JP2000141380A - ゴム製品加硫成形金型用材料、ゴム製品加硫成形金型、ゴム製品加硫成形金型の製造方法及びゴム製品の加硫成形方法 - Google Patents

ゴム製品加硫成形金型用材料、ゴム製品加硫成形金型、ゴム製品加硫成形金型の製造方法及びゴム製品の加硫成形方法

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JP2000141380A
JP2000141380A JP32654798A JP32654798A JP2000141380A JP 2000141380 A JP2000141380 A JP 2000141380A JP 32654798 A JP32654798 A JP 32654798A JP 32654798 A JP32654798 A JP 32654798A JP 2000141380 A JP2000141380 A JP 2000141380A
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JP
Japan
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mold
rubber product
vulcanization
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inner mold
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JP32654798A
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Takehiro Kata
武宏 加太
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆるコア加硫成形に使用する従来の金型
において問題となっていた種々の問題を有効に解決する
ことができるゴム製品加硫成形金型等を提供することに
ある。 【解決手段】 この発明のゴム製品加硫成形金型1は、
外型2とともにゴム製品4の加硫成形空間を形成する内
型3は、その少なくともゴム製品4に密着する本体部分
5を、特定の性質を有する熱可塑性樹脂材料で構成する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴム製品加硫成
形金型用材料、ゴム製品加硫成形金型、ゴム製品加硫成
形金型の製造方法及びゴム製品の加硫成形方法に関する
ものであり、特に、金型を構成する内型の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ゴム製品、例えばタイヤを加硫成形する
ための手段としては、外型と内型とで形成される空間内
でタイヤを加硫成形する、いわゆるコア加硫成形法があ
る。
【0003】従来のコア加硫成形法に用いる金型は、外
型及び内型とも金属材料(例えばアルミニウム基合金鋳
物)で構成され、また、内型は、加硫成形終了後にタイ
ヤから取り外す必要があるため、一体型ではなく、図6
に示すように、ゴム素材に密着する本体部分102を周上
に8〜10個程度の(図6では2種類の)分割セグメント10
2a、102bで構成するとともに、その内径側に位置しこれ
ら分割セグメント102a、102bを一体に締結するための金
属材料(例えば鉄基合金製)からなる締結リング部材10
3で構成するのが一般的である。
【0004】また、内型101(具体的には本体部分102)
の内部構造は、通常は、加硫時に加圧・加熱媒体を封入
又は循環させるため中空構造になっている。
【0005】かかる内型101を有する金型を用いてタイ
ヤを加硫成形する場合には、まず、内型101を組み立て
た後、その本体部分102上にタイヤを構成する部材、例
えばカーカスプライ、ベルト、トレッドゴムを順次貼り
付けて生タイヤを形成し、次に、内型102とこの上に一
体形成した生タイヤとを加硫金型を構成する下側外型内
にセットし、その後、上側外型を下側外型に被せて型閉
じし、その後、内型内に加圧・加熱媒体を封入又は循環
させて加硫成形を行なう方法が広く採用されている。
【0006】そして、加硫成形終了後は、内型101と一
体化した加硫済みタイヤを外型から取りだし、このタイ
ヤから、まず締結リング部材103を取り外し、次に本体部
分102を構成する分割セグメント102a,102bを1個ずつ抜
き取って内型101を分解し、これによって、加硫済みタ
イヤから内型101を分離し、さらに、新たに生タイヤを
加硫成形する場合には、上述した加硫済みタイヤから内
型101を分離する手順とは反対の手順によって内型101を
再度組み立て、これに、上述した手順を再度繰り返して
行なえばよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の金型を用いてコア加硫成形した場合には、以下に
示すような問題点がある。
【0008】即ち、従来の金型は、その内型を構成する
本体部分が金属材料からなり、しかも複数の分割セグメ
ントで構成されているため、材料コストが高くかつ製作
のために長期間を要する。
【0009】また、外型と内型はともに剛体で構成され
ているため、これらの間に形成される空間の容積に対し
て生タイヤの体積の許容範囲は非常に狭く、仮に生タイ
ヤの体積が前記許容範囲を超えるとゴムのバリが発生し
やすくなり、一方、許容範囲よりも小さいとエア溜り
(ベア)が発生しやすくなり、いずれの場合にもタイヤ
の外観を損ねることになるため、生タイヤの体積の厳重
な管理が必要であった。しかし、かかる厳重な管理をす
るには、成形設備の高精度化を図る必要があり、これ
は、技術的困難性が大きく、設備投資コストの増大を招
くことになるため好ましくなかった。
【0010】さらに、内型は、タイヤサイズ毎に製造す
ることが必要であるため多数の内型(特に、本体部分を
構成する複数の分割セグメント)の製造を余儀なくされ
るものの、加硫成形に使用していないサイズの多数の内
型を保管するには、ある程度の広い保管スペースが必要
である。
【0011】加えて、内型の本体部分を複数の分割セグ
メントで構成する場合には、これらの組み立てや分解作
業を個々のタイヤについて行なわなければならず、作業
性が悪かった。
【0012】このため、発明者が上記問題点を解決すべ
く鋭意検討を行なった結果、以下の知見を得た。即ち、
内型を構成する本体部分を、特定の性質を有する熱可塑
性樹脂材料で構成すること、より具体的には、内型の本
体部分上にゴム素材を貼り付けて生タイヤを成形する時
(以下、「生タイヤ成形時」という。)には、本体部分
が型形状を保持することができ、かつ、加硫成形時には
本体部分が熱塑性変形するという性質を有する熱可塑性
樹脂材料で構成することにより、外型と内型の間に形成
される空間容積に対する生タイヤ体積の許容範囲を広げ
ることができることを見出した。
【0013】また、加硫成形終了後には内型の内部に充
填された加圧・加熱媒体を排気・減圧することに伴っ
て、熱塑性変形(具体的には熱軟化変形)した本体部分
がタイヤの径方向内側に変形し、これによって、内型の
本体部分を分割構成にしなくても、内型を加硫済みタイ
ヤから取り外すことができることを見出した。
【0014】この発明の目的は、内型、特にこれを構成
する本体部分を、特定の性質を有する熱可塑性樹脂材料
を一体成形して形成することにより、上述した問題点を
悉く解決したゴム製品加硫成形金型用材料、ゴム製品加
硫成形金型、ゴム製品加硫成形金型の製造方法及びゴム
製品の加硫成形方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のゴム製品加硫成形金型用材料は、加硫温
度よりも高い融点を有する熱可塑性樹脂とすることにあ
る。
【0016】また、熱可塑性樹脂は成形温度が実質的
に加硫温度以上であること、熱変形温度が実質的に加
硫温度以下であること、ポリプロピレン若しくはポリ
エチレンテレフタレート又はこれらと同等の熱軟化性を
有する樹脂であること、及び、架橋温度未満(具体的
には、室温の他、押出し直後のゴムを金型上に貼り付けて
生タイヤを成形するときのように金型温度がある程度上
昇している場合、例えば80〜120 ℃位の温度も含まれ
る。)では熱変形せず、かつ、少なくとも加硫温度で熱
軟化する性質を有することという上記〜のうちの少
なくとも1つを満足することがより好適である。
【0017】ここで、熱変形温度の測定は、JIS K
7207−1977に規定される硬質プラスチックの
荷重たわみ温度試験方法に準拠して行なった。尚、試験
片に作用させる曲げ応力は18.5 kgf/cm2とした。
【0018】この発明のゴム製品加硫成形金型は、外型
とともにゴム製品の加硫成形空間を形成する内型の、少
なくともゴム製品に密着する本体部分が、上記材料を一
体成形することによって形成したものである。
【0019】また、a.内型は、前記本体部分とこれをそ
の径方向内側から支持する剛体の補助部分とで構成され
ること、b.前記本体部分は中空構造を有すること、及
び、c.前記本体部分は、生タイヤ成形時にはそれ自身の
型形状を保持しかつ加硫成形時には熱軟化することとい
う上記a.〜c.のうちの少なくとも1つを満足することが
より好適である。
【0020】尚、前記本体部分が中空構造を有する場合
には、前記本体部分の肉厚を5〜10mmにすることがより
好適である。
【0021】この発明のゴム製品加硫成形金型の製造方
法は、上記材料を用い、ブロー成形法又は回転成形法に
よって、金型を構成する内型の少なくともゴム製品に密
着する中空構造を有する本体部分を一体形成することに
ある。
【0022】また、加硫成形終了後に加硫済みゴム製品
から前記内型を取り外し、その後、内型を構成する熱可
塑性樹脂部分を高温槽で溶融してから再度所定形状の熱
可塑性樹脂部分に成形し、これを内型を構成する熱可塑
性樹脂部分として再使用することがより好適である。
【0023】この発明のゴム製品の加硫成形方法は、外
型と内型の間に形成される空間にゴム素材を配置した
後、上記材料で形成した内型の本体部分の内部空間に加
圧・加熱媒体を充填又は循環させて本体部分を熱軟化さ
せ、この状態で加硫成形を行うことにある。
【0024】また、加硫成形終了後、熱軟化状態にある
内型の本体部分の内部空間内から加圧・加熱媒体を排気
するとともに、前記空間内を減圧することによって前記
本体部分を窪ませ、これによって、内型を加硫済みゴム
製品から取り外すことがより好適である。
【0025】
【発明の実施の形態】図1に、この発明に従うゴム製品
であるタイヤの加硫成形金型の代表的な断面を示し、図
中1は加硫成形金型、2は外型、3は内型、4は(生)
タイヤ、5は内型3の本体部分である。
【0026】図1に示す金型1は、外型2と内型3とで
構成されており、加硫成形時には、これらの間に空間が
形成され、この空間内でタイヤ4を加硫成形することが
できる。
【0027】外型2は、例えばアルミニウム基合金材料
等の金属材料からなり、図1には、上側外型部材2aと
下側外型部材2bとで構成された、いわゆるフルモール
ドタイプの外型を示してある。尚、外型2は、フルモー
ルドタイプではなく、例えば、複数の分割セグメントで
構成されたトレッド成形部材と、上下サイドウォール部
材とで構成された、いわゆる割モールドタイプてもよ
く、種々のタイプの外型を用いることができる。
【0028】内型3は、その少なくともタイヤ4に密着
する本体部分5を有する。そして、この発明のゴム製品
加硫成形金型の主な特徴は、内型3の本体部分5が、特
定の性質を有する材料を一体成形することによって形成
したものであること、より具体的には、加硫温度よりも
高い融点、好ましくは150℃以上を有する熱可塑性樹
脂材料で一体形成することにあり、この構成を採用する
ことによって、内型3の本体部分5を複数の金属製の剛
体からなる分割セグメントで構成した従来のコア加硫成
型金型に比べて、内型が剛体ではない熱可塑性樹脂で構
成されている分だけ、加硫成形時に内型がタイヤ径方向
内側に変形しやすくなり、外型と内型との間に形成され
る空間容積をタイヤの体積に応じてある程度増減できる
ことから、前記空間容積に対するタイヤ体積の許容範囲
を広げることができる。
【0029】尚、生タイヤ成形時の内型全体の剛性を高
める必要がある場合には、内型3を、前記本体部分5
と、これをその径方向内側から支持する剛体(例えば
鉄、アルミニウム合金等)の補助部分6とで構成するの
が好ましい。
【0030】また、前記本体部分5は、生タイヤ成形時
にはそれ自身の型形状を保持できかつ加硫成形時(例え
ば165〜200℃)には熱軟化する性質を有すること、言い
換えれば、前記本体部分5を構成する熱可塑性樹脂材料
が、架橋温度未満の温度(例えば常温〜120℃)では熱
変形せず、かつ、少なくとも加硫温度で熱軟化する性質
を有すること、さらにより具体的に言えば、成形温度が
実質的に加硫温度以上、好適には185℃以上であり、ま
た、熱変形温度が実質的に加硫温度以下、好適には160
℃以下であるという性質を前記熱可塑性樹脂材料が有す
ることが好ましい。
【0031】即ち、生タイヤ成形時には、本体部分5が剛
体のように変形せず、しかも、加硫成形時には、本体部
分5が熱軟化することによって、内型の内部7に充填さ
れる加圧・加熱媒体11のエネルギーを本体部分5でさほ
ど消耗することなくタイヤ4の内面に作用させることが
でき、このときの熱軟化した本体部分5は、内型3の代
わりにブラダーを使用した金型の場合と同様、柔軟な変
形挙動をとることができ、この結果、前記空間容積に対
するタイヤ体積の許容範囲をより一層広くすることがで
きる。
【0032】尚、成形温度を「実質的に加硫温度以上」
としたのは、加硫成形時の適正範囲の加硫温度以上であ
る場合の他、生タイヤ成形時の温度(室温〜120℃位の加
硫開始しない温度)よりも高い温度、例えば加硫成形す
る際の加熱段階の温度も含めることとする。即ち、この
発明では、少なくとも生タイヤ成形時に型保持できさえ
すれば、その後、加硫成形工程の加熱段階で成形加工で
きる状態であってもよいからである。
【0033】さらに、熱変形温度を「実質的に加硫温度
以下」としたことについても、同様に、少なくとも生タ
イヤ成形時に型保持できさえすれば、その後、加硫成形
する際の加熱段階で熱変形する状態であってもよいこと
から、生タイヤ成形時の温度よりも高い温度も含めるこ
ととする。
【0034】また、内型の内部6に充填される加圧・加
熱媒体の主な役割としては、タイヤ4への熱供給、少な
くとも本体部分5を構成する熱可塑性樹脂の軟化に伴う
形状保持及び前記樹脂の微小拡張によるタイヤ4への加
圧がある。
【0035】前記加圧・加熱媒体11としては、高圧(例
えば15〜20 kgf/cm2)のスチームか、或いは、高圧
(例えば15〜17 kgf/cm2)かつ高温(例えば180〜200
℃)のN2ガス等を用いるのが好ましい。尚、この発明
で前記高圧媒体11を使用できるのは、内型3の本体部分
5が一体形成されていて、内型内部7の機密性が保持で
きるからであり、従来の分割セグメントで構成された内
型の場合には、十分な機密性が得られないため高圧媒体
を使用することができない。
【0036】前記熱可塑性樹脂材料としては、具体的に
はポリプロピレン若しくはポリエチレンテレフタレート
又はこれらと同等の熱軟化性を有する樹脂を用いること
がより好適である。尚、この発明では、前記熱可塑性樹
脂材料がポリプロピレン(融点168℃)である場合には、
加硫温度が168℃未満であることが必要であり、また、前
記熱可塑性樹脂材料がポリエチレンテレフタレート(26
5℃)である場合には、加硫温度が265℃未満であること
が必要であることは言うまでもない。
【0037】さらに、内型3の内部7に充填される加圧
・加熱媒体11のエネルギーをより有効にタイヤ内面に作
用させる必要がある場合には、前記本体部分5を中空構
造にすることが好ましく、かかる場合には、生タイヤ成
形時の内型全体の剛性を十分に確保するという観点か
ら、前記本体部分5の肉厚を5〜10 mmにすることがよ
り好適である。
【0038】中空構造を有する前記本体部分5を製造す
る方法としては、例えばブロー成形法又は回転成形法を
用いるのが好ましい。
【0039】ブロー成形法によって内型3を製造する方
法を示したものを図4(a),(b),(c)に示す。この成形方
法で内型3を製造する場合には、上下に分割されたメス
型13a,13bからなる樹脂成形用金型13に、押出機から押
出したチューブ状のパリソン12(同図(a))を上記メス型
13a,13b間に挿入し(同図(b))、これらで挟みこんだ後、
図4(c)に示すように、空気15を導入管14を通じてパリソ
ン12内に吹き込むことによって、中空体の内型3を製造
することができる。
【0040】また、回転成形法によって内型を製造する
方法を示したものを図5に示す。この成形方法で内型を
製造する場合には、上下に分割されたメス型16a,16bから
なる樹脂成形用金型16内に粉末樹脂材料17を挿入し、こ
の金型16を加熱炉内で少なくとも2軸18,19の周りに方向
に同時又は交互に360°回転させるながら金型16の内面
に材料を均等溶融し、その後、冷却・固化させることに
よって、中空体の内型を製造することができる。
【0041】上述した二つの成形法のうち、特に、ブロ
ー成形法は1サイクルに要する時間が非常に短い(1分程
度)ため、内型の製造にはより好適である。
【0042】また、内型3を本体部分5と前記補助部分
6とで構成する場合には、図2に示すように、上記成形方
法で成形した中空体3の内径側部分3aを取り除き、そ
の取り除いた部分に例えば金属製の補助部分(リム)6
を嵌め込むことによって内型3を形成することが好まし
く、これによって、特にタイヤビード部付近に対応する
内型の剛性を格段に高めることができる。
【0043】尚、上記構成にする場合には、本体部分5
と補助部分6の嵌合部分は、タイヤサイズが多少変わっ
ても共用できるように設計すべきなのは言うまでもな
い。
【0044】この発明では、内型3の少なくとも本体部
分5が加硫成形時には熱軟化することが好ましい点につ
いては上述したとおりであるが、このように熱軟化した
本体部分5´は、図1に示すように、その内部7に充填
し、モータ9に接続されたファン8を回転させることに
よって循環される加圧・加熱媒体11をバルブ10を開いて
排気するとともに、内型3内を真空ポンプによって減圧
することに伴って、図3に示すようにタイヤ径方向内側
に引っ張られやすくなり、本体部分5´自らが加硫済み
タイヤ4から分離することができる。このため、加硫成
形後は前記本体部分5が硬くならないうちに速やかに内
型3の内部7を減圧することが好ましい。
【0045】ところで、図3のように内型の本体部分が
一旦塑性変形した場合には、このままでは内型として再
使用することができなくなる。
【0046】そこで、この発明では、加硫成形終了後に
加硫済みゴム製品から前記内型3を取り外し、その後、
内型3を構成する熱可塑性樹脂部分(少なくとも本体部
分5)を高温槽で溶融してから再度所定形状の熱可塑性
樹脂部分に上述したブロー成形法等によって成形すれ
ば、これを内型3を構成する熱可塑性樹脂部分5として
再使用することが可能になる。
【0047】尚、内型3を構成する熱可塑性樹脂部分を
再使用(リサイクル)する方法としては、ペットボトルの
リサイクル方法と同様な方法、即ち、上記塑性変形した
熱可塑性樹脂部分を粉砕し、その後、回転成形法の場合
には、粉砕した樹脂をそのまま使用すればよく、また、
ブロー成形法の場合には、これを高温槽で溶融してか
ら、押出機でチューブ状のパリソンを製造すればよい。
【0048】次に、この発明のタイヤの加硫成形方法に
ついて説明する。まず、上述した内型3の本体部分5上
に、タイヤを構成する部材、例えばカーカスプライ、ベ
ルト、トレッドゴムを順次貼り付けて生タイヤ4を成形
してから、この内型3と一体化した生タイヤ4を外型2
内にセットし、型締めした後、本体部分5の内部7に加
圧・加熱媒体11を充填又は循環させて本体部分5を熱軟
化させた状態で、所定時間(例えば10〜15分程度)の加
硫成形を行えばよい。
【0049】また、この発明では、内型3の本体部分5
を一体成形することによって形成しているため、加硫成
形後に加硫済みタイヤ4から本体部分5を取り出す方法
が問題となる。
【0050】この方法としては、機械的に抜き出しても
よいが、特には、内型3の内部7から加圧・加熱媒体を
排気するとともに、真空ポンプ等で減圧することによっ
て、加硫済みタイヤ4と内型3とが干渉しない程度に軟
化状態にある内型3の本体部分5´を変形させ(窪ま
せ)、これによって、内型3を加硫済みゴム製品4から
取り外すのが好ましい。
【0051】上述したところは、この発明の実施形態の
一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更
を加えることができる。
【0052】
【実施例】次に、この発明の金型を構成する内型(本体
部分の素材:ポリエチレンテレフタレート、補助部分の
素材:アルミニウム合金)と、従来の金型を構成する内
型(本体部分及び補助部分の素材:ともにアルミニウム
合金)について、それぞれ、材料コスト、製作期間、保
管スペース、分解及び組立時間(両者の平均時間)、及び
生タイヤ体積を変化させて外型とその内型との間に形成
される空間容積に対する生タイヤ体積の許容範囲(%)
を測定し、これらによって、両金型の性能を評価した。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果から、この発明の金型は、その内
型を構成する本体部分が樹脂材料でできているため、本
体部分がアルミニウム材料でできている内型を有する従
来の金型に比べて材料コストが安い。
【0055】また、従来金型は、内型のトロイド状の本
体部分を、図6に示すように、2種類の分割セグメントの
各4個を交互に配置することによって形成する必要があ
るため、個々のセグメントをある程度精度よく加工(金属
加工)する必要があるため、製作期間が1.5ヶ月と長期間
を要するが、発明金型の場合には、ブロー成形法を用いて
内型を製造すれば、製作期間は1サイクルあたり1分程度
の短時間で十分であり、しかも、本体部分が一体成形で
形成されているので、複数個の分割セグメントで内型を
形成するときのような加工は不要である。
【0056】さらに、従来金型の場合、加硫成形に使用
していない内型の本体部分は、タイヤサイズごとに存在
するため、それらを保管するための広いスペースが必要
であったが、発明金型の場合には、タイヤを加硫成形する
ごとに、それに応じた内型の本体部分だけをブロー成形
法等によって適宜製造すればよいため、従来金型のよう
に、内型の保管スペースを設ける必要がない。
【0057】さらにまた、従来金型の場合には、生タイ
ヤ成形時に行なう内型の組立、及び加硫成形後にタイヤ
から取り外すために行なう内型の分解は、平均するとタ
イヤ1本あたり10分程度の時間を要したが、発明金型の
場合には、このような時間は不要である。
【0058】加えて、前記空間容積に対するタイヤ体積
の許容範囲を調べたところ、発明金型を用いてタイヤを
製造した場合には、従来金型を用いて製造した場合に比
べて、許容範囲が3倍以上広いことがわかる。
【0059】その他に両者の異なる点としては、発明金
型の場合には、内型の内部に高圧媒体を導入できるが、従
来金型の場合には、漏れが生じるため前記媒体の導入が
困難であり、これは以下の点で発明金型の方が有利であ
る。即ち、この発明金型の場合には、生タイヤへの型付け
を速やかに完了することができ、型付け不良が発生しな
いのに対し、従来金型の場合には、内型をセットしてか
ら加熱が始まるので、膨張に時間がかかり、型付け不良
が発生しやすいからである。
【0060】尚、発明金型の場合は、原則として、1本の
タイヤを製造するごとに本体部分を構成する樹脂の粉
砕、成形を行なう点では、従来金型の場合に比べてラン
ニングコストがかかるが、しかしながら、このランニン
グコストは、タイヤ1本あたり5円程度であり、しかも、
従来金型の場合にも、ある程度の本数のタイヤを加硫成
形すると、金属製の内型にゴムが固着したり錆びたりし
て寸法精度を悪化させる原因となるため、表面加工が必
要とされることから考えると、ランニングコストについ
ては、両者で大差がないものと考えられる。
【0061】
【発明の効果】この発明によれば、特定の性質を有する
熱可塑性樹脂材料で加硫成形金型の内型の少なくとも本
体部分を一体成形することによって形成することによ
り、外型と内型の間に形成される空間容積に対する生タ
イヤ体積の許容範囲を、従来のコア加硫金型に比べて広
くすることができ、その結果、生タイヤの体積の厳重な管
理を行なわなくても、加硫済みタイヤの表面にバリやエ
ア溜り(ベア)が発生しにくくなるという顕著な効果を
奏する事ができる。従って、成形設備の高精度化を図ら
なくてすみ、設備投資コストを増加させる必要もない。
【0062】また、この発明の金型は、その内型の本体
部分を、広く使用されている熱可塑性樹脂材料をブロー
成形法等によって短時間で一体成形して形成したもので
あるため、内型を構成する本体部分が金属材料からな
り、しかも複数の分割セグメントで構成されている従来
のコア加硫成形金型に比べると、材料コストが安くかつ
製作に要する期間がきわめて短くてすむ。
【0063】さらに、この発明の金型は、その内型の本
体部分を、原則、タイヤ1本ごとにリサイクルして製造
するため、使用していない内型の本体部分を保管するス
ペースが不要である。
【0064】加えて、この発明の金型は、その内型を、生
タイヤ成形時に組み立てたり、加硫成形後に加硫済みタ
イヤから取り外すために分解する工程が不要であるた
め、作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うタイヤ加硫成形金型で加硫成形
を行なっている状態を示す半断面図である。
【図2】この発明に従う金型を構成する内型の断面図で
ある。
【図3】加硫成形後に内型の内部を減圧したときの内型
の本体部分の変形状態を説明するための図である。
【図4】ブロー成形法によって内型を成形するときの手
順を説明するための図である。
【図5】回転成形法によって内型を成形する方法を説明
するための図である。
【図6】従来のコア加硫成形金型に使用する分割セグメ
ントで構成される内型の平面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ加硫成形金型 2 外型 3 内型 4 (生)タイヤ 5 内型3の本体部分 6 内型3の補助部分 7 内型3の内部 8 ファン 9 モータ 10 バルブ 11 加圧・加熱媒体 12 パリソン 13 ブロー成形用金型 14 導入管 15 空気 16 回転成形用金型 17 樹脂粉末 18,19 軸 101 内型 102a,102b 分割セグメント 103 締結リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 49/70 B29C 49/70 // B29K 21:00 105:24 B29L 30:00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫温度よりも高い融点を有する熱可塑
    性樹脂であることを特徴とするゴム製品加硫成形金型用
    材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂は成形温度が実質的に加硫
    温度以上である請求項1記載のゴム製品加硫成形金型用
    材料。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂は、熱変形温度が実質的に
    加硫温度以下である請求項1又は2記載のゴム製品加硫成
    形金型用材料。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン若しく
    はポリエチレンテレフタレート又はこれらと同等の熱軟
    化性を有する樹脂である請求項1,2又は3記載のゴム
    製品加硫成形金型用材料。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂は、架橋温度未満では熱変
    形せず、かつ、少なくとも加硫温度で熱軟化する性質を
    有する請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム製品加硫
    成形金型用材料。
  6. 【請求項6】 外型とともにゴム製品の加硫成形空間を
    形成する内型は、その少なくともゴム製品に密着する本
    体部分が、請求項1〜5のいずれか1項記載の材料を一
    体成形することによって形成したものであることを特徴
    とするゴム製品加硫成形金型。
  7. 【請求項7】 内型は、前記本体部分と、これをその径
    方向内側から支持する剛体の補助部分とで構成した請求
    項6記載のゴム製品加硫成形金型。
  8. 【請求項8】 前記本体部分は中空構造を有する請求項
    6又は7記載のゴム製品加硫成形金型。
  9. 【請求項9】 前記本体部分の肉厚は5〜10 mmである
    請求項8記載のゴム製品加硫成形金型。
  10. 【請求項10】 前記本体部分は、生タイヤ成形時には
    それ自身の型形状を保持し、かつ加硫成形時には熱軟化
    する性質を有する請求項6〜9のいずれか1項記載のゴ
    ム製品加硫成形金型。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5のいずれか1項記載の材
    料を用い、ブロー成形法又は回転成形法によって、金型
    を構成する内型の少なくともゴム製品に密着する中空構
    造を有する本体部分を一体形成することを特徴とするゴ
    ム製品加硫成形金型の製造方法。
  12. 【請求項12】 加硫成形終了後に加硫済みゴム製品か
    ら前記内型を取り外し、その後、内型を構成する熱可塑
    性樹脂部分を高温槽で溶融してから再度所定形状の熱可
    塑性樹脂部分に成形し、これを内型を構成する熱可塑性
    樹脂部分として再使用する請求項11記載のゴム製品加
    硫成形金型の製造方法。
  13. 【請求項13】 外型と内型の間に形成される空間にゴ
    ム素材を配置した後、請求項1〜5のいずれか1項記載
    の材料で形成した内型の本体部分の内部空間に加圧・加
    熱媒体を充填又は循環させて本体部分を熱軟化させ、こ
    の状態で加硫成形を行うことを特徴とするゴム製品の加
    硫成形方法。
  14. 【請求項14】 加硫成形終了後、熱軟化状態にある内
    型の本体部分の内部空間内から加圧・加熱媒体を排気す
    るとともに、前記空間内を減圧することによって前記本
    体部分を窪ませ、これによって、内型を加硫済みゴム製
    品から取り外す請求項13のゴム製品の加硫成形方法。
JP32654798A 1998-11-17 1998-11-17 ゴム製品加硫成形金型用材料、ゴム製品加硫成形金型、ゴム製品加硫成形金型の製造方法及びゴム製品の加硫成形方法 Withdrawn JP2000141380A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003094448A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Toray Ind Inc Frp中空構造体の製造方法
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