JP2000160646A - 局部洗浄装置 - Google Patents

局部洗浄装置

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JP2000160646A
JP2000160646A JP34285198A JP34285198A JP2000160646A JP 2000160646 A JP2000160646 A JP 2000160646A JP 34285198 A JP34285198 A JP 34285198A JP 34285198 A JP34285198 A JP 34285198A JP 2000160646 A JP2000160646 A JP 2000160646A
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water
cleaning
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pump motor
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JP34285198A
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Minoru Furukouji
実 古小路
Noboru Niihara
登 新原
Shinsuke Matsuo
信介 松尾
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局部洗浄装置10は、人体局部に向けて噴出
される洗浄水に空気を混入するとともに、その空気量を
変更するために使用される空気ポンプのポンプモータ3
2aの制御効率を高める。 【解決手段】 局部洗浄装置10は、ノズル装置26の
お尻噴出口49から気泡水を噴出する。気泡水は、ポン
プモータ32aを駆動して流路を流れる洗浄水に空気を
気泡状態となるように混入する。ポンプモータ32a
は、PWM制御(パルス幅制御)により実行される。P
WM制御は、ポンプモータ32aの入力電力に対して、
100〜200Hzの周波数でかつそのデューティ比を
変更する制御を実行することにより該圧搾空気の空気流
量Qaを制御して、空気流量Qaと洗浄水の流量Qwと
の比の値Qa/Qwで定義される空気混入率λを調節す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体局部に洗浄水
を噴出口から噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、人体局部の洗浄を行なうに当
たり、単なる洗浄水ではなく、空気を混入させた気泡水
が用いられつつある。例えば、特開昭56−70338
号では、洗浄水の洗浄用ノズルと当該ノズルに洗浄水を
供給する配管系と、この配管流路を流れる洗浄水に気泡
を混入させる空気混入部とを備え、気泡を含む洗浄水を
噴出する技術が提案されている。こうすることで、噴出
洗浄水の洗浄力を高めたり、ソフトな洗浄感を与えてい
る。この局部洗浄装置において、洗浄水と空気との比で
定義される空気混入率を変更する制御を実行する場合
に、空気流量や洗浄水流量を、空気ポンプの出力制御や
流量調節弁により行なっている。このうち空気流量を変
更する手段として、空気ポンプを駆動する直流モータへ
の入力電圧を変更する駆動回路を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の直流モ
ータによる制御では、モータ駆動時における騒音が大き
いというだけでなく、制御範囲が狭く、空気混入率の範
囲を大きく変更することが難しかった。また、直流モー
タとしてブラシモータを用いた場合には、ブラシの部分
にカーボンの付着量が大きくなるために、メンテナンス
が面倒であるという問題もあった。
【0004】本発明は、上記従来の技術の課題を解決す
るものであり、人体局部に向けて噴出される洗浄水に空
気を混入するとともに、その空気量を変更するために使
用される空気ポンプのポンプモータの制御効率を高める
こを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた第1の発明は、洗浄用
ノズルの噴出口から、洗浄水に空気を混入した気泡水を
人体局部に向けて噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄
装置において、給水源から上記噴出口に至る洗浄水流路
に設けられた上記洗浄水流路と、ポンプモータを駆動す
ることにより、圧搾空気を出力する空気供給手段と、上
記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧搾
空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより気
泡水を作成する空気混入手段と、所定周波数でかつその
デューティ比を変更するパルス幅制御をポンプモータへ
の入力電力に対して実行することにより、該圧搾空気の
空気流量Qaを制御することで、空気流量Qaと上記洗
浄水流路を流れる洗浄水の流量Qwとの比の値Qa/Q
wで定義される空気混入率λを設定する混入比設定手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0006】本発明にかかる局部洗浄装置は、給水源か
ら供給される洗浄水を流す洗浄水流路に空気混入手段を
備えており、この空気混入手段にて、洗浄水に、空気供
給手段から供給される圧搾空気が混入されて、気泡水が
作成される。この気泡水は、洗浄用ノズルの噴出口から
人体局部に向けて噴出されることにより人体局部が洗浄
される。このとき、気泡水の空気混入率λ、つまり、空
気流量Qaと洗浄水の流量Qwとの比の値Qa/Qw
は、混入比調整手段によって、PWM制御法によりポン
プモータの出力を制御することによって調整される。こ
こで、PWM制御法とは、オンパルスの通電幅を任意に
変化(変調)させてポンプモータへの入力電力を制御す
る方法であり、つまり周波数を一定で通電幅だけを変更
してポンプモータの出力を制御する。この制御では、デ
ューティ比を長くしてポンプモータの回転数を大きくす
れば空気流量Qaが増大し、一方、デューティ比を短く
してポンプモータの回転数を小さくすれば空気流量Qa
が減少する。この制御によれば、デューティ比の変更に
より広い制御範囲にてポンプモータの出力を制御するこ
とができ、よって、広い範囲での空気混入率の変更を行
なうことができる。
【0007】ここで、上記デューティ比は、所定周波数
で制御するが、この所定周波数は、騒音をできる限り低
減する値に設定することが狭いトイレ室で使用する局部
洗浄装置の点から好ましい。たとえば、局部洗浄装置の
ケーシングなどとの共振周波数を除き、100〜200
Hzの低い周波数に設定することが好ましい。また、P
WM制御を実行するモータ駆動回路は、パワートランジ
スタにより構成することにより、直流モータの電圧制御
方法と比べて回路構成を簡単にすることができ、局部洗
浄装置のように小型化が特に要求される場合に有効であ
る。さらに、PWM制御を行なう混入比設定手段は、電
力パルスがオンのときだけにポンプモータに電流を流
し、それ以外のときは休んでいるので、トランジスタの
負担や電源の負荷が非常に軽くすることができる。
【0008】なお、ポンプモータとしては、空気ポンプ
を駆動できるモータであればよく、直流ブラシレスモー
タや、直流ブラシモータなどを用いることができる。こ
のうち直流ブラシモータを用いた場合において、PWM
制御によるとブラシに流れる瞬間電流値が大きくなり、
ブラシの温度が上昇する。このため、ブラシのカーボン
が確実に燃焼して残留しないから、ブラシの交換などの
メンテナンスが不要となる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は実施例の局部洗浄装置10
の概略構成を表わしたブロック図、図2はこの局部洗浄
装置10の制御系を表わしたブロック図である。図示す
るように、この局部洗浄装置10は、給水源から供給さ
れた水を温水化しつつ人体局部に噴出するいわゆる瞬間
式のものである。
【0010】局部洗浄装置10は、温水を連続的に供給
する熱交換器12を備え、圧力調整機能を有する電磁止
水弁14を経由して、図示しない水道管から洗浄水の供
給を受ける。熱交換器12は、図示するように瞬間式で
あることから、温水を連続的に供給するとともに貯湯タ
ンクを不要とし省スペースにできるという利点がある。
そして、この熱交換器12は、給水された洗浄水を適温
に温水化するためのヒータ16を備える。このヒータ1
6は、電子制御装置24からの制御信号を受けてオン/
オフする。また、ヒータ16の上流には、入水温度を検
出する入水温度センサ18が設けられ、その下流には、
吐出温度を検出する吐水温度センサ20が設けられてい
る。電子制御装置24は、CPU、ROM、RAM等を
有する論理演算回路として構成され、局部洗浄装置10
における種々の制御を実行する。その一例として、電子
制御装置24は、入水温度センサ18及び吐水温度セン
サ20の検出した洗浄水温度に基づいてヒータ16をオ
ン/オフ制御し、吐水温度を適温に維持する。
【0011】局部洗浄装置10は、熱交換器12からノ
ズル装置26に至るまでの洗浄水供給系に設けられた図
示しないバキュームブレーカと、流量調整弁30とを有
する。バキュームブレーカは、管路を大気開放すること
で、ノズル装置26の側からの洗浄水の逆流を防止す
る。流量調整弁30は、電子制御装置24からの制御信
号を受けて、ステッピングモータの駆動により、管路開
放と流量調整を行なう電磁弁であり、後述する流路に選
択的に連通するモードと、全ポートを全開にするモード
とを備えている。
【0012】また、局部洗浄装置10は、ノズル装置2
6から噴出される洗浄水を気泡混入の洗浄水とするた
め、空気供給系として、空気流路29と、空気ポンプ3
2と、空気流路29に接続されて該空気流路29内の圧
力を逃がす大気開放弁31と、流量調整弁34と、を有
する。空気ポンプ32は、電子制御装置24からの制御
信号に基づいて駆動し、流量調整弁34に空気を圧送す
る。この空気ポンプ32としては、約50000〜10
000Pa(約0.5〜1.0kgfcm2)程度の圧
送能力で定常運転できるものであればよく、ローリング
ポンプ、ベーンポンプ、ロータリーポンプ、リニアポン
プ等の種々のタイプのものを採用できる。空気ポンプ3
2は、図3に示すポンプモータ32aにより回転駆動さ
れる。
【0013】図3はポンプモータ32aの回転数を検出
する回転数センサ33aを説明する説明図である。ポン
プモータ32aは、小型であっても大きな出力を得るこ
とができる直流ブラシレスモータから構成されている。
上記ポンプモータ32aは、永久磁石を有するロータ
と、このロータに対向して配置された電磁コイルとを備
えており、ロータの位置に応じて電磁コイルの励磁極性
を切り換えるモータ駆動回路32bにより駆動される。
モータ駆動回路32bは、回転数センサ33aにより検
出されたロータの回転数に基づいてポンプモータ32a
を回転駆動する。
【0014】回転数センサ33aは、該ポンプモータ3
2aのロータ回転に起因する電気的ノイズに基づいてポ
ンプモータ32aの回転数を検出する。回転数センサ3
3aは、ポンプモータ32aに供給される電流値を検出
する電流検出器33bと、この電流検出器33bからの
出力を微分してパルス信号に変換する波形整形器33c
と、波形整形器33cから出力されるパルス信号をカウ
ントするパルスカウンタ33dと、タイマ33eとを備
えており、パルスカウンタ33dからの出力信号が電子
制御装置24に入力されてポンプ回転数を検出するセン
サである。
【0015】回転数センサ33aの動作について説明す
ると、いま、モータ駆動回路32bによりポンプモータ
32aが駆動されると、電流検出器33bにより電流値
が検出される。図4は電流検出器33b及び波形整形器
33cによる出力を説明する説明図である。図4(A)
に示すように、電流検出器33bは、ポンプモータ32
aに供給される電流を検出するが、この電流は回転数に
依存する周期的なノイズを含んでいる。この電流検出器
33bからの出力は、波形整形器33cに入力される。
波形整形器33cは、図4(B)電流検出器33bの出
力を周期的なパルスとする波形整形し、閾値V1を越え
たときにパルスカウンタ33dへ出力する。パルスカウ
ンタ33dは、波形整形器33cからの出力とタイマ3
3eからの信号に基づいて、一定時間内のパルス数をカ
ウントし、これによりポンプモータ32aの回転数を電
子制御装置24に出力する。
【0016】電子制御装置24は、ポンプモータ32a
の駆動回転数を目標回転数に向かうようにフィードバッ
ク制御する。したがって、ポンプモータ32aは、ポン
プモータ32aの電気的なノイズに基づいて回転数を検
出することができるから、タコジェネレータのようにポ
ンプモータ32aに機械的構成を設ける必要がなく、局
部洗浄装置10自体の小型化を実現することができる。
【0017】また、ポンプモータ32aを構成する直流
ブラシレスモータは、起動トルクが大きいうえに、電源
周波数の同期速度以上の回転数にすることができ、回転
数のほぼ2乗に比例する圧力の比例則、及び回転数にほ
ぼ比例する風量の比例則によって、空気ポンプ32から
供給される圧搾空気の圧力や風量を大幅に増大すること
ができる。こうした直流ブラシレスモータを採用したポ
ンプモータ32aの特徴により、空気ポンプ32自体
は、起動や停止に対して高い応答性を有することにな
り、圧搾空気を空気混入部へ短時間に供給でき、よって
空気混入率λを変更するための応答時間を短縮化するこ
とができる。このため、空気混入率λを途中で変更する
急激な制御に対しても、素早く対応することができる。
しかも、広範囲な回転数が可変にできる速度制御特性を
有するために、空気混入率λを広い範囲に迅速に制御で
きる。
【0018】このように、直流ブラシレスモータから構
成したポンプモータ32aは、小型で高い出力特性を得
ることができ、例えば、ポンプモータ32aの容量とし
て、1W、3600rpmの定格出力の仕様に設定した
場合において、交流誘導モータを使用した場合に比べ
て、容積で65%小さくすることができる。さらに、ポ
ンプモータ32aは、ブラシレスモータであるから、ブ
ラシモータのようにブラシの周辺で発生する火花を考慮
する必要がなく、ブラシの摩耗に対するメンテナンスが
不要となり、耐久性に優れている。
【0019】流量調整弁34は、電子制御装置24から
の制御信号に基づいて管路開放と流量調整を行ない、そ
の下流のノズル装置26に空気ポンプ32からの空気を
送り込む。この流量調整弁34と流量調整弁30は、上
記したそれぞれの管路の管路開放並びに流量調整を電子
制御装置24からの制御信号に基づき同期して行なう。
【0020】局部洗浄装置10は、ノズル装置26を進
退駆動させるため、ノズル駆動モータ33を有する。ノ
ズル駆動モータ33は、図示しないプーリ、ベルト等を
有する駆動伝達機構を介してノズル装置26と係合され
ている。このノズル駆動モータ33は、電子制御装置2
4からの制御信号により正逆回転駆動して、ノズル装置
26を図示しない本体ケーシング内の待機位置からお尻
洗浄位置、あるいはその前方のビデ洗浄位置に進出させ
たり、両洗浄位置から待機位置に退避させる。
【0021】この他、局部洗浄装置10は、使用者に操
作されその使用意図を電気信号に変換して電子制御装置
24に出力する操作部35と、図示しない便座に使用者
が着座したことを検出する着座センサ36と、主電源の
操作部である電源投入部38とを有する。図2に示すよ
うに操作部35は、局部洗浄に付随する種々の指令を使
用者のボタン操作に伴い電子制御装置24に出力すべ
く、各種の操作ボタンを備える。本実施例では、局部の
洗浄を開始するためのお尻洗浄ボタン71aやビデ洗浄
ボタン71b、停止ボタン71c、水勢などに強弱の変
化をつけた洗浄水の噴出を設定するマッサージ設定ボタ
ン71d、ノズル装置26を揺動させた局部の洗浄を設
定するムーブ設定ボタン71e、お尻噴出口49の周囲
を洗浄するためのノズル洗浄ボタン71f等の動作指令
ボタンや、洗浄水の温度を調節する吐水温設定ボタン7
1g、洗浄強度を設定する洗浄強度設定ボタン71h、
気泡水の水勢を設定する水勢設定ボタン71i、などの
各設定ボタンと、洗浄水の水量を設定する水量設定ボタ
ン71j、気泡量設定ボタン71k、温水洗浄便座全体
の運転状態を設定する運転入/切ボタン71n等を設け
ている。また、この操作部35は、出力装置として、こ
れらの各種操作ボタンによる操作の結果をランプや液晶
によって表示する表示部72を、上記各ボタンと共に備
える。
【0022】次に、局部洗浄装置10の洗浄動作の概略
を、お尻洗浄を例として説明する。いま、操作部35の
お尻洗浄ボタン71aが操作されると、操作部35は、
お尻洗浄開始信号を電子制御装置24に送信する。電子
制御装置24は、この信号を受けて、種々の制御対象機
器に制御信号を送る。つまり、電磁止水弁14には管路
を開く旨の制御信号を、空気ポンプ32には空気圧送を
行なう旨の制御信号を、流量調整弁30と流量調整弁3
4とには管路開放並びに流量調整量(管路開放量)に関
する制御信号を、ノズル駆動モータ33にはノズル装置
26をお尻洗浄位置まで進出させる旨の制御信号をそれ
ぞれ送信する。電磁止水弁14等の上記の各制御対象機
器は対応する制御信号に基づいて駆動する。よって、ノ
ズル装置26は、待機位置からお尻洗浄位置まで進出す
る。洗浄水供給系では、熱交換器12に洗浄水が流れ込
み、その洗浄水が所定温度まで加熱されて、バキューム
ブレーカと流量調整弁30を経てノズル装置26に流れ
込む。また、空気供給系では、空気ポンプ32の圧送し
た空気が流量調整弁34を経てノズル装置26に流れ込
む。そして、後述するように洗浄水に空気が気泡状で分
散混合した気泡流の洗浄水(図8参照)がノズル装置2
6から噴出され、この洗浄水によりお尻洗浄が行なわれ
る。なお、空気ポンプ32を圧送空気量が可変するよう
構成並びに制御し、流量調整弁34を管路の開閉を行な
う開閉弁とすることもできる。
【0023】このようにしてお尻洗浄を行なう際、電子
制御装置24は、上記動作設定ボタンにて設定済みの洗
浄水水勢の強弱等のお尻洗浄機能に関する現在の設定状
態を検出する。そして、電子制御装置24は、洗浄水水
勢に関する設定情報を流量調整量(管路開放量)として
流量調整弁30に送信し、当該情報を受け取った流量調
整弁30は、設定水勢となるように管路開度を調節す
る。この場合、本実施例では、後述するように空気混入
を行なっていることから、この空気混入率λを考慮した
管路開度とされる。また、電子制御装置24は、設定水
勢、すなわち流量調整弁30による流量調整に基づいた
空気の流量調整量(管路開放量)の制御信号を空気ポン
プ32に送信するので、流量調整弁34は、後述の空気
混入率λとなるよう、圧送空気量を調整する。
【0024】そして、操作部35の停止ボタン71cが
操作されると、操作部35は、停止信号を電子制御装置
24に送信するので、電子制御装置24は、上記各機器
を元の状態に復帰させお尻洗浄を終了する。これによ
り、洗浄水並びに空気の供給は停止してノズル装置26
は待機位置に退避し、局部洗浄装置10は、次回以降の
局部洗浄に備える。
【0025】次に、この実施例の局部洗浄装置10が有
するノズル装置26について説明する。図5はノズル装
置26の概略構成を示す概略断面図、図6はノズル装置
26の移動の様子を説明するための説明図である。
【0026】図示するように、ノズル装置26は、内部
に洗浄水流路を有するノズル本体40と、その先端に着
脱可能なノズルヘッド42と、ノズル本体40の基部側
に位置して気泡混合並びに洗浄水切替を行なうための気
泡混合・切替機構部44とを有する。ノズル本体40
は、その軸線方向に沿って2系統の洗浄水流路を有し、
小径の側の流路をお尻洗浄のためのお尻流路43とし、
大径の側の流路をビデ洗浄のためのビデ流路45として
いる。この場合、お尻流路43は、その径が約1.9m
mとされ、ビデ流路45は約2.5mmとされている。
また、この両流路は、長短とされているが、この流路を
通過する洗浄水速度を考慮するとほぼ同一流路長と仮定
でき、本実施例では約95mmである。ノズルヘッド4
2は、シールリング46を介してノズル本体40先端に
水密に取り付けられ、お尻流路43と同径でこれに連続
したお尻噴出流路47とその先端のお尻噴出口49と、
ビデ流路45と同径でこれに連続したビデ噴出流路51
とその先端のビデ噴出口53とを有する。なお、ビデ噴
出口53は、大小二つの噴出口からなり、ビデ噴出流路
51を通過した洗浄水を両噴出口から同時に噴出する。
【0027】気泡混合・切替機構部44は、ノズル本体
40に水密に固定されるケーシング55を備える。この
ケーシング55は、その底部のモータ連結体56でノズ
ル駆動モータ33の動力を受け、ノズル本体40を上記
した待機位置、お尻洗浄位置およびビデ洗浄位置に進退
させる。ケーシング55の内部には、その周壁に沿って
図中上下に摺動する空気室形成体58が水密に組み込ま
れている。空気室形成体58は、その内部に空気混入体
60を備える。この空気混入体60は、ノズル本体40
の側の支持体61とその反対側の支持体62とで、空気
室形成体58の内壁から隙間を隔てて保持されている。
また、空気室形成体58は、図示する上端側に空気室切
替部63を備え、その下端側のケーシングとの間の間隙
に、スプリング64を備える。そして、支持体62は、
上記の流量調整弁30と接続され、その内部の洗浄水導
入路65から、空気混入体60中央を貫通する貫通孔6
6に洗浄水を導き入れる。その一方、空気室切替部63
は、上記の流量調整弁34と接続され、その内部に形成
された空気導入路67から、空気室形成体58と空気混
入体60との間の間隙に空気を導き入れる。このように
洗浄水並びに空気が導かれる空気混入体60は、独立し
た開孔を形成する多孔質やメッシュであることから、上
記のように導かれた空気を貫通孔66に通過させ、この
貫通孔66において、洗浄水に空気を気泡状に混入させ
る。そして、気泡混入済みの洗浄水は、支持体61中央
の貫通孔68を経て、上記のお尻流路43又はビデ流路
45のいずれかに流れ込み、お尻洗浄あるいはビデ洗浄
に供せられる。なお、気泡混入の様子並びに空気混入体
60の製造手法については、後述する。
【0028】次に、上記の気泡混入済み洗浄水の供給先
の切替の様子を、ノズル装置26の移動の様子と関連付
けて説明する。図6に示すように、気泡混合・切替機構
部44は、支持体62を下方に押し下げるための遮蔽ブ
ロック69を有する。この遮蔽ブロック69は、ノズル
装置26が上記した待機位置およびお尻洗浄位置に位置
する場合には、図の左方側に示すように、支持体62と
干渉しない位置に設置されている。よって、お尻洗浄ボ
タン71aが操作されてノズル装置26がお尻洗浄位置
を採る場合には、空気室形成体58は、スプリング64
の付勢力を受けて上方の初期位置(図の左方側)にあ
る。この状態では、支持体61の貫通孔68とケーシン
グ55のお尻側貫通孔70とが対向するので、気泡混入
済み洗浄水は、ノズル本体40におけるお尻流路43を
通過し、お尻噴出口49から噴出される。
【0029】その一方、ビデ洗浄ボタン71bが操作さ
れてノズル装置26がお尻洗浄位置より前方のビデ洗浄
位置まで前進すると、支持体62は、このノズル前進の
間に遮蔽ブロック69と接触し、図の右方側に示すよう
に、遮蔽ブロック69により下方に押し下げられる。よ
って、ノズル装置26がビデ洗浄位置を採る場合には、
空気室形成体58は、スプリング64の付勢力に抗して
上記の初期位置から流路切替位置(図の右方側)に移動
する。この状態では、支持体61の貫通孔68とケーシ
ング55のビデ側貫通孔71とが対向するので、気泡混
入済み洗浄水は、ノズル本体40におけるビデ流路45
を通過し、ビデ噴出口53から噴出される。なお、ノズ
ル装置26がビデ洗浄位置から待機位置に復帰すると、
空気室形成体58はスプリング64の付勢力を受けて初
期位置に復帰し、次回のお尻洗浄・ビデ洗浄に備える。
【0030】次に、気泡混合・切替機構部44での洗浄
水への空気混合の様子について説明する。この気泡混合
・切替機構部44は、気泡ポンプとして機能することか
ら、当該ポンプの概念を模式的に表わした図6模式図と
して示すことができる。図7に示すように、この気泡ポ
ンプ80は、気泡混合・切替機構部44における空気室
形成体58に相当する空気混入混合筐体81と、その内
部に空気室82を隔てて支持された気泡分散体83を有
する。この気泡分散体83が、気泡混合・切替機構部4
4における空気混入体60である。この場合、洗浄水管
路84の管路径や気泡分散体83の中央貫通孔径等は、
気泡混合・切替機構部44における支持体62の洗浄水
導入路65の管路径、空気混入体60の貫通孔66の径
等と同じであり、約1.5〜3.0mmである。
【0031】気泡分散体83は、洗浄水管路84に連続
した管路を形成し、当該管路を流れる洗浄水に接する
面、すなわち管路壁面全周に、多数の独立開孔を備え
る。よって、空気導入管85から空気室82に圧送され
た空気は、気泡分散体83の上記の各独立開孔から管路
内に送られ、各開孔箇所にて膨らむ。この場合、空気室
82は、圧送された空気の圧力変動や圧力分布を吸収す
る緩衝領域として機能するので、空気は、著しい速度差
を生じることなく気泡分散体83を通過する。そして、
上記した空気の膨らみは、それぞれの開孔で洗浄水の流
れから受ける剪断力により断ち切られて気泡となり、そ
れぞれ個別に洗浄水に混入する。
【0032】本実施例では、気泡分散体83(空気混入
体60)における上記の独立開孔を後述する形成材料の
選定並びに工程設定を経て形成し、各独立開孔からの形
成気泡の径が約100〜1000μmとなるようにし
た。よって、洗浄水には、このような微細な径の気泡が
独立して混入・混合する。しかも、各気泡は、形成当初
から独立気泡の状態を保ち、独立開孔にある程度依存し
た小さな径の略球形形状となるので、剛性が高く変形も
しにくい。このため、混入した気泡の合一機会は低減す
ると共に、気泡合一自体をも起きにくくできるので、気
泡分散体83により、洗浄水の流れを、空気が気泡状態
で安定して分散混合した気泡流とできる。この際、各気
泡は、上記したようにそれぞれの独立開孔から個別に形
成されて独立気泡の状態で洗浄水に混入するので、高い
分散効率で気泡が洗浄水に当初から混合する。つまり、
気泡分散体83において空気の混入、微細化、分散混合
が同時に行われることになる。
【0033】この気泡分散体83は、洗浄水管路84に
連続した管路を形成しているので、洗浄水の流れに乱れ
やよどみを発生させることがなく、この乱れやよどみに
よる気泡合一の機会を低減できる。また、洗浄水管路8
4における洗浄水流れ方向に沿って独立開孔を多数有す
るので、この洗浄水流れ方向における多数箇所から気泡
混入を図り気泡発生密度を低くできる。よって、大量の
空気をこの気泡分散体83から混入させても、気泡生成
時の気泡合一が発生しにくく微細な独立気泡を生成でき
る。
【0034】このように、上記の気泡ポンプ80として
模式的に表わされた気泡混合・切替機構部44は、上記
したように洗浄水に気泡を確実に分散混合させ気泡合一
を起きにくくしている。よって、気泡混合・切替機構部
44より下流の洗浄水の流れは、図8に示すような気泡
流の洗浄水流(図8(a))となり、洗浄水に混入した
気相が連続相として存在するスラグ流(図8(b))や
環状流(図8(c))あるいは噴霧流(図8(d))の
非所望の流動様相となることはない。従って、本実施例
では、圧送空気の有する運動量(エネルギ)を、確実
に、効率よく、迅速に洗浄水に伝達することができる。
また、微細な気泡は剛性が高く変形しにくく、不要な運
動をしないのでエネルギ損失は少ない。上記の気泡ポン
プ80から噴出される洗浄水の流れの様子を写真撮影し
たところ、図9の写真の読取画像に示すように、この噴
出洗浄水流は、噴出口から広がることなく真っ直ぐに噴
出することが判明した。また、この噴出洗浄水流は、上
記のように気泡が分散混合した気泡流であることから、
乳白色であった。そして、本実施例では、このようにし
て得られた気泡流の状態で、洗浄水をノズル本体40に
おけるお尻流路43あるいはビデ流路45に送り込み、
既述したお尻洗浄あるいはビデ洗浄に供せられる。
【0035】次に、上記の気泡混合・切替機構部44で
得られる効果について、その模式的な構成を有する図7
の気泡ポンプ80を用いて説明する。まず、空気混入に
よる洗浄水の運動量増加効果について説明する。洗浄水
の運動量は、気泡ポンプ80の噴出口から洗浄水を噴出
させた場合、この噴出洗浄水がもたらす荷重で把握でき
る。よって、気泡ポンプ80の噴出口に対向して荷重側
定器を配置し、この噴出洗浄水の荷重を、種々の空気混
入率λの気泡流の洗浄水について測定した。その結果を
図10に示す。なお、この図10における縦軸は、空気
未混入の洗浄水(空気混入率λ=0)を気泡ポンプ80
から噴出した場合に得られる荷重で除算した荷重比であ
る。また、図10において本実施例とされているもの
は、気泡混合・切替機構部44と寸法等の点で同等の気
泡ポンプ80を意味する。従来技術とされているもの
は、周壁に単一の空気混入孔を空けただけの管体を気泡
分散体83に替わって組み込んだ空気混入手段を意味
し、分岐管から管路内に単純に空気を混入させただけの
従来の手法である。また、図中の理論値と示した直線
は、以下のようにして導いたものである。
【0036】管路を通過する流体の運動量Euは、管路
面積をS、流体密度をρ、流体速度をVとすると、次の
式(1)と表わすことができる。
【0037】Eu=ρ・S・V2 …(1)
【0038】空気の密度ρaは水の密度ρwに比べて無
視できるほど小さいので、洗浄水に空気を混入した混合
洗浄水の密度は、空気混入率λη(空気流量/洗浄水流
量)と洗浄水の密度ρwから、ρw/(1+η)とな
る。また、この混合洗浄水の速度は、空気混入率ληと
洗浄水の速度Vから、V・(1+η)となる。よって、
空気混入率ληの混合洗浄水の運動量Euは、次の式
(2)と表わすことができる。
【0039】 Eu=(ρw/(1+η))・S・V2 ・(1+η)2 =ρw・S・V2 ・(1+η) …(2)
【0040】そして、この式(2)の運動量を空気未混
入の洗浄水(空気混入率λ=0)の運動量(ρw・S・
2 )で除算した運動量比(1+η)は、上記の荷重比
に相当し、この運動量比が理論値として示されている。
この理論値における混合洗浄水は、洗浄水に空気が理想
的に分散混合した気泡流の洗浄水に他ならず、連続気相
が存在するようなスラグ流等の非所望の流動様相の洗浄
水ではない。よって、上記の荷重比がこの理論値に近似
すればするほど、その洗浄水は空気が理想的に分散混合
した気泡流であるといえる。
【0041】図10から、従来技術での荷重比は、1よ
りも低い空気混入率λの時点から上記の理論値と相違
し、空気混入率λが約1.3となると、約1.5程度の
荷重比しか得られない。よって、従来技術では、空気混
入率λを洗浄水流量に対して1以上に高めても、洗浄水
に空気が理想的に分散混合した気泡流を得ることはでき
ず、スラグ流等の非所望の流動様相となるに過ぎない。
このため、洗浄水への空気混入を通して節水化を図ろう
としても、この非所望の流動様相であるが故に、上記し
たように洗浄力が低下するので、空気混入を受ける洗浄
水自体の流量増を必要とする。なお、この従来技術で
は、空気混入率λを約1.3以上としても荷重比に増大
変化が見られないのは、従来技術の手法で空気混入率λ
を高めても、既述したようにこの空気混入率λでは噴霧
流に相転してしまい、それ以上の運動量増大を得ること
ができないからだと考えられる。
【0042】これに対し、本実施例では、空気混入率λ
がほぼ4に近くなるまで、上記の理論値と合致し、最高
で約4.5という高い荷重比を得ることができた。よっ
て、本実施例によれば、従来技術にあっては噴霧流に相
転してしまう1.3以上という高い空気混入率λとして
も、洗浄水に空気が理想的に分散混合した気泡流を確実
に得ることができる。よって、この気泡流の洗浄水とす
ることを通して、洗浄水の運動量を空気混入により確実
に増大できる。このため、少量の洗浄水で高い洗浄力を
発揮でき、節水の実効性を高めることができる。これ
は、上記した独立開孔を有する空気混入体60(気泡分
散体83)により、上記したように、空気の微細気泡で
の混入並びに分散混合を行なうからである。
【0043】次に、局部洗浄装置10による洗浄動作に
ついて、図11のタイミングチャートにしたがって説明
する。いま、使用者が便座上に着座すると、着座センサ
36がオンし(時点t1)、その旨の信号が電子制御装
置24に入力される。そして、使用者が操作部35のお
尻洗浄ボタン71aをオンすると(時点t2)、ノズル
前洗浄処理が実行される。ノズル前洗浄処理は、空気ポ
ンプ32を時点t2から所定時間T2だけ駆動し、時間
Tb経過した時点t3にて電磁止水弁14を所定時間T
3だけ開くことによって行なわれる。このとき、流量調
整弁30は、全ポート同時吐水の位置にあるから、ノズ
ル装置26の流路に洗浄水を流す。そして、空気ポンプ
32の圧搾空気が洗浄水に混入されて気泡流となり、お
尻噴出口49及びビデ噴出口53の両噴出口から吐水さ
れる。このように気泡流がお尻噴出口49などから噴出
することによりお尻噴出口49の周辺のノズル洗浄が行
なわれる。そして、ノズル前洗浄を終えるために電磁止
水弁14が閉じられて、時間Tbだけ経過した後に空気
ポンプ32が閉じられる。続いて、電磁止水弁14を一
旦閉弁するとともに空気ポンプ32を停止した状態に
て、流量調整弁30のステッピングモータを原点に調節
し、さらに水量設定ボタン71jの設定にしたがって流
量調整弁30の開度を調節する。これと同時に、ノズル
駆動モータ33を駆動することにより、ノズル装置26
を待機位置から洗浄位置へ進出させる。
【0044】そして、ノズル装置26が洗浄位置まで進
出した状態にて、時点t4にて、空気ポンプ32を駆動
し、さらに所定時間Tb後に、電磁止水弁14を全開に
する。これにより、ノズル装置26のお尻噴出口49か
ら、洗浄水に空気が混入された気泡水が人体局部に向け
て噴出されて該局部の洗浄が行なわれる。そして、使用
者が操作部35の停止ボタン71cを押すと(時点t
5)、止水処理が行なわれる。すなわち、止水処理は、
電磁止水弁14及び流量調整弁30を閉じて洗浄水の供
給を停止すると共に、空気ポンプ32を停止して空気の
供給を停止することにより行なわれる。
【0045】続いて、ノズル後洗浄処理が実行される。
ノズル後洗浄処理は、ノズル前洗浄処理とほぼ同様な処
理であり、つまり、流量調整弁30を全ポート同時吐水
位置に移動するとともに空気ポンプ32を駆動した後
に、電磁止水弁14を所定時間T4だけ開くことにより
行なわれる。そして、所定時間T4が経過したときに、
電磁止水弁14を閉じて、その後、空気ポンプ32を停
止する。これにより、ノズル装置26のお尻噴出口49
の周辺部が洗浄される。
【0046】次に、洗浄強度設定ボタン71h(図2)
の操作により、電子制御装置24が洗浄強度Wf(洗浄
圧力)を変更する制御について説明する。電子制御装置
24は、洗浄強度設定ボタン71hの設定に基づいて、
洗浄水流量Qw及び空気流量Qaを調節するために流量
調整弁30及び流量調整弁34を制御する。図12は洗
浄強度Wfを設定するためのフローチャートである。図
12において、まず、洗浄強度設定ボタン71hの洗浄
強度設定値Wfs(選択位置)が読み込まれ(ステップ
S152)、続いて洗浄水流量Qw及び空気流量Qaが
それぞれ算出される(ステップS154,156)。こ
れらのステップS154,156による洗浄水流量Qw
及び空気流量Qaは、図13のマップに基づいて算出さ
れ、その算出値でステップS158にて流量調整弁30
及び空気ポンプ32のポンプモータ32aが制御され
る。
【0047】図13は洗浄強度設定ボタン71hの設定
値と洗浄水などの流量及び洗浄強度Wfとの関係を示す
グラフである。図13において、洗浄水流量Qwが1点
鎖線により、空気流量Qaが破線により、そして、洗浄
強度Wfが洗浄圧力[Pa]の測定値で実線によりそれ
ぞれ表わされている。ここで、選択位置は、洗浄強度設
定ボタン71hによりレベル1〜7の7段階で設定可能
である。この選択位置にて、洗浄水流量Qwは、レベル
1〜2→レベル3〜5→レベル6〜7の3段階で増加す
るように設定され、一方、空気流量Qaは、選択位置の
レベル1〜2、レベル3〜5及びレベル6〜7で増加
し、レベル2〜3及びレベル5〜6で減少するように設
定されている。
【0048】いま、洗浄強度設定ボタン71hを操作し
て、選択位置をレベル1からレベル2に変更すると、洗
浄水流量Qwは、その値を維持するが、空気流量Qaが
比例して増大する。この場合において、このレベル1〜
レベル2の範囲では、洗浄水流量Qwの値が同じである
が、空気流量Qaが増大するから、洗浄強度Wfがほぼ
比例して増大する。また、洗浄強度設定ボタン71hの
選択位置をレベル2からレベル3に変更すると、洗浄水
流量Qwが増大するが、空気流量Qaが減少する。した
がって、洗浄水流量Qwの増大により洗浄強度Wfの増
大しすぎた分を、空気流量Qaを減少させて補うことに
より、レベル2の選択位置に対して連続的な洗浄強度W
fとなる。
【0049】さらに、選択位置をレベル3からレベル5
まで変更するか、レベル6からレベル7まで変更する
と、この選択位置の範囲では、洗浄水流量Qwが一定で
あるが、空気流量Qaが増すことから、洗浄強度Wfが
増加する。また、選択位置をレベル5からレベル6へ変
更すると、洗浄水流量Qwの増大し過ぎた分を、空気流
量Qaを減少させることにより連続的な洗浄強度Wfと
している。
【0050】このように、洗浄強度設定ボタン71hの
選択位置を7段階で設定可能であるが、洗浄水流量Qw
の変更は、3段階の切換で済み、その分を空気流量Qa
の増減により補って、洗浄強度Wfが連続的な値をとる
ようにしている。したがって、流量調整弁30は、洗浄
水流量Qwを3段階で切り換えることができる簡単な構
成でよく、しかも流量制御も簡単に処理することができ
る。
【0051】このような洗浄強度Wfを変更するには、
空気ポンプ32のポンプモータ32aの駆動制御により
行なわれる。ポンプモータ32aは、パルス幅変調制御
法(PWM制御法)により制御される。PWM制御法と
は、オンパルスの通電幅を任意に変化(変調)させてポ
ンプモータ32aへの入力電力を制御する方法である。
図14はポンプモータ32aのPWM制御法による通電
幅を変更した状態を説明する説明図である。図14にお
いて、図14(A)がデューティ比[(td/Td)×
100]が80%、図14(B)がデューティ比が50
%、図14(C)はデューティ比が20%の場合をそれ
ぞれ表わしている。デューティ比が長い場合には、ポン
プモータ32aの回転数が大きくなって空気流量Qaが
増大し、一方、デューティ比が短い場合には、ポンプモ
ータ32aの回転数が小さくなって空気流量Qaが減少
する。したがって、ポンプモータ32aに供給する入力
電流のデューティ比を変更してポンプモータ32aの出
力を制御することで、空気流量Qaを調整することがで
きる。
【0052】ここで、上記デューティ比は、一定の周波
数で制御するが、この所定周波数は、100〜200H
zの範囲で設定することが好ましい。図15はポンプモ
ータ32aを駆動する周波数と騒音との関係を示すグラ
フである。図15から分かるように、300Hzのあた
りを除き、700Hzより低い周波数では、43.17
dBより静かである。ここで、300Hzで騒音が大き
くなるのは局部洗浄装置10のケースカバーとの共振に
よると推定される。また、100〜200Hzの範囲で
は、40〜42dBと低くなっている。よって、ポンプ
モータ32aの所定周波数は、100〜200Hzの範
囲で設定することが好ましい。
【0053】また、PWM制御を実行するモータ駆動回
路32bは、パワートランジスタにより構成することに
より、電圧制御方法と比べて回路構成を簡単にすること
ができ、局部洗浄装置10のように小型化が特に要求さ
れる場合に有効である。また、電力パルスがオンのとき
だけにポンプモータ32aに電流を流し、それ以外のと
きは休んでいるので、トランジスタの負担や電源の負荷
を非常に軽くすることができる。さらに、低い周波数で
制御することによりポンプモータ32aの効率を高める
ことができる。
【0054】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0055】(1) 上記実施の形態では、ポンプモー
タ32aの出力を検出するのに、図3及び図4に示すよ
うに該ポンプモータ32aに入力する入力電流に含まれ
るノイズ周波数を検出することにより行なったが、ノイ
ズのレベルを検出することにより行なってもよい。すな
わち、図16はポンプモータ32aの駆動出力とノイズ
レベルとの関係を示すグラフである。図16に示すよう
に、ポンプモータ32aの出力の増大につれてノイズレ
ベルが増大しているのが分かる。このことから、ノイズ
レベルに基づいてポンプモータ32aの出力をフィード
バック制御することができる。なお、ノイズの測定は、
モータに供給する電流値に含まれる周期的なノイズに基
づいて検出したが、これに限らず、磁気ノイズや、ブラ
シモータを用いた場合の火花によるノイズによる信号を
用いて検出してもよい。
【0056】(2) また、上記実施の形態では、ポン
プモータとして直流ブラシレスモータを用いた構成につ
いて説明したが、直流ブラシモータを用いてもよい。こ
の場合において、PWM制御により供給される電力は、
デューティ比だけが変更されて、その振幅が変更されな
いから、電力ピーク値が大きい。このため、直流ブラシ
モータのブラシが所定以上の温度に上昇して、ブラシ表
面のカーボンが燃焼し、ブラシにカーボンが残らない。
このため、ブラシを交換する必要がなく、モータの長寿
命化を実現できるとともに、メンティナンスが簡単にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の局部洗浄装置10の概略構成を表わし
たブロック図である。
【図2】この局部洗浄装置10の制御系を表わしたブロ
ック図である。
【図3】ポンプモータ32aの回転数を検出する回転数
センサ33aを説明する説明図である。
【図4】電流検出器33b及び波形整形器33cによる
出力を説明する説明図である。
【図5】ノズル装置26の概略構成を示す概略断面図で
ある。
【図6】ノズル装置26の移動の様子を説明するための
説明図である。
【図7】この気泡ポンプ80による気泡混合の作用を説
明する説明図である。
【図8】気泡流の変化の状態を説明する説明図である。
【図9】気泡流の写真の読取画像の様子を説明する説明
図である。
【図10】空気混入率λと洗浄水荷重比との関係を示す
グラフである。
【図11】お尻洗浄動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】洗浄強度Wfを設定するためのフローチャー
トである。
【図13】洗浄強度設定ボタン71hの設定値と洗浄水
などの流量及び洗浄強度Wfとの関係を示すグラフであ
る。
【図14】ポンプモータ32aのPWM制御法による通
電幅を変更した状態を説明する説明図である。
【図15】ポンプモータ32aを駆動する周波数と騒音
との関係を示すグラフである。
【図16】ポンプモータ32aの駆動出力とノイズレベ
ルとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…局部洗浄装置 12…熱交換器 14…電磁止水弁 16…ヒータ 18…入水温度センサ 20…吐水温度センサ 24…電子制御装置 26…ノズル装置 29…空気流路 30…流量調整弁 31…大気開放弁 32…空気ポンプ 32a…ポンプモータ 32b…モータ駆動回路 33a…回転数センサ 33b…電流検出器 33c…波形整形器 33d…パルスカウンタ 33e…タイマ 33…ノズル駆動モータ 34…流量調整弁 35…操作部 36…着座センサ 38…電源投入部 40…ノズル本体 42…ノズルヘッド 43…お尻流路 44…気泡混合・切替機構部 45…ビデ流路 46…シールリング 47…お尻噴出流路 49…お尻噴出口 51…ビデ噴出流路 53…ビデ噴出口 55…ケーシング 56…モータ連結体 58…空気室形成体 60…空気混入体 61…支持体 62…支持体 63…空気室切替部 64…スプリング 65…洗浄水導入路 66…貫通孔 67…空気導入路 68…貫通孔 69…遮蔽ブロック 70…お尻側貫通孔 71k…気泡量設定ボタン 71n…運転入/切ボタン 71a…お尻洗浄ボタン 71b…ビデ洗浄ボタン 71d…マッサージ設定ボタン 71c…停止ボタン 71e…ムーブ設定ボタン 71g…吐水温設定ボタン 71f…ノズル洗浄ボタン 71h…洗浄強度設定ボタン 71i…水勢設定ボタン 71j…水量設定ボタン 71…ビデ側貫通孔 72…表示部 80…気泡ポンプ 81…空気混入混合筐体 82…空気室 83…気泡分散体 84…洗浄水管路 85…空気導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 信介 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JA00 JB05 JF00 JH11 4F033 AA04 BA04 CA04 DA01 EA01 GA11 HA02 LA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄用ノズルの噴出口から、洗浄水に空
    気を混入した気泡水を人体局部に向けて噴出して当該局
    部を洗浄する局部洗浄装置において、 給水源から上記噴出口に至る洗浄水流路に設けられた上
    記洗浄水流路と、 ポンプモータを駆動することにより、圧搾空気を出力す
    る空気供給手段と、 上記洗浄水流路に設けられ、上記空気供給手段からの圧
    搾空気を上記洗浄水流路の洗浄水に混合することにより
    気泡水を作成する空気混入手段と、 所定周波数でかつそのデューティ比を変更するパルス幅
    制御をポンプモータへの入力電力に対して実行すること
    により、該圧搾空気の空気流量Qaを制御することで、
    空気流量Qaと上記洗浄水流路を流れる洗浄水の流量Q
    wとの比の値Qa/Qwで定義される空気混入率λを設
    定する混入比設定手段と、 を備えたことを特徴とする局部洗浄装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記ポンプモータは、直流ブラシモータから構成されて
    いる局部洗浄装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 上記混入比設定手段は、上記所定周波数を100〜20
    0Hzの範囲に設定してデューティ比制御を行なうよう
    構成した局部洗浄装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011062528A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Niro-Plan Ag 液体食品フォーミング装置および液体食品フォーミング方法

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