JP2000146876A - 電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置 - Google Patents

電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置

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JP2000146876A
JP2000146876A JP10320850A JP32085098A JP2000146876A JP 2000146876 A JP2000146876 A JP 2000146876A JP 10320850 A JP10320850 A JP 10320850A JP 32085098 A JP32085098 A JP 32085098A JP 2000146876 A JP2000146876 A JP 2000146876A
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recoil
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ion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重膜構造の電子デバイス内での欠陥検出
を、該電子デバイスを破壊することなく、可能とすると
ともに、検出に要する時間を短縮する。 【解決手段】 外筒31内に、かつ同軸状に内筒30を
配置し、この内筒30の中心軸に沿う軌道の軽元素のイ
オンビームIiを電子デバイスとしての試料10に照射
し、この試料10内の配線で反跳イオンIoを発生させ
る。この反跳イオンIoは外筒31と内筒30との間の
空間に入り込み、その空間内の円環状をなすスリットで
所定反跳角の範囲の反跳イオンを抽出する。抽出された
反跳イオンは、エネルギーフィルタ33で特定の反跳角
のものが選択され、同じ空間内に配置されている円環状
のイオン検出器34で検出される。このイオン検出器3
4は、エネルギーの大きさ毎に入射した反跳イオンを計
数し、エネルギーに対する計数値の分布をエネルギース
ペクトルとして図示しないモニタに表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メモリ,ASIC
などのLSI,磁気デイスク装置,液晶などの半導体デ
バイスの製造に際し、その歩留りの早期立ち上げを実現
するために必要な分析装置に係り、特に、電子デバイス
内に混入する異物やパターン欠陥の構成元素や厚さ,幅
を非接触・非破壊で検出する3次元元素分析法を用いた
電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの生産において、その歩
留りの立ち上げの初期では、リソグラフィー工程でのパ
ターン相互の合わせずれや露光の焦点のずれなどに起因
する、いわゆるプロセス上の不良が多く、配線のショー
トや断線,上下の素子の位置ずれなどのパターン欠陥に
つながる。また、このプロセス上の不良が改善された後
でも、半導体デバイスの歩留りは高々50〜70%に留
まり、充分に高いものではない。この原因は、半導体デ
バイス生産工程で発生する異物に起因するとされる。特
に、近年では、超LSIの高集積化やシステム化に伴
い、成膜の多層化や一層の微細化につながり、パターン
の不良や異物(これらを、以下、欠陥という)を検出す
ることが益々困難で時間のかかる作業になっている。
【0003】半導体デバイスの生産工程は、装置単位で
細かく分けると、100〜200工程程度になり、図1
1に示すように、ある製造工程で形成された膜13上に
発生した欠陥14は、通常、次の製造工程で形成される
膜12によって覆われ、さらに、それ以後の製造工程で
積み上げられる膜によって順次覆われることにより、多
数の積層された膜のどこかに挟まった状態で存在するこ
とが多い。
【0004】半導体デバイスは、通常、配線工程終了後
などの一通りの機能を有する段階で品質検査を実施し、
不良解析される。メモリデバイスでは、不良ビットを自
動的に検出する装置(フェイルビットマップ装置)がこ
の目的で多く使用される。
【0005】しかしながら、生産工程の途中でこのよう
な不良ビットに発生させる欠陥が上部から確認されて
も、この欠陥の上には、それが発生したプロセス以後の
他のプロセスによって数多くの膜が形成されているた
め、半導体デバイスの上面からの欠陥の位置確認や外観
像観察,元素分析だけでは、欠陥の発生工程・装置の特
定は不可能である。
【0006】一方、生産過程での個々の中間工程中で
も、適宜上、SEMによる外観検査や素子の測長あるい
は光学的手法による外観検査,散乱光によって欠陥の位
置や概略の大きさを検出する異物検査装置などで検査が
行なわれ、検出された欠陥についての情報がデータベー
スに保存される。
【0007】しかしながら、こうした中間工程での欠陥
の発生を全ての細かい工程で確認することは、所要時間
を考えると、不可能に近いため、上記のような検査は必
要以上に全体工程の時間を長くしない範囲で間欠的に適
用され、ある範囲の工程で欠陥の発生数が多かったり、
致命性が高かったりした場合、対策が検討される。本来
の手順としては、考えられる全ての要因を抽出し、それ
らの要因毎に評価可能な試験条件が選定・実施され、そ
の結果を見て、最適なプロセス条件と原因の絞り込みが
実施されるべきである。
【0008】ところで、図12に示すように、実際の光
学的な異物検査b,cの合間には、例えば、10ステッ
プ程度の工程、即ち、装置A,B,C,……が介在して
おり、夫々の装置毎に多様な運転条件があることを考え
ると、全ての可能な条件について試験を実施することは
事実上不可能である。そこで、実際には、技術者の経験
に基づいて、例えば、超音波洗浄などの追加工程をある
装置Cの後で加えてみて結果を見たり、装置Aの運転条
件を変えて見たりという試験が順次実施され、良好な結
果が得られた場合、当面それが適用される。
【0009】しかしながら、これは原因を明確に把握し
た上での対策ではないために、プロセス条件が多少とも
変化したときに欠陥が大量に発生することを予測し、事
前に対応することは不可能である。そこで、欠陥検出の
ための分析をオフラインで実施し、その原因を突き止め
た上で対策を決めることもあるが、欠陥を分析し、その
結果から欠陥発生の原因を特定することは、多くの場
合、極めて長期間を要する作業になる。これは成分分析
自体に時間がかかるばかりでなく、欠陥の多くはSiO
2 やAl,W粒子などプロセスで用いる成膜材料からな
る場合が大部分であって、単に分析するだけでは、図1
1に示したように、発生した欠陥14とその上に形成さ
れた成膜成分12との構成元素が同様の場合もあるた
め、欠陥の発生工程や装置,原因物質の特定が困難にな
る。
【0010】各成膜ステップの終了後、常に欠陥検査を
実施することにより、欠陥を発生する装置を特定するこ
とができるが、スルーピットは極めて低くなる。これを
改善するには、例えば、半導体デバイスの形成された成
膜を順次剥がしていって欠陥の最表面を露出させること
が必要であるが、この作業にも時間がかかり、現実性に
乏しい。
【0011】こうした作業の手間を省くために、図13
に示すように、半導体デバイスの断面を露出させる手段
としてFIB(Focused Ion Beam:集束イオンビーム
法)を用い、その掘削面を斜めからSEM(Scanning E
lectron Microscope:走査型電子顕微鏡)で観察する手
法が特開平1ー181529号公報で提案されている。
この手法では、SEMにEDX(Energy Dispersive X-
ray analysis:エネルギー分散形X線分析法)が付随し
ている場合、断面の元素分析も行なえるが、EDXは空
間分解能が悪く(1μm程度)、サブミクロンデバイス
で問題になる0.1μm径の欠陥や各プロセスで形成さ
れる10〜100nm程度の厚さの膜の断面分析は極め
て困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、欠陥の
確実な分析のためには、欠陥部の断面を露出させる作業
が必要であるが、これにも一定時間を要し、分析したウ
エハは、その部分以外がすべて良品であっても、廃棄せ
ざるを得ない。このため、FIBのイオン源として、ウ
エハの汚染原因となるGaでなく、不活性ガスイオンを
用いる手法や加工した部分を埋め戻す手法が提案されて
いるが、非破壊で表面下の欠陥を分析できれば、それが
最も望ましいのである。しかし、そうした手法は現存し
ない。
【0013】本発明は、以上の点を勘案してなされたも
のであって、その目的は、生産中の半導体デバイス上の
欠陥や配線,素子の形状不良を非破壊で検出することが
できるようにした電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、軽元素のイオンビームを生成する第1の
手段と、該第1の手段で生成された該イオンビームを、
入射イオンビームとして、加速,集束し、試料に入射さ
せる第2の手段と、該入射イオンビームの該試料内での
反跳によって生じた反跳イオンのうち、特定の反跳角の
反跳イオンを抽出する第3の手段と、該第3の手段で抽
出された該反跳イオンのうちの所望とするエネルギー範
囲の反跳イオンを抽出する第4の手段と、該第4の手段
で抽出された該反跳イオンを検出し、該反跳イオンをエ
ネルギーの大きさ毎に計数する第5の手段とを備え、エ
ネルギーに対する該反跳イオンの計数値からなるエネル
ギースペクトルを求めるように構成する。
【0015】また、本発明は、軽元素のイオンビームを
生成するイオン生成手段と、該第1の手段で生成された
該イオンビームを、入射イオンビームとして、加速,集
束し、試料に入射させる手段と、該入射イオンビームの
該試料への入射に伴なう該試料からの所望反跳イオンの
軌道に垂直な平面上の該入射イオンビームの該試料への
入射軌道を中心軸とする円環状の所定幅領域に通過領域
が設けられ、該通過領域が、該試料からの該反跳イオン
のうち、特定の反跳角の該反跳イオンを通過させるスリ
ット手段と、該スリット手段を通過した該反跳イオンを
検出し、該反跳イオンをエネルギーの大きさ毎に計数す
るイオン検出手段とを備え、該反跳イオンのエネルギー
毎の計数値の分布を表わすエネルギースペクトルを求め
るように構成する。
【0016】以上のように、本発明は、基本構成とし
て、軽元素の入射イオンを試料に照射し、この入射イオ
ンの試料内部での試料母材とは異なる元素からなる層か
らの反跳イオンのエネルギーを検出することにより、こ
の層の位置や厚みなどを求めるものであって、得られる
位置や厚みなどに異常があるとき、これを欠陥とするこ
とにより、試料を破壊することなく欠陥の検出ができる
ようにしたことを基本構成とし、さらに、エネルギーフ
ィルタや偏向電極を用いて特定の反跳角の反跳イオンを
抽出し、これをイオン検出手段で検出するようにするこ
とにより、あるいはまた、入射イオンの軌道を中心軸と
する環状の領域を通る反跳イオンをイオン検出手段で検
出するようにすることにより、イオン検出手段での反跳
イオンの収率を高め、欠陥の検出に要する時間を短縮す
るものである。
【0017】さらに、本発明は、軽元素のイオンビーム
を生成するイオン生成手段と、該イオン生成手段で生成
された該イオンビームを断続してパルス状のイオンに変
換するチョッパ手段と、該チョッパ手段からの該パルス
状のイオンを、入射イオンとして、加速,集束し、試料
に入射させる手段と、該入射イオンの該試料への入射に
伴なう該試料からの反跳イオンを検出するイオン検出手
段と、該反跳イオンの該イオン検出手段までの飛行時間
を計測する計測手段と、該計測手段の計測結果を表示す
るモニタ手段とを備えた構成とする。そして、この計測
手段は、チョッパ手段がパルス状のイオンを出力するタ
イミングを検出するタイミング検出手段と、該タイミン
グ検出手段の検出出力を、チョッパ手段から試料までの
入力イオンの飛行時間だけ遅延させる遅延手段と、該遅
延手段の出力によって動作を開始し、時間基準となるク
ロックを発生する時間計測手段と、該遅延手段の出力に
よって動作を開始し、前記イオン検出手段の出力信号を
処理するロックインアンプとからなり、該クロックと該
ロックインアンプの出力信号とをモニタ手段に供給する
構成とする。
【0018】以上のように、本発明は、軽元素の入射イ
オンを試料に照射し、この入射イオンの試料内部での試
料母材とは異なる元素からなる層からの反跳イオンの飛
行時間を検出することにより、この層の位置や厚みなど
を求めるものであって、得られる位置や厚みなどに異常
があるとき、これを欠陥とするこものであって、試料を
破壊することなく欠陥の検出ができるとともに、欠陥の
検出時間の短縮や欠陥の位置や厚みなどを精度良く検出
できるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明の原理について説明
する。
【0020】図10は本発明による電子デバイス非破壊
内部欠陥検出装置の基本構成を示す図であって、1は真
空チャンバ、2はイオン生成装置。3は円筒、4はイオ
ン加速器、5は電磁レンズ系、6は偏向電極、7はイオ
ン検出器、8は2次電子検出器、9は試料ステージ、1
0は試料、11はモニタである。
【0021】同図において、HやHeなどの軽元素のイ
オンを発生するイオン生成装置2と真空チャンバ1との
間に、イオンビームの通路となる円筒3が設けられ、こ
の円筒3内にイオン加速器4,電子レンズ系5及び偏向
電極6が設けられている。また、真空チャンバ1内は所
定の真空状態に保たれ、そこに試料ステージ9が設けら
れて半導体デバイスが試料10として載置される。さら
に、円筒3には、イオン検出器7と2次電子検出器8と
が設けられている。
【0022】イオン生成装置2で生成されたイオンは円
筒3内に放出され、この円筒3内では、イオン加速器4
で加速されて電磁レンズ系5で試料ステージ9に載置さ
れた試料10上に集束される。また、このイオンビーム
は、偏向電極6によって偏向されて試料10上を走査す
る。
【0023】試料10に照射されたイオンビームは、そ
の一部が試料中の構成原子によって反跳し、この反跳イ
オンの一部がイオン検出器7で捕捉される。このイオン
検出器7は、この捕捉した反跳イオンをその運動エネル
ギー毎に分けて計数する。この計数結果はモニタ11で
表示される。また、必要に応じて、イオン照射によって
試料10から発生する2次電子が2次電子検出器8で検
出され、その検出結果が図示しない観測装置で観測され
る。
【0024】以上の構成により、イオン生成装置2で生
成されたイオンは所要エネルギーに加速され、測定すべ
き欠陥や素子に比べて充分に細い1Å以上10μm以下
の直径、例えば、直径0.1μm程度まで集束された上
で試料10に照射される。試料10へのイオンビームの
入射位置は、これによって発生する2次電子の検出結果
を画像化することにより、確認できる。
【0025】軽原子が試料に入射した場合の反跳原子の
エネルギー解析手法は、ラザフォード後方散乱に関する
教科書や文献(例えば、Wei−Can,Chu他著:Backscatt
ering Spectrometry、Academic Press)に詳しく説明さ
れているので、ここでは、簡単に本発明の基礎となる反
跳原子のエネルギーから試料の構成元素や厚さを求める
手法について説明する。
【0026】このモデルを示す図14において、いま、
エネルギーE0 で試料10に入射した質量数M1 のイオ
ンが、試料10の質量数M2 の格子原子の周りの電子と
電気的相互作用をしてエネルギーを失いながら、ある深
さで構成原子に衝突してエネルギーE1 の反跳イオンと
なったとする。この場合、静止した物質にイオンが衝突
した場合、このイオンがその進行方向とは略反対方向に
跳ね飛ばされる(反跳する)ためには、M2 >M1 でな
ければならない。もし、衝突される側の試料10の質量
数M2 の方が小さく、M2 <M1 である場合には、この
試料10側が跳ね飛ばされてしまう。従って、イオンが
試料10で反跳されるためには、このイオンとして、H
2 やHe,Li,Beなどの軽元素が望ましい。
【0027】ここで、説明を簡単のために、エネルギー
0 のイオンは試料10の表面に垂直な方向から入射す
るものとする。この場合、最大エネルギーを持つ反跳イ
オンは入射イオンが電子的エネルギー損失を生ずること
なく試料10の最表面での原子と衝突した場合の反跳イ
オンであって、入射イオンの入射方向とこの最大のエネ
ルギーを持つ反跳イオンの反跳方向とのなす角度をθと
すると、Kinematic factor(運動ファクタ)KM2が次式
で定義される。
【0028】 KM2=E1/E0 ={(M2 2−M1 2・sin2θ)1/2+M1・cosθ}/(M2+M1) ……(1) 即ち、最表面での反跳原子のエネルギーE1は、 E1=KM2・E0 ……(2) となる。同様にして、この試料10内でのある深さまで
進んだ入射イオンのエネルギーをE1’とすると、その
深さでの反跳イオンのエネルギーE1も、同様に、 E1=KM2・E0 ……(2') で表わされる。
【0029】ここで、イオンがdxだけ進んだときのエ
ネルギー損失量をdEとするとし、単位距離当りのエネ
ルギー損失量をdE/dxとすると、イオンが進んだ深
さxは、試料10の最表面を基準として、次式で与えら
れ、 x=―∫dE/(dE/dx) ……(3) また、この深さxの位置から角度θだけ傾斜した方向に
進んで最表面に達するまでの距離x/cosθは、 x/cosθ=―∫dE/(dE/dx) ……(3') で与えられる。この単位エネルギー損失量(dE/d
x)は原子毎に固有の値となり、 dE/dx=NZ2[4π(Z12)×2/me1]L ……(4) ここで、Lはstopping numberと呼ばれて、 L=ln(2me1 2/I) であり、Iは標的原子の励起やイオン化に要する平均的
なエネルギーであって、経験的に定まる値である。
【0030】上記式(3),(3’)から深さxを求め
るためには、反跳する直前のエネルギーEを正確に求め
る必要があることが分かる。近似的には、次のような手
法を用いる。即ち、反跳するまでに進んだ距離xが充分
小さいという仮定がなりたつ場合には、単位距離当りの
エネルギー損失量dE/dxは一定と考えることがで
き、従って、いま、入射イオンが試料10内を深さxま
で進んだときのこの入射イオンのエネルギーE1’は、
この入射イオンが進む方向の単位距離当りのエネルギー
損失量を(dE/dx)inとすると、上記式(3)で(dE
/dx)in=一定として、 x(dE/dx)in=−∫dE=−(E1’−E0) により、 E1’=E0―x(dE/dx)in ……(5) で表わされる。また、この深さxの位置で入射イオンが
反跳したとすると、この位置での反跳イオンのエネルギ
ーは、上記式(2')により、KM2・E1'であるから、この
反跳イオンが試料10の最表面から飛び出すときのエネ
ルギーE1は、この反跳イオンが進む方向の単位距離当
りのエネルギー損失量を(dE/dx)outとして、上記式
(3')から、上記と同様にして、 E1=KM2・E1'―x(dE/dx)out/cosθ ……(6) で与えられる。従って、最表面で反跳するイオンと深さ
xから反跳するイオンとのエネルギー差ΔEは、上記式
(2),(6)により、 ΔE=KM2・E0―E1=KM2・x(dE/dx)in+x(dE/dx)out/cosθ =[ε]・N2・x ……(7) として表わされる。 但し、[ε]=[KM2・εin+εout/cosθ] であって、εはstopping cross sectionと呼ばれて、 εin =(1/N2)・(dE/dx)in εout=(1/N2)・(dE/dx)out ……(8) で定義され、上記式(3),(3’)との関連から元素
及びエネルギーに固有の値であって、データベース化さ
れている。
【0031】ところで、化合物AmBnの場合には、加
算性が成り立ち、 εAmBn=mεA+nεB ……(9) dEAmBn/dx=NAmBn・εAmBn ……(10) という関係を利用することができる。
【0032】試料10が充分に薄い場合には、εはその
表面での値[ε0]で近似することができ(即ち、表面
近似)、 [ε0]=KM2・ε(E0)+ε(E1)/cosθ ……(11) で表わすことができる(但し、上記式(2)により、E1
=KM2・E0)。そして、深さxの第零近似x0は、上記
式(7)から、 x0 =ΔE/(N2[ε0]) ……(12) となる。
【0033】上記の近似が成り立たない場合には、例え
ば、図15に示すように、試料10を薄い層の層状構造
とし、夫々の層での入射イオンのエネルギーや夫々の層
からの反跳イオンのエネルギーを計算してデータベース
化する。
【0034】そこで、いま、各層の厚さをΔx、n番目
の層(但し、n=1,2,……)の表面での入射イオン
のエネルギーをnE、このn番目の層での単位距離当り
のエネルギー損失量を(dE/dx)nとすると、(n+
1)番目の層での入射イオンのエネルギー(n+1)Eは、 (n+1)E=nE−(dE/dx)n・(Δx) ……(13) によって求められ、このn番目の層の表面から、図14
に示したように、角度θで反跳されるイオン(反跳イオ
ン)の試料10の最表面でのエネルギーn1は、このn
番目の層でのKinematic factorをKnとすると、 n1=KnnE−Δx(dE/dx)n/cosθーΔx(dE/dx)n-1/cosθ ……−Δx(dE/dx)1/cosθ ……(14) で与えられる。
【0035】以上の式(11),(12)で示した近似
法や式(13),(14)で示した分割法のいずれにし
ても、実測できる入射イオンのエネルギーE0や反跳イ
オンのエネルギーE1,角度θから反跳地点でのエネルギ
ーEを計算することができるし、さらに、反跳地点まで
の深さxを求めることができる。
【0036】また、検出されるスペクトルのピークの高
さHiは、次式、 Hi=σ(E)・Ω・Q・N・τl/cosθ ……(15) ここで、 σ(E):衝突断面積(cm2) Ω:検出器が見込む立体角(str) Q:入射粒子の密度(個/cm2/sec) N:原子数密度 τl:原子層の厚さ(cm) で与えられるように、原子数密度Nと結びつけられるの
で、各原子に対応するピークの高さHiから化合物の組
成を求めることが可能になる。
【0037】以上のように、一定のエネルギーの軽元素
のイオンビームを入射し、その反跳原子のエネルギース
ペクトルを測定することにより、試料10の深さ方向の
元素分布を非破壊で評価することが可能であり、これを
利用した分析装置はRBS(Rutherford Backscatterin
g Spectrometry)として知られている。
【0038】ところで、かかるRBSは、専ら試料の深
さ方向の情報を提供するだけであるので、半導体デバイ
スのような微細な構造を持つ試料には適当ではない。し
かしながら、近年の検出器の感度やエネルギー分解能,
応答特性の向上,イオンビームの集束技術などの向上に
より、入射イオンのビーム径を絞ってこのイオンビーム
を偏向したり、試料ステージを移動させたりしてこのイ
オンビームで試料を走査し、これによって得られる反跳
イオンの計数やエネルギー測定により、従来の分析器に
は実現できなかった半導体デバイスの表面下の微細構造
(厚さや幅,元素)の非破壊測定が達成できることを発
明者は見出した。
【0039】これに基づく本発明の動作原理を図16に
よって説明する。ここで、図16はSiなどの軽元素か
らなる母材15中にCuなどの重元素Yの層16(図示
する層16a,16b,……の総称)が1または複数設
けられた多層膜構造を対象とするものであって、図16
(a)は元素Yの薄い層16が3層深さ方向に狭い間隔
で設けられている場合を、図16(b)は元素Yの薄い
層16が2層深さ方向に広い間隔で設けられている場合
を、図16(c)は元素Yの厚い層16が1層設けられ
ている場合を夫々示している。このような構造は、例え
ば、LSIの配線構造などに良くみられるものである。
【0040】図16(A)に示す母材15の表面側から
矢印方向に細く絞ったイオンビームを入射すると、この
母材15内では、このイオンビームのエネルギーが大き
いため、ほとんど反跳が発生しないが、重元素Yからな
る層16の上面から下面までの間でイオンビームの反跳
が生ずる。そして、得られる反跳イオンのエネルギー
は、母材15の表面に近い層16からの反跳イオンほど
大きい。そこで、得られる反跳イオンをそのエネルギー
毎にカウントすると、図17(A)で示すような反跳イ
オンのエネルギースペクトルが得られる。
【0041】図16(A)では、母材15中にその表面
から深さ方向に順に層16a,16b,16cがその順
に配列されているものとすると、図17(A)におい
て、スペクトル17aは母材15の表面に最も近い層1
6aからの反跳イオンによるものであり、最もエネルギ
ーが大きいものである。そして、このスペクトル17a
の幅(通常、スペクトルのピークの1/2での幅であっ
て、以下同様)は層16aの厚さに応じたものである。
また、スペクトル17bは母材15の表面に次に近い層
16bからの反跳イオンによるものであり、スペクトル
17aのエネルギーよりも小さくなっている。このスペ
クトル17bの幅も層16bの厚さに応じたものであ
る。スペクトル17cは母材15の表面から最も遠い層
16cからの反跳イオンによるものであり、スペクトル
17bのエネルギーよりもさらに小さくなっている。こ
のスペクトル17cの幅も層16cの厚さに応じたもの
である。これらスペクトル17a,17b,17c間の
間隔は夫々、層16a,16b,16c間の間隔に応じ
たものである。
【0042】なお、スペクトル18は、例えば、母材1
5の層16cよりも深い位置からのエネルギーがより小
さくなった反跳イオンのスペクトルであって、入射イオ
ンは、母材15中を進行するにつれてエネルギーが小さ
くなり、軽元素からなる母材15でも、反跳するように
なる。
【0043】図16(B)では、母材15中にその表面
から深さ方向に順に層16d,16eがその順に配列さ
れているものとすると、図17(B)に示すような反跳
イオンのエネルギースペクトルが得られる。この場合
も、図17(A)の場合と同様に、スペクトル17dが
母材15の表面に近い方の層16dからの反跳イオンに
よるものであり、最もエネルギーが大きいものであっ
て、このスペクトル17dの幅は層16dの厚さに応じ
たものである。また、スペクトル17eは母材15の表
面から遠い方の層16eからの反跳イオンによるもので
あり、スペクトル17dのエネルギーよりも小さくなっ
ている。このスペクトル17eの幅も層16eの厚さに
応じたものである。さらに、これらスペクトル17d,
17e間の間隔は、層16d,16e間の間隔に応じた
ものである。
【0044】図16(C)では、母材15中に厚い層1
6fが1層設けられているものであり、図17(C)に
示すような反跳イオンのエネルギースペクトルが得られ
る。この場合も、図17(A),(B)の場合と同様
に、スペクトル17fが層16fからの反跳イオンによ
るものであり、このスペクトル17fの幅は層16fの
厚さに応じたものである。
【0045】このようにして、反跳イオンのスペクトル
を求めると、母材15中に設けられている層16の個数
やそれらの深さ位置,厚みなどを知ることができる。
【0046】図10において、イオン検出器7は、上記
のように、試料10からの反跳イオンを検出し、そのエ
ネルギーの大きさ毎に計数して図17に示したようなエ
ネルギースペクトルを得るものであり、それをモニタ1
1に表示させる。この場合、偏向電極6により、あるい
は試料ステージ9を移動させることにより、入射イオン
ビームが試料10を走査することができ、これにより、
試料10の全表面でのエネルギースペクトルを得ること
ができて、これをモニタ11に表示させることにより、
3次元の分析画像が得られることになる。
【0047】ところで、例えば、図16(A)において、
元素Yの層16a,16b,16cを夫々配線とする
と、ある配線が断線したり、複数の配線間がショートす
るなどの欠陥が発生することがある。このような場合に
は、例えば、図17(A)において、本来あるべきスペク
トルがなかったり、そのピークが異常であったり、ある
いは、本来有るはずのないスペクトルが生じたりする。
例えば、配線16aが断線していたり、一部欠けたりす
る欠陥がある場合には、図17(A)において、スペクト
ル17aが生じなかったり、そのピークが異常であった
りするし、また、配線16a,16b間がショートして
いる場合には、図17(A)において、スペクトル17
a,17b間をまたがってスペクトルが発生することに
なる。
【0048】そこで、かかる試料10の設計データから
予め図17に示すようなエネルギースペクトルを予測で
きるものであるから、これと実際に得られる図17に示
すようなエネルギースペクトルとを比較することによ
り、非接触かつ非破壊でかかる欠陥を容易に見つけ出す
ことができる。
【0049】以上、本発明の原理について説明したが、
次に、本発明の実施形態を図面により説明する。なお、
以下の実施形態では、試料である半導体デバイスとし
て、説明を簡単にするために、ウエハを想定するが(従
って、このウエハ内に設けられている図14で示したよ
うなY成分の層は配線とする)、これに限定されるもの
ではなく、磁気ディスクやTFT(Thin Film Transist
or)などの他の電子デバイスでも、本発明が適用可能で
あることはいうまでもない。
【0050】図1は本発明による電子デバイス非破壊内
部欠陥検出装置の第1の実施形態を示す要部構成図であ
って、19は真空ポンプ、20はガス導入管、21は電
界電離型イオン銃、22は引出電極、23はアパーチ
ャ、24は高圧電源、25は真空ポンプ、26はアパー
チャ、27はエネルギーフィルタであり、図6に対応す
る部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0051】同図において、イオン生成装置2では、そ
の内部が真空ポンプ19によって真空化され、ガス導入
管20から軽元素(例えば、H2やHe,Li,Beなど)
のガスが導入される。このイオン生成装置2を輝度の高
い点源とするために、この軽元素のガスは高圧電源から
高電圧が印加される電界電離型イオン銃21によってイ
オン化される。そして、このイオンは引出電極22によ
って引き出されて加速され、アパーチャ23により、イ
オンビームとしてイオン生成装置2から円筒3内に出力
される。この場合、このイオンビームは、引出電極22
により、測定対象としてのウエハである試料10の厚さ
に対応して決定するエネルギー(このイオンビームがH
eである場合、試料10の厚さが数μmであるならば、
数(MeV)とする)に加速される。
【0052】試料10からの反跳イオンは、アパーチャ
26により、特定の反跳角のものだけが選別され、エネ
ルギーフィルタ27で特定のエネルギーのイオンだけ選
別されてイオン検出器7に入射される。ここで、エネル
ギーフィルタ27としては、例えば、電界,磁界を用い
ることにより、不要なエネルギーのイオンを偏向させて
除き、必要なエネルギーのイオンのみを透過させる透過
率の高いウイーン型フィルタなどを用いる。また、イオ
ン検出器7としては、2次電子増倍機能を有するMCP
(マイクロチャネルプレート)やMCP付きのICCD
(イメージインテンシファイア付きCCD)カメラ,チ
ャネルトロンなど高いゲインで高周波特性の良いものが
望ましい。高周波特性はイオン検出器7のデッドタイム
による数え落としの低減に繋がるものである。
【0053】この結果、この第1の実施形態では、試料
10が、例えば、図16(A)に示す内部構造のウエハ
である場合、エネルギーフィルタ27で層16aからの
反跳イオンが持つエネルギー範囲を選択するように設定
されているとすると、図2に示すように、この層16a
に対するエネルギースペクトルのみが得られることにな
る。
【0054】なお、試料10からは同時に2次電子も放
出されるので、2次電子検出器5を設けてこれを検出
し、その2次電子強度を試料10の位置毎に2次元イメ
ージ化することにより、SEM(Scanning Electron Mic
roscope:走査型電子顕微鏡)像を得ることができる。
【0055】通常、RBSで用いられる表面障壁型半導
体検出器を用いることにより、一度にエネルギー毎の反
跳イオンを計数することができるが、この第1の実施形
態は、特定のエネルギー範囲のイオンを選択して計数す
るものであるから、感度が高まり、従って、等価的に収
率が向上して分析時間が短縮されることになる。但し、
この第1の実施形態の場合には、試料10の選択された
エネルギー範囲に応じた特定の深さでの欠陥分析を行な
うに適したものとなる。
【0056】ここで、図10で示した装置のように、全
エネルギー範囲にわたってイオンの計数を行なう場合に
必要な能力について説明する。
【0057】いま、試料となる半導体デバイス全体の厚
さをTμmとすると、この場合の入射イオンのエネルギ
ーは、この入射イオンがHeである場合、厚さ1μm当
りほぼ1(MeV)として、T(MeV)程度である。
また、LSIの製造プロセスにおいて、必要な厚さ方向
の測定精度(測定可能な最小の厚さ)tはnmオーダ(1
-3μmオーダ)であり、将来的には、サブnmである
ので、これに対応して望ましいエネルギーの測定精度
(エネルギー幅)は、大まかに厚さに比例すると考える
と、t×10-3×106=t×103(eV)であればよ
い。このエネルギー幅を計測のチャネルの幅とすると、
この半導体デバイスでの全チャネル数はT×103/tで
あり、1チャネル当りの評価に充分な計数値の最低値を
n個とすると、全スペクトルに対応する反跳イオンの個
数はnT×103/t個である。
【0058】また、イオン生成装置2におけるイオンの
生成率をP0(個/sec)とし、このイオン生成装置2から
試料10の表面に至るまでのイオンの透過率をη1、こ
の試料10の表面からイオン検出器7に至るまでのイオ
ンの透過率をη2とすると、このイオン検出器7に達す
る反跳イオンの個数P(個/sec)は、 P=P0・η1・σ・NT・Ω・η2 ……(16) (但し、上記のように、σは衝突断面積、Nは原子数密
度、Ωはイオン検出器7が見込む立体角)となる。ここ
で、イオン検出器7での上記nT×103/t個の反跳イ
オンを計数するに要する積分時間をτ(sec)とする
と、上記式(16)から、 P×τ=P0・η1・σ・Ω・η2・NT×τ=nT×103/t ……(17) であり、従って、積分時間τは、 τ=nT×103/(t・P0・η1・σ・Ω・η2・NT) ……(18) となる。
【0059】そこで、いま、代表的な数値として、n=
100個,T=1,t=1,P0=1010(個/sec:1
nA相当),η1=η2=0.1,Ω=0.001(str),
σ=10x10-24cm2/str(全元素に対して平均的な
数値よりやや小さ目)及びNT=1019個とすると、上
記式(18)により、 τ=100×1×103/(1×1010×0.1×10-23
×0.001×0.1×1019)=104(sec) となる。
【0060】これは、ほぼ3時間であり、試料10の表
面の1ヶ所でこのような時間を要するとなると、イオン
ビームを細くして試料10の表面を走査してこの表面の
各位置を測定する場合には、非常に長時間を要して現実
的でない。
【0061】一方、実際に評価対象とする膜の厚さは数
十nmであるので、実効的には、Tは高々0.1であ
り、このため、τ=103(sec)=18(min)となる。
また、必要な厚さ分解能を10nmとしても、τ=10
2(sec)=1.7(min)となり、いずれにしても、将来、
より大電流のイオン生成装置が実現しない限り、ウエハ
の全面を微細に走査し、かつ全エネルギー範囲で欠陥の
検出を行なうことは現実的ではない。
【0062】これに対し、図1に示した第1の実施形態
では、全エネルギー範囲にわたるのでなく、その一部の
エネルギー範囲のイオンを計数するものであるから、上
記nT×103/tの一部を計数するものであり、上記の
ことよりもさらに積分時間τをより短縮することができ
る。従って、図1に示した第1の実施例は、ウエハの不
良個所が大体分かってときの局所的な非破壊分析に有効
といえる。
【0063】図3は本発明による電子デバイス非破壊内
部欠陥検出装置の第2の実施例を示す構成図であって、
28,29は偏向電極であり、図1に対応する部分には
同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0064】この第2の実施形態は、制限されたエネル
ギー範囲をスキャンする図1に示した第1の実施形態と
は異なり、図1でのエネルギーフィルタ27の代わりに
偏向電極28,29を用い、例えば、ウエハ内部の配線
材料などに対応するピークにエネルギー幅を固定し、そ
のエネルギー範囲の反跳イオンを全て計数するものであ
って、厚さ分解能を犠牲にして2次像,3次元像を得る
ことができるようにしたものである。
【0065】同図において、例えば、偏向電極28で低
エネルギーのイオンをカットし、偏向電極29で高エネ
ルギーのイオンをカットすることにより、所定エネルギ
ー範囲の反跳イオンを抽出し、イオン検出器7に供給す
るようにする。
【0066】ここで、試料10の内部の配線材料は、通
常、数百nmの厚さはあるので、全測定深さに対し、反
跳イオンの個数は1/10〜数分の1に達する。この場
合のイオンの総計数はn個であればよいから、 (P/10)×τ=P0・η1・σ・Ω・η2・NT・τ/10=n ……(19) であるから、これら係数が上記と同様とすると、積分時
間τは、 τ=10n/(P0・η1・σ・Ω・η2・NT)=102(sec) となる。これによると、1ヶ所での測定にこの時間を要
するから、イオンビームを1μm角に絞って10μm角
の領域を測定するのには、102 ×102 ÷1=104
(sec)、即ち、約3時間を要することになる。
【0067】以上のように、この第2の実施形態は、大
面積を短時間で測定する手法としては不向きな面もあ
る。
【0068】図4は本発明による電子デバイス非破壊内
部欠陥検出装置の第3の実施形態の要部を示す構成図で
あって、30は内筒、31は外筒、32はスリット、3
3はエネルギーフィルタ、34はイオン検出器、35は
透孔である。
【0069】この第3の実施形態は、イオン検出器が捕
捉する反跳イオンの量(収率)を大幅に増加させ、測定
時間を大幅に短縮することができるようにしたものであ
る。
【0070】同図において、外筒31の中に内筒30が
あるようにして、これら内筒30と外筒31とが同軸状
に配置されており、かつこれら内筒30と外筒31の先
端部が細くなるようにして絞り込まれている。そして、
これらの絞り込み部の頂部に透孔35が設けられてい
る。従って、内筒30と外筒31との間には、横断面が
円環状の空間が形成されており、かかる空間内に、その
絞り込まれた頂部側から順に、夫々内筒30,外筒31
の中心軸を中心に全周に亘って、スリット32,エネル
ギーフィルタ33,イオン検出器34が設けられてい
る。
【0071】内筒30の中心軸に沿う入射軌道で供給さ
れる入射イオンビームIiは透孔35を通過し、電磁レ
ンズ系5によって試料10の表面に集束される。この入
射イオンビームIiの照射によって試料10から出射さ
れる反跳イオンIoは、その一部が内筒30と外筒31
との間の空間内に入り込み、スリット32で特定反跳角
の反跳イオンIoが抽出される。この抽出された反跳イ
オンIoは、エネルギーフィルタ33で所望とする特定
のエネルギー範囲のものが選択され、イオン検出器34
に供給される。
【0072】以上説明した構成以外の部分は、先の実施
形態と同様である。
【0073】このように、この第3の実施形態では、内
筒30の中心軸を中心とする全周に亘って、所望反跳角
θの全反跳イオンをイオン検出器34に供するすること
ができるので、反跳イオンの収率が大幅に向上し、先の
Ωを0.01〜0.1までと先の実施形態に対して1〜2
桁の向上が期待できる。従って、図1に示した実施形態
と同様の条件とした場合、試料10の一点での計測時間
を1〜10秒にまで短縮可能となる。
【0074】この第3の実施形態は、部分的には、CM
A(Cylindrical Mirror Analyzer)型の検出器に類似し
た構造となるが、入射イオンIiを中央で通過させる必
要があるため、イオン検出器34としては、中央部に穴
が開いた環状のMCP(MicroChannel Plate:マイクロ
チャンネルプレート)型の検出器を用いる。また、この
実施形態では、同時に発生するオージェ電子も高分解能
で検出できる特長もある。
【0075】なお、この第3の実施形態では、図1で示
した第1の実施形態に適用したものであるが、図3で示
した第2の実施形態に適用し、エネルギーフィルタ33
の代わりに、低エネルギーの反跳イオンをカットする偏
向電極と高エネルギーの反跳イオンをカットする偏向電
極とを設け、所望エネルギー範囲の反跳イオンをイオン
検出器34に供給するようにしてもよい。また、イオン
検出器34をスリット32からの反跳イオンの軌道上に
設け、これらスリット32を通った全エネルギー範囲の
反跳イオンがこのイオン検出器34に供給されるように
して、図17で示したようなエネルギースペクトルを得
るようにしてもよい。勿論、この場合には、このような
エネルギースペクトルが得られるように、入射イオンI
iのエネルギーを設定する必要があるし、また、スリッ
ト32を通過した反跳イオンを全てイオン検出器34に
供給するためのイオン偏向手段を設ける必要もある。
【0076】また、この第3の実施形態では、スリット
32を図4に示す位置に設けた場合、入射イオンIiの
軌道を中心軸とする円錐体の円錐面の一部をなす図5
(a)に示すような円環状の遮光板32aに、その長手
方向全周にわたってスリット32が設けられていること
になるが、図5(b)に示すように、この円環状の遮光
板32aの長手方向全周にわたって、断続的に、即ち、
複数のスリット32を設けるようにしてもよい。この場
合には、イオン検出器34(図4)をこれらスリット3
2毎に設けるようにしてもよいし、また、1つの円環状
のイオン検出器を用いるようにしてもよい。
【0077】さらに、図4において、スリット32とし
ては、エネルギーフィルタ33とイオン検出器34との
間に設けるようにしてもよい。
【0078】図6は本発明による電子デバイス非破壊内
部欠陥検出装置の第4の実施例を示す構成図であって、
36はチョッパ、37は光検出器、38はモータ、39
は遅延回路、40は時間計測器、41はロックインアン
プ、42は偏向器であり、前出図面に対応する部分には
同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0079】この第4の実施形態は、反跳イオンのエネ
ルギー測定法として、TOF法(Time Of Flight:飛行
時間法)を用いたものである。これは、入射イオンがイ
オン源から出力されてから反跳イオンがイオン検出器で
検出されるまでの時間が入射イオンの反跳位置に応じて
異なることを利用するものである。
【0080】図6において、イオン生成装置2から出力
される入射イオンは、モータ38によって回転するチョ
ッパ36により、パルス状の入射イオンに変換され、上
記各実施形態と同様にして試料10に入射される。
【0081】ここで、TOF法では、入射イオンがイオ
ン生成装置2から出力されて反跳イオンとしてイオン検
出器7で検出されるまでのイオンの飛行時間のスケール
とこのパルス状の入射イオンのパルス幅との比が4桁以
上となることが望ましい。このために、チョッパ36
は、図7に示すように、その外周部側にスリット36a
と遮蔽部36bとが設けられ、スリット36aでイオン
生成装置2(図6)からの入射イオンを通過させ、遮蔽
部36bで入射イオンを遮蔽するようにしているが、チ
ョッパ36の中心0から見たスリット36aの角度範囲
をθ1、遮蔽部36bの下記度範囲θ2とすると、例え
ば、θ21 =104に設定する。また、チョッパ36
の回転速度をr(回転/sec)とすると、1つのスリット
36aをイオンが通過する時間、即ち、入射イオンのパ
ルス幅t1(sec)は、 t1=θ1/(2πr) となる。ここで、チョッパ36にスリット36aがm個
(但し、mは1以上の整数)設けられているものとする
と、θ1=2π/(104・m)であるから、この場合のパ
ルス幅t1は、 t1=1/(104・mr) となる。
【0082】そこで、いま、m=10,r=103 とす
ると、 t1=10(nsec) t2=104・t1=100(μsec) となり、通常のTOFでの時間計測範囲に相当する。
【0083】また、このときのスリットの幅Sは、チョ
ッパ36の円板の径Rを10(cm)として、 S=R・θ1=2πR/104・m =2×π×10/105=6.28×10-4(cm) であり、加工は比較的容易である。
【0084】かかるチョッパを複数段にして夫々の回転
速度を変えることにより、そのスリット幅や回転速度に
対して選択の幅が広がる。
【0085】一方、図6において、光検出器37は、イ
オン生成装置2からのイオンがチョッパ36のスリット
36a(図7)を通過するタイミングを検出し、このタイ
ミングで図8(a)で示すようなパルス信号P1を出力す
る。このパルス信号P1は遅延回路39に供給され、こ
の遅延回路39からこのパルス信号P1よりも時間T1
け遅れて図8(b)に示すようなパルス幅T2のパルス信
号P2を出力する。このパルス信号P2によって時間測定
器40とロックインアンプ41とがトリガーされて起動
し、このパルス信号P2のパルス期間T2動作を継続す
る。ここで、遅延回路39の遅延時間T1はイオンがチ
ョッパ36を通過して試料10の表面に入射イオンとし
て到達するまでの時間に設定されており、また、パルス
信号P2のパルス幅T2は、入射イオンが試料10の表面
に到達してから試料10内の少なくとも所望深さの層か
らの反跳イオンがイオン検出器7に到達するまでの時間
以上であって、かつ次のパルス信号P1 が発生される前
までの時間に設定される。
【0086】そこで、チョッパ36がイオンのパルスを
発生すると、これよりも時間T1後に時間測定器40と
ロックインアンプ41が動作を開始する。時間測定器4
0は、動作を開始すると、時系用のクロックを発生して
モニタ11に供給し、また、ロックインアンプ41は、
動作を開始すると、その通過帯域をイオン検出器7から
の信号の周波数帯域を含む狭い帯域に設定し、良好なS
/Nで信号を抽出する。この信号はモニタ11に供給さ
れる。モニタ11では、ロックインアンプ41から供給
される信号の入力時刻を時間測定器40からのクロック
によって計測し、その結果をイオン検出器7からの信号
強度を時間の関数とする図9に示すようなスペクトルと
して表示する。
【0087】この図9においては、横軸は時間tを表わ
し、その時刻t=0が遅延回路39からのパルス信号P
2の出力開始タイミング、即ち、入射イオンパルスが試
料10の表面に到達した時刻を表わしており、時間tが
短かいスペクトルほど試料10内の浅い配線からの高エ
ネルギーの反跳イオンに対応するものであって、エネル
ギーの分布に換算すると、スペクトルの配列が図17の
場合と逆になる。
【0088】このように、イオンの飛行時間を検出して
スペクトルを得るものであるから、さらには、狭い通過
帯域を安定に設定できるロックインアンプ41を用いて
いるために、ノイズの影響を大幅に低減できてスペクト
ルが急峻なものとなり、各スペクトルが試料10内の配
線の位置,厚さなどにより精度良く対応することにな
る。しかも、イオンの飛行時間は、入射イオンが試料1
0の表面に到達してから計測するものであるから、この
到達までの時間はモニタ11に表示されず、モニタ11
では、その分時間軸方向を拡大して表示することがで
き、検出精度がより高まることになる。そして、以上の
ことにより、試料10内での欠陥の位置や大きさなどを
より正確に検出することができることになる。
【0089】なお、イオン検出器7からの信号強度が弱
い場合には、複数のパルスに対して積分すればよい。一
定のエネルギー幅のものを積分する場合には、偏向器に
よって対応する時間範囲のものだけがイオン検出器7に
到達するように、 電場をON/OFFすればよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高集積度半導体デバイスなどの試料の欠陥や異を、この
試料を破壊することなく、かつ高感度で、解析すること
が可能になり、このため、生産ラインの短期立ち上げ
や、従来にない高歩留りの量産の維持、製品ウエハの効
率的再利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検出
装置の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示した実施形態で得られるエネルギース
ペクトルの例を示す図である。
【図3】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検出
装置の第2の実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検出
装置の第3の実施形態を示す構成図である。
【図5】図4におけるスリットの具体例を示す図であ
る。
【図6】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検出
装置の第4の実施形態を示す構成図である。
【図7】図6におけるチョッパの一具体例を示す図であ
る。
【図8】図6に示した第4の実施形態での動作を示す図
である。
【図9】図6に示した第4の実施形態で得られるスペク
トルの例を示す図である。
【図10】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検
出装置の基本的構成を示す図である。
【図11】半導体デバイスの異物を含む断面の一例を示
す図である。
【図12】半導体デバイスの欠陥分析手順の現状の一例
を示すプロセス図である。
【図13】半導体デバイスの欠陥分析手順の現状の一例
を示すフロー図である。
【図14】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検
出装置の動作の原理を示す図である。
【図15】本発明による電子デバイス非破壊内部欠陥検
出装置の他の動作原理を示す図である。
【図16】半導体デバイスの典型的な成膜構造を模式的
に示す図である。
【図17】図16に示した成膜構造に対する反跳イオン
のエネルギースペクトルを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 イオン生成装置 3 円筒 4 イオン加速器 5 電磁レンズ系 6 偏向電極 7 イオン検出器 8 2次電子検出器 9 試料ステージ 10 試料 11 モニタ 26 アパーチャ 27 エネルギーフィルタ 28,29 偏向電極 30 内筒 31 外筒 32 スリット 32a 遮蔽部 33 エネルギーフィルタ 34 イオン検出器 35 透孔 36 チョッパ 36a スリット 36b 遮蔽部 37 光検出器 38 モータ 39 遅延回路 40 時計計測器 41 ロックインアンプ 42 偏向器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA05 AA10 BA07 BA09 BA15 BA30 CA05 DA01 DA02 DA09 EA03 EA04 EA05 EA20 FA21 FA25 GA01 GA06 GA08 HA13 KA03 KA11 LA11 NA07 NA13 NA17 PA07 SA01 4M106 BA03 CA38 DB01 DB05 DB09 DJ23 5C033 NN05 NP01 NP04 QQ07 QQ13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽元素のイオンビームを生成する第1の
    手段と、 該第1の手段で生成された該イオンビームを、入射イオ
    ンビームとして、加速,集束し、試料に入射させる第2
    の手段と、 該入射イオンビームの該試料内での反跳によって生じた
    反跳イオンのうち、特定の反跳角の反跳イオンを抽出す
    る第3の手段と、 該第3の手段で抽出された該反跳イオンのうちの所望と
    するエネルギー範囲の反跳イオンを抽出する第4の手段
    と、 該第4の手段で抽出された該反跳イオンを検出し、該反
    跳イオンをエネルギーの大きさ毎に計数する第5の手段
    とを備え、エネルギーに対する該反跳イオンの計数値か
    らなるエネルギースペクトルを求めるように構成したこ
    とを特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記第3の手段は、エネルギーフィルタであることを特
    徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記第3の手段は、前記所望とするエネルギー範囲より
    も低エネルギーの前記反跳イオンを除去する偏向電極
    と、前記所望とするエネルギー範囲よりも高エネルギー
    の前記反跳イオンを除去する偏向電極とからなることを
    特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  4. 【請求項4】 軽元素のイオンビームを生成するイオン
    生成手段と、 該第1の手段で生成された該イオンビームを、入射イオ
    ンビームとして、加速,集束し、試料に入射させる手段
    と、 該入射イオンビームの該試料への入射に伴なう該試料か
    らの所望反跳イオンの軌道に垂直な平面上の該入射イオ
    ンビームの該試料への入射軌道を中心軸とする円環状の
    所定幅領域に通過領域が設けられ、該通過領域が、該試
    料からの該反跳イオンのうち、特定の反跳角の該反跳イ
    オンを通過させるスリット手段と、 該スリット手段を通過した該反跳イオンを検出し、該反
    跳イオンをエネルギーの大きさ毎に計数するイオン検出
    手段とを備え、該反跳イオンのエネルギー毎の計数値の
    分布を表わすエネルギースペクトルを求めるように構成
    したことを特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記通過領域は前記円環状の所定幅領域全体からなるこ
    とを特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 前記通過領域は、前記円環状の所定幅領域内のその長手
    方向に配列される複数の領域からなることを特徴とする
    電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項4または5において、 前記スリット手段と前記イオン検出手段との間に、所望
    とするエネルギー範囲の前記反跳イオンを抽出するエネ
    ルギーフィルタを設けたことを特徴とする電子デバイス
    非破壊内部欠陥検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項4または5において、 前記スリット手段と前記イオン検出手段との間に、所望
    とするエネルギー範囲よりも低エネルギーの前記反跳イ
    オンを除く偏向電極と、該所望とするエネルギー範囲よ
    りも高エネルギーの前記反跳イオンを除く偏向電極とを
    設け、 該所望とするエネルギー範囲のエネルギーを有する前記
    反跳イオンを前記イオン検出手段に供給することを特徴
    とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  9. 【請求項9】 軽元素のイオンビームを生成するイオン
    生成手段と、 該イオン生成手段で生成された該イオンビームを断続し
    てパルス状のイオンに変換するチョッパ手段と、 該チョッパ手段からの該パルス状のイオンを、入射イオ
    ンとして、加速,集束し、試料に入射させる手段と、 該入射イオンの該試料への入射に伴なう該試料からの反
    跳イオンを検出するイオン検出手段と、 該反跳イオンの該イオン検出手段までの飛行時間を計測
    する計測手段と、 該計測手段の計測結果を表示するモニタ手段とを備えた
    ことを特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記計測手段は、 前記チョッパ手段が前記パルス状のイオンを出力するタ
    イミングを検出するタイミング検出手段と、 該タイミング検出手段の検出出力を、前記チョッパ手段
    から前記試料までの前記入力イオンの飛行時間だけ遅延
    させる遅延手段と、 該遅延手段の出力によって動作を開始し、時間基準とな
    るクロックを発生する時間計測手段と、 該遅延手段の出力によって動作を開始し、前記イオン検
    出手段の出力信号を処理するロックインアンプとからな
    り、該クロックと該ロックインアンプの出力信号とを前
    記モニタ手段に供給することを特徴とする電子デバイス
    非破壊内部欠陥検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1つにおい
    て、 前記軽元素がH2 ,He,LiまたはBeであることを
    特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか1つにおい
    て、 前記入射イオンを1Å以上、10μm以下のビーム径に
    集束する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載
    した試料の電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか1つにおい
    て、 前記試料から発生する2次電子の検出手段を有すること
    を特徴とする電子デバイス非破壊内部欠陥検出装置。
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