JP2000162297A - 磁界センサ - Google Patents

磁界センサ

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JP2000162297A
JP2000162297A JP10349362A JP34936298A JP2000162297A JP 2000162297 A JP2000162297 A JP 2000162297A JP 10349362 A JP10349362 A JP 10349362A JP 34936298 A JP34936298 A JP 34936298A JP 2000162297 A JP2000162297 A JP 2000162297A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギャップ許容範囲を大幅に改善させ、アセン
ブリが簡易に行え、検出素子と被検出体とのギャップが
多少変動したとしも、確実な検出を行ない得る磁界セン
サを提供する。 【解決手段】 磁界検出のための磁界センサ感磁部とし
て作用する巨大磁気抵抗効果膜を基板の上に備えてなる
磁界センサであって、前記巨大磁気抵抗効果膜は、線体
で描かれるパターン形状をなし、当該パターン形状は、
被検出体からの信号磁界方向に対して、長手方向が実質
的に平行に配置された平行矩形感磁部分を有し、当該平
行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁界センサ感磁
部全体の抵抗値の30〜70%となるように構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界の変化を
電気信号に変換する磁界センサに関する。
【0002】
【従来の技術】磁界センサは、外部磁界の変化を電気信
号に変換する素子であり、強磁性体や半導体薄膜等の磁
界検出膜をパターニングし、そのパターンに電流を流し
電圧変化として外部磁界の変化を電気信号に変換するも
のである。
【0003】例えば、強磁性磁気抵抗効果センサは、強
磁性体金属の電気抵抗が外部磁界により変化する現象
(磁気抵抗効果、MR効果)を利用して磁界強度を測定
する。単層膜では古くから知られている強磁性体金属膜
の磁気異方性磁気抵抗効果(以下、単にAMR効果と呼
ぶ)を利用していたが、最近では、例えば特開平5−2
59530号公報に開示されているように、多層構造か
らなる膜による結合型巨大磁気抵抗効果(GMR効果)
を用いたセンサも開発されている。GMR効果はその名
が示すようにAMR効果に比べ磁気抵抗の変化率が極め
て大きい。
【0004】ところで、巨大磁気抵抗効果膜は、一般
に、(強磁性体/非磁性導電体)構造のアンチフェロ
(結合)型、(高保磁力強磁性体/非磁性導電体/低
保磁力強磁性体)構造の誘導フェリ(非結合)型、
(反強磁性体/強磁性体/非磁性導電体/強磁性体)構
造のスピンバルブ型、Co/Ag系統の非固溶系グラ
ニュラー型に大別される。
【0005】これらの巨大磁気抵抗効果膜はその構造、
組成により検出可能な磁界強度、すなわち磁気抵抗効果
の飽和磁界強度が大きく異なる。例えば、(Fe/C
r)系アンチフェロ型では10KOe以上、(CoNi
Fe/Cu)系アンチフェロ型では0.1から1KOe
まで、(NiFe/Cu/Co/Cu)系誘導フェリ型
では5から20Oe程度、(FeMn/NiFe/Cu
/NiFe)系スピンバルブ型では数Oe、そしてグラ
ニュラー型では100から5KOe程度までの磁界検出
が可能である。磁界感度は、最大磁気抵抗変化率を飽和
磁界強度で割り算したものであり、最大磁気抵抗変化率
が大きくても、飽和磁界が大きい場合には磁界感度は悪
い。反対に、最大磁気抵抗変化率が小さくても、飽和磁
界が非常に小さい場合には磁界感度は良い。このため、
検出すべき磁界強度により最高の磁界感度が得られるよ
うに、構造を最適化し、一般的には飽和磁界強度を小さ
くする必要がある。
【0006】GMR効果を示す磁性膜においては、抵抗
変化が磁界と電流の相対角度によらず等方的であるた
め、例えば特開平7−77531号公報に開示されてい
るようにすべてのストライプ状磁性膜の長手方向を同じ
方向に向けて、その長手方向と平行に信号磁界を印加す
ることにより、形状異方性の効果に基づき飽和磁界を低
減させることができる。このようにして飽和磁界を低減
させることにより、磁界センサの感度(MR変化率/飽
和磁界)を向上させることができ、被検出体である着磁
体から検出素子までの距離(ギャップ)を大きくするこ
とができる。
【0007】図4には、特開平7−77531号公報に
提案されている従来の検出素子パターン(検出素子パタ
ーンAと称す)が示されており、さらに図5には、他の
従来の一般的な検出素子パターン(検出素子パターンB
と称す)が示されている。これらの図面において、外部
から印加される磁界は共に図面の右方から左方への矢印
Hで示されており、符号100は検出素子部分、符号1
10,111,112は電極を示している。図6は、こ
ららの従来の検出素子パターンAおよびBに対し、それ
ぞれ外部から磁界を印加した場合の検出素子パターンA
の磁気抵抗曲線および検出素子パターンBの磁気抵抗曲
線を示したものである。
【0008】図6に示されるように巨大磁気抵抗効果を
示す素子の感磁パターン形状において、検出素子パター
ンA(図4)の方が検出素子パターンB(図5)よりも
外部磁界に対して反磁界の影響が少ないために飽和磁界
が小さくなる。従って、検出素子パターンA(図4)の
方が磁界感度が高くなる。なお、図4において、ストラ
イプ状感磁パターン100の接続部105(引き回し
部)は、線幅が大きいために感磁パターン部全体の抵抗
に対する寄与は極めて小さくその抵抗は無視できる程度
のものである。
【0009】このような検出素子パターンを持つセンサ
200や201は、例えば図7に示されるように磁極間
ピッチPで周期的に着磁されたディスク状の回転する被
検出体300を検出するために、磁気抵抗効果素子をP
/2の間隔で被検出体との関係で所定のギャップ(素子
と被検出体との間隙)のもとに配置される。図8には、
図7に示される配置状態で、検出素子パターンAおよび
検出素子パターンBについてそれぞれ測定されたギャッ
プ特性(ギャップ間隙と出力との関係)を示すグラフが
描かれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図8に示される各々の
グラフによれば、検出素子パターンA(図4)の場合、
磁界感度が高いためにギャップが増大しても出力が低下
しにくいというメリットがある。しかしながら、飽和磁
界が小さいために、ギャップが小さい場合に検出素子が
磁化飽和してしてしまい出力が低下すると同時に出力波
形が歪んでしまうという不都合が生じる。この一方で、
検出素子パターンB(図5)の場合、飽和磁界が大きい
ためにギャップが小さい領域でも出力が低下しにくいと
いうメリットがあるものの、磁界感度が小さいためにギ
ャップが大きくなると出力が小さくなる傾向が生じる。
このような事情を考慮しつつ図8には、このような2種
の検出素子パターンA,Bにおけるギャップ許容範囲、
すなわち、外部から印加される磁界を検出できる範囲も
同時に示しており、図8に示されるギャップ許容範囲
は、測定できるギャップ位置がずれるものの、検出素子
パターンAおよびBの間で許容範囲そのもののに差異は
ない。すなわち、特開平7−77531号公報に提案さ
れている検出素子パターンAがギャップ許容範囲を拡大
させるという効果は、特に顕著なものではない(優位性
はない)と言える。このように従来提案されている各々
の検出素子パターンのギャップ許容範囲は、決して大き
なものではない。そのためアセンブリの際に精度の高い
ギャップ調整が必要となり、工数の増大に伴うコストア
ップが生じる。また、機械的振動等が原因で、検出素子
と被検出体である回転着磁体とのギャップが大きく変動
した場合には、ギャップ許容範囲が狭いために出力が検
出限界を下回ったり、あるいは出力波形が歪むといった
問題も生じる。
【0011】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、ギャップ許容範囲を大幅
に改善させ、アセンブリが簡易に行え、検出素子と被検
出体とのギャップが多少変動したとしも、確実な検出を
行ない得る磁界センサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、磁界検出のための磁界センサ感磁
部として作用する巨大磁気抵抗効果膜を基板の上に備え
てなる磁界センサであって、前記巨大磁気抵抗効果膜
は、線体で描かれるパターン形状をなし、当該パターン
形状は、被検出体からの信号磁界方向に対して、長手方
向が実質的に平行に配置された平行矩形感磁部分を有
し、当該平行矩形感磁部分のトータル(総和)の抵抗値
が、磁界センサ感磁部全体の抵抗値の30〜70%であ
るように構成される。
【0013】また、本発明の磁界センサの好適な態様と
して、前記パターン形状は、被検出体からの信号磁界方
向に対して、長手方向が実質的に平行に配置された平行
矩形感磁部分と、被検出体からの外部磁界方向に対し
て、長手方向が実質的に直交するように配置された直交
矩形感磁部分とを備え、前記平行矩形感磁部分のトータ
ル(総和)の抵抗値が、磁界センサ感磁部全体の抵抗値
の30〜70%であるように構成される。
【0014】また、本発明の磁界センサの好適な態様と
して、前記平行矩形感磁部分は複数存在し、平行感磁グ
ループとして一定エリア内に集合的に配置され、前記直
交矩形感磁部分は複数存在し、直交感磁グループとして
一定エリア内に集合的に配置されてなるように構成され
る。
【0015】また、本発明の磁界センサの好適な態様と
して、前記平行矩形感磁部分および前記直交矩形感磁部
分のアスペクト比が、それぞれ、8〜1000の範囲内
であるように構成される。
【0016】また、本発明の磁界センサの好適な態様と
して、前記巨大磁気抵抗効果膜は、厚さ10nm以下の
薄膜が多層に積層されてなるように構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照しつつ説明する。
【0018】図1は、本発明の磁界センサ1の好適な実
施の形態を示す平面図である。図1に示されるように本
発明の磁界センサ1は、基板5(図面上基板の枠は記載
されていない)の上に、線体で所定のパターン形状1
0’に形成された巨大磁気抵抗効果膜10を備えてい
る。本発明でいう『線体』とは、長さはもちろんのこ
と、幅および厚さをも備えている線状のものを言う。
【0019】本発明における巨大磁気抵抗効果膜10
は、磁界センサ感磁部として作用する膜であり、好適な
実施の形態として図1に示されるように、平行感磁グル
ープ110と、直交感磁グループ150と、を備えて構
成されている。
【0020】平行感磁グループ110は、被検出体から
の信号磁界方向(矢印α方向)に対して、長手方向が実
質的に平行に配置された複数の平行矩形感磁部分11を
有し、通常、隣接する平行矩形感磁部分11の端部11
a同士は、引き回し部20により接続されている。この
引き回し部20は、平行矩形感磁部分11の線幅に比べ
て線幅が極端に大きく設定されており、感磁パターン部
全体の抵抗に対する寄与は極めて小さくその抵抗は無視
できる程度のものである。なお、平行矩形感磁部分11
と引き回し部20は、同じ材料でも良いが、非感磁性導
体であるCu,Al,Au等の公知の材料で形成するこ
とが好ましい。また、図1において引き回し部20は、
平行矩形感磁部分11の端部11a同士を略直線的に接
合させているが、これに限らず適当な湾曲線で接合させ
てもよい。
【0021】直交感磁グループ150は、被検出体から
の信号磁界方向(矢印α方向)に対して、長手方向が実
質的に直交するように配置された複数の直交矩形感磁部
分15を有し、通常、隣接する直交矩形感磁部分15の
端部15a同士は、引き回し部20により接続されてい
る。この引き回し部20についての説明は、すでに上述
した通りである。
【0022】また、上記の説明において、『実質的に平
行』および『実質的に直交』とは、本発明における作用
効果が有効に発現できる程度の『平行』関係および『直
交』関係を意味する。
【0023】本発明においては、上記平行感磁グループ
110内に存在する平行矩形感磁部分11のトータル
(総和)の抵抗値R1 が、磁界センサ感磁部全体(巨大
磁気抵抗効果膜の全体が磁界センサ感磁部として作用す
るならば、巨大磁気抵抗効果膜の全体)の抵抗値R0
30〜70%、より好ましくは、45〜55%となるよ
うに設定される。この関係を数式で示すと、R1 /R0
=0.3〜0.7となる。このR1 値が占める割合が3
0%未満となったり、70%を超えたりすると、本発明
の顕著なギャップ許容範囲の拡大の効果が発現しなくな
ってしまう。
【0024】平行感磁グループ110内に存在する平行
矩形感磁部分11のトータル(総和)の抵抗値R1 が、
磁界センサ感磁部全体の抵抗値R0 の約50%である検
出素子パターンの磁気抵抗曲線が図2の中で実線で示さ
れる。なお、参考のために、前述した検出素子パターン
A,Bにおける磁気抵抗曲線も併記してある。
【0025】図2に示されるように本発明における検出
素子パターンとすることにより、磁界感度が高く、かつ
飽和磁界が大きいというこれまでには得られなかった磁
気抵抗曲線が実現できることがわかる。
【0026】なお、平行矩形感磁部分11のトータル
(総和)の抵抗割合を上記範囲に設定する本発明では、
後述する実験例からわかるように従来のギャップ許容幅
を約1.5倍程度も拡大できるものであり、効果の顕著
性は明らかである。
【0027】また、図1において、平行矩形感磁部分1
1のアスペクト比(矩形の長さL1/矩形の幅d1 )お
よび直交矩形感磁部分15のアスペクト比(矩形の長さ
2/矩形の幅d2 )は、それぞれ、8〜1000の範
囲内に設定される。この場合、もちろん平行矩形感磁部
分11のアスペクト比と直交矩形感磁部分15のアスペ
クト比は同一でも異なっていてもよい。また、平行矩形
感磁部分11の中や直交矩形感磁部分15の中で、例え
ば線幅のみを変えて異なるアスペクト比を持たせること
もできる。
【0028】アスペクト比を、8〜1000の範囲内に
設定することにより、平行感磁グループ110における
平行矩形感磁部分11の長手方向と平行に外部磁界を印
加した場合の飽和磁界Hk1と、直交感磁グループ150
における直交矩形感磁部分15の長手方向と直角に外部
磁界を印加した場合の飽和磁界Hk2との比(Hk2
k1)を1.5倍より大きくすることが可能となり、ギ
ャップ特性を大幅に改善することができるのである。
【0029】また、本発明においては、平行矩形感磁部
分11と直交矩形感磁部分15とを交互に接続した、い
わゆる矩形波形状のパターン形状としてもよいが、巨大
磁気抵抗効果膜10のパターン占有面積を小さくして、
素子そのものをコンパクトにするためには、図1に示さ
れるように巨大磁気抵抗効果膜10を平行感磁グループ
110と、直交感磁グループ150とに分けて、これら
の各グループ毎に複数の所定の矩形パターン11および
15を一定エリア内に集合的に配置させ形成させること
が望ましい。
【0030】また、本発明におけるパターンは、略半円
状や略半楕円形状を交互につなぎ合わせた蛇行形状とす
ることも可能であるが(この場合、平行矩形感磁部分1
1はなだらかな湾曲部分における平行ベクトル成分とし
て換算することができる)、この場合もやはり巨大磁気
抵抗効果膜10のパターン占有面積を小さくして、素子
そのもののコンパクト化を図ることが難しい。
【0031】ところで、図1において1対の巨大磁気抵
抗効果膜10は、被検出体の磁極間ピッチをPとした場
合、例えばP/2の間隔で配置されるとともに、これら
は出力検出電極40で連結され、さらに、1対の巨大磁
気抵抗効果膜10の下端部には、定電圧印加電極41、
グラウンド電極42が配置される。そして、出力検出電
極40とグラウンド電極42との電位差を信号として検
出すると、被検出体と検出素子との相対位置関係の変化
に応じて電位差も変化する。これらの電極は、通常、ハ
ンダ付け、ワイヤーボンディング等により外部回路との
接合が行われる。なお、上記の実施の形態では、巨大磁
気抵抗効果膜10のパターンが直列に接続されている場
合を示したが、電気的に接続されていれば並列に接続さ
れていてもかまわない。
【0032】本発明で用いられる磁界検出用の巨大磁気
抵抗効果膜10(磁性膜)は、金属人工格子(藤森啓
安、アグネ技術センター、1995年発行)347ペー
ジに紹介されているように、強磁性体膜と非磁性体膜と
の多層膜であり、その多層膜の界面散乱変化により抵抗
が変化する現象を利用することが特に好ましい。
【0033】巨大磁気抵抗効果膜としては、(強磁性
体/非磁性導電体)構造のアンチフェロ(結合)型、
(高保磁力強磁性体/非磁性導電体/低保磁力強磁性
体)構造の誘導フェリ(非結合)型、(半強磁性体/
強磁性体/非磁性導電体/強磁性体)構造のスピンバル
ブ型、Co/Ag系統の非固溶系グラニュラー型に大
別される。
【0034】これらの各巨大磁気抵抗効果膜は、その構
造や組成により、検出可能な磁界強度、すなわち、磁気
抵抗効果の飽和磁界強度が大きく異なる。例えば、(F
e/Cr)系アンチフェロ型では10KOe以上、(C
oNiFe/Cu)系アンチフェロ型では、0.1Oe
から1KOe、(NiFe/Cu/Co/Cu)系誘導
フェリ型では、5Oeから20Oe程度、(FeMn/
NiFe/Cu/NiFe)系スピンバルブ型では、数
Oe、そして、グラニュラー型では100Oeから5K
Oe程度までの磁界検出が可能である。
【0035】本発明における好ましい巨大磁気抵抗効果
膜の構造としては、(Co/Cu), (NiFe/Cu), (NiFeCo/Cu),
(CoFe/Cu), (NiFeCo/Cu/Co/Cu), (NiFe/Cu/Co/Cu), (C
oFe/Cu/NiFe/Cu) 等の構造を5回以上繰り返して成膜し
た多層膜構造である。これらの多層膜構造を有する巨大
磁気抵抗効果膜においては最も薄い層の層厚が10nm
以下であることが好ましく、特に好ましくは3nm以下
である。最も薄い層の層厚が10nmを越えると高いM
R変化率が得られにくくなるという傾向が生じる。
【0036】このような巨大磁気抵抗効果膜(磁性膜)
は、真空成膜法、例えば、蒸着法、スパッタ法などによ
り成膜される。より具体的には、基板5の全面に巨大磁
気抵抗効果膜を成膜した後、所望のパターン形状にパタ
ーニングして磁界検出用の磁気抵抗効果素子とし、さら
に、この膜に接合され電流を流すための電極40,4
1,42を所定のパターンに形成する。電極は、磁気抵
抗効果膜である磁性膜部分に比べて小さな抵抗を有する
ことが重要である。このため導電体電極膜は、導電性の
高い金属、例えば銅、金、アルミニウム等を用いて比較
的厚い仕様、例えば、0.3から5.0μmの厚さに成
膜される。電極の形成には、真空成膜法に加えて湿式成
膜法も利用可能である。また、最初に、電極の導電層を
形成してから巨大磁気抵抗効果膜パターンを形成しても
差し支えない。
【0037】また、このように磁気抵抗効果素子パター
ンおよび電極を個別に異種の材料から構成するのではな
くて、これらををすべて同一材質から一体的に形成(成
膜)させてもよい。ただし、この場合には巨大磁気抵抗
効果膜および電極の各々の機能が発揮できる範囲内での
同一材質とすることが必要である。磁性膜の部分は感磁
パターン部であり、電極の部分は、感磁パターン部であ
る必要はない。そこで、感磁パターン部と電極の電流密
度を変化させるために、電極の幅は感磁パターン部の幅
よりも広く設計される。すなわち、同一材質で構成され
たパターンの両端部分の幅を広くすることで電極として
の機能を付与できる。同一材質から構成することによ
り、1回のパターニング工程で感磁部分である巨大磁気
抵抗効果膜と電極が同時に形成でき、極めて高い生産性
を実現することができる。
【0038】巨大磁気抵抗効果素子は、一般に、200
nm以下の薄膜として形成されるために、使用環境にお
ける耐食性が問題となることが多い。このため、少なく
とも巨大磁気抵抗効果膜の上層に保護膜を設け、周囲の
雰囲気から巨大磁気抵抗効果膜を保護することが好まし
い。保護膜の材質としては、SiO2 やAl23 等の
無機材料や、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂等の有機
材料を用いることが好ましい。
【0039】本発明に用いられる基板5の材質は、特に
制限されるものではなく、ガラス、シリコン、セラミッ
ク等の無機系のものや、樹脂等の有機系のものいずれを
用いてもよい。これらのなかでは特に、いわゆる可撓性
に優れ、薄くて軽いものを用いることが好ましく、例え
ば、印刷配線板等として広く使用されているプラスチッ
クフィルムと同様の基板が好適に使用できる。より具体
的には、プラスチックフィルム材質として公知の各種の
材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリポロピレン(PP)、テフロン等が
利用可能である。なかでも特に、導電体電極膜の端部で
のハンダによる接合を考慮して、耐熱性の高いポリイミ
ドフィルムを用いるのが好ましい。
【0040】本発明の磁界センサに用いられる基板5の
厚さは、特に限定されるものではないが、通常、500
μm以下が好ましく、特に好ましくは100μm以下
(1〜100μm)である。
【0041】図3には、本発明の磁界センサ1の使用例
の一例が示される。図3に示される磁界センサ1は、回
転着磁体300の回転速度を非接触で検出するためにギ
ャップGの距離を離して設置される。回転着磁体300
は、この例では、円盤形状をなし、その周側面には図示
のごとくN−S極が交互に着磁されている。この場合、
磁界センサ(基板5と巨大磁気抵抗効果膜100)は、
図3に示される回転着磁体300の周側面の曲率に合わ
せて(基板を曲げて)曲率を付けておくことにより、高
精度な検出が可能になる。この点を考慮し、基板5は、
可撓性に優れる樹脂基板を用いることが好ましい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0043】(実施例1)3インチ径、厚さ50μmの
ポリイミド基板を準備した。この基板をアルミ製の基板
固定台に取りつけた後、イオンビームスパッタ装置に
て、100Å−Ti(15Å−NiFeCo/20Å−
Cu)×20の多層GMR膜を成膜した。基板固定台
は、温度25℃に制御された循環冷却水(流量5リット
ル/分)により冷却させた。ここで膜構造は最初に10
0ÅのTi、次に15ÅのNiFeCo合金と20Åの
Cuを順に各々20層づつ積層した全厚800Åの多層
膜である。なお、密着性を向上させるために、GMR膜
を成膜する前に、アルゴンイオンにより基板表面のイオ
ンミリングを行った。用いたターゲットはいずれも純度
99.9%以上のターゲット組成とし、到達圧力として
4×10-7Torrまで真空引きした後にアルゴンガス
を導入し、成膜中の真空度は1.4×10-4Torrと
した。成膜時のアルゴンイオンの加速電圧は300V、
ビーム電流(アルゴンイオン量に比例)は30mA、N
iFeCoおよびCuの平均成膜速度(rate)は、0.
03nm/secであった。
【0044】成膜後、フォトリソグラフィ手法により感
磁部である巨大磁気抵抗効果膜のパターンを形成した。
パターン形状は、下記表1に示されるように図1相当の
もの(実施例)、図4相当のもの(比較例1)、および
図5相当のもの(比較例2)とした。各パターン形状に
おける1対の巨大磁気抵抗効果膜10の配置間隔(P/
2)は、150μmとした。
【0045】なお、図1相当のもの(実施例)について
は、平行矩形感磁部分11および直交矩形感磁部分15
のアスペクト比(矩形の長さ/矩形の幅)を、それぞれ
10および100とし(ただし線幅はそれぞれ4μ
m)、平行矩形感磁部分11の構成本数のみを変えて、
平行矩形感磁部分11のトータルの抵抗値R1 の割合を
表1に示されるごとく種々変えた実施例サンプルを作製
した(実施例1〜3)。
【0046】このような各磁界センサのサンプルを、図
3に示されるような回転着磁体(フェライト磁石製、着
磁ピッチ:P=300μm)に対向するように配置し、
ギャップ特性(ギャップと出力の関係)に基づくギャッ
プ許容範囲およびギャップ許容幅を評価した。これらの
評価事項は、1対の素子の両端に5V印加し、中点での
出力交流電圧が30mV以上得られる領域をギャップ許
容範囲とし、その絶対幅の値をギャップ許容幅とした。
【0047】結果を下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、磁界検出のための磁界セン
サ感磁部として作用する巨大磁気抵抗効果膜を基板の上
に備えてなる磁界センサであって、前記巨大磁気抵抗効
果膜は、線体で描かれるパターン形状をなし、当該パタ
ーン形状は、被検出体からの信号磁界方向に対して、長
手方向が実質的に平行に配置された平行矩形感磁部分を
有し、当該平行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁
界センサ感磁部全体の抵抗値の30〜70%であるよう
に構成されているので、ギャップ許容範囲を大幅に改善
させることができ(ちなみに、従来の約1.5倍)、ア
センブリが簡易に行え、しかも検出素子と被検出体との
ギャップが多少変動したとしも、確実な検出が行なえる
という極めて優れた効果が発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁界センサの好適な実施の一形態とし
ての平面図である。
【図2】本発明の磁界センサにおける、磁界強度(外部
磁界)とMR変化率との関係をしめすグラフである。
【図3】本発明の磁界センサの使用例の一例を示す斜視
図である。
【図4】従来の磁界センサの、特に感磁パターンを示す
平面図である。
【図5】従来の磁界センサの、特に感磁パターンを示す
平面図である。
【図6】従来の磁界センサにおける、磁界強度(外部磁
界)とMR変化率との関係をしめすグラフである。
【図7】従来の磁界センサを用いた使用例を示す斜視図
である。
【図8】従来の磁界センサを用いて回転被検出からの信
号磁界を検出した場合におけるギャップと出力との関係
を示したグラフである。
【符号の説明】
1…磁界センサ 5…基板 10…巨大磁気抵抗効果膜 11…平行矩形感磁部分 15…直交矩形感磁部分 110…平行感磁グループ 150…直交感磁グループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅川 幸雄 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AC06 AD54 AD63 AD65

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界検出のための磁界センサ感磁部とし
    て作用する巨大磁気抵抗効果膜を基板の上に備えてなる
    磁界センサであって、 前記巨大磁気抵抗効果膜は、線体で描かれるパターン形
    状をなし、 当該パターン形状は、被検出体からの信号磁界方向に対
    して、長手方向が実質的に平行に配置された平行矩形感
    磁部分を有し、 当該平行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁界セン
    サ感磁部全体の抵抗値の30〜70%であることを特徴
    とする磁界センサ。
  2. 【請求項2】 前記パターン形状は、被検出体からの信
    号磁界方向に対して、長手方向が実質的に平行に配置さ
    れた平行矩形感磁部分と、被検出体からの外部磁界方向
    に対して、長手方向が実質的に直交するように配置され
    た直交矩形感磁部分とを備え、 前記平行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁界セン
    サ感磁部全体の抵抗値の30〜70%である請求項1に
    記載の磁界センサ。
  3. 【請求項3】 前記平行矩形感磁部分は複数存在し、平
    行感磁グループとして一定エリア内に集合的に配置さ
    れ、 前記直交矩形感磁部分は複数存在し、直交感磁グループ
    として一定エリア内に集合的に配置されてなる請求項1
    または請求項2に記載の磁界センサ。
  4. 【請求項4】 前記平行矩形感磁部分および前記直交矩
    形感磁部分のアスペクト比が、それぞれ、8〜1000
    の範囲内である請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の磁界センサ。
  5. 【請求項5】 前記巨大磁気抵抗効果膜は、厚さ10n
    m以下の薄膜が多層に積層されてなる請求項1ないし請
    求項4のいずれかに記載の磁界センサ。
  6. 【請求項6】 前記基板が可撓性基板である請求項1な
    いし請求項5のいずれかに記載の磁界センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243294A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Murata Mfg Co Ltd 磁気センサおよび磁気検出方法
WO2011111457A1 (ja) * 2010-03-11 2011-09-15 アルプス電気株式会社 磁気センサ及びそれを備えた磁気平衡式電流センサ
JP2015505957A (ja) * 2011-11-29 2015-02-26 ライプニッツ−インスティトゥートフュア フェストケルパー− ウント ヴェルクシュトフフォルシュング ドレスデン エー ファオLeibniz−Institut fuer Festkoerper− und Werkstoffforschung Dresden e.V. フレキシブル薄膜磁気センサ素子の使用方法

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