JP2000153162A - 光触媒及びその製造方法 - Google Patents
光触媒及びその製造方法Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アルミニウム系の平板及波板を新規な接合形態
で接合して、担体の必要強度を確保するとともに、接合
と同時に光触媒物質を担体表面にコートする。 【解決手段】担体1は、アルミニウム系の平板10及び
波板12を交互に重ねて形成されている。チタニア粉末
とエチルシリケート(Si含有率:40wt%)とから
なるスラリーに担体1を浸漬してスラリーを付着させ、
余分のスラリーを吹払い処理した後に熱処理で固化す
る。このように平板10及び波板12の表出面に触媒コ
ート層16を形成することにより、平板10及び波板1
2を接合して担体1を一体化するとともに該表出面に光
触媒物質をコートする。触媒コート層16に含まれる珪
素が接着剤として機能するので、平板10及び波板12
の接合性は確保され、触媒コート層16を構成するチタ
ニア粉末同士の接合性も確保される。
で接合して、担体の必要強度を確保するとともに、接合
と同時に光触媒物質を担体表面にコートする。 【解決手段】担体1は、アルミニウム系の平板10及び
波板12を交互に重ねて形成されている。チタニア粉末
とエチルシリケート(Si含有率:40wt%)とから
なるスラリーに担体1を浸漬してスラリーを付着させ、
余分のスラリーを吹払い処理した後に熱処理で固化す
る。このように平板10及び波板12の表出面に触媒コ
ート層16を形成することにより、平板10及び波板1
2を接合して担体1を一体化するとともに該表出面に光
触媒物質をコートする。触媒コート層16に含まれる珪
素が接着剤として機能するので、平板10及び波板12
の接合性は確保され、触媒コート層16を構成するチタ
ニア粉末同士の接合性も確保される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム系担体を備
えた光触媒及びその製造方法に関する。
えた光触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、悪臭成分や有害ガスを浄化する光
触媒として、金属担体と、金属担体に積層された担持層
と、担持層の表面に担持された光触媒物質とを備え、金
属担体が、ステンレス鋼製の平板と同じくステンレス鋼
製の波板とを重ねて構成されているものが知られてい
る。
触媒として、金属担体と、金属担体に積層された担持層
と、担持層の表面に担持された光触媒物質とを備え、金
属担体が、ステンレス鋼製の平板と同じくステンレス鋼
製の波板とを重ねて構成されているものが知られてい
る。
【0003】ここで、平板と波板とを接合して担体の一
体性を確保するにあたり、一般的には、有機系接着剤に
よる接合、或いは、ろう付けによる接合が利用されてい
る。また、担体を接合、一体化した後、その担体表面に
アルミナ等よりなる担持層を形成し、さらにこの担持層
の表面に光触媒物質をコーティングするのが一般的であ
る。
体性を確保するにあたり、一般的には、有機系接着剤に
よる接合、或いは、ろう付けによる接合が利用されてい
る。また、担体を接合、一体化した後、その担体表面に
アルミナ等よりなる担持層を形成し、さらにこの担持層
の表面に光触媒物質をコーティングするのが一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、光触
媒として、本出願人はアルミニウム系担体を備えた光触
媒を開発している。この担体は、アルミニウム系の平板
と同じくアルミニウム系の波板とを重ねて構成されてい
る。そして、かかるアルミニウム系担体を構成する平板
と波板との接合形態の開発が、本出願人により進められ
ている。
媒として、本出願人はアルミニウム系担体を備えた光触
媒を開発している。この担体は、アルミニウム系の平板
と同じくアルミニウム系の波板とを重ねて構成されてい
る。そして、かかるアルミニウム系担体を構成する平板
と波板との接合形態の開発が、本出願人により進められ
ている。
【0005】ここに、上記従来の光触媒は、担体を接
合、一体化した後に担持層を形成し、さらにその上に光
触媒物質をコーティングする方法により製造されていた
ため、工程数が多く、生産効率が低いという問題があ
る。本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、
その目的は、担体を構成するアルミニウム系の平板及び
アルミニウム系の波板を新規な接合形態で接合し、必要
強度を確保でき、かつ、上記接合と同時に光触媒物質を
担体表面にコートすることのできる光触媒を提供するこ
とにある。
合、一体化した後に担持層を形成し、さらにその上に光
触媒物質をコーティングする方法により製造されていた
ため、工程数が多く、生産効率が低いという問題があ
る。本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、
その目的は、担体を構成するアルミニウム系の平板及び
アルミニウム系の波板を新規な接合形態で接合し、必要
強度を確保でき、かつ、上記接合と同時に光触媒物質を
担体表面にコートすることのできる光触媒を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の光触媒は、アルミニウム系の平板とアルミニウム系
の波板とが交互に重ねられて形成され、ガスが通過する
多数個の通路をもつ担体と、該担体を構成する該平板及
び該波板の表出面に形成されて該平板及び該波板を接合
して該担体を一体化し、光触媒物質として機能しうるチ
タニア粉末と接着剤として機能しうる珪素又はアルミニ
ウムとを含有する触媒コート層とから構成されているこ
とを特徴とするものである。
明の光触媒は、アルミニウム系の平板とアルミニウム系
の波板とが交互に重ねられて形成され、ガスが通過する
多数個の通路をもつ担体と、該担体を構成する該平板及
び該波板の表出面に形成されて該平板及び該波板を接合
して該担体を一体化し、光触媒物質として機能しうるチ
タニア粉末と接着剤として機能しうる珪素又はアルミニ
ウムとを含有する触媒コート層とから構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0007】上記課題を解決する本発明の光触媒の製造
方法は、アルミニウム系の平板とアルミニウム系の波板
とを交互に重ねて、ガスが通過する多数個の通路をもつ
担体を形成する工程と、光触媒物質として機能しうるチ
タニア粉末と、接着剤として機能しうる珪素又はアルミ
ニウムを含む化合物とを含有するスラリーを、上記担体
を構成する上記平板及び上記波板の表出面に付着した
後、固化して、該担体を構成する該平板及び該波板の表
出面に触媒コート層を形成することにより、該平板及び
該波板を接合して該担体を一体化する工程とからなるこ
とを特徴とするものである。
方法は、アルミニウム系の平板とアルミニウム系の波板
とを交互に重ねて、ガスが通過する多数個の通路をもつ
担体を形成する工程と、光触媒物質として機能しうるチ
タニア粉末と、接着剤として機能しうる珪素又はアルミ
ニウムを含む化合物とを含有するスラリーを、上記担体
を構成する上記平板及び上記波板の表出面に付着した
後、固化して、該担体を構成する該平板及び該波板の表
出面に触媒コート層を形成することにより、該平板及び
該波板を接合して該担体を一体化する工程とからなるこ
とを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る光触媒は、アルミニ
ウム系の平板及びアルミニウム系の波板よりなる担体
と、担体を構成する平板及び波板の表出面に形成されて
該平板及び該波板を接合して該担体を一体化する触媒コ
ート層とから構成されている。上記担体は、アルミニウ
ム系の平板とアルミニウム系の波板とが交互に重ねられ
て、ガスが通過する多数個の通路をもつものとして形成
されている。
ウム系の平板及びアルミニウム系の波板よりなる担体
と、担体を構成する平板及び波板の表出面に形成されて
該平板及び該波板を接合して該担体を一体化する触媒コ
ート層とから構成されている。上記担体は、アルミニウ
ム系の平板とアルミニウム系の波板とが交互に重ねられ
て、ガスが通過する多数個の通路をもつものとして形成
されている。
【0009】上記触媒コート層は、光触媒物質として機
能しうるチタニア粉末と接着剤として機能しうる珪素又
はアルミニウムとを含有している。チタニア粉末は、光
の助けにより触媒反応を進めて、例えばアセトアルデヒ
ド、CO、NOxやタバコ臭等の有害物質を浄化する光
触媒物質として機能しうる。また珪素又はアルミニウム
は、平板及び波板を接合して担体を一体化させる接着剤
として、かつ、光触媒物質としてのチタニア粉末同士を
接着させるとともに該チタニア粉末を担体に接着させる
接着剤として機能しうる。
能しうるチタニア粉末と接着剤として機能しうる珪素又
はアルミニウムとを含有している。チタニア粉末は、光
の助けにより触媒反応を進めて、例えばアセトアルデヒ
ド、CO、NOxやタバコ臭等の有害物質を浄化する光
触媒物質として機能しうる。また珪素又はアルミニウム
は、平板及び波板を接合して担体を一体化させる接着剤
として、かつ、光触媒物質としてのチタニア粉末同士を
接着させるとともに該チタニア粉末を担体に接着させる
接着剤として機能しうる。
【0010】かかる構成を有する光触媒は、アルミニウ
ム系の平板とアルミニウム系の波板とを交互に重ねて、
ガスが通過する多数個の通路をもつ担体を形成する工程
と、光触媒物質として機能しうるチタニア粉末と、接着
剤として機能しうる珪素又はアルミニウムを含む化合物
とを含有するスラリーを、上記担体を構成する上記平板
及び上記波板の表出面に付着した後、固化して、該担体
を構成する該平板及び該波板の表出面に触媒コート層を
形成することにより、該平板及び該波板を接合して該担
体を一体化する工程とを順に実施することにより製造す
ることができる。
ム系の平板とアルミニウム系の波板とを交互に重ねて、
ガスが通過する多数個の通路をもつ担体を形成する工程
と、光触媒物質として機能しうるチタニア粉末と、接着
剤として機能しうる珪素又はアルミニウムを含む化合物
とを含有するスラリーを、上記担体を構成する上記平板
及び上記波板の表出面に付着した後、固化して、該担体
を構成する該平板及び該波板の表出面に触媒コート層を
形成することにより、該平板及び該波板を接合して該担
体を一体化する工程とを順に実施することにより製造す
ることができる。
【0011】上記スラリーは、光触媒物質として機能し
うるチタニア粉末と、接着剤として機能しうる珪素又は
アルミニウムを含む化合物とを含有している。化合物
は、一般的には、エチルシリケート、水ガラス等の珪酸
化合物、有機珪素、有機アルミ等を採用することができ
る。なお、このスラリーには、活性炭、ゼオライト、活
性アルミナ粉末やジルコニア粉末、光触媒物質として機
能しうるBaTiO3 、SrTiO3 等のチタニアの金
属酸化物等を含ませることもできる。
うるチタニア粉末と、接着剤として機能しうる珪素又は
アルミニウムを含む化合物とを含有している。化合物
は、一般的には、エチルシリケート、水ガラス等の珪酸
化合物、有機珪素、有機アルミ等を採用することができ
る。なお、このスラリーには、活性炭、ゼオライト、活
性アルミナ粉末やジルコニア粉末、光触媒物質として機
能しうるBaTiO3 、SrTiO3 等のチタニアの金
属酸化物等を含ませることもできる。
【0012】スラリーの組成割合は、特に限定されず適
宜選定できる。例えば、後述する実施例の様にチタニア
粉末と液状のエチルシリケートとからなるスラリーを採
用した場合、重量比で、エチルシリケート100部に対
しチタニア粉末を20〜250部とすることができる。
担体を構成する平板及び波板の表出面にスラリーを付着
させるには、スラリー中に担体を2〜15秒間程度浸漬
等することにより行うことができる。そして、担体に付
着した余分のスラリーを吹払い処理等により除去した
後、熱処理等することにより該スラリーを固化させるこ
とができる。なお、熱処理条件としては、加熱温度:2
50〜500℃程度、加熱保持時間:2〜20分程度と
することができる。このスラリーの付着、固化により、
担体を構成する平板及び波板の表出面に触媒コート層が
形成される。このように担体を構成する平板及び波板の
表出面に触媒コート層が形成されれば、該触媒コート層
に含まれる珪素又はアルミニウムが、担体を構成する平
板及び波板を接合して担体を一体化させ、かつ、光触媒
物質としてのチタニア粉末同士を接着させるとともに該
チタニア粉末を担体に接着させる。すなわち、担体の接
合・一体化と担体表面への光触媒物質の形成とを同時に
行うことができる。
宜選定できる。例えば、後述する実施例の様にチタニア
粉末と液状のエチルシリケートとからなるスラリーを採
用した場合、重量比で、エチルシリケート100部に対
しチタニア粉末を20〜250部とすることができる。
担体を構成する平板及び波板の表出面にスラリーを付着
させるには、スラリー中に担体を2〜15秒間程度浸漬
等することにより行うことができる。そして、担体に付
着した余分のスラリーを吹払い処理等により除去した
後、熱処理等することにより該スラリーを固化させるこ
とができる。なお、熱処理条件としては、加熱温度:2
50〜500℃程度、加熱保持時間:2〜20分程度と
することができる。このスラリーの付着、固化により、
担体を構成する平板及び波板の表出面に触媒コート層が
形成される。このように担体を構成する平板及び波板の
表出面に触媒コート層が形成されれば、該触媒コート層
に含まれる珪素又はアルミニウムが、担体を構成する平
板及び波板を接合して担体を一体化させ、かつ、光触媒
物質としてのチタニア粉末同士を接着させるとともに該
チタニア粉末を担体に接着させる。すなわち、担体の接
合・一体化と担体表面への光触媒物質の形成とを同時に
行うことができる。
【0013】したがって、本発明に係る光触媒によれ
ば、担体表面への触媒コート層の形成により、担体の接
合・一体化及び担体表面への光触媒物質の形成を同時に
行うことができるので、生産効率の向上を図ることが可
能となる。また、担体を構成する平板及び波板の表出面
に形成されて担体を一体化する触媒コート層は、接着剤
として機能しうる珪素又はアルミニウムの他にチタニア
粉末を含み、しかもこのチタニア粉末同士は該接着剤に
より接合性が確保されていることから、触媒コート層自
体の強度が増大されている。このため、接着剤のみを介
して担体を一体化する場合と比較して、担体の一体性が
増大する。
ば、担体表面への触媒コート層の形成により、担体の接
合・一体化及び担体表面への光触媒物質の形成を同時に
行うことができるので、生産効率の向上を図ることが可
能となる。また、担体を構成する平板及び波板の表出面
に形成されて担体を一体化する触媒コート層は、接着剤
として機能しうる珪素又はアルミニウムの他にチタニア
粉末を含み、しかもこのチタニア粉末同士は該接着剤に
より接合性が確保されていることから、触媒コート層自
体の強度が増大されている。このため、接着剤のみを介
して担体を一体化する場合と比較して、担体の一体性が
増大する。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る光触媒の具体的な実施例
を説明する。 [第1実施例] (実施例1)この光触媒の担体1は、アルミニウム系の
平板10とアルミニウム系の波板12とを用い、平板1
0及び波板12を交互にのり巻き状に重ねて形成されて
いる。平板10は厚みが35μm程度である。波板12
は厚みが35μm程度、ピッチが2.15mm程度、波
山高さが0.9mm程度である。
を説明する。 [第1実施例] (実施例1)この光触媒の担体1は、アルミニウム系の
平板10とアルミニウム系の波板12とを用い、平板1
0及び波板12を交互にのり巻き状に重ねて形成されて
いる。平板10は厚みが35μm程度である。波板12
は厚みが35μm程度、ピッチが2.15mm程度、波
山高さが0.9mm程度である。
【0015】担体1にはガスが通過する多数個の通路1
4が形成されている。通路1の数は基本的には1インチ
当り650個に設定されている。触媒コート層16は、
担体1を構成する平板10及び波板12の表出面に形成
されている。触媒コート層16は、平板10及び波板1
2の表出面に形成されることにより、平板10及び波板
12を接合して担体1を一体化し、光触媒物質として機
能しうるチタニア粉末と接着剤として機能しうる珪素を
含有している。
4が形成されている。通路1の数は基本的には1インチ
当り650個に設定されている。触媒コート層16は、
担体1を構成する平板10及び波板12の表出面に形成
されている。触媒コート層16は、平板10及び波板1
2の表出面に形成されることにより、平板10及び波板
12を接合して担体1を一体化し、光触媒物質として機
能しうるチタニア粉末と接着剤として機能しうる珪素を
含有している。
【0016】本実施例では、チタニア粉末と、接着剤と
して機能しうる珪素を含む液状のエチルシリケート(S
i含有率:40wt%)とからなるスラリーを用いた。
このスラリーに担体1を3秒間浸漬することにより、担
体1を構成する平板10及び波板12の表出面にスラリ
ーを付着させ、そして担体1に付着した余分のスラリー
を吹払い処理により除去した後に熱処理で固化すること
により、触媒コート層16を形成した。このように平板
10及び波板12の表出面に触媒コート層16を形成す
ることにより、平板10及び波板12を接合して担体1
を一体化し、本実施例に係る光触媒を製造した。
して機能しうる珪素を含む液状のエチルシリケート(S
i含有率:40wt%)とからなるスラリーを用いた。
このスラリーに担体1を3秒間浸漬することにより、担
体1を構成する平板10及び波板12の表出面にスラリ
ーを付着させ、そして担体1に付着した余分のスラリー
を吹払い処理により除去した後に熱処理で固化すること
により、触媒コート層16を形成した。このように平板
10及び波板12の表出面に触媒コート層16を形成す
ることにより、平板10及び波板12を接合して担体1
を一体化し、本実施例に係る光触媒を製造した。
【0017】本実施例では、スラリーの組成は、重量比
でチタニア粉末が100部、エチルシリケートが100
部である。なお、吹払い処理は風速6〜7m/秒で行っ
た。また熱処理は、450℃の温度で60分間保持する
ことにより行った。本実施例では、触媒コート層16を
形成する前の状態における担体1のかさ比重は0.21
〜0.28であり、触媒コート層16が形成された後の
状態における担体1のかさ比重は0.30〜0.4であ
る。
でチタニア粉末が100部、エチルシリケートが100
部である。なお、吹払い処理は風速6〜7m/秒で行っ
た。また熱処理は、450℃の温度で60分間保持する
ことにより行った。本実施例では、触媒コート層16を
形成する前の状態における担体1のかさ比重は0.21
〜0.28であり、触媒コート層16が形成された後の
状態における担体1のかさ比重は0.30〜0.4であ
る。
【0018】なお、使用の際には担体1は金属ケーシン
グ2に挿入される。本実施例では、触媒コート層16に
含まれる珪素が接着剤として機能するので、平板10及
び波板12の接合性は確保され、担体1の一体性は増す
と共に、触媒コート層16を構成するチタニア粉末同士
の接合性も確保される。 (比較例1)比較例1として、触媒コート層16が形成
されていない担体1をエチルシリケートの液に浸漬する
ことにより、担体1を構成する平板10及び波板12の
表出面にエチルシリケートの液を付着させ、その後に4
50℃の温度で60分間保持する熱処理により固化し、
これにより平板10及び波板12を接合したものを製造
した。
グ2に挿入される。本実施例では、触媒コート層16に
含まれる珪素が接着剤として機能するので、平板10及
び波板12の接合性は確保され、担体1の一体性は増す
と共に、触媒コート層16を構成するチタニア粉末同士
の接合性も確保される。 (比較例1)比較例1として、触媒コート層16が形成
されていない担体1をエチルシリケートの液に浸漬する
ことにより、担体1を構成する平板10及び波板12の
表出面にエチルシリケートの液を付着させ、その後に4
50℃の温度で60分間保持する熱処理により固化し、
これにより平板10及び波板12を接合したものを製造
した。
【0019】(試験例)次に試験例を説明する。即ち、
上記実施例1の光触媒(上記触媒コート層16を備えた
担体1)をサンプルSとして用い、図3に示す様に、内
径D1が20mmの孔100をもつ当板101の上にサ
ンプルSを設置する共に、サンプルSの上面の中央域に
円盤状の押圧治具103(外径D2:16mm)を設置
し、押圧治具103に荷重Fを作用させた。サンプルS
の直径D3は63mm、軸長Hは20mmである。
上記実施例1の光触媒(上記触媒コート層16を備えた
担体1)をサンプルSとして用い、図3に示す様に、内
径D1が20mmの孔100をもつ当板101の上にサ
ンプルSを設置する共に、サンプルSの上面の中央域に
円盤状の押圧治具103(外径D2:16mm)を設置
し、押圧治具103に荷重Fを作用させた。サンプルS
の直径D3は63mm、軸長Hは20mmである。
【0020】荷重Fが増加すると、サンプルSが破壊し
て当板101の孔100内に挿入される。サンプルSが
当板101の孔100内に挿入されたときの荷重をF1
とし、次の式により破断荷重を求めた。 破断荷重={荷重F1/(16mm×20mm)} 試験結果を図4に示す。図4に示す様に、破断荷重は
0.1kg/mm2 程度であった。なお必要破断強度は
0.05kg/mm2 程度であるため、本実施例は必要
強度を満足することがわかる。
て当板101の孔100内に挿入される。サンプルSが
当板101の孔100内に挿入されたときの荷重をF1
とし、次の式により破断荷重を求めた。 破断荷重={荷重F1/(16mm×20mm)} 試験結果を図4に示す。図4に示す様に、破断荷重は
0.1kg/mm2 程度であった。なお必要破断強度は
0.05kg/mm2 程度であるため、本実施例は必要
強度を満足することがわかる。
【0021】比較例1の光触媒についても同様に試験
し、その試験結果を図4に示す。図4に示す様に、比較
例1は、破断荷重が0.03kg/mm2 程度と低い。
これは、比較例1では平板10及び波板12を接合する
接着層にチタニア粉末が含まれていないことから、この
接着層自体の強度が弱かったためと考えられる。また耐
熱試験も行った。耐熱試験は、500℃で50時間サン
プルSを加熱保持した後において、前述同様に破断荷重
を求めて行った。その試験結果を図5に示す。図5に示
す様に、50時間保持しても、同様な破断強度が得られ
ることがわかる。
し、その試験結果を図4に示す。図4に示す様に、比較
例1は、破断荷重が0.03kg/mm2 程度と低い。
これは、比較例1では平板10及び波板12を接合する
接着層にチタニア粉末が含まれていないことから、この
接着層自体の強度が弱かったためと考えられる。また耐
熱試験も行った。耐熱試験は、500℃で50時間サン
プルSを加熱保持した後において、前述同様に破断荷重
を求めて行った。その試験結果を図5に示す。図5に示
す様に、50時間保持しても、同様な破断強度が得られ
ることがわかる。
【0022】また水浸試験も行った。水浸試験は、常温
の水にサンプルSを100時間浸漬した後において、前
述同様に破断荷重を求めて行った。なおこの試験は、外
気の水分吸収による強度低下を把握するためのものであ
る。水浸試験の試験結果を図6に示す。図6に示す様
に、水に100時間浸漬しても、同様な破断強度が得ら
れることがわかる。
の水にサンプルSを100時間浸漬した後において、前
述同様に破断荷重を求めて行った。なおこの試験は、外
気の水分吸収による強度低下を把握するためのものであ
る。水浸試験の試験結果を図6に示す。図6に示す様
に、水に100時間浸漬しても、同様な破断強度が得ら
れることがわかる。
【0023】[第2実施例] (実施例2)担体1の外径寸法を直径30mm、軸長2
0mmとし、担体1に対するチタニア粉末のコート量を
20g/リットルとすること以外は、上記実施例1と同
様である。
0mmとし、担体1に対するチタニア粉末のコート量を
20g/リットルとすること以外は、上記実施例1と同
様である。
【0024】(実施例3)担体1の外径寸法を直径30
mm、軸長20mmとし、担体1に対するチタニア粉末
のコート量を41g/リットルとすること以外は、上記
実施例1と同様である。 (実施例4)担体1の外径寸法を直径30mm、軸長2
0mmとし、担体1に対するチタニア粉末のコート量を
120g/リットルとすること以外は、上記実施例1と
同様である。
mm、軸長20mmとし、担体1に対するチタニア粉末
のコート量を41g/リットルとすること以外は、上記
実施例1と同様である。 (実施例4)担体1の外径寸法を直径30mm、軸長2
0mmとし、担体1に対するチタニア粉末のコート量を
120g/リットルとすること以外は、上記実施例1と
同様である。
【0025】(比較例2)外径寸法が直径30mm、軸
長20mmの担体1(触媒コート層16が形成されてい
ないもの)を準備し、アルミナ粉末、アルミナ水和物及
び水からなるスラリーをコート後、300℃で1時間熱
処理することにより、平板10及び波板12の表出面に
アルミナコート層を形成した。
長20mmの担体1(触媒コート層16が形成されてい
ないもの)を準備し、アルミナ粉末、アルミナ水和物及
び水からなるスラリーをコート後、300℃で1時間熱
処理することにより、平板10及び波板12の表出面に
アルミナコート層を形成した。
【0026】(比較例3)外径寸法が直径30mm、軸
長20mmの担体1(触媒コート層16が形成されてい
ないもの)を準備し、比較例2と同様にアルミナコート
層を形成し、さらにこのアルミナコート層の上に、上記
実施例1で示した方法に準拠して触媒コート層16を積
層した。なお、この触媒コート層16中に含まれるチタ
ニア粉末の量は担体1に対して80g/リットルであ
る。
長20mmの担体1(触媒コート層16が形成されてい
ないもの)を準備し、比較例2と同様にアルミナコート
層を形成し、さらにこのアルミナコート層の上に、上記
実施例1で示した方法に準拠して触媒コート層16を積
層した。なお、この触媒コート層16中に含まれるチタ
ニア粉末の量は担体1に対して80g/リットルであ
る。
【0027】(光触媒としての浄化性の評価)上記実施
例2〜4及び比較例2,3について、アセトアルデヒド
の浄化性能を評価した。これは、紫外線を照射しながら
各光触媒の通路14内を初濃度50ppmのアセトアル
デヒド(CH3 CHO)を流量5リットル/minで通
過させ、通過後のアセトアルデヒド濃度を測定すること
により行った。なお、紫外線強度は130mW/cm2
(500Wランプ)とした。得られた結果を図7に示
す。
例2〜4及び比較例2,3について、アセトアルデヒド
の浄化性能を評価した。これは、紫外線を照射しながら
各光触媒の通路14内を初濃度50ppmのアセトアル
デヒド(CH3 CHO)を流量5リットル/minで通
過させ、通過後のアセトアルデヒド濃度を測定すること
により行った。なお、紫外線強度は130mW/cm2
(500Wランプ)とした。得られた結果を図7に示
す。
【0028】図7から明らかなように、担体1を構成す
る平板10及び波板12の表出面に触媒コート層16を
形成した本実施例2〜4の光触媒は、いずれも30分経
過後のアセトアルデヒド浄化率が80%以上となり、ま
た60分経過後にはほぼ100%となった。これに対
し、担体1を構成する平板10及び波板12の表出面に
まずアルミナコート層を形成し、このアルミナコート層
の上に触媒コート層16を積層した比較例3の光浄化触
媒は、チタニア粉末のコート量が80g/リットルと実
施例2及び3の光触媒よりも多いにもかかわらず、60
分経過後においてもアセトアルデヒドの浄化率が65%
を越えることがなかった。これは、触媒コート層全体に
光活性を有するチタニアが均一に分散されていないため
と考えることができる。
る平板10及び波板12の表出面に触媒コート層16を
形成した本実施例2〜4の光触媒は、いずれも30分経
過後のアセトアルデヒド浄化率が80%以上となり、ま
た60分経過後にはほぼ100%となった。これに対
し、担体1を構成する平板10及び波板12の表出面に
まずアルミナコート層を形成し、このアルミナコート層
の上に触媒コート層16を積層した比較例3の光浄化触
媒は、チタニア粉末のコート量が80g/リットルと実
施例2及び3の光触媒よりも多いにもかかわらず、60
分経過後においてもアセトアルデヒドの浄化率が65%
を越えることがなかった。これは、触媒コート層全体に
光活性を有するチタニアが均一に分散されていないため
と考えることができる。
【0029】(他の例)その他、本発明に係る光触媒は
上記しかつ図面に示した実施例のみに限定されるもので
はなく、例えば波板及び平板の厚みは適宜変更できる
等、必要に応じて適宜選択して実施し得るものである。
上記しかつ図面に示した実施例のみに限定されるもので
はなく、例えば波板及び平板の厚みは適宜変更できる
等、必要に応じて適宜選択して実施し得るものである。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る光触媒によれば、スラリー
が固化して形成された触媒コート層に含まれる珪素又は
アルミニウムが接着剤として機能するので、担体を構成
する平板及び波板の一体性が確保されるとともに、触媒
コート層を構成するチタニア粉末同士の接合性も確保さ
れる。従って光触媒の必要強度が確保される。また、触
媒コート層の形成により、担体の一体化と担体表面への
光触媒物質の形成とを同時に行うことができるので、生
産効率の向上を図ることができる。
が固化して形成された触媒コート層に含まれる珪素又は
アルミニウムが接着剤として機能するので、担体を構成
する平板及び波板の一体性が確保されるとともに、触媒
コート層を構成するチタニア粉末同士の接合性も確保さ
れる。従って光触媒の必要強度が確保される。また、触
媒コート層の形成により、担体の一体化と担体表面への
光触媒物質の形成とを同時に行うことができるので、生
産効率の向上を図ることができる。
【図1】光触媒の分解斜視図である。
【図2】光触媒の要部の断面図である。
【図3】破断強度を測定する形態を模式的に示す構成図
である。
である。
【図4】破断強度のグラフである。
【図5】耐熱試験における破断強度のグラフである。
【図6】水浸試験における破断強度のグラフである。
【図7】アセトアルデヒド浄化率の評価結果を示すグラ
フである。
フである。
図中、1は担体、10は平板、12は波板、14は通
路、16は触媒コート層を示す。
路、16は触媒コート層を示す。
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 学 静岡県小笠郡大東町千浜7800番地 キャタ ラー工業株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA22 BA03Y BA07Y BA39Y BA41Y BB02 BB18 EA01 4G069 AA01 AA03 AA08 BA04A BA04B BA17 BA48A BC16A BC16B CA17 EA21 EA24 FA04 FB71
Claims (2)
- 【請求項1】アルミニウム系の平板とアルミニウム系の
波板とが交互に重ねられて形成され、ガスが通過する多
数個の通路をもつ担体と、 該担体を構成する該平板及び該波板の表出面に形成され
て該平板及び該波板を接合して該担体を一体化し、光触
媒物質として機能しうるチタニア粉末と接着剤として機
能しうる珪素又はアルミニウムとを含有する触媒コート
層とから構成されていることを特徴とする光触媒。 - 【請求項2】アルミニウム系の平板とアルミニウム系の
波板とを交互に重ねて、ガスが通過する多数個の通路を
もつ担体を形成する工程と、 光触媒物質として機能しうるチタニア粉末と、接着剤と
して機能しうる珪素又はアルミニウムを含む化合物とを
含有するスラリーを、上記担体を構成する上記平板及び
上記波板の表出面に付着した後、固化して、該担体を構
成する該平板及び該波板の表出面に触媒コート層を形成
することにより、該平板及び該波板を接合して該担体を
一体化する工程とからなることを特徴とする光触媒の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330817A JP2000153162A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光触媒及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330817A JP2000153162A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光触媒及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000153162A true JP2000153162A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18236885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10330817A Pending JP2000153162A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 光触媒及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000153162A (ja) |
-
1998
- 1998-11-20 JP JP10330817A patent/JP2000153162A/ja active Pending
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