JP2000141499A - 三次元物体を形成するための層デ―タを作成する方法および3次元物体の形成装置 - Google Patents

三次元物体を形成するための層デ―タを作成する方法および3次元物体の形成装置

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JP2000141499A JP11070116A JP7011699A JP2000141499A JP 2000141499 A JP2000141499 A JP 2000141499A JP 11070116 A JP11070116 A JP 11070116A JP 7011699 A JP7011699 A JP 7011699A JP 2000141499 A JP2000141499 A JP 2000141499A
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Abstract

(57)【要約】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用するために、初
期の層データから該物体の複数の所望の層データを作成
する方法において、第二の層の下に間隔をおいた第一の
層の初期の層データを供給し、第二の層の初期の層デー
タを供給し、第一と第二の層のうちの第一の選択された
層の初期の層データと、第一の選択された層とは異なる
第二の選択された層の初期の層データとの間でブール微
分、論理和演算または論理積演算をし、あるいは第一と
第二の層のいずれかの層データの否定演算をし、第一の
選択された層に関して所望の層データを作成し、他の層
に関して所望の層データを作成し、物体を一層ずつ形成
するために所望の層データを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元物体を一層
ずつ形成するのに使用するための初期の層データから該
物体の複数の所望の層データを作成する方法および三次
元物体形成装置に関するものである。
【0002】すなわち、本発明は、ステレオリソグラフ
ィの応用により物体の段階的な1層ずつの層形成におい
て連続的に使用するために、よるデータをスライスする
ことに関し、より詳細には、3次元物体のデータを、連
続する複数の層の境界の間のブール関数の比較を利用し
た層データに、スライスすることに関する。さらに、こ
の発明は、より信頼性の高い、より正確な(より少ない
曲がりおよびより少ない硬化後の歪)、より表面分解能
の高い改良された物体の形成方法および装置に関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】最近、複数の層からなる3次元物体を作
成するための技術が利用できるようになった。そのよう
な1つの技術が、ステレオリソグラフィ(光造形法)で
あり、米国特許第4,575,330号(以下’330
特許という)に記載されている。ステレオリソグラフィ
の原理によれば、3次元物体は相乗的刺激に露出するこ
とにより物理的転移(transformation)
が可能な材料から1層ずつ段階的に形成される。ステレ
オリソグラフィの1例では、転移されない感光性ポリマ
などの材料の複数の層が、容器に収容された多量の液体
感光性ポリマの作用表面で連続的に形成される。
【0004】次に、これらの層は、相乗的刺激に選択的
に露出されて、連続的な物体断面を形成する。さらに、
物体断面への転移のときに、転移された材料は、典型的
には、硬化のときの感光性ポリマの自然の接着性によ
り、前に形成した断面に接着する。ステレオリソグラフ
ィについての他の詳細は、以下の出版物に記載されてい
て、すべて、十分開示されたものとして、これらの文献
の参照により開示に組み入れられる。
【0005】 PCT公報 第WO 89/10256号 PCT公報 第WO 89/10249号 PCT公報 第WO 89/10254号 PCT公報 第WO 89/10259号 PCT公報 第WO 89/11085号 PCT公報 第WO 89/11085号 PCT公報 第WO 89/10801号 EPO公報 第86/171069号 日本特許公開 昭62−3596号 PCT公報 第WO 90/03255号 PCT公報 第WO 90/15674号 PCT公報 第WO 91/06378号 日本特許出願 特願平2−291647号 PCT公報第WO 89/10256号に記載されたよ
うに、ステレオリソグラフィシステムは、形成しようと
する物体を表すデータにより3次元物体を形成する。こ
のデータは、CADシステムなどにおいて形成できる。
しかし、そのような物体データが使用できる前に、物体
データは、複数の層データにスライスされねばばらな
い。次に、ステレオリソグラフィシステムは、段階的な
1層ずつの積層の過程で、層データに対応して、転移さ
れていない層を選択的に露出して、複数の物体層を形成
し、物体を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の層デー
タを形成するには、多数の欠点があった。
【0007】これらの方法での1つの問題は、表面分解
能の増大を達成する技術を利用することが困難であるこ
とである。これは、表面分解能の増大のためのいくつか
の効果的方法が、2層以上の間の断面情報の比較を本質
的に含むためである。一般化された層比較能力がなけれ
ば、要求される比較は、各々の個々の場合に対して、そ
して、実行される各々の個々の演算に対して、別々にな
されなければならない。
【0008】感光性ポリマを基にしたシステムにとっ
て、他の1つの問題は、多くの感光性ポリマが「最小硬
化可能厚さ」を有することである。この「最小硬化可能
厚さ」とは、その厚さ以下では、転移した接着性のある
材料の支持されない領域を形成するほど十分硬化されな
い最小厚さである。たとえば現在の好ましい液体感光性
ポリマは、最小硬化深さ(MSD)より小さい厚みを有
する物体の形状を形成しようとすると、その形状は、単
に物体の一部となるほど十分固化しないか、または、衰
える(すなわち、その形を保持しない)。物体形成用媒
体(すなわち、感光性ポリマ)の最小硬化可能厚さは、
形成用媒体すなわち形成用材料それ自体の1つの特徴で
あるだけでなく、選択された相乗的刺激と物体の回りの
環境条件とにも依存する。たとえば、感光性ポリマに吸
収された酸素は、反応抑止材として作用し得る。したが
って、ここで使用されるように、「MSD」は、与えら
れた材料と硬化環境の組み合わせで得られる最小硬化深
さをいう。
【0009】MSDは、層の支持されない領域(すなわ
ち、物体の下に面する特徴)を形成する最小硬化深さで
あるので、これらの領域は、物体を形成している個々の
層すなわち断面の間の厚さに無関係に、少なくともMS
Dの硬化深さを与えられねばならない。したがって、1
層ずつの形成過程により、これらの層がMSDより薄く
ても、ステレオリソグラフィで再生される物体の精度
は、使用される物体のMSDにより制限される。
【0010】PCT公報 第WO 89/10801号
に記載されるように、使用される材料の密度が転移しな
い状態(すなわち液相)と転移した状態(固相)の間で
変化するとき、ステレオリソグラフィを用いて製造され
る物体は、歪む傾向がある。この密度変化は、材料の縮
小または膨張を起こし、形成される部分に応力を発生さ
せ、より低い層すなわち隣の構造が「曲が」ろうとし
て、その部分の全体としての歪みを生じる。
【0011】創造的ステレオリソグラフィ形成技術を利
用する曲がりを減少するために、方法と装置が、発展さ
れてきた。これらの形成技術は、レンガモルタル技術
(時にはタイル技術とよばれる)、マルチパス技術、お
よび、リベット技術として知られている3つの概念また
は技術を含むが、これらに限定されない。
【0012】これらの技術は応力と曲がりを減少するの
に成功し効果的であるけれども、ここで認識されるべき
ことは、一般に、各々の与えられた用途は、構造力と曲
がりの間のトレードオフを含むことである。すなわち、
ある用途に要求される構造力が高いほど、これらの層で
曲がりはより大きくなるだろう。
【0013】図55は、ステレオリソグラフィの段階的
な1層づつの形成によって形成される球状物体1の側面
図を示す。物体の層は、それぞれ参照番号1a、1b、
1cによって固定される。物体のデータ2は、描かれた
物体の表面のデータであり、形成される物体1のまわり
の円状の外形線として現れる。形成される物体1は、ハ
ッチされた範囲として描かれる。また、段階的な表面の
不連続3a〜3xが、物体1と物体データ2との間の差
である。これらの表面不連続は、ステレオリソグラフィ
により生産される物体において本質的に形成され、その
ような物体を形成するために形成される有限の厚さの層
から生じる。もし無限に薄い層が利用できるならば、表
面不連続は、全く除去できるであろう。しかし、一般
に、薄い層は、表面不連続を減少するための実行可能な
解決ではなく、他の方法が用いられねばならない。
【0014】いくつかの方法が、そのような表面不連続
を除去するために提案されている。各々の方法が、1以
上の付随する問題を伴い、広い範囲での部品形状にわた
っての一般的な応用を妨げている。
【0015】本発明の第1の目的は、改善されたスライ
ス装置および方法を提供することである。
【0016】本発明の第2の目的は、選択された相乗的
刺激により硬化されるときに所望の精度の薄い硬化材料
の支持されない厚さを本質的に作ることができない液状
材料を用いたときに、高分解能のステレオリソグラフィ
を実行する方法と装置を提供することにより、MSDの
制限を克服することである。
【0017】本発明の第3の目的は、ステレオリソグラ
フィにより形成される3次元物体における表面不連続を
減少する装置と方法を提供すること、および、他の設備
を用いることなく、物体を形成するために使用された上
記の装置と同じ装置で使用できまた自動化できるような
装置を方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明により、3次元物体を複数の層データにス
ライスする装置と方法が提供される。この方法は次の工
程からなる。(1)スライスする寸法の方向に複数の間
隔をおいたスライス面を有する物体データを重ねる。こ
こで、上記の複数のスライス面の内の任意の2つ連続す
るスライス面は物体データの1つの層を区切り、この複
数の区切られた層は、また、スライス寸法の方向に連続
的に間隔をおいている。物体データの各々の区切られた
層を、その層を区切る連続的なスライス面で関連づけ
る。この2つの連続するスライス面は、第1と第2のス
ライス面からなり、第1のスライス面は、スライス寸法
の方向に第2のスライス面より低く位置される。(2)
投射からなる物体データと、層を区切る第1と第2のス
ライス面のうちの第1の選択されたスライス面との論理
積からなる物体データの各々の区切られた層のための投
射セグメントを形成する。この投射は、層を区切る第1
と第2のスライス面の内の第2の選択されたスライス面
への投射であり、物体データと、層を区切る第1と第2
のスライス面の内の第3の選択されたスライス面との論
理積からなる。(3)その区切られた輪郭の論理積セグ
メントと投射セグメントとの論理和からなる物体データ
の各々の区切られた層の層輪郭データを形成する。次
に、(4)各々の区切られた層のための層輪郭データ
を、その層のための層データに導入する。
【0019】本発明は、ステレオリソグラフィ法により
高分解能の物体を生産することが不可能であると思われ
ていた材料が、改良されたステレオリソグラフィ技法に
より多くの高分解能物体を創造するために使用されるこ
とを可能にする。感光性ポリマについては、従来の非高
分解能の感光性ポリマは典型的には吸収性と硬化性を有
するので、ある量(たとえば1mm)より薄い凝集性固
体プラスチックに転移できなかった。本発明の実施に
は、典型的なアプローチとの違いがある。たとえば、1
断面の少なくとも1部分に、転移されない物体が、少な
くともその1断面がその物体の次の追加の層の生成の準
備において転移されない材料で被覆されるまで残り、そ
の部分が被覆の形成の後で材料の転移により固化され
る。
【0020】本方法は、典型的なステレオリソグラフィ
技法の使用により可能であるよりも正確な物体生成をも
たらす。1断面の与えられた面積において硬化されるす
べての物質が、その断面で必ずしもすべて硬化される必
要はない。より高い断面すなわち層と同時に、すなわ
ち、より高い層を下方向に通って適当な領域にまで侵入
する硬化照射を用いて、硬化されてもよい。
【0021】本発明は、また、(物体の全体に対し)特
定の層厚で形成された物体の表面を、あたかもより薄い
層から形成されているように見えさせる方法も扱う。さ
らに、本方法は、表面をより連続的に(すなわち、より
薄い層に)見えさせるだけでなく、より薄い層に伴う全
体の精度を維持しつつ、厚い層で物体の全体を形成する
ことに関する。
【0022】典型的には、ステレオリソグラフィにおい
て、物体は、網または支持構造の上に形成される。本方
法では、支持構造の選択と配置は注意深く考慮されねば
ならない。異なった層の初期断面の種々な領域の形成が
ずれる可能性のために、支持の配置は重大である。支持
は、最低の層ともに局所的に硬化される領域をつかむよ
うに設計され配置されるべきである。
【0023】したがって、本発明の目的は、3次元物体
の少なくとも2層、バランスする1層とバランスされる
他の1層、を硬化する方法と装置を提供することであ
る。これは、バランスされる層を硬化し、次に、バラン
スする層によって起こされるバランスされる層の逆の曲
がりが、バランスする層によって起こされるバランスさ
れる層の通常の曲がりを実質的に打ち消しすなわち無効
にするようにバランスされる層に対してバランスする層
を硬化することにより達成される。したがって、この方
法と装置は、前に形成された層の下からまたはそばに連
続的に層を形成して物体が形成されるときのように、バ
ランスする曲がりに曲がりの全方向において適用可能で
ある。
【0024】開示の理解を容易にするため、本願明細書
は4つのセクションに分けられる。
【0025】セクション1は、「ブール演算による層比
較のスライス」と題される。
【0026】この節は、各層のどの部分が前の層から現
在の層を通って次の層へ続くかを決定するために、そし
て、どの部分が上に面する(上向き面となる)か、下に
面する(下向き面となる)か、または双方であるかを決
定するために、ブール演算の使用を説明する。したがっ
て、この節は、各層と関連する初期データを比較し、層
の間でそのようなデータを比較して物体を物理的に再生
する工程において使用できるデータを生じる方法と装置
を説明する。さらに、この節は、適当な寸法の(すなわ
ち、小型化または大型化された)物体を生み出すそのよ
うな演算の使用を説明する。他のセクションの説明を実
施し発展させるために、本セクションの概念が有用であ
ることが明らかになるであろう。
【0027】セクション2は、「ステレオリソグラフィ
における同時複合層硬化と題される。このセクション
は、形成材料と相乗的刺激との伝統的に低い分解能の組
み合わせから高分解能の物体を形成する方法と装置を説
明する。この組み合わせは、最小の効果的な硬化深さを
生じる。硬化深さは典型的には非常に深いので、高分解
能物体に要求される薄い層を形成できない。この目的
は、ある断面の上の複数の範囲の露光を遅らすことによ
り達成される。これらの範囲が断面形成時に直ちに硬化
されるならば分解能に否定的に影響していたであろう。
たとえば、もし、関連する硬化深さのために、この断面
の下の材料がこれらの範囲の露光の際に不注意に硬化さ
れるならば、分解能に否定的に影響されるかもしれな
い。したがって、分解能を維持するために、これらの範
囲の露光は遅らされ、これらの範囲の上に、より高い断
面にある対応範囲が、より低い断面上の材料を不注意に
硬化することなく、希望の範囲を硬化するのに十分深い
ような硬化深さを生じるように露光される。
【0028】セクション3は、「曲がりバランス」と題
される。このセクションは、通常の曲がりを逆の曲がり
でバランスすることにより曲がり歪みを減少する方法と
装置を説明する。この節は、非伝統的な硬化深さと、硬
化歪みを最小にする層(またはその部分)の形成順序と
を用いることを開示する。
【0029】セクション4は、「薄い補充層を含むこと
によって3次元物体の改良された表面の分解能」と題さ
れる。このセクションは、1層ごとの層形成工程の間で
の硬化される材料の薄い複数の補充層を用いてステレオ
リソグラフィにおいて形成される3次元物体に固有の表
面不連続を補充することにより高分解能の物体を形成す
る方法と装置を説明する。
【0030】当業者にとって明らかなように、この出願
の開示を見た後で、これらの4セクションの教えを好ま
しい結果を得るために複数の方法で組み合わせることが
できる。これらの好ましい方法のいくつかはここで説明
されるが、さらに多くの組合わせが可能である。したが
って、どのセクションの説明もそのセクションだけに適
用できるようには意図されておらず、開示全体を通して
適用可能であると理解すべきものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。
【0032】本発明を実行するための最良のモード セクション1: ブール演算による層比較のスライス 本発明の第1の実施例の全体について説明する。この実
施例は一般により大きなサイズの部品を構築してゆく
が、より小さなサイズの部品又は平均的なサイズの部品
を迅速にかつ柔軟性を有して組み立てて行く能力を提供
する。さらに、この実施例はまだ、物体のデータがモザ
イク形状の複数の三角形の中間の形式に変換することを
必要とする。しかしながら、以下の論議の中で理解でき
るように、この実施例はいまだ、前のスライス法に対す
る依存性よりも三角形の表現法に対する依存性がより小
さく、それに対して簡単な変形例を有する他のデータフ
ォーマットとともに用いることを可能にしている。これ
らの簡単な変形例はまた、次の記述において指摘されて
いる。また、もしモザイク形状にされた三角形のデータ
が本発明のこの実施例に入力されたならば、この実施例
はすべての三角形の頂点を複数のスライス層に丸めるで
あろう。三角形の頂点を丸めることは、PCT公報WO
89/10256号公報に記述されている。丸めること
は、もしそうしないならばスライス処理によって消失す
るであろう物体の形状を実際に保持する。それ故、保持
している物体の形状から結果として得られる物体の解像
度を高めることは、丸めることが解像度に対して有する
可能性がある有害なインパクトよりも価値があるものと
信じられ、複数の頂点を丸めることはこの実施例におい
て実行される。
【0033】形状が層と層との間において終わるような
場合を取り扱うために適当な注意がなされるならば、丸
められていない頂点を用いることができる。
【0034】第1の実施例の方法のための全体のフロー
チャートが図3a及び図3Bに図示されている。最初の
ステップはステップ10であり、ここで、三角形の表現
法がz軸に沿って所定の間隔が置かれた複数のスライス
層z[i]を用いて適用される。このことは図4におい
て概念的に図示され、図4は、z軸に沿って所定の間隔
が置かれた複数のスライス層z[1]−z[6]を用い
てインターレースされた物体のデータ25を示してい
る。
【0035】図3aに戻り、ステップ11において1つ
のスライス層をインターレースする物体のデータの中の
モザイク形状にされた三角形の各々は“+”の三角形
と、“−”の三角形と、又は“その他”の三角形とに分
類される。スライス平面z[i]に対して、“+”の三
角形は、上方向の延在するスライス平面を通過し、又は
スライス平面で始まり上方向に演算する三角形として定
義され;“−”の三角形は下方向に延在するスライス平
面を通過し、又はスライス平面で始まり下方向に演算す
る三角形として定義され;もし三角形が“+”又は
“−”の三角形でないならば、それは“その他”のカテ
ゴリーに入る。多くの三角形は“+”及び“−”の三角
形の両方である。
【0036】図5に戻り、例えば、三角形26a−26
hが図示され、それらのすべては1つ又はそれ以上のポ
イントにおいてスライス平面z[i]と交差する。
【0037】三角形26aはその全体がスライス平面内
に位置しかつその上又はその下に延在していないので、
三角形26aは+又は−の三角形として分類されないで
あろう。それ故、それは“その他”の三角形である。三
角形26b及び26cの両方はそれぞれ、そのスライス
平面、1つのラインセグメント及び1つのポイントで始
まり、上方向に延在しているので、その両方は+の三角
形である。三角形26fは次に示すように両方のカテゴ
リーの定義に当てはまるので、“+”及び“−”の三角
形の両方である。すなわち、それはそのスライス平面を
上方向に通過する(1つのラインセグメントでそれと交
差する)ので“+”の三角形であり、かつそれはまたそ
のスライス平面を下方向に通過するので“−”の三角形
である。三角形26g及び26hの両方はそれぞれ、そ
のスライス平面、1つのラインセグメント及び1つのポ
イントで終わるので、“−”の三角形である。
【0038】図3aに戻り、ステップ12において、各
スライス平面z[i]に対して、当該方法は“+”の三
角形とそのスライス平面との間での交線からS[i]+
として知られている境界を形成するであろう。例えば複
数のスライス平面(ときどきスライス層として知られ
る。)及びそれに類するもののような三角形と平面との
間の交線からの境界を形成する処理は、PCT公報WO
89/10256公報においてその詳細が記述されてい
る。
【0039】ステップ13において、各スライス平面z
[i]に対して、そのアルゴリズムはまた、“−”の三
角形とスライス平面との間の交線からS[i]−として
知られる境界を形成するであろう。
【0040】ステップ14において、各スライス平面z
[i]に対して、そのアルゴリズムはz[i]とz[i
+1]との間のすべての三角形の領域をz[i]上への
投射を決定する。その投射物はS[i]*として定義さ
れる。図6に戻り、この図は三角形27を示し、それは
スライス平面z[i]とz[i+1]との間に位置する
複数の三角形の1つである。図示されるように、スライ
ス平面z[i]への三角形27の投射は参照番号28と
して識別される。一旦投射物が決定されたならば、その
投射物の境界線がPCT公報WO89/10256号公
報に詳細に記述されている近傍−平坦な境界線の発生に
類似している方法で決定されるであろうし、それはまた
三角形の投射物から決定される。これらの境界線はS
[i]*として知られる。
【0041】形成される所望の各物体の断面CR[i]
は、連続する2つのスライス平面z[i]とz[i+
1]との間のデータに対応する。これは、スライス平面
の数から1だけ減算した値に等しい必要がある正確な数
の断面が形成されることを保証する。
【0042】図3aに戻り、ステップ15において、各
断面CR[i]に対して、層境界データL[i]は、S
[i]+とS[i]*とS[i+1]−との論理和集合
を演算することによって形成される。図4からの平面9
の平面図である図7を参照すれば、L[4]の発生が図
示されている。まず第1に、S[4]+とS[5]−と
S[4]*とが図示されるように発生され、次いで、こ
れら3つの領域の和集合が、図示されるようにL[4]
を決定するために演算される。もし上記の下方向のシフ
トが回避されるべきならば、次いで、上記データは、z
[i+1]とz[i]との間の物体の部分を形成するた
めに用いられるので、CR[i+1]と関連させる必要
がある。
【0043】ステップ15は元の物体の表現法と比較し
て大きなサイズを常時有する層輪郭を生成する。図7に
おいては、例えば、スライス平面z[4]における物体
の最も正確なデータは実際には、L[4]より小さいS
[4]+である。それ故、一旦構築された最後の物体
は、物体のデータに比較して大きなサイズを有すること
になろう。この第1の実施例においてより小さいサイズ
を有しかつ平均的なサイズを有する複数の物体の発生に
ついて後に記述する。
【0044】図3aに戻り、ステップ16において、ラ
イン幅補償(以下、“LWC”という。)が実行され、
それに従って、ステップ15で発生された層輪郭L
[i]はそれが変換された後にその材料の有限の硬化幅
に対してその1つが補償される。本質的には、このステ
ップにおいて、複数の層輪郭は適当な硬化深さと関連付
けられた硬化幅の約1/2だけ内側方向に(進行する固
体部の領域に向かって)変位され、その結果、相乗的な
刺激が物体の輪郭に対して方向付けられ当該輪郭におけ
る材料が変換されるときに、その物体は正確な大きさと
なる。もしLWCが実行されないならば、物体のxyの
大きさは約1つの硬化幅だけより大きなサイズとなる。
LWCはさらにまたより詳細に説明される。無条件に絶
対的に処理するこのステージにおいてLWCを実行する
ことは、当該処理の後のステージにおいて形成される種
々のタイプの輪郭がすべてこの1つの調整によって正確
に補償されることができることを仮定している。これに
代えて、後のステージにおいて1つ又はそれ以上の数の
輪郭のタイプに対する付加的な補償を実行することは可
能である。この付加的な補償は正の形状(特徴)又は負
の形状(特徴)のいずれかである。
【0045】上記層輪郭に対するオフセット量は層輪郭
オフセット(以下、LBOという。)として知られてい
る。オフセット量はビーム幅の1/2に簡単化されない
が、それに代わって、ビームの露光の後に変換された材
料の幅である硬化幅の1/2である。一般に、硬化幅は
ビーム幅とは異なる。なぜならば、硬化幅はPCT公報
WO89/10256号広報において詳細に説明される
ように硬化深さに依存している。すなわち、硬化深さが
増大するにつれて、硬化幅が増大する。
【0046】従って、層厚さ、すなわち硬化深さは、層
から層へと変化する可能性があるので、LBOは層から
層へと異なるかもしれない。層iに対するLBOはLB
O[i]として示される。
【0047】特定の層に対するLBOを決定するため
に、所望された層厚さはまず最初に決定され(連続する
スライス平面z[i]からz[i+1]までの間などの
差から決定され)、次いで、典型的には6ミル(mil
s)であるオーバー硬化量(overcure amo
unt)が加算される。その結果はその層に対する期待
された硬化深さである。PCT公報WO89/1025
6号公報において記述されたように、オーバー硬化量は
1つの層が貫通するだけの指定された量であり、それ
故、層間で良好な接着を確実にするためにそれよりも下
の層の上にオーバーラップする。一旦その層に対する硬
化深さが決定されたならば、次いで、プログラムは当該
硬化深さに基づいて評価された硬化深さを決定し、LB
Oをその量の1/2に対してセットする。層iに対して
決定された、後に説明する下に面する領域は、いくらか
小さい硬化深さのために硬化深さにおける減少を補償す
るために(それらの領域が成長する)少しの負の補償を
与えてもよい。
【0048】硬化幅を評価するために、複数の予め決定
されたデータのペアを利用することができ、各ペアは実
験的に測定された硬化深さとそれに対応する硬化幅とを
備える。期待された硬化深さはそのデータペアにおける
硬化深さの1つに正確には対応しないと仮定すれば、硬
化幅は単に補間することによって評価される。これに代
えて、硬化深さと硬化幅はビームのプロフィールデータ
と構築する材料の知られた性質から決定するようにして
もよい。
【0049】一旦LBOが決定されたならば、層の輪郭
はこの値によって調整される。補償された層輪郭はL
[i]’として示される。
【0050】ステップ17において各層に対する上側に
面する境界を発生する処理が実行される。各層に対して
処理を始めるために、ある層とそれに続くより高い層と
の間でブール減算が実行され、そのブール減算の結果は
本質的に、当該連続するより高い層によってオーバーラ
ップされない層上の領域を決定する。オーバーラップし
ない領域はU[i]によって示される。
【0051】ブール減算を実行するために、利用は計算
を効率化する結果をもたらす数学的な一致から形成され
る。公知の通り、2つの領域AとBとの間におけるブー
ル減算は領域Aと領域Bの補集合との間の論理積集合に
等しい: A−B=A∩(−B) 従って、前に参照されたブール減算を実行するために、
次の計算がステップ17において実行される: U(i)=L[i]’−L[i+1]’=L[i]’∩
(−L[i+1]’) この計算の一例として、図8は、図4の例から得られ
た、L(4)’とL(5)’とからのU(4)の導出を
示している。U(4)は図8における陰影領域である。
L’[5]の補集合はL’[5]によって囲まれた領域
を除くすべてである。従って、この補集合とL’[4]
との間の論理積集合は、L’[5]によってまた囲まれ
た部分を除くL’[4]によって囲まれた領域である。
【0052】U[4]は、単に上に面する領域を決定す
る際の第1のステップを表している。このことは、U
[i]によって定義された領域が実際には上に面する領
域と同様に、下に面する領域を含む可能性があるからで
ある。従って、1回の調整は下に面する領域を含まない
ために、U[i]として形成される必要がある(前述し
たように、それらが一般に過剰に硬化されないであろう
から、すべての他の領域から下に面する領域を識別する
ことは重要である。)。
【0053】図9は、数字29によって示された領域は
U[i]内に含まれるが、下に面する領域であるので、
含まれる必要がない一例を示している。この領域は、
L’[i]がこの領域における次のより下の層L[i−
1]’とオーバーラップしないために、下に面する領域
である。前に示したように、下に面する領域は含まれる
必要がない。なぜならば、それらは次のより下の層をオ
ーバーラップしないからであり、過剰に硬化する必要が
ないからである。次の2つのステップがこれを実行す
る。とって代わって、上と下の両方に面する領域はこの
実施例におけるように下に面する領域としてラベル付け
され、もしくは、それらは、ただ下に面する領域が、下
と上の両方に面する領域とは異なった硬化を行うことが
できるように異なった指示が与えられてもよい。
【0054】図3aに戻り、ステップ18において下に
面する境界D[i]は、当該層に対する補償された層輪
郭L[i]’と、前の層輪郭に対する補償された層輪郭
L[i−1]’との間のブール微分を演算することによ
って各層に対して決定される。前に示した方法を用い
て、このことは次式に従ってL[i]’とL[i−
1]’の補集合との間の論理積集合を演算することによ
って実行される。
【0055】D[i]=L[i]’−L[i−1]’=
L[i]’∩(−L[i−1]’) 次に、ステップ19において、ステップ17で演算され
た上に面する輪郭U[i]は、上に面する領域において
また存在するかもしれない任意の下に面する領域を減算
するために補償される。このことは、各層に対してU
[i]とD[i]との間のブール微分を演算することに
よって実行される。前に記述された方法を用いて、この
差は、上記調整された上に面する輪郭U[i]’を演算
するために、次式で示されるU[i]とD[i]の補集
合との間の論理積集合を演算することによって決定され
る。
【0056】U[i]’=U[i]−D[i]=U
[i]∩(−D[i]) このポイントにおいて、上記調整された層輪郭L
[i]’はいまだ上に面する領域と下に面する領域を包
含していることに注意しなさい。従って、これら2つの
領域は層輪郭から減算する必要がある。このことは、図
3aにおける次の2つのステップにおいて実行される。
【0057】ステップ20において、下に面する領域を
減算するために、層輪郭が再び調整される。2回調整さ
れた層輪郭L[i]’’は、上記補償された層輪郭L
[i]’と上記下に面する領域D[i]との間のブール
微分を演算することによって計算される。ステップ21
において、層輪郭は上に面する領域を減算するために第
3回目の調整が実行あれる。3回調整された層輪郭L
[i]’’’は上記2回調整された層輪郭L[i]’’
と上記調整された上に面する輪郭U[i]’との間のブ
ール微分を演算することによって計算される。このポイ
ントにおいて、次の相互的に排他的な記述情報は各断面
に対して計算される:L’’’[i]、D[i]及び
U’[i]。
【0058】上記層輪郭から上に面する輪郭を分離する
ことと、上に面する領域が典型的に層輪郭内の他の領域
として同一の過剰な硬化を用いて硬化される場合であっ
ても、相互に排他的なデータを得ることがいまだ所望さ
れることに注意しなさい。もし上に面する領域がその層
輪郭内にとどまることが許可されたならば、次いで、層
輪郭内の領域は冗長に定義される。結果として、これら
の領域は相乗的な刺激によって1回以上トレースされる
可能性があり、それ故、過剰に硬化され、その結果、こ
れらの領域における硬化深さ又は硬化幅のいずれかにお
ける所望されない増大のために歪が生じる可能性があ
る。
【0059】いま図11、図12a及び図12bに戻
り、これらの領域において結果としてオーバー露光の可
能性がある領域の付加的な冗長の定義を回避するため
に、上に面する輪郭と下に面する輪郭に対して幾つかの
付加的な調整がなされる必要がある。図11は上に面す
る領域30を有する物体の1つの層の平面図を示してい
る。3回調整された層輪郭L[i]’’’は数字31と
して参照され、上記調整された上に面する輪郭U
[i]’は数字34によって参照される。層輪郭と上に
面する輪郭によって包囲される領域はセグメント32に
沿って一致して出会うが、オーバーラップしない。しか
しながら、もし領域30によって包囲される全体の領域
が、セグメント32に対して右上部に隣接する変換され
た領域を形成するために露光され、さらに、もし輪郭3
1によって方位される全体の領域がセグメント32に対
してまた隣接する変換された領域を形成するために変換
されたならば、そのときこのセグメントに沿った材料は
4回の分離された回数だけ露光され、すなわち31と3
4によって方位された領域の露光を実行することによっ
て、及び層輪郭31及び上に面する輪郭34の露光を実
行することによってなされる。前述したように、このオ
ーバー露光は、結果として生じる硬化幅と硬化深さにお
ける結果の増大を防止するために回避される必要があ
る。従って、上に面する輪郭と下に面する輪郭に対する
調整はこのオーバー露光を防止するために有用である。
このことはステップ22及び23によって実行される。
【0060】これらの調整の付加的であって非常に重要
な結果は、それらが、非常に小さく過ぎて実際に表皮ベ
クトルを要求することができない領域に対して表皮ベク
トルの発生を除去するという有益な効果を有するであろ
うことである。図12aに戻り、例えば、数字35によ
って識別された領域は、小さすぎて表皮ベクトルの発生
から利益を得ることができない上に面する領域又は下に
面する領域のいずれかを表すことが仮定される。このこ
とはそうであり、なぜならば、相乗的な刺激は当該領域
の輪郭線の回りにセグメント35aと35bとを追跡す
るときに、この領域は、(含まれる硬化幅のために)自
動的に変換されるからである。
【0061】そのような領域の決定は、例えば、図示さ
れるように、セグメント35aを右側に硬化幅の1/2
だけ移動させる一方、またセグメント35bを硬化幅の
1/2だけ左側に移動させることによって実行すること
ができる。ひき続き議論するように、これらのステップ
は、ステップ16から大きな測定においてLWCアルゴ
リズムを利用することによって実行することができる。
もしこれらのセグメントの移動の結果は当該領域の崩壊
又は部分的な崩壊であるならば、このときこれは表皮ベ
クトルの発生はこの領域において又はこの領域の一部分
において実行する必要がないことを示している。図12
bに図示するように、上記セグメントの移動は当該領域
を、表皮ベクトルが発生される必要がないラインセグメ
ント36に崩壊させる。これらの領域の検出は図3a及
び図3bの次の2つのステップにおいて実行される。
【0062】ステップ22において、上方向の輪郭オフ
セット(以下、UBOという。)は、LBOの演算と同
様の方法で各層に対して演算され、すなわち、層の厚さ
の値プラス期待されたオーバー硬化値(過剰な硬化硬化
値)とに基づいて補間することによって演算される。こ
の値は、上述の方法と非常に類似した方法で上に面する
輪郭をオフセットするために用いられる。UBOとLB
Oの使用の間における第1の差は、UBOが描写された
物理的な輪郭を形成するために用いられず、一方、LB
Oはそのような輪郭を形成するために用いられるという
ことである。UBOはスキンをはぎると及び又はハッチ
ングするための適当な領域が決定されるであろう輪郭を
形成するために用いられる。そのように、もしこれらの
領域がゼロ又は負の値に減少させるならば、それらは単
にスキンをはぎとること、及び/又はハッチングされる
ことはない。
【0063】一方、LBOは、一部分の1つの層を生成
するときに物理的に形成される輪郭をオフセットするた
めに用いることができる。そのように、これらの輪郭内
の領域がLBOと関連した補償の後にゼロに又は負の値
に減少されるときに、硬化された材料の1つのラインと
して崩壊された形状を形成することが適当であるか否
か、もしくは単にさらなる考察からそのような形状の特
徴を単に除去することがより適当であるか否かについて
の決定がなされる必要がある。最も好ましい選択は、一
部分から一部分に、又は層から層に、もしくは1つの層
の1つの領域から1つの層の1つの領域に変化するかも
しれない。従って、その決定を行う最も適当な方法はユ
ーザによって指定されるオプションにされるかもしれな
い。この決定は、一部分毎に基礎をおいて、層毎に基礎
をおいて、又は1つの層の1つの領域毎に基礎をおい
て、実行されるかもしれない。LBOとUBOの使用の
間のこの差は後に説明されるようにいくらか異なった処
理ルーチンを導く。
【0064】次に、上記調整された上に面する輪郭U
[i]’は上記2回だけ調整された上に面する輪郭を得
るために、その層に対してUBOの約1/2、すなわち
UBO[i]だけ内側に調整される。U[i]’’の発
生にともなって、1回調整された上に面する輪郭U
[i]’はいまだ保持されていることに注意しなさい。
このことは、なぜならば2回調整された輪郭はスキンベ
クトル及び/又はハッチングベクトルを発生する目的の
ために一時的にただ保持され、かつ輪郭ベクトルを発生
する目的のために保持されないからである。とって代わ
って、1回調整された輪郭U[i]’はこの目的のため
に保持される。
【0065】次いで、ステップ23において、調整され
た下に面する輪郭D[i]’はその層に対する下の輪郭
オフセットに対して調整することによって計算される。
各層に対する下方向の輪郭オフセットは、硬化のより小
さい深さと、硬化のより小さい対応する幅を発生するこ
とを除いて、ステップ21において上に面する輪郭に対
するオフセットに類似する方法で計算される。再び1回
調整された輪郭D[i]’の発生にともなって、未調整
の輪郭D[i]がまだ保持されている。このことは、調
整された輪郭はただ、スキンベクトル及び/又はハッチ
ングベクトルを発生する一時的な目的のために用いら
れ、未調整の下に面する輪郭D[i]は輪郭ベクトルの
発生のために保持されるからである。
【0066】2次の輪郭を生成するためのL’’’
[i]又はL’’[i]の輪郭を補償するために1つの
付加的なオフセット値を決定しかつ使用することがまた
可能であることに注意しなさい。次いで、2次の輪郭
は、クロスハッチング(ハッチング)又は(もし用いら
れるならば)表皮の発生のために用いることができ、こ
こで、元の輪郭L’’’[i]又はL’’[i]はいま
だ、2次の輪郭から生成されるハッチング又は表皮を取
り囲む物理的な輪郭を形成するためにいまだ用いられる
であろう。
【0067】最後にステップ24において、次のように
複数のベクトルが輪郭データから発生される。まず第1
に、各層に対して、層輪郭ベクトル(以下、LBとい
う。)は3回調整された層輪郭L’’’[i]から発生
される。(これは、簡単な処理であり、単に複数の輪郭
を追跡する1つ又はそれ以上の数のループのベクトルの
発生である。)第2に、平坦な上側輪郭(以下、FUB
という。)が調整された輪郭U[i]’から発生され
る。第3に、層ハッチング(以下、LHという。)ベク
トルは、続いて記述すべきハッチング発生のアルゴリズ
ムの1つを用いて、2回調整された(3回調整されてい
ない)層輪郭から発生される。上に面する領域を取り囲
むが、3回調整された輪郭L[i]’’’よりむしろ下
に面する領域(図3bにおけるステップ21を参照。)
である、2回調整された輪郭L[i]が用いられること
に注意しなさい。このことは、ハッチングベクトルは本
来、層輪郭及び上輪郭領域の両方に対して発生され、も
しL[i]’’’がここで用いられるならば要求される
2つのステップにおける場合よりはむしろ、1つのステ
ップにおけるそれらを発生することがより効率的である
からである。一般に不必要であると判断されるが、分離
されたハッチングベクトルは、結合されたL’’’
[i]とU’[i]領域に対する1組に代わるL’’’
[i]領域及びU’[i]領域のために発生することが
可能である。このことは、付加的なベクトルを生成する
コストで実行することができるが、構成材料を実際に変
換する処理において付加的な多方面性を与える利益を得
ることができる。下に面する領域に対するハッチングベ
クトルの発生は、層輪郭に対するハッチングベクトルの
発生にともなって結合することが不可能であるに注意し
なさい。なぜならば、下に面する領域に対するこれらの
ベクトルはおそらく、LHに対して与えられた硬化深さ
とは異なった硬化深さが与えられ、かつ完全に異なった
処理が与えられる可能性があるからである。次いで、第
4に、平坦な下側輪郭(以下、FDBという。)ベクト
ルは一般に指定された過剰な硬化を実行することなし
に、未調整の下に面する輪郭D[i]から得られる。第
5に、下方向のハッチングの輪郭ベクトル(以下、NF
DHという。)は、続いて記述すべきハッチング発生の
アルゴリズムの1つを用いて、下に面する輪郭D[i]
から形成される。第6に、上の補充ベクトル(以下、F
UFという。)は2回調整された上に面する輪郭U
[i]’’から形成され、次いで、下方向補充ベクトル
(以下、FDFという。)は、続いて記述されるスキン
ベクトルの発生アルゴリズムの1つを用いて、調整され
た下方向輪郭D[i]’から形成される。
【0068】当該アルゴリズムは、プロセス(PROC
ESS)コンピュータ上で実行するスライスとは別の残
存しているコンピュータプログラムとの互換性を保持す
るために、PCT公報WO89/10256号公報にお
いて記述された前のスライスプログラムと関連するベク
トル記憶法の幾つかを保持する。ベクトル記憶と、ベク
トル記述と、複数のベクトルを発生するために用いられ
る輪郭と、各ベクトルのタイプが発生された後に描写さ
れる順序との間の対応関係が以下に要約される。
【0069】 1 LB 層輪郭 L’’’[i] 2 FUB 上方向輪郭 U’[i] 3 LH 層ハッチング L’’[i] 4 FDB 下方向輪郭 D[i] 5 NFDH 下方向ハッチング D[i] 6 FUF 上方向補充 U’’[i] 7 FDF 下方向補充 D’[i] 上記のリストにおける描写(ベクトルによる走査)の順
序は好ましいが、他の満足できる順序を利用してもよ
い。描写の順序を選択する重要な態様は、物体の予め形
成された複数の部分によって適当にサポートされていな
い描写ベクトルを回避することにある。もしこれらの添
付されていない又はルーズに添付された複数のベクトル
が他のベクトルの描写の前に描写されるならば、上記複
数のベクトルを形成する変換された材料は、それが他の
ベクトルに対して接着されることができる前の位置から
ドリフトして抜け出し又はその位置から歪ませられて抜
け出すことが可能である。従って、(サポートされた領
域は下の断面上に接着されるであろうから)サポートさ
れた領域から開始し、次いで、これらの領域からサポー
トされない領域に向かって外側方向に放射状に延在する
材料を固体化するという方法である与えられた層上の材
料を固体化することが通常賢明であり勧められる。この
所望される形成方法は、各ベクトルに対する隣接する断
面と、既知の硬化深さと硬化幅と、用いられる描写と用
いられる曲がり(カール)減少法の既知の属性との比較
によって実行することができる。上述された順序はこれ
らの考察を反映している。さらに、もし最初においてハ
ッチングと補充が負荷されない場合であっても、ハッチ
ングと補充とが複数の輪郭によって構築されるであろう
ことを確実にするために、それらの関連するハッチング
もしくは補充の前に、それはいつも輪郭を描写する。
【0070】もう1つの可能な描写の順序は、LH、F
UF、LB、FUB、FDB、NFDH、最後にFDF
である。この描写の順序は、これらのベクトルのタイプ
の両方が前の断面と関連する場合において変換された材
料によって下からサポートされた材料を変換するために
用いられるということを仮定することが可能であるの
で、これらの対応する輪郭の前にLHとFUFを生成す
る。さらに、この描写の順序は、複数の輪郭が、ハッチ
ングや補充が形成されるにつれてハッチングや補充の収
縮によって歪ませられることは無いという利点を有す
る。従って、複数の輪郭は結局より正確な位置において
位置するであろうことが仮定されることが可能である。
【0071】ベクトルのタイプの上記リストは上に面す
るハッチングのカテゴリーを含まない。上述のように、
このことは、上に面するハッチングは上記リストのLH
において含まれるからである。この含有は、一般に、満
足できるものであることがわかるが、上に面するハッチ
ングは、もし必要性又は要望が生じるならば、それ自身
のカテゴリーに分離されることが可能である。LHをそ
れ自身のカテゴリーに分離することは、このソフトウエ
アにおける指定可能なオプションである。
【0072】実 行 上記実施例の実行について以下に説明する。図13は実
行の全体の図であって、それは、ステップ37において
和集合演算を実行して複数の輪郭を形成するステップ
と、ステップ38においてライン幅補償を実行するステ
ップと、ステップ39において差演算を実行してオーバ
ーラップしない複数の輪郭を形成するステップと、ステ
ップ40においてスキンとハッチングの伸縮を実行する
とともに補充ベクトル又はハッチングベクトルの発生を
実行するステップとを備える。これらのすべてのステッ
プは、入力としてモザイク形状にされた三角形のフォー
マットの物体表現法を用い、かつ出力として複数のベク
トルを生成する(プロセスコンピュータと同一であるか
もしれない)スライスコンピュータ上において現在指示
されている。プロセスコンピュータはこれらの複数のベ
クトルを受信するためのスライスコンピュータを備え、
又は接続され、次いで、これらのベクトルに応答して当
該材料のワーク表面上の複数のベクトルを追跡するため
に相乗的な刺激のビームの方向づけを行う。
【0073】これらのステップの各々は所定の順序でア
ドレス指定されるであろう。ステップ37において実行
される詳細はサブステップは図14に図示されている。
【0074】まず第1に、ステップ50において、すべ
ての三角形は、三角形の頂点の幾つかの最小のz成分に
よって区分される。z軸は、第1の実施例において垂直
方向の大きさであるスライス軸であると仮定される。従
って、このステップは当該ステップ軸に沿って複数の三
角形について順序付けされるであろう。なお、z軸の選
択は任意であって、デカルト座標系を仮定するならば、
y軸又はx軸は等しく用いることができるということに
注意すべきである。
【0075】次いで、ステップ51において、複数の三
角形は、z軸に沿って所定の間隔で置かれた複数のスラ
イス平面を備えてそれの上に覆いかぶせられる。次い
で、任意の連続するスライス平面間のすべての三角形の
考察の後に、より小さいz成分を有する2つの連続する
スライス平面の1つを備えたそのようなすべての三角形
の交線から発生された複数のセグメントからなるセグメ
ントのリストが発生される。さらに、考察から除かれた
平坦であって垂直な複数の三角形を用いて、2つの層の
間の複数の三角形をより小さいz成分のスライス平面上
に投射することから発生された複数のセグメントを備え
た投射リストが発生される。もしz軸に沿って再生され
た物体をシフトしないことが所望されるならば、両方の
これらのリストはそれらの形成の後に2つの層のより高
い層と関連する。セグメントのリストと投射セグメント
のリストとは1つの断面に対して形成された後に、すべ
ての断面に対するセグメント投射のリストとが形成され
る。各例においては、1つの断面に対するセグメントと
投射のリストが当該断面に対して投射された元の2つの
スライス層から形成される。とって代わって、すべての
セグメントのリストを発生してもよい。最初に、前に連
続する層と、現在の層と、それに続く層のためのそのよ
うなセグメントリストを発生することが可能である。現
在の層に対して適当な計算がなされた後、現在の層に対
する複数のベクトルが格納され又は実行される。それに
続く層のための情報は取除かれ、それに続いて、次に連
続する層が現在の層となるように上方向に転送される層
の指示が実行される。次いで、上記処理が繰り返され、
これによって、メモリと記憶スペースの使用を最小限に
している。
【0076】形成時の投射リストにおける複数のセグメ
ントは、固体部の領域は左側であって中空部の領域は輪
郭の右側であるというように、ある投射を実行する複数
のセグメントの方向を用いて反時計回りの方向で順序付
けされる。この表現するもう1つの方法は複数のセグメ
ントは右手のルールに従うということであり、これによ
って、上記複数のセグメントは反時計回りの方向で固体
部を取り囲みかつ固体部回りの方向で中空部の領域を取
り囲むということが仮定される。しかしながら、当該投
射リストにおける複数のセグメントとは異なり、当該セ
グメントのリストにおける複数のセグメントは形成時に
方向付けされない。これらの複数のセグメントは、続い
て議論されるようにステップ57において方向付けられ
る。
【0077】ある与えられた断面に対して、ステップ5
2において開始し、セグメントのリストがまず最初に、
それを浄化しかつ任意の原型がそこなわれた入力データ
に対して補正するために処理がなされる。上記入力され
た複数の三角形は、当該物体の表面を完全に延在してお
り他の三角形の頂点においてのみ他の複数の三角形と隣
接することが仮定される。もしこれらの仮定のいずれか
又は両方がまちがっているならば、上記複数の三角形を
表す入力データは破壊されるかもしれない。このこと
は、複数のギャップの形式でそれ自身を明らかにし、上
記セグメントのリストにおいてオーバーラップしている
かもしれない。以下に議論するように、ステップ52と
並びにそれに続くステップにおいて、これらのギャップ
が補充される。
【0078】ステップ52において、x軸方向の大きさ
は等しく用いることが可能であるが、当該リストにおけ
る複数のセグメントの最小のy軸方向の大きさに従っ
て、当該リストにおける複数のセグメントが順序付けさ
れる。次いで、ステップ53において、複数のセグメン
トの終点はそれらを連続するセグメントの終点と比較す
ることによって次々に考察され、もし任意の2つの終点
が一致するならば、対応するセグメントが結合されて、
“多重線”を形成する。ステップ54において、それら
自身で閉じられておらず複数の多重線を形成する任意の
多重線の複数の終点は次々と考察され、次いで、連続す
る閉じられていない多重線の終点と比較される。もしギ
ャップが存在しているならば、複数のセグメントが当該
複数のギャップを補充するために生成され、まず最初に
最短のギャップを考える。その結果は閉じられていない
多重線の外側に多重線を形成することである。多重線を
多角形に対して近接させるときに、他の複数のベクトル
の上にベクトルが交差することを防止するために注意す
る必要がある。必要なかつオーバーラップしない複数の
多角形が形成され又は1つの多角形と1つのオーバーラ
ップしない多重線が形成されているような交差点におい
ては、両方のベクトルは分割される。
【0079】ステップ55において、任意のギャップが
補充された後に、最長の可能な複数のセグメントは、存
在することが可能な連続する1直線上に位置する又は近
似的に1直線上に位置する多重線又は複数のセグメント
を結合することによって複数の多角形から再形成され
る。前に多角形を形成するために用いられたセグメント
とは異なって、これらのより長いセグメントの特性は、
すべてのギャップがいま取り除かれるであろうし、並び
に複数のセグメントは完全に多角形を形成するであろ
う。さらに、これらのより長いセグメントのもう1つの
特性は、それらが任意の他のセグメントにわたって通過
することが許可されないであろうということである、こ
のことは、任意の2つのセグメントを交差することを回
避させ、もしくは1つのセグメントがもう1つのセグメ
ントとの交差点を通過させるために、1つのセグメント
を、1つの交差点における複数のセグメントに分割する
ための次のルールによって実行される。
【0080】分割処理が図15a及び図15bにおいて
図示されている。図15aはポイント63で交差してい
るセグメント61、62を示している。前述したルール
からはずれることを回避するために、複数のセグメント
は4つのサブセグメントA、B、C、Dに分割される。
【0081】図15bは、ここで分割が4つのサブセグ
メントに分割されず、3つのサブセグメントに分割され
ることを除いて、ポイント66で交差するセグメント6
4、65を分割するもう1つの一例を示している。
【0082】図14に戻り参照して、ステップ56にお
いて、再構成したセグメントはそれらの最小のy軸方向
の大きさによって順序付けられる。
【0083】ステップ57において、前述したように上
記投射リストの中のセグメントととは異なり、これらの
セグメントは方向が割り当てられていないので、方向が
当該セグメントに割り当てられる。そのようにするため
に、当該セグメントはまず第1に、x軸に対して平行な
(y軸又はz軸に対しても等しく可能であるが)いわゆ
る“無限”線(それらは無限に生じるのでそのように呼
ばれる。)と交差される。次いで、1つのセグメントと
の各交差点において定量的な量解析(以下、“QV解
析”という。)が実行され、この解析の結果として、当
該セグメントは対応する方向として割り当てられる。
【0084】QV解析を始めるために、1つの無限線が
中空部領域において開始し、かつ常時それは1つのセグ
メントと交差し、1つの固体部領域にはいるか又は存在
するかのいずれかであるということが仮定される。上記
複数のセグメントは、それらの左側に固体部が存在しか
つそれらの右側に中空部が存在するように方向付けられ
ると仮定され、さらに、それらは、反時計回りの方向で
1つの固体部領域の回りでループを形成し当該固体部領
域を取り囲むものと仮定される。このことは、右手のル
ールに従ってこれらのセグメントに方向付けを行うこと
に等価である。再び、左手のルールがまた適用可能であ
る。
【0085】1本の無限線と関連する定量的な量(以
下、“QV”という。)は、無限線のその部分が中空部
内に存在するか又は固体部部分に存在するかに依存して
当該無限線上の1つのポイントからもう1つに変化する
であろう。無限線が1つの中空部領域にあるときは、0
のQVを有することが仮定され、それが1つの物体の1
つの固体部領域内にあるときは、1のQVを有するもの
と仮定される(もし無限線が2つの物体のオーバーラッ
プしている固体部領域を内に位置しているならば、それ
は2のQVを有し、それ以降は同様である。)。このス
テージにおいて中空部領域と固体部領域は連続する輪郭
ベクトルが決定された指示方向を変更することによって
決定されるので、オーバーラップしている固体部領域の
この状態は当該処理のこのステージから除外される。こ
のフェーズでオーバーラップしている固体部領域を実質
的に処理することができることが異なったアルゴリズム
が可能である。
【0086】各セグメントはそれに関連する1つの方向
を有することのみが可能であり、なぜならば、その全体
の長さにわたって前述した分割技術の定義及び力によっ
てそれは1つの側面上の中空部の部分だけ進められかつ
もう1つの側面上の固体部の部分だけ進められる。
【0087】順序付けられた複数のセグメントは各セグ
メントが1つの方向が割り当てられるまで無限線ととも
に連続してオーバーラップされる。各セグメントが1つ
の方向が割り当てられるように用いられることが十分で
ある1つの条件のもとで、任意の数の無限線を用いるこ
とができる。第1の無限線は出来る限り多くのセグメン
トと交差するように選択してもよい。これらのセグメン
トに対する方向が割り当てられた後に、もう1つの無限
線が出来る限り多く残っているセグメントと交差され、
方向が割り当てられ、かつ上記処理がそれ自身、すべて
のセグメントに対して方向が割り当てられるまで繰返さ
れる。
【0088】上記処理は、セグメント67a−67fと
68a−68gを示す図16の助けを得て図示すること
ができる。これらすべてのセグメントは少なくともy軸
に平行な成分を有し、かつこれらは最小のyによって順
序づけられると仮定され、それ故、図示される。y軸は
数字71を用いて示される。まず第1に、数字69によ
って指示された無限線は出来る限り多くのセグメントと
交差するように選択される。この場合において、このラ
インはセグメント67a−67c、67e上に位置して
いる。このラインとのセグメントの実際の交点はA、
B、C、Dによって示されている。
【0089】前述したように、無限線の原点は無限であ
ると仮定され、これは中空部であると仮定される。従っ
て、無限点における無限線は0の関連した定量的な値を
有するものと仮定される。これは、ポイントAでセグメ
ント67aとの交点よりちょうど前に無限点上で示され
る。次いで、無限線に沿った各交差点は次々と考察さ
れ、QV値が1つのセグメントとの交差(論理積演算)
の後に無限線の各部分に対して連続的に割り当てられ
る。もしQV値が0から1への遷移を与え、このことは
固体部の部分にはいることを示す。もしそれが1から0
への遷移を与えるならば、このことは固体部の中で存在
していることを示す。連続的なQV値は、図において示
されている。
【0090】次いで、左側への固体部と右側への中空部
とを示す方向を仮定すると、方向とセグメントは無限線
上のQV値から得られる。もしQV値が1つのセグメン
トを論理積し0から1への遷移を与えるならば、このこ
とは固体部内に入ったことを示し、右手のルールに従っ
て、当該セグメントは下方向を示していると仮定され
る。もちろん、もしQVが1から0への遷移を与えるな
らば、このことは1つの固体部内に存在していることを
示し、右手のルールに従って、当該セグメントは上方向
を示していると仮定される。もし当該セグメントが下方
向を指示するように決定されるならば、1の方向が与え
られるであろうし、一方、もし当該セグメントが上方向
を指示するように決定されるならば、−1の方向が与え
られる。上記得られた方向は対応するセグメントの下に
番号で図において図示されている。1つの矢印はまた、
その得られた方向を絵画的に示すために各セグメントに
対して加えられる。
【0091】次いで、図において数字68a−68fに
よって識別されたもう1つのセグメント群を交差させる
ために、図において数字70によって識別されたもう1
つの無限線が図示されている。上記対応する交差点は当
該図において、E、F、G、H、I及びJとして識別さ
れる。このとき、上記解析は、図において示された交差
されたセグメントに対して方向が割り当てるために繰り
返される。
【0092】次いで、2つの異なった無限線が同一の方
向が割り当てられたか否かを決定するために、同一性の
チェックが実行される。図16において、例えば、もし
セグメント68aと67aが同一の全体のセグメント
(その位置はこれらの2つのセグメントを連結する破線
によって示されている。)の一部分であるならば、その
ときこのセグメントに対して異なった無限線によって割
り当てられた方向が同一であるということを検証するた
めに1つのチェックが実行されるであろう。このこと
は、事実、図16の場合である。各多角形における複数
のセグメントが両立する方向が割り当てられていること
を検証するために付加的なチェックを実行することがで
きる。
【0093】幾つかの特別な場合について以下に考察さ
れる。第1の場合が図17a−図17bにおいて図示さ
れ、ここで、1つの方向が割り当てられるべきセグメン
ト72は無限線73に対して水平な方向である。この場
合において、実際に無限線が図における固体線によって
示されているパスに追随しているであろう場合であって
も、図において破線によって示されているように、無限
線は上部から下部に向って通過するであろうということ
が仮定されるであろう。図17aに示すように、もしQ
Vが0から1に向って変化するならば、そのセグメント
は1の方向が割り当てられる一方、図17bに示すよう
に、もしQVが1から0に向って変化するならば、その
セグメントは−1の方向が割り当てられる。
【0094】2つ又はそれ以上のセグメントがオーバー
ラップしているもう1つの特別な場合が存在する。複数
のセグメントをオーバーラップすることは、オーバーラ
ップしている複数の三角形によって生じるかもしれな
い。この状態は、三角形の頂点がスライス層に丸められ
たときに生じるかもしれない。
【0095】この状態を取り扱うために、1つの方向値
が、全体として当該オーバーラップしているセグメント
に対して割り当てられるであろう。この値は個々のセグ
メントの方向値の和に等しい。さらに、新しい値である
“2方向値”が個々のセグメントと上記オーバーラップ
しているセグメントのグループの両方に対して割り当て
られる。個々のセグメントに対して、上記2方向値は1
にセットされる。セグメントのグループに対して、2方
向値は、上記個々のセグメントに対する2方向値の和と
なるであろう。
【0096】図18において、例えば、無限線74は
(図示の目的のみのために互いに離れて設けられた)交
差するオーバーラップベクトル75a、75bとして図
示されている。図示されるように、当該グループに対す
る得られた方向値は0であり、なぜならば、そのグルー
プにおいてただ2つのベクトルが存在するからである。
前に示したように、この値は、それぞれ1及び−1であ
る2個の個々の方向値の和から得られる。図18aの一
例に対する2方向値は2となるであろう、これは個々の
セグメントに対する2方向値の和である。そのグループ
に対する2方向値は単に、そのグループにおけるセグメ
ントの数の計数値であるということがわかる。
【0097】2つのセグメントの1つのグループは、2
つの側面から形成された多角形である“バイゴン(bi
gon)”として知られた構成要素であると考えられ
る。従って、2つのオーバーラップしているセグメント
は2の側面の多角形を実質的に形成するので、図18a
におけるグループはまさにバイゴンとして用語が付けら
れる。現在、1つのバイゴンに対する2方向値は、当該
バイゴンが崩壊された中空部又は固体部を表わすか否か
というもう1つの情報を伝送する。いま、正の2方向値
を有するバイゴンはある崩壊された固体部を表わすもの
と仮定される。図18bにおいて図示されたバイゴン
は、ある崩壊された中空部を表わす。実際には、処理の
このレベルにおいて、図18aと図18bにおける両方
の状態が同一の物理的な方向として与えられるであろ
う。従って、当該処理を理解するために有用であるが、
図18bにおいて図示された方向は、本実施例において
は実際に生成されないであろう。すべてのバイゴンは、
トラップされた正の領域を囲むときに取り扱われる。従
って、それらは、反時計方向の方法でそれらの領域を囲
むものと考えられる。しかしながら、簡単に説明すべき
和集合の結合動作を含む後の処理のステージにおいて、
複数の層上にある他のベクトルが、バイゴンの1つが1
つの固体部領域内にあり、もう1つのバイゴンが中空部
の領域内にあるということを固有に示しているという事
実のために、これら2つの状態が異なるように取り扱わ
れる。
【0098】図18aの複数のベクトルが当該物体の一
部分として図示されている一方、図18bの複数のベク
トルは単に、ある特定の領域の2倍の露光を表わすので
それらが図示されていない。
【0099】(補集合演算の後の)後述されるべき差分
演算と論理積演算においては、これらのバイゴンは、そ
れらの2方向値に対して割り当てられた反対の符号を有
することによって互いに区別されるであろう。このこと
は重要である。なぜならば、それがもしそうでないなら
ば消失するかもしれない崩壊の形状の特徴を保持するた
めの能力を提供するからである。
【0100】前述の無限線は、x軸に対して平行に存在
する複数のセグメントの方向を決定するときに用いるた
めの複数のラインに置かれた虚数の曲げ成分を有する、
x軸に対して平行に存在する直線である。しかしなが
ら、複数のラインの物理的に重要な形状の特徴は、それ
らが既知の定量的な量のあるポイントで開始すること
と、並びにそれらが連続的であるということを理解すべ
きである。そのように、当該セグメントリストにおける
複数のベクトルの各々の方向は、複数のベクトルの各々
と交差する1つの曲がった無限線によって決定すること
が可能であり、ここで、当該無限線は既知の定量的な量
のある位置から開始し、また、複数のベクトルの方向は
0と1との間の定量的な量の上方向又は下方向への遷移
によって決定される。さらに加えて、複数のベクトル
が、遷移が中空部から固体部に向かうときの無限線の
(接触点における)右側に向く方向と、固体部から中空
部に向かうときの左側に向く方向とを示す1つの方向が
与えられるように、各ベクトルの方向はラベル付けされ
るべきである。
【0101】重なったセグメント76a、76b、76
cの場合が図19a及び図19bに示されている。上記
ベクトルを横切る無限線が符号77にて指定されてい
る。図19aは、上記無限線が中空部(hollow)から3
つのセグメント配置へ進入した箇所の状態を示し、図1
9bは、上記無限直線が固体部(solid)から3つのセ
グメント配置へ進入した箇所の状態を示している。
【0102】上記配置を形成する上記セグメントは説明
的な目的のみのために分離して示しており、QV値のそ
れぞれの変化が示されている。図19aにおいて、方位
値はすべて個々の方位の合計に一致して1であり、一
方、図19bにおける方位値は−1である。
【0103】しかしながら両者の場合において、上記配
置は崩壊された中空部と崩壊された固体部の両方を備え
ている。それゆえ両方の場合の双方位置は3であると思
われる。
【0104】このことは、第1の実施例においてセグメ
ントに方位を割り当てるのに一般に使用される個々のア
プローチの論議を終了させる。図14において、ステッ
プ58において、投射セグメントは最小yにて区分さ
れ、ステップ59においてセグメントリストにてセグメ
ントに併合される。投射リストにおけるセグメントは既
にそれらに割り当てられた方位を有しており、セグメン
トリストにて各セグメントについて方位を引き出す必要
はない。投射リストにおけるベクトルのための方位は、
先に参照され編入されたPCT出願WO89/1025
6内に記述される、近平坦輪郭ベクトルに関する方位を
決定するために使用される方法にて決定される。上述し
た2つのリストのセグメントを消すことは、両セットの
セグメントにより取り囲まれた領域の和集合の作成を容
易にする。ここで上記和集合とは先に論述したように、
結果として層輪郭の構造をなす。
【0105】ステップ60において、上記和演算がなさ
れる。上記和演算を行うため、一連の無限線が消滅(me
rged)リストにおけるセグメントを通過するであろう。
そしてQV値は各交点(ここでは、ステップ57とは異
なり、QV値はセグメント方位から引き出される)にて
計算され、QV値が1以下から1もしくはそれを越える
遷移、又は約1もしくは正確に1から1以上に遷移する
ところのセグメントは保持される。他のすべてのセグメ
ントは捨てられる。以下の説明にて示される捨てられた
セグメントは、セグメントリスト及び投射リストにおけ
るセグメントにより取り囲まれる領域の和集合を構成す
る。
【0106】この演算は、セグメントリストにおけるセ
グメントから形成されると仮定する一のループと、投射
リストにおけるセグメントから形成されると仮定する他
のループの2つのループから形成されるセグメントを示
す図20aに示されている。一般的に、セグメントリス
ト内のセグメントと投射リスト内のセグメント間では少
なくとも幾つかの重なり(ベクトルの一致する)があ
る。
【0107】複数の無限線78aないし78fは、セグ
メントを交差することを示しており、その交点が決定さ
れ位置付けされた後、QV値が決定される。このQV値
は図に示されている。上述した保持規則を使用し、保持
されるベクトルはAないしIのように符号付けされる。
これらのセグメントは、図20bにおいて点線で示され
るJないしMの除外されたセグメントとともに、図20
bにはっきりと再度記載されている。ベクトルを保持又
は取り除くための決定は量的容量を含むベクトルを横切
る遷移が最低0と1を含む間で変化するか否かに基づか
れることを思い出してほしい。
【0108】保持されるセグメントに関し、1を越える
方位値が1に変化し、−1未満の方位値が−1に変化す
る。この過程により、重なり合うセグメントは有効に捨
てられる。さらに、これらのセグメントの双方位置は1
にリセットされる。しかしながら、幾つかのセグメント
配置は保持されたままである点に留意してほしい。これ
らは崩壊した固体部を表すバイゴンを含んでいる。崩壊
した穴を表すバイゴンは捨てられる。そして、保持され
るセグメントは多角形を形成するように再接続される。
【0109】捨てられる崩壊された穴は、固体部の形状
が物体を正確に表すために中空部の形状よりも重要であ
ると考えている本実施例の方針を反映している。この方
針を履行するため、バイゴンが遭遇したとき、和演算に
おいて、新たな変数、QV’が定義される。QV’を決
定するため、方位変数よりもむしろ双方位変数値がバイ
ゴンより前の上記QV値に加えられ、結果値が分析され
る。もしQVからQV’までの遷移が1未満から1もし
くは1を越えるまでならば、上記バイゴンは保持され、
そうでなければ、バイゴンは排除される。それが0であ
り、QVにおいて遷移を引き起こすことはないので、方
位変数が使用されることはない。
【0110】図21a及び図21bによれば、和演算に
おけるバイゴンの取り扱いはより詳しく記述される。こ
れらの図は無限線79にて交差されるバイゴンを示して
いる。方位変数は0であるのでバイゴンの片側では、示
されるようにQV値は変化しないであろうが、しかし加
えられた双方位変数を有するQV値であるQV’値は、
図21aにおいてバイゴンに記入するように(0から)
2までQV値に比較して変化される。結果として領域は
保持される。図21bに示される状態は、図18bに示
されるものに似ている。本図の双方位は+2である。そ
れゆえ、セグメントを横切る上記QV’は1から3に進
む。それがレンジ0を通過し1へ進むことはないので、
それゆえこのバイゴンは取り除かれるであろう。結果と
して、和演算において、独立構造を形成するバイゴンは
維持され、一方二重構造を形成するバイゴンは取り除か
れることがわかる。
【0111】このことは図14に示されるステップを終
了する。
【0112】図13のステップ38における線幅補償
(LWC)は以下の演算である。最初に、各層の層輪郭
が多角形を限定することが分かり、LWCの最初のステ
ップは、相乗的刺激のビームに露出され形成される、材
料の硬化幅が多角形内に完全に取り囲まれるように、各
多角形の頂点を移動することである。各頂点に関し、頂
点二等分線として知られる線分が頂点から移動方向への
線分を限定するために形成される。各二等分線は各頂点
にて形成される角度を二等分するように位置する。この
ステップは、頂点81a、81b、81c、81dを有
する多角形80を示している図22aに示される。各頂
点の二等分線は各頂点から発する点線によって示され
る。頂点の二等分線は、へりに沿った硬化幅がへり内に
完全に取り囲まれるまで各頂点が移動する線分を形成す
る。相乗的刺激のビームに材料を露出することによる材
料の硬化幅は符号84にて示される。以下の説明では、
このことはビームトレースとして参照する。
【0113】頂点81cのフォーカシングにおいて、頂
点は二等分線に沿って、上記ビームトレースが多角形8
0の輪郭内に完全に適合する点として限定される頂点8
1c’へ移動するであろう。
【0114】上記ビームトレースは図示するように一般
的に円形形状である。この例では、図内で符号82が付
された頂点の移動は、移動される頂点から多角形の側方
までの距離であり、図内で符号83a、83bにて示さ
れ一般的に上記多角形の側方に垂直に延在する線に沿っ
た線における最短距離が上記ビームトレースの半径に等
しくなるまで続けられるであろう。この状態は、図示す
るように一般的に頂点が二等分線に沿って半径よりも大
きく移動した後のみに発生する。
【0115】各頂点が整然と調整される。
【0116】上述したように頂点の調整の後、LWCア
ルゴリズムは、頂点が遠くに移動する場合における一連
の調整を次の演算として行う。この状況の一例が図22
bに示され、ここで、上述したアプローチはとがった頂
点にて二等分線に沿った許容できない移動を起こす。こ
の移動の範囲は、最終物体において許容できないゆがみ
の原因となるので、許容できない。例えば、図22bに
おける斜線範囲は、層輪郭86にて囲まれているけれど
も露出されないので、最終物体におけるゆがみを表して
いる。図示するように、このゆがみは実在するものであ
る。
【0117】それゆえに、そのような特別の場合におい
て結果として現れる上記ゆがみを減じるために、LWC
アルゴリズムはいずれの頂点における移動距離をビーム
トレースの半径√2倍の値までに制限している。:ルー
ト2×r図22cにおいて、例えば、ここで図22bと
比較して同様の構成部分には同様の符号を付しており、
頂点における移動は88a’に制限され、図22bに示
すように88aに進むことは許されない。ビームトレー
スが88a’に制限されるとき、移動距離85’は上述
したように特定される値に等しい。結果として生じるビ
ームトレースは、図22bに示すように、87aの代わ
りに87a’となる。
【0118】このアプローチは、図22cにて網目状に
て示すように、結果的にまだいくらかのゆがみを生じ、
実際にいくらかのゆがみをもたらすことに留意する。し
かしながら、移動制限の意図された結果は、それが明ら
かなことから結果として生じるゆがみを減じ、そして移
動を制限することは、たとえゆがみが完全に制限されな
くとも、広範囲の状況においてこの結果を達成すること
がわかる。
【0119】LWCアルゴリズムは、過度の移動を防ぐ
ように他の調整を実行する。この調整を行うため、LW
Cアルゴリズムは、まず、原点から移動された頂点まで
を示すベクトルとして定義される変位ベクトルを生成す
る。LWCアルゴリズムは、次に、二等分線に沿った変
位ベクトルの長さを2倍にし、もしこの2倍にされた変
位ベクトルが多角形のセグメントを横切る場合、移動さ
れた頂点は、上記2倍された変位ベクトルが関与したセ
グメントにちょうど達するまで原頂点の方向へ戻るよう
に調整される。
【0120】この過程は、頂点81b及びセグメント9
2とともに多角形80が示される、図22d及び図22
eに示されている。図22dに示すように、頂点が90
まで移動した後、変位ベクトル89は、疑似(phanto
m)線にて示される2倍された変位ベクトル91を得る
ために2倍される。図示するように2倍された変位ベク
トルはセグメント92を横切り、図22eに示すよう
に、(疑似線にて示す)ベクトル91’を得るために2
倍されたとき、結果として生じる変位ベクトル89’が
交差せず、しかし実際にはベクトル92に到達するよう
に、頂点は元の位置方向である90’へ戻るように移動
される。
【0121】LWCアルゴリズムによって行われる3番
目の調整は、頂点81a及び81bに関して変位ベクト
ル94a、94bを示す図22fに示すように、2つの
変位ベクトルがそれぞれ交差点93にて交差するときに
開始される。この場合、移動された頂点は、結果として
生じる変位ベクトルが互いに交差しないように交差点9
3へ戻る。
【0122】変位ベクトルが補償されたセグメント(補
償されたセグメントは移動された頂点を結果として接続
することから生じるセグメントである。)を横切ると
き、4番目の調整が開始される。この状況は、多角形9
5と補償されたセグメント97’を示す図22gに示さ
れる。セグメント97’は、変位ベクトル96a及び9
6bに沿って頂点を移動し、そして移動された点を接続
することで得られる。又、示されるものは変位ベクトル
96cである。この変位ベクトルは、対抗するセグメン
ト97’の頂点の移動を結果として生じ、そして補償さ
れたセグメント97’を横切る。この場合、LWCアル
ゴリズムは、重なりが除去されるまで、原セグメントと
平行を維持しながら、補償されたセグメントを元のセグ
メントの方へ戻す移動を行う(頂点ではなく上述した調
整毎として)。図22gにおいて、原セグメントは97
にて示され、符号97’’にて示される移動され補償さ
れたセグメントは疑似内に示される。示されるように、
移動され補償されたセグメントは原セグメント97と平
行である。あるいはまた、補償されたセグメント97’
は、同時に変位ベクトル96cを短くする間、補償され
ていないセグメントの位置方向へ戻すことができ、した
がって最終のセグメントが非補償領域の中央近くに合
い、それにより最終的に補償されたセグメントの最も好
ましい位置へより接近することになる。
【0123】すべての頂点が移動した後、それらは補償
されたセグメントを形成するように接続される。このこ
とで線幅補償工程が完了する。
【0124】図13に戻り、ステップ39において、一
連のブール式論理積が重なり合わない領域U[i]’、
D[i]、L[i]’’’を形成するように次の演算を
行う。演算に必要な特別のブール式演算が図3のステッ
プ17ないし21に示されている。それらのステップの
各々は、別の領域から一つの領域のブール式引き算、あ
るいは別の一組の領域から一組の領域のブール式引き算
を備えており、このブール式引き算は、先に示したよう
に、一方の領域と他方の補足するものとの間のブール式
論理積を行うことに等しい。このセクションは論理積演
算実行の第1の具体例を説明する。以下の説明では、異
なる2つの多角形はAとBとで示すようにする。
【0125】この実行における第1のステップは、Bの
補足を行うことである。このことは、先に述べたよう
に、B多角形をそれの構成セグメントにばらばらにする
こと、セグメントの最小Z成分によりセグメントを並べ
ること、そして各セグメントの方位値と双方位値とを反
転する、例えば無効にすることにより簡単に達成でき
る。崩壊された固体部を示すバイゴンに関し、このステ
ップはそれら固体部を崩壊された中空部を示すバイゴン
に変える効果を有する。
【0126】この実行における第2のステップは、Aと
Bの補足との間の論理積を取ることである。このことを
達成するために、Bに関して既に述べたように、多角形
Aはその構成セグメントに分割され、最小Z成分により
再整理される。そして、AとBの補足との両方に関する
セグメントのリストが消滅される。上記組を消滅すると
き、論理積ベクトルの交差点が決定され上記論理積ベク
トルがそれらの点にて同様のベクトルに分割される。さ
らにステップは消滅セグメントにて起こり、それにより
重なっているセグメントはバイゴンのようにセグメント
配置を形成するために使用され、このことは先に述べら
れている。もし第1のセグメントが第2のより長いセグ
メントに重なる場合には、特別のケースが起こる。この
場合、第2のセグメントは第1セグメントに同じ長さの
第3のセグメントとリマイダ(remainder)である第4
のセグメントに分割される。第1のセグメントと第3の
セグメントはバイゴンに統合される。
【0127】上述したステップが実行された後、消滅セ
グメントが一定間隔をあけた複数の無限線にて交差さ
れ、セグメントの方位が、上記無限線の種々の部分に関
連づけられたQV値を引き出すために使用される。セグ
メントが、2未満から2を通過してあるいは2まで、又
はその逆(1の範囲を通り2まで)QV値における変化
を引き起こす場合のみ、セグメントが保持される。他の
すべてのセグメントが捨てられる。その結果は、2つの
多角形あるいは複数の多角形の複数の組の間のブール微
分である。
【0128】上述した、ステップを区別することは、図
23aないし23cに示されている。図23aは、交差
する2つの多角形を示し、符号100が多角形Aを示
し、符号101が多角形Bの補足を示している。これら
の多角形は図示の便宜上分離して示している。図示する
ように、参照符号100a、100b、100c及び1
00dにて示され多角形Aをなすセグメントは、反時計
回り方向に方向付けられ、一方、参照番号101a、1
01b、101c及び101dにて示され多角形Bの補
足をなすセグメントは、演算を補償するために多角形A
から反対向きにされた時計回り方向に方向付けられる。
【0129】図23bは、重ねたセグメントがバイゴン
を形成するために分離された後、それらのセグメントが
それらの最小Z成分により配列された後、数では十分な
複数の無限線にて交差され、よって各セグメントが少な
くとも一度交差する、同一のセグメントを示している。
例えば、セグメント100cは、セグメント100c’
と100fに分離され、セグメント100fと101c
はバイゴンを形成するために消滅する。加えて、セグメ
ント100dはセグメント100d’と100eに分離
され、セグメント100eと101dはバイゴンを形成
するために消滅する。無限線の異なる部分を組合わした
QV値は、無限線の該当する部分に隣接することを直接
示している。各無限線は無限大にて生じると仮定する
が、上述した和演算ではない場合、無限線は0である初
期QV値を与えられるが(無限線が中空部領域において
始まるという仮定による)、ここでは各無限線は1であ
るQV値が与えられる。これは、ここではそれらのセグ
メントが固体部領域にて始まると仮定し、Bの補足を取
ることによるからである。
【0130】まず無限線102aについて考えると、こ
の線に関連するQV値は、セグメント100bを通過す
る線として1から2まで変化し、セグメント100aが
交差されるように2から1まで変化する。それゆえにこ
れら2つのセグメントは保持される。
【0131】次に、無限線102bを考えると、この線
に関連するQV値は、セグメント100bを横切る線と
して1から2まで変化し、セグメント101bが交差さ
れるように2から1に戻るまで変化し、セグメント10
0d’が交差されるように2から1に戻るまで変化す
る。それゆえにセグメント100b、101b、101
a、及び100d’はこの無限線により保持されるであ
ろう。次に無限線102cについて、この線に関するQ
V値は、セグメント101bが交差するように2から1
へ戻るまで変化し、セグメント101d及び100eが
交差するように変化しない。(注:これらのセグメント
は互いに正確な重なり合い、説明的な目的のためにのみ
図示では互いに段がある(offset)ように示される。そ
れゆえに、互いに重なりあっており、バイゴンとして正
確に形成されるこれらのセグメントは順次論述してい
き、QV値は変化しない。)それゆえに、この無限線に
より、セグメント101d及び100eは捨てられるで
あろう。
【0132】バイゴンを横切る変化は、上述したものよ
りも実際にはより複雑であり、先に説明したように、バ
イゴンの双方位値を考慮するであろう。ここで、バイゴ
ンの双方位は0である。これが101dに関する双方位
値は1であり、一方、100eに関しては双方位値は−
1である理由である。これら2つの値の合計はバイゴン
の双方位値を決定する。それゆえに、バイゴン双方位値
に加えられたバイゴンを除いた後のQV’値(前のバイ
ゴンのQV値に等しい)は1である。値は2を通過し、
あるいは2まで変化しないので、バイゴンは保持されな
い。
【0133】次に無限線102dを考えると、この線の
QV値は、セグメント100c’を通過するように2へ
の変化を起こさせ、セグメント101bを通過するよう
に1へ戻る変化を起こさせ、セグメント101dと10
0eを通過するように変化しない。さらに、このバイゴ
ンに関するQV’値は1のままである。それゆえに、こ
の無限線により、セグメント100c’は保持され、一
方他の交差したセグメントに関する決定は現在の結果に
反しないように前のようになされ、保持される(例え
ば、101bは残り101d及び100eは取り除かれ
る)。
【0134】次に、無限線102eを考えると、この線
に関するQV値はセグメント100fと191cを通過
するように変化せず、又、セグメント100eと101
dを通過するように変化しない。加えて、これら両方の
バイゴンに関する双方位値は0である。それゆえに、こ
れらのバイゴンに関するQV’値は1である。それゆえ
に、この無限線によりセグメント100f及び101c
は捨てられる。
【0135】最後の結果が図23cに示されている。図
23aとの比較として、実際このバイゴンは多角形Aと
Bとの間のブール微分を示している。
【0136】論理積演算の後、もしいくらかのバイゴン
が残っていたならば、それらは個々のセグメントに戻る
まで変化することに注意を要する。各セグメントに関す
る方位値そしてバイゴンの部分は保持されるが、1の双
方位値は各セグメントに割り当てられる。
【0137】図13に戻り、次に論述される実行ステッ
プは表面収縮ステップ40である。表面収縮は図3bに
てベクトル生成ステップ24の間行われる。基本的に、
一般的事項において、表面収縮の真の結果は、それらの
ベクトルを発生するために使用される輪郭をベクトルが
交差あるいは積み重ねる所における表面ベクトルのわず
かな収縮である。表皮収縮を行う利点は、ある領域の過
露光を減じ、又、非常に小さいので表皮ベクトルから利
益を得ることができない領域を補充させず、結果として
効果の少ない演算を蓄え及び/又は処理する超過表皮ベ
クトルの発生を防ぐ。これらのすべては前に述べてい
る。
【0138】表皮収縮は、原輪郭をまだ保持している間
に疑似の輪郭を生成するために内側にすべての輪郭(上
に面するあるいは下に面する)を調整することにより行
われる。表皮ベクトル及び/又は多分ハッチベクトル
は、順次説明する表皮生成アルゴリズムを使用し疑似輪
郭から発生される。疑似輪郭ではないそれらは輪郭ベク
トルを生成するために使用されるので、原輪郭は保持さ
れる。表皮収縮あるいはよりふさわしいハッチ収縮は、
層輪郭L’’内で、あるいは層輪郭L’’’の分離組
上、及び収縮されたハッチを発生する目的のための輪郭
U’の上方にて行うことができる。
【0139】疑似輪郭は図3aにおけるステップ16、
22及び23にて原輪郭から発生する。
【0140】疑似輪郭に到達するために原輪郭になされ
る調整は、線幅補償よりも精巧ではない。
【0141】基本的に、実行される唯一のステップは、
UBO値あるいはLBO値による各輪郭ベクトルを、ベ
クトルを切り取るサブステップに沿って各輪郭ベクトル
を原輪郭ベクトルに平行にした状態を維持しながら固体
部範囲方向へ変位することである。一度疑似輪郭が生成
されたならば、それらは疑似セグメントへ変換される。
交差するあるいは重なるセグメントがアルゴリズムによ
り正確に処理されるのでセグメントを分離する必要はな
い。
【0142】一度疑似セグメントが生成されたならば、
次のステップは原輪郭セグメントとともにそれらを没入
するものであり、そして没入されたセグメントを最小Y
寸法により区分する。次に、もし必要であれば、間隔の
あいた、平行の、水平の複数の無限線とともにこれらの
セグメントを交差する準備においてそれらのセグメント
が回転される。次に、量的容量分析が表皮ベクトルを発
生するため各表皮線に関して連続的に実行される。前の
ように、各無限線は無限大にて始まると仮定し、無限大
にて0の量的容量値を有する。次に、順番に各無限線を
考えると、各無限線に関する量的容量値は各セグメント
が交差する各セグメントの方位値によりインクリメント
される。変化が2未満から2まであるいは2を通過して
なされるとき、交差点における表皮ベクトルの発生が始
まり、変化が2もしくは2を越えるところから2未満ま
でなされるとき、前に始まった表皮ベクトルの発生が停
止する。この演算は、輪郭が正確に十分に決定されなか
ったことを除き、前に述べた論理積演算に大変似てい
る。
【0143】表皮ベクトルの発生は、図24aないし2
4cに示される。図24aは、層あるいは上に、下に面
した輪郭のいずれかであり、無限線104a、104
b、104c、104dが上に載せられた輪郭103及
び疑似輪郭103’を示している。
【0144】現在、ハッチベクトル及び補充ベクトルを
発生する好ましいアルゴリズムは、X軸に平行にベクト
ルを発生することによりそのようにのみ演算を行う。そ
れゆえに、もしハッチベクトルもしくは表皮ベクトルが
X軸の方向よりも他の方向に平行に発生したならば、考
えられる範囲の輪郭は適切な角度により回転され、適切
なハッチもしくは補充ベクトルが発生され、輪郭とハッ
チベクトルもしくは補充ベクトルとの両方が元へ回転さ
れる。この結果は、図24bに示される。回転された原
輪郭は、符号103’’で示され、回転された疑似輪郭
は符号103’’’にて示される。
【0145】そして、量的容量分析は各無限線に沿って
行われる。一本の線と一つのセグメントの間の各交差に
て、セグメントに関する量的容量数がそのセグメントに
関する方位値によってインクリメントされる。例として
無限線104bを採ると、交差点105にて、セグメン
トに関する量的容量数はセグメント103a’’に関す
る方位値(それは1である)により、1の量的容量に到
達するまでインクリメントされる。次に、交差点10
5’にて、QV値は2まで変化される。それゆえに、点
105’にて、ハッチベクトル107の発生が始まる。
次に、点106にて、セグメント103b’’’に関す
る方位数(それは−1である)は、1の量的容量に到達
するまで量的容量数に加えられる。(QV値は、それら
が適用される無限線の相当する点に示される。)量的容
量値は、2あるいは2を越える値から2未満まで変化す
るので、表皮ベクトル107の発生は点106にて終わ
る。次に、点106’にて、QV値は0まで変化し、こ
のことは表皮ベクトル発生プロセスにて効果が無い。こ
のことは表皮ベクトル107の構成を完結する。この分
析は、セグメントを横切る各無限線に関して連続的に行
われる。
【0146】ハッチ収縮ではない表皮収縮のみがこの実
施例にて行われることに注意すべきである。しかしなが
ら、ハッチ収縮は、表皮ベクトル収縮に関して上述した
ような同様の手法にて同様に行われ、本発明の範囲内に
含まれると思われる。
【0147】図13に戻り、ステップ40にて、輪郭及
びハッチベクトルを含み、ベクトルタイプの残りが発生
する。輪郭ベクトルは輪郭セグメントから容易に決定さ
れ、ハッチベクトルは、ハッチベクトルの間をあけるこ
とが表皮ベクトルに関して間をあけることよりも一般的
に広いことを除き、表皮ベクトルの発生に関して上述し
たのと同様の方法にて輪郭ベクトルから決定される。
【0148】表皮収縮は、上あるいは下に面した輪郭
(線幅補償とL輪郭の部分に関して既に調整されたも
の)の頂点を内側へ移動し、疑似輪郭を生成するため
に、移動された頂点を接続し、そして原輪郭及び疑似輪
郭の没入された組からの表皮ベクトルを発生することに
より達成される。
【0149】それは、移動された頂点から描かれる疑似
輪郭が原輪郭から適当な量(硬化幅の約1/2)内側に
移動されるまで頂点の二等分線(LWCとともに)に沿
って頂点を移動することにより達成される。もし反対側
からの疑似輪郭が接触、あるいは互いに交差したなら
ば、2までのあるいは約2までの変化がないので、それ
らの範囲において表皮ベクトルの発生が自動的に抑制さ
れるであろう。2つの図示して例が図25aないし28
cに示されている。
【0150】図25aは、横断面116を形成するため
にスライスした2つの層121a及び121bにより組
み上げられる4つの側面を有する中空部の角すい120
(この側面図においては一つの側面のみが見えるもので
ある)を示している。
【0151】この横断面に関する層輪郭は、符号117
a及び117bにて示される。図25bはそれらの層輪
郭の平面図を示している。
【0152】輪郭117a及び117bに関する疑似輪
郭は疑似線にて示されて(点線にて)、符号117a’
及び117b’にて示される。図示するように、疑似線
は交差する。それゆえに表皮ベクトルは発生しない。移
動は、組合わされた本当の及び疑似の輪郭を交差する無
限線に沿ってなされ、QV値における変化は一側面にお
いて0から1、0、1、0までであり、反対側の側面で
は0から1、0、1、0である。
【0153】このことは図の下部にて一連の0と1にて
示している。1から2までの範囲を通過して変化が起こ
らないので、表皮ベクトルあるいはハッチベクトルが発
生しない。
【0154】他の例が図25cに示され、ここでは輪郭
118に関する疑似輪郭が符号119にて示される。疑
似輪郭119は疑似輪郭119aと119bを備えてい
る。示されるように、輪郭118の頂上部分118aに
関する疑似輪郭は疑似輪郭119aへつぶれ、それによ
り捨てられ、一方、輪郭118の下部部分118bに関
する疑似輪郭119bはつぶれず、それゆえに保持され
る。結果として、表皮ベクトルは疑似119bにより取
り囲まれた範囲に関して唯一発生するであろう。
【0155】次に、疑似輪郭の生成において、いくつか
の加えられたステップがさらに解析を増し、考えられる
問題を避けるように実行される。最初に、すみの角度は
中空部を通過して横切るように、180度未満であると
ころのすみにおける疑似輪郭は、さらに分析を増し、そ
れらのすみの想像上の固体部分において考えられるドレ
ナージ(drainage)を妨げるために十分な表皮を作成し
ないという問題を避けるように削り取られあるいは丸み
がつけられる。
【0156】削り取る例が図26aないし図26dに示
されている。図26aは、削り取る方法の利用無しに作
成される種々の本当の輪郭及び疑似輪郭に沿った物体の
横断面を示している。外側輪郭121と内側輪郭122
との間の範囲123は層の上に面する範囲であり、内側
輪郭122によって囲まれた範囲124は続いている範
囲である。範囲123は上に面した範囲であるので、表
皮補充ベクトルは発生する。しかしながら、表皮ベクト
ルは範囲123のサブエリアである変形(reduced)範
囲127内に形成される。このサブエリアは、前に述べ
たように表皮収縮(skin retraction)のために、外側
疑似輪郭125と内側疑似輪郭126(疑似線にて描か
れる)間に位置する。疑似輪郭125、126は、もし
削り取る方法が使用されないとき、表皮配置を決定する
ために使用される輪郭である。本当の輪郭121から疑
似輪郭125、そして本当の輪郭122から疑似輪郭1
26を作成するために使用される取り消しの合計は、輪
郭122、121が硬化される深さに等しい深さまで硬
化したベクトルが組み合わされた硬化幅よりも典型的に
幾分少ない。
【0157】図26bは、本当の横断面輪郭122、1
21を含んでいる図26aと同じ横断面を示している。
取り囲み輪郭122は外囲線128である。外囲線12
8は、輪郭122が寸法131の硬化幅を生じる相乗的
スティミュレイションのビームにてトレースされたとき
硬化の水平方向の広がりを示す。輪郭122が硬化され
たとき硬化の内側の広がりを示す外囲は、範囲の大きさ
及びビームを組み合わせた硬化幅のため122内の完全
な範囲が硬化されるので、示されていない。頂点132
a、132b、及び132c付近の硬化の広がりは、硬
化された材料のとがった頂点を形成しないが、しかしそ
の代わりに硬化幅のそれに類似した輻射物の硬化された
材料の硬化された領域を生成する。輪郭122が露出さ
れたとき硬化された範囲は、符号133にて示され、小
さい点にて陰をつけている。同様の手法にて、輪郭12
1が露出されたとき、内側の囲み134と外側の囲み1
35との間の範囲136(小さいダッシュにより示され
る)は硬化される。同一直線上にない2つの輪郭ベクト
ルが合う所の頂点137を考えると、上記ベクトル間の
角度が180度よりも大きい所の頂点におけるベクトル
の側方では、硬化された材料の広がりは滑らかに曲がっ
た表皮を形成し、それに反し上記角度が180度よりも
小さい所の頂点におけるベクトルの側方ではとがった頂
点が形成される。
【0158】図26cは、図26a及び図26bと同様
の横断面を示している。本当の輪郭121及び122が
疑似輪郭125、126と同様に示される。一般的に、
表皮補充が輪郭まで露出されるとき、表皮補充と組合わ
される硬化された材料は輪郭線を多少越えて広がる。削
り取り方法が使用されないとき、表皮補充は疑似輪郭1
25と126との間に露出される。外囲138、139
は、疑似輪郭125、126まで表皮補充ベクトルを硬
化することと組合わされる硬化の範囲をそれぞれ示して
いる。それゆえに、表皮補充に組合わされるものは、外
囲139と138の間に広がる硬化された材料140で
ある。これはこの図では小さい点を使用し示される。
【0159】図26dは再び同じ横断面を示すが、しか
し今回は、図26b及び図26cに付加され組合わされ
て示される硬化された範囲とともに示されている。特別
に上に置かれたものは、完全に硬化された領域内に領域
141a、141b及び141cであり、これらは硬化
されることを受け入れないことを示している。この図に
ついて考えると、上述した3つの図と同様に、同一直線
上にない2つのベクトルが合ったとき、接合点に組合わ
される硬化された材料の内側端及び外側端が存在するこ
とが示され、上記外側端は角度が180度よりも大きい
所のベクトルの側方であり、上記内側端は角度が180
度よりも小さい所のベクトルの側方である。ベクトルに
沿って材料を硬化するとき、内側端は常にとがった先端
を形成し、外側端は常に一つのベクトルから他のベクト
ルへの変化の曲げられた領域を形成する。この曲げられ
た変化領域は、常にその角度の二等分線に沿って非常に
少しだけ広がり、この広がりの欠如は、内側角度が小さ
くなるに応じてよりきびしくなる。それゆえに、内側及
び外側の側方を含む原輪郭の部分に組合わされる材料を
硬化するとき、そのとき原輪郭のその部分は輪郭の外側
端の方向に段が形成され、それによって、硬化される領
域の内側側方のように作用する第2(疑似)の輪郭が形
成され、これは結果として上記部分の露出されない領域
となる硬化の広がりの差異を生じる。
【0160】そのような硬化されない領域は不必要なも
のであるので、硬化されない領域の問題を、それらの領
域における過露光をできるだけ少ないコストにて適宜除
去する“削り取り”の手法が開発されている。この削り
取りの方法は、結果として原輪郭を露出することになる
硬化によりぴったりと類似する類似輪郭の生成を含んで
いる。この類似への修正は、生成された疑似輪郭が原輪
郭から(2つのベクトルの)接合の外側端方向へ段をつ
けられるときのみ行われる。この好ましい具体例におい
てこのようにして削り取りが実行される。上記接合がそ
の外側端の方向へ段をつけられるとき、それは180度
よりも大きい角度を有する接合の側方へ接合が段をつけ
られるとき、削り取りが実行される。
【0161】すべてのベクトルを段つけ(offset)する
のに概念上より便利であり、又、生成されるであろう反
転範囲を取り去ることにより引き続き起こるすべての接
合において削り取りが発生するためにも便利である。あ
るいは又、すべてのベクトルを段つけし、交差点を再計
算し、そして段つけの後、互いにもはや交差しない連続
的なベクトルのために交差点が存在しないとき、削り取
られたベクトルを形成するのにより便利である。
【0162】図26aないし図26dの例に適用される
ように削り取りを実行する方法は、図27a及び図27
dあるいは又図27c及び図27dに示されている。
【0163】図27aは、図26aないし図26dと同
様に同じ横断面を示している。輪郭121、122は頂
点105aないし150gとともに示され、そして頂点
オフセットベクトル151aないし151gを組み合わ
せる。それらのオフセットベクトルはその頂点が図26
aの疑似輪郭125、126を形成するように段がつけ
られる方向を示している。頂点150aないし150d
はそれぞれの接合の内側端の方向(180度未満の角度
により形成される側面方向)へ、一方、頂点150eな
いし150gはそれぞれの接合の外側端の方向(180
度を越える角度により形成される側面方向)へ段がつけ
られることがわかる。この実行において、内側端の方向
へ段がつけられるそれらのベクトルは、硬化幅補償に関
して述べたアナログ的な方法にて段がつけられる。換言
すると、頂点はそれぞれのオフセットベクトルの先端に
移動される。しかしながら、外側端方向へ段がつけられ
るベクトルは、単一の変位ベクトルに沿ってシフトされ
ない。この実施例の代わりに、変位ベクトル151eな
いし151gを二等分するそれぞれの角度は、組み合わ
されそして接合を形成する各セグメントに垂直である2
つの変位ベクトルにより取って代わられる。それらの2
つの新たなオフセットベクトルは、原オフセットベクト
ルのように接合の同じ側方まで段をつけることを示すこ
とを維持する。それらの新たなオフセットベクトルは図
27bに示され、ここで原オフセットベクトル151e
オフセットベクトル152aと152bによって置き換
えられ、原オフセットベクトル151fはオフセットベ
クトル152c、152dにて置き換えられ、原オフセ
ットベクトル151gはオフセットベクトル152e、
152fにて置き換えられる。そのようなオフセットベ
クトルは、各接合ベクトルの個々に垂直な線に沿って一
つの頂点を2つの頂点に分離することにより形成され
る。接合(輪郭)ベクトルの両終端がこの方法にて段が
つけられるとき、この段をつけることはベクトルの長さ
において結果として変化を生じないことが図からわか
る。原輪郭ベクトル159、160及び161は、それ
ぞれ疑似ベクトル155、153及び157になる。し
かしながら、この方法において頂点が段つけされたと
き、原接合ベクトルはもはや隣接しない。代わりに、一
つの頂点の2つの頂点への分離は、結果として、2つの
ベクトルを互いに接続する中間セグメントを生成するこ
とになる。そのような中間疑似セグメントは、原頂点1
50f、150g、150eに関してベクトル154、
156、及び158として図27bに示される。それら
の中間ベクトルは、もし頂点が上述した方法にて段がつ
けられることが許されるならば接合の内側に組み入れら
れるであろう範囲部分を削り取ることから、削り取りベ
クトルと呼ばれる。図26a、26b、27aを比較す
ることにより、疑似ベクトル(あるいはセグメント)1
53ないし158を備える疑似輪郭が、上述したアプロ
ーチにより得られる疑似輪郭126によるよりも、輪郭
122をさらしたときに硬化された領域の外側の広がり
部128へより近接して近づくことがわかる。このより
正確な接近は、表皮補充に組み合わされた硬化の広がり
を決定するために使用される疑似輪郭を形成する。それ
ゆえに、このより正確な接近は、前に述べた削り取りを
行わないアプローチにより典型的に形成される、図26
dに示す、好ましくない変形しない領域141a、14
1b、及び141cを取り除く。
【0164】図27c及び図27dは、表皮収縮の削り
取り方法を概念的に理解しそして実行するための別の方
法を示している。頂点を段つけする代わりに、すべての
ベクトルが自分自身に垂直の方向へ要求された量により
シフトすることができる。このことは、図27cに示さ
れ、ここでベクトル159、160、161、162、
163、164及び165は、段がつけられるとき、好
ましい方向へ好ましい量により段がつけられる疑似ベク
トル155、153、157、166、167、168
及び169を生成する原ベクトルである。すべてのベク
トルはそれらの原長さを保持することがわかる。図にお
ける各輪郭及び疑似ベクトルは、又、それぞれの方位を
示す矢印を有している。次に、もはや頭部を端部に接合
しない連続ベクトルの各対は、該対の方位に一致する方
法にて方向づけされる付加的なベクトルの生成により架
橋されるギャップを有する。いくつかのそのような架橋
ベクトルは図27dに示される。ベクトル171はベク
トル166から167へ架橋し、ベクトル172はベク
トル167から168へ架橋し、ベクトル173はベク
トル168から169へ架橋し、ベクトル170はベク
トル169から166へ架橋し、ベクトル158はベク
トル157から153へ架橋し、ベクトル154はベク
トル153から155へ架橋し、ベクトル156はベク
トル155から157へ架橋する。次に、ベクトルが重
なる所の点にて、それらはより小さいベクトルに分離さ
れ、よって、独立した多角形が形成可能である。これら
の多角形は、表皮補充生成のための疑似輪郭として使用
するためそれらが保持されるか否かを見るために評価さ
れる。もし多角形が反転範囲を含むように決定されたな
らば、即ち、もしそれに組合わされた量的容量が負に決
定されたならば、可能な疑似輪郭としてのさらなる考慮
から取り除かれる。これとは逆に、もし多角形が正もし
くは0の真値の量的容量を含むことを決定されたなら
ば、疑似輪郭として保持される。
【0165】さらに付け加える方法は、(上述したよう
に)もはや互いに接触も交差もしない連続するベクトル
のそれらの対のため適宜方向つけされた架橋ベクトルの
生成によって伴われ、全部のベクトルをオフセットする
ためのいま述べたアプローチを使用することである。こ
のことは、互いに交差しない連続するベクトルのそれら
の対に関する交差点(新たなベクトルの頭部と終端部)
を決定することにより伴われ、それらが互いに交差する
所のベクトルを分離することにより伴われ(このことは
非連続的ベクトルに固有である)、堅実に方向つけされ
た多角形の決定により伴われる(多角形におけるすべて
のベクトルが一致した方位を有する)。それらの多角形
は、負の範囲を含む多角形の取り除きにより伴われる、
矛盾して方位つけされた多角形のさらに進んだ処理及び
取り除きを保持する(ここでは、多角形内の一つもしく
は複数のベクトルが不一致の方位つけを有する)。多角
形を保持することは、表皮補充の範囲を決定するのに使
用される疑似輪郭を形成するために使用される。
【0166】第1の実施例を実行するために使用される
コンピュータ ソフトウエアは、C言語により都合よく
記述され、NEC、Silicon Graphic
s、あるいはIBMコンパチブルコンピュータあるいは
そのようなものにて実行される。このコンピュータは、
SLICEコンピュータとして知られ、PCT出願WO
89/10256に記述された総合的なステレオリソグ
ラフィ装置における構成部分である。
【0167】SLICEコンピュータは、一般的に輪
郭、ハッチ、表皮ベクトルを発生する。しかしながら、
他の実施例は、“スライス オン ザ フライ”(“sl
ice onthe fly”)の実行を含むことも可能であり、そ
れによってSLICEコンピュータは輪郭ベクトルのみ
を発生し、ハッチ及び表皮ベクトル発生をPROCES
Sコンピュータへ分配する。さらに、PROCESSあ
るいはSLICEコンピュータは、平行処理が使用され
る一つのコンピュータを必要としないが、マルチプロセ
ッサ形態とすることが可能である。又、光コンピュータ
における具体例も可能である。現在、光コンピュータは
商業的に利用することはできないが、現在の研究によれ
ば光学的にブール演算を行うことが約束されている。1
983年の第10回、国際光コンピュータ会議の会報に
は、J.タニダ、Y.イチオカによる、“光理論アレイ
プロセッサ”のタイトルが付けられた論文が載せられて
おり、この論文はこの話題をさらに詳しく提供するもの
である。この論文は、そのすべてを述べているかのよう
に、本明細書に参考として十分に編入している。
【0168】一般的に、SLICEコンピュータは、ユ
ーザの入力から、あるいは外部ソースから得られるデー
タから各層に関して要求された層の厚さを仕分け、その
物体を適宜スライスし、このデータを、仕分けられた層
の厚さを有するステレオリソグラフィ材料の層を供給す
るための再コーティング(recoating)手段を順次制御
するPROCESSコンピュータへ送る。
【0169】層の再コーティング工程の制限された公差
のため、要求される層の正確な厚さの材料の層を得るの
は可能ではないであろう。代わりに、要求される厚さの
数ミル(例えば、2ないし3ミル)内の厚さを得ること
のみが可能であろう。
【0170】それゆえに、上述したものにさらに加える
ように、“リコーティング オンザ フライ”(“reco
ating on the fly”)アルゴリズム(これは先に述べた
“スライス オン ザ フライ”アルゴリズムから区別
されるものである)は可能であり、それによって、まず
再コーティングが起こり、正確な層厚さが決定され、そ
してスライスするアルゴリズムが、先に決定された層厚
さを使用し、対象物の表示を用いて次の層のスライスを
実行する。そのように演算する利点は、実際の層厚さに
て仮定された層厚さの間の正確な一致を確実にする(こ
のことは層とトレースするために使用される相乗的刺激
の露出を決定する)ことである。もし、厚さの仮定され
た値が実際の値よりも大きいならば、先の層への要求量
を越えることにより現在の層は過剰に硬化されるであろ
し、このことは組合わされたゆがみの問題となる。もし
厚さの仮定値が実際の値よりも小さいならば、現在の層
は次の層への要求量よりも少ないことにより過剰に硬化
されるであろうし、このことは組合わされた関連のある
問題となる。それら2つの値間の正確な一致は、それら
2つの問題を取り除く。さらに、先に述べた実施例のよ
うに、自己補償されない再コーティング方法がもし使用
されたならば、わずかな厚さのエラーが層から層へ蓄積
され、その結果として最後の部分の垂直寸法は誤差から
外れてしまう。
【0171】本発明の第2のそして最も好ましい実施態
様について説明する。この実施例は、第1実施例と非常
に良く似ている。従って、第2実施例については、第1
実施例から外れた側面のみが強調されよう。
【0172】これらの逸脱の概観として、この実施例の
顕著な側面は、前述の実施態様に示されたように碁盤目
状の三角形のフォーマットの物体データのみとは対照的
に、三次元の輪郭データを入力として受け付けることが
できることである。その結果、この実施例は、三次元物
体の複数の間隔をもった断面スキャンの形で入力を与え
るSATスキャンシステムあるいは同種のものからの直
接的な入力を受容し得る。これら断面スキャンの各々
は、各スキャンの輪郭を説明する情報を含んでいるであ
ろう。そして、これが本実施例の必要とする情報であ
る。もちろん、本実施例は、先の実施例通り、最も市販
性のあるCADシステムによって与えられる碁盤目状の
三角形のフォーマットの物体データへの適合性を維持し
ている。本実施例の今一つの逸脱は、セグメントに割り
付ける方位値である。先の実施例では、全てのセグメン
トは右手の法則に従って方向付けされており、下方を示
すセグメントは1の方位値が割り付けられる一方、上方
を示すセグメントは−1の方位値が割り付けられてい
た。本実施例では、これが逆であり、上方指示のセグメ
ントは1の方位値が割り付けられ、下方指示のセグメン
トは−1の方位値が割り付けられている。それから、無
限線に沿って、セグメントとの交差点でQV値を計算す
るために、和演算の遂行、論理積動作、ハッチの生成あ
るいは表皮の生成の間に、方位値が、前述の実施態様ど
おりにQV値に加える代わりに、セグメントと交差する
直前のQV値から引き算される。従って、これら全ての
演算に対する目標移行値は、同じ値に維持され得る。
【0173】本実施例の今一つの重要な側面は、より少
ない実質的なメモリであるいは仮想メモリを全く使用す
ることなく、より大きいstlファイルをスライスする能
力である。本実施例では、stlファイルが読み込まれ、
三角形がその最小z値によって区分され、そして、その
区分された三角形のデータが一時的なファイルに対して
出力される。そのとき、スライスプログラムは、全stl
ファイルが処理中メモリに保持するのとは対照的に、所
望の層の範囲に関連した三角形データをメモリに持ち込
むだけである。処理後、個々の三角形が付属する様々な
層、三角形はメモリから除去される。この必要な三角形
のみを読み込むことは、二つの顕著な利益をもたらす。
(1)より多くのメモリがスライス処理のために有用な
まま残され、それにより、ハードディスクへのメモリ交
換の必要性が減じられ、そして、また、メモリ交換が必
要とされるであろうファイルのスライス時間がより速く
なる。そして、(2)大容量のメモリを保持する必要性
が減じられ、それにより、コンピュータシステムのコス
トを低減できる。
【0174】様々の追加的な利益をもたらす様々の代案
を用いることができる。これら代案の最初のものは、区
分されたstlファイルは作らず、その代わりに、stlファ
イルをスキャニングすることにより、各層にいくつの三
角形が結合されているかについての情報を含んだテーブ
ルを作るものである。従って、追加的な三角形データが
必要とされる度毎に、ファイルをスキャニングでき、三
角形は適切な数が詰め込まれるまでメモリ内に詰め込ま
れる。これは、処理時間が前のアプローチ以上にかかる
点において幾分か不利であるが、特別な(区分された)
stlファイルを格納するためのハードディスクのスペー
スが必要とされることがないという利点を有している。
【0175】代案の第2のものは、stlファイルにでき
るだけたくさん詰め込むが、時間がかかる仮想フィルの
利用の必要性を回避することに関する。与えられた層を
処理するのに要するメモリの量は、かなりの程度、当該
層についてのベクトル形成に寄与する三角形の数に基づ
いている。従って、各層に対する必要な処理と関連した
三角形の数が決定され得る一つの実施例が用いられる。
そのとき、この情報は、三角形状のデータをベクトルに
処理するのに要する追加的なメモリの見積量につり合っ
たものとなり得る。従って、ディスクアクセスの回数を
最少化し、そして使用メモリを最大にするために、最適
量の入力データが最適の回数で読み込まれ得る。それに
より、大きいファイルに関連したスライス時間を最少化
する。幾つかのファイルにとっては、これらの手法は、
スライス処理を最適化するだけでなく、極端に大きいフ
ァイルを相応な値段およびサイズのコンピュータでスラ
イスする能力を確かめるのに必要であるあるかもしれな
い。
【0176】これで主要な逸脱についての概観を完結す
る。次に、図28a〜dで与えられる第2実施例のフロ
ーチャートについて議論する。
【0177】図28a〜28dに目を向けると、長円状
に形作られた多角形がシュレイス(SCHLEISS)
のスタート点とストップ点を現し、長方形状の多角形は
全て処理ステップを現し、菱形状の多角形は全て判断ポ
イントを現し、そして、台形状の多角形は全て入力ある
いは出力ファイルを現している。前に示したように、各
処理ステップに対して、フローチャートは個別のシュレ
イスモジュールと、その個別の処理ステップが実行され
るモジュール内にライン番号を表示している。
【0178】シュレイスプログラムはステップ200に
おいてスタートする。ステップ201では、メモリ管理
装置が初期化される。簡単に言えば、メモリ管理装置
は、種々のシュレイスファンクション(SCHLEIS
S functions)の要求に応えて、メモリを割り当てそ
して割り当てを解除する。ステップ202では、タイム
カウンタが初期化される。簡単に言えば、このカウンタ
は、プログラムの進行の実行につれてインクリメントさ
れ、そして、種々のシュレイスファンクションの道筋を
維持するために、そして、おそらく、その実行時間を記
録するために用いられる。
【0179】ステップ203では、シュレイスは、ユー
ザからスライスの仕様を手に入れる。示されているよう
に、ユーザの情報は、コマンドライン204とargファ
イル205の両方から得られる。ステップ206では、
シュレイス(SCHLEISS)は、ユーザが指定した
パラメータをmsgファイル207とスクリーン217の
両方に書き込む。スクリーンは、ユーザが見るための出
力スクリーンであり、一方、msgファイルは、この情報
が格納される単なるファイルである。
【0180】ステップ208では、入力のタイプについ
いて質問が設定されている。前に示したように、入力
は、三角形の形式でも良いし、あるいは、その代わり
に、多重線として知られる輪郭のデータの形式でも良
い。
【0181】三角形が入力された場合を最初に考える。
ステップ209において、stlファイル216から三角
形が得られる。ステップ210では、三角形は、ユーザ
が指定したパラメータに従って、回転、拡大・縮小ある
いは平行移動させられる。次に、ステップ211におい
て、全ての三角形の頂点のx、y及びz座標が、スライ
ス単位にまるめられ、そして、それに加えて、全ての頂
点のz座標が、最も近いスライス平面に丸められる。z
軸がスライス軸であると仮定されているので、z座標の
みがそのようにまるめられる。それから、ステップ21
2で、どの三角形が平らな三角形であるかという判断す
るための質問が設定される。それから、ステップ213
で、全ての平らな三角形が消去される。平らな三角形
は、層輪郭を作り出す見地からは、他の三角形にとって
余分であるので、消去される。ステップ214では、st
lファイルにまだ三角形が残っているかどうかについて
質問が設定される。もし、そうであれば、ステップ20
9に戻るループが形成され、そして、もはや三角形が手
に入らなくなるまで、ステップ209−214が繰り返
される。
【0182】ステップ215において、三角形は、それ
らの頂点の最小z座標によって区分される。ステップ2
18では、区分された三角形がtmpファイル219に書
き込まれる。ステップ220においては、“現在の層”
インジケータがスライスする最初の層に初期設定され
る。現在の実行においては、これは、物体の最初の層で
あり、この最初の層は、最初のスライス平面と第2番目
のスライス平面の間から得られるデータで構成される。
生成された横断面データは、それから、上方のスライス
平面のz値と関連付けられる。ステップ221では、前
の層、すなわち、最初の(データをもたらす)スライス
平面の下方領域が、無に等しいベクトルをもたらしなが
らスライスされる。
【0183】スライスは、tmpファイル219内の三角
形と当該層に輪郭を接する二つのスライス平面との間の
論理積線を含んだ網状の輪郭線を得るために、第1実施
例に関して前述の方法で行なわれる。ステップ223で
は、この輪郭は、第1実施例に関して前述の方法でビー
ム補償される。
【0184】それから、ステップ224そしてステップ
226において、現在の層は、三角形と当該層に輪郭を
接するスライス平面との間の論理積線を利用して、現在
の層に対する輪郭を形成するために、スライスされ、そ
して、tmpファイル219内の三角形を用いて補正され
る。次に、ステップ227そして229において、次の
層が、第1実施例に関して前述の方法で次の層に対して
ビーム補償された輪郭を与えるために、スライスされ、
そしてビーム補償される。これらの補償された輪郭は、
前に議論した、単に調整された層輪郭、L[i]’、で
ある。次に、ステップ230において、現在の層に関連
したいかなる下方に面した領域についても、現在の層と
前の層とに対する層輪郭の間のブール微分をとることに
よって演算が行われる。これらの輪郭は、第1実施例に
関して前述のFDBベクトルを生成するために用いられ
る。
【0185】ステップ231では、現在の層に対するい
かなる上方に面した領域についても、現在の層輪郭と次
の層輪郭の間のブール微分をとることによって演算が行
なわれる。 ステップ232では、現在の層に対するハ
ッチ領域が、現在の層輪郭と下方に面した領域に対する
輪郭とのブール微分として演算される。
【0186】ステップ233においては、ハッチ輪郭で
囲まれた領域から上方に面した領域を除去することによ
り、層輪郭が補正される。これは、ハッチ領域と上方に
面した領域とのブール微分をとることによって行なわれ
る。これらの層輪郭は、3回調整された層輪郭、[L
i]’’’、であり、前述のようにLBベクトルを生成
するために用いられる。ステップ234では、現在の層
に対するLBベクトルがsliファイル235に書き込ま
れる。
【0187】ステップ236においては、いかなる上方
に面した輪郭についても、これら輪郭によって囲まれた
下方に面した領域を除去するために調整が行なわれる。
このステップは、下方に面した領域がオーバ硬化になる
ことを防止するために行なわれる。これらの輪郭は、前
に議論した、調整された上面輪郭、[Ui]’であり、
FUBベクトルを生成するために用いられる。ステップ
237では、FUBベクトルがsliファイル235に書
き込まれる。ステップ239では、ハッチ領域が前に前
述の方法でハッチされる。このハッチングは、前述のL
Hベクトルをもたらす。ステップ240では、このLH
ベクトルがsliファイルに書き込まれる。
【0188】ステップ241においては、下方に面した
領域がハッチングされる。これらの領域は、層輪郭の残
りの部分から分離してハッチングされ、従って、オーバ
硬化になることはないであろう。このステップは、前述
のNFDHベクトルをもたらす。ステップ243では、
FDBおよびNFDHベクトルがsliファイル235に
書き込まれる。ステップ245においては、現在層の上
方に面した領域に対する上方に面した輪郭が、前述の方
法で引き込まれる。ステップ246では、引き込まれた
上方に面した輪郭に対する補充ベクトルが、前述の方法
で生成される。これは、FUFベクトルになる。ステッ
プ237では、このFUFベクトルがsliファイル23
5に書き込まれる。ステップ249では、下方に面した
輪郭が、前述の方法で引き込まれる。このステップは、
調整された下に面する輪郭、D[i]’をもたらす。ス
テップ250では、下に面する領域に対する補充ベクト
ル(FDFベクトル)が、前述の方法で生成される。そ
して、ステップ251では、これらのベクトルがsliフ
ァイル235に書き込まれる。
【0189】ステップ253では、現ザイン層がstlフ
ァイルにおける最後の層であるかどうかを決める質問が
設定される。もし、そうでないならば、ステップ267
で、“現在の層”インジケータが次の層に設定され、そ
して、この層に対して、前述のステップ227、229
−234、236−237、239−241、243、
245−247、248−251及び253が繰り返さ
れる。据えての層が処理されてしまうと、ステップ26
8において、欠けているかあるいは間違って方位付けさ
れたセグメントに関するメッセージが出力スクリーン2
17及びmsgファイル207に書き込まれる。ステップ
271では、メモリ使用メッセージがスクリーン及びms
gファイルに書き込まれる。ステップ272で、処理は
完了したものと考えられる。
【0190】ステップ208に戻って、入力データが既
に層輪郭の形式である場合について述べる。示されてい
るように、入力データは多重線の形式でなければならな
い。これらは、slcファイルから得られる。
【0191】ステップ254において、与えられた層に
対する多重線が得られる。そして、ステップ255にお
いて、これら多重線は、三角形に対して前述したのと同
様の方法で、ユーザが指定したパラメータに従って、回
転、拡大・縮小あるいは平行移動させられる。
【0192】ステップ257で、多重線の頂点がsliユ
ニットにまるめられ、そして、各頂点のz成分が最も近
いスライス層にまるめられる。
【0193】ステップ258−259においては、入力
された層の厚さが0である全ての多重線が消去される。
というのは、これらの層は、まるめたときに消失してし
まい、従ってよけいな層を現しているからである。
【0194】ステップ260においては、多重線の輪郭
におけるあらゆるギャップが、ギャップに充填される追
加的なセグメントを生成することによって補充され、そ
して、ステップ261では、ユーザが指定したフラグ
が、間違った方向のセグメントが再度方位付けされるか
どうかを見るためにチェックされる。もし、そうであれ
ば、ステップ262で、多重線の輪郭におけるあらゆる
間違った方向のセグメントを再度方位付けする試みがな
される。これは、多重線の輪郭内の全てのセグメントが
右手の法則に従い、そして、それによって、固体を取り
囲んでいる輪郭におけるセグメントは反時計回り方向に
おいてそれを行い、一方、中空部を取り囲んでいる輪郭
におけるセグメントは時計回り方向においてそれを行
う。例えば、もし、一つを除いて輪郭における全てのセ
グメントが反時計回り方向のループに従うならば、これ
らのセグメントは固体を取り囲むものと仮定され、一つ
のセグメントの方向は、他のセグメントと一致するよう
に変えられるであろう。
【0195】もし、ユーザが指定したフラグがセットさ
れていなければ、ステップ264にジャンプする。この
ステップでは、調整されたセグメントができるだけ組み
合わされる。
【0196】ステップ263では、多重線がtmpファイ
ルに書き込まれる。
【0197】ステップ266では、sliファイルに付加
的な層が存在しているかどうかについて質問が設定され
る。もし、そうであれば、sliファイルの各層に対し
て、前述のステップ254、255、257−264及
び266が繰り返される。それから、ステップ220に
ジャンプし、前述したのと同じステップ220で始まる
処理が、tmpファイル219を用いて実行される。
【0198】以上で第2実施例の実行フローチャートの
説明が完了する。
【0199】いま一つのファイル、スメイク(SMAK
E)は、実行されるとき、SO.CをS6.CとS.
H.とに順に適切に組み合わせるシリスマック(SCH
IRIS.MAK)を呼び出す。
【0200】前述の実施例では、結果として生じる物体
は、その物体の原型のデータに比べてサイズが大きかっ
た。このオーバサイズは、本質的に、形成された物体の
垂直方向寸法においてではなく、基本的には形成された
物体の水平方向寸法においてであった。しかしながら、
水平方向寸法が過剰に硬化されるときにはいつでも、一
つの層厚さの対応する硬化は、一つの層厚さよりも幾分
か薄い硬化厚さでなければならない領域が結果として生
じるであろう。前述のように、オーバサイズの物体を複
製すると、そのデザインが(原型デザインにおける勾配
が付けられた領域に対応して)層間の不連続性を指定し
ていなかった物体の領域における層間の不連続部分を紙
やすりをかけて除去することにより、大体は精度が高く
なる。このオーバサイズスタイルで形成された物体は、
基本的に、その表面が物体のデータの外形面にぴったり
と合う少なくとも一つの部分を各層に有しており、一
方、形成された物体の表面の他の部分は、外形面を越え
て物体の固体部を延長する。
【0201】形成性の点において、あるいは物体精度の
点において利点を有する他のサイズの物体に導く他のス
タイルがある。かかる実施例の一つは、前述のオーバサ
イズの物体と本質的に反対のアンダサイズの物体を形成
する。このようなアンダサイズのスタイルは、以前に参
照したPCT公報 第WO 89/10256号に開示さ
れている。このアンダサイズスタイルで形成される物体
は、基本的に、その表面が物体のデータの外形面にぴっ
たり合う少なくとも一つの部分を各層に有しており、一
方、形成された物体の表面の他の部分は、物体の固体部
を外形面まで延長することはない。このスタイルの基本
的な形式は、本発明の先に述べた実施例をわずかに修正
することにより、容易に実行され得る。その修正は、与
えられた横断面に対する初期の層輪郭を形成するのに用
いられる情報およびブール演算における変更を伴う。こ
れらの層輪郭L[i]は、S[i−1]+輪郭の領域と
S[i]−輪郭の領域との論理積線を見付けることによ
って導かれる。この実施例では、投射図の情報は用いら
れない。L[i]輪郭を全て形成した後、各層に対する
層輪郭を決定するために前述の演算が用いられる。この
アンダサイズの実施例は、不連続部分が補充されるべき
場合には特に有用である。この補充は、不連続部分に材
料を補充し、この材料を最終的な物体の部分となるよう
に変化させる後処理技術を適用することによって行なわ
れる。この代わりに、そして、より好ましくは、不連続
部分の補充は、物体が形成されるときに一層毎に行うこ
とができる。かかるコーティング達成するための手法お
よび利点は、この詳細な説明のセクション3において
“薄い補充層を含むことによって改良された表面の分解
能”というタイトルで記載されている。
【0202】いま一つのスタイルは、前の実施例の物体
よりも更にアンダサイズの物体を作り出す。このスタイ
ルは、その最大硬化発明範囲が、適切に揃った複製され
た物体を生じさせず、そして物体のデータの外形面が互
いに接触しているような物体の形成に用いられる。この
タイプのサイズの物体は、形成された後、物体の全ての
表面、たとえ不連続部分を含まない領域でさえも材料
(例えば、塗料、パウダコーティング、メタリックコー
ティング)で被覆される場合に有用である。物体の被覆
された表面が物体のデータの外形面により密接にマッチ
するように、物体の全表面が固体領域へ引っ込まなけれ
ばならない。この形成スタイルは、本発明の手法によっ
て実行され得る。下方に面した特徴部分及び上方に面し
た特徴部分を、この下方に面した部分及び上方に面した
部分が物体の外形面に接触しないように、その本来の位
置から適切な量(この量は、層厚さの調整によって近似
すべきである)だけオフセットするには、層比較(特に
差分比較)が必要である。層の水平方向の固形部分が物
体の外形面から引っ込められるには、LWCあるいは輪
郭引き込みの形式が必要である。
【0203】有益なサイズの物体を求めるスタイルは、
また、本発明の手法に基づいて実行され得る。この実行
は、物体のデータの三角形の頂点の位置を定めるのに用
いられたスライス平面間の途中にそれぞれ位置する追加
的なスライス平面の使用を伴う。
【0204】初期の層輪郭L[i]は、中間(中点)の
スライス平面と、物体のデータを形成する三角形との交
差点から決定される。これら初期の層輪郭は、物体の各
横断面に対して、下に面した領域、上に面した領域およ
び網目状の層領域を決定するのに先に開示された手法に
従って処理される。これら初期の層輪郭は、概念的に
は、層の垂直方向の範囲を輪郭付ける二つの元々のスラ
イス平面のうちの高い方と関連付けられる。各横断面
(あるいは層)と関連付けられる種々の網目状領域を決
定した後、前述のアンダサイズおよびオーバサイズスタ
イルによって形成された物体と比較して平均サイズにな
るであろう物体が形成され得る。換言すれば、その形状
が、その厚さが定まっている層を一層毎に積み重ねるベ
ースで物体が再製作されたためである不連続性は、半分
は物体の外形面を越えて延長して、そして、他の半分は
その外形面に届かなくて形成される。
【0205】図29aは、二次元の図を現しており、二
つのディメンションは、ステレオリソグラフィによって
形成されるべき物体の物体外形面の垂直ディメンション
と一つの水平ディメンションである。平面500、50
2、504、506、508、510、512、514
そして516は、形成されるべき各層の垂直範囲を輪郭
付けるとともに、三角形の丸められ得る頂点のとり得る
垂直方向位置の範囲を限定するスライス平面の垂直方向
の位置を現し、一方、スライス平面520、522、5
24、526、528、530、532及び534は、
三角形との論理積セグメントが得られるであろう垂直デ
ィメンションの範囲を限定する。スライス平面520か
ら得られたデータはスライス平面502と組み合わされ
るであろう。なぜなら、それは、スライス平面500と
502の間の横断面情報の平均位置を現しているからで
ある。他の中間スライス平面から得られるデータの同様
の上方へのシフトが生じるであろう。図29bは、オー
バサイズ形成スタイルを用いて形成された物体の層に重
ね合わされた同じ物体外形面540を現している。図2
9cは、アンダサイズ形成スタイルを用いて形成された
物体の層に重ね合わされた同じ物体外形面540を現し
ている。図29dは、平均サイズ形成スタイルを用いて
形成された物体の層の重ね合わされた同じ物体外形面5
40を現している。これらの図を検討すれば、なぜ各ス
タイルがそう名付けられたかが示される。オーバサイズ
スタイルは、後処理が材料を除去する技術を伴う場合に
有用であり、アンダサイズスタイルは、後処理または一
層毎の処理が充填技術を伴う場合に有用であり、そし
て、平均サイズスタイルは、いかなる処理をも追加する
ことなく相応な高度を有することが要求される場合に有
用である。
【0206】硬化幅補償 前述のように、もし、硬化幅補償が必要であれば、層の
三つの独立した領域を決定するに先だって実行すること
ができる。その代わりに、三つの独立領域が決定された
後に実行することができ、それにより、各領域に対して
異なる補償値を許容している。しかしながら、この代わ
りの方法に従うときには、全てのLB[i]ベクトルは
内側に向けて補正される(通常の補償)。本発明によ
り、現在の層に対する補償されていない層輪郭を、前の
層および次の層の補償されていない輪郭とそれぞれ比較
することにより、前または次の層の輪郭から得られるD
B[i]及びUB[i]ベクトルは、外側に向けて補償
されるべきである(逆の補償)。現在の層(三つの領域
に分けられる前)の輪郭を含むDB[i]及びUB
[i]ベクトルは、内側に向けて補償され、そして、現
在の層(補償前)のDB[i]ベクトルから得られるU
B[i]ベクトルも内側に向けて補償される。これらの
ベクトルの補償量は、それらが得られた源によって異な
るかもしれない。LB[i]ベクトルは量A[i]だけ
補償される。次または前の層の補償されていない輪郭か
ら得られたUB[i]及びDB[i]ベクトルは、量A
[i]だけ補償される。現在の層の補償されていない輪
郭から得られたUB[i]及びDB[i]ベクトルは、
それぞれ量B[i]及びC[i]だけ補償される。現在
の層のDB[i]ベクトルから得られたUB[i]ベク
トルは、量C[i]だけ補償される。この補償は、ベク
トルをシフトさせて終点を再計算することにより、ある
いは初期に終点をシフトさせることにより、行うことが
できる。A[i]の値は、LB[i]ベクトルの硬化
(curing)と関連した硬化の幅の1/2を現し、B
[i]の値は、UB[i]ベクトルの硬化と関連した硬
化の幅の1/2を現し、そして、C[i]の値は、DB
[i]ベクトルと関連した硬化幅の1/2を現してい
る。層比較の技術(特に、同時的な補充が適用されるも
の)用いる多くの手法は、硬化深さ(そして関連した硬
化幅)において極端な変動を生じかねないので、このそ
れに代わる方法は、個々の領域がより精度良く補償され
得るためにも、最も好ましいものである。
【0207】これらの原理は、図30a−30fを参照
して説明され得る。図30a−30fでは、同じ要素が
同じ参照数字で参照されている。
【0208】図30a−30cは、それぞれ、層i−
1、i、i+1に対するもので、参照数字600、60
2及び604で特定される補償されていない層輪郭、お
よび、それぞれ、上記層に対するもので、参照数字60
1、603及び605で特定される補償された層輪郭を
説明している。
【0209】図30dは、層iに対する下方に面した輪
郭を作るベクトルの補償を説明している。補償されてい
ない下方に面した輪郭は数字606で識別され、所望の
補償が行われた下方に面した輪郭は数字607で説明さ
れている。示されているように、数字606a、606
bで特定され、補償されていない前層からの層輪郭に接
触していない、補償されていない下方に面した輪郭にお
けるベクトルは、補償されたベクトル607a、607
bを得るために内側に向けて補償される。対照的に、図
において数字606c、606dで特定され、補償され
ていない前層からの層輪郭に接触している、補償されて
いない下方に面した輪郭におけるベクトルは、補償され
たベクトル607c、607dを得るために外側に向け
て補償される。
【0210】図30eを参照すれば、網状の上方に面し
たベクトルの補償が説明されている。層iに対する網状
の上方に面した輪郭が数字608で特定され、一方、所
望の補償が行なわれた輪郭は数字609で説明されてい
る。示されているように、図において数字608a、6
08bで特定され、補償されていない前層からの層輪郭
に接触していない、補償されていない網状の上方に面し
たベクトルは、それぞれ、補償されたベクトル609
a、609bを得るために内側に向けて補償される。対
照的に、図において数字608c、608dで特定さ
れ、補償されていない前層からの層輪郭に接触してい
る、補償されていない網状の上方に面したベクトルは、
補償されたベクトル609c、609dを得るために外
側に向けて補償される。
【0211】図30fを参照すれば、層iに対する補償
されていない、数字610で特定される網状の層輪郭
は、補償された網状の層輪郭611を得るために内側に
向かって補償される。
【0212】この発明の実施態様および適用を図示し説
明したが、この発明の概念から離れることなく更に多く
の修正が可能であることが、当業者にとって明らかであ
る。従って、本発明は、添付クレームの精神における以
外は制限されるべきものではない。
【0213】セクション2ステレオリソグラフィに
おける同時複合層硬化 A.単純な場合 形成すべき物体に対応するデータが、所望の垂直方向の
分解能より薄いあるいはこれに対応した層の厚さでスラ
イスされる。必ずしも必要ではないが、好ましくは、M
SDはこの層厚さの整数倍である。
【0214】ステレオリソグラフィの通常の実施におい
ては、次のステップは、各層で創成されたスライスある
いは層厚さに対応する深さまで硬化させられたスライス
に基づいて、物体を形成することであろう。しかしなが
ら、本発明の実行においては、次のステップは、スライ
ス(少なくとも支持されない厚さで)と同様に薄い厚さ
の材料を硬化することができないという事実に基づいて
いる。これらスライスのグループが、どの層の上に各横
断面の種々の部分が形成されるかを決定するために比較
される。この比較のために、スライスは連続してグルー
プ分けされ、各グループはMSDに等しい厚さを形成す
るのに十分な数のスライスを含んでいる。もし、MSD
が40ミルで層の厚さが10ミルであれば、各グループ
は4つの横断面を含んでいるであろう。本発明の第1の
好ましい実施態様においては、グループ1は横断面1、
2、3及び4を含み、第2グループは横断面2、3、4
及び5を含み、そして、“N”番目のグループは横断面
N、N+1、N+2、N+3を含んでいる。
【0215】図面を参照すれば、図31は、ステレオリ
ソグラフィを用いて形成され得る砂時計状の物体の側面
を示している。単純化のために、図31は、垂直方向の
ディメンション“Z”に加えて、ただ一つの水平方向デ
ィメンション“X”を示している。その他の水平方向デ
ィメンションは紙面方向に1インチ伸長している。全体
として、この図面は長方形状の砂時計を現している。
【0216】図32は図31の砂時計あるいは物体の側
面図であるが、この図は、10ミルの厚さの層あるいは
横断面およびそのMSDが10ミル以下である材料を用
いてステレオリソグラフィによって複製されたものとし
て物体を表示している。層は、4つの符号“・”、
“X”、“+”あるいは“o”のうちの一つで明示され
ている。これらの符号を用いるのは、層どうしの区別を
強調するために過ぎない。図32の右側の番号は種々の
層を明示している。29のスライス平面から得られる2
8の横断面の情報で得られる28の層がある。この横断
面情報を得る方法はWO 89/10256に記載され
ている。
【0217】図33は、10ミルの断面間隔(すなわ
ち、10ミルの層厚さ)の代わりに、間隔が40ミルで
ある点を除いて、図32に類似している。MSDが40
ミルである材料を用いる場合、先行技術では、40ミル
またはそれ以上の断面を用いなければならなかった。従
って、この図は、従来技術を用いるような材料について
可能な最も良好な分解能を現している。
【0218】図34は、分解能が低い材料で高い分解能
精度を達成することを意図した代わりの典型的なステレ
オリソグラフィ技術の一例を現している。図34は、再
び描かれたものではあるが、10ミルの横断面とともに
40ミルのMSDを有する材料で形成された図34の物
体を示している。40ミルMSDの材料を用いてより良
好な分解能を得ることを希望して、より微細な横断面で
はあるが、まだ40ミルの硬化深さまで硬化させたもの
を用いて物体をスライスしようと試みる者がいるかもし
れない。これを行った結果が図34に示されており、層
間のステップはより小さくなっているが、その特徴部分
の垂直方向の位置はひどく不正確である。
【0219】図35は、再び図32の物体を示している
が、今度は、10ミルの層あるいは横断面と40ミルの
MSDとともに、本発明に係る技術を用いて形成されて
いる。図35を図32と比較すれば、ステレオリソグラ
フィ上の分解能が低い材料を用いているが、分解能が高
い材料を用いた場合と同程度の精度を持った物体が製作
されたことがわかる。
【0220】この、同程度の精度を得るという結果は、
先行技術においては可能ではなかった。必ずしも、全て
の物体について、分解能が低い(LR)材料を用いては
いるが同程度の精度で形成できるという訳ではないこと
に気付かなければならない。典型的なステレオリソグラ
フィを用いて、分解能が高い(HR)材料について得ら
れるのと同程度あるいはそれ以上の分解能を得ることが
できるための鍵は、物体は、分解能が低い方の材料のM
SDよりも薄い垂直方向の特徴部分を有してはならない
ということである。これら特徴部分は余りに“薄過ぎ
る”のである。もし、物体が、このような垂直方向の特
徴部分を有していれば、それに対応した複製精度上の損
失があろう。しかしながら、この複製精度上の損失は、
上記“薄過ぎる”特徴部分の領域においてのみ生じるも
のである。加うるに、注意深く計画すれば、これらの逸
脱による不利な影響を減少させることができる。このよ
うなケースを取り扱う技術は、以下に記載されている。
これら技術には、スライス軸を注意深く選ぶこと、米国
特許 第4,575,330に開示されているように1
より多い軸に沿って形成すること、及び、標準的なステ
レオリソグラフィを用いるに、いずれにしても、一般的
に必要とされるかもしれないような、紙やすりかけや充
填による後処理が含まれている。
【0221】図35で示された複製の遂行の概念的な詳
細を説明するには、図32及び図35で示された物体の
製作における各層に関連した硬化させられた材料を比較
することが有用である。図37は及び図38は、28の
層のそれぞれに対するこれらの横断面および硬化に対応
する領域を示している。具体的に言うと、図37は図3
2の物体の各層に対する硬化領域を示し、図38は図3
5の物体の各層に対する硬化領域を示している。以下に
おいて、材料の層厚さ方向の硬化深さに言及する。実際
に、結合力のある三次元物体の形成を可能にするために
層間の良好な密着性を得るに適切なこの厚さよりも幾分
か厚いものを硬化させるかもしれない。標準的なステレ
オリソグラフィについては、硬化時の上方に面した特徴
部分および下方に面した特徴部分は、もし、物体がクロ
スハッチで形成されている場合には(WO 89/10
256、米国特許出願 S/N 331,664に記載
されているように)、漏れを防ぐために覆わなければな
らない。
【0222】図32に対しては10ミルMSD以下、図
35のMSDが40ミルであることを覚えていれば、図
37から、10ミルの層の材料が硬化された横断面1が
分かる。この横断面1は、図32に示された物体の最初
の層を形成している。しかしながら、図38から、図3
5の物体の最初の横断面に関連しては、どの材料も硬化
されていないことが分かる。というのは、最小硬化は、
30ミルも過剰に硬化された層の形成を引き起こすから
である。図37及び38に示された第2および第3の横
断面が、同様の状況を現している。
【0223】第4の横断面は、本発明の重要な側面を現
し始めている。図37においては、第4の横断面は、前
の3つの層と同じ硬化を示している。図38の第4の横
断面は、図35に示された物体の最初の層を形成する材
料の硬化を示している。この横断面に関連して硬化した
材料は、前の3つの層を通って浸透し40ミルの厚さの
材料を形成する。これは、図32の物体に対するこのポ
イントまで形成したものと同じである。本質的に、図3
8の最初の4つの横断面は比較され、最初の横断面に関
連して40ミルの厚さの材料を硬化させることの不適切
性についての決定がなされた。これに対応して、第4の
横断面に関連した材料を硬化させることの適切性につい
ての決定がなされた。我々は、領域が始めて硬化する
(従って、先に硬化した材料によって支持されていな
い)ときはいつでも、もし、物体が開いたクロスハッチ
で形成されている場合には覆われなければならないこと
に、特に言及する。さもなければ、下方に面した特徴部
分は漏るであろう。それに加えて、本説明を利用してあ
る部分を形成する時には、硬化が関連する層と関連して
再度覆うことのみが必要であることに特に言及する。
【0224】図37の第5の横断面は、10ミルを追加
的に硬化して、図32の物体のNo.5の層を完全なもの
としている。図38の第5の横断面もまた硬化している
が、硬化深さについては疑問が生じる。最も新しい硬化
した横断面(層)と材料表面との間の未転位の材料の大
きさは10ミルである。この10ミルのギャップ(本実
施例によれば)は全て、第5の横断面に関連した間に介
在する材料を硬化させることによって補充されなければ
ならない。形成材料に対するMSDは40ミルであり、
支持しないで硬化できる最小深さを現している。しかし
ながら、領域が完全に支持されているとき、“支持され
た状態での最小硬化深さ”(SMSD)は、個々の材料
に対して、一般にMSDよりも小さい。この最小値は、
おそらく、40ミルから10ミル以下に低下し得るであ
ろう。従って、この第5の横断面に対する硬化深さは、
SMSDあるいは10ミルの横断面厚さ(+オーバ硬化
量)の大きい方よりも幾らかでも大きくなり得る。この
第5の横断面に関連した最大硬化深さは、硬化した材料
と未硬化の材料との結合部分の底面の下方への成長、そ
して、それによって、物体の下方表面あるいは下方に面
した特徴部分の精度に著しい変化を生じさせることのな
い深さである。
【0225】一般に、ビーム硬化幅の変化と硬化深さの
変化との間には関連がある。ビーム硬化幅におけるこの
変化を取り扱う一つの方法は、セクション1で議論され
たように、異なる深さに硬化された輪郭タイプに対し
て、異なるビーム幅補償を許容することである。
【0226】第6から第13の横断面については、次に
続く各横断面は、先の横断面よりも小さく、そして、そ
の上に完全に座っている。これら横断面の上方に面した
領域は、もし、所望であれば、上方に面していない領域
から異なるやり方で硬化され得る(例えば、上方に面し
た領域は覆われる一方、上方に面していない領域はハッ
チされているだけである)。第5の横断面に適用された
説明は、従って、これらの横断面についてもあてはま
る。
【0227】第14から第16の横断面は先行する横断
面にほとんど完全に重なり合っており、従って、これら
断面についてはこれ以上の説明は不要である。
【0228】横断面17は、16と部分的に重なり合っ
ているが、下方に面した特徴部分を形成する領域があ
る。図37は、全ての横断面が適正に10ミルの深さま
で硬化させられていることを示している。図37の下方
に面した領域は、下方に面していない領域とは異なる硬
化パラメータが与えられ得る。例えば、下方に面した領
域は覆われ、そして、10ミルの深さまで硬化させら
れ、下方に面していない領域はクロスハッチされている
だけであり、10ミルに加えて接着のためのオーバ硬化
量まで硬化させられている。
【0229】図38は、層の一部分だけが硬化させら
れ、残りの部分は、硬化深さが40ミルよりも薄くて硬
化できないことにより、硬化させられていないことを示
している。図38のハッチ領域は、硬化させられている
部分を現している。仮想線は層の硬化させられていない
部分を特定している。
【0230】横断面18は、先行する横断面によって支
持されていない端末を有している。図37は、全部の横
断面が10ミルの深さまで硬化させられていることを示
している。図38を参照するに、横断面18は、横断面
17のどの部分とも重なり合わない第3の領域だけでな
く、横断面17に連繋して先に硬化したものによって支
持された第1の領域と、硬化させられていない17の部
分と重なり合う第2の領域とを有している。図38に示
すように、支持された領域のみが、この層あるいは横断
面と関連している。
【0231】先に硬化させられていなかった17の部分
と重なり合っている領域は、20ミルの厚さとなる。も
し、これらの領域を、この層に関連してこの時点で硬化
させれば、20ミルだけオーバ硬化させることになる。
従って、この層に関連してこれらの領域は硬化させな
い。17のどの部分とも重なり合わない領域は、それに
関連して10ミルの硬化深さを有しているに過ぎない。
従って、この横断面と共にそれらを硬化させることはな
い。
【0232】横断面19は、再び、先行する横断面によ
って支持されない端末を有している。図37は、10ミ
ルの深さまで硬化させられている全横断面を示してい
る。図38を参照するに、横断面19は、横断面18に
関連して硬化した材料によって支持された領域と、硬化
させられていない18の部分と重なり合う今一つの領域
(実際には、この領域は二つの部分で構成されている:
一つは17及び18の両方の硬化していない領域と重な
り合い、他の一つは、横断面18に関連して硬化されて
いない領域と重なり合うだけである)と、同様に、18
と全く重なり合わない第3の領域とを有している。
【0233】図38に示すように、支持された領域のみ
が、横断面19に関連して硬化させられる。先に硬化さ
せられていない18の一部と重なり合う領域は、横断面
17に関連した未硬化の材料とも重なり合っているかど
うかによって、20または30ミルの厚さになる。も
し、これらの領域をこの時点で硬化させれば、20ミル
だけオーバ硬化させることになる。従って、この横断面
に関連してこれらの領域は硬化させない。もし、18と
全く重なり合わない領域を硬化させれば、これらの領域
は30ミルだけオーバ硬化となろう。従って、これらの
領域は、やはり、この横断面と共に硬化させることはな
い。
【0234】横断面20は、先行する横断面によって支
持されていない端末を有している。再び予期されるよう
に、図37は、10ミルの深さまで硬化させられている
全横断面を示している。しかしながら、図38は、先行
する二つの横断面の硬化とは対照的に、横断面20の硬
化について、何か異なっていることを示している。横断
面20は、5つの別個の部分に分割され得る。
【0235】1)先行する横断面と重なり合わない横断
面の部分(10ミルの硬化厚さを必要とする)、 2)先行する横断面と重なり合うだけの横断面の部分
(20ミルの硬化厚さを必要とする)、 3)先行する二つの横断面と重なり合う横断面の部分
(30ミルの硬化厚さを必要とする)、 4)先行する三つの横断面と重なり合う横断面の部分
(40ミルの硬化厚さを必要とする)、そして、 5)先行する層上の硬化した材料と重なり合う横断面の
部分、すなわち、先行する四つあるいはそれ以上の横断
面と重なり合う部分。
【0236】横断面のこの切り分けから、第四番目の領
域を40ミルの深さまで硬化できることが分かる。この
ことは、硬化材料の下方の表面を、横断面17の底部に
向って適切に延ばさせるであろう。先行する横断面上に
ついても、それが支持されているので、第五の領域をど
んな適当な量であれ硬化させることができる。実際の硬
化処理においては、一般に、領域4以前に領域5を硬化
させ、もし、物体が開いたクロスハッチで形成されてい
るならば、領域4は覆われなければならないことに気付
くべきである。これは、先行する硬化した材料で支持さ
れていない領域を硬化させる前に、先行する硬化した材
料で支持された領域を都合良く硬化させるために、液状
の媒体を用いる場合には一般的に行なわれている。これ
は、水平方向へでも垂直方向へでも、各硬化した各領域
が先行する硬化した材料に接着することを許容するもの
であるので、有利な方法である。
【0237】横断面21から24は、より深い重なり合
う領域がどんな適当な量であれ硬化深さを必要とすると
ともに、これら横断面のそれぞれが10、20、30及
び40ミルの硬化を必要とする点において、横断面20
と非常に似ている。40ミルの硬化を要する領域と支持
された領域のみが、これの層の一つと関連して硬化させ
られる。予期されるように、図37と関連した横断面の
各々は、10ミルの厚さに加えて必要なオーバ硬化とな
るまで、順に硬化させられる。再び、図38に関して、
40ミルの硬化が必要な領域も、もし、クロスハッチで
形成されていれば被覆が必要である。
【0238】横断面25から27は、それらが、適切な
深さ(40ミル)まで硬化され得る領域と、支持された
領域と、(許容できない誤差が入り込むことなしには)
MSDのために硬化され得ない領域とを有する点におい
て、再び、横断面21から24に類似している。再び、
図37の横断面は、10ミルの深さまで硬化させられ
る。いつもと同じように、図38に対しては、40ミル
深さの領域は、もし、クロスハッチで形成されていれば
被覆されなければならない。支持されている領域は、何
等かの適切な方法で硬化され得る。40ミル未満の硬化
を要する領域は、この横断面と関連しては硬化されない
が、その代わりに、必要なMSD硬化深さが誤差が入り
込むことなく使用できるときに、より高い層または横断
面と関連して硬化させられる。
【0239】最後に、横断面28は、横断面27、26
及び25と完全に重なり合っており、従って、適切な硬
化が与えられて硬化材料の結合力のある横断面を形成す
る。
【0240】前述の比較は、このように、本発明を用
い、硬化材料に対する詳細な実施態様に対比させて、ス
テレオリソグラフィへの典型的なアプローチを実例を挙
げて示している。この比較、すなわち、図32と図35
との比較は、この方法が、たとえ、分解能が低い材料を
用いても、以前であれば分解能が高い材料を用いること
によってしか得られなかった高い複製精度に、一般に厳
密に適合するようにできる。
【0241】図36及び39は、他の実施態様を示して
いる。図35と36との比較は、異なる硬化パターンが
各横断面に関連した硬化材料に用いられることを説明し
ている。図39は、図36の物体の種々の横断面と何が
各層に関連して硬化させられるかを示している。図39
は、これら二つの実施態様の違いを明らかにするため
に、図38(図35の物体の横断面を示している)と比
較され得る。
【0242】複雑なケース 本発明の実施例は2つの規準の組み合わせを包含する。
これらのうちの第1のものは、アプローチに関連する最
大の強さ又はその他の“内部的な硬化オーダー”を強調
するために用いられるであろう硬化方法をベースとして
いる。“内部的な硬化オーダー”によって、我々は物体
の外部的な寸法に影響を与えない物体硬化に利用される
種々のオプションに言及する。この第1の規準の2つの
例が図35及び36に描かれている。
【0243】第2の規準は、その物体がMSDよりも比
較的小さい形状(すなわち、鉛直方向の寸法が比較的薄
い)を有するときに、所望の最終的な物体形状を得た後
に続くであろうアプローチをベースとしている。この第
2の規準の例が図43aないし43eに示されている。
この第2の規準は、その材料のMSDのために所望の精
度でそれらを創造することが不可能であるときに、外部
的な形状の最も適切な複製を得るための種々の代案の1
つを選択することを含む。
【0244】上で検討された単純なケースは、高分解能
の材料及び層厚さを用いて得ることができるものと等価
な複製を得るための、高分解能の層厚さを伴った低分解
能の材料を用いることを可能にするといった特有の性質
を有していた。この性質は、物体がMSDよりも薄い鉛
直方向の固体形状をもたないということである。これ
は、形成における不正確さが選択された層厚さよりも大
きくはならないといった形状のスライシング及び硬化を
許容した。大半の物体の大半の領域はこのカテゴリに当
てはまるということが注目されるべきである。それゆ
え、MSDよりも薄い鉛直方向の形状をもっていない物
体をベースとする実施可能な実施態様が開発されること
ができる。
【0245】複製されるべきある特定の物質が、MSD
より薄い鉛直方向の固体形状をもっているときには、そ
の物体は該物体の鉛直方向の軸を決め直すことによって
形成のために位置決めしなおすことができ、これによっ
てMSD形状よりも薄いものを除去することが有望とな
る。もし、物体を位置決めしなおすことができないとき
には、これらの薄い形状を創造する際の精度が失われる
であろう。
【0246】この精度の低下は、2つの方法で証明され
ることができる。
【0247】1)薄い形状(すなわち、MSDよりも薄
い形状であって、ここでは、“<MSD>”形状という
ことにする)はあまりにも厚くされるであろう。
【0248】2)薄い形状は硬化されず、それゆえ完全
に除去されるであろう。以下の記述においては明瞭かつ
簡潔にするために、薄い形状はいつも硬化されるものと
仮定される。しかしながら、他の実施例ではユーザーオ
プションが有効とされることができ、個々の<MSD形
状がMSDまで硬化されることができるか、又は全く硬
化されないように容量の選択がなされることが可能とな
る。これは、全体としての精度に関連する問題を解決し
ないであろうが、しかしより重要な形状、すなわち固体
容量又は中空部容量もちだすことによってそれらを弱め
るために用いられることが確実に可能となる。さらに、
もしある部分又は物体の少しの領域が、MSDの規制に
より過剰に硬化され又は過小に硬化されたときには、必
要なだけサンドオフ又は領域補充するために小さな後処
理が一般的に行われることができる。
【0249】図40は、ステレオリソグラフィを用いて
複製されることができるもう1つの物体の側面視をあら
わしている。この物体は、薄い鉛直方向の形状を形成す
る形状a、b、c及びdを有している。典型的な普通の
ステレオリソグラフィテクニックを用いた物体の形成に
おいては、層基盤のそばの1つの層の上に、層厚さが、
その部分が複製されている最小の鉛直方向の分解能(層
厚さ)よりも大きいか又は等しくなるまでこれらの形状
が自然に除去され又は形成される。
【0250】図41は、図40の物体の複製方法の従来
技術をあらわしており、高分解能層厚さ(例えば、10
ミル)と、高分解能材料(MSDが10ミル)とを用い
ている。
【0251】図42は、高分解能層厚さと低分解能材料
(MSD=層厚さの4倍、例えば40ミル)との組み合
わせで本発明を用いて複製された同じ物体をあらわして
いる。この形は上で論じられた第2の規準が、すべての
物体形状がMSDよりも薄く形成されることがないよう
に選択された実施例をあらわしている。
【0252】図43a及び43bは、規準2の他の選択
がなされた他のいくつかの実施態様の例をあらわしてい
る。図43aは、上に面する形状に優先権が与えられて
いる物体の複製をあらわしている。換言すれば、もしあ
る領域がMSDよりも薄いときには(すなわち、あまり
にも薄い)、その領域内の材料は、もしも高分解能材料
が用いられているとした場合にそれらが起こるであろう
位置に、上に面する形状をもつといったふうに硬化され
るであろう。同様に、下に面する形状が、高分解能材料
で形成するときにそれらが形成されるであろうレベルの
下にある深さまで必然的に硬化されるであろう。この実
施例を“上に面するものが優先する”ということにす
る。
【0253】図43bは、平坦な形状に優先権が与えら
れ、これによっていくつかの環境下での物体の美的な魅
力が増加する実施例をあらわしている。下に面する平坦
な形状及び上に面する平坦な形状は硬化され、それらは
もし高分解能材料が使用されているとすれば形成される
のと同一の位置に形成される。もし上及び下の両方に面
する領域が存在するときには、上及び下の両方に面する
平坦な形状が所望のレベルまで同時に硬化されることが
なく、下に面する平坦な形状の配置が優先するであろ
う。平坦でない傾斜した形状は、上または下に押し出さ
れる。それゆえ、それらは、もし物体が高分解能材料を
用いて形成されたとすれば形成されるであろうレベルよ
りも上又は下に形成される。もし2つの平坦でない形状
がMSDよりも薄い領域内で互いに対抗すれば、それら
の形状はそれらの上側及び下側の表面の傾斜に比例して
シフトされることができる。このほか、上側又は下側の
表面が、もし高分解能材料が用いられているとすればそ
れが形成されるであろう位置に配置されてもよい。図4
3bは、したがって、“平坦な優先権/下に面するもの
が優先する”実施例を示している。
【0254】図43cは、MSDの1/2より薄い形状
が、上に面する形状に対して与えられている優先権を伴
っては形成されていない実施例をあらわしている。
【0255】図43dは、MSDの1/2よりも薄い形
状が平坦な形状に対して与えられている優先権を伴って
は形成されていない実施例をあらわしている。
【0256】もちろん、図43c及び43dの実施例に
おけるパラメータ“1/2”は、MSDの分率又はパー
センテージが異なれば、これに応じて変化させられるこ
とができる。
【0257】図43eは、下に面する形状が優先権を与
えられている実施例をあらわしている。下に面する形状
は硬化させられて、もし高分解能材料が用いられている
とすれば形成されるのと同じ位置に形成される。図43
aの実施例とは違って、図43eの上に面する形状は、
もし高分解能の材料が用いられているとすれば実際に形
成されるであろう位置の上側に押し出されている。
【0258】上に面して優先権をもつ実施例 以下の記述は、各層に関連する必要な情報を得るための
第1の好ましい実施例を説明している。この実施例は、
WO 89/10256中に記載されているスライスプ
ログラムの用語法及び処理テクニックをベースとしてい
る。
【0259】この第1の好ましい実施例は、上に面する
形状(すなわち、上で論じられた第2の規準)に対して
優先権を与えるようにして、形状の硬化が起こるであろ
う規準をベースとしている。それゆえ、この実施例は、
図43a(上に面して優先権をもつ)に関して説明され
たアプローチと同様である。この規準は、上に面する形
状の適切な配置及び硬化のためにそれが必要とされるの
で、輪郭(及び補充)情報が各横断面にアウトプットさ
れることを要求する。もし、ある横断面の領域が上に面
する形状を含んでいなければ、その領域は当該層に関連
して固体化されてもよいし、またされなくてもよい。上
に面していない形状の硬化が起こる層は、MSDと、固
体がその領域の下に広がる深さと、上で論じられた強さ
及び形成性の規準(第1の基準)とに依存する。上に面
する形状は、これが下に面する形状をあまりにも深く硬
化させることになる場合は、それらの適当な位置で硬化
させられるであろう。その物体は、鉛直方向の形状がM
SDより薄くなるところ、及び下に面する形状が過剰な
硬化によって精度を落とすことになるところとを除き、
適切な寸法できあがるであろう。
【0260】本実施例(図43aに示されている)の形
成方法の実施において、我々は各層上にある領域を硬化
させることを必要とする。
【0261】1)適当な領域において下に面する表皮の
位置を含むFUB(すなわち、平坦な上に面する輪郭)
の全域; 2)適当な領域において下に面する表皮の位置を含むN
FUB(すなわち、ほぼ平坦な上に面する輪郭)の全
域; 3)これらの層の上において下に面する表皮の配置を含
むN個の層の厚さである全域で、Nが層厚さによって除
算された最小固体化深さに等しいもの(N=MSD/Z
S)。例えば、もしMSDが40ミルであり、ZSが1
0ミルであれば、Nは4に等しくなる;そして 4)厚さがN個の層よりも大きい全域。
【0262】この発明を実施するためのいくつかの方法
が可能である。我々は画素の正味領域を創造している画
素基盤のそばの1つの画素の上の領域を比較するといっ
た操作を用いることができた。ここで、画素は、横断面
の固体領域の内部を示しており、かつ正味の中空領域を
示しており、これによって画素が他のものに対して1つ
の状態となっている領域の縁に輪郭を創造している。
【0263】もう1つのアプローチは、セクション1に
記載されたテクニックを用いることである。セクション
1においては、正味の輪郭を決定するための方法が、異
なる層からの輪郭の比較をベースとしている。セクショ
ン1に記載されたテクニックは本発明に対して直接適用
されるかもしれない。
【0264】本発明の1つの目的は、スタイル1の複製
方法を用いて可能な限り正確にある部分を複製すること
である。スタイル1は、前に参照したWO 89/10
256刊行物及びセクション1に記載され、その物体の
X及びY方向の寸法のオーバーサイズの結果として生じ
る横断面間の不連続性をベースとする物体の複製に対し
て与えられた名称である。この方法は、形成後におい
て、それらが消える点まで適当な不連続性をふるい落と
すことによって後処理されることができる多種の物体の
複製を許容する。不連続性が消える点では、その部分は
完全であって、その物体の高精度な複製をあらわしてい
る。
【0265】我々は、各層を伴った複数の層の中で概念
的にスライスされる物体が、その物体の構造部分をあら
わしていると考える。WO 89/10256中に記載
されたスライスプログラムにおいては、各層の構造部分
はLB及びNFDBの輪郭内に囲い込まれた領域を含ん
でいる。これらの組み合わされた輪郭のタイプは“初期
横断面輪郭”と呼ばれている(ISCBS)。他方の輪
郭は、それらが上に面する又は下に面する物体表面を形
成する一方構造は形成しないので、補充され又ははぎ取
られる必要がある領域を定める。すなわち、各初期スラ
イス横断面(初期横断面輪郭内に含まれる領域)は、適
当にオーバーサイズ化されたX方向及びY方向の寸法に
期するであろう構造(もし、硬化されていれば1つの層
厚さ)の層を形成するために必要な輪郭情報を含んでい
る。このオーバーサイズにより、もし前の及び連続する
層を伴った当該層の交り部間で、その部分の縁に沿って
材料の適切な除去が行われれば、生成された構造の層
が、その物体のオリジナルなコンピュータ表示と正確に
マッチするであろう。これは、中空部容積が補充される
ように固体化された材料の適切な除去に加えて、層間で
の不連続性の適切な除去をも含んでいる。
【0266】もう1つの望ましい形成方法、スライスス
タイル3は、X方向及びY方向の寸法が小さすぎる物体
の形成に関する。スタイル3の場合は、層間の不連続性
が、厚さが0まで減少した領域とともに後処理の期間中
に補充される。
【0267】形成のもう1つのスタイルはセクション1
と同様に、WO 89/10256に開示されている。
【0268】我々は、ここで、第1の好ましい実施例
(上に面する実施例)に含まれる主なステップについて
一般的に説明する。この説明では、選択された材料のM
SDが選択された層厚さのN倍の大きさであると仮定す
る。本発明を利用するための好ましい材料及び相乗的刺
激の情報源は、用いられるであろう層厚さと、許容され
ることができるMSDのレベルと、所望の複製の精度と
に依存する。1つの好ましい材料は、スイスのバーゼル
のチバガイギによって製造されているXB 5081で
あり、これは325nmの放射光を発するHeCdレーザ
が用いられたときにおよそ5ないし8ミルのMSDをも
つ。それゆえ、ステレオリソグラフィの従来技術にかか
るテクニックを用いると、この材料は鉛直方向の厚さに
おいて、5ないし8ミルの精度をもつ高分解能の部分を
つくるために用いられることができる(本発明でとりあ
げられたエラー源のみを考慮するとき)。この同じ材料
は、本発明のテクニックと組み合わせ、かつMSDを8
ミルと仮定すれば、例えば、もしN=2の場合は4ミル
の精度でもって、あるいはもしNが4の場合は2ミルの
精度でもって、さらにはもしNが8の場合は1ミルの精
度でもって多くの部分を形成するために用いられること
ができる。もう1つの好ましい材料はロクタイトコーポ
レーションによって製造されているポッチングコンパウ
ンド 363であり、これは高圧水銀灯による相乗的刺
激が用いられたときにはMSDがおよそ30ミルとな
る。また、他には、日本の神奈川県の東京オーカコウギ
ョウ株式会社によって製造されているテビスタタイプ
I材料があり、これは高圧水銀灯による相乗的刺激が用
いられたときにはMSDがおよそ45−60ミルとな
る。例えば、テビスタのような材料を用いたときには、
MSDを80ミル、又は広い範囲にわたる構築条件の下
で適当な強さを保証できるようにこれよりも大きく仮定
するのが有利であるかもしれない。このように仮定され
た80ミルのMSDは、本発明によればなお、多数の物
体にも用いられることができ、N=2のときには40ミ
ルの精度で、さらにはN=4のときには20ミルの精度
で生成物をつくることができる。
【0269】他の好ましい材料は、他の流体状の媒体に
加えて、粉体及び相乗的刺激の適当な形態を含む。これ
らの粉体材料は、特定のタイプの相乗的刺激と組み合わ
されたときには前に説明したようなMSDをもつかもし
れないし、あるいはもたないかもしれない。もしこのタ
イプのMSDがこれらの材料に対して存在しないとして
も、それらは他のタイプのMSD(感光性ポリマのよう
な)をもつかもしれない。この第2のタイプMSDは、
ストレスに耐えるだけの十分なかたさと強さとを備えて
いる材料の厚みを形成する上での最小固体化深さという
ことであり、上記ストレスは物体の個々の層を“曲げ”
あるいは歪めようとする、したがって物体自体の歪みを
生じさせる層同士の付着から生じるものである。硬化さ
せられた材料の層の曲げに抵抗する能力は、硬化深さの
増加に伴って増加する(多くの材料に対しては、硬化深
さの3乗に比例する)。曲げ現象及びこのタイプの歪み
をアドレスするいくつかの手段は、前に参照された刊行
物の何箇所かに記載されている。とくに興味深い刊行物
はWO 89/10259、WO 89/10254、
WO 89/10801、JP(xy)及びWO 91
/06378である。
【0270】それゆえ、このような材料を用いた生成プ
ロセスは、配置の精度のロスをほとんどあるいは全くな
くすようにしている本発明にしたがって利用されること
ができるより深い硬化深さ及び薄い層から利益を得るこ
とができる。このように、本発明は、低分解能材料を用
いたときに形状の高分解能配置を達成するための極めて
有効な方法であるだけではなく、さらに複製における所
望の精度が、過度な曲げ歪みにより一般的に調節される
ことができる場合よりも薄い層を要求するときには、物
体の曲げ歪みを低減する極めて有効な方法でもある。
【0271】上に面して優先権をもつ実施例において
は、上に面する形状がそれらの配置における優先権を与
えられ、そして下に面する形状を適切なレベルまで硬化
させるためにあらゆる試みがなされる。横断面Iに関連
して硬化させられるべきものの決定に含まれるステップ
の考察において、我々は前のI−1横断面が適切な手法
で形成されてきているということを仮定する。
【0272】まず第1に、遭遇する可能性があり、かつ
与えられた横断面上でどの領域が硬化させられるべきか
の決定を行うために区別される必要があるかもしれない
硬化深さ領域に対する可能な硬化が決定されなければな
らない。この記述においては、図35に示されたのと同
様であり、かつ図36に示されたのとは異なる形成方法
が仮定される。それゆえ、固体化深さがMSDよりも大
きいときにはいつでも、常に当該レベルより下に固体化
された材料の1つの層厚さが存在する。我々は、この解
析でのさらに進んだ考察からは、図36のタイプの形成
テクニック及びこれと同様のものは除外する。なぜな
ら、それらの開発は、ここに開示されている理論を理解
した後は、通常の当業者の能力の範囲内にあるからであ
る。表1は、種々の硬化深さ領域のまとめを示してい
る。
【0273】
【表1】
【0274】領域1:この領域は少なくとも次の横断面
と、当該横断面と、少なくともN個すべての前の横断面
とに含まれる。この領域は、少なくともN+1の層(M
SD+1層)のうちの1番目の層の上側表面の下に固定
化深さをもつ。我々は図35のタイプの形成方法を仮定
しているので、我々は当該レベルの下にこの領域の1つ
の層厚さの中に配置された固体化された材料が存在する
ことを知っている。我々は、この領域の固体化レベルの
下で固体化された材料を介してプリントが起こらない適
当な硬化深さを伴ったこの領域内の材料を硬化させる。
我々はまた、この領域で硬化させられた材料が、下に面
する物体表面又は上に面する物体表面を形成するために
は用いられないということも知っている。それゆえ、も
し望むなら、開かれた硬化構造(開かれたクロスハッ
チ)がこの領域に対して適用されることができる。さら
に、この領域中の固体化された材料の形成は、層間での
付着を達成するために用いられる。もしN=4であれ
ば、この領域は少なくとも前の4つの横断面に含まれ
る。
【0275】領域2:この領域は少なくとも次の横断面
と、当該横断面と、N−1個すべての前の横断面とに含
まれる。この領域は、N層中のI番目の層の上側表皮の
下に固体化深さをもっている。我々は図35のタイプの
形成方法を仮定しているので、この領域は前の横断面に
関連しては何ら硬化を受けておらず、それゆえ前の層へ
の付着を目的としては硬化されない。それゆえ、過剰な
硬化は何ら必要とされず、MSDと等しい硬化深さが与
えられることができる。これは、固体化された材料の低
い方の表皮が、創造されている物体の特定の形状を正確
に複製するための適切な位置に形成されるという結果を
生じさせる。この領域は、物体の下に面する表皮を形成
するので、滑らかな低い方の表皮を形成するような硬化
が生じる。もしNが4であれば、この領域は前の3つの
横断面に含まれる。
【0276】領域3:この領域は、少なくとも次の横断
面と、当該横断面と、N−2個のすべての前の横断面と
に含まれる。物体を正確に複製するために、もしこの領
域が当該横断面に関連して強化させられたとすれば、こ
の領域はMSDより1層厚さだけ小さい硬化深さを要求
する(MSD−1層厚さ)。MSDのために、もしこの
領域が当該横断面に関連して硬化させられれば、1層の
厚さがあまりにも深くなる硬化が起こるであろう。しか
しながら、この領域は少なくともその上にもう1つの構
造層をもっているので、我々は当該横断面に関連してそ
れを硬化させる必要はない。我々は、少なくとも次の横
断面が形成されるまでこの領域の硬化を遅らせることが
できる。この形成の遅れは、物体のより正確な複製を許
容するであろう。もしこの領域が次の横断面に関連して
硬化させられたときには、そしてもしこの領域が次の横
断面を越えては続かないならば、それは下に面する形状
及び多分上に面する形状として扱われるであろう。もし
N=4であれば、この領域は前の2つの横断面に含まれ
る。
【0277】領域N−1:この領域は少なくとも次の横
断面に続き、当該横断面と、2つの前の横断面とに含ま
れる(N>=2と同じ長さ)。この領域は、この領域の
底部に関連し下に面する形状の配置において、N−3層
厚さのエラーを起こすことなしには、当該横断面に関連
して硬化させられることができない。Nが増加するのに
伴って(固定された層厚さ及びそれゆえMSDの増加を
仮定する)、当該横断面に関連してこの領域を硬化させ
ることに関連するエラーが生じる。我々は、少なくとも
この領域の上に1つの横断面が存在するということを知
っているので、我々は少なくともそこまではこの領域の
硬化を遅らせることができるということを知っている。
この遅延は、下に面する形状のより正確な配置、それゆ
え物体のより正確な複製を許容するであろう。もし、N
=2であればこの領域は領域1となり、それゆえ上記の
領域1と同様の特性をもつ。もしN=3であればこの領
域は領域2に対応し、それゆえ上記の領域2と同様の特
性をもつ。もしN=4であればこの領域は領域3とな
り、それゆえ上記の領域3と同様の特性をもつ。もしN
>=4であれば、この領域は2つの前の横断面(層)に
含まれる。
【0278】領域N:この領域は少なくとも次の横断面
と、当該横断面と、前の横断面とに含まれる。もしN=
2であればこの領域は領域2であり、それゆえ上記の領
域2と同様である。もしN=3であればこの領域は領域
3であり、それゆえ上記の領域3と同様である。もしN
=4であればこの領域は領域4であり、そしてそれは前
の横断面を含む。Nが2であるすべてのケースについて
は、少なくとも次の層までこの領域の硬化を遅らせるこ
とによって、複製により高い精度が得られる。我々はこ
の領域が少なくとも次の横断面まで続くということを知
っているので、この遅延は可能である。
【0279】領域N+1:この領域は少なくとも次の横
断面と、当該横断面とに含まれる。それはどのような前
の横断面も含まない。N>=2であるすべてのケースに
ついては、この領域の硬化が少なくとも次の横断面まで
遅らされ、複製により高い精度が得られる。もしN=4
であればこの領域は領域5である。もしこの領域が当該
横断面に関連して硬化されるとすれば(N=4を仮定し
ている)、この領域の底表皮はその所望の位置の下で3
層の厚さに配置されるであろう。
【0280】我々は、次にプライム“’”がつけられた
領域について考察する。これらのプライムがつけられた
領域は、それらがそれらの上にこれ以上の横断面を含ま
ないことを除けば、プライムがつけられていない領域と
同様である。それゆえ、プライムがつけられた領域は上
に面する領域を形成する。上に面する形状の適切な配置
をもたらす形成テクニックについては、これらの領域が
すべてそれらが起こる横断面上で硬化させられなければ
ならない。
【0281】領域1’:この領域は当該横断面と、少な
くともN個のすべての前の横断面とに含まれる。この領
域は次の横断面には含まれない。この領域は、少なくと
もN+1個の層(MSD+1層)の1番目の層の上側表
皮の下に固体化深さをもっている。我々は図35のタイ
プの形成方法を仮定しているので、我々は当該レベルの
下でこの領域内に1層の厚さ分だけ配置され固体化され
た材料が存在するということを知っている。我々はそれ
ゆえ、その材料を、この領域の固体化レベルの下で固体
化された材料を介してプリントが生じないような適切な
硬化深さを伴ったこの領域内で硬化させる。我々は、M
SDがサポートされていない領域に対する最小の固体化
深さであって、そしてこれはサポートされている領域で
あるのでMSDよりも小さい硬化深さを用いることが可
能であるかもしれないということに注目している。我々
はまた、この領域内で硬化された材料が下に面する物体
表皮を形成するためには用いられないが、上に面する物
体表皮を形成するためには用いられるということも知っ
ている。それゆえ、この領域は均一な上に面する表皮を
形成するために硬化されなければならない。さらに、こ
の領域内での固体化された材料の形成は、層間での付着
を達成するために用いられる。もしN=4であればこの
領域は少なくとも前の4つの層に含まれる。
【0282】領域2’:この領域は当該横断面と、N−
1個のすべての前の横断面とに含まれる。この領域は、
次の横断面には含まれない。この領域は、N個の層の上
側表皮の下に固体化された深さをもっている。我々は図
35のタイプの形成方法を仮定しているので、この領域
は前の横断面に関連するいかなる硬化も受けず、それゆ
えそれは前のレイヤへの付着を目的としては硬化されな
い。それゆえ、いかなる過剰な硬化も必要ではなく、そ
れはMSDと等しい硬化深さが与えられることができ
る。これは、固体化された材料の低い方の表皮が、創造
されている物体の特定の形状を正確に複製する適切な位
置に形成されるといった結果を生じさせる。この領域
は、下に面する表皮と上に面する表皮の両方を形成し、
それゆえ滑らかな低い方及び高い方の表皮を形成するよ
うに硬化させる。もしN=4であればこの領域は前の3
つの横断面に含まれる。
【0283】領域3’:この領域は、当該横断面と、N
−2個のすべての前の横断面とに含まれる。この領域は
次の横断面には含まれない。物体を正確に再生するため
に、もしこの領域が当該横断面に関連して硬化されるこ
とになっていれば、それはMSDよりも1層厚さだけ小
さい硬化深さを要求する(MSD−1層厚さ)。残念な
がら、この硬化深さは、構造の付着層を形成しないであ
ろう。さらに、この領域は当該横断面に関連して硬化さ
せられなければならない。それゆえ、1つの層厚さの、
この領域の下での、下に面する形状の配置にエラーが生
じるであろう。この領域は、3つの特性をもっている:
1)それは上に面する領域であり、2)それは下に面
する領域であり、そして3)それが硬化させられたとき
には、これは1層の厚さ分だけ過剰に深く固体化される
であろう。もしN=4であればこの領域は前の2つの横
断面に含まれる。
【0284】領域N−1’:この領域は、当該横断面
と、2つの前の横断面(N>=2の長さ)とに含まれ
る。この領域は次の横断面には含まれない。この領域
は、当該横断面に関連して硬化させられなければならな
いが、これはN−3個の層の硬化深さにエラーを生じさ
せる。この領域は物体の上に面する及び下に面する形状
の両方を形成し、そしてそれはそれゆえ適切に硬化させ
られなければならない。もしN=2であればこの領域は
領域1’であり、それゆえ上記の領域1’と同様の特性
をもつ。もしN=3であればこの領域は領域2’に対応
し、それゆえ上記の領域2’と同様の特性をもつ。もし
N=4であればこの領域は領域3’であり、それゆえ上
記の領域3’と同様の特性をもつ。
【0285】領域N’:この領域は、当該横断面と、前
に横断面とに含まれる。この領域は次の横断面には含ま
れない。この領域の硬化は当該横断面に関連して起こら
なければならないので、N−2個の層の、この横断面の
下で、下に面する形状の配置にエラーが生じるであろ
う。この領域は、物体の上に面する及び下に面する形状
の両方を形成するために用いられ、それゆえ適切に硬化
させられなければならない。もしN=2であればこの領
域は領域2’であり、それゆえ上記の領域2’と同様で
ある。もしN=3であればこの領域は領域3’であり、
それゆえ上記の領域3’と同様である。もしN=4であ
ればこの領域は領域4’であり、そして2層の厚さの下
に面する形状の配置にエラーが生じる。
【0286】領域N+1’:この領域は当該横断面だけ
に含まれる。それはどのような前の横断面も、またどの
ような高い横断面をも含まない。N=1であるすべての
ケースについては、この領域は当該横断面に関連して硬
化させられなければならない。それは、物体の上に面す
る及び下に面する形状の両方を形成し、そしてそれはN
−1個のレイヤをあまりにも深く硬化させるであろう。
もしN=4であればこれは領域5である。N=4の場合
は、この領域が当該横断面に関連して硬化させられたと
きにはこの領域の底表皮がその所望の位置の下で、3層
の厚さに配置されるであろう。
【0287】与えられた横断面上で起こることができる
種々の可能な領域を説明してきたが、我々は、複数の初
期の横断面から物体を形成するプロセスにおける各層を
形成するために用いられるであろう正味の横断面を決定
するために要求されるステップを続けることにする。
【0288】我々は、ある物体の“初期横断面”は、標
準的なステレオリソグラフィを用いて得られるものと考
える。各初期横断面は、いくつかの領域に細分されるこ
とができる。これらの領域は、上記のとおり、当該横断
面と、次の連続する横断面との関係でNだけ進んでいる
横断面との間の関係によって区別されている。与えられ
た横断面に関連して、すべてプライム“’”がつけられ
た領域は領域1及び2とともに硬化させられる。領域1
及び1’は、当該横断面と前の横断面との間の付着を確
実にするために用いられる。これらの領域はそれらの下
に1層厚さの固体化された材料をもっている。領域1’
はまた、上に面する表皮として機能し、それゆえ硬化さ
せられなければならない。領域2は下に面する表皮を形
成し、それゆえ硬化させられなければならない。領域
2’から領域N+1’までは、上に面する及び下に面す
る領域の両方を形成し、それゆえ硬化させられなければ
ならない。領域3’から領域N+1’は物体の幾何学的
形状により早まって硬化させられる領域であり、それゆ
え複製の下に面する形状中に導入されるエラーの変化の
度合いをあらわす領域である。
【0289】横断面“I”のための初期横断面輪郭の範
囲を決定した後、我々はそれを上で開示された種々の領
域に分割する。我々は次の初期横断面“I+1”をその
適当な領域に分割し続ける。横断面“I”のプライムが
つけられた領域は、横断面“I+1”のどのような領域
にも寄与しない。プライムがつけられていないすべての
領域は、次の横断面に寄与する。もし横断面“I+2”
がまだ領域を含んでいるならば、横断面“I”の“1”
領域は、横断面“I+1”のための“1”領域に帰す
る。もし“I+2”が領域を含まなければ、その領域は
1’領域となる。もし“I+2”が局部的にその領域を
含んでいれば、それは部分的に1領域になるとともに部
分的に1’領域となる。横断面“I”の他方のプライム
がつけられていない領域は、それらが横断面“I+2”
に続くか否かに対応して、プライムがつけられたもしく
はプライムがつけられていない領域として、または部分
的には両者として横断面“I+1”に持ち越される。し
かしながら、これらの他の領域は、もしそれらがこれに
対して先行するより高いプライムがつけられた領域の1
つに含まれることによって失われなければ、それらが領
域1又はI’に含まれるようになるまで連続する各層を
伴った1つの領域番号を落とす。
【0290】例えば、横断面Iの領域3は、横断面“I
+1”の領域2又は2’等になる。それゆえ、我々は各
横断面の異なる硬化領域がどのようにして、前の層をベ
ースとする連続する層の上に、及び後に続く層の初期横
断面輪郭上で決定されるかを示すことができる。例え
ば、横断面1(物体の第1の横断面)はN+1タイプ及
びN+1’タイプの領域だけを含むことができる。他
方、横断面2は、横断面1及び横断面3の領域がどのよ
うに横断面2等に関係するかに応じてN+1、N+
1’、N及びN’タイプの領域を含むことができる。
【0291】セクション1は、物体のデータをどのよう
にして形成可能な横断面に変換するかを決定する層比較
方法を開示している。この出願のこのセクションの第1
の実施例は、オーバーサイズの部分の形成に向けられて
いるが、本発明のテクニックは生成されたアンダーサイ
ズの部分用に容易に修正されることができる。セクショ
ン1は、上に面していない及び下に面している領域に加
えて、各横断面の上に面している及び下に面している形
状を決定するために連続する横断面を比較する方法を開
示している。
【0292】各初期横断面に関連する上記の区別可能な
領域は、当該横断面と、隣接する横断面との間の関係に
よって記載された。それゆえ、非オーバーラップ領域
(1つの横断面又は他の横断面には含まれるが、両方に
は含まれない)に加えて、オーバーラップ領域(2つの
横断面の重複する領域)を決定するために隣合う横断面
を一般的に比較する方法が、本発明を実施するために用
いられることができる。各層に関連する領域及びそれら
の硬化深さを得るためのかかる情報の処理を最適化する
ための種々の方法が存在する。例えば、我々は表2に記
載されたステップに従って、与えられた横断面の各領域
に関連する輪郭(又は領域)データを得てもよい。表2
は、任意の横断面Iのための表1に関連して記載された
領域を得るために利用されることができるブール操作を
あらわしている。これらの領域は、示されているよう
に、論理積及び差分操作によって得られるものである。
これらの操作は、*と、層(I−1−N)から層(I+
1)までの初期横断面輪郭とによって示された中間の輪
郭で実行される。
【0293】
【表2】
【0294】この一般化された上に面する実施例は、与
えられた層厚さに対して第1のタイプのMSD(MSD
よりも薄い凝集構造を形成することができない)によっ
ては規制されていないが、第2のタイプのMSD(より
高いレイヤがそれらに付着したときにはMSDよりも薄
い、曲がっていない又は曲がりの少ないレイヤを形成す
ることができない)によって規制されている材料を利用
するために修正されることができる。この場合、前の開
示においてプライムのつけられた領域が、適切な深さま
ですべて硬化させられることができる。これは、次のよ
り高い層がこれらの領域の上には存在しないので、当該
横断面のプライムが付けられた領域に関連して変換され
た材料に曲げを生じさせる、次のより高い層について留
意する必要がないからである。それゆえ、これらのプラ
イムがつけられた領域の各々は適切な硬化深さを与えら
れることができる。他方、プライムがつけられていない
領域は、前の教えに従って硬化させられなければならな
い。我々は、第1のタイプのMSDによっては規制され
ないが第2のタイプのMSDによって規制される材料/
層の厚さの組み合わせは、形状の与え違いによる精度の
低下を生じさせることなく、かつ曲がりによる精度の低
下をほとんど又は全く生じさせることなく、すべてのタ
イプの高分解能物体(鉛直方向の分解能が層の厚さに等
しい)を形成するために用いられることができると結論
づけることができる。
【0295】これは、曲げ歪みの発生をもたらさないス
テレオリソグラフィへのシンプルなアプローチにかかる
重要な改良であることをあらわしている。もしこの方法
が曲がりの低減を所望のレベルまで完全には至らせなけ
れば、これを前に参照された出願に記載された他の曲が
りの低減方法と組み合わせることが可能である。
【0296】両タイプのMSDによって規制される組み
合わせのために、形成される物体の総括的な精度を最大
にするような中間的な方法が開発されること可能であ
る。
【0297】上記の上に面して優先権をもつ実施例アプ
ローチについて、領域がMSDよりも薄くなるときに
は、形状の配置を考慮しつつ他のアプローチが開発され
ることが可能である。同様に、MSDよりも厚さ領域の
硬化を考慮しつつ他のアプローチが開発されることが可
能である。
【0298】下向き優先 他の優先の実施例と同様に、下向き優先の実施例も、下
向き優先の実施例を実施するための多くの方法がある。
これらの種々の方法は、所望のデータを得るために使用
される異なったアルゴリズムにそれらの起源を有する
か、もしくは異なったタイプのデータを得るという願望
から生じるそれらの違いを有している。たとえば、一つ
の実施例はその領域が上向きである知識を要求するかも
しれず、他の実施例はかかる情報を要求しないかもしれ
ない。他の例として、実施例は物体の曲がった内部領域
に関する所望の方法によって異なるかも知れない。かか
る違いは、図5および6の硬化の形態に描写されてい
る。
【0299】単純な下向き優先の実施例は、単純な上向
き優先の実施例と異なる一つの主要な外観を有してい
る。下向きの形状が与えられた層“I”に出会うと、形
状領域は次のN−1層を通して概念的に押し上げられる
(MSD=Nの層厚を仮定する)。この下向きの形状
は、それが導かれる層“I”の代わる硬化のための層
“I+N−1”に関連するであろう。この下向きの形状
は、MSDに等しい深さまで硬化しており、それによ
り、その部分の適当な垂直レベルにおける下向きの形状
の下面を配置する。下向きの領域が次のN−1層を通し
て押し上げられるにつれて、その領域はこれらのより高
い層の第1のN−2に関する硬化の考慮が除去される。
【0300】この上記議論はスライスした面ではない層
に関連する。層の下方領域を示すスライス面において見
られる下向きの形状を考えることができるが、その領域
では上記層に関連する垂直のレベルもしくは値は次によ
り高いスライス面の値に等しい。この次に高いスライス
面は下向きの形状を含む層の上方領域を含む層の上方領
域を示している。(上で引用した出願において教示され
ているように)現在の好ましい方法は、下向きの形状を
それらの関連する層の頂部から下方にそれらの層の底部
までそれらを硬化することにより形成する。
【0301】次のステップは、本説明の単純な下向き優
先の実施例を実施することにおいて理解することができ
る。これらのステップは、セクション1で開示したよう
に、ブール層の比較を実行する能力に基づいている。こ
れらのステップは、一度に一つの層を、その層に対する
材料の転移にしたがうデータを処理し(これは、以前に
形成された層のいくつかのメモリを要求するとともに、
上向きの領域についての知識は不要であることが仮定さ
れる)、それから次の続く層のためのデータを処理する
ことにより実行することができる。この第1の可能性は
スライスおよび必要とするデータを得ることに関連して
いる。これはときどき「スライシングオン ザ フライ
(Slicing on the Fly)」と呼ばれ
る。あるいはまた、これらのステップは材料転移に先立
って多重層で、もしくは材料を転移する前に物体の層の
全てで実行するようにしてもよい。
【0302】上記手続は、セクション1の教示により物
体の各層を処理することにより始められる。第1に、各
層に対して、下向き、上向き、および連続する(ボリュ
ーム)領域を得る。単に輪郭のみがこれらの個々の領域
に対して決定される必要がある。クロスハッチを決定し
てこの点を補充することは不要である。
【0303】標準的なステレオリソグラフィでは、LB
1(I)t、すなわち層の輪郭ベクトルは、前の横断面
に対する接着を得るために、1層の厚みプラスいくらか
の必要な超過の硬化(overcure)の深さに硬化
される。LBi(I)内の領域は完全な硬化を含むいく
つかの適切な態様(第WO91/06378号およびさ
らに以下に述べるようなスキンティニアス(skint
inuous)法もしくは部分硬化法(たとえば、ハッ
チング法)で硬化される。加えて、これらの領域は種々
の曲がり削減技術(たとえば、マルチパス、リベット、
タイルもしくは相当のもの)を含む方法により硬化する
ことができる。
【0304】標準的なステレオリソグラフィと同様に、
上記UBi(I)は領域の全上面が滑らかな上向きの形
状を形成するように転移されなければならないというこ
とを除いて、同様に硬化される。上記DBiは1層の厚
みの深さに硬化されるとともに、実質的に均一な硬化深
さが与えられて滑らかな下向きの形状が形成されるよう
に形成される。
【0305】本実施例では、上記DBi(I)はN−1
層によりシフトアップされて、層“I+N−1”、DB
f(I+N−1)の最終の下向きの輪郭となる。これは
層Iに関連した上記UBi(I)およびLBi(I)を残
す。
【0306】次に、上記DBi(I−N+1)が層Iに
シフトアップして層“I”の最終の下向きの輪郭とな
る。
【0307】次に、UBi(I)およびLBi(I)内の
領域、それはまだDBf(I)の領域である、は上記U
i(I)およびLBi(I)から除去されて、第1の変
形された上向き輪郭および層“I”、UBm1(I)およ
びKBm1(I)の連続する輪郭を形成する。
【0308】次に、上記UBm1(I)およびLB
m1(I)は、UBm2(O)およびLBm2(I)を生じる
DBi(I−N+2)(N>8)との横断面領域の除去
により第2の変形を受ける。
【0309】はじめから前層に関連している下向きの形
状がUBmn-2(I)およびLBmn-2(I)から除去され
て、UBmm-1(I)=UBf(I)およびLB
mm-1(I)=LBf(I)、ここでm=変形およびn=
Nおよびf=最終である、を形成するまで、同様の変形
が発生し続ける。
【0310】上記LBf(I)、UBf(I)、およびD
f(I)は層Iに関連して硬化される領域を表わす。
適当なクロスハッチ、補充もしくはほかの領域の転移パ
ラメータがこれらの領域に対して決定される。かかる決
定をなすための方法が前に参照した特許出願に詳細に説
明されている。
【0311】上記DFf(I)は滑らかな下面をつくる
ための適当なパラメータによってMSDに硬化される。
以下のこれらの教示によりつくられる下向きの形状は、
適当に配置される。
【0312】上記LBf(I)は、一般に一層の厚みよ
りも大きいかまたは等しい適当な深さに硬化される(正
確な深さは支持された領域に対するMSDに依存す
る)。規定により、この領域の1層の厚みを形成してい
る材料がある。さらに、規定により、この領域は物体の
上向きの形状を形成しない。したがって、この領域は適
当な深さに硬化して、完全な領域転移の必要性を顧慮せ
ずに材料の前に硬化された層への適した接着を保証する
とともに、適当に密着する層を形成する。種々の曲がり
の削減法が、もし望むならば、開きクロスハッチ構造を
含んで、この領域を転移することに利用することができ
る。
【0313】上記UBf(I)領域は、上記LBf(I)
領域と同様の深さに硬化されるが、しかし上記領域は連
続して転移された上側表皮を形成するように硬化され
て、その結果滑らかな上向きの形状となる。
【0314】この手続は、全ての層に対して行われる。
この実施例から得られるデータは実質的に高い分解度の
物体を形成するために使用することができ、それでは上
記MSDよりも薄い形状によるいかなる偏差も、上向き
の形状の上面を不正な位置に配置する結果となるであろ
う。下向きの形状が正確に配置されるであろう。これは
図43eに示されている。
【0315】図43の他の形態もしくは同様のものを実
施する実施例と同様に、他の下向き優先の実施例が可能
である。
【0316】たとえ、この開示の実施例がデータ処理を
通して硬化パラメータを得ることを目指しているとして
も、これは単に各層に関して材料の適当な転移を引き起
こさせることに対する一つの手法を開示するにすぎな
い。したがって、データ処理という言葉は、この発明の
教示による材料の転移を生じるもとの物体の記述パラメ
ータを変形するためのいかなる手段をも含むと解釈され
るべきである。この発明の教示は、より高い精度の複製
を達成することを必要とするので、物体の記述パラメー
タを解釈するとともに、厳密な1層1層の形成から分離
する態様で物体を複製することに関連している。本発明
の方法および装置はここに開示された同時多重層硬化技
術の利用によりより高い精度の複製に導く。
【0317】セクション3:曲がりバランス 図面の図45をいまより特別に参照すると、ステレオリ
トグラフ法が概略示されている。ステップS708は、
システムにより形成されるべき3次元物体を表わしてい
る、CADもしくは他のデータを、典型的にデジタルの
形態で、発生することを要求する。このCADデータは
通常、多角形の形態で面を規定しており、たとえば傾斜
表示のために、それらの面に垂直な法線を有する三角形
がいまのところ好ましい。本発明が教示するところによ
れば、曲がりバランスを達成するとともに所望の物体を
作るべく形成過程の間にデータを処理する目的のために
所望の物体の設計の物理的もしくは精神的な実施例のい
ずれかから変形されてもよい。
【0318】ステップS709において、PHIGSデ
ータもしくはその等価なものが、本発明にしたがって、
ユニークな転移システムにより、3次元物体を形成する
ことにおいてステレオリトグラフィの出力システムを駆
動するための変形されたデータベースに転移される。こ
のことについては、物体を規定している情報がストレ
ス、曲がりおよび歪みを減少させるために特に処理され
るとともに、分解度、強度および複製精度を増加させ
る。このステップおいて、材料が転移されると、曲がり
バランスを要求する領域が好ましくは決定されるととも
に、正しい取扱いのために適当に示される。
【0319】図45のステップS710は、形成される
べき3次元物体の横断面を表している個々の固体の薄層
の発生を要求する。これらの発生された個体の薄層は、
本教示によれば、3次元物体の所望の薄層と異なってい
て、最適な曲がりバランスを達成する。ステップ711
は、引き続いて形成された隣接する薄層を結合し、選択
的な硬化のためのシステム内にプログラムされている所
望の3次元物体を形成する。典型的に、ステップ710
および711は層形成の間に実行される。
【0320】したがって、本発明のステレオリトグラフ
システムは、衝突する放射、電子ビームもしくは他の粒
子の爆撃のような適当な相乗的刺激に応答して、もしく
は流体面に隣接するマスクの上にインクジェットもしく
はスプレイすることによって化学薬品を塗布する等によ
り、その物理的な状態を変えることができる形成材料
(たとえば、紫外線(UV)、可視光、もしくは赤外
(IR)の硬化可能な流動状もしくは相当のもの)の選
択された面における形成されるべき物体の横断パターン
をつくることにより3次元物体を発生する。引き続く隣
接する薄層、即時の教示により変形されたものを除く物
体の実質的に表示し対応する引き続く隣接する横断面が
自動的に形成されるとともにともに集積されて実質的に
階段状の薄層もしくは物体の薄層形成を提供し、それに
より、3次元物体が成形の過程の間で媒体の実質的に平
面もしくはスチール状の表皮から形成されるとともに描
かれる。
【0321】ステップ712は、規定された反応刺激に
応答して硬化することができる流動状の媒体を含むこと
を要求する。ステップS713は、その面における薄
い、固体の、個々の層を形成すべく指定された面におい
て、コンピュータからのデータ出力に対応して、グラフ
ィックパターンとしてその刺激の印加を要求し、各々の
引き続く層はつくられるべき3次元物体の隣接する横断
面を表している。本発明の実際的な適用において、各薄
層は薄い薄層であろうが、しかし横断面を形成するとと
もに、形成されている物体の他の横断面を規定している
隣接する薄層に接着することにおいて都合よく密着する
程度に充分厚い。即時の教示により、材料の層の部分の
転移は、必要により、実質的に均一な1層1層の形成か
ら離れて、適当な曲がりバランスおよびつくられる物体
の正しい精度を保証するようにしてもよい。
【0322】図46のステップ714は、それらが形成
されるにつれて互いの上に引き続く隣接する層もしくは
薄層を重ね合せて、種々の層を総合するとともに所望の
3次元物体を規定することを要求する。本発明の通常の
実施において、媒体が硬化するとともに固体材料が一枚
の薄層を規定するように形成するので、その薄層は上記
媒体の加工面から相対的に離れて動かされるとともに、
次の薄層は前に形成された薄層を置き換える媒体の新し
い層内に形成され、その結果、各々の引き続く薄層は重
ね合わされて他の横断面の薄層の全てと(硬化された媒
体の接着性により)総合される。
【0323】かかる横断面薄層をつくるプロセスは、3
次元物体全体が形成されるまで、繰り返される。上記物
体はそれから除去されるとともに、上記システムは他の
物体をつくる準備を行うが、上記他の物体は前の物体と
同じであるか、またはプログラムまたはステレオリトグ
ラフシステムを制御するオブジェクトデータを変えるこ
とにより形成される全く新しい物体であってもよい。
【0324】本発明は、隣接する層が信頼性よく互いに
接着するようにつくることができるとともに、形成され
た部分における層と最終の歪みとの間の曲がりを削減も
しくは減少させる方法を提供する。硬化後の歪み「クリ
ープ」はまた、曲がりバランスを伴う曲がりのよい高い
レベルによって本発明により削減される。
【0325】稼働しているステレオリトグラフィシステ
ムの現在の好ましい実施例において使用されるUV硬化
可能な材料は、スイス国、バーゼルのチバ・ガイギーに
より製造されている、XB5081ステレオリトグラフ
ィレジンである。
【0326】ステレオリトグラフィシステムの現在の好
ましい実施例のための光源は、カリフォルニア、サニー
ヴェールのライコニクスにより製造されている、モデル
4240−N HeCd マルチモードレーザのよう
な、典型的にヘリウム−カドミウム紫外レーザ発射32
5nM放射である。
【0327】曲がりは、互いの頂部で引き続く層を転移
させるときに、上向きの方向(上向きの曲がり)におけ
るステレオリトグラフの応用において一般に問題があっ
た。上向きの曲がりは、形成されている物体の下向きの
領域(物体から突き出すかまたは伸びる物体の形状もし
くは領域、図49および50参照)において特に気付き
やすいが、それはもしも支持部が形成の過程において含
まれないならば、引き続く層がその上に接着されるとき
に、下向きの形状を形成している層が上向きの力に対抗
する手段を有していないからである。しかしながら、2
つの水平ベクトルが材料の重なり領域を硬化するような
ときには、曲がりはまた層の転移面における方向におい
て可能である。通常の曲がりは、第1の硬化された要素
と接触して硬化された材料の第2の硬化された要素に向
かう方向において材料の第1の硬化された第1の要素の
曲がりを参照する。同様に、逆の曲がりは、通常の曲が
りに相対して反対の方向における曲がりであり、したが
って、第2の硬化された要素から離れた方向にある。た
とえば、第2の層を上にして第1の下の層に接着すると
きに、通常の曲がりは上向きであるが、一方逆の曲がり
は下向きであろう。本発明は、通常の曲がりが垂直上方
にあり、逆の曲がりが垂直下方にあることの用語におい
て第1に述べられているが、上記用語「通常の曲がり」
および「逆の曲がり」は、たとえば右もしくは左方向の
水平の曲がりにおいても同様に適用できる。
【0328】曲がりバランスの概念を理解するために
は、第1に、多重層における下方の曲がり、単一の層に
おける逆曲がりおよび重要な逆曲がりが単一層において
発生する硬化深さの概念を考慮することが有効である。
下向きの曲がりの概念は、曲がりが下向きの方向におけ
る形成材料(たとえば、感光性ポリマ)の層に誘起され
るということを除いて、上向きの曲がりの概念と同様で
ある。したがって、下向きの曲がりは、感光性ポリマレ
ジンもしくは他の同様の形成材料の下側の層が材料の以
前に硬化した上側の層と接触して硬化したときに起こる
歪みである。材料の下側の層が流動状態から凝集もしく
は固体状態に転移するにつれて、密度の変化が起こる。
密度のこの変化は通常、上記材料の収縮に起因する密度
の増加である。材料の下側の層が上側の層の材料よりも
大きな割合で収縮するとともに、前に形成された上側の
層に同時に接着するので、それは上側の層に充分なスト
レスを誘起してそれを下方に歪ませることができる。加
えて、発熱材料に対し、この歪みは温度の上昇および層
の形成の間の関連する拡大により増大し、冷却および接
着の後に収縮することになる。
【0329】多層の下向きの曲がりを誘起する概念は、
単一の層において逆の曲がりを誘起することと同じであ
る。重要な逆の曲がりは、層の頂部の近くの収縮の割合
が底部の近くのそれよりも小さいような硬化の充分な深
さに対して、(頂部から底部へ)層を硬化することによ
り材料の単一の層において達成することができる。はじ
めに、材料の収縮が硬化する材料の頂部近くでよりはや
く発生するかまたは硬化材料の頂部および底部において
同じ割合で発生する。層の硬化深さが増加するにつれ
て、層の収縮の割合は層の底部に相対して層の頂部の近
くで減少しはじめる。ついに、上記層の底部の近くの収
縮の割合および程度が実質的に上記層の頂部における収
縮の割合よりも大きくそれにより下向きの曲がりが生じ
る厚さに上記層が達する。たとえば、重要な逆の曲がり
がほぼ35ミル(mils)の硬化深さにおいて、スイ
ス国、バーゼルのチバ・ガイギーにより製造されたXB
−5081材料の単一の層において達成されるであろ
う。
【0330】重要な逆の曲がりが単一の層において起こ
る硬化深さは、利用されている材料の性質に大きく依存
して変化するであろう。層の上部のそれに比較して、層
の下部の材料の収縮する量が充分な係数を有して、層の
下向きの歪み(ストレイン)を引き起こす収縮による充
分なトルク(ストレス)を印加するような、層のより高
い部分におけるよりも転移材料の層のより低い部分にお
いてより急速に発生するときに、逆の曲がりが発生す
る。
【0331】いくつかの重要な材料の性質が重要な逆の
曲がりが発生する硬化深さに影響を与えることができ
る。たとえば、ベール(Beer)の法則により相乗的
刺激を大略吸収する感光性ポリマを使用すると、考慮す
べき重要な性質が、とりわけ、相乗的刺激の与えられた
タイプに対する材料の透過深さ、その単位ボリュームの
露光に対する単位ボリュームの重合の程度、重合の与え
られた程度に対する単位ボリュームの係数、その単位ボ
リュームの重合の程度に対する単位ボリュームの密度、
およびその他同様のものを含む。逆の曲がりが発生する
硬化深さは、これらの変数の適切に導かれるとともに重
み付けされた関数から理論的に決定することができる。
【0332】重要な逆の曲がりが単一の層において発生
する硬化深さを決定することにおいて使用される、臨界
的な性質、もしくは変数は、材料の透過深さである。材
料の透過深さは、材料の表皮の下の異なったレベルにお
いて異なったボリュームの要素で起る差の露光量を書き
取る。一つの透過深さがベール(Beer)の法則に従
う材料の中へ通過される度に、そのレベルにおける露光
は1/e、ここでeは2.7183に等しい定数であ
る、だけ減少する。透過深さが小さければ小さいほど、
材料の与えられた深さにおける差の露光の程度が高くな
り、したがってその上に、差の硬化を有する可能性が高
くなる。
【0333】逆の曲がりは層の上側の部分と下側の部分
との間の転移材料の差収縮に基づくものであるので、硬
化の割合はこれらの部分の間で異なっていなければなら
ず、でなければ硬化の異なったレベルにおける硬化の同
じ割合に対する収縮が異なっていなければならない。現
在のところ好ましい感光性ポリマについて、測定は収縮
が転移の割合とともに実質的にリニアに起こることを示
した。しかしながら、ある材料に関して特に最大転移の
点に近いときに、転移(たとえば、重合もしくは硬化)
において与えられた変化に対する収縮が減少することが
また観測されている。加えてしかも最も重要なことであ
るが、転移のより高いレベルが達成されるほど露光のユ
ニット当たりの転移の割合が減少することが観測されて
いる。したがって、与えられた露光に対する転移の異な
るレベル、それにより、転移の異なった割合が生じる、
材料の異なったレベルでの収縮の対応するレベルとの間
の差に逆に曲がりが支配されることを仮定することがで
きる。
【0334】転移の割合は、硬化されている特定の材料
の吸収特性および化学的性質を含むいくつかの基準に基
づいている。しかしながら、この考察に対する2つの最
も重要な性質は、与えられたボリューム要素上の露光の
入射および与えられたボリューム要素上に既に起こって
いる転移のレベルである。上記ボリューム要素が露光さ
れるにしたがって、それは転移しはじめる。上記材料が
完全な転移の点に近付くにつれて、転移の割合が遅くな
りはじめる。ついに、完全な転移点に到達すると、転移
の割合が停止する。したがって、より多い露光を受けて
完全な転移により近い単位ボリュームにおけるよりもよ
り少ない露光を受けている単位ボリュームにおける転移
のよりはやい割合を有することが可能である。ベールの
法則に従う材料から層を形成するときに、同じ状況が発
生し得る。上記層の上部が完全な転移の点に近付くにつ
れて、相対的に未転移のままでしたがって高い転移の割
合を有することができる層の低い下部よりもより低い割
合でその転移が進行する。したがって、一般的に、層の
透過深さが小さくなればなるほど、逆曲がりの影響を見
はじめるのに必要な硬化深さが浅くなる。逆曲がりが起
こりはじめる硬化深さを知ることは、層の厚み、もしく
はより特別に、曲がりバランス技術を使用して物体を形
成することにおいて使用する形成の層の厚みの選択を許
容する。一般に、標準的な応用において、形成層の厚み
は形成されている物体のすべての層に対し一定のままで
ある。
【0335】以下の議論において、層(たとえば、バラ
ンスした層、コアの層もしくはバランスしている層)も
しくは多重の層および同様のものに対する参照は、全て
の層もしくは層の単なる部分のいずれかを参照する。曲
がりバランスは一般に下向きの形状の上に層を適用する
とともに、下向きの形状は単に層の部分を包囲している
にすぎないので、層の一部だけが曲がりバランス技術に
関係する。
【0336】曲がりバランスの概念は、第1の層(もし
くは層のグループ)の間の関係を含んでおり、第1の層
は第2の層(もしくは層のグループ)を有するバランス
したもしくはコア層(たとえば、他の層により曲がりバ
ランスされている層)として作用し、第2の層はバラン
シング層(たとえば、他の層においてバランスしている
曲がりである層)として作用する。上記バランシング層
は、それが2つの層の間で最終もしくは正味の曲がりを
消去若しくは実質的に減少させるように、上向きおよび
下向きの曲がりをコア層において発生する。バランスし
た層およびバランシング層はかならずしも形成層の厚み
を使用して形成されないかもしれないが、それらの硬化
深さの結合は、所望の正味の硬化深さ、もしくは多数の
形成層の厚み(たとえば、2枚の形成層の厚み、3枚の
形成層の厚み等)である正味の厚みを生じる。バランス
したおよびバランシング層に加えて、関連する曲がりバ
ランスパラメータがある。したがって、硬化深さ、層厚
および与えられたバランスした層とともに利用される露
光を含む曲がりバランシングパラメータがバランスした
硬化深さ、バランスした層厚およびバランスした露光と
してそれぞれ知られ、そして与えられたバランシング層
とともに利用されるそれらはバランシング硬化深さ、バ
ランシング層の厚みおよびバランシング露光としてしら
れている。
【0337】2つの層がともに曲がりバランスしている
ときは、実施例は2つの層の実施例として参照されると
ともに、バランシングおよびバランスした層を露光する
ことの組合せから生じる所望の正味の硬化厚みは2層の
厚みである。3層がバランスしているときは、実施例は
3層の実施例として参照されるとともに、バランシング
およびバランシング層を露光することの組合せから生じ
る所望の正味の硬化厚みは3層の厚みである。同様に、
我々が任意のより高いオーダの多層の実施例を考えると
きにも、考え方は同じである。しかしながら、多層の実
施例の曲がりバランスのときには、いくつかの組合せが
所望の正味の厚さを選択するために典型的に利用可能で
ある。たとえば、6層の実施例では、6層の処理が完了
したときに転移した材料の下側の表皮が転移されるべき
材料の所望の下側のレベルの上にあるように、2つの層
の実施例がほぼ2つの層の所望の正味の厚みを有してい
るので、第1のバランスの2つの層(たとえば、第2お
よび第3層)が望ましい。その後、バランス下層として
ほぼ2つの層厚およびバランシング層として残る層を使
用すると、6枚の層が硬化されて6層の最終の所望の正
味の厚みおよび最低および最高の転移した面の所望の配
置を得る。与えられた実施例のために利用可能な組合せ
の数はここで議論した例の観点により明確になるであろ
う。
【0338】現在のところ好ましい材料、XB 508
1は、ほぼ7ミル(mils)(0.007インチ)の
透過深さを有するとともに、ほぼ35ミルに逆曲がりの
立上りを示す。逆曲がりの立上りに達するためのこの硬
化深さは、曲がりバランシングの2層の実施例に対して
この材料を有用にしており、それでは形成層の厚みがほ
ぼ20ミルである。たとえば、この形成層の厚みは、第
1の層がバランスした層(たとえば、それは20ミルの
形成層の厚みの代わりに15ミルのバランスした硬化深
さを有していてもよく、転移が層の上側のレベルから起
る)として形成されるのを許容するとともに、引き続く
層がバランシング層(たとえば、それは20ミルの形成
層の厚みの代わりに40ミルのバランシング硬化深さを
有していてもよく、それでは転移は前の層の上側のレベ
ルの上の20ミルである上側のレベルからはじまる)が
40ミルの2つの層の厚みに等しい正味の硬化厚みを形
成するのを許容する。括弧で表示されたバランスしたお
よびバランシング層が変化すると仮定すると、2つの層
が曲がりの量を消去もしくは実質的に削減するためにバ
ランスするべきであり、もしも2つの層が単に2枚の引
き続く20ミルの層(接着を確保するために第2の層に
関連して最小のオーバ硬化を含む)として形成されてい
れば、そのようになる。
【0339】逆に、現在のところ好ましい材料(7ミル
の透過深さを有する)は、5ミルの形成層の厚みを使用
するときに、2つの層の実施例について曲がりバランス
のための満足な材料ではない。もしも、曲がりバランシ
ングの2層の実施例が5ミルの層に望まれるならば、1
−3ミルの透過深さを有する材料を使用することが有利
であろう。
【0340】曲がりバランシングの概念は多重の実施例
に同じであるけれども、本発明は2層の曲がりバランシ
ングの実施例に関して始めにアドレス指定される。曲が
りバランシングの実施例を考えると、硬化深さもしくは
各層の露光は、1)2項の結合における曲がりをバラン
スさせること、および2)上側の層の上面から測定され
たように所望の正味の硬化厚みを転移させること、を含
む2つの目的を達成するために正しく選択されなければ
ならない。曲がりバランスは、バランシング層を充分深
くバランスした層中もしくはバランスした層の硬化の下
側のレベルを越えて硬化し、その結果、上向きおよび下
向きの硬化がバランスするとともに正味の曲がりが消去
されるかまたは実質的に削減されることにより達成され
る。
【0341】また、バランシング硬化深さが増加するに
つれて、バランシング層の幅が広くなるとともに最終物
体の形状を歪ませる傾向がある。したがって、バランシ
ングおよび他の層の硬化深さは、硬化深さ補償手段を等
して調整されなければならないが、そのいくつかは従来
技術において周知でセクション1に開示されている。
【0342】正味の硬化深さの厚みは、3つの方法:
1)もしもバランシング層のバランシング硬化深さがバ
ランスした層のバランスした硬化深さの下限を越えて伸
びているならば、上記バランシング硬化深さしたがって
その露光は正味の硬化深さを達成するために使用され
る、2)もしも正味の硬化厚みがバランシングとバラン
スした層との組み合された露光により実質的に達成され
るならば、そのときには露光の組合せは曲がりバランシ
ングを達成するのと同様に所望の硬化深さを達成するこ
とに考慮されなければならない、および3)もし正味の
硬化厚みがバランスした層のバランスした硬化深さによ
り実質的に決定されるならば、そのときにはバランスし
た層の露光は実質的に1層の厚みの硬化深さを与えるよ
うに選択されなければならない、の一つを使用して達成
される。ケース1の例として、もしも一つがベールの法
則に従う材料で形成していて重要な単一の層の逆曲がり
が2層の厚みよりもいくらか少ない硬化深さで始まるな
らば、2層の厚みの深さにバランシング層を硬化すると
ともに、1層の厚みよりもいくらか少ない値でバランス
した層に対する硬化深さを選択して下向きの曲がりが上
向きの曲がりとバランスするようにすることが望ましい
かもしれない。3つのケースのいずれにおいても、所望
の露光、プロセスが結局のところ曲がりバランシングを
達成する露光を生じるように収束するかどうかを決定べ
く最初の露光の選択に基づく反復のプロセスを予想する
理論、もしくは所望の目的を達成する必要な露光を決定
するための実験的な技術を利用することが必要である。
【0343】与えられた材料および層厚の組合せおよび
2層よりも大きい厚みを有する物体寸法に対して、2層
の実施例を使用している曲がりバランシングは不適当で
あってN層(ここでNは2よりも大きい)を有する多層
の実施例がより適切であることを示すかもしれない。曲
がりバランシングの2層の実施例が効果的であることに
対して、上記2層に接着される付加の層は上記2層に重
要な曲がりを生じてはいけない。もしも相対的に弱い材
料が使用されるならば、曲がりバランシングが2層で達
成されるかもしれないが、しかし第3もしくは他のより
高いレベルの層が組み合わされた層において上向きの曲
がりを再び導入するかもしれない。多層の実施例におい
て、2層の正味の硬化厚さの要求がN層の正味の硬化厚
みにより置換されるか、物体の2つの異なるレベルから
材料を露光することにより達成されるかもしれない、あ
るいは多層の実施例では、曲がりバランシングおよび所
望の正味の硬化厚みが物体の2つのレベル以上で材料を
露光することにより達成することができる。
【0344】単に2層の厚みである物体の寸法に対し、
およびどのような適当な露光の組合せも曲がりバランシ
ングを達成するために見つけることができない場合に
は、2層の厚み領域のいくつかの特別な処理を行なうこ
とが望ましい。2層の実施例を使用している曲がりバラ
ンシングが単に2層の厚みである物体の寸法を達成する
ことができないときには、材料が重要な逆曲がりの徴候
なしに2層の厚みに等しい材料の単一層を形成すること
ができることを仮定することが合理的である。すなわ
ち、上記2層は、単一の層として取り扱われるととも
に、結果として生じる硬化深さが2層の厚みに等価であ
るような上記2層のより高いものの上面から領域の両層
を露光するために相乗的刺激が印加される。換言すれ
ば、バランスした層は省略され(たとえば、ゼロバラン
スした硬化深さ)るとともに、バランシング層は硬化さ
れて2層の厚みの所望の正味の厚みを形成する。
【0345】上記のケース1をさらに考えると、バラン
シング層の上側の部分はコア層の上に形成して上記コア
層の上向きの曲がりを生じ、そして、バランシング層の
下側の部分はコア層の下に形成してコア層の下向きの曲
がりを生じる。曲がりが実質的に削減されるかまたは消
去される点にコア層の上向きおよび下向きの曲がりがバ
ランスすると、曲がりバランスが発生する。この概念
は、図47および47aに図示されたモデルを参照して
最もよく説明される。
【0346】図47は物体の2つのステレオリトグラフ
状に形成された層のモデルを図示している。第1の層は
(図示しない)適当な手段により支持されている。上記
2層は、引き続いて互いに硬化され、形成層厚1を有す
る第1の層LAは、形成層厚1をまた有している第2の
層LBに接着する。すなわち、第1の層LAが硬化される
と、上記SLAがエレベータプラットホームを層厚1に
等しい距離低くするとともに、第2の層LBが硬化され
てオーバ硬化d0を含む硬化深さに硬化されて第1の層
Aへの接着を確保する。点線により示されているよう
に、第1の層LAは、第2の層LBが収縮するにつれて上
向きに曲がるであろう。曲がりバランシングの概念を使
用して、図47の2層は、硬化により生じる歪みが実質
的に図47aに示すように削減されるかまたは消去され
るように、互いに関して硬化される。
【0347】詳細は図47aに戻って、図47aの物体
が曲がりバランシングを使用して形成されていることを
除いて、図47と同じ物体の2つのステレオリトグラフ
的に形成された層の第2のモデルが図示されている。図
47aの形成厚みはまた1に等しい。第1の層LAはバ
ランスした層LBDとして選択されるとともに、第2の層
はバランシング層LBGとして選択されている。第1の層
Aの硬化された部分は硬化深さdAに硬化され、それは
またバランスした硬化深さdBDである。第1の層LA
硬化深さdBD(たとえば、ここでdBD<1)に硬化され
た後、2*1に等しい層厚を形成するバランシング硬化
深さdBG(たとえば、ここで、dBG>1)である硬化深
さdBに、第2の層LBが硬化される。換言すれば、上記
第2の層LB(バランシング層LBG)が、第2の層LB
よる第1の層LAの上向きの曲がりがLBによるLAの下
向きの曲がりにより実質的に打ち消されるように、全て
の第1の層LA(バランスした層LBD)を超過に硬化す
る。したがって、第2の層LBは、第1の層LAの前に硬
化された部分の上に上側の領域IBUを含むとともに、第
1の層LAの前に硬化された部分の下に下側の領域LBL
を含む。上側領域LBUが第1の層LAに関して収縮する
とともに接着すると、それはその上に上向きの曲がりを
誘起している第1の層LAに上向きのトルクを発生する
傾向を生じる。同様に、下側の領域LBLは第1の層LA
の硬化された部分に関して収縮するとともに接着する
と、それはその上に下向きの曲がりを誘起している第1
の層LAの硬化された部分に下向きのトルクを発生する
傾向を生じる。互いに対して第1の層LAのこの硬化さ
れた部分で上向きのトルクおよび下向きのトルクをバラ
ンスさせるかまたは作用させることにより、層の正味の
曲がりが実質的に削減するかまたは消去することができ
る。
【0348】この記述はケース1の場合に適用する。し
たがって、バランスした層のバランスした露光およびバ
ランスした硬化深さは、2層の厚みに等しい正味の硬化
深さとなる適当なバランシング露光を与えられるバラン
シング層によりバランスされるように指定される。この
場合、ベールの法則に従うかまたはほぼ従う材料が使用
される。適当なバランシング露光は実質的に、前に硬化
された領域LAがあったかどうかにかかわらず2層の厚
みのバランシング硬化深さを達成するために要求される
それである。バランシング層LBの適当なバランシング
露光は、前の露光による材料の吸収特性の変化による以
前に露光された領域LAを考慮に入れなければならな
い。
【0349】前に述べたように、バランシング層LBG
関してバランスした層LBDを硬化するために必要とされ
る曲がりバランシングパラメータの値もしくは大きさ
は、使用されている感光性ポリマの材料の特性、相乗的
刺激、および層厚により第1に決定される。感光性ポリ
マの材料および相乗的刺激の組合せに対して、いくつか
の受入れ可能な形成層の厚みが利用できる。これらの層
厚の領域は曲がりバランシングの過程で利用することが
できるとともに、各材料の各形成層の厚み1に対して、
硬化を実質的に削減もしくは消去するために利用するこ
とができる曲がりバランシングパラメータの値の範囲が
ある。
【0350】この値の範囲および適当な露光パラメータ
は最適曲がりバランシングパラメータとして表されると
ともに、SLAにより利用される各感光性ポリマに対し
てSLAの制御コンピュータにストアされる。
【0351】最適曲がりバランシングパラメータは、重
要な逆曲がりが起こり始める硬化深さもしくは感光性ポ
リマの単一の層の単一の厚みに関する知識を含む経験と
理論の両方により決定することができる。
【0352】最適な曲がりバランシングパラメータを経
験的に決定するために、一連のテスト部品が、バランス
した層厚1BD、バランシング層厚1GB、およびバランス
した硬化深さdBDを含む予め決められるかもしくは与え
られたパラメータを使用することにより形成される。試
験部品はそれから各試験部品に適用される変化するバラ
ンシング硬化深さdBG(たとえば、1BG…1、51BG
21BG)で形成される。たとえば、形成層の厚み1に対
して、第1のバランスした層LBD1は、バランスした硬
化深さdBD1を有する特定されまたは予め決定されたバ
ランスした層厚1BD1を有する支持部に対して硬化され
る。バランシング層厚1BGを有する特定されるかまたは
予め定められたバランシング層LBGはそれから、第1の
バランシング硬化深さdBG(X)の領域であるバランシン
グ硬化深さdBG1を使用して第1のバランスして層LBD
に硬化されるとともに接着される。同様に、バランシン
グ硬化深さdBG(x…xn)を次第にもしくは増加して
変化させて、付加の一連の試験部品が異なる予め定めら
れた値1BD、dBD、および1BGを使用して引き続いて形
成される。結局、種々の値1BD、dBDおよび1BGに対す
るバランシング硬化深さdBG(x1…xn)の領域から、
種々の値1BD、dBDおよび1BGに対する最適の曲がりバ
ランシングの結果を達成するためのバランシング硬化深
さの最適範囲を抽出することができる。もしも、所望の
バランシング層厚1Bおよびバランスした層厚1BDが周
知である(たとえば、両方が5ミルまたは両方が20ミ
ルまたは一方が10ミルで他方が5ミル)ならば、その
ときは、バランシング露光およびバランスした露光をそ
れぞれ変化させることにより、単にバランシング硬化深
さおよびバランスした硬化深さを変化させて、そして正
しい正味の硬化厚みを生じるとともに曲がりの適当な削
減を示す適当な値を決定すればよい。これらの適当な硬
化パラメータ(すなわち、深さ関係もしくは露光関係)
はそれから、ステレオリトグラフィ技術により形成され
ている部分の層の適当に決定された層もしくは部分に形
成過程の間に適用することができる。これらの領域は、
SLICEタイプのプログラムもしくは米国特許出願第
331,644号もしくは同時出願された「ブーレアン
レイヤ コンパリスン スライス」と題する米国特許
番号第07/606,191号に開示されているような
同様のものにより決定することができる。もしも既にな
されていないならば、同様のアプローチがほかの曲がり
バランシングパラメータを決定するために使用すること
ができる。その手続は他の曲がりバランシングパラメー
タがデータから抽出されることを除いて同様である。
【0353】曲がりバランシングのための硬化深さはま
た、臨界露光、浸透深さ、露光に対する重合の程度、重
合の程度に対する収縮、収縮もしくは重合に対する係
数、およびバランスした層の重合のような周知の材料の
特性に基づいて理論的に決定することができる。
【0354】詳細は図48に戻って、曲がりバランシン
グの方法および装置を使用してステレオリトグラフによ
る形成を受ける物体が示されている。簡単のためおよび
図49a−49dに示されているように、上記物体は固
定の形成層厚1を有する4層L1、L2、L3およびL4
含んでいる。
【0355】各層は上に向いている面と下に向いている
面を含んでいる。もしも下側の面もしくは層の下側の面
の一部がほかの隣接する層により下から輪郭を接してい
ないならば、そのときはそれは下向きの領域DFとして
規定される。たとえば、図49a−49dにおいて、第
1層L1は下向きの領域DF1を有しているが、それは
(図示しない支持構造を除いて)その下のいかなる層に
もそれが接着しないからである。同様に、第2の層L2
が下向きの領域DF2を含んでおり、それは第1層L1
通過し、したがって下側の層により輪郭がつけられな
い。
【0356】一旦、各下向きの面もしくは領域が同定さ
れると、それらの各々の層のこれらの下向きの領域がポ
テンシャル曲がりバランス層PCBとして選択される。
図49a−49dに図示されているように、図べて第1
の層L1を含む下向きの領域DF1および第1の層L1
上に伸張する第2の層L2の部分を含む下向きの領域D
2を含む物体の2つの下向きの領域がある。
【0357】一旦、下向きの層もしくは領域がポテンシ
ャル曲がりバランス層PCB(たとえば、DF1:PC
1、およびDF2:PCB2)として同定および分類さ
れると、それらはどの下向きの領域がそれらの上の第2
の領域を持つかを決定するためにさらに分類される。こ
れらの下向きの領域はそのとき曲がりバランスした層も
しくは領域LBDとして表示される。したがって、下向き
の領域DF2は曲がりバランス領域LBD2として選択され
る。曲がりバランスした領域のLBD2の上の第3の層L3
の部分は曲がりバランシング層もしくはLBG3として表
示される。
【0358】下向きの領域DF1が物体の第1の層L1
あるので、それは支持部に硬化されて曲がりバランスし
た領域としてそれを表わすことは不要である。上記支持
部が(図示しない)エレベータのプラットホームに取り
付けられているので、この層は適切に硬化に抵抗するこ
とができ、それにより曲がりバランシングは一般的に不
要であろう。しかしながら、もしも曲がりバランシング
がこの層に望まれるならば、その層は(図示しない)曲
がりバランスした層LBD1として取り扱われ、(図示し
ない)上記LBD1の上の層2の部分は(図示しない)曲
がりバランシング領域LBG2として取り扱われる。
【0359】いくつかの理由のためにステレオリトグラ
フィを使用して物体を形成するときには支持物が要求さ
れる。第1に、第1の層L1に関して、エレベータのプ
ラットホームに形成されている物体のベースを取着もし
くは固定するために支持物が必要である。第2に、下向
きの領域DF2が一部の形成の過程で起こるかも知れな
い損傷から物体のその領域を保護するべく形成されるよ
うに、物体の支持されていないもしくは下向きの領域を
取着もしくは固定するために支持物が形成されてもよ
い。たとえば、上記物体がコーティングの過程で形成材
料に関してかなりの大きさの上向きおよび下向きの運動
を受けてもよい。したがって、上記物体および、最も顕
著に下向きの領域DF2は、制動、ベンディング、歪
み、もしくはそれらが正しく固定されないならば物体の
支持されない領域を単に不整列にすることができる力を
受ける。第3に、支持物は曲がりにより歪むような物体
の領域に拘束するか強固に支持することが要求される。
上記した3つの場合の各々はかなりの支持物を要求す
る。しかしながら、第3の場合は特に重要で、しばしば
他の指示物よりも多くの設計上の考慮を要求する。最初
の2つの場合は、大まかに配置された一般的な支持物に
より一般的かつ適切に取り扱われる。しかしながら、た
とえば、物体のコーナ部分は曲がりに対する第1の目標
であり、したがって、それらが歪まないように特別に配
置された支持物を典型的に要求する。しかしながら、上
記コーナ部の位置および向きは物体に依存して支持物の
設計を困難にする。その結果、曲がるコーナ部のように
拘束領域を支持する設計は時間を多く必要とする。本発
明の方法および装置によれば、曲がりは支持物のための
要求を削減していることにより削減される。したがっ
て、要求されるファイルのサイズは、CADの設計時間
および形成時間の一部がまた削減される。
【0360】一旦、種々の層と領域が識別されるか又は
分類分けされたならば、図49a〜49dの3次元物体
は、カールの釣り合いがとれた層領域(curl balanced
layer region)LBD2とカールの釣り合いをとる層領域
(curl balancing layer region)LBG3として指定され
た領域にあるのを除いて、標準ステレオリソグラフィの
露光を使用して一層ずつ形成する。カールの釣り合いが
とれた層領域LBD2とカールの釣り合いをとる層領域L
BG3に関連した新しい露光は、所定の形成層の厚さ1BG
と1BDと結びつけて使用される材料に関連する他の情報
に加えて、最適なカールの釣り合いがとれるパラメータ
の予め記憶された情報に基づいて、予め決定されてい
る。
【0361】図49a〜49dの物体を形成するとき、
物体の支持体は、エレベータプラットフォーム(elevat
or platform)に取り付けられて形成されている。その
後、上記層L1、L2、L3、L4は互いに支持体に接着し
て連続的に形成される。次いで、各層は、形成層の厚さ
1まで硬化されるか、又は、硬化される領域がカールの
釣り合いをとるために指定されてしまわないかぎり、標
準ステレオリソグラフィの手順によって、超過して硬化
させる(over cure)所望分だけ加えた形成層の厚さま
で硬化させる。一般に、各層に適用される波長は、基準
層か又はカールの釣り合いをとるために指定された層か
にかかわらず上記層を硬化させる工程において一定に保
持されているとともに、上記露光は種々の硬化深さを得
るために変化させられる。
【0362】しかしながら、放射線の波長は、カールの
釣り合いをとるのに適用されるとき、有利に利用するこ
ともできる。例えば、多重波長が、異なった形成層の厚
さを変えるために、単一の材料において多種又は多様な
透過厚さを選るのに適用することができる。同様に、放
射線の多様な波長は、上記カールの釣り合いをとる層又
は釣り合いがとれた層を変形させるために利用すること
もできる。すなわち、上記釣り合いがとれた層を変形さ
せるために短い透過度を有するものと、上記釣り合いを
とる層を変形させるために長い透過度を有するものとの
2つの異なった波長を使用することも有利である。
【0363】図49a〜49dにおいて上記波長が一定
に保持されていると仮定するが、第1層L1は層の厚さ
1に等しい深さdまで硬化させられる。好ましくはない
が、通常なされるものであるけれども、上記第1層L1
を上記エレベータプラットフォームの支持体に接着させ
るのに十分な過剰硬化深さ(overcure depth)もまた与
えられる。好ましいアプローチは、上記第1層L1に層
の厚さの硬化深さを付与し少なくとも第1層と関連した
支持体の少なくとも1つの付加層(過剰硬化を含む)を
形成することによって上記支持体に確実に接着させるこ
とである。次いで、上記エレベータプラットフォーム
が、上記層の厚さ1に等しい正味の増加分の距離だけ相
対的に低下して、上記第2層L2が塗布され硬化される
のを許容する。
【0364】上記第2層L2は、第1領域L2Aと上記カ
ールの釣り合いがとれた層領域LBD2を指定した第2領
域とを含む異なった露光を必要とする2つの領域に分類
される。従って、上記第2層L2は、標準ステレオリソ
グラフィのカール深さと第1領域L2Aのための露光と、
上記釣り合いがとれた層領域LBD2のための釣り合いが
とれた層の露光と釣り合いがとれたカール深さdBDとを
使用しつつ硬化される。従って、上記第2層L2の上記
第1領域L2Aは、第2層L2を第1層L1に接着するのに
十分な過剰硬化深さd0を加えた上記層の厚さ1BD(こ
こでは1BD=1)に等しい深さdまで硬化される。しか
しながら、相乗的刺激により上記カールの釣り合いがと
れた層領域LBD2を硬化するとき、上記露光が、材料を
硬化深さdまで変形させるように計算された露光から、
上記層の厚さ1以下となることがある釣り合いがとれた
硬化深さdBDまで材料を変形させるように計算された釣
り合いがとれた露光まで変わる。釣り合いがとれた硬化
深さdBDと釣り合いをとる硬化深さdBGの種々の組み合
わせのいくつかの例が、図49a〜49dに示されてい
る。上記カールの釣り合いがとれた層領域LBD2がウェ
ブまたは同様なもので支持されることができる。上記カ
ールの釣り合いがとれた層領域LBD2は硬化されにくい
ものであるが、可能な限り小さな硬化深さのために相対
的に弱くなることがある。従って、一般的な支持構造が
役に立つことがある。
【0365】また、第3層L3は、第1基準領域L3A
上記カールの釣り合いをとる層領域LBG3を指定した第
2領域とを含む2つの領域に分類されている。上記第1
領域L3Aは基準層として硬化される。この基準層は、層
の厚さ1BG(ここでは1BG=1)と、上記第1領域L3A
を上記第2層L2に接着させるように(もし可能なら
ば)適当な過剰硬化深さd0を加えた層の厚さ1BGに等
しい硬化深さdとを有している。レーザ又はそれと同様
なものにより上記カールの釣り合いをとる層領域LBG3
を硬化するとき、釣り合いをとる硬化深さdBGまで上記
硬化深さdを増加させるのに、適当な露光まで露光を変
える。この釣り合いをとる硬化深さdBGは、図49a〜
49dの例に示されたように、上記第2層L2(dBG
21)に加えた第3層L3の厚さ以下であることがあ
る。しかしながら、それは、L3Aにおいて単に接着目的
のために使用された露光を超えるものである。
【0366】図49a〜49dを詳しくみると、種々の
異なった釣り合いをとる硬化深さと釣り合いがとれた硬
化深さの1つが必要とされており、それは、材料の特性
と利用される形成層の厚さによって決まる。図49aに
おいて、カールの釣り合いをとることは、上記形成層の
厚さ1未満の釣り合いがとれた硬化深さdBDと、上記釣
り合いがとれた層の厚さ1BDと上記釣り合いをとる層の
厚さ1BGとを加えたものに等しいものであって上記固定
された形成層の厚さの2倍である釣り合いをとる硬化深
さdBG(dBG=1BG+1BD=21)とを使用して達成し
ている。
【0367】図49bにおいては、カールの釣り合いを
とることは、上記層の厚さ1に等しい釣り合いがとれた
硬化深さdBDと、上記形成層の厚さの2倍21に等しい
釣り合いをとる硬化深さdBGとを使用して達成してい
る。
【0368】図49cにおいては、カールの釣り合いを
とることは、上記層の厚さ1に等しい釣り合いがとれた
硬化深さdBDと、所定の材料に対する基準接着過剰硬化
厚さdOに加えた1つの形成層の厚さ1を加えたもの
(1+dO)より大きいが上記形成層の厚さの2倍21
未満である釣り合いをとる硬化深さdBGとを使用して達
成している。
【0369】図49dにおいては、カールの釣り合いを
とることは、1つの形成層の厚さ1未満の釣り合いがと
れた硬化深さdBDと、1つの層の厚さ1より大きいが上
記形成層の厚さの2倍21未満であって組み合わされた
露光により21に等しい正味の硬化厚さとなる釣り合い
をとる硬化深さdBGとを使用して達成している。
【0370】最後に、上記第4層L4は、第4層L4を第
3層L3に接着させるのに十分な過剰硬化dOと層の厚さ
1に等しい硬化深さdとを加えたものまで、基準層とし
て、硬化させられる。3次元物体の複雑さにより、釣り
合いをとる層と釣り合いがとれた層のそれぞれを持つ多
数のカールの釣り合いをとる領域がありえる。さらに、
物体の同一の層又は横断面の異なった部分は、釣り合い
をとる層と釣り合いがとれた層として機能することがで
きる。単純な例は、10個の横断面すなわち層L1〜L
10に分類された3次元図形又は物体を示す図50に描か
れている。そこには、2つのカールの釣り合いをとる領
域CB1とCB2とがある。第1のカールの釣り合いをと
る領域CB1は、層L4のある部分において釣り合いがと
れた層LBD4と、層L5のある部分5Aにおいて釣り合い
をとる層LBG5とを有している。第2のカールの釣り合
いをとる領域CB2は、層L5のある部分5Cにおいて釣
り合いがとれた層LBD5と、層L6のある部分において釣
り合いをとる層LBG6とを有している。よって、第5層
5は、釣り合いをとる層として機能する部分5Aと、基
準層として機能する部分5Bと、釣り合いがとれた層と
して機能する部分5Cとを有している。
【0371】本発明の第2実施例は、一度に3以上の層
のカールの釣り合いをとることができるものである。第
2実施例は、任意の層の厚さに適用できるけれども、こ
の実施例は、特に、利用される上記形成層の厚さ1が相
対的に薄いときに役に立つものである。この利点は、薄
い層は通常は相対的に弱いという事実から生じ、さら
に、2つの層の実施例と関連したカールの釣り合いを達
成するように上記材料と相乗的刺激とが不適当に組み合
わされた状況から生じている。上記2つの層の実施例が
たとえ実施されたとしても、3層又はそれ以上の高い層
が標準的な技術を使ってそれらの上で変形させるとき、
ある釣り合いがとれた層では、なおも、相対的に弱い組
み合わされた強度を有し、それによりカールが生じてい
る。従って、2層の厚さより大きいものであって付加層
の次の標準的な適用から生ずる任意のひずみ応力に耐え
る網状の構造に結果としていたるカールの釣り合いをと
る技術を適用することがより適当である。
【0372】図51を詳しくみると、物体は、大略CB
で指示されたカールの釣り合いをとる領域を含む7層L
1〜L7を有するように図示されている。カールの釣り合
いをとる領域CBは、多層構造か、すなわち、より詳し
くは、3層のカールの釣り合いをとる実施例に従って変
形される3層構造である。この実施例は図51Aと図3
〜9Bに示されており、カールの釣り合いをとるように
3層の実施例を変形させるサンプルとしての方法を示し
ている。基準層と領域を形成する方法が上記3層の実施
例に向けられているので、解説はカールの釣り合いをと
る領域CBに限定される。単純化するため、カールの釣
り合いをとる領域CBに図示された3〜5層L3〜L5
部分が完全な層として取り扱われる。
【0373】3層の実施例においてカールの釣り合いを
とるいくつかの方法がある。それらの総ては、それぞれ
釣り合いをとる層及び釣り合いがとれた層並びにそれら
の関連した硬化深さと露光を同一化することを要求して
いる。図51aに示されたように、もし2層の実施例が
カールに耐えるのに十分な強さがあるのであれば、3層
領域CBのカールの釣り合いをとるための単一の解決策
は、第1実施例において記載された任意の方法を使用し
て(例えば2層の実施例を使用して)第3層L3と第4
層L4とのカールの釣り合いをとり、そして、第4層L4
(又は釣り合いをとる層LBG4)の上面の第5層L5を、
第5層L5に接着するように十分な過剰硬化dOで基準硬
化深さd5まで硬化させる。
【0374】他のアプローチとしては、図51bに示さ
れるように、第3層L3の任意の初期変形を回避し、カ
ールの釣り合いがとれた層として第4層L4を取り扱
い、dBD4(ここでは、dBD4≦21)の硬化深さを付与
し、カールの釣り合いをとる領域として第5層L5を取
り扱い、dBG5(ここでは、DBG5=31)の硬化深さを
付与することを含んでいる。代わりに、第3層L3と第
4層L4のカールの釣り合いがとれた部分又は釣り合い
をとる部分を変形させるのに対比して、これら両方の層
は回避されて、第5層L5は、3層厚さ(図示せず)に
等しい硬化深さまで単一の層として硬化させることがで
きる。
【0375】図51cを参照すると、所定のカールの釣
り合いをとるパラメータに依存する別の実施例が、3層
全部にカールの釣り合いをとる技術を適用するカールの
釣り合い領域CBに対するものである。よって、第3層
3は、釣り合いがとれた硬化深さdBG3を有する釣り合
いがとれた層LBD3を最初指定しており、釣り合いをと
る硬化深さdBG4を有する釣り合いをとる層LBG4を最初
指定している第4層L4に関係して硬化される。状況に
より、上記2層はほぼカールの釣り合いがとられるが、
所望の硬化深さに合わない正味の(net)硬化深さを
有することがある。この組み合わされた層は第5層L5
の露光によってカールの釣り合いがとられ、よって、釣
り合いがとれた層L(LBG4BD3BDとして指定され
る。従って、第5層L5は、釣り合いをとる層LBG5とし
て指定され、上記3層においてカールの釣り合いがとら
れるようにカールの釣り合いがとれた層L(LBG4
BD3BDに関係して(例えば、3層の厚さに等しい)釣
り合いをとる深さdBG5まで硬化される。
【0376】図52に第3実施例が示される。この図5
2は、16層に分けられていることを除いて図49、5
1に示された物体と同様な物体を図示している。種々の
領域を同一化するため、図49、51において説明され
たのと同一の検討が最初になされる。よって、第7層L
7は下向きに向けられた(downfacing)面DF7を有して
いる。下向きに向けられた面DF7の上の第7〜12層
7〜L12を含む6層があるので、多様なカールの釣り
合いをとる実施例が可能である。この例では、カールの
釣り合いをとる4層の実施例が使用されている。
【0377】カールの釣り合いをとる4層においては、
カールの釣り合いがとれた層LBDとカールの釣り合いを
とる層LBGとを定義することが要求される。もちろん、
先の複数の実施例に図示されたように、多層のカールの
釣り合いをとる実施例に含まれた層の数が大きくなれば
なるほど、利用できるカールの釣り合いをとる選択の数
が大きくなる。カールの釣り合いを取る手順は、(釣り
合いがとれた層と釣り合いをとる層を決定することを除
いて)すべての実施例において同一であるので、多くの
これらの変形例は4層の実施例に単に特定しているにす
ぎないものであり、種々の組み合わせを図示する。
【0378】カールの釣り合いがとれた層が、他の層が
連続して形成されるときカールに耐えるのに十分に強い
ものであるならば、最初の自明のカールの釣り合いをと
る変形例は4層未満の層を有する実施例を利用するもの
である。例えば、もし3層の実施例が、材料の前もって
変形した3層の厚さ以上まで(標準的な技術を使用し
て)第4層が変形させられるとき、カールに耐えるのに
十分な強度の構造を生み出すものであるならば、図51
に関して解説された任意の技術は、図52の物体に対し
てカールの釣り合いをとる方法を実行できるようにな
る。すなわち、層L7〜L9は3層の実施例のカールの釣
り合いをとる変形例の1つを使用してカールの釣り合い
をとることができる。そして、第10層L10は第9層L
9まで変形させることができる。同様に、もし適切なら
ば、第7層L7と第8層L8との釣り合いをとり、それか
ら第9層L9と第10層L10とを変形させるように標準
的な技術を使用するのに、2層の実施例のカールの釣り
合いをとる技術が適用できる。他のアプローチとして
は、カールの釣り合いをとる技術と他のカールを減少さ
せる技術との組み合わせを利用することもまたできる。
【0379】特に、4層の実施例については、第9層を
釣り合いがとれた層LBD9として指定することができ、
1より小さい釣り合いがとれた硬化深さdBD9から31
まで(例えば、0<dBD9≦31)の任意の値まで硬化
させることができる。次いで、層L10は、もちろん、上
記解説されたようにカールの釣り合いをとるパラメータ
により、21より大きい値から41までの範囲(例え
ば、21<dBG10≦41)にあることがある釣り合いを
とる硬化深さdBG10を有する釣り合いをとる層LBG10
ある。これらのガイドラインを使うことによって、種々
の層が同じものとして取り扱われる(identify)ととも
に上記SLAに入力されて、変形が開始される。
【0380】第7層から第9層L7〜L9の最初の部分
(カールの釣り合いをとることの無い部分)が、標準ス
テレオリソグラフィの手順とパラメータを使用して連続
的に硬化される。走査レーザに関して、第7層のオーバ
ーハングした又は下向きに向けられた領域と第8層のオ
ーバーハング領域とが、レーザが第9層L9に達するま
で、向けられることはない。言い換えれば、このアプロ
ーチでは、第7層L7の下向きに向けられた部分の上の
第8層L8の部分と同様に第7層L7の下向きに向けられ
た部分も、標準的な露光を使用して硬化される第7層又
は第8層のカールの釣り合いをとることの無い部分の変
形に関連して変形はしない。最初に、第9層L9の第1
部分が標準的な露光を使用して硬化される。次いで、露
光を、釣り合いがとれた層LBD9を釣り合いがとれた硬
化深さdBD9まで硬化させるための釣り合いがとれた露
光に変える。次いで、レーザは、標準ステレオリソグラ
フィの露光を使用してそれが釣り合いをとる層LBG10
始めの部分に達するまで第10層の第1部分(カールの
釣り合いをとることの無い部分)を硬化する。次いで、
レーザをカールの釣り合いととる露光まで変えて、釣り
合いをとる層LBG10を釣り合いをとる硬化深さdBG10
で硬化させて、この例では、図49から伝わってくるよ
うに、第7層から第10層までの組み合わされた層の厚
さ(すなわち、17+18+19+110=41)に等しい
ものである、釣り合いをとる硬化深さdBG10を得る。次
いで、残りの層は、物体が完全に形成されるまで、標準
ステレオリソグラフィの手順又は必要に応じてカールの
釣り合いをとる手順を使用して硬化される。もちろん、
これは、上記4層の実施例が、第11層L11と第12層
12とによって引き起こされたカールに耐えるのに十分
な強さをもっていると仮定したものである。他のカール
の釣り合いをとる実施例は、もちろん、利用でき、この
分野の熟練者にとって明白である。
【0381】さらに、カールの釣り合いをとる技術の記
載が垂直方向上向きのカールに関してなされるけれど
も、部分が上下逆さまに形成されるときの下向きのカー
ルと、部分が横に形成されるときの横のカールと、種々
の形の水平方向のカールすなわち変形した材料のライン
が単一の層において互いに接触して形成されるとき形成
軸に垂直な平面でのカールとを含む他の形のカールに適
用することもできる。例えば、垂直方向の層の平面図を
示す図53に示されたように、コアすなわち釣り合いが
とれたラインABDが、相乗的刺激のきっちりと焦点を合
わせたビームを使用して変形させられる。
【0382】その次に、釣り合いをとるラインBBGが、
焦点が合っていないビームを使用して変形させられるこ
とによって、第1部分BBG1と、一点鎖線によって示さ
れたように水平方向のカールの釣り合いをとることがで
きる第2部分BBG2とを有する、変形された釣り合いを
とるラインを形成する。代わりに、図54に示されたよ
うに、上記釣り合いがとれたラインABDのいずれか1つ
の側面が、変形した領域1、2、3、4によって示され
たように連続的に変形させて、釣り合いをとるラインB
BGを形成することができる。よって、上記釣り合いをと
る層BBGの端部に到達して最後の領域Nが変形されるま
で、上記釣り合いがとれたラインABDのいずれか1つの
側面が連続的に変形される。
【0383】この明細書において以前記載したように、
単一の材料と相乗的刺激源の組み合わせが、種々の層の
厚さが物体を形成するときに使用されるときでも、カー
ルの釣り合いをとるのを効果的に実行するのに使用する
ことができる。この材料と相乗的刺激源の組み合わせ
は、2層の実施例又は多層の実施例において使用して、
所定の層の厚さに対してカールを最も効果的に除去する
ことができることがある。代わりに、特別な実施例(例
えば、2層の実施例)に単一の材料を適用する範囲は、
上記材料とともに相乗的刺激の異なった透過度を利用す
ることによって、大略増加させることができる。例え
ば、所定のUV硬化可能な材料が、1つの波長をもつ長
い透過度と、他の波長を持つ短い透過度とを有すること
もできる。上記長い透過度は、相対的に厚い層を有する
2層の実施例に適用することができる一方、上記短い透
過度は、相対的により薄い層を有する2層の実施例に適
用することができる。よって、もし所定の材料が、第1
の波長を持つ7ミル(miles)の透過度と、第2の波長
を持つ1〜3見る(miles)の透過度とを有するなら
ば、この材料と第1の波長は、20ミルの層の厚さに効
果的に適用することができる一方、上記材料と第2の波
長は5又は10ミルの層の厚さに効果的に適用すること
ができる。
【0384】さらに、上記釣り合いがとれた層及び釣り
合いをとる層が異なった透過度を使用して硬化させるこ
とができる他の実施例を考え出すこともできる。例え
ば、上記釣り合いがとれた層が短い透過度の放射線で硬
化させることができて、より固くすることができる一
方、長い透過度の放射線を使用して上記釣り合いをとる
層が硬化させられて、(カールの釣り合いをとる硬化が
残っている限り)より早く所望のカールの深さを得るこ
とができる。適当な波長と硬化パラメータの決定は、先
に解説された経験的な又は理論的な方法によって簡単に
得ることができる。ここでは、上記透過度は変数の1つ
でもある。
【0385】これらの釣り合いをとる技術は、ステレオ
リソグラフィで部品を形成するときカールを除去するか
又は減少させるように効果的に適用されうる。ここまで
は、上記カールの釣り合いをとる技術が、3次元物体を
複数の層にスライスしつつ、ステレオリソグラフィの工
程において実行されうるように記載されてきた。しかし
ながら、カールの釣り合いをとる上記の方法が上記工程
において種々の点で実行することができるということを
理解することが重要である。
【0386】特別な形状と大きさを有する物体の設計
は、CADシステムのデータのような物理的設計、物理
的モデル、又は精神的なイメージによって表すことがで
きる。この初期設計は、物理的に物体を製造するか又は
再生するのに使用されるであろう方法にほぼに基づいた
ものではなく、従って、製作のために変更されることが
ある。例えば、物体を形成するときに使用すべき上記形
成層の厚さよりすべての垂直方向の形状が大きくなるよ
うに上記設計を変更することがある。本発明に関して
は、カールの釣り合いをとる方法を実行するため元の設
計を変更することがある。例えば、カールの釣り合いが
とられるべき下向きに向けられた形状としては、所望の
位置の上の1以上の層を上方に移動させることができ
る。そして、同等の形状としては、変更された下向きに
向けられた形状の位置の上の1つの層を作り出すことも
できる。次いで、上記変更された下向きに向けられた形
状により釣り合いがとれた層の露光と硬化深さとを与え
ることができる一方、上記同等の形状により釣り合いを
とる層の露光と硬化深さを与えることができる。ここに
おいて、元の物体の設計の適当な垂直方向の位置に位置
している上記下向きに向けられた形状をなす硬化深さを
上記組み合わされた露光によりもたらす。そのような変
更は、本発明の方法及び装置内に含まれるべきものであ
る。
【0387】ステレオリソグラフィの方法では、形成設
計において物体の設計を変更することができ、従って物
体を形成するために使用される個々の横断面にスライス
できる。横断面にスライスする間又はスライスした後に
おける変更はカールの釣り合いをとるためになすことが
できる。そのような変更の例は先に記載されている。こ
れらの変更は、カールの釣り合いをとる領域の所望の変
化又は分離を案内するようにプログラムされたコンピュ
ータ又は同等のものによって達成することができ、従っ
て、それらは本発明の方法と装置の範囲内に入るもので
ある。
【0388】(元のデータセットからカールの釣り合い
をとるための偏りをもって又は偏りなしに)形成される
べき物体に対応する横断面データ又は物体パラメータ情
報を形成した後、形成するプログラムによってステレオ
リソグラフィにより物体を作ることができる。さらに、
上記データ又は物体パラメータを変更又は操作すること
により、物体の形成におけるカールの釣り合いをとる方
法をもたらすこともできる。そのような操作は、露光パ
ラメータの仕様と制御、又はカールの釣り合いがとれた
領域又はカールの釣り合いをとる領域として取り扱う領
域を決定することも、含むことができる。
【0389】要するに、本発明のカールの釣り合いをと
る方法の範囲は、元の物体の設計に対する変更(すなわ
ち、所望の物体の形状からの変更)から物体の形成工程
中の変更までを含んでいる。本発明のカールの釣り合い
をとる装置の範囲は、元の物理的(CAD設計又はそれ
と同等のもの)物体の設計を変更する装置からカールの
釣り合いをとるパラメータを使用して物体を形成する装
置までを含んでいる。
【0390】好ましい実施例の説明 セクション4: 薄い補充層を含むことによって3次元
物体の改良された表面の分解能 本発明の好ましい実施例は、上向きに向けられた形状の
表面欠陥を補充することと下向きに向けられた形状の表
面欠陥を補充することを識別するものである。上向きに
向けられた形状と下向きに向けられた形状はWO89/
10256により詳しく記載されている。簡単に言え
ば、複数の構造層で形成された物体においては、「上向
きに向けられた(up-facing)という用語は、第2の構
造層の上面の延長領域と、第2構造層の上に位置した隣
接する第1構造層の端部とによって輪郭をなす物体表面
のある領域であって、上記第2構造層の端部が上記延長
領域によって上記第1構造層の端部を越えて延びている
領域に関するものである。「下向きに向けられた」(do
wn-facing)という用語は、第2の構造層の下面の延長
領域と、第2構造層の下に位置した隣接する第1構造層
の端部とによって輪郭をなす物体表面のある領域であっ
て、上記第2構造層の端部が上記延長領域によって上記
第1構造層の端部を越えて延びている領域に関するもの
である。下向きに向けられた領域と上向きに向けられた
領域の上記定義は、この出願の必要のためのものである
が、しかしながら、一般には、下方から輪郭が定められ
ない1つの層の任意の領域が、下向きに向けられた領域
であり、同様に、上方からの輪郭が定められない1つの
層の任意の領域が、上向きに向けられた領域である。
【0391】下向きに向けられた形状の表面欠陥の取り
扱いについて、まず、扱う。図56a〜56eのすべて
が、下向きに向けられた形状での表面欠陥を補充する補
充層を形成する種々の方法を図示している。これらの図
のそれぞれにおいて、同じような要素は同じような番号
がつけられている。特に、短い第1構造層は806、第
2構造層は805、第1構造層の端部と第2構造層の端
部はそれぞれ806’と805’、第2構造層の下面の
上記延長領域は識別する805''の参照番号がつけられ
ている。上記表面欠陥は、物体の表面の下向きに向けら
れた領域と物体を表示する外形面(envelop)との間の
偏りを含んでいる。物体の表面の下向きに向けられた領
域は、第2層の延長領域805''と第1層の縁806’
とによって輪郭をなしている。上記偏りは、順に、物体
の表面のこの下向きに向けられた領域と物体を表示する
外形面810とによって輪郭をなしている。
【0392】本発明のひとつの特徴は、表面欠陥を少な
くするように薄い補充層を使用することである。上記表
面欠陥を少なくするように付け加えられた薄い補充層
は、807a、807b、807cの参照番号がつけら
れている。図に示された各層は、構造層と補充層の両方
は特別な順番で形成されており、各層が形成される順番
は、その層に対応する番号によって示されている。
【0393】図56aにおいて、第1の例が図示されて
いる。この例では、材料の加工表面がレベルL1に位置
しているとき、加工表面において材料に相乗的刺激に選
択的に露出されることによって、構造層806がまず形
成される。ステレオリソグラフィの原理によれば、材料
は流動可能なタイプのものであり、相乗的刺激に選択的
に露出されるときに選択的に物理的変形を生ずることが
できるものである。層806はある厚さがあり、感光性
ポリマのような周知の材料を使用して所定の厚さを得る
のに必要な露光は、WO89/10256により詳細に
記載されている。
【0394】次に、補充層807aは上記加工表面に位
置した材料の露光によって、上記加工表面に関して長手
方向に形成されている。また、層807aは加工表面が
レベルL1にある間、形成される。しかしながら、層8
07aは上記加工表面における材料の上記相乗的刺激に
対して大略低減させられた露出されることによって、層
806の厚さより小さい厚さで形成される。この例で
は、層807aは、変形における材料の自然な接着性に
より端部806’に接着する第1端部807a’を有し
ている。
【0395】また、層807aは、図示されるように、
物体の表示の外形面810に対して当接する第2端部8
07a''を有している。
【0396】次いで、上記加工表面がなおもレベルL1
である間、層807aの下面807a'''の下の材料を
露光し変形させるのに充分な露光で層807aの上面8
07a'''の少なくとも一部を露光させることによっ
て、層807aの下面807a'''の下方に、加工表面
に関して長手方向に層807bが形成される。図示され
るように、形成において、先に記載されたように、変形
における材料の自然な接着性により、層807bは、層
807aの下面に少なくとも一部が接着される上面と、
上記第1構造層の端部806’に少なくとも一部が接着
される第1端部とを有する。また、上記層は外形面81
0に対して少なくとも一部が当接する第2端部を有して
いる。
【0397】層807bの形成により図56aの方法の
重要な特徴を描き出している。それは、加工表面に関し
て部分的に形成された部分を移動することなしに他の補
充層の下方において、層807bのような補充層を形成
することである。
【0398】WO89/10811においてより詳細に
説明されているように、層807bを形成するのに必要
とされる露光の増加分は、層807aを形成するために
既に適用された露光と、層807bの必要された厚さに
よって、決定することができる。
【0399】次いで、その上、加工表面がレベルL1に
ある間、層807bの下面の下方に位置した材料を変形
させることによって、層807bに対するのと同様な方
法において、層807cが長手方向に形成される。層8
07cを形成するのに必要とされた露光に関して、これ
は、層807aと807bとを形成するように既に適用
された露光によって決まる。その上、層807cの厚さ
は層806の厚さより小さいものである。また、形成に
おいて、層807aと807bのために先に記載された
方法と同様に、層807cの上面は層807bの下面に
接着されるとともに、層807cの第1端部は第1構造
層の端部806’に接着させられる。層807aと80
7bに関して先に記載されたのと同一の方法で、層80
7bの第2端部が外形面810に当接する。
【0400】その層806、807a、807b、80
7cは、加工表面がレベルL1にある間、全て形成され
る。その結果、もし、部分的に形成された部分の間にお
ける相対的な移動を引き起こす手段がZステージのエレ
ベータに連結されたプラットフォームであるならば、そ
のプラットフォームとエレベータはこれらの層を形成の
始めから終わりまで移動させられる必要はない。
【0401】次いで、層806の上面と層807aの上
面を含む部分的に形成された部分は、加工表面に関して
低くなり、これらの上面の上に新たな材料が塗布される
ことになる。この材料が定着したのち、形成材料の新た
な層が上記上面の上に形成され、この新たな層の上面で
あるレベルL2において材料の新たな加工表面を再形成
(redefined)する。通常は、加工表面の下方の部分的
に形成された部分を下方に下げてすぐに上げることによ
って、この低くする動作が行われる。他の相対的な移動
手段は、材料に加えたり又はコンテナーから材料を抜き
出したりするための手段、又は部分的に形成された部分
に関してコンテナーそれ自体を移動させるための手段を
含むことが可能である。この次の解説においては、先に
変形させられた層の上の材料の新たな層を形成するため
の時間は、「再塗布時間(recoating time)」として述
べられるとともに、先に変形させられた層の上の第1層
を形成するための方法は、「再塗布方法」又は「再塗布
工程」として述べられる。この点では、変形していない
材料の層は、形成層805を見越して適当な厚さで形成
されている。それで、この層は、再形成された加工表面
での材料の相乗的刺激に対して選択的に露出されること
によって変形させられる。図示されたように、この層
は、先に記載された方法で、補充層807aの上面と構
造層806の上面に接着される下面と、外形面810に
対して当接する端部805’とを有している。
【0402】この例での重要な利点は、加工表面がレベ
ルL1に位置している間にその層806、807a、8
07b、807cの全てを形成することができて、構造
層を形成するのに必要とされる以上に必要とされる追加
の再塗布時間は無い。
【0403】一方、上記方法には、第1層(図示におけ
る層807a)の後に各補充層を形成するために必要と
される露光は先の層を形成するのに既に使用した露光に
よって決まるので、補充層の厚さは制御するのがより困
難なものとなるという僅かな不利な点があることであ
る。他の不利な点は、走査の速度を制御の限界を越える
ことがあるビームの走査速度が要求されるくらいに、第
1補充層を形成するのに使用された露光が非常に低くな
る。従って、この速い走査を達成するため、より速くか
つより適当なセットの走査ミラーを使用しなければなら
ないか、又は相乗的刺激の強度をある方法で小さくしな
ければならない。これは、順に、上記方法をより困難で
かつより高価なものとする。他の不利な点は、層807
a、807b、807cの構造強度が小さくなることが
あるということである。これらの層は、上の方から、形
成される次の構造層805まで、これらの層が接着され
た後に、より大きな強度を得る。しなしながら、これが
生じる前に、これらの層は、形成層805を見越して新
たな材料で層806の上面を塗布することになるような
力を受け易いものであることがある。これらの補充層
は、層805に対して接着する前に、これらの力に抵抗
するのに充分な凝集性又は剛性が足りないことがある。
接着のため又は下向きに向けられた形状を形成するため
に領域が使用されるか否かによって層を形成するために
付与される露光は領域ごとに変化することもできる。例
えば、層805''の近くの層805の端部が下向きに向
けられた領域を形成するとともに、正しい位置に下向き
に向けられた形状を形成するのに適当な露光が与えられ
ている。一方、層805の残りの部分は接着を確実にす
るようにより大きな露光を与えることもできる。
【0404】図56bに戻って、第2の例は、長手方向
の代わりに縁に沿って補充層807a、807b、80
7cが形成されていることを除いて、図56aに図示さ
れたものと同様なものが示されている。図示における層
807aは、構造層806の端部806’に接着させら
れる面を有している。他の補充層は、隣接する補充層と
接着するための面を有している。
【0405】補充層の各々は異なった深さをもってい
る。補充層の均一でない深さは、各層を形成するのに使
用する露光を変化させることによって得ることができ
る。その上、ベールの法則に従いかつ米国特許出願07
/339,246において記載された原理を適用する材
料を考慮すると、もし、層807cを形成するために必
要な露光がE1であり、補充層が層805を越えて4ミ
ル透過するのならば、先に解説した例における感光性ポ
リマにおいては、層807bを形成するのに必要とされ
る露光はE1の2倍である。もちろん、もし、硬化深さ
の増加分(incremental increase)が8ミルであったな
らば、必要とされる露光はE1の4倍になる。補充層を
形成する順番は、図示されており、807a、807b
次いで807cの順である。これは、各々次に続く層
は、形成されるときに取り付けるための固体の固着点を
有していることを保証するものであり、それによって、
補充層はそれらが形成されるときにそれらの適当な位置
から確実にずれることがない。
【0406】補充層を形成した後、補充層の第1端部と
層806の上面とが新たな材料の層で塗布される。次い
で、この新たな材料が露光されて層805を形成する。
【0407】この例の利点は、図56aに関して先に記
載されたものと同様であって、繰り返して記載しない。
しなしながら、この例の付加された利点は、図56aに
示されるように層807a、807b、807cが長手
方向の代わりに縁に沿って形成されて、先に形成された
層807aにより露光を必要とせずに層807b、80
7cを形成することができる。
【0408】第3の例でかつ、下向きに向けられた領域
での欠陥の補充のための本発明の最も好ましい実施例は
図56dに示されており、最初の3つの例と比較してよ
り大きな構造強度を有している。これは、図示されるよ
うに、補充層の形成前に層805が形成されて、追加の
再塗布を行わねばならない前に最も上の補充層が層80
5に接着されうるからである。まず、レベルL1にある
加工表面に層806が直接形成され、次いで、この層の
上面が加工表面に関して低くなり、その点で層805が
形成されるレベルL2に位置した新たな加工表面を形成
する。次に、加工表面のレベルがレベルL2にある間、
加工表面は層805の上面と接触しており、補充層80
7a、807b、807cは層805を透過する露光に
よって形成される。これらの補充層は、(延長領域80
5''での)層805を透過して層805の下面より下方
の材料まで透過して補充層を形成するように十分に相乗
的刺激の露光を変えることによって、層805の下面
(それは加工表面より下方にある)より下方の材料か
ら、図示されるように、縁に沿って形成される。各層に
要求される露光量は、考慮中の特別な補充層に対して要
求される硬化深さと露光と、層805を形成するように
既に適用された露光量とに基づいて、決定することがで
きる。
【0409】先に述べたように、この例の重要な特徴
は、補充層807a、807b、807cの前に構造層
805が形成されることである。これは、補充層が形成
されるとき補充層が層805に接着されることになる。
その結果、これらの層は、先の例と比べて、上記部分の
残りが形成されるときにより大きな構造強度とより大き
な支持体とを有する。これは、再塗布工程の始めから終
わりまで上記補充層がかなりの力を受け易いことがある
ので、特に重要である。
【0410】この例においては、補充層の形成の順番は
807a、807b、807cとすべきである。これ
は、他の補充層が層806に接着される前に層807a
の表皮が層806の縁806''にまず接着されうるとい
う点で、補充層に対する付加的な構造強度を提供するも
のである。形成の順番がもし逆さまならば、層807a
が形成される前に層805の延長領域805''にのみ層
807c、807bの端部が接着されるだけである。し
かしながら、層807b、807cの構造強度はやはり
曲げ力に抵抗するのに十分なものとすることもできるの
で、本発明は、任意の順に補充層を形成することも含む
ように意図されている。
【0411】この実施例の変形例が図56dに示されて
いる。縁に沿う代わりに長手方向沿いに補充層が形成さ
れることを除き、層805を透過する露光により、層8
05を形成した後に補充層が形成されるという点で図5
6cのものと同様な形成技術を図56dが描き出してい
る。その結果、既に形成された層805を透過する露光
によって補充層807aが硬化され、層805、807
aを透過する露光によって層807bが硬化され、層8
05、807a、807bを通過する露光によって層8
07cが硬化される。
【0412】さて、上向きに向けられた形状の表皮欠陥
を補充することを記載する。
【0413】上向きに向けられた形状の表皮欠陥を補充
することが図57a〜57eに図示されており、そこで
は、図56a〜56eと比較して、同様な要素に同様な
番号が付けられている。下向きに向けられた実施例をも
つものとして、図57d〜57eが最良の実施例として
描き出されている。しかしながら、1つ異なっているの
は、上向きに向けられた形状の定義と矛盾することな
く、隣接した短い構造層806の上ではなくその下に大
きな構造層805が位置している。
【0414】図57a〜57eにおける各層は、対応す
る循環番号をもっており、それらは層が形成される順を
示している。
【0415】上向きに向けられた形状での欠陥の補充の
ための第1の例は図57aに示されている。図示される
ように、補充層が形成される前に、加工表面がレベルL
1にある間、構造層805がまず形成される。次いで、
層805の上面に接着された下面を有する構造層806
が形成される。加工表面がレベルL2にあるように再形
成された後、層806が形成される。さらに、上記部分
の精度を犠牲にすることなく層805内に層806の硬
化深さを延ばすことができるので、層806を形成する
のに使用する露光は正確に決定する必要はない。また、
層805の縁805’は延長領域805''によって層8
06の縁806’を越えて延びている補充層を形成する
順序は次のとおりである。まず、変形していない材料の
薄い層が延長領域を覆うように再塗布するように、加工
表面に関して部分的に形成された部分を上昇させる。こ
の点で、変形していない層の上面がレベルL3に新しい
加工表面を形成している。
【0416】次に、層807aが形成され、そして、延
長セグメント805''に接着される。 形成層807a
を見越して延長領域を変形していない材料で覆うように
塗布して形成するとき、入り込んだ材料の粘性のために
かなりの量の時間がかかることがある。
【0417】そして、レベルL4での層807a’の上
面の上の1つの補修層の厚さである新たな加工表面を形
成するように層807a’の上面を覆って、変形してい
ない材料の層が形成されるように、レベルL3での加工
表面に関して上記部分的に形成された部分が低下させら
れている。
【0418】再塗布工程によって層に作用した任意の曲
げ力は層807aを適当に変形させることはない。それ
は、その下面は、この方法の始めから終わりまでの構造
層805の延長領域に接着されるからである。そして、
任意の曲げ力はそれらの力に抵抗することを可能とすべ
きである。さらに、層807aは露光オーバーにするこ
とによって確かにより強くすることができる。それは、
既に形成された層805内に主に透過するこの露光の結
果としての硬化深さの増加は部分分解能(partresoluti
on)を低下させるものではない。従って、この付加的な
露光は、層807a’と805間の接着を強め、また、
層807aの通常の層の厚さ内の材料をさらに硬化させ
る。
【0419】図57aにおける補充層の形成に戻って、
層807aを形成した後、既に述べたように、部分的に
形成された部分を新しい加工表面に関して低下させてレ
ベルL4でより新しい加工表面を形成する。次いで、こ
の点において、層807bが形成される。
【0420】最後に、層807bを形成したのち、加工
表面に関して部分的に形成された部分が再び低下させら
れ、変形していない材料の層が層807bを覆って再塗
布されて、変形していない材料の新しい層を形成する。
この新しい層は、レベルL5でより新しい加工表面を形
成する上面を有している。この点において、層807c
が形成される。
【0421】図806bから分かるように、807
a’、807b’、807c’で識別された層807
a、807b、807cの端部に形成する多数のメニス
カスは、他の点ではカバーである以上に表面欠陥を円滑
にする有利な効果を持つことができて、メニスカスによ
って形成された表面が、図57aに示されたように補充
層の端部によって形成された表面に適合させることよ
り、対応する物体を表示する外形面810に、より密接
に適合する。従って、対応する加工表面が変化している
間、層807a、807b、807c又はメニスカス領
域807a’、807b’、807c’又は該層と該メ
ニスカス領域とを形成することが有利であることがあ
る。
【0422】図57bは図57aのものと同様の実施例
を示しているが、形成材料の粘性および/または表面張
力が、補充層のみを用いて得られるものより滑らかな表
面仕上りを与えるために補充層および構造層の端部にお
ける傾斜した端部被いを形成するのに有利に利用され
る。この実施例は幾つかの方法で実施される。
【0423】第1の実施方法は、レベルL1の材料表面
を有する層805を作成し、次いでレベルL2の材料表
面を有する層806を形成する。次に、補充層807a
が形成されるが、その材料表面はレベルL3である。次
いで材料表面はレベルL3’まで相対的に移動させる。
層807a上の材料がレベルL3’まで完全に後退する
前に、この材料はメニスカス領域807a’を形成する
ように固化させられる。このメニスカス領域は層807
aの外端にテーパの外観を与えるとともに、これにより
不連続性をより一層減少させる。次に、レベルはレベル
L4まで調整され、補充層807bが形成され、続いて
レベルL4’へのさらなる調整とメニスカス領域807
b’の形成が行われる。同様に補充層807cとメニス
カス領域807c’が、材料レベルをレベルL5および
L5’に夫々調整することによって形成される。最後
に、レベルは807c上の領域が材料でコートされる少
なくともレベルL2まで上向きに調整される。その後、
レベルはレベルL6’まで再調整されメニスカス領域8
07d’が固化される。
【0424】第2の実施方法はメニスカス領域807
a’と同時に補充層807aを形成することである。同
様に、補充層807bとメニスカス領域807b’が同
時に形成される。また、補充層807cとメニスカス領
域807c’とが同時に形成され、続いてメニスカス領
域807d’が形成される。これらの補充層とメニスカ
ス領域は、材料の表面レベルを夫々L3’、L4’、L
5’およびL6’とすることによって形成される。最初
に、層805がL1の材料表面で形成され、材料レベル
をL2とした層806の形成が続く。次に、材料レベル
は相対的にレベルL3’に減少され、上記の状態からの
材料の完全な後退に先立って延長領域805”、補充層
807aおよびメニスカス領域807a’は後退しつつ
ある材料表面を相乗的刺激に露出することにより固化さ
れる。この露光と転移(固化)は、補充層とメニスカス
領域が一緒になってより大きな結合メニスカス領域を形
成することを除いて、図57bに示したものに近似した
硬化した補充層と端部被いを形成する。次に、材料レベ
ルは少なくともレベルL5’まで上昇され、材料は領域
807aと807a’上にコートされる。このコート工
程の後、レベルはレベルL4’まで減少され、補充層8
07bと領域807b’は露光され転移されて第2の結
合メニスカス領域を形成する。807aと807bおよ
び807aと807b’の間の接着を確かなものとする
ために十分な露光が施される。同様の方法で、材料レベ
ルは少なくともレベルL6’まで上昇され、レベルがL
5’まで減少されたのち、材料が807bおよび807
b’上にコートされる。この際、807cと807c’
が固化される。最後に、807cと807c’はレベル
を少なくともL2’まで上げることによって再コートを
可能としたうえで新しい材料で再びコートされる。次
に、レベルはレベルL6’まで減少され、領域807
d’が固化される。
【0425】図57aと図57bの例は、幾つかの部分
についてはきわめて有用であるものの、他の部分形状に
ついて完全に受容できるものではない。なぜならば、こ
れらの幾何形状は各補充層の形成前にレベルL3、L4
およびL5の加工表面を得るために相当に長い再コート
時間を要するからである。さらに、トラップされた容積
を有する部分幾何形状は、トラップされた容積が層80
6形成後において過剰な材料の表面からの流れ落ちを阻
むので問題がある。
【0426】図57cについて、上向き形状の補充につ
いての他の例を述べる。この例では、材料層は最初レベ
ルL1の加工表面を画成するために形成され、次いで層
805が形成される。材料層が層805の上表面に再コ
ートされ、レベルL2の新しい加工表面を画成する上表
面を有する。ここで、層806がまだ形成されていない
ので、ドクターブレードを再コート速度を向上させるた
めに有効に用いることができる。次に、延長領域80
5”にはレベルL3の新しい加工表面を画成する上表面
を有する材料層がコートされる。この層の厚さは、図5
7bの例で定義した補充層厚さより実質的に大きいの
で、再コートの時間は先行例で要求される時間に比較し
てより短い。エッジ状の層807aが次いで形成され
る。図57bに記載された例と同様に、層807aは表
面レベルのレベルL3への完全な後退に先立って固化さ
れうる。次に、材料層が延長領域の残部上に形成され、
レベルL4の最新の加工表面を形成する。その後、層8
07bが807b上のメニスカス領域とともに形成され
る。最後に、最新の加工表面がレベルL5で形成され
る。その後、層807cが形成される。先に議論したよ
うに、この実施例がメニスカス固化と組み合わされたな
らば、表面レベルがL1まで減少され、その後、完全な
レベリングに先立って、807cに隣り合うメニスカス
が固化される。
【0427】この実施例は807a、807bおよび8
07cの順で補充層を形成することを示していることに
注目すべきである。この順序は、より早い再コートを得
ることができる利点とともに、他の順序に比して構造的
な強度を得るために選ばれたものである。しかしなが
ら、807c、807b、807aといった他の順序も
必要な構造的強度を与えることができ、再コート時間に
関してさほど遅くなく、それ故に実施例に包含される。
【0428】この実施例は、図57aおよび図57bの
実施例の問題を完全に解決するものではないが、層のエ
ッジ形状によって再コート時間の割合を大巾に減少させ
ることができるので、これらの実施例の改良となる。
【0429】上向き形状形成における不連続部を補充す
るための最も好ましい次の実施例が図57dに示されて
いる。この実施例は、先行する実施例と違って、必要と
される塗装が部分幾何形状に無関係に行えるとともに、
先に固化された層の上表面がドクターブレードの移動を
阻止することがないので、ドクターブレード等によって
補充層の再コートをスピードアップすることができ、最
も好ましい。図57dの実施例では、層805が先に述
べたように、加工表面がレベルL1となるように形成さ
れ、その後、エッジ状の層807a、807bおよび8
07cが指示された順序で順に形成され、部分的に形成
された部分は段階的に低められ、加工表面は夫々段階的
にレベルL2、L3及びL4に再設定される。最後に、
部分的に形成された部分はレベルL5の加工表面を画成
するため再び低下された後、層806が形成される。
【0430】図57eに、最も好ましいいま一つの上向
き不連続部の補充方法が示されている。この実施例で
は、層805が形成され、加工表面が位置L1となる。
層805の最上表面は加工表面に相対して、新しい加工
表面がレベルL2に形成されるように低められる。補充
層807aが図示の如く長手方向に位置するように形成
される。部分的に形成された部分は、その後、加工表面
がレベルL3の部分に相対して位置するように加工表面
に相対して低下される。次いで、補充層807bが形成
される。部分的に形成された部分は、新しい加工表面の
レベルがL4に再び位置するように、再び低められる。
この時点で層807cが形成される。最後に、部分的に
形成された部分は、加工表面をレベルL5に再設定する
ため、加工表面に相対して再び低められる。この時点
で、層806が形成される。
【0431】図57dの実施例において、補充層のエッ
ジ状形成は、補充層の再コートを幾分か早めることがで
きる。一方、図57eの実施例は、補充層が水平方向に
長くなっているのでより強固な補充層を与えることがで
きる。
【0432】これら先の図面には、各実施例とも各構造
層につき3つの補充層が図示されていたことに注目すべ
きである。ある与えられた状況では、しかしながら、各
構造層当たりの補充層の数は、1以上いくらであっても
よい。したがって、これら実施例は補充層の数を限定す
るために企図されたものではない。
【0433】図56aから図56eに示した実施例は、
構造層の厚さの約1/4、即ち構造層厚が20ミルであ
れば5ミルの厚さを有する補充層を示している。これら
補充層を加えることの全体の結果は、20ミルの構造層
からなる物体が、5ミルの構造層で構築される物体につ
いて特徴となる表面の不連続性でもって構築されること
である。もしも補充層が構造層厚の半分である場合、各
構造層につき、一つの補充層が設けられる。20ミルの
構造層厚について、上記のような補充層を用いた場合、
10ミルの層で部分を形成したのと実質的に同等の表面
分解能が得られる。一方、構造層厚が5ミルであれば、
2.5ミルの層を用いて構築した部分と同じ表面分解能
が得られる。これらの考え方は、図58aと図58bに
示されている。図58aは2つの構造層805、806
および構造層の間の不連続性を減少させるために用いら
れる3つの補充層807a、807bおよび807cの
側面図を示す。図58aは補充層厚の構造層厚に対する
比率が1/4の場合を示している。図58bは2つの構
造層805と806および7つの補充層807a、80
7b、807c、807d、807e、807fおよび
807gの側面図を示している。図58bは、補充層厚
の構造層厚に対する比率が1/8である場合を示してい
る。図58aと図58bとを比較すると、小さい比率は
より高い表面分解、即ち対応する物体のデータからより
僅かしかずれていない表面を与える。
【0434】物体データの水平面と垂直面との間の角度
は、ある与えられた断面内で場所により、また物体が形
成される過程で断面により変化するので要求される補充
層の長さと幅も同様に変化する。また、諸実施例におい
て図示した長手方向の補充層は均一の厚さを有するもの
として図示され、エッジ状層は均一の幅を有するものと
して図示されている。さらに、補充層が相隣り合う下側
の補充層を越えて伸びる量(“オーバーハング長さ”)
も、同じく一定となるように図示されている。ある場合
には、これら均一の寸法諸元からずらすことが有利であ
る場合がある。これらの場合として、外形線が問題とな
る表面不連続性を飛び越している2つの構造層を線形に
接続しない場合、或は不均一な間隔取りが部分精度の僅
かな犠牲を払っても構築性を向上させうる場合があげら
れる。これらの状況は図59a、図59bおよび図59
cに図示されており、不均一な層厚とオーバーハング長
の利点を示している。図59aは、補充層のオーバーハ
ング長は一定に維持されているが、外形線810の非線
形性を保証するために、補充層807a、807bおよ
び807cの厚さが変えられた場合を示している。図5
9bは補充層807a、807b、807cの厚さが一
定に維持され、外形線810の非線形性が補充層につい
て不均一なオーバーハング長を用いることによって補償
された場合を示している。図59cは物体を表現してい
る外形線801によって2つの構造層805と806が
線形に接続されているが、補充層807a、807b、
807cが不均一な厚さもしくはオーバーハング長のい
ずれかで構築された場合を示している。
【0435】この後者の例に関連して、図59cに見ら
れるように、構造層805と806によって、かつ物体
データ外形線810によって飛び越えられる不連続性の
量は、補充層が均一かつ完全に不連続部を満たしていな
い場合にも補充層を含むことによって大幅に減少され
る。使用される構造材料が不連続部を完全に補充するの
に必要とされる程度に薄く、或は長く適度に粘着性を有
する支持されない補充層を形成することができないとき
には、層805の形成上に作用する曲げ力に抗すること
ができるのに十分な構造的強度を有する補充層を形成す
るために、補充層の厚さを増加し、或は長手方向の補充
層の長さを減少させるべきである。
【0436】図60a、図60b、図60cをみると、
これらの図には、先行する図と比較して、複数の個所で
物体データの外形線と交差することを特徴とする2つの
構造層820と822を示している。例えば、図60a
は、層と交差する物体データの外形線(面)の2つの領
域824と826を示している。そのため、これらの構
造層は、一般的にいって、一つ以上の表面不連続部を画
成する。図60aにおいて、外形の部分824は、物体
の上向きの形状部にある不連続部828を飛び越してお
り、一方、物体の下向きの形状部にある不連続部830
を外形の部分826が飛び越している。本発明の教示す
るところによれば、これら両方の不連続部は補充層によ
って補充されうるということを認識すべきである。図6
0bは長手方向の補充層807a、807bおよび80
7cによって補充された不連続部828を図示してい
る。図60bはさらに長手方向の補充層807a、80
7b、807cによって補充された不連続部830を図
示している。図60aおよび図60bは3次元の斜視図
であるが、図60cは図60bの物体を2次元で表して
いる。
【0437】諸実施例は、垂直方向に物体を構築するよ
うに、一つの層の上面にいま一つの層を形成することに
よって構築することを開示しているが、層と層の積上げ
の他の方法をとることが可能で、後続の層が先行の層の
下側となるような部分の形成や後続の層が先行の層の側
部に配置される部分の形成が可能である。さらに、美的
外観を向上させるため、形成された部分の精度を必然的
に増大させることなしに表面の不連続性を減少させるこ
とが考慮されている。例えば、本発明の技術をオーバー
サイズの構築様式に適用することによって、物体表面の
外形に比して当該部分の全体的な精度を低下させるにも
拘わらず、表面の不連続性は物体データの外形より大き
い所望の物体外形に比較して減少されるということが考
えられる。それ故、ここで示した諸例は限定的であるこ
とを意味せず、本発明は、物体データの外形とは違うか
も知れない所望の物体外形に相対して物体を円滑化する
ことを包含することを意図している。
【0438】これまでの議論は、移行領域に関係しな
い、傾斜した上向き又は下向きの領域における諸種の補
充層形成方法を強調したものであった。不連続性の減少
の実際的な方法は色々の移行領域に関連する問題とその
処理方法をも考慮すべきである。移行領域とは上向き又
は下向きの傾斜した領域が垂直な、平坦な、或は反対向
きに傾斜した領域と会合する領域をいう。そのようない
くつかの移行領域が図61a〜図61jに図示されてい
る。図61aは下向きに傾斜した形状から垂直な形状へ
の移行を示している。図61bは逆の移行、即ち垂直な
形状から下向きの傾斜形状への移行を示している。図6
1cと図61dは移行のいま一つの対、即ち傾斜した下
向き形状と水平形状との間の移行を示している。図61
eから図61hは傾斜した上向き傾斜に関連する移行の
対応するセットを示しており、図61iと図61jは上
向きおよび下向きの傾斜形状の相補的な移行の対を示し
ている。
【0439】図62aは伝統的なアンダーサイズ構築手
法を用いて再生された図61aの移行領域を示してい
る。この図は、4つの構造層902、904、906お
よび908による移行領域の形成を示している。また、
コンピュータで作成された物体の外形を表すライン91
0が図示されている。
【0440】図62bは、図62bが連続した下向きの
傾斜領域内に形成された下向きの補充層912、914
および916を付加的に示す点を除いて図62aと同じ
移行領域および構造層を表している。この図はさらに移
行領域直下の補充層918、920および922をも示
している。図62bにおいて、これら補充層が露光され
る領域上の構造層が存在することが保証されているの
で、これらの補充層は図56c又は図56dの方法で形
成されることが理解されるであろう。
【0441】図62cには図62aおよび図62bと同
じ移行領域が図示されているが、この場合、物体および
したがって移行領域はオーバーサイズ構築様式を用いて
形成されたものであることが示されている。図62cと
図62aの同様の要素は同様の参照番号が付されてい
る。図62dは僅かにオーバーサイズの物体を創成する
ための補充層のパターンの一つの選択を示している。こ
れら補充層は924、926、928、930、93
2、934、936および938として番号が付されて
いる。ライン940と942は補充層なしで形成される
ようなオーバーサイズの物体の外形を表している。図6
2bと同様、下側の移行層904に関連する補充層93
2、934、936および938は、上側移行層906
の構造部分が最も浅い補充層938の端部より外側まで
伸びているので、好ましい方法の一つによって形成され
る。そのため、この移行領域については、補充層の好ま
しい形成方法はオーバーサイズとアンダーサイズの物体
形成のいずれかに有効に用いることができるということ
が結論される。
【0442】図63a、図63b、図63cおよび図6
3dは、図61dの移行領域に基づいていることを除け
ば、図62a、図62b、図62cおよび図62dと同
じ構造を表している。先行する図面との比較において、
同様の要素は同様の参照番号が付されている。これらか
ら理解されるように、この移行領域の補充層は図56c
又は図56dの方法を用いることにより構築される。図
63cは上側の移行構造層906に相隣る補充層95
0、952および954を示している。同時に補充層9
56、958および960を示している。図63dは上
側移行構造層906に相隣る補充層962、964、9
66および968を示している。同時に補充層970、
972、974および976を示している。ライン97
8と980は補充層などで形成されるオーバーサイズの
物体の外形(輪郭)を表している。
【0443】図64a、図64b、図64cおよび図6
4dは図62および図63において夫々対応する部分と
同一の要素を表しており、かつ同様に参照番号が付され
ている。図64bおよび図64dを吟味すると、下側の
移行層904に関係する補充層は適当な上側補充層90
6が存在しないので先に議論した好ましい方法によって
は処理できないことが明らかになる。それ故、図64b
の補充層918、920および922又は図64dの補
充層932、934、936および938は、図56a
又は図56b等に記述した他の方法の一つによって形成
されなければならない。或は、これら補充層を全く形成
しないことを選択することができる。いずれかのケース
において、汎用の実施方法との関連で、ある与えられた
構造層に関係する補充層の形成方法を決定するために多
重層情報を利用することが必要になる(少なくとも好ま
しい形成方法をできるだけ多く使用することを望むなら
ば)。部分構築の経験によれば、図61cの型式の移行
領域に行き当たることは余りなく、それ故他の方法によ
って取り扱うことができる。いま一つの方法はそのよう
な領域が存在するか否かをもとの3次元物体データにつ
いて照会することを含む。もしなければ、物体は好まし
い方法の一つにしたがって構築することができる。存在
する場合、当該領域を含む空間部には、その部分に補充
層を形成しないことをコンピュータに指示する属性が与
えられる。
【0444】図65a、図65b、図65cおよび図6
5dは、これらが図61dの移行領域に基づいたもので
ある点を除いて、図62、図63および図64の対応す
る該当部分と同様である。上側移行層上の層は少なくと
も最も薄い補充層まで伸びており、それ故補充層は好ま
しい形成方法の一つによって形成される。
【0445】図66から図69は図62から図65に対
応しているが、下向きの傾斜面の代わりに上向きの傾斜
面について示している。図66は図61eの移行領域を
表している。図67は図61fの移行領域を表してい
る。図68は図61gの移行領域を表しており、図69
は図61hの移行領域を表している。上向きの傾斜形状
については、好ましい形成方法を利用するためには、上
側の移行構造層に関連する補充層のうち最も薄い層の下
方まで完全に下側の移行層が伸びていることが必要とな
る。図66から図69の各要素には、図62から図65
までの対応部分と同様の参照番号が付されている。これ
らの図面を吟味すると、図66、図67および図69の
移行領域は、好ましい形成方法(図57d又は図57e
のもの)によって創成される。しなしながら、図68を
吟味すると、補充層を支持すべき下側の移行層が存在し
ないので好ましい方法の利用はある種の困難をもたら
す。それ故、このケースでの好ましい方法の利用には支
持構造の使用(米国特許第4,999,143号公報に
記載されたウエブ支持体等)が必要となる。その代わり
に、図57a、図57b、又は図57cの他の形成方法
の一つを使用するか、或は、この特殊な移行領域の上側
の構造層に関連する補充層を形成しないという決定をし
てもよい。
【0446】図70a、図70b、図70cおよび図7
0dは図61iの移行領域を表している。この図に見ら
れるように、下側の移行層904は下向きの補充層を備
え、上側の移行層906は上向きの補充層を備えており
上向きの補充層は下向きの補充層の上にある。そのた
め、上向きの補充層はその下にあって指示を与える完全
な構造層を持たない。この問題は図68について上で述
べた如くに扱うことができる。しかしながら、下向きの
補充層はこれに指示を与える完全な構造層を通して露光
されないことに注目すべきである。この問題は図64の
場合について述べたと同じ方法で扱うことができる。
【0447】図71a、図71b、図71cおよび図7
1dは図61jの移行領域を表している。これらの図か
ら理解されるように、この移行領域の補充層は我々の好
ましい方法によって適当に形成できる。
【0448】合計すると、10のうち7つの移行領域が
好ましい形成方法によって適当に処理することができ、
残りの3つの移行領域は他の固有の形成方法を必要とす
る。これらの3つの特殊な領域は上で概観した工程を実
行することで形成できる、或は、その代わりに、セクシ
ョン2で述べた構築方法を適当に利用することによって
取り扱うことができる。
【0449】以上の考察に留意したうえで、上で述べた
好ましい方法を実行する方法を上で述べた3つの移行領
域が存在しないか、或はそれらを含む空間部分には補充
層が形成されない、又はもし形成されるとしても適当な
構造層に関連しているような仕方で属性が与えられてい
るとの仮定に基づいて以下に説明する。
【0450】実行 第1の実行方法は図62から図71の“d”図に示され
ているような僅かにオーバーサイズの物体を形成するこ
とに依拠している。補充層の形成は、図56dと図56
d或はその代わりに図56eと図56eに記載した方法
に基づいている。この実行は、WO89/10256号
公報に詳細に記載されたスライス(SLICE)プログ
ラムに依拠している。
【0451】この応用例において記述されている物体形
成の好ましい方法はオーバーサイズの物体を形成するこ
とに向けられている。このWO89/10256号広報
は、平坦に近い上向きの領域と平坦に近い下向き領域の
ような補充層の利用から利益を受ける主領域を特定す
る。平坦に近いと考えられる領域(三角形)について、
領域(三角形)の法線ベクトルと垂直軸との間の角度が
MSAとして知られるオプションについてユーザが指定
した値以下でなければならない。もしもMSAの値が9
0度に近く設定されているとすると、平坦でもなく垂直
でもない全ての三角形が平坦に近いと考えられる。
【0452】下向きの平坦に近い三角形は、ある与えら
れた層について生成あれる他の領域と実質的にオーバー
ラップしない領域を形成する。上向きの領域と平坦に近
い上向きの領域とでは若干のオーバーラップが存在する
可能性がある。ある与えられた物体についてオーバーラ
ップが存在すれば、物体の正確な再生のためにオーバー
ラップは除去されなければならない。下向きの平坦に近
い三角形は補充層のための領域であることを実質的に指
示し、かつそれらが実質的に独立した領域を形成し、そ
の後現在のプログラムが補充層を創生するために成功裡
に修正されるので、これら特殊な三角形に対して実行さ
れるべき処理が修正されなければならない。この修正は
補充層の厚さに対して適当なスライス間隔で平坦に近い
下向きの三角形をスライスすることからなる。
【0453】図72から図75は、本発明の実行の例を
示している。これらの例において、補充層の厚さは構造
層厚さの1/4である。
【0454】図72は、スライス面1200と1202
及び三角形1204の唯一視えるエッジの2次元側面図
を示す。三角形1204の左側の領域は物体の一部から
なり、右側の領域は空の空間である。上向きの方向は矢
印1206で示される。このように、1204は下向き
の平坦に近い三角形を表している。三角形1204の通
常の処理において、面1200と1202の間でかつラ
イン1208とライン1210で飛び越された領域は平
坦に近い下向き領域として生成されラベル付けされる。
【0455】この領域は、固化されるべき物質を特定す
るスライス面1200に対応し、面1200と1202
との間の領域に対応する断面積に対応する。硬化される
べき単一の4角形状の箱体を作る代わりに、付加的なス
ライス面と付加的な処理を用いて、より小さい4角形状
領域1212、1214、1216、および1218を
個別に作成し、かつラベル付けして、異なる厚さの補充
層を形成するようにすることができる。補充層821の
領域1226は、スライス面1200と1220とで3
角形1204をスライスするとともに、その領域(この
2次元の図では線となる)を適当な断面に投映する。先
に議論した補充層の好ましい形成方法との関連におい
て、この領域1266は断面1201(SLICEの出
力は1202としてラベル付けされている)に関連して
いる。この領域は1202、1200、1208および
1210(1200に関連している)の間の箱体より高
い一つの構造層である。この領域1226は、補充層1
212を形成するため構造層の厚さ全体に等しい硬化深
さを必要とするとしてラベル付けされるが、それは既に
存在している層を通して露光されるので、その実際の厚
さは層厚の2倍となる。適当な露光レベルがユーザによ
って指定されるか、システムによって決定される。補充
層1214の領域1228は3角形をスライス面122
0と1222でスライスし、その全体領域を1226が
関連したと同じ断面に投映する。しかしながら、この場
合において、この領域に関連する硬化深さは、層厚の3
/4である。実際には、厚さは先に硬化された層を通し
ての露光方法のため、層厚の1〜3/4である。補充層
1216の領域1230は面1222と1224でスラ
イスし、かつこれら面間の3角形の部分を、層厚の1/
2(又は3/2)の硬化深さとするラベル付けと指定を
ともなって、1226と1228が関連したと同じ面に
投映する。補充層1218の領域1232は、スライス
面1224と1202を用いて上記と同様の方法で形成
される。対応する硬化深さは層厚の1/4(又は5/
4)である。
【0456】以上の記載はエッジ状の仕方で補充層を形
成するために必要とされたものであり、したがって、こ
れは図56cの方法に対応する。図56dの方法に基づ
いた同様の実行が、同様のスライス面に基づいて行える
が、面間の比較が修正されるとともに硬化深さも修正さ
れる。これは図73に概観されている。補充層1240
は面1200と1202でスライスし、面間の3角形1
204の介在領域を適当な断面に投映し、かつ硬化深さ
を層の1/4(又は5/4)に特定することによって得
られる。補充層1238は3角形1204を面1224
と1200でスライスし、1224と1200の間の1
204の介在領域を適当な層(1240と同じ)に投映
し、さらに補充層1204の下の層の厚さ(3/2層)
の1/4の硬化深さにラベル付けしかつ特定することに
よって形成される。同様に、補充層1236は面122
2と1200をスライスし補充層1238の下の層の厚
さ(7/4層)の硬化深さとすることによって得られ
る。最後に、補充層1234はスライス面1220と1
200およびその硬化深さを補充層1236の下の層の
厚さ(2層分)の1/4とすることによって得られる。
【0457】この同じSLICEプログラムによれば、
平坦に近い上向きの3角形領域は他の領域とオーバーラ
ップする領域を形成する。これら他の領域のうち最も重
要なのは層の輪郭領域である。下向きの平坦に近い領域
も同様にオーバーラップしうる。しかし、この条件は除
外されたケースに属する(図61gと図61jの移行領
域)。いずれにろ、平坦な下向き領域は、適当な支持体
の使用によって補償される。層輪郭領域と平坦な下向き
領域は少なくとも構造層の全厚さに等しい硬化深さを必
要とすると考えられるので、これらの領域は平坦に近い
上向きの領域から除去されなければならない。なぜなら
ば、有効硬化厚さが1層厚に等しいかそれ以下であるよ
うな段階的な方法で平坦に近い上向き領域を硬化させる
ことが好ましいからである。それ故、上向きの補充領域
を形成するプロセスにおける第1のステップは、上向き
の平坦に近い領域を層の輪郭(および下向き輪郭および
平坦に近い下向き輪郭)領域から、分離した個別の領域
が形成されるように引き去ることである。SLICEの
より直接的な層比較バージョンに基づいた方法は、セク
ション1に記載されている。領域の分離が行われた後、
上向きの平坦に近い3角形は補充層のための領域を実質
的に示すとともに、それら領域は実質的に独立の領域を
形成する。この点から、修正されるべき現在のSLIC
Eプログラムが補充層を創生するために、これら特定の
3角形に対しなされる処理が修正されなければならな
い。この修正は、平坦に近い上向きの3角形を補充層の
厚さにとって適当なスライスレベルでスライスすること
からなる。
【0458】図74は図72等に類似の上向き3角形を
示しており、同様の要素には同様の番号が付されてい
る。図74はスライス面1200と1202および唯一
見える3角形1204のエッジの2次元側面図を示して
いる。3角形1204の右側の領域は物体の一部であ
り、左側の領域は空の領域である。上向きの方向は矢印
1206で示されている。このように、1204は上向
きの平坦に近い3角形を表している。3角形1204の
通常の処理においては、面1200と1202の間で示
され、ライン1208とライン1210で区切られた領
域は、平坦に近い上向きの領域として生成されかつレベ
ル付けされる。それは、転移されるべき材料を特定する
スライス面1200に対応し、面1200と1202の
間の領域に対応する断面に関連付けられている硬化され
るべき単一の4角形状箱体を生成する代わりに、付加的
なスライス面と付加的な処理によって、より小さい4角
形領域1212、1214、1216および1218を
個別に形成しかつラベル付けして異なる厚さの補充層を
形成することができる。補充層1212の領域1226
は3角形1204をスライス面1202と1224でス
ライスするとともにその領域(この2次元の図では線)
を適当な断面に投映することによって形成される。好ま
しい方法および示された図との関係では、この領域12
26は断面1202(SLICEプログラムは本質的に
全てを一層の厚さ分だけ下向きにずらすので実際には1
200)と関連する。この領域1226は補充層121
2を形成するために一つの構造層の全厚み(プラス幾ら
かの必要な過剰硬化)の硬化深さを必要とするものとし
てラベル付けされる。補充層1214の領域1228
は、スライス面1224と1222で3角形をスライス
するとともにスライス面1224(または1層下向きに
シフトさせる関係でそれより1層下側の構造層)に関連
する断面に介在領域を関連させることによって得られ
る。この場合、この領域に関する硬化深さは層厚の3/
4に幾分かの必要な過剰硬化分を加えたものとなる。補
充層1216の領域1230は面1222と1220で
スライスするとともに層厚の1/2(プラス過剰硬化
分)の硬化深さにラベル付けおよび特定して、スライス
面1222に関連する断面に介在領域を関連させること
によって得られる。補充層1218の領域1232はス
ライス面1220と1200を用いて上と同様の方法で
形成される。対応する硬化深さは層厚の1/4(プラス
過剰硬化分)である。以上の記述は、エッジ状の方法で
の補充層の形成についてのものであり、図57dの方法
に対応する。図57eの方法の類似の実行は同様のスラ
イス面に基づいて可能であるが、面間の比較は修正され
なければならず、また硬化深さも修正される。これは図
75に概略示されている。補充層1240は、面120
0と1202でスライスし、全体領域をスライス面12
20に対応する断面に関連させ、さらに1/4の層厚
(プラス幾分かの過剰硬化分)の硬化深さをラベル付け
し、かつ特定することによって得られる。補充層123
8は3角形1204を面1220と1202でスライス
し、1220と1202の間の1204の領域を122
2と関連する断面に投映し、さらに1/4層(プラス幾
分かの過剰硬化分)の硬化深さをラベル付けしかつ特定
することによって得られる。同様に、補充層1236は
スライス面1222と1202から得られる。それはス
ライス面1224と関連し、その硬化深さは層厚の1/
4(プラス幾分かの過剰硬化分)である。同様に、補充
層1234はスライス面1224と1202から得られ
る。それは面1202に関連し、その硬化深さは層厚の
1/4(プラス幾分かの過剰硬化分)である。
【0459】第2の実行方法は、僅かにアンダーサイズ
の物体を形成することに基づいている。この実行は上で
議論したSLICEプログラムもしくはセクション1で
記述したSLICEプログラムに依拠することができ
る。この実行方式は、図72の各補充層の硬化深さが層
厚の1/4だけ減少されている点を除けば、上に述べた
オーバーサイズの実行方式と実質的に同一である。図7
4の補充層は層厚の1/4だけ厚さが減少されている
が、そのうえそれらが関連する面は下方向にシフトされ
ている。補充層1226は面1224と関連し、補充層
1228、1230と1232は面1222、122
0、1200と各々関連する。このことは、補充層12
32がなくなることを意味する。図73の補充層を得る
ために用いられるスライス面は以下の通りである。
【0460】 補充層 面 1240 1200と1224 1238 1200と1222 1236 1200と1220 1234 1200と1200 (即ち、生成されない) 同様に、図75の補充層を得るために用いられるスライ
ス面と関連する断面は以下のとおりである。
【0461】 補充層 面 断面 1240 1202と1220 1220 1238 1202と1222 1222 1236 1202と1224 1224 1234 1202と1202 (即ち、生成されない) 異なる数の補充層への実行方式の一般化は、当業者にと
って明らかであろう。
【0462】種々の他の実行方式が可能であり、かつこ
の開示の教示するところに従うことによってそのことは
当業者にとって明らかであろう。例えば、同時に高いレ
ベルの再生精度を達成することなしに単に不連続性を減
少させる実行方式が考えられるし、正確なデータという
よりはまずは外観を重視するような市場における用途が
あるであろう。
【0463】領域を区分けしそれらを分離することにつ
いて層比較SLICE(セクション1)のコンピュータ
上の簡単さのために、上記のオーバーサイズおよびアン
ダーサイズ実行方式は適当な修正によって容易にこのS
LICEのバージョンに適用できる。
【0464】第1および第2の実行の実施例での問題と
なる点は、WO89/10256号公報においても言及
した如く、物体データの3角形の頂点が構造層に対応す
るスライス面に対して、輪郭領域の形成前に丸められる
ことである。その結果、ある頂点が補充層に対応したス
ライス面に近い場合でも、それは最も近い構造層のスラ
イス面に対して丸められる。このステップはコンピュー
タ上の効率化のために実施されるが、これは正確さの損
失を招来する。それ故、3角形の頂点が補充層に対応す
る場合であってもそれらが最も近いスライス層に対して
丸められるというSLICEのさらなる修正を、コンピ
ュータ上の簡単化について若干の犠牲を払っても比較的
高い精度を得るために採用できる。
【0465】第3の実行方式は、この方式のSLICE
の修正を含んでいる。特に、全て3角形の頂点が、構造
層のスライス面か補充層のスライス面のいずれかである
最も近いスライス面に対して丸められる。この第3の実
行方式に必要な諸要素はセクション2に記載されてい
る。より正確な部分再生の利点に加えて、この第3の実
行方式は、可能な限り所望の補充層厚より大きく、許容
できる厚さと剛性を有する層を形成するために必要な厚
さに層を形成するためにSLICEを修正することを含
む。
【0466】WO89/10256号公報に述べられて
いるように、異なる硬化深さは通常異なる硬化幅をもた
らす。それ故、本発明を実施するに際して、先の実施例
で述べた如く、得られた特定の硬化幅に依存して領域の
輪郭を調整するため各領域について適当な硬化幅保証ア
ルゴリズムを利用することが望ましい。
【0467】付加的実施例 本発明の付加的実施例は、図57bに示した実施例と同
様、図76a、図76bに図示されている。これから分
かるように、この実施例は、材料の表面張力は不連続部
内でメニスカスを形成させ、それ故少なくとも部分的
に、不連続部に橋を架けさせるものであり、薄い補充層
の使用を必要とすることなしに高い部分分解能を達成す
ることができる。
【0468】しかしながら、メニスカスの効果は、補充
層との接続において用いることができる。図57bは補
充層との接続において使用されたときのメニスカスの効
果的な有利さを示している。
【0469】ここでの実施例は、一方、薄い補充層の使
用を明確に要求することなしに、単にメニスカスの効果
に依存している。構造層の層厚が大きくて薄い補充層の
生成を伴うことなしにメニスカスを有効に形成すること
ができない場合には、図36bの例が好ましい。併し乍
ら、構造層の厚さが十分に薄く、しっかりしたメニスカ
スが薄い補充層を必要とすることなしに形成される場合
には、より少ないステップでそれ故より容易に実行でき
るので、この実施例が好ましい。
【0470】図56a−図56d、および図36a−図
36eとの比較において、図76a−図76cでは、同
様の要素は同様の参照番号を用いて参照される。
【0471】図76aは層805と806によって形成
された上向きの不連続部に形成されたメニスカス937
を示している。図76aには、層とメニスカスの特定の
形成順が丸付きの数字によって示されている。図示の如
く、第1のステップは加工表面がレベルL1である層8
06を形成することがである。次に、層806は加工表
面をレベルL2に移した後の形成される。このレベル
で、エッジ806’と延長領域805”で飛び越された
物体表面は転移(固化)されていない材料によって囲わ
れる。次に、加工表面がレベルL3に移動される。図示
の如く、材料の表面張力のために、材料が上記延長上領
域805’から退く際にもメニスカス937は図示の不
連続部内に留まっている。次のステップはメニスカスを
露光して相乗的な刺激を与え、それによって転移させる
ことである。その結果は、物体データの外形面810に
より近く適合した円滑化された物体データである。
【0472】図76bは下向き領域におけるメニスカス
の形成を示す。図示の如く、第1ステップは層806を
加工表面をレベルL1として形成することである。次
に、加工表面がレベルL2に移動され、層805が形成
される。次に、加工表面が下向きにレベルL3まで移動
され、メニスカス937は、図示の如く、不連続部内に
残る。最後に、メニスカス部分は露光され、図56d、
図56eの例に関して先に述べたのと同様の方法で、既
に形成された層805を通して直接相乗刺激により転移
される。しかしながら、メニスカスの正確な形状、寸法
は既知ではないので、末露光のまま残るべき材料に相当
量の輻射が貫通してしまうリスクを生じない範囲で、メ
ニスカスにできるだけ多量の露光を与えるように露光が
施される。再び、その結果、物体データの外形面801
をより近い形で画成する物体表面が得られる。
【0473】図76cは、不連続部のより一層の減少を
はかるため互いのうえに多重のメニスカスを形成するこ
とを示している。これは、図76aと図76bに関して
上に述べた過程の多重繰返しによって達成される。図7
6cは、上向きの不連続部における多重繰返しの使用を
示しているが、多重繰返しは下向きの不連続部の使用に
も等しく使用できる。
【0474】図示の如く、プロセスの開始に当たって、
層805が加工表面をレベルL1に保って形成される。
次に、加工表面がレベルL2に移動され、層806が形
成される。次いで、加工表面はL3(これは先のレベル
L1と一致している。)に移され、メニスカス937a
が形成され、そのうえで、メニスカスは露光され効果さ
れる。次に、加工表面は少なくともレベルL4に移され
次いでL5に移され、メニスカス937bが硬化したメ
ニスカス937a上に形成される。メニスカス937b
は次いで露光され硬化される。その後、加工表面は少な
くともレベルL6へ、次いでL7へ移される。この時点
で、メニスカス937cが既に硬化されたメニスカス9
37b上に形成される。これは次いで露光され、硬化さ
れる。図76aと比較すれば分かるように、上記処理の
多重繰り返しは、物体データの外形810に対してより
高い表面分解能をもたらす。また、図76cは図76a
に示す処理の3回の繰り返しを示しているが、この例は
限定的なものではなく、いかなる回数の繰り返しも可能
である。
【0475】上記の全ての実施例において、加工表面を
走査ミラーから一定の距離に維持することが好ましい。
そうでなければ、走査ミラーの径方向の動きと加工表面
に沿ったビームの線形の動きとの間の変換のコンピュー
タ処理上の複雑さがより一層増加することになる。
【0476】図77a−図77fはメニスカス効果を用
いた表面不連続部の平滑化方法の他の例を示している。
これらの図において、同様の要素は同様の参照番号を用
いて参照される。
【0477】図77aにおいて、処理が始まると、示さ
れているように、加工表面300で構造層301が形成
される。
【0478】図77bにおいて、構造層は加工表面以下
好ましくは約300ミルだけ下方に浸漬される。
【0479】図77cにおいて、構造層は浸漬状態のま
ま上に揚げられ、層1302の形成の準備のため先に述
べた方法で再塗装される。
【0480】図77dにおいて、部分的に形成された部
分は大幅に、好ましくはメニスカス1303の早期の形
成を保証するため4〜5層厚分だけ上昇される。
【0481】次に、図77eにおいて、メニスカス13
03内の材料は、好ましくは、出願番号331,644
で議論した硬化幅補償アルゴリズムを用いて決定される
適当な硬化幅補償量を利用してレーザビームを位置決め
することによって固化される。
【0482】次に、図77fにおいて、部分的に形成さ
れた部分は処理を続行するため下向きに浸漬される。
【0483】図78は部分表面について、この実施例の
有利な効果を示している。この実施例において、部分は
10ミルの層で形成され、表面は45゜に傾いている。
図の最も左の部分はメニスカス効果が平滑化されない不
連続部を示しているが、最も右側の部分は、平滑化され
た不連続部を示している。
【0484】最初に述べたように、以上の諸例はあくま
で図示のためであり、限定的に解されるべきではない。
【0485】本発明の実施例と応用例が示され、かつ記
述されたが、本発明の発明思想から逸脱することなし
に、種々の多くの修正が可能であることは、当業者にと
って明らかであろう。本発明は、したがって、添付の請
求の範囲の精神における制限を除いて、限定されるもの
ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ほとんど平らな表皮の製造におけるMSAの使
用を示す図
【図2】ほとんど平らな表皮の製造におけるMSAの使
用を示す図
【図3a】本発明の第1実施例のフローチャートの一部
【図3b】本発明の第1実施例のフローチャートの残部
【図4】スライス面と断面との対応を示す図
【図5】3角の分類を示す図
【図6】投射領域の発生を示す図
【図7】Si[i]+、S[i]*およびS[i+1]
の間の関係を示す図
【図8】L’[i]とL’[i+1]からU[i]を作
成するのを説明する図
【図9】上に面する領域と下に面する領域との間の重な
りを示す図
【図10】過剰露光を防止するための上に面する境界と
下に面する境界への調節を示す図
【図11】過剰露光を防止するための上に面する境界と
下に面する境界への調節を示す図
【図12a、12b】表皮ベクトルの発生から利益を受
けるには小さすぎる範囲の検出を示す図
【図13】第1実施例を実行するフローチャート
【図14】図13の方法の詳細なサブステップのフロー
チャート
【図15a、15b】交差点でのセグメントを分離する
過程を説明する図
【図16】セグメントに方位を割り当てる過程を説明す
る図
【図17a、17b】水平セグメントに方位を割り当て
る過程を説明する図
【図18a、18b】2個の重なるセグメントを表すも
のとしてのバイゴン(bigon)の概念を説明する図
【図19a、19b】3個の重なるセグメントの場合を
説明する図
【図20a、20b】論理和演算の実行を説明する図
【図21a、21b】和演算におけるバイゴンの取扱い
を説明する図
【図22a〜22g】線幅補償の実行を説明する図
【図23a〜23c】ブール微分演算の実行を説明する
【図24a、24b】表皮ベクトル発生を説明する図
【図25a〜25c】表皮収縮のためのファントム境界
の発生を説明する図
【図26a〜26d】角での影の境界のクリッピングを
説明する図
【図27a〜27d】角での影の境界のクリッピングを
説明する図
【図28a〜28d】本発明の第2実施例のフローチャ
ート
【図29a〜29d】本発明での小型化された形成スタ
イルの使用を説明する図
【図30a〜30f】本発明とともに利用されるように
補償される硬化深さの実施例を説明する図
【図31】ステレオリソグラフィを用いて形成できる物
体または部分の図式的な側面図
【図32】10ミルの断面を用いてスライスされ、10
ミルの厚さを形成できる材料を用いて作られた図31の
物体の側面図
【図33】40ミル(1mm)の断面を用いてスライス
されるが、40ミルまで硬化される材料を用いて作られ
た図31の物体の側面図
【図34】10ミルの断面を用いてスライスされるが、
典型的なステレオリソグラフィアプローチを用いて40
ミルより小さい支持されない層を形成できない材料(す
なわち、40ミルMSD材料)を用いて作られた図31
の物体の側面図
【図35】10ミルの断面を用いてスライスされ、本発
明の第1実施例を用いて40ミルより小さい支持されな
い層を形成できない材料(MSD材料)を用いて作られ
た図31の物体の側面図
【図36】10ミルの断面を用いてスライスされ、本発
明の第2実施例を用いて40ミルより小さい支持されな
い層を形成できない材料を用いて作られた図31の物体
の側面図
【図37−1から図37−28】図32の物体を形成す
るために使用される層1〜28の水平面図
【図38−1から図38−28】図35の物体を形成す
るために使用される層1〜28の水平面図。これらの図
の線影は、層の上に硬化が生じない領域を示す。斜線
は、硬化を示す。
【図39−1から図38−28】図36の物体を形成す
るために使用される層1〜28の水平面図
【図40】ステレオリソグラフィを用いて形成できる第
2物体の側面図
【図41】高分解能材料(MSD層厚さ)を用いてを用
いたステレオリソグラフィによる物体のスライスと複製
を示す、図40の物体の側面図
【図42】図40の物体であるが、高分解能で、層厚さ
より4倍大きいMSDを有する材料を用いて形成できる
部分(およびスライス面)の側面図。また、特別な処理
を要する角の頂点部分が示される。
【図43a〜43e】不正確さを最小にしまたは美的訴
求力を最大にできるようにMSDより薄い区分(角部
分)が処理できる種々の方法を強調して図40の物体を
示す図
【図44−1〜図44−21】図41の物体を作るため
に、図40に描かれた物体に「スライススタイル1」を
適用して得られる(Y軸方向に圧縮された)断面情報の
図式的な図
【図45】ステレオリソグラフィにより3次元物体を生
産するための本発明の基本的システムを示すフローチャ
ート
【図46】ステレオリソグラフィにより3次元物体を生
産するための本発明の基本的システムを示すフローチャ
ート
【図47】標準的ステレオリソグラフィを用いて形成さ
れた2個の隣接する層の側面図
【図47a】曲がりバランス技法を用いてステレオリソ
グラフィで形成されるバランスされる層とバランスする
層の側面図
【図48】曲がりバランス技法を用いて形成される3次
元物体を示す図
【図49】図48に示される3次元物体の正面図
【図49a〜49d】図49に示される物体のバランス
する層とバランスされる層とを転移するまたは硬化する
ときに使用される種々の硬化深さを示す図
【図50】バランスされる層部分、バランスする層部分
および標準的形成部分を備えた層を有する物体を示す図
【図51】多数の形成ブロックを有し、かつ、曲がりバ
ランスの3層実施例を用いた図49に示される物体の正
面図
【図51a〜51c】図51に示されたような3層実施
例においてバランスする層に対してバランスされる層を
転移するための種々の組み合わせを示す図
【図52】多数の形成ブロックを有し、かつ曲がりバラ
ンスの4層実施例を用いた図49に示される物体の正面
【図53】曲がりバランス技法を利用した単一層の上の
材料の3本の線の上面図
【図54】曲がりバランス技法を利用した単一層の上の
材料の3本の線の上面図
【図55】小型化されたスタイルを用いて形成された3
次元物体の図
【図56a〜56d】表面不連続を下向きの形状で補充
層で補充する種々の方法を示す図
【図57a〜57d】は、表面不連続を上向きの形状で
補充層で補充する種々の方法を示す図
【図58a、58b】2つの異った補充層厚さにより得
ることができる表面分解能を比較する図
【図59a〜59c】表面不連続を補充するために使用
できる種々の非一様な技法を描く図
【図60a〜60c】本発明の補充層の3次元的図
【図61a〜61j】斜めの下に面する領域のためのい
くつかの可能な転移領域の図
【図62a〜62d】3次元物体において作られるとき
の図61aの転移領域の図
【図63a〜63d】3次元物体において作られるとき
の図61bの転移領域の図
【図64a〜64d】3次元物体において作られる時の
図61cの転移領域の図
【図65a〜65d】3次元物体において作られるとき
の図61dの転移領域の図
【図66a〜66d】図62に対応する、下に面した斜
めの表面の代わりに、上に面する斜めの表面のための図
【図67a〜67d】図63に対応する、下に面した斜
めの表面の代わりに、上に面する斜めの表面のための図
【図68a〜68d】図64に対応する、下に面した斜
めの表面の代わりに、上に面する斜めの表面のための図
【図69a〜69d】図65に対応する、下に面した斜
めの表面の代わりに、上に面する斜めの表面のための図
【図70a〜70d】3次元物体において作られるとき
の図61iの転移領域の図
【図71a〜71d】3次元物体において作られるとき
の図61jの転移領域の図
【図72】本発明の実行の例を示す図
【図73】本発明の実行の例を示す図
【図74】本発明の実行の例を示す図
【図75】本発明の実行の例を示す図
【図76a〜76c】表面不連続の上を滑らかにするた
めにメニスカスを使用する本発明の実施例を示す図
【図77a〜77f】表面不連続の上を滑らかにするた
めにメニスカスを使用する本発明の実施例を示す図
【図78】メニスカスの平滑効果を示す図
【符号の説明】
LB 層輪郭 L’’’[i] FUB 上向輪郭 U’[i] LH 層ハッチング L’’[i] FDB 下向輪郭 D[i] NFDH 下向ハッチング D[i] FUF 上向補充 U’’[i] FDF 下向補充 D’[i]
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 607042 (32)優先日 平成3年10月31日(1991.10.31) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 スモーレイ、デニス・アール アメリカ合衆国、カリフォルニア91706、 ボールドウィン・パーク、ロサンジェル ス・ストリート14131番 (72)発明者 コーエン、アダム・エル アメリカ合衆国、カリフォルニア90024、 ロサンジェルス、アパートメント802、ウ ィルシャイア・ブルーバード10717番 (72)発明者 アリソン、ジョセフ・ダブリュ アメリカ合衆国、カリフォルニア91355、 バレンシア、セナ・コート27156番 (72)発明者 ボルギッチ、トマス・ジェイ アメリカ合衆国、カリフォルニア93063、 シミ・バレイ、サミット・アベニュー4846 番 (72)発明者 チェン、トマス・ピー アメリカ合衆国、カリフォルニア91011、 ラ・カナダ、フェアビュー・ドライブ1152 番 (72)発明者 ニューエン、ホップ・ピー アメリカ合衆国、カリフォルニア93543、 リトルロック、イースト・アベニュー・ア ール−14、10735番 (72)発明者 シュミッド、クリス・エイ アメリカ合衆国、カリフォルニア91344、 グラナダ・ヒルズ、ダニューブ10354番 (72)発明者 エバンズ、ハーバート・イー アメリカ合衆国、カリフォルニア91380、 サンタ・クラリタ、ポストオフィス・ボッ クス・800141番 (72)発明者 フリード、レイモンド・エス アメリカ合衆国、カリフォルニア91324、 ノースリッヂ、ロマール・ストリート 19601番 (72)発明者 ジェイコブ、ポール・エフ アメリカ合衆国、カリフォルニア91214、 ラ・クレセンタ、パインリッヂ・ドライブ 5347番 (72)発明者 ビンサン、ウェイン・エイ アメリカ合衆国、カリフォルニア91355、 バレンシア、ティアラ・ドライブ26053番 Fターム(参考) 4F203 AP11 AP12 AR12 AR13 DA12 DB01 DC07 4F213 AP11 AP12 AR12 AR13 WA25 WA97 WB01 WL02 5B046 FA16 GA09

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを作成する方法であって、 第二の層の下に間隔をおいた第一の層の初期の層データ
    を供給する工程、 該第二の層の初期の層データを供給する工程、 前記第一と第二の層のうちの第一の選択された層の初期
    の層データと、該第一の選択された層とは異なる、該第
    一と第二の層のうちの第二の選択された層の初期の層デ
    ータとの間のブール微分(Boolean difference)を作成す
    る工程を含む、該第一の選択された層に関して所望の層
    データを作成する工程、 他の層に関して所望の層データを作成する工程、および
    前記物体を一層ずつ形成するために前記所望の層データ
    を供給する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを形成する方法であって、 第二の層の下に間隔をおいた第一の層の初期の層データ
    を供給する工程、 該第二の層の初期の層データを供給する工程、 前記第一と第二の層のうちの第一の選択された層の初期
    の層データと、該第一の選択された層とは異なる、該第
    一と第二の層のうちの第二の選択された層の初期の層デ
    ータとの間の論理和(Boolean union)を作成する工程を
    含む、該第一の選択された層に関して所望の層データを
    作成する工程、 他の層に関して所望の層データを作成する工程、および
    前記物体を一層ずつ形成するために前記所望の層データ
    を供給する工程を含むことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを形成する方法であって、 第二の層の下に間隔をおいた第一の層の初期の層データ
    を供給する工程、 該第二の層の初期の層データを供給する工程、 前記第一と第二の層のうちの第一の選択された層の初期
    の層データと、該第一の選択された層とは異なる、該第
    一と第二の層のうちの第二の選択された層の初期の層デ
    ータとの間の論理積(Boolean intersection)を行う工程
    を含む、該第一の選択された層に関して所望の層データ
    を作成する工程、 他の層に関して所望の層データを作成する工程、および
    前記物体を一層ずつ形成するために前記所望の層データ
    を供給する工程を含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを形成する方法であって、 第二の層の下に間隔をおいた第一の層の初期の層データ
    を供給する工程、 該第二の層の初期の層データを供給する工程、 該第一と第二の初期の層データのうちの第一の選択され
    た層データに関して所望の層データを形成する工程であ
    って、該第一の選択された層データとは異なる該第一と
    第二の初期の層データの内の一つの層データの否定演算
    (Boolean complement)を行って、変更層データを作成
    し、該変更層データと前記第一の選択された層データの
    初期の層データとの間で引き続きブール演算を行う工程
    を含む工程、 少なくともいくつかの他の層に関して所望の層データを
    作成する工程、および前記物体を一層ずつ形成するため
    に前記所望の層データを供給する工程を含むことを特徴
    とする方法。
  5. 【請求項5】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを形成する方法であって、 第二の層の下に間隔をおいた第一の層の初期の層データ
    を供給する工程、 該第二の層の初期の層データを供給する工程、 該第一と第二と第三の層の初期の層データ間でAND演
    算を行う工程を含む、該第二の層に関する非外向き層デ
    ータを作成する工程、 該第二の層の所望の層データを形成する際に、該非外向
    き層データを用いる工程、 他の層に関して所望の層データを作成する工程、および
    前記物体を一層ずつ形成するために前記所望の層データ
    を供給する工程を含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを形成する方法であって、 第二の層の下に間隔をおいた第一の層の初期の層データ
    を供給する工程、 該第二の層の初期の層データを供給する工程、 該第一と第二の層のうちの第一の選択された層に関する
    外向き層データを作成する工程であって、該第一と第二
    の層のうちの該第一の選択された層の初期の層データ
    と、該第一の選択された層とは異なる該第一と第二の層
    のうちの第二の選択された層の層データとのブール微分
    を作成する工程を含む工程、 該第一と第二の層のうちの該第一の選択された層の所望
    の層データを作成する際に、前記外向き層(輪郭)デー
    タを用いる工程、 他の層に関して所望の層データを作成する工程、および
    前記物体を一層ずつ形成するために前記所望の層データ
    を供給する工程を含むことを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 三次元物体を一層ずつ形成するのに使用
    するために、初期の層データから該物体の複数の所望の
    層データを形成する方法であって、 第一の層の初期の層データを供給する工程、 該第一の層の初期の層データのNOT演算を行う工程を
    含む、層の所望の層データを作成する工程、 少なくともいくつかの他の層に関して所望の層データを
    作成する工程、および前記三次元物体の硬化層を一層ず
    つ形成するために、前記所望の層データを用いる工程を
    含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 相乗的刺激に露出することにより選択的
    な物理的移転が可能な材料から三次元物体を形成する方
    法であって、この方法は、物体を表すデータを複数の層
    データにスライスすることを含む方法であり、この方法
    は、 スライスする寸法の方向に複数の間隔を空けたスライス
    面を有する物体データを重ねる工程、ここで上記の複数
    のスライス面の中の任意の2つの連続するスライス面は
    物体データの1つの層を区切り、この複数の区切られた
    層は、また、スライス寸法の方向に連続的に間隔をおい
    ている、 上記物体データの各々の区切られた層を、その層を区切
    る2つの連続的なスライス面と対応させる工程、ここ
    で、この2つの連続的なスライス面は、第1と第2のス
    ライス面からなり、第1のスライス面は、スライス寸法
    の方向に第2のスライス面より低く位置される、 物体データと、前記層を区切る上記の第1と第2のスラ
    イス面のうちの第1の選択されたスライス面との論理積
    からなる前記物体データの各々の区切られた上記層のた
    めの理論積セグメントを形成する工程、 投射(projection)からなる上記の物体データと、層を区
    切る第1と第2のスライス面の中の第1の選択されたス
    ライス面との理論積からなる物体データの各々の区切ら
    れた上記層のための投射セグメントを形成する工程、こ
    こで、この投射は、層を区切る第1と第2のスライス面
    の中の第2の選択されたスライス面への投射であり、物
    体データと、層を区切る第1と第2のスライス面のうち
    の、上記の第2の選択されたスライス面と異なる第3の
    選択されたスライス面との論理積からなる、 区切られた輪郭の論理積セグメントと投射セグメントと
    の論理和からなる上記の物体データの各々の区切られた
    層の層輪郭データを形成する工程、 各々の区切られた層のための層輪郭データを、その層の
    ための層データに導入する工程、 上記の材料の層を連続的に形成する工程、および上記の
    層データに対応して上記の相乗的刺激に上記の材料の上
    記の層を選択的に露出して、上記の三次元物体を生成す
    る工程からなる三次元物体形成法。
  9. 【請求項9】 相乗的刺激に露出することにより選択的
    な物理的移転が可能な材料から三次元物体を形成する装
    置であって、この装置は、物体を表すデータを複数の層
    データにスライスすることを含む装置であり、この装置
    は、 スライスする寸法の方向に複数の間隔をおいたスライス
    面を有する物体データを重ねるようにプログラムされた
    少なくとも1つのコンピュータ、ここで、上記の複数の
    スライス面の中の任意の2つの連続するスライス面は物
    体データの1つの層を区切り、この複数の区切られた層
    は、また、スライス寸法の方向に連続的に間隔をおいて
    いる、 上記の材料の層を連続的に形成する手段、および上記の
    層データに対応して上記の相乗的刺激に上記の材料の上
    記の層を選択的に露出して、上記の三次元物体を生成す
    る手段からなり、 上記のコンピュータは、さらに、物体データの各々の区
    切られた層を、その層を区切る2つの連続的なスライス
    面と対応するようにプログラムされていて、この2つの
    連続的なスライス面は、第1と第2のスライス面からな
    り、第1のスライス面は、スライス寸法の方向に第2の
    スライス面より低く位置され、 上記のコンピュータは、さらに、物体データと、層を区
    切る上記の第1と第2のスライス面の中の第1の選択さ
    れたスライス面との論理積からなる物体データの各々の
    区切られた上記の層のための論理積セグメントを形成す
    るようにプログラムされ、 上記のコンピュータは、さらに、投射からなる上記の物
    体データと、層を区切る 第1と第2のスライス面の中
    の第1の選択されたスライス面との論理積からなる物体
    データの各々の区切られた上記の層のための投射セグメ
    ントを形成するようにプログラムされ、この投射は、層
    を区切る第1と第2のスライス面の中の第2の選択され
    たスライス面への投射であり、物体データと、層を区切
    る第1と第2のスライス面の中の、上記の第2の選択さ
    れたスライス面と異なる第3の選択されたスライス面と
    の論理積からなり、 上記のコンピュータは、さらに、区切られた輪郭の論理
    積セグメントと投射セグメントとの論理和からなる上記
    の物体データの各々の区切られた層の層輪郭データを形
    成するようにプログラムされ、 上記のコンピュータは、さらに、各々の区切られた層の
    ための層輪郭データを、その層のための層データに含む
    ようにプログラムされる三次元物体形成装置。
  10. 【請求項10】 相乗的刺激に選択的に露出することが
    可能な材料から三次元物体を形成する方法であって、こ
    の方法は、物体の複数の層の層輪郭データからこれらの
    層の層データを形成することを含む方法であり、 層輪郭データを有する第2の層の下に間隔をおいた少な
    くとも第1の層輪郭データを有する層のために、上記の
    第1と第2の層の中の第1の選択された層の層輪郭デー
    タと、上記の第1と第2の層の中の第2の選択された層
    の層輪郭データとのブール微分を形成し、上記の第1と
    第2の層の中の上記の第1の選択された層のための外方
    向に向いた輪郭データを形成する工程、 上記の第1と第2の層の中の上記の第1の選択された層
    の層データの中に、外方向に面する輪郭データを導入す
    る工程、 上記の材料の層を連続的に形成する工程、 上記の層データに対応して上記の相乗的刺激に上記の材
    料の上記の層を選択的に露出して、上記の三次元物体を
    生成する工程からなる三次元物体形成法。
  11. 【請求項11】 相乗的刺激に選択的に露出することが
    可能な材料から三次元物体を形成する装置であって、こ
    の装置は、物体の複数の層の層輪郭データからこれらの
    層の層データを形成することを含む装置であり、この装
    置は、 層輪郭データを有する第2の層の下に間隔をおいた少な
    くとも第1の層輪郭データを有する層のために、上記の
    第1と第2の層の中の第1の選択された層の層輪郭デー
    タと、上記の第1と第2の層の中の第2の選択された層
    の層輪郭データとのブール微分を形成し、上記の第1と
    第2の層の中の上記の第1の選択された層のための外方
    向に向いた輪郭データを形成するようにプログラムされ
    た少なくとも1つのコンピュータと、 上記の材料の層を連続的に形成する手段と、 上記の層データに対応して上記の相乗的刺激に上記の材
    料の上記の層を選択的に露出して、上記の三次元物体を
    生成する手段とからなり、 上記のコンピュータは、さらに、上記の第1と第2の層
    の中の上記の第1の選択された層の層データの中に、外
    方向に面する輪郭データを導入するようにプログラムさ
    れる三次元物体形成装置。
  12. 【請求項12】 媒体の複数の層からステレオリソグラ
    フィにより物体を生成する方法であって、この物体は、
    物体の外形を定義し、上記の媒体は、最小の硬化深さを
    有し、相乗的刺激に露出されたときに硬化可能であり、
    この方法は、 物体の第1断面に対応する面する要素を有する媒体の第
    1層の上面で、面要素を選択する工程、 媒体の第1層の上面での上記の面要素と、この面要素の
    下にある物体の外形との間の厚さを決定する工程、 この厚さを、最小硬化深さと比較する工程、 この厚さが最小硬化深さ以上になるまで、第1断面の上
    記の面要素を相乗的刺激に露出せずに、第1層の上に媒
    体の1以上の層を生成することにより、厚さを増加する
    工程、および上記の面要素を相乗的刺激に露出して、物
    体の少なくとも1部を形成する工程からなる三次元物体
    形成法。
  13. 【請求項13】 媒体の複数の層からステレオリソグラ
    フィにより物体を生成する方法であって、上記の媒体
    は、最小の硬化深さを有し、相乗的刺激に露出されたと
    きに硬化可能であり、この方法は、 上に面する面要素と下に面する面要素の中の少なくとも
    一方を有する媒体の第1の層の1領域を選択する工程、 任意の上に面する面要素を相乗的刺激に露出する工程
    と、 任意の上に面しない面要素での、媒体の第1層の上面か
    ら、この面要素の下にある下側の物体面までの、妨げら
    れない物体の厚さを決定する工程、 任意のそのような上に面しない面要素の下の厚さが最小
    硬化深さ以上になるまで、任意のそのような上に面しな
    い面を硬化用の相乗的刺激に露出せずに、第1層の上に
    次の層を生成する工程、および上記のそのような任意の
    上に面しない面要素を硬化用の相乗的刺激に露出して、
    物体の少なくとも1部を形成する工程からなる三次元物
    体形成法。
  14. 【請求項14】 相乗的刺激に露出することにより物理
    的転移が可能な媒体の複数の層から三次元物体をステレ
    オリソグラフィで形成する改良された方法であって、こ
    の方法は、上記の材料の複数の層の連続的生成と、三次
    元物体を1層ずつ構築するために三次元物体の連続する
    断面に対応して上記の材料の複数の層を相乗的刺激に選
    択的に露出する工程を含み、この方法の改良点は、 物体の少なくとも1つの次の層の形成の準備のために、
    1断面が、転移されない追加の材料の少なくとも1層で
    覆われるまで、断面の少なくとも1部に材料を転移しな
    いままに残すことであり、断面の上記の少なくとも1部
    は、加えられた追加の材料の少なくとも1層での材料を
    通して相乗的刺激に露出することにより転移される三次
    元物体形成法。
  15. 【請求項15】 相乗的刺激に応じて硬化可能な材料か
    ら実質的に1層ずつ三次元物体をステレオリソグラフィ
    で生産する改良された方法であって、この方法は、上記
    の材料の複数の層の連続的生成と、上記の材料の連続的
    層に相乗的刺激を選択的に加えて、上記の三次元物体を
    材料の複数の硬化された層から形成する工程を含み、こ
    の方法の改良点は、 バランスされる層を硬化する工程と、次にこのバランス
    される層に対してバランスする層を硬化して、このバラ
    ンスする層によって生じたバランスされる層の逆の曲が
    りが、バランスする層によって生じたバランスされる層
    の曲がりを実質的に打ち消す工程とからなる三次元物体
    形成法。
  16. 【請求項16】 相乗的刺激に応じて硬化可能な材料か
    ら実質的に1層ずつ三次元物体を生産する改良されたス
    テレオリソグラフィ装置であって、この装置は、上記の
    材料の複数の層の連続的生成手段と、上記の材料の連続
    的層に相乗的刺激を選択的に加えて、上記の三次元物体
    を材料の複数の硬化された層から形成する手段を含み、
    この装置の改良点は、 バランスされる層を硬化し、次にこのバランスされる層
    に対してバランスする層を硬化して、このバランスする
    層によって生じたバランスされる層の逆の曲がりが、バ
    ランスする層によって生じたバランスされる層の曲がり
    を実質的に打ち消す手段とからなるステレオリソグラフ
    ィ装置。
  17. 【請求項17】 三次元物体の表面の1領域(この領域
    はまだ形成されていない第1構造層の端からなる)と所
    望の物体の外形との差からなる表面不連続の減少法であ
    って、まだ形成されていない第2構造層の表面の少なく
    とも1部からなる延長部が、上記の第1構造層の端を延
    長部だけ越えて存在する端を備え、この2つの端は、物
    体の外形に対して少なくとも1部で接触し、第2構造層
    の表面が、少なくとも1部で、第1構造層の表面と接触
    する方法であり、この方法は、 相乗的刺激に選択的に露出することにより選択的な物理
    的転移が可能であり作用表面が形成される流動可能材料
    を収容する工程、 上記の相乗的シミュレーションの第1量に上記の作用表
    面で材料を選択的に露出して、上記の第1と第2の構造
    層の中の第1の選択された層を形成する工程、 この第1の選択された層を形成する上表面(上記の第1
    と第2の構造層の上記の表面の中の1つの表面)の上に
    転移されない材料の1層を形成する工程(この転移しな
    い層の上表面は、新しい加工表面を定義する)、 上記の層を上記の相乗的刺激の第2量に選択的に露出し
    て、上記の第1と第2の構造層の中の、上記の第1の選
    択された層と異なる第2の選択された層を形成する工程
    (上記の第2の選択された層の下側表面は、上記の第1
    と第2の構造層の上記の表面の1つであり、この下側表
    面は、上記の新加工表面の下に位置する)、 上記の領域が、上記の新加工表面の上に位置されるまで
    上記の第1と第2の選択された層を上昇し、上記の材料
    のメニスカスが上記の領域において生じて上記の領域に
    おける新しい物体表面を定義する工程(この新物体表面
    は、少なくとも部分的に上記の不連続を減少する)、お
    よび上記のメニスカスを相乗的刺激の第3量に選択的に
    露出して上記のメニスカスを実質的に転移する工程から
    なる方法。
  18. 【請求項18】 三次元物体の表面の1領域(この領域
    はまだ形成されていない第1構造層の端からなる)と所
    望の物体の外形との差からなる表面不連続の減少する装
    置であって、まだ形成されていない第2構造層の表面の
    少なくとも1部からなる延長部が、上記の第1構造層の
    端を延長部だけ越えて存在する端を備え、この2つの端
    は、物体の外形に対して少なくとも1部で接触し、第2
    構造層の表面が、少なくとも1部で、第1構造層の表面
    と接触する装置であり、この装置は、 相乗的刺激に選択的に露出することにより選択的な物理
    的転移が可能であり作用表面が形成される流動可能材料
    を収容する容器と、 物体の形成データを修正するようにプログラムさせた少
    なくとも1つのコンピュータからなる形成手段であっ
    て、上記の形成データは、形成データに対応して上記の
    第1と第2の構造層の中の第1の選択された層を形成す
    る相乗的刺激の第1量を特定し、上記の形成データは、
    さらに、上記の第1と第2の構造層の中の、上記の第1
    の選択された層と異なる第2の選択された層を形成する
    相乗的刺激の選択的な第2量を特定し、ここに上記の第
    2の選択された層の下側表面は、上記の第1と第2の構
    造層の上記の表面の1つであり、この下側表面は上記の
    新加工表面の下に位置し、上記のメニスカスが実質的に
    転移するときに上記のメニスカスを選択的に露出する上
    記の相乗的刺激の第3量を特定する形成手段と、 上記の第1の選択された層の上表面の上に転移されない
    材料の1層を形成する再被覆手段(この転移しない層の
    上表面は、新しい加工表面を定義する)であって、上記
    の再被覆手段は、上記の領域が上記の新加工表面の上に
    位置されるまで上記の第1と第2の選択された層を上昇
    し、上記の材料のメニスカスが上記の領域において生じ
    て上記の領域における新しい物体表面(この新物体表面
    は、少なくとも部分的に上記の不連続を減少する)を定
    義する再被覆手段とからなり、 上記の形成手段は、上記の修正された形成データに対応
    して、上記の材料を上記の加工データで相乗的刺激に選
    択的に露出する装置。
  19. 【請求項19】 相乗的刺激に露出することにより選択
    的な物理的転移が可能な材料から三次元物体を形成する
    方法であって、この方法は、 物体の第2層に隣接した物体の第1層を少なくとも部分
    的に特定し(この特定される第1層と第2層は厚さを有
    し)、所望の物体の外形からの差だけずれる表面を形成
    するように特定される物体データを修正して、上記の第
    1層と第2層の厚さより小さい厚さを有するように特定
    される第3層を特定するようにさらに修正された物体デ
    ータを得て、この第3層を上記の表面に付着して上記の
    差を減少する工程、 上記の材料の複数の層を連続的に形成する工程、および
    上記の修正された物体データに対応して上記の相乗的刺
    激に上記の材料の複数の層を選択的に露出し、上記の三
    次元物体を得る工程からなる方法。
  20. 【請求項20】 相乗的刺激に露出することにより選択
    的な物理的転移が可能な材料から三次元物体を形成する
    装置であって、この装置は、 物体の第2層に隣接した物体の第1層を少なくとも部分
    的に特定し(この特定される第1層と第2層は厚さを有
    し)、所望の物体の外形からの差だけずれる表面を形成
    するように特定される物体データを修正して、上記の第
    1層と第2層の厚さより小さい厚さを有するように特定
    される第3層を特定するようにさらに修正された物体デ
    ータを得て、この第3層を上記の表面に付着して上記の
    差を減少する手段、 上記の材料の複数の層を連続的に形成する手段、および
    上記の修正された物体データに対応して上記の相乗的刺
    激に上記の材料の複数の層を選択的に露出し、上記の三
    次元物体を得る手段からなる三次元物体形成装置。
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