JP3325267B2 - 3次元物体の造形方法及び装置 - Google Patents

3次元物体の造形方法及び装置

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JP3325267B2
JP3325267B2 JP50089892A JP50089892A JP3325267B2 JP 3325267 B2 JP3325267 B2 JP 3325267B2 JP 50089892 A JP50089892 A JP 50089892A JP 50089892 A JP50089892 A JP 50089892A JP 3325267 B2 JP3325267 B2 JP 3325267B2
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    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
    • B29C64/40Structures for supporting 3D objects during manufacture and intended to be sacrificed after completion thereof
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/49Nc machine tool, till multiple
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    • GPHYSICS
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 本発明は、全般的には、ステレオリソグラフィの原理
の応用により、ある3次元物体の物体表現を、該3次元
物体の段階的な1断面ずつの形成において連続的に使用
するための複数の断面表現にスライスすることに関し、
より詳細には、連続する断面の境界間での論理比較を利
用して、該3次元物体の該物体表現を該断面表現にスラ
イスすることに関する。さらに本発明は、より高い信頼
性で、より正確に(より少ないカール歪みおよびより少
ない硬化後の歪み)、かつより高い表面分解能で部品
(物体)を製造するための、改良された方法およびシス
テムに関する。
背景技術 近年、断面ごとに3次元物体を造形するためのいくつ
かの造形技術が利用できるようになった。そのような技
術の1つが、ステレオリソグラフィであり、米国特許第
4,575,330号(以下'330特許という)に記載されてい
る。この特許の全ての開示内容は、参照により本明細書
に記載されているものとする。ステレオリソグラフィの
原理によれば、3次元物体は、相乗的刺激に露出するこ
とにより物理的転移(transformation)が可能な材料か
ら1断面ずつ段階的に形成される。ステレオリソグラフ
ィの1例では、液体感光性ポリマなどの未転移の材料の
複数の材料層が、容器に収容された多量の液体感光性ポ
リマの作業表面で連続的に形成される。
次に、これらの材料層は、相乗的刺激に選択的に露出
されて、連続的な物体断面の層状硬化部を形成する。さ
らに、物体断面の層状硬化部への転移のときに、転移さ
れた材料は、典型的には、硬化に際しての感光性ポリマ
の自然接着性により、前に形成された層状硬化部に接着
する。ステレオリソグラフィについての他の詳細は、以
下の公開物に記載されていて、これらの記載内容はすべ
て、参照により本明細書に記載されているものとする。
公開物 PCT公開 第WO/89/10256号 PCT公開 第WO/89/10249号 PCT公開 第WO/89/10254号 PCT公開 第WO/89/10259号 PCT公開 第WO/89/11085号 PCT公開 第WO/89/11085号 PCT公開 第WO/89/10801号 EPO公開 第86/171069号 日本特許公開 昭62−3596号 PCT公開 第WO/90/03255号 PCT公開 第WO/90/15674号 PCT公開 第WO/91/06378号 日本特許出願 平2−291647号 PCT公開第WO/89/10256号に記載されているように、ス
テレオリソグラフィシステムは、典型的には、対応する
物体表現にしたがって3次元物体を形成する。この物体
表現は、CADシステムなどにおいて形成できる。しか
し、そのような物体表現を使用可能とするには、該物体
表現は、複数の断面表現にスライスされねばならない。
次に、ステレオリソグラフィシステムは、段階的な断面
ごとの物体造形の過程で、上記の断面表現に対応して、
未転移の材料層を選択的に露出して、物体の複数の層状
硬化部を形成し、そうして、物体それ自体を形成する。
しかし、断面表現を形成する以前の方法には、多数の
欠点があった。
これらの方法での1つの問題は、表面分解能の増大を
達成する技術を利用することが困難である点である。こ
れは、表面分解能の増大のためのいくつかの効果的方法
が、2つ以上の断面間における断面情報の比較を自ずか
ら含むためである。一般化された断面比較能力がなけれ
ば(上記の参照された各出願のために)要求される比較
法は、個々の場合の各々に対して、そして、実効される
個々の操作の各々に対して、別々に開発されなければな
らない。
感光性ポリマを基にしたシステムにとって、別の1つ
の問題は、多くの感光性ポリマが「最小硬化可能厚さ」
を有することである。この「最小硬化可能厚さ」とは、
その厚さ以下では、上記の感光性ポリマが、結合力を有
する転移された硬化部の支持されていない領域を形成で
きるほど十分に硬化されない、最小限の厚さである。た
とえば、現在好ましい液体感光性ポリマでは、物体のあ
る外面形状であって、最小硬化可能深さ(MSD)すなわ
ち最小硬化可能厚さより小さい厚みを有する外面形状を
形成しようとする試みがなされるなら、その外面形状
は、単に該物体の一部となるほど十分に硬化されない
か、または、崩れ落ちる(すなわち、その形状を保持で
きない)かのどちらかである。ある造形用媒質(たとえ
ば感光性ポリマ)の最小硬化可能厚さは、その造形用媒
質すなわち造形用材料それ自体の1つの特性であるだけ
でなく、選択された相乗的刺激および物体の周りの環境
条件にも依存する。たとえば、感光性ポリマに吸収され
た酸素は、反応抑止剤として作用し得る。したがって、
本明細書で使用される「MSD」という語は、与えられた
材料と硬化環境の組合わせで得られる最小硬化可能深さ
を指すものとする。
MSDは、硬化部の支持されていない領域(すなわち、
物体の下向き面領域)を形成するための最小硬化可能深
さであるので、これらの領域は、物体を形成している個
々の断面間の厚さとは無関係に、少なくともMSD分の硬
化深さを与えられねばならない。したがって、断面ごと
の形成過程のために、これらの断面がMSDより薄くて
も、ステレオリソグラフィで複製される物体の精度は、
使用される材料のMSDにより制限される。
PCT公開第WO/89/10801号に記載されるように、使用さ
れる材料の密度が未転移の状態(たとえば液体状態)と
転移した状態(たとえば固体状態)の間で変化すると
き、ステレオリソグラフィを用いて作製される物体は、
歪む傾向がある。この密度変化は、材料の縮小または膨
張を起こし、部品の形成時に、下方の硬化部あるいは隣
接構造が「カール」しようとするような応力を発生さ
せ、その部品全体に歪みを生じさせる。
創造的なステレオリソグラフィ造形技術を利用した、
カールを低減するための方法と装置が開発されてきた。
これらの造形技術は、レンガ・モルタル技術(時にはタ
イル技術とよばれる)、マルチパス技術、およびリベッ
ト技術として知られている3つの概念または技術を含む
が、これらに限定されない。
これらの技術は応力とカールを低減させるのに成功し
効果的であるけれども、ここで認識されるべきことは、
一般に、与えられた応用法の各々は、構造強度とカール
との間のトレードオフを含むことである。すなわち、あ
る特定の応用法に要求される構造強度が高いほど、硬化
部間で生じるカールは大きくなる。
図47は、ステレオリソグラフィの段階的な断面ごとの
造形によって形成される球状物体1の側面図を示す。物
体の各断面は、それぞれ参照番号1a、1b、1cによって指
定される。図47において、物体表現2は、物体の表面の
表現として描かれたものであり、形成される物体1のま
わりの円状の包絡線として現れている。形成される物体
1は、斜線領域として描かれている。また、物体1と物
体表現2との間のずれを含む、段階状の表面不連続部3a
−3xも描かれている。これらの表面不連続部は、ステレ
オリソグラフィにより作製される物体において自ずから
形成されるものであり、そのような物体を形成するため
に利用される層状硬化部の厚さが有限であることから生
じる結果である。もし無限に薄い層状硬化部が利用でき
るならば、表面不連続部は、完全に除去できるであろ
う。しかし、一般に、薄い層状硬化部は、表面不連続を
低減するための実行可能な解決法ではなく、他の方法が
用いられねばならない。
いくつかの方法が、そのような表面不連続部を除去す
るために提案されている。各々の方法は、1つ以上の付
随する問題を伴い、それらの問題が、部品の広範な幾何
学形状に亘る該各々の方法の一般的な適用を妨げてい
る。
本発明の第1の目的は、改良されたスライス装置およ
び方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、選択された相乗的刺激により
硬化されるときに、所望の精度と同じく薄い硬化部の支
持されない厚さを作ることが自ずから不可能であるよう
な液状造形材料を用いる場合において、高分解能のステ
レオリソグラフィを実行する方法と装置を提供すること
により、MSDによる制限を克服することである。
本発明の第3の目的は、ステレオリソグラフィにより
形成される3次元物体における表面不連続を低減する装
置と方法を提供すること、および、追加の装置を用いる
ことなく、物体を造形するために最初に使用される装置
と同じ装置において提供することができ、かつ自動化で
きるような装置を方法を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、以下の説明において
開示されるか、または本発明を実施する当業者に明らか
なものである。
発明の開示 上述の目的を達成するために、本明細書において実施
され広く説明されるような本発明の第1の側面に従う
と、3次元の物体表現を複数の断面表現にスライスする
装置と方法が提供される。この方法は次の工程からな
る。(1)物体表現と、スライスする次元に沿って間隔
を空けて置かれた複数のスライス平面とを重ねる。ここ
で、上記の複数のスライス平面のうちの、任意の連続す
る2つのスライス平面は、物体表現の1つの断面を規定
し、こうして規定された複数の断面もまた、スライスす
る次元に沿って間隔を空けて連続的に置かれている。
(2)物体表現の上記で規定された断面の各々を、その
断面を規定する連続する2つのスライス平面と対応づけ
る。この連続する2つのスライス平面は、第1スライス
平面と第2スライス面からなり、第1スライス平面は、
スライスする次元に沿って第2スライス平面よりも下方
の位置にある。(3)物体表現と、断面を規定する第1
スライス平面と第2スライス平面のうちの第1の選択さ
れたスライス平面との交線を含む、物体表現の各規定さ
れた断面のための複数の交線線分を形成する。(4)断
面を規定する第1スライス平面と第2スライス平面のう
ちの第2の選択されたスライス平面への投影線を含む、
物体表現の各々の規定された断面のための複数の投影線
線分を形成する。ここに含まれる上記の投影線は、物体
表現と、断面を規定する第1スライス平面と第2スライ
ス平面のうちの第3の選択されたスライス平面との、交
線の投影線であり、この第3の選択されたスライス平面
は、第2の選択されたスライス平面とは異なるものであ
る。(5)その規定された断面の交線線分と投影線線分
との論理和からなる、物体表現の規定された各断面のた
めの断面境界表現を形成する。そして、(6)規定され
た各断面のための断面境界表現を、その断面のための断
面表現へと導く。
本発明は、改良されたステレオリソグラフィ技法を通
じて、ステレオリソグラフィ法により高分解能の物体を
作製することが不可能であると思われていた材料が、多
くの高分解能物体を造形するために使用されることを可
能にする。感光性ポリマに関して言えば、従来の非高分
解能の感光性ポリマは、典型的には、ある量(たとえば
1mm)より薄くかつ結合力を有する固体プラスチックへ
の転移を不可能にするような吸収特性と硬化特性を有し
ている。本発明の実施においては、典型的なアプローチ
からは逸脱したアプローチが成される。それらの逸脱し
たアプローチには、1断面の少なくとも1部分に、未転
移の材料が、少なくとも該1断面がその物体の次の断面
の形成準備のために未転移の材料で被覆されるまで残さ
れ、その部分が、その被覆の形成後に材料の転移により
硬化されることが含まれる。
本方法は、典型的なステレオリソグラフィ技術の使用
により可能であるよりも、精度の良い物体造形をもたら
す。ある断面のある与えられた領域において硬化される
すべての材料が、必ずしもその断面の上面が作業表面で
ある時にすべて硬化される必要はない。該領域はより上
方の断面の上面が作業表面である時に、すなわち、より
上方の断面を貫いて下方へと浸透し上記の適当な領域に
まで浸透するような硬化照射を用いて、硬化されてもよ
い。
本発明は、また、(物体の全体に対し)特定の硬化部
厚さで造形された物体の表面を、あたかもより薄い硬化
部から造形されているように見せる方法も扱う。さら
に、本方法は、表面をより連続的に(すなわち、より薄
い硬化部に)見せるだけでなく、より薄い硬化部に伴う
ような全体の精度を維持しつつ、厚い硬化部で物体の全
体を造形することに関する。
典型的には、ステレオリソグラフィにおいて、物体
は、ウェブまたは支持構造の上に造形される。本方法で
は、支持構造の選択と配置は注意深く考慮されねばなら
ない。ある初期断面の種々な領域の形成が他の断面にず
れ込む可能性があるために、支持構造の配置は重要であ
る。支持構造は、最も低い位置にある断面の上面が作業
表面である時に局所的に硬化される領域を支えるように
設計され配置されるべきである。
開示を簡明にするために、本出願は、2つのセクショ
ンに分けられる。
セクション1は、「論理演算による断面比較スライ
ス」と題される。
このセクションは、各断面のどの部分が前の断面から
連続しさらに現在の断面を通って次の断面へと連続して
いるか、そして、どの部分が上向き面、下向き面、また
は双方であるかを決定するための、論理演算の使用につ
いて説明する。したがって、このセクションは、各断面
に関する初期データを比較し、複数の断面間でそのよう
なデータを比較して、物体を物理的に複製する工程にお
いて使用できるデータを形成する方法と装置を説明す
る。さらに、このセクションは、適当な寸法の(すなわ
ち、アンダーサイズ化またはオーバーサイズ化された)
物体を作り出すための、そのような演算の使用について
説明する。他の節の記載事項を実行し強化することにお
けるこのセクションの概念の有用性は、後に明らかとな
る。
セクション2は、「ステレオリソグラフィにおける複
数の断面に亘る同時硬化」と題される。この節は、造形
材料と相乗的刺激との従来では低分解能であった組合わ
せから、高分解能の物体を造形する方法と装置を説明す
る。上記の低分解能の組合わせは、典型的には高分解能
物体に要求される薄い硬化部を形成するには深過ぎるよ
うな、最小の有効硬化深さを生じさせるものである。こ
の目的は、ある特定の断面上の領域であって、該断面の
形成時において直ちに硬化されるならば分解能に不利な
影響を及ぼすような領域に関し、そうした領域の露出を
遅らせることにより達成される。分解能に不利な影響が
及ぶのは、たとえば、上記の断面より下にある材料が、
関連する硬化深さのために、不慮にも上記の領域の露出
の際に硬化されるような場合である。したがって、分解
能を維持するために、これらの領域の露出は遅らされ、
これらの領域の上方に相当しより上方の断面上にある対
応領域が、所望の領域を硬化するのに十分深い硬化深さ
であるが、より下方の断面上の材料を不慮にも硬化させ
ることはない硬化深さで露出される。
当業者にとって明らかなように、この出願の開示を一
読した後では、これらの2節の記載事項を、好ましい結
果を得るために複数の方法で組み合わせることができ
る。これらの好ましい組合わせのいくつかはここで説明
されるが、さらに多くの組合わせが可能である。したが
って、どの節の記載事項も、その節にのみ適用される意
図のものではなく、開示全体を考慮して読まれるべきで
ある。
図面の簡単な説明 図1と図2は、平坦に近いスキン(表皮)の製造にお
けるMSAの使用を示す図である。
図3aと図3bは、本発明の第1実施形態のフローチャー
トである。
図4は、スライス平面と断面との対応を示す図であ
る。
図5は、三角形の分類を示す図である。
図6は、投影領域の生成を示す図である。
図7は、S[i]+、S[i]*およびS[i+1]
の間の関係を示す図である。
図8は、L'[i]とL'[i+1]からのU[i]の形
成を示す図である。
図9は、上向き面領域と下向き面領域との間の重なり
合いを示す図である。
図10と図11は、過剰露出を防止するための、上向き面
境界と下向き面境界に対する調整を示す図である。
図12aと図12bは、スキン(表皮)ベクトルの生成から
利益を受けるには小さすぎる領域の検出を示す図であ
る。
図13は、第1の実施形態を実行する方法のフローチャ
ートである。
図14は、図13の方法の詳細なサブステップのフローチ
ャートである。
図15aと図15bは、交点において線分を分割する処理を
説明する図である。
図16は、線分に方向を割り当てる処理を説明する図で
ある。
図17aと図17bは、水平な線分に方向を割り当てる処理
を説明する図である。
図18aと図18bは、2本の重複する線分を表すものとし
てのバイゴン(bigon)の概念を説明する図である。
図19aと図19bは、4本の線分が重複する場合を説明す
る図である。
図20aと図20bは、論理和演算の実行を説明する図であ
る。
図21aと図21bは、和演算におけるバイゴンの取扱いを
説明する図である。
図22aと図22bは、線幅補償の実行を説明する図であ
る。
図23a−図23cは、論理差分演算の実行を説明する図で
ある。
図24aと図24bは、スキンベクトルの生成を説明する図
である。
図25a−図25cは、スキン後退のための疑似境界の生成
を説明する図である。
図26a−図26dと図27a−図27dは、角における疑似境界
の切取処理を説明する図である。
図28a−図28dは、本発明の第2の実施形態のフローチ
ャートである。
図29a−図29dは、本発明でのアンダーサイズ化された
造形様式の使用を説明する図である。
図30a−図30fは、本発明とともに利用されるように補
償された、硬化幅の実施形態を説明する図である。
図31は、ステレオリソグラフィを用いて造形され得る
物体または部品の概略的な側面図である。
図32は、10ミル(0.25mm)の断面を用いてスライスさ
れ、10ミル(0.25mm)の厚さを形成できる材料を用いて
作られた図31の物体の側面図である。
図33は、40ミル(1.0mm)の断面を用いてスライスさ
れ、40ミル(1.0mm)まで硬化される材料を用いて作ら
れた図31の物体の側面図である。
図34は、10ミル(0.25mm)の断面を用いてスライスさ
れ、しかし厚さが40ミル(1.0mm)より小さい支持され
ない硬化部を形成できない材料(すなわち、40ミルMSD
材料)を用い、かつ典型的なステレオリソグラフィのア
プローチを用いて作られた、図31の物体の側面図であ
る。
図35は、10ミル(0.25mm)の断面を用いてスライスさ
れ、しかし厚さが40ミル(1.0mm、MSD)より小さい支持
されない硬化部を形成できない材料を用い、かつ本発明
の第1の実施形態を用いて作られた、図31の物体の側面
図である。
図36は、10ミル(0.25mm)の断面を用いてスライスさ
れ、しかし厚さが40ミル(1.0mm)より小さい支持され
ない硬化部を形成できない材料を用い、かつ本発明の第
2の実施形態を用いて作られた、図31の物体の側面図で
ある。
図37−1から図37−28は、図32の物体を造形するため
に使用される断面1−28の、水平面図である。
図38−1から図38−28は、図35の物体を造形するため
に使用される断面1−28の、水平面図である。これらの
図の破線は、その断面の上面では硬化が起こらない領域
を示す。斜線は、硬化を示す。
図39−1から図39−28は、図36の物体を造形するため
に使用される断面1−28の、水平面図である。
図40は、ステレオリソグラフィを用いて造形され得る
第2の物体の側面図である。
図41は、高分解能材料(MSD分の硬化部厚さ)を用い
たステレオリソグラフィによる、図40の物体のスライス
と複製品を示した、図40の物体の側面図である。
図42は、図40の物体の側面図であるが、ここでは、断
面厚さより4倍大きいMSDを有する材料を用いながら高
分解能で造形し得る各硬化部(およびスライス平面)が
図示されている。また、特別な処理を要する角の先端部
分が図示されている。
図43a−図43eは、不正確さを最小にするか、あるいは
外見の美しさを最大にするように、MSDより薄い部分
(角部分)を処理できる種々の方法を強調して、図40の
物体を示した図である。
図44−1から図44−21は、図41の物体を作るために、
図40に描かれた物体に「スライススタイル1」を適用し
て得られる(Y軸方向に圧縮された)断面情報の概略図
である。
図45と図46は、ステレオリソグラフィにより3次元物
体を作製するための、本発明の基本的なシステムを示す
フローチャートである。
図47は、アンダーサイズ化された様式を用いて造形さ
れた3次元物体の図である。
本発明を実行するための最良のモード セクション1:論理演算による断面比較スライス まず、本発明の第1の実施形態の概略を提供する。こ
の実施形態は、通常はオーバーサイズ化された部品を造
形するものであるが、アンダーサイズ化された部品また
は平均サイズ化された部品を迅速かつ柔軟に造形する能
力をも提供するものである。さらに、この実施形態はま
だ、物体表現を、複数のモザイク様三角形の中間形式に
変換することを必要とする。しかしながら、以下の論議
の中で理解できるように、この実施形態は、従来のスラ
イス方法に比べて三角形表現に対する依存性がずっと低
く、そのため簡単な変形によって他のデータ形式で用い
られることが可能である。これらの簡単な変形もまた、
以下の記述において指摘されている。また、モザイク様
三角形表現が本発明の本実施形態に入力された場合に
は、本実施形態はすべての三角形の頂点を複数のスライ
ス平面に丸める。三角形の頂点を丸めることは、PCT公
開第WO/89/10256号において記述されている。実際にお
いては、丸めることは、もしそうしないならばスライス
処理によって失われるであろう物体の外面形状を保持す
る。物体の外面形状を保持することから結果として得ら
れる、物体の分解能の向上は、丸めることが分解能に対
して有する可能性がある有害な影響よりも価値があるも
のと信じられ、それゆえ本実施形態では複数の頂点を丸
めることが実行される。
外面形状が断面と断面との間において終端を有するよ
うな場合を取り扱うために適当なる注意が払われるなら
ば、別の実施形態は丸められていない頂点を用いること
ができる。
第1の実施形態の方法のための全体のフローチャート
が図3aおよび図3bに図示されている。最初のステップは
ステップ10であり、ここで、三角形表現がz軸に沿って
所定の間隔が置かれた複数のスライス平面z[i]と重
ね合わされる。このことは図4において概念的に図示さ
れ、図4は、z軸に沿って所定の間隔が置かれた複数の
スライス平面z[1]−z[6]と交差させられた物体
表現25を示している。
図3aに戻り、ステップ11において、物体表現のモザイ
ク様三角形のうち、あるスライス平面と交差する各々の
三角形は、「+」の三角形と、「−」の三角形と、「そ
の他」の三角形とに分類される。スライス平面z[i]
に対して、「+」の三角形は、該スライス平面を通過し
上方に延在する三角形、すなわちスライス平面で始まり
上方に延在する三角形として規定され;「−」の三角形
は、該スライス平面を通過し下方に延在する三角形、す
なわちスライス平面で終結し下方に延在する三角形であ
り;もし三角形が「+」の三角形でも「−」の三角形で
もないならば、それは「その他」の分類に入る。多くの
三角形は、「+」の三角形でありかつ「−」の三角形で
もある。
例えば図5を見ると、三角形26a−26hが図示されてお
り、これらの三角形のすべては1つまたはそれ以上の点
においてスライス平面z[i]と交差する。
三角形26aはその全体がスライス平面内に位置し、該
スライス平面の上方またはその下方に延在していないの
で、三角形26aは+の三角形としても−の三角形として
も分類されない。したがって、三角形26aは「その他」
の三角形である。三角形26bおよび26cは、それぞれ上記
のスライス平面上の1つの線分および1つの点から始ま
り、上方に延在しているので、両方とも+の三角形であ
る。三角形26fは、次に示すように「+」および「−」
双方の分類の規定に当てはまるので、「+」の三角形で
ありかつ「−」の三角形でもある。すなわち、三角形26
fは上記のスライス平面(1つの線分で該三角形と交差
するスライス平面)を上方向へと通過するので「+」の
三角形であり、かつそのスライス平面を下方向へと通過
するので「−」の三角形でもある。三角形26gおよび26h
は、それぞれ上記のスライス平面上の1つの線分および
1つの点で終結し、下方に延在しているので、両方とも
「−」の三角形である。
図3aに戻り、ステップ12において、各スライス平面z
[i]に対して、当該方法は「+」の三角形と該スライ
ス平面との交線からS[i]+として知られている境界
を形成する。スライス平面(ときにスライス層と呼ばれ
る)およびそれに類するもののような平面と、三角形と
の交線から境界を形成する処理については、PCT公開第W
O/89/10256号においてその詳細が記述されている。
ステップ13において、このアルゴリズムはまた、各ス
ライス平面z[i]に対して「−」の三角形と該スライ
ス平面との交線からS[i]−として知られる境界を形
成する。
ステップ14において、このアルゴリズムは、各スライ
ス平面z[i]に対し、z[i]とz[i+1]との間
にあるすべての三角形の領域の、z[i]上への投影像
を決定する。その投影像はS[i]*として規定され
る。図6へ進むと、この図は三角形27を示してあり、こ
の三角形27はスライス平面z[i]とz[i+1]との
間に位置する複数の三角形のうちの1つである。図示さ
れるように、スライス平面z[i]への三角形27の投影
像は参照番号28を付して識別されている。一旦投影像が
決定されると、PCT公開第WO/89/10256号において詳細に
記述されている平坦に近い境界の生成に類似の方法で、
該投影像の境界が決定される。この境界はまた、三角形
状の投影像からも決定される。これらの境界はS[i]
*として知られている。
形成が計画されている物体の各断面CR[i]は、連続
する2つのスライス平面z[i]とz[i+1]との間
のデータに対応することに注意されたい。このことは、
正しい数の断面、すなわちスライス平面の数から1だけ
減算した数の断面が形成されることを保証する。
図3aに戻り、ステップ15において、各断面CR[i]に
対して、S[i]+とS[i]*とS[i+1]−との
論理和集合を演算することによって、断面境界データL
[i]が形成される。図4の平面9の上面図である図7
へ進むと、L[4]の生成が図示されている。まず、S
[4]+とS[5]−とS[4]*とが図示されるよう
に生成され、次いで、これら3つの領域の和集合が、図
示されるようにL[4]を決定するために演算される。
もし上述の下方向へのシフトが回避されるべきならば、
上記データは物体のz[i+1]とz[i]との間の部
分を形成するために用いられるので、上記データはCR
[i+1]に付随させられるべきである。
ステップ15は、もとの物体表現と比較して常にオーバ
ーサイズ化された断面境界を生成することに注意された
い。例えば、図7において、スライス平面z[4]にお
ける物体の最も正確な表現は、実際には、L[4]より
小さいS[4]+である。それ故、造形後の最終的な物
体は、もとの物体表現と比較してオーバーサイズ化され
たものとなる。この第1の実施形態における、アンダー
サイズ化された物体および平均サイズ化された物体の作
製については、後に記述する。
図3aに戻り、ステップ16において、ライン幅補償(以
下、「LWC」という)が実行され、それに従って、ステ
ップ15で生成された断面境界L[i]は、転移後の材料
の1硬化幅分から有限硬化幅分の幅で補償される。実質
的には、このステップにおいて、断面境界は、適当な硬
化深さに伴う硬化幅の約1/2だけ内側方向に(境界によ
り規定されている固体領域の方へ向かって)変位され、
その結果、相乗的刺激の光線が該物体の境界を辿るよう
に向けられ当該境界において材料が転移されるときに、
該物体は正確な大きさとなる。もしLWCが実行されない
ならば、物体のxy方向の寸法は、約1硬化幅分だけ過大
な大きさとなるであろう。LWCは以下でより詳細に説明
される。処理過程のこの段階においてLWCを実行するこ
とは、当該処理過程の後の段階において形成されるであ
ろう種々のタイプの境界がすべてこの1つの調整によっ
て十分に補償され得ることを、暗に推定しているもので
ある。あるいは、より後の段階において、1つまたはそ
れ以上の境界のタイプに対して追加的な補償を実行する
ことも可能である。この追加的な補償は、有利である場
合もあれば不利である場合もある。
上記断面境界に対するオフセット量は、断面境界オフ
セット(以下、LBOという)として知られている。この
オフセット量は単純にビーム幅の1/2ではなく、硬化
幅、すなわちビームへの露出後において転移されている
材料の幅の、1/2である。一般に、硬化幅はビーム幅と
は異なっている。なぜならば、硬化幅は、PCT公開第WO/
89/10256号において詳細に説明されるように、硬化深さ
に依存しているためである。すなわち、硬化深さが増大
するにつれて、硬化幅も増大するためである。
硬化部厚さは、したがって硬化深さは、断面ごとに変
化する可能性があるので、それゆえLBOも断面ごとに異
なるかもしれない。断面iに対するLBOはLBO[i]とし
て特定される。
特定の断面に対するLBOを決定するには、まず所望の
断面厚さが決定され(連続するスライス平面z[i]か
らz[i+1]までの間隔などから決定される)、次い
で、典型的には6ミル(0.15mm)である過剰硬化量が加
算される。その結果がその断面に対し期待される硬化深
さである。PCT公開第WO/89/10256号において記述されて
いるように、過剰硬化量は、層状硬化部間における良好
な接着を保証するために、ある層状硬化部がその下の層
状硬化部に食い込むべき量、すなわち重複すべき量であ
る。一旦該断面に対する硬化深さが決定されると、次い
で、プログラムは当該硬化深さに基づいて見積もり硬化
幅を決定し、LBOをその量の1/2に設定する。オプション
として、後で断面iに対して決定される下向き面領域
は、いくらか小さい硬化深さに因る硬化幅の減少を補償
するために、微量の負の補償を与えられ得る(該領域の
面積が大きくされる)。
硬化幅を見積もるためには、複数の予め規定されたデ
ータ対を利用することができ、このデータ対の各々は、
実験的に測定された硬化深さとそれに対応する硬化幅と
から成る。期待される硬化深さは上記複数のデータ対に
おける硬化深さの1つに正確には対応しないと想定する
なら、硬化幅は単に線形補間することによって見積もら
れる。あるいは、硬化深さと硬化幅は、ビームのプロフ
ァイルデータと造形材料の既知の性質から決定されるこ
とも可能である。
LBOが決定された後、断面の境界はこの値によって調
整される。補償後の断面境界はL[i]’として特定さ
れる。
ステップ17において、各断面の上向き面境界を生成す
る処理が実行される。各断面に対する処理では、最初
に、その断面とそれに続く1つ上の断面との間で論理差
分演算が実行され、その論理差分演算の結果は本質的
に、該断面上の領域であって該1つ上の断面と重なり合
わない領域を決定する。この重なり合わない領域は、U
[i]として特定される。
論理差分演算を実行するために、計算を効率化する結
果をもたらす数式表現を利用する。公知の通り、2つの
領域AとBとの間における論理差分演算は領域Aと領域
Bの補集合との間の論理積集合に等しい: A−B=A∩(−B) 従って、前述の論理差分演算を実行するために、次の
計算がステップ17において実行される: U[i]=L[i]’−L[i+1]’=L[i]’∩(−L[i+1]’) この計算の一例として、図8は、図4の例から得られ
た、L[4]’とL[5]’とからのU[4]の導出を
示している。U[4]は図8における斜線領域である。
L'[5]の補集合はL'[5]によって囲まれた領域を除
くすべてである。従って、この補集合とL'[4]との間
の論理積集合は、L'[4]によって囲まれた領域のう
ち、L'[5]によって囲まれた部分を除く領域である。
ここで、U[4]は、上向き面領域を決定する際の第
1のステップを表しているに過ぎないことに注意された
い。このことは、U[i]によって規定された領域が、
実際には上向き面領域だけでなく下向き面領域をも含む
可能性があるからである。従って、下向き面領域を除外
するために、U[i]に対してある調整が成される必要
がある。(前述したように、一般に下向き面領域は過剰
硬化されないので、すべての他の領域から下向き面領域
を区別することは重要である。) 図9は、参照番号29によって示された領域はU[i]
内に含まれるが、この領域は下向き面領域でもあるの
で、除外されるべきである例を示している。この領域
は、L'[i]がこの領域における1つ下の断面L[i−
1]’と重なり合わないために、下向き面領域となる。
前に示したように、下向き面領域は1つ下の断面と重な
り合わず、したがって過剰硬化されるべきでないので、
下向き面領域は除外される必要がある。次に続く2つの
ステップがこれを実行する。あるいは、本実施形態でも
そうされるように、上向き面領域でもあり下向き面領域
でもある領域は下向き面領域としてラベル付けされても
よい。もしくは、下向き面領域でしかない領域が、上向
き面領域でもあり下向き面領域でもある領域とは異なっ
た方法で硬化されるようにするため、上向き面領域でも
あり下向き面領域でもある領域は、別の指定を与えられ
てもよい。
図3aに戻り、ステップ18において、各断面に対する下
向き面境界D[i]が、当該断面に対する補償後の断面
境界L[i]’と、1つ前の断面境界に対する補償後の
断面境界L[i−1]’との間の論理差を演算すること
によって決定される。これは、前に示した手法で、次式
に従ってL[i]’とL[i−1]’の補集合との間の
論理積集合を演算することによって実行される。
D[i]=L[i]’−L[i−1]’=L[i]’∩(−L[i−1]’) 次に、ステップ19において、ステップ17で演算された
上向き面境界U[i]が補正され、上向き面領域中にも
存在するかもしれない下向き面領域が差し引かれる。こ
のことは、各断面についてU[i]とD[i]との間の
論理差分を演算することによって実行される。この差分
は、前に記述された手法により、次式に従ってU[i]
とD[i]の補集合との間の論理積集合を取り、調整さ
れた上向き面境界U[i」’を演算することによって決
定される。
U[i]’=U[i]−D[i]=U[i]∩(−D[i]) この時点において、上記調整された断面境界L
[i]’は、いまだ上向き面領域と下向き面領域を包含
していることに注意されたい。従って、これら2つの領
域は断面境界から差し引かれる必要がある。このこと
は、図3aにおける次の2つのステップにおいて実行され
る。
ステップ20において、断面境界は再び補正され、下向
き面領域が差し引かれる。2回調整された断面境界L
[i]''は、上記補正された断面境界L[i]’と上記
下向き面境界D[i]との論理差分を演算することによ
って計算される。ステップ21において、断面境界は3回
目の補正を受け、上向き面領域が差し引かれる。3回調
整された断面境界L[i]'''は、上記2回調整された
断面境界L[i]''と上記調整された上向き面境界U
[i]’との論理差分を演算することによって計算され
る。この時点において、以下の互いに排他的な記述情
報、すなわちL'''[i]、D[i]およびU'[i]が、
各断面について計算され終わったことに注意されたい。
上向き面領域が典型的には断面境界内の他の領域と同
一の過剰な硬化を用いて硬化される場合であっても、上
記断面境界から上向き面境界を分離して、互いに排他的
なデータを得ることが望ましいことに注意されたい。も
し上記の上向き面領域が上記の断面境界内にとどまるこ
とが許容されれば、断面境界内の領域は多重に規定され
ることになる。結果として、それらの領域は相乗的刺激
によって複数回トレースされる可能性があり、それ故、
過剰に硬化され、その結果、硬化深さまたは硬化幅の望
ましくない増大のいずれかによって、それらの領域に歪
みが生じる可能性がある。
いま図11、図12aおよび図12bへ進み、特定の領域にお
いて過剰露出という結果を招く可能性がある、その他の
多重規定を回避するために、上向き面境界と下向き面境
界に対して、幾つかの追加的な調整がなされる必要があ
る。図11は、物体の上向き面領域30を有する1つの断面
の上面図を示している。上記の3回調整された断面境界
L[i]'''は参照番号31で参照され、上記の調整され
た上向き面境界U[i]’は参照番号34で参照される。
断面境界と上向き面境界によって包囲される領域は線分
32に沿って接するが、重なり合うことはない。しかしな
がら、もし領域30によって覆われる領域の全体が、線分
32の直上に当接するような転移領域を形成するために露
出され、さらに、もし境界31によって包囲される領域の
全体が、やはり線分32に当接するような転移領域を形成
するために転移されるならば、この線分32に沿って材料
は4回露出されることになる。すなわち、31および34に
よって包囲された領域の露出、および断面境界31の露
出、および上向き面境界34の露出の4回である。前述し
たように、この過剰露出は、結果として生じる硬化幅と
硬化深さにおける増大を防止するために、回避される必
要がある。従って、上向き面境界と下向き面境界に対す
る調整が、この過剰露出を防止するために有用である。
このことはステップ22および23によって実行される。
これらの調整の付加的であって非常に重要な結果は、
実際にスキン(表皮)ベクトルを必要とするには小さ過
ぎる領域について、スキンベクトルの生成を必要なくす
るという有益な効果を、それらの調整がもたらすことで
ある。例えば、図12aに移り、参照番号35によって識別
された領域は、小さすぎてスキンベクトルの生成から利
益を得ることができない上向き面領域または下向き面領
域のいずれかを表すものであると仮定する。これは、相
乗的刺激が当該領域の周辺に沿った線分35aと線分35bと
をトレースすると、当該領域は(この硬化に伴う硬化幅
のために)自動的に転移されるためである。
そのような領域の決定は、例えば、図示されるよう
に、線分35aを右側に硬化幅の1/2だけ移動させる一方、
線分35bを硬化幅の1/2だけ左側に移動させることによっ
て実行することができる。ひき続き議論されるように、
これらのステップは、ステップ16からのLWCアルゴリズ
ムを大いに利用することによって実行することができ
る。もしこれらの線分の移動の結果が当該領域の潰れま
たは部分的な潰れであるならば、スキンベクトルの生成
はこの領域においてまたはこの領域の一部分において実
行する必要がないことを示している。図12bに図示する
ように、上記線分の移動は当該領域を線分36に潰れさ
せ、これはスキンベクトルが生成される必要がないこと
を示している。これらの領域の検出は、図3aおよび図3b
の、次の2つのステップにおいて実行される。
ステップ22においては、上向き面境界オフセット(以
下、UBOという)が、LBOの演算と同様の手法で各断面に
ついて演算される。すなわち、断面の厚さに期待される
過剰硬化量を加えた値に基づいて、線形補間することに
よって計算される。この値は、上述の方法と非常に類似
した手法で上向き面境界にオフセットを加えるために用
いられる。UBOとLBOの使用の間における主たる相違点
は、UBOは、描写されるであろう物理的な境界を形成す
るためには用いられないのに対して、LBOはそのような
境界を形成するために用いられるという点である。UBO
は、スキニング処理および/またはハッチング処理を行
うための適当な領域の決定に用いられるであろう境界
を、形成するために用いられる。そのため、もし上記の
領域がゼロまたは負の値に減少されれば、それらの領域
は単に、スキニング処理および/またはハッチング処理
を施されなくなる。
一方、LBOは、ある部品の1つの硬化部を生成すると
きに物理的に形成される境界をオフセットするために用
いることができる。そのため、これらの境界内の領域が
LBOと関連した補償の後にゼロにまたは負の値に減少さ
れる場合は、硬化された材料の1つの線として潰れた面
を形成することが適当であるか否か、もしくは単にその
ような面に対してのさらなる考察を行わないことがより
適当であるか否かについての決定がなされる必要があ
る。最も好ましい選択肢は、部品ごとに、または断面ご
とに、もしくは断面の領域ごとに変化するかもしれな
い。従って、その決定を行う最も適当な方法は、その決
定をユーザーによって指定されるオプションにすること
であろう。上記の決定は、部品ごとに成されてもよい
し、断面ごとに成されてもよいし、もしくは断面の領域
ごとに成されてもよい。LBOとUBOの使用の間におけるこ
の違いから、後に説明されるようにいくらか異なった処
理ルーチンが導かれる。
次に、上記調整された上向き面境界U[i]’は、そ
の断面に対してUBOの約1/2、すなわちUBO[i]だけ内
側に調整され、2回調整された上向き面境界U[i]''
が得られる。U[i]''が生成されても、1回調整され
た上向き面境界U[i]’はいまだ保持されていること
に注意されたい。このことは、2回調整された境界はス
キンベクトルおよび/またはハッチベクトルを生成する
目的のためにただ一時的に保持されるだけであり、境界
ベクトルを生成する目的のためには保持されないからで
ある。その代わりに、1回調整された境界U[I]’は
境界ベクトルを生成する目的のために保持される。
次いで、ステップ23において、その断面に対する下向
き面境界オフセットDBO分の調整を行うことによって、
調整された下向き面境界D[i]’が計算される。各断
面に対する下向き面境界オフセット値は、硬化深さがよ
り小さくされる点と、それに対応する硬化幅がより小さ
くされる点とを除いて、ステップ21における上向き面境
界に対するオフセットに類似する手法で計算され、また
下向き面境界に対する調整も類似の手法により行われ
る。ここでも、1回調整された境界D[i]’が生成さ
れても、未調整の境界D[i]はまだ保持される。この
ことは、調整された境界はスキンベクトルおよび/また
はハッチベクトルを生成する一時的な目的のために用い
られるのみであり、未調整の下向き面境界D[i]は境
界ベクトルの生成のために保持されるからである。
ここでL'''[i]またはL''[i]の境界を補償して
2次の境界を生成するために、追加のオフセット値を決
定しかつ使用することもまた可能であることに注意され
たい。その場合、上記の2次の境界は、クロスハッチ
(ハッチ)または(もし用いられるならば)スキンの生
成のために用いることができ、その場合も、元の境界
L'''[i]またはL''[i]は、2次の境界から生成さ
れるハッチまたはスキンを取り囲む物理的な境界を形成
するために用いられ続ける。
最後にステップ24において、次のように複数のベクト
ルが境界データから生成される。まず第1に、各断面に
対して、断面境界ベクトル(以下、LBという)が3回調
整された断面境界L'''[i]から生成される。(これ
は、簡単な処理であり、単に、境界を描く1つまたはそ
れ以上の数のベクトルのループの生成である。)第2
に、平坦な上向き面境界(以下、FUBという)ベクトル
が調整された上向き面境界U[i]’から生成される。
第3に、断面ハッチ(以下、LHという)ベクトルが、続
いて説明されるハッチ生成アルゴリズムの1つを用い
て、2回調整された断面境界(3回調整された断面境界
ではなく)L[i]''から生成される。ここで、3回調
整された境界L[i]'''ではなく、上に面する領域を
取り囲むが下に面する領域を取り囲まない(図3bにおけ
るステップ21を参照)2回調整された境界L[i]''が
用いられることに注意されたい。このことは、ハッチベ
クトルは、最終的には断面境界領域および上向き面境界
領域の両方に対して生成され、もしL[i]'''がここ
で用いられるならば要求されるであろう2つのステップ
でこれらを生成するよりはむしろ、1つのステップでそ
れらを生成することの方がより効率的であるからであ
る。一般的には不必要であると判断されるが、組み合わ
されたL'''[i]領域およびU'[i]領域に対してベク
トルの単一の組を生成する代わりに、L'''[i]領域お
よびU'[i]領域のために別個のハッチベクトルを生成
することも可能である。このことを実行することは、追
加のベクトルを生成するという犠牲を伴うが、造形材料
を実際に転移させる処理においてさらなる多面性を生み
出すという利点も伴う。下向き面領域に対するハッチベ
クトルの生成は、断面境界に対するハッチベクトルの生
成とは統合できないことに注意されたい。なぜならば、
一様に硬化され、かつ過剰に硬化されていない領域の形
成が所望されるので、下向き面領域に対するハッチベク
トルはおそらく、LHに対して与えられる硬化深さとは異
なる硬化深さが与えられ、かつ完全に異なった処理が与
えられるからである。次いで、第4に、平坦な下向き面
境界(以下、FDBという)ベクトルが、一般には過剰な
硬化を指定されずに、未調整の下向き面境界D[i]か
ら導出される。第5に、下向き面ハッチ境界ベクトル
(以下、NFDHという)が、続いて説明されるハッチ生成
アルゴリズムの1つを用いて、下向き面境界D[i]か
ら形成される。第6に、上向き面フィルベクトル(以
下、FUFという)が、2回調整された上向き面境界U
[i]''から形成され、次いで、下向き面フィルベクト
ル(以下、FDFという)が、続いて説明されるスキンベ
クトルの生成アルゴリズムの1つを用いて、調整された
下向き面境界D[i]’から形成される。
当該アルゴリズムは、プロセス(PROCESS)コンピュ
ータ上で実行されるスライス(SLICE)プログラム以外
の、他のコンピュータプログラムとの互換性を維持する
ために、PCT公開第WO/89/10256号において記述された前
のスライス(SLICE)プログラムと関連する、ベクトル
の略記法の幾つかを保持していることに注意されたい。
ベクトルの略記法と、ベクトルの説明と、該ベクトルを
生成するために用いられる境界と、各ベクトル型が生成
され描写される順序との間の対応関係は、以下に要約さ
れる。順序 略記法 説 明 導出のもととなるもの 1 LB 断面境界 L'''[i] 2 FUB 上向き面境界 U'[i] 3 LH 断面ハッチ L''[i] 4 FDB 下向き面境界 D[i] 5 NFDH 下向き面ハッチ D[i] 6 FUF 上向き面フィル U''[i] 7 FDF 下向き面フィル D'[i] 上記の表に記された描写順序は好ましいが、他の満足
できる描写順序を利用してもよい。描写順序を選択する
ことの重要な側面は、物体の以前に形成された硬化部に
よって十分に支持されていないベクトルの描写を回避す
ることである。もしそうした付着されていないまたは緩
くしか付着されていないベクトルが他のベクトルの描写
の前に描写されれば、そうしたベクトルを形成する硬化
部は、他のベクトルに対して接着することが可能となる
前に、あるべき位置から流れ去るか、またはあるべき位
置から歪んでずれ出してしまう可能性がある。従って、
ある与えられた断面上の材料を硬化に関しては、(支持
されている領域は下の硬化部に接着されるであろうか
ら)支持されている領域から開始し、次いで、これらの
領域から支持されていない領域に向かって外側方向に放
射状に延在する材料を硬化するという手法で行うこと
が、通常賢明であって勧められる。この所望される形成
手法は、隣接する断面の比較、各ベクトルに対する既知
の硬化深さおよび硬化幅の比較、および用いられる描写
様式と用いられるカール低減法に関する既知の属性の比
較によって、実施することができる。上述された順序は
これらの考察を反映している。上述の順序はさらに、も
し最初においてハッチおよびフィルが接着されない状態
にある場合であっても、ハッチおよびフィルが境界によ
って束縛されることを保証するために、該境界を常にそ
れに付随するハッチもしくはフィルより先に描写するも
のである。
もう1つの可能な描写順序は、LH、FUF、LB、FUB、FD
B、NFDH、最後にFDFである。この描写順序は、LHとFUF
をそれらに対応する境界よりも先に生成するものであ
る。これは、これらのベクトル型は両方とも、前の断面
の上面が作業表面である時に転移された硬化部によって
下から支持されている材料を転移するために用いられる
と、想定することが可能であるためである。さらに、こ
の描写順序は、ハッチやフィルが形成されるにつれて、
ハッチやフィルの収縮によって境界が歪ませられること
が無いという利点を有する。従って、境界は、最終的に
より正確な位置に据えられるであろうことが推定でき
る。
ベクトル型の上記リストは、上向き面ハッチという分
類を含まない。このことは、上向き面ハッチは、上述の
ように上記リストのLHに含まれるからである。この包含
は、一般に妥当とされるものであるが、必要性または要
望が生じるならば、上向き面ハッチはそれ自身の分類に
分離されてもよい。LHをそれ自身の分類に分離すること
は、このソフトウエアにおける指定可能なオプションで
ある。
実 行 上記実施形態の実行について以下に説明する。図13は
実行の全体の図であって、それは、ステップ37において
和集合演算を実行して複数の境界を形成するステップ
と、ステップ38において線幅補償を実行するステップ
と、ステップ39において差分演算を実行して重複しない
複数の境界を形成するステップと、ステップ40において
スキンとハッチの内方後退を実行するとともにフィルベ
クトルおよび/またはハッチベクトルの生成を実行する
ステップとを備える。これらのすべてのステップは、こ
こでは、入力としてモザイク様三角形形式の物体表現を
用い、かつ出力として複数のベクトルを生成する(プロ
セス(PROCESS)コンピュータと同一であるかもしれな
い)スライス(SLICE)コンピュータ上において実行さ
れる。プロセス(PROCESS)コンピュータはこれらの複
数のベクトルを受信するために該スライス(SLICE)コ
ンピュータを備えているかまたはそれに接続されてお
り、そして、これらのベクトルに応答して当該材料の作
業表面上において複数のベクトルを辿るために相乗的刺
激の光線の方向付けを行う。
これらのステップの各々は所定の順序で実行されるで
あろう。ステップ37において実行される詳細なサブステ
ップは図14に図示されている。
まず第1に、ステップ50において、すべての三角形
は、三角形のいずれかの頂点が有する最小のz座標によ
ってソーティングされる。z軸はスライス軸であると仮
定され、これは第1の実施形態においては垂直方向の次
元である。従って、このステップは当該スライス軸に沿
って複数の三角形を順序付けする。なお、z軸の選択は
任意であって、デカルト座標系を仮定するならば、y軸
またはx軸も等しく用いることができるということに注
意すべきである。
次いで、ステップ51において、上記の複数の三角形
は、z軸に沿って所定の間隔で置かれた複数のスライス
平面と重ね合わせられる。次いで、任意の連続する2つ
のスライス平面間のすべての三角形の考察の後に、その
ようなすべての三角形と、2つの連続するスライス平面
のうちより小さいz座標を有する方の平面との交線から
生成された、複数の線分からなる線分リストが生成され
る。さらに、平坦および直立した三角形を考察から除い
た状態で、2つの断面間にある複数の三角形の、より小
さいz座標を有するスライス平面上への投影像から生成
された、複数の線分を備えた投影線線分リストが生成さ
れる。もし再生された物体をz軸に沿ってシフトさせな
いことが所望されるならば、形成されたこれら両方のリ
ストは、2つの断面のうちより上方の断面と関連付けら
れる。線分リストと投影線線分リストとが1つの断面に
対して形成された後に、すべての断面に対して線分リス
トと投影線線分リストとが形成される。各場合におい
て、1つの断面に対する線分リストと投影線線分リスト
は、当該断面を規定する2つのスライス平面から形成さ
れる。あるいは代わりに、必ずしも全ての線分リストを
生成しなくてもよい。最初に、前に先行する断面と、現
在の断面と、それに連続する断面のための、そのような
線分リストを生成することが可能である。現在の断面に
対して適当な計算がなされた後、現在の断面に対する複
数のベクトルが蓄積されまたは実行される。先行する断
面のための情報は取り除かれ、それに続いて、次に連続
する断面が現在の断面となるように、断面指定は上方向
に移動させられる。次いで、上記処理が繰り返され、こ
れによって、メモリと記憶領域の使用を最小限にしてい
る。
形成時の投影線線分リスト中にある複数の線分は、投
影像を規定する上記線分の方向を辿るに際して、固体領
域が境界の左側となり中空領域が境界の右側となるよう
に、反時計回りの方向で順序付けされる。このことを表
現するもう1つの言い方は、複数の線分は右手の規則に
従うということであり、これによって、上記複数の線分
は反時計回りの方向で固体領域を取り囲み、かつ時計回
りの方向で中空領域を取り囲むということが想定され
る。
しかしながら、投影線線分リスト中の線分とは異な
り、上記の線分リスト中の線分は形成時に方向付けされ
ない。これらの線分は、後で議論されるステップ57にお
いて方向付けられる。
ある与えられた断面に対して、ステップ52から開始
し、線分リストがまず最初に、それを整え、かつあらゆ
る損傷した入力データに対する補正を行うために、処理
される。入力された複数の三角形は、当該物体の表面を
完全に覆い尽くしており、頂点においてのみ他の三角形
と当接しているものと想定されている。もしこれらの仮
定のいずれかまたは両方が違反されているならば、上記
複数の三角形を表す入力データは損傷しているかもしれ
ない。このことは、上記の線分リスト中において、間隙
あるいは重複という形で現われるかもしれない。以下に
議論するように、ステップ52と並びにそれに続くステッ
プにおいて、これらの間隙が補填される。
ステップ52においては、リスト中の複数の線分は、そ
れらの最小y座標に従って順序付けされる。ただし、x
座標も等しく用いることが可能である。次いで、ステッ
プ53において、複数の線分の端点が、次に続く線分の端
点と比較することによって次々に考察され、もし任意の
2つの端点が一致するならば、対応する線分が結合され
て、「多重線」が形成される。ステップ54において、そ
れ自身で閉じておらず多辺形を形成していない多重線の
端点が次々と考察され、連続する閉じていない多重線の
端点と比較される。もし間隙が存在しているならば、ま
ず最初に最短の間隙を考えて、当該間隙を補充するため
の線分が生成される。その結果、閉じていない多重線か
ら、多辺形が作り出される。多重線が閉じて多辺形とな
る際には、他のベクトルの上にベクトルが交差すること
を防止するために、予め注意する必要がある。そのよう
な交点においては、必要に応じて両方のベクトルが分割
され、重複しない複数の多辺形が形成されるか、または
1つの多辺形と1つの重複しない多重線が形成される。
あらゆる間隙が補填された後のステップ55において、
1直線上に位置するまたは近似的に1直線上に位置する
連続した多重線または線分を、可能な箇所において結合
することにより、可能な限り長い複数の線分が上記の多
辺形から再形成される。これらのより長い線分の特徴
は、前に多辺形を形成するために用いられた線分とは異
なり、いまやすべての間隙が除去されていることと、こ
れらの線分は完全に多辺形を形成するということであ
る。さらに、これらのより長い線分のもう1つの特徴
は、それらがいかなる他の線分とも交差することを許さ
れないという点である。このことは、あらゆる2つの線
分を交差させないようにするために、もしくはある線分
が別の線分との交点を通り過ぎて伸びないようにするた
めに、1つの線分をその交点において複数の線分に分割
するための、次の規則によって達成される。
分割処理は、図15aおよび図15bにおいて図示されてい
る。図15aは点63で交わる線分61、62を示している。前
述した規則に違反することを回避するために、これらの
線分は4つの副線分A、B、C、Dに分割される。
図15bは、点66で交わる線分64、65を分割するもう1
つの例を示しているが、ここでは、4つの副線分ではな
く、3つの副線分に分割が行われる点が異なっている。
図14に戻り、ステップ56において、再形成された線分
は、それらの最小y座標によって順序付けられる。
ステップ57において、方向が当該線分に割り当てられ
るが、これは前述したように、上記投影線線分リストの
中の線分とは異なり、これらの線分はまだ方向を割り当
てられていないためである。そのようにするために、当
該線分はまず第1に、x軸に対して平行な(y軸または
z軸に対しても等しく可能であるが)複数のいわゆる
「無限」線(それらは無限遠に端を発するためそのよう
に呼ばれる)と交差させられる。次いで、1つの線分と
の各交点において定量的嵩み解析(以下、「QV解析」と
いう)が実行され、この解析の結果として、当該線分は
対応する方向を割り当てられる。
QV解析を始めるに際し、1つの無限線は、常に中空領
域に端を発すると仮定され、かつ1つの線分と交差する
たびに1つの固体領域に入るかまたは1つの固体領域か
ら出て行くかのいずれかであるということが仮定され
る。上記複数の線分は、それらの左側に固体領域が存在
しかつそれらの右側に中空領域が存在するように方向付
けられると想定され、すなわちそれらは、反時計回りの
方向で1つの固体領域の周囲にループを形成し当該固体
領域を取り囲むものと想定される。このことは、右手の
規則に従ってこれらの線分に方向付けを行うということ
と等価である。ここでも、左手の規則もまた適用可能で
ある。
1本の無限線と関連付けられる定量的嵩み(以下、
「QV」という)は、無限線のある部分が中空部分内に存
在するかあるいは固体部分に存在するかに依存して、当
該無限線上の各点ごとに変化する。無限線が1つの中空
領域内にあるときは、0のQVを有するものと想定され、
無限線が物体の1つの固体領域内にあるときは、1のQV
を有するものと想定される(もし無限線が2つの物体の
重なり合っている固体領域内に位置しているならば、そ
れは2のQVを有し、それ以降も同様である)。処理過程
のこの段階においては、中空領域と固体領域は、連続す
る境界ベクトルが決定されるごとに方向指定を変更する
ことによって決定されるので、重なり合っている固体領
域というこの状態は、当該段階から排除される。この段
階において、重なり合っている固体領域を実質的に処理
することができる異なったアルゴリズムも可能である。
各線分は、それに付随する方向を1つしか有すること
ができず、それはなぜならば、規定上および前述の分割
技術のために、各線分はその全体の長さにわたって、片
側を中空領域によりそしてもう片側を固体領域により束
縛されているためである。
順序付けられた複数の線分は、それぞれの線分が1つ
の方向を割り当てられるまで、連続的に無限線と重ね合
わされる。それぞれの線分が1つの方向を割り当てられ
るように十分な数の無限線を用いるという唯一の条件の
もとで、任意の数の無限線を用いることができる。第1
の無限線は出来る限り多くの線分と交差するように選択
してもよい。これらの線分に対する方向が割り当てられ
た後に、別の無限線が出来る限り多くの残りの線分と交
差され、方向が割り当てられ、そしてすべての線分に対
して方向が割り当てられるまで、上記の処理が繰返され
る。
上記処理は、線分67a−67fおよび68a−68gを示した図
16を使って説明することができる。これらの線分は全
て、少なくともy軸に平行な成分を有し、かつこれらは
最小y座標によって順序付けられると想定されており、
それ故そのように図示されている。y軸は番号71で示さ
れている。
まず第1に、番号69によって示されている無限線が、
出来る限り多くの線分と交差するように選択される。こ
の場合において、この無限線は線分67a−67cおよび67e
と交差している。該線分と該無限線との実際の交点は
A、B、C、Dによって示されている。
前述したように、無限線の原点は無限遠であると想定
され、これは中空部であると想定される。従って、無限
遠における無限線は、付随する定量的値として0を有す
るものと想定される。これは、点Aで線分67aと交差す
る直前の無限線上に示されている。次いで、無限線に沿
った各交点が次々と考察され、各線分との交差後の無限
線の各部分に対して、QV値が連続的に割り当てられる。
QV値が0から1へ遷移した場合は、このことは固体部に
入ることを示す。QV値が1から0へ遷移した場合は、こ
のことは固体部から出て行くことを示す。連続する複数
のQV値は、図において示されている。
次いで、左側に固体部があり右側に中空部があること
を示す方向を想定し、複数の線分の方向が無限線上のQV
値から得られる。もしQV値がある線分を交差して0から
1へ遷移するならば、このことは固体部内に入ったこと
を示し、右手の規則に従って、当該線分は下方向を指し
ていると推定される。もちろん、もしQVが1から0へ遷
移するならば、このことは固体部から出て行ったことを
示し、右手の規則に従って、当該線分は上方向を指して
いると推定される。当該線分が下方向を指していると決
定された場合は、1という方向が与えられ、一方、当該
線分が上方向を指している決定された場合は、−1とい
う方向が与えられる。上記得られた方向は、対応する線
分の下に記した番号として、図において示されている。
また、各線分の得られた方向を図的に示すために、各線
分に矢印が付されている。
次いで、図において番号68a−68fによって識別されて
いる別の1群の線分を交差するために、図において番号
70によって識別された別の1つの無限線が描かれる。対
応する交点は、当該図において、E、F、G、H、Iお
よびJとして識別されている。次いで、前述の解析が繰
り返され、図において示された交差された線分に対して
方向が割り当てられる。
次いで、2つの異なった無限線によって方向を割り当
てられた線分が、同一の方向を割り当てられているか否
かを判断するために、同一性のチェックが実行される。
図16において、例えば、もし線分68aと67aが同一の全体
の線分(その位置はこれらの2つの線分を連結する破線
によって示されている)の一部分であるならば、そのと
きこの線分に対して異なった無限線によって割り当てら
れた方向が同一であるということを確認するために、1
つのチェックが実行されるであろう。このことがつま
り、図16の場合である。各多辺形における線分が矛盾の
ない方向を割り当てられていることを確認するために、
追加的なチェックを実行することもできる。
幾つかの特別な場合について以下に考察される。第1
の場合は図17a−図17bにおいて図示され、ここで、1つ
の方向が割り当てられるべき線分72は無限線73に対して
平行である。この場合において、実際には無限線は図中
に実線で示されている経路を辿っているけれども、該無
限線は、図中に破線によって示されているように、該線
分を上から下に交差するということが想定される。図17
aに示すように、もしQVが0から1へと変化するなら
ば、その線分は1という方向を割り当てられる一方、図
17bに示すように、もしQVが1から0へと変化するなら
ば、その線分は−1という方向を割り当てられる。
別の特別な場合は、2つまたはそれ以上の線分が重複
している場合である。重複する線分は、重複する複数の
三角形によって生じ得る。この状態は、三角形の頂点が
スライス平面に丸められたときに生じるかもしれない。
この状態を取り扱うために、当該重複している複数の
線分全体に対して、1つの方向値が割り当てられる。こ
の値は、個々の線分の方向値の和に等しい。さらに、新
しい値である「重方向値」が、個々の線分と、上記重複
している線分の群との、両方に対して割り当てられる。
個々の線分に対しては、上記重方向値は1に設定され
る。線分の群に対しては、重方向値は、上記個々の線分
に対する重方向値の和となるであろう。
図18において、例えば、無限線74は、重複するベクト
ル75a、75b(図示の目的のみのために間隔をおいて描か
れている)と交差しているように図示されている。図示
されるように、当該群に対する得られた方向値は0であ
り、それはなぜならば、その群中には2つのベクトルし
か存在しないからである。前に示したように、この値
は、それぞれ1および−1である2個の個々の方向値の
和から得られる。図18aの一例に対する重方向値は2と
なり、これは個々の線分に対する重方向値の和である。
当該群に対する重方向値は単に、その群中にある線分の
数の計数値であるということがわかる。
2つの線分の群は、2つの辺から形成された多辺形で
ある「バイゴン(bigon)」として知られた構成要素で
あると見なされることに注意されたい。従って、2つの
重複する線分は2辺の多辺形を実質的に形成するので、
図18aにおける群はまさにバイゴンと呼ばれる。現在、
1つのバイゴンに対する重方向値は、当該バイゴンが潰
れた中空部を表すのかまたは潰れた固体部を表わすのと
いう、もう1つの情報を担っている。いま、正の重方向
値を有するバイゴンはある潰れた固体部を表わすものと
推定される。図18bにおいて図示されたバイゴンは、あ
る潰れた中空部を表わす。実際には、処理過程のこの段
階においては、図18aと図18bにおける両状態は、同一の
物理的な方向を与えられるであろう。従って、当該処理
を理解するために有用であるが、図18bにおいて図示さ
れた方向は、本実施形態においては実際に生成されない
であろう。すべてのバイゴンは、捕獲された正の領域を
取り囲むものとして取り扱われる。従って、それらは、
反時計方向にそれらの領域を取り囲むものと考えられ
る。しかしながら、まもなく説明される和集合演算を含
むこの後の処理段階においては、これら2つの状態は異
なった扱いを受け、それは、複数の断面上にある複数の
他のベクトルが、上記のバイゴンのうち1つが固体領域
内にあり、もう1つのバイゴンが中空領域内にあるとい
うことを自ずから示すという事実のためである。図18a
の複数のベクトルが当該物体の一部分として描画される
一方、図18bの複数のベクトルは、単にある特定の領域
の二重露出を表わすので描画されない。
(補集合演算の後の)後述される論理差分演算と論理
積演算においては、これらのバイゴンは、それらの重方
向値に対して反対の符号を割り当てられることによっ
て、互いに区別されるであろう。このことは重要であ
る。なぜならば、このことは、このことが成されなけれ
ば失われるかもしれない潰れた面を、保持するための能
力を提供するからである。
前述の無限線は、x軸に対して平行に走る直線で、x
軸に対して平行に走る線分の方向を決定するときに用い
るための仮想的な曲がりが追加された直線であった。し
かしながら、これらの線の物理的に重要な特徴は、それ
らが既知の定量的な嵩みを有する点に端を発すること
と、それらが連続的であるということであると理解すべ
きである。そのため、当該線分リスト中にある複数のベ
クトルの各々の方向は、複数のベクトルの各々と交差す
る1つの曲がった無限線によって決定することが可能で
あり、ここで、当該無限線は既知の定量的な嵩みを有す
る位置に端を発し、また、該複数のベクトルの方向は、
定量的な嵩みの0と1との間における上または下への遷
移によって決定される。さらに加えて、複数のベクトル
が、遷移が中空部から固体部である際には無限線の方向
の(交点における)右側を指す方向を与えられ、かつ、
遷移が固体部から中空部である際には左側を指す方向を
与えられるように、各ベクトルの方向はラベル付けされ
るべきである。
3つの重複する線分76a、76b、76cが存在する例が、
図19aおよび図19bに示されている。これらのベクトルを
横切る無限線は、番号77により指定されている。図19a
は、上記無限線が中空部から3つの線分の群へ進入する
場合を示し、図19bは、上記無限線が固体部から3つの
線分の群へ進入する場合を示している。
上記群を形成する上記線分は説明的な目的のみのため
に間隔を置いて描かれており、QV値のそれぞれの変化が
示されている。図19aにおいては方向値は1であり、こ
れは個々の方向値の合計に完全に依存するものであり、
一方、図19bにおける方位値は−1であることに注意さ
れたい。
しかしながら両者の場合において、上記群は、潰れた
中空部と潰れた固体部の両方を備えている。それゆえ両
方の場合に対し、重方向値は3であると想定される。
以上で、第1の実施形態において線分に方向を割り当
てるのにここで使用される、具体的なアプローチについ
ての議論を終了させる。図14に戻り、ステップ58におい
て、投影線線分は最小y座標によってソーティングさ
れ、ステップ59において、線分リスト中の線分と統合さ
れる。投影線線分リスト中の線分は、既にそれらに割り
当てられた方向を有しており、線分リスト中の各線分に
従って方向を導出する必要はないことに注意されたい。
投影線線分リスト中のベクトルの方向は、先に参照によ
り記載したPCT公開第WO/89/10256号に記述されている、
平坦に近い境界ベクトルの方向を決定するために使用さ
れる方法に、類似した方法によって決定される。上述し
た2つのリスト中の線分を統合することは、両集合中の
線分により取り囲まれた領域の和集合の算出を容易にす
る。ここで上記和集合とは、前述のように、断面境界の
形成をもたらすものである。
ステップ60において、上記和演算がなされる。上記和
演算を行うため、一連の無限線が、統合されたリスト中
の線分と交差させられる。そしてQV値が各交点において
計算され(ここでは、ステップ57とは異なり、QV値は線
分の方向から導出される)、QV値が1未満から1以上の
値、もしくは1以上の値から1未満の値に遷移するとこ
ろの線分は、全て保持される。他の全ての線分は破棄さ
れる。以下の説明において示されるように、保持された
線分は、線分リストおよび投影線線分リスト中の線分に
より取り囲まれる領域の、和集合を形成する。
この演算は、線分リスト中の線分から形成されたと想
定される1つのループと、投影線線分リスト中の線分か
ら形成されたと想定されるもう1つのループとの、2つ
のループを形成する複数の線分を示した図20aにおい
て、説明される。一般的に、線分リスト中の線分と投影
線線分リスト内の線分との間では、少なくとも幾つかの
重複(ぴったり重なり合うベクトル)がある。
複数の無限線78a−78fが上記の線分と交差するように
示されており、これらの交点が決定され位置付けされた
後、QV値が決定される。このQV値は図に示されている。
上述した保持規則を使用して、保持されるベクトルがA
−Iとして符号付けされている。明示のために、これら
の線分は、破線で示されるJ−Mの除去された線分とと
もに、図20bに描き直されている。図示されている通
り、保持されたベクトルで取り囲まれている領域は、図
20aに示した2つの領域の和集合である。ここで、ベク
トルを保持または除去するための決定は、そのベクトル
を横切る遷移が、最低でも0と1を含む間での定量的嵩
み値の変化を含むか否かに基づいていたことを思い出し
てほしい。
保持された線分に関しては、1を越える方向値は全て
1に変化させられ、−1未満の方向値は全て−1に変化
させられる。この処理により、重複する線分は効果的に
破棄される。さらに、これらの線分の重方向値は1にリ
セットされる。しかしながら、幾つかの線分群は保持さ
れたままである点に留意してほしい。これらは潰れた固
体部を表すバイゴンを含んでいる。潰れた穴を表すバイ
ゴンは破棄される。そして、保持された線分は再接続さ
れ、多辺形を形成する。
潰れた穴を破棄することは、固体部の外面形状が物体
を正確に表すために中空部の外面形状よりも重要である
と考えている本実施形態の方針を反映している。この方
針を履行するため、和演算においてバイゴンに遭遇した
際には、新たな変数QV'が定義される。QV'を決定するた
めに、方向値ではなく重方向値が、バイゴンの直前のQV
値に加えられ、その結果値が分析される。もしQVからQ
V'への遷移が、1未満から1以上への遷移であるなら
ば、上記バイゴンは保持され、そうでなければ、バイゴ
ンは破棄される。方向値は0であり、QVにおいて遷移を
引き起こすことはないので、使用されることはない。
図21aおよび図21bへ移って、和演算におけるバイゴン
の取り扱いがより詳しく記述される。これらの図は、無
限線79によって交差されるバイゴンを示している。図21
aにおいては、バイゴンのそれぞれの側で方向値が0で
あるので、前に示したように、QV値は変化させられない
が、しかし重方向値が加えられたQV値であるQV'値は、
バイゴンに進入する直前のQV値と比較して遷移し、(0
から)2へと遷移する。その結果、このバイゴンは保持
される。図21bに示される状態は、図18bに示されるもの
に似ている。この図の重方向値は+2である。それゆ
え、線分を横切るに際し、上記QV'は1から3へと変化
する。QV'が0から1の範囲を通過して変化していない
ので、このバイゴンは取り除かれる。結果として、和演
算においては、独立構造を形成するバイゴンは保持さ
れ、一方、二重構造を形成するバイゴンは取り除かれる
ことがわかる。
以上で、図14に示される各ステップを完了する。
図13に戻り、ステップ38において、線幅補償(LWC)
が次いで実行される。最初に、各断面の断面境界が多辺
形を規定することと、LWCの最初のステップは、相乗的
刺激のビームにさらされる際に形成される材料の硬化幅
が、多辺形内に完全に包含されるように、各多辺形の頂
点を移動することであることとが、理解されるべきであ
る。各頂点に関し、頂点二等分線として知られる経路
が、頂点が移動する経路を規定するために形成される。
各二等分線は各頂点において形成される角度を二等分す
るように配置される。このステップは、頂点81a、81b、
81c、81dを有する多辺形80を示している図22aに示され
る。各頂点の対応する二等分線は、各頂点から発する点
線によって示される。頂点の該二等分線は、境界に沿っ
た硬化幅が境界内に完全に包含されるようになるまで、
各頂点が移動する経路を形成する。相乗的刺激のビーム
に材料を露出する結果生じる材料の硬化幅は、番号84に
よって示される。以下の説明では、これはビーム跡と呼
ばれる。
ここで頂点81cに注目すると、該頂点は二等分線に沿
って、上記ビーム跡が多辺形80の境界線内に完全に嵌合
する点として規定される頂点81c'まで移動する。
上記ビーム跡は図示するように一般的に円形形状であ
る。この例では、図中で番号82が付された頂点の移動
は、移動された頂点から多辺形の辺までの最短距離であ
り、一般には図中で番号83a、83bによって示されるよう
な上記多辺形の辺に垂直な線に沿った距離である最短距
離が、上記ビーム跡の半径に等しくなるまで続けられ
る。この状態は、図示するように、一般的に頂点が二等
分線に沿って半径よりも大きく移動した後のみに発生す
る。
次いで、各頂点が順を追って調整される。
上述したように頂点を調整した後、LWCアルゴリズム
は、頂点が遠くに移動し過ぎてしまったかもしれない場
合に備えて、一連の調整を実行する。この状況の一例が
図22bに示されており、ここで、上述したアプローチ
は、鋭い頂点において、二等分線に沿った許容できない
移動を生じさせている。この移動の程度は、最終物体に
許容できないずれを生じさせ得るので、許容できない。
例えば、図22bにおける斜線範囲は、断面境界86によっ
て囲まれているけれども露出されないので、最終物体に
おけるずれを表している。図示するように、このずれは
重大なずれとなり得る。
それゆえに、そのような極端な場合をもたらし得るず
れを減じるために、LWCアルゴリズムは、あらゆる頂点
の移動距離をビーム跡の半径の 倍の値、すなわち までに制限している。
例えば、図22bと比較して同様の構成部分には同様の
番号を付している図22cにおいては、頂点の移動は88a'
までに制限され、図22bに示すように88aまで進むことは
許されない。ビーム跡が88a'に制限されるとき、移動距
離85'は上記に指定した値に等しい。結果として生じる
ビーム跡は、図22bに示すように、87aではなく87a'とな
る。
このアプローチは、図22cにおいて網目領域によって
示すように、結果的にまだいくらかのずれを生じさせ、
また事実上いくらかのずれをさらに導入していることに
注意されたい。しかしながら、移動を制限することの意
図する結果は、制限前よりも結果的なずれを低減するこ
とであり、そして移動を制限することは、たとえずれを
完全には制限できなくとも、様々な状況において上記の
結果を達成することがわかっている。
LWCアルゴリズムは、過度の移動を防ぐための別の調
整も実行する。この調整を行うため、LWCアルゴリズム
は、まず、もとの頂点から移動された頂点に向かうベク
トルとして定義される、変位ベクトルを生成する。LWC
アルゴリズムは、次に、二等分線に沿った変位ベクトル
の長さを2倍にし、もしこの2倍にされた変位ベクトル
が多辺形上のある線分を横切る場合、移動された頂点
は、上記2倍された変位ベクトルが該横切られた線分に
ちょうど接するまで、もとの頂点の方向へ戻るように調
整される。
この過程は、頂点81bおよび線分92を有する多辺形80
が図示されている、図22dおよび図22eに示されている。
図22dに示すように、頂点が90まで移動した後、変位ベ
クトル89は2倍され、破線によって示される2倍された
変位ベクトル91が得られる。図示するように2倍された
変位ベクトルは線分92を横切るので、図22eに示すよう
に、該頂点は元の位置方向である90'へ戻るように移動
され、この移動は、移動の結果として生じる変位ベクト
ル89'が、(破線で示す)ベクトル91'を得るために2倍
されたとき、ベクトル92と交差しないが、実際にベクト
ル92に接するようになるように行われる。
LWCアルゴリズムによって行われる3番目の調整は、
頂点81aおよび81bにそれぞれ対応する変位ベクトル94
a、94bが交点93において交差している様子を示している
図22fに示されるように、2つの変位ベクトルが交差す
るときに開始される。この場合、移動された頂点は、結
果として生じる変位ベクトルが互いに交差しないよう
に、交点93へと戻される。
4番目の調整は、変位ベクトルが補償された線分(補
償された線分とは、移動された頂点を繋いだ結果生じる
線分である)と交差するときに開始される。この状況
は、多辺形95と補償された線分97'を図示した図22gに示
される。線分97'は、変位ベクトル96aおよび96bに沿っ
て頂点を移動し、そして移動された点を繋ぐことで得ら
れる。また、変位ベクトル96cも図示されている。この
変位ベクトルは、線分97'に対向する1つの頂点の移動
の結果として生じたものであり、そして補償された線分
97'と交差するものである。この場合、LWCアルゴリズム
は、交差が除去されるまで、補償された線分を、それを
導き出す元となった元の線分の方向へ、該元の線分と平
行を維持しながら戻す移動を行う(上述した調整のよう
に頂点を移動するのではなく)。図22gにおいて、上記
の元の線分は97によって示されており、番号97''によっ
て指定される移動された補償された線分は、点線により
示されている。図示されているように、上記の移動され
た補償された線分は、元の線分97と平行である。あるい
はまた、補償された線分97'は、同時に変位ベクトル96c
を短くしながら、補償されていない線分の位置へ向かっ
て戻されてもよく、それは、最終的な線分が非補償領域
の中央近くで接するようにし、それにより最終的な補償
された線分が最も好ましい位置により近づけられるよう
にするためである。
すべての頂点が移動された後、それらは補償された線
分を形成するために接続される。以上で、線幅補償の処
理が完了する。
図13に戻り、ステップ39において、重複しない領域U
[i]’、D[i]、L[i]'''を形成するために、
一連の論理積演算が実行される。実行されるべき具体的
な論理演算は、図3のステップ17−21に示されている。
それらのステップの各々は、ある領域から別のある領域
の論理差分演算、あるいはある一組の領域から別のある
一組の領域の論理差分演算を備えており、この論理差分
演算は、先に示したように、ある1つの領域と、他の1
つの領域の補集合との論理積演算を行うことと等価であ
る。このセクションでは、論理積演算実行の第1の実施
形態を説明する。以下の説明では、差分を取られるべき
2つの多辺形は、AとBとで示されるものとする。
この実行における第1のステップは、Bの補集合を取
ることである。このことは、先に述べたように、単にB
多辺形をその構成線分に分解し、それらの線分を最小Z
座標により順番付け、そして各線分の方向値と重方向値
とを反転すること、すなわち逆符号にすることにより達
成できる。潰れた固体部を示すバイゴンに関しては、こ
のステップは、それらバイゴンを潰れた中空部を示すバ
イゴンに変える効果を有する。
この実行における第2のステップは、Aと、Bの補集
合との間の共通部分を取ることである。このことを達成
するために、Bに関して既に述べたように、多辺形Aは
その構成線分に分割され、最小Z座標により再度順番付
けされる。そして、Aと、Bの補集合との両方について
の線分のリストが統合される。上記集合を統合するに際
しては、交差しているベクトルの交点が決定され、上記
交差しているベクトルはそれらの点においてより小さな
ベクトルに分割される。さらなるステップが上記の統合
された複数の線分に対して起こり、それにより重複して
いる線分が、バイゴンのような前述の線分の群を形成す
るために使用される。もし第1の線分が第2のより長い
線分と重複している場合には、特別のケースが起こる。
この場合、該第2の線分は、該第1の線分と同じ長さの
第3の線分と、残りの部分である第4の線分とに分割さ
れる。第1の線分と第3の線分は1つのバイゴンに統合
される。
上述した各ステップが実行された後、統合された複数
の線分は、間隔をあけて置かれた複数の無限線と交差さ
せられ、該複数の線分の方向が、上記無限線の種々の部
分に付随するQV値を引き出すために使用される。ある線
分が、2未満の値から2以上の値までの、またはその逆
(1から2の範囲を通過して)のQV値における変化を引
き起こす場合のみ、その線分が保持される。その他のす
べての線分は破棄される。その結果が、2つの多辺形あ
るいは多辺形の2つの組の間の、論理差分である。
上述した差分演算のステップは、図23a−23cに示され
ている。図23aは、共通部分を取られるべき2つの多辺
形を示しており、ここで番号100は多辺形Aを示し、番
号101は多辺形Bの補集合を示している。これらの多辺
形は、見易くするために離して図示されている。図示す
るように、参照番号100a、100b、100cおよび100dで示さ
れている多辺形Aをなす各線分は、反時計回り方向に方
向付けられている。一方、参照番号101a、101b、101cお
よび101dで示されている多辺形Bの補集合をなす線分
は、時計回り方向に方向付けられており、これは補集合
演算により多辺形Aとは逆の方向とされたものである。
図23bは、重なり合っている線分がバイゴンを形成す
るために分割された後の上記と同一の各線分を表してお
り、ここでこの分割は、上記の各線分がそれらの最小Z
座標により順番付けされ、それらの線分が、各線分が少
なくとも一度交差されるのに十分な数の複数の無限線と
交差させられた後に行われるものである。例えば、線分
100cは、線分100c'と100fに分割され、線分100fと101c
は1つのバイゴンを形成するために統合される。さら
に、線分100dは線分100d'と100eに分割され、線分100e
と101dは1つのバイゴンを形成するために統合される。
無限線の異なる部分に付随するQV値は、該無限線の対応
する部分の近傍に直接示されている。各無限線は無限遠
に端を発すると想定されるが、無限線が0である初期QV
値を与えられる(無限線が中空領域に端を発するという
仮定と矛盾しない)上述した和演算とは異なり、ここで
は各無限線は1であるQV値を与えられる。これは、ここ
ではそれらの線分が固体領域に端を発すると想定してい
るためであり、このことはBの補集合を取っていること
と矛盾しない。
まず無限線102aについて考えると、この線に付随する
QV値は、線分100bを通過する際には1から2まで変化
し、線分100aを横切る際には2から1へ戻るように変化
する。それゆえにこれら2つの線分は保持される。
次に、無限線102bを考えると、この線に付随するQV値
は、線分100bを横切る際には1から2まで変化し、線分
101bを横切る際には2から1へ戻るように変化し、線分
101aを横切る際には1から2へ戻るように変化し、線分
100d'を横切る際には2から1に戻るように変化する。
それゆえに線分100b、101b、101a、および100d'はこの
無限線により保持されるであろう。次に無限線102cに移
ると、この線のQV値は、線分100bを横切る際に1から2
へと変化し、線分101bを横切る際に2から1へ戻るよう
に変化し、線分101dおよび100eを横切る際には変化しな
い。(注:これらの線分は実際には互いに重なり合って
いるものであり、説明的な目的のためにのみ、図におい
ては離れていうように描かれている。それゆえに、これ
らの線分は、互いに重なり合っており、後述されるよう
に実際にはバイゴンを形成するので、QV値は変化しな
い。)それゆえに、この無限線により、線分101dおよび
100eは破棄される。
バイゴンを横切る変化は、上述したものよりも実際に
はより複雑であり、先に説明したように、バイゴンの重
方向値を考慮するものであることに注意されたい。ここ
では、バイゴンの重方向値は0である。これは、101dの
重方向値が1であり、一方、100eの重方向値が−1であ
るためである。これら2つの値の合計が、バイゴンの重
方向値を決定する。それゆえに、バイゴンから出た後
の、バイゴン重方向値に加算されたQV'値は1である
(バイゴンの直前のQV値に等しい)。この値は2以上の
値へと変化していないので、上記のバイゴンは保持され
ない。
次に無限線102dを考えると、この線のQV値は、線分10
0c'を通過する際には2に変化し、線分101bを通過する
際には1へ戻るように変化し、線分101dおよび100eを通
過する際には変化しない。さらに、このバイゴンのQV'
値は1のままである。それゆえに、この無限線により、
線分100c'は保持され、一方、他の交差された線分に関
する決定は以前になされており、今回の結果と矛盾せず
に保持されている(例えば、101bは残り、101dおよび10
0eは取り除かれる)。
次に、無限線102eを考えると、この線のQV値は線分10
0fおよび101cを通過する際には変化せず、また、線分10
0eおよび101dを通過する際にも変化しない。加えて、こ
れらの両方のバイゴンに対する重方向値は0である。そ
れゆえに、これらのバイゴンに対するQV'値は1であ
る。それゆえに、この無限線により、線分100fおよび10
1cは破棄される。
最終結果が図23cに示されている。図23aとの比較は、
このバイゴンが実際に多辺形AとBとの間の論理差分を
表していることを示す。
論理積演算の後、もし保持されたバイゴンがあれば、
それらのバイゴンは個々の線分に再変換されることに注
意されたい。バイゴンの一部であった時の各線分に対す
る方向値は保持されるが、重方向値1が各線分に割り当
てられる。
図13に戻り、次に論述される実行ステップはスキン後
退ステップ40である。スキン後退は、図3bのベクトル生
成ステップ24の間に行われる。一般的に言うと、基本的
に、スキン後退の正味の結果は、スキンベクトルと、該
スキンベクトル生成に用いられた境界とが、スキン後退
が成されなければ交差あるいは重複してしまうような箇
所における、該スキンベクトルのわずかな後退である。
スキン後退を行う利点は、全て前に述べたことである
が、ある領域の過剰露出を減じ、また、非常に小さいの
でスキンベクトルから利益を得ることができない領域に
フィリング処理を行わず、効率の低いシステム動作を招
くような、蓄積および/または処理されるべき過剰な数
のスキンベクトルの生成を防ぐことである。
スキン後退は、すべての境界(上向き面あるいは下向
き面)を内側に調整し、元の境界をいまだ保持したまま
で疑似境界を生成することにより行われる。スキンベク
トルおよび/または場合によってはハッチベクトルは、
後述するスキン生成アルゴリズムを使用し、疑似境界か
ら生成される。境界ベクトルの生成には疑似境界ではは
く元の境界が使用されるので、該元の境界は保持され
る。スキン後退あるいはより適切に言えばハッチ後退
は、断面境界L''内、あるいは断面境界L'''の個々の組
上において、および上向き面境界U'において、後退させ
られたハッチを生成する目的のために実行され得る。
疑似境界は、図3aにおけるステップ16、22および23に
おいて、元の境界から生成される。
疑似境界に到達するために元の境界になされる調整
は、線幅補償と比べればずっと単純なものである。
基本的に、実行される唯一のステップは、ベクトルを
小さく切り詰めるサブステップを行いつつ各境界ベクト
ルを元の境界ベクトルと平行に保ちながら、UBO値ある
いはLBO値の分だけ、各境界ベクトルを固体領域方向へ
変位することである。疑似境界が生成された後、それら
は疑似線分へと変換される。交差するあるいは重なり合
う線分はアルゴリズムにより適切に処理されるので、線
分を分割する必要はない。
疑似線分が生成された後の次のステップは、それらを
元の境界の線分と統合し、その統合された各線分を最小
Y座標によりソーティングすることである。次に、これ
らの線分を、間隔を空けて置かれた、平行かつ水平な複
数の無限線と交差させる準備として、もし必要であれば
それらの線分が回転される。次に、定量的な嵩みの分析
が各スキン線に対して連続的に実行され、スキンベクト
ルが生成される。前と同じように、各無限線は無限遠に
端を発すると想定され、無限遠において0の定量的嵩み
値を有する。次に、各無線線を順番に考え、各無限線に
対する定量的嵩み値は、その無限線が横切る各線分の方
向値を加算される。変化が2未満の値から2以上の値へ
となされるとき、その交点におけるスキンベクトルの生
成が始まり、そして変化が2以上の値から2未満の値へ
となされるとき、以前に始まったスキンベクトルの生成
が終了される。この演算は、境界が実際には完全に決定
されない点を除いては、前に述べた論理積演算に非常に
似ていることに注意されたい。
スキンベクトルの生成は、図24a−24cに図示される。
図24aは、境界103および疑似境界103'を示しており、こ
れらは、断面境界あるいは上向き面境界、下向き面境界
のいずれでもよく、無限線104a、104b、104cおよび104d
と交差させられている。
現在、ハッチおよびフィルを生成する好ましいアルゴ
リズムは、X軸に平行な複数のベクトルを生成すること
によってのみその生成を行う。それゆえに、もしハッチ
ベクトルもしくはスキンベクトルが、X軸の方向とは異
なる方向に平行に生成されるべきであるならば、考えら
れている範囲の境界が適切な角度だけ回転され、適切な
ハッチベクトルもしくはフィルベクトルが生成され、そ
して境界と、ハッチもしくはフィルとの両方が回転され
て元の位置に戻される。この結果は、図24bに示されて
いる。回転された元の境界は番号103''で示されてお
り、回転された疑似境界は番号103'''で示されている。
次いで、定量的な嵩みの解析が各無限線に沿って行わ
れる。一本の無限線と一本の線分の間の各交点におい
て、該線分の定量的嵩み値は、その線分の方向値を加算
される。例として無限線104bをとると、交点105におい
て、その線分の定量的嵩み値は、線分103a''の方向値
(それは1である)を加算され、定量的嵩み値1に達す
る。次に、交点105'において、QV値は2へと変化させら
れる。従って、点105'において、ハッチベクトル107の
生成が始まる。次に、点106において、線分103b'''の方
向値(それは−1である)が、定量的嵩み値に加算さ
れ、定量的嵩み値1に達する。(QV値は、それらが適用
される無限線の相当する部分に示されている。)定量的
嵩み値が2以上の値から2未満の値まで変化したので、
スキンベクトル107の生成は点106において終了する。次
に、点106'において、QV値は0へと変化し、このことは
スキンベクトル生成プロセスに何ら影響を及ぼさない。
以上で、スキンベクトル107の形成が完了される。この
分析は、各線分を横切る各無限線に対して連続的に行わ
れる。
この実施形態においては、スキン後退のみが行われて
おり、ハッチ後退は行われていないことに注意された
い。しかしながら、ハッチ後退もまた、スキンベクトル
後退に関して上述したような同様の手法で行うことが可
能であり、本発明の範囲内に含まれると意図されるもの
である。
図13に戻り、ステップ40において、境界ベクトルおよ
びハッチベクトルを含めて、残りのベクトル型が生成さ
れる。境界ベクトルは単純に境界線線分から決定され、
ハッチベクトルは、ハッチベクトル間の間隔が典型的に
はスキンベクトル間の間隔よりも広くされるという点を
除いては、スキンベクトルの生成に関して上述したのと
同様の方法で、境界ベクトルから決定される。
スキン後退は、上向き面境界あるいは下向き面境界
(すでに線幅補償のために調整されているが、いまだL
境界の一部である)の各頂点を内側へ移動させ、疑似境
界を生成するためにそれらの移動された各頂点を接続
し、その上で元の境界と疑似境界との統合された組から
スキンベクトルを生成することにより達成される。
これは、移動された頂点から描かれる疑似境界が元の
境界から適当な量(硬化幅の約1/2)だけ内側に移動さ
れるまで、頂点の二等分線に沿って各頂点を移動する
(LWCの際にそうしたように)ことにより達成される。
対面する側からの疑似境界が接触、あるいは互いに行き
違う場合には、2以上の値への変化が生じないので、そ
れらの範囲においては、スキンベクトルの生成は自動的
に抑制されるであろう。説明に役立つ2つの例が、図25
a−28cに示されている。
図25aは、断面116を形成するために2つのスライス平
面121aおよび121bにより区切られた、中空の四角錐120
(この側面図においては一つの側面のみが見えるもので
ある)を示している。この断面の断面境界は、番号117a
および117bによって示されている。図25bはそれらの断
面境界の上面図を示している。
境界117aおよび117bに対する疑似境界は、疑似線(点
線)によって示されており、指定番号117a'および117b'
によって指定されている。図示されているように、疑似
線が互いに行き違うので、スキンベクトルは生成されな
い。移動は、組み合わされた本当の境界および疑似の境
界を横切る無限線に沿ってなされるため、QV値における
変化は、一方の側面において0から1、0、1、0であ
り、反対側の側面において0から1、0、1、0であ
る。
このことは図の下部にある一連の0と1によって示さ
れている。1から2までの範囲を通過して変化が起こら
ないので、スキンあるいはハッチは全く生成されない。
別の例が図25cに示されており、ここでは境界118に対
する疑似境界が、参照番号119によって示されている。
疑似境界119は疑似境界119aと119bを含んでいる。示さ
れるように、境界118の上部分118aに対する疑似境界
は、疑似境界119aへと潰れており、従って破棄される。
一方、境界118の下部分118bに対する疑似境界119bは潰
れておらず、それゆえに保持される。結果として、スキ
ンベクトルは、疑似境界119bにより取り囲まれた領域に
対してのみ生成される。
次に、疑似境界の生成に際し、さらに分解能を上げか
つ生じ得る問題を回避するために、いくつかの追加的な
ステップが実行される。最初に、中空部の内角に関し角
度が180度未満であるような角における疑似境界は、さ
らに分解能を増すために、かつこれらの角の固体部と目
される部分において生じ得る漏れを防ぐために十分なス
キンを作成しないという問題を回避するために、小さく
切り取られるか、あるいは丸みを付けられる。
切り取る例が、図26a−図26dに示されている。図26a
は、切り取る方法を利用せずに作成される、種々の本当
の境界および疑似境界と併せて、物体のある断面を描い
た図である。外側の境界121と内側の境界122との間の領
域123は該断面の上向き面領域であり、内側境界122によ
って囲まれた領域124は連続領域である。領域123は上向
き面領域であるので、スキンフィルベクトルが生成され
る。しかしながら、該スキンベクトルは、範囲123のサ
ブ領域である縮小された領域127内において形成され
る。このサブ領域は、前に述べたようなスキン後退のた
めに、外側の疑似境界125と内側の疑似境界126(疑似線
にて描かれる)の間に位置している。疑似境界125、126
は、切り取る方法が使用されない場合に、スキン配置を
決定するために使用される境界である。本当の境界121
から疑似境界125、そして本当の境界122から疑似境界12
6を作成するために使用される後退量は、境界122、121
が硬化される深さに等しい深さまであるベクトルを硬化
する際に付随して生じる硬化幅よりも、典型的には幾分
少ない。
図26bは、本当の断面境界122、121を含んでいる、図2
6aと同じ断面を示している。境界122を取り囲んでいる
のは、外囲線128である。外囲線128は、境界122が寸法1
31の硬化幅を生じる相乗的刺激のビームでトレースされ
たときに生じる、硬化の水平方向の広がりを示す。領域
の大きさおよびビームに付随する硬化幅の観点からし
て、122内の全体の領域が硬化されるので、境界122が硬
化される際における硬化の内側の広がりを示す外囲線は
示されていない。頂点132a、132b、および132c付近の硬
化の広がりは、硬化部のとがった角を形成せず、その代
わりに、硬化幅の半径に類似した半径の、硬化部の丸み
を帯びた領域を生成することが見て取れる。境界122が
露出された際に硬化された領域は、番号133によって示
されており、小さい点によって陰が付けられている。同
様にして、境界121が露出される際には、内側の外囲線1
34と外側の外囲線135との間の領域136(小さい点により
示される)が硬化される。同一直線上にない2つの境界
ベクトルが合う所の頂点137を考えると、これらのベク
トルの側方のうち上記ベクトル間の角度が180度よりも
大きい方の側方においては、硬化された材料の広がりは
滑らかに丸みを帯びた表面を形成し、それに対して、こ
れらのベクトルの側方のうち上記角度が180度よりも小
さい方の側方においては、尖鋭な角が形成される。
図26cは、図26aおよび図26bと同様の断面を示してい
る。本当の境界121および122と併せて、疑似境界125お
よび126が示されている。典型的には、スキンフィルの
露出が境界まで行われると、そのスキンフィルに付随す
る硬化部は、境界の線を多少越えて広がる。切り取る方
法が使用されない場合は、スキンフィルは疑似境界125
と126との間で露出される。外囲線138、139は、スキン
フィルベクトルの硬化が疑似境界125、126まで行われた
際に、付随して生じる硬化の広がりをそれぞれ示してい
る。従って、スキンフィルに付随するものは、外囲線13
9と138の間に広がる硬化部140である。これは、この図
では小さい点を使用して示されている。
図26dは再び同じ断面を示すが、しかし今回は、図26b
および図26cと併せて硬化された領域が重ね合わされて
いる。この重ね合わせは、全面的に硬化されているべき
領域内にあるが実際には硬化されていないいくつかを領
域141a、141bおよび141cが存在することを示している。
この図およびこれ以前の3つの図についての考察は、同
一直線上にない2つのベクトルが接合するとき、その接
合点に付随する硬化部の内縁および外縁が存在すること
を示し、ここで上記外縁は、上記のベクトルの側方のう
ち角度が180度よりも大きい方の側方であり、上記内縁
は、上記のベクトルの側方のうち角度が180度よりも小
さい方の側方である。ベクトルに沿って材料を硬化する
とき、内縁は常に尖鋭な先端を形成し、外縁は常に、一
方のベクトルからもう一方のベクトルへの遷移領域であ
る丸みを帯びた領域を形成する。この丸みを帯びた遷移
領域は、常にその角度の二等分線に沿っての広がりが過
小であり、この広がりの不足は、内側角度が小さくなる
に応じてより深刻となる。それゆえに、内側および外側
の側方を含む元の境界のある一部分に関して材料を硬化
する場合であり、硬化されるべき領域の内側の側面とし
て作用すべき二次(疑似)境界が形成されるように、そ
の元の境界の該一部分が該境界の外縁の方向にオフセッ
トされている場合においては、硬化の広がりに差異が生
じ、この差異は結果として部品の露出されない領域を生
じる。
そのような硬化されない領域は好ましくないものであ
るので、これらの領域において重大でない過剰露出を生
じさせ得るという犠牲を払って、該硬化されない領域の
問題を実質的に除去する「切取り」の手法が開発されて
いる。この切取りの方法は、元の境界を露出する結果生
じる硬化に、より近く類似する疑似境界の生成を含んで
いる。上記の疑似境界への修正は、生成されている疑似
境界が元の境界から(2つのベクトルの)接合点の外縁
方向へオフセットされるときにのみ、行われればよい。
これが、現在の好ましい実施形態において、切取りが実
行される方法である。上記接合点がその外縁の方向へオ
フセットされるとき、すなわち接合点の側方のうち180
度よりも大きい角度を有する方の側方へ接合がオフセッ
トされるときにおいて、切取りが実行される。
すべてのベクトルを完全にオフセットし、全ての接合
点において切取りを生じさせ、それに続けて負の領域を
全て取り除くという方が、概念上、より便利であるかも
しれない。あるいはその代わりに、すべてのベクトルを
完全にオフセットし、交点を再計算し、そしてオフセッ
ト後はもはや互いに交差しない連続したベクトルのせい
で交点が存在しない場合に、切り取られたベクトルを形
成するという方が、より便利であるかもしれない。
図26a−26dの例に適用されるような切り取りを実行す
る方法は、図27aおよび図27bに描かれており、また第一
の変更例は図27cおよび図27dに説明されている。
図27aは、図26a−図26dと同じ断面を示している。境
界121、122が、頂点150a−150g、およびそれらに付随す
る頂点オフセットベクトル151a−151gと共に示されてい
る。これらのオフセットベクトルは、図26aの疑似境界1
25、126を形成するために上記の頂点がオフセットされ
る方向を示している。頂点150a−150dは、それぞれの接
合点の内縁の方向(180度未満の角度で形成されている
側方方向)へオフセットされており、一方、頂点150e−
150gは、それぞれの接合点の外縁の方向(180度を越え
る角度で形成されている側方方向)へオフセットされて
いることがわかる。この実行において、内縁の方向へオ
フセットされる各頂点は、硬化幅補償に関して述べたの
と同様の手法によってオフセットされる。換言すると、
頂点はそれぞれのオフセットベクトルの先端に移動され
る。しかしながら、外縁方向へオフセットされるベクト
ルは、単一の変位ベクトルに沿ってシフトされない。そ
の代わりに、この実施形態においては、角度を二等分す
る単一の変位ベクトル151e−151gの各々は、該接合点を
形成する各々のベクトルに付随しかつその各々のベクト
ルに垂直である、2つの変位ベクトルに置き換えられ
る。これらの2つの新たなオフセットベクトルは、元の
オフセットベクトルと同じく、該接合点に対しいまだ同
じ側方へのオフセットを示している。それらの新たなオ
フセットベクトルは図27bに示されており、ここで元の
オフセットベクトル151eはオフセットベクトル152aと15
2bに置き換えられており、元のオフセットベクトル151f
はオフセットベクトル152cと152dに置き換えられてお
り、元のオフセットベクトル151gはオフセットベクトル
152eと152fに置き換えらていれる。これらのオフセット
ベクトルは、接合する各ベクトルの個々に垂直な線に沿
って、一つの頂点を2つの頂点に分離することにより形
成される。接合(境界)ベクトルの両端がこの手法でオ
フセットされる際には、このオフセットはベクトルの長
さの変化を結果として生じさせないことが、図からわか
る。もとの境界ベクトル159、160および161は、それぞ
れ疑似ベクトル155、153および157になる。しかしなが
ら、この方法で頂点がオフセットされると、元は接合し
ていたベクトル同士は、もはや接合しなくなる。代わり
に、1つの頂点の2つの頂点への分離は、結果として、
2つのベクトルを互いに接続する中間線分を生成するこ
とになる。そのような中間疑似線分が、元の頂点150f、
150g、150eに対してベクトル154、156、および158とし
て、図27bに示されている。それらの中間ベクトルは切
取りベクトルと呼ばれており、それはこれらの中間ベク
トルが、もし頂点が以前に述べた方法でオフセットさせ
られるならば接合点の内側に組み入れられるであろう領
域の、一部を切り取るためである。図26a、26b、27aお
よび27bを比較することにより、疑似ベクトル(あるい
は線分)153−158を備える疑似境界は、上述したアプロ
ーチにより得られる疑似境界126よりも、境界122を露出
したときに硬化される領域の外側の広がり部128を、よ
り近く近似していることがわかる。このより正確な近似
は、スキンフィルに付随する硬化の広がりを決定するた
めに使用される疑似境界を形成する。それゆえに、この
より正確な近似は、典型的には前に述べた切取りを行わ
ないアプローチにより形成される、図26dに示す好まし
くない未転移領域141a、141b、および141cを取り除く。
図27cおよび図27dは、スキン後退の切取り方法を概念
的に理解しそして実行するための別の方法を示してい
る。頂点をオフセットする代わりに、すべてのベクトル
自体が、それら自体に垂直な方向へ、所望量だけ移動さ
せられることが可能である。このことは、図27cに示さ
れており、ここでベクトル159、160、161、162、163、1
64および165は、元のベクトルであり、適当な方向へ適
当な量だけオフセットされるとき疑似ベクトル155、15
3、157、166、167、168および169を生成するベクトルで
ある。すべてのベクトルは元の長さを保持していること
がわかる。図中の各境界および疑似ベクトルはまた、そ
れぞれの方向を示す矢印を有している。次に、もはや頭
部と尾部が接合し合わない連続するベクトルの各対は、
該対の方向と一致するような方法で方向付けられた追加
的なベクトルの生成により、その間隙を架橋される。い
くつかのそのような架橋ベクトルが、図27dに示されて
いる。ベクトル171はベクトル166から167へ架橋し、ベ
クトル172はベクトル167から168へ架橋し、ベクトル173
はベクトル168から169へ架橋し、ベクトル170はベクト
ル169から166へ架橋し、ベクトル158はベクトル157から
153へ架橋し、ベクトル154はベクトル153から155へ架橋
し、ベクトル156はベクトル155から157へ架橋する。次
に、複数のベクトルが交差する点においては、それらは
より小さいベクトルに分割され、独立した多辺形が形成
できるようにされる。次いで、スキンフィル生成のため
の疑似境界として使用されるためにそれらの多辺形が保
持されるべきか否かを調べるために、それらの多辺形が
評価される。もしある多辺形が負の領域を含むと判断さ
れれば、即ち、もしその多辺形に付随する定量的嵩み値
が負であると判断されれば、その多辺形は、疑似境界の
候補としてのさらなる考察から排除される。一方、もし
ある多辺形が正もしくは0の正味値をもつ定量的体積を
含むと判断されれば、疑似境界として保持される。
さらなる代替方法は、先程述べたばかりのアプローチ
を用いて、各ベクトル全体をオフセットし、それに続い
て、(上述したように)もはや互いに接触も交差もしな
い連続するベクトルの各対のために、適切に方向付けら
れた架橋ベクトルを生成することである。これに続い
て、もとは互いに交差していた連続するベクトルの各対
についてその交点(新たなベクトルの頭部と尾部)の決
定が行われ、それに続いて、複数のベクトルが互いに交
差する点において該ベクトルの分割が行われ(このこと
は連続しないベクトルに固有である)、それに続いて、
一致する方向を付けられた多辺形の決定が行われる(該
多辺形内におけるすべてのベクトルが一致する方向を有
する)。それらの多辺形は、さらなる処理、および一致
しない方向を付けられた多辺形(1つの多辺形内にある
1つもしくは複数のベクトルが、一致しない方向を有す
る)の除去のために保持され、それに続いて、負の領域
を含む多辺形が取り除かれる。残った多辺形は、スキン
フィルの範囲を決定するのに使用される疑似境界を形成
するために使用される。
第1の実施形態を実行するために使用されるコンピュ
ータ・ソフトウエアは、C言語により都合よく記述され
ており、NEC、Silicon Graphics、あるいはIBMと互換
性を有するコンピュータあるいはそれに類似のものにお
いて実行される。このコンピュータは、スライス(SLIC
E)コンピュータとして知られ、PCT公開第WO/89/10256
号に記述された総合的なステレオリソグラフィ装置にお
ける構成部分である。
スライス(SLICE)コンピュータは、典型的には境界
ベクトル、ハッチベクトル、スキンベクトルを生成す
る。しかしながら、他の実施形態も可能であり、それに
は「スライス・オン・ザ・フライ(slice on the fl
y)」の実行も含まれており、それによればスライス(S
LICE)コンピュータは境界ベクトルのみを生成し、ハッ
チおよびスキンベクトルの生成をプロセス(PROCESS)
コンピュータへ割り当てる。さらに、プロセス(PROCES
S)あるいはスライス(SLICE)コンピュータは1つのコ
ンピュータである必要はなく、並列処理が使用されるマ
ルチプロセッサ型の構成であってもよい。また、光コン
ピュータ型の実施形態も可能である。現在、市販されて
いる光コンピュータは存在しないが、最近の研究によれ
ば、光コンピュータは光学的に論理演算を行える兆しを
呈している。1983年の第10回、国際光計算会議の集録に
は、J.タニダ、Y.イチオカによる、「光論理アレイプロ
セッサ」のタイトルが付けられた論文が掲載されてお
り、この論文はこの件についてさらなる詳細を提供する
ものである。この参照論文の全記載内容は、参照により
本明細書に記載されている。
一般的に、スライス(SLICE)コンピュータは、ユー
ザの入力から、あるいは外部ソースから得られるデータ
から、各断面に対する所望の厚さを指定し、それに従っ
て物体表現をスライスし、その後このデータを、指定さ
れた断面厚さを有するステレオリソグラフィ材料の材料
層を供給するための再コーティング(recoating)手段
を順次動作させるプロセス(PROCESS)コンピュータへ
と送る。
断面再コーティング工程の制限された許容誤差量のた
め、所望の断面厚さと正確に一致する材料層を得るのは
可能ではないかもしれない。代わりに、所望の厚さから
数ミル(すなわち2ないし3ミル;0.051ないし0.076m
m)内の厚さを得ることのみが可能であろう。
それゆえに、上述したものの代替案として、「リコー
ティング・オン・ザ・フライ(recoating on the fly)
アルゴリズム」(これは先に述べた「スライス・オン・
ザ・フライ」アルゴリズムとは区別されるべきものであ
る)が可能であり、それによれば、まず再コーティング
が起こり、正確な断面厚さが判定され、そしてスライス
するアルゴリズムが、この予め判定された断面厚さを用
いて物体表現から次の断面表現をスライスするために実
行される。そうすることの利点は、想定された断面厚さ
(この厚さは断面をトレースするために使用される相乗
的刺激の露出を決定する)と、実際の断面厚さとの間の
正確な一致を保証することにある。もし、想定された厚
さの値が実際の値よりも大きいならば、現在の断面は、
所望量よりも大きく直前の断面に食い込んで過剰硬化さ
れ、このことは関連する歪みの問題へと繋がる。もし想
定された厚さの値が実際の値よりも小さいならば、現在
の断面は、所望量よりも小さく直前の断面に食い込んで
過剰硬化され、このことは関連する接着性の問題へと繋
がる。これら2つの値の間の正確な一致は、上記の2つ
の問題を取り除く。さらに、上記の実施形態のような自
己補正を行わない再コーティング方法がもし使用されれ
ば、厚さのわずかな誤差が断面ごとに蓄積され、その結
果として、最終的な部品の垂直寸法が許容誤差量から外
れてしまうかもしれない。
本発明の第2のそして最も好ましい実施形態につい
て、以下に説明する。この実施形態は、第1の実施形態
と非常に良く似ている。従って、第2の実施形態につい
ては、第1の実施形態から逸脱する特徴のみを強調す
る。
上記の逸脱点の概観として言うと、この実施形態の顕
著な特徴は、前述の実施形態に従うとモザイク様三角形
の記述形式の物体表現のみが可能であったのと対照的
に、三次元物体の境界表現を入力として受け付けること
ができる点である。その結果、この実施形態は、三次元
物体の、間隔を空けた複数の断面スキャンの形で入力を
与える、CATスキャンシステムあるいは類似のものから
の、直接的な入力を受け付けることができる。これら断
面スキャンの各々は、各スキャンの境界を記述する情報
を含んでいるであろう。そして、これが本実施形態の必
要とする情報である。もちろん、本実施形態は、第1の
実施形態に従うものであり最も良く市販されているCAD
システムによって与えられるものである、モザイク様三
角形の記述形式の物体表現に対する適合性をも維持して
いる。本実施形態の別の逸脱点は、線分に割り当てられ
る方向値である。先の実施形態では、全ての線分は右手
の規則に従って方向付けされており、下方を指す線分は
1の方向値を割り当てられる一方、上方を指す線分は−
1の方向値を割り当てられていた。本実施形態では、こ
れが逆であり、上方を指す線分は1の方向値を割り当て
られ、下方を指す線分は−1の方向値を割り当てられ
る。それから、無限線に沿ってQV値を計算するために、
線分との交点では、論理和演算、論理積演算、ハッチの
生成、あるいはスキンの生成の実行過程において前述の
実施形態どおりに方向値をQV値に加える代わりに、線分
と交差する直前に方向値がQV値から差し引かれる。従っ
て、これら全ての演算についての結果的な遷移値は、同
じ値に維持され得る。
本実施形態の別の重要な側面は、仮想メモリをより少
なくしかあるいは全く使用せずに、より大きいstlファ
イルをスライスする能力である。本実施形態では、stl
ファイルが読み込まれ、三角形がその最小z座標によっ
てソーティングされ、そして、そのソーティングされた
三角形のデータが一時的なファイルへと出力される。そ
の後、スライス(SLICE)プログラムは、処理中に亘っ
てstlファイル全体をメモリに保持するのとは対照的
に、所望の範囲の断面に関連する三角形データのみをメ
モリに持ち込む。ある特定の三角形が関連する種々の断
面が処理された後、該三角形はメモリから除去される。
この必要な三角形のみを読み込むことは、二つの顕著な
利点をもたらす。すなわち、(1)より多くのメモリが
スライス処理のために使用可能なまま残され、それによ
り、ハードディスクへのメモリ交換の必要性が減じら
れ、さらには、メモリ交換が必要とされていたようなよ
り速いスライス時間が、ファイルに対してもたらされる
こと、そして、(2)大量のメモリを保持する必要性が
減じられ、それにより、コンピュータシステムのコスト
を低減できることである。
様々の追加的な利点をもたらす様々の代案を用いるこ
とができる。これら代案の最初のものは、ソーティング
されたstlファイルは作らず、その代わりに、stlファイ
ルをスキャニングすることにより、各断面にいくつの三
角形が付随しているかについての情報を含んだ表を作る
ものである。従って、追加の三角形データが必要とされ
る度毎に、ファイルをスキャニングし、適切な数の三角
形がロードされるまで複数の三角形をメモリ内にロード
することができる。これは、処理時間が前のアプローチ
以上にかかる点において幾分か不利であるが、余分な
(ソーティングされた)stlファイルを格納するための
ハードディスクのスペースが必要とされることがないと
いう利点を有している。
代案の第2のものあるいは第2の群は、stlファイル
をできるだけたくさんロードするが、時間がかかる仮想
メモリの利用の必要性を回避することに関する。与えら
れた断面を処理するのに要するメモリの量は、かなりの
程度、当該断面上におけるベクトル形成に寄与する三角
形の数に基づいている。従って、各断面に対する必要な
処理と関連した三角形の数が特定されることが可能であ
る、一つの実施形態が用いられ得る。そのとき、この情
報は、三角形データをベクトルへと加工するのに要する
追加的なメモリの見積量と組み合わせられる。次いで、
ディスクアクセスの回数を最少化し、かつメモリを最大
限使用するために、最適量の入力データが最適の時間で
読み込まれ得る。それにより、大きいファイルに関連し
たスライス時間を最少化する。幾つかのファイルにとっ
ては、これらの手法は、スライス処理を最適化するだけ
でなく、極端に大きいファイルを相応な値段およびサイ
ズのコンピュータでスライスする能力を確保するのため
に、必要であるかもしれない。
以上で主要な逸脱点についての概観を完結する。次
に、図28a−dで与えられる第2実施形態のフローチャ
ートについて議論する。
図28a−28dに目を向けると、長円状の多辺形がシュレ
イス(SCHLEISS)の始点と終点を表し、長方形状の多辺
形は全て処理ステップを表し、菱形状の多辺形は全て判
断ポイントを表し、そして、台形状の多辺形は全て入力
あるいは出力ファイルを表している。前に示したよう
に、フローチャートは、各処理ステップに対して、その
個別の処理ステップが実行される個別のシュレイス(SC
HLEISS)モジュールと、該モジュール内におけるライン
番号とを表示している。
シュレイス(SCHLEISS)プログラムはステップ200に
おいてスタートする。ステップ201では、メモリ管理装
置が初期化される。簡単に言えば、メモリ管理装置は、
種々のシュレイスファンクション(SCHLEISS function
s)の要求に応えて、メモリを割り当てそして割り当て
を解除する。ステップ202では、タイムカウンタが初期
化される。簡単に言えば、このカウンタは、プログラム
の実行が進むにつれて増分され、そして、種々のシュレ
イスファンクションの道筋を維持するために、そしてお
そらくはそれらファンクションの実行時間を記録するた
めに用いられる。
ステップ203では、シュレイス(SCHLEISS)は、ユー
ザーからスライスの仕様指定を取得する。示されている
ように、ユーザー情報は、コマンドライン204とargファ
イル205の両方から得られる。ステップ206では、シュレ
イス(SCHLEISS)は、ユーザーが指定したパラメータを
msgファイル207とスクリーン217の両方に書き出す。ス
クリーンは、ユーザーが見るための出力スクリーンであ
り、一方、msgファイルは、この情報が格納される単な
るファイルである。
ステップ208では、入力のタイプについて質問がなさ
れる。前に示したように、入力は、三角形の形式でも良
いし、あるいはその代わりに、多重線として知られる境
界表現の形式でも良い。
三角形が入力された場合を最初に考える。ステップ20
9において、stlファイル216から三角形が得られる。ス
テップ210では、三角形は、ユーザーが指定したパラメ
ータに従って、回転、拡大縮小あるいは平行移動させら
れる。次に、ステップ211において、全ての三角形の頂
点のx、yおよびz座標が、スライス単位に丸められ、
そしてそれに加えて、全ての頂点のz座標が、最も近い
スライス平面に丸められる。z軸がスライス軸であると
想定されているので、z座標のみがそのように丸められ
る。それから、ステップ212で、どの三角形が平坦な三
角形であるかを判断するための質問がなされる。それか
ら、ステップ213で、全ての平坦な三角形が消去され
る。平坦な三角形は、断面境界を作り出すという見地か
らは、他の三角形にとって余分であるので、消去され
る。ステップ214では、stlファイルにまだ三角形が残っ
ているかどうかについて質問がなされる。もし残ってい
れば、ステップ209に戻るループが形成され、そして、
もはや三角形が取得されなくなるまで、ステップ209−2
14が繰り返される。
ステップ215において、複数の三角形は、それらの頂
点のz座標のうち最小のz座標によってソーティングさ
れる。ステップ218では、ソーティングされた三角形がt
mpファイル219に書き出される。ステップ220において
は、「現在の断面」インジケータがスライスする最初の
断面に初期設定される。現在の実行においては、これ
は、物体の最初の断面であり、この最初の断面は、第1
番目のスライス平面と第2番目のスライス平面の間から
得られるデータを含んでいる。生成された断面データ
は、それから、上方のスライス平面のz値と組み合わせ
られる。ステップ221では、前の断面、すなわち、最初
の(データをもたらす)スライス平面の下方領域がスラ
イスされ、ベクトルの空集合がもたらされる。
スライスは、第1実施形態に関して前述した方法で行
なわれ、tmpファイル219内の三角形と当該断面を規定す
る二つのスライス平面との間の交線を含んだ、正味の境
界を得る。ステップ223では、この境界は、第1実施形
態に関して前述した方法でビーム補償される。
それから、ステップ224とステップ226において、現在
の断面は、tmpファイル219内の三角形を用いてスライス
および補償され、該三角形と当該断面を規定するスライ
ス平面との間の交線を利用した、現在の断面に対する境
界が形成される。次に、ステップ227と229において、次
の断面に対してビーム補償された境界を与えるために、
上記の次の断面が、第1実施形態に関して前述した方法
でスライスされ、そしてビーム補償される。これらの補
償された境界は、前に議論した、1回調整された断面境
界L[i]’である。次に、ステップ230において、現
在の断面に付随する全ての下向き面領域が、現在の断面
と前の断面とに対する断面境界の間の論理差分を取るこ
とによって算出される。これらの境界は、第1実施形態
に関して前述したFDBベクトルを生成するために用いら
れる。
ステップ231では、現在の断面に付随する全ての上向
き面領域が、現在の断面境界と次の断面境界との間の論
理差分を取ることによって算出される。
ステップ232では、現在の断面に対するハッチ領域
が、現在の断面境界と下向き面領域の境界との論理差分
を取ることによって算出される。
ステップ233においては、ハッチ境界で囲まれた領域
から上向き面領域を除去することにより、断面境界が補
正される。これは、ハッチ領域と上向き面領域との論理
差分をとることによって行なわれる。これらの断面境界
は、3回調整された断面境界L[i]'''であり、前述
のようなLBベクトルを生成するために用いられる。ステ
ップ234では、現在の断面に対するLBベクトルがsliファ
イル235に書き出される。
ステップ236においては、全ての上向き面境界が調整
され、これら境界によって囲まれた下向き面領域が除去
される。このステップは、下向き面領域が過剰硬化され
ることを防止するために行なわれる。これらの境界は、
前に議論した、調整された上向き面境界U[i]’であ
り、FUBベクトルを生成するために用いられる。ステッ
プ237では、FUBベクトルがsliファイル235に書き出され
る。ステップ239では、ハッチ領域が前述の方法でハッ
チング処理される。このハッチング処理は、前述のLHベ
クトルをもたらす。ステップ240では、該ハッチ領域の
ための該LHベクトルが、sliファイルに書き出される。
ステップ241においては、下向き面領域がハッチング
処理される。これらの領域は、断面境界の残りの部分と
は別にハッチング処理されるので、過剰硬化されること
はないであろう。このステップは、前述のNFDHベクトル
をもたらす。ステップ243では、FDBおよびNFDHベクトル
がsliファイル235に書き出される。ステップ245におい
ては、現在の断面の上向き面領域に対する上向き面境界
が、前述の方法で後退させられる。ステップ246では、
後退させられた上向き面境界に対するフィルベクトル
が、前述の方法で生成される。これは、FUFベクトルに
なる。ステップ247では、このFUFベクトルがsliファイ
ル235に書き出される。ステップ249では、下向き面境界
が、前述の方法で後退させられる。このステップは、調
整された下向き面境界、D[i]’をもたらす。ステッ
プ250では、下向き面領域に対するフィルベクトル(FDF
ベクトル)が、前述の方法で生成される。そして、ステ
ップ251では、これらのベクトルがsliファイル235に書
き出される。
ステップ253では、現在の断面がstlファイル中にある
最後の断面であるかどうかを判断する質問がなされる。
もし最後の断面でないならば、ステップ267で、「現在
の断面」インジケータが次の断面に設定され、そして、
この断面に対して、前述のステップ227、229−234、236
−237、239−241、243、245−247、249−251および253
が繰り返される。全ての断面が処理されてしまうと、ス
テップ268において、紛失しているかあるいは間違って
方向付けされている線分に関するメッセージが、出力ス
クリーン217およびmsgファイル207に書き出される。ス
テップ271では、メモリ使用メッセージがスクリーンお
よびmsgファイルに書き出される。ステップ272で、処理
は完了したものと見なされる。
ステップ208に戻って、入力データが既に断面境界の
形式である場合について述べる。示されているように、
入力データは多重線の形式でなければならない。これら
は、slcファイル256から得られる。
ステップ254において、与えられた断面に対する多重
線が得られる。そして、ステップ255において、これら
多重線は、三角形に対して前述したのと同様の方法で、
ユーザーが指定したパラメータに従って、回転、拡大・
縮小あるいは平行移動させられる。
ステップ257で、多重線の頂点がsli単位に丸められ、
そして、各頂点のz座標が、最も近いスライス平面に丸
められる。
ステップ258−259においては、入力された層状硬化部
厚さが0である全ての多重線が消去される。というの
は、これらの層状硬化部は、丸めたときに潰れてしまっ
たものであり、従って余分な層状硬化部を表しているか
らである。
ステップ260においては、多重線外囲線中のあらゆる
間隙が、間隙を補填するための追加的な線分を生成する
ことによって補填され、そして、ステップ261では、間
違った方向の線分が再度方向付けされるべきかどうかを
見るために、ユーザーが指定したフラッグが点検され
る。もし、再度方向付けされるべきであれば、ステップ
262で、多重線外囲線中のあらゆる間違った方向の線分
を、再度方向付けする試みがなされる。これは、多重線
外囲線内の全ての線分は右手の規則に従い、そのため、
固定部を取り囲む外囲線中の線分は反時計回り方向で取
囲みを行っており、一方、中空部を取り囲む外囲線中の
線分は時計回り方向で取囲みを行っているため、検出可
能である。例えば、もし、一つの線分を除いてある外囲
線中の全ての線分が反時計回り方向のループに従うなら
ば、これらの線分は固体部を取り囲むものと推定され、
該一つの線分の方向は、他の線分と一致するように変え
られるであろう。
もし、ユーザー指定のフラッグが設定されていなけれ
ば、ステップ264にジャンプする。このステップでは、
調整された線分が可能な限り統合される。
ステップ263では、上記の多重線がtmpファイル219に
書き出される。
ステップ266では、sliファイル中に追加の断面が存在
しているかどうかについて質問がなされる。もし存在し
ていれば、sliファイル中の各断面に対して、前述のス
テップ254、255、257−264および266が繰り返される。
それから、ステップ220にジャンプし、前述したのと同
じステップ220で始まる処理が、tmpファイル219を用い
て実行される。
以上で第2実施形態の実行フローチャートの説明を完
了する。
いま一つのファイル、スメイク(SMAKE)は、実行さ
れると、SO.CをS6.CとS.H.とに順に適切に組み合わせる
SCHIRIS.MAKを呼び出す。
前述の実施形態では、結果として生じる物体は、もと
もとの物体表現に比べてオーバーサイズ化されていた。
このオーバサイズ化は、本質的に、形成された物体の垂
直方向寸法においてではなく、基本的には形成された物
体の水平方向寸法においてであった。しかしながら、水
平方向寸法が過剰に硬化されるときにはいつでも、1断
面厚さ分の対応する硬化は、1断面厚さ分よりも幾分か
薄い硬化厚さでなければならない領域を結果としてもた
らしていることになる。前述のように、オーバサイズ化
された物体の複製品の精度は、設計においては断面間の
不連続部を設定していなかった物体の領域(もともとの
設計における勾配が付けられた領域に対応する)におけ
る、断面間の不連続部分を紙やすりをかけて除去するこ
とにより、実質的に向上させられる。このオーバサイズ
化された様式で形成された物体は、基本的に、物体表現
の包絡面にぴったりと合う少なくとも一つの表面部分を
各断面に有しており、一方、形成された物体の他の表面
部分は、該包絡面を越えて物体の固体部を延長する。
造形性の点において、あるいは物体精度の点において
利点を有する、他種のサイズ化をされた物体に導く他の
様式もある。かかる実施形態の一つは、前述のオーバサ
イズ化された物体と本質的に反対の、アンダーサイズ化
された物体を形成する。このようなアンダーサイズ化さ
れた様式は、以前に参照したPCT公開第WO/89/10256号に
開示されている。このアンダーサイズ化された様式で形
成される物体は、基本的に、物体表現の包絡面にぴった
りと合う少なくとも一つの表面部分を各断面に有してお
り、一方、形成された物体の他の表面部分は、該包絡面
まで物体の固体部を延長することはない。この様式の基
本的な形式は、本発明の先に述べた実施形態をわずかに
修正することにより、容易に実行され得る。その修正
は、与えられた断面に対する初期断面境界を形成するの
に用いられる情報および論理演算における変更を伴う。
これらの断面境界L[i]は、S[i−1]+境界の領
域とS[i]−境界の領域との共通部分を見つけること
によって導出される。この実施形態では、投影線の情報
は用いられない。L[i]境界を全て形成した後、各断
面に対する断面境界を決定するために前述の演算が用い
られる。このアンダーサイズ化された実施形態は、不連
続部分が補填される予定である場合には特に有用であ
る。この補填は、不連続部分に材料を補填し、該材料を
最終的な物体の一部となるように転移させる後処理技術
を適用することによって行なわれる。この代わりに、そ
して、より好ましくは、不連続部分の補填は、物体が形
成されているときに一断面毎に行われることが可能であ
る。
いま一つの様式は、前の実施形態の物体よりも更にア
ンダーサイズ化された物体を作り出す。この様式は、適
切に登録された複製物体と物体表現の包絡面とを互いに
接触させないような、最大固体部広がりを有する物体の
造形に用いられる。このタイプのサイズ化をされた物体
は、形成された後、物体の全ての表面が、たとえ不連続
部分を含まない領域でさえも、材料(例えば、塗料、パ
ウダコーティング、メタリックコーティング)で被覆さ
れる予定である場合に有用である。被覆された物体の表
面が物体表現の包絡面によりぴったりと合うようにする
ために、物体の全表面が固体領域へ後退させられなくて
はならない。この造形様式は、本発明の技術によって実
行され得る。下向き面部分および上向き面部分が物体の
包絡面に接触しないように、該下向き面部分および該上
向き面部分をその本来の位置から適切な量(この量は、
断面厚さの整数倍によって近似されるべきである)だけ
オフセットするために、断面比較(特に差分比較)が必
要である。また、断面の水平方向の固体部分を物体の包
絡面から後退させるために、ある形式のLWCあるいは境
界後退が必要である。
平均サイズ化された物体を要求する様式もまた、本発
明の技術に基づいて実行され得る。この実行は、物体表
現の各三角形の頂点の位置を定めるのに用いられたスラ
イス平面間に、それぞれ位置する追加的なスライス平面
の使用を伴う。初期断面境界L[i]は、中間(中点)
のスライス平面と、物体表現を形成する各三角形との、
各交線から決定される。これら初期断面境界は、物体の
各断面についての下向き面領域、上向き面領域および正
味の断面領域を決定するために先に開示された手法に従
って、処理される。これら初期断面境界は、概念的に
は、該断面の垂直方向の範囲を規定する2つのもとのス
ライス平面のうちの高い位置にある方と関連付けられ
る。各断面に付随する種々の正味の領域を決定した後、
前述のアンダーサイズ化およびオーバーサイズ化された
様式によって造形された物体と比較して平均サイズにな
るであろう物体が形成され得る。換言すれば、有限の厚
さを有する断面を用いて1断面毎に物体が複製されるた
めに形成される不連続部分は、その半分が物体の包絡面
を越えて延長するように形成され、そして他の半分は該
包絡面に届かないように形成される。
図29aは、ステレオリソグラフィによって形成される
べき物体の、物体包絡面の二次元図を表しており、ここ
で二つの次元は、垂直方向の次元と一つの水平方向の次
元である。平面500、502、504、506、508、510、512、5
14そして516は、形成されるべき各断面の垂直範囲を規
定し、かつ三角形の各頂点が丸められる先となり得る、
各スライス平面の垂直方向位置を表し、一方、スライス
平面520、522、524、526、528、530、532および534は、
三角形との交線線分が得られるであろう垂直方向位置を
規定する。スライス平面520から得られたデータはスラ
イス平面502と関連付けられる。なぜなら、それは、ス
ライス平面500と502の間にある断面情報の平均位置を表
しているからである。他の中間スライス平面から得られ
るデータについても、同様の上方へのシフトが生じる。
図29bは、オーバーサイズ化された造形様式を用いて形
成された物体の層状硬化部と重ね合わされた、同じ物体
包絡面540を表している。図29cは、アンダーサイズ化さ
れた造形様式を用いて形成された物体の層状硬化部と重
ね合わされた、同じ物体包絡面540を表している。図29d
は、平均サイズ化された造形様式を用いて形成された物
体の層状硬化部と重ね合わされた、同じ物体包絡面540
を表している。これらの図を検討すれば、なぜ各様式が
そう名付けられたかが分かる。オーバーサイズ化された
様式は、後処理が材料を除去する技術を伴う場合に有用
であり、アンダーサイズ化された様式は、後処理または
一断面毎の処理が補填技術を伴う場合に有用であり、そ
して、平均サイズ様式は、いかなる処理をも追加するこ
となく、相応な高精度を有することが要求される場合に
有用である。
硬化幅補償 前述のように、もし硬化幅補償が必要であれば、断面
の三つの独立した領域を決定するに先だって該硬化幅補
償を実行することができる。あるいはその代わりに、三
つの独立領域が決定された後に該硬化幅補償を実行する
こともでき、それにより、各領域に対して異なる補償値
が許容される。しかしながら、上記の代わりのアプロー
チに従うときには、各断面を適切に補償することが要求
される。上記の代わりのアプローチに従うときには、全
てのLB[i]ベクトルは内側に向けて補償される(通常
の補償)。本発明に従って、現在の断面に対する補償さ
れていない断面境界を、前の断面および次の断面の補償
されていない境界とそれぞれ比較することにより、それ
ぞれ前または次の断面の境界から導出されるDB[i]お
よびUB[i]ベクトルは、外側に向けて補償されるべき
である(逆の補償)。現在の断面(三つの領域に分けら
れる前)の境界を含むDB[i]およびUB[i]ベクトル
は、内側に向けて補償され、そして、現在の断面(補償
前)のDB[i]ベクトルから導出されるUB[i]ベクト
ルも内側に向けて補償される。これらのベクトルの補償
量は、それらのベクトルの導出源によって異なるかもし
れない。LB[i]ベクトルは量A[i]だけ補償され
る。それぞれ次または前の断面の補償されていない境界
から得られたUB[i]およびDB[i]ベクトルは、上記
の量A[i]だけ補償される。現在の断面の補償されて
いない境界から得られたUB[i]およびDB[i]ベクト
ルは、それぞれ量B[i]およびC[i]だけ補償され
る。現在の断面のDB[i]ベクトルから導出されたUB
[i]ベクトルは、量C[i]だけ補償される。この補
償は、ベクトルをシフトさせて端点を再計算することに
より、あるいは最初に端点をシフトさせることにより、
行うことができる。A[i]の値は、LB[i]ベクトル
の硬化に関する硬化幅の1/2を表し、B[i]の値は、U
B[i]ベクトルの硬化に関する硬化幅の1/2を表し、そ
して、C[i]の値は、DB[i]ベクトルに関する硬化
幅の1/2を表している。断面比較の技術(特に、同時的
な補填が適用されるもの)用いる多くの手法は、硬化深
さ(およびそれに付随する硬化幅)において極端な変動
を生じさせかねないので、上記の代わりのアプローチ
は、個々の領域がより精度良く補償され得るためにも、
最も好ましいものである。
これらの原理は、図30a−30fを参照して説明され得
る。図30a−30fでは、同様の要素は同様の参照番号で指
定されている。
図30a−30cは、それぞれ断面i−1、i、i+1に対
する補償されていない断面境界であり、参照番号600、6
02および604で特定される断面境界、および、それぞれ
上記断面に対する補償された断面境界であり、参照番号
601、603および605で特定される断面境界を図示してい
る。
図30dは、断面iに対する下向き面境界を形成するベ
クトルの補償を説明している。補償されていない下向き
面境界は番号606で識別され、所望の補償が行われた下
向き面境界は番号607で図示されている。示されている
ように、数字606a、606bで特定されており、前断面から
の補償されていない断面境界に接触していない、補償さ
れていない下向き面境界中のベクトルは、補償されたベ
クトル607a、607bを得るために内側に向けて補償され
る。これに対し、図において数字606c、606dで特定され
ており、前断面からの補償されていない断面境界に接触
している、補償されていない下向き面境界中のベクトル
は、補償されたベクトル607c、607dを得るために外側に
向けて補償される。
図30eを参照すると、正味の上向き面ベクトルの補償
が説明されている。断面iに対する補償されていない正
味の上向き面境界は、番号608で特定されており、一
方、所望の補償が行なわれた境界は番号609で図示され
ている。示されているように、図において数字608aおよ
び608bで特定され、前断面からの補償されていない断面
境界に接触していない、補償されていない正味の上向き
面ベクトルは、それぞれ、補償されたベクトル609aおよ
び609bを得るために内側に向けて補償される。これに対
して、図において数字608cおよび608dで特定され、前断
面からの補償されていない断面境界に接触している、補
償されていない正味の上向き面ベクトルは、補償された
ベクトル609cおよび609dを得るために外側に向けて補償
される。
図30fを参照すると、断面iに対する補償されていな
い正味の断面境界であって、番号610で特定されている
境界は、補償された正味の断面境界611を得るために内
側に向かって補償される。
この発明の実施形態および適用を図示し説明してきた
が、この発明の概念から離れることなく更に多くの修正
が可能であることは、当業者にとって明らかである。従
って本発明は、添付された請求項の内容以外の点におい
ては、限定されるべきものではない。
セクション2:ステレオリソグラフィにおける複数の断面
に亘る同時硬化単純なケース 造形されるべき物体に対応するデータは、所望の垂直
方向の分解能より薄いあるいはこれに対応した厚さを有
する断面にスライスされる。必ずしも必要ではないが、
好ましくは、最小硬化深さ(MSD)はこの断面の厚さの
整数倍である。
ステレオリソグラフィの通常の実施においては、次の
ステップは、作り出された断面に基づき、各硬化部を上
記の断面の厚さに対応する深さまで硬化して、物体を造
形することであろう。しかしながら、本発明の実行にお
ける次のステップは、作り出された断面と同程度に薄い
材料の厚さを硬化することができない(少なくとも支持
されていない部分の厚さに関しては)という現実に基づ
いている。各断面の種々の部分の造形を、どの断面の上
面が作業表面となっている時に行うかを決定するため
に、これら断面の群の比較を行う。この比較のために、
各断面は、MSDに等しい厚さを形成するのに十分な数の
断面を含む群に、連続的に分類される。もし、MSDが40
ミル(1.0mm)で断面の厚さが10ミル(0.25mm)であれ
ば、各群は4つの断面を含むことになる。本発明の第1
の好ましい実施形態においては、第1群は断面1、2、
3および4を含み、第2群は断面2、3、4および5を
含み、そして、第「N」群は断面N、N+1、N+2、
N+3を含んでいる。
図面を参照して、図31は、ステレオリソグラフィを用
いて造形され得る砂時計状の物体の側面図を示してい
る。単純化のために、図31には、垂直方向の次元「Z」
に加えて、水平方向の次元「X」を1つだけ示してあ
る。もう1つの水平方向の寸法は紙面方向1インチ(2.
5cm)に亘っている。全体として、この図面は長方形型
の砂時計を現している。
図32は図31の砂時計すなわち物体の側面図であるが、
この図は、10ミル(0.25mm)の厚さの硬化部あるいは断
面を採用し、かつMSDが10ミル(0.25mm)以下である材
料を用いてステレオリソグラフィによって複製されたも
のとして物体を表示している。各硬化部は、4つの符号
「−」、「X」、「+」あるいは「o」のうちの一つで
明示されている。これらの符号を用いるのは、硬化部ど
うしの区別を強調するために過ぎない。図32の右側の番
号は各々の断面を指し示す番号である。29のスライス平
面から得られる28の断面データより得られる、28の硬化
部の層がある。この断面データを得る方法はPCT公開第W
O/89/10256号に記載されている。
図33は、10ミル(0.25mm)のスライス間隔(すなわ
ち、10ミル(0.25mm)の断面厚さ)の代わりに、スライ
ス間隔が40ミル(1.0mm)である点を除いて、図32に類
似している。MSDが40ミル(1.0mm)である材料を用いる
場合、先行技術では、40ミル(1.0mm)またはそれ以上
の断面を用いなければならなかった。従ってこの図は、
従来技術を用いた場合において、そうした材料で達成可
能な最高の分解能を表している。
図34は、低分解能材料で高い分解能精度を達成するた
めの、代わりの典型的なステレオリソグラフィ技術の一
例を示している。図34は、図32の物体が再び描かれたも
のであるが、ここでは10ミル(0.25mm)の断面とともに
40ミル(1.0mm)のMSDを有する材料で造形された場合を
示している。MSDが40ミル(1.0mm)の材料を用いてより
高い分解能を得ることを意図して、より細かい断面を用
いて物体をスライスし、しかし40ミル(1.0mm)の硬化
深さまで物体を硬化させるという試みが成され得る。こ
れを行った結果が図34に示されており、硬化部間のステ
ップはより小さくなっているが、外面形状の垂直方向の
位置は非常に不正確である。
図35は、再び図32の物体を示しているが、今度は本発
明に係る技術を用いて、10ミル(0.25mm)の断面と40ミ
ル(1.0mm)のMSDを使用して造形された物体を示してい
る。図35を図32と比較すれば、分解能が低いステレオリ
ソグラフィ用材料を用いているが、高分解能材料を用い
た場合と同程度の精度を持った物体が作製されたことが
わかる。
この、同程度の精度を得るという結果は、先行技術に
おいては可能ではなかった。ここで注意すべきことは、
必ずしも全ての物体が、低分解能(LR)材料を用いて上
記のような同程度の精度で造形され得るとは限らないと
いう点である。典型的なステレオリソグラフィを用い
て、高分解能(HR)材料について得られるのと同程度あ
るいはそれ以上の分解能を得ることができるための鍵
は、物体が、上記の低分解能材料のMSDよりも薄い垂直
方向の外面形状を有していてはならないということであ
る。このような外面形状は余りに「薄過ぎる」のであ
る。もし、物体が、このような垂直方向の外面形状を有
していれば、それに対応した複製精度の低下が生じるで
あろう。しかしながら、この複製精度の低下は、上記
「薄過ぎる」外面形状の領域においてのみ生じるもので
ある。加うるに、注意深く計画すれば、これらのずれが
上記の外面形状の領域に及ぼす悪影響を減少させること
ができる。このようなケースを取り扱う技術は、後で説
明される。これらの技術には、スライス軸を注意深く選
択すること、米国特許第4,575,330号に開示されている
ように2つ以上の軸に沿って造形すること、および、標
準的なステレオリソグラフィを用いる際にいずれにして
も一般的に必要とされ得る、やすりかけや補填による後
処理を行うことが含まれている。
図35に示された複製の完遂に関し概念的な詳細を説明
するには、図32および図35で示された物体の作製時にお
いて、各断面の上面が作業表面となっている際に硬化さ
せられる硬化部の違いを比較することが有用である。図
37および図38は、28の断面のそれぞれに関し、これらの
断面、およびそれらの断面の上面が作業表面となってい
る際に硬化される領域を示している。具体的に言うと、
図37は図32の物体について各断面の上面が作業表面とな
っている際に硬化される領域を示しており、図38は図35
の物体について各断面の上面が作業表面となっている際
に硬化される領域を示している。以下において、材料の
硬化部厚さに言及する。実際には、硬化部間で良好な接
着性を得て結合力のある三次元物体の形成を可能にする
ために、適当な箇所において上記の厚さよりも幾分か厚
い深さを硬化させてもよい。物体がクロスハッチで造形
されている場合(PCT公開第WO/89/10256号、米国特許出
願第S/N 331,664号に記載されているように)、標準的
なステレオリソグラフィと同様に、上向き面領域および
下向き面領域に対しては、液漏れを防ぐために硬化時に
スキニング処理を施さなければならない。
図32に関してはMSDが10ミル(0.25mm)以下であり、
図35に関してはMSDが40ミル(1.0mm)であることを念頭
に置けば、図37から、断面1の上面が作業表面となって
いる時において、厚さ10ミル(0.25mm)の材料層が硬化
され、図32に示された物体の最初の硬化部を形成してい
ることが分かる。しかしながら、図38から、図35の物体
の最初の断面の上面が作業表面となっている時には、材
料は全く硬化されていないことが分かる。これは、最小
硬化深さの硬化でも、30ミル(0.76mm)も過剰に硬化さ
れた硬化部が形成されてしまうためである。図37および
図38中の第2および第3の断面に関する図でも、同様の
状況が示されている。
第4の断面からは、本発明の重要な特徴が現れ始めて
いる。図37においては、第4の断面は、前の3つの断面
と同様に硬化されている。図38中の第4の断面に関する
図は、図35に描かれた物体の最初の硬化部を形成するた
めの材料の硬化を示している。この断面の上面が作業表
面となっている時に硬化された材料は、前の3つの断面
まで亘り、40ミル(1.0mm)の厚さの硬化部が形成され
ている。この硬化部は、図32の物体に対しこの時点まで
で形成した硬化部と等価である。実際には、図38の最初
の4つの断面が比較され、最初の3つの断面の上面が作
業表面であるときに40ミル(1.0mm)の厚さの材料を硬
化させることのは不適切であるという決定がなされてい
る。第4の断面の上面が作業表面となっている時の材料
の硬化に関しては、それが適切であることを示す決定が
なされている。ここで、物体が隙間のあるクロスハッチ
で造形されている場合には、ある領域が始めて硬化され
る(すなわち先に硬化された材料によって支持されてい
ない)時はいつでも、その領域にスキニング処理を施さ
なければならないことに注意されたい。さもなければ、
下向き面領域から液漏れが生じてしまう。加えて、本説
明を利用してある部品を造形する際には、上面を作業表
面として硬化が成される断面に関してのみ、材料の再コ
ーティングを行えばよいことにも注意を促したい。
図37中の第5の断面に関する図では、さらに10ミル
(0.25mm)の厚さが硬化され、図32の物体の5番目の硬
化部が完成されている。図38中の第5の断面に関する図
でもまた硬化が行われているが、ここでは硬化深さが問
題となる。最も最近に硬化された硬化部と材料表面との
間の、未硬化の材料層の厚さは10ミル(0.25mm)であ
る。この10ミル(0.25mm)の間隔(本実施形態によれ
ば)の全体は、第5の断面の上面が作業表面となってい
る時にこの間隔内に介在する材料を硬化させることによ
って埋め尽くされるべきである。造形材料に対するMSD
は40ミル(1.0mm)であり、これは支持されていない部
分について硬化され得る最小の深さを表した値である。
しかしながら、ある領域が完全に支持されている場合に
おいては、特定の材料に関する「支持された状態での最
小硬化深さ」(SMSD)は、一般にMSDよりも小さい。こ
の最小深さは、40ミル(1.0mm)から、おそらくは10ミ
ル(0.25mm)以下に減少し得ると考えられる。従って、
第5の断面の上面が作業表面である時の硬化深さは、SM
SDあるいは10ミル(0.25mm)の断面厚さ(+過剰硬化深
さ)のうちの大きい方よりもさらに大きい値であれば、
どのような値であってもよい。この第5の断面の上面が
作業表面である時の硬化深さの最大限度は、硬化済材料
と未硬化材料との境界を成す底面を下方へ伸長させない
硬化深さであり、上記の伸長によって物体の下方表面あ
るいは下向き面の精度に著しい変化を生じさせない硬化
深さである。
一般に、硬化深さが変化すると、それに対応したビー
ム硬化幅の変化が生じる。ビーム硬化幅におけるこの変
化を取り扱う一つの方法は、セクション1で議論された
ように、異なる深さに硬化された各境界の型に対して、
異なるビーム幅補償因子を許容することである。
第6から第13の断面については、後に続く各断面は、
先の断面よりも小さく、かつ先の断面の上に完全に乗っ
ている。これら断面の上向き面領域は、もし所望であれ
ば、上向き面でない領域とは異なる手法で硬化され得る
(例えば、上向き面領域にはスキニング処理を施す一
方、上向き面でない領域にはハッチング処理を施すのみ
とする)。第5の断面に適用された説明は、従って、こ
れらの断面についても当てはまる。
同様に、第14から第16の断面は先行する断面と完全に
重なり合っているため、これら断面についてもさらなる
説明は不要である。
断面17は、断面16と部分的に重なり合っているが、下
向き面を形成する領域も含んでいる。図37は、全ての断
面全体が適正に10ミル(0.25mm)の深さまで硬化させら
れていることを示している。図37の断面の下向き面領域
には、下向き面でない領域とは異なる硬化パラメータを
与えてもよい。例えば、下向き面領域にはスキニング処
理を施し、かつ10ミル(0.25mm)の深さまで硬化を行
い、下向き面でない領域には、クロスハッチング処理の
みを施し、かつ10ミル(0.25mm)に接着のための過剰硬
化深さを加えた深さまで硬化を行うことが可能である。
図38は、断面17の一部分だけが硬化され、残りの部分
は、40ミル(1.0mm)よりも薄い硬化深さを硬化するこ
とは不可能なため、硬化させられずにあることを示して
いる。図38の斜線部は、硬化される部分を表している。
破線で囲まれた領域は、この断面の硬化されない部分を
示すものである。
断面18は、先行する断面によって支持されていない端
部を有している。図37は、断面の全体が10ミル(0.25m
m)の深さまで硬化されていることを示している。図38
を参照すると、断面18は、断面17の上面が作業表面であ
る時に硬化させられた硬化部によって支持された第1の
領域と、断面17の硬化されていない部分と重なり合う第
2の領域と、断面17のどの部分とも重なり合わない一群
の第3の領域とを有している。図38に示すように、硬化
部に支持された領域のみが、断面18の上面が作業表面で
ある時に硬化される。
断面17の先に硬化されていない部分と重なり合ってい
る領域は、断面17の分も合わせて20ミル(0.51mm)の厚
さとなる。もし、これらの領域を、断面18の上面が作業
表面とされているこの時点で硬化させれば、20ミル(0.
51mm)だけ過剰硬化させることになる。従って、これら
の領域を断面18の上面が作業表面である時に硬化させる
ことは行わない。断面17のどの部分とも重なり合わない
領域は、断面18の上面が作業表面である時に硬化される
とすれば、たった10ミル(0.25mm)の硬化深さで硬化さ
れなくてはならない。従って、これらの領域を断面18の
上面が作業表面である時に硬化させることは行わない。
断面19もまた、先行する断面によって支持されない端
部を有している。図37は、上記の断面の全体が10ミル
(0.25mm)の深さまで硬化されていることを示してい
る。図38を参照するに、断面19は、断面18の上面が作業
表面であるときに硬化され硬化部によって支持されてい
る領域と、断面18の硬化されていない部分と重なり合う
別の一群の領域(実際には、この領域は二種類の部分で
構成されている:一つは断面17および断面18の両方の硬
化されていない領域と重なり合う部分で、もう一つは断
面18が作業表面である時に硬化されなかった領域とのみ
重なり合う部分である)と、断面18と全く重なり合わな
い第3の領域とを有している。
図38が示すように、硬化部に支持された領域のみが、
断面19の上面が作業表面である時に硬化される。断面18
の先に硬化されていない一部と重なり合う領域は、断面
17の硬化されていない部分とも重なり合っているかどう
かによって、全体で20ミル(0.51mm)もしくは30ミル
(0.76mm)の厚さになる。もし、これらの領域をこの時
点で硬化させれば、10ミル(0.25mm)または20ミル(0.
51mm)だけ過剰硬化させることになる。従って、これら
の領域を断面19の上面が作業表面である時に硬化させる
ことは行わない。また、もし断面18と全く重なり合わな
い領域を硬化させれば、これらの領域は30ミル(0.76m
m)だけ過剰硬化されることになってしまう。従って、
やはり、これらの領域を断面19の上面が作業表面である
時に硬化させることは行わない。
断面20は、先行する断面によって支持されていない端
部を有している。ここでも予期されるように、図37は、
断面20の全体が10ミル(0.25mm)の深さまで硬化されて
いることを示している。しかしながら、図38は、断面20
の硬化について、直前の二つの断面の硬化とは異なる点
があることを示している。断面20は、以下の5種類の別
個の部分に分割できる。
1)先行する断面と重なり合わない断面部分(10ミル
(0.25mm)の硬化深さを要する部分)、 2)先行する直前の断面のみと重なり合う断面部分(20
ミル(0.51mm)の硬化深さを要する部分)、 3)先行する二つの断面のみと重なり合う断面部分(30
ミル(0.76mm)の硬化深さを要する部分)、 4)先行する三つの断面と重なり合う断面部分(40ミル
(1.0mm)の硬化深さを要する部分)、そして、 5)先行する直前の断面の上面が作業表面である時に硬
化された硬化部と重なり合う断面部分、すなわち、先行
する四つあるいはそれ以上の断面と重なり合う部分。
断面の上記の分割に基づくと、第4の一群の領域を40
ミル(1.0mm)の深さまで硬化させられることが分か
る。これにより、硬化部の下面を、断面17の下面まで適
切に到達させることができる。先の断面と同様に、第5
の領域についても、硬化部に支持されている領域である
ため、適当な硬化深さであればどのような硬化深さをも
用いて硬化させることができる。実際の硬化処理におい
ては、第4の領域に先立って第5の領域を硬化させるの
が一般的であり、もし、物体が隙間のあるクロスハッチ
で造形されているならば、第4の領域にはスキニング処
理を施す必要があることに注意されたい。これは、液体
の媒質を使用し、先に硬化された硬化部に支持されてい
ない領域を硬化する前に、先に硬化された硬化部に支持
された領域を都合良く硬化させるために、一般的に行な
われていることである。これが有利な硬化方法であると
言えるのは、各硬化部を、水平方向の接着にせよ垂直方
向の接着にせよ、先に硬化された硬化部に接着させ得る
方法であるためである。
断面21から24は、10ミル(0.25mm)、20ミル(0.51m
m)、30ミル(0.76mm)および40ミル(1.0mm)の硬化深
さを要する各々の領域、および適当な硬化深さであれば
どのような深さでも許容する、より多くの断面と重なり
合う領域を含むという点で、断面20と非常に類似してい
る。40ミル(1.0mm)の硬化深さを要する領域と硬化部
に支持された領域のみが、これらの断面の各々の上面が
作業表面である時に硬化される。予期されるように、図
37に示したこれらの断面の各々は、10ミル(0.25mm)に
必要な過剰硬化深さを加えた深さまで、順に硬化され
る。再び図38に関して述べると、もしクロスハッチによ
り造形が行われているとすれば、40ミル(1.0mm)の硬
化深さを要する領域はまた、スキニング処理をも必要と
する。
断面25から27もまた、適切な深さ(40ミル(1.0m
m))まで硬化され得る領域と、硬化部に支持されてい
る領域と、MSDのために(許容し難い誤差を導入するこ
となしには)硬化できない領域とを有する点において、
断面21から24に類似している。ここでも、図37の断面
は、10ミル(0.25mm)の深さまで硬化される。これまで
と同様に、図38に関しては、もしクロスハッチにより造
形が行われているとすれば、硬化深さ40ミル(1.0mm)
の領域はスキニング処理を施される必要がある。硬化部
により支持されている領域は、適切な方法であればいか
なる方法でも硬化され得る。40ミル(1.0mm)未満の硬
化深さを要する領域は、当該断面の上面が作業表面であ
る時には硬化されず、その代わりに、必要なMSD分の硬
化深さを誤差の導入なしに実現できる、より上部の断面
の上面が作業表面とされる時に硬化される。
最後に、断面28は、断面27、26および25と完全に重な
り合っており、従って、適当な硬化が行われて結合力を
有する層状の硬化部が形成される。
ここまでの比較により、ステレオリソグラフィの典型
的なアプローチと、本発明を利用して材料硬化を行うあ
る特定の実施形態とを、対比して示してきた。この比
較、すなわち図32と図35との比較が示すことは、本発明
の方法が、たとえ低分解能材料を用いた場合であって
も、以前であれば高分解能材料を用いてしか得られなか
った高い複製精度に概ねほぼ一致する精度を達成できる
方法であるという点である。
図36および39は、また別の実施形態を示している。図
35と36との比較から、各断面の上面が作業表面とされて
いる時に材料の硬化に使用される硬化パターンが異なっ
ていることが説明できる。図39は、図36の物体の種々の
断面、および各断面の上面が作業表面である時に硬化さ
れる硬化部を示した図である。図39を図38(図35の物体
の断面を示している)と比較することにより、上記二つ
の実施形態の違いを明らかにすることが可能である。
複雑なケース 本発明の各実施形態は2つの実施基準を組み合わせて
実施したものである。これらのうち第1の実施基準は、
最大強度を重視するために使用される硬化方法、または
その他の「内部硬化等級」に関するアプローチに基づい
ている。ここで言う「内部硬化等級」とは、物体の硬化
において使用できる様々な選択肢のうち、外見上の物体
寸法に影響を与えない選択肢を指す語である。この第1
の実施基準の2つの例が、図35および36に描かれてい
る。
第2の実施基準は、造形したい物体がMSDよりも小さ
い外面形状(すなわち、鉛直方向の寸法がMSDよりも薄
い外面形状)を有するときに、所望の最終的な物体形状
を得るために行われるアプローチに基づいている。この
第2の実施基準の例が図43aないし43eに示されている。
この第2の実施基準では、所望の精度で物体の外面形状
を造形することが材料のMSDからして不可能である場合
に、それらの外面形状に関して最も適切な複製物をを得
るために、種々の選択肢から1つを選択することが必要
とされる。
上で検討された単純なケースは、高分解能材料および
高分解能の断面厚さを使用して得られる複製品と等価な
複製品を得るために、高分解能の断面厚さを使用しなが
ら低分解能材料を使用することを可能にするような、特
別の特徴を含んでいた。この特徴とは、造形されるべき
物体が鉛直方向にMSDよりも薄い固体外面形状を持たな
いということである。この特徴により、造形における不
正確さが選択された断面厚さよりも大きくはならないよ
うな、スライス処理および外面形状の硬化が許容され
た。大半の物体の大半の領域はこの単純なケースの分類
に当てはまると考えて良い。それゆえ、MSDよりも薄い
鉛直方向の外面形状を持たない物体に基づいた、有効な
実施形態を開発することが可能である。
複製されるべきある特定の物体が、MSDより薄い鉛直
方向の固体外面形状を有している場合には、その物体の
鉛直方向軸を規定し直すことによって、該物体の向きを
造形のために決め直すことができ、うまくいけばこれに
よってMSDよりも薄い外面形状をなくすことができる。
物体の向きを決め直すことができない場合には、これら
の薄い外面形状を造形する際の精度が低下してしまう。
この精度の低下は、以下の2つの見え方で露見し得
る。すなわち、 1)薄い外面形状(すなわち、MSDよりも薄い外面形状
であって、ここでは、「<MSD」外面形状と呼ぶことに
する)が過剰な厚さに形成されてしまう、あるいは 2)薄い外面は硬化されず、つまり完全に除去されてし
まうかのどちらかである。以下の記述においては、明瞭
かつ簡潔にするために、薄い外面形状は常に硬化される
ものと仮定する。しかしながら、他の実施形態では、個
々の<MSD外面形状がMSDまで硬化されてよいか、または
全く硬化されないようにするかの体積選択を、ユーザー
の選択により行うことを可能とすることもできる。この
ことは全体としての精度に関連する問題を解決はしない
が、この選択を使用して、より重要な要素、すなわち固
体体積または中空部体積のうち重要な方を引き出すこと
によって、確実に問題を軽減することはできる。さら
に、ある部品または物体のわずかな領域のみが、MSDの
制限により過剰にまたは過小に硬化された場合には、一
般的に少しの後処理で、該領域に必要なだけやすりかけ
または補填を施すことができる。
図40は、ステレオリソグラフィを用いて複製されるこ
とができる別の物体の側面図である。この物体は、薄い
鉛直方向の外面形状を形成する形状a、b、cおよびd
を有している。1断面ごとに形成していくという考えに
基づいた典型的な従来のステレオリソグラフィ技術を用
いた物体の造形においては、当然の結果として、これら
の形状は除去されるか、該物体が複製される最小の鉛直
方向の分解能(硬化部厚さ)以上の厚さで形成されるか
のどちらかであった。
図41は、高分解能の断面厚さ(例えば10ミル(0.25m
m))と高分解能材料(MSDが10ミル(0.25mm))を用い
て、従来技術の複製方法で複製した図40の物体を示した
図である。
図42は、高分解能の断面厚さと低分解能材料(MSD=
断面厚さの4倍、例えば40ミル(1.0mm))との組合わ
せで、本発明を用いて複製された同じ物体を示した図で
ある。この図は、MSDよりも薄い物体外面形状が全く形
成されないように、上記で論じられた第2の実施基準が
選定された場合の実施形態をあらわしている。
図43aおよび43bは、実施基準2に関し他の選定がなさ
れた他の実施形態を示した図である。図43aは、上向き
面の正確な位置付けが最優先されている、物体の複製を
示している。換言すれば、ある領域がMSDよりも薄い場
合(すなわち薄過ぎる場合)には、その領域内の材料
は、高分解能材料が用いられた場合に各上向き面が位置
付けられるであろう位置に、該上向き面を位置付けるよ
うに硬化される。これに応じて、下向き面は、より高分
解能の材料で造形を行う場合にそれら下向き面が形成さ
れるであろう高さよりも下の深さまで、必然的に硬化さ
れてしまうことになる。この実施形態を「上向き面最優
先」と呼ぶことにする。
図43bは、平坦面の正確な位置付けが最優先され、こ
れによっていくつかの状況下において物体の外見上の美
しさが増すような実施形態を示している。下向きの平坦
面および上向きの平坦面は、より高分解能の材料が使用
された場合にそれらの面が形成されるであろう位置と同
一の位置に形成される。上向き平坦面領域でありかつ下
向き平坦面領域である領域が存在し、該上向き平坦面お
よび下向き平坦面を同時に所望の水準に形成することが
不可能である場合は、下向き平坦面の正確な位置付けが
優先される。平坦でない傾斜した外面は、上または下に
押し出される。それゆえ、それらの外面は、物体がより
高分解能の材料を用いて造形された場合にそれらの外面
が形成されるであろう高さよりも、上方または下方に形
成される。2つの平坦でない外面がMSDよりも薄い領域
内において互いに対面している場合は、それらの外面
を、それらの上側表面および下側表面の傾斜に従って一
定の割合で変位させることが可能である。あるいは、上
側もしくは下側の表面を、より高分解能の材料が用いら
れた場合にそれらの表面が形成されるであろう位置に配
置してもよい。図43bは、したがって、「平坦面最優先
/下向き面優先」の実施形態を示している。
図43cは、MSDの1/2より薄い外面形状が形成されず、
かつ上向き面の正確な位置付けが最優先されている実施
形態をあらわしている。
図43dは、MSDの1/2より薄い外面形状が形成されず、
かつ平坦面の正確な位置付けが最優先されている実施形
態をあらわしている。
もちろん、図43cおよび43dの実施形態におけるパラメ
ータ「1/2」は、MSDの他のいかなる分率値またはパーセ
ント値に置き換えられてもよい。
図43eは、下向き面の正確な位置付けが最優先されて
いる実施形態を示している。下向き面は、より高分解能
の材料が用いられた場合にそれら下向き面が形成される
であろう位置と同じ位置に形成されている。図43aの実
施形態とは違って、図43eの上向き面は、より高分解能
の材料が用いられた場合にそれら上向き面が実際に形成
されるであろう位置よりも上側に押し出されている。
上向き面最優先の実施形態 以下の記述は、各断面に関連する必要な情報を得るた
めの第1の好ましい実施形態を説明している。この実施
形態は、PCT公開第WO/89/10256号に記載されているスラ
イス(Slice)プログラムの用語および処理技術に基づ
いている。
この第1の好ましい実施形態は、上向き面の正確な位
置付けを最優先するようにして、各外面形状の硬化を行
うという実施基準(すなわち、上で論じられた第2の実
施基準)に基づいている。それゆえ、この実施形態は、
図43a(上向き面最優先)に関して説明されたアプロー
チと同様である。上向き面の適切な配置および硬化のた
めには境界(およびフィル)に関する情報が必要とされ
るので、この実施基準は、上記の情報が各断面について
出力されることを要求するものである。ある断面のある
領域が上向き面を含んでいないとすれば、その領域はそ
の断面の上面が作業表面である時において硬化される場
合もあるし、またされない場合もある。上向きでない面
の硬化がどの断面の上面が作業表面である時に起こるか
は、MSDと、固体部がその領域の下に延びる深さと、上
で論じられた強度および造形可能性の実施基準(第1の
実施基準)とに依存する。上向き面は、下向き面を過剰
な深さに硬化させることになろうとも、それら上向き面
の適当な位置で硬化させられる。物体は、鉛直方向の外
面形状がMSDより薄くなる箇所を除いては適切な寸法に
完成され、鉛直方向の外面形状がMSDより薄くなる箇所
においては下向き面の精度が過剰な硬化のために低下す
ることになる。
本実施形態の造形方法(図43aに示されている)の実
施においては、各断面の上面が作業表面である時に以下
の特定の領域を硬化させることが必要となる。
1)適当な領域への下向き面スキンの配置を含む、FUB
(すなわち、平坦な上向き面境界部分)の全ての領域; 2)適当な領域への下向き面スキンの配置を含む、NFUB
(すなわち、平坦に近いが平坦でない上向き面境界部
分)の全ての領域; 3)N個の断面厚さ分の厚さを有し、これらの断面にお
ける下向き面スキンの配置まで含めた全ての領域であっ
て、Nが断面厚さで割られた最小硬化深さに等しい値で
ある(N=MSD/ZS)のような領域。例えば、もしMSDが4
0ミル(1.0mm)であり、ZSが10ミル(0.25mm)であれ
ば、Nは4となる;そして 4)N個の断面厚さ分よりも大きな厚さを有する全ての
領域。
本発明を実施するためにはいくつかの方法が可能であ
る。例えば、ある断面の固体領域および正味の中空領域
を示す、ピクセルから成る正味の領域を創出し、1ピク
セルごとに比較するという考え方に基づいて領域同士を
比較し、その上で領域の境界線を挟んでピクセルの状態
が互いに異なる部分に境界を創出するといった操作を用
いることができる。別の1つのアプローチは、セクショ
ン1に記載された技術を用いることである。セクション
1においては、正味の境界を決定するための方法は、異
なる断面に属する境界の比較に基づいている。セクショ
ン1に記載された技術は本発明に対して直接適用するこ
とが可能である。
本発明の1つの目的は、スタイル1(Style 1)の
複製方法を用いて可能な限り精度良く部品を複製するこ
とである。スタイル1(Style 1)は、前に参照したP
CT公開第WO/89/10256号およびセクション1に記載され
ている名称であり、断面間の不連続により、結果として
物体のXおよびY方向の寸法がオーバーサイズ化されて
形成されるようにするという考え方に基づく、物体の複
製スタイルに対して与えられた名称である。この方法
は、形成後の後処理においてやすりかけにより、問題と
なる不連続部が消える点までそれらの不連続部を削り取
ることができるような、多種の物体の複製を許容する。
上記の不連続部が消える点では、造形された部品は完全
となり、その物体の高精度な複製を表す。
我々は、各々がある物体のある構造部分を表す複製の
断面に、該物体が概念的にスライスされると考えるもの
である。PCT出願第WO/89/10256号中に記載されたスライ
ス(Slice)プログラムにおいては、各断面の上記の構
造部分は、LBおよびNFDBの境界内に囲い込まれた領域を
含んでいる。これらの組み合わされた境界の型は「初期
断面境界(ISCBS)」と呼ばれている。その他の境界が
規定する領域は、物体の上向き外表面または下向き外表
面を形成する一方、構造は形成しないために、フィリン
グ処理またはスキニング処理を施される必要がある領域
である。すなわち、各初期スライス断面(初期断面境界
内に含まれる領域)は、適当にオーバーサイズ化された
X方向およびY方向の寸法をもたらすであろう構造断面
(硬化深さが1断面厚さ分である場合)を形成するため
の、必要な境界情報を含んでいる。この過剰寸法の形成
により、もし前の断面および当該断面に連続して続く断
面と当該断面との各交わり部間で、部品の縁に沿って材
料の適切な除去が行われれば、生成される構造断面は、
その物体のもとのコンピュータ表現と正確に一致するこ
とになる。この除去は、中空部体積を侵食するように硬
化された材料の適切な除去に加えて、断面間における不
連続性の適切な除去をも含んでいる。
別の好ましい造形方法、すなわちスライススタイル3
(Slice Style 3)は、X方向およびY方向の寸法が
アンダーサイズ化された物体の造形に関する。スタイル
3(Style 3)の場合は、厚さゼロに丸められた領域
のみでなく、断面間の不連続部も、後処理中に補填され
る。
また別の造形スタイルが、セクション1ならびにPCT
出願第WO/89/10256号で開示されている。
ここで、第1の好ましい実施形態(上向き面実施形
態)に含まれる主な工程について全般的に説明する。こ
の説明では、選択された材料のMSDが、選択された断面
厚さのN倍の大きさであると想定している。
本発明を利用するための好ましい材料および相乗的刺
激の発生源は、用いられるであろう断面厚さと、許容さ
れることができるMSDの水準と、所望の複製精度とに依
存する。1つの好ましい材料は、スイスのバーゼルにあ
るチバ・ガイギ社(Ciba Geigy)製のXB 5081であ
り、これは325nmの放射を発するHeCdレーザが用いられ
る際にはおよそ5ないし8ミル(0.13ないし0.20mm)の
MSDを有するものである。それゆえ、ステレオリソグラ
フィの従来技術を用いると、この材料を使用して、鉛直
方向の厚さにおいて5ないし8ミル(0.13ないし0.20m
m)の精度をもつ高分解能の部品を作製することができ
る(本発明でとりあげられたエラー源のみを考慮すると
き)。この同じ材料は、本発明の記載事項と組み合わ
せ、かつMSDを8ミル(0.20mm)と仮定すれば、例え
ば、N=2の場合は4ミル(0.10mm)の精度でもって、
あるいはN=4の場合は2ミル(0.050mm)の精度でも
って、さらにはN=8の場合は1ミル(0.025mm)の精
度でもって、多くの部品を造形するために用いられるこ
とが可能である。別の好ましい材料はロクタイトコーポ
レーション(Loctite Corporation)社製のポッチング
コンパウンド363(Potting Compound 363)であり、
これは高圧水銀灯による相乗的刺激が用いられたときに
はMSDがおよそ30ミル(0.76mm)となる。また、他に
は、日本の神奈川県にある東京オーカコウギョウ株式会
社製のテビスタ・タイプI材料(Tevista Type I)
があり、これは高圧水銀灯による相乗的刺激が用いられ
たときにはMSDがおよそ45−60ミル(1.1−1.5mm)とな
る。例えば、上記のテビスタのような材料を用いたとき
には、広範な造形条件の下で十分な強度を保証できるよ
うに、80ミル(2.0mm)以上のMSDを想定することが有利
であると考えられる。このように想定された80ミル(2.
0mm)のMSDは、本発明によればなお、多数の物体にも用
いられることができ、N=2のときには40ミル(1.0m
m)の精度で、さらにはN=4のときには20ミル(0.51m
m)の精度で物体を作製することができる。
他の好ましい材料としては、他の流体状の媒質に加え
て、粉体材料およびそれに適した形態の相乗的刺激が含
まれる。これらの粉体材料は、ある特定のタイプの相乗
的刺激と組み合わされたときには、前述のようなMSD有
する場合もあり、また有さない場合もある。このタイプ
のMSDがこれらの材料に対して存在しないとしても、そ
れらの材料は他のタイプのMSD(感光性ポリマが有する
ような)を有するかもしれない。この第2のタイプのMS
Dは、複数の硬化部を接着することによって生じる応力
であって、物体の個々の硬化部を「カール」変形させよ
うとし、ひいては物体そのものの変形に繋がる応力に耐
えるだけの、十分な硬度と強度とを備えている硬化部の
厚さの形成をもたらす、最小硬化深さを指すものであ
る。材料が硬化された硬化部の、カールに対する抵抗力
は、硬化深さの増加に伴って増加する(多くの材料に対
しては、硬化深さの3乗に比例する)。カール現象およ
びこのタイプの歪みを取り扱ういくつかの手段は、前に
参照された公開物のいくつかに記載されている。とくに
興味深い公開物はPCT公開第WO/89/10259号、第WO/89/10
254号、第WO/89/10801号、JP(xy)およびPCT公開第WO/
91/06378号である。
それゆえ、このような材料を用いた形成プロセスは、
本発明によって配置精度の損失をほとんどあるいは全く
なくすようにしながら同時に利用できるようになった、
より深い硬化深さとより薄い断面による恩恵を受けるこ
とができる。このように、本発明は、低分解能材料を用
いたときに外面形状の高分解能配置を達成するための極
めて有効な方法であるだけではなく、さらに、複製にお
ける所望の精度が、過度なカール歪みのために通常導入
される厚さよりも、薄い断面を要求するような精度であ
る時には、物体のカール歪みを低減する極めて有効な方
法でもある。
上向き面最優先の実施形態においては、上向き面がそ
れらの配置において最優先され、その上で、下向き面を
適切な高さまで硬化させるためにあらゆる試みがなされ
る。断面Iの上面が作業表面である時に硬化されるべき
硬化部の決定に含まれる工程の考察において、ここで直
前のI−I断面は、適切な手法で形成されているものと
仮定する。
まず第1に、遭遇する可能性がある硬化深さ領域であ
って、かつある与えられた断面の上面が作業表面である
時にどの領域が硬化させられるべきかの決定を行うため
に区別される必要があり得る領域に対し、適用され得る
硬化が決定されなければならない。この説明において
は、図35に示されたのと同様であり、図36に示されたの
とは異なる造形方法が想定される。それゆえ、硬化され
ている深さがMSDよりも大きい場合にはいつでも、その
時の水準より1断面厚さ分下に、硬化された材料が存在
している。ここでの解析における以降の考察では、図36
のタイプの造形技術およびこれと同様のものは除外す
る。なぜなら、それらの造形技術への展開は、本開示内
容の原理を理解した後では、通常の当業者の能力の範囲
内にあるからである。表1は、種々の領域の硬化深さを
まとめて示した表である。
領域1:この領域は少なくとも次の断面と、当該断面
と、少なくともN個前までの全ての断面とに亘って含ま
れる領域である。この領域は、1番目の断面の上表面の
下に、少なくともN+1個の断面分(MSD+1断面)に
相当する硬化深さをもつ。ここでは図35のタイプの造形
方法を想定しているので、我々は、この領域の、現在の
水準から1断面分下の位置に、硬化された材料が存在す
ることを知っている。我々は、この領域の硬化水準より
も下まで硬化材料を過剰プリントすることのない、適当
な硬化深さで、この領域内の材料を硬化させる。我々は
また、この領域で硬化させられた硬化部が、物体の下向
き表面または物体の上向き表面を形成するためには用い
られないということも知っている。それゆえ、所望であ
れば、隙間のある硬化構造(隙間のあるクロスハッチ)
がこの領域に対して適用されてもよい。さらに、この領
域中における硬化部の形成は、硬化部間での接着を達成
するために用いられる。もしN=4であれば、この領域
は少なくとも前の4つの断面に亘って含まれる。
領域2:この領域は少なくとも次の断面と、当該断面
と、N−1個前までの全ての断面とに亘って含まれる領
域である。この領域は、I番目の断面の上表面の下に、
N個の断面厚さ分の硬化深さをもつ。ここでは図35のタ
イプの造形方法を想定しているので、この領域は、これ
より前の断面の上面が作業表面である時には全く硬化さ
れておらず、それゆえこれより前の硬化部への接着を目
的としては硬化されない。それゆえ、過剰な硬化は何ら
必要とされず、MSDと等しい硬化深さを与えられること
ができる。このことは、造形されている物体の特定の外
面形状を正確に複製するための適切な位置に、硬化部の
下面が形成されるという結果をもたらす。この領域は、
物体の下向き面を形成するので、滑らかな下面を形成す
るように硬化が行われる。もしNが4であれば、この領
域は直前の3つの断面に亘って含まれる。
領域3:この領域は少なくとも次の断面と、当該断面
と、N−2個前までの全ての断面とに亘って含まれる領
域である。物体を精度良く精製するため、この領域を当
該断面の上面が作業表面である時に硬化させる場合に
は、この領域はMSDより1断面厚さ分だけ小さい硬化深
さを要求する(MSD−1断面厚さ)。MSDのために、この
領域を当該断面の上面が作業表面である時に硬化させる
場合には、1断面厚さ分だけ過剰な深さまで硬化が起こ
る。しかしながら、この領域はその上に少なくとももう
1つの構造断面をもっているので、我々は当該断面の上
面が作業表面である時にこの領域を硬化させる必要はな
い。我々は、少なくとも次の断面が形成されるまでこの
領域の硬化を遅延することができる。この形成の遅延に
より、物体はより精度良く複製されることになる。この
領域が次の断面の上面が作業表面である時に硬化させら
れる場合には、この領域は下向き面領域として扱われ、
そしてこの領域が次の断面より上には続かない場合に
は、この領域は上向き面領域として扱われることもあり
得る。もしN=4であれば、この領域は直前の2つの断
面に亘って含まれる。
領域N−1:この領域は、少なくとも次の断面まで続
き、かつ当該断面と、直前の2つの断面とに亘って含ま
れる領域である(N>=2である限りにおいては)。こ
の領域は、この領域の下面に付随する下向き面の配置に
関してN−3個の断面厚さ分のエラーを生じさせること
なしには、当該断面の上面が作業表面である時に硬化さ
れることができない。Nが増加するのに伴って(固定さ
れた断面厚さ、したがってMSDの増加を想定する)、当
該断面の上面が作業表面である時にこの領域を硬化させ
ることによるエラーも増大する。我々は、少なくともこ
の領域の上に1つの断面が存在するということを知って
いるので、我々は少なくともそこまではこの領域の硬化
を遅延できるということを知っている。この遅延は、よ
り精度の良い下向き面の配置を可能とし、それゆえより
精度の良い物体の複製を可能とする。もしN=2であれ
ば、この領域は領域1となり、それゆえ上記の領域1と
同様の特性をもつ。もしN=3であればこの領域は領域
2に対応し、それゆえ上記の領域2と同様の特性をも
つ。もしN=4であればこの領域は領域3となり、それ
ゆえ上記の領域3と同様の特性をもつ。もしN>=4で
あれば、この領域は直前の2つの断面に亘って含まれる
ことになる。
領域N:この領域は、少なくとも次の断面と、当該断面
と、直前の断面とに亘って含まれる。もしN=2であれ
ばこの領域は領域2であり、それゆえ上記の領域2と同
様である。もしN=3であればこの領域は領域3であ
り、それゆえ上記の領域3と同様である。もしN=4で
あればこの領域は領域4であり、直前の断面を含む。N
が2であるすべてのケースについては、少なくとも次の
断面までこの領域の硬化を遅延することによって、より
高い複製精度が得られる。我々はこの領域が少なくとも
次の断面まで続くということを知っているので、この遅
延は可能である。
領域N+1:この領域は、少なくとも次の断面と、当該
断面とに亘って含まれる。この領域はこれより前のいか
なる断面も含まない。N>=2であるすべてのケースに
ついては、この領域の硬化を少なくとも次の断面まで遅
延させ、より高い複製精度を得ることができる。もしN
=4であればこの領域は領域5である。この領域が当該
断面の上面が作業表面である時に硬化される場合には
(N=4を仮定している)、この領域の下面はその所望
の位置よりも3個の断面厚さ分だけ下に配置されること
になる。
次にプライム「’」が付けられた領域について考察す
る。これらのプライムが付けられた領域は、その領域の
上にそれ以上の断面を含まないという点を除けば、プラ
イムが付けられていない領域と同様である。それゆえ、
プライムが付けられた領域は上向き面領域を形成する。
上向き面の適切な配置を要求する造形技術では、これら
の領域は全て、その存在する断面上で硬化させられなけ
ればならない。
領域1':この領域は当該断面と、少なくともN個前ま
での全ての断面とに亘って含まれる。この領域はこの後
の断面には含まれない。この領域は、I番目の断面の上
表面の下に、少なくともN+1個の断面厚さ分(MSD+
1断面厚さ分)の硬化深さをもつ。ここでは図35のタイ
プの造形方法を想定しているので、我々は、この領域の
現在の水準から1断面分下の位置に硬化された材料が存
在することを知っている。我々はそれゆえ、この領域の
硬化水準よりも下まで硬化材料を過剰プリントすること
のない、適当な硬化深さで、この領域内の材料を硬化さ
せる。ここで、MSDは支持されていない領域に対する最
小の硬化深さであって、そしてこの領域は支持されてい
る領域であるのでMSDよりも小さい硬化深さを用いるこ
とが可能であるかもしれないという点に注意されたい。
我々はまた、この領域内で硬化された硬化部は、物体の
下向き表面を形成するためには用いられないが、物体の
上向き表面を形成するためには用いられるということも
知っている。それゆえ、この領域は均一な上向き表面が
形成されるように硬化されなければならない。さらに、
この領域内での硬化部の形成は、硬化部間における接着
を達成するためにも用いられる。もしN=4であれば、
この領域は少なくとも直前の4つの断面に亘って含まれ
る。
領域2':この領域は、当該断面と、N−1個前までの
全ての断面とに亘って含まれる領域である。この領域は
この後の断面には含まれない。この領域は、当該断面の
上表面の下に、N個の断面厚さ分の硬化深さをもつ。こ
こでは図35のタイプの造形方法を想定しているので、こ
の領域は、これより前の断面の上面が作業表面である時
には全く硬化されておらず、それゆえこれより前の硬化
部への接着を目的としては硬化されない。それゆえ、過
剰な硬化は何ら必要とされず、MSDと等しい硬化深さを
与えられることができる。このことは、造形されている
物体の特定の外面形状を正確に複製するための適切な位
置に、硬化部の下面が形成されるという結果をもたら
す。この領域は、物体の上向き表面と下向き表面の双方
を形成するので、滑らかな上面および下面を形成するよ
うに硬化が行われる。もしNが4であれば、この領域は
直前の3つの断面に亘って含まれる。
領域3':この領域は、当該断面と、N−2個前までの
全ての断面とに亘って含まれる領域である。この領域は
この後の断面には含まれない。物体を精度良く複製する
ため、この領域を当該断面の上面が作業表面である時に
硬化させる場合には、この領域はMSDより1断面厚さ分
だけ小さい硬化深さを要求する(MSD−1断面厚さ)。
残念ながら、この硬化深さは結合力を有する構造断面を
形成しない。さらに、この領域は当該断面の上面が作業
表面である時に硬化されなくてはならない。それゆえ、
この領域の下部において、下向き面の配置に関し、1断
面厚さ分のエラーが生じる。この領域は、3つの特性を
もっている。すなわち、1)この領域は上向き面領域で
あり、2)この領域は下向き面領域であり、そして3)
この領域は硬化される際には、これは1断面厚さ分だけ
過剰に深く硬化されるという特性である。もしN=4で
あれば、この領域は直前の2つの断面に亘って含まれ
る。
領域N−1':この領域は、当該断面と、直前の2つの
断面とに亘って含まれる領域である(N>=2である限
りにおいては)。この領域はこの後の断面には含まれな
い。この領域は、当該断面の上面が作業表面である時に
硬化されなくてはならないが、そのことは硬化深さに関
してN−3個の断面厚さ分のエラーを生じさせてしま
う。この領域は、物体の上向き面と下向き面の双方を形
成するので、それに適切なように硬化されなくてはなら
ない。もしN=2であれば、この領域は領域1'となり、
それゆえ上記の領域1'と同様の特性をもつ。もしN=3
であればこの領域は領域2'に対応し、それゆえ上記の領
域2'と同様の特性をもつ。もしN=4であればこの領域
は領域3'となり、それゆえ上記の領域3'と同様の特性を
もつ。
領域N':この領域は、当該断面と、直前の断面とに亘
って含まれる。この領域はこの後の断面には含まれな
い。この領域は当該断面の上面が作業表面である時に硬
化されなくてはならないので、この断面の下面におい
て、下向き面の配置に関し、N−2個の断面厚さ分のエ
ラーが生じる。この領域は、物体の上向き面と下向き面
の双方を形成するので、それに適切なように硬化されな
くてはならない。もしN=2であればこの領域は領域2'
であり、それゆえ上記の領域2'と同様である。もしN=
3であればこの領域は領域3'であり、それゆえ上記の領
域3'と同様である。もしN=4であればこの領域は領域
4'であり、上記の下向き面の配置に関して2断面厚さ分
のエラーをもたらす。
領域N+1':この領域は当該断面だけに含まれる。こ
の領域はこれより前のいかなる断面も、これより後のい
かなる断面も含まない。N=1であるすべてのケースに
ついては、この領域は当該断面の上面が作業表面である
時に硬化されなくてはならない。この領域は、物体の上
向き面と下向き面の双方を形成し、またN−1個の断面
厚さ分だけ過剰な深さに硬化される。もしN=4であれ
ばこの領域は領域5である。もしN=4ならば、この領
域が当該断面の上面が作業表面である時に硬化される
際、この領域の下面はその所望の位置よりも3個の断面
厚さ分だけ下に配置されることになる。
ある与えられた断面上で生じ得る種々の可能な領域を
説明してきたが、次に、複数の初期断面から物体を造形
するプロセスにおいて、各硬化部を形成するために用い
られるであろう正味の断面を決定するために必要とされ
る工程の説明へと進むことにする。
我々は、ある物体の「初期断面」とは、標準的なステ
レオリソグラフィを用いて得られる断面を指すと考え
る。各初期断面は、いくつかの領域に細分され得る。こ
れらの領域は、上述のとおり、当該断面とN個の先行す
る断面との関係、および当該断面と次に連続する断面と
の関係によって分類されている。プライム「’」が付け
られた領域は全て、ある与えられた断面の上面が作業表
面とされている時において、領域1および2と共に硬化
させられる。領域1および1'は、当該断面と先行する断
面との間の接着を保証するために用いられる。これらの
領域は、これらの領域から1断面厚さ分だけ下の位置
に、硬化された材料を有している。領域1'はまた、上向
き表面としても機能するため、それに適切なように硬化
されなければならない。領域2は下向き表面を形成する
ため、それに適切なように硬化されなければならない。
領域2'から領域N+1'までは、上向き面領域および下向
き面領域の双方を形成するため、それに適切なように硬
化されなければならない。領域3'から領域N+1'は物体
の幾何学的形状のために早まって硬化させられる領域で
あり、それゆえ複製品の下向き面に導入される様々な程
度のエラーを出現させる領域である。
断面「I」のための初期断面境界の範囲を決定した
後、我々はそれを上で開示された種々の領域に分割す
る。その後、次の初期断面「I+1」の適当な領域への
分割へと進む。断面「I」のプライムが付けられた領域
は、断面「I+1」のいかなる領域にも寄与しない。プ
ライムがつけられていない全ての領域は、次の断面に寄
与する。断面「I」の領域「1」は、もし断面「I+
2」がまだ当該領域を含んでいるならば、断面「I+
1」においても領域「1」のままである。もし断面「I
+2」が当該領域を含んでいなければ、当該領域は領域
1'となる。もし断面「I+2」が当該領域の一部を含ん
でいるならば、当該領域は一部が領域1になるとともに
一部が領域1'となる。断面「I」のその他のプライムが
付けられていない領域も、それらが断面「I+2」に続
くか否かに応じて、プライムが付けられた領域もしくは
プライムが付けられていない領域として、または部分ご
とに両者として、断面「I+1」に引き継がれる。しか
しながら、これらその他の領域は、領域1または領域I'
に含まれるようになるまで、もしくはそれより先に、プ
ライムが付けられたより上方の領域の1つに包含される
ことによって当該領域が失われるまで、連続した次の断
面に進むごとに領域番号1つ減らす。
例えば、断面Iの領域3は、断面「I+1」の領域2
または領域2'になる等である。それゆえ、連続する断面
において、各断面の異なる硬化領域の決定が、当該断面
に先行する断面と、当該断面の後に続く断面の初期断面
境界とに基づいてどのように行われるかを、我々は示す
ことができる。例えば、断面1(物体の最初の断面)は
N+1型およびN+1'型の領域だけを含むことができ、
一方で断面2は、断面1および断面3の領域がどのよう
に断面2と関係するかに応じて、N+1型、N+1'型、
N型およびN'型の領域を含むことができる等である。
セクション1は、物体表現をどのようにして造形可能
な断面に変換するかを決定する断面比較方法を開示して
いる。本出願の本セクションの第1の実施形態は、オー
バーサイズ化されて作られる部品の造形に向けられた形
態であるが、本発明の技術は、アンダーサイズ化されて
作られる部品の造形用に容易に修正されることが可能で
ある。セクション1はまた、各断面の上向き面領域と下
向き面領域、および上向き面でない領域および下向き面
でないを決定するために、連続する断面を比較する方法
を開示している。
各初期断面に関連する上記の分類可能な領域の説明
は、当該断面と、その隣接する断面との間の関係の説明
によって成された。それゆえ、本発明を実施するため
に、オーバーラップ領域(2つの断面に亘る領域)およ
び非オーバーラップ領域(1つの断面またはもう一方の
断面に含まれるが、両方には含まれない領域)を決定す
るための隣合う断面を一般的に比較する方法が用いられ
得る。各断面に付随する領域およびそれらの硬化深さを
得るためのかかる情報の処理を最適化するために、種々
の方法が存在する。例えば、我々は表2に記載されたス
テップに従って、ある与えられた断面上の各領域に関連
する境界(または領域)データを得ることが可能であ
る。表2は、任意の断面Iに関し表1と共に説明された
領域を得るために利用される得る、論理演算を詳述した
ものである。表に示されているように、これらの領域
は、論理積および論理差分演算によって得られるもので
ある。これらの演算は、*で示された中間境界と、断面
(I−1−N)から断面(I+1)までの初期断面境界
とにおいて実行される。
ここで、{ }は断面の番号を示している 例えば、{I}=当該断面 ( )は上記の断面Iの特定の領域を示して
いる 例えば、(ISCB)=初期断面境界領域 例えば、(N)=N番目の領域の境界領域 「n」=論理積演算 「−」=論理差分演算 「=」=特定の演算の結果 この一般化された上向き最優先の実施形態は、与えら
れた硬化部厚さに関して第1のタイプのMSD(該MSDより
も薄い、結合力を有する構造を形成することができな
い)によっては制限されないが、第2のタイプのMSD
(より高い位置の硬化部が接着されるときには、該MSD
よりも薄い、カールしていないまたはカールが少ない硬
化部を形成することができない)によって制限される材
料を利用するために、修正されることが可能である。こ
の場合には、先に開示されたプライムの付けられた領域
は、適切な深さまで全て硬化されることが可能である。
これは、より高い位置にある次の硬化部がこれらの領域
の上には存在しないので、当該断面のプライムが付けら
れた領域の上面が作業表面である時に硬化された硬化部
にカールを生じさせる、より高い位置にある次の硬化部
について留意する必要がないからである。それゆえ、こ
れらのプライムが付けられた領域の各々は適切な硬化深
さを与えられ得る。一方、プライムが付けられていない
領域は、上記の記載事項に従って硬化されなければなら
ない。第1のタイプのMSDによっては制限されないが第
2のタイプのMSDによって制限される硬化部厚さの組み
合わせは、外面形状の配置ずれによる精度の低下を生じ
させることなく、かつカールによる精度の低下をほとん
どまたは全く生じさせることなく、あらゆる型の高分解
能物体(鉛直方向の分解能が断面の厚さに等しい)を形
成するために用いられ得ると、結論づけることができ
る。これは、カール歪みの問題に対処していないステレ
オリソグラフィへの単純なアプローチに対する、重要な
改良を表すものである。本方法により所望の水準のカー
ル低減が完全には達成できない場合は、本方法を前に参
照された出願に記載された他のカール低減方法と組み合
わせることが可能である。
両タイプのMSDによって制限されるような組み合わせ
の場合については、形成される物体の全体の精度を最大
にするような中間的な方法が開発され得る。
上記の上向き面最優先のアプローチと同様、領域がMS
Dよりも薄くなるときには、外面形状の配置に関して他
のアプローチを開発することも可能である。同様に、MS
Dよりも厚い領域の硬化に関しても、他のアプローチが
開発され得る。
下向き面最優先 上向き面最優先の実施形態および他のものを最優先と
する実施形態と同様に、下向き面最優先の実施形態を実
施する方法も数多く存在する。これらの種々の方法は、
所望のデータを得るために使用される異なったアルゴリ
ズムに起源を発することか、もしくは、異なる型のデー
タを得ることが所望されたことから、それらの方法の違
いが生じている。たとえば、どの領域が上向き面領域で
あるかどうかの知識を要求する実施形態もあれば、そう
した情報を要求しない実施形態もある。他の例として、
物体の内部領域の硬化に関する所望の方法によって、実
施形態が異なるかもしれない。かかる違いは、図5およ
び6の硬化スタイルに描写されている。
単純な下向き面最優先の実施形態は、単純な上向き面
最優先の実施形態と異なる一つの主要な特徴を有してい
る。ある与えられた断面「I」においてある下向き面に
出会うと、その下向き面の領域は、直後に続くN−1個
の断面を貫いて概念的に押し上げられる(MSD=Nの断
面厚さを想定している)。この下向き面領域は、それが
由来する断面「I」ではなく、断面「I+N−1」の上
面が作業表めである時に硬化されることになる。この下
向き面領域は、MSDに等しい深さまで硬化され、それに
より、該下向き面領域の下面が、部品の適当な鉛直方向
高さに配置される。下向き面領域が直後に続くN−1の
断面を貫いて押し上げられると、これらの直後に続く断
面のうち最初のN−2個の断面においては、該下向き面
領域の領域は、硬化についての考察から除外される。
上記の議論はスライス平面ではなく断面に言及するも
のである。断面の下方端面を示すスライス平面において
下向き面が検知されると考えることも可能であり、ここ
で該断面に関する垂直方向高さあるいは番号は、次に高
い値のスライス平面の番号と等しい。上記の次に高い位
置のスライス平面は、下向き面を含む断面の上方端面を
示している。(上で引用した出願において教示されてい
るように)現在の好ましい方法では、各下向き面領域
は、該領域の硬化がなされる断面の上端面から、該領域
の断面の下端面までそれらを硬化することにより形成さ
れる。
以下のステップにより、本説明の単純な下向き面最優
先の実施形態を実施することができる。これらのステッ
プは、セクション1で開示したような論理演算による断
面の比較が実行可能であるという前提に基づいている。
これらのステップは、一度に一つの断面のデータを処理
し、続いて該断面のために材料を硬化させ(ここで、以
前に形成された硬化部に関しいくらかの記憶が必要であ
るとともに、上向き面領域に関する知識は不要であるこ
とが想定されている)、それから直後に続く次の断面の
データを処理することにより、実行することができる。
上記の第1の可能性は、必要に応じてスライス処理およ
びデータ取得を行うことに関連している。これは「スラ
イシング オン ザ フライ(Slicing on the Fl
y)」と呼ばれることがある。あるいはまた、材料硬化
に先立って複数の断面に対してこれらのステップを実行
しても良く、もしくは材料硬化に先立って全ての断面に
対してこれらのステップを実行しても良い。
上記手続は、セクション1の教示に従って、物体の各
断面を処理することから始められる。まず、各断面につ
いて、下向き面領域、上向き面領域、および連続(体
積)領域を得る。これら個々の領域に対しては、境界の
みが決定されればよい。この時点でクロスハッチおよび
フィルを決定することは不要である。
標準的なステレオリソグラフィでは、LB1(I)t、
すなわち断面の境界ベクトルは、1断面厚さに、前の断
面に対する接着を得るための任意の必要な過剰硬化を加
えた深さまで硬化される。LBi(I)内部の領域は、完
全な硬化を含めた、任意の適切な手法(例えば、PCT公
開第WO/91/06378号に記載されており以下にさらに記載
されているスキンティニアス(skintinuous)法、もし
くは部分硬化法(たとえばハッチング法))により硬化
される。加えて、これらの領域は、種々のカール低減技
術(たとえば、マルチパス、リベット、タイルもしくは
それらに類似のもの)を含む方法により硬化されること
が可能である。
標準的なステレオリソグラフィと同様、UBi(I)
は、領域の全上面が滑らかな上向き面を形成するように
硬化されなければならないという点を除いては、同様に
硬化される。DBi(I)は、1断面厚さ分の深さまで硬
化されるとともに、実質的に均一な硬化深さが与えられ
て滑らかな下向き面が形成されるように形成される。
本実施形態では、上記DBi(I)はN−1個の断面分
だけシフトアップされて、断面「I+N−1」の最終的
な下向き面境界領域、すなわちDBf(I+N−1)とな
る。ここで、上記UBi(I)およびLBi(I)は、断面I
に付随したままとされている。
次に、DBi(I−N+1)が断面Iにシフトアップさ
れて、断面「I」の最終的な下向き面境界領域となる。
次に、UBi(I)およびLBi(I)内部の領域であっ
て、DBf(I)にも含まれる領域が、上記UBi(I)およ
びLBi(I)から除去されて、断面「I」の第1の修正
された上向き面境界領域および連続境界領域である、UB
m1(I)およびLBm1(I)を形成する。
次に、上記UBm1(I)およびLBm1(I)は、DBi(I
−N+2)(N>2)と共通の領域を除去されることに
より第2の修正を受け、UBm2(I)およびLBm2(I)と
なる。
もともとは前断面に付随していたあらゆる下向き面領
域がUBmn-2(I)およびLBmn-2(I)から除去されて、
UBmn-1(I)=UBf(I)およびLBmn-1(I)=LB
f(I)が形成されるまで、同様の修正が続けられる。
ここで、m=修正、n=N、f=最終である。
上記LBf(I)、UBf(I)、およびDBf(I)は断面
Iの上面が作業表面である時に硬化される領域を表わ
す。適当なクロスハッチ、フィルもしくはほかの領域硬
化パラメータが、これらの領域に対して決定される。か
かる決定をなすための方法は、前に参照した特許出願に
詳細に説明されている。
上記DFf(I)は、滑らかな下表面を作るための適当
なパラメターによってMSDの深さまで硬化される。上記
の教示に従って作られる下向き面は、適切な位置に配置
される。
上記LBf(I)は、一般に1断面厚さ分以上である適
当な深さに硬化される(正確な深さ値は支持されている
領域に対するMSDに依存する)。規定により、この領域
より1断面厚さ分下の位置には硬化された硬化部が存在
する。さらに、規定により、この領域は物体の上向き面
を形成しない。したがって、この領域は、完全な領域硬
化の必要性を顧慮せずに材料の前に硬化された硬化部へ
の十分な接着を保証するとともに、十分に結合力を有す
る硬化部を形成するために、適当な深さに硬化されるこ
とが可能である。所望であれば、隙間の空いたクロスハ
ッチ構造を含めて、種々のカール低減法が、この領域を
硬化することに利用されてもよい。
上記UBf(I)領域は、上記LBf(I)領域と同様の深
さまで硬化されるが、上記UBf(I)領域は連続的に硬
化された上側表面を形成するように硬化されて、その結
果滑らかな上向き面が得られる。
上記の手続きは、全ての断面に適用される。この実施
形態から得られるデータは、実質的に高い分解能の物体
を形成するために使用されることが可能であり、その場
合、上記MSDよりも薄い外面形状に起因するいかなるず
れも、上向き面領域の上表面をずれた位置に配置すると
いう結果をもたらす。下向き面は、正確な位置に配置さ
れる。このことは図43eに示されている。
他の下向き面最優先の実施形態、および図43等とは異
なるスタイルを実施する実施形態も可能である。
本開示の以上の実施形態はデータ処理を通して硬化パ
ラメターを得ることを目指してはいるが、これは各断面
に関連して材料の適当な硬化を引き起こさせるための、
1つのアプローチを表しているに過ぎない。したがっ
て、データ処理という言葉は、材料の本発明の記載事項
に従う硬化を結果として生じさせる手段であれば、もと
の物体を記述するパラメターを修正するためのいかなる
手段をも含むものと解釈されるべきである。本発明の記
載事項は、より高精度の複製を達成するために必要であ
るような、物体記述パラメターの解釈、および厳密な1
断面ごとの形成から逸脱した手法で行う物体の複製に関
するものである。本発明にかかる方法および装置は、こ
こに開示された複数の断面に亘る同時硬化技術の利用に
より、より高精度の複製を引き出すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 606,802 (32)優先日 平成2年10月30日(1990.10.30) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 607,042 (32)優先日 平成2年10月31日(1990.10.31) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 スモーレイ、デニス・アール アメリカ合衆国、カリフォルニア91706、 ボールドウィン・パーク、ロサンジェル ス・ストリート 14131番 (72)発明者 コーエン、アダム・エル アメリカ合衆国、カリフォルニア90024、 ロサンジェルス、アパートメント802、 ウィルシャイア・ブルーバード10717番 (72)発明者 アリソン、ジョセフ・ダブリュ アメリカ合衆国、カリフォルニア91355、 バレンシア、セナ・コート27156番 (72)発明者 ボルギッチ、トマス・ジェイ アメリカ合衆国、カリフォルニア93063、 シミ・バレイ、サミット・アベニュー 4846番 (72)発明者 チェン、トマス・ピー アメリカ合衆国、カリフォルニア91011、 ラ・カナダ、フェアビュー・ドライブ 1152番 (72)発明者 ニューエン、ホップ・ピー アメリカ合衆国、カリフォルニア93543、 リトルロック、イースト・アベニュー・ アール−14、10735番 (72)発明者 シュミッド、クリス・エイ アメリカ合衆国、カリフォルニア91344、 グラナダ・ヒルズ、ダニューブ10354番 (72)発明者 エバンズ、ハーバート・イー アメリカ合衆国、カリフォルニア91380、 サンタ・クラリタ、ポストオフィス・ボ ックス・800141番 (72)発明者 フリード、レイモンド・エス アメリカ合衆国、カリフォルニア91324、 ノースリッヂ、ロマール・ストリート 19601番 (72)発明者 ジェイコブ、ポール・エフ アメリカ合衆国、カリフォルニア91214、 ラ・クレセンタ、パインリッヂ・ドライ ブ5347番 (72)発明者 ビンサン、ウェイン・エイ アメリカ合衆国、カリフォルニア91355、 バレンシア、ティアラ・ドライブ26053 番 (56)参考文献 特開 平2−95830(JP,A) 特開 平3−42233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 67/00

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化刺激への露出により硬化することが可
    能な流体媒質が選択的に硬化されて形成された硬化部
    が、複数重畳されて成る物体(図35)を形成する方法で
    あって、該方法が、前記流体媒質の前記硬化刺激への直
    前の選択的露出により形成された硬化部の上に前記流体
    媒質の最小硬化深さ未満の厚さを有する新たな流体層を
    提供する工程と、該新たな流体層の表面を作業表面とし
    て該作業表面を前記硬化刺激に選択的に露出する工程と
    を交互に繰り返すことから成り、 一部が前記物体の下方から支持のない下向き表面を有す
    る断面(図35の17)を、前記物体の前記断面より上方に
    ある断面(図35の28)から造形方向(図35のZ方向)に
    所定の間隔を有する断面として特定し、 前記特定された断面(図35の17)の前記下向き表面を有
    する一部の造形を、前記特定された断面(図35の17)の
    上面となるべき流体層の表面が前記作業表面とされてい
    る時ではなく、前記特定された断面(図35の17)よりも
    上方にある一つの断面(図35の20)の上面となるべき流
    体層の表面が前記作業表面とされている時に、前記特定
    された断面(図35の17)の前記下向き表面を有する一部
    の上方にある前記作業表面の一部を露出し、前記作業表
    面から前記特定された断面の下面まで複数の断面に亘っ
    て同時に硬化される硬化部を形成することにより行うこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】提供される前記新たな流体層の各々が、前
    記硬化部がカール変形を防ぐために必要とする最小の厚
    さ未満の厚さを有することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】前記特定された断面(図35の17)から前記
    上方にある一つの断面(図35の20)までの各断面の厚さ
    の合計が、前記流体媒質の最小硬化深さ以上の値とされ
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記複数の断面に亘って同時に硬化される
    硬化部の形成時に前記特定された断面(図35の17)の下
    面よりも下に分布する流体媒質まで硬化が行われるよう
    に(図43a〜d)、前記上方にある一つの断面(図35の2
    0)の選択を行うことを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記特定された断面から前記上方にある一
    つの断面(図35の20)までの各断面の厚さの合計が、前
    記流体媒質の最小硬化深さと等しい値とされることを特
    徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記複数の断面に亘って同時に硬化される
    硬化部を形成するために成された露出により、前記流体
    媒質の最小硬化深さと実質的に等しい硬化深さが生じる
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】前記複数の断面に亘って同時に硬化される
    硬化部を形成するために成された露出により、前記流体
    媒質の最小硬化深さより大きい硬化深さが生じることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】前記造形方向に沿った前記下向き表面と前
    記上向き表面との所望の間隔が前記流体媒質の最小硬化
    深さ未満である場合に、前記下向き表面を有する断面よ
    り上方にある断面に対する前記下向き表面の相対位置に
    関し、所望の相対位置からのずれが最小となるように前
    記物体の造形が行われること(図43a)を特徴とする請
    求項1から7いずれか一つに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記造形方向に沿った前記下向き表面と前
    記上向き表面との所望の間隔が前記流体媒質の最小硬化
    深さ未満である場合に、前記下向き表面を有する断面よ
    り上方にある断面に対する前記上向き表面の相対位置に
    関し、所望の相対位置からのずれが最小となるように前
    記物体の造形が行われること(図43e)を特徴とする請
    求項1から7いずれか一つに記載の方法。
  10. 【請求項10】前記流体媒質の最小硬化深さが、前記流
    体層の厚さの整数倍となるように特定されることを特徴
    とする請求項1から9いずれか一つに記載の方法。
  11. 【請求項11】実際に造形される前記物体の前記造形方
    向の寸法が、所望の物体の前記造形方向の寸法と等しく
    なるように、前記物体の造形が行われること(図43b)
    を特徴とする請求項1から10いずれか一つに記載の方
    法。
  12. 【請求項12】前記流体媒質が液体感光性ポリマである
    ことを特徴とする請求項1から11いずれか一つに記載の
    方法。
  13. 【請求項13】前記硬化刺激が、紫外線、可視光線また
    は赤外線であることを特徴とする請求項1から11いずれ
    か一つに記載の方法。
  14. 【請求項14】前記物体が、所望の物体の外形よりも大
    きく造形されることを特徴とする請求項1から13いずれ
    か一つに記載の方法。
  15. 【請求項15】前記物体が、所望の物体の外形よりも小
    さく造形されることを特徴とする請求項1から13いずれ
    か一つに記載の方法。
  16. 【請求項16】硬化刺激への露出により硬化することが
    可能な流体媒質が選択的に硬化されて形成された硬化部
    が、複数重畳されて成る物体(図35)を形成する装置で
    あって、該装置が、前記流体媒質の前記硬化刺激への直
    前の選択的露出により形成された硬化部の上に前記流体
    媒質の最小硬化深さ未満の厚さを有する新たな流体層を
    提供する流体層提供手段と、該新たな流体層の表面を作
    業表面として該作業表面を前記硬化刺激に選択的に露出
    する露出手段とを交互に繰り返し動作させる装置であ
    り、 前記露出手段が、一部が前記物体の下向き表面を有する
    断面(図35の17)に関し、該一部が前記物体の下向き表
    面を有する断面(図35の17)の該一部の造形を、該断面
    (図35の17)の上面となるべき流体層の表面が前記作業
    表面とされている時ではなく、前記断面(図35の17)よ
    りも上方にある一つの断面(図35の20)の上面となるべ
    き流体層の表面が前記作業表面とされている時に、前記
    一部が下向き表面を有する断面(図35の17)の該一部の
    上方にある前記作業表面の一部を露出し、前記作業表面
    から前記下向き表面を有する断面の下面まで複数の断面
    に亘って同時に硬化される硬化部を形成することにより
    行うものであることを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】前記流体層提供手段により提供される前
    記新たな流体層の各々が、前記硬化部がカール変形を防
    ぐために必要とする最小の厚さ未満の厚さを有すること
    を特徴とする請求項16記載の装置。
  18. 【請求項18】前記下向き表面を有する断面(図35の1
    7)から前記上方にある一つの断面(図35の20)までの
    各断面の厚さの合計が、前記流体媒質の最小硬化深さ以
    上の値となるように造形を行うことを特徴とする請求項
    16記載の装置。
  19. 【請求項19】前記露出手段による前記複数の断面に亘
    って同時に硬化される硬化部の形成時に前記下向き表面
    を有する断面(図35の17)の下面よりも下に分布する流
    体媒質まで硬化が行われるように(図43a〜d)、前記
    上方にある一つの断面(図35の20)の選択を行った上
    で、前記露出手段を動作させることを特徴とする請求項
    16記載の装置。
  20. 【請求項20】前記下向き表面を有する断面(図35の1
    7)から前記上方にある一つの断面(図35の20)までの
    各断面の厚さの合計が、前記流体媒質の最小硬化深さと
    等しい値となるように造形を行うことを特徴とする請求
    項19記載の装置。
  21. 【請求項21】前記露出手段が前記複数の断面に亘って
    同時に硬化される硬化部を形成するために行った露出に
    より、前記流体媒質の最小硬化深さと実質的に等しい硬
    化深さが生じることを特徴とする請求項16記載の装置。
  22. 【請求項22】前記露出手段が前記複数の断面に亘って
    同時に硬化される硬化部を形成するために行った露出に
    より、前記流体媒質の最小硬化深さより大きい硬化深さ
    が生じることを特徴とする請求項16記載の装置。
  23. 【請求項23】前記造形方向に沿った前記下向き表面と
    前記上向き表面との所望の間隔が前記流体媒質の最小硬
    化深さ未満である場合に、前記下向き表面を有する断面
    より上方にある断面に対する前記下向き表面の相対位置
    に関し、所望の相対位置からのずれが最小となるように
    前記物体の造形を行うこと(図43a)を特徴とする請求
    項16から22いずれか一つに記載の装置。
  24. 【請求項24】前記造形方向に沿った前記下向き表面と
    前記上向き表面との所望の間隔が前記流体媒質の最小硬
    化深さ未満である場合に、前記下向き表面を有する断面
    より上方にある断面に対する前記上向き表面の相対位置
    に関し、所望の相対位置からのずれが最小となるように
    前記物体の造形を行うこと(図43e)を特徴とする請求
    項16から22いずれか一つに記載の装置。
  25. 【請求項25】前記流体媒質の最小硬化深さが、前記流
    体層の厚さの整数倍となるように特定された上で動作す
    ることを特徴とする請求項16から24いずれか一つに記載
    の装置。
  26. 【請求項26】実際に造形される前記物体の前記造形方
    向の寸法が、所望の物体の前記造形方向の寸法と等しく
    なるように、前記物体の造形を行うこと(図43b)を特
    徴とする請求項16から25いずれか一つに記載の装置。
  27. 【請求項27】前記流体媒質が液体感光性ポリマである
    ことを特徴とする請求項16から26いずれか一つに記載の
    装置。
  28. 【請求項28】前記硬化刺激が、紫外線、可視光線また
    は赤外線であることを特徴とする請求項16から27いずれ
    か一つに記載の装置。
  29. 【請求項29】前記物体を、所望の物体の外形よりも大
    きく造形することを特徴とする請求項16から28いずれか
    一つに記載の装置。
  30. 【請求項30】前記物体を、所望の物体の外形よりも小
    さく造形することを特徴とする請求項16から28いずれか
    一つに記載の装置。
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