JP2000160499A - 製紙用添加剤 - Google Patents

製紙用添加剤

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JP2000160499A
JP2000160499A JP10339879A JP33987998A JP2000160499A JP 2000160499 A JP2000160499 A JP 2000160499A JP 10339879 A JP10339879 A JP 10339879A JP 33987998 A JP33987998 A JP 33987998A JP 2000160499 A JP2000160499 A JP 2000160499A
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mol
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acid
bis
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Kazuya Miyamoto
和也 宮本
Masatomi Ogawa
正富 小川
Seiji Kouno
誠二 甲能
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Japan PMC Corp
Original Assignee
Japan PMC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の製紙用添加剤に比べ、優れた紙力と
濾水性とを付与することができる新規な製紙用添加剤を
提供すること。 【解決手段】(a)アクリルアミド類、(b)アニオン
性ビニルモノマー、(c)カチオン性ビニルモノマー、
及び(d)N,N’−ビス(アクリルアミドアルキレ
ン)尿素類を重合して得られる共重合体からなる製紙用
添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用添加剤に関
し、更に詳しくは、濾水性効果に優れる製紙用添加剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来製紙工程において、原木供給事情の
悪化に伴いバージンパルプの使用が制限されたこと、さ
らに省エネルギーや資源の有効利用の目的で、古紙の再
利用の必要性が一層強まったこと及び排水規制等により
白水のクローズド化率が上がり、白水中に含まれる夾雑
物の量が増えたことや、抄紙機の高速化に伴う生産性の
向上、あるいは紙の品質向上のために、種々の製紙用添
加剤が用いられている。
【0003】製紙用添加剤のうち、紙力剤及び濾水性向
上剤としては澱粉類、ポリアミドポリアミン−エピクロ
ロヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素
ホルムアルデヒド樹脂及びアクリルアミドを主成分とす
るアクリルアミド系ポリマーなどが目的に応じて使用さ
れているが、なかでもアクリルアミド系ポリマーはその
合成上の利点、性能、使用上の取り扱いやすさから最も
広く一般的に使用されている。
【0004】アクリルアミド系ポリマーからなる製紙用
添加剤としては、そのイオン性によりアニオンタイプ、
カチオンタイプ、及び両性タイプが知られている。
【0005】アニオンタイプとしては、アクリルアミド
類とアニオン基を有するビニルモノマー(「アニオン性
ビニルモノマー」と称することもできる。)と必要に応
じてこれらのモノマー類と共重合し得るノニオン性ビニ
ルモノマーとの共重合体やアクリルアミド系ポリマーの
部分加水分解物などがある。カチオンタイプとしては、
アクリルアミド類とカチオン基を有するビニルモノマー
(「カチオン性ビニルモノマー」と称することもでき
る。)と必要に応じてこれらのモノマー類と共重合し得
るノニオン性ビニルモノマーとの共重合体やアクリルア
ミド系ポリマーのホフマン変性物あるいはマンニッヒ変
性物などがある。両性タイプとしては、アクリルアミド
類とカチオン基を有するビニルモノマーとアニオン基を
有するビニルモノマー、必要に応じてこれらのモノマー
類と共重合し得るノニオン性ビニルモノマーとの共重合
体やアクリルアミド類とアニオン基を有するビニルモノ
マーとの共重合体のホフマン変性物、あるいはマンニッ
ヒ変性物などがある。
【0006】しかし、近年の製紙業界においては上記の
ような紙の原料事情の悪化、製紙工程中に生ずる白水中
の夾雑物量の増大や抄紙pHの変動といった因子が増し
てきている。これらの因子に対して、これまでに公知の
製紙用添加剤では十分な効果が得られていないのが現状
である。
【0007】そのため、アクリルアミド系ポリマーに分
岐構造を持たせ、分子量を増加させるために種々の多官
能性ビニルモノマーが用いられている。分岐構造を持た
せて分子量を増加させる前のアクリルアミド系ポリマー
に代えて、多官能性ビニルモノマーを用いて分岐構造を
持たせた高分子量のアクリルアミド系ポリマーを製紙用
添加剤として採用すると紙力および濾水性が向上する効
果があると考えられている。この効果は分岐構造を持た
せ、分子量を増加させることにより、アクリルアミド系
ポリマーとパルプとの接点が多くなり、パルプ中のセル
ロース分子間水素結合が増えパルプの凝集が強くなった
こと等に起因すると思われる。
【0008】しかし、過度のパルプの凝集は濾水性を向
上させる一方、成紙の地合いを悪化させ紙力を低下させ
る等の問題を引き起こす。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来から知ら
れている相対的に分子量の低いポリアクリルアミド系ポ
リマー等の製紙用添加剤や公知の多官能性ビニルモノマ
ーを用い分岐構造を持たせた高分子量のアクリルアミド
系ポリマー等の製紙用添加剤に比べ、それらに劣らない
紙力を保ちながら優れた濾水性及び歩留り性を付与する
ことができる新規な製紙用添加剤を提供することを課題
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、公知の多官能性ビ
ニルモノマーを用い高分子量化したアクリルアミド系ポ
リマー等の製紙用添加剤とは異なり、尿素をスぺーサー
として用い重合性二重結合間距離を長くした新規な特定
のN,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレ
ン)尿素を見出し、このN,N’−ビス((メタ)アク
リルアミドアルキレン)尿素を製紙用添加剤に用いるこ
とにより、従来の製紙用添加剤に比べそれらと同等の紙
力を保ちながら優れた濾水性及び歩留り性を付与するこ
とに成功した。
【0011】前記課題を解決するための第1の手段は、
(a)アクリルアミド類、(b)アニオン性ビニルモノ
マー、(c)カチオン性ビニルモノマー、及び(d)
N,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレン)
尿素類を重合して得られる共重合体からなることを特徴
とする製紙用添加剤であり、前記第1の手段における好
適な態様においては、前記共重合体が、(a)アクリル
アミド類97.995〜55モル%、(b)アニオン性
ビニルモノマー1〜20モル%、(c)カチオン性ビニ
ルモノマー1〜20モル%、及び(d)N,N’−ビス
((メタ)アクリルアミドアルキレン)尿素類0.00
5〜5モル%を重合してなる重合体である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の製紙用添加剤は、(a)
アクリルアミド類、(b)アニオン性ビニルモノマー、
(c)カチオン性ビニルモノマー、及び(d)N,N’
−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレン)尿素類を
重合して得られる共重合体からなる。
【0013】−(a)アクリルアミド類− 本発明におけるアクリルアミド類(「(a)成分」と称
することがある。)としては、例えば、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドの他に、N−メチル(メタ)アク
リルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)
アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルア
ミド等のN置換(メタ)アクリルアミド等を挙げること
ができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上
を併用しても良い。これらの中でも好ましいのは(メ
タ)アクリルアミドである。
【0014】−(b)アニオン性ビニルモノマー− 本発明におけるアニオン性ビニルモノマー(「(b)成
分」と称することがある。)としては、例えばカルボキ
シル基含有ビニルモノマー、スルホン酸基含有ビニルモ
ノマー及びホスホン酸基(−PO(OH)2)含有ビニ
ルモノマー等を挙げることができ、前記カルボキシル基
含有ビニルモノマーとして、不飽和モノカルボン酸、不
飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸、及び不飽和
テトラカルボン酸等及びそれらの塩類等を挙げることが
でき、前記スルホン酸基含有ビニルモノマーとして不飽
和スルホン酸等及びそれらの塩類等を挙げることがで
き、並びに前記ホスホン酸基含有ビニルモノマーとして
不飽和ホスホン酸等およびそれらの塩類等を挙げること
ができ、これらは、1種単独で用いても良いし、2種以
上を併用しても良い。
【0015】前記不飽和モノカルボン酸として、例えば
アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができ、前記
不飽和モノカルボン酸の塩類として、例えば不飽和カル
ボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩
類、及びアンモニウム塩等を挙げることができる。
【0016】前記不飽和ジカルボン酸として具体的に
は、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸等を挙げることができ、前記不飽和ジカルボン酸
の塩類として具体的には、例えば不飽和ジカルボン酸の
ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類、及び
アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0017】前記不飽和トリカルボン酸として具体的に
は、例えばアコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリ
カルボン酸、4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸
等を挙げることができ、前記不飽和トリカルボン酸の塩
類として具体的には、例えば不飽和トリカルボン酸のナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類、及びア
ンモニウム塩等を挙げることができる。
【0018】前記不飽和テトラカルボン酸として具体的
には、例えば1−ペンテン−1,1,4,4−テトラカル
ボン酸、4−ペンテン−1,2,3,4−テトラカルボン
酸、3−ヘキセン−1,1,6,6―テトラカルボン酸等
を挙げることができ、前記不飽和テトラカルボン酸の塩
類として具体的には、例えば不飽和テトラカルボン酸の
ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類、及び
アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0019】前記不飽和スルホン酸として具体的には、
例えばビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリル
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸等を挙げることができ、前記不飽和スルホン
酸の塩類として具体的には、例えば不飽和スルホン酸の
ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類、及び
アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0020】前記不飽和ホスホン酸として具体的には、
例えばビニルホスホン酸及びα−フェニルビニルホスホ
ン酸等を挙げることができ、前記不飽和ホスホン酸の塩
類として具体的には、例えば前記不飽和ホスホン酸のナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類、及びア
ンモニウム塩等を挙げることができる。
【0021】前記アニオン性ビニルモノマーとしては、
例えば紙質向上効果及び経済性等の点からすると不飽和
モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩類
から成る群から選択される少なくとも一種が好ましく、
特にイタコン酸、アクリル酸およびそれらの塩類よりな
る群から選択される少なくとも一種が特に好ましい。
【0022】−(c)カチオン性ビニルモノマー− 前記カチオン性ビニルモノマー(「(c)成分」と称す
ることがある。)としては、例えばジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート等の、ジアルキルアミノアルキルアルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステルであるジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド等の、ジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド類、及びアルキルジアリルア
ミン、ジアルキルアリルアミン、ジアリルアミン、アリ
ルアミン等のアリルアミン類を始めとするアミノ基含有
ビニルモノマー(「3級アミノ基含有ビニルモノマー、
2級アミノ基含有ビニルモノマー、及び1級アミノ基含
有ビニルモノマー」と称することもできる。)、前記ア
ミノ基含有ビニルモノマーの塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸な
どの無機酸ないしは有機酸の塩類、前記3級アミノ基含
有ビニルモノマーとメチルクロライド、メチルブロマイ
ド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、ベンジ
ルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、
ジエチル硫酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、グリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等
の4級化剤との反応によって得られる4級アンモニウム
塩を含有するビニルモノマー、例えば2−ヒドロキシ
N,N,N,N’,N’−ペンタメチル−N’−[3−
{(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ}プロピル]
−1,3−プロパンジアミニウムジクロライド等を挙げ
ることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2
種以上を併用しても良い。
【0023】−(d)N,N’−ビス((メタ)アクリ
ルアミドアルキレン)尿素類− 前記N,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレ
ン)尿素類(「(d)成分」と称することがある。)
は、以下のように示すことができ、本発明においては、
例えば、N,N’−ビス(アクリルアミドメチレン)尿
素及びN,N’−ビス(メタクリルアミドメチレン)尿
素等を好適に採用することができる。
【0024】
【化1】 ただし、式中、Rは水素原子または低級アルキル基例え
ばメチル基及びエチル基を示し、m及びnは、それぞれ
1〜5の整数を示す。
【0025】前記N,N’−ビス((メタ)アクリルア
ミドメチレン)尿素は、例えば、以下に示す反応により
得ることができる。
【0026】
【化2】 ただし、式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。
【0027】−他のモノマー成分− さらに、所望により上記の構成モノマーの他に、これら
と共重合可能な任意の(e)ノニオン性ビニルモノマー
を導入することも可能である。
【0028】前記ノニオン性ビニルモノマー(「(e)
成分」と称することがある。)としては、例えばアルコ
ールと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アク
リロニトリル、スチレン、スチレン誘導体、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、メチルビニルエーテル等を挙
げることができ、これらは1種単独で用いても良いし、
2種以上を併用しても良い。
【0029】なお、本発明における共重合体を製造する
際、前記(a)〜(e)成分以外に(f)多官能性モノ
マー(「(f)成分」と称することがある。)を併用し
ても差し支えない。
【0030】前記(f)成分としては、例えば、ジ(メ
タ)アクリレート類、ビス(メタ)アクリルアミド類、
ジビニルエステル類等の2官能性ビニルモノマー、エポ
キシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、3官能
性ビニルモノマー、4官能性ビニルモノマー、水溶性ア
ジリジニル化合物等を挙げることができ、これらは1種
単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0031】前記(f)成分としては、他に、水溶性多
官能エポキシ化合物、及びシリコン系化合物等を挙げる
ことができ、これらは、1種単独で用いても良いし、2
種以上を併用してもよい。
【0032】前記ジ(メタ)アクリレート類としては、
例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、及びグリセリンジ
(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは
1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良
い。
【0033】前記ビス(メタ)アクリルアミド類として
は、例えばメチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス
(メタ)アクリルアミド、N,N’−ビスアクリルアミ
ド酢酸、N,N’−ビスアクリルアミド酢酸メチル、
N,N−ベンジリデンビスアクリルアミド等を挙げるこ
とができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種以
上を併用しても良い。
【0034】前記ジビニルエステル類としては、例え
ば、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等を挙げ
ることができ、これらは1種単独で用いても良いし、2
種以上を併用しても良い。
【0035】前記以外の多官能性ビニルモノマーとして
は、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフ
タレート、ジアリルマレート、ジアリルサクシネート、
ジアリルアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ジイソプ
ロペニルベンゼン、N,N−ジアリルメタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、ジアリルジメチル
アンモニウム、ジアリルクロレンデート、グリシジル
(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらは
1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良
い。
【0036】前記3官能性ビニルモノマーとしては、例
えば、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S
−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、N,N−
ジアリルアクリルアミド、トリアリルアミン、トリアリ
ルトリメリテート等を挙げることができ、これらは1種
単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0037】前記4官能性ビニルモノマーとしては、例
えば、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テ
トラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テト
ラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアミ
ン塩、テトラアリルオキシエタン等を挙げることがで
き、これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併
用しても良い。
【0038】前記水溶性アジリジニル化合物としては、
例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジ
ニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−
β−アジリジニルプロピオネート、4,4’−ビス(エ
チレンイミンカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等を
挙げることができ、これらは1種単独で用いても良い
し、2種以上を併用しても良い。
【0039】前記水溶性多官能エポキシ化合物として
は、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジル
エーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、
(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル等を挙げる
ことができ、これらは1種単独で用いても良いし、2種
以上を併用しても良い。
【0040】前記シリコン系化合物としては、例えば、
3−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシ
ラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジク
ロロシラン、3−(メタ)アクリロキシオクタデシルト
リアセトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ−2,
5−ジメチルヘキシルジアセトキシメチルシラン、ビニ
ルジメチルアセトキシシラン等を挙げることができ、こ
れらは1種単独で用いても良いし、2種以上を併用して
も良い。
【0041】−配合量− 本発明において、(a)〜(e)の各成分の配合量は、
得られる共重合体における製紙用添加剤としての性能を
十分考慮して決定されることができ、それぞれ以下の範
囲が好ましい。
【0042】前記(a)成分の配合量は、用いられるモ
ノマー成分の合計モル量に対して、通常97.995〜
55モル%、好ましくは95.99〜68モル%であ
る。
【0043】前記(b)成分の配合量は、用いられるモ
ノマー成分の合計モル量に対して、通常1〜20モル
%、好ましくは2〜15モル%である。
【0044】前記(c)成分の配合量は、用いられるモ
ノマー成分の合計モル量に対して、通常1〜20モル
%、好ましくは2〜15モル%である。
【0045】前記(d)成分の配合量は、用いられるモ
ノマー成分の合計モル量に対して、通常0.005〜5
モル%、好ましくは0.01〜2モル%の範囲内であ
る。
【0046】前記(d)成分の配合量が0.005モル
%未満の場合には紙力増強効果、濾水性効果が低くなる
ことがある。
【0047】前記(d)成分の配合量が5モル%を超え
る場合には、得られるポリマーの水溶性が低下して非水
溶性を示したり、ポリマーの粘度が過度に上昇したり、
ゲル化したりすることがある。
【0048】前記(e)成分の配合量は、用いられるモ
ノマー成分の合計モル量に対して、通常25モル%以
下、好ましくは20モル%以下である。このような範囲
であると、この製紙用添加剤を使用した場合に、十分な
紙力増強効果と濾水性効果とを、より効果的に発揮させ
ることができる。
【0049】前記(f)多官能性モノマーは、前記モノ
マーの合計モル量に対して5モル%以下配合することが
できる。
【0050】−共重合体の製造− 本発明における共重合体(「アクリルアミド系ポリマ
ー」と称することもできる。)の合成は、従来公知の各
種方法により行うことができる。例えば、所定の反応容
器にモノマー成分濃度が2〜40重量%、好ましくは5
〜30重量%になるように、モノマー成分、例えば
(a)成分、(b)成分、及び(c)成分、あるいは、
(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び(e)成分
と、(d)成分と溶媒である水とを仕込み、重合開始
剤、例えば、ラジカル重合開始剤を加え、必要に応じ、
アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸あるいはそ
のエステル類、イソプロピルアルコール、アリルアルコ
ール、メタリルスルホン酸あるいはそのナトリウム塩、
アンモニウム塩等の公知の連鎖移動剤を適宜使用し、攪
拌下、加温することにより本発明におけるアクリルアミ
ド系ポリマーを得ることができる。もちろん、(a)成
分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分
は、使用する成分の特徴に合わせて、連続滴下(「連続
添加」と称することもできる。)等を行うこともでき
る。
【0051】前記重合開始剤としては、公知のものが使
用でき、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化
ベンゾイル、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ
−tert−ブチルパーオキサイド等の過酸化物、臭素酸ナ
トリウム、臭素酸カリウム等の臭素酸塩、過ホウ素酸ナ
トリウム、過ホウ素酸カリウム、過ホウ素酸アンモニウ
ム等の過ホウ素酸塩、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウ
ム、過炭酸アンモニウム等の過炭酸塩、過リン酸ナトリ
ウム、過リン酸カリウム、及び過リン酸アンモニウム等
の過リン酸塩、並びにアゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩
等のアゾ化合物等を挙げることができる。この場合、1
種単独でも使用できるが、2種以上を組み合わせて使用
してもよく、又、還元剤と組み合わせてレドックス系重
合開始剤として使用することもできる。
【0052】前記還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、
亜硫酸水素塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミン等の有機アミン、及びアルドース等の還元
糖等を挙げることができる。また、これらの還元剤は1
種を単独で用いても良いし、2種類以上併用してもよ
い。
【0053】重合反応により、本発明における共重合体
を含有する水溶液が重合反応生成液として、得ることが
できる。得られる重合反応生成液から、本発明における
共重合体が単離され、精製されてから、その共重合体を
適宜の用途に供されることもできるが、重合反応生成液
がそのまま後に説明する製紙用添加剤として使用される
こともできる。
【0054】−共重合体− 本発明における共重合体は、以下の一般式(化3)で示
すことができる。
【0055】
【化3】−(アクリルアミド類モノマー単位)p−(ア
ニオン性ビニルモノマー単位)q−(カチオン性ビニル
モノマー単位)k−(N,N’−ビス((メタ)アクリ
ルアミドアルキレン)尿素類モノマー単位)j− 前記式中において、アクリルアミド類モノマー単位は、
アクリルアミド類が重合によって重合体の主鎖に組み込
まれたときのモノマー単位を示し、アニオン性ビニルモ
ノマー単位は、アニオン性ビニルモノマーが重合によっ
て重合体の主鎖に組み込まれたときのモノマー単位を示
し、カチオン性ビニルモノマー単位は、カチオン性ビニ
ルモノマーが重合によって重合体の主鎖に組み込まれた
ときのモノマー単位を示し、N,N’−ビス((メタ)
アクリルアミドアルキレン)尿素類モノマー単位は、
N,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレン)
尿素類が重合によって重合体の主鎖に組み込まれたとき
のモノマー単位を示す。
【0056】前記式中、pは繰り返し単位数を示し、
p、q、k、jの合計100に対し通常97.995〜
55であり、qは繰り返し単位数を示し、通常1〜20
であり、kは繰り返し単位数を示し、通常1〜20であ
り、jは繰り返し単位数を示し、通常0.005〜5で
ある。
【0057】前記一般式で示される共重合体の中でも好
適な共重合体は、以下の一般式(化4)〜(化6)
((化6)の4級化物も含む。)で示すモノマー単位及
びN,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレ
ン)尿素類を重合することにより重合体の主鎖に組み込
まれるモノマー単位を有する。
【0058】
【化4】 ただし、式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、
2は−NR34を示し、R3は水素原子、又は炭素数1
から8の低級アルキル基を示し、R4は水素原子、又は
炭素数1から8の低級アルキル基を示し、R3及びR4
同一であっても相違していても良い。pは前記と同様の
意味を示す。
【0059】
【化5】 ただし、式中、R5は水素原子またはメチル基等の低級
アルキル基を示し、R6は水素原子または−COOHを
示し、R7は水素原子、メチル基等の低級アルキル基、
または−CH2COOHを示す。また、qは前記と同様
の意味を示す。
【0060】
【化6】 ただし、式中、R8は水素原子又はメチル基を示し、R9
は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、
10は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R9及びR10は互いに同一であっても相違していて
も良い。XはO又はNHであり、kは前記と同様の意味
を示す。iは1〜5の整数を示す。
【0061】(化6)の4級化物は、上記(化6)のモ
ノマーにメチルクロライド、メチルブロマイド等のアル
キルハライド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイ
ド等のアリールハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫
酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジ
ルトリアルキルアンモニウムクロライド等の4級化剤を
反応させることで得られる。
【0062】N,N’−ビス((メタ)アクリルアミド
アルキレン)尿素類を重合することにより重合体の主鎖
に組み込まれるモノマー単位は一義的に決定することが
できない。というのは、このN,N’−ビス((メタ)
アクリルアミドアルキレン)尿素類には重合可能な二重
結合が分子内に2個存在するからである。共重合を行う
と、N,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレ
ン)尿素類中の1個の二重結合が重合して他の二重結合
がペンダント二重結合として残存するモノマー単位、
N,N’−ビス((メタ)アクリルアミドアルキレン)
尿素類中の2個の二重結合が反応して環状体を形成して
なるモノマー単位、あるいはN,N’−ビス((メタ)
アクリルアミドアルキレン)尿素類中の2個の二重結合
が反応して2個の二重結合間に前記アクリルアミド類モ
ノマー単位、アニオン性ビニルモノマー単位、及び/又
はカチオン性ビニルモノマー単位が介在してなるモノマ
ー単位が生成する可能性がある。N,N’−ビス((メ
タ)アクリルアミドアルキレン)尿素類が他のモノマー
と共重合反応することにより、構造を一義的に決定する
ことができないが、ある種のモノマー単位として共重合
体に組み込まれていく。共重合体中にN,N’−ビス
((メタ)アクリルアミドアルキレン)尿素類がモノマ
ー単位として組み込まれたことは、N,N’−ビス
((メタ)アクリルアミドアルキレン)尿素類を添加し
ない場合に比べ分子量が増加することにより確認するこ
とができる。
【0063】前述の製造方法に従って、前述の各種のモ
ノマーを共重合することにより得ることのできる本発明
における共重合体は、通常、その分子量は5万〜1,0
00万である。
【0064】−共重合体の用途、製紙用添加剤− 本発明における共重合体は、種々の用途を有するが、と
りわけ製紙用添加剤として使用されると、この共重合体
の特性を良く発揮することができる。
【0065】本発明における製紙用添加剤は、前記重合
反応生成液そのままであっても良く、前記重合反応生成
液から単離された共重合体に、必要に応じて他の添加成
分を添加して調製されても良く、また、重合反応生成液
から単離された共重合体を、必要に応じて添加される他
の添加成分とともに所定の濃度になるように、水に溶解
することにより、調製されても良い。
【0066】好適な態様においては、前記重合反応によ
り得られる重合反応生成液をそのまま製紙用添加剤とし
て用いる。
【0067】製紙用添加剤における共重合体の濃度は、
固形分濃度として、通常5〜40重量%であり、好まし
くは10〜30重量%である。また、製紙用添加剤の粘
度として、通常1,000〜100,000cps(ブ
ルックフィールド回転粘度計による25℃における測定
値)であり、好ましくは3,000〜20,000cp
sである。
【0068】本発明の製紙用添加剤は、例えば、紙また
は板紙の製造工程において、ウエット・エンド部に添加
することができる。硫酸バンドは紙の種類により、使用
したりあるいは全く使用されないこともある。また、ア
ルカリ性物質、酸性物質を添加して抄紙pHを適宜調節
して使用してもよい。
【0069】例えば、紙または板紙を酸性から中性ない
しアルカリ性領域で製造するにあたって、パルプ原料と
して、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプなど
の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ
あるいはサーモメカニカルパルプなどの晒あるいは未晒
高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙ある
いは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれも使用すること
ができる。
【0070】また、前記パルプ原料としては、前記パル
プ原料と、石綿、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレ
フィン等との混合物も使用することができる。
【0071】填料、染料、酸性抄紙用ロジン系サイズ
剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコ
ハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤等
の弱酸性および中性ないしアルカリ性抄紙用サイズ剤、
乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤、濾水
性向上剤、消泡剤などの他の製紙用添加剤も、各々の紙
種に要求される物性を発現させるために、本発明に係る
製紙用添加剤に加え必要に応じて添加してもよい。填料
としては、クレー、タルク、酸化チタン、重質または軽
質炭酸カルシウム等を挙げることができ、これらは1種
単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0072】製紙に対する本発明に係る製紙用添加剤の
使用量は、パルプ固形分に対して、通常0.01〜8重
量部であり、好ましくは0.05〜2重量部である。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施の形態を説
明するが、これら実施例により、本発明は制限されるも
のではない。なお、%は重量基準による。
【0074】(実施例1)攪拌機、温度計、還流冷却
管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラ
スコに、水660.620g、50%アクリルアミド水
溶液269.347g(94.735モル%)、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート4.716g(1.5モ
ル%)、76%メタクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド水溶液11.203g
(1.5モル%)、イタコン酸5.204g(2.0モ
ル%)、N,N’−ビス(アクリルアミドメチレン)尿
素0.226g(0.05モル%)、5%メタリルスル
ホン酸ナトリウム水溶液13.596g(0.215モ
ル%)を仕込み、15%硫酸水溶液でpH3.0に調整
した。次いで5%過硫酸アンモニウム水溶液9.13g
を加え、窒素ガス導入下において80℃に昇温し、2時
間反応させ、固形分15.3%、粘度(25℃、ブルッ
クフィールド回転粘度計使用)5,700cps、pH
3.8の共重合体水溶液を得た。これを製紙用添加剤A
とした。
【0075】(実施例2)攪拌機、温度計、還流冷却
管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラ
スコに、水145.655g、50%アクリルアミド水
溶液47.668g(83.830モル%)、メタクリ
ルアミド3.404g(10.0モル%)、76%アク
リロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムク
ロライド水溶液5.679g(4.0モル%)、イタコ
ン酸1.041g(2.0モル%)、N,N’−ビス
(アクリルアミドメチレン)尿素0.045g(0.0
5モル%)、5%メタリルスルホン酸ナトリウム水溶液
1.518g(0.120モル%)を仕込んだ。次いで
5%過硫酸アンモニウム水溶液1.83gを加え、窒素
ガス導入下において80℃に昇温し、2時間反応させ、
固形分15.7%、粘度(25℃、ブルックフィールド
回転粘度計使用)7,200cps、pH3.8の共重
合体水溶液を得た。これを製紙用添加剤Bとした。
【0076】(実施例3)攪拌機、温度計、還流冷却
管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラ
スコに、水689.779g、50%アクリルアミド水
溶液263.134g(92.55モル%)、76%ア
クリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド水溶液28.397g(4.0モル%)、イ
タコン酸5.204g(2.0モル%)、N,N−ジメ
チルアクリルアミド1.983g(1.0モル%)、
N,N’−ビス(アクリルアミドメチレン)尿素0.2
26g(0.05モル%)、5%メタリルスルホン酸ナ
トリウム水溶液25.295g(0.40モル%)を仕
込んだ。次いで5%過硫酸アンモニウム水溶液9.13
gを加え、窒素ガス導入下において80℃に昇温し、2
時間15分反応させ、固形分15.2%、粘度(25
℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)5,400c
ps、pH3.7の共重合体水溶液を得た。これを製紙
用添加剤Cとした。
【0077】(比較例1)攪拌機、温度計、還流冷却
管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラ
スコに、水642.416g、50%アクリルアミド水
溶液269.290g(94.715モル%)、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート4.716g(1.5モ
ル%)、76%メタクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド水溶液11.203g
(1.5モル%)、イタコン酸5.204g(2.0モ
ル%)、0.5%メチレンビスアクリルアミド水溶液1
5.420g(0.025モル%)、5%メタリルスル
ホン酸ナトリウム水溶液16.442g(0.260モ
ル%)を仕込んだ。次いで5%過硫酸アンモニウム水溶
液9.13gを加え、窒素ガス導入下において80℃に
昇温し、2時間反応させ、固形分15.3%、粘度(2
5℃、ブルックフィールド回転粘度計使用)5,070
cps、pH3.7の共重合体水溶液を得た。これを製
紙用添加剤aとした。
【0078】(比較例2)攪拌機、温度計、還流冷却
管、及び窒素ガス導入管を付した1リットル四つ口フラ
スコに、水659.729g、50%アクリルアミド水
溶液269.489g(94.785モル%)、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート4.716g(1.5モ
ル%)、76%メタクリロイルオキシエチルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド水溶液11.203g
(1.5モル%)、イタコン酸5.204g(2.0モ
ル%)、5%メタリルスルホン酸ナトリウム水溶液1
3.596g(0.215モル%)を仕込んだ。次いで
5%過硫酸アンモニウム水溶液9.13gを加え、窒素
ガス導入下において80℃に昇温し、2時間反応させ、
固形分15.3%、粘度(25℃、ブルックフィールド
回転粘度計使用)4,100cps、pH3.9の共重
合体水溶液を得た。これを製紙用添加剤bとした。
【0079】実施例1〜3及び比較例1〜2において得
られた製紙用添加剤の組成及び性状値を表1に示す。表
中用いた略語は AAm:アクリルアミド MAAm:メタクリルアミド DMAAm:N,N−ジメチルアクリルアミド IA:イタコン酸 DM:ジメチルアミノエチルメタクリレート DMBz:メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド DABz:アクリロイルオキシエチルジメチルベンジル
アンモニウムクロライド MBAAm:メチレンビスアクリルアミド SMAS:メタリルスルホン酸ナトリウム である。
【0080】なお、比較例1(製紙用添加剤a)は実施
例1(製紙用添加剤A)のN,N’−ビス(アクリルア
ミドメチレン)尿素をメチレンビスアクリルアミドで置
換した例であり、比較例2(製紙用添加剤b)は、製紙
用添加剤AのN,N’−ビス(アクリルアミドメチレ
ン)尿素を含まない例である。
【0081】
【表1】
【0082】(性能評価1)段ボール古紙を叩解度(カ
ナディアンスタンダード・フリーネス、以下C.S.
F.と略す)368mlに調整した濃度2.4%、pH
=7.0のパルプスラリー、及び上記パルプスラリー
に、硫酸バンドをパルプに対して1.0%及び3.0%
添加してpHを6.0及び4.5としたパルプスラリー
を調製した。
【0083】次いでそれぞれのパルプスラリーに上記実
施例及び比較例で得られた各アクリルアミド系ポリマー
水溶液すなわち製紙用添加剤をパルプに対して0.3%
及び1.2%添加し、攪拌した後、パルプスラリー濃度
を0.6%になるようpH=7.0、6.0、4.5の
水で稀釈し、濾水性を測定した。なお、上記薬品の添加
率はパルプ絶乾重量に対する固形分重量比である。測定
結果を表2〜4に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】(性能評価2)BKP(L/N=9/1)
を、C.S.F.360mlに調整した濃度2.4%の
パルプスラリーに、タルクをパルプに対して15.0
%、硫酸バンドをパルプに対して1.0%添加した。
【0088】次いで上記パルプスラリーに上記実施例及
び比較例で得られた各アクリルアミド系ポリマー水溶液
すなわち製紙用添加剤をパルプに対して0.5%添加
し、攪拌した後、パルプスラリー濃度を0.6%になる
ようpH=4.5の水で稀釈し、濾水性を測定した。ま
た、紙力測定用の紙料を、前記製紙用添加剤を添加した
パルプスラリーを濃度0.25%になるようにpH4.
5の水で希釈し、ノーブルアンドウッド製シートマシン
にて抄紙し、ドラムドライヤーにて100℃で80秒間
乾燥させ、得られた坪量80g/m2の手抄き紙を、2
0℃、65%RHの条件下に24時間調湿した後、各測
定に供した。なお、上記薬品の添加率はパルプ絶乾重量
に対する固形分重量比である。測定結果を表5に示す。
【0089】
【表5】
【0090】(性能評価3)DIP/TMP/BKP=
50/40/10(濃度2.4%、C.S.F.144
ml)からなるパルプスラリーにホワイトカーボンをパ
ルプに対して2.0%、硫酸バンドをパルプに対して
1.0%添加した。
【0091】次いで上記パルプスラリーに上記実施例及
び比較例で得られた各アクリルアミド系ポリマー水溶液
すなわち製紙用添加剤をパルプに対して0.5%添加
し、攪拌した後、パルプスラリー濃度が0.6%になる
ようpH=4.5の水で稀釈し、濾水性を測定した。ま
た、紙力測定用の紙料は、製紙用添加剤を添加したパル
プスラリーを濃度0.25%になるようにpH=4.5
の水で希釈し、ノーブルアンドウッド製シートマシンに
て抄紙し、ドラムドライヤーにて100℃で80秒間乾
燥させ、得られた坪量80g/m2の手抄き紙を、20
℃、65%RHの条件下に24時間調湿した後、各測定
に供した。
【0092】なお、上記薬品の添加率はパルプ絶乾重量
に対する固形分重量比である。測定結果を表6に示す。
【0093】
【表6】
【0094】測定は下記の方法に準じて行った。 比破裂強度…JIS P 8112に準拠して測定し
た。 スコットボンド…インターナルボンドテスター(熊谷理
機工業社製)を使用し、接着圧力1kg/cm2、30秒の
条件で測定した。 灰分…温度を550℃以外に変えた以外はJIS P8
128に準じて行った。 DDT…タッピジャーナル第56巻、第10号(197
3年)の第46頁に記載されている「ダイナミック ド
レイネッジ ジャー」と同様の装置を用いて、パルプス
ラリー500mlを直径7.5cmのジャーに注ぎ、6
00rpmの攪拌をさせながら下部コックを開き、10
0メッシュの金網にて濾過させ、濾液量が一定になるま
での時間を測定するものであり、濾水性の評価に用いる
ことができる。ここでは、濾液量が200mlになるま
での時間を測定した。 RDDT…タッピ ペーパーメーカーズ コンファレン
ス(1985年)の第171頁に記載されている改良さ
れたハーキュレス ダイナミック ドレイネッジ テス
ターと同様の装置(直径7.5cmのジャーにパルプス
ラリーを注ぎ、800rpmの攪拌下、マットを形成し
ないように下部から空気を送り、攪拌及び送気を停止す
ると同時に濾過される構造)を用いて、薬品添加後のパ
ルプスラリー500mlをジャーに注ぎ、この濾液50
mlを採取し、620nmにおける透過率(T.M.
(%))を測定する。ファースト パス リテンション
のパラメータとして、このT.M.(%)を用いた。即
ち、T.M.(%)が高いほど、濾液が透明であること
を示し、フィラー及び微細繊維の歩留りが高いことを示
す。
【0095】
【発明の効果】本発明の製紙用添加剤は、表2〜6に示
したごとく、従来公知であるポリマーと比較して、それ
らと同等の紙力を保ちながら、優れた濾水性及び濾水性
効果を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甲能 誠二 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 日本ピ ー・エム・シー株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AG70 AG71 AG72 AG73 AH18 AH50 EA32 FA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アクリルアミド類、(b)アニオ
    ン性ビニルモノマー、(c)カチオン性ビニルモノマ
    ー、及び(d)N,N’−ビス((メタ)アクリルアミ
    ドアルキレン)尿素類を重合して得られる共重合体を含
    有することを特徴とする製紙用添加剤。
  2. 【請求項2】 前記共重合体が、(a)アクリルアミド
    類97.995〜55モル%、(b)アニオン性ビニル
    モノマー1〜20モル%、(c)カチオン性ビニルモノ
    マー1〜20モル%、(d)N,N’−ビス((メタ)
    アクリルアミドアルキレン)尿素類0.005〜5モル
    %を重合してなる共重合体であることを特徴とする前記
    請求項1に記載の製紙用添加剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003070796A1 (fr) * 2002-02-22 2003-08-28 Seiko Pmc Corporation Polymere de (meth)acrylamide, procede pour le produire, produits chimiques de production de papier et papiers contenant ceux-ci

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