JP2000147664A - 投写スクリーン用レンズシートの製造方法 - Google Patents

投写スクリーン用レンズシートの製造方法

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JP2000147664A
JP2000147664A JP10314871A JP31487198A JP2000147664A JP 2000147664 A JP2000147664 A JP 2000147664A JP 10314871 A JP10314871 A JP 10314871A JP 31487198 A JP31487198 A JP 31487198A JP 2000147664 A JP2000147664 A JP 2000147664A
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lens sheet
meth
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transparent resin
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Hiroyuki Ikeda
博幸 池田
Hideki Shiba
英樹 柴
Yoshiaki Murayama
義明 村山
Yoshifumi Kubota
喜文 久保田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低吸湿特性を有し優れた寸法安定性を有する
とともに、生産性に優れた投写スクリーン用レンズシー
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリレート系単量体、スチレ
ン系単量体および透明樹脂ビーズを用いてキャスト法に
より重合する投写スクリーン用レンズシートの製造方法
であって、透明樹脂ビーズが(メタ)アクリレート系単
量体単位とスチレン系単量体単位から構成され、レンズ
シート中の(メタ)アクリレート系単量体単位とスチレ
ン系単量体単位の重量比(M/S)が0.6〜3の範囲
となるように、(メタ)アクリレート系単量体、スチレ
ン系単量体および透明樹脂ビーズの配合量を調整する投
写スクリーン用レンズシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
テレビジョンやマイクロフィルムリーダー等の画面とし
て用いられる投写スクリーンとして使用するフレネルレ
ンズシートやレンチキュラーレンズシート等のレンズシ
ートの製造に関するものであり、さらに詳しくは、低吸
湿特性を有し優れた寸法安定性を有するとともに、生産
性に優れた投写スクリーン用レンズシートの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】透過型スクリーン等の投写スクリーン
は、テレビジョン画像やマイクロフィルム像等を投写
し、目的とする表示を実現するために広く用いられてい
る。この種の投写スクリーンは、観察者が観察する際に
明るく、視野角が拡大するように、一般的にレンチキュ
ラーレンズシートやフレネルレンズシート等のレンズシ
ートを組合せて構成されている。
【0003】これらレンズシートに使用される透光性材
料は、透明性、耐光性、耐擦傷性等に優れ、かつ成形加
工性に優れたメタクリル樹脂が汎用的に使用されてきて
おり、レンズシートの加工方法もプレス成形、押出し成
形、キャスト成形やインジェクション成形等により行わ
れている。また、近年では、透光性シート上に紫外線硬
化樹脂によるレンズ層を形成する方法も実用化されてき
ている。
【0004】このようなレンズシートの基材として使用
されるメタクリル樹脂は、比較的吸水率が高く、例えば
初期長1000mmのメタクリル樹脂の吸水率が0%か
ら1%まで変化すると、その伸び量は1.5mmとな
る。同様に、相対湿度が50%から90%まで、もしく
は90%から50%まで変化すると、その伸縮量は1.
6mmとなる。一般には、このように吸水によってレン
ズシートの寸法変化が発生すると、スクリーンの光学特
性が損なわれたり、枠体からのレンズシートが脱落が生
じるという問題点を有していた。この問題は、テレビジ
ョンの大型化への要求に伴う大型のスクリーンにおい
て、その問題は深刻なものであり、特にキャスト法によ
り製造される80インチ以上のスクリーンでのこれらの
現象はより顕著となってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するために、例えば、重合前のメタクリル系単量体の調
製液に水を適当量添加して、キャスト重合して得られる
レンズシートの吸水率をできるだけ平均湿度で吸湿する
水分に近づける方法や、メチルメタクリレート単位とス
チレン単位とからなる単量体混合体を重合したメチルメ
タクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)を基材樹
脂としたり、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル単
位を含むメタクリル系樹脂を基材樹脂とすることによ
り、吸湿性を改善する方法等が提案されている。
【0006】しかしながら、このような方法においても
未だ十分に満足できる投写スクリーンを得ることはでき
なかった。すなわち、メタクリル系単量体の調製液に水
を添加して平均湿度で吸湿する水分に近づける方法で
は、重合時に泡の巻き込みが発生しやすく、これが光学
欠陥の原因となったりするとともに、高温多湿下での吸
湿性を十分に抑止することが困難であり、このような環
境下では反りが発生するという問題点を有していた。ま
た、MS樹脂やメタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル
単位含有メタクリル系樹脂を基材樹脂とした場合には、
通常の射出成形、圧縮成形、押出成形法などによる比較
的サイズの小さいスクリーンでの吸湿性は改善されるも
のの、例えば、キャスト法によって製造される80イン
チを超えるような大型のスクリーンにおいては、未だ十
分に満足できるものではなかったり、重合に長時間を有
したり、樹脂が白濁して透明なレンズシートが得られな
い等の問題を有していた。
【0007】そこで、本発明の目的は、比較的大きな投
写スクリーン用レンズシートにおいても、吸湿性に優れ
るとともに、透明性に優れたレンズシートを生産性よく
得ることのできる投写スクリーン用レンズシートの製造
方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の有する問題点を鑑み、(メタ)アクリル系単量体
とスチレン系単量体とからなる単量体混合液に透明樹脂
ビーズを含有させるとともに、レンズシート中の(メ
タ)アクリレート系単量体単位とスチレン系単量体単位
の重量比を特定範囲とすることにより、吸湿性に優れる
とともに、透明性に優れたレンズシートを生産性よく得
ることを見い出し、本発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明の投写スクリーン用レン
ズシートの製造方法は、(メタ)アクリレート系単量
体、スチレン系単量体および透明樹脂ビーズを含有する
単量体混合液を用いてキャスト法により重合する投写ス
クリーン用レンズシートの製造方法であって、透明樹脂
ビーズが(メタ)アクリレート系単量体単位とスチレン
系単量体単位から構成され、レンズシート中の(メタ)
アクリレート系単量体単位とスチレン系単量体単位の重
量比(M/S)が、次の式(1)を満足するように(メ
タ)アクリレート系単量体、スチレン系単量体および透
明樹脂ビーズの配合量を調整することを特徴とするもの
である。
【0010】
【数2】 0.6 ≦ M/S ≦ 3 ・・・ (1)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の投写スクリーン用レンズ
シートの製造は、少なくとも一方の面にレンチキュラー
レンズやフレネルレンズ等のレンズパターンを形成した
2枚のセルの間の周囲に液止め用の枠を組立てた後、
(メタ)アクリレート系単量体単位とスチレン系単量体
単位の重量比が上記式(1)を満足する範囲となるよう
に調製した(メタ)アクリレート系単量体、スチレン系
単量体および透明樹脂ビーズからなる単量体混合液を2
枚のセルの間に注入して重合させるものである。
【0012】本発明において使用される(メタ)アクリ
レート系単量体としては、メチルメタクリレートを主成
分とするものであり、その他の単量体として次の一般式
(2)で示されるエチレン性不飽和化合物を適宜選択し
て使用することができる。
【0013】
【化1】 CH2=CR1COOR2 ・・・ (2) (式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
炭素数1〜8のアルキル基を示す。) このエチレン性不飽和化合物の種類としては、例えば、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエ
ステル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸
アルキルエステルが挙げられる。また、スチレン系単量
体とは、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン等が挙げられり、これらの1種または2種以上を
適宜選択して使用することができる。
【0014】本発明において使用される透明樹脂ビーズ
は、上記単量体混合液として使用される単量体と同様の
(メタ)アクリレート系単量体とスチレン系単量体を重
合させて得られる共重合体であり、連鎖移動剤、光拡散
剤、着色剤等を添加してもよい。連鎖移動剤としては、
特に制限はないが、次の一般式(3)で示されるメルカ
プタンが一般的であり、
【0015】
【化2】R−SH ・・・ (3) (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基) その他、n−ブチルメルカプタン、ベンジルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン等を使用することもできる。
【0016】本発明においては、単量体混合物中に透明
樹脂ビーズを配合することにより、レンズシートの重合
時間を短くすることができ、生産性を向上させることが
できるとともに、セル間からの液漏れや単量体混合物の
汚染を防止することができるものである。例えば、(メ
タ)アクリレート系単量体とスチレン系単量体との単量
体混合液を部分重合したものを使用することもできる
が、両者の屈折率差により得られるレンズシートが白濁
し透明性が損なわれやすくなる。また、不透明な樹脂ビ
ーズを用いた場合にも、得られるレンズシートの光線透
過性が著しく低下して、透過型スクリーンとして適さな
くなる。
【0017】透明樹脂ビーズは、その極限粘度[η]
が、0.04〜0.15リットル/gの範囲である重合
度とすることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜
0.12リットル/gの範囲である。これは、極限粘度
[η]が0.04リットル/g未満であれると、極限粘
度が低いすぎるために、得られるレンズシートの機械的
強度が低下して、セルから脱型する際にレンズシートが
破損・欠損しやすくなる傾向にあるためである。また、
得られるレンズシートの極限粘度を通常の射出成形、圧
縮成形、押出成形法などで得られるシートの極限粘度以
上にするためには、非常に長時間の重合を行う必要があ
り、生産性が著しく低下する。逆に、極限粘度[η]が
0.15リットル/gを超えると、透明樹脂ビーズが
(メタ)アクリレート系単量体やスチレン系単量体に溶
解し難くなるとともに、単量体混合液の粘度が高くなり
すぎ、レンズシートを効率よく製造することができなく
なる傾向にあるためである。
【0018】また、透明樹脂ビーズは、単量体混合液中
に10〜40重量%の範囲で添加することが好ましく、
さらに好ましくは20〜35重量%の範囲である。これ
は、透明樹脂ビーズの配合量が10重量%未満である
と、レンズシートの重合に長時間を必要とし、生産性が
損なわれる傾向にあり、逆に40重量%を超えると透明
樹脂ビーズが(メタ)アクリレート系単量体やスチレン
系単量体に溶解しにくくなりるとともに、単量体混合液
の粘度が高くなりすぎ、レンズシートを効率よく製造す
ることができなくなる傾向にあるためである。
【0019】さらに、透明樹脂ビーズは、(メタ)アク
リレート系単量体とスチレン系単量体の重量比(M/
S)が、0.6〜3であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.8〜2.5の範囲である。これは、透明樹脂
ビーズの組成をこの範囲内とすることによって、レンズ
シートの透明性および吸湿性を向上できるためである。
【0020】このような(メタ)アクリレート系単量
体、スチレン系単量体および透明樹脂ビーズからなる単
量体混合液は、レンズシートを構成する(メタ)アクリ
レート系単量体単位/スチレン系単量体単位の重量比
(M/S)が次の式(1)を満足する範囲となるように
調整することが必要である。
【0021】
【数3】 0.6 ≦ M/S ≦ 3 ・・・ (1) これは、重量比(M/S)が0.6未満であると、得ら
れたレンズシートが白濁したり、レンズシートの機械的
強度が低下してセルからの脱型時にレンズシートの破
損、欠損が発生しやすくなる傾向にあるためである。逆
に、この重量比(M/S)が3を超えると、得られるレ
ンズシートの吸湿率が大きくなり、湿度変化による反り
が大きくなりやすくなるためである。重量比(M/S)
は、0.7〜2.7の範囲とすることが好ましく、さら
に好ましくは1〜2.5の範囲である。
【0022】本発明の投写スクリーン用レンズシート
は、上記のような透明樹脂ビーズを含有する単量体混合
液を、少なくとも一方の面にレンチキュラーレンズやフ
レネルレンズ等のレンズパターンを形成した2枚のセル
の間の周囲に液止め用の枠を組立て、その2枚のセルの
間に注入してキャスト重合させる。このキャスト重合の
重合条件は、特に制限されるものではないが、重合開始
剤の存在下で、50〜85℃の温水槽または空気浴槽で
数時間〜10数時間の重合を行い、さらに100〜15
0℃で数10分〜数時間の熱処理を行った後に、2枚の
セルから脱型させてレンズシートを得ることができる。
セルからのレンズシートの剥離を容易にするために、単
量体混合液に離型剤を添加してもよい。
【0023】重合に使用する重合開始剤としては、その
10時間半減期温度が35〜70℃のものが好ましい。
これは、重合開始剤の10時間半減期温度が35℃未満
であると、重合開始剤が室温下で容易に分解してキャス
ト重合前の単量体混合液の調製粘度が増粘する傾向にあ
り、70℃を超えると重合に時間がかかりすぎて生産性
が劣る傾向にあるためである。重合開始剤としては、パ
ーオキサイド系あるいはアゾビス系のものが使用できる
が、重合開始剤の分解ガスによるレンズシートへの泡の
混入を考慮すると、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシ
ル)パーオキシジカーボネート(10時間半減期温度=
41℃)、ラウロイルパーオキサイド(10時間半減期
温度=62℃)等のパーオキサイド系の重合開始剤が好
ましい。重合をより効率よく完結させるに、10時間半
減期温度が10℃以上異なる重合開始剤を2種類以上併
用することが好ましい。重合開始剤の使用量は、単量体
混合液100重量部に対して0.1〜0.6重量部の範
囲であることが好ましく、この添加量が0.6重量部を
超えると重合開始剤の分解ガスにより得られるレンズシ
ートに泡が残り、スクリーン基材としての光学特性が低
下する傾向にあり、0.1重量部未満であると重合に時
間がかかりすぎて生産性が低下する傾向にあるためであ
る。
【0024】上記のような本発明の投写スクリーン用レ
ンズシートの製造方法は、特に、80インチ以上の大型
サイズのスクリーンの製造に適しており、200インチ
程度の超大型サイズのスクリーンまで容易に製造するこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明をより具体
的を説明する。
【0026】<評価方法> (1)剥離後のシート欠陥 125℃で2時間の熱処理を行った後、表2に示した剥
離温度で2枚のセルから脱型した時の、レンズシートの
欠陥有無を目視にて評価した。
【0027】(2)飽和水分率 脱型したレンズシートを約5cm×5cmサイズに切断
した後、65℃の温水槽に4週間浸漬してた後のサンプ
ルの重量(W1)を測定した。次いで、100mmHg
以下の減圧乾燥炉下で80℃で5日間放置した後、デシ
ケーター内で2時間の冷却を行った後の重量(W2)を
測定した。2つの重量から、次の式(3)から飽和水分
率を算出した。
【0028】
【数4】 飽和水分率(%)=W1/(W2−1)×100 ・・・ (4) (3)高温多湿下での反り変化 気温23℃、湿度50%の雰囲気中に1週間放置した試
験用のレンズシートをつり下げて、レンズシートの中央
部の変位を3次元測定器でその反りL1を測定した。次
に、気温40℃、湿度90%の恒温恒室槽に10時間入
れてレンズシートの中央部の変位を3次元測定器でその
反りL2を測定した。この中央部の反り変化量(L2−
L1)を算出した。その変化量が15mm以下であれ
ば、実用上問題ない。
【0029】<透明樹脂ビーズAの製造>撹拌機、環流
冷却器、窒素ガス導入口などの付いた反応容器に、表1
に示す化合物を仕込んだ。次いで、反応容器内を十分に
窒素ガスで置換した後、上記化合物の混合物を十分に撹
拌しながら80℃まで加熱し、窒素ガス中で重合を進め
た。150分後に100℃まで昇温し、100℃に15
分間保持して、重合を完了させた。重合終了後、脱水、
水洗、乾燥して平均粒径300μmの透明樹脂ビーズA
を得た。得られた透明樹脂ビーズAの極限粘度[η]を
表1に示した。
【0030】<透明樹脂ビーズBの製造>撹拌機、環流
冷却器、窒素ガス導入口などの付いた反応容器に、表1
に示す化合物を仕込んだ。次いで、反応容器内を十分に
窒素ガスで置換した後、上記化合物の混合物を十分に撹
拌しながら80℃まで加熱し、窒素ガス中で重合を進め
た。200分後に105℃まで昇温し、105℃に15
分間保持して、重合を完了させた。重合終了後、脱水、
水洗、乾燥して平均粒径270μmの透明樹脂ビーズB
を得た。得られた透明樹脂ビーズBの極限粘度[η]を
表1に示した。
【0031】<透明樹脂ビーズCの製造>表1に示す化
合物を用いた以外は、透明樹脂ビーズBの製造と同一条
件で平均粒径310μmの透明樹脂ビーズCを得た。得
られた透明樹脂ビーズCの極限粘度[η]を表1に示し
た。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1〜5、比較例1〜4 表2に示す組成に、紫外線吸収剤としてチヌビンPを1
00ppm、離型剤としてエアロゾールOT200pp
mおよびシリコーンオイル100ppm、表2に示す重
合開始剤を添加した。
【0034】上記単量体混合液を十分に撹拌を行った
後、脱泡ビンで100mmHg以下の減圧下で30分間
かけて単量体混合液を脱気した。フレネルレンズパター
ン(ピッチが0.23mm、焦点距離3300mm)あ
るいはレンチキュラーレンズパターン(ピッチ0.78
mm)が形成された金型セルとガラスセルとを用い、両
セルの間の周囲に液止め用の枠を組立てた後、脱気した
単量体混合液を両セル間に注入して、65℃の温水槽で
表2に示した時間重合させた後、125℃で2時間熱処
理させ、表2に示した剥離温度で2枚のセルから脱枠さ
せてレンズシートを得た。
【0035】得られたレンズシートは、厚さ5mmで1
20インチのスクリーンに使用できるサイズであった。
得られたレンズシートの剥離後の欠陥、飽和水分率、反
り変化量について評価、測定を行い、その結果を表3に
示した。
【0036】
【表2】
【0037】表中の重合開始剤の記号は、それぞれ以下
の化合物を示す。
【0038】MMA メチルメタクリレート St スチレン TCP ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネート LPO ラウロイルパーオキサイド
【0039】
【表3】
【0040】本発明である実施例1〜5で得られたレン
ズシートは、いずれも生産性に優れるとともに、吸湿に
よる反り変化が少なかった。これに対して、比較例1〜
2で得られたレンズシートは、飽和水分率が高く吸湿に
よる反り変化量が多いものであった。比較例3で得られ
たレンズシートは、レンズシートの白濁が認められた。
比較例4では、重合に8時間をかけても十分に重合せ
ず、レンズシートが得られなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、(メタ)アクリル系単量体と
スチレン系単量体とからなる単量体混合物に透明樹脂ビ
ーズを含有させるとともに、レンズシート中の(メタ)
アクリレート系単量体単位とスチレン系単量体単位の重
量比を特定範囲とすることにより、 低吸湿特性を有し
優れた寸法安定性を有するとともに、生産性に優れた投
写スクリーン用レンズシートの製造方法を提供できるも
のである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 CEY C08J 5/18 CEY C08L 33:06 (72)発明者 久保田 喜文 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 2H021 BA27 BA29 BA32 4F071 AA22 AA22X AA33 AA33X AF10 AF30 AF30Y AF54 AH16 BA02 BB01 BB02 BC01 4J011 AA01 AA05 AB08 BB01 BB10 FB05 FB19 FB20 GA05 GB03 GB07 4J100 AB02Q AB03Q AB04Q AL03P AL04P AL08P BC04P CA04 DA62 FA04 FA21 JA32 JA33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリレート系単量体、スチレ
    ン系単量体および透明樹脂ビーズとを含有する単量体混
    合液を用いてキャスト法により重合する投写スクリーン
    用レンズシートの製造方法であって、透明樹脂ビーズが
    (メタ)アクリレート系単量体単位とスチレン系単量体
    単位から構成され、レンズシート中の(メタ)アクリレ
    ート系単量体単位とスチレン系単量体単位の重量比(M
    /S)が、次の式(1)を満足するように(メタ)アク
    リレート系単量体、スチレン系単量体および透明樹脂ビ
    ーズの配合量を調整することを特徴とする投写スクリー
    ン用レンズシートの製造方法。 【数1】 0.6 ≦ M/S ≦ 3 ・・・ (1)
  2. 【請求項2】 透明樹脂ビーズの極限粘度[η]が0.
    04〜0.15リットル/gであることを特徴とする請
    求項1記載の投写スクリーン用レンズシートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 10時間半減期温度が35〜70℃の少
    なくとも1種の重合開始剤を単量体混合液100重量部
    に対して0.1〜0.6重量部の範囲で使用することを
    特徴とする請求項1記載の投写スクリーン用レンズシー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 レンズシートのザイズが80インチサイ
    ズ以上であることを特徴とする請求項1記載の投写スク
    リーン用レンズシートの製造方法。
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EP1233040A1 (en) * 2001-02-19 2002-08-21 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Fresnel lens base sheet
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