JP2000157806A - 圧力濾過装置 - Google Patents

圧力濾過装置

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JP2000157806A
JP2000157806A JP10339000A JP33900098A JP2000157806A JP 2000157806 A JP2000157806 A JP 2000157806A JP 10339000 A JP10339000 A JP 10339000A JP 33900098 A JP33900098 A JP 33900098A JP 2000157806 A JP2000157806 A JP 2000157806A
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pressure
press
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tank
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Tomoaki Miyanoshita
友明 宮ノ下
Haruo Yokota
治雄 横田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧入タンク方式により流体を圧力濾過装置に
圧入する際に、高圧の流体ポンプを必要としないような
構成の圧力濾過装置を提供する。 【解決手段】 本圧力濾過装置10は、前濾過装置12
と、圧入タンク装置14と、圧力濾過器16とを備えて
いる。前濾過装置は、被濾過液を粗濾過して被濾過液中
の固形物を捕捉し、分離する一方、固形物濃度が低くな
った一次濾過液を流出させる。圧入タンク装置は、前濾
過装置から流入した一次濾過液に空気圧を作用させて圧
力濾過器に流入させる。圧力濾過器は、一次濾過液を濾
過する濾過面を有し、圧入タンク装置で作用する空気圧
により一次濾過液をして濾過面を通過させ、一次濾過液
中の固形物を濾過面で捕捉、脱液すると共に濾過液を流
出させる。前濾過装置は、前濾過装置と圧入タンク装置
との間で流体機器の駆動を受けることなく、圧入タンク
装置に流出できる圧力(動圧+静圧)、又は水頭(静
圧)を一次処理液に付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力下で被処理液
を濾過して、被処理液中の固形物を分離すると共に処理
液を得る圧力濾過装置に関し、更に詳細には、省エネル
ギー化され、流体機器の設備費及び動力費を節減できる
と共に運転容易な圧力濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、固形物を含む河川水や湖沼水
等の被処理液から固形物を分離して濾液を得る手段の一
つとして圧力濾過装置が使用されている。圧力濾過装置
には、例えば円筒状の枠体の筒面にフィルタ材を巻いた
濾過筒を容器内に配置し、被濾過液を容器内に導入し、
圧力、例えば1.8kg/cm2g を被濾過液に作用させつつ
濾過筒を通過させ、フィルタ面で固形物を捕捉、分離す
る圧力濾過機や、例えば中空糸状の精密濾過膜や限外濾
過膜を容器内に配置し、被濾過液を例えば0.3〜2.
0kg/cm2g で容器内に圧入し、被濾過液を前記濾過膜を
通過させて、固形物を膜面で捕捉、分離する膜分離装置
等がある。
【0003】圧力濾過装置では、固形物が濾過残渣とし
て濾材上に堆積するにつれて、所要濾過圧力が増大し、
被濾過液の流量制御及び圧力制御が難しくなる。被濾過
液等の液体を処理装置に圧入する際には、ポンプによっ
て圧入するのが、普通であるが、圧力濾過装置の場合、
ポンプで、直接、圧力濾過装置に被濾過液を供給する方
式は、所要濾過圧力の増大に応じて被濾過液の流量を調
整することが難しいという問題がある。
【0004】そこで、従来は、圧力濾過装置への流体供
給方法として、ポンプ圧入方式に代えて、圧入タンク方
式を採用することも行われている。圧入タンク方式は、
主として、固形物を高濃度で含む汚泥水等の脱水処理の
分野で採用されている方式であって、圧力濾過装置の前
段に圧入タンクを設け、先ず、圧入タンクに被濾過液を
流入させて、一旦、貯留し、次いで圧入タンク内の被濾
過液に空気圧を作用させることによって、空気圧の押圧
力により被濾過液を圧力濾過装置に供給するという方式
である。ポンプ圧入方式に比べて、圧入タンク方式は、
被濾過液の流量制御が容易であり、圧力濾過装置に安定
して被濾過液を供給することができるという利点があ
る。また、圧力濾過装置が大型化するほど、圧入タンク
方式の利点は、顕著になる。特に、固形物濃度が汚泥水
に比べて低い河川水等の場合でも、圧力濾過装置が大型
化するほど、圧入タンク方式の方が好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の圧入
タンク方式には、次のような圧入タンクへの被濾過液の
流入に伴う問題があった。被濾過液の濾過過程で、圧入
タンクから被濾過液を圧力濾過装置に圧入するうちに、
圧入タンク内の被濾過液の収容量が減少し、被濾過液の
液面が下限液面以下に低下すると、空気圧のすっぽ抜け
の恐れが生じるので、圧入タンクに被濾過液を補充する
必要が生じる。圧入タンクに被濾過液を補充するには、
圧入タンク内で被濾過液に作用させている空気圧以上の
圧力で被濾過液を圧入タンクに圧入しなければならない
ので、圧入タンクに一次濾過液を補充するための高圧の
流体ポンプを設置する必要がある。しかし、これでは、
圧入タンクに加えて、高圧の流体ポンプを運転するため
の設備費及び運転費が嵩むという問題があった。また、
高圧の流体ポンプの運転では、ポンプ故障が生じること
がしばしばあって、ポンプのメンテナンスに人手を要す
るという問題も付随していた。
【0006】そこで、本発明の目的は、圧入タンク方式
により被濾過液を圧力濾過装置に圧入する際に、高圧の
流体ポンプを必要としないような構成の圧力濾過装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る圧力濾過装置は、被処理液を粗処理し
て被処理液中の固形物を捕捉し、分離する一方、固形物
濃度が低くなった一次処理液を流出させる前処理装置
と、前処理装置から流入した一次処理液に気体圧を作用
させて圧力濾過器に流入させる圧入タンク装置と、一次
処理液を濾過する濾過面を有し、圧入タンク装置で作用
する気体圧により一次処理液をして濾過面を通過させ、
一次処理液中の固形物を濾過面で捕捉すると共に濾過液
を流出する圧力濾過器とを備えた圧力濾過装置であっ
て、前処理装置は、前処理装置と圧入タンク装置との間
で流体機器による駆動を受けることなく、圧入タンク装
置に流出できる圧力(動圧+静圧)、又は水頭(静圧)
を一次処理液に付与することを特徴としている。
【0008】前処理装置は、圧力濾過器の前処理装置と
して機能して、導入した被処理液を粗処理して固形物を
捕捉し、分離する一方、固形物濃度が低くなった一次処
理液を高い圧力(動圧+静圧)、又は高水頭(静圧)で
流出させ、ポンプ等の流体機器の補助なしに、一次処理
液を圧入タンク装置に流入させることができる限り、そ
の種類、形式に制約はない。前処理装置には、例えば後
述のような上向流式凝集沈殿装置、砂やアンスラサイト
等の濾材を用いた濾過装置、あるいは特公平5−114
82号に記載されているような、塔内に長繊維束を立設
させてなる長繊維濾過器等の濾過装置を使用することが
できる。例えば、上向流式凝集沈殿装置を採用するとき
には、上向流式凝集沈殿装置の最終段に設ける凝集沈殿
槽を高所に設置し、被処理液の供給ポンプのポンプ動力
のみで、上向流式凝集沈殿装置に被処理液を供給し、上
向流式凝集沈殿装置を通過させる。次いで、凝集沈殿槽
から流出する一次処理液を位置エンルギーにより圧入タ
ンク装置に流入させるようにする。また、砂や長繊維束
等の濾材を用いた濾過装置を採用するときには、被処理
液の供給ポンプのポンプ動力のみで、濾過装置に被処理
液を供給し、濾過装置を通過させ、かつ一次処理液を圧
入タンク装置に流入させるようにする。圧入タンク装置
による気体圧は、圧力濾過器で一次処理液を濾過するに
必要な濾過圧力以上であればよく、例えば圧力濾過器が
精密濾過膜や限外濾過膜を用いた膜分離装置の場合は、
通常、0.3kg/cm2g から2.0kg/cm2g 位である。圧
力濾過器は、一台である必要はなく、複数台の圧力濾過
器を並列に、及び並列かつ直列に配列しても良く、これ
に対して、圧入タンク装置を一系統配置すれば良い。本
発明は、圧力濾過装置で処理する被処理液の性状、被処
理液に含まれる固形物の性状に制約なく適用できる。
【0009】好適には、圧入タンク装置は、少なくとも
2個の圧入タンクを有し、少なくとも一つの圧入タンク
から一次処理液を流出させている間に、残りの圧入タン
クのうち一次処理液の収容量が減少している少なくとも
一つの圧入タンクに一次処理液を流入させ、圧入タンク
に一次処理液を流入させる際には、圧入タンクの圧力を
一次処理液の流出時の圧入タンクの圧力より低くしてい
る。
【0010】また、実用的には、各圧入タンクは、上部
液面スイッチ及び下部液面スイッチと、圧入タンクに接
続された一次処理液流入管、一次処理液流出管及び気体
供給管にそれぞれ設けられ、上部液面スイッチ及び下部
液面スイッチの動作に連動したアクチュエータ駆動によ
り開閉する切り換え弁とを備えている。これにより、一
次処理液の圧入タンクへの流入、及び、圧入タンクから
の一次処理液の流出を圧入タンク毎に交互に自動的に切
り換えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る圧力濾過装置の実施形態
の一例であって、図1は本実施形態例の圧力濾過装置の
構成を示すブロック・フローシート、図2は本実施形態
例の前濾過装置のフローシート、図3は凝集沈殿槽の構
成を示す模式的断面図、及び、図4は接触材の斜視図で
ある。本実施形態例の圧力濾過装置10は、図1に示す
ように、前処理装置として設けられた前濾過装置12
と、圧入タンク装置14と、圧力濾過器16とを備えた
装置であって、被濾過液から固形物を分離して清澄な濾
過液を流出させる。
【0012】前濾過装置12は、圧力濾過器の前処理装
置として機能し、導入した河川水や湖沼水等の被濾過液
を粗濾過して、先ず比重の大きな固形物或いは径の大き
な固形物を捕捉、分離する一方、固形物濃度が低くなっ
た一次濾過液を高い圧力(動圧+静圧)、又は高水頭
(静圧)で流出させ、ポンプ等の流体機器の補助なし
に、一次濾過液を次の圧入タンク装置14に流入させ
る。圧入タンク装置14は、前濾過装置12から流入し
た一次濾過液に気体圧として例えば空気圧を作用させ
て、ポンプ等の流体機器の補助なしに、一次濾過液を次
の圧力濾過器16に流入させる。圧力濾過器16は、一
次濾過液を被濾過液とし、圧入タンク装置14で与えら
れた空気圧の下で、一次濾過液中の固形物を分離して清
澄な濾過液を得るための濾過器である。
【0013】前濾過装置12は、被濾過液を粗濾過して
大きな固形物を捕捉し、圧力濾過器の前処理処理として
機能し、しかも高い圧力(動圧+静圧)、又は高水頭
(静圧)で一次濾過液を流出させることができる限り、
その種類、形式は問わないものの、本実施形態例では、
前濾過装置12として、上向流式凝集沈殿装置12を採
用している。ここで、図2及び図3を参照して、上向流
式凝集沈殿装置の構成及び運転方法を説明する。図2は
上昇流式凝集沈殿装置の構成を示すフローシート、及
び、図3は凝集沈殿槽の構成を示す模式図である。
【0014】上向流式凝集沈殿装置12は、図2に示す
ように、被濾過液の導入手段18と、原水に凝集剤を添
加する添加手段20と、高所に設けられた容器であっ
て、凝集剤と被濾過液とを混和するとともに被濾過液に
高水頭を与える混和槽22と、混和槽22の下流に設け
られ、空隙率の大きな小片接触材を集積させてなる接触
材集積層を有し、接触材集積層内を上向流で被濾過液を
流して、被濾過液中の懸濁物を凝集、沈殿させる凝集沈
殿槽24とから構成されている。
【0015】更に、上向流式凝集沈殿装置12の構成を
詳しく説明する。被濾過液の導入手段18は、図2に示
すように、原液槽26と、原液槽26から被濾過液を汲
み出し、送水する被濾過液ポンプ28とから構成されて
いる。添加手段20は、被濾過液の濁度を測定する濁度
計30と、内部にポリ塩化アルミニウム(PAC)等の
凝集剤の水溶液を収容した凝集剤槽32と、濁度計30
の下流の被濾過液供給管34に凝集剤槽32から凝集剤
を注入する凝集剤ポンプ36とを備え、濁度計30の計
測値に基づいて所要量の凝集剤を被濾過液に注入する。
混和槽22は、攪拌機38を備え、凝集沈殿槽24の上
部より高所に設けられた容器であって、凝集剤が注入さ
れた被濾過液を一次的に滞留させ、攪拌機38により被
濾過液を攪拌して、被濾過液と凝集剤とを急速混和し、
高所の位置エネルギー、即ち高水頭によって、動力に因
らずに、流入管40を介して被濾過液を凝集沈殿槽24
に流入させる。
【0016】凝集沈殿槽24は、被濾過液中の固形物、
即ち懸濁物が凝集剤によってフロック化した凝集フロッ
クを凝集、濾過、分離する槽であって、図3に示すよう
に、下から、順次、区画された被濾過液の流入ゾーン4
1、接触材集積ゾーン42、及び集水ゾーン43から構
成されている。
【0017】接触材集積ゾーン42は、ゾーンの下部及
び上部に設けられた網目状、目板状等の多孔性隔板であ
る流出防止板44、45で区画され、その間の領域に、
空隙率の大きな小片接触材、例えば、図4に示すような
短尺チューブ形状の比較的比重の小さいプラスチック製
小片接触材46を多数収容している。被濾過液の通液時
には、接触材46は被濾過液の上向流により上部流出防
止板45の下に集積して接触材集積層47を形成する。
集水ゾーン43は、接触材集積ゾーン42を流過して処
理された一次濾過液を集水する領域であって、接触材集
積ゾーン42の流出防止板45の直ぐ上に設けられた集
水部48と、集水部48の上端から溢流する一次濾過液
を集める集水トラフ49と、集水トラフ49に接続され
て、一次濾過液を流出させる流出管50とから構成され
ている。なお、図2において、符号57は流出管50か
ら流出する一次濾過液を一旦受ける中継槽であり、該中
継槽57の底部には一次濾過液を圧入タンク装置14に
送る流出管50Aが接続されていると共に、上部にオー
バーフロー管58が接続されている。集水トラフ49及
び中継槽57は、圧入タンク装置14より高所に位置し
ており、動力に因らず一次濾過液を高水頭により、圧入
タンク装置14に送液する。
【0018】流入ゾーン41には、混和槽22から出た
被濾過液が流入管40を介して流入する。流入管40
は、流入ゾーン41の中央に貫入して下向きの開口を先
端に備えている。流入管40の開口の下方には、下向き
に流入した被濾過液の向きを上方に変えるために、傘を
逆にした形状の変流板51が設けてある。また、流入管
40には、アルカリ剤注入管52が接続され、必要に応
じてアルカリ溶液を注入して被濾過液のpHを調整する
ようになっている。流入ゾーン41の底部、即ち変流板
51の下方は、捕捉した固形物、即ち汚泥を集積するた
めに逆円錐状の汚泥貯留ゾーン53になっていて、汚泥
を排出する排泥管54がその最下部に接続されている。
また、流入ゾーン41の上部には、上方に向け空気を噴
射する空気ノズルを多数備えた空気供給管55が設けら
れ、空気ブロア56で送入された空気を噴出して、接触
材集積ゾーン42の接触材46を攪拌洗浄するようにな
っている。
【0019】凝集沈殿槽24では、凝集剤が添加された
被濾過液は、先ず、流入ゾーン41に流入する。流入ゾ
ーン41では、被濾過液中の懸濁物が凝集して形成され
たフロックのうち比較的大きなフロックが、先ず、沈降
分離する。次いで、被濾過液は接触材集積ゾーン42に
流入する。そこでは、被濾過液中の残りの微小フロック
が、接触材46と接触して接触材外表面及び接触材内表
面に付着したり、あるいは接触材46同士の間隙に捕捉
されたりし、分離される。一方、被濾過液は、接触材4
6の空隙、或いは接触材46と接触材46との間を流れ
て、空隙内或いは接触材間に形成されたフロック層によ
り濾過されると共に、被濾過液中の微小フロックがフロ
ック層に捕捉される。
【0020】接触材46に付着した、あるいは接触材4
6間に捕捉されたフロックは、後続する微小フロックと
の接触等によって徐々に成長し、フロック径が大きくな
る。そして、被濾過液の上昇流速より沈降速度が大きい
フロックが形成されるにつれて、このフロックが、被濾
過液の流れによって接触材46から剥離し、更には被濾
過液の流れに逆らって沈降して、汚泥貯留ゾーン53に
堆積し、次いで排泥管54により排出される。このよう
に、被濾過液中の懸濁物は、懸濁物フロックの凝集作
用、被濾過液に対する濾過作用、フロックの分離及び沈
殿作用等により、被濾過液から分離され、汚泥貯留ゾー
ン53に沈殿する。一方、一次濾過液は、上部の集水ゾ
ーン43から中継槽57及び流出管50Aを経由して水
頭により圧入タンク装置14に流出する。
【0021】なお、本実施形態のように、流出管50の
途中に中継槽57を設けると共に該中継槽57の上部に
オーバーフロー管58を設けることにより、後段の圧力
濾過器16が例えば逆洗浄操作のために濾過操作を中断
している場合でも、該中継槽57内の一次濾過液を、圧
入タンク装置14に送ることなくオーバーフロー管58
を介して例えば原液槽26に戻すことによって、前濾過
装置12の運転を停止させることなく、圧入濾過器16
の逆洗浄を行なうことができるので、運転操作上、便利
である。勿論、中継槽57を設けずに、一次濾過液を直
接圧入タンク装置14に送液してもよい。
【0022】次に、図5を参照して、圧入タンク装置1
4の構成を説明する。図5は、圧入タンク装置14及び
圧力濾過器16の構成を示すフローシートである。圧入
タンク装置14は、図5に示すように、2個の圧入タン
ク60A、Bと、空気源(図示せず)と、圧入タンク6
0A、B周りの配管と、配管に設けられた切り換えバル
ブとから構成されている。圧入タンク60A、B周りの
配管は、中継槽57から出た流出管50Aから分岐し、
それぞれ、圧入タンク60A、Bに接続されたタンク流
入管62A、Bと、各圧入タンクA、Bの底部に接続さ
れ、一次濾過液を流出させるタンク流出管64A、B
と、空気源から空気を各圧入タンク60A、Bに供給す
る空気供給管66A、Bとから構成されている。
【0023】一次濾過液は、後述する切り換えバルブの
自動的な切り換え動作により、中継槽57から流出管5
0A及びタンク流入管62A、Bを介して交互に各圧入
タンク60A、Bに流入する。流入した一次濾過液は、
一旦、各圧入タンク60A、Bに滞留する。滞留した一
次濾過液は、同じく、後述する切り換えバルブの自動的
な切り換え動作により、空気供給管66A、Bから供給
される空気圧により押圧されて、圧入タンク60A、B
から交互にタンク流出管64A、Bを経由して圧力濾過
器16に流入する。
【0024】圧入タンク60A、Bの一次濾過液の流
入、流出を自動的に切り換えるために、空気圧アクチュ
エータ等の駆動器を備えた自動遠隔操作方式の開閉弁か
らなる切り換えバルブが、タンク流入管62A、B、タ
ンク流出管64A、B、及び空気供給管66A、Bに、
それぞれ、流入切り換え弁68A、B、流出切り換え弁
70A、B、空気供給切り換え弁72A、Bとして設け
られている。また、各圧入タンク60A、Bには、それ
ぞれ、下部液面スイッチ74A、B、上部液面スイッチ
76A、B、開閉弁付きベントライン78A、Bが設け
られていて、下部液面スイッチ74及び上部液面スイッ
チ76の作動により、上述の切り換えバルブ及びベント
ライン78A、Bが、自動的に開閉するように設定され
ている。
【0025】例えば、圧入タンク60Aに滞留している
一次濾過液を空気供給管66Aからの空気圧によりタン
ク流出管64Aを経由して圧力濾過器16に送液中、圧
入タンク60Aの一次濾過液の液面が低下して、下部液
面スイッチ74Aが作動すると、圧入タンク60Aの流
出切り換え弁70A及び空気供給切り換え弁72Aが閉
止して一次濾過液の流出を停止し、開閉弁付きベントラ
イン78A、及び、流入切り換え弁68Aが開放され
て、一次濾過液がタンク流入管62Aを経由して圧入タ
ンク60Aに流入する。同時に、圧入タンク60Bの流
出切り換え弁70B及び空気供給切り換え弁72Bが開
放され、圧入タンク60Bに滞留している一次濾過液が
空気供給管66Bからの空気圧によりタンク流出管64
Bを経由して圧力濾過器16に送液される。
【0026】また、一次濾過液がタンク流入管62Aを
経由して圧入タンク60Aに流入し、圧入タンク60A
内の一次濾過液の液面が上昇して、上部液面スイッチ7
6Aが作動すると、圧入タンク60Aの流入切り換え弁
62Aが閉止され、一次濾過液の流入が停止される。
【0027】圧入タンク60Bの下部液面スイッチ74
B及び上部液面スイッチ76Bが動作すると、上述の例
でAとBを逆にした切り換えバルブの開閉が行われる。
なお、各圧入タンク60A、Bには、図示しないが、必
要に応じて、圧力計等が設けられている。
【0028】圧力濾過器16は、一次濾過液を被濾過液
とし、一次濾過液中の固形物を分離して、清澄な濾過液
を得るための濾過器であって、例えば精密濾過膜、限外
濾過膜、ナノ濾過膜等の分離膜からなる外圧型中空糸膜
の多数本を束ねて形成した外圧型中空糸膜モジュールの
複数本を容器内に収容した構造を備えている。このよう
な構造により、圧力濾過器16は、容器内に導入された
一次濾過液に圧力を作用して、各中空糸膜の中空糸外側
から内側へ一次濾過液を通過させ、固形物を中空糸膜面
で捕捉すると共に中空糸膜を透過した清澄な液を濾過液
として得ることができる。圧力濾過器16は、図5に示
すように、円筒状の圧力容器79と、圧力容器79を横
断して設けられ、濾過液を集液する集液室80と一次濾
過液が流入する一次濾過液室82とに圧力容器79の内
部を区画する隔板84と、隔板84から垂下するように
一次濾過液室82内に設けられた多数本の外圧型中空糸
膜モジュール86とを備えている。一次濾過液室82に
は、タンク流出管64A、Bが合流した濾過器流入管8
8が接続され、集液室80には、濾過液流出管90が接
続されている。また、一次濾過液室82の底部には、逆
洗浄排水を排出する開閉弁付き逆洗浄排水管92が接続
され、濾過液流出管90には逆洗浄水を圧力濾過器16
に流入させる開閉弁付き逆洗浄水管94が接続されてい
る。
【0029】一次濾過液は、圧入タンク60から濾過器
流入管88を介して圧力濾過器16の一次濾過液室82
に流入し、外圧型中空糸膜モジュール86の各中空糸膜
の外面で固形物が捕捉され、中空糸膜を透過した清澄な
濾過液が各中空糸の内側を通って集液室80に集まり濾
過液流出管90を経て外部に流出する。中空糸膜面に固
形物の濾過残渣が堆積し、外圧型中空糸膜モジュール8
6の差圧が上昇した段階で、逆洗浄水管94を経由し、
集液室80、中空糸膜モジュール86の各中空糸膜の内
側及び一次濾過液室82の経路で、逆洗浄水を流して中
空糸膜面から固形物を脱離させ、固形物を含む逆洗浄排
水として逆洗浄排水管92から排出する。これにより、
外圧型中空糸膜モジュール86の濾過性能が回復する。
排出した逆洗浄排水を濃縮し、脱水すると、固形物のケ
ーキを得ることができる。なお、圧力濾過器16を少な
くとも2台並列に設置して、1台の圧力濾過器の逆洗浄
中、他の圧力濾過器を運転することにより、連続的に圧
力濾過することができる。
【0030】以上、説明したように、被濾過液は、先
ず、前濾過装置12に流入する。前濾過装置12では、
被濾過液は、粗濾過されて、主として比較的粒径が大き
く、比重の大きな固形物が捕捉、分離される。一方、固
形物濃度が低くなった一次濾過液は、高水頭(静圧)で
流出し、ポンプ等の流体機器の補助なしに次の圧入タン
ク装置14に流入する。圧入タンク装置14に流入した
一次濾過液は、空気圧の作用により、ポンプ等の流体機
器の補助なしに、次の圧力濾過器16に流入し、一次濾
過液中の固形物が捕捉されると共に清澄な濾過液とな
る。本実施形態例では、被濾過液は、通常の工場には必
ず設備されている空気源から得られる空気圧と被濾過液
ポンプ28の動力のみで、前濾過装置12及び圧力濾過
器16を通過して、濾過されることができる。よって、
ポンプ等の回転機器の台数が少なく、メンテナンスが容
易で設備の保守費が少なくて済む。
【0031】本実施形態例では、前濾過装置として上向
流式凝集沈殿装置を例にして説明したが、これに限るこ
となく、砂濾過装置や長繊維濾過器等の濾過装置を使用
しても良い。また、一台の圧力濾過器を設けているが、
複数台の圧力濾過器を並列に、又は並列で直列に設けて
もよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、前処理装置と、圧入タ
ンク装置と、圧力濾過器とを備え、一次処理液の圧力
(動圧+静圧)、又は水頭(静圧)により、ポンプ等の
流体機器の駆動を受けることなく圧入タンク装置に一次
処理液を前処理装置から流出させるようにすることによ
り、圧入タンクへの一次処理液の流入、圧入タンクから
圧力濾過器への送液に際し、高圧の流体ポンプを必要し
ない、圧力濾過装置を実現することができる。これによ
り、圧力濾過装置の機器構成が簡易になり、運転が容易
になると共に、高圧流体ポンプの設置に伴うメンテナン
スの労力、設備費、運転費を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の圧力濾過装置の構成を示すブロッ
ク・フローシートである。
【図2】実施形態例の圧力濾過装置の前濾過装置の構成
を示すフローシートである。
【図3】凝集沈殿槽の構成を示す模式的断面図である。
【図4】接触材の斜視図である。
【図5】実施形態例の圧力濾過装置の圧入タンク装置及
び圧力濾過器の構成を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 実施形態例の圧力濾過装置 12 前濾過装置 14 圧入タンク装置 16 圧力濾過器 18 被濾過液の導入手段 20 凝集剤の添加手段 22 混和槽 24 凝集沈殿槽 26 原液槽 28 被濾過液ポンプ 30 濁度計 32 凝集剤槽 34 被濾過液供給管 36 凝集剤ポンプ 38 攪拌機 40 流入管 41 流入ゾーン 42 接触材集積ゾーン 43 集水ゾーン 44、45 流出防止板 46 接触材 47 接触材集積層 48 集水部 49 集水トラフ 50、50A 流出管 51 変流板 52 アルカリ剤注入管 53 汚泥貯留ゾーン 54 排泥管 55 空気供給管 56 空気ブロア 57 中継槽 58 オーバーフロー管 60 圧入タンク 62 タンク流入管 64 タンク流出管 66 空気供給管 68 流入切り換え弁 70 流出切り換え弁 72 空気供給切り換え弁 74 下部液面スイッチ 76 上部液面スイッチ 78 開閉弁付きベントライン 79 圧力容器 80 集液室 82 一次濾過液室 84 隔板 86 外圧型中空糸膜モジュール 88 濾過器流入管 90 濾過液流出管 92 開閉弁付き逆洗浄排水管 94 開閉弁付き逆洗浄水管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液を粗処理して被処理液中の固形
    物を捕捉し、分離する一方、固形物濃度が低くなった一
    次処理液を流出させる前処理装置と、前処理装置から流
    入した一次処理液に気体圧を作用させて圧力濾過器に流
    入させる圧入タンク装置と、一次処理液を濾過する濾過
    面を有し、圧入タンク装置で作用する気体圧により一次
    処理液をして濾過面を通過させ、一次処理液中の固形物
    を濾過面で捕捉すると共に濾過液を流出する圧力濾過器
    とを備えた圧力濾過装置であって、 前処理装置は、前処理装置と圧入タンク装置との間で流
    体機器による駆動を受けることなく、圧入タンク装置に
    流出できる圧力(動圧+静圧)、又は水頭(静圧)を一
    次処理液に付与することを特徴とする圧力濾過装置。
  2. 【請求項2】 圧入タンク装置は、少なくとも2個の圧
    入タンクを有し、少なくとも一つの圧入タンクから一次
    処理液を流出させている間に、残りの圧入タンクのうち
    一次処理液の収容量が減少している少なくとも一つの圧
    入タンクに一次処理液を流入させ、 圧入タンクに一次処理液を流入させる際には、圧入タン
    クの圧力を一次処理液の流出時の圧入タンクの圧力より
    低くしていることを特徴とする請求項1に記載の圧力濾
    過装置。
  3. 【請求項3】 各圧入タンクは、上部液面スイッチ及び
    下部液面スイッチと、圧入タンクに接続された一次処理
    液流入管、一次処理液流出管及び気体供給管にそれぞれ
    設けられ、上部液面スイッチ及び下部液面スイッチの動
    作に連動したアクチュエータ駆動により開閉する切り換
    え弁とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の
    圧力濾過装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005519202A (ja) * 2002-03-08 2005-06-30 デー エル エム ドクトル ミュラー アクチェンゲゼルシャフト クロロアルカリ電解において使用するための原料塩水を連続的に濾過する方法

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JP2005519202A (ja) * 2002-03-08 2005-06-30 デー エル エム ドクトル ミュラー アクチェンゲゼルシャフト クロロアルカリ電解において使用するための原料塩水を連続的に濾過する方法

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