JP2000149225A - 薄膜磁気ヘッドとその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドとその製造方法

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JP2000149225A
JP2000149225A JP10318255A JP31825598A JP2000149225A JP 2000149225 A JP2000149225 A JP 2000149225A JP 10318255 A JP10318255 A JP 10318255A JP 31825598 A JP31825598 A JP 31825598A JP 2000149225 A JP2000149225 A JP 2000149225A
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magnetic
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magnetic head
magnetoresistive
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Reiko Kondo
玲子 近藤
Hitoshi Kishi
均 岸
Keiichi Nagasaka
恵一 長坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、磁気ディスク装置で用いられる低コ
ストで信頼性の高い薄膜磁気ヘッドの提供を目的とす
る。 【解決手段】本発明の薄膜磁気ヘッドは、媒体磁界に応
答して磁区の方向を変化させる機能を持つ磁気抵抗効果
膜が規定の形状に形成されることで、媒体磁界が存在し
ないときにおけるその磁区の方向が、磁区制御膜を用い
ることなく規定の方向に整列されるように構成される。
このように、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁区制御膜
を用いないことから、プロセス工程を簡略化できるよう
になるとともに、磁区制御膜の磁気特性のばらつきや、
磁気抵抗効果膜と磁区制御膜との間の接触部分の磁気的
なばらつきなどによるヘッド特性のばらつきを無くすこ
とができるようになり、更に、磁気抵抗効果膜と磁区制
御膜との間の接触部分からくる腐食によるヘッド特性の
劣化を無くすことができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
で用いられる低コストで信頼性の高い薄膜磁気ヘッド
と、その薄膜磁気ヘッドの製造方法とに関する。
【0002】磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッドと称さ
れている)は、磁気抵抗効果膜を再生部に用いたヘッド
で、再生出力が磁気記録媒体とヘッドとの間の相対速度
に依存しないことから、磁気記録媒体の高記録密度化や
小型化に対して有利な再生ヘッドである。
【0003】このような大きな利点を持つMRヘッドの
低コスト化を実現するとともに、その信頼性を向上させ
る技術の構築が叫ばれている。
【0004】
【従来の技術】磁気抵抗効果膜を用いたMRヘッドは、
磁気抵抗効果膜が単磁区とならない場合、バルクハウゼ
ンノイズが発生し、再生出力が大きく変動するという問
題点がある。
【0005】このため、従来では、磁気抵抗効果膜の磁
区を制御するために、高保磁力膜や反強磁性膜などで構
成される磁区制御膜を用いて、媒体磁界が存在しないと
きにおける磁気抵抗効果膜の磁区の方向を初期方向に整
列させるという方法を採っていた。
【0006】次に、この従来技術について具体的に説明
する。
【0007】MRヘッドとして、媒体磁界に応じて磁区
方向を変化させるフリー層と、固着された磁区方向を持
つピンド層と、ピンド層の磁区方向を固着させるピニン
グ層と、フリー層とピンド層との間を磁気的に絶縁する
中間層という多層構造で構成されるスピンバルブ型MR
ヘッドがある。
【0008】このスピンバルブ型MRヘッドは、図12
に示すような姿勢で備えられて、図13(a)に示すよ
うに、フリー層の両端に磁区制御膜を設けることで、媒
体磁界が存在しないときにおけるフリー層の磁化をトラ
ックに直交する方向に向かせるとともに、図13(b)
に示すように、ピンド層の磁化を媒体表面に垂直となる
方向に向かせて、図13(c)に示すように、媒体磁界
によりフリー層の磁化方向を変化させる構成を採ってい
る。そして、図14に示すように、フリー層に電流を流
すことで、フリー層の磁化方向の変化により生ずる抵抗
変化を検出することで、媒体磁界を検出する構成を採っ
ている。
【0009】一方、単層の磁気抵抗効果膜(異方性磁気
抵抗効果膜)で構成されるMRヘッドは、公知のシャン
トバイアス法やSALバイアス法などを用いるときに、
そのバイアス法で必要とされる垂直バイアスを媒体表面
に垂直となる方向にかけるとともに、図15(a)に示
すように、磁気抵抗効果膜の両端に水平バイアス用の磁
区制御膜を設けることで、図15(a)に示すように、
媒体磁界が存在しないときにおける磁気抵抗効果膜の磁
化をトラック方向から約45°の方向に向かせて、図1
5(b)に示すように、媒体磁界によりこの磁化方向を
変化させる構成を採っている。そして、図16に示すよ
うに、磁気抵抗効果膜に電流を流すことで、磁気抵抗効
果膜の磁化方向の変化により生ずる抵抗変化を検出する
ことで、媒体磁界を検出する構成を採っている。なお、
図15では省略したが、水平バイアス用の磁区制御膜と
は別に垂直バイアス用の磁区制御膜が設けられている。
【0010】このように、従来のMRヘッドでは、磁区
制御膜を設けることで、媒体磁界に応答して磁区の方向
を変化させる機能を持つ磁気抵抗効果膜の磁区方向を初
期方向に向かせるという方法を採っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
MRヘッドのように、磁区制御膜を設ける構成を採って
いると、プロセス工程が増加しコストアップを招くとい
う問題点がある。
【0012】更に、高保磁力膜や反強磁性膜などで構成
される磁区制御膜と磁気抵抗効果膜との間の接触部分の
ばらつきにより、ヘッド間の再生出力にばらつきが生
じ、信頼性の低下を招くという問題点がある。
【0013】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、低コストで信頼性の高い新たな薄膜磁気ヘッ
ドの提供と、その薄膜磁気ヘッドを製造する新たな薄膜
磁気ヘッドの製造方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、単層あるいは積層の形態で備えられる
磁気抵抗効果膜を使って磁気記録媒体に記録されるデー
タを再生する機能を持つ薄膜磁気ヘッドを製造するとき
に、媒体磁界に応答して磁区の方向を変化させる機能を
持つ磁気抵抗効果膜に用いられる磁区制御膜の成膜を省
略しつつ、その磁気抵抗効果膜を規定の形状に成膜する
ことで、薄膜磁気ヘッドを製造する。
【0015】このとき、好ましくは、トラックに直交す
る方向の長さをxとし、媒体表面に垂直となる方向の長
さをyとするならば、その2つの長さの比“y/x”が
0.26未満で、かつ、yが1μm未満となるように
と、磁気抵抗効果膜の形状を形成する。
【0016】すなわち、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、
媒体磁界に応答して磁区の方向を変化させる機能を持つ
磁気抵抗効果膜が規定の形状に形成されることで、媒体
磁界が存在しないときにおけるその磁区の方向が、磁区
制御膜を用いることなく規定の初期方向に整列されるよ
うに構成される。
【0017】このように、本発明の薄膜磁気ヘッドは、
磁区制御膜を用いずに、磁気抵抗効果膜の形状異方性を
用いることで、媒体磁界に応答して磁区の方向を変化さ
せる磁気抵抗効果膜の磁区方向を初期方向に制御すると
いう構成を採ることから、プロセス工程を簡略化できる
ようになるとともに、磁区制御膜の磁気特性のばらつき
や、磁気抵抗効果膜と磁区制御膜との間の接触部分の磁
気的なばらつきなどによるヘッド特性のばらつきを無く
すことができるようになり、更に、磁気抵抗効果膜と磁
区制御膜との間の接触部分からくる腐食によるヘッド特
性の劣化を無くすことができるようになる。
【0018】このようにして、本発明によれば、低コス
トで信頼性の高い薄膜磁気ヘッドを提供できるようにな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明
を詳細に説明する。
【0020】図1に、本発明のMRヘッドの製造方法の
処理手順を図示する。ここで、この処理手順では、単層
の磁気抵抗効果膜で構成される本発明のMRヘッドを製
造することを想定している。
【0021】次に、この処理手順に従って、本発明のM
Rヘッドの製造方法について説明する。
【0022】本発明のMRヘッドを製造する場合、図1
の処理手順に示すように、先ず最初に、ステップ1で、
基板に強磁性膜をスパッタリング法やメッキ法で1〜3
μm程度成膜する。すなわち、図2(a)に示すよう
に、基板1に強磁性膜2を成膜するのである。
【0023】強磁性膜としては、例えば、CoFeNiS など
のCoFe系や、NiFeなどの保持力の小さな軟磁性膜を用い
る。成膜後、イオンミリングなどにより所定の形状にパ
ターンニングを行う。あるいは、レジストでフレームを
形成後、選択メッキを行うことで所定形状の強磁性膜を
得てもよい。
【0024】続いて、ステップ2で、ステップ1で形成
した強磁性膜の上に非磁性絶縁膜を形成する。すなわ
ち、図2(b)に示すように、強磁性膜2の上に非磁性
絶縁膜3を形成するのである。
【0025】非磁性絶縁膜としては、例えば、Al2O3
どを用いる。成膜後、イオンミリングなどにより所定の
形状にパターンニングを行う。
【0026】続いて、ステップ3で、ステップ2で形成
した非磁性絶縁膜の上に規定形状を有するMR膜を0.0
01μm〜1μm程度成膜する。すなわち、磁気抵抗効
果膜は、細長い形状に形成されると、その長手方向に磁
区が配列するという性質を有し、本発明では、この性質
を利用して、図2(c)に示すように、非磁性絶縁膜3
の上に規定形状を有するMR膜4を形成することで、従
来技術で必要とされていた磁区制御膜を省略する構成を
採るのである。ここで、図中に示すXは、後述するトラ
ックに直交する方向の長さ、Yは媒体表面に垂直となる
方向の長さである。
【0027】MR膜としては、例えば、スピンバルブ膜
などの巨大磁気抵抗効果膜などを用いる。成膜後、イオ
ンミリングなどにより規定の形状にパターンニングを行
う。この形状を規定するX及びYの値については、後述
する。
【0028】なお、MR膜として、スピンバルブ膜など
の巨大磁気抵抗効果膜に代えて、単層の磁気抵抗効果膜
(異方性磁気抵抗効果膜)を用いることも可能である。
この場合には、本発明により省略可能となる磁区制御膜
は、上述した水平バイアス用の磁区制御膜となる。
【0029】続いて、ステップ4で、ステップ3で形成
したMR膜の上に電極端子を成膜し、パターンニングす
る。すなわち、図3(a)に示すように、MR膜4の上
に電極端子5を形成するのである。
【0030】続いて、ステップ5で、ステップ4で形成
した電極端子の上に非磁性絶縁膜を成膜し、パターンニ
ングする。すなわち、図3(b)に示すように、電極端
子5の形成されたMR膜4の上に非磁性絶縁膜6を形成
するのである。
【0031】続いて、ステップ6で、ステップ5で形成
した非磁性絶縁膜の上に磁気シールド用の強磁性膜をス
パッタリング法やメッキ法で1〜3μm程度成膜する。
すなわち、図3(c)に示すように、非磁性絶縁膜6の
上に磁気シールド用の強磁性膜7を形成するのである。
【0032】強磁性膜としては、例えば、CoFeNiS など
のCoFe系や、NiFeなどの保持力の小さな軟磁性膜を用い
る。成膜後、イオンミリングなどにより所定の形状にパ
ターンニングを行う。あるいは、レジストでフレームを
形成後、選択メッキを行うことで所定形状の強磁性膜を
得てもよい。
【0033】このようにして、本発明では、磁区制御膜
を形成することなくMRヘッドを製造することになる。
そして、磁区制御膜を形成しない代わりに、磁気抵抗効
果膜の形状を規定のものに形成することで、媒体磁界が
存在しないときにおける磁気抵抗効果膜の磁区の方向が
規定のものになることを実現する。
【0034】この磁気抵抗効果膜の形状は、具体的に
は、図4(a)に示すように、トラックに直交する方向
の長さをXとし、媒体表面に垂直となる方向の長さをY
とするならば、その2つの長さの比“Y/X”が0.2
6未満で、Yが1μm未満となるものであって、この形
状を有することで、図4(a)に示すように、磁区制御
膜を用いなくとも、磁化の初期方向をトラックに直交す
る方向に向かせることができるとともに、図4(b)に
示すように、媒体磁界によりこの磁化方向を変化させる
ことができるようになる。
【0035】これらの数値は、シミュレーションにより
求めたものである。次に、この磁気抵抗効果膜の形状を
求めるために行ったシミュレーションに従って、本発明
を実現する磁気抵抗効果膜の形状について詳細に説明す
る。
【0036】このシミュレーションは、スピンバルブ型
MRヘッドを解析対象として、マイクロマグネティック
ス法による3次元プログラムを用いて行った。想定した
スピンバルブ型MRヘッドの膜構成は、Ta(5)/PdPtMn(2
5)/CoFe(2.5)/Cu(3)/NiFe(4.5)/Ta(5)である。ここで、
括弧内の数値は膜厚[nm]を表している。
【0037】このマイクロマグネティックス法によるシ
ミュレーションは、解析対象となるスピンバルブ型MR
ヘッドと、そのスピンバルブ型MRヘッドを挟み込む形
で設けられる磁気シールドとをメッシュに分割して、そ
れぞれのメッシュにかかる磁界を計算し、LLG方程式
により磁化角度の緩和を行い、フリー層とピンド層との
磁化角度を各メッシュ毎に出力し抵抗値を算出すること
で行った。
【0038】ここで、各メッシュにかかる磁界(H)と
して、下記に示す磁界の和を計算した。
【0039】 H=Hext +Ha +Hd +Hc +Hex+Hintext :媒体磁界 Ha :異方性磁界 Hd :反磁界 Hc :電流磁界 Hex :膜内交換相互作用 Hint :層間交換相互作
用 また、LLG方程式として、下記の式を用いて磁化角度
の緩和を行った。
【0040】∂M/∂t=−γ〔M×H〕−(αγ/
M)〔M×〔M×H〕〕 また、抵抗値は、下記の式を用いて計算した。
【0041】R=R0 −(ΔR GMR/2)・cos(θ
p −θf )+(ΔR AMR/2)・(cos θf )2 θp :ピンド層の磁化の角度 θf :フリー層の磁化の角度 ΔR GMR :スピンバルブに関する抵抗変化 ΔR AMR :フリー層に関する抵抗変化 図5ないし図11にシミュレーション結果を図示する。
【0042】図5(a)のシミュレーション結果は、
「X=0.5μm,Y=0.26μm,Y/X=0.52」のとき
のRーHカーブ(抵抗の媒体磁界依存性を示すカーブ)
を示し、図5(b)のシミュレーション結果は、「X=
1.0μm,Y=0.26μm,Y/X=0.26」のときのRー
Hカーブを示し、図6(a)のシミュレーション結果
は、「X=1.5μm,Y=0.26μm,Y/X=0.17」の
ときのRーHカーブを示し、図6(b)のシミュレーシ
ョン結果は、図6(a)のシミュレーション結果の一部
拡大図を示している。
【0043】これらのシミュレーション結果から、「Y
/X=0.52」のときのRーHカーブや、「Y/X=0.2
6」のときのRーHカーブはヒステリシスを持ち、「Y
/X=0.17」のときのRーHカーブはヒステリシスを持
たないことが分かる。
【0044】従って、図5及び図6のシミュレーション
結果から、“Y/X”の値は0.26未満である必要が
ある。
【0045】一方、図7(a)のシミュレーション結果
は、「X=4.0μm,Y=1.0μm,Y/X=0.25」の
ときのRーHカーブを示し、図7(b)のシミュレーシ
ョン結果は、「X=10.0μm,Y=1.0μm,Y/X=
0.10」のときのRーHカーブを示し、図8のシミュレー
ション結果は、「X=20.0μm,Y=1.0μm,Y/X
=0.05」のときのRーHカーブを示している。
【0046】この図7及び図8のシミュレーション結果
から、“Y/X”の値が0.26未満であっても、Yの
値が1.0μmにあるときには、RーHカーブがヒステ
リシスを持つことが分かる。
【0047】一方、図9(a)のシミュレーション結果
は、「X=6.0μm,Y=1.5μm,Y/X=0.25」の
ときのRーHカーブを示し、図9(b)のシミュレーシ
ョン結果は、そのシミュレーション結果の一部拡大図を
示し、図10(a)のシミュレーション結果は、「X=
15.0μm,Y=1.5μm,Y/X=0.10」のときのRー
Hカーブを示し、図10(b)のシミュレーション結果
は、そのシミュレーション結果の一部拡大図を示し、図
11(a)のシミュレーション結果は、「X=30.0μ
m,Y=1.5μm,Y/X=0.05」のときのRーHカー
ブを示し、図11(b)のシミュレーション結果は、そ
のシミュレーション結果の一部拡大図を示している。
【0048】この図9〜図11のシミュレーション結果
から、“Y/X”の値が0.26未満であっても、Yの
値が1.5μmにあるときには、RーHカーブがヒステ
リシスを持つことが分かる。
【0049】従って、図7〜図11のシミュレーション
結果から、Yの値は1.0μm未満である必要がある。
【0050】このように、マイクロマグネティックス法
を用いたシミュレーション結果から、“Y/X”が0.
26未満で、Yが1μm未満となるようにと磁気抵抗効
果膜の形状を形成すれば、磁区制御膜を用いなくとも、
磁気抵抗効果膜の磁化の初期方向をトラックに直交する
方向に向かせることができることになって、ヒステリシ
スの無い磁化応答が得られることが分かる。
【0051】このシミュレーションでは、スピンバルブ
型MRヘッドのx方向(図4のx方向)に電流を流すこ
とを想定したが、膜面の垂直方向(図4のz方向)に電
流を流す場合にも、フリー層の抵抗値変化を検出するこ
とが可能であるので、電流の向きはx方向に限られるも
のではない。
【0052】また、このシミュレーションでは、スピン
バルブ型MRヘッドを想定したが、単層の磁気抵抗効果
膜で構成されるMRヘッドについても同様のシミュレー
ション結果が得られ、この場合にも、“Y/X”が0.
26未満で、Yが1μm未満となるようにと磁気抵抗効
果膜の形状を形成すれば、磁区制御膜を用いなくとも、
磁気抵抗効果膜の磁化の初期方向をトラックに直交する
方向に向かせることができることになる。
【0053】図示実施例に従って本発明を詳細に説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、実施例では再生用のMRヘッドへの適用例に従って
本発明を説明したが、記録ヘッドとの一体構造で構成さ
れる複合型ヘッドの持つMRヘッドについても、本発明
はそのまま適用できることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜磁気
ヘッドは、磁区制御膜を用いずに、磁気抵抗効果膜の形
状異方性を用いることで、媒体磁界に応答して磁区の方
向を変化させる磁気抵抗効果膜の磁区方向を初期方向に
制御するという構成を採ることから、プロセス工程を簡
略化できるようになるとともに、磁区制御膜の磁気特性
のばらつきや、磁気抵抗効果膜と磁区制御膜との間の接
触部分の磁気的なばらつきなどによるヘッド特性のばら
つきを無くすことができるようになり、更に、磁気抵抗
効果膜と磁区制御膜との間の接触部分からくる腐食によ
るヘッド特性の劣化を無くすことができるようになる。
【0055】このようにして、本発明によれば、低コス
トで信頼性の高い薄膜磁気ヘッドを提供できるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRヘッドの製造方法の処理手順であ
る。
【図2】本発明のMRヘッドの製造方法の説明図であ
る。
【図3】本発明のMRヘッドの製造方法の説明図であ
る。
【図4】本発明のMRヘッドの説明図である。
【図5】シミュレーション結果の説明図である。
【図6】シミュレーション結果の説明図である。
【図7】シミュレーション結果の説明図である。
【図8】シミュレーション結果の説明図である。
【図9】シミュレーション結果の説明図である。
【図10】シミュレーション結果の説明図である。
【図11】シミュレーション結果の説明図である。
【図12】MRヘッドの説明図である。
【図13】MRヘッドの説明図である。
【図14】MRヘッドの説明図である。
【図15】MRヘッドの説明図である。
【図16】MRヘッドの説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 強磁性膜 3 非磁性絶縁膜 4 MR膜 5 電極端子 6 非磁性絶縁膜 7 強磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長坂 恵一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D034 AA03 BA03 CA04 DA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層あるいは積層の形態で備えられる磁
    気抵抗効果膜を使って、磁気記録媒体に記録されるデー
    タを再生する薄膜磁気ヘッドにおいて、 媒体磁界に応答して磁区の方向を変化させる機能を持つ
    磁気抵抗効果膜が規定の形状に形成されることで、媒体
    磁界が存在しないときにおける該磁区の方向が、磁区制
    御膜を用いることなく規定の方向に整列されるように構
    成されることを、 特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 媒体表面に垂直となる方向の長さが1μm未満となるよ
    うにと、磁気抵抗効果膜の形状が形成されることを、 特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の薄膜磁気ヘッドにおい
    て、 トラックに直交する方向の長さをxとし、媒体表面に垂
    直となる方向の長さをyとするならば、その2つの長さ
    の比“y/x”が0.26未満となるようにと、磁気抵
    抗効果膜の形状が形成されることを、 特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載されるいずれかの薄
    膜磁気ヘッドにおいて、 積層の形態で備えられる磁気抵抗効果膜を使う構成を採
    るときにあって、膜面垂直方向に電流を流すように構成
    されることを、 特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 単層あるいは積層の形態で備えられる磁
    気抵抗効果膜を使って、磁気記録媒体に記録されるデー
    タを再生する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、 媒体磁界に応答して磁区の方向を変化させる機能を持つ
    磁気抵抗効果膜に用いられる磁区制御膜の成膜を省略し
    つつ、該磁気抵抗効果膜を規定の形状に成膜すること
    で、薄膜磁気ヘッドを製造することを、 特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005534199A (ja) * 2002-07-26 2005-11-10 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング Gmrセンサエレメントおよびgmrセンサエレメントの使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005534199A (ja) * 2002-07-26 2005-11-10 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング Gmrセンサエレメントおよびgmrセンサエレメントの使用

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