JP2000162015A - 液体定量採取装置及び塩素要求量計 - Google Patents

液体定量採取装置及び塩素要求量計

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JP2000162015A JP10352194A JP35219498A JP2000162015A JP 2000162015 A JP2000162015 A JP 2000162015A JP 10352194 A JP10352194 A JP 10352194A JP 35219498 A JP35219498 A JP 35219498A JP 2000162015 A JP2000162015 A JP 2000162015A
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貞治 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体採取管が圧縮状態のまま液体中に浸漬し
て、その後、圧縮解放状態に移行して液体を吸引するよ
うにして、液体中に液体採取管の内部の空気を排出しな
いようにし、1回ごとの採取量の変動を少なくする。 【解決手段】 この採取装置は、取水口48から原水5
0を採取して、受け口52に吐出するものである。モー
タ38は一定の回転速度で回転し、支持棒36は円弧状
の軌跡を描いて往復運動を繰り返す。その間に採取管1
0による原水50の吸引・吐出が繰り返される。採取管
10の開口端14が取水口48の原水50中に浸漬して
から、ローラ22はカム26の小径部56に移行する。
すると、採取管10が弾性復元力により元に戻り、ロー
ラ22と押圧板18が上昇し、採取管10の内部が負圧
になり、採取管10の開口端から原水が吸引される。こ
のような液体定量採取装置を塩素要求量計の原水採取装
置に用いると、塩素要求量の測定値が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体を定量採取する
装置に関する。また、そのような定量採取装置を用いた
塩素要求量計に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水処理における塩素処理技術において
は、原水の塩素要求量を測定するための塩素要求量計が
使われている。この塩素要求量計では、反応槽内で原水
と塩素水とを混合して塩素消費反応を行わせてから遊離
塩素を検出している。塩素水は、塩素発生器に塩化ナト
リウム溶液を通して塩素を発生させることで作ってい
る。そして、上述の遊離塩素が一定の量だけ残留するよ
うに塩素発生量を増減させている。したがって、塩素発
生量を計測することで原水の塩素要求量を求めることが
できる。
【0003】上述の塩素要求量計では、原水と塩素水を
それぞれ所定の流量で反応槽内に供給する必要がある。
ところで、原水は汚濁物を含んでいるので、一般の薬液
定量供給に用いられる通常の定流量ポンプを原水の供給
に利用すると、定流量ポンプに汚濁物が付着蓄積して、
流量が減少したり、ポンプが詰まったりするなどの問題
が生じる。そこで、このような原水を定量採取するため
の装置として、弾性材料で作られたチューブを採取管と
して利用するものが知られている(特公昭57−737
7号公報)。この採取装置では、一端が閉塞していて他
端が開口しているような採取管を利用している。この採
取管の開口端を原水に浸漬してから、採取管の途中を押
圧すると、採取管の内部の空気の一部が開口端から原水
中に吐き出される。その直後に上記押圧力を解放する
と、採取管が自身の弾性復元力により元に戻って、採取
管の開口端から原水が採取管の内部に吸引される。それ
から、この採取管の開口端を塩素要求量計の反応槽に移
動して、採取管の途中を再び押圧すれば、吸引した原水
が反応槽内に吐出される。もし1回の吸引によって吸引
される原水量が一定であって、かつ、吸引・吐出のサイ
クル・タイムが一定であれば、反応槽内への原水の供給
流量は一定になる。このような定量採取装置は、きわめ
て簡便な構造であり、原水の汚濁物が詰まりにくい。し
かも、原水は採取管に吸引されるときと採取管から排出
されるときとで流れが逆向きになるので、原水中の汚濁
物が採取装置に付着残留しにくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の定量採
取装置は、1回の吸引によって採取される採取量にかな
りの変動(ひどいときは20%程度の変動)があること
が判明した。このような変動の原因を探っていくと、採
取管の開口端が原水に浸漬している状態で採取管の内部
の空気を原水中に吐き出していることに原因があること
が分かった。原水に浸漬している採取管から空気を吐き
出すと、この空気は採取管の先端で個々の気泡となって
ちぎれて原水中を上昇して行く。その場合、空気の吐き
出し段階から原水の吸引段階に移行する時点での採取管
の先端の空気溜りの状態が原水の吸引量に大きく関係し
てくる。図16の(A)は空気の吐き出し段階から原水
の吸引段階に移行する時点での採取管の開口端14の空
気溜り95の状態を示したものである。空気溜り95と
は開口端14から原水50に向かって少し突き出た部分
である。このような状態から原水50を吸引し始める
と、空気溜り95の無い理想的な状態と比較して、空気
溜り95の体積分だけ原水の吸引量が減少することにな
る。また、図16の(B)は(A)の状態よりもさらに
空気溜り95が膨らんだ状態を示している。この状態で
も気泡としてちぎれて出て行くまでには至っていない。
この状態から原水50を吸引すると、原水の吸引量は
(A)の場合よりもさらに減少することになる。そし
て、空気の吐き出し段階から原水の吸引段階に移行する
時点での空気溜り95の体積をコントロールすることは
不可能であるから、吸引毎に吸引量が大きく変動する結
果となる。また、空気を原水中に吐き出すときに、採取
管の開口端付近の原水が激しく乱れて、取水口の水位が
変動し、この水位の変動が吸引量のバラツキのその他の
原因にもなっていると考えられる。
【0005】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、採取管の圧縮・復元に
よって液体を吸引・吐出するタイプの液体定量採取装置
において、1回当たりの採取量の変動を少なくすること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の液体定量採取装
置は、次の(ア)〜(キ)を備えている。(ア)互いに
噛み合って上下に配置され、一方を駆動源に連結された
径の等しい二つの歯車。(イ)前記各歯車の中心からそ
れぞれ距離が等しくなるように前記各歯車に回転可能に
取り付けられた二つのガイド。(ウ)前記二つのガイド
の貫通孔にスライド可能に挿入されていて鉛直姿勢を保
つ支持棒。(エ)前記支持棒に固定された二つのストッ
パ。これらのストッパは、前記二つのガイドがそれらを
取り付けた各歯車の中心と同一の高さ位置にあるとき
に、前記二つのガイドの上面にそれぞれ接触する。
(オ)一端が閉塞していて他端が開口しており、弾性復
元力のある材料で作られている柔軟な液体採取管。この
液体採取管の開口端の近傍が前記支持棒の下端付近に固
定されている。(カ)前記二つの歯車の一方に固定され
たカム。このカムの輪郭は、ほぼ180度の角度範囲に
わたって連続している円弧状の大径部と、ほぼ180度
の角度範囲にわたって連続していて前記大径部よりも径
が小さい小径部とからなる。(キ)前記カムの輪郭に接
触して昇降する押圧機構。前記二つのガイドがそれらを
取り付けた各歯車の中心と同一の高さ位置にあるとき
に、前記押圧機構は前記カムの小径部と大径部の間の二
つの境界のいずれかに遭遇し、そのときに前記押圧機構
は下降または上昇して、前記液体採取管を圧縮し、また
は圧縮を解放する。
【0007】カムの大径部は、ほぼ180度の角度範囲
にわたって連続している円弧状である。この大径部に前
記押圧機構が接触している間は、液体採取管は圧縮状態
を保っている。カムの小径部は、大径部よりも径が小さ
くて、ほぼ180度の角度範囲にわたって連続してい
る。この小径部のところでは、前記押圧機構が上昇して
液体採取管の圧縮状態が解放される。小径部は、必ずし
も径が一定である必要はなく、大径部よりも径が小さい
状態がほぼ180度の角度範囲にわたって連続していれ
ば足りる。
【0008】カムが約180度回転する間は押圧機構が
カムの大径部に接触していて液体採取管は圧縮状態にあ
り、カムが次の約180度を回転する間は押圧機構がカ
ムの小径部に対面していて液体採取管は圧縮解放状態に
ある。圧縮状態から圧縮解放状態に移行するときに液体
採取管は液体を吸引し、圧縮解放状態から圧縮状態に移
行するときに液体採取管は液体を吐出する。本発明で
は、液体採取管が圧縮状態のまま液体中に浸漬して、そ
の後、圧縮解放状態に移行して液体を吸引するので、吸
引直前に液体中に液体採取管の内部の空気を排出するこ
とがない。したがって、取水口の液体の水位が排出空気
によって乱れることがなく、1回ごとの採取量の変動が
非常に少なくなる。このような液体定量採取装置を塩素
要求量計の原水採取装置に用いると、塩素要求量の測定
値も安定する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施形態を
示す正面図である。図1において、採取管10の一端は
閉塞端12となっており、他端は開口端14となってい
る。採取管10は柔軟で弾性復元力のあるシリコーンゴ
ムのチューブでできている。この実施形態では、採取管
10の外径は7mm、内径は5mmである。採取管10
の閉塞端12から途中までは、支持台16の上に固定さ
れていて、そこから先は自由に動くようになっている。
支持台16上の採取管10は押圧板18で押圧される。
押圧板18はローラ22によって下方に押される。ロー
ラ22はカム26に接触している。カム26は第1歯車
28に固定されていて、第1歯車28と共に回転する。
カム26が回転すると、これに接触するローラ22が上
下動し、それに伴って押圧板18が上下方向に揺動す
る。この押圧板18の揺動により採取管10の圧縮・復
元が繰り返される。
【0010】第1歯車28と第2歯車30は同じ径であ
り、互いに噛合っていて、逆方向に同じ回転速度で回転
する。第1歯車28には第1ガイド32が回転可能に取
り付けられている。この第1ガイド32には貫通孔があ
いていて、この貫通孔を支持棒36がスライド可能に貫
通している。第2歯車30にも同様に第2ガイド34が
回転可能に取り付けられていて、この第2ガイド34の
貫通孔にも上述の支持棒36がスライド可能に貫通して
いる。支持棒36は常に鉛直姿勢を保つことになる。第
1歯車28の中心から第1ガイド32までの距離と、第
2歯車28の中心から第2ガイド34までの距離は等し
くなっている。支持棒36の上端付近には第2ストッパ
35が固定され、支持棒36の中央付近には第1ストッ
パ33が固定されている。支持棒36は二つのストッパ
33、35を介してガイド32、34の上に載ってい
る。二つのガイド32、34が各歯車28、30の中心
と同一の高さ位置にあるとき(図1に示す状態)は、支
持棒36の二つのストッパ33、35がガイド32、3
4の上面にそれぞれ接触する。歯車28、30がそれ以
外の回転位置にあるときは、一方のストッパだけがガイ
ドに接触して、他方のストッパはガイドから離れること
になる。歯車28、30が回転すると、二つのガイド3
2、34は歯車と共に互いに逆方向に回転する。それに
伴って支持棒36は昇降しながら左右に移動し、半円状
の軌跡を描く。支持棒36の下端には採取管10の開口
端14の近傍が固定されている。
【0011】図5は図1の採取装置の側面図であり、一
部を断面で示している。図5において、第1歯車28は
シンクロナス・モータ38の出力軸39に固定されてい
る。モータ38はベース40に固定されている。第2歯
車30は軸42に回転可能に取り付けられている。軸4
2はベース40に固定されている。二つの歯車28、3
0の正面側にはそれぞれガイド32、34が回転可能に
取り付けられている。第1歯車28の背面側にはカム2
6が固定されている。ローラ22は軸44に回転可能に
取り付けられている。軸44は上下方向の長孔46内を
上下方向に移動可能である。ローラ22の下に押圧板1
8がある。採取管10の途中は支持台16と押圧板18
の間に挟まれている。採取管10は第1歯車28の背面
側で支持台16に固定されていて、図5の奥側を通って
第1歯車28の正面側に出てきている。
【0012】図6はカム26とローラ22と押圧板18
を拡大して示した正面図である。カム26の輪郭は、半
径R1の円弧状の小径部56と、R1よりも大きな半径
R2を有する円弧状の大径部58とからなる。小径部5
6はほぼ180度の角度範囲にわたって連続している。
大径部58もほぼ180度の角度範囲にわたって連続し
ている。カム26は図の時計方向に回転する。カム26
が時計方向に回転するときにローラ22から見て大径部
58から小径部56に移行する境界部分には第1段差6
0が形成されている。小径部56から大径部58に移行
する境界部分には第2段差62が形成されている。この
第2段差62には、半径R2よりもわずかに距離ΔR
(例えば0.5mm)だけ外側に突き出た突起64が形
成されている。これにより、第1段差60における採取
管10の内容積の増加量よりも、第2段差62における
採取管の内容積の減少量の方がわずかに大きくなり、採
取管10に吸引した原水を確実に全て吐出できるように
している。
【0013】ローラ22と押圧板18はカム26と採取
管10の間に挟まれている。押圧板18とローラ22は
採取管10の弾性復元力により常に上方に押されてい
る。ローラ22はカム26の輪郭によってその上方への
移動が規制されている。ローラ22は軸24の回りを回
転でき、軸24は長孔46内で昇降できる。押圧板18
は軸20の回りを揺動でき、軸20はベース40(図5
を参照)に固定されている。
【0014】カム26が回転してローラ22がカム26
の第1段差60を通過するとローラ22と押圧板18は
採取管10の弾性復元力により上方に移動する。これに
より、圧縮されていた採取管10が元に戻る。ローラ2
2がカム26の第2段差62を通過するとローラ22と
押圧板18が下方に押されて、採取管10が圧縮され
る。
【0015】次に、この採取装置の動作を説明する。以
下の説明では、この採取装置を塩素要求量計の原水採取
装置として使う場合を想定している。図1において、こ
の採取装置は、取水口48から原水50を採取して、受
け口52に吐出するものである。取水口48では、外周
側の流入路から中央の排水口54へと原水50がオーバ
ーフローするようになっている。これにより、流れてい
る原水の液面はほぼ一定のレベルを保っている。受け口
52で受け取った原水は塩素要求量計の反応槽に供給さ
れる。モータ38(図5を参照)は一定の回転速度で回
転し、支持棒36は円弧状の軌跡を描いて往復運動を繰
り返す。その間に採取管10による原水50の吸引・吐
出が繰り返される。
【0016】図1は採取管10の開口端14が取水口4
8の原水50中にちょうど浸漬した状態を示している。
このとき、支持棒36は移動範囲の一番右側の位置にあ
り、同時に、下限位置にある。この状態を基準位置と呼
ぶことにする。この基準位置では、図6に示すように、
カム26がローラ22と接触する部分は大径部58から
小径部56に移行する直前、すなわち第1段差60の直
前にある。このとき採取管10は圧縮された状態にあ
る。この基準位置から、わずかにカム26が回転する
と、図7に示すように、ローラ22がカム26の第1段
差60を通過して、採取管10が弾性復元力により元に
戻り、ローラ22と押圧板18が上昇する。これによ
り、採取管10の内部が負圧になり、採取管10の開口
端から原水が吸引される。
【0017】基準位置からカム26が90度回転すると
図2の状態になる。第1歯車28の第1ガイド32は下
方に移動し、一方、第2歯車30の第2ガイド34は上
方に移動する。支持棒36に固定された第2ストッパ3
5は第2ガイド34によって持ち上げられ、支持棒36
は上昇する。支持棒36の第1ストッパ33は第1ガイ
ド32から離れている。支持棒36は円弧状の軌跡の中
間点にあり、採取管10の開口端14は取水口48から
離れている。図2の状態では、図8に示すように、ロー
ラ22はカム26の小径部56の中間点を通過している
ところであり、採取管10は圧縮が解放された状態のま
まである。したがって、採取管10に吸引された原水は
そのまま保持されている。
【0018】基準位置からカム26が180度回転する
と図3の状態になる。支持棒36は移動範囲の一番左側
に来て、下限位置となる。図3の状態では、図9に示す
ように、ローラ22はカム26の第2段差62に押され
て下方に移動する。したがって、押圧板18が採取管1
0を圧縮する。これにより、採取管10の内部に吸引さ
れていた原水が受け口52(図3を参照)に吐出され
る。第2段差62は図6に示すように大径部58よりも
わずかに突き出ているので、採取管10内の原水は内部
に残ることなく完全に吐出される。
【0019】基準位置からカム26が270度回転する
と図4の状態になる。支持棒36は右側位置に戻る途中
にある。図4の状態では、図10に示すように、ローラ
22はカム26の大径部58の中間点を通過していると
ころである。ローラ22がカム26の大径部58に接触
している間は、採取管10は圧縮されたままの状態にあ
る。
【0020】基準位置からカム26が360度回転する
と図1の基準位置に戻る。このとき、採取管10は圧縮
状態を保ったままである。そして、基準位置をわずかに
過ぎたときに、図7に示すように、採取管10の圧縮状
態が解放されて原水が吸引される。
【0021】本発明が従来技術と異なる点は、図3から
図4を経て図1に戻るときに、採取管が圧縮状態をずっ
と維持している点にある。従来技術では採取管を圧縮し
て原水を吐出すると、すぐに採取管の圧縮を解放してい
る。したがって、従来技術では、採取管の開口端を原水
に浸漬してから、採取管を再び圧縮する必要がある。そ
のときに、採取管の内部の空気が排出される。それから
圧縮を解放することで原水を吸引している。これに対し
て本発明では、採取管の開口端を原水に浸漬したときに
は、すでに採取管は圧縮状態にあるので、単に採取管の
圧縮状態を解放するだけで原水を吸引できる。これによ
り、本発明では、原水を吸引するときに採取管から原水
中に空気を吐き出すことがなく、1回ごとの採取量の変
動がきわめて少なくなる。従来技術では原水の採取量の
変動が20%近くに達することもあったが、本発明を用
いることで採取量の変動は2%程度にまで減少した。
【0022】上述の実施形態では、1サイクル(1回の
吸引・吐出)で0.75ミリリットルの原水を採取する
ことができる。そして、採取装置は1分間に8サイクル
の採取を行うので、毎分6ミリリットルの流量で原水を
採取することができる。
【0023】次に、本発明の採取装置を利用した塩素要
求量計を説明する。図11は塩素要求量計の構成図であ
る。検水66はオーバーフロータンク68からサブタン
ク70に流入する。このサブタンク70の上部が上述の
図1の取水口48に相当する。サブタンク70中の検水
は本発明の採取装置72で採取されて反応槽74に供給
される。一方、試薬タンク76内の塩化ナトリウム溶液
は試薬ポンプ78によって塩素発生器80に供給され、
ここで塩素水が作られて、反応槽74に供給される。反
応槽74では攪拌器75で検水と塩素水とを攪拌・混合
して塩素消費反応を行わせる。紫外線ランプ82からは
紫外線を照射して塩素消費反応を加速している。反応槽
74の水温はヒータ84によって35℃に保っている。
反応槽74内の遊離塩素は残留塩素検出器86で検出し
ている。ここで検出した残留塩素量の数値を増幅器88
と自動調節器90とを経由して塩素発生器80にフィー
ドバックし、残留塩素量が一定になるように塩素発生量
を調節している。塩素発生量の指令値は指示計92で表
示され、この表示値が塩素要求量を表わしている。反応
槽74からオーバーフローした液体は流量計94を通っ
て排出される。
【0024】この塩素要求量計を最初に使うときは、ま
ず、蒸留水を検水として用いてゼロ点を較正し、次に、
標準の塩素要求液を検水として用いて測定値のスパンを
較正する。それから未知の原水を検水として用いて塩素
要求量を測定する。この塩素要求量計では、本発明の採
取装置72を用いて検水を毎分6ミリリットルの流量で
反応槽74に供給している。試薬ポンプ78による試薬
の流量は毎分2ミリリットルである。
【0025】次に、本発明の第2の実施形態を図12〜
図15を参照して説明する。図12と図13は、第2の
実施形態の正面図と側面図であり、第1の実施形態の図
1と図5に対応している。図12の装置が図1の装置と
異なるところは、カム96と押圧機構98である。図1
4はカム96と押圧機構98を拡大して示す正面図であ
る。カム96の輪郭は、円弧状の大径部100と、三つ
の直線部102、104、106とからなる。大径部1
00は約180度の角度範囲にわたって連続している。
三つの直線部102、104、106は、いずれも大径
部100よりも径が小さく、その意味で、これらは連続
した小径部を構成している。これらの小径部は、第2の
実施形態ではローラ108に接触する訳ではないから、
円弧状にする必要はない。したがって、カムの製造を簡
単にするために、小径部は直線上にカットしている。
【0026】押圧板110は軸112の回りを揺動で
き、軸112はベース113(図13を参照)に固定さ
れている。押圧板110にはローラ支持板114が固定
されている。このローラ支持板114に軸116が固定
され、この軸116にローラ108が回転可能に取り付
けられている。カム96の大径部100がローラ108
に接触すると、ローラ108が下がり、それに伴って、
軸116とローラ支持板114とを介して押圧板110
が下方に揺動する。これにより、採取管118が圧縮さ
れる。押圧板110の先端とベースとの間には引張りコ
イルバネ120が引っ掛けられていて、押圧板110の
先端は常に上方に引っ張られている。ただし、ある程度
押圧板110が上昇すると、もはや引張りコイルバネ1
20の弾性復元力がなくなり、そこで押圧板110は止
まる。図15に示すように、ローラ108がカム96の
小径部に面していて押圧板110が上昇した状態では、
採取管118が自己の弾性復元力により広がって、圧縮
開放状態になる。
【0027】図14において押圧板110の軸112の
中心(押圧板110の回転中心)は、採取管118が圧
縮された状態における押圧板110の下面とほぼ同じ高
さになっている。もし、押圧板110の回転中心がそれ
よりも高い位置にあると、押圧板110で採取管118
を圧縮したときに、押圧板110の下面が採取管118
の表面を図の右方向に引っ張る力がわずかに働くことに
なり、これが採取管118の損傷を早めることになる。
【0028】カム96の背面側において、カム96の大
径部100の一方の端部に円板122が固定されてい
る。この円板122の外周は、大径部100よりもわず
かに外側に突き出すようになっている。この円板122
は、図6に示す距離ΔRの突起64と同じ働きをする。
このように円板122を固定した方がカム96の製造が
容易になる。
【0029】
【発明の効果】本発明の液体定量採取装置は、液体採取
管が圧縮状態のまま液体中に浸漬して、その後、圧縮解
放状態に移行して液体を吸引するので、吸引直前に液体
中に液体採取管の内部の空気を排出することがない。し
たがって、1回ごとの採取量の変動が非常に少なくな
る。このような液体定量採取装置を塩素要求量計の原水
採取装置に用いると、塩素要求量の測定値が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の状態からカムが90度回転した状態の正
面図である。
【図3】図1の状態からカムが180度回転した状態の
正面図である。
【図4】図1の状態からカムが270度回転した状態の
正面図である。
【図5】図1の採取装置の側面図である。
【図6】カムと押圧機構を拡大して示した正面図であ
る。
【図7】図6の状態からカムがわずかに回転した状態の
正面図である。
【図8】図6の状態からカムが90度回転した状態の正
面図である。
【図9】図6の状態からカムが180度回転した状態の
正面図である。
【図10】図6の状態からカムが270度回転した状態
の正面図である。
【図11】塩素要求量計の構成図である。
【図12】本発明の第2の実施形態を示す正面図であ
る。
【図13】図12の採取装置の側面図である。
【図14】図12で使用しているカムと押圧機構を拡大
して示した正面図である。
【図15】図12の状態からカムが90度回転した状態
の正面図である。
【図16】従来技術における採取管の開口端の空気溜り
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 採取管 12 閉塞端 14 開口端 18 押圧板 22 ローラ 26 カム 28 第1歯車 30 第2歯車 32 第1ガイド 33 第1ストッパ 34 第2ガイド 35 第2ストッパ 36 支持棒 48 取水口 50 原水 52 受け口 54 排水口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(ア)〜(キ)を備えた液体定量採
    取装置。 (ア)互いに噛み合って上下に配置され、一方を駆動源
    に連結された径の等しい二つの歯車。 (イ)前記各歯車の中心からそれぞれ距離が等しくなる
    ように前記各歯車に回転可能に取り付けられた二つのガ
    イド。 (ウ)前記二つのガイドの貫通孔にスライド可能に挿入
    されていて鉛直姿勢を保つ支持棒。 (エ)前記支持棒に固定された二つのストッパ。これら
    のストッパは、前記二つのガイドがそれらを取り付けた
    各歯車の中心と同一の高さ位置にあるときに、前記二つ
    のガイドの上面にそれぞれ接触する。 (オ)一端が閉塞していて他端が開口しており、弾性復
    元力のある材料で作られている柔軟な液体採取管。この
    液体採取管の開口端の近傍が前記支持棒の下端付近に固
    定されている。 (カ)前記二つの歯車の一方に固定されたカム。このカ
    ムの輪郭は、ほぼ180度の角度範囲にわたって連続し
    ている円弧状の大径部と、ほぼ180度の角度範囲にわ
    たって連続していて前記大径部よりも径が小さい小径部
    とからなる。 (キ)前記カムの輪郭に接触して昇降する押圧機構。前
    記二つのガイドがそれらを取り付けた各歯車の中心と同
    一の高さ位置にあるときに、前記押圧機構は前記カムの
    小径部と大径部の間の二つの境界のいずれかに遭遇し、
    そのときに前記押圧機構は下降または上昇して、前記液
    体採取管を圧縮し、または圧縮を解放する。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体定量採取装置にお
    いて、前記カムの小径部と大径部の間の二つの境界にそ
    れぞれ段差が形成されていて、一方の段差に、大径部よ
    りもわずかに外側に突き出す突起が形成されていること
    を特徴とする液体定量採取装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の液体定量採取
    装置において、前記押圧機構は、前記カムの輪郭に接触
    して昇降するローラと、このローラの昇降運動に連動し
    て揺動する押圧板とからなることを特徴とする液体定量
    採取装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項に記
    載の液体定量採取装置を原水の採取装置として用いた塩
    素要求量計。
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