JP2000161646A - 電気抵抗式灰溶融炉の溶融制御方法 - Google Patents
電気抵抗式灰溶融炉の溶融制御方法Info
- Publication number
- JP2000161646A JP2000161646A JP10331304A JP33130498A JP2000161646A JP 2000161646 A JP2000161646 A JP 2000161646A JP 10331304 A JP10331304 A JP 10331304A JP 33130498 A JP33130498 A JP 33130498A JP 2000161646 A JP2000161646 A JP 2000161646A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- power
- melting
- furnace
- ash
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Discharge Heating (AREA)
- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 各相の電流の平衡を保ちつつ投入電力量を大
幅に制御することが可能であり、また溶融塩類を含む飛
灰も安定して溶融することのできる電気抵抗式灰溶融炉
の溶融制御方法を提供する。 【解決手段】 炉内の溶融スラグ中に上方から装入され
た電極に通電して灰を溶融する電気抵抗式灰溶融炉の溶
融制御方法において、電極2の深さ位置を一定に保持
(電極昇降装置21を使用)しつつ前記電極2への投入
電力を制御(電力調整装置5を使用)することにより溶
融状態を制御することを特徴とする電気抵抗式灰溶融炉
の溶融制御方法。
幅に制御することが可能であり、また溶融塩類を含む飛
灰も安定して溶融することのできる電気抵抗式灰溶融炉
の溶融制御方法を提供する。 【解決手段】 炉内の溶融スラグ中に上方から装入され
た電極に通電して灰を溶融する電気抵抗式灰溶融炉の溶
融制御方法において、電極2の深さ位置を一定に保持
(電極昇降装置21を使用)しつつ前記電極2への投入
電力を制御(電力調整装置5を使用)することにより溶
融状態を制御することを特徴とする電気抵抗式灰溶融炉
の溶融制御方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶融スラグ中に
装入された電極に通電し、発生するジュール熱を用いて
投入された灰を溶融処理する電気抵抗式灰溶融炉の溶融
制御方法に関する。
装入された電極に通電し、発生するジュール熱を用いて
投入された灰を溶融処理する電気抵抗式灰溶融炉の溶融
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ、あるいは産業廃棄物などの焼
却装置からは大量の灰が排出される。これらの灰は以前
は単に埋め立てに用いられていたが、埋め立て地の立地
が困難となる中で、近年、灰の溶融処理が開発されてい
る。
却装置からは大量の灰が排出される。これらの灰は以前
は単に埋め立てに用いられていたが、埋め立て地の立地
が困難となる中で、近年、灰の溶融処理が開発されてい
る。
【0003】例えば、特開平8−8060号公報には、
三相アーク式灰溶融炉の電力制御方法が提案されてい
る。この技術は、電極ごとに発熱量を所要に応じて分配
するため、電極ごとに目標とするインピーダンスを定
め、電極を昇降させるというものである。
三相アーク式灰溶融炉の電力制御方法が提案されてい
る。この技術は、電極ごとに発熱量を所要に応じて分配
するため、電極ごとに目標とするインピーダンスを定
め、電極を昇降させるというものである。
【0004】特開平6−349575号公報には、投入
灰量に対応する電力投入を行う方法が提案されている。
この方法は、一定時間の投入灰量と一定時間の電力量を
計測し、投入灰量に対して投入電力量に過不足が生じた
場合、設定電力を修正して投入電力量を投入灰量に対応
する値に制御するというものである。この公報の実施例
では、三相交流電源の2次側にアーク電源装置が設けら
れ、アーク電圧可変のためのタップを備える変圧器や電
極昇降装置を備えている。
灰量に対応する電力投入を行う方法が提案されている。
この方法は、一定時間の投入灰量と一定時間の電力量を
計測し、投入灰量に対して投入電力量に過不足が生じた
場合、設定電力を修正して投入電力量を投入灰量に対応
する値に制御するというものである。この公報の実施例
では、三相交流電源の2次側にアーク電源装置が設けら
れ、アーク電圧可変のためのタップを備える変圧器や電
極昇降装置を備えている。
【0005】また、特開平9−105507号公報に
は、炉底電極式の電気抵抗式灰溶融炉を用い、炉内の溶
融スラグレベルを検知して、最適かつ安定な運転方法を
提供する灰溶融炉の運転方法が提案されている。この方
法は、灰溶融炉の炉蓋に垂直な方向に設置された溶融ス
ラグレベル検出器により、炉内のスラグレベルを検知す
ることで、灰供給量および電力投入量を制御して最適か
つ安定な運転を図るというものである。
は、炉底電極式の電気抵抗式灰溶融炉を用い、炉内の溶
融スラグレベルを検知して、最適かつ安定な運転方法を
提供する灰溶融炉の運転方法が提案されている。この方
法は、灰溶融炉の炉蓋に垂直な方向に設置された溶融ス
ラグレベル検出器により、炉内のスラグレベルを検知す
ることで、灰供給量および電力投入量を制御して最適か
つ安定な運転を図るというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には次のような問題点がある。
術には次のような問題点がある。
【0007】まず、前述の従来技術のようにアーク式加
熱方法を用いる場合、電流が被加熱物(溶融スラグ)の
表面に集中するので、炉内の温度分布を均一にし難いと
いう問題がある。
熱方法を用いる場合、電流が被加熱物(溶融スラグ)の
表面に集中するので、炉内の温度分布を均一にし難いと
いう問題がある。
【0008】特開平8−8060号公報記載の技術で
は、電極ごとに目標とするインピーダンスを定めるの
で、各電極の電流は必ずしも一定とならない。一般に、
三相交流の使用に当っては、三相の各相が不平衡となら
ないよう、各相の電流を一定にすることが望ましい。
は、電極ごとに目標とするインピーダンスを定めるの
で、各電極の電流は必ずしも一定とならない。一般に、
三相交流の使用に当っては、三相の各相が不平衡となら
ないよう、各相の電流を一定にすることが望ましい。
【0009】この従来技術では、三相交流の各相の電流
は不平衡であり、一部のケーブルに過大な電流が流れた
り、投入電力の加熱効率が低下する。また、三相交流の
中性点が、炉心からずれて炉壁に近づくと、その部分の
炉壁が高温の溶融スラグと接触し損傷し易くなるという
問題がある。
は不平衡であり、一部のケーブルに過大な電流が流れた
り、投入電力の加熱効率が低下する。また、三相交流の
中性点が、炉心からずれて炉壁に近づくと、その部分の
炉壁が高温の溶融スラグと接触し損傷し易くなるという
問題がある。
【0010】特開平6−349575号公報記載の技術
では、電力制御にアーク電源装置を用いる場合、この装
置を三相交流電源の2次側に設けている。そのため、ア
ーク電源装置は、2次側の低電圧大電流のアーク電流を
制御する必要があり、装置が大型化する。
では、電力制御にアーク電源装置を用いる場合、この装
置を三相交流電源の2次側に設けている。そのため、ア
ーク電源装置は、2次側の低電圧大電流のアーク電流を
制御する必要があり、装置が大型化する。
【0011】この従来技術では、アーク電源装置を制御
する代りに、電極昇降装置により電力制御する方法も提
案されている。しかし、この方法は、アーク加熱方式の
電力制御に用いることはできるとしても、電気抵抗加熱
方式の電力制御に用いる場合は次のような問題がある。
する代りに、電極昇降装置により電力制御する方法も提
案されている。しかし、この方法は、アーク加熱方式の
電力制御に用いることはできるとしても、電気抵抗加熱
方式の電力制御に用いる場合は次のような問題がある。
【0012】一般に、電気抵抗加熱方式の場合、電極位
置の調節による電力制御については、制御可能な範囲に
制限がある。電力を電極が基準位置にある場合の値より
増加させるには、電極をさらに深く挿入する必要があ
る。しかし、電気抵抗加熱方式における電極は、被加熱
物(溶融した灰)の中に深く挿入されており、基準位置
から炉底までの移動可能な余裕は僅かである。
置の調節による電力制御については、制御可能な範囲に
制限がある。電力を電極が基準位置にある場合の値より
増加させるには、電極をさらに深く挿入する必要があ
る。しかし、電気抵抗加熱方式における電極は、被加熱
物(溶融した灰)の中に深く挿入されており、基準位置
から炉底までの移動可能な余裕は僅かである。
【0013】すなわち、電極の最適な位置は狭い範囲に
限られることから、深さ位置変更による電力調整範囲
は、基準位置における電力のたかだか±20%であっ
て、倍率にして1.5倍(120%/80%)に過ぎず、アーク式
加熱のように、電極位置により電力を大幅に変化させる
ことはできない。このように、電気抵抗加熱方式では、
電極位置の調節により電力を制御することには限界があ
る。
限られることから、深さ位置変更による電力調整範囲
は、基準位置における電力のたかだか±20%であっ
て、倍率にして1.5倍(120%/80%)に過ぎず、アーク式
加熱のように、電極位置により電力を大幅に変化させる
ことはできない。このように、電気抵抗加熱方式では、
電極位置の調節により電力を制御することには限界があ
る。
【0014】さらに、電力制御のために電極位置を変え
ると、電極のインピーダンスも変化する。その結果、電
源と負荷のインピーダンスマッチングがとれなくなり、
電極に供給可能な電力が低下する。また、電極のインピ
ーダンスを操業上の最適値に設定できなくなるという問
題もある。
ると、電極のインピーダンスも変化する。その結果、電
源と負荷のインピーダンスマッチングがとれなくなり、
電極に供給可能な電力が低下する。また、電極のインピ
ーダンスを操業上の最適値に設定できなくなるという問
題もある。
【0015】特開平9−105507号公報記載の技術
は、直流電気抵抗式灰溶融炉を前提としており、これを
三相交流を用いる三相電気抵抗式灰溶融炉に、適用する
ことは簡単にはできない。特に、複数の交流電極を溶融
物の上方から装入するいわゆるエール式溶融炉において
は、表層に発生する溶融塩層がスラグ層に比べ導電性が
高いため、電極間でのショート状態が発生し、塩類を多
く含む飛灰単独の溶融は困難であると考えられていた。
は、直流電気抵抗式灰溶融炉を前提としており、これを
三相交流を用いる三相電気抵抗式灰溶融炉に、適用する
ことは簡単にはできない。特に、複数の交流電極を溶融
物の上方から装入するいわゆるエール式溶融炉において
は、表層に発生する溶融塩層がスラグ層に比べ導電性が
高いため、電極間でのショート状態が発生し、塩類を多
く含む飛灰単独の溶融は困難であると考えられていた。
【0016】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、各相の電流の平衡を保ちつつ投
入電力量を大幅に制御することが可能であり、また溶融
塩類を含む飛灰も安定して溶融することのできる電気抵
抗式灰溶融炉の溶融制御方法を提供することを目的とす
る。
ためになされたもので、各相の電流の平衡を保ちつつ投
入電力量を大幅に制御することが可能であり、また溶融
塩類を含む飛灰も安定して溶融することのできる電気抵
抗式灰溶融炉の溶融制御方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、次の発明
により解決される。
により解決される。
【0018】第1の発明は、炉内の溶融スラグ中に上方
から装入された電極に通電して灰を溶融する電気抵抗式
灰溶融炉の溶融制御方法において、電極の深さ位置を一
定に保持しつつ前記電極への投入電力を制御することに
より溶融状態を制御することを特徴とする電気抵抗式灰
溶融炉の溶融制御方法である。
から装入された電極に通電して灰を溶融する電気抵抗式
灰溶融炉の溶融制御方法において、電極の深さ位置を一
定に保持しつつ前記電極への投入電力を制御することに
より溶融状態を制御することを特徴とする電気抵抗式灰
溶融炉の溶融制御方法である。
【0019】塩類の多い飛灰を溶融する場合、溶融塩
は、溶融スラグより比重が小さいので溶融スラグの上方
に層をなす。ところが、溶融塩は溶融スラグより導電性
が高いため、従来の溶融方法では、溶融塩層の厚さが増
すと電極装入深さが浅くなる。すると、表層部分のみが
加熱されるので、下層の溶融スラグや溶融メタルの温度
が低下して安定操業できない。
は、溶融スラグより比重が小さいので溶融スラグの上方
に層をなす。ところが、溶融塩は溶融スラグより導電性
が高いため、従来の溶融方法では、溶融塩層の厚さが増
すと電極装入深さが浅くなる。すると、表層部分のみが
加熱されるので、下層の溶融スラグや溶融メタルの温度
が低下して安定操業できない。
【0020】これに対して、電極深さを変えず電力を一
定に保持すれば、下層の溶融スラグ温度等の低下が起き
ず、表層の溶融塩層が加熱されて飛散・消滅し、安定操
業できることを知見した。本発明では、この知見に基づ
き、電極の位置を一定に保持しつつ電極への投入電力を
制御しており、その結果、灰の溶融状態を制御すること
が可能となる。
定に保持すれば、下層の溶融スラグ温度等の低下が起き
ず、表層の溶融塩層が加熱されて飛散・消滅し、安定操
業できることを知見した。本発明では、この知見に基づ
き、電極の位置を一定に保持しつつ電極への投入電力を
制御しており、その結果、灰の溶融状態を制御すること
が可能となる。
【0021】第2の発明は、電極への投入電力を測定し
て予め与えられた電力設定値と比較し、比較結果に基づ
き炉電源の電圧調整手段を用いて、前記電極への投入電
力を制御することを特徴とする第1の発明の電気抵抗式
灰溶融炉の溶融制御方法である。
て予め与えられた電力設定値と比較し、比較結果に基づ
き炉電源の電圧調整手段を用いて、前記電極への投入電
力を制御することを特徴とする第1の発明の電気抵抗式
灰溶融炉の溶融制御方法である。
【0022】ここで、電極についての電力は、電極の電
圧Eと電流Iを測定することにより容易に得られる。な
お、これらの変数は位相を含むベクトル表示で表してあ
る。電力は、電力の実効値をP0とすると、 P0=E0I0cosδ となる。なお、E0とI0は電圧Eと電流Iの実効値、co
sδは力率をそれぞれ表す。
圧Eと電流Iを測定することにより容易に得られる。な
お、これらの変数は位相を含むベクトル表示で表してあ
る。電力は、電力の実効値をP0とすると、 P0=E0I0cosδ となる。なお、E0とI0は電圧Eと電流Iの実効値、co
sδは力率をそれぞれ表す。
【0023】測定された投入電力は、予め与えられた電
力設定値と比較される。次いで、比較結果に基づき、電
極電圧を調整する。これは、例えば炉電源トランスの1
次側に設けた電圧調整手段により行われる。
力設定値と比較される。次いで、比較結果に基づき、電
極電圧を調整する。これは、例えば炉電源トランスの1
次側に設けた電圧調整手段により行われる。
【0024】このように、本発明は、電極の深さ位置制
御を電力制御と切り離し、炉電源トランスの1次側の電
圧調整により炉全体の電力を制御しているので、従来技
術と異なり、塩類を多く含む灰であっても安定した投入
電力の制御が可能となる。その結果、電極の位置を操業
上最適な値に保持した状態で、電力を制御することがで
きる。
御を電力制御と切り離し、炉電源トランスの1次側の電
圧調整により炉全体の電力を制御しているので、従来技
術と異なり、塩類を多く含む灰であっても安定した投入
電力の制御が可能となる。その結果、電極の位置を操業
上最適な値に保持した状態で、電力を制御することがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を示
すブロック図である。ここでは、三相交流による電気抵
抗式灰溶融炉の電力制御の例を示す。電源トランス1よ
り、上方から溶融物中に装入された3本の電極2に電力
が供給される。各電極2は電極昇降装置21(一部の電
極2については、図示を省略)により支持され、灰溶融
炉3の中の溶融状態の灰(溶融スラグ)9の内部に、深
さ調整可能に装入されている。
すブロック図である。ここでは、三相交流による電気抵
抗式灰溶融炉の電力制御の例を示す。電源トランス1よ
り、上方から溶融物中に装入された3本の電極2に電力
が供給される。各電極2は電極昇降装置21(一部の電
極2については、図示を省略)により支持され、灰溶融
炉3の中の溶融状態の灰(溶融スラグ)9の内部に、深
さ調整可能に装入されている。
【0026】3本の電極は、円形の炉内の中心から各々
120°の位置に中心対称に配置されている。従って電
極間の水平距離は電極を昇降しても常に一定に保たれて
いる。また、電極の深さは、電極先端が炉底ないし炉底
に溜まった溶融メタル面から上方30mmないし100
mmの範囲の一定位置に、3本とも同じ深さで設定され
ている。電極先端の深さは、電極先端で溶融メタルとの
アークが発生せず、かつ出湯する溶融メタルの温度が最
適になるように設定することが好ましい。
120°の位置に中心対称に配置されている。従って電
極間の水平距離は電極を昇降しても常に一定に保たれて
いる。また、電極の深さは、電極先端が炉底ないし炉底
に溜まった溶融メタル面から上方30mmないし100
mmの範囲の一定位置に、3本とも同じ深さで設定され
ている。電極先端の深さは、電極先端で溶融メタルとの
アークが発生せず、かつ出湯する溶融メタルの温度が最
適になるように設定することが好ましい。
【0027】溶融スラグや溶融塩の抵抗率は温度によっ
て異なるが、炉内溶融物の温度は熱伝導によってほぼ均
一となっている。上述した水平方向および深さ方向の配
置によって、電極相互間のインピーダンスがほぼ等しく
なる。従って、3相間の電流の不平衡が防止できる。
て異なるが、炉内溶融物の温度は熱伝導によってほぼ均
一となっている。上述した水平方向および深さ方向の配
置によって、電極相互間のインピーダンスがほぼ等しく
なる。従って、3相間の電流の不平衡が防止できる。
【0028】それぞれの電極2については、電流計41
と電圧計42により(一部の電極2については、図示を
省略)、電流と電圧が計測される。ここで、電圧計42
により計測されるのは、各電極2とアース間の電圧であ
る。これらの計測結果は電力調整装置5に送信され、信
号処理される。
と電圧計42により(一部の電極2については、図示を
省略)、電流と電圧が計測される。ここで、電圧計42
により計測されるのは、各電極2とアース間の電圧であ
る。これらの計測結果は電力調整装置5に送信され、信
号処理される。
【0029】電力調整装置5では、各電極2の電流と電
圧から各電極の電力を算出する。これらの値を合計して
灰溶融炉3全体の電力を算出し、別途与えられた電力設
定値と比較する。ここで、電力設定値は灰溶融炉3の操
業サイクルや灰の装入量等から設定される値で、手動・
自動いずれで設定してもよい。
圧から各電極の電力を算出する。これらの値を合計して
灰溶融炉3全体の電力を算出し、別途与えられた電力設
定値と比較する。ここで、電力設定値は灰溶融炉3の操
業サイクルや灰の装入量等から設定される値で、手動・
自動いずれで設定してもよい。
【0030】比較結果に基づき灰溶融炉3全体の電力を
増減する場合は、電力調整装置5の中の電圧調整指令手
段53が、電源トランス1の1次側に設けられた1次電
圧調整手段6に1次電圧変更の指令信号を送信する。1
次電圧調整手段6は、送信された指令に基づき、電源ト
ランス1の1次側の電圧を調整する。
増減する場合は、電力調整装置5の中の電圧調整指令手
段53が、電源トランス1の1次側に設けられた1次電
圧調整手段6に1次電圧変更の指令信号を送信する。1
次電圧調整手段6は、送信された指令に基づき、電源ト
ランス1の1次側の電圧を調整する。
【0031】トランス1の1次側は2次側に比べて低電
流であり、公知の電圧調整器で例えば1:10の電圧調
整が容易にできる。これは電力基準値の±82%(1.82
/0.18=10)に相当し、電極深さの調整よりも広い範囲の
投入電力が調整できる。
流であり、公知の電圧調整器で例えば1:10の電圧調
整が容易にできる。これは電力基準値の±82%(1.82
/0.18=10)に相当し、電極深さの調整よりも広い範囲の
投入電力が調整できる。
【0032】広い範囲の投入電力の調整によって、溶融
炉の処理量(灰t/h)を自由に調整することが可能とな
る。また、処理物のない待機中は、溶融物の温度が低下
しない最低電力として保温できるので省電力となる。
炉の処理量(灰t/h)を自由に調整することが可能とな
る。また、処理物のない待機中は、溶融物の温度が低下
しない最低電力として保温できるので省電力となる。
【0033】このようにして、電源トランス1の2次側
の電圧が調整され、各電極2に供給される電力が制御さ
れる。ここで、1次電圧調整手段6としては、単純なタ
ップ切替、あるいは、過飽和リアクトル、サイリスタ等
の機器を用いることができる。
の電圧が調整され、各電極2に供給される電力が制御さ
れる。ここで、1次電圧調整手段6としては、単純なタ
ップ切替、あるいは、過飽和リアクトル、サイリスタ等
の機器を用いることができる。
【0034】飛灰の溶融試験は、全連続式ストーカ炉の
乾式電気集塵器で捕集された多量の塩類を含む飛灰、お
よび流動床焼却炉の乾式バグフィルタで捕集された塩類
の多い飛灰について行った。前者はクリンカチャンネル
を通すことを想定して水洗処理し、水溶性の塩類を除去
したものを用いた。いずれの飛灰も従来方法では電極位
置が頻繁に昇降し、飛灰単独では安定操業できなかった
ものである。
乾式電気集塵器で捕集された多量の塩類を含む飛灰、お
よび流動床焼却炉の乾式バグフィルタで捕集された塩類
の多い飛灰について行った。前者はクリンカチャンネル
を通すことを想定して水洗処理し、水溶性の塩類を除去
したものを用いた。いずれの飛灰も従来方法では電極位
置が頻繁に昇降し、飛灰単独では安定操業できなかった
ものである。
【0035】なお、流動床飛灰についてまれに細かな電
流変動が現れる時もあったが、支障なく安定して溶融す
ることができた。当然のことながら、この発明の方法に
よれば、塩類の少ないストーカ炉飛灰も安定して溶融で
きる。
流変動が現れる時もあったが、支障なく安定して溶融す
ることができた。当然のことながら、この発明の方法に
よれば、塩類の少ないストーカ炉飛灰も安定して溶融で
きる。
【0036】
【発明の効果】この発明では、電極位置を一定に保ちつ
つ、炉電源の電圧調整により炉全体の電力を制御してい
るので、投入電力量を大幅に制御することが可能とな
り、操業の自由度が向上し、省電力となる。またその
際、電極の深さを最適値に保持したままで操業すること
も可能となる。また、従来不可能であった塩類の多い飛
灰の単独溶融も可能となる。
つ、炉電源の電圧調整により炉全体の電力を制御してい
るので、投入電力量を大幅に制御することが可能とな
り、操業の自由度が向上し、省電力となる。またその
際、電極の深さを最適値に保持したままで操業すること
も可能となる。また、従来不可能であった塩類の多い飛
灰の単独溶融も可能となる。
【図1】発明の実施の形態を示すブロック図。
1 電源トランス 2 電極 3 灰溶融炉 5 電力調整装置 6 1次電圧調整手段 9 灰(溶融スラグ) 21 電極昇降装置 41 電流計 42 電圧計 53 電圧調整指令手段
Claims (2)
- 【請求項1】 炉内の溶融スラグ中に上方から装入され
た電極に通電して灰を溶融する電気抵抗式灰溶融炉の溶
融制御方法において、電極の深さ位置を一定に保持しつ
つ前記電極への投入電力を制御することにより溶融状態
を制御することを特徴とする電気抵抗式灰溶融炉の溶融
制御方法。 - 【請求項2】 電極への投入電力を測定して予め与えら
れた電力設定値と比較し、比較結果に基づき炉電源の電
圧調整手段を用いて、前記電極への投入電力を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の電気抵抗式灰溶融炉の
溶融制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10331304A JP2000161646A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 電気抵抗式灰溶融炉の溶融制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10331304A JP2000161646A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 電気抵抗式灰溶融炉の溶融制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000161646A true JP2000161646A (ja) | 2000-06-16 |
Family
ID=18242200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10331304A Pending JP2000161646A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 電気抵抗式灰溶融炉の溶融制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000161646A (ja) |
-
1998
- 1998-11-20 JP JP10331304A patent/JP2000161646A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2002231514B2 (en) | Power control system for AC electric arc furnace | |
AU2005279604B2 (en) | System and method for controlling power across multiple electrodes in a furnace | |
JP2008522132A5 (ja) | ||
JP2008522132A (ja) | 交流誘導炉用の制御装置 | |
AU2002231514A1 (en) | Power control system for AC electric arc furnace | |
JPH03221781A (ja) | 直流アーク炉 | |
WO2021130791A1 (en) | Melting method in an electric arc furnace and melting apparatus | |
TWI413455B (zh) | 用於將電能供入一交流電電爐的電子電路與方法 | |
JP2000161646A (ja) | 電気抵抗式灰溶融炉の溶融制御方法 | |
US20220034586A1 (en) | Method for operating an electric arc furnace | |
JP3629988B2 (ja) | 電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法 | |
RU2104450C1 (ru) | Способ электроплавки и дуговая печь для его осуществления | |
JP3628162B2 (ja) | 電気式灰溶融炉のスラグ厚さ検出方法 | |
JPH09274987A (ja) | 溶融炉の電力制御方法 | |
JP2509411B2 (ja) | 製鋼用ア―ク炉装置 | |
CN111512700A (zh) | 用于熔化金属材料的设备和方法 | |
JP3198593B2 (ja) | 灰溶融炉の電力制御方法 | |
RU2075840C1 (ru) | Способ реализации оптимального режима управления электропечью | |
JP2526554B2 (ja) | 交流ア−ク炉の溶解制御法 | |
JP2665296B2 (ja) | 直流アーク炉の電圧制御装置 | |
JP2008096067A (ja) | プラズマ溶融炉の制御方法 | |
JP4563241B2 (ja) | 焼却灰溶融電気炉 | |
JPH10162951A (ja) | 溶融炉の電力制御方法 | |
JPS6184312A (ja) | 溶鋼のア−ク加熱方法 | |
JP2001133167A (ja) | 直流アーク炉の電圧制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041015 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050201 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050712 |