JP2000151499A - 無線通信端末評価装置 - Google Patents

無線通信端末評価装置

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JP2000151499A
JP2000151499A JP10321587A JP32158798A JP2000151499A JP 2000151499 A JP2000151499 A JP 2000151499A JP 10321587 A JP10321587 A JP 10321587A JP 32158798 A JP32158798 A JP 32158798A JP 2000151499 A JP2000151499 A JP 2000151499A
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signal
terminal
reception level
unit
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JP10321587A
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Shinji Masuda
進二 増田
Koji Kaneko
幸司 金子
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の無線通信端末評価装置は電波暗室で
電波環境を模擬しているが,電波暗室ので環境が意図す
るもの否かの判定手段がなく,実際のフィールドでの評
価と再現した電波環境での評価と端末の状態が異なる場
合,制御データの変更を手動で思考錯誤により行い非常
に手間がかかる。 【解決手段】 端末の出力する受信信号を基に,電波暗
室内につくられた電波環境が意図したものかどうかを判
定し,意図したものと異なる場合は,端末の出力する受
信信号を基に自動的に擬似回線部を補正して意図したも
のに近づけ,より精度の高い電波環境を作り出すととも
に,手動で設定値を変更する手間を省き,効率的に端末
評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,無線通信端末の評
価に用いられる無線通信端末評価装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図9は電子情報通信学会1998年総合
大会予稿集B−5−157「PHSフィールド環境再現
装置の一検討」に示された従来の無線端末用評価装置で
ある。101,102,103は基地局を模擬する擬似
基地局,104は複数基地局の制御チャネルの送信のみ
を行う擬似基地局,105,106,107,108は
夫々擬似基地局101,102,103,104に対応
して設けられ夫々の擬似基地局から入力された信号に対
して遅延,減衰,移相を行う擬似回線,109,11
0,111は擬似回線105内に設けられた遅延回路で
各々遅延時間が異なるように設定されている。112,
113,114は同じく擬似回線105内に設けられた
減衰・移相器で上記遅延回路の遅延時間に見合った減衰
・位相特性になるように設定される。116はシールド
ルーム,117,118,119はシールドルーム11
6内に設けられ擬似基地局からの信号を擬似回線105
の遅延回路、減衰・移相器で変換された後に送信する送
信アンテナ,121はシールドルーム116内に配置さ
れた評価される端末,120は被評価端末121の信号
を受信する受信アンテナ,115は被評価端末121か
らの信号を減衰する減衰器である。
【0003】なお、擬似回線106,107も擬似回線
105と同様な構成になっている。擬似回線108は減
衰器115がないこと以外は擬似回線105と同様な構
成になっている。122は擬似基地局101から104
の送信タイミングの動的な制御,および擬似回線105
から108における遅延量,減衰量,移相量の動的な制
御を行うタイミング・減衰制御部である。図中の実線は
信号の流れを,破線は制御を表している。
【0004】次に,動作について説明する。タイミング
・減衰制御部122によって指定されたタイミングで擬
似基地局101から出力される信号は擬似回線105に
入力され,分配される。分配された信号は,遅延回路1
09,110,111によってそれぞれ遅延され,減衰
・移相器112,113,114によって,それぞれ減
衰,移相され,出力される。遅延量,減衰量,移相量に
ついては,タイミング・減衰制御部122によって設定
される。擬似回線から出力される信号は送信アンテナ1
17,118,119からシールドルーム116内に送
出され,実際に干渉させることでシールドルーム116
内にフェージング環境を生成する。被評価端末121は
フェージング環境において信号を受信するため,実際の
フィールドにおける通信をシールドルーム内にて擬似的
に行うことができる。被評価端末121が送出する信号
は,受信アンテナ120が受信し,擬似回線105に入
力される。擬似回線105内においては,減衰器115
によって擬似基地局101が受信するのに適当なレベル
に減衰され,擬似基地局101に入力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の無線通信端末評
価装置は実際のフィールドの電波環境を模擬し,シール
ドルーム内で実際のフィールドで行われる評価を実施す
ることである。しかし,シールドルームにおいて信号を
合成し電波環境を模擬しているため,アンテナから被評
価端末までの距離の精度,シールドルームの特性,被評
価端末の筐体の影響などによって意図している電波環境
とは異なる環境が再現されることがあった。
【0006】また,従来の無線通信端末評価装置では,
シールドルーム内に生成されている電波環境が,意図す
るものかどうかを判定する手段を持っておらず,また実
際のフィールドで評価を行ったときの被評価端末の状態
と再現した電波環境で評価を行ったときの被評価端末の
状態が異なる場合,手動で思考錯誤しながら制御データ
を変更しなければならず,非常に手間がかかっていた。
【0007】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので,模擬した電波環境が意図したもの
であるかを被評価端末の状態によって判定し,その結果
を制御データにフィードバックすることによって,意図
した環境を精度良く再現するとともに,端末の評価にか
かる手間を省き,効率の良い評価を行うことを可能とす
る無線通信端末評価装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
無線通信端末評価装置は,基地局信号を擬似的に発生さ
せる基地局部と,基地局信号の遅延量,位相,レベルを
変化させる複数の擬似回線部と,擬似回線部から出力さ
れる信号を合成する信号合成部と,信号合成部の環境下
に配設され,上記擬似回線部からの信号を受信する被評
価端末と,予め設定された上記基地局信号の時間的変動
情報を記憶する制御情報記憶手段と,上記被評価端末の
受信信号から,上記制御情報記憶手段で記憶された時間
的変動情報を補正する制御情報補正手段と,上記制御情
報記憶手段に記憶された基地局信号の時間的変動情報
と,上記制御情報補正手段で補正された時間的変動補正
情報とを基に,基地局部と擬似回線部の制御を行う制御
手段とを備えたものである。
【0009】本発明の請求項2に係る無線通信端末評価
装置は,制御情報補正手段は被評価端末の受信レベルか
ら平均受信レベルを求め,上記平均受信レベルから上記
制御情報記憶手段で記憶された減衰量の時間的変動情報
を補正する構成にされたものである。
【0010】本発明の請求項3に係る無線通信端末評価
装置は,制御情報補正手段は被評価端末の受信レベルか
らライスファクタを求め,上記ライスファクタとから上
記制御情報記憶手段で記憶された減衰量の時間的変動情
報を補正する構成にされたものである。
【0011】本発明の請求項4に係る無線通信端末評価
装置は,制御情報補正手段は被評価端末の受信レベルか
らライスファクタを求め,上記ライスファクタとから上
記制御情報記憶手段で記憶された移相量の時間的変動情
報を補正する構成にされたものである。
【0012】本発明の請求項5に係る無線通信端末評価
装置は,制御情報補正手段は被評価端末から受信レベル
とエラーレートを入力し受信レベルから平均受信レベル
とライスファクタを求め,この平均受信レベルとライス
ファクタ及びエラーレートを基に上記制御情報記憶手段
で記憶された減衰量と移相量と遅延量の時間的変動情報
を補正する構成にされたものである。
【0013】本発明の請求項6に係る無線通信端末評価
装置は,上記基地局部は被評価端末からの信号の受信レ
ベルを出力する基地局データ出力部と,上記受信レベル
に基づき上記擬似回線部の被評価端末からの信号を減衰
する減衰器の減衰量を制御する基地局補正値決定部とを
備えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1 図1は本発明の無線通信端末評価装置の構成を示すブロ
ック図である。図1において,1,2は基地局の信号を
擬似的に発生させる基地局部,3,4は基地局部から出
力される信号を複数のパスに分配し,それぞれのパスの
位相,遅延量,レベルを変える擬似回線部,5は擬似回
線部3内に設けられ基地局部1からの信号を分配する分
配器,6,7は擬似回線部3内に設けられ分配器5で分
配された信号を夫々異なる遅延時間で遅延させる遅延回
路,8,9は夫々遅延回路6,7からの信号の移相を行
う移相器,10,11は夫々移相器8,9で信号移相が
行われた下り信号の減衰を行う減衰器である。
【0015】13は電波暗室,14,15は電波暗室1
3内に設けられ基地局部1からの信号を遅延回路,移相
器,減衰器変換された後に送信する送信アンテナ,17
は電波暗室13内に配置された評価対象となる端末,1
8は端末データ出力部,16は端末データ出力部18の
信号を受信する受信アンテナ,12は擬似回線部3内に
設けられ受信アンテナ16で受信した上り信号の減衰を
行う減衰器である。擬似回線部4も擬似回線部3と同様
な構成になっている。
【0016】19は基地局部,擬似回線の制御を行う制
御部,20は基地局部1,2と擬似回線部3,4のの送
信タイミング用の制御データと擬似回線部3,4の減衰
量補正に使用する補正用データを記憶する制御データ記
憶部,23は端末データ出力部18の出力から平均受信
レベルを求める端末出力データ処理部、22は制御デー
タ記憶部20の補正用データを端末出力データ処理部2
3の出力で補正する擬似回線補正値決定部、21は制御
データと補正用データを出力する制御信号出力部であ
る。
【0017】次に,動作について説明する。基地局部1
から出力された信号は,擬似回線部3に入り,分配器5
によって複数のパスに分配される。それぞれのパスの信
号は遅延回路6,7,移相器8,9,減衰器10,11
によって遅延量,位相,レベルが変化させられ,擬似回
線部3から出力される。擬似回線部3から出力された複
数の信号は,送信アンテナ14,16より送信され,電
波暗室13内で合成される。擬似回線部3を構成する遅
延回路の遅延量,移相器の移相量,減衰器の減衰量は制
御部19により,合成された電波環境が模擬したい電波
環境となるよう,時間を追って変化させられる。
【0018】基地局部2と擬似回線部4の動作も同様で
ある。被評価端末17は基地局部1と通信を行っている
とすると,基地局部1からの信号を受信し,それに対す
る信号を出力する。その信号は受信アンテナ16で受信
され,擬似回線部3に入り,減衰器12によって減衰さ
れた後,基地局部1で受信される。また,被評価端末1
7は端末データ出力部18より,その受信した信号の受
信レベルを出力する。
【0019】制御データ記憶部20に記憶されているデ
ータは,基地局部と擬似回線部の制御データと制御デー
タの補正に使用する補正用データである。制御データは
実フィールドのある地点において遅延プロファイル測
定,受信レベル測定により実測されたデータ,または計
算機によってレイトレーシング法などを用いて計算され
たデータであり,ここでは擬似回線部3,4の遅延回
路,移相器,減衰器それぞれに設定する減衰量,移相
量,遅延量,および基地局部1,2相互の送信タイミン
グである。補正用データは,実測またはシミュレーショ
ンを行った地点において,被評価端末により実際に測定
された受信レベルを平均した参照用平均受信レベルであ
る。
【0020】端末出力データ処理部23は,被評価端末
17の端末データ出力部18から出力される受信レベル
を統計処理し,平均受信レベルを求める。
【0021】次に,擬似回線補正値決定部22におい
て,端末出力データ処理部23より出力された平均受信
レベルを基に行う補正値決定処理について図2を用いて
説明する。擬似回線補正値決定部22は端末出力データ
処理部23より平均受信レベルを取得する(S−1)。
次に,制御データ記憶部20より補正データである参照
用平均受信レベルを取得する(S−2)。平均受信レベ
ルから参照用平均受信レベルを減算し,減衰量補正値と
する(S−3)。減衰量補正値の絶対値と補正基準値を
比較する(S−4)。減衰量補正値の絶対値が補正基準
値より小さい場合,減衰補正値を0として出力し(S−
5),補正は行わない。減衰量補正値が大きい場合,減
衰量補正値をそのまま出力する(S−6)。
【0022】制御信号出力部21では,制御データ記憶
部20に記憶された制御データのうち,被評価端末17
が通信を行っている基地局の信号が入力されている擬似
回線部すべての減衰器に設定される減衰量から,擬似回
線補正値決定部22の減衰量補正値を減算することによ
り補正を加える。そして,基地局部1,2の送信開始,
停止,シーケンス制御を行うとともに,擬似回線部3,
4の遅延量,移相量,減衰量の制御を行い,電波暗室内
で合成される信号を制御する。
【0023】上述のように,実施の形態1の無線通信端
末評価装置は,被評価端末の出力する受信レベルから求
めた平均受信レベルを基に,電波暗室内につくられた電
波環境が意図したものかどうかを判定し,意図したもの
と異なる場合は,自動的に擬似回線部に設定する減衰量
を補正することによって意図したものに近づけ,より精
度の高い電波環境を作り出すとともに,手動で設定値を
変更する手間を省き,効率的に端末評価を行うことがで
きる。
【0024】実施の形態2 上述の実施の形態1では,被評価端末の出力する受信レ
ベルから平均受信レベルを計算し,それを基に擬似回線
部の減衰量の自動制御を行えるものであるが,実施の形
態2においては,被評価端末の出力する受信レベルから
さらにライスファクタを求め,それを基に擬似回線部の
減衰量と移相量の自動制御を行える点に特徴がある。
【0025】実施の形態2の構成図は実施の形態1の構
成図である図1と同じである。しかし制御データ記憶部
20,端末出力データ処理部23,擬似回線補正値決定
部22及び制御信号出力部21の構成と動作が異なる。
ここでは,異なる点について説明する。
【0026】制御データ記憶部20に記憶されているデ
ータについて,制御データは実施の形態1と同じである
が,制御データの補正に使用する補正用データが実施の
形態1と異なり実測またはシミュレーションを行った地
点において,被評価端末により実際に測定された受信レ
ベルを基に計算された平均受信レベルとライスファクタ
である。
【0027】ここでライスファクタについて簡単に説明
する。市街地などで,基地局のアンテナと端末間に見通
しがあるような場合,端末で受信される基地局の電波
は,基地局からの直接波と周りのビルからの散乱により
ランダムな方向から到着し,それぞれ異なる位相を持っ
た間接波の合成波となる。このような電波環境で起こる
フェージングを仲上―ライスフェージングといい,この
ときの直接波と間接波の電力の比をライスファクタとい
う。
【0028】また,仲上−ライスフェージングの直接波
と実際の受信波(直接波と間接波の合成波)の位相差の
確率密度分布を図3に示す。横軸が直接波と受信波の位
相差,縦軸が確率密度である。図3より,ライスファク
タが大きくなるほど,受信波の位相は直接波の位相に集
中し,ライスファクタが小さくなるほど分散していく。
【0029】端末出力データ処理部23は,被評価端末
17の端末データ出力部18から出力される受信レベル
を統計処理し,平均受信レベルとライスファクタを求め
る。ライスファクタは,受信レベルの累積頻度より求め
ることができ,あらかじめ累積頻度データとライスファ
クタを組とする複数のデータを記憶しておき,受信レベ
ルより求めた累積頻度を記憶していた累積頻度と最小二
乗法によって比較し,最も近い累積頻度と組のライスフ
ァクタを,求めるライスファクタとすれば良い。
【0030】次に,擬似回線補正値決定部22では端末
出力データ処理部23より出力された平均受信レベルと
ライスファクタを基に減衰量補正値と減衰・移相量補正
値を求めるが,平均受信レベルから減衰量補正値を求め
る処理は実施の形態1に示したものと同様なのでここで
は省略する。
【0031】擬似回線補正値決定部22で端末出力デー
タ処理部23より出力されたライスファクタを基に行う
補正値決定処理について図4を用いて説明する。擬似回
線補正値決定部22は端末出力データ処理部23よりラ
イスファクタを取得する(S−1)。次に,制御データ
記憶部20より補正用データである参照用ライスファク
タを取得する(S−2)。ライスファクタ/参照用ライ
スファクタのデシベル値を減衰・移相量補正値とする
(S−3)。減衰・移相量補正値の絶対値を補正基準値
と比較する(S−4)。減衰・移相量補正値が補正基準
値よりも大きい場合,減衰・移相量補正値をそのまま出
力する(S−6)。小さい場合は補正を行わないため,
減衰・移相量補正値を0として(S−5)出力する(S
−6)。
【0032】制御信号出力部21では,実施の形態1に
示した補正の他に,擬似回線補正値決定部22より出力
された減衰・移相量補正値を基に,減衰量と移相量の補
正を行う。
【0033】まず,減衰量の補正について説明する。制
御データ記憶部20に記憶された制御データのうち,被
評価端末17が通信を行っている基地局の信号が入力さ
れている擬似回線部のパスの中で,最も減衰量が小さい
パスを直接波のパス,その他のパスを間接波のパスとす
る。減衰量の補正は,直接波のパスの減衰量に対して,
減衰・移相補正値を加算することによって行う。これに
より直接波と間接波の比,すなわちライスファクタを変
化させることができる。
【0034】次に,移相量の補正について説明する。こ
こでも,減衰量の補正のときに定義した直接波と間接波
を定義する。移相量の補正は,間接波のパスの位相か
ら,直接波の位相との位相差に減衰・移相量補正値と調
整係数を掛けたものを減算することによって行う(式
1)。 間接波移相量←間接波移相量−(直接波移相量−間接波移相量)×調整係数 ・・・・ (式1)
【0035】図5を用いてライスファクタが小さい場合
に行われる操作について説明する。図5の太い実線が直
接波,細い実線が間接波であり,破線が補正された間接
波を示す。ライスファクタが大きいとき,図3に示した
ように受信波の位相は直接波の位相に集中していく。そ
れを擬似的に行っているのが図5であり,間接波の位相
を直接波の位相に近づけている。ライスファクタが大き
い場合は,間接波の位相を直接波の位相から遠ざけるよ
うな処理となる。
【0036】そして,基地局部1,2の送信開始,停
止,シーケンス制御を行うとともに,擬似回線部3,4
の遅延量,移相量,減衰量の制御を行い,電波暗室内で
合成される信号を制御する。
【0037】上述のように,実施の形態2の無線通信端
末評価装置は,端末の出力する受信レベルから求めた平
均受信レベルとライスファクタを基に,電波暗室内につ
くられた電波環境が意図したものかどうかを判定し,意
図したものと異なる場合は,自動的に擬似回線部に設定
する減衰量と移相量を補正することによって意図したも
のに近づけ,より精度の高い電波環境を作り出すととも
に,手動で設定値を変更する手間が省け,効率的に評価
を行うことができる。
【0038】実施の形態3 上述の実施の形態2では,被評価端末の出力する受信レ
ベルから平均受信レベルとライスファクタを求め,それ
を基に擬似回線部の減衰量と移相量の自動制御を行える
ものであるが,実施の形態3においては,被評価端末の
出力する受信レベルとエラーレートから擬似回線部の減
衰量と移相量に加えて遅延量の自動制御も行える点に特
徴がある。
【0039】実施の形態3の構成図も実施の形態1の構
成図と同じであり,ここでは図1を用いて,異なる点に
ついて説明する。即ち、端末データ出力部18は受信し
た信号の受信レベルおよびエラーレートを出力する。端
末出力データ処理部23は端末データ出力部18の出力
から平均受信レベルとライスファクタを求め、エラーレ
ートはそのまま出力する。擬似回線補正値決定部22は
平均受信レベルとライスファクタとエラーレートを基に
それぞれ減衰量補正値と減衰・移相量補正値と遅延量補
正値を求める。制御データ記憶部20に記憶されるデー
タは実施の形態1と同じである制御データとは実施の形
態2と異なる補正用データで補正用データは平均受信レ
ベルとライスファクタと参照用エラーレートとからな
る。
【0040】まず被評価端末17は,基地局部1と通信
を行っているとすると,基地局部1からの信号を受信
し,それに対する信号を出力する。その信号は受信アン
テナ16で受信され,擬似回線部に入り,減衰器12に
よって減衰された後,基地局部で受信される。また,被
評価端末17はデータ出力部18より,その受信した信
号の受信レベルおよびエラーレートを出力する。
【0041】端末出力データ処理部23では,端末デー
タ出力部18からの受信レベルに関しては,実施の形態
1および2と同様に平均受信レベルとライスファクタを
求める。エラーレートに関しては,何も処理せずに出力
する。
【0042】次に,擬似回線補正値決定部22では端末
出力データ処理部23より出力された平均受信レベルと
ライスファクタとエラーレートを基にそれぞれ減衰量補
正値と減衰・移相量補正値と遅延量補正値を求めるが,
平均受信レベルから減衰量補正値を求める処理は実施の
形態1に,ライスファクタから減衰・移相量補正値を求
める処理は実施の形態2に示したものと同様なのでここ
では省略する。
【0043】擬似回線補正値決定部22において,端末
出力データ処理部23より出力されたエラーレートを基
に行う補正処理について図6を用いて説明する。擬似回
線補正値決定部22は端末出力データ処理部23よりエ
ラーレートを取得する(S−1)。次に,制御データ記
憶部20より制御データと補正データを取得する(S−
2)。補正を行うかどうかを決定するため補正基準値と
の比較を行う(S−3)。補正基準値より大きい場合,
補正を行うため,エラーレートと参照用エラーレートを
比較する(S−4)。エラーレートの方が大きい場合,
1−遅延量補正率を遅延量補正値とする(S−5)。エ
ラーレートのほうが小さい場合は,1+遅延量補正率を
遅延量補正値とする(S−6)。S−3で補正基準値よ
り小さい場合は補正を行わないため,遅延量補正値を1
にする(S−7)。
【0044】制御信号出力部21では,実施の形態1な
いし2に示した補正の他に,制御データ記憶部20に記
憶された制御データのうち,被評価端末17が通信を行
っている基地局の信号が入力されている擬似回線部すべ
ての遅延回路に設定される遅延量に擬似回線補正値決定
部22の遅延量補正値を乗算し補正する。これにより,
エラーレートが大きい場合は,それを減らすため,遅延
量を減らす方向に補正される。エラーレートが小さい場
合はその逆である。そして,基地局部1,2の送信開
始,停止,シーケンス制御を行うとともに,擬似回線部
3,4の遅延量,移相量,減衰量の制御を行い,電波暗
室内で合成される信号を制御する。
【0045】上述のように,実施の形態3の無線通信端
末評価装置は,端末の出力する受信レベルから求めた平
均受信レベルとライスファクタ,およびエラーレートを
基に,電波暗室内につくられた電波環境が意図したもの
かどうかを判定し,意図したものと異なる場合は,自動
的に擬似回線部に設定する遅延量と減衰量と移相量を補
正することによって意図したものに近づけ,より精度の
高い電波環境を作り出すとともに,手動で設定値を変更
する手間が省け,効率的に評価を行うことができる。
【0046】実施の形態4 図7は本発明の実施の形態4を示す無線通信端末評価装
置の構成を示すブロック図である。図7において,1,
2は基地局の信号を擬似的に発生させる基地局部,3,
4は基地局部から出力される信号を複数のパスに分配
し,それぞれのパスの位相,遅延量,振幅を変える擬似
回線部,5は信号を分配する分配器,6,7は信号を遅
延させる遅延回路,8,9は信号の移相を行う移相器,
10,11は下り信号の減衰を行う減衰器,12は上り
信号の減衰を行う減衰器,13は電波暗室,14,15
は電波暗室内に基地局部からの信号を送信する送信アン
テナ,16は端末の信号を受信する受信アンテナ,17
は評価対象となる端末,18は端末データ出力部,19
は基地局部,擬似回線の制御を行う制御部,20は制御
データ記憶部,21は制御信号出力部,22は擬似回線
部補正値決定部,23は端末出力データ処理部でこれら
は実施の形態1ないし実施の形態3で説明したものと同
様なものである。
【0047】この実施の形態4は基地局部1,2に夫々
被評価端末17からの信号の受信レベルを出力する基地
局データ出力部24を,制御部19に基地局データ出力
部24からの受信レベルを基に減衰器12の減衰量の補
正値を決定する基地局補正値決定部25を設けたもので
ある。
【0048】次に動作について説明する。ただし,実施
の形態1ないし実施の形態3と同様な部分については省
略し,基地局データ出力部24と基地局補正値決定部2
5の動作について説明する。
【0049】減衰器12を介して被評価端末17からの
信号を受信した基地局部1は,基地局データ出力部24
より被評価端末17からの信号の受信レベルを出力す
る。
【0050】基地局補正値決定部25において基地局デ
ータ出力部24からの受信レベルを基に減衰器12の減
衰量の補正値を決定する手順について図8を用いて説明
する。基地局部1より受信レベルを取得する(S−
1)。受信レベルから基準となるレベルを減算し,減衰
量補正値とする(S−2)。次に減衰量補正値の絶対値
と補正基準値を比較する(S−3)。補正基準値より小
さい場合は補正をしないため減衰量補正値を0とし(S
−4),補正基準値より大きい場合はそのまま出力する
(S−5)。
【0051】制御信号出力部21では,実施の形態1な
いし実施の形態3に示した補正の他に,制御データ記憶
部20に記憶された制御データのうち,被評価端末17
が通信を行っている基地局の信号が入力されている擬似
回線部の被評価端末からの信号の減衰を行う減衰器の減
衰量に減衰補正値を加算することにより補正を加える。
そして,基地局部1,2の送信開始,停止,シーケンス
制御を行うとともに,擬似回線部3,4の遅延量,移相
量,減衰量の制御を行い,電波暗室内で合成される信号
を制御する。
【0052】上述のように,実施の形態4の無線通信端
末評価装置は,被評価端末の出力する信号の受信レベル
を基に,基地局部で適当なレベルで受信しているかを判
定し,適当でないと判定した場合,擬似回線部に設定す
る減衰量を補正することによって適当なレベルなるよう
に近づけ,手動で設定値を変更する手間を省き,効率的
に評価を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】上述のように,請求項1記載の無線通信
端末評価装置によれば,被評価端末の出力する受信信号
を基に,電波暗室内につくられた電波環境が意図したも
のかどうかを判定し,意図したものと異なる場合は,自
動的に擬似回線部を補正することによって意図したもの
に近づけ,より精度の高い電波環境を作り出すととも
に,手動で設定値を変更する手間を省き,効率的に端末
評価を行うことができる。
【0054】上述のように,請求項2記載の無線通信端
末評価装置によれば,被評価端末の出力する受信レベル
から求めた平均受信レベルを基に,電波暗室内につくら
れた電波環境が意図したものかどうかを判定し,意図し
たものと異なる場合は,自動的に擬似回線部に設定する
減衰量を補正することによって意図したものに近づけ,
より精度の高い電波環境を作り出すとともに,手動で設
定値を変更する手間を省き,効率的に端末評価を行うこ
とができる。
【0055】上述のように,請求項3記載の無線通信端
末評価装置によれば,被評価端末の出力する受信レベル
から求めた平均受信レベルとライスファクタを基に,電
波暗室内につくられた電波環境が意図したものかどうか
を判定し,意図したものと異なる場合は,自動的に擬似
回線部に設定する減衰量を補正することによって意図し
たものに近づけ,より精度の高い電波環境を作り出すと
ともに,手動で設定値を変更する手間が省け,効率的に
評価を行うことができる。
【0056】上述のように,請求項4記載の無線通信端
末評価装置によれば,被評価端末の出力する受信レベル
から求めた平均受信レベルとライスファクタを基に,電
波暗室内につくられた電波環境が意図したものかどうか
を判定し,意図したものと異なる場合は,自動的に擬似
回線部に設定する移相量を補正することによって意図し
たものに近づけ,より精度の高い電波環境を作り出すと
ともに,手動で設定値を変更する手間が省け,効率的に
評価を行うことができる。
【0057】上述のように,請求項5記載の無線通信端
末評価装置によれば,被評価端末の出力する受信レベル
から求めた平均受信レベルとライスファクタ,およびエ
ラーレートを基に,電波暗室内につくられた電波環境が
意図したものかどうかを判定し,意図したものと異なる
場合は,自動的に擬似回線部に設定する遅延量と減衰量
と移相量を補正することによって意図したものに近づ
け,より精度の高い電波環境を作り出すとともに,手動
で設定値を変更する手間が省け,効率的に評価を行うこ
とができる。
【0058】上述のように,請求項6記載の無線通信端
末評価装置は,被評価端末の出力する信号の受信レベル
を基に,基地局部で適当なレベルで受信しているかを判
定し,適当でないと判定した場合,擬似回線部に設定す
る減衰量を補正することによって適当なレベルなるよう
に近づけ,手動で設定値を変更する手間を省き,効率的
に評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の無線通信端末評価装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1における擬似回線補正値決定部
の補正値決定処理のフローチャートである。
【図3】 仲上−ライスフェージングの直接波と実際の
受信波(直接波と間接波の合成波)の位相差の確率密度
分布図である。
【図4】 実施の形態2における疑似回線補正値決定部
の補正値決定処理のフローチャートである。
【図5】 実施の形態2における疑似回線補正値決定部
の補正決定処理の特性説明図である。
【図6】 実施の形態3における疑似回線補正値決定部
の補正値決定処理のフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態4の無線通信端末評価装
置の構成を示すブロック図である
【図8】 実施の形態4における基地局補正値決定部の
補正値決定処理のフローチャートである。
【図9】 従来の無線端末用評価装置の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1,2:基地局部, 3,4:擬似回線部, 5:分配
器,6,7:遅延回路,8,9:移相器, 10,1
1、12:減衰器, 13:電波暗室,14,15、1
6:送信アンテナ, 17:被評価端末,18:端末
データ出力部, 19:制御部, 20:制御データ記
憶部,21:制御信号出力部, 22:擬似回線補正
値決定部、23:端末出力データ処理部, 24:基
地局データ出力部,25:基地局補正値決定部。
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Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局信号を擬似的に発生させる基地局
    部と,基地局信号の遅延量,位相,レベルを変化させる
    複数の擬似回線部と,擬似回線部から出力される信号を
    合成する信号合成部と,信号合成部の環境下に配設さ
    れ,上記擬似回線部からの信号を受信する被評価端末
    と,予め設定された上記基地局信号の時間的変動情報を
    記憶する制御情報記憶手段と,上記被評価端末の受信信
    号から,上記制御情報記憶手段で記憶された時間的変動
    情報を補正する制御情報補正手段と,上記制御情報記憶
    手段に記憶された基地局信号の時間的変動情報と,上記
    制御情報補正手段で補正された時間的変動補正情報とを
    基に,基地局部と擬似回線部の制御を行う制御手段とを
    備え,上記信号合成部に合成された電波環境を制御する
    無線通信端末評価装置。
  2. 【請求項2】 制御情報補正手段は被評価端末の受信レ
    ベルから平均受信レベルを求め,上記平均受信レベルか
    ら上記制御情報記憶手段で記憶された減衰量の時間的変
    動情報を補正する構成にされたことを特徴とする請求項
    1記載の無線通信端末評価装置。
  3. 【請求項3】 制御情報補正手段は被評価端末の受信レ
    ベルからライスファクタを求め,上記ライスファクタと
    から上記制御情報記憶手段で記憶された減衰量の時間的
    変動情報を補正する構成にされたことを特徴とする請求
    項1記載の無線通信端末評価装置。
  4. 【請求項4】 制御情報補正手段は被評価端末の受信レ
    ベルからライスファクタを求め,上記ライスファクタと
    から上記制御情報記憶手段で記憶された移相量の時間的
    変動情報を補正する構成にされたことを特徴とする請求
    項1記載の無線通信端末評価装置。
  5. 【請求項5】 制御情報補正手段は被評価端末から受信
    レベルとエラーレートを入力し受信レベルから平均受信
    レベルとライスファクタを求め,この平均受信レベルと
    ライスファクタ及びエラーレートを基に上記制御情報記
    憶手段で記憶された減衰量と移相量と遅延量の時間的変
    動情報を補正する構成にされたことを特徴とする請求項
    1記載の無線通信端末評価装置。
  6. 【請求項6】 上記基地局部は被評価端末からの信号の
    受信レベルを出力する基地局データ出力部と,上記受信
    レベルに基づき上記擬似回線部の被評価端末からの信号
    を減衰する減衰器の減衰量を制御する基地局補正値決定
    部とを備えことを特徴とする請求項1ないしは5の何れ
    かに記載の無線通信端末評価装置。
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