JP2000155380A - レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法 - Google Patents

レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法

Info

Publication number
JP2000155380A
JP2000155380A JP10347968A JP34796898A JP2000155380A JP 2000155380 A JP2000155380 A JP 2000155380A JP 10347968 A JP10347968 A JP 10347968A JP 34796898 A JP34796898 A JP 34796898A JP 2000155380 A JP2000155380 A JP 2000155380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
image
sheet
dimensional
stereoscopic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10347968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3038329B1 (ja
Inventor
Takashi Arai
井 孝 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP10347968A priority Critical patent/JP3038329B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3038329B1 publication Critical patent/JP3038329B1/ja
Publication of JP2000155380A publication Critical patent/JP2000155380A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明は、新たな製造方法により製造さ
れる立体視又は可変視用のレンチキュラーレンズを提供
すると共に、そのレンズを用いた新たな立体又は可変印
刷物とその製造方法を提供すること。 【解決手段】 立体視又は可変視用の画像2と、該画像
2が見えるように配設されたシート状基材1と、該基材
1の表面に、所定間隔kを保ってレンズ形成用インクを
凸条状に列設し、前記各インク列3がその表面張力と重
力の作用により変形して形成される凸レンズ状列4を硬
化させて形成した凸レンズ部5とから成ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体視又は可変視
(チェンジング)用の新規なレンチキュラーレンズとそ
のレンズを用いた立体又は可変印刷物及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、印刷等により平面的に視覚表
現された絵や図柄等の画像(以下、「立体視用の画像」
という)をレンチキュラーレンズを用いて立体的に視認
できるようにした立体印刷物はよく知られている。この
立体印刷物は、左右の目で像を結ぶことができる立体視
用の画像をレンチキュラーレンズの微細な凸レンズ列と
同じ間隔(ピッチ)で線状に配列し、立体画像として認
識することができるようにしたものである。
【0003】また、レンチキュラーレンズに、2種類又
は3種類以上の絵や図柄等をこのレンズの微細な凸レン
ズ列の間隔(ピッチ)に合わせて交互に又は種類順に繰
り返して短冊状に合成した画像(以下、「可変視用の画
像」という。)を配設し、見る角度によって2種類又は
数種類の異なる絵柄が見えるようにした可変印刷物もよ
く知られている。
【0004】従来の立体印刷物や可変印刷物は、主にレ
ンチキュラーレンズの裏面に、立体視又は可変視用の画
像が印刷されているシート材を貼り合わせる方法で製造
されていた。また、これら立体又は可変印刷物に用いら
れるレンチキュラーレンズは、一般的には、融解した合
成樹脂を射出成型する方法や樹脂板と型を当接させこれ
を加熱,加圧することにより型の表面の凹凸形状を転写
する押圧成型法により製造されていた。
【0005】しかし乍ら、立体視用の画像がレンチキュ
ラーレンズの微細な凸レンズ列と同じ間隔で配列されて
いないと鮮明な画像として認識することができないた
め、従来の立体印刷物の製造方法では、貼り合わせの際
にレンチキュラーレンズの個々の凸レンズと、シート材
に印刷されている立体視用の画像とを正確に合致させる
ための精度の高い作業が必要とされ、手間がかかり過ぎ
て立体印刷物を大量かつ安価に製造することができない
という問題があった。因みに、従来の立体印刷物の製造
方法では、小間隔で印刷形成された右眼用画像と同じく
小間隔で印刷形成された左眼用画像とを合成して形成さ
れる立体視用の画像の個々の画像列の間にできるきわめ
て細い、0.1mm程度の隙間を目印とし、そこにレンチキ
ュラーレンズの各凸レンズ列の間隔を合わせることによ
り、貼り合わせのときの位置合わせを行っていた。
【0006】上記問題は、可変視用の画像が印刷されて
いるシート材に、レンチキュラーレンズを貼り合わせて
製造する可変印刷物においても同様にあった。また、こ
れら従来の立体又は可変印刷物の製造方法では貼り合わ
せるときに、立体視又は可変視用の画像が印刷されてい
るシート材、又は、レンズシートに伸縮等が発生するこ
ともあって、立体視又は可変視用の画像と凸レンズとの
位置ズレが生じ易いという問題もあった。
【0007】そこで、上記従来の製造方法による立体印
刷物に代えて、レンチキュラーレンズの裏面に直接、絵
や図柄等の立体視用の画像を印刷する方法や、印刷によ
る平面的な絵や図柄等の視覚表現の上に透明な下層樹脂
部を介在させてレンチキュラーレンズを形成する方法に
より製造される立体印刷物が提案されている。前者の例
としては、特開平8−90896号公報に、凸版印刷方
式によりレンチキュラーレンズの裏面に直接、立体画像
の素地となる図柄を印刷して成る立体印刷物が開示され
ている。
【0008】また、後者の例としては、特公平7−66
155号公報に、印刷による平面的な絵や図柄等の視覚
表現の表面に透明な下層樹脂部を形成し、該樹脂部表面
の所定位置に所定間隔でレンズ形成用区画線を印刷する
と共に、この区画線と相溶性のない透明なレンズ形成用
樹脂を下層樹脂部表面に塗布し、レンズ形成用区画線と
レンズ形成用樹脂との不相溶性によるハジキとレンズ形
成用樹脂の表面張力を利用して、レンズ形成用樹脂を、
隣設する区画線相互間にそれぞれ凸レンズ状にして配列
し、これを硬化させて透明な複数のレンズ部を形成して
なるレンズ付印刷物の製造方法とその印刷物が開示され
ている。
【0009】しかし乍ら、上記特開平8−90896号
公報に開示されている立体印刷物は、その製造に際し、
別途レンチキュラーレンズを用意しておく必要がある上
に、立体視用の画像を印刷するとき、隣接する凸レンズ
の間隔に合わせて印刷設定を行って位置合わせをする必
要があるためその製造に手間がかかるといった問題があ
った。
【0010】また、上記特公平7−66155号公報に
開示されている立体印刷物は、下層樹脂部表面にレンズ
形成用区画線を印刷する工程が必要になる上に、レンズ
形成用樹脂が区画線と相溶性のないものに限定されると
いった問題や、レンズ形成用区画線とレンズ形成用樹脂
との不相溶性によるハジキがレンズシート全面に亘って
均一に行われ難いといった問題もあった。
【0011】更に、特公平6−64424号公報には、
可変印刷物の一例が開示されているが、この印刷物も可
変視用の画像に合わせて、レンチキュラーレンズを貼り
合わせることにより製造される構成のもので、上記特開
平8−90896号公報に開示されている立体印刷物と
同様の問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
立体又は可変印刷物とその製造方法における問題点に鑑
み、新たな製造方法により製造される立体視又は可変視
用のレンチキュラーレンズを提供すると共に、そのレン
ズを用いた新たな立体又は可変印刷物とその製造方法を
提供することを、その課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明のレンチキュラーレンズの
構成は、立体視又は可変視用の画像が見えるように配設
されたシート状基材の表面に、所定間隔を保ってレンズ
形成用インクを凸条状に列設し、前記各インク列がその
表面張力と重力の作用により変形して形成される凸レン
ズ状列を硬化させたことを特徴とするものであり、ま
た、本発明の立体又は可変印刷物の構成は、立体視又は
可変視用の画像と、該画像が見えるように配設されたシ
ート状基材と、該基材の表面に、所定間隔を保ってレン
ズ形成用インクを凸条状に列設し、前記各インク列がそ
の表面張力と重力の作用により変形して形成される凸レ
ンズ状列を硬化させて形成した凸レンズ部とから成るこ
とを特徴とするものであり、更に、本発明の立体又は可
変印刷物の製造方法の構成は、シート状基材に立体視又
は可変視用の画像をこの画像が見えるように配設し、該
画像に合わせて、前記基材の表面に、所定間隔を保って
レンズ形成用インクを凸条状に列設すると共に、前記各
インク列がその表面張力と重力の作用により変形して形
成される凸レンズ状列を硬化させて凸レンズ部を形成す
ることを特徴とするものであり、更には、本発明の立体
又は可変印刷物の製造方法の別の構成は、透明なシート
状基材の表面に、所定間隔を保ってレンズ形成用インク
を凸条状に列設すると共に、前記各インク列がその表面
張力と重力の作用により変形して形成される凸レンズ状
列を硬化させて凸レンズ部を形成し、該レンズ部に合わ
せて、前記基材の裏面に立体視又は可変視用の画像を配
設することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図によ
り説明する。なお、本発明可変印刷物は、本発明立体印
刷物における立体視用の画像を、可変視用の画像に変更
したもので、その製造方法も立体印刷物の製造方法と略
同じであるので、以下、本発明立体印刷物とその製造方
法の実施の形態を中心に本発明を説明する。
【0015】図1は本発明立体印刷物の一例の製造工程
における裏面に立体視用画像を配設したシート状基材の
拡大断面図、図2は図1のシート状基材の表面にレンズ
形成用インクが凸条状に列設された状態を示す拡大断面
図、図3は図2の各インク列が凸レンズ状列に変形した
状態を示す拡大断面図、図4は図3の凸レンズ状列が硬
化されて凸レンズ部に形成された状態を示す拡大断面
図、図5は本発明立体印刷物の別例の拡大断面図であ
る。
【0016】図1〜図4は、本発明立体印刷物の一例の
製造工程を段階的に示すものである。これらの図におい
て、1はシート状基材、2はこのシート状基材1の裏面
に配設した立体視用の画像である。シート状基材1は、
ポリエチレンテレフタレート(PET),アクリル樹
脂、ポリプロピレン、ポリエステル等の透明なプラスチ
ック製のフィルム又はシートであり、硬質の薄板状のも
のであってもよい。なお、シート状基材1には、透明な
基材、例えば透明な薄いガラス板を使用することもでき
る。
【0017】立体視用の画像2をシート状基材1の裏面
に設けるには、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bが複
数並設されて構成される立体視用の画像2を、オフセッ
ト印刷等の適宜の印刷手段によりシート状基材1の裏面
に印刷することにより設ける。これ以外に、適宜の転写
シートの一面に上記の立体視用の画像2を予め印刷等に
より設けておき、その転写シートをシート状基材1の裏
面に当てがって立体視用の画像2を転写するようにして
もよい。
【0018】図2は、図1のシート状基材1の表面にレ
ンズ形成用インクを凸条状に列設した状態を示してい
る。3は凸条状に列設された各インク列で、この各イン
ク列3は、ここではスクリーン印刷によりシート状基材
1の裏面に設けた立体視用の画像2に合わせて印刷する
ことにより設けられる。なお、各インク列3をシート状
基材1の表面に凸条状に列設できるのであれば、スクリ
ーン印刷以外の他の印刷手段を用いることもできる。
【0019】各インク列3を、シート状基材1の裏面に
設けた立体視用の画像2に合わせて印刷するのは、各イ
ンク列3が後述するように、変形して複数のシリンダー
状の凸レンズ部に形成されたとき、個々の凸レンズ部
が、図に例示した立体視用の画像2を構成する複数の並
設された一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bにそれぞれ
跨るように配設するためである。なお、同じシート状基
材1に対し、印刷により、裏面に立体視用の画像2を、
表面に各インク列3をそれぞれ設けるときは、印刷設定
が簡単で、色合わせ,位置合わせをするだけで、精度の
高い立体印刷物を製造することができる。
【0020】凸条状に列設された各インク列3はその幅
dと高さh、及び、隣接するインク列間の距離kが、こ
のインク列3が変形して形成される凸レンズ部の形態
(大きさや弯曲率等)を決定するための一つの要因とな
る。この各インク列3の幅dと高さh及びインク列3間
の距離kは、図2に示したように各インク列3をスクリ
ーン印刷による印刷手段を用いて列設する場合は、スク
リーンSKに設けられたスリットSの幅FとスクリーンSK
の膜厚T、及び、隣接するスリットS間の間隔Kにより
決定される。従って、スクリーンSKを取り換えるだけ
で、各インク列3の幅dと高さh及びインク列3間の距
離kを、立体視用の画像2に合わせ所望の大きさに調節
することができる。例えば、一対の右眼用画像2aと左眼
用画像2bから構成される一つの立体視用の画像2の幅が
0.5mmの場合、隣接するスリットS間の間隔Kが0.5mm、
膜厚Tが0.3mm、スリットSの幅Fが0.3mmのスクリーン
SKを使用するなどのように選択できる。なお、スクリー
ンSKにおける隣接するスリットS間の間隔Kは0.5mm以外
に、立体視用の画像2の幅に合わせて0.7mm,0.6mm,0.
4mm,0.3mm,0.25mmなどのように任意に設定することが
でき、膜厚TやスリットSの幅Fもこの間隔Kに合わせ
て適宜変更することができる。なお、形成される凸レン
ズの形態を決定する要因は、これらの数値以外に、使用
するレンズ形成用インクの表面張力や硬さの度合い、粘
度、硬化時の収縮率などもある。従って、使用するレン
ズ形成用インクとスクリーンSKは、立体視用の画像2を
考慮し、慎重に選択する必要がある。レンズ形成用イン
クとしては、例えば、ウレタンアクリレート系、UV硬
化系樹脂等がある。
【0021】図3は、図2に示した凸条状に列設された
各インク列3が、シート状基材1の表面において、その
インクの表面張力と重力の作用によって凸レンズ状列4
に変形した状態を示している。即ち、印刷直後はインク
はまだ軟らかく固まっていないため、各インク列3はそ
の表面張力によってその上部の角が丸められるように変
形すると同時に、重力によって両側に裾が広がるように
押し下げられるので、凸レンズ列状4に変形することと
なる。図3に示した凸レンズ状列4の状態では、まだイ
ンクは固まっていないため、図4に示したように紫外線
を照射(UV照射)し硬化させて凸レンズ部5に形成す
る。なお、硬化手段は、使用するレンズ形成用インクと
の関係で、他の硬化手段、例えば加熱、乾燥による溶媒
除去、電子線照射等の手段が用いられる。
【0022】図4に示した立体印刷物は、上記の通り、
シート状基材1の裏面に立体視用の画像2を配設した
後、シート状基材1の表面にスクリーン印刷によりレン
ズ形成用インクを凸条状に列設し、これが凸レンズ状列
4に変形した後硬化させて製造したが、この構成の立体
印刷物は、先にシート状基材1の表面にレンズ形成用イ
ンクをスクリーン印刷等の適宜の印刷手段等により凸条
状に列設し、これが上記実施例のものと同様に凸レンズ
状列4に変形した後硬化させて凸レンズ部5を形成して
からこのシート状基材1の裏面に、凸レンズ部5に合わ
せてオフセット印刷等の適宜の印刷手段等により立体視
用の画像2を設ける方法で製造することもできる。
【0023】図4に示した立体印刷物は、立体視用の画
像2をシート状基材1の裏面に配設したが、立体視用の
画像2は、シート状基材1に中間層として予め設けられ
ているものであってもよい。
【0024】次に、図5により、本発明立体印刷物の別
例について説明する。なお、図5において、図1〜図4
に示したものと同一の符号は、同一の部材を示してい
る。
【0025】図5に示した立体印刷物は、シート状基材
1′の表面に立体視用の画像2を配設した後、その画像
2の表面に凸レンズ部5を形成して成る構成のものであ
る。このシート状基材1′は、図4の立体印刷物のシー
ト状基材1と同様に、ポリエチレンテレフタレート(P
ET),アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル
等のプラスチック製のフィルム又はシート、若しくは、
硬質の薄板状のものを使用できるが、透明でなくてもよ
い。シート状基材1′に不透明なものを使用できるの
は、図4の立体印刷物では、透明なシート状基材1が凸
レンズ部5と立体視用の画像2との間にあって凸レンズ
の焦点距離を伸ばし、より立体感を高める作用をするの
に対し、図5の立体印刷物では、シート状基材1′はこ
のような作用をしないからである。従って、図5の立体
印刷物では、シート状基材1′に不透明な、例えば紙や
合成紙、着色されたプラスチック製のフィルム又はシー
トなどを使用することもでき、また、薄いガラス板も使
用できる。なお、シート状基材1′として紙や合成紙を
用いる場合は、その表面にインクが染み込まないような
コート処理等を施しておくことが望ましい。
【0026】図5に示した立体印刷物は、シート状基材
1′の表面に、オフセット印刷等の適宜の印刷手段等に
より立体視用の画像2を配設した後、その画像2の表面
に、この画像2に合わせて、スクリーン印刷等の適宜の
印刷手段等を用いて、図2に示したのと同様にレンズ形
成用インクを凸条状に列設し、形成された各インク列3
がインクの表面張力と重力により変形し、凸レンズ状列
4になったとき、これらを図4に示したのと同様に、紫
外線照射等の適宜の硬化手段を用いて硬化させ、凸レン
ズ部5に形成することにより製造される。
【0027】図5に示した立体印刷物は、図4に示した
立体印刷物と比較し、凸レンズ部5が立体視用の画像2
の表面に形成されているため、立体感は多少劣るもの
の、立体視は十分可能であるから、例えば、雑誌の綴じ
込みシートや新聞等の折り込み広告などとして使用する
ことができ、他と差別化を図ることができる。
【0028】本発明の立体印刷物とその製造方法の構成
は、上記の通りであるが、立体印刷物の裏面に接着剤又
は粘着剤層を設け、更にそれら接着剤又は粘着剤層に剥
離可能に剥離紙を貼着して設ける構成にすることもでき
る。その場合は、家具や部屋の壁面などに、また、各種
電気機器とか、鞄,PHSや携帯電話等の通信機器など
の所望のところに立体印刷物を貼り付けて使用すること
ができる。この点は、本発明の可変印刷物についても同
様である。
【0029】なお、本発明のレンチキュラーレンズにつ
いては、上記説明中において特に例を挙げて説明しなか
ったが、このレンズの構成は上記図1〜図5とそれらの
説明中において示されている。即ち、本発明レンチキュ
ラーレンズは、図1〜図4に示した方法で製造されるも
のであるが、それらにおいて立体視用の画像2が特定さ
れていないか又は設けられていない構成のものをいう。
なお、この本発明レンチキュラーレンズは、立体視又は
可変視用の画像が後から貼り付けられる場合があること
を考慮したもので、従来の製造方法による立体又は可変
印刷物の製造方法においても勿論使用することができ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の通りであって、本発明に
よれば、従来とは全く異なる方法で製造される大量生産
が可能な新規な立体視又は可変視用のレンチキュラーレ
ンズを提供することができると共に、そのレンズを立体
視又は可変視用の画像が見えるように配設されたシート
状基材に適用して、立体又は可変印刷物を安価かつ大量
に製造することができる。
【0031】しかも、本発明では、同じシート状基材に
対し、同じ印刷という手段を用いて立体視又は可変視用
の画像とレンチキュラーレンズを形成することができる
ので、印刷の設定が簡単でズレが生じることがなく、き
わめて精度の高い立体又は可変印刷物を製造提供できる
という従来にない優れた効果が得られる。
【0032】更に、本発明では、凸レンズ部となる各イ
ンク列をスクリーン印刷により列設する場合は、使用す
るスクリーンを取り換えるだけで所望の形態の凸レンズ
部を形成することができるという独自の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明立体印刷物の一例の製造工程における裏
面に立体視用画像を配設したシート状基材の拡大断面
図。
【図2】図1のシート状基材の表面にレンズ形成用イン
クが凸条状に列設された状態を示す拡大断面図。
【図3】図2の各インク列が凸レンズ状列に変形した状
態を示す拡大断面図。
【図4】図3の凸レンズ状列が硬化されて凸レンズ部に
形成された状態を示す拡大断面図。
【図5】本発明立体印刷物の別例の拡大断面図。
【符号の説明】
1,1′ シート状基材 2 立体視用の画像 3 各インク列 4 凸レンズ状列 5 凸レンズ部 SK スクリーン S スリット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月3日(1999.12.
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 レンチキュラーレンズの製造方法及
び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製
造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体視又は可変視
(チェンジング)用の新規なレンチキュラーレンズの製
造方法とそのレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、印刷等により平面的に視覚表
現された絵や図柄等の画像(以下、「立体視用の画像」
という)をレンチキュラーレンズを用いて立体的に視認
できるようにした立体印刷物はよく知られている。この
立体印刷物は、左右の目で像を結ぶことができる立体視
用の画像をレンチキュラーレンズの微細な凸レンズ列と
同じ間隔(ピッチ)で線状に配列し、立体画像として認
識することができるようにしたものである。
【0003】また、レンチキュラーレンズに、2種類又
は3種類以上の絵や図柄等をこのレンズの微細な凸レン
ズ列の間隔(ピッチ)に合わせて交互に又は種類順に繰
り返して短冊状に合成した画像(以下、「可変視用の画
像」という。)を配設し、見る角度によって2種類又は
数種類の異なる絵柄が見えるようにした可変印刷物もよ
く知られている。
【0004】従来の立体印刷物や可変印刷物は、主にレ
ンチキュラーレンズの裏面に、立体視又は可変視用の画
像が印刷されているシート材を貼り合わせる方法で製造
されていた。また、これら立体又は可変印刷物に用いら
れるレンチキュラーレンズは、一般的には、融解した合
成樹脂を射出成型する方法や樹脂板と型を当接させこれ
を加熱,加圧することにより型の表面の凹凸形状を転写
する押圧成型法により製造されていた。
【0005】しかし乍ら、立体視用の画像がレンチキュ
ラーレンズの微細な凸レンズ列と同じ間隔で配列されて
いないと鮮明な画像として認識することができないた
め、従来の立体印刷物の製造方法では、貼り合わせの際
にレンチキュラーレンズの個々の凸レンズと、シート材
に印刷されている立体視用の画像とを正確に合致させる
ための精度の高い作業が必要とされ、手間がかかり過ぎ
て立体印刷物を大量かつ安価に製造することができない
という問題があった。因みに、従来の立体印刷物の製造
方法では、小間隔で印刷形成された右眼用画像と同じく
小間隔で印刷形成された左眼用画像とを合成して形成さ
れる立体視用の画像の個々の画像列の間にできるきわめ
て細い、0.1mm程度の隙間を目印とし、そこにレンチキ
ュラーレンズの各凸レンズ列の間隔を合わせることによ
り、貼り合わせのときの位置合わせを行っていた。
【0006】上記問題は、可変視用の画像が印刷されて
いるシート材に、レンチキュラーレンズを貼り合わせて
製造する可変印刷物においても同様にあった。また、こ
れら従来の立体又は可変印刷物の製造方法では貼り合わ
せるときに、立体視又は可変視用の画像が印刷されてい
るシート材、又は、レンズシートに伸縮等が発生するこ
ともあって、立体視又は可変視用の画像と凸レンズとの
位置ズレが生じ易いという問題もあった。
【0007】そこで、上記従来の製造方法による立体印
刷物に代えて、レンチキュラーレンズの裏面に直接、絵
や図柄等の立体視用の画像を印刷する方法や、印刷によ
る平面的な絵や図柄等の視覚表現の上に透明な下層樹脂
部を介在させてレンチキュラーレンズを形成する方法に
より製造される立体印刷物が提案されている。前者の例
としては、特開平8−90896号公報に、凸版印刷方
式によりレンチキュラーレンズの裏面に直接、立体画像
の素地となる図柄を印刷して成る立体印刷物が開示され
ている。
【0008】また、後者の例としては、特公平7−66
155号公報に、印刷による平面的な絵や図柄等の視覚
表現の表面に透明な下層樹脂部を形成し、該樹脂部表面
の所定位置に所定間隔でレンズ形成用区画線を印刷する
と共に、この区画線と相溶性のない透明なレンズ形成用
樹脂を下層樹脂部表面に塗布し、レンズ形成用区画線と
レンズ形成用樹脂との不相溶性によるハジキとレンズ形
成用樹脂の表面張力を利用して、レンズ形成用樹脂を、
隣設する区画線相互間にそれぞれ凸レンズ状にして配列
し、これを硬化させて透明な複数のレンズ部を形成して
なるレンズ付印刷物の製造方法とその印刷物が開示され
ている。
【0009】しかし乍ら、上記特開平8−90896号
公報に開示されている立体印刷物は、その製造に際し、
別途レンチキュラーレンズを用意しておく必要がある上
に、立体視用の画像を印刷するとき、隣接する凸レンズ
の間隔に合わせて印刷設定を行って位置合わせをする必
要があるためその製造に手間がかかるといった問題があ
った。
【0010】また、上記特公平7−66155号公報に
開示されている立体印刷物は、下層樹脂部表面にレンズ
形成用区画線を印刷する工程が必要になる上に、レンズ
形成用樹脂が区画線と相溶性のないものに限定されると
いった問題や、レンズ形成用区画線とレンズ形成用樹脂
との不相溶性によるハジキがレンズシート全面に亘って
均一に行われ難いといった問題もあった。
【0011】更に、特公平6−64424号公報には、
可変印刷物の一例が開示されているが、この印刷物も可
変視用の画像に合わせて、レンチキュラーレンズを貼り
合わせることにより製造される構成のもので、上記特開
平8−90896号公報に開示されている立体印刷物と
同様の問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
立体又は可変印刷物の製造方法における問題点に鑑み、
立体視又は可変視用の新たなレンチキュラーレンズの製
造方法を提供すると共に、そのレンズを用いた新たな立
体又は可変印刷物の製造方法を提供することを、その課
題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明のレンチキュラーレンズの
製造方法の構成は、立体視又は可変視用の画像が見える
ように配設されたシート状基材の表面に、レンズ形成用
インクを印刷により所定間隔を保って凸条状に列設し、
前記各インク列をその表面張力と重力の作用により凸レ
ンズ状列に変形させたあと、UV照射等の硬化手段によ
り硬化させることを特徴とするものであり、また、本発
明の立体又は可変印刷物の製造方法の構成は、シート状
基材に立体視又は可変視用の画像をこの画像が見えるよ
うに配設し、該画像に合わせて、前記基材の表面に、レ
ンズ形成用インクを印刷により所定間隔を保って凸条状
に列設し、前記各インク列をその表面張力と重力の作用
により凸レンズ状列に変形させたあと、UV照射等の硬
化手段により硬化させて凸レンズ部を形成することを特
徴とするものであり、更に、本発明の立体又は可変印刷
物の製造方法の別の構成は、透明なシート状基材の表面
に、レンズ形成用インクを印刷により所定間隔を保って
凸条状に列設し、前記各インク列をその表面張力と重力
の作用により凸レンズ状列に変形させたあと、UV照射
等の硬化手段により硬化させて凸レンズ部を形成し、該
レンズ部に合わせて、前記基材の裏面に立体視又は可変
視用の画像を配設することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図によ
り説明する。なお、本発明による可変印刷物は、本発明
による立体印刷物における立体視用の画像を、可変視用
の画像に変更したもので、その製造方法も立体印刷物の
製造方法と略同じであるので、以下、本発明の立体印刷
物の製造方法の実施の形態を中心に本発明を説明する。
【0015】図1は本発明による立体印刷物の一例の製
造工程における裏面に立体視用画像を配設したシート状
基材の拡大断面図、図2は図1のシート状基材の表面に
レンズ形成用インクが凸条状に列設された状態を示す拡
大断面図、図3は図2の各インク列が凸レンズ状列に変
形した状態を示す拡大断面図、図4は図3の凸レンズ状
列が硬化されて凸レンズ部に形成された状態を示す拡大
断面図、図5は本発明による立体印刷物の別例の拡大断
面図である。
【0016】図1〜図4は、本発明による立体印刷物の
一例の製造工程を段階的に示すものである。これらの図
において、1はシート状基材、2はこのシート状基材1
の裏面に配設した立体視用の画像である。シート状基材
1は、ポリエチレンテレフタレート(PET),アクリ
ル樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル等の透明なプラ
スチック製のフィルム又はシートであり、硬質の薄板状
のものであってもよい。なお、シート状基材1には、透
明な基材、例えば透明な薄いガラス板を使用することも
できる。
【0017】立体視用の画像2をシート状基材1の裏面
に設けるには、一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bが複
数並設されて構成される立体視用の画像2を、オフセッ
ト印刷等の適宜の印刷手段によりシート状基材1の裏面
に印刷することにより設ける。これ以外に、適宜の転写
シートの一面に上記の立体視用の画像2を予め印刷等に
より設けておき、その転写シートをシート状基材1の裏
面に当てがって立体視用の画像2を転写するようにして
もよい。
【0018】図2は、図1のシート状基材1の表面にレ
ンズ形成用インクを凸条状に列設した状態を示してい
る。3は凸条状に列設された各インク列で、この各イン
ク列3は、ここではスクリーン印刷によりシート状基材
1の裏面に設けた立体視用の画像2に合わせて印刷する
ことにより設けられる。なお、各インク列3をシート状
基材1の表面に凸条状に列設できるのであれば、スクリ
ーン印刷以外の他の印刷手段を用いることもできる。
【0019】各インク列3を、シート状基材1の裏面に
設けた立体視用の画像2に合わせて印刷するのは、各イ
ンク列3が後述するように、変形して複数のシリンダー
状の凸レンズ部に形成されたとき、個々の凸レンズ部
が、図に例示した立体視用の画像2を構成する複数の並
設された一対の右眼用画像2aと左眼用画像2bにそれぞれ
跨るように配設するためである。なお、同じシート状基
材1に対し、印刷により、裏面に立体視用の画像2を、
表面に各インク列3をそれぞれ設けるときは、印刷設定
が簡単で、色合わせ,位置合わせをするだけで、精度の
高い立体印刷物を製造することができる。
【0020】凸条状に列設された各インク列3はその幅
dと高さh、及び、隣接するインク列間の距離kが、こ
のインク列3が変形して形成される凸レンズ部の形態
(大きさや弯曲率等)を決定するための一つの要因とな
る。この各インク列3の幅dと高さh及びインク列3間
の距離kは、図2に示したように各インク列3をスクリ
ーン印刷による印刷手段を用いて列設する場合は、スク
リーンSKに設けられたスリットSの幅FとスクリーンSK
の膜厚T、及び、隣接するスリットS間の間隔Kにより
決定される。従って、スクリーンSKを取り換えるだけ
で、各インク列3の幅dと高さh及びインク列3間の距
離kを、立体視用の画像2に合わせ所望の大きさに調節
することができる。例えば、一対の右眼用画像2aと左眼
用画像2bから構成される一つの立体視用の画像2の幅が
0.5mmの場合、隣接するスリットS間の間隔Kが0.5mm、
膜厚Tが0.3mm、スリットSの幅Fが0.3mmのスクリーン
SKを使用するなどのように選択できる。なお、スクリー
ンSKにおける隣接するスリットS間の間隔Kは0.5mm以外
に、立体視用の画像2の幅に合わせて0.7mm,0.6mm,0.
4mm,0.3mm,0.25mmなどのように任意に設定することが
でき、膜厚TやスリットSの幅Fもこの間隔Kに合わせ
て適宜変更することができる。なお、形成される凸レン
ズの形態を決定する要因は、これらの数値以外に、使用
するレンズ形成用インクの表面張力や硬さの度合い、粘
度、硬化時の収縮率などもある。従って、使用するレン
ズ形成用インクとスクリーンSKは、立体視用の画像2を
考慮し、慎重に選択する必要がある。レンズ形成用イン
クとしては、例えば、ウレタンアクリレート系、UV硬
化系樹脂等がある。
【0021】図3は、図2に示した凸条状に列設された
各インク列3が、シート状基材1の表面において、その
インクの表面張力と重力の作用によって凸レンズ状列4
に変形した状態を示している。即ち、印刷直後はインク
はまだ軟らかく固まっていないため、各インク列3はそ
の表面張力によってその上部の角が丸められるように変
形すると同時に、重力によって両側に裾が広がるように
押し下げられるので、凸レンズ列状4に変形することと
なる。図3に示した凸レンズ状列4の状態では、まだイ
ンクは固まっていないため、図4に示したように紫外線
を照射(UV照射)し硬化させて凸レンズ部5に形成す
る。なお、硬化手段は、使用するレンズ形成用インクと
の関係で、他の硬化手段、例えば加熱、乾燥による溶媒
除去、電子線照射等の手段が用いられる。
【0022】図4に示した立体印刷物は、上記の通り、
シート状基材1の裏面に立体視用の画像2を配設した
後、シート状基材1の表面にスクリーン印刷によりレン
ズ形成用インクを凸条状に列設し、これが凸レンズ状列
4に変形した後硬化させて製造したが、この構成の立体
印刷物は、先にシート状基材1の表面にレンズ形成用イ
ンクをスクリーン印刷等の適宜の印刷手段等により凸条
状に列設し、これが上記実施例のものと同様に凸レンズ
状列4に変形した後硬化させて凸レンズ部5を形成して
からこのシート状基材1の裏面に、凸レンズ部5に合わ
せてオフセット印刷等の適宜の印刷手段等により立体視
用の画像2を設ける方法で製造することもできる。
【0023】図4に示した立体印刷物は、立体視用の画
像2をシート状基材1の裏面に配設したが、立体視用の
画像2は、シート状基材1に中間層として予め設けられ
ているものであってもよい。
【0024】次に、図5により、本発明による立体印刷
物の別例について説明する。なお、図5において、図1
〜図4に示したものと同一の符号は、同一の部材を示し
ている。
【0025】図5に示した立体印刷物は、シート状基材
1′の表面に立体視用の画像2を配設した後、その画像
2の表面に凸レンズ部5を形成して成る構成のものであ
る。このシート状基材1′は、図4の立体印刷物のシー
ト状基材1と同様に、ポリエチレンテレフタレート(P
ET),アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル
等のプラスチック製のフィルム又はシート、若しくは、
硬質の薄板状のものを使用できるが、透明でなくてもよ
い。シート状基材1′に不透明なものを使用できるの
は、図4の立体印刷物では、透明なシート状基材1が凸
レンズ部5と立体視用の画像2との間にあって凸レンズ
の焦点距離を伸ばし、より立体感を高める作用をするの
に対し、図5の立体印刷物では、シート状基材1′はこ
のような作用をしないからである。従って、図5の立体
印刷物では、シート状基材1′に不透明な、例えば紙や
合成紙、着色されたプラスチック製のフィルム又はシー
トなどを使用することもでき、また、薄いガラス板も使
用できる。なお、シート状基材1′として紙や合成紙を
用いる場合は、その表面にインクが染み込まないような
コート処理等を施しておくことが望ましい。
【0026】図5に示した立体印刷物は、シート状基材
1′の表面に、オフセット印刷等の適宜の印刷手段等に
より立体視用の画像2を配設した後、その画像2の表面
に、この画像2に合わせて、スクリーン印刷等の適宜の
印刷手段等を用いて、図2に示したのと同様にレンズ形
成用インクを凸条状に列設し、形成された各インク列3
がインクの表面張力と重力により変形し、凸レンズ状列
4になったとき、これらを図4に示したのと同様に、紫
外線照射等の適宜の硬化手段を用いて硬化させ、凸レン
ズ部5に形成することにより製造される。
【0027】図5に示した立体印刷物は、図4に示した
立体印刷物と比較し、凸レンズ部5が立体視用の画像2
の表面に形成されているため、立体感は多少劣るもの
の、立体視は十分可能であるから、例えば、雑誌の綴じ
込みシートや新聞等の折り込み広告などとして使用する
ことができ、他と差別化を図ることができる。
【0028】本発明の立体印刷物の製造方法の構成は、
上記の通りであるが、立体印刷物の裏面に接着剤又は粘
着剤層を設け、更にそれら接着剤又は粘着剤層に剥離可
能に剥離紙を貼着して設ける構成にすることもできる。
その場合は、家具や部屋の壁面などに、また、各種電気
機器とか、鞄,PHSや携帯電話等の通信機器などの所
望のところに立体印刷物を貼り付けて使用することがで
きる。この点は、本発明の可変印刷物についても同様で
ある。
【0029】なお、本発明のレンチキュラーレンズの製
造方法については、上記説明中において特に例を挙げて
説明しなかったが、このレンズの構成は上記図1〜図5
とそれらの説明中において示されている。即ち、本発明
によるレンチキュラーレンズは、図1〜図4に示した方
法で製造されるものであるが、それらにおいて立体視用
の画像2が特定されていないか又は設けられていない構
成のものをいう。なお、この本発明によるレンチキュラ
ーレンズは、立体視又は可変視用の画像が後から貼り付
けられる場合があることを考慮したもので、従来の製造
方法による立体又は可変印刷物の製造方法においても勿
論使用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の通りであって、本発明に
よれば、レンチキュラーレンズを従来とは全く異なる大
量生産が可能な方法で製造することができると共に、そ
の方法により製造したレンズを立体視又は可変視用の画
像が見えるように配設されたシート状基材に適用して、
立体又は可変印刷物を安価かつ大量に製造することがで
きる。
【0031】しかも、本発明では、同じシート状基材に
対し、同じ印刷という手段を用いて立体視又は可変視用
の画像とレンチキュラーレンズを形成することができる
ので、印刷の設定が簡単でズレが生じることがなく、き
わめて精度の高い立体又は可変印刷物を製造提供できる
という従来にない優れた効果が得られる。
【0032】更に、本発明では、凸レンズ部となる各イ
ンク列をスクリーン印刷により列設する場合は、使用す
るスクリーンを取り換えるだけで所望の形態の凸レンズ
部を形成することができるという独自の効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による立体印刷物の一例の製造工程にお
ける裏面に立体視用画像を配設したシート状基材の拡大
断面図。
【図2】図1のシート状基材の表面にレンズ形成用イン
クが凸条状に列設された状態を示す拡大断面図。
【図3】図2の各インク列が凸レンズ状列に変形した状
態を示す拡大断面図。
【図4】図3の凸レンズ状列が硬化されて凸レンズ部に
形成された状態を示す拡大断面図。
【図5】本発明による立体印刷物の別例の拡大断面図。
【符号の説明】 1,1′ シート状基材 2 立体視用の画像 3 各インク列 4 凸レンズ状列 5 凸レンズ部 SK スクリーン S スリット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体視又は可変視用の画像が見えるよう
    に配設されたシート状基材の表面に、所定間隔を保って
    レンズ形成用インクを凸条状に列設し、前記各インク列
    がその表面張力と重力の作用により変形して形成される
    凸レンズ状列を硬化させたことを特徴とするレンチキュ
    ラーレンズ。
  2. 【請求項2】 立体視又は可変視用の画像と、該画像が
    見えるように配設されたシート状基材と、該基材の表面
    に、所定間隔を保ってレンズ形成用インクを凸条状に列
    設し、前記各インク列がその表面張力と重力の作用によ
    り変形して形成される凸レンズ状列を硬化させて形成し
    た凸レンズ部とから成ることを特徴とする立体又は可変
    印刷物。
  3. 【請求項3】 シート状基材に立体視又は可変視用の画
    像をこの画像が見えるように配設し、該画像に合わせ
    て、前記基材の表面に、所定間隔を保ってレンズ形成用
    インクを凸条状に列設すると共に、前記各インク列がそ
    の表面張力と重力の作用により変形して形成される凸レ
    ンズ状列を硬化させて凸レンズ部を形成することを特徴
    とする立体又は可変印刷物の製造方法。
  4. 【請求項4】 立体視又は可変視用の画像は、透明又は
    不透明なシート状基材の表面、又は、透明なシート状基
    材の裏面に配設した請求項3の立体又は可変印刷物の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 透明なシート状基材の表面に、所定間隔
    を保ってレンズ形成用インクを凸条状に列設すると共
    に、前記各インク列がその表面張力と重力の作用により
    変形して形成される凸レンズ状列を硬化させて凸レンズ
    部を形成し、該レンズ部に合わせて、前記基材の裏面に
    立体視又は可変視用の画像を配設することを特徴とする
    立体又は可変印刷物の製造方法。
JP10347968A 1998-11-24 1998-11-24 レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法 Expired - Fee Related JP3038329B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10347968A JP3038329B1 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10347968A JP3038329B1 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3038329B1 JP3038329B1 (ja) 2000-05-08
JP2000155380A true JP2000155380A (ja) 2000-06-06

Family

ID=18393842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10347968A Expired - Fee Related JP3038329B1 (ja) 1998-11-24 1998-11-24 レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3038329B1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002003136A1 (fr) * 2000-07-03 2002-01-10 Seiko Epson Corporation Procede de fabrication d'un ecran de transmission et ecran de transmission ainsi fabrique
JP3436261B2 (ja) 2001-06-06 2003-08-11 凸版印刷株式会社 立体又は可変印刷物
JP2005103908A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Fancs:Kk 視覚的な動的効果を有するシルクスクリーン印刷物及びその印刷方法
JP2008064938A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Toppan Printing Co Ltd レンズ付き印刷物
JP2011515239A (ja) * 2008-02-05 2011-05-19 セリグラフ インコーポレイテッド 向上した鮮明度および奥行きを有する画像を表示するための印刷物品
WO2011155445A1 (ja) * 2010-06-07 2011-12-15 新日鐵化学株式会社 レンチキュラレンズの製造方法、レンチキュラレンズ、光学素子、及び立体表示ディスプレイ
WO2011155409A1 (ja) * 2010-06-07 2011-12-15 新日鐵化学株式会社 レンチキュラレンズシート、その製造方法、及び光学素子
US8796352B2 (en) 2010-06-14 2014-08-05 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co., Ltd. Ultraviolet ray-curable resin composition used in inkjet printing and optical element obtained using same
CN109799558A (zh) * 2019-01-04 2019-05-24 广东晟琪科技股份有限公司 喷印式柱镜光栅板件、喷印式柱镜光栅3d画及其制作方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002003136A1 (fr) * 2000-07-03 2002-01-10 Seiko Epson Corporation Procede de fabrication d'un ecran de transmission et ecran de transmission ainsi fabrique
US6621637B2 (en) 2000-07-03 2003-09-16 Seiko Epson Corporation Method for manufacturing transmission screen and transmission screen
US6839178B2 (en) 2000-07-03 2005-01-04 Seiko Epson Corporation Method of producing a transmissive screen and the transmissive screen
JP3436261B2 (ja) 2001-06-06 2003-08-11 凸版印刷株式会社 立体又は可変印刷物
JP2005103908A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Fancs:Kk 視覚的な動的効果を有するシルクスクリーン印刷物及びその印刷方法
JP2008064938A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Toppan Printing Co Ltd レンズ付き印刷物
JP2011515239A (ja) * 2008-02-05 2011-05-19 セリグラフ インコーポレイテッド 向上した鮮明度および奥行きを有する画像を表示するための印刷物品
WO2011155445A1 (ja) * 2010-06-07 2011-12-15 新日鐵化学株式会社 レンチキュラレンズの製造方法、レンチキュラレンズ、光学素子、及び立体表示ディスプレイ
WO2011155409A1 (ja) * 2010-06-07 2011-12-15 新日鐵化学株式会社 レンチキュラレンズシート、その製造方法、及び光学素子
US9097822B2 (en) 2010-06-07 2015-08-04 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co., Ltd. Lenticular lens sheet and process for production thereof, and optical element
US8796352B2 (en) 2010-06-14 2014-08-05 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co., Ltd. Ultraviolet ray-curable resin composition used in inkjet printing and optical element obtained using same
CN109799558A (zh) * 2019-01-04 2019-05-24 广东晟琪科技股份有限公司 喷印式柱镜光栅板件、喷印式柱镜光栅3d画及其制作方法
CN109799558B (zh) * 2019-01-04 2022-02-22 广东晟琪科技股份有限公司 喷印式柱镜光栅板件、喷印式柱镜光栅3d画及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3038329B1 (ja) 2000-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6989931B2 (en) Lenticular optical system
EP0809816B1 (en) Lenticular optical system
CN108025583B (zh) 制造安全票证的方法及安全装置
US7359120B1 (en) Manufacture of display devices with ultrathin lens arrays for viewing interlaced images
US10889107B2 (en) Product alignment using a printed relief
US5460679A (en) Method for producing three-dimensional effect
US7307790B1 (en) Ultrathin lens arrays for viewing interlaced images
US20080112056A1 (en) Ultrathin lens arrays for viewing interlaced images with dual lens structures
DE102011083940A1 (de) Gedruckte längliche Linsen für das Drucken von länglichen Linsenstrukturen
US20040219302A1 (en) Selectively formed lenticular images
US20030025224A1 (en) Method of forming lenticular sheets
JP3038329B1 (ja) レンチキュラーレンズの製造方法及び該方法によるレンズを用いた立体又は可変印刷物の製造方法
JP5017972B2 (ja) レンズ付き印刷物
CN109982835B (zh) 基于微图案层的图像薄膜
JPH0766155B2 (ja) レンズ付印刷物の製造方法及びレンズ付印刷物
WO1993023244A1 (en) Lenticular optical system
CN1325281C (zh) 生产模制组件的方法
US20070104911A1 (en) Laminate with optical structure and method for using the same
KR100402545B1 (ko) 엠보싱 연속공정에 의해 제조되는 렌티큘러 스크린 및 그제조방법
AU764842B2 (en) Lenticular optical system
KR200225460Y1 (ko) 엠보싱 연속공정에 의해 제조되는 렌티큘러 스크린
WO1996000255A1 (en) Making lenticular optical systems and apparatus therefor
WO1997002312A1 (en) Making lenticular optical systems and apparatus therefore
HK1023621B (en) Lenticular optical system

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees