JP2000142783A - 生分解性を有する高温防水性容器及びその製造方法 - Google Patents
生分解性を有する高温防水性容器及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生分解性を有する高温防水性容器を提供す
る。 【解決手段】 土中の微生物により生分解される天然素
材を成型してなる生分解性容器の表面にシェラック樹脂
の熱硬化被膜を形成する。 【効果】 沸騰水や100℃近辺の液状食品を入れた場
合でも十分な高温防水性を有する高温防水性容器が得ら
れる。
る。 【解決手段】 土中の微生物により生分解される天然素
材を成型してなる生分解性容器の表面にシェラック樹脂
の熱硬化被膜を形成する。 【効果】 沸騰水や100℃近辺の液状食品を入れた場
合でも十分な高温防水性を有する高温防水性容器が得ら
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土中の微生物によ
って生分解することができる高温防水性容器に関するも
のである。
って生分解することができる高温防水性容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、土中の微生物により生分解する
ことが可能な澱粉、蛋白質などの天然素材を成型してな
る生分解性容器は防水性に劣るため、水や液状食品など
の容器として用いた場合、容器内層への水分の湿潤や容
器外への水分の漏れを生じるので、容器の強度が低下
し、型くずれや破れ等を生じて実用的でない。
ことが可能な澱粉、蛋白質などの天然素材を成型してな
る生分解性容器は防水性に劣るため、水や液状食品など
の容器として用いた場合、容器内層への水分の湿潤や容
器外への水分の漏れを生じるので、容器の強度が低下
し、型くずれや破れ等を生じて実用的でない。
【0003】そこで、前記生分解性容器に防水性を付与
する技術的手段として、例えば、特開平7−10148
号公報に開示されているように、グッタペルカ、サンダ
ラック、シェラック等の各種樹脂層を容器の表面に形成
する方法が提案されている。
する技術的手段として、例えば、特開平7−10148
号公報に開示されているように、グッタペルカ、サンダ
ラック、シェラック等の各種樹脂層を容器の表面に形成
する方法が提案されている。
【0004】しかし、前記従来の方法は、常温での防水
性はあるものの、沸騰水や100℃近辺の液状食品等
(以下、「高温液状食品」という)を容器に入れた場合
には、容器表面に形成されている樹脂層が軟化するため
に防水性が低下し、容器内層への水分の湿潤や容器外へ
水分の漏れが生じるので、常温付近でしか使用できない
という問題がある。
性はあるものの、沸騰水や100℃近辺の液状食品等
(以下、「高温液状食品」という)を容器に入れた場合
には、容器表面に形成されている樹脂層が軟化するため
に防水性が低下し、容器内層への水分の湿潤や容器外へ
水分の漏れが生じるので、常温付近でしか使用できない
という問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、土中の微生物により生分解される多糖類、蛋白質
及びそれらを主成分とする物質を成型してなる生分解性
を有する容器に、常温付近での防水性に止まらず、高温
液状食品を入れた場合での高温防水性を付与することを
技術的課題とする。
鑑み、土中の微生物により生分解される多糖類、蛋白質
及びそれらを主成分とする物質を成型してなる生分解性
を有する容器に、常温付近での防水性に止まらず、高温
液状食品を入れた場合での高温防水性を付与することを
技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため、鋭意研究を重ねた結果、土中の微生物に
より生分解される多糖類、蛋白質及びそれらを主成分と
する物質を成型してなる生分解性を有する容器の表面に
シェラック樹脂の熱硬化被膜を形成させた場合には、常
温付近での使用は勿論、高温液状食品を入れた場合にも
優れた防水性が付与できるという刮目すべき知見を得、
本発明を完成したものである。
解決するため、鋭意研究を重ねた結果、土中の微生物に
より生分解される多糖類、蛋白質及びそれらを主成分と
する物質を成型してなる生分解性を有する容器の表面に
シェラック樹脂の熱硬化被膜を形成させた場合には、常
温付近での使用は勿論、高温液状食品を入れた場合にも
優れた防水性が付与できるという刮目すべき知見を得、
本発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明は、土中の微生物により生分
解される天然素材を成型してなる生分解性を有する容器
の表面にシェラック樹脂の熱硬化被膜を形成したことを
特徴とする生分解性を有する高温防水性容器である。
解される天然素材を成型してなる生分解性を有する容器
の表面にシェラック樹脂の熱硬化被膜を形成したことを
特徴とする生分解性を有する高温防水性容器である。
【0008】また、本発明は、土中の微生物により生分
解される天然素材が、多糖類、蛋白質及びそれらを主成
分とする物質を成型してなる生分解性を有する容器の表
面にシェラックの熱硬化被膜を形成したことを特徴とす
る生分解性を有する高温防水性容器である。
解される天然素材が、多糖類、蛋白質及びそれらを主成
分とする物質を成型してなる生分解性を有する容器の表
面にシェラックの熱硬化被膜を形成したことを特徴とす
る生分解性を有する高温防水性容器である。
【0009】さらに、本発明は、土中の微生物により生
分解される多糖類、蛋白質及びそれらを主成分とする物
質を成型してなる生分解性を有する容器の表面にシェラ
ック樹脂を付着させた後に160〜200℃にて5分間
以上加熱して、前記容器の表面に前記樹脂の均一な連続
した熱硬化被膜を形成することを特徴とする生分解性を
有する高温防水性容器の製造方法である。
分解される多糖類、蛋白質及びそれらを主成分とする物
質を成型してなる生分解性を有する容器の表面にシェラ
ック樹脂を付着させた後に160〜200℃にて5分間
以上加熱して、前記容器の表面に前記樹脂の均一な連続
した熱硬化被膜を形成することを特徴とする生分解性を
有する高温防水性容器の製造方法である。
【0010】本発明において、土中の微生物により生分
解される天然素材とは、多糖類、蛋白質及びそれらを主
成分とする物質で成型可能な材料である。多糖類として
は、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ
澱粉、ハイアミロース澱粉、アミロペクチンなどの澱粉
類、天然ガム、セルロース、コンニャクマンナンなどが
あり、蛋白質としては、大豆蛋白、小麦蛋白、ツエイン
などの植物性蛋白、シルク蛋白、ゼラチン、コラーゲン
などの動物性蛋白がある。また、それらを主成分とする
物質としては、小麦、とうもろこし、小麦粉、米粉、大
豆、馬鈴薯、甘薯,キャサバなどの穀類、パルプなどの
植物繊維があり、更に、それらの加工物として、アルフ
ァー澱粉、デキストリン、小麦蛋白分解物、紙、綿、布
地、ふすま、油糧種子搾油粕、植物蛋白抽出粕、ビール
粕、果実ジュース抽出粕、果実皮、食物廃材などが挙げ
られる。
解される天然素材とは、多糖類、蛋白質及びそれらを主
成分とする物質で成型可能な材料である。多糖類として
は、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ
澱粉、ハイアミロース澱粉、アミロペクチンなどの澱粉
類、天然ガム、セルロース、コンニャクマンナンなどが
あり、蛋白質としては、大豆蛋白、小麦蛋白、ツエイン
などの植物性蛋白、シルク蛋白、ゼラチン、コラーゲン
などの動物性蛋白がある。また、それらを主成分とする
物質としては、小麦、とうもろこし、小麦粉、米粉、大
豆、馬鈴薯、甘薯,キャサバなどの穀類、パルプなどの
植物繊維があり、更に、それらの加工物として、アルフ
ァー澱粉、デキストリン、小麦蛋白分解物、紙、綿、布
地、ふすま、油糧種子搾油粕、植物蛋白抽出粕、ビール
粕、果実ジュース抽出粕、果実皮、食物廃材などが挙げ
られる。
【0011】本発明において、容器とは、コップ、どん
ぶり、皿、お椀等である。
ぶり、皿、お椀等である。
【0012】本発明で用いるシェラック樹脂とは、ラッ
クカイガラ虫が分泌する樹脂状物質を精製したもので、
食品添加物として光沢剤やガムベースなどに利用されて
おり、市販品としては、ラックコート(商品名:日本シ
ェラック(株)製)や精製シェラックGSN医薬用(商
品名:岐阜セラック製造所(株)製)などが挙げられ
る。なお、シェラック樹脂は天然樹脂の中で唯一、熱硬
化性を有するものとされている。
クカイガラ虫が分泌する樹脂状物質を精製したもので、
食品添加物として光沢剤やガムベースなどに利用されて
おり、市販品としては、ラックコート(商品名:日本シ
ェラック(株)製)や精製シェラックGSN医薬用(商
品名:岐阜セラック製造所(株)製)などが挙げられ
る。なお、シェラック樹脂は天然樹脂の中で唯一、熱硬
化性を有するものとされている。
【0013】本発明でいう熱硬化被膜の形成とは、対象
とする容器の表面にシェラック樹脂の均一な連続した熱
処理された熱硬化被膜を形成させることであり、塗布量
や被膜の厚さは、特に制限を受けるものではない。
とする容器の表面にシェラック樹脂の均一な連続した熱
処理された熱硬化被膜を形成させることであり、塗布量
や被膜の厚さは、特に制限を受けるものではない。
【0014】次に、本発明に係る生分解性を有する高温
防水性容器の製造方法を説明する。
防水性容器の製造方法を説明する。
【0015】シェラック樹脂の熱硬化被膜を形成させる
に当たっては、シェラック樹脂の熱硬化被膜が柔軟性に
欠けるために、シェラック樹脂の熱硬化皮膜を形成した
後で容器に成型した場合には、該熱硬化皮膜に亀裂が入
り、高温防水性が不十分になることから、容器をあらか
じめ作製した後にシェラックの熱硬化被膜の形成を行う
方法、或いは、容器の製造とシェラックの熱硬化被膜の
形成とを同時に行う方法が望ましい。
に当たっては、シェラック樹脂の熱硬化被膜が柔軟性に
欠けるために、シェラック樹脂の熱硬化皮膜を形成した
後で容器に成型した場合には、該熱硬化皮膜に亀裂が入
り、高温防水性が不十分になることから、容器をあらか
じめ作製した後にシェラックの熱硬化被膜の形成を行う
方法、或いは、容器の製造とシェラックの熱硬化被膜の
形成とを同時に行う方法が望ましい。
【0016】より具体的に説明すれば、対象とする容器
(例えば、コップ状の澱粉成型物や紙皿)に、市販のシ
ェラック樹脂をアルコールに溶解もしくは分散させたも
のを刷毛で塗布、または、スプレー噴霧した後に乾燥す
ることによって、或いは、容器をシェラック樹脂のアル
コール溶液または分散液へ浸漬して引き上げた後に乾燥
することによって、容器の表面に連続した均一なシェラ
ック樹脂の被膜を形成させ、次いで、該容器を160℃
以上で5分以上の加熱処理を行い、シェラック樹脂の均
一な連続した熱硬化被膜を形成させる方法が挙げられ、
また、容器にシェラック樹脂粉末をまぶした後に160
℃以上で5分以上の加熱処理を行なって加熱溶融させる
ことによって、シェラック樹脂の均一な連続した熱硬化
被膜を形成させる方法が挙げられ、さらに、容器を製造
する際に、シェラック樹脂粉末を容器成型機の型にあら
かじめ入れておいて、160℃以上で5分以上の加熱条
件で容器を成型することにより、容器の成型とシェラッ
ク樹脂の均一な連続した熱硬化被膜の形成を同時に行う
方法が挙げられる。
(例えば、コップ状の澱粉成型物や紙皿)に、市販のシ
ェラック樹脂をアルコールに溶解もしくは分散させたも
のを刷毛で塗布、または、スプレー噴霧した後に乾燥す
ることによって、或いは、容器をシェラック樹脂のアル
コール溶液または分散液へ浸漬して引き上げた後に乾燥
することによって、容器の表面に連続した均一なシェラ
ック樹脂の被膜を形成させ、次いで、該容器を160℃
以上で5分以上の加熱処理を行い、シェラック樹脂の均
一な連続した熱硬化被膜を形成させる方法が挙げられ、
また、容器にシェラック樹脂粉末をまぶした後に160
℃以上で5分以上の加熱処理を行なって加熱溶融させる
ことによって、シェラック樹脂の均一な連続した熱硬化
被膜を形成させる方法が挙げられ、さらに、容器を製造
する際に、シェラック樹脂粉末を容器成型機の型にあら
かじめ入れておいて、160℃以上で5分以上の加熱条
件で容器を成型することにより、容器の成型とシェラッ
ク樹脂の均一な連続した熱硬化被膜の形成を同時に行う
方法が挙げられる。
【0017】シェラック樹脂からなる被膜を熱硬化させ
る加熱温度は、160℃未満では熱硬化が不十分にな
り、200℃を超えると変色や熱分解のおそれがあるた
め、170〜200℃が望ましい。160〜200℃で
あっても加熱時間が5分未満の場合には熱硬化させるこ
とが困難であり、十分な熱硬化を行うには10分〜20
分が望ましく、20分を越えると容器の着色や変形が起
こりやすくなるので実用的でない。
る加熱温度は、160℃未満では熱硬化が不十分にな
り、200℃を超えると変色や熱分解のおそれがあるた
め、170〜200℃が望ましい。160〜200℃で
あっても加熱時間が5分未満の場合には熱硬化させるこ
とが困難であり、十分な熱硬化を行うには10分〜20
分が望ましく、20分を越えると容器の着色や変形が起
こりやすくなるので実用的でない。
【0018】本発明に係る高温防水性容器は、高温液状
食品を入れた場合にも高温防水性を有するため、常温付
近での使用に限定されることなく、例えば、食用時に沸
騰水を注入するカップラーメンや即席スープなどのイン
スタント食品容器として使用することができる。
食品を入れた場合にも高温防水性を有するため、常温付
近での使用に限定されることなく、例えば、食用時に沸
騰水を注入するカップラーメンや即席スープなどのイン
スタント食品容器として使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は次の通りで
ある。
ある。
【0020】先ず、本発明の有効性を裏付けるために行
った高温防水性評価方法について述べる。
った高温防水性評価方法について述べる。
【0021】(高温防水性評価方法)本発明に係る生分
解性を有する高温防水性容器及びシェラック樹脂の熱硬
化被膜が形成されていない容器を、後出の方法によりそ
れぞれ製造し、該容器に沸騰水を注ぎ、10分、30
分、1時間後の経時変化を観察した。このとき、容器内
層への水の湿潤及び容器外への水の漏出が確認されない
場合を○とし、容器内層への水の湿潤は認められるが容
器外への水の漏出は確認されない場合を△、容器内層へ
の水の湿潤及び容器外への水の漏出が確認される場合を
×とした。
解性を有する高温防水性容器及びシェラック樹脂の熱硬
化被膜が形成されていない容器を、後出の方法によりそ
れぞれ製造し、該容器に沸騰水を注ぎ、10分、30
分、1時間後の経時変化を観察した。このとき、容器内
層への水の湿潤及び容器外への水の漏出が確認されない
場合を○とし、容器内層への水の湿潤は認められるが容
器外への水の漏出は確認されない場合を△、容器内層へ
の水の湿潤及び容器外への水の漏出が確認される場合を
×とした。
【0022】次に、本発明の代表的な実施の形態につい
て述べる。
て述べる。
【0023】コーンスターチのアルファー化澱粉粉末に
水を加え、15重量%の水分に調整したものを熱圧成型
機の型に入れ、100kg/cm2 、180℃、5分間
の加熱工程により、10cm×10cmのお椀状成型物
を得た。これをシェラック樹脂粉末としてラックコート
(商品名:日本シェラック(株)製)を用いて調整した
30重量%エタノール溶液に浸漬して引き上げて自然乾
燥した後に、乾熱滅菌器(恒温乾燥機MOV−112:
サンヨ−電機(株)製)にて180℃、10分間の加熱
処理を行い高温防水性容器を得た。ここに得た高温防水
性容器の断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察した
ところ、表面にシェラック樹脂の均一な連続した熱硬化
被膜が形成されていることが確認された。なお、前記高
温防水性評価方法による評価結果は表1に示した。
水を加え、15重量%の水分に調整したものを熱圧成型
機の型に入れ、100kg/cm2 、180℃、5分間
の加熱工程により、10cm×10cmのお椀状成型物
を得た。これをシェラック樹脂粉末としてラックコート
(商品名:日本シェラック(株)製)を用いて調整した
30重量%エタノール溶液に浸漬して引き上げて自然乾
燥した後に、乾熱滅菌器(恒温乾燥機MOV−112:
サンヨ−電機(株)製)にて180℃、10分間の加熱
処理を行い高温防水性容器を得た。ここに得た高温防水
性容器の断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察した
ところ、表面にシェラック樹脂の均一な連続した熱硬化
被膜が形成されていることが確認された。なお、前記高
温防水性評価方法による評価結果は表1に示した。
【0024】
【0025】(実施例1)粉末状小麦蛋白50部、小麦
粉45部、サラダ油5部を均一に混合した後水を加え、
15重量%の水分に調整したものを熱圧成型機の型に入
れ、100kg/cm2 、160℃、5分間の加熱工程
により、10cm×10cmのお椀状成型物を得た。こ
れを前記実施の形態で用いたシェラック樹脂と同じもの
を用いて調整した30重量%エタノール溶液に浸漬して
引き上げて自然乾燥した後に、前記実施の形態で用いた
ものと同じ乾熱滅菌器にて180℃、10分間の加熱処
理を行い高温防水性容器を得た。ここに得た高温防水性
容器の断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したと
ころ、表面にシェラック樹脂の均一な連続した熱硬化被
膜が形成されていることが確認された。なお、前記高温
防水性評価方法による評価結果は表1に示した。
粉45部、サラダ油5部を均一に混合した後水を加え、
15重量%の水分に調整したものを熱圧成型機の型に入
れ、100kg/cm2 、160℃、5分間の加熱工程
により、10cm×10cmのお椀状成型物を得た。こ
れを前記実施の形態で用いたシェラック樹脂と同じもの
を用いて調整した30重量%エタノール溶液に浸漬して
引き上げて自然乾燥した後に、前記実施の形態で用いた
ものと同じ乾熱滅菌器にて180℃、10分間の加熱処
理を行い高温防水性容器を得た。ここに得た高温防水性
容器の断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したと
ころ、表面にシェラック樹脂の均一な連続した熱硬化被
膜が形成されていることが確認された。なお、前記高温
防水性評価方法による評価結果は表1に示した。
【0026】(実施例2)東洋濾紙(株)製の定性濾紙
「No2](直径11cm)を襞折して円錐状容器に成
型した後に、前記実施の形態で用いたシェラック樹脂と
同じものを用いて調整した40重量%エタノール溶液を
該容器の表面に刷毛で塗り、自然乾燥後、前記実施の形
態で用いたものと同じ乾熱滅菌器にて170℃、5分間
の加熱処理を行い高温防水性容器を得た。ここに得た高
温防水性容器の断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観
察したところ、表面にシェラック樹脂の均一な連続した
熱硬化被膜が形成されていることが確認された。なお、
前記高温防水性評価方法による評価結果は表1に示し
た。
「No2](直径11cm)を襞折して円錐状容器に成
型した後に、前記実施の形態で用いたシェラック樹脂と
同じものを用いて調整した40重量%エタノール溶液を
該容器の表面に刷毛で塗り、自然乾燥後、前記実施の形
態で用いたものと同じ乾熱滅菌器にて170℃、5分間
の加熱処理を行い高温防水性容器を得た。ここに得た高
温防水性容器の断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観
察したところ、表面にシェラック樹脂の均一な連続した
熱硬化被膜が形成されていることが確認された。なお、
前記高温防水性評価方法による評価結果は表1に示し
た。
【0027】(実施例3)ペーパーウェア社製の紙皿
「CRENHIL STANDARD」(直径18c
m)を、シェラック樹脂として精製シェラックGSN医
薬用(商品名:岐阜セラック製造所(株)製)を用いて
調整した30重量%エタノール溶液に浸漬して引き上げ
て自然乾燥した後に、前記実施の形態で用いたものと同
じ乾熱滅菌器にて170℃、5分間の加熱処理を行い高
温防水性容器を得た。ここに得た高温防水性容器の断面
を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、表面
にシェラック樹脂の均一な連続した熱硬化被膜が形成さ
れていることが確認された。なお、前記高温防水性評価
方法による評価結果は表1に示した。
「CRENHIL STANDARD」(直径18c
m)を、シェラック樹脂として精製シェラックGSN医
薬用(商品名:岐阜セラック製造所(株)製)を用いて
調整した30重量%エタノール溶液に浸漬して引き上げ
て自然乾燥した後に、前記実施の形態で用いたものと同
じ乾熱滅菌器にて170℃、5分間の加熱処理を行い高
温防水性容器を得た。ここに得た高温防水性容器の断面
を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、表面
にシェラック樹脂の均一な連続した熱硬化被膜が形成さ
れていることが確認された。なお、前記高温防水性評価
方法による評価結果は表1に示した。
【0028】(実施例4)実施例3で用いたものと同じ
紙皿の表面に、前記実施例3で用いたシェラック樹脂粉
末をそのまままぶし、前記実施の形態で用いたものと同
じ乾熱滅菌器にて190℃、20分間の加熱処理を行い
高温防水性容器を得た。ここに得た高温防水性容器の断
面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、表
面に厚さにムラはあるもののシェラック樹脂の均一な連
続した熱硬化被膜が形成されていることが確認された。
なお、前記高温防水性評価方法による評価結果は表1に
示した。
紙皿の表面に、前記実施例3で用いたシェラック樹脂粉
末をそのまままぶし、前記実施の形態で用いたものと同
じ乾熱滅菌器にて190℃、20分間の加熱処理を行い
高温防水性容器を得た。ここに得た高温防水性容器の断
面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、表
面に厚さにムラはあるもののシェラック樹脂の均一な連
続した熱硬化被膜が形成されていることが確認された。
なお、前記高温防水性評価方法による評価結果は表1に
示した。
【0029】(比較例1)実施例2で用いたものと同じ
定性濾紙を襞折して円錐状容器に成型した後に、その表
面に前記実施の形態で用いたものと同じシェラック樹脂
を用いて調整した40重量%エタノール溶液を刷毛で塗
り乾燥した容器を比較品とした。この容器の断面を光学
顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、表面にシェ
ラックからなる連続した乾燥被膜が形成されていること
が確認された。なお、前記高温防水性評価方法による評
価結果は表1に示した。
定性濾紙を襞折して円錐状容器に成型した後に、その表
面に前記実施の形態で用いたものと同じシェラック樹脂
を用いて調整した40重量%エタノール溶液を刷毛で塗
り乾燥した容器を比較品とした。この容器の断面を光学
顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、表面にシェ
ラックからなる連続した乾燥被膜が形成されていること
が確認された。なお、前記高温防水性評価方法による評
価結果は表1に示した。
【0030】(比較例2)実施例3で用いたものと同じ
紙皿を、実施例3で用いたものと同じシェラック樹脂を
用いて調整した30重量%エタノール溶液に浸漬して引
き上げて自然乾燥した容器を比較品とした。この容器の
断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、
表面にシェラック樹脂からなる連続した乾燥被膜が形成
されていることが確認された。なお、前記高温防水性評
価方法による評価結果は表1に示した。
紙皿を、実施例3で用いたものと同じシェラック樹脂を
用いて調整した30重量%エタノール溶液に浸漬して引
き上げて自然乾燥した容器を比較品とした。この容器の
断面を光学顕微鏡にて倍率100倍で観察したところ、
表面にシェラック樹脂からなる連続した乾燥被膜が形成
されていることが確認された。なお、前記高温防水性評
価方法による評価結果は表1に示した。
【0031】(比較例3)実施例3で用いたものと同じ
紙皿を、シェラック樹脂を付着しないで比較品とした。
なお、前記高温防水性評価方法による評価結果は表1に
示した
紙皿を、シェラック樹脂を付着しないで比較品とした。
なお、前記高温防水性評価方法による評価結果は表1に
示した
【0032】前記実施の形態及び実施例1〜4の各高温
防水性容器と比較例1〜3の各容器に、それぞれ100
mlの沸騰水を注ぎ、前記高温防水性評価方法によって
評価した結果を表1に示す。
防水性容器と比較例1〜3の各容器に、それぞれ100
mlの沸騰水を注ぎ、前記高温防水性評価方法によって
評価した結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示されるように、前記実施の形態及
び実施例1〜4の各高温防水性容器に沸騰水を入れた場
合には十分な高温防水性を有するが、シェラックの被膜
を形成していない容器(比較例3)及びシェラックの乾
燥被膜を形成しているが熱硬化処理を行っていない容器
(比較例1、2)は、沸騰水を入れた場合には、容器外
への水の漏出が確認され高温防水性を有さない。
び実施例1〜4の各高温防水性容器に沸騰水を入れた場
合には十分な高温防水性を有するが、シェラックの被膜
を形成していない容器(比較例3)及びシェラックの乾
燥被膜を形成しているが熱硬化処理を行っていない容器
(比較例1、2)は、沸騰水を入れた場合には、容器外
への水の漏出が確認され高温防水性を有さない。
【0035】また、前記実施の形態及び実施例1〜4の
各高温防水性容器と比較例1〜3の各容器をそれぞれ地
中に埋めて、3カ月後に観察したところ、微生物によっ
て分解されてることが確認された。
各高温防水性容器と比較例1〜3の各容器をそれぞれ地
中に埋めて、3カ月後に観察したところ、微生物によっ
て分解されてることが確認された。
【0036】
【作用】熱硬化処理を行わないシェラック樹脂からなる
被膜を形成した容器は通常の水に対しては防水性を有す
るが、沸騰水に対する防水性は保持できない。このシェ
ラック樹脂からなる被膜を熱硬化させることにより、高
温での耐水性が付与され、沸騰水や100℃近辺の液状
食品を入れた場合での高温防水性を付与することが出来
る。
被膜を形成した容器は通常の水に対しては防水性を有す
るが、沸騰水に対する防水性は保持できない。このシェ
ラック樹脂からなる被膜を熱硬化させることにより、高
温での耐水性が付与され、沸騰水や100℃近辺の液状
食品を入れた場合での高温防水性を付与することが出来
る。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る生分解性を有する高温防水
性容器は、沸騰水や100℃近辺の液状食品を入れた場
合での高温防水性を有するので、常温付近での使用に限
定することなく、高温液状食品用容器として各種用途に
広く用いることができる。
性容器は、沸騰水や100℃近辺の液状食品を入れた場
合での高温防水性を有するので、常温付近での使用に限
定することなく、高温液状食品用容器として各種用途に
広く用いることができる。
【0038】従って、本発明の産業利用性は非常に大き
いといえる。
いといえる。
Claims (3)
- 【請求項1】 土中の微生物により生分解される天然素
材を成型してなる生分解性を有する容器の表面にシェラ
ック樹脂の熱硬化被膜を形成したことを特徴とする生分
解性を有する高温防水性容器。 - 【請求項2】 土中の微生物により生分解される天然素
材が、多糖類、蛋白質及びそれらを主成分とする物質で
ある請求項1記載の生分解性を有する高温防水性容器。 - 【請求項3】 土中の微生物により生分解される多糖
類、蛋白質及びそれらを主成分とする物質を成型してな
る生分解性を有する容器の表面にシェラック樹脂を付着
させた後に160〜200℃にて5分間以上加熱して、
前記容器の表面に前記樹脂の均一な連続した熱硬化被膜
を形成することを特徴とする生分解性を有する高温防水
性容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31441498A JP2000142783A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 生分解性を有する高温防水性容器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31441498A JP2000142783A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 生分解性を有する高温防水性容器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000142783A true JP2000142783A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18053067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31441498A Pending JP2000142783A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 生分解性を有する高温防水性容器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000142783A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006016063A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-19 | Nissin Food Prod Co Ltd | 生分解性即席食品用容器及びその製造方法 |
US7332214B2 (en) | 2000-09-13 | 2008-02-19 | Nissei Kabushiki Kaisha | Biodegradable molded article, manufacturing method thereof, and composition for expansion molding |
JP2009287159A (ja) * | 2008-04-28 | 2009-12-10 | National Institute Of Agrobiological Sciences | 耐酸耐水性紙シート及びその製造方法 |
US8043539B2 (en) | 2002-03-13 | 2011-10-25 | Nissei Company, Ltd. | Process for producing biodegradable molded item and molding dies therefor |
US8187514B2 (en) | 2002-02-21 | 2012-05-29 | Nissei Company, Ltd. | Biodegradable molded article |
WO2016029024A1 (en) * | 2014-08-20 | 2016-02-25 | Frontier Paper & Packaging, Inc. | Biodegradable packaging for shipping |
-
1998
- 1998-11-05 JP JP31441498A patent/JP2000142783A/ja active Pending
Cited By (8)
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