JP2000159606A - 作物増収剤 - Google Patents

作物増収剤

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JP2000159606A
JP2000159606A JP11253213A JP25321399A JP2000159606A JP 2000159606 A JP2000159606 A JP 2000159606A JP 11253213 A JP11253213 A JP 11253213A JP 25321399 A JP25321399 A JP 25321399A JP 2000159606 A JP2000159606 A JP 2000159606A
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crop
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indole
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Katsutoshi Hirose
克利 広瀬
Kohei Ikeda
幸平 池田
Naonori Hirata
直則 平田
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KNC Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種作物(植物)の花数や穂数の増加、分
蘖、或いは、実(果実、種子)の肥大を促進させて収量
を増加させるのに好適に用いることができる、安全性に
優れかつ大量生産可能な作物増収剤を提供する。 【解決手段】 作物増収剤は、一般式(1) 【化4】 (式中、Xは、H、Clまたは−OCH3 基を表し、R
1 は、−CHO基、−CH2 CHO基、−CH2 CN
基、−COOR2 基、−CH2 COOR2 基、−CH2
CH2 COOR2 基、−CH (CH3)COOR2 基、−
CH2 CH2 CH2COOR2 基、−CH (CH3)CH
2 COOR2 基、−CH (CH3)CH2 CH2 COOR
2 基、または−CH2 COCOOR2 基を表し、かつ、
上記R2 は、H、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属
原子、炭素数1〜4のアルキル基、単糖の配糖体または
オリゴ糖の配糖体を表す)で示されるインドール骨格含
有化合物を有効成分として含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種作物(植物)
の花数や穂数の増加、分蘖、或いは、実(果実、種子)
の肥大を促進させて収量を増加させるのに好適に用いら
れる作物増収剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種作物(植物)を増収させ
る方法として、例えば、雄性不稔剤を利用して、優れた
1 種子を創製する方法や、矮化剤を利用して、植物の
倒伏防止を行う方法等が行われている。
【0003】ところで、インドール骨格含有化合物の一
種である5,6−ジクロロインドール−3−酢酸には、
小麦の一粒当たりの重さを増加させる(実の肥大を促進
させる)生理活性(作用)があることが知られている
(特公平6−62563号公報)。そこで、上記5,6
−ジクロロインドール−3−酢酸を作物増収剤として用
い、各種作物の収量を増加させることが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インド
ール環の5,6位に置換基を有する上記5,6−ジクロ
ロインドール−3−酢酸を合成する反応は複雑であり、
このため、該化合物を大量生産することは困難である。
また、該化合物は合成化合物であって天然には存在しな
いので、例えば作物に残留した場合には、安全性に優れ
ているとは言い難い。
【0005】それゆえ、各種作物(植物)の実(果実、
種子)の肥大を促進させて収量を増加させることができ
る、安全性に優れかつ大量生産可能な作物増収剤が求め
られている。また、各種作物の花数や穂数の増加、分蘖
を促進させて収量を増加させることができる、安全性に
優れかつ大量生産可能な作物増収剤も求められている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、各種作物の花数や穂数の増
加、分蘖、或いは、実の肥大を促進させて収量を増加さ
せるのに好適に用いることができる、安全性に優れかつ
大量生産可能な作物増収剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、作物増収剤について鋭意検討した。
その結果、特定の分子構造を有するインドール骨格含有
化合物に、各種作物(植物)の実(果実、種子)の肥大
を促進させる生理活性があることを見い出した。また、
該化合物に、各種作物の一穂当たりの粒数や穂数を増加
させる効果や、花が咲く前においては花数を増加させる
効果、或いは分蘖を促進させる効果、つまり、各種作物
の花数や穂数の増加、分蘖を促進させる生理活性がある
ことも見い出した。そして、上記の化合物が安全性に優
れかつ大量生産することができることをさらに見い出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0008】尚、既知のインドール骨格含有化合物は、
例えば塩素原子の置換位置並びに個数によって、植物に
対する生理活性が全く異なる。従って、分子構造が類似
していても、既知の類似化合物から未知の化合物の生理
活性を予測することは、全く不可能である。
【0009】即ち、請求項1記載の発明の作物増収剤
は、上記の課題を解決するために、一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Xは、水素原子、塩素原子または
メトキシ基を表し、R1 は、−CHO基、−CH2 CH
O基、−CH2 CN基、−COOR2 基、−CH2 CO
OR2 基、−CH2 CH2 COOR2 基、−CH (CH
3)COOR2 基、−CH2CH2 CH2 COOR2 基、
−CH (CH3)CH2 COOR2 基、−CH (CH3)C
2 CH2 COOR2 基、または−CH2 COCOOR
2 基を表し、かつ、上記R2 は、水素原子、アルカリ金
属原子、アルカリ土類金属原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、単糖の配糖体またはオリゴ糖の配糖体を表す)で
示されるインドール骨格含有化合物を含むことを特徴と
している。
【0012】上記特定の分子構造を有するインドール骨
格含有化合物は、各種作物(植物)の花数や穂数の増
加、分蘖、或いは、実(果実、種子)の肥大を促進させ
る生理活性を有している。また、化合物は、安全性に優
れかつ大量生産することができる。例えばインドール環
の4位に置換基を有する上記インドール骨格含有化合物
を合成する反応は、比較的簡単である。従って、上記の
構成によれば、各種作物の花数や穂数の増加、分蘖、或
いは、実の肥大を促進させて収量を増加させるのに好適
に用いることができる、安全性に優れかつ大量生産可能
な作物増収剤を提供することができる。
【0013】また、請求項2記載の発明の作物増収剤
は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の作物
増収剤において、上記インドール骨格含有化合物が天然
化合物であることを特徴としている。
【0014】さらに、請求項3記載の発明の作物増収剤
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2記
載の作物増収剤において、上記インドール骨格含有化合
物が、インドール−3−酢酸、4−クロロインドール−
3−酢酸、インドール−3−酪酸、および、これら化合
物のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の
化合物であることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、該化合物が天然化合
物であるので、例えば作物に残留した場合においても、
安全性により一層優れた作物増収剤を提供することがで
きる。
【0016】また、請求項4記載の発明の作物増収剤
は、上記の課題を解決するために、請求項1、2または
3記載の作物増収剤において、還元剤をさらに含むこと
を特徴としている。
【0017】作物増収剤は、通常、水道水を用いて希釈
された状態で使用される場合が多い。上記の構成によれ
ば、作物増収剤に還元剤が含まれているので、該還元剤
は、希釈に用いた水道水に残留している塩素と反応す
る。従って、該塩素によってインドール骨格含有化合物
が分解されることが無くなるので、作物増収剤は、水道
水を用いて希釈した場合においても、より低濃度で以
て、その効果を充分に発揮することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明にかかる作物増収剤は、前
記一般式(1)で示されるインドール骨格含有化合物を
含んでいる。つまり、本発明にかかる作物増収剤は、有
効成分として上記化合物を含んでいる。尚、該化合物が
各種作物(植物)の花数や穂数の増加、分蘖、或いは、
実(果実、種子)の肥大を促進させる生理活性を備えて
いることは、既知の類似化合物からは全く予期できない
ことである。
【0019】前記一般式(1)で示されるインドール骨
格含有化合物としては、具体的には、例えば、インドー
ル−3−カルボン酸、4−クロロインドール−3−カル
ボン酸、4−メトキシインドール−3−カルボン酸、イ
ンドール−3−酢酸(3−インドリル酢酸)、4−クロ
ロインドール−3−酢酸、4−メトキシインドール−3
−酢酸、インドール−3−プロピオン酸、4−クロロイ
ンドール−3−プロピオン酸、4−メトキシインドール
−3−プロピオン酸、インドール−3−酪酸、4−クロ
ロインドール−3−酪酸、4−メトキシインドール−3
−酪酸、並びに、これら化合物のアルカリ金属塩やアル
カリ土類金属塩、エステル、或いは、これら化合物が単
糖またはオリゴ糖と結合してなる配糖体等が挙げられ
る。
【0020】そして、R1 (およびR2 )で表される置
換基にエステル結合を有している化合物、つまり、エス
テル結合を有しているインドール骨格含有化合物は、植
物により一層吸収され易い。尚、エステル結合を有して
いるインドール骨格含有化合物は、植物に吸収された
後、該エステルが加水分解されてカルボキシル基(カル
ボン酸)に変化することにより、生理活性を示す。
【0021】また、前記一般式(1)中、R2 で表され
る置換基がアルカリ金属またはアルカリ土類金属である
化合物、つまり、塩を形成しているインドール骨格含有
化合物は、より一層安定であるので、貯蔵・保存等に優
れている。該アルカリ金属としては、具体的には、例え
ば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、アル
カリ土類金属としては、具体的には、例えば、カルシウ
ム等が挙げられる。
【0022】前記一般式(1)で示されるインドール骨
格含有化合物のうち、Xで表される置換基が水素原子で
ある場合には、R1 (およびR2 )で表される置換基が
−CHO基、−CH2 CHO基、−CH2 CN基、−C
OOH基、−CH2 COOH基、−CH2 COOCH3
基、−CH2 CH2 COOH基、−CH2 CH2 CH2
COOH基、および、R2 が単糖の配糖体またはオリゴ
糖の配糖体である−CH2 COOR2 基である化合物が
天然化合物であり、また、Xで表される置換基が塩素原
子である場合には、R1 (およびR2 )で表される置換
基が−CH2 COOH基、および、−CH2 COOCH
3 基である化合物が天然化合物であり、さらに、Xで表
される置換基がメトキシ基である場合には、R1 で表さ
れる置換基が−CH2 CN基である化合物が天然化合物
である。尚、これら天然化合物が各種作物の花数や穂数
の増加、分蘖、或いは、実の肥大を促進させる生理活性
を備えていることは、既知の類似化合物からは全く予期
できないことである。
【0023】そして、天然化合物であるインドール骨格
含有化合物としては、例えば、Xで表される置換基が水
素原子であり、R1 で表される置換基が−CH2 COO
H基であるインドール−3−酢酸、Xで表される置換基
が塩素原子であり、R1 で表される置換基が−CH2
OOH基である4−クロロインドール−3−酢酸、Xで
表される置換基が塩素原子であり、R1 で表される置換
基が−CH2 COOCH3 基であるメチル−4−クロロ
インドール−3−アセテート、Xで表される置換基が水
素原子であり、R1 で表される置換基が−CH2 CH2
COOH基であるインドール−3−プロピオン酸、Xで
表される置換基が水素原子であり、R1で表される置換
基が−CH2 CH2 CH2 COOH基であるインドール
−3−酪酸等が挙げられる。例えば、4−クロロインド
ール−3−酢酸やそのメチルエステルは、例えば食用に
供されるエンドウの未熟種子等に含まれており、該未熟
種子等から取り出すことができる。また、4−クロロイ
ンドール−3−酢酸やそのメチルエステルは、合成によ
って大量生産することが比較的容易である。
【0024】これらインドール骨格含有化合物は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用しても
よい。インドール骨格含有化合物は、天然化合物である
ことがより好ましい。そして、上記例示の化合物のう
ち、インドール−3−酢酸、4−クロロインドール−3
−酢酸、インドール−3−酪酸、および、これら化合物
のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化
合物であることが特に好ましく、4−クロロインドール
−3−酢酸、および、インドール−3−酪酸が最も好ま
しい。
【0025】上記化合物の製造方法は、特に限定される
ものではなく、植物から一般的手法を用いて取り出す方
法、或いは、合成によって製造する方法等を採用するこ
とができ、比較的容易に大量生産することができる。イ
ンドール環の4位に置換基を有する上記インドール骨格
含有化合物を合成する反応は、比較的簡単であり、公知
の手法を採用することができる。
【0026】本発明にかかる作物増収剤は、有効成分と
して上記化合物を含んでいる。上記化合物は、そのまま
使用することができるが、必要に応じて、その効果を助
長若しくは安定化させるために、例えば、農薬に用いら
れる補助剤等の各種補助剤と混合して、液剤、粉剤、粒
剤、顆粒剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤、ペースト剤
等の種々の製剤形態で以て使用することもできる。つま
り、本発明にかかる作物増収剤は、必要に応じて上記の
補助剤を含んでいてもよく、従って、該作物増収剤は、
上記種々の製剤形態を採ることができる。
【0027】上記の補助剤としては、例えば、溶剤(希
釈剤)、乳化剤、分散剤、各種担体、各種基材、展着
剤、湿展剤、固着剤、崩壊剤等が挙げられる。そして、
作物増収剤である上記各種製剤は、そのまま使用するこ
とができるが、必要に応じて、水で所定の濃度に希釈し
て使用することもできる。尚、上記化合物が塩を形成す
る等して水溶性を備えている場合には、上記溶剤を用い
なくとも、作物増収剤を水で所定の濃度に希釈すること
ができる。
【0028】液剤やフロアブル剤、乳剤(エマルショ
ン)を調製するのに好適な溶剤としては、具体的には、
例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコール、エチレングリコール等のア
ルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメ
チルスルホキシド等のスルホキシド類;シクロヘキサ
ン、テトラヒドロナフタレン、メチルナフタレン;動植
物油、脂肪酸、脂肪酸エステル;等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これら溶剤は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0029】乳化剤または分散剤としては、各種界面活
性剤を用いることができる。該界面活性剤としては、例
えば、高級アルコール硫酸エステル塩等の陰イオン系界
面活性剤、四級アンモニウム塩等の陽イオン系界面活性
剤、ベタイン型等の両性界面活性剤、エーテル型等の非
イオン系界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)等が挙げ
られる。界面活性剤を用いることにより、上記化合物が
植物により一層吸収され易くなる。
【0030】上記化合物を担持するのに好適な担体とし
ては、具体的には、例えば、クレー、カオリン、タル
ク、珪藻土、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ベン
トナイト(モンモリロナイト)、長石、石英、おが屑等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
担体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。
【0031】上記化合物をペースト状(剤)にするのに
好適な基材としては、具体的には、例えば、ワセリン、
ラノリン、合成樹脂、ゴム等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら基材は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0032】ところで、自然界のインドール系植物ホル
モンは、1×10-8モル/L(10-8M)程度の極めて
低濃度で存在しているにも関わらず、種々の効果を発揮
している。しかしながら、該インドール系植物ホルモン
は、植物内では安定して存在することができるものの、
例えば水道水中では、該水道水に残留している塩素と反
応することによって分解されてしまう。つまり、従来、
一般的なインドール系植物ホルモンを植物に撒布して
も、殆ど効果が得られなかった原因は、塩素が酸化剤と
して作用し、インドール系植物ホルモンの分解を引き起
こしていたためである。
【0033】そこで、本発明にかかる作物増収剤を、例
えば水道水を用いて希釈した状態で使用する場合には、
該作物増収剤は、還元剤を含んでいることが好ましい。
該還元剤としては、具体的には、例えば、重亜硫酸ナト
リウム等が挙げられるが、塩素等の酸化剤と反応し、か
つ、植物に対して悪影響を及ぼさない化合物であればよ
く、特に限定されるものではない。また、還元剤の使用
量は、水道水に残留している塩素の量等に応じて設定す
ればよい。
【0034】これにより、塩素によってインドール骨格
含有化合物が分解されることが無くなるので、作物増収
剤は、水道水を用いて希釈した場合においても、より低
濃度で以て、その効果を充分に発揮することができる。
尚、作物増収剤を、蒸留水等の、塩素を含まない水を用
いて希釈することは、費用等が嵩むため、実用的ではな
い。また、還元剤を用いる代わりに、前記溶剤を用いて
作物増収剤を希釈することにより、インドール骨格含有
化合物の分解を回避することもできる。
【0035】本発明にかかる作物増収剤を適用すること
ができる作物は、花数や穂数の増加、分蘖、或いは、実
(果実、種子)の肥大を促進させて収量を増加させるこ
とができる植物であればよい。該植物としては、具体的
には、例えば、大豆、黒大豆、エンドウ豆(サヤエンド
ウ)、小豆、空豆、ピーナッツ等の豆類;小麦、大麦、
カラスムギ等の麦類;トウモロコシ、イネ、ワタ、ヒマ
ワリ、ゴマ、ソバ;甜菜(ビート);イチゴ、西瓜、メ
ロン等の果物類;カボチャ、トマト等の、いわゆる実の
成る野菜類;等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
【0036】作物増収剤の使用方法、即ち、作物増収剤
を用いた植物の処理方法としては、具体的には、例え
ば、播種時においては、土壌に対しては混和処理(土壌
処理)、種子に対しては浸漬処理や粉剤(粉末)処理;
発芽した後の時期においては、土壌に対しては注入処理
(潅注処理)、植物に対しては茎葉処理;等を採用する
ことができるが、特に限定されるものではない。つま
り、作物増収剤の植物に対する使用部位としては、茎葉
(地下茎を含む)、根(球根・宿根を含む)、種子(未
熟種子を含む)、花、果実等が挙げられるが、該植物の
種類や使用目的に応じて選択すればよく、特に限定され
るものではない。
【0037】作物増収剤の使用形態としては、植物に吸
収されることによって該植物に対して生理活性を発揮さ
せることができる手段であればよく、具体的には、例え
ば、撒布、浸漬、接触、注入等が挙げられる。要する
に、対象とする植物の種類や使用時期(使用目的)等に
応じて、該植物に最も吸収され易い使用形態を選択すれ
ばよい。
【0038】作物増収剤の使用時期は、植物の種類や使
用目的に応じて設定すればよく、特に限定されるもので
はないが、例えば、播種時、本葉が数枚揃う時期、開花
前、開花時、未熟種子が生成される時期(開花後)等が
挙げられる。
【0039】有効成分である上記化合物の使用量は、該
化合物の組成、作物増収剤の製剤形態、対象とする植物
の種類、処理方法、使用時期(使用目的)等に応じて設
定すればよく、特に限定されるものではないが、1アー
ル当たり、10-7g〜5gの範囲内がより好ましい。よ
り具体的には、作物増収剤を水溶液にして茎葉処理に用
いる場合には、該作物増収剤を上記化合物の濃度が0.
001ppm〜500ppm程度となるように希釈した
水溶液を、1アール当たり、0.1L〜100Lの範囲
内で撒布することがより好ましい。また、作物増収剤を
水溶液にして浸漬処理に用いる場合には、上記濃度の水
溶液に種子または植物(発芽後)を一定時間浸漬するこ
とがより好ましい。尚、上記水溶液を用いる代わりに、
つまり、作物増収剤を水に溶解させた(水で希釈した)
状態で用いる代わりに、必要に応じて、作物増収剤を水
と前記溶剤との混合液に溶解させた(混合液で希釈し
た)状態で用いること、或いは、作物増収剤を前記溶剤
に溶解させた(溶剤で希釈した)状態で用いることもで
きる。
【0040】本発明にかかる作物増収剤を使用すること
によって、植物の花数や穂数の増加、分蘖、或いは、実
の肥大を促進させることができるので、各種作物の収量
を、使用しない場合と比較して増加させることができ
る。
【0041】以上のように、本発明にかかる作物増収剤
は、前記一般式(1)で示されるインドール骨格含有化
合物を含む構成である。上記化合物は、各種作物の花数
や穂数の増加、分蘖、或いは、実の肥大を促進させる生
理活性を有している。また、化合物は、安全性に優れか
つ大量生産することができる。従って、上記の構成によ
れば、各種作物の花数や穂数の増加、分蘖、或いは、実
の肥大を促進させて収量を増加させるのに好適に用いる
ことができる、安全性に優れかつ大量生産可能な作物増
収剤を提供することができる。
【0042】また、本発明にかかる作物増収剤は、上記
インドール骨格含有化合物が天然化合物である構成であ
る。さらに、本発明にかかる作物増収剤は、上記インド
ール骨格含有化合物が、インドール−3−酢酸、4−ク
ロロインドール−3−酢酸、インドール−3−酪酸、お
よび、これら化合物のエステルからなる群より選ばれる
少なくとも一種の化合物である構成である。上記の構成
によれば、該化合物が天然化合物であるので、例えば作
物に残留した場合においても、安全性により一層優れた
作物増収剤を提供することができる。
【0043】また、本発明にかかる作物増収剤は、還元
剤をさらに含む構成である。上記の構成によれば、作物
増収剤を水道水を用いて希釈した場合においても、より
低濃度で以て、その効果を充分に発揮することができ
る。
【0044】尚、本発明にかかる作物増収剤は、必要に
応じて、各種の植物生長調節剤、肥料(糖類、アミノ
酸、有機酸、各種ミネラル等)、除草剤、殺黴剤、殺虫
剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、農園芸用殺菌剤、土壌殺菌
剤、土壌改良剤等と併用することもできる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0046】〔実施例1〕本発明にかかる作物増収剤を
用いてワタの茎葉処理を行った。先ず、5月22日にワ
タの種子(多数)を畑に直播きして育成した。その後、
7月14日に、90cm程度の高さに生長し、かつ、未
だ開花していないワタを3株ずつ、2つのグループ(計
6株)として選択した。
【0047】そして、一方のグループのワタに対して、
濃度が1×10-5モル/Lである4−クロロインドール
−3−酢酸(作物増収剤、以下、4−Cl−IAAと略
す)水溶液を40L/aの撒布量で以て撒布することに
より、茎葉処理を行った。また、他方のグループのワタ
に対して、上記水溶液の代わりに水を40L/aの撒布
量で以て撒布することにより、比較の対象とした(以
下、処理を行わない植物をコントロールと記す)。
【0048】10月15日に上記のワタを収穫し、収穫
量、即ち、実(種子)の個数を数えた。結果を表1にま
とめた。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いてワタの茎葉処理を行うことに
より、ワタの花数の増加が促進されることが判った。
【0051】〔実施例2〕本発明にかかる作物増収剤を
用いてエンドウの茎葉処理を行った。先ず、11月中旬
にエンドウ(品種:あずみ野30日絹莢PMR)の種子
(多数)を、畝幅90cmの畑に、株間20cmとなる
ように播種して育成した。30日間経過後、生長したエ
ンドウに施肥すべく、畑に化成肥料(新東化学工業株式
会社製)を50g/50本の割合で投与した。
【0052】そして、播種してから5ヶ月間経過し、花
が付き始めた頃に、エンドウを2つにグループ分けし
た。次いで、一方のグループのエンドウ(24株)に対
して、濃度が5×10-5モル/Lである4−Cl−IA
A水溶液を40L/aの撒布量で以て撒布することによ
り、茎葉処理を行った。また、他方のグループのエンド
ウ(16株)に対して、上記水溶液の代わりに水を40
L/aの撒布量で以て撒布することにより、コントロー
ルとした。
【0053】5月初旬に上記のエンドウを収穫し、実で
あるサヤエンドウの収穫量、即ち、一株当たりのサヤエ
ンドウの重量(g)、および、コントロールに対する重
量比(以下、対コントロール比と記す)を測定した。結
果を表2にまとめた。
【0054】
【表2】
【0055】表2の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いてエンドウの茎葉処理を行うこ
とにより、サヤエンドウの肥大が促進され、収量が増加
することが判った。
【0056】〔実施例3〕本発明にかかる作物増収剤を
用いて小麦の処理を行った。先ず、小麦の種子を250
gずつ、7つにグループ分けした。12月15日に、第
1のグループの小麦を、濃度が1×10-5モル/Lであ
る4−Cl−IAA水溶液に5時間浸漬することによ
り、浸漬処理を行った。また、同日に、第2のグループ
の小麦を、濃度が1×10-5モル/Lであるインドール
−3−酪酸(作物増収剤、以下、IBAと略す)水溶液
に5時間浸漬することにより、浸漬処理を行った。尚、
上記二種類の水溶液には、非イオン系界面活性剤(東邦
化学工業株式会社製、商品名:Sorbon T−8
0)を、それぞれ20ppmの割合で添加した。
【0057】次に、同日に、上記7つのグループの小麦
を、それぞれ一区画(7.4m2 )の畑に播種して、圃
場試験を行った。
【0058】そして、2月19日に、地上部が10cm
程度の高さに生長した第3のグループの小麦に対して、
濃度が5×10-5モル/Lである4−Cl−IAA水溶
液を20L/aの撒布量(有効薬量0.21g/a)で
以て撒布することにより、茎葉処理を行った。また、同
日に、同様に生長した第4のグループの小麦に対して、
濃度が5×10-5モル/LであるIBA水溶液を20L
/aの撒布量(有効薬量0.20g/a)で以て撒布す
ることにより、茎葉処理を行った。尚、上記二種類の水
溶液には、非イオン系界面活性剤(同上)を、それぞれ
500ppmの割合で添加した。
【0059】さらに、4月17日に、地上部が40cm
程度の高さに生長し、かつ、未だ出穂していない第5の
グループの小麦に対して、濃度が5×10-5モル/Lで
ある4−Cl−IAA水溶液を40L/aの撒布量(有
効薬量0.42g/a)で以て撒布することにより、茎
葉処理を行った。また、同日に、同様に生長した第6の
グループの小麦に対して、濃度が5×10-5モル/Lで
あるIBA水溶液を40L/aの撒布量(有効薬量0.
41g/a)で以て撒布することにより、茎葉処理を行
った。尚、上記二種類の水溶液には、非イオン系界面活
性剤(同上)を、それぞれ500ppmの割合で添加し
た。
【0060】また、第7のグループの小麦に対しては、
上記処理を全く行わないで水を所定量撒布することによ
り、コントロールとした。
【0061】6月16日に上記7つのグループの小麦を
それぞれ収穫し、収穫量(kg/区画)、および、一穂
当たりの平均粒数(個、20本平均)を測定した。結果
を表3にまとめた。
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いて小麦の処理を行うことによ
り、一穂当たりの粒数が増加が促進され、これにより、
小麦の収量が増加することが判った。
【0064】〔実施例4〕本発明にかかる作物増収剤を
用いてトウモロコシの処理を行った。先ず、トウモロコ
シの種子(多数)を10にグループ分けした。4月17
日に、第1のグループのトウモロコシを、濃度が5×1
-6モル/Lである4−Cl−IAA水溶液に2時間浸
漬することにより、浸漬処理を行った。また、同日に、
第2のグループのトウモロコシを、濃度が5×10-6
ル/Lである4−Cl−IAAエチルアルコール溶液に
30秒間浸漬することにより、浸漬処理を行った。ま
た、同日に、第3のグループのトウモロコシを、濃度が
5×10-6モル/LであるIBA水溶液に2時間浸漬す
ることにより、浸漬処理を行った。また、同日に、第4
のグループのトウモロコシを、濃度が5×10-6モル/
Lであるインドール−3−酢酸(作物増収剤、以下、I
AAと略す)水溶液に2時間浸漬することにより、浸漬
処理を行った。尚、上記四種類の溶液には、非イオン系
界面活性剤(Sorbon T−80)を、それぞれ5
00ppmの割合で添加した。
【0065】次に、4月19日に、上記10のグループ
のトウモロコシを、それぞれ苗箱に播種した。次いで、
4月30日に、生長した苗を畑に移植した。
【0066】そして、5月1日(播種してから12日
後)に、地上部が10cm程度の高さに生長した第5の
グループのトウモロコシに対して、濃度が5×10-5
ル/Lである4−Cl−IAA水溶液を40L/aの撒
布量(有効薬量0.42g/a)で以て撒布することに
より、茎葉処理を行った。また、同日に、同様に生長し
た第6のグループのトウモロコシに対して、濃度が1×
10-4モル/Lである4−Cl−IAA水溶液を40L
/aの撒布量(有効薬量0.84g/a)で以て撒布す
ることにより、茎葉処理を行った。また、同日に、同様
に生長した第7のグループのトウモロコシに対して、濃
度が5×10-5モル/LであるIAA水溶液を40L/
aの撒布量(有効薬量0.35g/a)で以て撒布する
ことにより、茎葉処理を行った。尚、上記三種類の水溶
液には、非イオン系界面活性剤(同上)を、それぞれ5
00ppmの割合で添加した。
【0067】さらに、6月30日(播種してから72日
後)に、実が付き始めた第8のグループのトウモロコシ
に対して、濃度が5×10-5モル/Lである4−Cl−
IAA水溶液を40L/aの撒布量(有効薬量0.42
g/a)で以て撒布することにより、茎葉処理を行っ
た。また、同日に、同様に生長した第9のグループのト
ウモロコシに対して、濃度が5×10-5モル/Lである
IAA水溶液を40L/aの撒布量(有効薬量0.35
g/a)で以て撒布することにより、茎葉処理を行っ
た。尚、上記二種類の水溶液には、非イオン系界面活性
剤(同上)を、それぞれ500ppmの割合で添加し
た。
【0068】また、第10のグループのトウモロコシに
対しては、上記処理を全く行わないで水を所定量撒布す
ることにより、コントロールとした。
【0069】8月6日に上記10のグループのトウモロ
コシをそれぞれ収穫し、収穫量、即ち、トウモロコシの
全重量(kg)を測定すると共に、一株当たりの重量
(kg)、および、対コントロール比を算出した。結果
を表4にまとめた。
【0070】
【表4】
【0071】表4の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いてトウモロコシの処理を行うこ
とにより、実の肥大が促進されて収量が増加することが
判った。
【0072】〔実施例5〕本発明にかかる作物増収剤を
用いてワタ(アメリカワタ)の茎葉処理を行った。先
ず、5月8日にワタの種子(多数)を50cm間隔で圃
場に直播きして育成した。その後、ワタを3つにグルー
プ分けした。そして、播種してから3週間経過後に、6
葉程度に生長した第1のグループのワタ(6株)に対し
て、ノニオン系界面活性剤(和光純薬工業株式会社製、
商品名:Tween 80)を100ppmの割合で含
む、濃度が5×10-5モル/LであるIAA水溶液を2
0L/aの撒布量で以て撒布することにより、茎葉処理
(初期)を行った。
【0073】次いで、播種してから7週間経過後に、第
2のグループのワタ(7株)に対して、上記水溶液(同
一組成)を20L/aの撒布量で以て撒布することによ
り、茎葉処理(中期)を行った。第3のグループのワタ
(14株)に対しては、上記処理を全く行わないで水を
所定量撒布することにより、コントロールとした。
【0074】そして、これら3つのグループに対し、綿
摘みを10月12日、11月9日および12月3日の3
回行って、それぞれワタを収穫し、収穫量、即ち、種子
を含むワタの一株当たりの重量を測定すると共に、対コ
ントロール比を算出した。結果を表5にまとめた。
【0075】
【表5】
【0076】表5の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いてワタの茎葉処理を行うことに
より、早期の収穫量を増加させることができると共に、
総収穫量が第1のグループでは12%、第2のグループ
では32%、それぞれ増加することが判った。
【0077】〔実施例6〕本発明にかかる作物増収剤を
用いてイネ(コシヒカリ)の処理を行った。先ず、5月
上旬にイネの種子(モミ)を3つにグループ分けして苗
箱に播種した。このとき、第1のグループのイネの種子
に対しては、播種前に、ノニオン系界面活性剤(米国,
Valent社製、商品名:X−77)を20ppmの
割合で含む、濃度が1×10-7モル/LであるIAA水
溶液に2時間浸漬することにより、浸漬処理を行った。
【0078】一方、5月26日に、地上部が10cm程
度の高さに生長した第2のグループのイネに対して、ノ
ニオン系界面活性剤(Tween 80)を100pp
mの割合で含む、濃度が5×10-5モル/LであるIA
A水溶液を、苗箱1箱当たり500mlの撒布量で以て
撒布することにより、茎葉処理を行った。第3のグルー
プのイネに対しては、上記処理を全く行わないで水を所
定量撒布することにより、コントロールとした。
【0079】そして、苗箱に播種してから1ヵ月間育成
した後、生長したイネの苗を水田に移植した。植え付け
間隔(株間)は25cmとし、1つのグループが18m
×3列となるように田植えした。
【0080】9月23日にイネを刈り取り、乾燥して脱
穀することにより、イネ(コメ)を収穫し、収穫量、即
ち、一株当たりのコメの重量を測定すると共に、対コン
トロール比を算出した。結果を表6にまとめた。
【0081】
【表6】
【0082】表6の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いてイネの処理を行うことによ
り、コメの収量が増加することが判った。
【0083】〔実施例7〕本発明にかかる作物増収剤を
用いて小麦の処理を行った。先ず、12月中旬に小麦の
種子を250gずつ、3つにグループ分けし、それぞれ
面積7.5m2 の畑に播種した。このとき、第1のグル
ープの小麦に対しては、播種前に、ノニオン系界面活性
剤(Tween 80)を20ppmの割合で含む、濃
度が1×10-7モル/LであるIAA水溶液に2時間浸
漬することにより、浸漬処理を行った。
【0084】一方、2月下旬に、地上部が10cm程度
の高さに生長した第2のグループの小麦に対して、ノニ
オン系界面活性剤(Tween 80)を100ppm
の割合で含む、濃度が5×10-5モル/LであるIAA
水溶液を200ml/m2 の撒布量で以て撒布すること
により、茎葉処理を行った。第3のグループの小麦に対
しては、上記処理を全く行わないで水を所定量撒布する
ことにより、コントロールとした。
【0085】そして、6月中旬に上記3つのグループの
小麦をそれぞれ収穫し、収穫量(kg/区画)と共に、
対コントロール比を算出した。結果を表7にまとめた。
【0086】
【表7】
【0087】表7の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いて小麦の処理を行うことによ
り、収穫量が第1のグループでは24%、第2のグルー
プでは20%、それぞれ増加することが判った。
【0088】〔実施例8〕本発明にかかる作物増収剤を
用いてトマトの茎葉処理を行った。先ず、互いに生長状
態がほぼ揃っているトマトの苗(複数)を選択し、5月
20日に、40cm間隔で圃場に植え付けて育成した。
【0089】6月3日に、地上部が20cm程度の高さ
に生長した第1のグループのトマトに対して、ノニオン
系界面活性剤(X−77)を20ppmの割合で含む、
濃度が1×10-5モル/LであるIAA水溶液を100
ml/m2 の撒布量で以て撒布することにより、茎葉処
理を行った。一方、同日に、第2のグループのトマトに
対して、ノニオン系界面活性剤(同上)を20ppmの
割合で含む、濃度が1×10-5モル/Lである4−Cl
−IAA水溶液を100ml/m2 の撒布量で以て撒布
することにより、茎葉処理を行った。第3のグループの
トマトに対しては、上記処理を全く行わないで水を所定
量撒布することにより、コントロールとした。
【0090】そして、植え付けてから3か月間経過後
(8月中旬)、収穫量、即ち、トマトの実の数(結実
数)を求めると共に、対コントロール比を算出した。結
果を表8にまとめた。
【0091】
【表8】
【0092】表8の結果から明らかなように、本発明に
かかる作物増収剤を用いてトマトの茎葉処理を行うこと
により、実の総数が第1のグループでは23%、第2の
グループでは27%、それぞれ増加することが判った。
【0093】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の作物増収剤は、
以上のように、一般式(1)
【0094】
【化3】
【0095】(式中、Xは、水素原子、塩素原子または
メトキシ基を表し、R1 は、−CHO基、−CH2 CH
O基、−CH2 CN基、−COOR2 基、−CH2 CO
OR2 基、−CH2 CH2 COOR2 基、−CH (CH
3)COOR2 基、−CH2CH2 CH2 COOR2 基、
−CH (CH3)CH2 COOR2 基、−CH (CH3)C
2 CH2 COOR2 基、または−CH2 COCOOR
2 基を表し、かつ、上記R2 は、水素原子、アルカリ金
属原子、アルカリ土類金属原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、単糖の配糖体またはオリゴ糖の配糖体を表す)で
示されるインドール骨格含有化合物を含む構成である。
【0096】これにより、各種作物(植物)の花数や穂
数の増加、分蘖、或いは、実(果実、種子)の肥大を促
進させて収量を増加させるのに好適に用いることができ
る、安全性に優れかつ大量生産可能な作物増収剤を提供
することができるという効果を奏する。
【0097】本発明の請求項2記載の作物増収剤は、以
上のように、上記インドール骨格含有化合物が天然化合
物である構成である。また、本発明の請求項3記載の作
物増収剤は、以上のように、上記インドール骨格含有化
合物が、インドール−3−酢酸、4−クロロインドール
−3−酢酸、インドール−3−酪酸、および、これら化
合物のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種
の化合物である構成である。
【0098】これにより、例えば作物に残留した場合に
おいても、安全性により一層優れた作物増収剤を提供す
ることができるという効果を奏する。
【0099】本発明の請求項4記載の作物増収剤は、以
上のように、還元剤をさらに含む構成である。
【0100】これにより、作物増収剤を水道水を用いて
希釈した場合においても、より低濃度で以て、その効果
を充分に発揮することができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 直則 兵庫県神崎郡市川町西川辺527 神戸天然 物化学株式会社市川研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Xは、水素原子、塩素原子またはメトキシ基を
    表し、R1 は、−CHO基、−CH2 CHO基、−CH
    2 CN基、−COOR2 基、−CH2 COOR2 基、−
    CH2 CH2 COOR2 基、−CH (CH3)COOR2
    基、−CH2CH2 CH2 COOR2 基、−CH (C
    3)CH2 COOR2 基、−CH (CH3)CH2 CH2
    COOR2 基、または−CH2 COCOOR2 基を表
    し、かつ、上記R2 は、水素原子、アルカリ金属原子、
    アルカリ土類金属原子、炭素数1〜4のアルキル基、単
    糖の配糖体またはオリゴ糖の配糖体を表す)で示される
    インドール骨格含有化合物を含むことを特徴とする作物
    増収剤。
  2. 【請求項2】上記インドール骨格含有化合物が天然化合
    物であることを特徴とする請求項1記載の作物増収剤。
  3. 【請求項3】上記インドール骨格含有化合物が、インド
    ール−3−酢酸、4−クロロインドール−3−酢酸、イ
    ンドール−3−酪酸、および、これら化合物のエステル
    からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の作物増収剤。
  4. 【請求項4】還元剤をさらに含むことを特徴とする請求
    項1、2または3記載の作物増収剤。
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