JP2000143022A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JP2000143022A
JP2000143022A JP31949898A JP31949898A JP2000143022A JP 2000143022 A JP2000143022 A JP 2000143022A JP 31949898 A JP31949898 A JP 31949898A JP 31949898 A JP31949898 A JP 31949898A JP 2000143022 A JP2000143022 A JP 2000143022A
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JP
Japan
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paper
speed
roller
reverse
sheet
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JP31949898A
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Inventor
Naoki Kozuka
直樹 小塚
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FRR方式のローラの駆動方法を改善するこ
とにより,発生する分離振動を抑制し,装置の静粛性お
よびジター等の画質劣化を回避すること。 【解決手段】 用紙を給紙するフィードローラ103
と,フィードローラ103と接触し,給紙方向と逆駆動
され,かつフィードローラ103の摩擦力で給紙方向に
正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用紙の枚数に応
じて正逆転するリバースローラ104とを備え,リバー
スローラ104が,両ローラのニップ部分に進入する用
紙が1枚時に正回転して用紙1枚を繰り出し,他方,ニ
ップ部分に用紙が複数枚進入した際に逆転し,最上部以
外の用紙を戻す動作を行う給紙装置において,フィード
ローラ103により送られる用紙の搬送速度をVF ,ト
ルクリミッタが動作し,リバースローラ104が逆転し
たときの用紙の戻し速度をVBとしたとき,|VF |>
|VB |,かつVF ・VB <0を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,複写機や普通紙フ
ァクシミリ,ページプリンタ等に利用され,給紙部のニ
ップで発生する重送の際に最上紙の下層紙を給紙側に戻
すトルクリミッタタイプの正逆転摩擦分離ローラ給紙
(FRR;Feed&Reverse Roller)
方式を用いた給紙装置に関し,より詳細には,トルクリ
ミッタ方式のリバースローラの駆動時に生じる振動・騒
音を抑制し,装置の静粛性および画質への影響を回避す
る給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,複写機や普通紙ファクシミリ,ペ
ージプリンタ等の画像形成装置に利用される給紙分離方
式として,代表的なものとして,部品点数が比較的少な
く小型の装置に搭載するのに最適なコーナーセパレータ
方式や,該方式に対して多数枚送り(重送)発生率の低
く信頼性の高い摩擦分離方式(パッド分離/摩擦ローラ
分離)が多く利用されている。特に,摩擦分離ローラ方
式のうち,分離ローラにトルクリミッタを内蔵し,かつ
分離ローラに給紙方向と反対方向の駆動を与える逆回転
駆動系を備え,リバースローラを有するFRR方式が,
ペーパーフリー化および高い信頼性を要求する装置に利
用されている。
【0003】ところが,上記FRR方式を用いた場合に
逆回転駆動系を設ける必要がある。このため駆動時にお
いて,ローラを支持する軸やベリング,動力を伝達する
ギアやベルト等の駆動部品,これらを支持する機器のフ
レームを介して機器の内部に伝搬し,作像部分において
はジターと称する濃度ムラ(副走査方向の小ピッチしま
模様)の発生源となることがあり,かつ分離時や機構系
に起因する振動・騒音が生じ,静粛性が要求される装置
としては消音を行う必要があった。このような不具合の
解消に関連する技術として以下のような技術が開示され
ている。
【0004】特開平5−8879号公報に開示されてい
る『給紙装置』では,リバースローラ部分で発生する振
動を低減するため,リバースローラに一体のリバース軸
の軸受けを支持し,さらに本体ステーに取付け・固定さ
れたブラケットに対し,付勢手段を設けて押し付けてい
る。また,特開平9−315600号公報に開示されて
いる『給紙装置の消音機構』では,リバースローラで発
生するびびり振動が他の部材で増幅しないようにするた
めに,他の部材の共振周波数をびびり振動周波数の1/
1/2 以下あるいは21/2 倍以上に設定・構成してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記に
示されるような従来のFRR方式の給紙装置にあって
は,消音等の対策として効果が見られるが,振動源であ
るリバースローラ部分におけるびびり振動自体を極めて
小さい状態に低減することが十分にできていないので,
びびり振動による騒音が発生すると共に,その振動が作
像部に伝搬し,ジター等による画質劣化を招来させると
いう問題点があった。
【0006】本発明は,上記に鑑みてなされたものであ
って,FRR方式の給紙装置におけるローラの駆動方法
を改善することにより,発生する分離振動を抑制し,装
置の静粛性およびジター等の画質劣化を回避することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る給紙装置にあっては,積載紙端部
上側に配置され,用紙を所定速度で所定距離を給紙する
フィードローラと,前記フィードローラと対向・当接
し,前記給紙方向とは逆の駆動力が供給され,かつ前記
フィードローラの摩擦力を受けて給紙方向に正転するト
ルクリミッタを内蔵し,進入用紙の枚数に応じて正逆転
するリバースローラと,を備え,前記フィードローラと
前記リバースローラとが相互に押し付けられて形成され
るニップ部分に進入する用紙が1枚時にローラ間の摩擦
大により前記リバースローラが正回転して用紙1枚を繰
り出し,前記ニップ部分に用紙が複数枚進入した際に紙
間摩擦小により前記リバースローラが逆転し,最上部以
外の用紙を所定速度で戻す動作を行う給紙装置におい
て,前記フィードローラにより送られる用紙の搬送速度
をVF ,前記トルクリミッタが動作し,前記リバースロ
ーラが逆転したときにリバースローラにより戻される用
紙の戻し速度をVB としたとき, |VF |>|VB |,かつVF ・VB <0 を満足する条件に設定するものである。
【0008】また,請求項2に係る給紙装置にあって
は,積載紙端部上側に配置され,用紙を所定速度で所定
距離を給紙するフィードローラと,前記フィードローラ
と対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動力が供給さ
れ,かつ前記フィードローラの摩擦力を受けて給紙方向
に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用紙の枚数に
応じて正逆転するリバースローラと,を備え,前記フィ
ードローラと前記リバースローラとが相互に押し付けら
れて形成されるニップ部分に進入する用紙が1枚時にロ
ーラ間の摩擦大により前記リバースローラが正回転して
用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用紙が複数枚進
入した際に紙間摩擦小により前記リバースローラが逆転
し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動作を行う給紙
装置において,前記フィードローラにより送られる用紙
の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが動作し,前記
リバースローラが逆転したときにリバースローラにより
戻される用紙の戻し速度をVB ,前記搬送速度VF と前
記戻し速度VB の速度比αをα=|VF |/|VB |,
給紙対象の用紙の搬送方向の長さをL,前記ニップ部の
の幅をX,ニップ内に送り得る最大用紙枚数をNとした
とき,
【数2】 を満足する速度比条件に設定するものである。
【0009】また,請求項3に係る給紙装置にあって
は,積載紙端部上側に配置され,用紙を所定速度で所定
距離を給紙するフィードローラと,前記フィードローラ
と対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動力が供給さ
れ,かつ前記フィードローラの摩擦力を受けて給紙方向
に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用紙の枚数に
応じて正逆転するリバースローラと,を備え,前記フィ
ードローラと前記リバースローラとが相互に押し付けら
れて形成されるニップ部分に進入する用紙が1枚時にロ
ーラ間の摩擦大により前記リバースローラが正回転して
用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用紙が複数枚進
入した際に紙間摩擦小により前記リバースローラが逆転
し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動作を行う給紙
装置において,前記フィードローラにより送られる用紙
の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが動作し,前記
リバースローラが逆転したときにリバースローラにより
戻される用紙の戻し速度をVB ,前記搬送速度VF と前
記戻し速度VB の速度比αをα=|VF |/|VB |,
給紙対象の用紙の搬送方向の長さをL,前記ニップ部の
の幅をXとしたとき, α・X(4+3α+2α2 +α2 )≦L を満足するものである。
【0010】また,請求項4に係る給紙装置にあって
は,積載紙端部上側に配置され,用紙を所定速度で所定
距離を給紙するフィードローラと,前記フィードローラ
と対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動力が供給さ
れ,かつ前記フィードローラの摩擦力を受けて給紙方向
に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用紙の枚数に
応じて正逆転するリバースローラと,を備え,前記フィ
ードローラと前記リバースローラとが相互に押し付けら
れて形成されるニップ部分に進入する用紙が1枚時にロ
ーラ間の摩擦大により前記リバースローラが正回転して
用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用紙が複数枚進
入した際に紙間摩擦小により前記リバースローラが逆転
し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動作を行う給紙
装置において,前記フィードローラにより送られる用紙
の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが動作し,前記
リバースローラが逆転したときにリバースローラにより
戻される用紙の戻し速度をVB ,前記搬送速度VF と前
記戻し速度VB の速度比αをα=|VF |/|VB |,
給紙対象の用紙の搬送方向の長さをL,前記ニップ部の
の幅をXとしたとき, |VB |/X<50 を満足するものである。
【0011】また,請求項5に係る給紙装置にあって
は,請求項1ないし4のいずれか一つに記載の給紙装置
において,給紙対象の用紙長さに応じて前記搬送速度V
F と前記戻し速度VB の速度比を切り換えるものであ
る。。
【0012】また,請求項6に係る給紙装置にあって
は,請求項1ないし5のいずれか一つに記載の給紙装置
において,前記リバースローラが逆転したときにリバー
スローラにより戻される用紙の戻し速度をVB ,前記ニ
ップ部のの幅をXとしたとき,用紙搬送方向の画像形成
速度Viに対し, |VB |/X<Vi/2 を満足する条件に設定するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,本発明の給紙装置の実施の
形態について添付図面を参照し,詳細に説明する。
【0014】〔FRR給紙機構〕まず,FRR(Fee
d&Reverse Roller)方式について説明
する。図1は,FRR方式を用いた給紙装置の概略構成
を示す説明図である。図において,101は所定サイズ
の用紙100を積載し,セットするための用紙カセッ
ト,103は用紙カセット101にセットされた用紙の
最上紙を給紙するため所定の摩擦係数を持ったゴム層が
被服されたフィードローラ,104はフィードローラ1
04と所定圧で当接され,かつフィードローラ103と
同等の摩擦係数を持つゴム層を有し,さらに後述するよ
うに多数枚送り(用紙の重送)の発生を防止するための
リバース機構を有するリバースローラである。
【0015】また,105はフィードローラ103を同
軸端部に支持し,駆動力を伝達するフィードローラ軸,
106はフィードローラ103が装着された端部の他端
側に取り付けられ,フィードローラ軸105に駆動力を
与えるフィードローラ駆動ギア,107はリバースロー
ラ104を同軸端部に支持し,駆動力を伝達するリバー
スローラ軸,108はリバースローラ軸107に駆動力
を与えるリバースローラ駆動ギア,109はフィードロ
ーラ駆動ギア106とリバースローラ駆動ギア108と
歯合して回転するアイドルギアである。つまり,アイド
ルギア109によってフィードロラ103とリバースロ
ーラ104とは相互に回転方向が異なるように設計され
ている。なお,リバースローラ104の駆動は上述の他
に,例えば独立駆動で速度可変な機構であってもよい。
【0016】また,110はリバースローラ104の同
軸上に配置されるトルクリミッタである。このトルクリ
ミッタ110は,図2に示すように,コイルスプリング
201とハブ202とによるスプリングクラッチを成し
ている。つまり,所定のトルクで回転する(例えば,フ
ィードローラ103と用紙1枚を介して接触し,その摩
擦力によってすべり回転する)ように構成されている。
【0017】次に,以上のように構成されたFRR方式
を用いた給紙装置の基本的な動作について説明する。給
紙動作が開始されると,まず,用紙カセット101にセ
ットされた用紙100が用紙100と接離可能なピック
アップローラ(不図示)により所定距離分送られ,フィ
ードローラ103とリバースローラ104とが接触する
分離部に送り込まれる。その後,図3に示すような動作
が行われる。
【0018】すなわち,給紙・分離動作の際に,ニップ
部(フィードローラ103とリバースローラ104と所
定の圧力により押し付けられて変形によって生じる両者
の接触部分に存在する平坦な部分)に用紙1枚が送り込
まれると,図3(a)に示すように,フィードローラ1
03とリバースローラ104とが用紙100を介しての
摩擦力がトルクリミッタ110の設定トルクに対して大
きくなるので,トルクリミッタ110がすべり動作(オ
フ)し,リバースローラ104がフィードローラ103
の回転方向と同じ方向につれまわりする。
【0019】他方,図3(b)に示すように,ニップ部
分に用紙100が2枚以上進入すると,各ローラと用紙
100との摩擦係数に対して用紙100間の摩擦係数が
小さくなる。このため,つれまわり方向の摩擦力よりも
逆回転方向(戻し方向)の力が大きくなってトルクリミ
ッタ110がオンし,図3(c)に示すように,2枚目
以降の用紙100を用紙カセット101側に戻すことに
なる。
【0020】さて,上述の分離動作においてニップ部で
は,2枚目の用紙が進入することによって生じるリバー
スローラ104部分のトルクリミッタ110のオン/オ
フ動作によりトルク振動が発生する。この現象を図4を
用いて説明する。
【0021】図4は,時間に対するリバースローラ10
4の変位角の関係を示すグラフである。前述したよう
に,フィードローラ103とリバースローラ104との
ニップ内に2枚の用紙100が進入し始めるとき,リバ
ースローラ104はつれまわっているために変位角が増
加する。しかし,ある程度変位角が増加した時点でトル
クリミッタ110が動作し,リバース速度(リバースロ
ーラ104によって戻される用紙100の速度=ニップ
部でのリバースローラ104の負の線速度)に従ってリ
バースローラ104が戻され,変位角が減少する。
【0022】また,ある程度変位角が戻されてトルクリ
ミッタ110が解除され,フィード速度(フィードロー
ラ103によって搬送される用紙100の速度=ニップ
部でのリバースローラ104の正の線速度)に従ってリ
バースローラ104の変位角が増加する。これら一連の
動作が繰り返し行われるためにほぼ一定の周波数をもつ
振動が発生する。
【0023】この振動の周波数は,ニップ長さX(ニッ
プ部の搬送方向の長さ)とフィード速度VF とによって
決定され,その周波数FはおおよそF=VF /Xであ
る。もしX=2〜3mmでVF =250mm/sであっ
た場合,F=83〜1251Hzとなる。ここで発生し
た振動は,直接音として放射されたり,用紙・軸・フレ
ームを伝わり,これら伝達部材や別の部分から放射され
る固体伝搬騒音となり好ましくないばかりか,振動がこ
の給紙装置が搭載される複写機やプリンタの場合,画像
上に等ピッチの濃度ムラ(ジター)となって現れる。
【0024】図5は,騒音に対する人間の聴覚特性を示
すグラフであり,周波数に対する人間の耳の感度を示し
ている。つまり,周波数1KHzのある音圧を持つ騒音
を0dBとしたとき,同一の音圧を持つ異なる周波数の
騒音がどのくらいの大きさに聞こえるかを示している。
例えば200Hzでは−10.9dBで聞こえる。図5
からも明らかなように,周波数が高くなるに従い同じ音
圧でも,大きく聞こえてしまうため不利である。
【0025】〔低振動・騒音化例〕そこで,本発明では
上述したような不具合を解消するため,リバースローラ
104の駆動速度を適切にすることにより,分離部分で
発生する振動を極力小さくし,かつ振動の周波数を低減
させ,機器の低騒音化や画像品質の維持を実現する例に
ついて以下に述べる。
【0026】本発明の基本的な考え方は,フィードロー
ラ103とリバースローラ104とのニップ部分に進入
した2枚目以降の余分な用紙100を,給紙搬送される
べく1枚の用紙100が完全に送られるまでにゆっくり
用紙カセット101側に戻すことである。
【0027】このゆっくりとした用紙100の戻し動作
は,先に述べたように用紙100の出入り振動の周波数
を大幅に低減させ,用紙分離中に発生するトータルの振
動量を低減させることができるほか,用紙100の出入
り時に生じる振動振幅を小さくすることが可能となる
(図6参照)。つまり,図6に示す時間当たりのリバー
スローラ104の変位角を従来より少なくさせ,その振
動発生量を抑制する。本発明の原理となる動作を図7を
用いて説明する。
【0028】まず,図7(a)においてフィードローラ
103とリバースローラ104とのニップ部分に4枚の
用紙100がピックアップローラ(不図示)により進入
したとする。この場合におけるニップ幅をX,フィード
速度はVF ,リバース速度はVB とする。4枚の用紙1
00はトルクリミッタ110が作用するまで(1枚目の
用紙100がニップ幅先端に達するまで)同時に搬送さ
れる。
【0029】次に,トルクリミッタ110が作用すると
リバースローラ104が反転を開始し,2枚目以降の用
紙100が用紙カセット101側に戻される。このとき
戻される用紙100は,用紙間の摩擦係数がそれぞれ微
小に異なるためそのバランスによって,最下層の用紙1
00だけが戻される場合(b1参照)や最下層の用紙1
00を含む数枚の用紙100が戻される場合(b2参
照)が存在する。これら何れの場合であっても構わない
が,戻し枚数が多く必要とする図7(b1)を例にとっ
て以下説明する。
【0030】最下層(この例では4枚目)の用紙100
をニップ幅X分戻す時間T1 は, T1 =X/VB で表される。また,最下層の用紙100がニップの外に
戻された時間後(T1 後)において最下層を除く用紙1
00はフィードローラ103によってさらに搬送され, X(1+VF /VB ) 分進んでいる(c1参照)。
【0031】次に最下層となった用紙(3枚目)をニッ
プ外まで戻すための時間T2 は, T2 =X(1+VF /VB )/VB で表され,さらにT1 +T2 時間経過した場合,最下層
の用紙(2枚目)は, X(1+VF /VB +(VF /VB 2 )/VB だけ進んでいるので,この分を戻すための所要時間T3
は, T3 =X(1+VF /VB +(VF /VB 2 )/VB となる。
【0032】したがって,用紙100の搬送長さをLと
した場合, L/VF >T1 +T2 +T3 の関係であれば,ニップ部に進入した複数枚の最上紙以
外の用紙100は,最上部の用紙100がニップ部から
出て,完全に搬送されるまでの間にすべて戻されること
になる。この状況は,図6に示した用紙100の出入り
振動の周波数を低減させる効果だけではなく,お互いに
加圧接触している2つのローラ(フィードローラ103
とリバースローラ104)がニップ部の用紙100の枚
数の変化に伴って上下する速度を遅くするため,上下動
に伴う衝撃を和らげる効果も合わせて奏する。
【0033】上述した動作を最上部のN枚の用紙100
に対して汎用化し,最上部の用紙100がニップ部から
完全に離れるまでに残りの用紙100を用紙カセット1
01側に戻す条件は,下記式1によって表される。
【0034】
【数3】
【0035】また,上述の状態でニップ部に1枚のみの
用紙100しか進入しなかった場合には,トルクリミッ
タ110が動作しない(リバースローラ104がつれま
わりする)ため,リバースローラ104の戻し速度が遅
くても支障が生じない。一方,現実的にはニップ部に入
り得る用紙100の枚数はせいぜい4枚程度であるた
め,下記式2を満足していればよい。
【0036】 α・X(4+3α+2α2 +α2 )≦L ・・・(式2)
【0037】さて,ニップ部における用紙100の出入
り振動は通常複数枚の用紙100が戻された後,最上紙
の用紙100が搬送される間に2枚目の用紙100が進
入するために発生する。換言すれば,出入り振動の周波
数は,VB /Xで示される。一方,人間の聴覚特性は図
5に示したように,50Hz以下は急激に聞こえにくく
なる。
【0038】そこで,前述した本発明の条件を満たす条
件,すなわち,リバースローラ104の戻し速度の低速
化を図る条件 |VF |>|VB |,かつVF ・VB <0 および前述の式1,2を満足する条件において,さら
に, |VB |/X<50 を満足するように搬送速度比を設定する。これにより,
低騒音の給紙機構が実現する。
【0039】例えば,フィード速度VF =250mm/
s,ニップ幅X=2.5mm,用紙長さL=297mm
(A4縦送り)の場合について説明する。フィード速度
Fとリバース速度VB の搬送速度比αが, α・X(4+3α+2α2 +α2 )≦L として設定されている場合,搬送速度比αに対するリバ
ース速度VB と用紙の出入り周波数F(Vib)との関
係を図8の図表に示す。
【0040】この結果,上記3つの条件を満足するαの
範囲は, α=2.0〜2.6 となる。α=2.6の場合,従来の方法によるα=1と
比較すると,振動周波数が100Hz→38.5Hzと
なる。これにより騒音も15dB程度低減される。この
騒音低減量は3/100に相当する。また,先に述べた
ように用紙100のニップ部分での出入りに伴う衝撃振
動が小さくなるので,実際の騒音低減量は一段と効果が
大きいものとなる。
【0041】ところで,通常の画像形成装置の給紙装置
には複数の用紙カセットを備え,複数種類の用紙サイズ
に対応するものが多い。これは換言すれば,用紙の搬送
方向の長さがそれぞれ異なることを意味する。このよう
な場合,用紙サイズに適合させたフィードローラ103
とリバースローラ104の減速比を複数種設定してお
き,用紙カセットにセットされている用紙の搬送サイズ
(用紙の種類)を検出する手段,つまり,一般的にはカ
セット検知によるサイズ検知等の検知信号に基づいて,
そのサイズに最適な上記減速比に切り換えるようにして
もよい。これにより,長いサイズの用紙を搬送する場合
には,短いサイズの用紙を搬送するよりも戻し速度を一
層低減することができ,騒音の面からも有効となる。
【0042】上記減速比の切替え機構としては,例え
ば,フィードローラ103を一定速度で,リバースロー
ラ104を独立駆動する構成とし,画像形成装置が通紙
可能な用紙サイズ長さ毎に対応するような戻し速度を設
定する。設定の際には,ギア比による切替え,あるいは
ステッピングモータを用いて切替える等一般的に行われ
ている駆動機構を用いることで実現する。
【0043】一方,複写機やファクシミリ,プリンタ等
の画像形成装置においては,先に述べたように,給紙装
置等から生じる振動が作像部に伝達し,画像上に等ピッ
チの濃淡画像(濃度ムラピッチ),いわゆるジターと呼
ばれる不良画像が発生することがある。この濃度ムラピ
ッチは人間の視覚特性と深い関係を有し,ピッチが0.
7mm〜2mmのものが目立ちやすいという特徴があ
る。つまり,用紙搬送方向の画像形成速度をViとすれ
ば,Vi/2〜Vi/0.7の周波数帯域に振動の周波
数が存在するのは好ましくない。
【0044】そこで,本発明では,用紙100のニップ
部分における出入り振動の周波数(VB /X)を上記下
限周波数以下に設定する。すなわち, |VB |/X<Vi/2 を満足させることにより,画像品質の劣化を回避する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係る給紙
装置(請求項1〜6)によれば,フィードローラとリバ
ースローラとのニップ部分に進入した2枚目以降の余分
な用紙を,給紙搬送されるべく1枚の用紙が完全に送ら
れるまでにゆっくり用紙カセット側に戻すようにしたの
で,FRR方式の分離部で発生する振動量やその周波数
を抑制することができ,画像形成装置の静粛性および給
紙装置に起因するジター等の画質劣化の発生を回避する
ことが可能となる。
【0046】また,本発明に係る給紙装置(請求項1〜
4,6)によれば,フィードローラとリバースローラの
減速機構としてギアを用いる場合には,その構成部品点
数が増加することなく同じコストで実現する。
【0047】また,本発明に係る給紙装置(請求項2,
3)によれば,フィードローラとリバースローラの間に
複数枚の用紙が進入した際にも,低振動・低騒音の給紙
装置を提供することができる。
【0048】また,本発明に係る給紙装置(請求項4)
によれば,人間の聴覚特性に対して鈍感な周波数帯域
に,FRR方式の用紙分離振動周波数を設定するので,
より一層の低騒音の給紙装置を提供することができる。
【0049】また,本発明に係る給紙装置(請求項5)
によれば,給紙対象の用紙長さに応じたリバース速度に
切り換えるので,特に長い用紙の場合に,さらに低振動
・低騒音の給紙装置を提供することができる。
【0050】また,本発明に係る給紙装置(請求項6)
によれば,人間の聴覚特性に鈍感な空間周波数帯域以下
にFRR方式の用紙分離振動周波数を設定するので,こ
の給紙装置が搭載される画像形成装置において給紙部分
に起因するジター発生を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FRR方式を用いた給紙装置の概略構成を示す
説明図である。
【図2】図1におけるリバースローラおよびトルクリミ
ッタの構成を示す説明図である。
【図3】FRR方式を用いた給紙動作におけるフィード
ローラとリバースローラのニップ部の用紙の搬送状態お
よび用紙進入状態毎のトルクリミッタのオン/オフによ
るリバースローラの回転方向を示す説明図である。
【図4】時間に対するリバースローラの変位状態を示す
グラフである。
【図5】騒音に対する人間の聴覚特性を示すグラフであ
る。
【図6】フィードローラとリバースローラのニップ部分
の用紙出入りによる振動の状態を従来と本発明とで比較
した例を示すグラフである。
【図7】本発明によるフィードローラとリバースローラ
の速度設定例および動作例を説明するための図である。
【図8】本発明を満足する速度比に対するリバース速度
および用紙の出入り周波数を示す図表である。
【符号の説明】
100 用紙 101 用紙カセット 103 フィードローラ 104 リバースローラ 108 リバースローラ駆動ギア 110 トルクリミッタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積載紙端部上側に配置され,用紙を所定
    速度で所定距離を給紙するフィードローラと,前記フィ
    ードローラと対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動
    力が供給され,かつ前記フィードローラの摩擦力を受け
    て給紙方向に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用
    紙の枚数に応じて正逆転するリバースローラと,を備
    え,前記フィードローラと前記リバースローラとが相互
    に押し付けられて形成されるニップ部分に進入する用紙
    が1枚時にローラ間の摩擦大により前記リバースローラ
    が正回転して用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用
    紙が複数枚進入した際に紙間摩擦小により前記リバース
    ローラが逆転し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動
    作を行う給紙装置において,前記フィードローラにより
    送られる用紙の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが
    動作し,前記リバースローラが逆転したときにリバース
    ローラにより戻される用紙の戻し速度をVB としたと
    き, |VF |>|VB |,かつVF ・VB <0 を満足する条件に設定することを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 積載紙端部上側に配置され,用紙を所定
    速度で所定距離を給紙するフィードローラと,前記フィ
    ードローラと対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動
    力が供給され,かつ前記フィードローラの摩擦力を受け
    て給紙方向に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用
    紙の枚数に応じて正逆転するリバースローラと,を備
    え,前記フィードローラと前記リバースローラとが相互
    に押し付けられて形成されるニップ部分に進入する用紙
    が1枚時にローラ間の摩擦大により前記リバースローラ
    が正回転して用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用
    紙が複数枚進入した際に紙間摩擦小により前記リバース
    ローラが逆転し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動
    作を行う給紙装置において,前記フィードローラにより
    送られる用紙の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが
    動作し,前記リバースローラが逆転したときにリバース
    ローラにより戻される用紙の戻し速度をVB ,前記搬送
    速度VF と前記戻し速度VB の速度比αをα=|VF
    /|VB |,給紙対象の用紙の搬送方向の長さをL,前
    記ニップ部のの幅をX,ニップ内に送り得る最大用紙枚
    数をNとしたとき, 【数1】 を満足する速度比条件に設定することを特徴とする給紙
    装置。
  3. 【請求項3】 積載紙端部上側に配置され,用紙を所定
    速度で所定距離を給紙するフィードローラと,前記フィ
    ードローラと対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動
    力が供給され,かつ前記フィードローラの摩擦力を受け
    て給紙方向に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用
    紙の枚数に応じて正逆転するリバースローラと,を備
    え,前記フィードローラと前記リバースローラとが相互
    に押し付けられて形成されるニップ部分に進入する用紙
    が1枚時にローラ間の摩擦大により前記リバースローラ
    が正回転して用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用
    紙が複数枚進入した際に紙間摩擦小により前記リバース
    ローラが逆転し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動
    作を行う給紙装置において,前記フィードローラにより
    送られる用紙の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが
    動作し,前記リバースローラが逆転したときにリバース
    ローラにより戻される用紙の戻し速度をVB ,前記搬送
    速度VF と前記戻し速度VB の速度比αをα=|VF
    /|VB |,給紙対象の用紙の搬送方向の長さをL,前
    記ニップ部のの幅をXとしたとき, α・X(4+3α+2α2 +α2 )≦L を満足する速度比条件に設定することを特徴とする給紙
    装置。
  4. 【請求項4】 積載紙端部上側に配置され,用紙を所定
    速度で所定距離を給紙するフィードローラと,前記フィ
    ードローラと対向・当接し,前記給紙方向とは逆の駆動
    力が供給され,かつ前記フィードローラの摩擦力を受け
    て給紙方向に正転するトルクリミッタを内蔵し,進入用
    紙の枚数に応じて正逆転するリバースローラと,を備
    え,前記フィードローラと前記リバースローラとが相互
    に押し付けられて形成されるニップ部分に進入する用紙
    が1枚時にローラ間の摩擦大により前記リバースローラ
    が正回転して用紙1枚を繰り出し,前記ニップ部分に用
    紙が複数枚進入した際に紙間摩擦小により前記リバース
    ローラが逆転し,最上部以外の用紙を所定速度で戻す動
    作を行う給紙装置において,前記フィードローラにより
    送られる用紙の搬送速度をVF ,前記トルクリミッタが
    動作し,前記リバースローラが逆転したときにリバース
    ローラにより戻される用紙の戻し速度をVB ,前記搬送
    速度VF と前記戻し速度VB の速度比αをα=|VF
    /|VB |,給紙対象の用紙の搬送方向の長さをL,前
    記ニップ部のの幅をXとしたとき, |VB |/X<50 を満足する速度比条件に設定することを特徴とする給紙
    装置。
  5. 【請求項5】 給紙対象の用紙長さに応じて前記搬送速
    度VF と前記戻し速度VB の速度比を切り換えることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の給
    紙装置。
  6. 【請求項6】 前記リバースローラが逆転したときにリ
    バースローラにより戻される用紙の戻し速度をVB ,前
    記ニップ部のの幅をXとしたとき,用紙搬送方向の画像
    形成速度Viに対し, |VB |/X<Vi/2 を満足する条件に設定することを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれか一つに記載の給紙装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100412502B1 (ko) * 2001-12-08 2003-12-31 삼성전자주식회사 프린터의 용지 이송장치
KR100421985B1 (ko) * 2001-12-11 2004-03-11 삼성전자주식회사 프린터의 용지 이송장치
WO2014098172A1 (ja) * 2012-12-20 2014-06-26 三菱重工業株式会社 加工装置の制御装置、加工装置、加工装置の制御プログラム、加工装置の制御方法、及び加工方法

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