JP2000142355A - アンチロック制御装置 - Google Patents

アンチロック制御装置

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JP2000142355A
JP2000142355A JP10317267A JP31726798A JP2000142355A JP 2000142355 A JP2000142355 A JP 2000142355A JP 10317267 A JP10317267 A JP 10317267A JP 31726798 A JP31726798 A JP 31726798A JP 2000142355 A JP2000142355 A JP 2000142355A
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Japan
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pressure
hydraulic pressure
control
hydraulic
brake
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JP10317267A
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English (en)
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Tadashi Kobayashi
忠 小林
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Akebono Research and Development Centre Ltd
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Akebono Research and Development Centre Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液圧制御最中で発生する最大液圧以上の増圧を
必要とする時に短時間で増圧が可能な液圧制御装置を提
供する。 【解決手段】 液圧制御室12内の圧力を制御すること
によってブレーキ時における車輪のロックを防止するア
ンチロック制御装置において、マスターシリンダと液圧
制御室12とを連通する通路に設けられ、アンチロック
制御開始時に閉じられるカットバルブ2と、液圧制御室
の圧力を制御すべく、駆動装置により液圧制御室内に出
没するように往復動する調圧ピストン20a、20b
と、アンチロック制御中に調圧ピストンの移動を監視し
てその位置が上死点近傍に有る場合はカットバルブを開
く指令を出力する監視装置とを備えたことを特徴とする
アンチロック制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は従来のブレーキ液圧
制御回路内に組み込み液圧制御回路内の液圧を滑らかに
増減圧するとともに、液圧制御最中で発生する最大液圧
以上の増圧を必要とする時に短時間で増圧が可能なアン
チロック制御装置に関するものであり、更に、車両用デ
ィスクブレーキのキャリパ内に前記液圧制御装置を組み
込み、アンチロック、トラクションコントロール等の滑
らかな液圧制御を行うとともに制御中にマスターシリン
ダからの加圧を必要とする時には短時間で加圧を実行で
きる小型軽量のアンチロック制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、制動時の操縦安定性を向上させ運
転者の運転操作を容易にすることを目的としたアンチロ
ック制御装置の開発が積極的に進められており、この種
の車両用アンチロック制御装置として、例えば、ブレー
キキャリパ内にブレーキ液圧制御機構を組み込んだもの
が提案されている(特開昭61−166759号公
報)。このアンチロック制御装置は、ブレーキキャリパ
内に圧電式のブレーキ液圧制御機構を組み込み、ブレー
キ液圧制御を圧電素子の変形を利用して行うものであ
る。
【0003】しかしこの装置は、液圧制御機構内に設け
たブレーキピストンの移動量を大きくとるために変位部
材を設ける必要があり、構成が複雑になり、製造コスト
も高価となる、さらには車体のバネ下に位置するキャリ
パには重量、サイズに制限がある等の点で複雑な機構の
ものを組込むことが困難である。また、複雑な機構を採
用しているため音や振動を発生し易く、液圧制御を滑ら
かに行うことができない等々の問題がある。
【0004】こうした背景の中で本発明者は、上記問題
点を解決するために、カム機構によって作動する調圧ピ
ストンを利用して液圧回路内の液圧の増減を簡単に、且
つ、滑らかに実行できる小型軽量の液圧制御装置を提案
した(特開平9−109858号)。この液圧制御装置
は、調圧ピストンの作用により液圧回路内の液圧の増減
を滑らかに精度良く実行できるとともに、この装置をブ
レーキキャリパ内に組み込むことにより軽量小型のブレ
ーキ装置を得ることができ、さらに車両のアンチロック
制御時の液圧制御を滑らかに実行することができる。
【0005】しかし、上記液圧制御装置は、調圧ピスト
ンがカムの作用により上死点位置になるとそれ以上の液
圧の増圧ができないという不都合があった。例えば、こ
の液圧制御装置をブレーキ装置に適用した場合、車両走
行中にアンチロック制御が実行されている状態の時に、
走行路面が低μ路から高μ路に変化し、ブレーキ液圧を
増圧するために調圧ピストンを増圧方向に移動しても調
圧ピストンが上死点位置になるとそれ以上の液圧の増圧
ができず、ブレーキ力不足となる事態が発生する。
【0006】そこで、本発明は、走行路面が低μ路から
高μ路に変化した時に調圧ピストンによる最大液圧では
不十分であると予測される時には、ブレーキ装置内のカ
ットバルブを開き、マスターシリンダからの液圧を直接
ブレーキ装置内の液圧制御室に導入できるアンチロック
制御装置を提供し、上述のような問題点を解決すること
を目的とする。また、液圧制御装置を従来のブレーキ液
圧制御回路内に組み込み、制御中に発生する最大液圧以
上の液圧が必要と判断する時には、装置内のカットバル
ブを開き、マスターシリンダからの液圧を直接液圧制御
装置内の液圧制御室に供給できるようにしたアンチロッ
ク制御装置を提供し、上述のような問題点を解決するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明が採用し
た技術解決手段は、液圧制御室内の圧力を制御すること
によってブレーキ時における車輪のロックを防止するア
ンチロック制御装置において、マスターシリンダと液圧
制御室とを連通する通路に設けられ、アンチロック制御
開始時に閉じられるカットバルブと、液圧制御室の圧力
を制御すべく、駆動装置により液圧制御室内に出没する
ように往復動する調圧ピストンと、アンチロック制御中
に調圧ピストンの移動を監視してその位置が上死点近傍
に有る場合はカットバルブを開く指令を出力する監視装
置とを備えたことを特徴とするアンチロック制御装置で
ある。
【0008】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明に係る液圧制御装置をブレ
ーキキャリパ内に組み込んだ状態の第1実施形態として
のブレーキ装置の一部断面図、図2は図1中のA−A断
面図である。
【0009】図1において1はマスターシリンダ、2は
カットバルブ、3は液圧制御装置、4は液圧制御装置内
に設けたアクチュエータとしての主ピストン、5は同主
ピストンに設けたディスクパッド、6は液圧制御装置を
駆動するモータ、6bはモータの出力軸に設けたピニオ
ン、6aはピニオン6bと噛み合いモータからの回転力
を減速するギヤ、7は電子制御装置(ECU)、8はパ
ルスカウンタ、30は流路であり、これらによってブレ
ーキシステムが構成されている。液圧制御装置3の本体
10(本例の場合にはディスクブレーキのキャリパがこ
れを兼ねている)内には一端がシリンダ側板11aによ
って閉じられたシリンダ11が形成され、このシリンダ
11内に前述の主ピストン4が摺動自在に配置され、主
ピストン4には周知の構造で片側のディスクパッド5が
取り付けられている。4a、4b、4cはシール部材で
ある。
【0010】シリンダ11、シリンダ側板11aおよび
主ピストン4は液圧制御室12を形成しており、この液
圧制御室12は流路30内に設けたカットバルブ2を介
してマスタシリンダ1に連通している。液圧制御室12
内には、ハウジング13が配置されており、このハウジ
ング13は前述のシリンダ側板11aに適宜手段により
一体に固定されている。ハウジング13、シリンダ側板
11aの図中横方向の中心部には、駆動軸15が軸受1
6a、16bにより軸支持されており、さらに、ハウジ
ング13には対向した位置(図では上下)に調圧ピスト
ン20a、20b(詳細は後述する)が摺動自在に配置
され、調圧ピストン20a、20b周囲には調圧ピスト
ンとハウジングとの間の液密性を確保するシール9が設
けられている。
【0011】駆動軸15の調圧ピストンに対応する位置
には、図2に示すように対称的にレバー22a、22b
が形成されており、このレバー22a、22bが調圧ピ
ストン20a、20bに形成した溝23a、23b内に
嵌合している。また駆動軸15には調圧ピストン20
a、20bの初期位置において調圧ピストン20a、2
0bを保持する係合突起(非作動時において調圧ピスト
ンが駆動軸15側に移動することを禁止する部材)21
が形成されており、この突起21と調圧ピストン20
a、20bが図2に示すように当接することで、液圧制
御室12内の液圧により初期状態にある調圧ピストン2
0a、20bが中心方向に移動することを禁止してい
る。なお、この突起21は駆動軸15が図2中反時計方
向に回転した時には調圧ピストンとの当接を解除できる
よう、調圧ピストンには凹部19が形成されている。
【0012】駆動軸15の端部には減速機を構成するギ
ヤ6aがナット15a等の固定手段によって結合されて
おり、ギヤ6aはモータ6の出力軸のピニオン6bに噛
み合っており、モータ6の出力軸が回転すると、ピニオ
ン6b、ギヤ6aを介して駆動軸15が回転する構成と
なっている。また、ギヤ6aの歯に対向してパルスカウ
ンタ8が配置され、このパルスカウンタ8によってギヤ
6aの歯数を数えて回転角度を電子制御装置に出力でき
るようになっている。
【0013】したがって、電子制御装置からの指令によ
って駆動軸15が図2に示す位置から反時計方向に回転
すると、調圧ピストン20a、20bと突起21との当
接が解除されながら、調圧ピストンはレバー22a、2
2bによって駆動軸15の軸心方向に移動し、これによ
り、液圧制御室12内の容積を拡大し、ブレーキ液圧を
減圧することができる。また、上記減圧状態から駆動軸
15を時計方向に回転すると、調圧ピストン20a、2
0bと突起21とが当接されながら、調圧ピストンがレ
バー22a、22bによって外方向(図中、上、下方
向)に移動し、これにより、液圧制御室12内の容積を
縮小し液圧制御室12を加圧しブレーキ液圧を増圧する
ことができるようになっている。前述したカットバルブ
2とモータ6、パルスカウンタ8は電子制御装置(EC
U)7に接続されており、電子制御装置7はスピードセ
ンサ18等からの信号に基づいて前記モータ6を回転駆
動するとともに、同装置7内に設けられているカットバ
ルブ開閉制御手段からの信号によりカットバルブ2を開
閉作動して後述する態様でアンチロック制御を実行す
る。
【0014】上記カットバルブ開閉制御手段は アンチ
ロック制御中に調圧ピストンの移動を監視してその位置
が上死点近傍に有る場合はカットバルブを開く指令を出
力する監視装置であり、車両走行中にアンチロック制御
が実行されている状態の時に、走行路面が低μ路から高
μ路に変化したとき等に発生するブレーキ力不足を解消
するための機能を有している。このカットバルブ開閉制
御手段は、パルスカウンタ8からの出力信号によりモー
タ6の回転方向、即ち駆動軸15の回転方向および回転
角度を常時監視しておき、走行路面が低μ路から高μ路
に変化し、調圧ピストンを増圧方向に移動しても更なる
増圧が出来ない(調圧ピストンが上死点にきている)と
判断される時には、カットバルブを開き、マスターシリ
ンダからの液圧を直接ブレーキ装置に組み込んだ液圧制
御装置内の液圧制御室に導入できるようにする構成とな
っている。
【0015】カットバルブ開閉制御手段のフローチャー
トを図3を参照して説明する。カットバルブ開閉制御手
段のプログラムが開始されると、ステップS1でブレー
キ操作部材が作動しているか否か(ブレーキスイッチが
ONかOFFか)が判断され、ブレーキスイッチがON
の時はステップS2に進んでアンチロック制御が開始さ
れているか否を判断する。アンチロック制御が開始され
ているとステップS3でホールド指令が出され、ステッ
プS4でカットバルブ2が遮断され、ステップS5でブ
レーキ液圧を減圧するか否を判断する。減圧をする場合
にはステップS6で減圧指令を出し、ステップS7でモ
ータを減圧方向(ここでは正方向)に回転し、ステップ
S8で正方向に進んだギヤ6aの歯数N1をパルスカウ
ンタ8で計測する(N1=N1+1)。ついで、ステッ
プS9に進み減圧が停止されたか否を判断し、減圧停止
の時にはステップS10に進んでモータ6を停止する。
【0016】その後ステップS11でアンチロック制御
が停止されたか否を判断し、アンチロック制御が停止さ
れた時にはカットバルブを開放し、ステップS13でパ
ルスカウンタをクリアしプログラムが終了する。ここで
通常ブレーキ状態となる。またステップS11でアンチ
ロック制御が続いていると判断されると、ステップS5
に戻り、ステップS5で再びアンチロック制御の減圧が
必要か否を判断し、減圧の時は前述のステップS6以下
のフローを繰り返し、また減圧でない時にはステップS
16に進み、加圧が必要か否を判断し、ステップS16
で加圧が不要な時にはブレーキ液圧が保持され、その後
に進んで前述したステップS5以下のフローが繰り返
される。またステップS16で加圧が必要な時にはステ
ップS17で加圧指令を出し、ステップS18に進んで
モータを加圧方向(ここでは逆方向)に回転し、ステッ
プS19で逆方向に進んだギヤ6aの歯数N2をパルス
カウンタ8で計測する(N2=N2+1)。
【0017】ついで、ステップS20に進み加圧が停止
されたか否を判断し、まだ加圧停止がされていない時に
はステップS21に進み、ここで、ステップS8で求め
た正方向に進んだギヤ6aの歯数N1と、ステップS1
9で求めた逆方向に進んだギヤ6aの歯数N2とを比較
し、 N1−N2≦0 のときにはステップS22でカットバルブを開放し、ス
テップS23でモータを停止し、ステップS24でアン
チロック制御を停止し、に進んでステップS15に戻
り、パルスカウンタ8をクリアし、ステップS1に戻
る。即ちステップS19において、減圧方向のモータの
回転数N1よりも加圧方向の回転数N2の方が大きい時
には調圧ピストンが上死点位置にきていると判断しそれ
以上の加圧が出来ないと判断し、ステップS22に進ん
でカットバルブ2を開きマスターシリンダからの液圧を
直接液圧制御室12に導入し、ブレーキ液圧を増圧す
る。ついでまたステップS23でモータを停止し、さら
にステップS24でアンチロック制御を停止しに進
む。こうして液圧不足を解消できるようにしている。
【0018】また、ステップS20でアンチロック制御
の加圧が停止されている時には、ステップS25に進み
モータを停止しその時のブレーキ液圧を保持し、さらに
ステップS26に進んでアンチロック停止となったか否
を判断する。ステップS26でアンチロック停止の時に
はに進み、ステップS12以下のフローが繰り返され
る。またステップS26でアンチロック制御が停止して
いない時にはに進みステップS5以下のフローが繰り
返される。
【0019】上記構成に係わるブレーキ装置の作動を説
明する。 〔通常ブレーキ時〕通常ブレーキ時には、電子制御装置
7からの指令がなくカットバルブ2およびモータ6が作
動しない。また駆動軸15、調圧ピストン20a、20
bは図1、図2に示す初期位置をとっている。したがっ
て、この状態で、ブレーキぺダルを踏み込みマスタシリ
ンダ1に液圧が発生すると、この液圧はマスタシリンダ
1→開いているカットバルブ2→流路30を通って液圧
制御室12に供給され主ピストン4を移動して制動作用
を実行する。この時、調圧ピストン20a、20bは駆
動軸15側に形成した突起21と当接しているため、駆
動軸15側に移動することは無く、液圧が逃げることは
無い。ブレーキぺダルの踏み込みを開放すると、液圧制
御室内のブレーキ液は前記とは逆の経路でマスタシリン
ダに還流され、ブレーキが緩められる。
【0020】〔アンチロック制御〕車両にブレーキをか
けるためにブレーキペダルを踏むとマスターシリンダ1
で液圧が発生する。この液圧は前述の通りブレーキ装置
内の液圧制御室12に供給され、主ピストン4を移動し
て車輪に制動力を与える。ところで、この状態の時に
は、車輪の状態はスピードセンサ18等で常時検知され
ており、検知信号が公知の電子制御装置に入力され、電
子制御装置はこの入力に基づいて車輪速度、スリップ
率、減速度などを演算する。そしてこの演算結果により
車輪のスキッド状態を評価し以下のようにカットバルブ
2およびモータ6を制御して、ブレーキ液圧の減圧、保
持、再加圧等の種々の態様を実行する。
【0021】即ち、走行中に車輪がロックし、前記電子
制御装置(ECU)7からブレーキ緩め信号が出力され
るとカットバルブ2が閉じるとともにモータ6が駆動さ
れ、ギヤ6aを介して駆動軸15を図2中反時計方向に
回転する。駆動軸15の回転により、レバー22a、2
2bと係合している調圧ピストン20a、20bも中心
方向に移動する。この時、駆動軸に形成した突起21は
調圧ピストン20a、20bに形成した凹部19に入る
ため、調圧ピストンは中心方向に移動し、これに伴って
調圧ピストン20a、20bがハウジング13内に次第
に没し、液圧制御室12内の容積が拡大し、ブレーキ液
圧が減圧され、ブレーキ力が弱められ、車輪のロック傾
向が解消される。
【0022】さらに、再加圧時には、モータ6を逆転
し、駆動軸15を初期位置方向に回転させると調圧ピス
トン20a、20bはレバー22a、22bによって液
圧制御室12内に押し戻され、再加圧が実行される。ま
た、ブレーキ液圧保持状態の指令が出されると、モータ
6が停止し液圧制御室12のブレーキ液圧を保持する。
【0023】また、アンチロック制御中、走行路面が低
μ路から高μ路に変化し、ブレーキ力不足を解消する必
要があるときは前述したカットバルブ開閉制御手段が作
動して、カットバルブを開き、マスターシリンダからの
液圧を直接ブレーキ装置内の液圧制御室12に導入す
る。即ち、アンチロック制御が開始されると、パルスカ
ウンタによってモータの回転方向と回転角が検出され、
例えば、減圧指令の時にはモータが減圧方向(ここでは
正方向)に回転した時にはパルスカウンタでギヤ6aの
歯数を計測する(N1=N1+1)。また、加圧指令の
時にはモータが加圧方向(ここでは逆方向)に回転した
時にはパルスカウンタでギヤ6aの歯数を計測する(N
2=N2+1)。そして、両者の歯数の大小を判断(N
1−N2≦0)し、加圧方向の回転歯数N2が減圧方向
の回転歯数N1と等しいかそれより大きくなると、調圧
ピストン20a、20bが上死点(図2に示す状態)に
至り加圧が出来ない状態と判断し、ただちにカットバル
ブ2を開放し、アンチロック制御を停止し、マスターシ
リンダで発生している液圧を直接液圧制御装置内の液圧
制御室12に導入し、ブレーキ液圧の加圧を行う。こう
することにより、アンチロック制御中、走行路面が低μ
路から高μ路に変化した場合でも、確実にブレーキ力不
足を解消することができる。
【0024】なお、前記ブレーキ装置の液圧制御(減
圧、保持、再加圧)は各車輪の状態に応じてそれぞれ独
立してあるいは各チャンネルの車輪毎に行なう。アンチ
ロック制御の解除は、電子制御装置からの信号が無くな
るか、またはカットバルブ開閉制御によりアンチロック
制御停止の条件がでることにより行われるが、カットバ
ルブ制御手段からの指令によってカットバルブ2が開く
と、モータ6によりカム22a、22bが初期位置に復
帰し、これによって調圧ピストン20a、20bも初期
位置に復帰して図1、図2の状態となり、通常ブレーキ
状態となる。
【0025】また、図示せぬ車間距離センサにより、車
間距離が所定値以内になったことを検出すると、電子制
御装置からの信号によりカットバルブ2およびモータ6
を制御してブレーキ液圧の増圧、保持、減圧等の種々の
態様を実行できる。上記のように本実施例によれば、液
圧制御室内の圧力は、駆動軸の回転方向、回転角度によ
り制御され、これによりブレーキ作動態様に応じてブレ
ーキ液圧の減圧、保持、再加圧を実行することができ
る。
【0026】続いて図4を参照して本発明の第2の実施
形態を説明する。第2実施形態は上記第1実施形態の中
から液圧制御装置のみを取り出し別構成とした点に特徴
がある。なお、本実施の形態の説明は第1実施形態との
相違点を中心に説明する。
【0027】図4において1はマスターシリンダ、2は
カットバルブ、3は液圧制御装置、6は液圧制御装置を
駆動するモータ、8はパルスカウンタ、7は電子制御装
置(ECU)、30、31は流路であり、電子制御装置
7は図示せぬセンサ等からの信号に基づいて前記モータ
6を回転駆動するとともに、同装置7内に設けられてい
るカットバルブ開閉制御手段からの信号によりカットバ
ルブ2を開閉作動して後述する態様でアンチロック制御
を実行する。カットバルブ開閉制御手段は、液圧制御を
実行している最中において、液圧制御装置が制御中に発
生する最大液圧以上の増圧が必要と判断する時には(調
圧ピストンが上死点にきている時)には、カットバルブ
を開き、マスターシリンダから直接高い液圧を導入し増
圧不足を解消する。このカットバルブ開閉制御手段は第
1実施形態と同様であり、このフローチャートは図3に
示す第1実施形態中、ABS制御の語句を液圧制御と置
き換えたものに相当し、他の変更はないため、フローチ
ャートの説明は省略する。
【0028】液圧制御装置3の本体10内にはシリンダ
11が形成され、このシリンダ11内に一端がシリンダ
側板11aによって閉じられた液圧制御室12が形成さ
れており、この液圧制御室12は流路30内に設けたカ
ットバルブ2を介してマスターシリンダに、また流路3
1を介して従来のブレーキ装置内にあるホイールシリン
ダに連通している。
【0029】液圧制御室12内には、ハウジング13が
配置されており、このハウジング13はシリンダ側板1
1aと一体に固定されている。ハウジング13、シリン
ダ側板11aの中心部には、駆動軸15が軸受16a、
16bにより軸支持されており、さらに、ハウジング1
3には対向した位置(図では上下)に調圧ピストン20
a、20bが調圧ピストンに設けたシール9により液密
状態で摺動自在に嵌合している。駆動軸15の調圧ピス
トンに対応する位置には、第1実施形態の図2に示すと
同じに対称的にレバー22a、22bが形成されてお
り、このレバー22a、22bが調圧ピストン20a、
20bに形成した溝23a、23b内に嵌合している。
また駆動軸15には調圧ピストン20a、20bの初期
位置において調圧ピストン20a、20bを保持する係
合突起21が形成されており、この突起21と調圧ピス
トン20a、20bが図2に示すように当接すること
で、液圧制御室12内の液圧により初期状態にある調圧
ピストン20a、20bが中心方向に移動することを禁
止している。
【0030】駆動軸15の端部にはギヤ6aがナット1
5a等の適宜固定手段で結合されており、ギヤ6aはモ
ータ6の出力軸のピニオン6bに噛み合い連結され、モ
ータ6の出力軸が回転すると、ピニオン6b、ギヤ6a
を介して駆動軸15が回転できる構成となっている。し
たがって、駆動軸15が図2に示す位置から反時計方向
に回転すると、調圧ピストン20a、20bと突起21
との当接が解除されながら、調圧ピストンはレバー22
a、22bによって駆動軸の軸心方向に移動し、これに
より、液圧制御室12内の容積を拡大できるようになっ
ている。
【0031】上記構成に係わる液圧制御装置の作動を説
明する。 〔通常作動状態〕通常時は、電子制御装置7からの指令
がなくカットバルブ2およびモータ6が作動しない。ま
た駆動軸15、調圧ピストン20a、20bは図4、図
2に示す初期位置をとっている。したがって、この状態
で、マスターシリンダ1で液圧が発生すると、この液圧
は流路30→開いているカットバルブ2→液圧制御室1
2→流路31→ブレーキ装置に供給され、ブレーキ装置
を作動する。この時、調圧ピストン20b、20bは駆
動軸15側に形成した突起21と当接しているため、駆
動軸15側に移動することは無く、液圧が逃げることは
無い。マスターシリンダの液圧を開放すると、液圧制御
室12内の液は前記とは逆の経路でマスターシリンダに
還流され、ブレーキ装置は初期位置に戻る。
【0032】〔液圧制御回路内の液圧制御〕液圧回路内
の液圧を制御する場合には、センサ等からの信号に基づ
いて電子制御装置7がモータ6を回転駆動するととも
に、カットバルブ2を閉じる。モータ6の駆動によりギ
ヤ6aを介して駆動軸15を図2中反時計方向に回転す
る。駆動軸15の回転により、レバー22a、22bと
係合している調圧ピストン20a、20bも中心方向に
移動する。この時、駆動軸に形成した突起21は調圧ピ
ストン20a、20bに形成した凹部19に入るため、
調圧ピストンは中心方向に移動し、これに伴って調圧ピ
ストン20a、20bがハウジング13内に次第に没
し、液圧制御室12内の容積が拡大し、液圧回路中の液
圧が減圧され、ブレーキ装置に作用する液圧が減圧され
る。さらに、再加圧時には、モータ6を逆転し、駆動軸
15を初期位置方向に回転させると調圧ピストン20
a、20bは液圧制御室12内に押し戻され、再加圧が
実行される。
【0033】また、液圧制御中、液圧制御装置が制御中
に発生する最大液圧以上の増圧が必要と判断する時には
(調圧ピストンが上死点にきている時)には、カットバ
ルブ2を開き、マスターシリンダ1から直接高い液圧を
液圧制御室12に導入し増圧不足を解消する。即ち、液
圧制御が開始されると、パルスカウンタ8によってモー
タ6の回転方向と回転角が検出され、例えば、減圧指令
の時にはモータが減圧方向(ここでは正方向)に回転し
た時にはパルスカウンタでギヤ6aの歯数を計測する
(N1=N1+1)。また、加圧指令によってモータが
加圧方向(ここでは逆方向)に回転した時にはパルスカ
ウンタでギヤ6aの歯数を計測する(N2=N2+
1)。そして、両者の歯数の大小を判断(N1−N2≦
0)し、加圧方向の回転角が減圧方向の回転角と等しい
かそれより大きくなると、調圧ピストンが上死点になっ
たと判断して、ただちにカットバルブ2を開放し、液圧
制御を停止し、マスターシリンダ1からの液圧を直接液
圧制御装置内の液圧制御室12に導入し、ブレーキ装置
の加圧を行う。こうすることにより、液圧制御中、必要
以上の増圧が要求される場合(調圧ピストンが上死点位
置にきた時)、確実に液圧不足を解消することができ
る。以上のように本例では、液圧制御装置を単独で構成
したため、ブレーキ回路をはじめ必要に応じてどのよう
な液圧回路内にも配置することができ、これによって液
圧回路内の液圧の増減を滑らかに実行することができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明は、液圧制
御装置本体に形成した液圧制御室内に調圧ピストンを配
置し、この調圧ピストンを作動して液圧制御室内の液圧
を減圧、加圧、保持することができるため安定して減
圧、保持、加圧の制御を行うことができる。さらに、走
行路面が低μ路から高μ路に変化し調圧ピストンを増圧
方向に移動しそれによるそれ以上の増圧が不可能と判断
される時、あるいは液圧制御装置が制御中に発生する最
大液圧以上の増圧が必要と判断する時には、装置内のカ
ットバルブを開き、マスターシリンダからの液圧を直接
ブレーキ装置内の液圧室に導入できるようにし、ブレー
キ力不足(作動液圧不足)を解消できる、また、本液圧
制御装置をブレーキキャリパに組み込んで構成したブレ
ーキ装置では、滑らかなアンチロック制御を実行するこ
とができ、さらにブレーキ装置の小型軽量化を図ること
ができる。またキャリパ内に組み込んで構成したブレー
キ装置では車両のサスペンションのバネ下重量を小さく
できる、等々の優れた作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態としてのアンチロッ
ク制御装置の概略構成図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る液圧制御装置のカットバルブ開閉
制御手段のフローチャートである。
【図4】第2実施形態としてのアンチロック制御装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
1 マスターシリンダ 2 カットバルブ 3 液圧制御装置 4 主ピストン 5 ディスクパッド 6 モータ 7 電子制御装置 8 パルスカウンタ 10 本体 11 シリンダ 12 液圧制御室 13 ハウジング 15 駆動軸 16a、16b 軸受 19 凹部 20a、20b 調圧ピストン 21 突起 22a、22b レバー 23a、23b 溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧制御室12内の圧力を制御することに
    よってブレーキ時における車輪のロックを防止するアン
    チロック制御装置において、 マスターシリンダと液圧制御室12とを連通する通路に
    設けられ、アンチロック制御開始時に閉じられるカット
    バルブと、 液圧制御室の圧力を制御すべく、駆動装置により液圧制
    御室内に出没するように往復動する調圧ピストンと、 アンチロック制御中に調圧ピストンの移動を監視してそ
    の位置が上死点近傍に有る場合はカットバルブを開く指
    令を出力する監視装置とを備えたことを特徴とするアン
    チロック制御装置。
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