JP2000146355A - 複合熱移動装置 - Google Patents

複合熱移動装置

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JP2000146355A
JP2000146355A JP10311309A JP31130998A JP2000146355A JP 2000146355 A JP2000146355 A JP 2000146355A JP 10311309 A JP10311309 A JP 10311309A JP 31130998 A JP31130998 A JP 31130998A JP 2000146355 A JP2000146355 A JP 2000146355A
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JP
Japan
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heat
heat transfer
transfer device
refrigerant
heat exchanger
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JP10311309A
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English (en)
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Shusaburo Niimura
修三郎 新村
Makoto Misawa
誠 三沢
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合熱移動装置において、圧縮式熱移動装置
及び吸収式熱移動装置の両方を用いて暖房運転を行うよ
うな場合に、より効率を向上することができるようにす
る。 【解決手段】 圧縮式ヒートポンプシステム1と吸収式
冷暖房システム60と、室内熱交換器91を含む流体回
路90とを備え、流体回路90が上記両システム1,6
0にわたって設けられ、両システム1,60によって流
体を加熱して室内熱交換器91に熱を与え、暖房等を行
うようにする。このような装置において、暖房時に、吸
収式熱冷暖房システム60の吸収器62及び凝縮器64
の各冷却部87,88と室内熱交換器91とにわたる第
1の循環経路と、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒
回路10から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部と吸収式冷暖
房システム60の蒸発器61に設けられた伝熱部65と
にわたる第2の循環経路とをそれぞれ流体が循環するよ
うに流体回路90を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮式熱移動装置
と吸収式熱移動装置とを備える複合熱移動装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、冷凍機またはヒートポンプを
構成する熱移動装置として、圧縮式熱移動装置及び吸収
式熱移動装置が知られている。
【0003】圧縮式熱移動装置は、圧縮機から吐出した
冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すよう
に循環させ、蒸発器での吸熱や凝縮器での放熱を利用し
て冷暖房などを行なうようにしたものである。
【0004】吸収式熱移動装置は、冷媒を蒸発させる蒸
発器と、蒸発器から導かれる冷媒蒸気を吸収液に吸収さ
せる吸収器と、吸収器で冷媒の吸収を行なった後の吸収
液を導入してこの吸収液から冷媒を放出する再生器と、
再生器から送り出された冷媒蒸気を凝縮する凝縮器とを
有し、冷凍機として使用する場合に上記蒸発器で冷熱を
取り出すようにしたものである。
【0005】一般にこれらの熱移動装置は個別に用いら
れるが、これらの熱移動装置を併用することで熱効率の
向上等を図ることも考えられている。
【0006】例えば特開平7−111285号公報に
は、エンジンで駆動される圧縮機を用いた圧縮式冷凍機
と、吸収式冷凍機と、さらに吸着式冷凍機とを備え、冷
水の供給系統に対し、圧縮式冷凍機の蒸発器と吸収式冷
凍機の蒸発器とを並列に接続して、これらの蒸発器で冷
却した冷水を供給し得るようにするとともに、上記エン
ジンの排熱を吸収式冷凍機や吸着式冷凍機の再生用の熱
源として利用し得るようにした装置が示されている。こ
の装置において、エンジン排熱等を吸収式冷凍機や吸着
式冷凍機に与える構造としては、上記エンジンの排気通
路上流部に設けられた第1の排ガス熱交換器から取り出
される高温のエンジン排熱を吸収式冷凍機に導く第1の
排熱回収系統を設けるとともに、排気通路下流部に設け
られた第2の排ガス熱交換器から取り出されるエンジン
排熱を吸着式冷凍機に導く第2の排熱回収系統を設け、
かつ、圧縮式冷凍機の圧縮機と凝縮器との間に設けた熱
交換器から熱を取り出す経路を上記第2の排熱回収系統
に並列接続している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示された装
置では、圧縮式冷凍機及び吸収式冷凍機の各蒸発器で冷
却した冷水の供給(その冷水を用いた冷房)を行ない得
るようになっているだけで、温水の供給(暖房)を行な
うことができない。
【0008】なお、圧縮式熱移動装置をヒートポンプと
して暖房に使用し、つまり凝縮器での冷媒の凝縮熱によ
って暖房することは一般に行われている。しかし、吸収
式熱移動装置は必ずしも効果的に活用されていない。特
に吸収式冷暖房システムの運転のためには吸収器及び凝
縮器が冷却水によりにより冷却されるが、吸収器及び凝
縮器から奪った熱は放熱器で大気に放熱されているにす
ぎず、効率の向上を妨げていた。
【0009】本発明はこのような事情に鑑み、圧縮式熱
移動装置及び吸収式熱移動装置の両方を用いて暖房運転
を行うような場合に、より効率を向上することができる
複合熱移動装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経
て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を有する圧縮
式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷
媒を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生
器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動
装置とを備えるとともに、室内熱交換器に流体を導いて
放熱もしくは吸熱を行わせる流体回路を上記圧縮式熱移
動装置と吸収式熱移動装置とにわたって設け、この回路
中の流体の冷却及び加熱を上記圧縮式熱移動装置及び吸
収式熱移動装置によって行なうようにした複合熱移動装
置であって、室内熱交換器で放熱を行わせるときの上記
流体の流通経路として、吸収式熱移動装置の吸収器及び
凝縮器の各冷却部と室内熱交換器とにわたって流体が循
環する第1の循環経路と、圧縮式熱移動装置の冷媒回路
から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部と吸収式熱移動装置の
蒸発器に設けられた伝熱部とにわたって流体が循環する
第2の循環経路とを有するように流体回路を構成し、上
記各循環経路にポンプを配置したものである。
【0011】この装置によると、室内熱交換器で放熱を
行わせるとき(例えば暖房時)に、吸収式熱移動装置の
吸収器及び凝縮器の各冷却部で吸収熱や凝縮熱等を回収
した流体が、放熱器で放熱されることなく、第1の循環
経路を通って室内熱交換器に導かれて、室内熱交換器に
熱を与える。また、第2の循環経路により圧縮式熱移動
装置の冷媒回路から凝縮熱が吸収式熱移動装置の蒸発器
に与えられ、その熱で蒸発器の冷媒が加熱され、その冷
媒が吸収器に送られて冷却部を通る流体に熱を与えるこ
とにより、圧縮式熱移動装置の冷媒回路からの凝縮熱も
間接的に室内熱交換器に与えられる。こうして、暖房等
が効率よく行われる。
【0012】この発明において、圧縮式熱移動装置の圧
縮機が水冷エンジンにより駆動されるようになっている
ものである場合に、上記第1の循環経路の途中に、エン
ジン排熱を回収したエンジン冷却水により流体を加熱す
る熱交換器を設けるようにすること(請求項2)が好ま
しい。このようにすると、上記エンジン排熱も有効利用
され、暖房等の性能が高められる。
【0013】また、室内熱交換器で吸熱を行わせるとき
に、吸収式熱移動装置の蒸発器に設けられた伝熱部と圧
縮式熱移動装置の冷媒回路の蒸発器で冷却される部分と
室内熱交換器とにわたって流体が循環する経路と、吸収
式熱移動装置の吸収器及び凝縮器の各冷却部と放熱器と
にわたって流体が循環する経路とに、流体回路の循環経
路を切り替えるように構成すること(請求項3)が好ま
しい。
【0014】このようにすると、室内熱交換器で吸熱を
行わせるとき(例えば冷房時)には、上記流体が吸収式
熱移動装置の蒸発器に設けられた伝熱部と圧縮式熱移動
装置の蒸発器とでそれぞれ冷却されてから室内熱交換器
に送られ、冷房等が効率よく行われる。
【0015】請求項4に係る発明は、圧縮機から吐出し
た冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すよ
うに循環させる冷媒回路を有する圧縮式熱移動装置と、
冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒を吸収させる吸
収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を
凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えると
ともに、室内熱交換器に流体を導いて放熱もしくは吸熱
を行わせる流体回路を上記圧縮式熱移動装置と吸収式熱
移動装置とにわたって設け、この回路中の流体の冷却及
び加熱を上記圧縮式熱移動装置及び吸収式熱移動装置に
よって行なうようにした複合熱移動装置であって、吸収
式熱移動装置の吸収器及び凝縮器の各冷却部と放熱器と
にわたって冷却水を循環させる冷却水回路を吸収式熱移
動装置に設けるとともに、上記流体回路に、圧縮式熱移
動装置の冷媒回路から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部と、
上記放熱器からの熱を受け取る受熱部と、ポンプとを配
設し、室内熱交換器で放熱を行わせるときに流体が上記
ポンプから上記受熱部、上記凝縮熱受熱部及び上記室内
熱交換器にわたって循環するように流体回路を構成した
ものである。
【0016】この装置によると、室内熱交換器で放熱を
行わせるとき(例えば暖房時)に、吸収式熱移動装置の
吸収器及び凝縮器の各冷却部で冷却水により回収され
て、従来では放熱器で外気に放出されていた熱が上記受
熱部に取り込まれ、この熱と上記凝縮熱受熱部で取り込
まれる圧縮式熱移動装置の冷媒凝縮熱とによって上記流
体が充分に加熱され、この流体が室内熱交換器に導かれ
ることにより、暖房等が効率よく行われる。
【0017】この発明において、上記流体回路に、エン
ジン排熱を回収したエンジン冷却水により流体を加熱す
る熱交換器を設けておくこと(請求項5)が好ましい。
このようにすると、上記エンジン排熱も有効利用され、
暖房等の性能が高められる。
【0018】また、請求項6に係る発明は、圧縮機から
吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に
戻すように循環させる冷媒回路を有する圧縮式熱移動装
置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒を吸収さ
せる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒
蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備
えるとともに、室内熱交換器に流体を導いて放熱もしく
は吸熱を行わせる流体回路を上記圧縮式熱移動装置と吸
収式熱移動装置とにわたって設け、この回路中の流体の
冷却及び加熱を上記圧縮式熱移動装置及び吸収式熱移動
装置によって行なうようにした複合熱移動装置であっ
て、室内熱交換器で放熱を行わせるときの上記流体の流
通経路として、流体が吸収式熱移動装置の吸収器及び凝
縮器の各冷却部と室内熱交換器とにわたって循環する循
環経路を有するように流体回路を構成し、かつ、この循
環経路に、圧縮式熱移動装置の冷媒回路から凝縮熱を受
ける凝縮熱受熱部とポンプとを配設したものである。
【0019】この装置によると、室内熱交換器で放熱を
行わせるとき(例えば暖房時)に、吸収式熱移動装置の
吸収器及び凝縮器の各冷却部で吸収熱や凝縮熱等を回収
した流体が、放熱器で放熱されることなく、室内熱交換
器に導かれる。さらに、上記循環経路中に位置する凝縮
熱受熱部により圧縮式熱移動装置からも冷媒凝縮熱が上
記流体に与えられる。こうして、暖房等が効率よく行わ
れる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0021】図1は、本発明の複合熱移動装置の一例と
しての空調装置を示しており、この空調装置は、圧縮式
熱移動装置としての圧縮式ヒートポンプシステム1と、
吸収式熱移動装置としての吸収式冷暖房システム60と
を備えるとともに、室内熱交換器91に熱媒としての流
体を導いて放熱もしくは吸熱を行わせる流体回路90を
上記圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とにわたって
設けている。
【0022】圧縮式ヒートポンプシステム1には、水冷
式ガスエンジン2(以下、エンジン2と略す)と、この
エンジン2により駆動される圧縮機11を備えた冷媒回
路10と、上記エンジン2を冷却するための冷却水回路
40とが設けられている。
【0023】上記エンジン2の本体3には、燃料ガスを
供給する燃料ガス供給通路4と不図示の空気導入通路と
が不図示の混合器により合体されて、混合気の通路とさ
れる不図示の吸気通路と、排気通路5とが接続されてい
る。上記燃料ガス供給通路4には、燃料ガスの流量を制
御し、主に空燃比を制御する電磁弁6が設けられてい
る。上記混合器内の下流部には混合気量を制御しエンジ
ン2の出力を制御する不図示のスロットル弁が設けられ
ている。エンジン本体3にはウォータジャケット7が設
けられている。
【0024】また、排気通路5には、排ガス熱交換器8
が設けられるとともに、これより上流側に三方電磁弁9
が設けられ、この三方電磁弁9と排ガス熱交換器8との
間に、排ガスを直接排ガス熱交換器8に導く主通路5a
と、排ガスを吸収式冷暖房システム60側に導き後記低
温側再生器63の加熱部77を経て主通路5aに戻す排
ガス導通路5bとが形成されている。そして、上記三方
電磁弁9により、主通路5aと排ガス導通路5bとの流
通割合を調節し得るようになっている。
【0025】上記冷媒回路10は、圧縮機11から吐出
される冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を通して圧縮機1
1に戻すように循環させるための閉回路を構成するもの
である。当実施形態では、冷房時と暖房時とに応じて冷
媒循環経路を切替えるための四方弁12を備えるととも
に、冷房時に凝縮器、暖房時に蒸発器となる室外熱交換
器13と、冷房時に蒸発器となる熱交換器14Aと、暖
房時に凝縮器となる熱交換器14Bと、電子膨張弁1
5,16、電磁弁17等を備えている。
【0026】冷媒回路10を具体的に説明すると、圧縮
機11と四方弁12との間には、圧縮機11の吐出口と
四方弁12の第1ポートとを接続する吐出側ライン21
と、四方弁12の第2ポートと圧縮機11の吸込口とを
接続する吸込側ライン22とが配設されている。上記吐
出側ライン21には、高圧冷媒からオイルを分離するオ
イルセパレータ23が設置されており、分離されたオイ
ルは不図示の管路により圧縮機11に戻される。また、
上記吸込側ライン22には、液相冷媒を分離して気相冷
媒のみを圧縮機11の吸込口に戻すためのアキュムレー
タ24が設置されている。
【0027】上記四方弁12の第3ポートにはライン2
5を介して室外熱交換器13が接続されている。このラ
イン25の途中に二重管熱交換器26(冷却水から冷媒
への熱移動を目的とする熱交換器であるので、以下、W
−R熱交換器26と呼ぶ)が設けられている。上記室外
熱交換器13には電子膨張弁16を介してレシーバ28
が接続され、さらにレシーバ28に電子膨張弁15が接
続されている。また、この電子膨張弁15と四方弁12
の第4ポートとの間に、上記熱交換機14A,14Bが
並列に接続されるとともに、冷媒が冷房時に熱交換器1
4Aに流れ、暖房時に熱交換器14Bに流れるように冷
媒流通状態を切換える電磁弁29A,29Bが設けられ
ている。
【0028】さらに冷媒回路10には、圧縮機11と四
方弁12との間の吐出側ライン21から分岐し、下流端
が上記レシーバ28に至るバイパス通路31が設けられ
ている。そしてこのバイパス通路31には、電磁弁17
が設けられるとともに、この電磁弁17の上流に凝縮熱
回収用熱交換器32(冷媒から冷却水への熱移動を目的
とする熱交換器であるので、以下、R−W熱交換器32
と呼ぶ)が設けられ、さらにこのR−W熱交換器32の
上流に、流量調節用の電磁弁33が設けられている。
【0029】上記冷却水回路40は、その主通路41
に、水ポンプ42と、上記R−W熱交換器32と、ウォ
ータジャケット7と、排ガス熱交換器8と、ラジエータ
44とを備えており、水ポンプ42から吐出された冷却
水がR−W熱交換器32、ウォータジャケット7、排ガ
ス熱交換器8及びラジエータ44を経て水ポンプ42に
戻るように主通路41が形成されている。上記ウォータ
ジャケット7及び排ガス熱交換器8はエンジン排熱回収
部を構成し、これらによりエンジン排熱が冷却水に与え
られる。さらに、R−W熱交換器32によって冷媒回路
10の冷媒凝縮熱も冷却水に与えられる。
【0030】また、排ガス熱交換器8とラジエータ44
との間の主通路41から分岐したエンジン排熱送給通路
45が設けられている。この通路45は、吸収式冷暖房
システム60側に延び、後に詳述する吸収液加熱用の熱
交換器82を経て、ラジエータ44と水ポンプ42との
間の主通路41に至るように形成されている。
【0031】さらに、上記通路45には、熱交換器82
をバイパスするバイパス通路46と、熱交換器82をバ
イパスして流体回路90中の流体に対する熱供給用の熱
交換器48(水から水への熱移動を目的とする熱交換器
であるので、以下、W−W熱交換器48と呼ぶ)を通る
通路47とが接続されている。そして、通路45の分岐
個所よりも下流側の主通路41と、通路45と、バイパ
ス通路46と、通路47とにそれぞれ、電磁弁50,5
1,52,53が設けられ、これらの通路の冷却水流通
割合が調節されるようになっている。
【0032】さらに、排ガス熱交換器8の下流の主通路
41から分岐して高温の冷却水の一部を上記W−R熱交
換器26に導く通路55が設けられ、この通路55は上
記W−R熱交換器26を経てラジエータ44より下流の
主通路41に至っている。この通路55の途中には、流
量調節用の電磁弁56が設けられている。
【0033】一方、吸収式冷暖房システム60は、蒸発
器61、吸収器62、再生器及び凝縮器64を備え、こ
れらの間に冷媒及び吸収液の通路が配設されている。当
実施形態の吸収式冷暖房システム60は二重効用サイク
ルであって、再生器として高温再生器63A及び低温再
生器63Bの2つが設けられている。
【0034】上記蒸発器61は、高真空に保たれた容器
内に伝熱管65を配置し、上部から導入される水等の冷
媒液を上記伝熱管65に滴下させて蒸発させることによ
り、気化熱に相当する熱を伝熱管65内の熱媒流体
(水)から奪うようにしたものである。この蒸発器61
には、凝縮器64から冷媒液を導く冷媒液通路67と、
蒸発器61で生じる冷媒蒸気を導出する冷媒蒸気通路6
8とが接続されている。さらに、蒸発器61の底部に溜
る未蒸発の冷媒(冷媒液)を蒸発器61の上部に戻すた
め、冷媒ポンプ70を介設した通路69が蒸発器61に
接続されている。
【0035】上記吸収器62は、高真空に保たれた容器
内に吸収液を滴下させて、上記蒸発器61から送られる
冷媒蒸気を吸収液に吸収させるようにしたものである。
この吸収器62には、上記冷媒蒸気通路68と、再生器
63A,63Bから吸収液を導く濃溶液通路71と、冷
媒吸収後の吸収液(希溶液)を導出する希溶液通路72
とが接続されており、希溶液通路72には希溶液を再生
器63A,63Bへ送るための溶液ポンプ73が介設さ
れている。
【0036】上記再生器63A,63Bは、吸収器62
から送られる希溶液を加熱することにより冷媒を蒸発分
離するようにしたものであり、とくに当実施形態の二重
効用サイクルでは、高温側再生器63Aにおいてバーナ
ー80で希溶液の加熱を行うとともに、低温側再生器6
3Bにおいて高温側再生器63Aから導かれる冷媒蒸気
等で希溶液を加熱するようになっている。
【0037】すなわち、上記高温側再生器63Aの上部
に希溶液通路72の下流端が接続されるともに、分離さ
れた冷媒蒸気と冷媒分離後の吸収液(濃溶液)とを導出
すべく高温側再生器63Aの上端部及び下端部に第1冷
媒蒸気通路74及び濃溶液通路71が接続され、一方、
低温側再生器63Bの上部に希溶液通路72の途中から
分岐した通路75が接続されるとともに、低温側再生器
63Bの上端部及び下端部に第2冷媒蒸気通路74及び
濃溶液導出路77が接続され、さらに上記第1冷媒蒸気
通路74が低温側再生器63Bの内部を通っている。上
記濃溶液導出路77は濃溶液通路71に合流している。
【0038】上記高温側再生器63Aに具備されたバー
ナー80には、ガス制御弁81を備えた燃料ガス通路が
接続されている。
【0039】上記希溶液通路72の上流部には、圧縮式
ヒートポンプシステム1の冷却水回路40からエンジン
排熱送給通路45を介して導かれるエンジン冷却水によ
り希溶液の加熱を行う熱交換器82が設けられている。
この熱交換器82より下流側において、希溶液通路72
の上流寄り部分と濃溶液通路71の下流寄り部分とが対
応する個所、及び、希溶液通路72の下流寄り部分と濃
溶液通路71の上流寄り部分とが対応する個所にそれぞ
れ、希溶液と濃溶液との間で熱交換を行う低温側溶液熱
交換器83及び高温側溶液熱交換器84が設けられてい
る。さらに、低温側再生器63Bには、圧縮式ヒートポ
ンプシステム1のエンジン排気通路5から排ガス導通路
5bを介して導かれるエンジン排ガスにより加熱を行う
加熱部85が設けられている。
【0040】また、上記凝縮器64は、再生器63A,
63Bから送られる冷媒蒸気を冷却水で冷却して凝縮液
化させるようにしたものであり、凝縮器64の上部及び
上端部に第1及び第2の冷媒蒸気通路74,76が接続
される一方、凝縮器64の下端部に冷媒液通路67が接
続されている。
【0041】この吸収式冷暖房システム60において、
吸収器62では吸収熱等を除去するため、また凝縮器6
4では凝縮熱を奪うため、冷却用の流体(冷却水)を流
通させる冷却部87,88が吸収器62及び凝縮器64
に設けられている。そして、冷却水がこれらの冷却部8
7,88を通って循環するように冷却水回路が形成され
るが、当実施形態では、この吸収式冷暖房システム60
の冷却水回路が、室内熱交換器91に熱媒としての流体
を導く流体回路90に組込まれ、冷却水が室内熱交換器
91に導かれる熱媒としての流体に共用されている。
【0042】この冷却水回路を含む流体回路90には、
第1,第2の水ポンプ95,96と、放熱器(ラジエー
タ)97と、室内熱交換器91及びこれに接続された制
御弁92と、熱交換器14A,14B,48と、流通経
路を切り替える複数の電磁弁とが組み込まれている。な
お、上記制御弁92及び室内熱交換器91は、冷暖房を
行なう各部屋に設置される室内機93に設けられてい
る。
【0043】冷却水回路を含む流体回路90の回路構成
を具体的に説明すると、第1の水ポンプ95の吐出側に
接続された通路100は、吸収器62の冷却部87及び
凝縮器64の冷却部88をこの順に通り、冷却部88の
下流で2つの通路101,102に分岐しており、一方
の通路101は放熱器97を通って第1の水ポンプ95
の吸入側に接続され、他方の通路102は放熱器97を
通らないようになっている。通路101,102には冷
房時と暖房時とに応じて流通経路を切り替えるように開
閉作動する電磁弁103,104が設けられている。
【0044】第2の水ポンプ96の吐出側に接続された
通路は三方電磁弁105を介して2つの通路106,1
07に分岐しており、一方の通路106は蒸発器61の
伝熱管65を通り、他方の通路107は伝熱管65をバ
イパスしている。これの通路106,107の合流部の
下流には、冷房時に圧縮式ヒートポンプシステム1の冷
媒回路10から冷却作用を受ける熱交換器14Aが設け
られている。また、熱交換器14Aの下流側で2つの通
路108,109が分岐し、これらの通路108,10
9には冷房時と暖房時とに応じて流通経路を切り替える
ように開閉作動する電磁弁110,111が設けられて
いる。
【0045】分岐した通路のうち一方の通路108は、
W−W熱交換器48を経て、室内機93の制御弁92に
接続されている。この通路108の電磁弁110とW−
W熱交換器48との間には、通路90の下流端側が接続
されている。
【0046】分岐した通路のうち他方の通路109は、
暖房時に圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10
から凝縮熱を受ける熱交換器14B(凝縮熱受熱部)を
通り、第2の水ポンプ96の吸入側に達している。
【0047】室内機93の室内熱交換器91から導出さ
れた通路112は2つの通路113,114に分岐し、
これらの通路113,114には冷房時と暖房時とに応
じて流通経路を切り替えるように開閉作動する電磁弁1
15,116が設けられている。これらの通路のうち一
方の通路113は通路109と合流して第2の水ポンプ
96の吸入側に至り、また他方の通路114は通路10
1と合流して第1の水ポンプ95の吸入側に至るように
形成されている。
【0048】このような回路構成により、後に詳述する
ように、暖房時には、水が上記吸収器62及び凝縮器6
4の各冷却部87,88、W−W熱交換器48並びに室
内熱交換器91にわたって循環する第1の循環経路90
cと、熱交換器14B(凝縮熱受熱部)及び上記蒸発器
61の伝熱管65(伝熱部)にわたって循環する第2の
循環経路90dとが形成されるようになっている。
【0049】以上のような当実施形態の複合熱移動装置
の作用を、冷房運転時と暖房運転時とについて次に説明
する。
【0050】冷房運転時には、圧縮式ヒートポンプシス
テム1における冷媒、エンジン冷却水及びエンジン排ガ
スの流れは、図1中に実線矢印で示すようになる。
【0051】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10においては、図外の制御部により、
四方弁12が実線で示す回路接続状態とされるととも
に、バイパス通路31の電磁弁33,17が開とされ、
室外熱交換器13とレシーバ28との間の電子膨張弁1
6は閉とされ、電子膨張弁15は適度の絞り状態とさ
れ、また、電子膨張弁15と四方弁12との間において
電磁弁29Aが開、電磁弁29Bが閉とされる。この状
態では、圧縮機11から吐出された冷媒は、バイパス通
路31を通り、R−W熱交換器32で放熱、凝縮されて
液化した後、電磁弁17、レシーバ28を経て電子膨張
弁15に達し、ここで膨張されてから熱交換器14Aに
導かれて蒸発し、さらに四方弁12を通って吸込側ライ
ン22に流れ、アキュムレータ24を経て圧縮機11に
戻される。
【0052】この場合に上記熱交換器14Aが蒸発器と
なり、この熱交換器14Aでの冷媒の蒸発により流体回
路90内の水から熱が奪われる。また、従来の圧縮式ヒ
ートポンプシステムでは冷房運転時に室外熱交換器13
が凝縮器となるように冷媒が循環されていたが、当実施
形態では、室外熱交換器13に代わってR−W熱交換器
32が凝縮器となるようにバイパス通路31に冷媒が流
され、このR−W熱交換器32により凝縮熱が冷却水回
路40中のエンジン冷却水に与えられる。
【0053】冷却水回路40においては、熱交換器48
に冷却水を導く通路の電磁弁53及びW−R熱交換器2
6へ冷却水を導く通路の電磁弁56がそれぞれ閉じられ
る。また、ラジエータ44に通じる通路中の電磁弁50
は設定冷却水温(90°C程度)以上で開、設定冷却水
温未満で閉とされ、これによりエンジン冷却水温が適正
範囲に保たれるようにラジエータ44へ流れる冷却水の
量が調節される。エンジン排熱送給通路45の電磁弁5
1及びバイパス通路46の電磁弁52はエンジン冷却水
温に応じて制御され、設定冷却水温(50°C程度)以
上では電磁弁51が開、電磁弁52が閉とされることに
より吸収液加熱用の熱交換器82側に冷却水が流され、
設定冷却水温未満では電磁弁51が閉、電磁弁52が開
とされることによりバイパス通路46に冷却水が流され
る。
【0054】排気通路5に設けられた三方電磁弁9は、
排ガスを低温側再生器63の加熱部85に導く状態に制
御される。
【0055】また、冷房運転時で低負荷時以外は吸収式
冷暖房システム60が運転され、このときの吸収液及び
冷媒の流れは図1中に実線矢印に示すようになる。
【0056】すなわち、蒸発器61で冷媒液が蒸発さ
れ、その冷媒蒸気が吸収器62に導かれて吸収液に吸収
され、冷媒吸収後の吸収液が再生器63A,63Bに送
られて加熱により冷媒が蒸発分離され、冷媒分離後の吸
収液が上記吸収器62に送られる一方、分離された冷媒
蒸気が凝縮器64で凝縮液化された後、蒸発器61に送
られるというサイクルが繰り返される。そして、上記蒸
発器61での冷媒の蒸発により伝熱管65内の水が冷却
される。
【0057】この場合、圧縮式ヒートポンプシステム1
の冷却水回路40においてウォータジャケット7、排ガ
ス熱交換器8及びR−W熱交換器32でエンジン排熱及
び凝縮熱を回収したエンジン冷却水が、通路45を介し
て吸収液加熱用の熱交換器82へ送られるとともに、エ
ンジン排ガスが排ガス導通路5bを介して低温側再生器
63Bの加熱部85に送られる。従って、圧縮式ヒート
ポンプシステム1におけるエンジン排熱及び凝縮熱並び
にエンジン排ガスが、吸収式冷暖房システム60におい
て吸収器62から再生器63A,63Bに送られる吸収
液の加熱に有効利用される。
【0058】冷房運転時において圧縮式ヒートポンプシ
ステム1及び吸収式冷暖房システム60がともに作動し
ているときの、流体回路90における水の流通経路を抽
出して示すと図2のようになる。
【0059】すなわち、凝縮器64の冷却部88の下流
側では電磁弁103が開、電磁弁104が閉とされ、水
ポンプ96の吐出側に接続された三方電磁弁105は通
路107を閉じ、かつ通路106を開く状態に作動さ
れ、熱交換器14Aの下流側では電磁弁110が開、電
磁弁111が閉とされ、室内熱交換器91から導出され
た通路112の下流側では電磁弁115が開、電磁弁1
16が閉とされる。
【0060】これにより、太線矢印のように水ポンプ9
6から三方電磁弁105、伝熱管65、熱交換器14
A、電磁弁110、制御弁92、室内熱交換器91及び
電磁弁115を通って水ポンプ96に戻る循環経路90
aと、矢印のように水ポンプ95から吸収器62の冷却
部87、凝縮器64の冷却部88、電磁弁103及び放
熱器97を通って水ポンプ95に戻る循環経路90bと
を、それぞれ水が流れるようになる。なお、通路109
の途中にあるべき熱交換器14Bは、熱交換機能を果た
さないので図2中において省略している。
【0061】そして、循環経路90aを流れる水が蒸発
器61で予冷され、その後、圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10で冷房時に蒸発器として機能する熱
交換器14Aに導かれて、ここでさらに冷却されてか
ら、室内熱交換器91に送られ、室内を冷房する。この
ように、吸収式冷暖房システム60の蒸発器62と圧縮
式ヒートポンプシステム1の熱交換器14Aとで二段階
に水が冷却されて、冷房効果が高められる。
【0062】循環経路90bを流れる水は、吸収器62
及び凝縮器64を冷却して吸収熱や凝縮熱等を奪い、そ
の熱を放熱器97で大気に放出する。
【0063】なお、冷房時に室内機の負荷が比較的小さ
い中負荷においては、ガス制御弁81が閉じられてバー
ナー80の燃焼が停止され、室内機の負荷がさらに小さ
い低負荷時には、排気通路5に設けられた三方電磁弁9
が排気ガスを主通路5aを通して排ガス熱交換器8へ導
く状態に制御され、電磁弁52は設定冷却水温以上で
開、未満で閉とされる状態を維持しつつ、電磁弁51が
閉とされる。この低負荷時においては、冷媒ポンプ70
及び溶液ポンプ73が停止されて、吸収式冷暖房システ
ム60の運転が停止され、COP(成績係数)の高い圧
縮式ヒートポンプシステム1のみが作動される。このと
き、流体回路90の三方電磁弁105は伝熱管65をバ
イパスする通路107に水を流す状態に制御される。な
お、低負荷においてはエンジン3の始動直後の暖気運転
中以外、R−W熱交換器32を機能させる必要がないの
で、電磁弁33,17を閉、かつ電子膨張弁16を開と
しても良い。
【0064】また、暖房運転時には、圧縮式ヒートポン
プシステム1における冷媒、エンジン冷却水及びエンジ
ン排ガスの流れが、図1中に破線矢印で示すようにな
る。
【0065】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10においては、図外の制御部により、
四方弁12が破線で示す回路接続状態とされるととも
に、バイパス通路31の電磁弁33,17が閉とされ、
電子膨張弁15は開とされ、電子膨張弁16は適度の絞
り状態とされる。また、四方弁12と電子膨張弁15と
の間において電磁弁29Aが閉、電磁弁29Bが開とさ
れる。この状態では、圧縮機11から吐出された冷媒
は、四方弁12、熱交換器14B、電子膨張弁15、レ
シーバ28、電子膨張弁16、室外熱交換器13、W−
R熱交換器26、四方弁12をこの順に通って圧縮機1
1に戻される。
【0066】この場合に上記熱交換器14Bが凝縮器と
なり、熱交換器14Bでの冷媒の凝縮熱が流体回路90
内の水に与えられる。また、室外熱交換器13が蒸発器
となって、ここで冷媒が吸熱して蒸発する。
【0067】また、冷却水回路40においては、W−R
熱交換器26へ冷却水を導く通路55の電磁弁56が開
かれることにより、ウォータジャケット7及び排ガス熱
交換器8でエンジン排熱を回収した温水がW−R熱交換
器26に導かれ、低圧冷媒を加熱する。これにより、暖
房性能が高められる。
【0068】さらに、エンジン冷却水温度が設定温度以
上になれば、電磁弁53が開かれることにより、ウォー
タジャケット7及び排ガス熱交換器8でエンジン排熱を
回収した温水がW−W熱交換器48に導かれる。
【0069】冷却水回路40における電磁弁50は冷房
時と同様に制御され、電磁弁51,52は閉じられる。
なお、暖房時に室内機の負荷が中以下の中・低負荷にお
いて、ガス制御弁81が閉じられてバーナー80の燃焼
を停止する一方、排気通路5に設けられた三方電磁弁9
は、排ガスを通路5bを通して低温再生器63Bへ導く
状態を維持する。さらに、三方電磁弁9を分流量比を変
更できるリニアタイプのものにし、室内機の中・低負荷
において負荷が小さくなるにつれて、排ガスの通路5b
への流量を減らす一方、主通路5aへの流量を増やすよ
うにしてもよい。
【0070】吸収式冷暖房システム60において、吸収
液及び冷媒は冷房時と同様に図1中に実線矢印で示すよ
うに循環される。
【0071】暖房運転時において圧縮式ヒートポンプシ
ステム1及び吸収式冷暖房システム60がともに作動し
ているときの、流体回路90における水の流通経路を抽
出して示すと図3のようになる。
【0072】すなわち、凝縮器64の冷却部88の下流
側では電磁弁103が閉、電磁弁104が開とされ、水
ポンプ96の吐出側に接続された三方電磁弁105は通
路106を開く一方、通路107を閉じる状態に作動さ
れ、その下流側では電磁弁110が閉、電磁弁111が
開とされ、室内熱交換器91から導出された通路112
の下流側では電磁弁115が閉、電磁弁116が開とさ
れる。
【0073】これにより、太線矢印のように水ポンプ9
5から吸収器62の冷却部87、凝縮器64の冷却部8
8、電磁弁104、W−W熱交換器48、制御弁92、
室内熱交換器91及び電磁弁116を通って水ポンプ9
5に戻る第1の循環経路90cと、矢印のように水ポン
プ96から三方電磁弁105、伝熱管65、電磁弁11
1及び熱交換器14Bを通って水ポンプ95に戻る第2
の循環経路90dとを、それぞれ水が流れるようにな
る。
【0074】そして、循環経路90cを流れる水が吸収
器62の冷却部87及び凝縮器64の冷却部88を通る
間に吸収熱や凝縮熱等で加熱された後、放熱器を通らず
に通路102を経て室内機に通じる通路108へ流れ、
かつ、通路108の途中に設けられたW−W熱交換器4
8において圧縮式ヒートポンプシステム1から与えられ
るエンジン排熱でさらに加熱されてから、室内熱交換器
91に送られ、室内を暖房する。
【0075】一方、循環経路90dを流れる水が、熱交
換器14Bから冷媒凝縮熱を回収し、この熱を吸収式冷
暖房システム60の蒸発器61内の伝熱管65に供給す
ることにより、蒸発器61内の冷媒が加熱されて蒸発が
促進され、加熱された冷媒蒸気が吸収器62に至って吸
収液に吸収されるにあたり、循環経路90cの水に熱が
伝達され、結果として室内熱交換器91での室内加熱に
使われる。
【0076】このように、吸収式冷暖房システム60の
吸収器62及び凝縮器64で回収される熱が、従来のよ
うに放熱器で大気に放出されることなく、室内熱交換器
91に与えられるとともに、圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10に生じる凝縮熱も間接的に室内熱交
換器91に与えられ、効率よく暖房が行われる。さら
に、上記W−W熱交換器48により与えられるエンジン
排熱も暖房に有効利用される。
【0077】本発明の装置の具体的構造は上記実施形態
(第1実施形態)に限定されず、種々変更可能であり、
他の実施形態を図4乃至図6によって説明する。
【0078】図4に示す第2実施形態では、吸収式冷暖
房システム60の冷却水回路125に設けられている放
熱器からの熱を受ける受熱部と、圧縮式ヒートポンプシ
ステム1の冷媒回路10の凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部
とが、室内熱交換器91に流体を導く流体回路130に
配設されている。また、この図の例では吸収式冷暖房シ
ステム60が単効用サイクルとされ、一方、圧縮式ヒー
トポンプシステム1も第1実施形態のものとは一部変更
されている。
【0079】この図に示す装置を具体的に説明すると、
圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10において
は、15が冷房暖房ともに絞りとなる電子膨張弁(負荷
に応じて開度調整制御される)、16が冷房時閉、暖房
時開とされる電磁弁、そして17が冷房時開、暖房時閉
とされる電磁弁であり、第1実施形態で設けられている
W−R熱交換器26が省かれ、その替わりに、アキュム
レータ24に、貯留される液相の低圧低温の冷媒と熱交
換するための熱交換器121,122が設けられてい
る。熱交換器121は、冷却水回路40から分流量比を
可変にするリニア三方電磁弁123を介して分岐した通
路124に介設され、リニア三方電磁弁123により冷
却水回路40に対して通路124が開かれたときに、エ
ンジン排熱を回収した温水が熱交換器121に導かれる
ようになっている。また、熱交換器122は、冷房時に
R−W熱交換器32を通過し液化した冷媒を、通過中さ
らに冷却し過冷却状態にするものである。
【0080】また、電子膨張弁15と四方弁12との間
には、第1実施形態における2つの熱交換器14A,1
4Bの代わりに、冷房時に蒸発器,暖房時に凝縮器とな
る1つの熱交換器14が設けられている。
【0081】一方、吸収式冷暖房システム60は蒸発器
61、吸収器62、再生器63及び凝縮器64を備える
とともに、これらに対して冷媒液通路67、冷媒蒸気通
路68、濃溶液通路71、希溶液通路72、冷媒蒸気通
路74、ポンプ70,73等を配備しており、蒸発器6
1内には伝熱管65が設けられている。再生器63には
バーナー80が設けられるとともに、圧縮式ヒートポン
プシステム1からエンジン排ガスを導く加熱部85´が
設けられている。
【0082】この吸収式冷暖房システム60には冷却水
回路125が設けられている。この冷却水回路125
は、水ポンプ126から吐出された水が吸収器62の冷
却部87と、凝縮器64の冷却部88と、放熱器を構成
する熱交換器127とを通って水ポンプ126に戻るよ
うに構成されている。
【0083】上記熱交換器127は、放熱部127a
と、その熱を受ける受熱部127bとを有しており、例
えば図5のように、放熱フィン127cを連設した外管
127dとその内方に位置する内管127eとを具備
し、外管127dと内管127eとの間に放熱部127
aを形成するとともに、内管127eの内側に受熱部1
27bを形成している。なお、127fは熱交換器12
7に対して設けられた冷却ファンある。
【0084】室内熱交換器91に熱媒流体としての水を
導く流体回路130は、当実施形態では冷却水回路12
5とは独立に形成されている。この流体回路130にお
いて、水ポンプ131の吐出側に接続された通路は三方
電磁弁132を介して2つの通路133,134に分岐
している。その一方の通路133は蒸発器61の伝熱管
65を通り、さらに三方電磁弁135を介して上記受熱
部127bを通る通路136と受熱部127bをバイパ
スする通路137とに分岐している。通路136は受熱
部127bの下流で通路137に合流し、さらにその下
流で通路134と合流しており、合流点の下流の通路1
38は熱交換器14及びW−W熱交換器48を経て室内
機93の制御弁92に接続されている。室内熱交換器9
1から導出された通路139は水ポンプ131の吸入側
に接続されている。
【0085】この第2実施形態によると、冷房時には、
圧縮式ヒートポンプシステム1における冷媒及び冷却
水、吸収式冷暖房システム60における吸収液、冷媒、
冷却水、流体回路130の水等の流れが図4中に実線矢
印で示すようになる。
【0086】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10においては、四方弁12が実線で示
す回路接続状態とされるとともに、バイパス通路31の
電磁弁33,17が開、電磁弁16が閉、電子膨張弁1
5が適度の絞り状態とされる。これにより、圧縮機11
から吐出された冷媒は、バイパス通路31を通り、R−
W熱交換器32で放熱、凝縮されて液化した後、熱交換
器122を経て電子膨張弁15に達し、ここで膨張され
てから熱交換器14に導かれて蒸発し、さらに四方弁1
2を通って吸込側ライン22に流れ、アキュムレータ2
4を経て圧縮機11に戻される。この場合に、上記熱交
換器14での冷媒の蒸発により流体回路130内の水か
ら熱が奪われる。
【0087】冷却水回路40における電磁弁50〜53
は第1実施形態と同様に制御され、リニア三方電磁弁1
23は通路124を閉じる状態とされる。
【0088】吸収式冷暖房システム60は冷房時で低負
荷以外のときに運転され、つまりポンプ70,73,1
26が駆動されるとともに、三方電磁弁9を介して再生
器63の加熱部85´にエンジン排ガスが供給される。
そして、負荷が高くなるにつれて加熱部85´へのエン
ジン排ガス供給量が増加するように三方電磁弁9が制御
され、さらに負荷が高くなるとバーナー80による加熱
も行われる。
【0089】このような運転状態では、蒸発器61で冷
媒液が加熱され、その冷媒蒸気が吸収器62に導かれて
吸収液に吸収され、冷媒吸収後の吸収液が再生器63に
送られて加熱により冷媒が分離蒸発され、冷媒分離後の
吸収液が吸収器62に送られる一方、分離された冷媒蒸
気が凝縮器64で凝縮液化された後、蒸発器61に送ら
れるというサイクルが繰り返され、上記蒸発器61での
冷媒の蒸発により伝熱管65内の水が冷却される。
【0090】吸収式冷暖房システム60の冷却回路12
5では、冷却水が冷却部87,88を通って吸収器62
及び凝縮器64の冷却を行った後、冷却ファン127f
が回転する熱交換機127で大気に放熱する。
【0091】また、冷房運転時において圧縮式ヒートポ
ンプシステム1及び吸収式冷暖房システム60がともに
作動しているときに、流体回路130においては、水ポ
ンプ131の吐出側に接続された三方電磁弁132が通
路133を開く状態に作動されるとともに、伝熱管65
の下流側で三方電磁弁135が通路137を開く状態と
される。
【0092】これにより、水ポンプ131から吐出され
た水は三方電磁弁132、通路133、伝熱管65、三
方電磁弁135、通路137,138、熱交換器14、
W−W熱交換器48、通路130、制御弁92、室内熱
交換器91及び通路139を通って水ポンプ96に戻る
ように循環する。そして、蒸発器61の伝熱管65で予
冷された後、熱交換器14で冷媒の蒸発によりさらに冷
却されてから、室内熱交換器91に送られ、室内を冷房
する。なお、電磁弁53が閉とされるので、W−W熱交
換器48は冷房時には実質的に働かない。
【0093】また、暖房運転時には、圧縮式ヒートポン
プシステム1における冷媒及び冷却水、吸収式冷暖房シ
ステム60における吸収液、冷媒、冷却水、流体回路1
30の水等の流れが図4中に破線矢印で示すようにな
る。
【0094】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10においては、四方弁12が破線で示
す回路接続状態とされるとともに、バイパス通路31の
電磁弁33,17が閉、電磁弁16が開、電子膨張弁1
5が適度の絞り状態とされる。これにより、圧縮機11
から吐出された冷媒は、四方弁12、熱交換器14、電
子膨張弁15、熱交換器122、電磁弁16、室外熱交
換器13、四方弁12を通って吸込側ライン22に流
れ、アキュムレータ24を経て圧縮機11に戻される。
この場合に、上記熱交換器14で冷媒の凝縮熱が流体回
路130内の水に与えられる。
【0095】冷却水回路40においては三方電磁弁12
3が通路124を開く状態とされることにより、エンジ
ン排熱がW−W熱交換器48に供給される。
【0096】吸収式冷暖房システム60は冷房時と同様
に運転され、冷却水回路125では冷却水が吸収器62
及び凝縮器64の各加熱部87,88と熱交換器127
の放熱部127aとを通るように循環される。
【0097】また、流体回路130においては、水ポン
プ131の吐出側に接続された三方電磁弁132が低負
荷時に通路134を開き、中高負荷時に通路135を開
く状態に作動されるとともに、伝熱管65の下流側で三
方電磁弁135が通路136を開く状態とされる。
【0098】これにより、暖房時で中高負荷時には、水
ポンプ131から吐出された水が三方電磁弁132、通
路133、伝熱管65、三方電磁弁135、通路13
6、受熱部127b、通路138、熱交換器14、W−
W熱交換器48、通路130、制御弁92、室内熱交換
器91及び通路139を通って水ポンプ131に戻るよ
うに循環する。
【0099】そして、冷却ファン127fが停止させら
れた熱交換器127において、受熱部127bで冷却水
回路125中の放熱部127aから与えられる熱により
水が加熱された後、熱交換器14で冷媒の凝縮熱により
さらに加熱され、当実施形態ではさらに、電磁弁53が
開かれてエンジン冷却水が供給されるW−W熱交換器4
8でエンジン排熱によっても加熱されてから、その水が
室内熱交換器91に送られ、室内を暖房する。
【0100】このように当実施形態では、暖房時に、吸
収式冷暖房システム60の冷却水回路125の放熱器で
従来では外気に放出されていた熱が受熱部127bに取
り込まれ、この熱と熱交換器14で得られる冷媒凝縮熱
さらにはW−W熱交換器48で得られるエンジン排熱が
有効に利用され、室内の暖房が効率よく行われることな
る。
【0101】図6に示す第3実施形態では、室内熱交換
器91に流体を導く流体回路140に吸収式冷暖房シス
テム60の冷却水回路が組み込まれて、暖房時に吸収器
62及び凝縮器64の各冷却部87,88を通る水が室
内熱交換器91に導かれるような循環経路が形成され、
かつ、この循環経路中に圧縮式ヒートポンプシステム1
の冷媒回路10から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部が位置
するように、流体回路が構成されている。また、吸収式
冷暖房システム60が単効用サイクルとされ、一方、圧
縮式ヒートポンプシステムも第1実施形態のものとは一
部変更されている。
【0102】この図に示す装置を具体的に説明すると、
圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10は第1実
施形態と略同様であるが、電子膨張弁15と四方弁12
との間には、第1実施形態における2つの熱交換器14
A,14Bの代わりに、冷房時に蒸発器,暖房時に凝縮
器となる1つの熱交換器14が設けられている。
【0103】また、吸収式冷暖房システム60における
蒸発器61、吸収器62、再生器63及び凝縮器64と
これらの間で吸収液及び冷媒を流通させる通路等の構
成、再生器63に設けられる加熱部85´及びバーナー
80等は第2実施形態と同様である。
【0104】流体回路140には、ポンプ141、放熱
器97、熱交換器14等が組み込まれている。ポンプ1
41の吐出側の通路は三方電磁弁142を介して2つの
通路143,144に分岐し、そのうちの一方の通路1
43が吸収器62及び凝縮器64の冷却部87,88を
通るようになっている。この通路143の三方電磁弁1
43と吸収器62との間には、W−W熱交換器48が介
設されている。
【0105】冷却部87,88を経た通路は、三方電磁
弁145を介し、放熱器97を通る通路146と放熱器
97を通らない通路147とに分岐している。通路14
6は伝熱管65の入り口側に接続され、伝熱管65の出
口側の通路は三方電磁弁148を介して2つの通路14
9,150に分岐し、その一方の通路149が水ポンプ
141の吸入側に接続されている。また、通路150及
び通路147は、一方向弁151を介して通路152に
接続されている。上記通路144も通路152に接続さ
れている。
【0106】通路152は、圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部としての熱交換器1
4を通り、制御弁92を介して室内熱交換器91に接続
されている。室内熱交換器91から導出された通路15
3は、三方電磁弁154を介して2つの通路155,1
56に分岐し、その一方の通路155は水ポンプ141
の吸入側に接続され、他方の通路156は伝熱管65の
入り口側に接続されている。
【0107】この第3実施形態によると、冷房時には、
圧縮式ヒートポンプシステム1における冷媒及び冷却
水、吸収式冷暖房システム60における吸収液、冷媒、
流体回路140の水等の流れが図6中に実線矢印で示す
ようになる。
【0108】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10においては、四方弁12が実線で示
す回路接続状態とされるとともに、バイパス通路31の
電磁弁33,17が開、電子膨張弁16が閉、電子膨張
弁15が適度の絞り状態とされる。これにより、圧縮機
11から吐出された冷媒は、R−W熱交換器32を有す
るバイパス通路31、レシーバ28、電子膨張弁15、
熱交換器14、四方弁12及びアキュムレータ24を経
て圧縮機11に戻される。この場合に、上記熱交換器1
4が蒸発器となり、ここでの冷媒の蒸発により流体回路
140内の水から熱が奪われる。
【0109】吸収式冷暖房システム60は低負荷以外の
ときに運転される。運転中の蒸発器61、吸収器62、
再生器63及び凝縮器64等の作用、及び再生器63の
加熱部85´、バーナー80の制御等は第2実施形態と
同様であり、上記蒸発器61での冷媒の蒸発により伝熱
管65内の水が冷却される。
【0110】また、冷房時で吸収式冷暖房システム60
が作動されているとき、流体回路140においては、三
方電磁弁142が通路143を開く状態、三方電磁弁1
45が通路146を開く状態、三方電磁弁148が通路
150を開く状態、三方電磁弁154が通路155を開
く状態とされる。この状態では、ポンプ141から吐出
された水が吸収器62及び凝縮器64の各冷却部87,
88を通った後、放熱器97を通過してここで放熱さ
れ、次いで蒸発器61の伝熱管65を通過して冷却され
る。次いでこの水は一方向弁151を経て通路152に
送られ、熱交換器14で圧縮式ヒートポンプシステム1
の冷媒の蒸発によりさらに冷却されてから、室内機93
に送られ、室内熱交換器91を通過する間に吸熱して室
内の冷房を行う。
【0111】また、暖房時には、圧縮式ヒートポンプシ
ステム1における冷媒及び冷却水、吸収式冷暖房システ
ム60における吸収液、冷媒、流体回路140の水等の
流れが図6中に破線矢印で示すようになる。
【0112】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステ
ム1の冷媒回路10においては、四方弁12が破線で示
す回路接続状態とされるとともに、バイパス通路31の
電磁弁33,17が閉、電子膨張弁15が開、電子膨張
弁16が適度の絞り状態とされる。これにより、圧縮機
11から吐出された冷媒は、四方弁12、熱交換機1
4、電子膨張弁15、レシーバ28、電子膨張弁16、
室外熱交換器13、四方弁12及びアキュムレータ24
を経て圧縮機11に戻される。この場合に、上記熱交換
器14での冷媒の凝縮熱が流体回路140内の水に与え
られる。
【0113】吸収式冷暖房システム60は低負荷以外の
ときに運転される。
【0114】また、暖房時で吸収式冷暖房システム60
が作動されているとき、流体回路140においては、三
方電磁弁142が通路143を開く状態、三方電磁弁1
45が通路147を開く状態、三方電磁弁148が通路
149を開く状態、三方電磁弁154が通路156を開
く状態とされる。この状態では、ポンプ141から吐出
された水が吸収器62及び凝縮器64の各冷却部87,
88を通った後、放熱器97を通らずに、通路147か
ら一方向弁151を経て通路152に送られる。
【0115】さらに、熱交換器14を通ってここで凝縮
熱によりさらに加熱され、それから室内熱交換器91に
送られ、ここで放熱して室内の暖房を行う。
【0116】つまり、この実施形態でも、吸収式冷暖房
システム60の吸収器62及び凝縮器64で回収される
熱と圧縮式ヒートポンプシステム1から与えられる冷媒
凝縮熱とが有効に利用され、効率よく暖房が行われる。
【0117】室内熱交換器91を通過した水は、通路1
56から蒸発器62の伝熱管65を通り、通路149を
経て水ポンプ141に循環する。そして、伝熱管65で
過冷却された水はポンプ141の下流でW−W熱交換器
48により吸収器62での冷却作用に適した温度に調整
される。
【0118】なお、暖房運転中に凝縮器64の冷却部8
8から三方電磁弁145及び通路147を通って熱媒流
体導通路140に送られる冷却水の温度が圧縮式ヒート
ポンプシステム1の冷媒回路10における高温冷媒の温
度よりも高い場合は、吸収器62の冷却部87と凝縮器
64の冷却部88との間の通路に熱交換器158を配置
し、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10中の
高温冷媒が熱交換器14をバイパスして点イ、ロ間で熱
交換器158に導かれるようにしておいてもよい。
【0119】また、このほかにも運転状態や温度状態等
に応じて次のような制御が図外の制御回路により行われ
るようにしておくことが好ましい。
【0120】冷房運転時及び暖房運転時とも、低負荷時
には吸収式冷暖房システム60の運転が停止され、CO
P(成績係数)の高い圧縮式ヒートポンプシステム1の
みが運転されるようにする。この場合、吸収式冷暖房シ
ステム60におけるポンプ70,73は停止され、ポン
プ141が駆動されるとともに、三方電磁弁142は通
路144に冷却水を導く状態、三方電磁弁154は通路
155に冷却水を導く状態とされることにより、ポンプ
141から吐出された水が通路152,153,155
を通るように経路が切り替えられる。吸収式冷暖房シス
テム60が停止される場合に、電磁弁53,51が閉と
されること、室内機93の負荷が高負荷のときを除いて
バーナー80を停止すること、負荷が小さくなる程リニ
ア三方電磁弁9が加熱部85´への排ガス量を減らすこ
とは、前記の他の実施形態の場合と同様である。
【0121】室内温度と希望温度との温度差に応じた圧
縮機11の制御としては、暖房運転中は高圧側圧力の目
標値を温度偏差(上記温度差の絶対値)が大きいほど高
い値に設定し、また冷房運転中は低圧側圧力の目標値を
上記温度偏差が大きいほど小さい値に設定して、その目
標値と圧力センサによる高圧側圧力または低圧側圧力の
検出値との差を小さくするように圧縮機11の回転数が
制御されるようにしておけばよい。
【0122】なお、上記実施形態では複合熱移動装置を
冷暖房可能な空調装置に適用しているが、暖房の代わり
に、室内熱交換器91で放熱を行わせるときにその熱を
給湯設備における水の加熱等に用いるようにしてもよ
く、また、冷房の代わりに、室内熱交換器91で吸熱を
行わせるときに冷凍等に使用するようにしてもよい。
【0123】
【発明の効果】以上のように、本発明は、室内熱交換器
に流体を導いて放熱もしくは吸熱を行わせる流体回路を
圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とにわたって設け
た複合熱移動装置であって、室内熱交換器で放熱を行わ
せて暖房等を行うときに、吸収式熱移動装置の吸収器及
び凝縮器の各冷却部と室内熱交換器とにわたる第1の循
環経路と、圧縮式熱移動装置の冷媒回路から凝縮熱を受
ける凝縮熱受熱部と吸収式熱移動装置の蒸発器に設けら
れた伝熱部とにわたる第2の循環経路とをそれぞれ流体
が循環するようにしているため、暖房時等に、吸収式熱
移動装置の吸収器及び凝縮器で生じる吸収熱や凝縮熱等
が放熱器で放熱されることなく上記流体を介して室内熱
交換器に供給され、かつ、圧縮式熱移動装置で生じる冷
媒凝縮熱も間接的に室内熱交換器に与えられる。従っ
て、吸収式熱移動装置の吸収器及び凝縮器で生じる熱と
圧縮式熱移動装置で生じる冷媒凝縮熱とを有効利用して
暖房等の性能を高めることができる。
【0124】また、吸収式熱移動装置に吸収器及び凝縮
器の各冷却部と放熱器とにわたって冷却水を循環させる
冷却水回路を設けるとともに、暖房時等に、圧縮式熱移
動装置の冷媒回路から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部と上
記放熱器からの熱を受け取る受熱部と室内熱交換器とに
わたって冷媒が循環するように流体回路を構成しておい
ても、吸収式熱移動装置の吸収器及び凝縮器で生じて従
来では放熱器で外気に捨てられていた熱と、圧縮式熱移
動装置で生じる冷媒凝縮熱とを有効利用して、暖房等の
性能を高めることができる。
【0125】あるいはまた、暖房時等に、流体が吸収式
熱移動装置の吸収器及び凝縮器の各冷却部と室内熱交換
器とにわたって循環するようにし、かつ、その循環経路
に、圧縮式熱移動装置の冷媒回路から凝縮熱を受ける凝
縮熱受熱部を設けた構成としても、吸収式熱移動装置の
吸収器及び凝縮器で生じて従来では放熱器で外気に捨て
られていた熱と、圧縮式熱移動装置で生じる冷媒凝縮熱
とを有効利用して、暖房等の性能を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合熱移動装置の第1実施形態を示す
回路図である。
【図2】第1実施形態の装置における流体回路の、冷房
時の循環経路を抽出して示す要部回路図である。
【図3】第1実施形態の装置における流体回路の、暖房
時の循環経路を抽出して示す要部回路図である。
【図4】本発明の複合熱移動装置の第2実施形態を示す
回路図である。
【図5】第2実施形態の装置において放熱器及び受熱部
を構成する熱交換器の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の複合熱移動装置の第3実施形態を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮式ヒートポンプシステム 2 エンジン 10 冷媒回路 11 圧縮機 13 室外熱交換器 14,14a,14b 熱交換器 40 冷却水回路 48 熱交換器 60 吸収式冷暖房システム 61 蒸発器 62 吸収器 63 再生器 64 凝縮器 65 伝熱管 87,88 冷却部 90,130,140 流体回路 91 室内熱交換器 97 放熱器 95,96,126,131,141 水ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張
    弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回
    路を有する圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発
    器、吸収液に冷媒を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒
    を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有す
    る吸収式熱移動装置とを備えるとともに、室内熱交換器
    に流体を導いて放熱もしくは吸熱を行わせる流体回路を
    上記圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とにわたって
    設け、この回路中の流体の冷却及び加熱を上記圧縮式熱
    移動装置及び吸収式熱移動装置によって行なうようにし
    た複合熱移動装置であって、室内熱交換器で放熱を行わ
    せるときの上記流体の流通経路として、吸収式熱移動装
    置の吸収器及び凝縮器の各冷却部と室内熱交換器とにわ
    たって流体が循環する第1の循環経路と、圧縮式熱移動
    装置の冷媒回路から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部と吸収
    式熱移動装置の蒸発器に設けられた伝熱部とにわたって
    流体が循環する第2の循環経路とを有するように流体回
    路を構成し、上記各循環経路にポンプを配置したことを
    特徴とする複合熱移動装置。
  2. 【請求項2】 圧縮式熱移動装置の圧縮機が水冷エンジ
    ンにより駆動されるようになっている複合熱移動装置で
    あって、上記第1の循環経路の途中に、エンジン排熱を
    回収したエンジン冷却水により流体を加熱する熱交換器
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の複合熱移動装
    置。
  3. 【請求項3】 室内熱交換器で吸熱を行わせるときに、
    吸収式熱移動装置の蒸発器に設けられた伝熱部と圧縮式
    熱移動装置の冷媒回路の蒸発器で冷却される部分と室内
    熱交換器とにわたって流体が循環する経路と、吸収式熱
    移動装置の吸収器及び凝縮器の各冷却部と放熱器とにわ
    たって流体が循環する経路とに、流体回路の循環経路を
    切り替えるように構成したことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の複合熱移動装置。
  4. 【請求項4】 圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張
    弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回
    路を有する圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発
    器、吸収液に冷媒を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒
    を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有す
    る吸収式熱移動装置とを備えるとともに、室内熱交換器
    に流体を導いて放熱もしくは吸熱を行わせる流体回路を
    上記圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とにわたって
    設け、この回路中の流体の冷却及び加熱を上記圧縮式熱
    移動装置及び吸収式熱移動装置によって行なうようにし
    た複合熱移動装置であって、吸収式熱移動装置の吸収器
    及び凝縮器の各冷却部と放熱器とにわたって冷却水を循
    環させる冷却水回路を吸収式熱移動装置に設けるととも
    に、上記流体回路に、圧縮式熱移動装置の冷媒回路から
    凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部と、上記放熱器からの熱を
    受け取る受熱部と、ポンプとを配設し、室内熱交換器で
    放熱を行わせるときに流体が上記ポンプから上記受熱
    部、上記凝縮熱受熱部及び上記室内熱交換器にわたって
    循環するように流体回路を構成したことを特徴とする複
    合熱移動装置。
  5. 【請求項5】 上記流体回路に、エンジン排熱を回収し
    たエンジン冷却水により流体を加熱する熱交換器を設け
    たことを特徴とする請求項4記載の複合熱移動装置。
  6. 【請求項6】 圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張
    弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回
    路を有する圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発
    器、吸収液に冷媒を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒
    を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有す
    る吸収式熱移動装置とを備えるとともに、室内熱交換器
    に流体を導いて放熱もしくは吸熱を行わせる流体回路を
    上記圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とにわたって
    設け、この回路中の流体の冷却及び加熱を上記圧縮式熱
    移動装置及び吸収式熱移動装置によって行なうようにし
    た複合熱移動装置であって、室内熱交換器で放熱を行わ
    せるときの上記流体の流通経路として、流体が吸収式熱
    移動装置の吸収器及び凝縮器の各冷却部と室内熱交換器
    とにわたって循環する循環経路を有するように流体回路
    を構成し、かつ、この循環経路に、圧縮式熱移動装置の
    冷媒回路から凝縮熱を受ける凝縮熱受熱部とポンプとを
    配設したことを特徴とする複合熱移動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6175164B1 (ja) * 2016-06-28 2017-08-02 矢崎エナジーシステム株式会社 併用システム
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CN108775730A (zh) * 2018-08-13 2018-11-09 瀚润联合高科技发展(北京)有限公司 蒸发冷低温型全热回收风冷热泵机组

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