JP2000143408A - 水棲付着生物忌避剤及び防汚性繊維 - Google Patents
水棲付着生物忌避剤及び防汚性繊維Info
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- JP2000143408A JP2000143408A JP10328784A JP32878498A JP2000143408A JP 2000143408 A JP2000143408 A JP 2000143408A JP 10328784 A JP10328784 A JP 10328784A JP 32878498 A JP32878498 A JP 32878498A JP 2000143408 A JP2000143408 A JP 2000143408A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 海水等水域、水棲生物に対する悪影響のない
水棲付着生物忌避剤及びそれを用いた防汚性繊維を提供
する。 【解決手段】 下記一般式(1)記載の(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリル酸の銀、銅又は亜鉛
塩、及びスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1
種のモノマー及び/又はその重合体を有効成分とする水
棲付着生物忌避剤及び該水棲付着生物忌避剤を付着して
なる防汚性繊維。 CH2 =C(R)COO(CH2 )aObX (1) (但し、式中RはH又はCH3 、aは0〜4,bは0又
は1、Xは、次に記載する何れかの置換基を示す。(C
F2 )c Z(C=1〜10,ZはH又はF)、テトラヒ
ドロフルフリル基、フェニル基、イソボルニル基、ノル
ボルニル基、トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカニ
ル基又はデセニル基、水素を示す。)
水棲付着生物忌避剤及びそれを用いた防汚性繊維を提供
する。 【解決手段】 下記一般式(1)記載の(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリル酸の銀、銅又は亜鉛
塩、及びスチレンからなる群から選ばれる少なくとも1
種のモノマー及び/又はその重合体を有効成分とする水
棲付着生物忌避剤及び該水棲付着生物忌避剤を付着して
なる防汚性繊維。 CH2 =C(R)COO(CH2 )aObX (1) (但し、式中RはH又はCH3 、aは0〜4,bは0又
は1、Xは、次に記載する何れかの置換基を示す。(C
F2 )c Z(C=1〜10,ZはH又はF)、テトラヒ
ドロフルフリル基、フェニル基、イソボルニル基、ノル
ボルニル基、トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカニ
ル基又はデセニル基、水素を示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水棲付着生物の付
着を防止するための水棲付着生物忌避剤及び該水棲付着
生物忌避剤を用いた防汚性繊維に関する。
着を防止するための水棲付着生物忌避剤及び該水棲付着
生物忌避剤を用いた防汚性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】水棲付着生物であるムラサキイガイ、フ
ジツボ、ホヤ等は、船舶、港湾施設あるいは生け簀網や
固定用ロープ等の海や川の水に晒されている水中構造物
の表面に付着し、これら施設等の機能低下、耐久性劣
化、汚損等を引き起こしている。具体的には、船舶の船
底等への付着により水に対する摩擦抵抗が増加すること
による燃料費の増加や、養殖用の生け簀網に付着して網
目を詰まらせ海水の出入りを悪化させることによる魚類
の罹病や斃死等の問題を発生している。
ジツボ、ホヤ等は、船舶、港湾施設あるいは生け簀網や
固定用ロープ等の海や川の水に晒されている水中構造物
の表面に付着し、これら施設等の機能低下、耐久性劣
化、汚損等を引き起こしている。具体的には、船舶の船
底等への付着により水に対する摩擦抵抗が増加すること
による燃料費の増加や、養殖用の生け簀網に付着して網
目を詰まらせ海水の出入りを悪化させることによる魚類
の罹病や斃死等の問題を発生している。
【0003】特に、ムラサキイガイは、水中構造物に付
着する水棲付着生物の80%以上を占め、水中構造物に
重大な被害を及ぼすので、ムラサキイガイの付着を如何
に防ぐかが大きな問題点となっている。水棲付着生物の
水中構造物への付着防止や付着後の成長を阻止する方法
として、例えば有機スズ化合物等の防汚成分を塗料に配
合して水中構造物の表面に塗布する方法等がよく知られ
ている。
着する水棲付着生物の80%以上を占め、水中構造物に
重大な被害を及ぼすので、ムラサキイガイの付着を如何
に防ぐかが大きな問題点となっている。水棲付着生物の
水中構造物への付着防止や付着後の成長を阻止する方法
として、例えば有機スズ化合物等の防汚成分を塗料に配
合して水中構造物の表面に塗布する方法等がよく知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機ス
ズ化合物は強い毒性を有する上、塗布した海中構造物か
ら脱落したり、塗料から溶出拡散することによって、周
辺の水域や水棲生物を汚染する問題が指摘されている。
したがって、本発明は、有機スズ等の有害な金属を含ま
ない水棲付着生物忌避剤及びそれを用いた防汚性繊維を
提供することにある。
ズ化合物は強い毒性を有する上、塗布した海中構造物か
ら脱落したり、塗料から溶出拡散することによって、周
辺の水域や水棲生物を汚染する問題が指摘されている。
したがって、本発明は、有機スズ等の有害な金属を含ま
ない水棲付着生物忌避剤及びそれを用いた防汚性繊維を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、特定の有機モノマー及び/又はその重合体が水
棲付着生物の成長、ならびに付着を阻止する性質を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
の結果、特定の有機モノマー及び/又はその重合体が水
棲付着生物の成長、ならびに付着を阻止する性質を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、下記一般式(1)記載
の(メタ)アクリル酸エステル、一般式(2)記載の
(メタ)アクリル酸金属塩及びスチレンからなる群から
選ばれる少なくとも1種のモノマー及び/又はその重合
体を有効成分とする水棲付着生物忌避剤にある。
の(メタ)アクリル酸エステル、一般式(2)記載の
(メタ)アクリル酸金属塩及びスチレンからなる群から
選ばれる少なくとも1種のモノマー及び/又はその重合
体を有効成分とする水棲付着生物忌避剤にある。
【0007】
【化3】 CH2 =C(R)COO(CH2 )aObX (1) (但し、式中、RはH又はCH3 、aは0〜4,bは0
又は1、Xは、次に記載する何れかの置換基を示す。
(CF2 )c Z(C=1〜10,ZはH又はF)、テト
ラヒドロフルフリル基、フェニル基、イソボルニル基、
ノルボルニル基、トリシクロ[5,2,1,02, 6 ]デ
カニル基又はデセニル基、水素を示す。)
又は1、Xは、次に記載する何れかの置換基を示す。
(CF2 )c Z(C=1〜10,ZはH又はF)、テト
ラヒドロフルフリル基、フェニル基、イソボルニル基、
ノルボルニル基、トリシクロ[5,2,1,02, 6 ]デ
カニル基又はデセニル基、水素を示す。)
【0008】
【化4】 [CH2 =C(R)COO]n Y (2) (但し、式中、RはH又はCH3 、Yは銀、銅、亜鉛の
何れかの金属、nは金属の原子価により定まる定数を示
す。)
何れかの金属、nは金属の原子価により定まる定数を示
す。)
【0009】さらに本発明は、上記発明に係る水棲付着
生物忌避剤を付着してなる防汚性繊維にある。
生物忌避剤を付着してなる防汚性繊維にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の水棲付着生物忌避剤は、
前記一般式(1)記載の(メタ)アクリル酸エステル、
前記一般式(2)記載の(メタ)アクリル酸金属塩及び
スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノ
マーを有効成分とする。
前記一般式(1)記載の(メタ)アクリル酸エステル、
前記一般式(2)記載の(メタ)アクリル酸金属塩及び
スチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノ
マーを有効成分とする。
【0011】さらに本発明の水棲付着生物忌避剤は、前
記一般式(1)記載の(メタ)アクリル酸エステル、前
記一般式(2)記載の(メタ)アクリル酸金属塩及びス
チレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマ
ーの重合体を有効成分とする。
記一般式(1)記載の(メタ)アクリル酸エステル、前
記一般式(2)記載の(メタ)アクリル酸金属塩及びス
チレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマ
ーの重合体を有効成分とする。
【0012】また、本発明の水棲付着生物忌避剤は、上
記のモノマーとその重合体の混合物であってもよく、そ
の混合割合は当該忌避剤の使用形態により任意である。
記のモノマーとその重合体の混合物であってもよく、そ
の混合割合は当該忌避剤の使用形態により任意である。
【0013】本発明の前記一般式(1)記載の(メタ)
アクリル酸エステルとしては、具体的には、トリフルオ
ロエチルアクリレート、トリフルオロメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA、略
称、以下同じ。)、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート(THFMA)、フェニルアクリレート、フェニル
メタクリレート、イソボルニルアクリレート(IBX
A)、イソボルニルメタクリレートト(IBXMA)、
ノルボルニルアクリレート(NoboA)、ノルボルニ
ルメタクリレート(NoboMA)、ジシクロペンテニ
ルアクリレート(DCPA)、ジシクロペンテニルメタ
クリレート(DCPMA)、ジシクロペンテニルオキシ
アクリレート(DPEA)、ジシクロペンテニルオキシ
メタクリレート(DPEMA)、ジシクロペンタニルア
クリレート(DCPHA)、ジシクロペンタニルメタク
リレート(DCPHMA)、トリシクロ[5,2,1,
02,6]デカニルアクリレート、トリシクロ[5,2,
1,02,6 ]デカニルリメタクリレート、トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デセニルアクリレート、トリシ
クロ[5,2,1,02,6 ]デセニルメタクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシ
エチルメタクリレート(HEMA)等が例示できる。な
かでも、THFA、THFMA、IBXA、IBXM
A、NoboMA、DCPA、DCPHAが好ましい。
アクリル酸エステルとしては、具体的には、トリフルオ
ロエチルアクリレート、トリフルオロメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA、略
称、以下同じ。)、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート(THFMA)、フェニルアクリレート、フェニル
メタクリレート、イソボルニルアクリレート(IBX
A)、イソボルニルメタクリレートト(IBXMA)、
ノルボルニルアクリレート(NoboA)、ノルボルニ
ルメタクリレート(NoboMA)、ジシクロペンテニ
ルアクリレート(DCPA)、ジシクロペンテニルメタ
クリレート(DCPMA)、ジシクロペンテニルオキシ
アクリレート(DPEA)、ジシクロペンテニルオキシ
メタクリレート(DPEMA)、ジシクロペンタニルア
クリレート(DCPHA)、ジシクロペンタニルメタク
リレート(DCPHMA)、トリシクロ[5,2,1,
02,6]デカニルアクリレート、トリシクロ[5,2,
1,02,6 ]デカニルリメタクリレート、トリシクロ
[5,2,1,02,6 ]デセニルアクリレート、トリシ
クロ[5,2,1,02,6 ]デセニルメタクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシ
エチルメタクリレート(HEMA)等が例示できる。な
かでも、THFA、THFMA、IBXA、IBXM
A、NoboMA、DCPA、DCPHAが好ましい。
【0014】また、一般式(2)記載の(メタ)アクリ
ル酸金属塩としては、具体的には、アクリル酸銀(Ag
A)、メタクリル酸銀(AgMA)、アクリル酸銅(C
uA)、メタクリル酸銅(CuMA)、アクリル酸亜鉛
(ZnA)、メタクリル酸亜鉛(ZnMA)であるが、
AgA又はAgMAが好ましい。
ル酸金属塩としては、具体的には、アクリル酸銀(Ag
A)、メタクリル酸銀(AgMA)、アクリル酸銅(C
uA)、メタクリル酸銅(CuMA)、アクリル酸亜鉛
(ZnA)、メタクリル酸亜鉛(ZnMA)であるが、
AgA又はAgMAが好ましい。
【0015】本発明の水棲付着生物忌避剤は、水棲付着
生物の付着を防止したい船舶、港湾施設、魚類養殖用生
け簀を形成する網、貝類養殖用の籠、養殖筏用の浮材等
の資材、固定用ロープ等水中構造物に塗布、又はこれら
を水中構造物を構成する基材に混合、充填等の加工をす
るだけで付着防止効果、すなわち防汚効果を有するが、
さらに塗布、混合、充填等した後にこれらを重合して高
分子化合物とすることが好ましい。
生物の付着を防止したい船舶、港湾施設、魚類養殖用生
け簀を形成する網、貝類養殖用の籠、養殖筏用の浮材等
の資材、固定用ロープ等水中構造物に塗布、又はこれら
を水中構造物を構成する基材に混合、充填等の加工をす
るだけで付着防止効果、すなわち防汚効果を有するが、
さらに塗布、混合、充填等した後にこれらを重合して高
分子化合物とすることが好ましい。
【0016】ここで用いられる基材の中、生け簀用、養
殖用の網、籠とかロープに用いられる繊維又はその製品
に塗布、混合又は充填することが好ましい。繊維材料と
しては、特に羊毛、絹、麻、木綿等の天然セルロース繊
維、6ナイロン、6,6ナイロン等のポリアミド繊維等
が好ましい。
殖用の網、籠とかロープに用いられる繊維又はその製品
に塗布、混合又は充填することが好ましい。繊維材料と
しては、特に羊毛、絹、麻、木綿等の天然セルロース繊
維、6ナイロン、6,6ナイロン等のポリアミド繊維等
が好ましい。
【0017】また、本発明の水棲付着生物忌避剤は、補
助的に用いるだけでなく、水棲付着生物忌避剤単独でも
防汚効果を有している。
助的に用いるだけでなく、水棲付着生物忌避剤単独でも
防汚効果を有している。
【0018】本発明の水棲付着生物忌避剤は、前記一般
式(1)又は一般式(2)で示される化合物の有効成分
のみ、又は、スチレンで構成されていてもよいし、有効
成分を水、アルコール等溶媒に溶解してなる溶液の形態
であってもよく、また、有効成分が難溶性であるとき
は、分散剤を用いて水等に分散させてなる分散液の形態
であってもよい。
式(1)又は一般式(2)で示される化合物の有効成分
のみ、又は、スチレンで構成されていてもよいし、有効
成分を水、アルコール等溶媒に溶解してなる溶液の形態
であってもよく、また、有効成分が難溶性であるとき
は、分散剤を用いて水等に分散させてなる分散液の形態
であってもよい。
【0019】特に本発明の水棲付着生物忌避剤は、その
形態が液状であるときは、繊維等の製品を浸漬して付着
処理することにより繊維等の製品に容易に防汚性を付与
することができ、また塗布、スプレー等の方法を用いる
ことにより、水産分野で利用されている魚類養殖生け簀
や貝類養殖籠用の網地、養殖筏用浮材の外装、係留用ロ
ープ等の資材一般に簡易に防汚性を付与することができ
る。
形態が液状であるときは、繊維等の製品を浸漬して付着
処理することにより繊維等の製品に容易に防汚性を付与
することができ、また塗布、スプレー等の方法を用いる
ことにより、水産分野で利用されている魚類養殖生け簀
や貝類養殖籠用の網地、養殖筏用浮材の外装、係留用ロ
ープ等の資材一般に簡易に防汚性を付与することができ
る。
【0020】本発明の水棲付着生物忌避剤における有効
成分は、前記一般式(1)、(2)又はスチレンからな
り炭素−炭素二重結合を有し重合性を有しているので、
有効成分(モノマー)のままで適用し、その後重合させ
ることもできる。これらの水棲付着生物忌避剤の有効成
分は、これと共重合可能な他の不飽和化合物と共重合し
て使用してもよい。このような水棲付着生物忌避剤の重
合体、共重合体自体は防汚性材料として使用できる。
成分は、前記一般式(1)、(2)又はスチレンからな
り炭素−炭素二重結合を有し重合性を有しているので、
有効成分(モノマー)のままで適用し、その後重合させ
ることもできる。これらの水棲付着生物忌避剤の有効成
分は、これと共重合可能な他の不飽和化合物と共重合し
て使用してもよい。このような水棲付着生物忌避剤の重
合体、共重合体自体は防汚性材料として使用できる。
【0021】本発明の水棲付着生物忌避剤である有効成
分(モノマー)を重合するに当たっては任意の公知の方
法を用いることができる。例えば水棲付着生物忌避剤で
あるモノマーを、過硫酸アンモニウム等の任意の重合開
始剤及び界面活性剤等を含む重合性液を加熱することに
よって達せられる。重合は、基材にグラフト重合するこ
とが好ましい。この場合重合効率を上げるため蟻酸等で
酸性とした液中で加熱する方法が用いられる。
分(モノマー)を重合するに当たっては任意の公知の方
法を用いることができる。例えば水棲付着生物忌避剤で
あるモノマーを、過硫酸アンモニウム等の任意の重合開
始剤及び界面活性剤等を含む重合性液を加熱することに
よって達せられる。重合は、基材にグラフト重合するこ
とが好ましい。この場合重合効率を上げるため蟻酸等で
酸性とした液中で加熱する方法が用いられる。
【0022】本発明の水棲付着生物忌避剤は、海洋構造
物を海藻類、貝類の付着や汚損から守るために使用さ
れ、特に水棲付着生物の中で問題となっている付着性二
枚貝であるムラサキイガイの幼生あるいはその他の付着
性二枚貝類に対して優れた防汚効果がある。本発明の水
棲付着生物忌避剤は二枚貝類の他にコケムシ類、フジツ
ボ類、ホヤ類、カンザシゴカイ類等の海産付着生物の付
着防止あるいは、付着後の稚貝の成長阻止効果にも有効
である。
物を海藻類、貝類の付着や汚損から守るために使用さ
れ、特に水棲付着生物の中で問題となっている付着性二
枚貝であるムラサキイガイの幼生あるいはその他の付着
性二枚貝類に対して優れた防汚効果がある。本発明の水
棲付着生物忌避剤は二枚貝類の他にコケムシ類、フジツ
ボ類、ホヤ類、カンザシゴカイ類等の海産付着生物の付
着防止あるいは、付着後の稚貝の成長阻止効果にも有効
である。
【0023】また、本発明の防汚性繊維は、繊維に前記
の水棲付着生物忌避剤が付着されてなるものであり、繊
維としては、家蚕、野蚕等の絹繊維、羊毛繊維等の動物
性蛋白質繊維、麻、木綿等の天然セルロース繊維、6ナ
イロン、6,6ナイロン等のポリアミド繊維等が挙げら
れ、特に絹繊維、羊毛繊維が好ましいものとして挙げら
れる。繊維の形態は、綿、糸、織物、編物、不織布等の
布帛或いはこれら糸、布帛からなる繊維製品のいずれで
あってもよい。
の水棲付着生物忌避剤が付着されてなるものであり、繊
維としては、家蚕、野蚕等の絹繊維、羊毛繊維等の動物
性蛋白質繊維、麻、木綿等の天然セルロース繊維、6ナ
イロン、6,6ナイロン等のポリアミド繊維等が挙げら
れ、特に絹繊維、羊毛繊維が好ましいものとして挙げら
れる。繊維の形態は、綿、糸、織物、編物、不織布等の
布帛或いはこれら糸、布帛からなる繊維製品のいずれで
あってもよい。
【0024】本発明の防汚性繊維において、前記の水棲
付着生物忌避剤を繊維に付着させる手段としては、例え
ばモノマーとしての該忌避剤を繊維にグラフト重合する
ことにより繊維の表面及び/又は内部に強固に付着させ
る方法が挙げられるが、この方法は防汚性をより長い時
間持続させることができるので好ましい。
付着生物忌避剤を繊維に付着させる手段としては、例え
ばモノマーとしての該忌避剤を繊維にグラフト重合する
ことにより繊維の表面及び/又は内部に強固に付着させ
る方法が挙げられるが、この方法は防汚性をより長い時
間持続させることができるので好ましい。
【0025】本発明の防汚性繊維は、以下に記載する手
段により得ることができる。すなわち、本発明の防汚性
繊維は、繊維を前記の水棲付着生物忌避剤の溶液又は分
散液(以下、処理液という。)に付着処理することによ
り製造される。この場合、水棲付着生物忌避剤は、一種
又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
段により得ることができる。すなわち、本発明の防汚性
繊維は、繊維を前記の水棲付着生物忌避剤の溶液又は分
散液(以下、処理液という。)に付着処理することによ
り製造される。この場合、水棲付着生物忌避剤は、一種
又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】この処理液は、水棲付着生物忌避剤が水溶
性であれば水溶液、アルコール可溶性であればアルコー
ル溶液、或いは水不溶性であれば界面活性剤等の分散剤
により分散させ水分散液とすることが効率を上げる点で
好ましい。界面活性剤としては、例えば第一工業製薬
(株)製のノイゲンHC(商品名)のような非イオン界
面活性剤、竹本油脂(株)製のニューカルゲン1515
−2H(商品名)のような非イオン界面活性剤とアニオ
ン界面活性剤の混合界面活性剤等が挙げられる。
性であれば水溶液、アルコール可溶性であればアルコー
ル溶液、或いは水不溶性であれば界面活性剤等の分散剤
により分散させ水分散液とすることが効率を上げる点で
好ましい。界面活性剤としては、例えば第一工業製薬
(株)製のノイゲンHC(商品名)のような非イオン界
面活性剤、竹本油脂(株)製のニューカルゲン1515
−2H(商品名)のような非イオン界面活性剤とアニオ
ン界面活性剤の混合界面活性剤等が挙げられる。
【0027】処理液中の水棲付着生物忌避剤を繊維に付
着する方法としては、(a)処理液中に重合開始剤を存
在させて繊維を浸漬し、繊維に対し水棲付着生物忌避剤
をグラフト重合させる処理方法、(b)処理液中に繊維
を浸漬して付着処理する方法が用いられる。このほかに
(c)処理液を繊維に塗布又はスプレーして乾燥する方
法等も用いられる。これらの方法のうち、特に(a)の
方法は、水棲付着生物忌避剤が繊維にグラフト共重合し
ているので、水中に放置しても防汚効果の恒久性に優
れ、より多くの水棲付着生物忌避剤が繊維に付着し、ま
た、繊維特性の劣化が軽微なることから好ましい。特に
繊維として絹繊維、羊毛繊維を用いたときにおいて、
(a)の方法は、有効な方法である。
着する方法としては、(a)処理液中に重合開始剤を存
在させて繊維を浸漬し、繊維に対し水棲付着生物忌避剤
をグラフト重合させる処理方法、(b)処理液中に繊維
を浸漬して付着処理する方法が用いられる。このほかに
(c)処理液を繊維に塗布又はスプレーして乾燥する方
法等も用いられる。これらの方法のうち、特に(a)の
方法は、水棲付着生物忌避剤が繊維にグラフト共重合し
ているので、水中に放置しても防汚効果の恒久性に優
れ、より多くの水棲付着生物忌避剤が繊維に付着し、ま
た、繊維特性の劣化が軽微なることから好ましい。特に
繊維として絹繊維、羊毛繊維を用いたときにおいて、
(a)の方法は、有効な方法である。
【0028】(a)の方法を実施するに当たっては、処
理液中に重合開始剤として、繊維にグラフト反応の拠点
となるラジカルを発生させるラジカル触媒、例えば、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
等を添加する。これら重合開始剤の中、グラフト重合さ
れる繊維特性を低下させない点から過硫酸アンモニウム
が好ましく用いられる。重合開始剤の使用量は、通常の
ビニルモノマーの重合における使用量で十分であり、例
えば、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用い、蛋
白質繊維に40%owfのHEMAをグラフト重合させ
る場合の過硫酸アンモニウムの使用量は、蛋白質繊維と
HEMAの合計重量に対して0.5〜3重量%程度であ
る。
理液中に重合開始剤として、繊維にグラフト反応の拠点
となるラジカルを発生させるラジカル触媒、例えば、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
等を添加する。これら重合開始剤の中、グラフト重合さ
れる繊維特性を低下させない点から過硫酸アンモニウム
が好ましく用いられる。重合開始剤の使用量は、通常の
ビニルモノマーの重合における使用量で十分であり、例
えば、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用い、蛋
白質繊維に40%owfのHEMAをグラフト重合させ
る場合の過硫酸アンモニウムの使用量は、蛋白質繊維と
HEMAの合計重量に対して0.5〜3重量%程度であ
る。
【0029】処理液のpHは通常2〜4の範囲でよい
が、繊維に対するグラフト重合反応を安定して行わせ、
グラフト効果、特にグラフト効率を向上させるために
は、pHは3前後に調整しておくことが好ましい。pH
調整は、硫酸、蟻酸、塩酸等の酸、好ましくは蟻酸の添
加により行う。繊維重量に対しての処理液の加工重量
比、即ち浴比は、グラフト効率を高め、また経済性を考
慮すると通常1:10〜1:20であり、好ましくは
1:15である。通常、グラフト重合反応は、処理液に
繊維を浸漬し、処理液を室温から10〜20分間かけて
75〜80℃に昇温し、75〜80℃で30〜60分保
持して行う。グラフト重合反応後、反応させた繊維は、
洗浄、乾燥して本発明の防汚性繊維を得る。
が、繊維に対するグラフト重合反応を安定して行わせ、
グラフト効果、特にグラフト効率を向上させるために
は、pHは3前後に調整しておくことが好ましい。pH
調整は、硫酸、蟻酸、塩酸等の酸、好ましくは蟻酸の添
加により行う。繊維重量に対しての処理液の加工重量
比、即ち浴比は、グラフト効率を高め、また経済性を考
慮すると通常1:10〜1:20であり、好ましくは
1:15である。通常、グラフト重合反応は、処理液に
繊維を浸漬し、処理液を室温から10〜20分間かけて
75〜80℃に昇温し、75〜80℃で30〜60分保
持して行う。グラフト重合反応後、反応させた繊維は、
洗浄、乾燥して本発明の防汚性繊維を得る。
【0030】(b)の方法においては、繊維を処理液に
常温又は加温下にて浸漬した後、必要により処理繊維を
水で洗浄し、常温又は加熱乾燥する。また、(c)の方
法においては、処理液を繊維に塗布又はスプレーし、常
温又は加熱下に乾燥することによって本発明の防汚性繊
維を得ることができる。
常温又は加温下にて浸漬した後、必要により処理繊維を
水で洗浄し、常温又は加熱乾燥する。また、(c)の方
法においては、処理液を繊維に塗布又はスプレーし、常
温又は加熱下に乾燥することによって本発明の防汚性繊
維を得ることができる。
【0031】(a)、(b)又は(c)の繊維に対する
付着方法における処理液の水棲付着生物忌避剤の使用
量、処理温度、処理時間等の条件は、処理される繊維の
種類、形態、防汚性付与の程度、防汚性繊維の用途等に
より、適宜変更することができる。繊維への前記の水棲
付着生物忌避剤の付着量としては、優れた防汚効果を発
揮させるうえから、少なくとも5%owfとすることが
好ましい。繊維に対する付着処理は、原料繊維の状態、
糸又は撚糸の状態、又は網、編織物又はロープのような
製品の状態で行うことができる。
付着方法における処理液の水棲付着生物忌避剤の使用
量、処理温度、処理時間等の条件は、処理される繊維の
種類、形態、防汚性付与の程度、防汚性繊維の用途等に
より、適宜変更することができる。繊維への前記の水棲
付着生物忌避剤の付着量としては、優れた防汚効果を発
揮させるうえから、少なくとも5%owfとすることが
好ましい。繊維に対する付着処理は、原料繊維の状態、
糸又は撚糸の状態、又は網、編織物又はロープのような
製品の状態で行うことができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。説明中「%」は特に断らない限り重量基準
である。また、説明中グラフト率は次のようにして算出
した。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。説明中「%」は特に断らない限り重量基準
である。また、説明中グラフト率は次のようにして算出
した。
【0033】
【数1】グラフト率(%)=(B−A)/A×100 但し、Aはグラフト加工前の試料の重量、Bはグラフト
加工後の試料の重量を表し、各試料は105℃で2時間
乾燥後の測定値を採用した。
加工後の試料の重量を表し、各試料は105℃で2時間
乾燥後の測定値を採用した。
【0034】「防汚繊維の調製」羊毛に対し各種(メ
タ)アクリル酸エステル、金属塩及びスチレンモノマー
をグラフト加工した防汚繊維の調製。
タ)アクリル酸エステル、金属塩及びスチレンモノマー
をグラフト加工した防汚繊維の調製。
【0035】1.THFMAをグラフト加工 メリノ種羊毛(64’S)をベンゼン−エタノール=5
0/50(容積%)の混合液を用い、ソックスレー抽出
器で2.5時間処理して色素、脂肪分を除去した羊毛を
得た。6本の羊毛を合撚糸機で引き揃え、1m当たり1
00回の撚りをかけた羊毛撚糸を得た。
0/50(容積%)の混合液を用い、ソックスレー抽出
器で2.5時間処理して色素、脂肪分を除去した羊毛を
得た。6本の羊毛を合撚糸機で引き揃え、1m当たり1
00回の撚りをかけた羊毛撚糸を得た。
【0036】羊毛撚糸(以下、単に羊毛という。)を、
ニューカルゲン1515−2H(竹本油脂(株)製、非
イオン/アニオン混合界面活性剤、商品名)を6%含む
加工液に、希薄蟻酸を加えて加工溶液をpH3.0に調
整した後、THFMAモノマーを羊毛重量に対して10
0%owfを添加してシェーカーにより十分撹拌した。
さらに重合開始剤としての過硫酸アンモニウム(AP
S)を羊毛とモノマーの合計重量に対して1.8%ow
f添加した。なお,浴比は1:15に設定した。グラフ
ト加工溶液の温度は、25℃から45分かけて85℃に
昇温し、80℃の一定温度で60分加熱処理して羊毛繊
維に対するグラフト重合反応を行った。グラフト加工し
た羊毛は、未反応薬品を除去するため,85℃の1g/
1リットルの非イオン界面活性剤ノイゲンHC(第一工
業製薬(株)製、商品名)水溶液で30分間処理し、次
いで流水で十分に洗浄した後、標準状態(20℃,65
%RH)に1時間放置し、軽く乾燥してから105℃の
恒温装置にて2時間乾燥させた。このようにしてTHF
MAのグラフト率が56%のグラフト加工羊毛を得た。
ニューカルゲン1515−2H(竹本油脂(株)製、非
イオン/アニオン混合界面活性剤、商品名)を6%含む
加工液に、希薄蟻酸を加えて加工溶液をpH3.0に調
整した後、THFMAモノマーを羊毛重量に対して10
0%owfを添加してシェーカーにより十分撹拌した。
さらに重合開始剤としての過硫酸アンモニウム(AP
S)を羊毛とモノマーの合計重量に対して1.8%ow
f添加した。なお,浴比は1:15に設定した。グラフ
ト加工溶液の温度は、25℃から45分かけて85℃に
昇温し、80℃の一定温度で60分加熱処理して羊毛繊
維に対するグラフト重合反応を行った。グラフト加工し
た羊毛は、未反応薬品を除去するため,85℃の1g/
1リットルの非イオン界面活性剤ノイゲンHC(第一工
業製薬(株)製、商品名)水溶液で30分間処理し、次
いで流水で十分に洗浄した後、標準状態(20℃,65
%RH)に1時間放置し、軽く乾燥してから105℃の
恒温装置にて2時間乾燥させた。このようにしてTHF
MAのグラフト率が56%のグラフト加工羊毛を得た。
【0037】2.THFAをグラフト加工 THFMAに代えてTHFAを使用し、THFAの使用
量を羊毛重量に対して120%owfとしたほかはTH
FMAの場合と同様にしてグラフト加工を行い、THF
Aのグラフト率が54%のグラフト加工羊毛を得た。
量を羊毛重量に対して120%owfとしたほかはTH
FMAの場合と同様にしてグラフト加工を行い、THF
Aのグラフト率が54%のグラフト加工羊毛を得た。
【0038】3.IBXMAをグラフト加工 THFMAに代えてIBXMAを使用し、グラフト系の
pHを2.5、IBXMAの使用量を羊毛重量に対して
120%owf、APSの添加量を2.0%としたほか
はTHFMAの場合と同様にしてグラフト加工を行い、
IBXMAのグラフト率が10%のグラフト加工羊毛を
得た。
pHを2.5、IBXMAの使用量を羊毛重量に対して
120%owf、APSの添加量を2.0%としたほか
はTHFMAの場合と同様にしてグラフト加工を行い、
IBXMAのグラフト率が10%のグラフト加工羊毛を
得た。
【0039】4.IBXAをグラフト加工 THFMAに代えてIBXAを使用し、グラフト系のp
Hを3.0、IBXAの使用量を羊毛重量に対して12
0%owf、APSの添加量を1.8%としたほかはT
HFMAの場合と同様にしてグラフト加工を行い、IB
XAのグラフト率が10%のグラフト加工羊毛を得た。
Hを3.0、IBXAの使用量を羊毛重量に対して12
0%owf、APSの添加量を1.8%としたほかはT
HFMAの場合と同様にしてグラフト加工を行い、IB
XAのグラフト率が10%のグラフト加工羊毛を得た。
【0040】5.NoboMAをグラフト加工 THFMAに代えてNoboMAを使用し、界面活性剤
「ニューカルゲン1515−2H」の添加量を12%、
グラフト系のpHを3.0、NoboMAの使用量を羊
毛重量に対して125%owf、APSの添加量を2.
5%としたほかはTHFMAの場合と同様にしてグラフ
ト加工を行い、NoboMAのグラフト率が12%のグ
ラフト加工羊毛を得た。
「ニューカルゲン1515−2H」の添加量を12%、
グラフト系のpHを3.0、NoboMAの使用量を羊
毛重量に対して125%owf、APSの添加量を2.
5%としたほかはTHFMAの場合と同様にしてグラフ
ト加工を行い、NoboMAのグラフト率が12%のグ
ラフト加工羊毛を得た。
【0041】6.DPEAをグラフト加工 THFMAに代えてDPEAを使用し、界面活性剤「ニ
ューカルゲン1515−2H」の添加量を12%、グラ
フト系のpHを3.0、DPEAの使用量を羊毛重量に
対して100%owf、APSの添加量を1.8%とし
たほかはTHFMAの場合と同様にしてグラフト加工を
行い、DPEAのグラフト率が11%のグラフト加工羊
毛を得た。
ューカルゲン1515−2H」の添加量を12%、グラ
フト系のpHを3.0、DPEAの使用量を羊毛重量に
対して100%owf、APSの添加量を1.8%とし
たほかはTHFMAの場合と同様にしてグラフト加工を
行い、DPEAのグラフト率が11%のグラフト加工羊
毛を得た。
【0042】7.DCPHAをグラフト加工 上記6のDPEAの場合と同様にしてDCPHAのグラ
フト加工を行い、DCPHAのグラフト率が11%のグ
ラフト加工羊毛を得た。
フト加工を行い、DCPHAのグラフト率が11%のグ
ラフト加工羊毛を得た。
【0043】8.DCPAをグラフト加工 同じくDPEAの場合と同様にしてDCPAのグラフト
加工を行い、DCPAのグラフト率が10%のグラフト
加工羊毛を得た。
加工を行い、DCPAのグラフト率が10%のグラフト
加工羊毛を得た。
【0044】9.HEMAをグラフト加工 同じくDPEAの場合と同様にして、ただし、HEMA
の使用量を羊毛重量に対して100%owfとし、浴比
を1:15としてグラフト加工を行い、HEMAのグラ
フト率が71%のグラフト加工羊毛を得た。
の使用量を羊毛重量に対して100%owfとし、浴比
を1:15としてグラフト加工を行い、HEMAのグラ
フト率が71%のグラフト加工羊毛を得た。
【0045】10.AgMAをグラフト加工 同じくDPEAの場合と同様にして、ただし、AgMA
の使用量を羊毛重量に対して80%owfとし、浴比を
1:15としてグラフト加工を行い、AgMAのグラフ
トが33%のグラフト加工羊毛を得た。
の使用量を羊毛重量に対して80%owfとし、浴比を
1:15としてグラフト加工を行い、AgMAのグラフ
トが33%のグラフト加工羊毛を得た。
【0046】11.スチレンをグラフト加工 同じくDPEAの場合と同様にして、ただし、スチレン
の使用量を羊毛重量に対して70%owfとし、浴比を
1:15としてグラフト加工を行い、スチレンのグラフ
ト率が47%のグラフト加工羊毛を得た。
の使用量を羊毛重量に対して70%owfとし、浴比を
1:15としてグラフト加工を行い、スチレンのグラフ
ト率が47%のグラフト加工羊毛を得た。
【0047】[実施例1〜11]及び[比較例1]上記
のグラフト加工羊毛及びグラフト加工を施していない羊
毛を用いた、ムラサキイガイの付着実験。
のグラフト加工羊毛及びグラフト加工を施していない羊
毛を用いた、ムラサキイガイの付着実験。
【0048】1.初期発生までの手順 瀬戸内海区水産研究所の生簀から大きめのムラサキイガ
イ41個体を親貝として採取した。現場水温は11.6
℃であった。親貝の表面付着物を除去した後、砂濾過海
水により4時間の流水蓄養した。次いで、水道水で親貝
の殻表面の外部を洗浄後、18.6℃の0.2μmカー
トリッジフィルターで濾過した海水を満たした水槽中へ
入れ、産卵・放精の誘発を行った。誘発開始後1分以内
に放精・放卵が開始した。最初のおよそ20分間は雄が
中心に放精し、その後雌が多数放卵した。この結果、雄
17個体、雌9個体、無反応個体数15個数、反応率6
3%、反応個体の平均殻長は61.8mmであった。
イ41個体を親貝として採取した。現場水温は11.6
℃であった。親貝の表面付着物を除去した後、砂濾過海
水により4時間の流水蓄養した。次いで、水道水で親貝
の殻表面の外部を洗浄後、18.6℃の0.2μmカー
トリッジフィルターで濾過した海水を満たした水槽中へ
入れ、産卵・放精の誘発を行った。誘発開始後1分以内
に放精・放卵が開始した。最初のおよそ20分間は雄が
中心に放精し、その後雌が多数放卵した。この結果、雄
17個体、雌9個体、無反応個体数15個数、反応率6
3%、反応個体の平均殻長は61.8mmであった。
【0049】親貝取り上げ2時間後、2回洗卵した。卵
の一部をとり、顕微鏡下で観察して発生率を調べたとこ
ろ、2〜6細胞卵の発生率は97%であった。産卵・放
精の翌日に表面に浮上してきた幼生(ほぼトコロフォア
幼生期)を掬い取り、100リットル入り円形透明ポリ
カーボネート樹脂製水槽へ10個体/mlの密度になる
よう収容した。以後、飼育水には0.2μmカートリッ
ジフィルターで濾過した海水を使用した。幼生の餌とし
てPavlova sp.(鞭毛藻類の一種)を飼育水
中に0.5万細胞/mlの密度で投餌した。さらに翌
日、飼育幼生の一部を顕微鏡下で観察してD型化率及び
奇形率の計算を行ったところ、D型化率は100%であ
り、奇形率(ヒンジ曲がり等)は6.3%であった。ム
ラサキイガイのような二枚貝の幼生飼育において、この
ような発生率、D型化率、奇形率は、初期発生が正常に
進行したことを意味する。
の一部をとり、顕微鏡下で観察して発生率を調べたとこ
ろ、2〜6細胞卵の発生率は97%であった。産卵・放
精の翌日に表面に浮上してきた幼生(ほぼトコロフォア
幼生期)を掬い取り、100リットル入り円形透明ポリ
カーボネート樹脂製水槽へ10個体/mlの密度になる
よう収容した。以後、飼育水には0.2μmカートリッ
ジフィルターで濾過した海水を使用した。幼生の餌とし
てPavlova sp.(鞭毛藻類の一種)を飼育水
中に0.5万細胞/mlの密度で投餌した。さらに翌
日、飼育幼生の一部を顕微鏡下で観察してD型化率及び
奇形率の計算を行ったところ、D型化率は100%であ
り、奇形率(ヒンジ曲がり等)は6.3%であった。ム
ラサキイガイのような二枚貝の幼生飼育において、この
ような発生率、D型化率、奇形率は、初期発生が正常に
進行したことを意味する。
【0050】2.幼生飼育の経過(初期発生〜実験開始
まで) 100リットル入り円形透明ポリカーボネート樹脂製水
槽(水量90リットル)中の飼育水を4rpmで回転す
るアジテーターとエアレーションにより常時流動させ
て、幼生の円周上の分布を均一化した。飼育水の換水は
毎日行った。飼育水は使用前に加温し、飼育期間中の水
温は17.2〜19.3℃、塩分は32psuであっ
た。実験室の気温は18℃に調節した。飼料としてはP
avlovasp.及びChaetoceros s
p.(珪藻の一種)を発育段階に応じ総数0.3〜4万
細胞/mlの濃度となるように飼育水中に投与した。採
卵から23日後に初めて匍匐幼生の出現を確認した。
まで) 100リットル入り円形透明ポリカーボネート樹脂製水
槽(水量90リットル)中の飼育水を4rpmで回転す
るアジテーターとエアレーションにより常時流動させ
て、幼生の円周上の分布を均一化した。飼育水の換水は
毎日行った。飼育水は使用前に加温し、飼育期間中の水
温は17.2〜19.3℃、塩分は32psuであっ
た。実験室の気温は18℃に調節した。飼料としてはP
avlovasp.及びChaetoceros s
p.(珪藻の一種)を発育段階に応じ総数0.3〜4万
細胞/mlの濃度となるように飼育水中に投与した。採
卵から23日後に初めて匍匐幼生の出現を確認した。
【0051】3.付着実験の経過 採卵から25日後に前記グラフト加工羊毛繊維及び無処
理羊毛繊維を水槽内に設置することで付着実験を開始し
た。このときの幼生数は4.1個体/mlであった。長
さ12.5cmの12種の試料(糸番号1〜11及びグ
ラフト加工しない糸=糸番号12)を上端が水面直下に
なるように水槽中に吊るした。試料の位置はランダムに
配置した。被検繊維試料はアジテーターにより常に一定
の水平方向の水流に晒された。その間水槽は黒色の樹脂
フィルムで覆い、換水は1日おき、飼料はPavlov
a sp.及びChaetoceros sp.を総数
4〜5万細胞/mlの濃度となるように飼育水中に投与
した。付着実験開始から23日後に各糸に付着した稚貝
を計数した。付着数の評価は羊毛糸長1cmあたりのム
ラサキイガイ稚貝の付着数について行った。付着数を表
1示す。
理羊毛繊維を水槽内に設置することで付着実験を開始し
た。このときの幼生数は4.1個体/mlであった。長
さ12.5cmの12種の試料(糸番号1〜11及びグ
ラフト加工しない糸=糸番号12)を上端が水面直下に
なるように水槽中に吊るした。試料の位置はランダムに
配置した。被検繊維試料はアジテーターにより常に一定
の水平方向の水流に晒された。その間水槽は黒色の樹脂
フィルムで覆い、換水は1日おき、飼料はPavlov
a sp.及びChaetoceros sp.を総数
4〜5万細胞/mlの濃度となるように飼育水中に投与
した。付着実験開始から23日後に各糸に付着した稚貝
を計数した。付着数の評価は羊毛糸長1cmあたりのム
ラサキイガイ稚貝の付着数について行った。付着数を表
1示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の水棲付着生物忌避剤には、有機
スズ化合物を含まないので、本発明水棲付着生物忌避剤
を適用した周辺の水域や水棲生物を汚染せずに、水棲付
着生物に対して優れた防汚性を発揮する。また、本発明
の防汚性繊維は同様の特性を有しており、海藻類、貝類
等の水棲付着生物の付着や汚損に対して優れた防汚効果
を発揮し、例えば、水産分野で利用されている魚類養殖
生け簀や貝類養殖籠用の網地、養殖筏用浮材の外装、係
留用ロープ等の資材一般の素材として極めて有用であ
る。
スズ化合物を含まないので、本発明水棲付着生物忌避剤
を適用した周辺の水域や水棲生物を汚染せずに、水棲付
着生物に対して優れた防汚性を発揮する。また、本発明
の防汚性繊維は同様の特性を有しており、海藻類、貝類
等の水棲付着生物の付着や汚損に対して優れた防汚効果
を発揮し、例えば、水産分野で利用されている魚類養殖
生け簀や貝類養殖籠用の網地、養殖筏用浮材の外装、係
留用ロープ等の資材一般の素材として極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薄 浩則 広島県佐伯郡大野町丸石二丁目17番5号 瀬戸内海区水産研究所広島庁舎内 (72)発明者 井上 和孝 東京都港区港南一丁目6番41号 三菱レイ ヨン株式会社内 Fターム(参考) 4H011 AD01 BB06 BB18 BB19 DD07 DE15 DE17 DH02 DH19 4L033 AB01 AC04 AC10 CA22 DA00
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(1)記載の(メタ)アクリ
ル酸エステル、一般式(2)記載の(メタ)アクリル酸
金属塩及びスチレンからなる群から選ばれる少なくとも
1種のモノマー及び/又はその重合体を有効成分とする
水棲付着生物忌避剤。 【化1】 CH2 =C(R)COO(CH2 )aObX (1) (但し、式中、RはH又はCH3 、aは0〜4,bは0
又は1、Xは、次に記載する何れかの置換基を示す。
(CF2 )c Z(C=1〜10,ZはH又はF)、テト
ラヒドロフルフリル基、フェニル基、イソボルニル基、
ノルボルニル基、トリシクロ[5,2,1,02, 6 ]デ
カニル基又はデセニル基、水素を示す。) 【化2】 [CH2 =C(R)COO]n Y (2) (但し、式中、RはH又はCH3 、Yは銀、銅、亜鉛の
何れかの金属、nは金属の原子価により定まる定数を示
す。) - 【請求項2】 請求項1に記載の水棲付着生物忌避剤が
付着されてなる防汚性繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10328784A JP2000143408A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 水棲付着生物忌避剤及び防汚性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10328784A JP2000143408A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 水棲付着生物忌避剤及び防汚性繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000143408A true JP2000143408A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18214093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10328784A Pending JP2000143408A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 水棲付着生物忌避剤及び防汚性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000143408A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2941238A1 (fr) * | 2009-01-22 | 2010-07-23 | Arkema France | Utilisation d'une composition transparente pour photobioreacteurs. |
-
1998
- 1998-11-05 JP JP10328784A patent/JP2000143408A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2941238A1 (fr) * | 2009-01-22 | 2010-07-23 | Arkema France | Utilisation d'une composition transparente pour photobioreacteurs. |
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