導波路コア2
にそれぞれ異なった長さで屈折率が高い領域7が形成さ
れる。光路長は屈折率と長さとの積として定義されるの
で、これにより、各アレイ導波路にそれぞれ異なった量
の光路長を付与することができる。
【0052】アレイ導波路回折格子の透過特性は、おお
むね各アレイ導波路を通過する光の相対的位相に応じて
周期的に変化する。このため、各アレイ導波路の光の位
相を最大で2π調整できればよい。石英膜の紫外線誘起
屈折率変化を1×10-3、光の波長を1.55μmとす
ると、例えば、2πの位相変化を付与するためには、紫
外線を照射する部分の長さを1.55mmとすれば良
い。
【0053】本実施形態に係る光路長調整方法によれ
ば、従来例と異なり、偏光に依存することなく、光路長
の調整を行うことが可能になる。
【0054】上記の実施形態においては、アレイ導波路
方向における露光領域すなわち窓4aの長さを変化させ
る方法として、ポジ型のレジスト5を用いたが、露光領
域の長さを変化させる方法としては、以下のような方法
がある。
【0055】第1に、レジスト5として電子線ビーム露
光用のレジストを用いて、電子線ビームを各アレイ導波
路コア2に沿って走査しながら照射する方法がある。レ
ジストとしては、ポジ型又はネガ型の何れでもよい。
【0056】第2に、レジスト5としてフォトレジスト
を用い、He−Cdレーザーその他のレーザービームを
各アレイ導波路コア2に沿って走査しながら照射する方
法がある。レジストとしては、ポジ型又はネガ型の何れ
でもよい。
【0057】第3に、アレイ導波路の露光領域に予め直
線導波路を形成し、マスク材4上にポジ型又はネガ型の
フォトレジストを形成した後、露光領域よりも大きなビ
ームサイズの紫外線を導波路方向に長さが可変のスリッ
トを通して照射する方法がある。
【0058】第4に、マスク材4を形成する前に、上ク
ラッド層3上に電子線ビーム露光用のポジ型又はネガ型
レジストを塗布して行う方法がある。この方法において
は、電子線ビームをアレイ導波路上で走査し、レジスト
を露光させる。露光部分又は非露光部分のレジストを除
去した後に、上クラッド層3上にマスク材4を形成し、
その後、レジストを除去する。このような方法によって
も、露光領域の長さを任意の長さに調節することができ
る。
【0059】あるいは、上記の第4の方法において、電
子線ビーム露光用のレジストに代えて、ポジ型又はネガ
型のフォトレジストを用い、そのフォトレジストを紫外
線ビームで露光してもよい。
【0060】以下に、上記の第4の方法による実施例を
図3を参照して説明する。
【0061】先ず、図3(A)及び(a)に示すよう
に、図1(A)及び(a)と同様に、シリコン(Si)
基板(図示せず)上に下クラッド層1となる石英ガラス
膜を堆積する。次いで、下クラッド層1の上に同様の方
法で、下クラッド層1よりも屈折率の高い石英ガラス膜
を堆積し、フォトリソグラフィ技術と反応性イオンエッ
チング(RIE)法等を用いて、この石英ガラス膜をパ
ターニングし、下クラッド層1上にコア2を形成する。
さらに、コア2を埋め込むための上クラッド層3とし
て、下クラッド層1と同じ屈折率を有する石英ガラス膜
を堆積する。
【0062】次いで、図3(B)及び(b)に示すよう
に、ネガ型の電子線ビーム露光用レジスト8を塗布す
る。
【0063】次いで、図3(C)及び(c)に示すよう
に、電子線ビームでレジスト8を走査し、レジスト8を
露光させた後、レジスト8を現像し、レジスト8の非露
光部分を除去する。
【0064】次いで、図3(D)及び(d)に示すよう
に、上クラッド層3及びレジスト8上に紫外線を透過し
ないマスク材4を成膜する。
【0065】この後、図3(E)及び(e)に示すよう
に、レジスト8を除去することにより、レジスト8上の
マスク材4をも同時に除去する。
【0066】以上のようにして、図2(E)及び(e)
と同様に、マスク材4に窓4aを形成することができ
る。
【0067】この後、図2(F)及び(f)並びに図2
(G)及び(g)に示す過程と同様の過程が行われ、各
アレイ導波路コア2にそれぞれ異なった長さで屈折率が
高い
【0068】領域7が形成される。
【発明の効果】本発明に係るアレイ導波路回折格子の製
造方法により、以下のような効果を得ることができる。
【0069】第1の効果は、従来例に比べて、小型で安
価なアレイ導波路回折格子を提供できることである。す
なわち、従来例で必要とされていた各アレイ導波路上の
ヒーターはもはや必要ではなく、また、これらのヒータ
ーを駆動する電気回路及び膨大な電力ももはや必要ない
ため、製造コストを下げることが可能である。さらに、
各アレイ導波路間を断熱するために、各アレイ導波路を
相互に離す必要がないため、アレイ導波路回折格子を小
型化することが可能である。
【0070】第2の効果は、従来例に比べて、偏光に依
存せずに、光路長の調整を行うことができることであ
る。その理由は、従来のa−Si層を用いた光路長調整
方法では偏光に依存しない調整は困難であったが、本発
明では容易に偏光に依存しない調整が可能であるからで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアレイ導波路回折格子の製造方法
における各過程を示す断面図である。
【図2】図1に引き続き、本発明に係るアレイ導波路回
折格子の製造方法における各過程を示す断面図である。
【図3】窓形成過程の他の例を示すアレイ導波路回折格
子の断面図である。
【図4】アレイ導波路回折格子の構成を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 下クラッディング層 2 アレイ導波路コア 3 上クラッディング層 4 マスク材 5 レジスト 6 紫外線 7 紫外線誘起屈折率変化で屈折率が増加した領域 8 レジスト 41 入力導波路 42 入力側スラブ導波路 43 アレイ導波路 44 出力側スラブ導波路 45 出力導波路

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英系アレイ導波路回折格子の少なくと
    も各アレイ導波路の部分の上層クラディング上に紫外線
    を透過しないマスク材を成膜する第1の過程と、 前記各アレイ導波路毎に所望の光路長に応じた長さの窓
    を前記マスク材に形成する第2の過程と、 前記窓を介して前記各アレイ導波路に紫外線を照射し、
    紫外線を照射した部分の屈折率を上昇させることにより
    光路長を調整する第3の過程と、 を有することを特徴とするアレイ導波路回折格子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記マスク材がアルミニウム膜であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアレイ導波路回折格子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム膜の厚さは約1μmで
    あることを特徴とする請求項2に記載のアレイ導波路回
    折格子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マスク材が誘電体多層膜であること
    を特徴とする請求項1に記載のアレイ導波路回折格子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の過程が、 前記マスク材上にポジ型の電子線用レジストを塗布する
    過程と、 電子線ビームを前記アレイ導波路上で走査し、前記電子
    線用レジストを露光する過程と、 露光した前記電子線
    用レジストを現像して露光部分の前記電子線用レジスト
    を除去する過程と、 前記電子線用レジストをマスクとして前記マスク材をエ
    ッチングする過程と、 からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の過程が、 前記マスク材上にポジ型のフォトレジストを塗布する過
    程と、 前記アレイ導波路上で紫外線ビームを走査し、前記フォ
    トレジストを露光する過程と、 露光した前記フォトレジストを現像して露光部分のフォ
    トレジストを除去する過程と、 前記フォトレジストをマスクとして前記マスク材をエッ
    チングする過程と、 からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の過程が、 前記各アレイ導波路に直線部分を設ける過程と、 前記マスク材上にポジ型のフォトレジストを塗布する過
    程と、 前記窓よりも大きなビームサイズの紫外線を前記アレイ
    導波路方向に長さが可変のスリットを介して前記直線部
    分に照射して前記フォトレジスト露光する過程と、 前記フォトレジストを現像して露光部分の前記フォトレ
    ジストを除去する過程と、 前記フォトレジストをマスクとして前記マスク材をエッ
    チングする過程と、 からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の過程が、 前記マスク材を形成する前に前記上層クラディング上に
    ネガ型の電子線用レジストを塗布する過程と、 前記アレイ導波路上で電子線ビームを走査し、前記電子
    線用レジストを露光する過程と、 前記電子線用レジス
    トを現像して非露光部分の前記電子線用レジストを除去
    する過程と、 前記マスク材を形成する過程と、 前記電子線用レジストを除去することによって前記電子
    線用レジスト上の前記マスク材を除去する過程と、 からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の過程が、 前記マスク材を成膜する前に前記上層クラディング上に
    ネガ型のフォトレジストを塗布する過程と、 前記アレイ導波路上で紫外線ビームを走査し、前記フォ
    トレジストを露光する過程と、 前記フォトレジストを現像して非露光部分の前記フォト
    レジストを除去する過程と、 前記マスク材を形成する過程と、 前記フォトレジストを除去することによって前記フォト
    レジスト上の前記マスク材を除去する過程と、 からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の過程が、 前記各アレイ導波路に直線部分を設ける過程と、 前記マスク材を成膜する前に前記上層クラディング上に
    ネガ型のフォトレジストを塗布する過程と、 前記窓よりも大きなビームサイズの紫外線を前記アレイ
    導波路方向に長さが可変のスリットを介して前記直線部
    分に照射して前記フォトレジストを露光する過程と、 前記フォトレジストを現像して非露光部分の前記フォト
    レジストを除去する過程と、 前記マスク材を形成する過程と、 前記フォトレジストを除去することによって前記フォト
    レジスト上の前記マスク材を除去する過程と、 からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第3の過程において前記紫外線を
    発生する装置がArFガス又はKrFガスを用いたエキ
    シマレーザーであることを特徴とする請求項1乃至10
    の何れか一項に記載のアレイ導波路回折格子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記第3の過程において前記紫外線を
    発生する装置がArイオンレーザーの四逓倍光発生装置
    であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項
    に記載のアレイ導波路回折格子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第3の過程において前記紫外線を
    発生する装置がHe−Cdレーザーであることを特徴と
    する請求項1乃至10の何れか一項に記載のアレイ導波
    路回折格子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第3の過程において前記紫外線を
    発生する装置が超高圧水銀灯であることを特徴とする請
    求項1乃至10の何れか一項に記載のアレイ導波路回折
    格子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記マスク材は、10kJ/cm2以
    上の紫外線の照射量に対して劣化しないものであること
    を特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載のア
    レイ導波路回折格子の製造方法。
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