JP2000143650A - 新規チアゾリジン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents

新規チアゾリジン誘導体、その製造法および用途

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JP2000143650A
JP2000143650A JP10323767A JP32376798A JP2000143650A JP 2000143650 A JP2000143650 A JP 2000143650A JP 10323767 A JP10323767 A JP 10323767A JP 32376798 A JP32376798 A JP 32376798A JP 2000143650 A JP2000143650 A JP 2000143650A
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JP10323767A
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Noriaki Kawamura
紀明 川村
Toshiro Yamashita
敏郎 山下
Masayuki Takizawa
正之 瀧澤
Koji Yoshimura
浩二 吉村
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規メタロプロテアーゼ剤を提供する。 【解決手段】式 【化1】 [式中、A環およびB環はそれぞれ同一または異なって
置換されていてもよい同素環または複素環を示し、A環
およびB環の置換基が互いに結合してA環、B環、Yと
共に縮合環を形成していてもよく、R1は水素原子また
は置換されていてもよい炭化水素基を示し、Xは酸素原
子または硫黄原子を示し、Yは結合手、置換されていて
もよい2価のC1-3脂肪族炭化水素基、−O(CH2)p
−(pは0ないし3の整数を示す)、−S(O)r−
(rは0ないし2の整数を示す)、−CONH−、−N
HCO−、−NHCONH−、または−NHSO2−を
示し、mは1または2を示し、nは0または1を示
す。]で表される化合物またはその塩。 【効果】上記化合物は優れたメタロプロテアーゼ阻害作
用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れたマトリックス
メタロプロテアーゼ阻害活性を有し、変形性関節症およ
び関節リウマチの治療薬および予防薬、ならびに各種癌
の転移、浸潤および増殖の抑制薬として有用な新規チア
ゾリジン誘導体などに関する。
【0002】
【従来の技術】マトリックスメタロプロテアーゼ(MM
P)は、生理的には組織改築に重要な働きをするエンド
ぺプチダーゼで、そのプロテアーゼ活性は厳密に制御さ
れている。しかし、病的状態ではその制御が崩れ、細胞
外マトリックスの過剰な分解を引き起こすことによっ
て、変形性関節症や慢性関節リウマチなどの関節疾患、
骨粗鬆症などの骨疾患、歯周病、腫瘍の浸潤や転移、角
膜の潰瘍形成など、多くの疾患の病因に関わっている。
MMPは、現在少なくとも15種類が知られており、1次構造
と基質特異性の違いからコラゲナーゼ群(MMP-1、8、1
3)、ゼラチナーゼ群(MMP-2、9)、ストロメリシン群
(MMP-3、10)、膜型MMP群(MT1、2、3、4−MMP)、及
びその他の群(MMP-7、11、12、18)の5群に分けられて
いる。これらの中でコラゲナーゼ群に属するMMP-13は、
発現場所がほぼ軟骨・骨組織に限局され、関節疾患など
ではその産生量が増加していることが報告されている。
さらにMMP-13は、他のコラゲナーゼに比べてコラーゲン
分解作用が強いことから、骨・関節疾患に深く関わって
いると予想されている。MMP阻害薬はこれまで数多く報
告されている(Current Pharmaceutical Design, 2, 62
4-661 (1996), Expert Opinion on Therapeutic Patent
s, 6, 1305-1315(1996), Expert Opinion on Therapeut
ic Patents, 8, 259-282 (1998)))。また、 MMP-13に
対して阻害活性を示す化合物に関しても多数報告されて
おり、ヒドロキサム酸誘導体(British Journal of Pha
rmacology, 121, 540-546 (1997), WO97-31892, WO98-1
5525, WO98-16506, WO98-16520)、カルボン酸誘導体
(Journal of Clinical Investigation, 99, 1534-1545
(1997), WO98-6711, WO98-9934, WO98-17643)および
チオール誘導体(WO98-3164, WO98-3166)に大別され
る。本発明の化合物に関連したチアゾリジン−2,4−
ジオン−5−アセタミド誘導体が抗菌活性 (Karthaら、
The Indian Journal of Pharmacy, 37, 150-151 (197
5)) を有すること、また、チアゾリジン−4−オキソ−
2−チオキソ−5−アセタミド誘導体が抗カビ活性(衣
川ら、薬学雑誌、86, 101-106 (1966))、あるいはヒス
チジンデカルボキシラーゼ阻害活性(Freeら、Biochemi
cal Pharmacology, 20, 1421-1428 (1971) を有するこ
とが報告されている。しかしながら、いずれの誘導体に
ついてもMMP阻害活性を有するという報告は全くない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のMMP阻害剤など
と比べて、作用効果、持続性、安全性などの点でより満
足のいく新規化合物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々鋭意
研究を行った結果、式
【化11】 (式中、R1は水素原子または置換されていてもよい炭
化水素基を示し、Xは酸素原子または硫黄原子を示す)
で表される環が式
【化12】 (式中、mは1または2を示し、nは0または1を示す
を示す)で表される基を介して、式
【化13】 (式中、A環およびB環はそれぞれ同一または異なって
置換されていてもよい同素環または複素環を示し、A環
およびB環の置換基が互いに結合してA環、B環、Yと
共に縮合環を形成していてもよく、Yは結合手、置換さ
れていてもよい2価のC1-3脂肪族炭化水素基、−O
(CH2)p−(pは0ないし3の整数を示す)、−S
(O)r−(rは0ないし2の整数を示す)、−CON
H−、−NHCO−、NHCONH−または−NHSO
2−を示す。)で表される環と結合しているところに化
学構造上の大きな特徴を持つ、式
【化14】 [式中、A環およびB環はそれぞれ同一または異なって
置換されていてもよい同素環または複素環を示し、A環
およびB環の置換基が互いに結合してA環、B環、Yと
共に縮合環を形成していてもよく、R1は水素原子また
は置換されていてもよい炭化水素基を示し、Xは酸素原
子または硫黄原子を示し、Yは結合手、置換されていて
もよい2価のC1-3脂肪族炭化水素基、−O(CH2)p
−(pは0ないし3の整数を示す)、−S(O)r−
(rは0ないし2の整数を示す)、−CONH−、−N
HCO−、−NHCONH−、または−NHSO2−を
示し、mは1または2を示し、nは0または1を示
す。]で表される化合物またはその塩がその特異な化学
構造に基づいて予想外にも優れたMMP阻害作用(特にMMP
-13阻害作用)および優れた持続性、安全性を示し、こ
れらの薬理作用に基づいて変形性関節症、慢性関節リウ
マチ、骨粗鬆症、癌、歯周病、または角膜潰瘍などの予
防、治療剤として用いられることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)式
【化15】 [式中、A環およびB環はそれぞれ同一または異なって
置換されていてもよい同素環または複素環を示し、A環
およびB環の置換基が互いに結合してA環、B環、Yと
共に縮合環を形成していてもよく、R1は水素原子また
は置換されていてもよい炭化水素基を示し、Xは酸素原
子または硫黄原子を示し、Yは結合手、置換されていて
もよい2価のC1-3脂肪族炭化水素基、−O(CH2)p
−(pは0ないし3の整数を示す)、−S(O)r−
(rは0ないし2の整数を示す)、−CONH−、−N
HCO−、−NHCONH−、または−NHSO2−を
示し、mは1または2を示し、nは0または1を示
す。]で表される化合物またはその塩、(2)A環が置
換されていてもよいベンゼン環である上記(1)記載の
化合物またはその塩、(3)B環が置換されていてもよ
いベンゼン環、置換されていてもよいピリジン環または
置換されていてもよいシクロヘキサン環である上記
(1)記載の化合物またはその塩、(4)R1が水素原
子または置換されていてもよい低級アルキル基、である
上記(1)記載の化合物またはその塩、(5)式
【化16】 (式中、R1は上記(1)記載と同意義を示す。)で表
される化合物またはその塩と式
【化17】 (式中、各記号は上記(1)記載と同意義を示す。)で
表される化合物またはその塩を反応させることを特徴と
する式
【化18】 (式中、各記号は上記(1)記載と同意義を示す。)で
表される化合物またはその塩の製造法、
【0006】(6)式
【化19】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
される化合物もしくはその塩と式
【化20】 (式中、各記号は上記(1)記載と同意義を示す。)で
表される化合物またはその塩を反応させることを特徴と
する式
【化21】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
される化合物またはその塩の製造法、(7)
【化22】 (式中、R1は上記(1)記載と同意義を示す。)で表
される化合物またはその塩と式
【化23】 (式中、各記号は上記(1)記載と同意義を示す。)で
表される化合物またはその塩を反応させた後、酸処理す
ることを特徴とする式
【化24】 (式中、各記号は上記(1)記載と同意義を示す。)で
表される化合物またはその塩の製造法、(8)上記
(1)記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬組
成物、(9)上記(1)記載の化合物またはその塩を含
有してなるマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、お
よび(10)上記(1)記載の化合物またはその塩を含
有してなる変形性関節症、慢性関節リウマチ、骨粗鬆
症、癌、歯周病、または角膜潰瘍の予防・治療剤などに
関する。さらに化合物(I)またはその塩は構造中に不
斉炭素を有するが、それらの各光学活性体およびそれら
の混合物も本発明の範囲に含まれ、化合物(I)または
その塩は水和物、無水和物のいずれでもよい。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。「A環およびB環」について A環およびB環は、それぞれ同一または異なって、置換
されていてもよい同素環または複素環を示す。また、A
環(またはB環)の置換基がB環(またはA環)上の置
換可能な位置に結合してA環、B環、後述のYと共に縮
合環を形成していてもよい。「同素環または複素環」に
は、例えば、(i)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子お
よび酸素原子から選ばれた1種または2種のヘテロ原子
を、好ましくは1個ないし3個含む芳香族複素環または
非芳香族複素環、または(ii)環構成原子炭素原子から
なる環状炭化水素(同素環)などが含まれる。「芳香族
複素環」としては、例えば、炭素原子以外に、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を
1個ないし3個含む5または6員の芳香族複素環(例え
ば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピ
ロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、チ
オフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキ
サゾールおよびイソオキサゾール環など)などがあげら
れる。好ましい芳香族複素環には、例えば、ピリジン、
ピラジンおよびチオフェン環などの他、例えば、ピロー
ル、チアゾール環なども含まれる。特に(i) 炭素原子
以外に窒素原子を1個または2個含む6員の含窒素複素
環(例えば、ピリジン、ピラジン環など)または(ii)
炭素原子以外に硫黄原子を1個含む5員の芳香族複素環
(例えば、チオフェン環など)などが好ましい。
【0008】前記「非芳香族複素環」には、例えば、炭
素原子以外に、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から
選ばれたヘテロ原子を1個ないし3個含む5ないし9員
の非芳香族複素環、好ましくは5または6員の非芳香族
複素環などが含まれる。「非芳香族複素環」の具体例と
しては、例えば、 テトラヒドロピリジン、ジヒドロピ
リジン、テトラヒドロピラジン、テトラヒドロピリミジ
ン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、ジヒド
ロピロール、ジヒドロイミダゾール、ジヒドロピラゾー
ル、ジヒドロチオフェン、ジヒドロフラン、ジヒドロチ
アゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロオキサゾ
ール、ジヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラ
ジン、ヘキサヒドロピリミジン、ヘキサヒドロピリダジ
ン、テトラヒドロピラン、モルホリン、ピロリジン、イ
ミダゾリジン、ピラゾリジン、テトラヒドロチオフェ
ン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチアゾール、テ
トラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾー
ル、テトラヒドロイソキサゾール環などがあげられる。
【0009】前記「環状炭化水素(同素環)」には、例
えば、3ないし10員(好ましくは、5ないし9員)の
環状炭化水素、より好ましくは5または6員の環状炭化
水素などが含まれる。例えば、ベンゼン、C3-10シクロ
アルケン(例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シ
クロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンな
ど)、C3-10シクロアルカン(例えば、シクロブタン、
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シ
クロオクタンなど)があげられる。シクロアルケンとし
ては、C5-6 シクロアルケン(例えば、シクロペンテ
ン、シクロヘキセンなど)が好ましく、シクロアルカン
としてはC5-6 シクロアルカン(例えば、シクロヘキサ
ン、シクロペンタンなど)などが好ましい。A環および
B環としては、それぞれ、例えば、ベンゼン、シクロヘ
キサン環などの6員の同素環または例えば、ピリジン環
などの6員の複素環などが好ましく、A環としては特に
ベンゼン環などが好ましく、B環としては特にベンゼン
環、ピリジン環またはシクロヘキサン環が好ましく用い
られる。
【0010】A環およびB環で示される「同素環または
複素環」が有していてもよい置換基としては、例えば、
(i)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)、(ii)置換されていてもよいアルキル基、
(iii)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの
3-8シクロアルキル基など)、(iv)ハロゲン化され
ていてもよいアルコキシ基(例えば、メトキシ、ジフル
オロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメト
キシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、
パーフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、
ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、パーフルオロ
ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などのフ
ッ素、塩素などのハロゲン原子で置換されていてもよい
1-6アルコキシ基など)、(v)ハロゲン化されてい
てもよいアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ジフル
オロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ基な
どのフッ素、塩素などのハロゲン原子で置換されていて
もよいC1-6アルキルチオ基(特にC1-4アルキルチオ
基)など)、(vi)アリール基(例えば、フェニル、ナ
フチル、アントリル、フェナントリルなどのC6-14アリ
ール基など)、(vii)アリールオキシ基(例えば、フ
ェニルオキシなどのC6-14アリールオキシ基など)、(v
iii) アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ、
フェネチルオキシ基などのC6-14アリール基−C1-4
ルキルオキシ基など)、(ix)アシルアミノ基(例え
ば、ホルミルアミノ、プロピオニルアミノ基などのC
2-3アルカノイルアミノ基など)、(x)アシルオキシ基
(例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニル
オキシ基などのC2-3アルカノイルオキシ基など)、
(xi)ヒドロキシ基、(xii)ニトロ基、(xiii)シア
ノ基、(xiv)アミノ基、(xv)モノ−またはジ−アル
キルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、
プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ基な
どのモノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ基(特に、
モノ−またはジ−C1-4アルキルアミノ基)など)、(x
vi)環状アミノ基(例えば、窒素原子以外に酸素原子、
硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでいても
よい5ないし9員の環状アミノ基(例えば、ピロリジ
ノ、ピペリジノ、モルホリノ基など)など)、(xvii)
アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニ
ルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニ
ルアミノ基などのC1-6アルキルスルホニルアミノ基な
ど)、(xviii)アルコキシ−カルボニル基(例えば、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボ
ニル基などのC1-6アルコキシ−カルボニル基など)、
(xix)カルボキシル基、(xx)アルキル−カルボニル
基(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブ
チルカルボニルなどのC1-6アルキル−カルボニル基な
ど)、(xxi)カルバモイル基、(xxii)モノ−または
ジ−アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバ
モイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、
ブチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチル
カルバモイル基などのモノ−またはジ−C1-6アルキル
−カルバモイル基など)、(xxiii)アルキルスルホニ
ル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル
基、プロピルスルホニル基などのC1-6アルキルスルホ
ニル基など)、(xxiv)オキソ基、(xxv)チオキソ基
などがあげられる。該「置換されていてもよいアルキル
基」としては、例えば、(a) メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチルなどの炭素数1から6の直
鎖状または分枝状のアルキル基の他に(b) ハロゲン化さ
れたC1-6アルキル基(例えば、クロロメチル、ジフル
オロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、
2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、
パーフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル、パーフルオロブチル基など)、(c) アミノ基で置換
されたC1-6アルキル基(例えば、アミノメチル、2−
アミノエチル基など)、(d) モノ−またはジ−C1-6
ルキルアミノ基で置換されたC1-6アルキル基(例え
ば、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、2−
メチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル基な
ど)、(e) カルボキシル基で置換されたC1-6アルキル
基(例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチル基な
ど)、(f) C1-6アルコキシ−カルボニル基で置換され
たC1-6アルキル基(例えば、メトキシカルボニルエチ
ル、エトキシカルボニルエチル基など)、(g) ヒドロキ
シ基で置換されたC1-6アルキル基(例えば、ヒドロキ
シメチル、ヒドロキシエチル基など、(h) C6-14アリール
で置換されたC1-6アルキル基(例えば、ベンジルな
ど)、(i) C1-6アルコキシ基で置換されたC1-6アルキ
ル基(例えば、メトキシメチル、メトキシエチルな
ど)、または(j) C7-15アラルキルオキシ基で置換され
たC1-6アルキル基(例えば、ベンジルオキシメチルな
ど)などがあげられる。該「置換されていてもよいアル
キル基」の置換基の数は1ないし5個(好ましくは1な
いし2個)程度であり、置換基が2個以上である場合に
は、置換基は同一または異なっていてもよい。
【0011】A環およびB環が有していてもよい好まし
い置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、置換されていてもよ
いアルキル基(置換されていてもよいアルキル基の具体
例は上記に示したとおり)、シクロアルキル基(例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基など)、
ハロゲン化されていてもよいアルコキシ基(例えば、メ
トキシ、ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、ト
リフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフル
オロエトキシ、パーフルオロエトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキ
シ、パーフルオロブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ基などのフッ素、塩素などのハロゲン原子で置換
されていてもよいC1-6アルコキシ基など)、ハロゲン
化されていてもよいアルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、
エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチル
チオ基などのフッ素、塩素などのハロゲン原子で置換さ
れていてもよいC1-4アルキルチオ基など)、アリール
オキシ基(例えば、フェニルオキシなどのC6-14アリー
ルオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベン
ジルオキシ、フェネチルオキシ基などのC6-14アリール
基−C1-4アルキルオキシ基など)などがあげられる。
A環およびB環が有していてもよいより好ましい置換基
には、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素など)、C1-6アルコキシ基(例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ
など)、C1-3アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、
エチルチオ、プロピルチオなど)またはC1-6アルコキ
シ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキ
シ、ペンチルオキシなど)で置換されていてもよいC
1-6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチルなど)などが含まれる。
【0012】A環およびB環の置換基は、環上の置換可
能ないずれの位置に置換していてもよく、置換基が2個
以上である場合には、置換基はそれぞれ同一または異な
っていてもよく、その個数は1〜4個程度であってもよ
い。置換基の個数は1〜3個程度であるのが好ましい。
A環およびB環が窒素原子を有する場合、4級アンモニ
ウム塩を形成していてもよく、例えば、ハロゲンイオン
(例えば、Cl-,Br-,I- など)、硫酸イオン、ヒ
ドロキシイオンなどの陰イオンと塩を形成していてもよ
い。A環としては、置換されていてもよいベンゼン環で
ある場合が好ましく、B環としては、置換されていても
よいベンゼン環、置換されていてもよいピリジン環また
は置換されていてもよいシクロヘキサン環である場合が
好ましい。該置換されていてもよいベンゼン環、置換さ
れていてもよいピリジン環または置換されていてもよい
シクロヘキサン環の置換基としては、上記のA環および
B環の置換基として例示したものと同様のものなどがあ
げられる。A環(またはB環)の置換基がB環(または
A環)上の置換可能な位置に結合してA環、B環、後述
のYと共に形成する縮合環の具体例としては、例えば、
フルオレン、アントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾ
ピラン、ジベンゾジオキサン、カルバゾール、アクリジ
ン、フェノチアジンなどの環があげられるが、より具体
的には、例えば、式
【化25】 (式中、A環およびB環は前記と同意義を示し、Yは後
述と同意義を示す)で表される三環性の縮合環などが好
ましい例としてあげられる。さらに好ましくは、例え
ば、式
【化26】 (式中、A環およびB環は前記と同意義を示す)で表さ
れる三環性の縮合環などがあげられる。
【0013】「R 1」について1は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基
を示す。R1で表される「置換されていてもよい炭化水
素基」の「炭化水素基」としては、例えば、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基お
よびアリール基などがあげられ、好ましくはアルキル
基、シクロアルキル基およびアリール基、特にアルキル
基が汎用される。「アルキル基」としては炭素数1から
6の直鎖状または分枝状の低級アルキル基が用いられ、
好ましくは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ルなどの炭素数1から4の直鎖状または分枝状のアルキ
ル基が用いられる。「アルケニル基」としては、エテニ
ル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテ
ニル、sec−ブテニルなどの炭素数2〜6のアルケニル
基が用いられ、好ましくは例えば、エテニル、プロペニ
ル、イソプロペニルなどの炭素数2〜4のアルケニル基
が用いられる。「アルキニル基」としては、エチニル、
プロピニル、イソプロピニル、ブチニル、イソブチニ
ル、sec−ブチニルなどの炭素数2〜6のアルキニル基
が用いられ、好ましくは例えば、エチニル、プロピニ
ル、イソプロピニルなどの炭素数2〜4のアルキニル基
が用いられる。「シクロアルキル基」としては、例えば
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基が用いられ、
好ましくは例えばシクロプロピル、シクロブチルなどの
3-6シクロアルキル基が用いられる。「アリール基」
としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナン
トリルなどのC6-14アリール基が用いられ、好ましくは
例えば、フェニル、ナフチルなどのC6-10のアリール基
が用いられる。
【0014】R1で表される「置換されていてもよい炭
化水素基」の「置換基」としては、例えば、(i)ハロ
ゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、(ii)置換されていてもよいアルキル基、(ii
i)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC
3-8シクロアルキル基など)、(iv)置換されていても
よいアリール基、(v)ハロゲン化されていてもよいア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、ジフルオロメトキシ、
トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキ
シ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、パーフルオロ
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、t−ブトキシ、パーフルオロブトキシ、ペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などのフッ素、塩素な
どのハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6アルコ
キシ基など)、(vi)ニトロ基、(vii)シアノ基、(v
iii)ヒドロキシ基、(ix)アリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ、ナフチルオキシ基などのC6-14アリー
ルオキシ基など)、(x)アラルキルオキシ基(例え
ば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ基などのC6-14
アリール−C1-4アルキルオキシ基など)、(xi)ハロ
ゲン化されていてもよいアルキルチオ基(例えば、メチ
ルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ
チルチオ基などのフッ素、塩素などのハロゲン原子で置
換されていてもよいC1-6アルキルチオ基(特にC1-4
ルキルチオ基)など)、(xii)アミノ基、(xiii)モ
ノ−またはジ−アルキルアミノ基(例えば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ基などのモノ−またはジ−C1-6アルキ
ルアミノ基(特に、モノ−またはジ−C1-4アルキルア
ミノ基)など)、(xiv)置換されていてもよい環状ア
ミノ基(環状アミノ基としては、例えば、窒素原子以外
に酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個
含んでいてもよい5ないし9員の置換されていてもよい
環状アミノ基(例えば、ピロリジノ、2−オキソピロリ
ジノ、ピペリジノ、2−オキソピペリジノ、モルホリノ
基など)など)、(xv)アルキル−カルボニルアミノ基
(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチ
リルアミノ基などのC1-6アルキル−カルボニルアミノ
基など)、(xvi)アリール−カルボニルアミノ基(例
えば、ベンゾイルアミノ基などのC6-14アリール−カル
ボニルアミノ基など)、(xvii)アルコキシ−カルボニ
ルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エト
キシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、
i−プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニル
アミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ基などのC
1-6アルコキシ−カルボニルアミノ基など)、(xviii)
アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセトキ
シ、プロピオニルオキシ基などのC2-3アルカノイルオ
キシ基など)、(xix)アミノカルボニルオキシ基、(x
x)モノ−またはジ−アルキルアミノ−カルボニルオキ
シ基(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ、エチル
アミノカルボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオ
キシ、ジエチルアミノ−カルボニルオキシ基などのモノ
−またはジ−C1-6アルキルアミノ−カルボニルオキシ
基など)、(xxi)アルキルスルホニルアミノ基(例え
ば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミ
ノ、プロピルスルホニルアミノ基などのC1-6アルキル
スルホニルアミノ基など)、(xxii)アルコキシ−カル
ボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル基などのC1-6アルコキシ−カ
ルボニル基など)、(xxiii)アラルキルオキシ−カル
ボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基などの
7-15アラルキルオキシ−カルボニル基など)、(xxi
v)アリールオキシ−カルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル基などのC6-14アリールオキシ−カルボニ
ル基など)、(xxv)カルボキシル基、(xxvi)アルキ
ル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニル、エチル
カルボニル、ブチルカルボニルなどのC1-6アルキル−
カルボニル基など)、(xxvii)シクロアルキル−カル
ボニル基(例えば、シクロペンチルカルボニル、シクロ
ヘキシルカルボニル基などのC3-8シクロアルキル−カ
ルボニル基など)、(xxviii)アリール−カルボニル基
(例えば、ベンゾイル基などのC6-14アリール−カルボ
ニル基など)、(xxix)カルバモイル基、(xxx)チオ
カルバモイル基、(xxxi)モノ−またはジ−アルキル−
カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチル
カルバモイル、プロピルカルバモイル、ブチルカルバモ
イル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル基
などのモノ−またはジ−C1-6アルキル−カルバモイル
基など)、(xxxii)アルキルスルホニル基(例えば、
メチルスルホニル、エチルスルホニル基、プロピルスル
ホニル基などのC1-6アルキルスルホニル基など)、(x
xxiii)シクロアルキルスルホニル基(例えば、シクロ
ペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル基など
のC3-8シクロアルキルスルホニル基など)、および(x
xxiv)置換されていてもよい5または6員の複素環基な
どが用いられる。
【0015】R1で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の「置換基」として表される「置換されてい
てもよい5または6員の複素環基」の「5または6員の
複素環基」としては、例えば、5または6員の芳香族複
素環基、飽和あるいは不飽和の5または6員の非芳香族
複素環基等が挙げられる。該「5または6員の芳香族複
素環基」としては、例えばフリル、チエニル、ピロリ
ル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イ
ソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−
オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,
3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チ
アジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−
チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−
トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニ
ル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどがあ
げられる。上記の「5または6員の非芳香族複素環基」
としては、例えばピロリジニル、テトラヒドロフリル、
テトラヒドロチエニル、ピペリジル、テトラヒドロピラ
ニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル
などが挙げられる。R1で示される「置換されていても
よい炭化水素基」の「置換基」として表される「置換さ
れていてもよい5または6員の複素環基」の「置換基」
としては、例えば上記のA環およびB環で表される「置
換されていてもよい同素環または複素環」の「置換基」
と同様のものなどがあげられる。また、「置換されてい
てもよい5または6員の複素環基」の置換基は、環上の
置換可能ないずれの位置に置換していてもよく、置換基
が2個以上である場合には、置換基はそれぞれ同一また
は異なっていてもよく、その個数は1〜4個程度であっ
てもよい。置換基の個数は1〜3個程度であるのが好ま
しい。
【0016】R1で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の置換基の数は1ないし5個(好ましくは1
ないし2個)程度であり、置換基が2個以上である場合
には、置換基は同一または異なっていてもよい。
【0017】R1で示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の「置換基」として記載した「置換されてい
てもよいアルキル基」としては、前記のA環およびB環
で示される「同素環または複素環」が有していてもよい
置換基として記載した「置換されていてもよいアルキル
基」と同様のものなどがあげられる。R1で表される
「置換されていてもよい炭化水素基」の「置換基」とし
て記載した「置換されていてもよいアリール基」の「ア
リール基」としては、例えば、フェニル、ナフチル、ア
ントリル、フェナントリルなどのC6-14アリール基が用
いられ、好ましくは例えば、フェニル、ナフチルなどの
6-10のアリール基が用いられる。R1で表される「置
換されていてもよい炭化水素基」の「置換基」として記
載した「置換されていてもよいアリール基」の「置換
基」としては、例えば、(i)フッ素、塩素などのハロ
ゲン原子、(ii)メチル、エチル、トリフルオロメチル
基などのハロゲン化されていてもよいC1-4アルキル
基、または(iii)メトキシ、エトキシ基などのC1-4
ルコキシ基などがあげられ、環上の置換可能ないずれの
位置に置換していてもよく、置換基が2個以上である場
合には、置換基はそれぞれ同一または異なっていてもよ
く、その個数は1〜4個程度であってもよい。置換基の
個数は1〜3個程度であるのが好ましい。R1で表され
る「置換されていてもよい炭化水素基」の「置換基」と
して記載した「置換されていてもよい環状アミノ基」の
「置換基」としては、例えば上記のA環およびB環で表
される「置換されていてもよい同素環または複素環」の
「置換基」と同様のものなどがあげられ、環上の置換可
能ないずれの位置に置換していてもよく、置換基が2個
以上である場合には、置換基はそれぞれ同一または異な
っていてもよく、その個数は1〜4個程度であってもよ
い。置換基の個数は1〜3個程度であるのが好ましい。
1で表される「置換されていてもよい炭化水素基」の
「置換基」として好ましくは、例えば、(i)ハロゲン
化されていてもよいアルコキシ基(例えば、メトキシ、
ジフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオ
ロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエト
キシ、パーフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、パーフ
ルオロブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基な
どのフッ素、塩素などのハロゲン原子で置換されていて
もよいC1-6アルコキシ基など)、(ii)ヒドロキシ
基、(iii)アミノ基、(iv)置換されていてもよい環
状アミノ基(例えば、窒素原子以外に酸素原子、硫黄原
子などのヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい5
ないし9員の置換されていてもよい環状アミノ基(例え
ば、ピロリジノ、2−オキソピロリジノ、ピペリジノ、
2−オキソピペリジノ、モルホリノ基など)など)、
(v)アルコキシ−カルボニルアミノ基(例えば、メト
キシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プ
ロポキシカルボニルアミノ、i−プロポキシカルボニル
アミノ、ブトキシカルボニルアミノ、i−ブトキシカル
ボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ基など
のC1-6アルコキシ−カルボニルアミノ基など)などが
あげられる。
【0018】R1としては、水素原子または置換されて
いてもよい低級アルキル基が好ましく用いられる。R1
の好ましい例としての「置換されていてもよい低級アル
キル基」としては、(a) メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチルなどの炭素数1から6の直鎖状または分枝状の
アルキル基の他に(b) C1-6アルコキシ基で置換された
1-6アルキル基(例えば、メトキシメチル、メトキシ
エチル、エトキシメチル、エトキシエチル基など)、
(c) ヒドロキシ基で置換されたC1-6アルキル基(例え
ば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ
プロピル基など)、(d) アミノ基で置換されたC1-6
ルキル基(例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミ
ノプロピル、アミノブチル基など)、(e) 窒素原子以外
に酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし3個
含んでいてもよい5ないし9員の置換されていてもよい
環状アミノ基で置換されたC1-6アルキル基(例えば、
2−ピロリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、2−
モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、2−(ピ
ロリジン−2−オン−1−イル)エチル、3−(ピロリ
ジン−2−オン−1−イル)プロピルなど)、(f) C
1-6アルコキシ−カルボニルアミノ基で置換されたC1-6
アルキル基(例えば、メトキシカルボニルアミノエチ
ル、エトキシカルボニルアミノエチル、tert−ブトキシ
カルボニルアミノエチル、tert−ブトキシカルボニルア
ミノプロピル、tert−ブトキシカルボニルアミノブチル
基など)などがあげられる。
【0019】「X」について Xは酸素原子または硫黄原子を示す。「Y」について Yは結合手、置換されていてもよい2価のC1-3脂肪族
炭化水素基、−O(CH2)p−(pは0ないし3の整
数を示す)、−S(O)r−(rは0ないし2の整数を
示す)、−CONH−、−NHCO−、−NHCONH
−または−NHSO2−を示す。Yで表される「置換さ
れていてもよい2価のC1-3脂肪族炭化水素基」の「2
価のC1-3脂肪族炭化水素基」とは飽和または不飽和の
1-3脂肪族炭化水素の同一または異なった炭素原子に
結合する水素原子を1個ずつ(計2個)取り除いてでき
る基を示す。具体的には、(i)C1-3アルキレン基(例
えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2
−、−CH(CH3)−CH2−など)、(ii)C2-3アル
ケニレン基(例えば、−CH=CH−、−CH=CH−
CH2−など)(iii)C2-3アルキニレン基(例えば、
【化27】 など)などが用いられる。なかでも、C1-3アルキレン
基(例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH
2CH2−または−CH(CH3)−CH2−など)が汎用さ
れる。好ましくは−CH2−が汎用される。
【0020】Yで表される「置換されていてもよい2価
のC1-3脂肪族炭化水素基」の「置換基」としては、例
えば、前記R1で表される「置換されていてもよい炭化
水素基」の「置換基」と同様のものなどに加えて、オキ
ソ基、チオキソ基などがあげられる。
【0021】「m」について mは1または2を示す。mとしては1が好ましい。
【0022】「n」について nは0または1の整数を示す。nとしては1が好まし
い。
【0023】次に、この発明の化合物(I)またはその
塩の製造法を述べる。本発明の化合物(I)またはその
塩は以下に記載の(A)〜(E)に記載の方法によって
製造することが可能である。
【0024】合成法A
【化28】
【0025】合成法B
【化29】
【0026】合成法C
【化30】
【0027】合成法D
【化31】
【0028】合成法E
【化32】
【0029】以下に上記の方法A〜Eを詳述する。 (方法A)本発明の化合物(I)に包含される式
【化33】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩は、例えば、式
【化34】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩を式
【化35】 (式中、R1は前記と同意義を示す。)で表される化合
物またはその塩と反応することにより製造することがで
きる。
【0030】本法は自体公知の方法、例えば特許公報
昭41−16285あるいは薬学雑誌86巻101−1
06頁(1966年)に記載された方法、もしくはそれ
に準じた方法で製造することができる。
【0031】本反応において、化合物[II]またはそ
の塩1モルに対して化合物[III]またはその塩を通
常1ないし3モル、好ましくは1ないし2モルを用い
る。反応溶媒としてはメタノール、エタノールなどのア
ルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなど
のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドな
どのスルホキシド類などが用いられる。
【0032】また本反応では塩基の添加は反応を有利に
進める。このような塩基としては、無機塩基(水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化
物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアル
カリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムな
どのアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カ
リウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムアミ
ド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど
のアルコキシドなど)、有機塩基(トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの
アミン類、ピリジンなどの環状アミンなど)などが用い
られ、特にトリエチルアミンなどのアミン類が好まし
い。用いられる塩基の量は、用いられる化合物および溶
媒の種類、その他の反応条件により異なるが、式[I
I]で表される化合物またはその塩1モルに対し1ない
し10モル、好ましくは1ないし5モルである。
【0033】反応温度は−50ないし200℃、好まし
くは−20ないし100℃である。反応時間は化合物の
種類、反応温度などによって異なるが、1ないし72時
間、好ましくは1ないし24時間である。
【0034】式[II]で表される化合物またはその塩
は例えば、式
【化36】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩を無水マレイン酸と反応することによ
り製造することができる。本反応において、化合物[I
V]またはその塩1モルに対して無水マレイン酸を通常
1ないし3モル、好ましくは1ないし2モルを用いる。
反応溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、酢酸などの有機酸類、無水酢酸などの
有機酸無水物、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N
−ジメチルアセトアミドなどのアミド類が用いられる。
また本反応で酸の添加は反応を有利に進める。このよう
な酸としては塩酸、硫酸などの無機酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、シュウ
酸、フマール酸、マレイン酸などの有機酸が好適であ
る。用いられる酸の量は用いられる化合物、および溶媒
の種類、その他の反応条件により異なるが、通常化合物
1モルに対し0.01ないし1モル、好ましくは0.0
5ないし0.1モルである。反応温度は通常0ないし2
00℃、好ましくは50ないし150℃である。反応時
間は通常30分ないし48時間、好ましくは1ないし2
4時間である。
【0035】式[II]で表される化合物またはその塩
は例えば、式
【化37】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩をマレイミドと反応することによって
も製造することができる。本反応は自体公知の光延反応
(シンセシス 1 (1981)、ジャーナルオブ オ
ーガニック ケミストリー 51,5294(198
6)、ジャーナルオブ オーガニック ケミストリー
60,5352(1995))を用いる方法、もしくは
それに準じた方法で行うことができる。すなわち、トリ
フェニルホスフィンとジエチルアゾジカルボン酸あるい
はジイソプロピルアゾジカルボン酸などのアゾジカルボ
ン酸エステルの存在下、化合物[V]またはその塩とマ
レイミドを反応する。本反応において、化合物[V]ま
たはその塩1モルに対してマレイミドを通常1ないし5
モル、好ましくは1ないし3モルを用いる。反応溶媒と
してはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、クロロホルム、ジクロロ
メタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリルな
どのニトリル類などが用いられる。反応温度は通常0な
いし200℃、好ましくは50ないし150℃である。
反応時間は通常30分ないし120時間、好ましくは1
ないし96時間である。
【0036】式[III]で表される化合物またはその
塩は市販あるいは合成により得られたアミン類と二硫化
炭素とを反応することにより、製造することができる。
用いられる二硫化炭素の量は溶媒の種類、その他の反応
条件により異なるが、アミン類1モルに対し1ないし5
モル、好ましくは1ないし3モルである。反応溶媒とし
てはメタノール、エタノールなどのアルコール類、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセ
トンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ク
ロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素
類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類
などが用いられる。また本反応では塩基の添加は反応を
有利に進める。このような塩基としては、無機塩基(水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水
酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの
アルカリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどのアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素
化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムア
ミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドな
どのアルコキシドなど)、有機塩基(トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのアミン類、ピリジンなどの環状アミンなど)などが
用いられ、特にトリエチルアミンなどのアミン類が好ま
しい。用いられる塩基の量は、用いられる化合物および
溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、式[I
I]で表される化合物またはその塩1モルに対し1ない
し10モル、好ましくは1ないし5モルである。反応温
度は−50ないし200℃、好ましくは−20ないし1
00℃である。反応時間は化合物の種類、反応温度など
によって異なるが、1ないし72時間、好ましくは1な
いし24時間である。
【0037】式[IV]で表される化合物またはその塩
は例えば、式
【化38】 (式中、Wはシアノ基またはアルデヒド基を示し、他は
前記と同意義を示す。)で表される化合物またはその塩
から製造することができる。化合物[VI]のWがニト
リルの場合、公知の方法、例えば新実験化学講座15
酸化と還元(丸善)に記載されているような適当な還元
剤で還元し、アミン体[IV]を製造することができ
る。還元剤としては水素化リチウムアルミニウムなどの
水素化金属化合物をはじめとして一般的なニトリル還元
試薬が使用される。本反応では化合物[VI]1モルに
対し還元剤0.5ないし10モル、好ましくは0.5な
いし5モル使用する。反応溶媒としてはジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素類が用いられる。反応温度は−50ないし100℃、
好ましくは−20ないし80℃である。反応時間は30
分ないし48時間、好ましくは30分ないし24時間で
ある。
【0038】化合物[VI]のWがアルデヒドの場合は
公知の方法、例えば実験化学講座20(丸善)、ジャー
ナル オブ アメリカン ケミカル ソサイティー
475(1959)に記載の方法またはそれに準じた
方法で、ヒドロキシルアミンと反応してオキシム体とし
た後、適当な還元剤により還元し、アミン体[IV]を
製造することができる。オキシム調製はアルデヒド体1
モルに対しヒドロキシルアミン1ないし3モル、好まし
くは1ないし2モルを使用する。反応溶媒としてはメタ
ノール、エタノールなどのアルコール類、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル
などのニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチ
ルスルホキシドなどのスルホキシド類あるいは水などが
用いられる。また本反応は塩基の添加により反応が促進
される。塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウムなどのアルカリ酢酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、
ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシドなどのアルコキシド、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのア
ミン類、ピリジンなどの環状アミンなどが用いられる。
用いる量はアルデヒド1モルに対し1ないし5モル、好
ましくは1ないし3モルである。反応温度は0ないし2
00℃、好ましくは0ないし150℃、反応時間は30
分ないし48時間、好ましくは30分ないし24時間で
ある。オキシム体からアミン体[IV]への変換に用い
られる還元剤は新実験化学講座15 酸化と還元(丸
善)に記載の方法またはそれに準じた方法に従い、接触
水素添加、水素化リチウムアルミニウムなどの水素化金
属化合物など一般的なオキシム還元試薬を用いることが
できる。接触水素添加による方法で使用される触媒とし
ては、たとえば白金黒、酸化白金、白金炭素などの白金
触媒、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム硫酸
バリウム、パラジウム活性炭素などのパラジウム触媒、
還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケル、漆原ニ
ッケルなどのニッケル触媒などがあげられる。反応は通
常常圧下に行なわれるが必要により加圧下(3ないし1
0気圧)に行なわれる。触媒の使用量は触媒の種類によ
り異なるが、通常、オキシム体に対して0.1ないし2
0%(w/w)である。溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど
のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類などが用い
られる。反応温度は0ないし200℃、好ましくは20
ないし100℃で行なわれる。反応時間は通常30分な
いし48時間、好ましくは1ないし24時間である。水
素化金属化合物を用いた際の反応条件はニトリルの還元
の際に用いられた条件と同様である。
【0039】また、上記の化合物[VI]は、市販のも
の、または例えば、式
【化39】 (式中、A、Wは上記と同意義を示し、Xはハロゲン原
子を示す)で表される化合物またはその塩と式
【化40】 (式中、Y‘はO(CH2)pまたはSを示し、pは0
ないし3の整数を示し、他の各記号は上記と同意義を示
す)で表される化合物またはその塩から自体公知の方法
((ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
59 5414(1994)、バイオオーガニック ア
ンド メディシナル ケミストリー 15(199
8))もしくはそれに準ずる方法で製造したものを用い
ることができる。反応溶媒としてはN,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド類、ピリジンなどの有機アミン類などが用いられる。
また本反応では塩基の添加は反応を有利に進める。この
ような塩基としては、無機塩基(水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水
素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金
属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのア
ルカリ金属水素化物、ナトリウムアミド、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルコキシドな
ど)、有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリ
ジンなどの環状アミンなど)などが用いられ、特に水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのア
ルカリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などのアルカリ金属炭酸塩などの無機塩基が好ましい。
用いられる塩基の量は、用いられる化合物および溶媒の
種類、その他の反応条件により異なるが、式[VII]
で表される化合物またはその塩1モルに対し1ないし1
0モル、好ましくは1ないし5モルである。さらに本反
応では酸化銅、ヨウ化銅などの銅試薬の添加により有利
に進めることもできる。用いられる銅試薬の量は、用い
られる化合物および溶媒の種類、その他の反応条件によ
り異なるが、式[VII]で表される化合物またはその
塩1モルに対し1ないし10モル、好ましくは1ないし
5モルである。反応温度は0ないし200℃、好ましく
は20ないし150℃である。反応時間は1ないし48
時間、好ましくは2ないし24時間である。
【0040】また、前述の式[V]で表される化合物ま
たはその塩は、例えば前述の化合物[VI]のうちWが
アルデヒドの化合物を適当な還元剤で還元して製造する
ことができる。還元剤は新実験化学講座15 酸化と還
元(丸善)に記載されているような一般的なアルデヒド
還元試薬、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチ
ウムアルミニウムなどの水素化金属化合物などが用いら
れる。反応条件は上記ニトリル類の還元の際の条件と同
様である。
【0041】また、式[IV]で表される化合物または
その塩(式中、Yは−NHCO−、−NHCONH−ま
たは−NHSO2−を示す)は、例えば式
【化41】 (式中、A環は前記と同意義を示し、Bocはt−ブト
キシカルボニル基を示す)で表される化合物またはその
塩を同素環または複素環を有するアシル化剤と反応した
後、酸処理によりBoc基を脱保護することにより製造
することができる。用いられるアシル化剤としては無水
安息香酸などの酸無水物、ベンゾイルクロリドなどの酸
ハライド、フェニルイソシアネートなどのイソシアネー
ト、ベンゼンスルホニルクロリドなどのスルホニルクロ
リドなどがあげられる。用いられるアシル化剤の量は溶
媒の種類、その他の反応条件により異なるが、式[I
X]で表される化合物またはその塩1モルに対し1ない
し3モル、好ましくは1ないし2モルである。反応溶媒
としては有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリ
ジンなどの環状アミンなど)などが用いられ、特にピリ
ジンなどの環状アミンが好ましい。反応温度は0ないし
150℃、好ましくは20ないし100℃である。反応
時間は化合物の種類、反応温度などによって異なるが、
30分ないし10時間、好ましくは1ないし5時間であ
る。
【0042】Boc基の脱保護のために用いられる酸と
しては塩酸、硫酸などの無機酸、トリフルオロ酢酸など
の有機酸があげられる。本反応は式[IX]で表される
化合物1gに対し2ないし50倍容量の上記酸中で行わ
れる。また化合物の溶解性から上記溶液に有機溶媒を加
えて反応を行うこと、あるいは有機溶媒中で反応するこ
ともできる。用いられる有機溶媒はメタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル
類、酢酸などの有機酸類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドな
どのスルホキシド類などがあげられる。反応温度は通常
0ないし200℃、好ましくは0ないし100℃であ
る。反応時間は通常15分ないし5時間、好ましくは3
0分ないし3時間である。
【0043】また、式[IV]で表される化合物または
その塩(式中、Yは−CONH−を示す)は、例えば式
【化42】 (式中、A環は前記と同意義を示し、Bocはt−ブト
キシカルボニル基を示す)で表される化合物またはその
塩を同素環または複素環を有するアミン類と反応した
後、酸処理によりBoc基を脱保護することによっても
製造することができる。本反応は自体公知の縮合剤を用
いるアミド化反応、例えば実験化学講座22有機合成I
V(丸善)に示された方法、もしくはそれに準じた方法に
より製造することができる。本反応においては、化合物
[X]またはその塩1モルに対し、アミン類1ないし5
モル、好ましくは1ないし2モルを用いる。縮合剤とし
ては例えば、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、塩酸1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド(水溶性カルボジイミド、WSC)、シアノリン酸
ジエチル(DEPC)、ジフェニルホスホリルアジド
(DPPA)などが用いられ、好ましい縮合剤としては
カルボニルジイミダゾール(CDI)があげられる。縮
合剤の使用量は化合物[X]またはその塩1モルに対し
1ないし5モル、好ましくは1ないし3モルである。反
応溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、酢酸エチ
ル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドなどのエーテル類、エステル
類、炭化水素類、アミド類、スルホキシド類などが用い
られる。本反応では塩基もしくは活性化剤の添加は反応
を有利に進める。このような塩基としては例えば、トリ
エチルアミンなどのアルキルアミン類、N−メチルモル
ホリン、ピリジンなどの環状アミン類などが用いられ、
その使用量は化合物[X]またはその塩1モルに対し1
ないし5モル、好ましくは1ないし3モルである。また
活性化剤としては1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBT)、1−ヒドロキシ−1H−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシサクシンイミド、N−ヒドロキシフ
タルイミドなどが用いられ、その使用量は化合物[X]
またはその塩1モルに対し1ないし5モル、好ましくは
1ないし3モルである。反応温度は−10ないし100
℃,好ましくは0ないし60℃である。反応時間は通常
30分ないし96時間、好ましくは1ないし80時間で
ある。Boc基の脱保護は前述の方法と同様である。
【0044】式[VI]で表される化合物またはその塩
(式中、Yは−CH2−を示す)は、例えば式
【化43】 (式中、A環、B環は前記と同意義を示し、R'は低級
アルキル基を示す)で表される化合物またはその塩のカ
ルボニル基をメチレン基に変換した後、カルボン酸エス
テルを還元してアルコール体とし、さらに酸化してアル
デヒド体を製造することができる。カルボニル基をメチ
レン基へ変換する反応は自体公知の方法、例えばシンセ
シス、763(1978)記載の方法、またはそれに準
じた方法より、トリフルオロ酢酸中、水素化ほう素ナト
リウムを用いて還元する。用いられる水素化ほう素ナト
リウムの量は式[XI]で表される化合物またはその塩
1モルに対し1ないし20モル、好ましくは1ないし1
0モルである。トリフルオロ酢酸は大過剰を用いる。溶
媒としてはジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素類が主に用いられる。反応温度は−20な
いし100℃、好ましくは0ないし50℃である。反応
時間は30分ないし48時間、好ましくは1ないし24
時間である。
【0045】カルボン酸エステルをアルコール体へ変換
する反応は自体公知の方法、例えば、前述の新実験化学
講座15 酸化と還元(丸善)に記載されているような
適当な還元剤で還元し、アルコール体を製造することが
できる。還元剤としては水素化リチウムアルミニウムが
好適である。本反応ではカルボン酸エステル1モルに対
し還元剤0.5ないし10モル、好ましくは0.5ない
し5モル使用する。反応溶媒としてはジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類
が用いられる。反応温度は−50ないし100℃、好ま
しくは−20ないし80℃である。反応時間は30分な
いし10時間、好ましくは30分ないし5時間である。
【0046】アルコール体をアルデヒド体へ変換する反
応は自体公知の方法、例えば、テトラヘドロン レター
ズ、2647(1975)に記載の方法、すなわち、ピ
リジニウムクロロクロメート(PCC)による酸化反応
などが用いられる。本反応ではアルコール体1モルに対
し、PCCなどの酸化剤1ないし10モル、好ましくは
1ないし5モル使用する。溶媒としてはジクロロメタ
ン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類が主に用
いられる。反応温度は−20ないし100℃、好ましく
は0ないし50℃である。反応時間は10分ないし10
時間、好ましくは15分ないし5時間である。
【0047】式[VI]で表される化合物またはその塩
(式中、Yは−C(OR'')2−を示す。(R''は置換
されていてもよい低級アルキル基を示し、R''で表され
る置換されていてもよい低級アルキル基としては、R1
の好ましい例として表される置換されていてもよい低級
アルキル基と同意義を示す。))は、例えば式[XI]
で表される化合物またはその塩のカルボニル基をアセタ
ール基に変換した後、前述と同様にカルボン酸エステル
を還元してアルコール体とし、さらに酸化してアルデヒ
ド体を製造することができる。カルボニル基をアセター
ル基へ変換する反応は自体公知の方法、例えばシンセシ
ス、233(1988)記載の方法、すなわち、メタノ
ール、エタノールなどのアルコールおよびオルトぎ酸ト
リメチル、オルトぎ酸トリエチルなどのアルコールに対
応するオルトぎ酸トリエステルを用いる。本反応では式
[XI]で表される化合物またはその塩1モルに対し、
アルコールおよびオルトぎ酸トリエステルを1ないし5
0モル、好ましくは1ないし25モル使用する。本反応
においてトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸の
添加は反応を有利に進める。用いられるトリフルオロメ
タンスルホン酸の量は式[X]で表される化合物または
その塩1モルに対し、0.01ないし1モル、好ましく
は0.1ないし0.5モルである。溶媒としてはニトロ
メタンが好適である。反応温度は0ないし200℃、好
ましくは30ないし150℃である。反応時間は1ない
し20時間、好ましくは2ないし10時間である。カル
ボン酸エステルのアルコール体への還元およびアルコー
ル体からアルデヒド体への酸化は前述と同様である。
【0048】(方法B)本発明の化合物(I)に包含さ
れる式
【化44】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩は、例えば、式
【化45】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩を前述の式[III]で表される化合
物またはその塩と反応することにより製造することがで
きる。本法は自体公知の方法、例えば特許公報 昭45
−30095あるいは薬学雑誌86巻101−106頁
(1966年)に記載された方法、もしくはそれに準じ
た方法で製造することができる。本反応において、化合
物[XII]またはその塩1モルに対して化合物[II
I]またはその塩を通常1ないし5モル、好ましくは1
ないし3モルを用いる。反応溶媒としてはメタノール、
エタノールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類、アセトンなどのケトン
類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、ジク
ロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリ
ルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチ
ルスルホキシドなどのスルホキシド類などが用いられ
る。また本反応では塩基の添加は反応を有利に進める。
このような塩基としては、無機塩基(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属
炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアル
カリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムな
どのアルカリ金属水素化物、ナトリウムアミド、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルコキ
シドなど)、有機塩基(トリメチルアミン、トリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類、
ピリジンなどの環状アミンなど)などが用いられ、特に
トリエチルアミンなどのアミン類が好ましい。用いられ
る塩基の量は、用いられる化合物および溶媒の種類、そ
の他の反応条件により異なるが、式[XII]で表され
る化合物またはその塩1モルに対し1ないし10モル、
好ましくは1ないし5モルである。反応温度は−50な
いし200℃、好ましくは−20ないし100℃であ
る。反応時間は化合物の種類、反応温度などによって異
なるが、1ないし72時間、好ましくは1ないし24時
間である。
【0049】上記[XII]で表される化合物は、例え
ば、前述の式[IV]で表される化合物を市販の無水マ
レイン酸と反応させることにより製造することができ
る。本反応において、化合物[IV]またはその塩1モ
ルに対して無水マレイン酸を通常1ないし5モル、好ま
しくは1ないし3モルを用いる。反応溶媒としてはベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸
エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ピリジンな
どのアミン類、酢酸などの有機酸類、無水酢酸などの有
機酸無水物、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−
ジメチルアセトアミドなどのアミド類が用いられる。反
応温度は通常0ないし200℃、好ましくは10ないし
150℃である。反応時間は通常30分ないし48時
間、好ましくは1ないし24時間である。
【0050】(方法C)本発明の化合物(I)に包含さ
れる式
【化46】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩は、例えば、式
【化47】 (式中、R2は置換されていてもよい低級アルキル基を
示し、その他の各記号は前記と同意義を示す。)で表さ
れる化合物を酸処理することにより製造することができ
る。R2で表される置換されていてもよい低級アルキル
基としては、R1の好ましい例として表される置換され
ていてもよい低級アルキル基と同意義を示す。このよう
な酸としては塩酸、硫酸などの無機酸が用いられる。本
反応は式[XIII]で表される化合物1gに対し20
ないし50倍容量の上記無機酸水溶液中(通常10ない
し30%)で行われる。また化合物の溶解性から上記水
溶液に有機溶媒を加えて反応を行うこと、あるいは有機
溶媒中で反応することもできる。用いられる有機溶媒は
メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸など
の有機酸類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
などのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキ
シド類などである。反応温度は通常0ないし200℃、
好ましくは50ないし150℃である。反応時間は通常
30分ないし48時間、好ましくは1ないし24時間で
ある。
【0051】式[XIII]で表される化合物は前述の
式[II]で表される化合物またはその塩を式
【化48】 で表される化合物またはその塩と反応することにより製
造することができる。本反応において、化合物[II]
またはその塩1モルに対して化合物[XIV]またはそ
の塩を通常1ないし5モル、好ましくは1ないし3モル
を用いる。反応溶媒としてはメタノール、エタノールな
どのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランな
どのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチ
ルなどのエステル類、クロロホルム、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリルなどのニト
リル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシ
ドなどのスルホキシド類などが用いられる。また本反応
では塩基の添加は反応を有利に進める。このような塩基
としては、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、
水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属
水素化物、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシドなどのアルコキシドなど)、有機
塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプ
ロピルエチルアミンなどのアミン類、ピリジンなどの環
状アミンなど)などが用いられ、特にトリエチルアミン
などのアミン類が好ましい。用いられる塩基の量は、用
いられる化合物および溶媒の種類、その他の反応条件に
より異なるが、式[II]で表される化合物またはその
塩1モルに対し1ないし10モル、好ましくは1ないし
5モルである。反応温度は−50ないし200℃、好ま
しくは−20ないし100℃である。反応時間は化合物
の種類、反応温度などによって異なるが、1ないし72
時間、好ましくは1ないし60時間である。
【0052】式[XIV]で表される化合物またはその
塩は市販のチオウレア類を用いるか、あるいは自体公知
の方法、例えばテトラヘドロン レターズ 33,59
33(1992)記載の方法、もしくはそれに準じた方
法により製造することができる。すなわち、式
【化49】 で表される化合物またはその塩を塩基処理により製造す
ることができる。塩基としては、無機塩基(水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ
金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの
アルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムなどのアルカリ金属水素化物、ナトリウムアミド、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアル
コキシドなど)、有機塩基(トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアミン
類、ピリジンなどの環状アミンなど)などが用いられ、
特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
などのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物が好ま
しい。塩基の量は、用いられる化合物および溶媒の種
類、その他の反応条件により異なるが、式[XV]で表
される化合物またはその塩1モルに対し0.5ないし1
0モル、好ましくは0.5ないし5モルである。反応溶
媒としてはメタノール、エタノールなどのアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエス
テル類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン
化炭化水素類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類、水などが用いられる。反応温度は−50な
いし200℃、好ましくは−20ないし100℃であ
る。反応時間は化合物の種類、反応温度などによって異
なるが、1ないし72時間、好ましくは1ないし24時
間である。
【0053】式[XV]で表される化合物またはその塩
は市販のアミン類を例えば、ベンゾイルイソチオシアネ
ートと反応することによって製造することができる。ベ
ンゾイルイソチオシアネートの量は用いられる化合物お
よび溶媒の種類、その他の反応条件により異なるが、ア
ミン類1モルに対し1ないし10モル、好ましくは1な
いし5モルである。反応溶媒としてはジオキサン、テト
ラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトンなどの
ケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホル
ム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセ
トニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが
用いられる。反応温度は−50ないし200℃、好まし
くは−20ないし100℃である。反応時間は化合物の
種類、反応温度などによって異なるが、1ないし72時
間、好ましくは1ないし24時間である。
【0054】(方法D)前述の式[Ib]で表される化
合物またはその塩は、例えば式
【化50】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩を市販のハライド類あるいはアルコー
ル類と反応することによっても製造することができる。
ハライドとの反応においては、化合物[XVI]または
その塩1モルに対しハライド1ないし5モル、好ましく
は1ないし2モルを用いる。反応溶媒としてはジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、
トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素類、酢酸エ
チルなどのエステル類、クロロホルム、ジクロロメタン
などのハロゲン化炭化水素類、アセトンなどのケトン
類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類
などが用いられる。本反応では塩基の添加は反応を有利
に進める。このような塩基としては水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸
水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ
金属炭酸塩、炭酸セシウムなどのセシウム塩、水素化ナ
トリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化
物、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシドなどのアルコキシド、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どのアミン類、ピリジンなどの環状アミンなどが用いら
れる。塩基の量は化合物[XVI]またはその塩1モル
に対して1ないし10モル、好ましくは1ないし5モル
である。反応温度は用いられる化合物[XVI]または
その塩、その他の条件により異なるが、−20ないし2
00℃、好ましくは0ないし100℃である。反応時間
は5分ないし48時間、好ましくは5分ないし24時間
である。
【0055】化合物[XVI]とアルコールとの反応は
前述の(方法A)と同様にトリフェニルホスフィンとジ
エチルアゾジカルボン酸あるいはジイソプロピルアゾジ
カルボン酸などのアゾジカルボン酸エステルの存在下、
光延反応により行うことができる。本反応においては、
化合物[XIII]またはその塩1モルに対しアルコー
ル1ないし5モル、好ましくは1ないし2モルを用い
る。
【0056】(方法E)本発明の化合物(I)に包含さ
れる式
【化51】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩は、例えば、式
【化52】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩を式
【化53】 (式中、各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩と反応することにより製造することが
できる。本反応は自体公知の縮合剤を用いるアミド化反
応、例えば実験化学講座22有機合成IV(丸善)に示さ
れた方法、もしくはそれに準じた方法により製造するこ
とができる。本反応においては、化合物[XVII]ま
たはその塩1モルに対し化合物[XVIII]またはそ
の塩1ないし5モル、好ましくは1ないし2モルを用い
る。縮合剤としては例えばジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(DCC)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド(水溶性カルボジイミ
ド、WSC)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)、ジ
フェニルホスホリルアジド(DPPA)などが用いられ
る。縮合剤の使用量は化合物[XVII]またはその塩
1モルに対し1ないし5モル、好ましくは1ないし3モ
ルである。反応溶媒としては例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、酢酸エチル、ベン
ゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシドなどのエーテル類、エステル類、炭化
水素類、アミド類、スルホキシド類などが用いられる。
本反応では塩基もしくは活性化剤の添加は反応を有利に
進める。このような塩基としては例えば、トリエチルア
ミンなどのアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、
ピリジンなどの環状アミン類などが用いられ、その使用
量は化合物[XVII]またはその塩1モルに対し1な
いし5モル、好ましくは1ないし3モルである。また活
性化剤としては1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1
−ヒドロキシ−1H−2−ピロリドン、N−ヒドロキシ
サクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミドなどが用
いられ、その使用量は化合物[XVII]またはその塩
1モルに対し1ないし5モル、好ましくは1ないし3モ
ルである。反応温度は−10ないし100℃,好ましく
は0ないし60℃である。反応時間は通常30分ないし
96時間、好ましくは1ないし72時間である。
【0057】式[XVII]で表される化合物またはそ
の塩は、例えば、式
【化54】 (式中、R1は前記と同意義を示し、Rは後述のRと同
意義を示す。)で表される化合物またはその塩を酸ある
いは塩基で処理することにより製造することができる。
用いられる酸としては塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸あ
るいは酢酸などの有機酸があげられ、塩基としては無機
塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩)などがあげられ
る。本反応は式[XIX]で表される化合物またはその
塩1gに対し2ないし50倍容量の上記無機酸水溶液中
(通常10ないし30%)、あるいは式[XIX]で表
される化合物またはその塩1モルに対し1ないし10モ
ルの上記塩基を含む水溶液中で行われる。また化合物の
溶解性から上記水溶液に有機溶媒を加えて反応を行うこ
ともできる。用いられる有機溶媒はメタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、酢酸などの有機酸類、ジオキ
サン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニ
トリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類などである。
反応温度は用いるエステル体およびその他の条件により
異なるが、0ないし200℃、好ましくは20ないし1
50℃である。反応時間は30分ないし48時間、好ま
しくは1ないし24時間である。式[XIX]で表され
る化合物またはその塩は、例えば、式
【化55】 (式中、Rは置換されていてもよい低級アルキル基を示
し、他の各記号は前記と同意義を示す。)で表される化
合物またはその塩を酸処理することにより製造すること
ができる。本反応は(方法C)で記載した方法と同様な
方法により行われる。Rで表される置換されていてもよ
い低級アルキル基としては、R1の好ましい例としての
置換されていてもよい低級アルキル基と同様のものなど
があげられる。
【0058】式[XX]で表される化合物またはその塩
は、例えば、式
【化56】 (式中、Xaはハロゲン原子を示し、他の各記号は前記
と同意義を示す。)で表される化合物またはその塩を前
述の式[XIV]で表される化合物またはその塩と反応
することにより製造することができる。Xで表されるハ
ロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが
あげられる。本反応は自体公知の方法、例えばケミカル
アンド ファーマシュウティカル ブレチン 30
3563(1982)記載の方法、もしくはそれに準じ
た方法により行われる。本反応において、化合物[XX
I]またはその塩1モルに対して化合物[XIV]また
はその塩を通常1ないし5モル、好ましくは1ないし3
モルを用いる。反応溶媒としてはメタノール、エタノー
ル、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセ
トンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ク
ロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素
類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類
などが用いられる。また本反応では酢酸ナトリウム、酢
酸カリウムなどの塩類の添加は反応を有利に進める。用
いられる塩類の量は、用いられる化合物および溶媒の種
類、その他の反応条件により異なるが、式[XXI]で
表される化合物またはその塩1モルに対し1ないし10
モル、好ましくは1ないし5モルである。反応温度は0
ないし200℃、好ましくは20ないし150℃であ
る。反応時間は化合物の種類、反応温度などによって異
なるが、1ないし72時間、好ましくは1ないし24時
間である。
【0059】式[XXI]で表される化合物またはその
塩は、市販のグルタミン酸あるいはアスパラギン酸など
の酸性アミノ酸から自体公知の方法、例えば、ヘテロサ
イクルズ 24 1331(1986)、ジャーナル
オブ オーガニック ケミストリー 58 1159
(1993)に記載の方法でアミノ基をハロゲン原子に
置換して製造することができる。本反応では酸性アミノ
酸もしくはそのエステル体またはその塩1モルに対して
ハロゲン酸1ないし100モル存在下、亜硝酸ナトリウ
ムなどのジアゾ化剤を1ないし10モル、好ましくは1
ないし3モル反応させる。ハロゲン酸としては塩化水
素、臭化水素、ヨウ化水素などが好ましい。反応溶媒は
アセトニトリルなどのニトリル類、水が好ましい。反応
温度は−50ないし100℃、好ましくは−20ないし
50℃である。反応時間は30分ないし24時間、好ま
しくは30分ないし12時間である。
【0060】以上の方法で化合物(I)が遊離の状態で
得られる時は、常法に従って、例えば無機酸(例えば塩
酸、硫酸、臭化水素酸など)、有機酸(例えばメタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
シュウ酸、フマール酸、マレイン酸、酒石酸など)、無
機塩基(例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属、アルミニウムまたはアンモニウムなど)または有機
塩基(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピ
リジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン
またはN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなど)など
との薬学的に許容しうる塩とすることもでき、化合物
(I)が塩の形で得られる時は、常法に従って、遊離形ま
たは他の塩に変換することもできる。以上の方法で得ら
れる化合物(I)またはその塩は、それ自体公知の分離精
製手段(例えば濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフ
ィー、再結晶など)を用いることにより精製、採取する
ことができる。
【0061】本願化合物(I)の原料化合物である化合
物は塩を形成していてもよく、これらの塩としては、例
えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸
など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、
プロピオン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、酒
石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが
用いられる。さらにこれらの化合物が−COOHなどの
酸性基を有している場合、無機塩基(例えば、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属、アンモニアなど)また
は有機塩基(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C
1-3アルキルアミンなど)と塩を形成してもよい。ま
た、前記各反応において、原料化合物が置換基としてア
ミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基を有する場
合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられ
るような保護基が導入されたものであってもよく、反応
後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合
物を得ることができる。アミノ基の保護基としては、例
えば置換されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル
(例えば、ホルミル、メチルカルボニル、エチルカルボ
ニルなど)、フェニルカルボニル、C1-6アルキル−オ
キシカルボニル(例えば、メトキシカ ルボニル、エト
キシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例
えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7-10アラルキ
ル−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルな
ど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これら
の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル−カルボニル
(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチ
ルカルボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基
の数は1ないし3個程度である。
【0062】カルボキシル基の保護基としては、例えば
置換されていてもよいC1-6アルキル(例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリル
などが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン
原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨー素など)、C
1-6アルキル−カルボニル(例えば、ホルミル、メチル
カルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニルな
ど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし
3個程度である。ヒドロキシル基の保護基としては、例
えば置換されていてもよいC1-6アルキル(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7-10アラルキル
(例えば、ベンジルなど)、C1-6アルキルカルボニル
(例えば、ホルミル、メチルカルボニル、エチルカルボ
ニルなど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、ベン
ズオキシカルボニルなど)、C7-10アラルキル−カルボ
ニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ピラ
ニル、フラニル、シリルなどが用いられる。これらの置
換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル、フェニル、C
7-10アラルキル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数
は1ないし4個程度である。
【0063】また、保護基の除去方法としては、それ自
体公知またはそれに準じる方法が用いられるが、例えば
酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラ
ジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テト
ラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウムなど
で処理する方法が用いられる。
【0064】本発明の化合物(I)またはその塩は優れ
たMMP阻害作用、特にMMP−13阻害作用を有す
る。また、本発明の化合物(I)またはその塩は、毒性
が低く、安全である。従って、優れたMMP阻害作用、
特にMMP−13阻害作用を有する本発明の化合物
(I)またはその塩は、哺乳動物(例えば、マウス、ラ
ット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツ
ジ、サル、ヒトなど)に対する、変形関節症、慢性関節
リウマチ、骨粗鬆症、癌、歯周病、角膜潰瘍、病的骨吸
収(ページェット病など)、腎炎、動脈硬化、肺気腫、
肝硬変、自己免疫疾患(クローン病、シェーグレン病な
ど)、癌転移、避妊などの安全な予防、治療薬として有
用である。
【0065】本発明の化合物(I)またはその塩を含む
製剤は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの固形製
剤、シロップ剤、乳剤、注射剤などの液剤のいずれであ
ってもよい。本発明の予防・治療用製剤は、製剤の形態
に応じて、例えば、混和、混練、造粒、打錠、コーティ
ング、滅菌処理、乳化などの慣用の方法で製造できる。
なお、製剤の製造に関して、例えば日本薬局法製剤総則
の各項などを参照できる。本発明の製剤において、化合
物(I)またはその塩の含有量は、製剤の形態によって
相違するが、通常、製剤全体に対して0.01〜100
重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好まし
くは0.5〜20重量%程度である。
【0066】本発明の化合物(I)またはその塩を前記
の医薬品として用いる場合、そのまま、或いは適宜の薬
理学的に許容され得る担体、例えば、賦形剤(例えば、
デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウムなど)、結合剤(例えば、デンプン、アラビヤゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、
ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤(例えばステアリ
ン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウムタルクなど)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチル
セルロースカルシウム、タルクなど)、希釈剤(例え
ば、注射用水、生理食塩水など)、必要に応じて添加剤
(安定剤、保存剤、着色剤、香料、溶解助剤、乳化剤、
緩衝剤、等張化剤など)などと常法により混合し、散
剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの固形剤ま
たは注射剤などの液剤の形態で経口的または非経口的に
投与することができる。投与量は化合物(I)または薬
学上許容可能なその塩の種類、投与ルート、症状、患者
の年令などによっても異なるが、例えば、変形性関節症
の成人患者に経口的に投与する場合、1日当たり体重1
kgあたり化合物(I)またはその塩として約0.00
5〜50mg,好ましくは約0.05〜10mg、さら
に好ましくは約0.2〜4mgを1〜3回に分割投与で
きる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下に、実施例および参考例に基
づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例および参考例により限定されるものではなく、
また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよ
い。
【0068】実施例のカラムクロマトグラフィーにおけ
る溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer C
hromatography 、薄層クロマトグラフィー)による観察
下に行われた。TLC観察においては、TLCプレート
としてメルク(Merck)社製の60F254 を用いた。ま
た、検出にはUV検出器あるいはリンモリブデン酸によ
る呈色反応を採用した。カラムクロマトグラフィー用の
シリカゲルとしては、メルク社製のシリカゲル60(7
0−230メッシュ)を用いた。分取TLCプレートと
しては、メルク社製の60F254を用いた。高速液体ク
ロマトグラフィーのカラムとしては、YMC Pack ODS SH-
343-5(ワイエムシー社製)を用いた。室温とあるのは
通常約10℃から35℃の温度を意味する。
【0069】NMR(核磁気共鳴)スペクトルはバリア
ン Gemini-200型スペクトロメーター(1H-NMR:200MHz)
あるいはブルカー DPX-300型スペクトロメーター(1H-N
MR:300MHz)を用いて測定した。内部基準としてテトラ
メチルシランを用い、全δ値をppmで示した。また、本
明細書の略号は以下の通りである。 CDCl3:重クロロホルム,DMSO−d6:重ジメチ
ルスルホキシド,Hz :ヘルツ,J:カップリング定
数,m:マルチプレット,q:クワルテット,t:トリ
プレット,d:ダブレット,s:シングレット,br:
ブロード,dd:ダブルダブレット,ddd:ダブルダ
ブルダブレット。
【0070】
【実施例】実施例1 3−ベンジル−4−オキソ−N−
(4−フェノキシベンジル)−2−チオキソ−5−チア
ゾリジンアセタミド 4−フェノキシベンズアルデヒド1.70g(8.58
mmol、アルドリッチ社製)をエタノール20mlに
溶解後、酢酸ナトリウム1.42g(17.3mmo
l)、ヒドロキシアミン塩酸塩766mg(11.0m
mol)の水溶液10mlを加えた後、2時間加熱還流
した。反応液を減圧下濃縮した後、水を加え、酢酸エチ
ルで2回抽出した。酢酸エチル層を水および飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃
縮して、4−フェノキシベンズアルデヒドオキシム1.
82g(収率99%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.12(1H, s), 7.77(1H, brs), 7.54(2H, d, J=8.7H
z), 7.37(2H, m), 7.15(1H, m), 7.05(2H, m), 7.00(2
H, d, J=8.7Hz). 得られた4−フェノキシベンズアルデヒドオキシム1.
82g(8.53mmol)をメタノール60mlに溶
解後、10%パラジウム活性炭素182mg、濃塩酸4
滴を加え、水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。触媒
を濾去した後、減圧下で濃縮し、4−フェノキシベンジ
ルアミン1.60g(収率94%)を無色油状物として
得た。得られた4−フェノキシベンジルアミン1.60
g(8.03mmol)をトルエン24mlに溶解後、
無水マレイン酸787mg(8.03mmol)を加え
室温で2時間撹拌した。得られた沈殿を濾取して、N−
(4−フェノキシベンジル)マレイン酸モノアミド1.
50g(収率63%)を白色粉末として得た。ベンジル
アミン11.7ml(0.11mol)、トリエチルア
ミン15.0ml(0.11mol)、ジエチルエーテ
ル500mlの混合物に室温で撹拌しながら、二硫化炭
素7.1ml(0.12mol)をゆっくりと滴下し
た。その後、さらに室温で2.8時間撹拌した。析出し
た沈殿を濾取して、ベンジルジチオカルバミン酸トリエ
チルアミン塩26.8g(収率86%)を無色針状晶と
して得た。上記で得られたN−(4−フェノキシベンジ
ル)マレイン酸モノアミド595mg(2.00mmo
l)およびベンジルジチオカルバミン酸トリエチルアミ
ン塩569mg(2.00mmol)をエタノール10
mlに溶解し、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧
下濃縮後、食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル
(70:30−60:40)で溶出し、3−ベンジル−
4−オキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−2−チ
オキソ−5−チアゾリジンアセタミド119mg(収率
13%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2522232として 計算値:C,64.91;H,4.79;N,6.06;S,13.86. 実測値:C,65.33;H,4.73;N,5.99;S,13.76.
【0071】実施例2 3−イソブチル−4−オキソ−
N−(4−フェノキシベンジル)−2−チオキソ−5−
チアゾリジンアセタミド 実施例1で得られたN−(4−フェノキシベンジル)マ
レイン酸モノアミド595mg(2.00mmol)を
アセトン10mlに溶解後、氷冷下、二硫化炭素120
μl(2.00mmol)、イソブチルアミン199μ
l(2.00mmol)を加え、室温で16時間撹拌し
た。減圧下で濃縮後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出
した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチ
ル(80:20−70:30)で溶出し、3−イソブチ
ル−4−オキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド257mg
(収率30%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2224232として 計算値:C,61.66;H,5.64;N,6.54;S,14.96. 実測値:C,61.83;H,5.54;N,6.49;S,14.96.
【0072】実施例3 3−(2−t−ブトキシカルバ
モイルエチル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシベ
ンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド エチレンジアミン4.01ml(60.0mmol)を
テトラヒドロフラン30mlに溶解後、氷冷下撹拌しな
がら二炭酸−ジ−t−ブチル4.59ml(20.0m
mol)のテトラヒドロフラン溶液10mlを30分か
けて滴下した後、室温で16時間撹拌した。反応液を減
圧下で濃縮後、飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで3
回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃
縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ク
ロロホルム:メタノール(80:20−50:50)で
溶出し、N−t−ブトキシカルバモイル(Boc)−エ
チレンジアミン2.92g(収率91%)を無色油状物
として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:4.88(1H, m), 3.17(2H, m), 2.80(2H, t, J=5.8H
z), 1.45(9H, s). 実施例1で得られたN−(4−フェノキシベンジル)マ
レイン酸モノアミド30.0g(101mmol)を酢
酸400mlに溶解後、8時間加熱還流した。反応液を
減圧下で濃縮後、トルエンに溶解し、不溶物を濾過し
た。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(80:20)で溶
出、ヘキサン−酢酸エチルから粉末化してN−(4−フ
ェノキシ)ベンジルマレイミド8.41g(収率30
%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.32(4H, m), 7.10(1H, m), 6.98(2H, m), 6.93(2
H, d, J=8.7Hz), 6.70(2H, s), 4.64(2H, s). 得られたN−(4−フェノキシベンジル)マレイミド5
59mg(2.00mmol)をエタノール10mlに
溶解後、氷冷下、二硫化炭素120μl(2.00mm
ol)、上記で得られたN−Boc−エチレンジアミン
320mg(2.00mmol)を加えた後、室温で1
6時間撹拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで
2回抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エ
チル(60:40)溶出画分を濃縮後、分取高速液体ク
ロマトグラフィー(カラム:YMC Pack SH―
343―5 ODS、移動層:70%アセトニトリル
水、流速10ml/min)で分画し、主生成物を集
め、減圧下で濃縮後、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸
エチル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、濃縮乾固して3−(2−t−ブトキシカルバモ
イルエチル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシベン
ジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド5
25mg(収率51%)を無色油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.34(2H, m), 7.22(2H, d, J=8.7Hz), 7.11(1H,
m), 6.98(4H, m), 6.00(1H, m), 5.08(1H, m), 4.42(3
H, m), 4.33(1H, m), 4.08(1H ,m), 3.50(1H, m), 3.42
(1H, m), 3.06(2H, m), 1.39(9H, s).
【0073】実施例4 3−(3−t−ブトキシカルバ
モイルプロピル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシ
ベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミ
ド 実施例3と同様の方法により、1,3−ジアミノプロパ
ン4.45g(60.0mmol)、二炭酸ジ−t−ブ
チル4.49ml(20.0mmol)からN−Boc
−1,3−ジアミノプロパン2.93g(収率84%)
を無色油状物として得た。得られたN−Boc−1,3
−ジアミノプロパン348mg(2.00mmol)、
N−(4−フェノキシベンジル)マレイミド559mg
(2.00mmol)、二硫化炭素120μl(2.0
0mmol)から実施例3と同様の方法で処理し、得ら
れた反応液に水を加えた後、酢酸エチルで2回抽出し
た。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(6
0:40−50:50)で溶出し、濃縮乾固して3−
(3−t−ブトキシカルバモイルプロピル)−4−オキ
ソ−N−(4−フェノキシベンジル)−2−チオキソ−
5−チアゾリジンアセタミド521mg(収率49%)
を無色油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.34(2H, m), 7.23(2H, d, J=8.7Hz), 7.11(1H,
m), 6.98(4H, m), 5.91(1H, m), 4.88(1H, m), 4.50(1
H, dd, J=8.7,4.1Hz), 4.42(2H, d, J=5.7Hz), 4.07(2
H, m), 3.11(3H, m), 2.89(1H, dd, J=16.0,8.7Hz), 1.
87(2H, m), 1.43(9H,s).
【0074】実施例5 3−(4−t−ブトキシカルバ
モイルブチル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシベ
ンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例3と同様の方法により、1,4−ジアミノブタン
5.00g(56.7mmol)、二炭酸ジ−t−ブチ
ル4.34ml(28.9mmol)からN−Boc−
1,4−ジアミノブタン3.48g(収率98%)を無
色油状物として得た。得られたN−Boc−1,4−ジ
アミノブタン377mg(2.00mmol)、N−
(4−フェノキシベンジル)マレイミド559mg
(2.00mmol)、二硫化炭素120μl(2.0
0mmol)から実施例4と同様の方法で処理し、3−
(4−t−ブトキシカルバモイルブチル)−4−オキソ
−N−(4−フェノキシベンジル)−2−チオキソ−5
−チアゾリジンアセタミド528mg(収率49%)を
白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2733352として 計算値:C,59.65;H,6.12;N,7.33. 実測値:C,59.83;H,6.09;N,7.45.
【0075】実施例6 3−(2−アミノエチル)−4
−オキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−2−チオ
キソ−5−チアゾリジンアセタミド塩酸塩 実施例3で得られた3−(2−t−ブトキシカルバモイ
ルエチル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシベンジ
ル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド42
5mg(0.824mmol)を4N塩酸/酢酸エチル
4.0ml(国産化学社製)に溶解し、室温で1時間撹
拌した。反応液に水を加えた後、減圧下で濃縮し、析出
物を濾取して3−(2−アミノエチル)−4−オキソ−
N−(4−フェノキシベンジル)−2−チオキソ−5−
チアゾリジンアセタミド塩酸塩289mg(収率84
%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2021332・HClとして 計算値:C,53.14;H,4.91;N,9.30;S,14.19. 実測値:C,53.32;H,4.69;N,9.37;S,13.91.
【0076】実施例7 3−(3−アミノプロピル)−
4−オキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−2−チ
オキソ−5−チアゾリジンアセタミド塩酸塩 実施例4で得られた3−(3−t−ブトキシカルバモイ
ルプロピル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシベン
ジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド4
21mg(0.795mmol)を4N塩酸/酢酸エチ
ル4.0mlに溶解し、室温で0.5時間撹拌した。反
応液に水を加えた後、減圧下で濃縮後、XAD−II4
0ml(アンバーライト社製)に吸着させ、水160m
lで洗浄後、50%メタノール水および80%メタノー
ル水で溶出した。減圧下で濃縮後、凍結乾燥して3−
(3−アミノプロピル)−4−オキソ−N−(4−フェ
ノキシベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンア
セタミド塩酸塩203mg(収率55%)を白色粉末と
して得た。 元素分析値(%):C2123332・HCl・H2
として 計算値:C,52.11;H,5.41;N,8.68;S,13.25. 実測値:C,52.40;H,5.24;N,8.86;S,13.45.
【0077】実施例8 3−(4−アミノブチル)−4
−オキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−2−チオ
キソ−5−チアゾリジンアセタミド塩酸塩 実施例5で得られた3−(4−t−ブトキシカルバモイ
ルブチル)−4−オキソ−N−(4−フェノキシベンジ
ル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド42
8mg(0.787mmol)を実施例7と同様の方法
で処理し、3−(4−アミノブチル)−4−オキソ−N
−(4−フェノキシベンジル)−2−チオキソ−5−チ
アゾリジンアセタミド塩酸塩221mg(収率59%)
を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2225332・HCl・0.
5H2Oとして 計算値:C,54.03;H,5.56;N,8.59;S,13.11. 実測値:C,53.67;H,5.46;N,8.87;S,13.16.
【0078】実施例9 N−(4−(2−クロロフェノ
キシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ−2−
チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 2−クロロフェノール3.00g(23.3mmol)
をピリジン50mlに溶解し、4−ブロモベンゾニトリ
ル5.10g(28.0mmol)、炭酸カリウム6.
40g(46.3mmol)を加え、100℃で2時間
撹拌した。反応液に酸化銅4.60g(57.8mmo
l)を加え、120℃でさらに20.5時間撹拌した。
反応液を放冷後、不溶物を濾去し、減圧下で濃縮、酢酸
エチルに溶解した。この溶液を10%炭酸水素ナトリウ
ム溶液で、3回洗浄し、水、飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢
酸エチル(95:5)で溶出した画分を減圧下で濃縮、
4−(2−クロロフェノキシ)ベンゾニトリル2.30
g(収率43%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.61(2H, d, J=8.9Hz), 7.51(1H, dd, J=7.9,1.6H
z), 7.33(1H, ddd, J=7.7,7.7,1.7Hz), 7.22(1H, ddd,
J=7.7,7.7,1.6Hz), 7.13(1H, dd, J=7.9,1.6Hz), 6.94
(2H, d, J=8.9Hz). 得られた4−(2−クロロフェノキシ)ベンゾニトリル
2.30g(10.0mmol)をテトラヒドロフラン
100mlに溶解し、氷浴中で撹拌しながら、水素化リ
チウムアルミニウム1.14g(30.0mmol)を
少量ずつ加え、氷浴中で1.5時間、室温に戻し、さら
に19.5時間撹拌した。反応液に水を加え、不溶物を
濾去し、希塩酸で酸性にした後、酢酸エチルで洗浄し
た。水層に水酸化ナトリウムを加えて塩基性にした後、
酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下で濃縮して、4−(2−クロロフェノキ
シ)ベンジルアミン1.49g(収率64%)を褐色油
状物として得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.45(1H, dd, J=7.9,1.7Hz), 7.34-7.17(3H, m), 7.
08(1H, m), 7.02-6.90(3H, m), 3.85(2H, s). 得られた4−(2−クロロフェノキシ)ベンジルアミン
1.49g(6.38mmol)、無水マレイン酸69
0mg(7.04mmol)を酢酸50mlに溶解し、
120℃で15.5時間撹拌した。反応液を減圧下で濃
縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘ
キサン:酢酸エチル(90:10−80:20)で溶出
した画分を減圧下で濃縮、N−(4−(2−クロロフェ
ノキシ)ベンジル)マレイミド674mg(収率34
%)を白色粉末として得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.45(1H, dd, J=7.9,1.6Hz), 7.32(2H, d, J=8.6H
z), 7.21(1H, ddd, J=7.9,7.9,1.7Hz), 7.09(1H, ddd,
J=7.9,7.9,1.7Hz), 6.98(1H, dd, J=7.9,1.6Hz), 6.88
(2H, d, J=8.6Hz), 6.71(2H, s), 4.64(2H, s). イソブチルアミン11.0ml(0.11mol)、ト
リエチルアミン23.0ml(0.17mol)、ジエ
チルエーテル500mlの混合物に室温で撹拌しなが
ら、二硫化炭素7.1ml(0.12mol)をゆっく
りと滴下した。その後、さらに室温で2時間撹拌した。
析出した沈殿を濾取して、イソブチルジチオカルバミン
酸トリエチルアミン塩25.4g(収率92%)を無色
針状晶として得た。上記で得られたN−(4−(2−ク
ロロフェノキシ)ベンジル)マレイミド313mg
(1.0mmol)とイソブチルジチオカルバミン酸ト
リエチルアミン塩276mg(1.1mmol)をエタ
ノール15mlに溶解し、室温で13.5時間撹拌し
た。反応液を減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(80:2
0)で溶出した画分を減圧下で濃縮し、エタノールから
再結晶してN−(4−(2−クロロフェノキシ)ベンジ
ル)−3−イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−5
−チアゾリジンアセタミド255mg(収率55%)を
無色針状晶として得た。 元素分析値(%):C2223232Clとして 計算値:C,57.07;H,5.01;N,6.05;S,13.85. 実測値:C,57.38;H,5.12;N,6.17;S,13.82.
【0079】実施例10 N−(4−(4−クロロフェ
ノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−クロロフェノールおよび無水マレイン酸から調
製したN−(4−(4−クロロフェノキシ)ベンジル)
マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチルアミ
ン、二硫化炭素から、得られたN−(4−(4−クロロ
フェノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドをエタノ
ールから再結晶して淡褐色鱗片状晶として得た。(収率
19%)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.29(2H, d, J=8.9Hz), 7.24(2H, d, J=8.6Hz), 6.9
6(2H, d, J=8.6Hz), 6.93(2H, d, J=8.9Hz), 5.80(1H,
brt), 4.53(1H, dd, J=10.0,3.8Hz), 4.43(2H, d, J=5.
7Hz), 3.84(2H, m), 3.20(1H, dd, J=16.1,3.8Hz), 2.7
8(1H, dd, J=16.1,10.0Hz), 2.27(1H, m), 0.91(3H, d,
J=6.7Hz), 0.91(3H, d, J=6.7Hz).
【0080】実施例11 3−イソブチル−N−(4−
(2−メトキシフェノキシ)ベンジル)−4−オキソ−
2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、2−メトキシフェノールおよび無水マレイン酸から
調製したN−(4−(2−メトキシフェノキシ)ベンジ
ル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチルア
ミン、二硫化炭素から、得られた3−イソブチル−N−
(4−(2−メトキシフェノキシ)ベンジル)−4−オ
キソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドをエ
タノールから再結晶して黄色立方晶として得た。(収率
71%) 元素分析値(%):C2326242として 計算値:C,60.24;H,5.71;N,6.11;S,13.98. 実測値:C,60.22;H,5.75;N,6.15;S,14.07.
【0081】実施例12 3−イソブチル−N−(4−
(3−メトキシフェノキシ)ベンジル)−4−オキソ−
2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ルおよび3−メトキシフェノールから調製した4−(3
−メトキシフェノキシ)ベンジルアミン1.74g
(7.6mmol)と無水マレイン酸824mg(8.
4mmol)を酢酸50mlに溶解し、120℃で13
時間加熱した。反応液を減圧下で濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル
(20:80)で溶出した画分を減圧下で濃縮して、N
−(4−(3−メトキシフェノキシ)ベンジル)マレイ
ミド1.37g(収率62%)を黄色油状物として得
た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.31(2H, d, J=8.6Hz), 7.22(1H, m), 6.95(2H, d,
J=8.6Hz), 6.71(2H, s),6.65(1H, m), 6.56(2H, m), 4.
65(2H, s), 3.77(3H, s). 得られたN−(4−(3−メトキシフェノキシ)ベンジ
ル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチルア
ミン、二硫化炭素から、実施例9と同様の方法により、
3−イソブチル−N−(4−(3−メトキシフェノキ
シ)ベンジル)−4−オキソ−2−チオキソ−5−チア
ゾリジンアセタミドを黄色粉末として得た。(収率25
%) 元素分析値(%):C2326242として 計算値:C,60.24;H,5.71;N,6.11;S,13.98. 実測値:C,60.35;H,5.69;N,6.20;S,13.89.
【0082】実施例13 3−イソブチル−N−(4−
(4−メトキシフェノキシ)ベンジル)−4−オキソ−
2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−メトキシフェノールおよび無水マレイン酸から
調製したN−(4−(4−メトキシフェノキシ)ベンジ
ル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチルア
ミン、二硫化炭素から、得られた3−イソブチル−N−
(4−(4−メトキシフェノキシ)ベンジル)−4−オ
キソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドをエ
タノールから再結晶して淡黄色針状晶として得た。(収
率48%) 元素分析値(%):C2326242として 計算値:C,60.24;H,5.71;N,6.11;S,13.98. 実測値:C,60.42;H,5.68;N,6.08;S,13.32.
【0083】実施例14 3−(2−メトキシエチル)
−N−(4−(4−メトキシフェノキシ)ベンジル)−
4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミ
ド 実施例13で調製したN−(4−(4−メトキシフェノ
キシ)ベンジル)マレイミドおよび2−メトキシエチル
アミン、トリエチルアミン、二硫化炭素から、3−(2
−メトキシエチル)−N−(4−(4−メトキシフェノ
キシ)ベンジル)−4−オキソ−2−チオキソ−5−チ
アゾリジンアセタミドを白色粉末として得た。(収率1
6%)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.19(2H, d, J=8.4Hz), 6.97(2H, d, J=9.0Hz), 6.9
0(2H, d, J=8.4Hz), 6.88(2H, d, J=9.0Hz), 5.83(1H,
brt), 4.53(1H, dd, J=9.9,3.8Hz), 4.40(2H, d,J=5.6H
z), 4.22(2H, m), 3.81(3H, s), 3.64(2H, dd, J=5.6,
5.6Hz), 3.33(3H,s), 3.17(1H, dd, J=16.1,3.8Hz), 2.
80(1H, dd, J=16.1,9.9Hz).
【0084】実施例15 N−(4−(4−エトキシフ
ェノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ−
2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−エトキシフェノールおよび無水マレイン酸から
調製したN−(4−(4−エトキシフェノキシ)ベンジ
ル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチルア
ミン、二硫化炭素から、N−(4−(4−エトキシフェ
ノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドを白色粉末と
して得た。(収率10%) 元素分析値(%):C2428242として 計算値:C,60.99;H,5.97;N,5.93;S,13.57. 実測値:C,61.01;H,5.79;N,6.01;S,13.48.
【0085】実施例16 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(4−プロポキシフェノキシ)ベンジル)
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−プロポキシフェノールおよび無水マレイン酸か
ら調製したN−(4−(4−プロポキシフェノキシ)ベ
ンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチ
ルアミン、二硫化炭素から、得られた3−イソブチル−
4−オキソ−N−(4−(4−プロピルオキシフェノキ
シ)ベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセ
タミドをエタノールから再結晶して淡黄色針状晶として
得た。(収率30%) 元素分析値(%):C2530242として 計算値:C,61.70;H,6.21;N,5.76;S,13.18. 実測値:C,62.03;H,6.09;N,5.95;S,12.97.
【0086】実施例17 3−イソブチル−N−(4−
(4−イソプロポキシフェノキシ)ベンジル)−4−オ
キソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−イソプロポキシフェノールおよび無水マレイン
酸から調製したN−(4−(4−イソプロポキシフェノ
キシ)ベンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、
トリエチルアミン、二硫化炭素から、得られた3−イソ
ブチル−N−(4−(4−イソプロポシフェノキシ)ベ
ンジル)−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジ
ンアセタミドをエタノールから再結晶して黄色針状晶と
して得た。(収率28%) 元素分析値(%):C2530242として 計算値:C,61.70;H,6.21;N,5.76;S,13.18. 実測値:C,61.55;H,6.06;N,5.81;S,12.99.
【0087】実施例18 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(4−n−ペンチルオキシフェノキシ)ベ
ンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−ペンチルオキシフェノールおよび無水マレイン
酸から調製したN−(4−(4−n−ペンチルオキシフ
ェノキシ)ベンジル)マレイミドおよびイソブチルアミ
ン、トリエチルアミン、二硫化炭素から、得られた3−
イソブチル−4−オキソ−N−(4−(4−n−ペンチ
ルオキシフェノキシ)ベンジル)−2−チオキソ−5−
チアゾリジンアセタミドをエタノールから再結晶して黄
色針状晶として得た。(収率30%) 元素分析値(%):C2734242として 計算値:C,63.01;H,6.66;N,5.44;S,12.46. 実測値:C,63.12;H,6.55;N,5.46;S,12.29.
【0088】実施例19 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(4−フェノキシフェノキシ)ベンジル)
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−フェノキシフェノールおよび無水マレイン酸か
ら調製したN−(4−(4−フェノキシフェノキシ)ベ
ンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチ
ルアミン、二硫化炭素から、3−イソブチル−4−オキ
ソ−N−(4−(4−フェノキシフェノキシ)ベンジ
ル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドを淡
黄色粉末として得た。(収率46%)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.34(2H, m), 7.23(2H, d, J=8.5Hz), 7.09(1H, t,
J=7.4Hz), 7.03-6.90(8H, m), 5.79(1H, brt), 4.53(1
H, dd, J=10.0,3.8Hz), 4.42(2H, d, J=5.6Hz), 3.84(2
H, m), 3.19(1H, dd, J=16.1,3.8Hz), 2.78(1H, dd, J=
16.1,10.0Hz), 2.27(1H, m), 0.91(3H, d, J=6.7Hz),
0.90(3H, d, J=6.7Hz).
【0089】実施例20 N−(4−(4−ベンジルオ
キシフェノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オ
キソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−ベンジルオキシフェノールおよび無水マレイン
酸から調製したN−(4−(4−ベンジルオキシフェノ
キシ)ベンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、
トリエチルアミン、二硫化炭素から、N−(4−(4−
ベンジルオキシフェノキシ)ベンジル)−3−イソブチ
ル−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセ
タミドを淡黄色粉末として得た。(収率35%)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.46−7.28(5H, m), 7.19
(2H, d, J=8.6Hz), 6.97−6.
85(6H, m), 5.77(1H, brt),
5.04(2H, s), 4.52(1H, d
d, J=10.0,3.8Hz), 4.40(2
H, d, J=5.6Hz), 3.83(2H,
m), 3.18(1H, dd, J=16.1,
3.8Hz), 2.76(1H, dd, J=1
6.1,10.0Hz), 2.27(1H, m),
0.91(3H, d, J=6.7Hz), 0.
90(3H, d, J=6.7Hz).
【0090】実施例21 3−イソブチル−N−(4−
(4−メチルフェノキシ)ベンジル)−4−オキソ−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−メチルフェノールおよび無水マレイン酸から調
製したN−(4−(4−メチルフェノキシ)ベンジル)
マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチルアミ
ン、二硫化炭素から、得られた3−イソブチル−N−
(4−(4−メチルフェノキシ)ベンジル)−4−オキ
ソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドをエタ
ノールから再結晶して淡黄色針状晶として得た。(収率
40%) 元素分析値(%):C2326232として 計算値:C,62.42;H,5.92;N,6.33;S,14.49. 実測値:C,62.41;H,5.64;N,6.38;S,14.44.
【0091】実施例22 3−イソブチル−N−(4−
(4−イソプロピルフェノキシ)ベンジル)−4−オキ
ソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 4−ブロモベンゾニトリル5.00g(27.5mmo
l)をピリジン100mlに溶解後、4−イソプロピル
フェノール8.24g(60.5mmol)、炭酸カリ
ウム15.2g(110mmol)を加え、100℃で
2時間撹拌後、酸化銅10.9g(138mmol)を
加え、21時間加熱還流した。反応液を濾過し、減圧下
で濃縮後、酢酸エチルを加え、10%くえん酸水、飽和
炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル
(100:0−95:5)で溶出し、4−(4−イソプ
ロピルフェノキシ)ベンゾニトリル6.30g(収率9
7%)を無色油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.58(2H, d, J=9.0Hz), 7.26(2H, d, J=8.3Hz), 6.
99(4H, m), 2.94(1H, m), 1.27(6H, d, J=7.2Hz). 得られた4−(4−イソプロピルフェノキシ)ベンゾニ
トリル6.30g(26.5mmol)をジエチルエー
テル100mlに溶解後、水素化リチウムアルミニウム
2.02g(53.1mmol)を加え、室温で1時間
撹拌した。反応液に氷冷下、水を加えた後、酢酸エチル
で2回抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、トルエ
ン200mlに溶解し、無水マレイン酸2.60g(2
6.5mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。得ら
れた析出物を濾取してN−(4−(4−イソプロピルフ
ェノキシ)ベンジル)マレイン酸モノアミド7.50g
(収率87%)を白色粉末として得た。得られたN−
(4−(4−イソプロピルフェノキシ)ベンジル)マレ
イン酸モノアミド679mg(2.00mmol)、二
硫化炭素120μl(2.00mmol)、イソブチル
アミン199μl(2.00mmol)を実施例2と同
様の方法で処理し、3−イソブチル−N−(4−(4−
イソプロピルフェノキシ)ベンジル)−4−オキソ−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド428mg
(収率46%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2530232として 計算値:C,63.80;H,6.42;N,5.95;S,13.63. 実測値:C,63.73;H,6.31;N,5.98;S,13.61.
【0092】実施例23 N−(4−(4−t−ブチル
フェノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例22と同様に4−ブロモベンゾニトリル5.00
g(27.5mmol)、4−t−ブチルフェノール
8.26g(55.0mmol)から4−(4−t−ブ
チルフェノキシ)ベンゾニトリル6.64g(収率96
%)を白色粉末として得た。水素化リチウムアルミニウ
ムで還元後、無水マレイン酸2.55g(26.0mm
ol)と反応してN−(4−(4−t−ブチルフェノキ
シ)ベンジル)マレイン酸モノアミド7.37g(収率
80%)を白色粉末として得た。得られたN−(4−
(4−t−ブチルフェノキシ)ベンジル)マレイン酸モ
ノアミド707mg(2.00mmol)、二硫化炭素
120μl(2.00mmol)、イソブチルアミン1
99μl(2.00mmol)を実施例2と同様の方法
で処理し、N−(4−(4−t−ブチルフェノキシ)ベ
ンジル)−3−イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ
−5−チアゾリジンアセタミド274mg(収率28
%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2632232として 計算値:C,64.43;H,6.65;N,5.78. 実測値:C,64.90;H,6.53;N,5.37.
【0093】実施例24 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(4−n−ペンチルフェノキシ)ベンジ
ル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例22と同様に4−ブロモベンゾニトリル5.00
g(27.5mmol)、4−n−ペンチルフェノール
9.41ml(55.0mmol)から4−(4−n−
ペンチル)フェノキシベンゾニトリル7.19g(収率
98%)を無色油状物として得た。水素化リチウムアル
ミニウムで還元後、無水マレイン酸2.27g(23.
1mmol)と反応してN−(4−(4−n−ペンチル
フェノキシ)ベンジル)マレイン酸モノアミド7.34
g(収率87%)を白色粉末として得た。得られたN−
(4−(4−n−ペンチルフェノキシ)ベンジル)マレ
イン酸モノアミド735mg(2.00mmol)、二
硫化炭素120μl(2.00mmol)、イソブチル
アミン199μl(2.00mmol)を実施例2と同
様の方法で処理し、3−イソブチル−4−オキソ−N−
(4−(4−n−ペンチルフェノキシ)ベンジル)−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド305mg
(収率31%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2734232として 計算値:C,65.03;H,6.87;N,5.62;S,12.86. 実測値:C,65.07;H,6.61;N,5.63;S,12.84.
【0094】実施例25 N−(4−(4−シクロペン
チルフェノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オ
キソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−シクロペンチルフェノールおよび無水マレイン
酸から調製したN−(4−(4−シクロペンチルフェノ
キシ)ベンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、
トリエチルアミン、二硫化炭素から、得られたN−(4
−(4−シクロペンチルフェノキシ)ベンジル)−3−
イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリ
ジンアセタミドをエタノールから再結晶して淡黄色針状
晶として得た。(収率33%) 元素分析値(%):C2732232として 計算値:C,65.29;H,6.49;N,5.64. 実測値:C,65.44;H,6.22;N,5.63.
【0095】実施例26 N−(4−(4−シクロヘキ
シルフェノキシ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オ
キソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−シクロヘキシルフェノールおよび無水マレイン
酸から調製したN−(4−(4−シクロヘキシルフェノ
キシ)ベンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、
トリエチルアミン、二硫化炭素から、得られたN−(4
−(4−シクロヘキシルフェノキシ)ベンジル)−3−
イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリ
ジンアセタミドをエタノールから再結晶して淡黄色針状
晶として得た。(収率38%) 元素分析値(%):C2834232として 計算値:C,65.85;H,6.71;N,5.49;S,12.56. 実測値:C,65.78;H,6.52;N,5.61;S,12.49.
【0096】実施例27 3−イソブチル−N−(4−
(4−(2−メトキシエチル)フェノキシ)ベンジル)
−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタ
ミド 実施例22と同様に4−ブロモベンゾニトリル5.00
g(27.5mmol)、4−(2−メトキシエチル)
フェノール8.37mg(55.0mmol)から4−
(4−(2−メトキシエチル)フェノキシ)ベンゾニト
リル6.47g(収率93%)を無色油状物として得
た。水素化リチウムアルミニウムで還元後、無水マレイ
ン酸2.41g(24.6mmol)と反応してN−
(4−(4−(2−メトキシエチル)フェノキシ)ベン
ジル)マレイン酸モノアミド7.75g(収率89%)
を白色粉末として得た。得られたN−(4−(4−(2
−メトキシエチル)フェノキシ)ベンジル)マレイン酸
モノアミド711mg(2.00mmol)、二硫化炭
素120μl(2.00mmol)、イソブチルアミン
199μl(2.00mmol)を実施例2と同様の方
法で処理し、3−イソブチル−N−(4−(4−(2−
メトキシエチル)フェノキシ)ベンジル)−4−オキソ
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド338m
g(収率35%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2530232として 計算値:C,61.70;H,6.21;N,5.76;S,13.18. 実測値:C,61.69;H,6.14;N,5.77;S,13.21.
【0097】実施例28 3−イソブチル−N−(4−
(4−メチルチオフェノキシ)ベンジル)−4−オキソ
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例9と同様の方法により、4−ブロモベンゾニトリ
ル、4−メチルチオフェノールおよび無水マレイン酸か
ら調製したN−(4−(4−メチルチオフェノキシ)ベ
ンジル)マレイミドおよびイソブチルアミン、トリエチ
ルアミン、二硫化炭素から、得られた3−イソブチル−
N−(4−(4−メチルチオフェノキシ)ベンジル)−
4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミ
ドをエタノールから再結晶して淡黄色針状晶として得
た。(収率41%) 元素分析値(%):C2326233として 計算値:C,58.20;H,5.52;N,5.90;S,20.27. 実測値:C,58.32;H,5.37;N,5.87;S,20.05.
【0098】実施例29 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(2−ピリジルオキシ)ベンジル)−2−
チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 4−シアノフェノール8.00g(67.2mmol)
をメタノール80mlに溶解後、ふっ化カリウム3.9
0g(67.2mmol)を加え、室温で0.5時間撹
拌した。濃縮後、ジエチルエーテル加え、粉末化して複
合体11.6g(収率97%)を白色粉末として得た。
この複合体5.00g(28.2mmol)をジメチル
スルホキシド50mlに溶解後、2−クロロ−5−ニト
ロピリジン4.47g(28.2mmol)を加え、1
10℃で4時間撹拌した。反応液に水を加えた後、酢酸
エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を水で2回、飽和
食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下で濃縮後、酢酸エチルから粉末化して4−
(5−ニトロ−2−ピリジルオキシ)ベンゾニトリル
5.37g(収率79%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 9.02(1H, d, J=2.8Hz), 8.55(1H, dd, J=9.0,2.8H
z), 7.76(2H, d, J=8.7Hz), 7.31(2H, d, J=8.7Hz), 7.
15(1H, d, J=9.0Hz). 得られた4−(5−ニトロ−2−ピリジルオキシ)ベン
ゾニトリル4.84g(20.1mmol)を酢酸エチ
ル100ml、テトラヒドロフラン10mlに溶解後、
10%パラジウム活性炭素500mgを加え、水素雰囲
気下6時間撹拌した。触媒を濾過した後、濃縮乾固し
た。残留物をホルムアミド45mlに溶解後、トリフル
オロ酢酸2.71ml(35.2mmol)、亜硝酸ナ
トリウム1.39gの水溶液4mlを加え、室温で20
分撹拌した。さらにトリエチルアミン8.40ml(6
0.3mmol)を加え、室温で20分撹拌した。反応
液に水を加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エ
チル層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エ
チル(85:15−80:20)で溶出して4−(2−
ピリジルオキシ)ベンゾニトリル1.76g(収率45
%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.22(1H, dd, J=4.9,1.9Hz), 7.77(1H, m), 7.68(2
H, d, J=8.9Hz), 7.24(2H, d, J=8.9Hz), 7.10(1H, dd,
J=7.3,4.9Hz), 7.02(1H, d, J=8.3Hz). 得られた4−(2−ピリジルオキシ)ベンゾニトリル
1.76g(8.97mmol)をテトラヒドロフラン
50mlに溶解後、水素化リチウムアルミニウム681
mg(17.9mmol)を加え、室温で1時間撹拌し
た。反応液に氷冷下、水を加え、酢酸エチルで2回抽出
後、1N塩酸水10mlで抽出した。水層はpH9に調
整後、食塩を加えた後、酢酸エチルで3回再抽出した。
酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下で濃縮乾固して4−(2−ピリジ
ルオキシ)ベンジルアミン1.54g(収率86%)を
無色油状物として得た。得られた4−(2−ピリジルオ
キシ)ベンジルアミン1.54g(7.69mmol)
を酢酸30mlに溶解し、無水マレイン酸754mg
(7.69mmol)を加えた後、16時間加熱還流し
た。反応液を濃縮後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出
した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下で乾燥後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル
(70:30)で溶出後、濃縮乾固してN−(4−(2
−ピリジルオキシ)ベンジル)マレイミド950mg
(収率44%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.18(1H, dd, J=4.9,1.9Hz), 7.68(1H, m), 7.40(2
H, d, J=8.3Hz), 7.08(2H, d, J=8.3Hz), 6.99(1H, m),
6.90(1H, d, J=8.3Hz), 6.71(2H, s), 4.67(2H,s). 得られたN−(4−(2−ピリジルオキシ)ベンジル)
マレイミド560mg(2.00mmol)をエタノー
ル10mlに溶解後、氷冷下、二硫化炭素120μl
(2.00mmol)、イソブチルアミン199μl
(2.00mmol)を加え、室温で16時間撹拌し
た。反応液を減圧下で濃縮後、水を加えた後、酢酸エチ
ルで2回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサ
ン:酢酸エチル(50:50)で溶出して3−イソブチ
ル−4−オキソ−N−(4−(2−ピリジルオキシ)ベ
ンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド
510mg(収率59%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2123332として 計算値:C,58.72;H,5.40;N,9.78;S,14.93. 実測値:C,58.90;H,5.35;N,9.50;S,14.70.
【0099】実施例30 3−ベンジル−4−オキソ−
N−(4−フェニルチオベンジル)−2−チオキソ−5
−チアゾリジンアセタミド 4−ブロモベンゾニトリル1.5g(8.20mmo
l)をピリジン50mlに溶解し、チオフェノール1.
85ml(18.0mmol)、炭酸カリウム4.55
g(32.8mmol)を加え、100℃で2時間撹拌
した。反応液に酸化銅3.28g(41.0mmol)
を加え、120℃でさらに21.5時間撹拌した。反応
液を放冷後、不溶物を濾去し、減圧下で濃縮、酢酸エチ
ルに溶解した。この溶液を10%炭酸水素ナトリウム水
で、3回洗浄し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチ
ル(100:0−90:10)で溶出した画分を減圧下で
濃縮して、4−フェニルチオベンゾニトリル1.69g
(収率98%)を白色粉末として得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.54-7.40(7H, m), 7.16(2H, d, J=8.5Hz). 得られた4−フェニルチオベンゾニトリル1.69g
(8.0mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶
解し、氷浴中で撹拌しながら、水素化リチウムアルミニ
ウム911mg(24.0mmol)を少量ずつ加え、
氷浴中で45分撹拌した後、室温に戻し、さらに10.
5時間撹拌した。反応液に水を加え、不溶物を濾去し、
減圧下で濃縮、残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、4
−フェニルチオベンジルアミン602mg(収率35
%)を黄色油状物として得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.37-7.19(9H, m), 3.85(2H, brt). 得られた4−フェニルチオベンジルアミンおよび無水マ
レイン酸、ベンジルアミン、トリエチルアミン、二硫化
炭素から実施例9と同様の方法により、3−ベンジル−
4−オキソ−N−(4−フェニルチオベンジル)−2−
チオキソ−5−チアゾリジンアセタミドを灰色粉末とし
て得た。(収率4%)1 H-NMR(300MHz, CDCl3) δ:7.43-7.26(12H, m), 7.18(2H, d, J=8.1Hz), 5.77(1
H, brt), 5.24(1H, d, J=14.2Hz), 5.14(1H, d, J=14.2
Hz), 4.54(1H, dd, J=10.0,3.8Hz), 4.42(2H, d,J=5.7H
z), 3.18(1H, dd, J=16.1,3.8Hz), 2.78(1H, dd, J=16.
1,10.0Hz).
【0100】実施例31 N−(4−ベンジルベンジ
ル)−3−イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−5
−チアゾリジンアセタミド 4−ベンゾイル安息香酸3.00g(13.3mmo
l)をN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解
し、炭酸カリウム1.10g(7.98mmol)、よ
う化メチル994μl(16.0mmol)を加え、室
温で5時間撹拌後、さらに炭酸カリウム1.10g
(7.98mmol)、よう化メチル497μl(8.
00mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応
液を濃縮後、水を加えた後、酢酸エチルで2回抽出し
た。酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、酢酸エチルか
ら粉末化して4−ベンゾイル安息香酸メチルエステル
2.80g(収率88%)を白色粉末として得た。1 H- NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.15(2H, d, J=8.3Hz), 7.84(2H, d, J=8.3Hz), 7.
81(2H, m), 7.62(1H, m), 7.50(2H, m), 3.97(3H, s). トリフルオロ酢酸50ml、ジクロロメタン30mlの
混液に水素化ほう素ナトリウム2.66g(70.2m
mol)を加えた後、得られた4−ベンゾイル安息香酸
メチルエステル2.80g(11.7mmol)を加
え、室温で5時間撹拌した後、さらに水素化ほう素ナト
リウム1.33g(35.1mmol)を加え、室温で
16時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮後、水を加
え、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を水、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、ヘキサン:酢酸エチル(100:0−90:1
0)で溶出して4−ベンジル安息香酸メチルエステル
2.74g(収率 定量的)を無色油状物として得た。
得られた4−ベンジル安息香酸メチルエステル3.75
g(16.5mmol)をジエチルエーテル80mlに
溶解後、水素化リチウムアルミニウム1.25g(3
3.0mmol)を加えた後、室温で3時間撹拌した。
反応液に氷冷下、水を加えた後、酢酸エチルで3回抽出
した。酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮乾固して4−ベ
ンジルベンジルアルコール3.22g(収率98%)を
白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.28(4H,m), 7.19(5H,m),
4.65(2H,s), 3.98(2H,s). ピリジニウムクロロクロメート(PCC)13.0g
(60.4mmol)をジクロロメタン200mlに懸
濁した溶液中に、得られた4−ベンジルベンジルアルコ
ール3.00g(15.1mmol)のジクロロメタン
溶液20mlを滴下した。室温で0.5時間撹拌した
後、イソプロピルアルコールを50ml添加してしばら
く撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物に水を加えた
後、酢酸エチルで3回抽出し、酢酸エチル層を水、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧
下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン:酢酸エチル(90:10)で溶出して4
−ベンジルベンズアルデヒド2.42g(収率82%)
を無色油状物として得た。 H−NMR (300MHz, CDCl) δ:9.98(1H, s), 7.80(2H, d, J=8.1Hz), 7.35(2H, d,
J=8.1Hz), 7.27(3H, m), 7.18(2H, m), 4.06(2H, s). 得られた4−ベンジルベンズアルデヒド2.20g(1
1.2mmol)をエタノール30mlに溶解後、酢酸
ナトリウム1.84g(22.4mmol)、ヒドロキ
シルアミン塩酸塩1.01g(14.6mmol)の水
溶液15mlを加えた後、0.5時間加熱還流した。反
応液を減圧下で濃縮後、水を加えた後、酢酸エチルで2
回抽出し、酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エ
チル(90:10−85:15)で溶出して4−ベンジ
ルベンズアルデヒドオキシム2.07g(収率88%)
を白色粉末として得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.11(1H, s), 7.49(2H, d, J=8.3Hz), 7.22(7H,
m), 3.99(2H, s). 得られた4−ベンジルベンズアルデヒドオキシム2.0
0g(9.47mmol)をメタノール50mlに溶解
後、10%パラジウム活性炭素200mgを加えた後、
水素雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した。触媒を濾去
した後、減圧下で濃縮乾固して4−ベンジルベンジルア
ミン1.73g(収率93%)を無色油状物として得
た。得られた4−ベンジルベンジルアミン1.73g
(8.77mmol)をトルエン20ml、酢酸エチル
20mlの混液に溶解後、無水マレイン酸860mg
(8.77mmol)を加えた後、室温で16時間撹拌
した。減圧下で濃縮後、析出物を濾収してN−(4−ベ
ンジルベンジル)マレイン酸モノアミド1.69g(収
率65%)を白色粉末として得た。得られたN−(4−
ベンジルベンジル)マレイン酸モノアミド591mg
(2.00mmol)をアセトン10mlに溶解後、氷
冷下、二硫化炭素120μl(2.00mmol)、イ
ソブチルアミン199μl(2.00mmol)を加え
た後、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮
後、水を加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エ
チル層は飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(70:30)
で溶出してN−(4−ベンジルベンジル)−3−イソブ
チル−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンア
セタミド321mg(収率38%)を白色粉末として得
た。 元素分析値(%):C2326222として 計算値:C,64.76;H,6.14;N,6.57;S,15.03. 実測値:C,64.92;H,6.21;N,6.66;S,14.75.
【0101】実施例32 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(フェニルジメトキシメチル)ベンジル)
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例31で得られた4−ベンゾイル安息香酸メチルエ
ステル3.42g(14.2mmol)をニトロメタン
40mlに溶解後、オルトぎ酸トリメチル15.5ml
(142mmol)、無水メタノール5.75ml(1
42mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸265
μl(3.00mmol)を加え、4時間加熱還流した
後、さらにオルトぎ酸トリメチル15.5ml(142
mmol)、無水メタノール5.75ml(142mm
ol)を加え、3時間加熱還流した。反応液を飽和炭酸
水素ナトリウム水に加えた後、酢酸エチルで2回抽出
し、酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル
(98:2)で溶出して4−(フェニルジメトキシメチ
ル)安息香酸メチルエステル2.88g(収率71%)
を無色油状物として得た。 H−NMR (300MHz, CDCl) δ:7.96(2H, d, J=8.7Hz),
7.58(2H, d, J=8.7Hz), 7.4
8(2H, m), 7.30(2H, m), 7.
23(1H, m), 3.88(3H, s),
3.13(6H, s). 得られた4−(フェニルジメトキシメチル)安息香酸メ
チルエステル4.30g(15.0mmol)をジエチ
ルエーテル80mlに溶解後、水素化リチウムアルミニ
ウム1.14g(30.0mmol)を加え、室温で1
時間撹拌した。反応液に氷冷下、水を加えた後、酢酸エ
チルで3回抽出し、酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン:酢酸エチル(90:10−80:20)で溶出し
て4−ヒドロキシメチルベンゾフェノンジメチルアセタ
ール3.72g(収率96%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.49(4H, m), 7.28(5H, m), 4.65(2H, s), 3.12(6
H, s). 得られた4−ヒドロキシメチルベンゾフェノンジメチル
アセタール3.72g(14.4mmol)を実施例3
1と同様の方法でPCCで酸化して4−ホルミルベンゾ
フェノンジメチルアセタール2.45g(収率66%)
を無色油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:9.98(1H, s), 7.82(2H, d, J=8.1Hz), 7.69(2H, d,
J=8.1Hz), 7.49(2H, m), 7.28(3H, m), 3.14(6H, s). 得られた4−ホルミルベンゾフェノンジメチルアセター
ル2.45g(9.56mmol)を実施例31と同様
の方法で処理して、4−ヒドロキシイミノベンゾフェノ
ンジメチルアセタール1.48g(収率57%)を無色
油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.11(1H, s), 7.51(6H, m), 7.28(3H, m), 3.13(6
H, s). 得られた4−ヒドロキシイミノベンゾフェノンジメチル
アセタール1.48g(5.45mmol)を実施例3
1と同様の方法で処理してN−(4−(フェニルジメト
キシメチル)ベンジル)マレイン酸モノアミド1.59
g(収率82%)を白色粉末として得た。得られたN−
(4−(フェニルジメトキシメチル)ベンジル)マレイ
ン酸モノアミド1.42g(4.00mmol)をアセ
トン40mlに溶解後、氷冷下、二硫化炭素360μl
(6.00mmol)、イソブチルアミン597μl
(6.00mmol)を加えた後、室温で16時間撹拌
した。反応液を減圧下で濃縮後、水を加え、酢酸エチル
で2回抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸
エチル(80:20−70:30)で溶出して3−イソ
ブチル−4−オキソ―N−(4−(フェニルジメトキシ
メチル)ベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジン
アセタミド686mg(収率35%)を無色油状物とし
て得た。 元素分析値(%):C2530242として 計算値:C,61.70;H,6.21;N,5.76;S,13.18. 実測値:C,61.92;H,6.17;N,5.60;S,12.92.
【0102】実施例33 N−(4−ベンゾイルベンジ
ル)−3−イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−5
−チアゾリジンアセタミド 実施例32で得られた3−イソブチル−4−オキソ―N
−(4−(フェニルジメトキシメチル)ベンジル)−2
−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド617mg
(1.27mmol)をテトラヒドロフラン25mlに
溶解後、1N塩酸12.5mlを加えた後、室温で2時
間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出後、酢酸エチル
層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(6
0:40−50:50)で溶出してN−(4−ベンゾイ
ルベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ−2−チオ
キソ−5−チアゾリジンアセタミド508mg(収率9
1%)を無色油状物として得た。 元素分析値(%):C2324232として 計算値:C,62.70;H,5.49;N,6.36;S,14.56. 実測値:C,62.89;H,5.40;N,6.28;S,14.51.
【0103】実施例34 3−ベンジル−4−オキソ−
N−(4−フェニルベンジル)−2−チオキソ−5−チ
アゾリジンアセタミド 4−シアノビフェニル3.00g(16.7mmol、
東京化成社製)をジエチルエーテル25mlに溶解した
液を、水素化リチウムアルミニウム634mg(16.
7mmol)のジエチルエーテル25ml溶液の中に添
加した。室温で1時間撹拌後、氷冷下、水を加えた後、
酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を水で3回、
飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下で濃縮後、トルエン50mlに溶解後、
無水マレイン酸1.64g(16.7mmol)を加
え、室温で2時間撹拌した。得られた沈殿を濾取して、
N−(4−フェニルベンジル)マレイン酸モノアミド
3.31g(収率81%)を白色粉末として得た。得ら
れたN−(4−フェニルベンジル)マレイン酸モノアミ
ド563mg(2.00mmol)および実施例1で調
製したベンジルジチオカルバミン酸トリエチルアミン塩
569mg(2.00mmol)をエタノール10ml
に溶解し、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下濃
縮後、食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ
ル層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、残留物をヘキサ
ン−酢酸エチルから粉末化し、3−ベンジル−4−オキ
ソ−N−(4−フェニルベンジル)−2−チオキソ−5
−チアゾリジンアセタミド128mg(収率14%)を
白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2522222・0.5H2Oと
して 計算値:C,65.91;H,5.09;N,6.15;S,14.08. 実測値:C,65.66;H,5.04;N,6.07;S,13.85.
【0104】実施例35 3−ベンジル−4−オキソ−
N−(4−(フェニルカルバモイル)ベンジル)−2−
チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 4−アミノメチル安息香酸5.00g(33.1mmo
l)をメタノール100mlに溶解後、二炭酸ジ−t−
ブチル7.60ml(33.1mmol)、トリエチル
アミン4.61ml(33.1mmol)を加え、室温
で16時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮後、酢酸エ
チルを加え、10%くえん酸水で1回、水で3回、飽和
食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下で濃縮後、酢酸エチルから粉末化して4−(N−
Boc−アミノメチル)安息香酸7.67g(収率92
%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.07(2H, d, J=8.1Hz), 7.38(2H, d, J=8.1Hz), 4.
96(1H, m), 4.40(2H, d,J=5.3Hz), 1.47(9H, s). 得られた4−(N−Boc−アミノメチル)安息香酸
1.51g(6.00mmol)をテトラヒドロフラン
20mlに溶解後、カルボニルジイミダゾール972m
g(6.00mmol)を加え、室温で3時間撹拌した
後、アニリン546μl(6.00mmol)を加え、
室温で72時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮後、酢
酸エチルを加え、10%くえん酸水、飽和炭酸水素ナト
リウム水、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(70:
30−60:40)で溶出して、4−(N−Boc−ア
ミノメチル)ベンズアニリド554mg(収率28%)
を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.73(3H, m), 7.64(2H, m), 7.38(4H, m), 7.15(1
H, m), 4.97(1H, m), 4.38(2H, d, J=6.0Hz), 1.47(9H,
s). 得られた4−(N−Boc−アミノメチル)ベンズアニ
リド554mg(1.70mmol)をトリフルオロ酢
酸5mlに溶解し、室温で1時間静置した後、減圧下で
濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチル
で4回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、残留
物をテトラヒドロフラン50mlに溶解後、無水マレイ
ン酸196mg(2.00mmol)を加え、室温で3
時間撹拌した。生じた沈殿を濾取し、N−(4−(フェ
ニルカルバモイル)ベンジル)マレイン酸モノアミド5
30mg(収率96%)を白色粉末として得た。得られ
たN−(4−(フェニルカルバモイル)ベンジル)マレ
イン酸モノアミド530mg(1.63mmol)およ
び実施例1で調製したベンジルジチオカルバミン酸トリ
エチルアミン塩464mg(1.63mmol)をエタ
ノール10mlに溶解し、室温で16時間撹拌した。反
応液を減圧下濃縮後、水を加え、4℃に静置して、生じ
た沈殿を濾取した後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、酢酸エチルで溶出後、酢酸エチルから粉末
化して3−ベンジル−4−オキソ−N−(4−(フェニ
ルカルバモイル)ベンジル)−2−チオキソ−5−チア
ゾリジンアセタミド97.4mg(収率10%)を白色
粉末として得た。 元素分析値(%):C2623332として 計算値:C,63.78;H,4.73;N,8.58;S,13.10. 実測値:C,63.51;H,4.68;N,8.69;S,13.10.
【0105】実施例36 N−(4−(ベンゾイルアミ
ノ)ベンジル)−3−ベンジル−4−オキソ−2−チオ
キソ−5−チアゾリジンアセタミド 4−アミノベンジルアミン5.30g(43.4mmo
l)をメタノール100mlに溶解後、二炭酸ジ−t−
ブチル9.97ml(43.4mmol)を加え、室温
で2時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エ
チル(70:30−60:40)で溶出して、4−(N
−Boc−アミノメチル)アニリン8.61g(収率8
9%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.07(2H, d, J=8.3Hz), 6.64(2H, d, J=8.3Hz), 4.
71(1H, m), 4.18(2H, d,J=5.3Hz), 3.65(2H, brs), 1.4
5(9H, s). 得られた4−(N−Boc−アミノメチル)アニリン8
89mg(4.00mmol)をピリジン5mlに溶解
後、無水安息香酸905mg(4.00mmol)を加
え、室温で3時間静置した。反応液を減圧下で濃縮後、
ヘキサン−酢酸エチルから粉末化して4‘−(N−Bo
c−アミノメチル)ベンズアニリド1.08g(収率8
3%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.86(3H, m), 7.60(2H, d, J=8.3Hz), 7.50(3H,
m), 7.29(2H, d, J=8.3Hz), 4.85(1H, m), 4.30(2H, d,
J=5.7Hz), 1.47(9H, s). 得られた4‘−(N−Boc−アミノメチル)ベンズア
ニリド1.08g(3.31mmol)を4N塩酸/酢
酸エチル10mlを加え、室温で1時間撹拌した。生じ
た沈殿を濾取した後、トルエン15mlに懸濁後、トリ
エチルアミン2.40ml、無水マレイン酸325mg
(3.07mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。
反応液を減圧下で濃縮後、酢酸エチルを加え、水で2
回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下で濃縮後、酢酸エチルから粉末化してN
−(4−(ベンゾイルアミノ)ベンジル)マレイン酸モ
ノアミド990mg(収率99%)を白色粉末として得
た。得られたN−(4−(ベンゾイルアミノ)ベンジ
ル)マレイン酸モノアミド649mg(2.00mmo
l)および実施例1で調製したベンジルジチオカルバミ
ン酸トリエチルアミン塩569mg(2.00mmo
l)をエタノール10mlに溶解し、室温で16時間撹
拌した。反応液を減圧下濃縮後、水を加え、酢酸エチル
で抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、酢酸エチル:メタノール(100:0−9
5:5)で溶出後、酢酸エチルから粉末化して3−ベン
ジル−N−(4−(ベンゾイルアミノ)ベンジル)−4
−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド
163mg(収率16%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2623332として 計算値:C,63.78;H,4.73;N,8.58;S,13.10. 実測値:C,63.90;H,4.75;N,8.57;S,13.10.
【0106】実施例37 3−イソブチル−4−オキソ
−N−(4−(フェニルウレニル)ベンジル)−2−チ
オキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例36で得られた4−(N−Boc−アミノメチ
ル)アニリン889mg(4.00mmol)をピリジ
ン10mlに溶解後、フェニルイソシアネート435μ
l(4.00mmol)を加え、60℃で1時間加熱撹
拌した。反応液を減圧下で濃縮後、酢酸エチルから粉末
化してN−(4−(N−Boc−アミノメチル)フェニ
ル)−N‘−フェニルウレア1.31g(収率96%)
を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ:8.64(1H, s), 8.62(1H, s), 7.44(2H, m), 7.38(2
H, d, J=8.3Hz), 7.27(3H, m), 7.14(2H, d, J=8.3Hz),
6.95(1H, m), 4.05(2H, d, J=6.0Hz), 1.39(9H,s). 得られたN−(4−(N−Boc−アミノメチル)フェ
ニル)−N‘−フェニルウレア1.31g(3.84m
mol)をトリフルオロ酢酸5mlに溶解後、0.5時
間静置した後、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸
エチル:テトラヒドロフラン2:1の混合液で3回抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下で濃縮後、トルエン10ml、ピ
リジン10ml、テトラヒドロフラン50mlの混液に
溶解後、無水マレイン酸377mg(3.84mmo
l)を加え、室温で16時間撹拌した。減圧下で濃縮
後、水を加え、酢酸エチル:テトラヒドロフラン2:1
の混合液で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮、酢酸
エチルから粉末化してN−(4−(フェニルウレニル)
ベンジル)マレイン酸モノアミド1.11g(収率85
%)を白色粉末として得た。得られたN−(4−(フェ
ニルウレニル)ベンジル)マレイン酸モノアミド679
mg(2.00mmol)をアセトン40mlに溶解
し、氷冷下、二硫化炭素360μl(6.00mmo
l)、イソブチルアミン597μl(6.00mmo
l)を加えた後、室温で16時間撹拌した。反応液を減
圧下で濃縮後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出し、酢
酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、酢酸エチル:メタノール(10
0:0−80:20)で溶出後、酢酸エチルから粉末化
して3−イソブチル−4−オキソ−N−(4−(フェニ
ルウレニル)ベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリ
ジンアセタミド129mg(収率14%)を白色粉末と
して得た。 元素分析値(%):C2326432として 計算値:C,58.70;H,5.57;N,11.91;S,13.63 実測値:C,58.65;H,5.48;N,11.91;S,13.42
【0107】実施例38 N−(4−(ベンゼンスルホ
ニルアミノ)ベンジル)−3−イソブチル−4−オキソ
―2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例36で得られた4−(N−Boc−アミノメチ
ル)アニリン889mg(4.00mmol)をピリジ
ン10mlに溶解後、ベンゼンスルホニルクロリド51
0μl(4.00mmol)を加え、室温で2時間撹拌
した。減圧下で濃縮後、水を加え、酢酸エチルで2回抽
出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル
(80:30−70:30)で溶出して、N−(4−
(N−Boc−アミノメチル)フェニル)ベンゼンスル
ホンアミド1.11g(収率77%)を白色粉末として
得た。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ:7.76(2H, m), 7.54(1H, m), 7.44(2H, m), 7.15(2
H, d, J=8.5Hz), 7.02(2H, d, J=8.5Hz), 6.71(1H, br
s), 4.80(1H, m), 4.23(2H, d, J=5.7Hz), 1.44(9H,
s). 得られたN−(4−(N−Boc−アミノメチル)フェ
ニル)ベンゼンスルホンアミド1.11g(3.06m
mol)を4N塩酸/酢酸エチル10mlに溶解後、室
温で1時間撹拌した。析出した粉末を濾取して4−(ベ
ンゼンスルホニルアミノ)ベンジルアミン塩酸塩808
mg(収率88%)を白色粉末として得た。得られた4
−(ベンゼンスルホニルアミノ)ベンジルアミン塩酸塩
808mg(2.70mmol)をトルエン15ml、
ピリジン5ml、テトラヒドロフラン20mlの混液に
溶解後、無水マレイン酸300mg(3.06mmo
l)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下
で濃縮後、水を加え、酢酸エチル:テトラヒドロフラン
2:1の混合液で2回抽出した。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン:酢酸エチル:酢酸(30:70:1−1
0:90:1)で溶出し、減圧下で濃縮乾固した後、酢
酸エチルで粉末化してN−(4−(ベンゼンスルホニル
アミノ)ベンジル)マレイン酸モノアミド746mg
(収率77%)を白色粉末として得た。得られたN−
(4−(ベンゼンスルホニルアミノ)ベンジル)マレイ
ン酸モノアミド721mg(2.00mmol)をエタ
ノール10mlに溶解後、実施例9で調製したイソブチ
ルジチオカルバミン酸トリエチルアミン塩501mg
(2.00mmol)を加えた後、室温で16時間撹拌
した。反応液を減圧下で濃縮後、水を加え、酢酸エチル
で2回抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸
エチル(50:50−40:60)で溶出して、N−
(4−(ベンゼンスルホニルアミノ)ベンジル)−3−
イソブチル−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリ
ジンアセタミド34.7mg(収率4%)を無色油状物
として得た。1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.77(2H, m), 7.56(1H, m), 7.45(2H, m), 7.13(2
H, d, J=8.5Hz), 7.02(2H, d, J=8.5Hz), 5.87(1H, m),
4.51(1H, dd, J=9.8,3.8Hz), 4.37(2H, d, J=5.7Hz),
3.83(2H, m), 3.17(1H, dd, J=16.2,3.8Hz), 2.77(1H,
dd, J=16.2,9.8Hz), 2.26(1H, m), 0.91(3H, d, J=6.4H
z), 0.90(3H, d, J=6.4Hz).
【0108】実施例39 3−ベンジル−N−(4−ベ
ンジルオキシベンジル)−4−オキソ−2−チオキソ−
5−チアゾリジンアセタミド 4−シアノフェノール596mg(5.00mmo
l)、炭酸カリウム415mg(3.00mmol)、
N,N−ジメチルホルムアミド10mlの混合物にベン
ジルブロミド714μl(6.00mmol)を滴下し
た。60℃で5時間撹拌した後、さらに炭酸カリウム6
9mg(0.50mmol)、ベンジルブロミド119
μl(1.00mmol)を加え、60℃で2時間撹拌
した。反応液を減圧下で濃縮後、水を加え、酢酸エチル
で抽出した。酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢
酸エチル(90:10−80:20)で溶出し、濃縮乾
固して4−ベンジルオキシベンゾニトリル1.03g
(収率98%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.59(2H, d, J=8.7Hz), 7.41(5H, m), 7.02(2H, d,
J=8.7Hz), 5.12(2H, s). 得られた4−ベンジルオキシベンゾニトリル1.03g
(4.92mmol)をジエチルエーテル30mlに溶
解後、水素化リチウムアルミニウム181mg(4.9
2mmol)を加え、室温で30分間撹拌した後、さら
に水素化リチウムアルミニウム181mg(4.92m
mol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を氷
冷下、水を加えた後、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸
エチル層を飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下で濃縮後、トルエン15mlに溶
解し、無水マレイン酸482mg(4.92mmol)
を加え、室温で2時間撹拌した。生じた沈殿を濾取し、
N−(4−ベンジルオキシベンジル)マレイン酸モノア
ミド649mg(収率42%)を白色粉末として得た。
得られたN−(4−ベンジルオキシベンジル)マレイン
酸モノアミド622mg(2.00mmol)および実
施例1で調製したベンジルジチオカルバミン酸トリエチ
ルアミン塩569mg(2.00mmol)をエタノー
ル10mlに溶解し、室温で16時間撹拌した。反応液
を減圧下濃縮後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧下で濃縮後、残留物を酢酸エチルから
粉末化し、3−ベンジル−N−(4−ベンジルオキシベ
ンジル)−4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジ
ンアセタミド135mg(収率14%)を白色粉末とし
て得た。 元素分析値(%):C2624232・0.5H2Oと
して 計算値:C,64.30;H,5.19;N,5.77;S,13.21. 実測値:C,64.60;H,4.86;N,5.67;S,13.20.
【0109】実施例40 3−ベンジル−4−オキソ−
N−(4−(2−フェニルエチルオキシ)ベンジル)−
2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例39と同様の方法で4−シアノフェノール、(2
−ブロモエチル)ベンゼンおよび無水マレイン酸からN
−(4−(2−フェニルエチルオキシ)ベンジル)マレ
イン酸モノアミドを得た。得られたN−(4−(2−フ
ェニルエチルオキシ)ベンジル)マレイン酸モノアミド
651mg(2.00mmol)および実施例1で調製
したベンジルジチオカルバミン酸トリエチルアミン塩5
69mg(2.00mmol)と反応し、3−ベンジル
−4−オキソ−N−(4−(2−フェニルエチルオキ
シ)ベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセ
タミド142mg(収率15%)を白色粉末として得
た。 元素分析値(%):C2726232として 計算値:C,66.10;H,5.34;N,5.71;S,13.07. 実測値:C,66.24;H,5.11;N,5.64;S,13.06.
【0110】実施例41 3−ベンジル−4−オキソ−
N−(4−(3−フェニルプロピルオキシ)ベンジル)
−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミド 実施例39と同様の方法で4−シアノフェノール、1−
ブロモ−3−フェニルプロパンおよび無水マレイン酸か
らN−(4−(3−フェニルプロピルオキシ)ベンジ
ル)マレイン酸モノアミドを得た。得られたN−(4−
(3−フェニルプロピルオキシ)ベンジル)マレイン酸
モノアミド679mg(2.00mmol)および実施
例1で調製したベンジルジチオカルバミン酸トリエチル
アミン塩569mg(2.00mmol)と反応し、3
−ベンジル−4−オキソ−N−(4−(3−フェニルプ
ロピルオキシ)ベンジル)−2−チオキソ−5−チアゾ
リジンアセタミド41.2mg(収率4%)を白色粉末
として得た。 元素分析値(%):C2828232として 計算値:C,66.64;H,5.59;N,5.55;S,12.71. 実測値:C,66.70;H,5.41;N,5.57;S,12.70.
【0111】実施例42 3−ベンジル−N−(4−シ
クロヘキシルオキシベンジル)−4−オキソ−2−チオ
キソ−5−チアゾリジンアセタミド 4−シアノフェノール1.79g(15.0mmo
l)、トリフェニルホスフィン5.90g(22.5m
mol)、シクロヘキサノール1.56ml(15.0
mmol)をジクロロメタン60mlに溶解後、ジエチ
ルアゾジカルボキシラート3.54ml(22.5mm
ol)を加え、室温で72時間撹拌した。反応液を濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン:酢酸エチル(100:0−95:5)で溶出し、
4−シクロヘキシルオキシベンゾニトリル1.18g
(収率39%)を無色油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:7.56(2H, d, J=8.9Hz), 6.92(2H, d, J=8.9Hz), 4.
32(1H, m), 1.98(2H, m), 1.80(2H, m), 1.56(3H, m),
1.37(3H, m). 得られた4−シクロヘキシルオキシベンゾニトリル1.
18g(5.87mmol)をジエチルエーテル30m
lに溶解後、水素化リチウムアルミニウム446mg
(11.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。
反応液に氷冷下、水を加えた後、酢酸エチルで3回抽出
した。酢酸エチル層を飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮乾固して4−シ
クロヘキシルオキシベンジルアミン1.19g(収率9
9%)を無色油状物として得た。得られた4−シクロヘ
キシルオキシベンジルアミン1.19g(5.80mm
ol)をトルエン15mlに溶解後、無水マレイン酸5
69mg(5.80mmol)を加え、室温で2時間撹
拌した。得られた沈殿を濾過し、N−(4−シクロヘキ
シルオキシベンジル)マレイン酸モノアミド1.56g
(収率 88%)を白色粉末として得た。得られたN−
(4−シクロヘキシルオキシベンジル)マレイン酸モノ
アミド607mg(2.00mmol)および実施例1
で調製したベンジルジチオカルバミン酸トリエチルアミ
ン塩569mg(2.00mmol)をエタノール10
mlに溶解後、室温で16時間撹拌した。反応液を濃縮
後、水を加えて4℃に静置し、得られた沈殿を濾取し
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン:酢酸エチル(70:30−60:40)
で溶出後、ヘキサン−酢酸エチルから粉末化し、3−ベ
ンジル−N−(4−シクロヘキシルオキシベンジル)−
4−オキソ−2−チオキソ−5−チアゾリジンアセタミ
ド77.6mg(収率8%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C2528232として 計算値:C,64.07;H,6.02;N,5.98;S,13.68. 実測値:C,64.22;H,5.75;N,5.98;S,13.77.
【0112】実施例43 2,4−ジオキソ−N−(4
−フェノキシベンジル)−5−チアゾリジンアセタミド N−(4−フェノキシベンジル)マレイミド200mg
(0.72mmol)、チオウレア55mg(0.72
mmol)をエタノール15mlに溶解し、48時間加
熱還流した。晶出物をろ取し、エタノールで洗浄後、エ
タノール5mlに溶解し、3N塩酸5mlを加えて85
℃で16時間撹拌した。反応液を濃縮後、残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、メタノール:
クロロホルム(3:97)で溶出し、2,4−ジオキソ
−N−(4−フェノキシベンジル)−5−チアゾリジン
アセタミド110mg(収率43%)を白色粉末として
得た。1 H-NMR(200MHz, DMSO-d6) δ:11.95(1H, s), 8.58(1H, t, J=5.8Hz), 7.41-6.94(9
H, m), 4.64(1H, dd, J=8.9,4.0Hz), 4.26(2H, d, J=5.
8Hz), 3.04(1H, dd, J=16.5,4.0Hz), 2.85(1H, dd, J=1
6.5,8.9Hz).
【0113】実施例44 2,4−ジオキソ−3−イソ
ブチル−N−(4−フェノキシベンジル)−5−チアゾ
リジンアセタミド ベンゾイルイソチオシアネート3.26g(0.02m
ol)をクロロホルム20mlに溶解し、室温撹拌下、
イソブチルアミン1.46g(0.02mol)のクロ
ロホルム溶液5mlを滴下した。3時間撹拌後、反応液
を濃縮乾固し、残留物にメタノール20mlを加え、さ
らに炭酸カリウム2.07g(0.015mol)の水
溶液5mlを加えた。室温で3時間撹拌後、反応液を濃
縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、メタノール:クロロホルム(1:99)で溶
出し、1−イソブチル−2−チオウレア1.72g(収
率65%)を白色粉末として得た。1 H-NMR(200MHz, CDCl3) δ:6.62(1H, brs), 6.04(2H, brs), 3.32(0.7H, brs),
2.97(1.3H, brs), 1.91(1H, m), 0.98(6H, d, J=6.7H
z). 得られた1−イソブチル−2−チオウレア230mg
(0.82mmol)、N−(4−フェノキシベンジ
ル)マレイミド109mg(0.82mmol)から実
施例43と同様の方法により、2,4−ジオキソ−3−
イソブチル−N−(4−フェノキシベンジル)−5−チ
アゾリジンアセタミド80mg(収率24%)を無色油
状物として得た。 H−NMR(200MHz, CDCl) δ:7.37−6.90(9H, m), 6.02
(1H, brs), 4.52(1H, dd, J
=9.8,3.8Hz), 4.41(2H,d, J
=5.7Hz), 3.43(2H, d, J=7.
5Hz), 3.20(1H, dd, J=16.
1,3.8Hz), 2.75(1H,dd, J=1
6.1,9.8Hz), 2.06(1H, m),
0.89(6H, d, J=6.6Hz).
【0114】実施例45 2,4−ジオキソ−3−(2
−メトキシエチル)−N−(4−フェノキシベンジル)
−5−チアジリジンアセタミド 2−メトキシエチルアミン751mg(0.01mmo
l)、ベンゾイルイソチオシアネート1.63g(0.
01mmol)から実施例44と同様の方法により、1
−(2−メトキシエチル)−2−チオウレア1.29g
(収率96%)を白色粉末として得た。1 H-NMR(200MHz, CDCl3) δ:7.60-7.00(1H, m), 6.80-6.15(2H, m), 3.85-3.25(4
H, m), 3.39(3H, s). 得られた1−(2−メトキシエチル)−2−チオウレア
96mg(0.72mmol)、N−(4−フェノキシ
ベンジル)マレイミド200mg(0.72mmol)
から実施例43と同様の方法により、2,4−ジオキソ
−3−(2−メトキシエチル)−N−(4−フェノキシ
ベンジル)−5−チアゾリジンアセタミド41mg(収
率14%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.40-6.90(9H, m), 6.03(1H, brs), 4.54(1H, dd, J
=9.8,3.7Hz), 4.41(2H,d, J=5.6Hz), 3.82(2H, t, J=5.
6Hz), 3.55(2H, t, J=5.5Hz), 3.32(3H, s), 3.20(1H,
dd, J=16.1,3.8Hz), 2.78(1H, dd, J=16.1,9,9Hz).
【0115】実施例46 2,4−ジオキソ−3−(3
−ヒドロキシプロピル)−N−(4−フェノキシベンジ
ル)−5−チアゾリジンアセタミド 3−アミノプロパノ−ル751mg(0.01mo
l)、ベンゾイルイソチオシアネート1.63g(0.
01mol)から実施例44と同様の方法により、1−
(3−ヒドロキシプロピル)−2−チオウレア1.06
g(収率79%)を無色針状晶として得た。 H−NMR(200MHz, DMSO−d) δ:7.54(1H, brs), 7.35−6.7
0(2H, m), 4.48(1H, brs),
3.55−2.95(4H, m), 1.70−1.
50 (2H, m). 得られた1−(3−ヒドロキシプロピル)−2−チオウ
レア96mg(0.72mmol)、N−(4−フェノ
キシベンジル)マレイミド200mg(0.72mmo
l)から実施例43と同様の方法により、2,4−ジオ
キソ−3−(3−ヒドロキシプロピル)−N−(4−フ
ェノキシベンジル)−5−チアゾリジンアセタミド12
5mg(収率42%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(200MHz, CDCl3) δ:7.40-6.90(9H, m), 6.14(1H, brs), 4.50(1H, dd, J
=8.9,3.9Hz), 4.40(2H,d, J=5.6Hz), 3.77(2H, t, J=6.
2Hz), 3.60(2H, t, J=5.8Hz), 3.13(1H, dd, J=16.1,
4.0Hz), 2.87(1H, dd, J=16.1,8.9Hz), 2.11(1H, brs),
1.90-1.75(2H, m).
【0116】実施例47 3−アミノプロピル−2,4
−ジオキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−5−チ
アゾリジンアセタミド ベンゾイルイソチオシアネート672μl(5.00m
mol)をクロロホルム10mlに溶解後、実施例4で
調製したN−Boc−1,3−ジアミノプロパン871
mg(5.00mmol)のクロロホルム溶液5mlを
加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン:酢酸エチル(80:20)で溶出して、1−(N
−Boc−3−アミノプロピル)−3−ベンゾイル−2
−チオウレア1.31g(収率78%)を白色粉末とし
て得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:10.83(1H, brs), 9.02(1H, s), 7.85(2H, m), 7.63
(1H, m), 7.52(2H, m),4.89(1H, m), 3.80(2H, m), 3.2
4(2H, m), 1.85(2H, m), 1.45(9H, s). 得られた1−(N−Boc−3−アミノプロピル)−3
−ベンゾイル−2−チオウレア1.31g(3.88m
mol)をメタノール50mlに溶解後、炭酸ナトリウ
ム247mg(2.33mmol)の水溶液20mlを
加え、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮
後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(20:80−0:
100)で溶出して、1−(N−Boc−3−アミノプ
ロピル)−2−チオウレア934mg(収率 定量的)
を無色油状物として得た。得られたN−Boc−3−ア
ミノプロピルチオウレア500mg(2.14mmo
l)をエタノール20mlに溶解後、N−(4−フェノ
キシベンジル)マレイミド598mg(2.14mmo
l)を加え、48時間加熱還流した。反応液を減圧下で
濃縮後、ヘキサン−酢酸エチルから粉末化して、3−
(N−Boc−3−アミノプロピル)−2−イミノ−4
−オキソ−N−(4−フェノキシベンジル)−5−チア
ゾリジンアセタミド515mg(収率47%)を白色粉
末として得た。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ:9.14(1H, m), 8.54(1H, t, J=5.5Hz), 7.38(2H,
m), 7.27(2H, d, J=7.9Hz), 7.13(1H, m), 6.97(4H,
m), 6.83(1H, m), 4.27(1H, m), 4.22(2H, d, J=5.5H
z), 3.37(1H, m), 3.18(1H, m), 3.07(1H, m), 2.95(2
H, m), 2.50(1H, m), 1.63(2H, m), 1.37(9H, s). 得られた3−(N−Boc−3−アミノプロピル)−2
−イミノ−4−オキソ−N−(4−フェノキシベンジ
ル)−5−チアゾリジンアセタミド465mg(0.9
07mmol)をエタノール5ml、3N塩酸水5ml
の混液に溶解後、14時間加熱還流した。反応液を減圧
下で濃縮後、飽和食塩水を加え、pH7に調整した後、
酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水
で洗浄後、減圧下で濃縮し、酢酸エチルから粉末化して
3−アミノプロピル−2,4−ジオキソ−N−(4−フ
ェノキシベンジル)−5−チアゾリジンアセタミド5
3.5mg(収率14%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ:8.70(1H, t, J=6.0Hz),
8.01(2H, brs), 7.38(2H,
m), 7.27(2H, d, J=8.3Hz),
7.12(1H, m), 6.97(4H,
m), 4.68(1H, dd, J=7.5,4.
0Hz), 4.26(2H, d, J=6.0H
z), 3.57(2H, t, J=6.8Hz),
3.09(1H, dd, J=16.6,4.0H
z), 2.96(1H, dd, J=16.6,
7.5Hz), 2.79(2H, m), 1.83
(2H, m).
【0117】実施例48 2,4−ジオキソ−N−(4
−フェノキシベンジル)−3−[3−(ピロリジン−2
−オン−1−イル)プロピル]−5−チアゾリジンアセ
タミド 1−(3−アミノプロピル)ピロリジン−2−オン1.
42g(0.01mol)、ベンゾイルイソチオシアネ
−ト1.63g(0.01mol)から実施例44と同
様の方法により、1−[3−(ピロリジン−2−オン−
1−イル)プロピル]−2−チオウレア1.91g(収
率95%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(200MHz, CDCl3) δ:7.55(1H, brs), 6.30(2H, brs), 3.60-3.30(6H, m),
2.70-2.35(2H, m), 2.15-1.95 (2H, m), 1.90-1.75(2H
,m). 得られた1−[3−(ピロリジン−2−オン−1−イ
ル)プロピル]−2−チオウレア145mg(0.72
mmol)、N−(4−フェノキシベンジル)マレイミ
ド200mg(0.72mmol)から実施例43と同
様の方法により、2,4−ジオキソ−N−(4−フェノ
キシベンジル)−3−[3−(ピロリジン−2−オン−
1−イル)プロピル]−5−チアゾリジンアセタミド7
2mg(収率21%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(200MHz, CDCl3) δ:7.40-6.90(9H, m), 6.68(1H, brs), 4.53(1H, dd, J
=8.7,4.9Hz), 4.43-4.38(2H, m), 3.61(2H, t, J=7.0H
z), 3.37(2H, t, J=7,3Hz), 3.38-3.20(2H, m),3.15(1
H, dd, J=15.8,5.1Hz), 2.89(1H, dd, J=15.8,8.7Hz),
2.29(2H, t, 8.1Hz), 2.08-1.82 (4H, m).
【0118】実施例49 2,4−ジオキソ−3−(3
−モルホリノプロピル)−N−(4−フェノキシベンジ
ル)−5−チアゾリジンアセタミド N−(3−アミノプロピル)モルホリン1.44g
(0.01mol)、ベンゾイルイソチオシアネ−ト
1.63g(0.01mol)から実施例44と同様の
方法により、1−(3−モルホリノプロピル)−2−チ
オウレア1.99g(収率98%)を白色粉末として得
た。 H−NMR(200MHz, CDCl) δ:7.60−7.00(3H, m), 3.90−
3.50(4H, m), 3.40−3.20(2
H, m), 2.70−2.30(6H, m),
1.95−1.65(2H, m). 得られた1−(3−モルホリノプロピル)−2−チオウ
レア240mg(1.18mmol)、N−(4−フェ
ノキシベンジル)マレイミド300mg(1.08mm
ol)から実施例43と同様の方法により、2,4−ジ
オキソ−3−(3−モルホリノプロピル)−N−(4−
フェノキシベンジル)−5−チアゾリジンアセタミド2
00mg(収率38%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(200MHz, CDCl3) δ:7.40-6.90(9H, m), 6.05-.90(1H, m), 4.50(1H, dd,
J=9.4,3.8Hz), 4.42(2H, d, J=5.6Hz), 3.73-3.66 (6
H, m), 3.16(1H, dd, J=16.1,3.9Hz), 2.81(1H, dd, J=
16.1,9.4Hz), 2.54-2.34(6H, m), 1.90-1.72(2H, m).
【0119】実施例50 2,4−ジオキソ−3−イソ
ブチル−N−(4−フェノキシベンジル)−5−チアゾ
リジンプロピオンアミド D,L−グルタミン酸4.00g(27.2mmo
l)、臭化カリウム9.71g(81.6mmol)を
2.5N臭化水素酸水218ml(544mmol)に
溶解後、−10℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム4.
69g(68.0mmol)を1時間かけて徐々に添加
し、さらに−5℃で2時間攪拌した。反応液に食塩を加
えた後、酢酸エチルで5回抽出した。酢酸エチル層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下で濃縮後、エタノール100mlに溶解後、濃硫酸
500μlを加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧
下で濃縮後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。酢
酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
ヘキサン:酢酸エチル(95:5)で溶出して、2−ブ
ロモ−グルタル酸ジエチル1.83g(収率25%)を
無色油状物として得た。1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:4.35(1H, dd, J=8.3,5.7H
z), 4.24(2H, q, J=7.2Hz),
4.15(2H, q, J=7.2Hz), 2.
51(2H, m), 2.34(2H, m),
1.31(3H, t, J=7.2Hz), 1.2
7(3H, t, J=7.2Hz). 得られた2−ブロモ−グルタル酸ジエチル2.92g
(10.9mmol)をメトキシエタノール30mlに
溶解後、実施例44で調製した1−イソブチル−2−チ
オウレア1.44g(10.9mmol)を加え、10
0℃で1.5時間加熱攪拌した。反応液を減圧下で濃縮
後、食塩水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エ
チル層を減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(30:70−
20:80)で溶出し、濃縮乾固して2−イミノ−3−
イソブチル−4−オキソ−5−チアゾリジンプロピオン
酸エチルエステルと2−イソブチルイミノ−4−オキソ
−5−チアゾリジンプロピオン酸エチルエステルとの混
合物2.53g(収率85%)を無色油状物として得
た。得られた混合物510mg(1.96mmol)を
メトキシエタノール8mlに溶解後、2N塩酸水2ml
を加え、16時間加熱還流した。反応液に水を加えた
後、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を水、飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、ヘキサン:酢酸エチル(70:30)溶出画分を
減圧下で濃縮して2,4−ジオキソ−3−イソブチル−
5−チアゾリジンプロピオン酸メトキシエチルエステル
162mg(収率27%)を無色油状物として、ヘキサ
ン:酢酸エチル(60:40)溶出画分を減圧下で濃縮
して2,4−ジオキソ−5−チアゾリジンプロピオン酸
メトキシエチルエステル203mg(収率42%)を無
色油状物としてそれぞれ得た。 2,4−ジオキソ−3−イソブチル−5−チアゾリジン
プロピオン酸メトキシエチルエステル H−NMR (300MHz, CDCl) δ:4.33(1H, m), 4.26(2H, t, J=4.5Hz), 3.60(2H, t,
J=4.5Hz), 3.43(2H, m), 3.39(3H, s), 2.56(2H, m),
2.49(1H, m), 2.23(1H, m), 2.06(1H, m), 0.90(3H, d,
J=6.8Hz), 0.89(3H, d, J=6.8Hz). 2,4−ジオキソ−5−チアゾリジンプロピオン酸メト
キシエチルエステル1 H-NMR (300MHz, CDCl3) δ:8.42(1H, brs), 4.43(1H,
dd, J=7.5,5.3Hz), 4.26(2
H, t, J=4.7Hz), 3.60(2H,
t, J=4.7Hz), 3.39(3H, s),
2.59(2H, m), 2.48(1H,
m), 2.29(1H, m). 得られた2,4−ジオキソ−3−イソブチル−5−チア
ゾリジンプロピオン酸メトキシエチルエステル162m
g(0.534mmol)を酢酸2ml、濃塩酸2ml
の混液に溶解後、1時間加熱還流した。反応液を減圧下
で濃縮後、水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸
エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。減圧下で濃縮して2,4−ジオキソ−3
−イソブチル−5−チアゾリジンプロピオン酸124m
g(収率95%)を無色油状物として得た。 H−NMR (300MHz, CDCl) δ:4.34(1H, dd, J=7.7,5.5Hz), 3.44(2H, m), 2.59(2
H, m), 2.48(1H, m), 2.24(1H, m), 2.06(1H, m), 0.90
(3H, d, J=6.4Hz), 0.89(3H, d, J=6.4Hz). 得られた2,4−ジオキソ−3−イソブチル−5−チア
ゾリジンプロピオン酸124mg(0.505mmo
l)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶解後、
4−フェノキシベンジルアミン塩酸塩119mg(0.
505mmol)、HOBT68.2mg(0.505
mmol)、WSC96.8mg(0.505mmo
l)、トリエチルアミン70.4μl(0.505mm
ol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液を減圧
下で濃縮後、酢酸エチルを加え、10%くえん酸水、飽
和炭酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸
エチル(60:40−50:50)で溶出して2,4−
ジオキソ−3−イソブチル−N−(4−フェノキシベン
ジル)−5−チアゾリジンプロピオンアミド162mg
(収率75%)を無色油状物として得た。 元素分析値(%):C232824Sとして 計算値:C,64.77;H,6.14;N,6.57;S,7.52. 実測値:C,64.94;H,6.30;N,6.63;S,7.71.
【0120】実施例51 2,4−ジオキソ−N−(4
−フェノキシベンジル)−5−チアゾリジンプロピオン
アミド 実施例50で調製した2,4−ジオキソ−5−チアゾリ
ジンプロピオン酸メトキシエチルエステル203mg
(0.821mmol)を実施例50と同様の方法によ
り、加水分解して2,4−ジオキソ−5−チアゾリジン
プロピオン酸146mg(収率94%)を白色粉末とし
て得た。1 H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ:12.15(1H, brs), 4.56(1H, dd, J=7.9, 4.5Hz), 2.
33(3H, m), 2.04(1H, m). 得られた2,4−ジオキソ−5−チアゾリジンプロピオ
ン酸146mg(0.772mmol)を実施例50と
同様の方法により、4−フェノキシベンジルアミン塩酸
塩と縮合して,4−ジオキソ−N−(4−フェノキシベ
ンジル)−5−チアゾリジンプロピオンアミド139m
g(収率49%)を白色粉末として得た。1 H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ:11.76(1H, brs), 8.42(1H, t, J=5.9Hz), 7.38(2H
, m), 7.26(2H, d, J=8.3Hz), 7.12(1H, m), 6.97(4H,
m), 4.54(1H, m), 4.24(2H, d, J=5.9Hz), 2.29(3H,
m), 2.05(1H, m).
【0121】実施例52 2,4−ジオキソ−3−イソ
ブチル−N−(4−フェノキシフェニル)−5−チアゾ
リジンプロピオンアミド 実施例50で調製した2,4−ジオキソ−3−イソブチ
ル−5−チアゾリジンプロピオン酸245mg(1.0
0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド5mlに
溶解後、4−フェノキシアニリン185mg(1.00
mmol)、シアノりん酸ジエチル150μl(1.0
0mmol)、トリエチルアミン139μl(1.00
mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液を
減圧下で濃縮後、酢酸エチルを加え、10%くえん酸
水、飽和炭酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサ
ン:酢酸エチル(70:30−60:40)で溶出し、
ヘキサン−酢酸エチルから粉末化して2,4−ジオキソ
−3−イソブチル−N−(4−フェノキシフェニル)−
5−チアゾリジンプロピオンアミド215mg(収率5
2%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C222424Sとして 計算値:C,64.06;H,5.86;N,6.79;S,7.77. 実測値:C,64.04;H,5.84;N,6.88;S,7.71.
【0122】実施例53 2,4−ジオキソ−N−(4
−フェノキシフェニル)−5−チアゾリジンプロピオン
アミド 実施例51で調製した2,4−ジオキソ−5−チアゾリ
ジンプロピオン酸177mg(0.936mmol)を
実施例52と同様の方法により、4−フェノキシアニリ
ンと縮合して2,4−ジオキソ−N−(4−フェノキシ
フェニル)−5−チアゾリジンプロピオンアミド174
mg(収率52%)を白色粉末として得た。 元素分析値(%):C181624Sとして 計算値:C,60.66;H,4.53;N,7.86;S,9.00. 実測値:C,60.70;H,4.47;N,7.95;S,9.00.
【0123】以下に実施例化合物の構造式を記載する。
【表1】 実施例 R1 B Y 1 Bn Ph O 2 iBu Ph O 3 tBuOCONH(CH2)2 Ph O 4 tBuOCONH(CH2)3 Ph O 5 tBuOCONH(CH2)4 Ph O 6 H2N(CH2)2 HCl Ph O 7 H2N(CH2)3 HCl PhO O 8 H2N(CH2)4 HCl Ph O 9 iBu 2-Cl-Ph O 10 iBu 4-Cl-Ph O 11 iBu 2-OMe-Ph O 12 iBu 3-OMe-Ph O 13 iBu 4-OMe-Ph O 14 MeO(CH2)2 4-OMe-Ph O 15 iBu 4-OEt-Ph O 16 iBu 4-O-nPr-Ph O 17 iBu 4-O-iPr-Ph O 18 iBu 4-O-n-pentyl-Ph O 19 iBu 4-OPh-Ph O 20 iBu 4-OBn-Ph O 21 iBu 4-Me-Ph O 22 iBu 4-iPr-Ph O 23 iBu 4-tBu-Ph O 24 iBu 4-n-pentyl-Ph O 25 iBu 4-cyclopentyl-Ph O 26 iBu 4-cyclohexyl-Ph O 27 iBu 4-(CH2)2OMe-Ph O 28 iBu 4-SMe-Ph O 29 iBu 2-pyridyl O 30 Bn Ph S 31 iBu Ph CH2 32 iBu Ph CH(OMe)2 33 iBu Ph CO 34 Bn Ph 結合手 35 Bn Ph CONH 36 Bn Ph NHCO 37 iBu Ph NHCONH 38 iBu Ph NHSO2 39 Bn Ph OCH2 40 Bn Ph O(CH2)2 41 Bn Ph O(CH2)3 42 Bn cyclohexyl O
【0124】
【表2】
【0125】参考例1 組換え型ヒトMMP-13酵素の生産 Freije,J.M.らの論文(Journal of Biological Chemistr
y, 269: 16766-16773,1994)に記載の配列を基に自体公
知のPCR法でヒトMMP-13cDNA取得した。得られたヒトMMP
-13cDNAを組み込んだpBlueBac4(Invitrogen社)とBacu
lovirusベクターBac-N-Blue(Invitrogen社)をSf9細胞
にco-transfectionし、MMP-13発現組換えウイルスを取
得した。得られた組換えウイルスをHigh-Five細胞(Inv
itrogen社)に感染させ、3日目の培養上清を酵素液と
した。
【0126】参考例2 MMP-13阻害活性の測定法 組換え型ヒトMMP-13、200 mM塩化ナトリウム、20 mM塩
化カルシウム、0.1% Brij35、200 mMトリス−塩酸緩衝
液(pH7.5)及び種々の濃度の検体を含む75μlに40μM
のMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(DNP)-Ala-Arg-NH2(株
式会社ペプチド研究所製)を25μl加えて反応を開始
し、37℃で2時間保温した後、500 mMの酢酸ナトリウム
−塩酸緩衝液(pH3.0)を100μl加え反応を停止させ
た。遊離したMOCAc-Pro-Leu-Glyの量を蛍光光度計(MTP
-32/F2:コロナ電気株式会社製)を用いて励起波長330
nm、蛍光波長405 nmで測定した。なお、検体を加えない
で同様に反応させたものの蛍光測定値を100%とし、50
%阻害に必要な各検体の濃度をIC50値として示した。以
下に本願実施例化合物のIC50値(nM)を記載する。 実施例8の化合物 1 実施例21の化合物 2 実施例43の化合物 1 実施例47の化合物 2 実施例48の化合物 2
【0127】
【発明の効果】本件化合物(I)またはその塩は、優れ
たMMP阻害作用、特にMMP−13阻害作用を有する
ため、変形関節症、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、癌、
歯周病、角膜潰瘍、病的骨吸収(ページェット病な
ど)、腎炎、動脈硬化、肺気腫、肝硬変、自己免疫疾患
(クローン病、シェーグレン病など)、癌転移、避妊な
どの安全な予防、治療薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61K 31/00 635 43/00 643D A61K 31/426 31/425 601 31/427 602 31/4439 31/44 613 C07D 277/36 C07D 277/36 417/06 207 417/06 207 417/12 213 417/12 213 (72)発明者 瀧澤 正之 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ1003号 (72)発明者 吉村 浩二 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ101号 Fターム(参考) 4C033 AD01 AD02 AD08 4C063 AA01 BB03 BB07 CC62 DD04 DD12 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC82 GA07 GA08 MA04 NA14 ZA33 ZA67 ZA97 ZB15 ZB26 ZC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、A環およびB環はそれぞれ同一または異なって
    置換されていてもよい同素環または複素環を示し、A環
    およびB環の置換基が互いに結合してA環、B環、Yと
    共に縮合環を形成していてもよく、R1は水素原子また
    は置換されていてもよい炭化水素基を示し、Xは酸素原
    子または硫黄原子を示し、Yは結合手、置換されていて
    もよい2価のC1-3脂肪族炭化水素基、−O(CH2)p
    −(pは0ないし3の整数を示す)、−S(O)r−
    (rは0ないし2の整数を示す)、−CONH−、−N
    HCO−、−NHCONH−、または−NHSO2−を
    示し、mは1または2を示し、nは0または1を示
    す。]で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】A環が置換されていてもよいベンゼン環で
    ある請求項1記載の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】B環が置換されていてもよいベンゼン環、
    置換されていてもよいピリジン環または置換されていて
    もよいシクロヘキサン環である請求項1記載の化合物ま
    たはその塩。
  4. 【請求項4】R1が水素原子または置換されていてもよ
    い低級アルキル基、である請求項1記載の化合物または
    その塩。
  5. 【請求項5】式 【化2】 (式中、R1は請求項1記載と同意義を示す。)で表さ
    れる化合物またはその塩と式 【化3】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物またはその塩を反応させることを特徴とす
    る式 【化4】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物またはその塩の製造法。
  6. 【請求項6】式 【化5】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物もしくはその塩と式 【化6】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物またはその塩を反応させることを特徴とす
    る式 【化7】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物またはその塩の製造法。
  7. 【請求項7】 【化8】 (式中、R1は請求項1記載と同意義を示す。)で表さ
    れる化合物またはその塩と式 【化9】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物またはその塩を反応させた後、酸処理する
    ことを特徴とする式 【化10】 (式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。)で表
    される化合物またはその塩の製造法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の化合物またはその塩を含有
    してなる医薬組成物。
  9. 【請求項9】請求項1記載の化合物またはその塩を含有
    してなるマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤。
  10. 【請求項10】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる変形性関節症、慢性関節リウマチ、骨粗鬆
    症、癌、歯周病、または角膜潰瘍の予防・治療剤。
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