JP2000160309A - 高性能アルミニウム基複合材料 - Google Patents
高性能アルミニウム基複合材料Info
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Abstract
る高性能アルミニウム基複合材料を提供する。 【解決手段】 Alマトリックス中に炭素繊維が分散し
ており、前記炭素繊維の表面にセラミックス粒子が分散
付着している。 【効果】 炭素繊維の表面に分散付着しているセラミッ
クス粒子がAlマトリックスと炭素繊維間に生じる熱ス
トレスを緩和するため、使用中に繰返し熱変動が掛かっ
てもAlマトリックスと炭素繊維間の界面特性は良好に
保持され、低熱膨張係数と高熱伝導率が安定して得られ
る。
Description
熱伝導率が安定して得られる、電子機器用部材などに有
用な高性能アルミニウム基複合材料に関する。
来より、熱歪みが生じ難い低熱膨張材としてFe−Co
合金(コバール)、42アロイなどのNi合金、Cu−
W合金などが用いられ、また放熱性に優れる高熱伝導率
の材料としてCu、Al、これらの合金などが用いられ
てきたが、近年、熱歪みが生じ難くかつ放熱性に優れる
材料が要求されるようになり、それに応じて高熱伝導率
のAlマトリックスに低熱膨張係数の炭素繊維を分散さ
せた複合材料が開発された。
は、Alマトリックスと炭素繊維との濡れ性が悪く、両
者間で良好な界面特性が得られないうえ、Alマトリッ
クスと炭素繊維とは熱膨張係数が著しく異なるため使用
中に繰返し掛かる熱変動によりAlマトリックスと炭素
繊維間に大きな熱ストレスが生じてAlマトリックスと
炭素繊維の界面が剥離し、当該複合材料の低熱膨張係数
と高熱伝導率は劣化してしまうという問題がある。な
お、Alと炭素繊維の熱膨張係数は、それぞれ24×1
0-6/℃および−1×10-6/℃である。本発明は、こ
のような状況に鑑みなされたもので、使用中に繰返し熱
変動が掛かってもAlマトリックスと炭素繊維の界面が
剥離することがなく低熱膨張係数と高熱伝導率が安定し
て得られる高性能アルミニウム基複合材料の提供を目的
とする。
Alマトリックス中に炭素繊維が分散しており、前記炭
素繊維の表面にセラミックス粒子が分散付着しているこ
とを特徴とする高性能アルミニウム基複合材料である。
維とセラミックス粒子)に占めるセラミックス粒子の体
積率が20〜45%であることを特徴とする請求項1記
載の高性能アルミニウム基複合材料。
の平均粒径が0.5〜10μmであることを特徴とする
請求項1または2記載の高性能アルミニウム基複合材料
である。
がSiC粒子であることを特徴とする請求項1、2、3
のいずれかに記載の高性能アルミニウム基複合材料であ
る。
ックス中に分散させる炭素繊維の表面にセラミックス粒
子を分散付着させて、炭素繊維とAlマトリックス間の
熱ストレスを緩和したものである。
ックスの熱伝導率を低下させずに、複合材料の熱膨張係
数を低下させる働きがある。前記炭素繊維にはグラファ
イト質のものと炭素質のものとがあるが、グラファイト
質または結晶構造がグラファイト質に近いものが望まし
い。炭素質のものはセラミックス粒子を介在させてもA
lマトリックスとの間で十分な界面特性が得られない場
合があり、使用中にA13 C4 などの化合物が生成して
界面特性が劣化することも考えられるためである。
ックス粒子は、熱膨張係数が炭素繊維とAlマトリック
スの中間に位置するものであり、そのため炭素繊維とA
lマトリックス間の熱膨張差に基づく熱ストレスを緩和
する働きがある。前記セラミックス粒子の全分散材(炭
素繊維とセラミックス粒子)に占める体積率は、20%
未満では前記界面における熱ストレスが十分低減せず、
45%を超えると炭素繊維(セラミックス粒子を含む)
成形体作製時に炭素繊維が多量に折損してしまって、前
記成形体における炭素繊維の体積充填率が頭打ちになっ
てしまう。従って前記体積率は20〜45%が好まし
い。
12 O3 、TiO2 、SiC、ZrC、AlNなどの酸
化物、炭化物、窒化物などが適用される。特に、SiC
粒子は、Alとの濡れ性が良く、熱膨張係数も小さく、
更にA12 O3 、TiO2 、ZrC等より熱伝導率も高
い。このため熱伝導率をあまり低下させないで界面剥離
を抑制できる。
満ではセラミックス粒子が玉状に凝集して付着するため
セラミックス粒子による熱ストレス緩和効果が十分に得
られない。また前記平均径が10μmより大きいと炭素
繊維表面に付着する粒子数が減少して、やはり熱ストレ
ス緩和効果が十分に得られない。従って前記セラミック
ス粒子の平均径は0.5〜10μmが望ましい。
g系合金、Al−Si系合金、Al−Zn系合金などが
適用できるが、特にAl−Si系合金は鋳造性に優れ好
適である。特に、Al−Si系合金のSi量は12〜2
5wt%が望ましい。
る。 (実施例1)無機バインダーを主成分とする水溶液中
に、炭素繊維(直径10μm、長さ150μm)とSi
C粒子(平均粒径10μm、熱膨張係数4×10-6/℃)
を入れて攪拌し、この中に凝集剤を添加して炭素繊維表
面にSiC粒子を分散付着させてスラリーとした。次に
このスラリーを成形金型に入れて成形金型底部より真空
脱水して外形寸法が100mm×100mm×10mm
の繊維成形体を作製した。前記繊維成形体の作製にあた
り成形金型底部から真空脱水した。このため炭素繊維は
その長さ方向が繊維成形体の表面に平行にかつ脱水方向
に配向した。全分散材(炭素繊維とSiC粒子)に占め
るSiC粒子の体積率は種々に変化させた。前記体積率
が45%を超えると炭素繊維の折損が激しくなり、前記
成形体における炭素繊維の体積充填率が頭打ちとなっ
た。
ン雰囲気炉内で500℃に予熱したのち、前記繊維成形
体と同じ形状のキャビティを有する250℃に予熱した
鋳造金型に入れ、この金型内に750℃のAl−20%
Si合金溶湯を射出速度10cm/secで鋳込み、鋳
込み後、前記溶湯を1000atmの圧力で1分間加圧
保持し、その後、前記溶湯を凝固させて炭素繊維が表面
に平行に配向したAl基複合材料を製造した。
付着させなかった他は、実施例1と同じ方法によりAl
基複合材料を製造した。
複合材料について熱衝撃試験を行った。この熱衝撃試験
は、複合材料を125℃の加熱雰囲気と−40℃の冷却
雰囲気に交互に投げ込む操作を500回繰り返す方法に
より行った。前記複合材料の熱膨張係数と熱伝導率を熱
衝撃試験の前後で測定して、その耐熱衝撃性を評価し
た。
No.1〜11は、いずれも、熱膨張係数および熱伝導率が、
熱衝撃試験の前後で差がなく、耐熱衝撃性に優れるもの
であった。特に、全分散材に占めるSiC粒子の体積率
が20〜45%のものは優れていた。これに対し、比較
例の No.12〜14は、いずれも、熱衝撃試験後に、熱膨張
係数が増加し、また熱伝導率が減少し、No.15 は熱衝撃
試験後に、熱膨張係数および熱伝導率がともに増加し、
いずれも耐熱衝撃性に劣るものであった。これは、炭素
繊維表面に、炭素繊維とAlマトリックス間の熱ストレ
スを緩和するセラミックス粒子が分散付着されていなか
ったためである。
に変化させた他は、実施例1と同じ方法によりAl基複
合材料を製造した。なお、成形体に占める炭素繊維の体
積率は40%とし、全分散材に占めるSiC粒子の体積
率は30%とした。
施例と同じようにして熱衝撃試験を行い耐熱衝撃性を評
価した。なお、前記熱衝撃試験は200℃の加熱雰囲気
と−30℃の冷却雰囲気に交互に投げ込む操作を500
回繰り返す方法により行った。結果を表3に示す。
21〜28は、いずれも、熱膨張係数および熱伝導率が、熱
衝撃試験の前後で差がなく、耐熱衝撃性に優れることが
判る。これは、Alマトリックスと炭素繊維間の熱スト
レスがSiC粒子により緩和されたためである。特に、
SiC粒子の平均粒径が0.5〜10μmのものは優れ
ていた。No.21はSiC粒子が小さかったため熱衝撃試
験後において熱膨張係数が若干増加し、 No.28はSiC
粒子が大きかったため熱伝導率が若干低下したが、実用
上問題ない程度であった。
び径を種々に変化させた他は、実施例1と同じ方法によ
りアルミニウム基複合材料を製造した。繊維成形体の体
積率は40%、炭素繊維に対する各種粒子の体積率は3
0%とした。結果を表4に示す。
31〜39は、いずれも、熱膨張係数および熱伝導率が、熱
衝撃試験の前後で殆ど差がなく、耐熱衝撃性に優れてい
る。中でも、セラミックス粒子の平均粒径が0.5、
1.0μmのものは特に優れていた。
ウム基複合材料は、Alマトリックス中に分散する炭素
繊維の表面にセラミックス粒子が分散付着していてAl
マトリックスと炭素繊維間に生じる熱ストレスが緩和さ
れるため、使用中に繰返し熱変動が掛かってもAlマト
リックスと炭素繊維間の界面特性は良好に保持され、低
熱膨張係数と高熱伝導率が安定して得られる。依って、
電子機器などに用いて顕著な効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 Alマトリックス中に炭素繊維が分散し
ており、前記炭素繊維の表面にセラミックス粒子が分散
付着していることを特徴とする高性能アルミニウム基複
合材料。 - 【請求項2】 全分散材(炭素繊維とセラミックス粒
子)に占めるセラミックス粒子の体積率が20〜45%
であることを特徴とする請求項1記載の高性能アルミニ
ウム基複合材料。 - 【請求項3】 セラミックス粒子の平均粒径が0.5〜
10μmであることを特徴とする請求項1または2記載
の高性能アルミニウム基複合材料。 - 【請求項4】 セラミックス粒子がSiC粒子であるこ
とを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の高
性能アルミニウム基複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33001598A JP2000160309A (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 高性能アルミニウム基複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33001598A JP2000160309A (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 高性能アルミニウム基複合材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000160309A true JP2000160309A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18227829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33001598A Pending JP2000160309A (ja) | 1998-11-19 | 1998-11-19 | 高性能アルミニウム基複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000160309A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009038048A1 (ja) | 2007-09-18 | 2009-03-26 | Shimane Prefectural Government | 金属被覆炭素材料およびそれを用いた炭素-金属複合材料 |
CN103290343A (zh) * | 2013-06-27 | 2013-09-11 | 孟红琳 | 填充粒子增强的铝合金复合材料的制备方法 |
CN104265816A (zh) * | 2014-08-15 | 2015-01-07 | 山东金山汽配有限公司 | 一种增强型铝基复合材料刹车片 |
CN108723309A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-11-02 | 牛乾 | 高强度铝镁合金铸锭及其制备方法 |
CN112981189A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-06-18 | 同济大学 | 一种可自生成纳米级网状保护层的混合增强铝基复合材料 |
-
1998
- 1998-11-19 JP JP33001598A patent/JP2000160309A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009038048A1 (ja) | 2007-09-18 | 2009-03-26 | Shimane Prefectural Government | 金属被覆炭素材料およびそれを用いた炭素-金属複合材料 |
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CN108723309B (zh) * | 2018-06-25 | 2021-01-01 | 临沂利信铝业有限公司 | 铝镁合金铸锭及其制备方法 |
CN112981189A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-06-18 | 同济大学 | 一种可自生成纳米级网状保护层的混合增强铝基复合材料 |
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