JP2000150491A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JP2000150491A
JP2000150491A JP11279563A JP27956399A JP2000150491A JP 2000150491 A JP2000150491 A JP 2000150491A JP 11279563 A JP11279563 A JP 11279563A JP 27956399 A JP27956399 A JP 27956399A JP 2000150491 A JP2000150491 A JP 2000150491A
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etching
plasma
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high frequency
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Masaru Izawa
勝 伊澤
Shinichi Taji
新一 田地
Katanobu Yokogawa
賢悦 横川
Seiji Yamamoto
清二 山本
Nobuyuki Negishi
伸幸 根岸
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体製造におけるフロロカーボンガスプラズ
マによる酸化ケイ素膜のエッチングにおいて、微細加工
性に優れ、レジストや窒化ケイ素膜に対して選択性が高
いエッチング方法を提供する。 【解決手段】磁場勾配と高周波電力に依存した電子温度
領域をプラズマ中に設け、1Paから4Paの低ガス圧
力条件下で、F/CF生成比をイオン生成量と独立に
設定する。 【効果】ガス圧力,ガス流量に大きく依存することな
く、レジストや窒素化膜に対する選択比が高い、酸化膜
エッチングが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の微細
加工に用いるドライエッチング装置及びドライエッチン
グ方法に関し、特に酸化ケイ素膜の高精度ドライエッチ
ング加工を実現するドライエッチング装置及びドライエ
ッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置において、ウェハ上に形成さ
れたトランジスタとメタル配線間およびメタル配線間を
電気的に接続するために、トランジスタ構造上および配
線間に形成された絶縁膜(SiOを主成分とする薄
膜、以後、酸化膜と呼ぶ)に、ドライエッチング方法で
コンタクトホールを形成し、コンタクトホール内に電気
伝導体を充填する。ドライエッチングでは、エッチング
ガスを真空容器に導入し、このガスに高周波バイアスも
しくはμ波を印加プラズマを発生させ、プラズマ中で生
成した活性種およびイオンによって酸化膜を選択的にエ
ッチングし、コンタクトホールを形成する。このエッチ
ングに際して、ホールパターンを転写したレジスト薄膜
が酸化膜上に形成されている。このコンタクトホール加
工では、レジスト膜,コンタクトホールの下部にある配
線層、およびトランジスタを形成しているシリコンに対
し選択的に酸化膜をエッチングする必要がある。この
他、ウェハ上に形成された電界効果トランジスタのゲー
ト電極を、配線層間と異なった材質の第2の絶縁膜で覆
い、ソースおよびドレイン領域と配線層を接続するドラ
イエッチング方法においては、エッチング中、ホール内
に前記第2の絶縁膜が現れるため、第2の絶縁膜に対す
る選択性も必要となる。このコンタクト加工のことをセ
ルフアラインコンタクト(SAC)加工といい、第2の
絶縁膜として、窒化ケイ素膜が用いられる。
【0003】上記コンタクトホールの加工は、エッチン
グ装置内にCF,CHF,C等のフロロカー
ボンガスおよびArガスを導入し、4Paから10Pa
のガス圧力条件で高周波プラズマ放電して、ウェハに
1.5から2.0kVのVpp電圧が印加される条件でエッ
チングを行っている。配線層間の酸化膜が厚く、コンタ
クトホールのアスペクト比(深さ/直径)が高い場合に
は、ホール開口性を高めるため酸素ガスの添加、SAC
加工においては、窒化膜に対する選択性を高めるためC
Oガスの添加等が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エッチング装置では、ガス圧力,プラズマ発生に必要な
高周波パワー等のエッチング条件を決めると、プラズマ
密度および電子温度が決まってしまうため、ガス解離に
よるFとCFおよびイオンの生成量が固定されてしま
う。プラズマ中では、CFの他、CF,CF,C
等が存在するが、本明細書では、C,CF,CF等を
CFラジカルで代表し、CFラジカルをCFで、
FラジカルをFで表記する。このためFとCFの生成
量を一定にしたまま、イオン生成量を変えたり、イオン
生成量一定の条件で、FとCFの入射量を変えること
が難しかった。例えば、平行平板型のエッチング装置の
場合、プラズマ生成用の高周波バイアスのパワーを高く
するとプラズマ密度が高くなるためイオン生成量が増加
し、同時に、プラズマによる解離が進むためCFに対
するFの生成量も変わってしまう。
【0005】このような従来のエッチング装置では、次
のような問題が生じる。アスペクト比が高いコンタクト
加工する場合、レジスト選択比が高い条件では、コンタ
クトホール底面でフッ素ラジカルFが少なくなるため、
CF系のラジカルによりポリマーが形成され、ホールの
途中でエッチングが停止してしまう。逆にエッチングが
停止しない条件では、酸素ガスの添加やフッ素過剰にな
り、酸素やフッ素により、レジストマスクがエッチング
されるため、レジストに対する選択比が十分に得られな
くなってしまう。従来の技術では、プラズマ中のガス解
離が固定され、この問題に対応できなかった。
【0006】この他、ガス圧力が高い条件でアスペクト
比の高いコンタクトホールをエッチングする場合、ガス
分子との衝突により、ウェハに対し傾め方向から入射す
るイオンがあるため、酸化膜の一部が横方向にエッチン
グされてしまい垂直加工することが難しくなる。ガス分
子との衝突は、ガス圧力を低くすることにより、低減で
きるが、従来の装置では、ガス圧力を低くするとプラズ
マ密度と電子温度が変わってしまうため、Fの比率が増
えレジストや窒化膜に対する十分な選択比が得られず、
低ガス圧力化の障害となっていた。
【0007】上記酸化膜のエッチングにおいては、半導
体装置の微細化に伴い、加工精度,窒化膜に対する選択
比(対窒化膜選択比)およびレジストに対する選択比等
の向上、および、半導体装置の平坦化や配線の多層化に
伴い、深さ/ホール径比率(アスペクト比)の高いコン
タクトホールの加工が必要となってきた。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、プラズ
マ中でのCF2に対するFおよびイオンの生成量を制御
し、アスペクト比の高いコンタクトホールや窒化ケイ素
膜に対して高い選択比が要求される酸化膜の加工を実現
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】電子温度の異なる2以上
のプラズマ領域を形成することによって、プラズマ中で
のCFに対するFおよびイオンの生成量を独立に制御
することができる。
【0010】フロロカーボンガスを用いた酸化膜エッチ
ングにおいて、CFに対するFの生成量は、プラズマ
温度に依存し、イオンの生成量はプラズマ生成に導入し
たパワーに比例して決まる。Cの場合、C
からFの生成の閾エネルギー6eV程度であるのに対
し、CFの生成は12eV程度である。このため、電
子温度が低い場合(1−4eV)、Fが生成しやすくF
/CF生成比は大きくなる。電子温度が5−20eV
では、CFの生成が促進されるため、F/CF生成
比は低電子温度の場合に比べ小さくなる。そこで、2種
類の電子温度を用いると、高電子温度領域でFとCF
を生成させ、低温度領域でFを生成させることが可能に
なる。この2つの電子温度領域の大きさを可変させるこ
とにより、F/CF比を制御する。これらの電子温度
の差は1eV以上、好ましくは5eV以上あると良い。
【0011】プラズマ中でのCFに対するFおよびイ
オンの生成量を独立に制御すべきであることは以下の理
由による。導入したフロロカーボンガスが、プラズマ中
でCFラジカルとFラジカルおよびイオンに解離しウ
ェハに入射する。酸化膜のエッチングは、CFおよび
Fが付着した面にイオンが入射することにより、エッチ
ングが進行する。これに対し、レジストや窒化ケイ素膜
は、主にFとイオンによってエッチングされ、CF
表面でポリマーを形成するため、レジストや窒化ケイ素
膜上では耐エッチング膜として作用する。このため、C
に比べイオンやFの入射量が少ない条件でエッチン
グすると、レジストや窒化ケイ素膜に対して高い選択比
を得ることができる。しかしながら、イオン入射量を少
なくすると、酸化膜のエッチング速度が遅くなり、Fの
入射量が少なくなると、アスペクト比の高いホールでは
エッチングが停止してしまうという問題が発生する。こ
のように、酸化膜のエッチングプロセスは、おおむねC
,F,イオンの入射によって決まり、特にCF
射量に対するイオンの入射量およびF入射量に依存す
る。したがって、プラズマ中でのCFに対するFおよ
びイオンの生成量を独立に制御できると、プロセス条件
が広がり、結果としてより微細で深い酸化膜の加工が可
能になる。
【0012】しかしながら、2つの電子温度領域でとも
に、Fが生成することから、全体にFが過剰な条件でF
/CFを制御することになる。Fを選択的に除外する
には、水素原子を含むガス(H,CH,CH
等)を添加しFをHラジカルと反応させ除外することが
できる。この他、内壁材との反応でFを消費させること
ができる。具体的には、エッチング装置内壁面にSi
板,SiC板等のFと反応する材料を設置し、F消費を
促進するため前記板に高周波バイアスを印加することに
よりFを除外する。この他、CFが壁に付着して形成
されたポリマーとFを反応させてFを除外することがで
きる。ウェハと内壁部の距離を近づけると、プラズマの
体積に対する内壁面の面積が大きくなるため、エッチン
グ装置内のプラズマで生成したFが内壁部に入射する割
合が高くなる。すなわち、ウェハと内壁部を接近させる
ことによりFは効率的にポリマーと反応し除外される。
具体的には、ウェハとエッチング装置のウェハ対向面と
の距離を短くすることが上げられる。これらの方法と2
種類の電子温度をもつプラズマを用いることにより、F
/CF比を広い範囲で制御することが可能になる。
【0013】これに対し、イオンの生成量は、プラズマ
中の電子密度によって決まり、電子密度は入力する高周
波のパワーにほぼ比例する。F/CFの解離はガス分
子と電子衝突によ漬て生成するため、高周波のパワーに
依存するが、2つの電子温度領域を可変させることによ
り、イオン生成量とは、独立にF/CFの生成比率を
制御することができる。
【0014】2種類の電子温度領域を生成する具体的な
方法として、図1に示すようにエレクトロンサイクロト
ロン共鳴(ECR)を用いたエッチング装置の場合、E
CR領域で電子温度が高く(高電子温度領域103)、そ
れ以外の部分では、低電子温度領域102を形成する。
ECR領域は、外部から印加する磁場の磁場勾配を大き
くするとECR領域は狭くなる。したがって、ECR領
域の磁場勾配の制御により、F/CF生成比を可変す
ることが可能になる。図2に示すように、磁場勾配が小
さい条件では、高電子温度領域が広がるので、F/CF
生成比は小さくなり、磁場勾配を大きくすると、高電
子温度領域が狭くなるので、F/CF生成比を大きく
することができる。この他、ECR領域は導入する高周
波の周波数におおむね反比例する。例えば、周波数を
2.45GHzから450MHzにするとECR領域は
約5倍に広がる。したがって、導入する高周波の周波数
を低くすることによって高電子温度領域を広くし、F/
CF生成比を小さくすることができる。
【0015】ECR領域101を固定した場合、ウェハ
6とウェハ対向面103の距離を変えると低電子温度領
域102の大きさを変えることができる。図2に示すよ
うにウェハ6とウェハ対向面103の距離を短くすると
低電子温度領域102は狭くなるため、F/CF生成
比を小さくすることができる。
【0016】図3は、ウェハとウェハ対向面の距離の制
御による2種類の電子温度領域の形成とF/CF生成
比の関係を示す図である。図において、301は高電子
温度領域を、そして302はエッチング装置のウェハ対
向面とウェハ間の距離と、F/CF生成比の関係を示
す曲線であり、高電子温度領域301をはずれたウェハ
対向面とウェハ間の距離40〜150mmにおいて、F
/CF生成の効果が著しいことが判る。
【0017】以上のようにECRエッチング装置の場
合、磁場勾配、導入する高周波の周波数、ウェハとウェ
ハ対向面の距離を制御することにより、イオンの生成量
と独立にF/CFの生成比を制御することができる。
【0018】本発明は、具体的には次に掲げる方法を提
供する。
【0019】本発明は、エッチング処理室に、高周波お
よび磁場を発生させてプラズマを生成してウエハについ
てエッチング処理するドライエッチング方法において、
前記ウエハの対向面と前記ウエハとの間隔を20mm以
上150mm以下に設定し、第1及び第2の高周波を1
0MHz以上100MHz以下の範囲に設定し、それぞ
れに高周波電力を設定し、高周波パワーにより、前記ウ
エハと前記ウエハの対向面との間に、第1及び第2の電
子温度領域を生成し、前記ウエハをエッチングするドラ
イエッチング方法を提供する。
【0020】本発明は、更に前記第1及び第2の高周波
それぞれを、第1及び第2のリングアンテナから導入し
て前記プラズマを生成させるドライエッチング方法を提
供する。
【0021】本発明は、CとFを有するエッチング処理
室に、高周波および磁場を発生させてプラズマを生成し
てウエハについてエッチング処理するドライエッチング
方法において、前記ウエハの対向面と前記ウエハとの間
隔を20mm以上150mm以下に設定し、第1及び第
2の高周波を10MHz以上100MHz以下の範囲に
設定し、それぞれに高周波電力を設定し、前記ウエハと
前記ウエハの対向面との間に、第1及び第2の電子温度
領域を生成し、前記プラズマ中のCFラジカルに対す
るFラジカル及びイオンについてそれぞれ生成量を独立
に設定し、前記ウエハをエッチングするドライエッチン
グ方法を提供する。
【0022】本発明は、CとFを有するエッチング処理
室に、高周波および磁場を発生させてプラズマを生成し
てウエハについてエッチング処理するドライエッチング
方法において、電磁波を放射するアンテナと前記ウエハ
との間隔を20mm以上150mm以下に設定し、第1
及び第2の高周波を10MHz以上100MHz以下の
範囲に設定し、それぞれに高周波電力を設定し、前記ウ
エハを処理する処理台にバイアスを印加し、磁場勾配に
より、前記アンテナと前記ウエハとの間に、第1の電子
温度領域と第2の電子温度領域を生成し、前記プラズマ
中のCFラジカルに対するFラジカル及びイオンにつ
いてそれぞれ生成量を独立に生成し、前記ウエハをエッ
チングするドライエッチング方法を提供する。
【0023】本発明は、処理室と、前記処理室内で、被
処理物を設置するための台と、前記処理室内にガスを導
入するガス導入口と、前記処理室内のガスを排気するガ
ス排出口と、リング状アンテナと、前記ガスのプラズマ
を形成し、第1の電子温度領域及び第2の電子温度領域
を形成するための、前記リング状アンテナに印加する高
周波パワーと、前記被処理物のドライエッチング中に前
記第1の電子温度領域を制御するための、前記高周波パ
ワーを制御する手段とを有するドライエッチング装置を
提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に用いるドライエッチング
装置を図4に示す。この装置ではエッチング処理室1に
エッチングガスを導入し、マイクロ波発生器2において
900MHzから2.45GHzの間の高周波を発生さ
せ、この高周波を導波管3を通し、エッチング処理室1
に輸送してガスプラズマを発生させる。ECR領域の鉛
直方向の磁場勾配がECR領域の磁場強度に対し、広い
範囲で制御できるようにエッチング処理室周辺に磁場発
生用のソレノイドコイルを4つ設置する。これらのソレ
ノイドコイル4によって、0から875ガウスの間の磁
場が処理台のほぼ真上にくるように4つのコイル電流を
制御し、エレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)を用
いて電子密度が1011個/cm以上の高密度プラズ
マを発生させる。
【0025】ECR領域の磁場勾配は、磁場勾配/磁場
強度の値が0.1cm−1から0.01cm−1の範囲で
制御する。エッチング処理室1には処理台5があり、こ
の上に被処理物6を設置して、ガスプラズマによりエッ
チング処理する。エッチングガスは、ガス流量制御装置
を通してエッチング処理室1に導入され、排気ポンプ7
によりエッチング処理室1の外に排気される。被処理物
を設置する処理台5には高周波電源12を備え、400
KHzから13.56MHz までの高周波バイアスを印
加できる。処理台の位置は、処理台の対向面(ガス導入
口11)から距離が20mmから150mmの範囲で固
定することができる。
【0026】この装置に、被処理物として8インチシリ
コンウェハを搬送する。このシリコンウェハ上には厚さ
2mmの酸化膜が形成されその上部にはマスクパターン
を転写したレジストマスクが形成されている。レジスト
マスクには、200nm径のホールが形成されている。
【0027】この装置に、Ar400sccm、C
10sccm、CHを5sccmガス導入口より処理室に
導入しガス圧力を2Paにする。2.45GHz ,1k
Wの高周波をマイクロ波発生器より発生させ、処理台8
00KHz,1000Wのバイアスを印加し、酸化膜を
エッチングする。処理台の位置をマイクロ波導入窓から
100mmとして、ウェハの真上6cmの位置で磁場強
度が875ガウス、その位置における磁場勾配が50ガ
ウス/cmとなるようにコイル電流を調整する。その条
件で、ECR領域の厚さは10mm程度で、電子温度は
10eV程度である。ECR領域以外の電子温度は3e
V程度になる。すなわち、約10mmの厚さの高電子領
域と約90mmの厚さの低電子領域が形成される。Fの
一部は、CHから生成されるHと反応して除外さ
れる。このため、CからのFの生成量はCF
対し2倍程度であるが、ウェハに入射するF/CF
比率は、0.6程度になると推定できる。電子密度は3
×1011個/cm程度で、イオン電流密度は5mA
/cm程度になる。この条件で、酸化膜のエッチング
速度は約700nm/min で、レジストに対する選
択比は5である。加工形状はほぼ垂直な形状が得られる
が、同じ条件でガス圧力を5Paまで高くすると、斜め
に入射するイオンのため20nmほど横方向に削れがホ
ール内に見られる。ガス圧力、4Pa以下でほぼ垂直な
加工形状になる。
【0028】磁場勾配を15G/cmにすると、ECR
領域の厚さは、20mm程度に広がる。この結果、ウェ
ハに入射するF/CF比は0.3程度に小さくなる。
一方、プラズマ密度は磁場勾配を変えてもほとんど変化
せず、両者の場合、イオン電流密度は5mA/cm
度になる。このため、酸化膜のエッチング速度は、ほと
んど変わらず平面部では700nm/min 程度にな
る。これに対し、Fの比率が小さくなるためレジスト選
択比は30とよくなるが、CFが過剰にあるため、酸
化膜は深さ約1mmまでエッチングされ停止する。
【0029】エッチング中に磁場勾配を、15ガウス/
cmから50G/cmに、毎分12G/cmで変化させ
ると、変えるとエッチング速度は700nm/min
程度で、エッチングは停止することなく、3分ほどで終
了する。レジストに対する選択比は20程度になり、磁
場勾配50G/cmのエッチングに比べレジスト選択比
が大きく改善される。
【0030】このように磁場勾配を制御するとイオン電
流を一定に保ったまま、F/CF比を変えることがで
きる。磁場勾配を小さくすることによってレジストに対
する選択比は高くなる。しかしながら、磁場勾配をより
小さくするということは、エッチング装置内で均一な磁
場を形成することを意味し、これを同じ磁場強度で実現
するためには、エッチング装置周辺に多くのコイルを設
置する必要がある。これに対し、磁場強度を小さくする
と、磁場勾配もそれに比例して小さくなるので、容易に
磁場勾配を小さくすることができる。ECRを形成する
磁場強度は、マイクロ波の周波数によって決まるので、
磁場強度および磁場勾配を小さくするには、マイクロ波
の低周波数化が有利である。
【0031】次に図5の装置を用いた別の実施形態につ
いて説明する。図5に示されない構成は、図4に示され
る構成が同様に適用される。この装置ではエッチング処
理室1にエッチングガスを導入し、第一の高周波電源6
01および第二の高周波電源602において10−10
0MHzの間の高周波を発生させ、この高周波をリング
アンテナ603,604からそれぞれエッチング処理室
1に導入してガスプラズマを発生させる。プラズマの電
子密度は1011個/cm以上の高密度プラズマにな
る。エッチング処理室1には処理台5があり、この上に
被処理物6を設置して、ガスプラズマによりエッチング
処理する。被処理物6であるウェハとウェハ対向面10
3の間の距離は前述のように40mm〜150mmに設
定される。エッチングガスは、ガス流量制御装置を通し
てエッチング処理室1に導入され、排気ポンプ7により
エッチング処理室1の外に排気される。被処理物を設置
する処理台5には高周波電源12を備え、400KHz
から13.56MHz までの高周波バイアスを印加でき
る。
【0032】この装置に、被処理物として8インチシリ
コンウェハを搬送する。このシリコンウェハ上には厚さ
2mmの酸化膜が形成されその上部にはマスクパターン
を転写したレジストマスクが形成されている。レジスト
マスクには、200nm径のホールが形成されている。
【0033】この装置に、Ar400sccm、C
10sccmをガス導入口より処理室に導入しガス圧力を3
Paにする。13.56MHz の1500Wの高周波を
第一のリングアンテナ603に印加し、13.56MH
z の1000Wの高周波を第二のリングアンテナ60
4に印加し、ガスプラズマを発生させ、処理台に800
kHz,1200Wのバイアスを印加し、酸化膜をエッ
チングする。この条件で、第一のリングアンテナの高さ
付近の電子温度は、約10eVでウェハ付近では4eV
になる。酸化膜のエッチング速度は約700nm/mi
n でレジストに対する選択比は25程度になるが、コ
ンタクトホールの中途でエッチングの停止が見られる。
【0034】第二のリングアンテナ604に印加する高
周波パワーを500Wにすると、ウェハ付近の電子温度
は2eV程度に小さくなる。プラズマ密度は第一のリン
グアンテナでほぼ決まるため、イオン電流密度は変わら
ず、酸化膜のエッチング速度は700nm/min で
あるが、電子温度の低下によりレジストの選択比は10
程度に小さくなる。しかしこの条件では、エッチングの
停止は生じない。
【0035】エッチング中に、第二のリングアンテナ6
04に印加する高周波パワーを1000Wから500W
にエッチング時間の経過とともに変えていくと、エッチ
ングの停止なく、コンタクトホールが形成され、エッチ
ング中の平均のレジストの選択比は20程度になる。す
なわち、エッチング処理室のガス圧力が1Paから4P
aの低ガス圧力条件下でも、シリコンに対し選択的に酸
化膜をエッチングするSAC加工を行うことができる。
【0036】
【発明の効果】本発明により、F/CFの生成比が任
意に制御できるため、ガス圧力,ガス流量に大きく依存
することなく、レジストや窒素化膜に対する選択比が高
い、酸化膜エッチングが可能になる。本発明を用いる
と、アスペクト比の高いコンタクトホールの加工やレジ
ストおよび窒化ケイ素膜に対して高い選択比で酸化膜の
加工ができる。1Paから4Paの低ガス圧力条件で
も、上記エッチングが可能になるため、アスペクト比の
高いコンタクトホールで垂直加工形状が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2種類の電子温度領域の形成を示す概
念図である。
【図2】本発明の磁場勾配の制御による2種類の電子温
度領域の形成とF/CF生成比の関係を示す図であ
る。
【図3】本発明のウェハとウェハ対向面の距離の制御に
よる2種類の電子温度領域の形成とF/CF生成比の
関係を示す図である。
【図4】本発明で用いるドライエッチング装置の断面図
である。
【図5】本発明で用いる別のドライエッチング装置の断
面図である。
【符号の説明】
1…エッチング処理室、2…マイクロ波発生器、3…導
波管、4…ソレノイドコイル、5…処理台、6…被処理
台、7…排気ポンプ、8…排気バルブ、9…コンダクタ
ンスバルブ、10…ガス流量コントローラ、11,50
1…ガス導入口、12…処理台用の高周波電源、13…
石英チャンバー、101…高電子温度領域、102…低
電子温度領域、103…ウェハ対向面、201…磁場勾
配とF/CF生成比の関係を示す曲線、301…高電
子温度領域、302…エッチング装置のウェハ対向面と
ウェハ間の距離と、F/CF生成比の関係を示す曲
線、601…第一の高周波電源、602…第二の高周波
電源、603…第一のリングアンテナ、604…第二の
リングアンテナ。
フロントページの続き (72)発明者 横川 賢悦 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 山本 清二 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 根岸 伸幸 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッチング処理室に、高周波および磁場を
    発生させてプラズマを生成してウエハについてエッチン
    グ処理するドライエッチング方法において、 前記ウエハの対向面と前記ウエハとの間隔を20mm以
    上150mm以下に設定し、 第1及び第2の高周波を10MHz以上100MHz以
    下の範囲に設定し、それぞれに高周波電力を設定し、 高周波パワーにより、前記ウエハと前記ウエハの対向面
    との間に、第1及び第2の電子温度領域を生成し、 前記ウエハをエッチングすることを特徴とするドライエ
    ッチング方法。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2の高周波それぞれを、第
    1及び第2のリングアンテナから導入して前記プラズマ
    を生成させることを特徴とする請求項1記載のドライエ
    ッチング方法。
  3. 【請求項3】CとFを有するエッチング処理室に、高周
    波および磁場を発生させてプラズマを生成してウエハに
    ついてエッチング処理するドライエッチング方法におい
    て、 前記ウエハの対向面と前記ウエハとの間隔を20mm以
    上150mm以下に設定し、 第1及び第2の高周波を10MHz以上100MHz以
    下の範囲に設定し、それぞれに高周波電力を設定し、 前記ウエハと前記ウエハの対向面との間に、第1及び第
    2の電子温度領域を生成し、 前記プラズマ中のCFラジカルに対するFラジカル及
    びイオンについてそれぞれ生成量を独立に設定し、 前記ウエハをエッチングすることを特徴とするドライエ
    ッチング方法。
  4. 【請求項4】CとFを有するエッチング処理室に、高周
    波および磁場を発生させてプラズマを生成してウエハに
    ついてエッチング処理するドライエッチング方法におい
    て、 電磁波を放射するアンテナと前記ウエハとの間隔を20
    mm以上150mm以下に設定し、 第1及び第2の高周波を10MHz以上100MHz以
    下の範囲に設定し、それぞれに高周波電力を設定し、 前記ウエハを処理する処理台にバイアスを印加し、 磁場勾配により、前記アンテナと前記ウエハとの間に、
    第1の電子温度領域と第2の電子温度領域を生成し、 前記プラズマ中のCFラジカルに対するFラジカル及
    びイオンについてそれぞれ生成量を独立に生成し、 前記ウエハをエッチングすることを特徴とするドライエ
    ッチング方法。
  5. 【請求項5】処理室と、 前記処理室内で、被処理物を設置するための台と、 前記処理室内にガスを導入するガス導入口と、 前記処理室内のガスを排気するガス排出口と、 リング状アンテナと、 前記ガスのプラズマを形成し、第1の電子温度領域及び
    第2の電子温度領域を形成するための、前記リング状ア
    ンテナに印加する高周波パワーと、 前記被処理物のドライエッチング中に前記第1の電子温
    度領域を制御するための、前記高周波パワーを制御する
    手段とを有することを特徴とするドライエッチング装
    置。
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