JP2000143709A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法及びその樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法及びその樹脂組成物

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JP2000143709A JP10323915A JP32391598A JP2000143709A JP 2000143709 A JP2000143709 A JP 2000143709A JP 10323915 A JP10323915 A JP 10323915A JP 32391598 A JP32391598 A JP 32391598A JP 2000143709 A JP2000143709 A JP 2000143709A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】加工性及び熱的安定性に優れ且つ物性低下のな
い塩化ビニル系樹脂の製造方法及びその樹脂を用いた樹
脂組成物。 【解決手段】 塩化ビニル単量体または塩化ビニルと共
重合可能な単量体との混合物を水性媒体中で懸濁重合さ
せるに際し、単量体100重量部に対し、懸濁分散安定
剤として、(a)鹸化度が70〜85%、平均重合度が
1500〜2500である部分鹸化ポリ酢酸ビニル0.
03〜0.08重量部、(b)鹸化度が33〜70%、
平均重合度が200〜1000である部分鹸化ポリ酢酸
ビニル0.01〜0.05重量部、(c)5重量%水溶
液の粘度が50〜5500mPa・sであり、プロピレ
ンオキサイド含量が5〜95モル%である、エチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体0.00
3〜0.02重量部、(d)平均分子量が400〜50
0万であるポリエチレンオキサイド0.001〜0.0
2重量部、を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系樹脂の
製造方法及びその樹脂組成物に関するものであり、詳細
には加工性及び熱的安定性に優れ且つ物性低下のない塩
化ビニル系樹脂の製造方法及びその樹脂を用いた樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は安価で且つ品質バラ
ンスに優れているため、硬質分野、軟質分野等種々の広
範な分野で利用されている熱可塑性樹脂であり、その用
途として例えば硬質分野ではパイプや継手、窓枠、工業
用透明板、フィルム等が、軟質分野では電線被覆、ラッ
プフィルム、シート等がそれぞれ挙げられる。
【0003】材料としての塩化ビニル系樹脂は安価なこ
とが必須である汎用樹脂であるが、性能面でも種々の特
性が要求され、例えば前述の軟質用途分野における製品
では高い体積固有抵抗値、良好な可塑剤吸収性、フィッ
シュアイの低減、等が挙げられる。
【0004】一方硬質用途分野においては、種々成形体
に加工する際の加工性・熱的安定性、成形後の引張強度
や衝撃強度等の基本物性、等が良好であることが求めら
れる。これらの要求特性を改良するために様々な工夫が
なされてきており、これまでに開示された技術にも数多
く見ることができる。例えば特開平9−278964号
公報には、耐衝撃性及び成形加工性向上の為に塩化ビニ
ル系樹脂にメタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレン共
重合体または塩素化ポリエチレンを添加する方法、特開
平10−1584号公報には熱安定性や加工性等の向上
の為に塩化ビニル系樹脂にカルシウム化合物、亜鉛化合
物、エポキシ化植物油、β―ジケトン化合物及びエステ
ル系化合物を添加する方法、特開平10−17744号
公報には成形加工性改善の為に塩化ビニル系樹脂に塩素
化ポリオレフィン及び/またはビニルエステル―エチレ
ン共重合体を配合する方法、等が開示されている。
【0005】しかしながらこれらの方法ではいずれも各
種強化剤や添加剤を配合しており、概して多種多量の強
化剤・添加剤が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
に鑑みてなされたものであり、多種多量の強化剤・添加
剤を配合することなく、加工性及び熱的安定性に優れ且
つ物性低下のない塩化ビニル系樹脂の製造方法及びその
樹脂を含有する組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の品
質上の要求特性すなわち加工性及び熱的安定性に優れ且
つ物性低下のない塩化ビニル系樹脂の製造方法及びその
組成物について鋭意検討した結果、特定の分散剤を組み
合わせて懸濁重合で製造される塩化ビニル系重合体を硬
質用途に用いることによって、強化剤や添加剤の問題点
を生じることなく前記要求特性に優れた塩化ビニル系樹
脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に到
った。すなわち本発明は、塩化ビニル単量体または塩化
ビニルと共重合可能な単量体と塩化ビニル単量体との混
合物を水性媒体中で懸濁重合させるに際し、塩化ビニル
単量体または塩化ビニルと共重合可能な単量体と塩化ビ
ニル単量体との混合物(以下、単に塩化ビニル系単量体
と略記する)100重量部に対し、懸濁分散安定剤とし
て(a)鹸化度が70〜85%、平均重合度が1500
〜2500である部分鹸化ポリ酢酸ビニル0.03〜
0.08重量部、(b)鹸化度が33〜70%、平均重
合度が200〜1000である部分鹸化ポリ酢酸ビニル
0.01〜0.05重量部、(c)5重量%水溶液の粘
度が50〜5500mPa・sであり、プロピレンオキ
サイド含量が5〜95モル%である、エチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドとの共重合体0.003〜
0.02重量部、(d)平均分子量が400〜500万
であるポリエチレンオキサイド0.001〜0.02重
量部、を用いることを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製
造方法(請求項1) 前記請求項1で製造した塩化ビニル系樹脂を含有するこ
とを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物(請求項2) 前記樹脂組成物が硬質用途として用いることを特徴とす
る請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成物(請求項3) をその内容とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】本発明に用いられる塩化ビニル系重合体の
製造にはこれら4種の分散剤を併用することが必須であ
る。(a)は塩化ビニル系重合体を製造する際、最も一
般的に用いられる部分鹸化ポリ酢酸ビニル(以下PVA
と略記)と言って良い。(a)の鹸化度は70〜85%
である。鹸化度が70%未満では界面活性が強くなりす
ぎると共に水に溶け難くなるため扱いが困難とり、また
鹸化度が85%を超えると界面活性不足により重合反応
が安定に進行しにくい。(a)の量は、塩化ビニル系単
量体100重量部に対して0.03〜0.08重量部、
好ましくは0.04〜0.06重量部である。この量が
0.03重量部未満では重合反応を安定的に進行させる
ことができず、また0.08重量部を超えると生成する
樹脂表面の分散剤膜が厚くなりすぎて加工性に悪影響を
及ぼす。さらにこの(a)の平均重合度は1500〜2
500、好ましくは1800〜2200である。平均重
合度が1500未満では重合反応を安定的に進行させる
為に使用量を増やすことが必要で、結果として樹脂表面
分散剤膜の厚みが厚くなりすぎるし、平均重合度が25
00を超えると用いる量が少なくても樹脂表面分散剤膜
の厚みが厚くなりすぎるので、いずれの場合も好ましく
ない。(b)は加工性改良の為に樹脂内部を高多孔質と
するのに適したPVAと言えるが、単独では重合反応を
安定的に進行させることが非常に困難であり、(a)の
ようなPVA等を併用することが必要である。(b)の
鹸化度は33〜70%である。鹸化度が33%未満では
水に対する溶解性、あるいは膨潤性があまりにも低下し
すぎて樹脂内部の多孔性を高める効果が発現し難くな
る。また鹸化度が70%を超えると単量体への溶解性が
実質的になくなり、樹脂内部を多孔性にする効果が期待
できない。(b)の量は、塩化ビニル系単量体100重
量部に対して0.01〜0.05重量部、好ましくは
0.02〜0.04重量部である。この量が0.01重
量部未満では樹脂内部の多孔性が十分にはならず、また
0.05重量部を超えると重合反応を安定的に進行させ
ることが困難となる。さらにこの(b)の平均重合度は
200〜1000、好ましくは300〜700である。
平均重合度が200未満では単量体への溶解度があまり
にも大きすぎて初期に生成する単量体油滴が不安定とな
り、重合反応が正常に進行できない。平均重合度が10
00を超えると逆に単量体への溶解度が低すぎて生成す
る樹脂内部の多孔度を高くできない。
【0010】(c)のエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドとの共重合体(以下、EO−PO共重合体と
略記)は、PVA並の高い界面活性と、PVA等で覆わ
れた単量体油滴どうしが衝突によって融着するのを抑制
する効果(油滴保護力)の2種の特性を示す。(C)の
5重量%水溶液粘度は50〜5500mPa・sであ
り、好ましくは2500〜5500mPa・sである。
5重量%水溶液粘度が50mPa・s未満の場合及び5
500mPa・sを越える場合は、いずれも重合反応が
安定的に進行せず、異常重合を起こす。(c)の量は塩
化ビニル系単量体100重量部に対して0.003〜
0.02重量部である。この量が0.003重量部未満
では重合反応が安定的に進行せず異常重合をおこし、
0.02重量部を越えると得られる樹脂の粒径が非常に
小さくなる。さらに、この(c)におけるプロピレンオ
キサイド(以下POと略記)含量は5〜95モル%であ
る。5モル%未満であると、PVA並の高い界面活性を
示すというEO−PO共重合体の特性が発現しない。ま
た95モル%を越えると粘度が低下し、油滴保護力が発
現しなくなって、異常重合を起こす。
【0011】(d)の分散剤は他の分散剤とは異なり界
面活性能力をほとんど有しない。また分子量、従って粘
度が非常に高く著しい増粘効果を示すことが特徴であ
り、水/単量体油滴界面の水側に局在し、PVA等で覆
われた単量体油滴どうしが衝突によって融着するのを抑
制する効果が非常に高い。また著しい高粘度の故に極く
少量でこの融着抑制効果を示す。この作用によって他の
分散剤の使用量を大幅に減らすことが可能となり、特に
ここで用いる(a)のような分散剤量を減らすことは表
面の分散剤膜を薄くすることにつながり有益である。
(d)の量は、塩化ビニル系単量体100重量部に対し
て0.001〜0.02重量部、好ましくは0.003
〜0.008重量部である。この量が0.001重量部
未満ではこの分散剤特有の増粘効果が乏しく他の分散
剤、特に(a)タイプの分散剤量を多く必要とする。ま
た0.01重量部を超えると重合安定性向上効果が飽和
する上に、生成する樹脂の粒度分布が非常に広くなる。
さらにこの(d)の平均分子量は400〜500万であ
る。平均分子量が400万未満では前述のような十分な
融着抑制効果を得るためにその使用量を増やしたり
(a)のような分散剤を増やす必要が生じるため、結果
として樹脂表面分散剤膜の厚みが厚くなる。平均分子量
が500万を超えると樹脂表面分散剤膜の厚みが厚くな
りすぎるとともに水溶液粘度が著しく高くなるために扱
い難くなるといった問題が生じる。
【0012】本発明に用いられる塩化ビニル系重合体を
製造する際に使用する単量体は塩化ビニルを主成分とす
る単量体であり、具体的には、塩化ビニル単量体単独、
又は塩化ビニルを70重量%以上含有する、塩化ビニル
と共重合可能な単量体と塩化ビニル単量体との混合物で
ある。
【0013】塩化ビニルと共重合可能な単量体として
は、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類、エチレン、プロピレン、イソブチルビニル
エーテル等のα−オレフィン類、1−クロロプロピレ
ン、2−クロロブチレン等のクロル化オレフィン類、
(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル類、無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレ
ン、塩化ビニリデン等が挙げられ、これらは単独で用い
ることも、2種以上組み合わせて用いることも可能であ
る。
【0014】本発明に用いられる塩化ビニル系重合体を
製造する際における原料の仕込みは公知の技術を任意に
用いることができる。例えば最も一般的な方法として、
先に水を仕込んだ後単量体を仕込む方法、重合温度まで
昇温する時間を短縮する目的で先に単量体を仕込んだ後
温水を仕込む方法、さらに仕込み及び昇温時間を短縮す
る目的で単量体と温水を同時に仕込む方法等を用いるこ
とができる。
【0015】また重合反応熱の除去は、従来の方式、例
えば外部あるいは内部ジャケットによる除熱、還流凝縮
器による方法等を利用すれば良い。
【0016】さらに従来塩化ビニル系単量体の重合又は
共重合に使用される重合開始剤、重合度調節剤、連鎖移
動剤、pH調節剤、ゲル化性改良剤、帯電防止剤、乳化
剤、安定剤、スケール防止剤等やこれらの仕込方法も公
知の技術をなんら支障なく任意に用いることができ、そ
の使用量も従来公知の方法に従うことができる。
【0017】本発明においては、このようにして製造さ
れた塩化ビニル系樹脂に任意の安定剤及び滑剤等を配合
することによって、加工性や熱安定性に優れ、かつ物性
低下のない塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができ
る。安定剤は錫系安定剤や鉛系安定剤等従来公知のもの
をなんら支障なく任意に用いることができ、その使用量
も従来公知の方法に従うことができる。また滑剤につい
ても脂肪酸エステル系滑剤やオレフィン系滑剤等、従来
公知のものをなんら支障なく任意に用いることができそ
の使用量も従来公知の方法に従うことができる。この樹
脂組成物の用途については特に限定されないが、その樹
脂品質から、特に硬質用途において好適に使用できる。
【0018】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を示すが、これら実施例は本発
明をなんら限定するものではない。なお、以下の実施例
では特にことわりのない限り「部」は重量部、「%」は
重量%を表す。また本実施例の水は全てイオン交換水を
用いた。得られた塩化ビニル系樹脂の特性値の測定及び
組成物の加工性・熱的安定性・物性の評価は次の方法に
より実施した。 (1)平均粒子径、粒度分布 JIS K−6721に準拠し、42、60、80、1
00、120、145、200メッシュの篩を使用し、
篩振とう器にて篩分けを行い、50%通過径をもって平
均粒子径(μm)とした。 (2)多孔度 AMINCO社製の水銀圧入式ポロシメーター(5−7118
型)を用いて、絶対圧31〜1011psi(ポア口径
0.175〜5.65μm)の間で塩化ビニル系樹脂に
圧入される水銀の容量を測定し、塩化ビニル系樹脂10
0gあたりの圧入水銀量(cc)を算出した。 (3)加工性 塩化ビニル系樹脂100部に有機錫系安定剤0.5部、
脂肪酸エステル系滑剤0.1部、ポリエチレン系滑剤
0.2部を添加し十分撹拌混合した後、表面温度を17
0℃・180℃・190℃に調節した8インチロールに
投入した。それぞれの温度で5分間混練して厚み約0.
5mmのロールシートを取り出し、シートの仕上がり状
態を目視で確認して、加工性を以下の評価基準に従って
○・△・×の三段階で評価した。
【0019】 ○…十分混練され均一なシートが得られる △…やや混練不十分でシートにも不均一な部分が見られ
る ×…まったく混練不十分で、シートも至る所に穴が開い
ている (4)熱的安定性 塩化ビニル系樹脂100部に有機錫系安定剤0.5部、
脂肪酸エステル系滑剤0.1部、ポリエチレン系滑剤
0.2部を添加し十分撹拌混合した後、この混合物60
g(平均重合度1300タイプの塩化ビニル系樹脂を用
いた組成物)または62g(平均重合度1000タイプ
の塩化ビニル系樹脂を用いた組成物)を東洋精機社製の
ラボプラストミル試験機に投入し、ローターの回転数5
0rpm、チャンバー温度180℃の条件下で、塩化ビ
ニル系樹脂組成物を投入してからトルクが立ち上がりを
示すまでの時間を測定した。この時間が長いほど熱的安
定性は高いと判断した。 (5)物性評価 塩化ビニル系樹脂100部に有機錫系安定剤0.5部、
脂肪酸エステル系滑剤0.1部、ポリエチレン系滑剤
0.2部を添加し十分撹拌混合した後、表面温度を19
0℃に調節した8インチロールに投入した。それぞれの
温度で5分間混練して厚み約0.5mmのロールシート
を取り出した。このシートを重ねて200℃で6分間予
熱をし、2分間4.9MPaの面圧で熱プレスにより1
mm厚の板を作製した。得られた板からJIS−2号形
引張試験片を作製し、JIS−K7113に準じて試験
速度10mm/minで試験を行い降伏点強度・1%モ
ジュラス・破断強度・破断時伸びを測定した。なお1%
モジュラスの「%」は基準長さに対する伸びの割合を表
わす。 (実施例1及び3)撹拌機を付設した内容積2000L
のステンレス製重合器内に、鹸化度が74%、平均重合
度が2000であるPVA(これをPVA1という)の
3%水溶液7.33kg、鹸化度が56%、平均重合度
が300であるPVA(これをPVA2という)0.1
65kg、PO含量が50モル%、5%水溶液の粘度が
3000mPa・sであるEO−PO共重合体の2%水
溶液2.75kg、平均分子量が450万であるポリエ
チレンオキサイド(これをPEO1という)の0.5%
水溶液4.4kg、及びジ−2−エチルヘキシルパーオ
キシジカーボネートを濃度70%で溶解したイソパラフ
ィン溶液0.393kgを仕込んだ。PVA1、PVA
2、EO−PO共重合体、PEO1、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネートの仕込み量は、塩化ビ
ニル単量体100部に対してそれぞれ、0.04、0.
03、0.01、0.004、0.05部とした。
【0020】重合器を密閉した後内部を真空ポンプで脱
気し、次いで塩化ビニル単量体550kg及び脱気後6
0℃に温度調節した温水725kgを順次仕込んだ。こ
の際塩化ビニル単量体の仕込み開始と同時に攪拌機を稼
働した。次いで外部ジャケットにより重合器内温を実施
例1では51.5℃、実施例3では57℃に昇温後この
温度に維持し、重合器内圧が定常圧より98.07kP
a低下した時点で重合反応を停止し、未反応単量体を回
収して重合反応を終了した。得られたスラリーを脱水、
乾燥して実施例1では平均重合度1300タイプ、実施
例3では平均重合度1000タイプ、の2種の塩化ビニ
ル重合体を得、平均粒子径・粒度分布・多孔度の各種特
性値の測定に供した。
【0021】さらに得られた塩化ビニル重合体200g
にメチルスズメルカプト安定剤1g、ペンタエリスリト
ール系滑剤0.2g及びポリエチレン系滑剤0.4gを
添加し、十分攪拌混合して組成物を得、加工性・熱的安
定性・物性の評価に供した。 (実施例2及び4)PVA1の代わりに鹸化度が80
%、平均重合度が2000であるPVA(これをPVA
3という)を、PVA2の代わりに鹸化度が38%、平
均重合度が600であるPVAを、HPMC1の代わり
にメトキシル基含量が21モル%、ヒドロキシプロポキ
シル基含量が9モル%、2%水溶液の20℃における粘
度が110mPa・sであるHPMCをそれぞれ用い、
それ以外は実施例1及び3と同様にして実施例2では平
均重合度1300タイプ、実施例4では平均重合度10
00タイプ、の2種の塩化ビニル重合体及び組成物を
得、各種特性値の測定、加工性評価・熱的安定性評価・
物性評価に供した。 (比較例1)分散剤としてPVA1の代わりにPVA3
の3%水溶液9.99kg(塩化ビニル単量体100部
に対して0.055部)及びPEO1の0.5%水溶液
2.2kg(塩化ビニル単量体100部に対して0.0
02部)の2種のみを用いた以外は実施例1と同様にし
て平均重合度1300タイプの塩化ビニル重合体及び組
成物を得、各種特性値の測定、加工性評価・熱的安定性
評価・物性評価に供した。 (比較例2)分散剤としてPVA1の代わりにPVA3
の3%水溶液9.81kg(塩化ビニル単量体100部
に対して0.054部)、PVA2の代わりに鹸化度が
88%、平均重合度が2300であるPVAの3%水溶
液2.2kg(塩化ビニル単量体100部に対して0.
012部)、及びPEO1の0.5%水溶液5.5kg
(塩化ビニル単量体100部に対して0.005部)の
3種のみを用いた以外は実施例3と同様にして平均重合
度1000タイプの塩化ビニル重合体及び組成物を得、
各種特性値の測定、加工性評価・熱的安定性評価・物性
評価に供した。 (比較例3)PVA1の代わりに鹸化度が88%、平均
重合度が2000であるPVAを用いた以外は実施例1
と同様にして平均重合度1300タイプの塩化ビニル重
合体及び組成物を得、各種特性値の測定、加工性評価・
熱的安定性評価・物性評価に供した。
【0022】評価結果をまとめて表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】表1に示した通り、本発明の実施例では
いずれも加工性及び熱的安定性に優れ、且つ物性低下も
ないことがわかる。
【0025】このように本発明者の方法で得られる塩化
ビニル系樹脂は、加工性及び熱的安定性に優れ且つ物性
低下もないため特に硬質用途向けとしても好適に使用す
ることができ、従って本発明の工業的価値はすこぶる大
きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BD041 BD051 BD061 BD071 BD081 BD091 BD101 FD030 FD170 4J011 JA06 JA10 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AC03P AC04Q AC22Q AE02Q AG02Q AG04Q AK32Q AL03Q AM02Q CA01 CA04 FA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体または塩化ビニルと共
    重合可能な単量体と塩化ビニル単量体との混合物を水性
    媒体中で懸濁重合させるに際し、塩化ビニル単量体また
    は塩化ビニルと共重合可能な単量体と塩化ビニルとの混
    合物100重量部に対し、懸濁分散安定剤として、
    (a)鹸化度が70〜85%、平均重合度が1500〜
    2500である部分鹸化ポリ酢酸ビニル0.03〜0.
    08重量部、(b)鹸化度が33〜70%、平均重合度
    が200〜1000である部分鹸化ポリ酢酸ビニル0.
    01〜0.05重量部、(c)5重量%水溶液の粘度が
    50〜5500mPa・sであり、プロピレンオキサイ
    ド含量が5〜95モル%である、エチレンオキサイドと
    プロピレンオキサイドとの共重合体0.003〜0.0
    2重量部、(d)平均分子量が400〜500万である
    ポリエチレンオキサイド0.001〜0.02重量部、
    を用いることを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法
  2. 【請求項2】 前記請求項1で製造した塩化ビニル系樹
    脂を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物が硬質用途として用いる
    ことを特徴とする請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成
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