JP2000159649A - 新規化粧料及びそれに適した紫外線遮断組成物 - Google Patents

新規化粧料及びそれに適した紫外線遮断組成物

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JP2000159649A
JP2000159649A JP10332502A JP33250298A JP2000159649A JP 2000159649 A JP2000159649 A JP 2000159649A JP 10332502 A JP10332502 A JP 10332502A JP 33250298 A JP33250298 A JP 33250298A JP 2000159649 A JP2000159649 A JP 2000159649A
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phyllosilicate
ultraviolet
cosmetic
ultraviolet ray
titanium oxide
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JP10332502A
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Masaaki Horino
政章 堀野
Yoshikazu Nishizawa
美和 西澤
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NIKKI CHEMCAL CO Ltd
Miyoshi Kasei Inc
Original Assignee
NIKKI CHEMCAL CO Ltd
Miyoshi Kasei Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線を有効にカットでき、かつ透明性に優れ
青白さ等の色味を呈することなく健康色を付与可能で、
併せて光触媒機能を有しない優れた化粧料、及びそれに
適した紫外線遮断組成物を提供する。 【解決手段】粘土鉱物のうちフィロ珪酸塩、特にバーミ
キュライト族、スメクタイト族、粘土雲母族及び緑泥石
族を選択し、これと紫外線遮断機能物質を含有した紫外
線遮断組成物、特に好ましくはフィロ珪酸塩の複数層構
造中の層間に紫外線遮断機能物質が担持する構造を含む
組成物とし、化粧料に使用することにより、化粧料とし
て重要な紫外線を有効に遮断し、透明性に優れ皮膚表面
に血色が悪い青白さ等の色味を呈することが無く健康色
を付与でき、併せて光触媒作用等の表面活性作用が無い
優れた効果を発揮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた紫外線遮断
性を具備するがその表面活性作用は抑制されており、使
用したときに青白味感(酸化チタンの場合)等の色味感
が無く、透明性に優れ健康色を付与可能な新規化粧料、
詳しくは紫外線遮断機能物質が特定粘土鉱物に付着し又
は当該物質が特定の粘土鉱物で被覆された粒子を配合し
た化粧料、更に詳しくは紫外線遮断機能物質と、特にス
メクタイト族、バ−ミキュライト族、粘土雲母族及び緑
泥石族等のフィロ珪酸塩を含有し、特に好ましくはフィ
ロ珪酸塩の粒子薄片が重ね合わさって複数層を構成し、
層を構成するその粒子薄片同士の接触面に紫外線遮断機
能物質が付着するようにした紫外線遮断機能物質が付着
するフィロ珪酸塩を含有する化粧料及びそれに適した紫
外線遮断組成物に関する。
【0002】本発明の化粧料においては、使用したとき
に紫外線を遮断し、透明性に優れ皮膚表面に血色が悪い
青白さ等の色味を呈することが無く健康色を付与するこ
とが可能で、併せて化粧料として安定性に富み、光触媒
作用等の表面活性作用が無いので化粧料に存在する有機
基材を光老化することがない等、化粧料に必要な優れた
諸性質を発揮できる。
【0003】
【従来の技術】従来、紫外線は皮膚に様々な悪影響をも
たらすことが知られている。紫外線は、波長が400〜
320nmの長波長紫外線(UV−A波)と320〜2
90nmの中波長紫外線(UV−B波)と290nm以
下の紫外線(UV−C波)に分類される。
【0004】UV−C波はオゾン層において吸収され、
地上には殆ど到達しない。地上に到達するUV−B波は
皮膚に一定量以上の光量が照射されると紅斑や水疱を形
成し、メラニン形成を促進する。また、UV−A波は、
UV−B波に比較して紅斑の惹起が非常に弱く、実質上
紅斑を起こさず皮膚を黒化させると考えられている。
【0005】更に、紫外線は皮膚への浸透性が高く、皮
膚中の蛋白質であるコラーゲンの架橋形成を促進し、コ
ラーゲンの弾力性や保水力を低下させ、しわの発生を惹
起させると共に、しみ、そばかすの原因にもなり皮膚の
老化をもたらす。UV−A波は、皮膚組織の過酸化脂質
を増大させるために皮膚癌の原因にもなることが知られ
ている。
【0006】このような紫外線障害から皮膚を保護する
目的で、これまでに各種の紫外線遮断機能物質や紫外線
吸収剤を配合した化粧料が開発され市販されている。更
に、無機紫外線遮断機能物質として、超微粒子の酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム等の無機顔料も
配合使用されている。
【0007】特に、平均粒子径が0.1μm以下の酸化
チタン、いわゆる超微粒子酸化チタンは樹脂膜或いは成
型物に配合された場合、可視光に対する透過性が高く、
紫外線をより効果的に遮断するという性質を有してい
る。
【0008】この性質を利用して超微粒子酸化チタンは
日焼け止め化粧料に広く使用されている。特に、平均粒
子径が0.03μm以下である超微粒子酸化チタンを化
粧料に配合することにより優れた紫外線遮断能を有し、
しかも青白さ等の色味が無く、極めて高い透明感があ
り、自然な仕上がりの化粧料を提供すると共に超微粒子
酸化チタンの表面活性による化粧料の内容物の変質、腐
敗を防止した化粧料の提供が期待される。
【0009】しかしながら、超微粒子酸化チタンは表面
積が大きく、ファンデル・ワールス力が大きい上に表面
活性も高いので、化粧料に配合した場合凝集傾向を示
し、炭化水素油、エステル油、シリコーン油等の化粧料
基材に分散し難く、その結果として分散物の粘度が高く
なり、化粧料への高濃度配合が困難であった。また、製
造された化粧料が光の作用により変色し易いという欠点
もあった。
【0010】特に、粉末化粧料に配合した場合、化粧料
中にバインダーとして少量の油分が配合されているた
め、化粧料中で超微粒子酸化チタンが凝集する傾向が強
い。
【0011】このため、適度な量の超微粒子酸化チタン
を配合した化粧料では、期待した程の紫外線遮断効果が
得られない。従って、多量の超微粒子酸化チタンを化粧
料に配合すると超微粒子酸化チタンが凝集して青白くな
ると共に紫外線遮断効果も高くならず、延展性も低下す
る。この結果として、多量の超微粒子酸化チタンを配合
した化粧料で化粧した場合、のびの重さ(ギスギス感、
肌上で延ばすときの抵抗感)、キシミ(滑りが重く、粒
子の柔軟性が感じられない現象が発現し、感触の抵抗は
勿論のこと、肌に負担をかけること)等の感触の低下が
生じ、更にむら付き、白浮きが生じ、密着性の欠如、不
健康的な色調の発現により大きくメークアップ効果を損
なう。
【0012】以上の課題に対して、種々の改良が施され
た日焼け止め化粧料が提案されている。例えば、特開平
1−190626号公報では、酸化セリウム又はその水
和物で表面を被覆して青白味が少なく、かつUV−A領
域の紫外線遮断能が大きい超微粒子酸化チタンを調製
し、これを少なくとも0.1%以上配合した化粧料組成
物が提案されている。
【0013】また、特開平5−330825号公報で
は、日焼け止め化粧料の青白味感を減少させることと、
UV−A領域の紫外線遮断を目的とする化粧料の原料と
して鉄含有ルチル型酸化チタンが提案されている。
【0014】特開平6−55663号公報では、超微粒
子酸化チタンで被覆されたカオリン粒子を配合した化粧
料が提案されている。
【0015】更に、特開平9−59129号公報では、
スメクタイト族粘土鉱物から成る薄片状粒子の表面を超
微粒子酸化チタンで被覆した薄片状被覆粒子を化粧料に
配合することにより紫外線遮断性、延展性及び感触に優
れ、しかも白浮きしない自然な仕上がりの化粧料の提案
がなされている。
【0016】特開平8−120256号公報では、層間
に金属イオンをインターカレーションさせた層状珪酸塩
鉱物による優れた紫外線遮断防御剤の提案がなされてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述のように紫外線が
皮膚に当たると種々の障害を与えるところから、紫外線
遮断性を有する化粧料が提案されているが、それぞれ次
に示すような各種の課題を有している。
【0018】紫外線遮断機能物質である超微粒子酸化チ
タン等は、前記皮膚に紅斑や炎症を生じさせるUV−B
波の紫外線を反射散乱させ、しかも可視光線を通過させ
る特長を有するので、紫外線遮断性材料として好適であ
る。ところが、その超微粒子粉末は強い表面活性や吸着
微量水分により粒子間で凝集し、化粧料に配合すると透
明感が低下したり、化粧膜の青白さが目立ったりする。
また、強い表面活性により機械的に分散させても再凝集
しSPF( Sun Protection Factor: 日焼け止め指数)
値が低下したり、期待される紫外線防御効果が得られ難
い。
【0019】更に、超微粒子にすると、強い活性点が残
り紫外線の照射により吸着水を分解して酸化力の極めて
強いOH及びOH2フリーラジカルを発生させてそのフ
リーラジカルにより、化粧料用法定タール色素を褪色さ
せたり、一般化粧料用油剤を変質させたりする。
【0020】酸化セリウム又は水酸化セリウムで被覆し
た超微粒子酸化チタンを配合した化粧料組成物は或る程
度の青白味低減とUV−A領域の紫外線遮断に対しては
優れた効果を有するものの、光によって変色し易い欠点
がある。更には、化粧料に配合したときの分散性が依然
として劣っており、その結果として分散物の粘度が高く
なり化粧料への高濃度配合が困難である。
【0021】鉄含有ルチル型酸化チタンを化粧料に配合
した場合、耐光性は良好で、青白味を低減し、UV−A
領域の紫外線も効果的に遮断する。しかしながら、これ
らを配合した化粧料は黄味及び赤味が強く、衣服等白い
物を着色し易く、かつその着色物が落ち難い欠点がある
ばかりか、透明感に欠けるため、透明感の高い化粧料を
得るのは不可能である。
【0022】超微粒子酸化チタンで被覆されたカオリン
粒子を配合した化粧料が提案されているが、酸化チタン
で被覆された板状粒子、例えば雲母等を配合した化粧料
は、これら被覆粒子の配合量が少ないと被覆板状粒子で
肌が十分に被覆できないために、紫外線遮断効果が劣
る。逆に、化粧料に被覆板状粒子を多量に配合した場
合、板状粒子が通常、0.2μm以上厚いことに起因し
て超微粒子酸化チタンと比較して被覆板状粒子の隠蔽力
が強いために、化粧したときに白浮きが目立ち不自然な
仕上がりになる。
【0023】特開平6−55663号公報では超微粒子
酸化チタンで被覆されたカオリン粒子を配合した化粧料
が提案されている。しかしながら、酸化チタンで被覆さ
れた板状粒子、例えばカオリン、雲母等を配合した化粧
料は、これら被覆板状粒子の配合量が少ないと、被覆板
状粒子で肌が十分被覆できないために、紫外線遮断効果
に劣る。更には、板状粒子の表面を被覆している酸化チ
タンは表面積が大きく、表面活性が大きいので、化粧料
中に配合される油剤を変質させたり、肌への安全性に対
する懸念がある。
【0024】層間に金属イオンをインターカレーション
した層状珪酸塩鉱物を配合した化粧料は層間に挿入でき
る量は最大値で5〜7%程度であり、高SPF値や高P
FA値は望めない。また、実施例に沿って製造した紫外
線防御剤は粒子の凝集が強いものであり、期待した紫外
線遮断効果が得られないばかりか、これらを配合した化
粧料の使用感も、ザラツキ感や異和感が強く感じられ、
また化粧仕上がりでは逆に白さを感じさせ、不自然な仕
上がりである。
【0025】酸化亜鉛についても表面活性が強く、微粒
子間の凝集が多い。触媒活性も強く、化粧料に含まれる
基材の変臭分解を招き易い。
【0026】このように紫外線遮断機能物質を化粧料中
に配合して使用すると、その光触媒作用により化粧料の
他の成分として含有する有機基材が反応し光老化を起こ
す。このような光老化を起こさせないためには紫外線機
能物質の超微粒子酸化チタン等が有機基材と接触するの
を回避する必要がある。
【0027】更に、このような紫外線遮断機能物質を使
用する化粧料には、透明さに欠け青白さ等が目立ち化粧
料として皮膚に塗布したときに青白味等の色味を呈し健
康色を付与しない。
【0028】本発明の目的は、紫外線遮断機能物質を使
用し紫外線、特にUV−B波や、UV−A波を有効にカ
ットでき、かつ透明性に優れ、化粧料として肌に塗布使
用したときに青白さ等の色味を呈することなく自然な仕
上がりで健康色を付与可能とし、併せて光触媒活性を抑
制し紫外線により超微粒子酸化チタン等の紫外線遮断機
能物質のフリーラジカルを抑制し、肌を光老化から防御
すると共に化粧料自体の安定性にも優れた化粧料、及び
それに適した紫外線遮断組成物を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題解
決に向けて鋭意検討した結果、粘土鉱物のうちフィロ珪
酸塩を選択し、これと超微粒子酸化チタン、含水超微粒
子酸化チタン等の紫外線遮断機能物質を含有し、好まし
くはこの紫外線遮断機能物質を前記特定の粘土鉱物で被
覆した状態又は当該紫外線遮断機能物質が当該粘土鉱物
に担持、付着する形態で含有することにより得られる紫
外線遮断組成物を化粧料に使用すると、化粧料として重
要な紫外線を遮断し、透明性に優れ皮膚表面に血色が悪
い青白さ等の色味を呈することが無く自然な仕上がりで
健康色を付与し、併せて光触媒作用等の表面活性作用が
無い優れた化粧料を提供することができることを見出し
て、本発明を完成するに到った。
【0030】即ち、本発明は紫外線遮断機能物質とフィ
ロ珪酸塩とを含有する透明性に優れ紫外線遮断性を有し
使用したときに自然な仕上がりで健康色を付与可能とす
る化粧料である。光触媒作用も発現することがないので
化粧料中使用する有機基材が光老化することもなく極め
て優れた化粧料である。
【0031】更に、本発明には次の内容も含まれる。 1.フィロ珪酸塩が、バーミキュライト族、スメクタイ
ト族、粘土雲母族及び緑泥石族の何れかに含まれる物質
を含む上記化粧料。 2.フィロ珪酸塩がバーミキュライト族又はスメクタイ
ト族に含まれる物質である上記化粧料。
【0032】3.紫外線遮断機能物質が、超微粒子酸化
チタン、微粒子又は超微粒子酸化亜鉛、超微粒子酸化鉄
(酸化第二鉄等)、酸化錫(酸化第二錫等)及び超微粒
子酸化セリウムの何れかを含む上記化粧料。
【0033】超微粒子酸化チタンとしては、UV−B波
をカットするためには平均粒子径0.1μm以下、好ま
しくは0.01〜0.07μm程度、より好ましくは
0.01〜0.05μm程度の超微粒子酸化チタン及び
超微粒子含水酸化チタンが好ましく、その少なくとも1
種を使用するのが好ましい。
【0034】本発明の改良を施さない場合、例えば、超
微粒子酸化チタンは青白味、超微粒子酸化亜鉛は青味、
超微粒子酸化鉄は赤味や黄味、酸化錫は白味、超微粒子
酸化セリウムは淡黄色をそれぞれ呈するが、本発明によ
りこれらの色味が除去若しくは著しく軽減される。
【0035】4.紫外線遮断機能物質の平均粒子径が
0.1μm以下であり、フィロ珪酸塩の平均粒子径が
0.05〜60μm程度で、その平均粒子厚が0.00
1〜0.2μm程度である上記化粧料。
【0036】5.紫外線遮断機能物質が、平均粒子径
0.01〜0.07μm、好ましくは0.01〜0.0
5μm程度の超微粒子酸化チタン及び、平均粒子径0.
01〜5μm程度の微粒子又は超微粒子酸化亜鉛の何れ
か1種であり、フィロ珪酸塩がスメクタイト族に含まれ
る物質である上記化粧料。白度の高い製品が得られる点
で合成品が好ましい。
【0037】6.当該紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸
塩とが、それぞれ少なくともその一部においてフィロ珪
酸塩の粒子薄片の表面に紫外線遮断機能物質の粒子が担
持、付着する形態で含有する上記化粧料。 7.当該フィロ珪酸塩の粒子薄片の表面に紫外線遮断機
能物質の粒子が付着する形態が、複数重ね合わさって粒
子薄片の複数層を構成するフィロ珪酸塩の粒子薄片同士
の接触表面に紫外線遮断機能物質の粒子が付着する形態
である上記化粧料。その場合、紫外線遮断機能物質粒子
が均一に分散して膜化した薄層状態でフィロ珪酸塩の相
互接触表面に付着する方が効果の面で好ましい。
【0038】8.紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩と
を含有する透明性に優れた紫外線遮断性化粧料に適した
紫外線遮断組成物。 9.当該紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩とが、それ
ぞれ少なくともその一部においてフィロ珪酸塩の粒子薄
片の表面に紫外線遮断機能物質の粒子が担持、付着する
形態で含有する上記組成物。
【0039】当該フィロ珪酸塩の粒子薄片の表面に紫外
線遮断機能物質の粒子が付着する形態としては、複数重
ね合わさって粒子薄片の複数層を構成するフィロ珪酸塩
の粒子薄片同士の接触表面に紫外線遮断機能物質の粒子
が付着する形態である方が好ましい。
【0040】その場合、特に紫外線遮断機能物質粒子が
均一に分散して膜化した薄層状態でフィロ珪酸塩の相互
接触表面に付着する方が効果の面で好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明に使用される紫外線遮断機
能物質としては、フィロ珪酸塩に効率良く担持させるた
めには(膨潤作用が大きく劈開し易く容易に薄片化で
き、また劈開し薄片化したフィロ珪酸塩の新生表面は活
性度が高く(+)の電荷を持つ紫外線無機遮断機能物質
と電気的に強力に担持、付着できるの点で)無機物質が
好ましく、従来から紫外線を遮断する試薬として化粧料
に使用されることが知られている物質や化粧料用に今後
開発される紫外線遮断機能物質は本発明に適用可能であ
る。例えば、好ましい無機遮断機能物質として、酸化チ
タン、鉄含有酸化チタン(鉄成分の含有率については好
ましくは酸化チタンTiO2の重量に対して1〜30重
量%程度。)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、酸化
鉄の微粒子、超微粒子無機酸化物(水和物等の含水物の
形態も含まれる。)を挙げることができる。
【0042】本発明に適用される無機紫外線遮断機能物
質の粒子の大きさは平均単一粒子径で大きくとも0.1
μm、0.0001〜0.1μm程度、好ましくは0.
01〜0.07μm程度、更に好ましくは0.01〜
0.05μm程度である。微粒子の場合平均粒子径で
0.1〜5μm程度、超微粒子の場合0.1μm以下、
より好ましくは0.01〜0.1μm程度と定義され
る。
【0043】特に、超微粒子酸化チタンの場合、平均単
一粒子径が0.1μm以下、好ましくは0.01〜0.
07μm程度(例えば、紡錘状粒子の場合短軸0.01
〜0.03μm、長軸0.05〜0.1μm程度。)比
表面積25〜120m2/g(簡易BET法)、吸油量
17〜60程度のものである。
【0044】酸化亜鉛の場合、その製法はフランス法、
アメリカ法、湿式法等の公知の方法で製造したものを使
用することができる。それらの製法により製造される酸
化亜鉛として特に好ましいものは、単一平均粒子径0.
01〜0.6μm程度(空気通過法)、比重5.4〜
5.6程度、屈折率1.9〜2.0程度、比表面積4〜
80m2/g程度(BET法)範囲にあるものである。
【0045】本発明に使用する紫外線遮断機能物質は、
本発明に使用するフィロ珪酸塩の表面に担持、付着して
いるのが好ましく、特に後述の製造例に示されるように
フィロ珪酸塩の粒子薄片が複数重ね合わさって複数層構
造を形成して、その層と層の接触面に紫外線遮断機能物
質の粒子が担持、付着している形態にある方が好まし
い。
【0046】フィロ珪酸塩としては天然及び合成品何れ
でもよいが、品質上白度の高い製品が得られる点で合成
品が好ましい。例えば、カオリナイト、ディッカイト、
ナクライト、ハロイサイト、メタハロイサイト等のカオ
リン族;モンモリロナイト、マグネシアンモンモリロナ
イト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロ
ナイト、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノ
ントロナイト、アルミニアンノントロナイト、サポナイ
ト、鉄サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト等のス
メクタイト族(モンモリロナイト族);白雲母、ソーダ
雲母、絹雲母、セラドナイト、海緑色、金雲母、フッ素
金雲母、鱗雲母、マーガライト、ザンソフィライト等の
粘土雲母族(雲母族);緑泥石、ペンニン、クッケアイ
ト、スドー石等の緑泥石族;バリコルスカイト、セピオ
ライト、クリノクリソタイル、オルソクリソタイル、パ
ラクリソタイル、アンテゴライト、リザルダイト、エー
ムザイト等の蛇紋石族、バーミキュライト等のバーミキ
ュライト族を挙げることができる。これらフィロ珪酸塩
は底面間隔、劈開し易い点でエチレングリコール、グリ
セロール等のポリオールで処理されているものを使用す
ることができ、例えばエチレングリコール処理モンモリ
ロナイトやグリセロール処理モンモリロナイトを使用す
ることができる。
【0047】フィロ珪酸塩は層間に有機カチオンが入り
込んでいてもよいし、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移金属等で置換されていてもよい。
【0048】尚、上記分類方法とは異なる他の分類方法
も存在するが、他の分類方法でも実質的にフィロ珪酸塩
に含まれるものについては本発明に使用されるフィロ珪
酸塩に含まれる。
【0049】本発明に使用するフィロ珪酸塩を入手する
ために簡便には、クニピア(クニミネ工業製)、ラポナ
イト(日本シリカ工業製)、スメクトン(クニミネ工業
製)、フッ素四珪素雲母(トピー工業製)及びバーミキ
ュライト(旭工業製又は昭和バーミキュライト社製)が
市販されているので容易に購入することができる。
【0050】表1にフィロ珪酸塩の代表的な分類と特徴
を示した。
【0051】
【表1】フィロ珪酸塩の分類と特徴
【0052】表中の構造層の基本単位は、その結晶構造
の模式図を参考にして次の様に定義される。 (1:1型構造)1枚の四面体シートと1枚の八面体シ
ートが組合わさって複合層を構成する場合、これを
「1:1層」という。 (2:1型構造)2枚の四面体シートが1枚の八面体シ
ートをサンドイッチ状に挟み込んだ3層構造になるタイ
プである。 (2:1:1型構造)雲母の層間陽イオン(K、Na)
の代りに正の荷電をもったマグネシウム水酸化物シート
(ブルーサイト)が入った構造をとるタイプである。
【0053】本発明に使用する場合の評価、検討を行っ
た結果、交換性陽イオンによる膨潤性が大きいものが好
ましいことが分かった。
【0054】この観点から100g当たり20mg当量
以上が好ましく、より好ましくは50mg当量以上であ
り、スメクタイト族及びバーミキュライ族がこれに該当
する。
【0055】粘土鉱物に含まれている水には幾つかの種
類があり、粘土粒子の回りを薄い膜を作って囲んでいる
ものが見られる。次に、吸着水と粘土鉱物の結晶層間に
入った層間水と珪酸塩層中のOHイオンとして陽イオン
と結合している構造水もある。
【0056】水分子はOH-とH+に幾らか帯電し結合に
極性がある。例えば、スメクタイト族珪酸塩層の上下の
面には負に帯電した酸素原子が並んでいる。上下が負に
帯電した2枚の珪酸塩に挟まれた層間に極性を持った水
分子が入ると水分子の+極は珪酸塩層の表面に静電気的
に捉えられ珪酸塩層の表面に略平行な水分子の層ができ
る。これが層間水である。スメクタイト族の、特にモン
モリロナイトの膨潤はこの層間に次々と水分子が入り面
間隔が広がることにより生じる。
【0057】また、モンモリロナイトは層間に交換性陽
イオンとして主にNa+である。極性を持つ水分子と引
き合う力はNa+がCa2+やMg2+より弱く、水分子を
中立ちにしてNa+が珪酸塩を引き付ける力が弱い。即
ち、Na+はCa2+やMg2+より層間を引き締める力が
弱いので多量の水が取りこまれ、この層間で劈開し易く
なったり、また劈開し、一枚の珪酸塩として剥離する。
【0058】以上、整理すると次のようになる。 (1)バーミキュライトの層間陽イオンは交換性が大き
く水中の陽イオンと速やかに交換するがK+やNH4 +
の水和エネルギの低い陽イオンが入った場合には層間が
収縮する。 (2)特にスメクタイト族ではバーミキュライト、モン
モリロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライ
ト及びスチーブンサイトが好ましい。バーミキュライト
族では、バーミキュライトが好ましい。 (3)カリオン族や蛇紋石族の1:1型構造のものは劈
開された粒子の厚さが0.2μm以下の厚さにできない
ので1:1型構造のものは透明性に欠ける欠点がある。 (4)陽イオン容量が大きいということは、膨潤し薄片
化し易い傾向があり、フィロ珪酸塩を用いて本発明で好
ましい3層構造の紫外線遮断組成物に適用できるメリッ
トがある。
【0059】特に好ましくは、次のようになる。 1. 交換性陽イオンによる膨潤性が大きいバーミキュ
ライト族やスメクタイト族で、その粘土鉱物の構造が
2:1型である。 2. 2:1及び2:1:1の構造の中で好ましい粘土
鉱物はバーミキュライト、モンモリロナイト、ヘクトラ
イト、スチブンサイト、サポナイト、ソーコナイト、緑
泥石族鉱物である。 3. 粘土鉱物の底面間隔が広く、かつ水に対して膨潤
し易く劈開作用の大きいものが好ましい。劈開作用が大
きいことは、水で分散し易く、単位操作が簡単で容易に
単分し、極めて薄い粒子の分散が可能で、より均一に超
微粒子な均一の厚さに担持し易く、かつ透明感を高めた
紫外線遮断組成物を製造するのに有効な手段である。
【0060】使用するフィロ珪酸塩の平均粒子径は、使
用感(感触)の点で0.05〜60μm程度、好ましく
は0.05〜30μm程度、より好ましくは0.1〜2
0μm程度である。
【0061】特に、その平均粒子径が60μmより大き
くなると肌に粒子感や異和感を感じるようになり好まし
くない。また、平均粒子径が0.05μmより小さくな
ると粒子の肌への付着性がかなり高くなり、肌に塗布し
たときに不均一に付き、むら付きし易くなり好ましくな
い。
【0062】フィロ珪酸塩の平均粒子の厚さについて
は、(フィロ珪酸塩をエポキシ樹脂で包埋した後、ダイ
ヤモンドカッターで切断し、その断面を透過型電子顕微
鏡で観察し測定する。)0.001〜0.2μm程度、
好ましくは0.001〜0.1μm程度、より好ましく
は0.001〜0.05μm程度のもをの採用すること
ができる。
【0063】前記複数層構造を有するフィロ珪酸塩の粒
子薄片と粒子薄片の接触面に紫外線遮断機能物質が担
持、付着した構成のもを製造するには、次の工程によれ
ばよいが、各工程を適宜選択したり、繰り返すことによ
り各種の担持組成物を調製することができる。
【0064】イ.フィロ珪酸塩を媒体中に分散させる。 ロ.紫外線遮断機能物質を媒体中に分散させる。 ハ.前記イ.ロ.の工程で得られた2種分散液を混合し
て、紫外線遮断機能物質を担持させる。必要により固液
分離する。 ニ.必要により前記固液分離したものを加熱処理する。 ホ.前記ハ.の工程で得られた担持組成物を、更に別途
前記イ.の工程で得られるフィロ珪酸塩と混合してフィ
ロ珪酸塩複数構造の紫外線遮断租税物を調製することが
できる。
【0065】多くの層を構成する複数層構造の組成物を
調製するためには、後述の製造例に示されるように、2
種成分を複数回の混合処理することで容易に目的とする
紫外線遮断組成物を調製することができる。このとき使
用するフィロ珪酸塩を複数の種類用いることにより異な
る種類のフィロ珪酸塩層を構成することができる(後述
製造例4参照。)。
【0066】紫外線遮断機能物質の前記粘土鉱物に対す
る使用量については、紫外線遮断効果、その有効性及び
透明性の点から、例えば特定の粘土鉱物:紫外線遮断機
能物質は重量比で9:1〜1:9程度、好ましくは7:
3〜3:7程度、より好ましくは6:4〜4:6程度で
ある。
【0067】本発明に使用される紫外線遮断機能物質
は、化粧料の剤型や種類により、既に化粧料使用する紫
外線遮断機能物質の表面改質のために知られている表面
処理法、例えばシリコーン処理、アミノ酸処理、金属石
鹸処理、レシチン処理、トリエタノールアミン処理、界
面活性剤処理、フッ素処理等により、化粧持ち、分散
性、等を向上させることができるので、当然使用するこ
とができる。
【0068】表面処理を施す効果は化粧持ちの向上、保
湿性、吸湿性を付与して肌を保護する作用、肌への密着
性、親和性を図り、肌への付着性の向上、吸油量の調整
や肌のかさつき、肌の乾燥感を抑制し肌に負担をかけな
い。粉体の表面活性を封鎖して皮膚又は化粧料自体の安
定性や安全性の保持、潤滑性、延展性、しっとり感等の
感触改良、粉体及び顔料の易分散性の向上である。特
に、紫外線遮断機能物質に撥水、撥油性等を付与する処
理により化粧持ちの向上肌に負担をかけない。粉体表面
活性を封鎖し化粧料自体の安定性、安全性の保持、顔料
の粉体易分散性、しっとり感、潤滑性等の向上を図るこ
とができる。
【0069】その表面処理法としては、上記の如く従来
から紫外線遮断機能物質として使用される際、特に酸化
チタン等の粒子の表面改質ために使用される表面処理法
として知られている方法、或いはそのために今後開発さ
れる方法を採用することができる。例えば、表面処理法
としては通常行われるメカノケミカル法(特公昭56−
43264号公報参照)、溶媒法(特公昭45−189
99号公報参照)、ジェット法(特公平6−59397
号公報参照。)等を用いることができる。
【0070】紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩との混
合組成物の化粧料に対する含有率については、重量比%
で1〜80%程度、好ましくは5〜60%程度、より好
ましくは10〜50%程度である。少な過ぎると、紫外
線遮断効果が十分に発揮できない。多過ぎると、嵩高く
なり成形性や肌への付着性等品質の面で好ましくない。
【0071】(化粧料)本発明の化粧料については、紫
外線遮断組成物を含有する点に特徴を有しているが、そ
れ以外で従来から化粧料として配合、そのために処理さ
れる公知技術は全て適用可能である。
【0072】本発明で使用する紫外線遮断組成物の外
に、紫外線吸収剤を配合使用することができる。その場
合、化粧料に使用可能な紫外線吸収剤として知られてい
る紫外線吸収剤であれば全て使用可能であり、今後開発
される化粧料用紫外線吸収剤も適用可能である。例え
ば、サルチル酸系、ケイ皮酸系、安息香酸系、ジベンゾ
イルメタン系等の有機系紫外線吸収剤を併用して、より
紫外線遮断能を向上させることができる。
【0073】その他、配合されることができる成分とし
て、例えばタルク、カオリン、セリサイト、白雲母、合
成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミ
キュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪ソ
ウ土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミ
ニウム、珪酸バリウム、硫酸バリウム、珪酸ストロンチ
ウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパ
タイト、ゼオライト、窒化硼素、ゼラミクスパウダー等
の無機粉末、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダ
ー、ベンゾグアナミンパウダー、四沸化エチレンパウダ
ー、ジスチレンベンゼンピンホールポリマーパウダー、
微結晶セルロース等の有機粉体、酸化チタン、酸化亜鉛
等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等
の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄
酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボン
ブラック等の無機黒色系顔料、、マンゴバイオレット、
コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロ
ム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔
料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテ
ッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、
オキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、魚
鱗箔、着色酸化チタンコーテッド雲母等のパール顔料、
アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末
顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤
色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228
号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色
205号、黄色401号及び青色404号等の有機顔
料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色22
7号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙
色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色
203号、緑色3号及び青色1号のジルコニウム、バリ
ウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィ
ル、β−カロチン等の天然色素等を挙げることができ
る。
【0074】尚、上記において、酸化チタン等の無機顔
料が使用可能であるが、これらは顔料として使用される
もので、紫外線遮断機能を有する成分として使用される
ものではない。例えば、他の目的、着色力の調整、隠ぺ
い力(被覆力)の調整、抗炎症効果、収斂効果等の目的
のために使用するもので、このような目的で使用される
場合、本発明に使用される紫外線機能物質には含まれな
い。勿論必要な着色を目的とする場合の顔料の使用も、
本発明の目的、即ち紫外線遮断機能物質の色味を改善す
るという目的に沿う限り認められる。
【0075】本発明の化粧料の形態、種類は特に制限さ
れず、紫外線を防御すべき化粧料であれば全て使用可能
である。例えば、パウダーファンデーション、コンパク
トパウダー、ツーウエイケーキ、フェースパウダー、制
汗パウダー等の白粉類、アイシャドウ、パウダーブラッ
シャー、マスカラ、口紅、リップグロス、アイブロウペ
ンシル、アイライナー、ネイルカラー等のポイントメー
ク料、リキッドファンデーション、クリームファンデー
ション、アンダーメークアップベース、固形乳化型ファ
ンデーション、油性ファンデーション等の乳化型、非乳
化型製品類、パック、化粧水、美容液、養毛料、ヘアー
トニック、整髪料等の一部基礎化粧料類、ベビーパウダ
ー、ボディーパウダー、フレグランスパウダー等の全身
用製品類を挙げることができる。
【0076】本発明の化粧料を製造する場合特に困難は
無く、先ず紫外線遮断組成物を製造する場合には本件明
細書及び紫外線遮断機能物質を配合する従来技術を利用
すればよく、また化粧料を製造する場合には紫外線遮断
機能物質を配合使用する化粧料のために知られている従
来技術や今後開発される方法が全て利用可能であり、そ
れらに基づいて本発明の化粧料や紫外線遮断組成物を製
造することができる。
【0077】
【作用】(光触媒活性の抑制)例えば、超微粒子酸化チ
タンは強い活性点を残しているために、紫外線照射を受
けると吸着水を分解し、酸化力の極めて高いヒドロキシ
ラジカル(HO・)やスーパーオキシドラジカル(O2
・−)等が発生して、そのフリーラジカルにより化粧料
用タール色素の変化や褪色をもたらす。しかし、本発明
に使用する紫外線遮断機能物質は特定の粘土鉱物の表面
を、例えば平均粒子径約10〜30nmの超微粒子酸化
チタンを好ましくは均一に分散して均一な厚さの薄片状
態で担持し、更にその表面を前記特定の粘土鉱物で均一
に被覆した構造を有すると、膜化した薄層の超微粒子間
の粒界が相互に接し、活性点が減少していることによ
り、均一化された超微粒子酸化チタン等の表面に板状の
前記特定の粘土鉱物が強固に固定化されているためにそ
の特定の粘土鉱物により超微粒子酸化チタン等の活性点
が封鎖されているために光触媒活性が抑制されるものと
考えられる。
【0078】(高い紫外線遮断効果と透明性)例えば、
平均粒子径が約10〜30nmの超微粒子酸化チタンの
場合、均一に分散し膜化した薄層状態を構成されている
上に、厚さ約0.001〜0.2μmの極めて薄い薄片
の前記特定の粘土鉱物で構成されると、特に優れた可視
透過性と紫外線遮断効果が生まれるものと考えられる。
【0079】(青白味等色味の抑制)例えば、透明性の
超微粒子酸化チタンは光の散乱を抑えるために好ましく
は約10〜50nmの平均粒子径とする。しかしなが
ら、通常市販されている粒子は二次凝集してMie散乱
を生じ青白い外観を呈する。特に、短波長の可視光線が
Mie散乱メカニズムにより散乱し、透明性の低下の原
因となっている。
【0080】また、各波長の約半分の粒子径で最も良く
散乱を示し、青色は約150nmで最大の散乱を示す。
粒子径が300nm以下の領域では短波長程強く散乱す
る。超微粒子酸化チタンを用いた市販のサンスクリーン
化粧料を塗布したとき、青白く見えるのはMie散乱に
よるもので短波長の光(青味の光)程強い散乱を示すた
めである。
【0081】本発明で使用する紫外線遮断機能物質は前
述したように平均粒子径が好ましくは約10〜30nm
程度でレイリー( Rayleigh )散乱を示すために高い透
明性を示し、これら粒子が均一な膜化した薄層のために
散乱光が極めて少なく青白味感が生じないと考えられ
る。そのためにはできるだけ小さい粒子径が膜化して薄
層状態存在することが好ましいと考えられる。
【0082】
【実施例】以下、実施例及び比較例、更には製造例を挙
げて本発明について詳細に説明するが、以下の実施例や
製造例等により本発明は何ら制限されるものではない。
尚、実施例等中の配合組成等は全て重量部で表されてい
る。
【0083】[製造例1]酸化チタン担持サポナイトの製
造−1 イオン交換水800gにサポナイト(クニミネ工業製)
8gを膨潤させてゾル(1)を調製する。ゾル(1)に
25%アンモニア水185g(和光純薬製)を添加し攪
拌する。別に、30%硫酸チタン水溶液(和光純薬製)
400gをイオン交換水600gで希釈し希釈液を調製
する。ゾル(1)にアンモニア水を加えたゾルに硫酸チ
タン希釈液を滴下する。滴下終了後も、更に攪拌を継続
する。攪拌終了後、遠心沈降により固液分離し、残存塩
を除去する。
【0084】得られた固形分をイオン交換水1,600
gにサポナイト16gを膨潤分散させて調製したゾル
(2)に投入し攪拌し均一に分散混合する。均一分散混
合終了後、これを固液分離し110℃に保持し乾燥す
る。この乾燥物はイオン交換水により膨潤し、容易に分
散して微粒子になる。この分散微粒子化したスラリーの
イオン交換水をエタノールで置換後、乾燥することによ
り超微粒子酸化チタンを63%含有した紫外線遮断組成
物を得る。得られた紫外線遮断組成物は複数層構造を有
し、その中に存在する超微粒子酸化チタンはアナタ-ゼ
型で平均粒子径は9.3nmであった。
【0085】[製造例2]酸化チタン担持サポナイトの製
造−2 製造例1で得られた紫外線遮断組成物を800℃で焼成
した。得られた紫外線遮断組成物中に存在する超微粒子
酸化チタンはアナターゼ型に一部ルチル型が存在してい
て、平均粒子径は30.6nmであった。
【0086】[製造例3]酸化チタン担持サポナイトの製
造−3 キシレン100gとイソプロピルアルコール50gの混
合溶媒中にメチルハイドロジェンポリシロキサン8gを
溶解させる。この溶媒に製造例1で得られる紫外線遮断
組成物92gを分散攪拌した後、130℃で5時間加熱
処理して、8%シリコーン処理紫外線遮断組成物を得
る。
【0087】[製造例4]酸化チタン担持ヘクトライトの
製造−1 イオン交換水800gにヘクトライト(「ラポナイ
ト」;日本シリカ工業製)8gを膨潤させてゾル(1)
とする。ゾル(1)に25%アンモニア水110g(和
光純薬製)を投入し攪拌する。これとは別に、30%硫
酸チタン水溶液(和光純薬製)240gを760gのイ
オン交換水で希釈し希釈液とする。ゾル(1)にアンモ
ニア水を加えたゾルに硫酸チタン希釈液を滴下する。滴
下終了後も、更に攪拌を継続する。攪拌終了後遠心沈降
により固液分離し、残存塩を除去する。得られた固形分
をイオン交換水1,600gにバーミキュライト16g
を膨潤分散させたゾル(2)に投入し、攪拌し均一分散
混合する。均一分散混合終了後これを固液分離し110
℃を保持し乾燥する。この乾燥物はイオン交換水により
膨潤し容易に分散して微粒子になる。この分散微粒子化
したスラリーのイオン交換水をエタノールで置換後、乾
燥することにより超微粒子酸化チタン50%含有した紫
外線遮断組成物を得る。得られた紫外線遮断組成物はヘ
クトライトとバーミキュライト複数層構造を有しその層
間に超微粒子酸化チタン粒子が担持している構成であ
り、その中に存在する超微粒子酸化チタン粒子はアナタ
ーゼ型で平均粒子径は18.5nmであった。
【0088】[製造例5] 酸化チタン担持ヘクトライト
の製造−2 製造例4で得られた紫外線遮断組成物を800℃で焼成
した。得られた紫外線遮断組成物中に存在する超微粒子
酸化チタンはアナターゼ型に一部ルチル型の結晶形が存
在し、その平均粒子径は29.1nmであった。
【0089】[製造例6] 酸化チタン担持ヘクトライト
の製造−3 メチルエチルケトン100gとイソプロピルアルコール
50gの混合溶媒中にα−モノアルコキシポリジメチル
ポリシロキサン6gを溶解させる。この溶媒に製造例4
で得られた紫外線遮断組成物94gを分散させた後、1
30℃で5時間加熱処理して6%シリコーン処理紫外線
遮断組成物を得た。
【0090】(紫外線カット効果の評価)本発明の紫外
線遮断機能物質担持フィロ珪酸塩(紫外線遮断組成物)
の紫外線カット評価を行ったところ表2の結果が得られ
た。尚、SPFの測定装置及び測定方法は下記の通りで
ある。 測定装置:SPFアナライザー(Optometorics社、SP
F−290Analyzer)
【0091】(測定方法)手順(1)検体20%とヒマ
シ油80%の割合に調整したものをフーバーマーラーを
用い25回転で3回練り合せ(おもり3個使用)分散さ
せた。
【0092】手順(2) 縦100mm×横100mm×高さ3mmの石英板に
3M社のトランスポアサージカルテープを貼り、そのテ
ープ上に6.4cm×6.4cm(40cm2)の試料
塗布用領域を確保する。 前記試料塗布用領域に、試料をスポンジパフで0.0
8g(2.0mg/cm 2)塗布し、15分間放置す
る。 前記SPFアナライザーを用いその塗布面について1
6mmφの照射面積の測定光をあて、9スポット測定
し、9つの測定値の平均値をSPF値及びPFA値とす
る。 尚、試料によっては上記の操作を数回繰り返し平均値
をとる。 尚、ブランクは各検体の酸化チタン濃度に合せ超微粒子
酸化チタンを用いて実施した。
【0093】
【表2】
【0094】製造例1及び4のブランクに使用した超微
粒子酸化チタンは石原産業製超微粒子酸化チタン(S−
1)を用い、同一条件で比較すべく製造例1及び4にお
いてそれぞれ酸化チタンの含有量63%及び50%の濃
度に合わせて使用した。
【0095】本発明品の紫外線遮断組成物のUV遮断
(カット)効果は超微粒子酸化チタンの場合と略同等の
カット効果を示す。
【0096】(測色による青色味の評価)試料1gとひ
まし油2.5gを精秤し、フーバーマーラーを使用し、
25回転で3回練り合せる(おもり3個使用)。次い
で、練り合せた検体0.5gをとり、透明ネイルラッカ
ー3gを加え均一に混合する。均一に混合した試料を厚
さ3milのドクターブレートを用い、ガラス板上に塗
布し、乾燥し塗膜とする。塗膜化したガラス板上に黒板
を重ねて、色差計(Optical Senser SZ-Σ90日本電
子製)を用いて測色した。その結果を表3に示す。
【0097】
【表3】
【0098】b値の値のマイナスの値の大きい程青味が
あることを示す。本発明品は、市場で青味を感じさせ難
いと言われてUV−Aカット素材として使用されている
超微粒子酸化亜鉛よりも明らかに青味を感じさせない。
また、特に対象としている超微粒子酸化チタンと比較し
て青味の違いには顕著な差が認められた。
【0099】L値は明るさを示し、白さの指標になり値
の大きい程、白さがあることを示す。本発明品は超微粒
子酸化亜鉛と比較して、若干白さは感じるものの、対象
としている超微粒子酸化チタンと比較して白さが無いこ
とが明らかに分かった。また、透明感はL、a、bの値
で表現されるが、L、a、bの値が小さい程透明感があ
ることを示す。上記の表から明らかなように本発明品
は、透明感も同様に明らかに優れていること分かった。
【0100】(光触媒活性試験)製造例1の紫外線遮断
組成物25.7gの試料とタルクの組成物(前記超微粒
子酸化チタン(S−1)とサポナイト=16.19:
9.51)の25.7gに黄色401号又は赤色202
号を加え、ライカイ機で30分間攪拌混合し、得られた
混合物にUVランプ560μm/cm2を20日間照射
した結果を下記表4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】紫外線照射によるタール色素の黄色401
号、赤色202号の褪色を試験した結果、本発明品は色
素の褪色が著しく抑えられたのに対し、超微粒子酸化チ
タンとサポナイトの混合物は色素の褪色が著しかった。
【0103】[実施例1]下記表5に示した成分を使用
し、下記の方法により乳液を製造した。
【0104】
【表5】乳液の組成(重量部) *1: dl−2−ピロリドン−5−カルボン酸ソーダ
【0105】(製造方法) 油相1〜7の成分を良く攪拌し均一にした後、成分8
を加えて分散させる。次いで、成分9、10を加えて均
一に分散させる。 水相の10〜15の成分を良く攪拌する。 それぞれとで得られた混合物を加温しをホモミ
キサーで攪拌しながらを徐々に加え乳化する。 30℃まで冷却攪拌する。
【0106】[実施例2]下記表6に示した成分を使用
し、下記の方法によりクリームを製造した。
【0107】
【表6】クリームの組成(重量部)
【0108】(製造方法) 油相の1〜14の成分を85℃で溶解させた後、成分
15を加えて良く分散させる。 水相である成分16〜22を85℃に加温したものを
油相に加えて乳化し、30℃まで冷却する。
【0109】[実施例3]下記表7に示した成分を使用
し、下記の方法によりパウダーファンデーションを製造
した。
【0110】
【表7】パウダーファンデーションの組成(重量部)
【0111】(製造方法) 粉体成分の1〜11をヘンシェルミキサーで混合した
後、粉砕機で粉砕する。 得られた粉砕物をヘンシェルミキサーに移し、油相の
成分12〜15を加え、攪拌し取り出し、粉砕機で解砕
する。
【0112】[実施例4]下記表8に示した成分を使用
し、下記の方法によりステイックアイカラーを製造し
た。
【0113】
【表8】スティックアイカラーの組成(重量比)
【0114】(製造方法) 油相1〜4の成分に色素ペーストの成分6〜15と成
分5を加え加温溶解、分散させたものを容器に充填す
る。
【0115】[実施例5]下記表9に示した成分を使用
し、下記の方法によりクリームファンデーションを製造
した。
【0116】
【表9】クリームファンデーションの組成(重量部)
【0117】(製造方法) 1〜7の油相成分を85℃に加温溶解したのち成分8
〜14を加え85℃で均一分散させ、保持する。 前記調製の混合物に、別に用意した水相の成分15
〜21を85℃で溶解させたものを徐々に添加し、乳化
する。 乳化終了後50℃まで水冷する。
【0118】[実施例6]下記表10に示した成分を使用
し、下記の方法により化粧水を製造した。
【0119】
【表10】化粧水の組成(重量部)
【0120】(製造方法) 成分1〜4を精製水の一部で溶解分散させる。 精製水の1部を成分5、6、7を均一に溶解させ、成
分1〜3の中に加え撹拌する。その中に成分8、9、1
0を加えて撹拌した後、更に残りの精製水に成分11を
加え溶解させたものを加えて撹拌する。
【0121】[実施例7]下記表11に示した成分を使用
し、下記の方法により養毛料を製造した。
【0122】
【表11】養毛料の組成(重量部)
【0123】(製造方法) 成分2にそれぞれ成分4、11、12、13、16及
び17を溶解分散させる(A)。 成分1の一部にそれぞれ成分3、6、7、8、9、1
0、14及び15を溶解させる(A)。 次いで、成分1の残量に成分5を加え、これを前記に
得られた(A)及び(B)溶液と混合、撹拌して養毛料
を得る。
【0124】尚、日焼け止め指数SPF値及びPFA値
は、次ぎの手順によりSPFアナライザー(Optometric
s社 SPF−290 Analyzer)で測定することがで
き、前記SPF値及びPFA値はこの方法により測定さ
れた。
【0125】手順1.(パウダーファンデーションの場
合) 縦100mm×横100mm×高さ3mmの石英板に
3M社のトランスポアサージカルテープを貼り、そのテ
ープ上に6.4cm×6.4cm(40cm2)の試料
塗布用領域を確保する。 前記試料塗布用領域に、試料スポンジパフで0.05
g(1.25mg/cm 2)塗布する。 前記SPFアナライザーを用いその塗布面について1
6mmφの照射面積の測定光をあて、9スポット測定
し、9つの測定値の平均値をSPF値及びPFA値とす
る。 尚、試料によっては上記の操作を数回繰り返し平均値
をとる。
【0126】手順2.(リキッドファンデーション又は
クリーム類の場合) 縦100mm×横100mm×高さ3mmの石英板に
3M社のトランスポアサージカルテープを貼り、そのテ
ープ上に6.4cm×6.4cm(40cm2)の試料
塗布用領域を確保する。 前記試料塗布用領域に、試料スポンジパフで0.08
g(2.0mg/cm2)塗布し、15分間放置する。 前記SPFアナライザーを用いその塗布面について1
6mmφの照射面積の測定光をあて、9スポット測定
し、9つの測定値の平均値をSPF値及びPFA値とす
る。 尚、試料によっては上記の操作を数回繰り返し平均値
をとる。
【0127】(In vitro法による化粧料のSP
F、PFAの測定)実施例1、2、3を用い、本発明の
紫外線遮断組成物を用いたものと上市されている超微粒
子酸化チタンを配合したものを比較例としてin vi
tro法によるSPFとPFA値を求めた。結果を表1
2に示す。
【0128】
【表12】
【0129】上記の結果から、実施例と比較例とを比較
した場合、実施例の方が若干SPF値、PFA値が何れ
も高く、化粧中における分散性向上が図られているが、
両者間ではそれらの値に有意差は認められなかった。
【0130】(官能評価)実施例1及び2における評価
は、専門パネル5名に実使用してもらい、使用後におけ
る評価項目に従って、比較例を3点とし5段階評価を行
った。その結果を表13に示す。
【0131】
【表13】
【0132】(実施例1及び2の結果)結果を表14に
示す。
【0133】
【表14】
【0134】上記の表14の評価結果より明らかなよう
に、本発明の紫外線遮断組成物により高い化粧効果が得
られることが分かった。その効果は化粧料中の紫外線遮
断機能物質の量が増えると、各評価項目の評価が若干低
下する傾向は見られるが十分に許容できるものであっ
た。しかし、何れの項目においても、本発明品の方が明
らかに優れており肌に塗布したときの青白味を感じず、
かつ透明感に優れ、色むらや、くすみが感じられず、仕
上がりが美しいものであった。
【0135】
【発明の効果】紫外線を有効にカットできる本発明の化
粧料によれば、紫外線遮断機能物質を使用するにも拘わ
らず光触媒作用を示さず、更に化粧料として極めて重要
な透明性を確保すると共に青白さ等の色味を呈すること
なく自然な仕上がりで健康色を付与することができる優
れた効果を発揮できる。これは粘度鉱物のうち特にフィ
ロ珪酸塩、その中でも好ましくはバーミキュライト族、
スメクタイト族等特定のフィロ珪酸塩を選択したことに
ある。
【0136】特に、紫外線遮断機能物質を不活性物質で
ある前記特定の粘土鉱物で被覆することにより、特に好
ましくは複数層構造を有するフィロ珪酸塩の層と層の間
に紫外線遮断機能物質の粒子が担持、付着する構成、特
に紫外線遮断機能物質が均一に分散し膜化して薄層状態
でフィロ珪酸塩の複数層の接触表面に付着する構成、を
含む紫外線遮断組成物とすることにより、その紫外線遮
断機能物質の従来の可視光の短波長の可視光線の散乱を
防止すると共に、紫外線遮断機能物質を被覆した特定粘
土鉱物を通過した紫外線が被覆した粘土鉱物と紫外線遮
断機能物質の間で散乱し、吸収、通過が行われるために
非常に高い透明感を有するものと考えられる。また、紫
外線遮断組成物中、2種類の粒子結合関係の構造につい
ては、例えば表面活性の強い超微粒子酸化チタン、含水
超微粒子酸化チタン等が露出していないために、紫外線
遮断機能物質の光活性が抑制され、光触媒機能の発現が
無く、紫外線が照射されることによる紫外線遮断機能物
質のフリーラジカルの発生が無く、肌に対して安全でか
つ高い紫外線遮断能のみを発揮するものと考えられる。
【0137】また、フリーラジカルが抑制されることか
ら、紫外線による化粧料中の油脂等の腐敗、酸敗が無
く、化粧料の長期安定化にも大きく寄与する。
【0138】前記特定の粘土鉱物が複数層の構造を有す
る構成の場合、最外層は粘土鉱物であるので、例えば超
微粒子酸化チタン等の持つ独特の感触、即ちのびの重
さ、キシミ感、肌上で塗布したときの付きの不均一性が
解消され、しかも紫外線遮断効果にも優れている。
【0139】以上から明らかなように、本発明で使用す
る特定の粘土鉱物、フィロ珪酸塩を使用することで、従
来品に比較して、特に特定のフィロ珪酸塩が極めて薄い
ために、肌上での透明感を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA012 AA072 AA122 AB211 AB231 AB232 AB241 AB242 AB381 AB382 AB431 AB432 AB441 AB442 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC132 AC152 AC172 AC242 AC302 AC342 AC352 AC372 AC392 AC402 AC422 AC432 AC442 AC472 AC482 AC542 AC552 AC612 AC622 AC662 AC682 AC692 AD042 AD072 AD112 AD152 AD162 AD172 AD272 AD352 AD512 AD532 AD632 AD662 BB25 BB26 BB46 CC04 CC05 CC12 CC14 CC37 DD01 DD11 DD17 DD22 DD23 DD27 DD31 EE06 EE07 EE12 EE17 EE22 EE29 FF01 FF05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩とを含
    有することを特徴とする透明性に優れた紫外線遮断性化
    粧料。
  2. 【請求項2】フィロ珪酸塩が、バーミキュライト族、ス
    メクタイト族、粘土雲母族及び緑泥石族の何れかに含ま
    れる物質の少なくとも1種を含む請求項1記載の化粧
    料。
  3. 【請求項3】フィロ珪酸塩がバーミキュライト族及びス
    メクタイト族の何れかに含まれる物質である請求項1記
    載の化粧料。
  4. 【請求項4】紫外線遮断機能物質が、酸化チタン、酸化
    亜鉛、酸化鉄、酸化錫及び酸化セリウムの少なくとも1
    種を含む請求項1記載の化粧料。
  5. 【請求項5】紫外線遮断機能物質の平均粒子径が0.1
    μm以下であり、フィロ珪酸塩の平均粒子径が0.05
    〜60μmで、その平均粒子厚が0.001〜0.2μ
    mである請求項1記載の化粧料。
  6. 【請求項6】紫外線遮断機能物質が、平均粒子径0.0
    1〜0.05μmの酸化チタン及び平均粒子径0.01
    〜5μmの酸化亜鉛の少なくとも1種であり、フィロ珪
    酸塩がスメクタイト族に含まれる物質である請求項4記
    載の化粧料。
  7. 【請求項7】当該紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩と
    が、それぞれ少なくともその一部においてフィロ珪酸塩
    の粒子薄片の表面に紫外線遮断機能物質の粒子が付着す
    る形態で含有する請求項1記載の化粧料。
  8. 【請求項8】当該フィロ珪酸塩の粒子薄片の表面に紫外
    線遮断機能物質の粒子が付着する形態が、複数重ね合わ
    さって粒子薄片の複数層を構成するフィロ珪酸塩の粒子
    薄片同士の接触表面に紫外線遮断機能物質の粒子が付着
    する形態である請求項7記載の化粧料。
  9. 【請求項9】紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩とを含
    有することを特徴とする透明性に優れた紫外線遮断性化
    粧料に適した紫外線遮断組成物。
  10. 【請求項10】当該紫外線遮断機能物質とフィロ珪酸塩
    とが、それぞれ少なくともその一部においてフィロ珪酸
    塩の粒子薄片の表面に紫外線遮断機能物質の粒子が付着
    する形態で含有する請求項9記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007512216A (ja) * 2003-11-28 2007-05-17 上海家化朕合股▲フェン▼有限公司 耐紫外線ナノ複合材料を主材料とするモレキュラーシーブとその調合方法、およびその利用方法
CN115232485A (zh) * 2022-07-13 2022-10-25 塔里木大学 一种蛭石紫外阻隔材料及其制备方法和应用

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