JP2000139672A - 滑り防止層を有する敷物 - Google Patents

滑り防止層を有する敷物

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JP2000139672A
JP2000139672A JP31763998A JP31763998A JP2000139672A JP 2000139672 A JP2000139672 A JP 2000139672A JP 31763998 A JP31763998 A JP 31763998A JP 31763998 A JP31763998 A JP 31763998A JP 2000139672 A JP2000139672 A JP 2000139672A
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Noribumi Watanabe
紀文 渡辺
Kenji Zushi
健次 厨子
Tomio Hashimoto
富雄 橋本
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】床面が水で濡れていてもの優れた滑り防止性を
示し、また、バインダー樹脂の粘着性が低くても滑り防
止性を発現する台所、玄関、風呂場等に有用な滑り防止
層を有する敷物を提供すること 【解決手段】水性樹脂に無機中空微粒子又は無機粉体の
コーテイングを施した中空微粒子を配合した滑り防止剤
を敷物に塗布、乾燥することで先の課題を解決する滑り
防止層を有する敷物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台所、玄関、風呂
場にて用いられるテーブルクロス、マット、カーペット
等の敷物の表面に滑り防止性を施した滑り防止層を有す
る敷物に関する。
【0002】
【従来の技術】敷物等がテーブル面、床面の所定位置か
らずれることを防止するため、一般には摩擦係数の大き
い軟質の樹脂、ゴム、またはそれらの溶液を敷物がテー
ブル面、床面等と接する敷物表面に塗布、乾燥したり、
或いは別の基材に塗布、乾燥後に目的とする敷物表面に
貼着する方法が行われていた。そのような機能を付与さ
せため、一般には粘着性の強いゴム、樹脂を用いたり、
或いはコロイダルシリカのような無機のフィラーを樹脂
中に混ぜ、使用することが多かった。
【0003】他の滑り防止方法としては、特開平8−1
51478号公報に感熱膨張性フィラーを使用する方法
が開示されている。これは熱で膨張し、中空になるフィ
ラーをポリマーエマルジョン中に配合し、加熱操作で目
的とする基材表面に膜を形成すると同時に中空の微粒子
を生成する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】滑り防止剤として粘着
性を有するゴム、樹脂を使用する場合、滑り防止剤がそ
れと接するテーブル面、床面に付着し、その表面を汚す
欠点があった。特に、使用環境の温度が高い場合や、重
量物を長時間置いた場合その汚れが著しい。また、コロ
イダルシリカのようなフィラーを用いた場合は床面等の
汚れは低くなるもののコロイダルシリカはアルカリサイ
ドでより安定化されているため、水性樹脂が中性付近で
あると増粘、ゲル化しやすい難点を有していた。他方、
感熱膨張性フィラーを用いる方法では、感熱膨張フィラ
ーの膨張開始温度以上にする必要があり、例えば130
℃もの加熱が必要であった。そのため使用される敷物の
材質が限定される問題があった。また、その滑り防止性
は、表面に形成された微細な突起が荷重により中に押し
込められゴム、樹脂が床面等に接して発現し、また荷重
を除去すると突起が再現して床面等との接触面積を低減
させる機構であった。このような機構であるから滑り防
止性の発現にはポリマーエマルジョン自体が従来と同じ
くかなり柔らかく、粘着性を有していることが必要であ
った。
【0005】従来の滑り防止剤は、何れも高い湿度下、
或いは水がこぼれている状態、例えば脱衣場で使用され
る場合は、摩擦抵抗が著しく低下し、滑り止め性が機能
しなくなるという欠点もあった。
【0006】本発明は、上述の事情を鑑み、優れた滑り
防止性を有し、かつ滑り防止剤が接する床面等の汚れが
なく、また、高湿度下、水の存在下においても高い滑り
防止性を発現する滑り防止層を有する敷物を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意努力した結果、水性樹脂に無機中空微粒子又は
無機粉体のコーテイングを施した中空微粒子を配合した
滑り防止剤を塗布、乾燥した敷物が常態での使用、或い
は高湿度下、水存在下で優れた滑り防止性と基材面に対
して低汚染性であることを見い出した。また、該中空微
粒子を用いることで、従来の滑り防止層を有する敷物と
異なり、バインダーとなる水性樹脂の粘着性が低くても
優れた滑り防止性を発現することも見い出した。
【0008】すなわち、第一の発明は、水性樹脂に無機
中空微粒子または無機粉体のコーテイングを施した中空
微粒子を配合してなる滑り防止剤を塗布、乾燥した滑り
防止層を有する敷物である。第二発明は、水性樹脂が
α, βエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる
水性エマルジョンであることを特徴とする第一発明記載
の滑り防止層を有する敷物である。第三の発明は、α,
βエチレン性不飽和単量体のガラス転移点が40℃以下
であることを特徴とする第二発明記載の滑り防止層を有
する敷物である。
【0009】第四の発明は、水性樹脂の固形分100重
量部に対して中空微粒子を0.1〜30重量部配合する
ことを特徴とする第一〜三発明何れか記載の滑り防止層
を有する敷物である。第五の発明は、敷物が不織布であ
ることを特徴とする第一〜四発明何れか記載の滑り防止
層を有する敷物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】本発明に用いられる水性樹脂としては、そ
の樹脂形態では1)水溶解型樹脂、2)ハイドロゾル、
3)エマルジョンに区分されるが基材表面で成膜するも
のであれば何れでも良い。樹脂種では、アクリルエマル
ジョン、アクリル/スチレン共重合体エマルジョン、ア
クリル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン/
アクリル共重合体エマルジョン、塩化ビニル系エマルジ
ョン、SBR等の合成ゴムエマルジョン、ウレタン樹脂
エマルジョン、アクリル/ウレタン複合樹脂エマルジョ
ン、エポキシ樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等
に区分される。これらは基材への密着性、滑り防止剤が
接する対象面への付着性、使用環境下での塗膜物性等を
考慮して選択できる。この中では、特にα, βエチレン
性不飽和単量体を乳化重合してなる水性エマルジョンが
基材への密着性、中空微粒子との相溶性、任意のガラス
転移点を得られる点で好ましい。
【0012】α, βエチレン性不飽和単量体としては、
公知の単量体が使用できる。例を挙げると、(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキシル基
を有する不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステル類;N−メチロール
(メタ)アクリルアミド等、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、メタクリル
酸ノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブ
チル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル;グリシジル(メタ)アク
リレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を
有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピ
ルアクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;
N,Nージメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピルメタクリレート等の三級アミノ基を
有する(メタ)アクリル酸;N−ビニルピロリドン、N
−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含
窒素不飽和単量体;シクロペンチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレー
ト;スチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸フェ
ニル等の芳香族不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン等の含珪素不飽和単量体;オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等の含フッ素不飽和単量体、イソ
シアネート基をブロックした不飽和単量体等の不飽和基
を一つ有する単量体類がある。また、ジビニルベンゼ
ン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等
の2官能性不飽和単量体等も使用できる。
【0013】乳化重合に用いられる界面活性剤として
は、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベン
ゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、アル
キルスルフォコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ステル等のノニオン性界面活性剤がある。また、反応性
活性剤も併用し、耐水性の低下を抑制することも可能で
ある。
【0014】乳化重合は、公知の方法により行うことが
できる。例えば、水、界面活性剤、不飽和単量体からな
るプレエマルジョンを予め作製し、プレエマルジョンを
全量仕込み、全量滴下、あるいは一部分仕込みで残りを
滴下させる方法である。重合開始剤は水溶性開始剤、油
溶性開始剤共に使用可能である。油溶性開始剤の使用に
際しては前もって不飽和単量体に溶解させ、更にプレエ
マルジョンを機械的撹拌により微細化しておくことが好
ましい。微細化する方法としては、通常の撹拌機による
水分散も可能であるが。安定な水分散体を得るためには
ホモミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイタイザ
ー(みずほ工業社製)による高剪断力下による強制分散
が好ましい。
【0015】乳化重合に使用される重合開始剤は、不飽
和単量体に対して0.05〜5%の範囲内で好適に用い
られる。温度は40〜100℃が好ましく、レドックス
開始剤では80℃以下で十分である。重合開始剤として
は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチル
バレロニトリル、等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、
イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサ
イド、クミルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シアセテート、ラウリルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジンカーボネイト等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機パーオキサイ
ド化合物がある。有機または無機パーオキサイド化合物
は、還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤として使
用することも可能である。用いられる還元剤としては、
L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナ
トリウム、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ロンガリット等が
挙げられる。
【0016】また、不飽和単量体の重合に際しては、分
子量を調節する目的で公知の連鎖移動剤、例えばオクチ
ルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノール、ターシャルドデシルメルカプタン、チオ
グリコール酸等の使用も可能である。
【0017】カルボキシル基含有の不飽和単量体を用い
た場合、乳化重合後に塩基性化合物で中和しておくこと
が好ましい。中和によりエマルジョンの機械的安定性も
向上する。水性化に使用される塩基性化合物としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミ
ン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノール
アミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
モルホリン等が挙げられ単独、混合にて使用される。中
和においては、カルボキシル基1当量に対し0.6〜
1.2当量が好ましい。
【0018】このようにして得たα, βエチレン性不飽
和単量体からなる水性エマルジョンのガラス転移点も優
れた滑り防止性を発現する上で重要である。本発明の結
果、中空微粒子を配合することで従来の滑り防止剤に用
いられていたバインダー樹脂と比べてより高いガラス転
移点を有する樹脂まで使用可能となった。好ましガラス
転移点は40℃以下である。40℃以上では滑り防止剤
が接する床面等に対して不要な接着性、糊残りは問題と
ならなくなるが滑り防止性が低下し始める。ガラス転移
点は公知の計算式により求められる。本発明において
は、各不飽和単量体ホモポリマーのガラス転移点の逆数
にその重量分率でウエイト付けを行う方法で求めた。
【0019】本発明に用いる無機中空微粒子としては、
市販品としてフイライト(日本フイライト(株)製)等
がある。また、無機粉体のコーテイングを施した中空微
粒子としては、マツモトマイクロスフェアーMFLシリ
ーズ(松本油脂製薬(株)製)等がある。
【0020】無機粉体のコーテイングを施した中空微粒
子を作製する方法としては、最初に中空微粒子を作製
し、後に無機のコーテイングをする方法が考えられる。
中空微粒子を作製する方法は、例えば特開昭56−32
513号公報に開示されているアルカリ親和性ポリマー
をコアとして、シェル層を乳化重合した後、アンモニア
等でコア成分を膨潤、中空化する方法、特開昭59−1
93901号公報に開示されているW/O/W型の多層
エマルジョンを利用する方法等が知られている。また、
市販品としては有機中空微粒子としてVONCOATP
P−1100(大日本インキ化学工業(株)製)等を利
用できる。
【0021】中空微粒子を用いると比重が小さいため微
粒子を効果的に表面に遍在させることが可能である。ま
た、粒子表面に無機物の突起を有することから滑り防止
剤が接する床面等との摩擦力が大きくなり、荷重が負荷
された時に水性樹脂の粘着性が低くても滑り止め効果を
発揮できる。中空微粒子の粒子径も滑り防止性の要因と
なり、特に10〜400μmが好ましい。更に好ましく
は20〜100μmである。10μm以下だと表面への
偏在が少なく滑り防止性が十分に出ない、400μm以
上だと接触面積が少なくなり十分な滑り防止性が発揮で
きない、また敷物へ塗工する時、膜厚を厚くする必要が
ある。
【0022】本発明の更なる特徴は、高湿度下、或いは
水存在下での滑り防止性である。無機粉体を有する中空
微粒子を用いると従来の滑り防止剤と異なり滑り防止性
が低減しない。これは、粒子表面の無機突起物の存在で
水存在下でも摩擦力が低下し難いためと思われる。本発
明に使用される無機粉体としては、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、シリカ、アルミナ、ジルコニウム等が好適に
用いられる。この中で特に酸化チタン、炭酸カルシウム
が常態での滑り防止性、水存在下での滑り防止性の点で
好ましい。
【0023】水性樹脂中に配合する滑り防止剤の量は水
性樹脂の固形分100重量部に対して0.1〜30重量
部が好ましい。0.1重量部以下では十分な滑り止め効
果が発揮し難く、30重量部以上では滑り止め効果は飽
和し、また水性樹脂のバインダー樹脂としての機能を低
下させる。
【0024】本発明の滑り防止剤組成物には、必要に応
じて成膜助剤として各種有機溶剤、増粘剤、消泡剤、着
色剤、界面活性剤等を用いることができる。本発明であ
る滑り防止層を有する敷物は、滑り防止剤を敷物表面に
直接塗布し、乾燥させることにより達成したり、また該
滑り防止剤を別の基材面に塗工、乾燥後に更にこれを目
的とする敷物類に張り合わせても良い。滑り防止層は敷
物、基材全面に形成しても良いし、また、線状、格子
状、点状に形成しても良い。敷物、基材面への塗布量は
50〜500g/m2 が好ましい。
【0025】敷物としては、織物、不織布等が挙げられ
る。材質に特に制限はないが毛、綿、ポリエステル、ポ
リアミド等が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下の実施例、比較例、合成例において、特に断らない
限り「部」は重量部を意味する。
【0027】合成例1 還流冷却管、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4
ツ口の2,000mlフラスコに蒸留水200mlを仕
込み、撹拌下に窒素置換しながら80℃迄昇温した。内
温を80℃に保ちながら重合開始剤として過硫酸アンモ
ニウム4部を添加し、予め調製しておいたMMA(メタ
クリル酸メチル)204部、BA(アクリル酸ブチル)
90部、AA(アクリル酸)6部、水500部、SDS
(ドデシルスルホン酸)9部からなるプレエマルジョン
を1時間かけて滴下した。更に3時間反応させることで
水性エマルジョン(C)を得た。ガラス転移点36℃。
【0028】合成例2 還流冷却管、ガス導入管、撹拌装置、温度計を備えた4
ツ口の2,000mlフラスコに蒸留水200mlを仕
込み、撹拌下に窒素置換しながら80℃迄昇温した。内
温を80℃に保ちながら重合開始剤として過硫酸アンモ
ニウム4部を添加し、予め調製しておいたMMA216
部、BA78部、AA6部、水500部、SDS9部か
らなるプレエマルジョンを1時間かけて滴下した。更に
3時間反応させることで水性エマルジョン(D)を得
た。ガラス転移点44℃。
【0029】本発明に用いた水性樹脂は、 樹脂A:SBRエマルジョン(ニコールLX426、日
本ゼオン(株)製)、 樹脂B:MMA/ブタジエンエマルジョン(クロスレン
2M36、武田薬品(株)製)、 樹脂C:合成例1で得たエマルジョンC、 樹脂D:合成例2で得たエマルジョンD、
【0030】無機中空微粒子としては、 微粒子a:フイライト200/7(日本フイライト
(株)製)、 無機粉体のコ−テイングを施した微粒子としては、 微粒子b:マイクロスフエアーMFL80CA(松本油
脂製薬(株)製)、 微粒子c:マイクロスフエアーMFL30STI(松本
油脂製薬(株)製)、 その他感熱膨張性微粒子としては、 微粒子d:マイクロスフエアーF50(松本油脂製薬
(株)製)を用いた。
【0031】実施例1〜4 固形分30%に調製した前記水性樹脂A〜D、及び無機
中空微粒子、無機粉体のコーテイングを施した微粒子a
〜cを樹脂/微粒子/消泡剤=100/6/0.1/で
混合し、滑り防止剤を得た。該滑り防止剤を不織布に乾
燥後に50g/m2 になるように塗工後、80℃にて3
0分乾燥させた。 比較例1〜4 前記の水性樹脂A〜D樹脂/消泡剤=100/0.1で
混合し、滑り防止剤を得た。該滑り防止剤を不織布に乾
燥後に50g/m2 になるように塗工後、60℃にて3
0分乾燥させた。
【0032】比較例5 前記の水性樹脂Aに樹脂/マイクロスフエアーF50/
消泡剤=100/5/0.1で混合し、滑り防止剤を得
た。該滑り防止剤を不織布に乾燥後に50g/m2 にな
るように塗工後、130℃にて10分乾燥させた。以下
に滑り防止層有する不織布の滑り防止性評価方法を示
す。
【0033】評価項目 a)滑り防止性 滑り防止性を摩擦力の観点より調べた。実施例、比較例
で得た滑り防止層を有するサンプルを5cm×10cm
に切り、木材板、カ−ペット上に置き、その上に150
0gの重りを置いた。次にサンプルの片末端をバネばか
りで引っ張りその目盛りを読み、摩擦力(g)とした。
測定は2種類の条件下で行った。評価結果を表1に示
す。 常態 25℃、湿度40% ウエット 25℃、滑り防止層が接する木材板に水を霧
吹きで散布、10g/m2 b)床材への接着性 滑り防止剤を塗工、乾燥した不織布を木材板上に置き、
50℃の恒温槽に入れた。1500gの重りを載せ5時
間保持した。次に室温下で接着性、糊残り性を調べた。
評価結果を表2に示す。
【0034】 ◎ 木材面から容易に剥がれる ○ 木材面から引っ張れば剥がれ、糊残りはない △ 木材面から離れるが糊残りが少しある × 木材面から徐々に離しても糊残りがかなりある
【0035】以上の実施例より、無機中空微粒子、無機
粉体のコ−テイングを施した中空微粒子を含む滑り防止
層を有した敷物は床材に対して優れた滑り防止性を有し
ていることが分かる。更に特徴的なのは水で表面が濡れ
た状態でも優れた滑り防止性を発現することである。
【0036】これに対して比較例1〜4で示したように
中空の微粒子を含有していない場合、常態での摩擦力は
あるものの表面が水で濡れていると摩擦力は著しく低下
する。また、床面に対して接着性が強すぎ、糊残りが発
生する場合もある。比較例5で示したように中空微粒子
が無機物をその表面上に有していないと、前述の比較例
と同様に表面が水で濡れている時の滑り防止性が著しく
低下する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】
【0040】以上示したように、本発明である無機中空
微粒子または無機粉体のコーテイングを施した中空微粒
子を含む滑り防止剤を塗布、乾燥した滑り防止層を有す
る敷物は、優れた滑り防止性を示す。特に際立った特徴
は、水で表面が濡れている床面でもその効果を発揮する
と同時に床表面へ強く接着し、表面を汚すことがない。
本発明の滑り防止層を有する敷物は、床面等に対して滑
り防止性が優れていることから台所、玄関、風呂場での
敷物に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/14 520 C09K 3/14 520C 530 530D D06M 11/00 D06M 11/00 G Fターム(参考) 3B120 BA02 BA21 CA03 DB02 EA01 EA03 EA04 EB04 EB21 4J038 CG142 CH012 CJ032 CJ102 EA011 KA15 KA20 KA21 MA02 MA08 MA10 MA13 PC10 4L031 AB34 BA01 CA00 DA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性樹脂に無機中空微粒子または無機粉体
    のコーテイングを施した中空微粒子を配合してなる滑り
    防止剤を塗布、乾燥した滑り防止層を有する敷物。
  2. 【請求項2】水性樹脂がα, βエチレン性不飽和単量体
    を乳化重合して得られる水性エマルジョンであることを
    特徴とする請求項1記載の滑り防止層を有する敷物。
  3. 【請求項3】α, βエチレン性不飽和単量体のガラス転
    移点が40℃以下であることを特徴とする請求項2記載
    の滑り防止層を有する敷物。
  4. 【請求項4】水性樹脂の固形分100重量部に対して中
    空微粒子を0.1〜30重量部配合することを特徴とす
    る請求項1〜3何れか記載の滑り防止層を有する敷物。
  5. 【請求項5】敷物が不織布であることを特徴とする請求
    項1〜4何れか記載の滑り防止層を有する敷物。
JP31763998A 1998-11-09 1998-11-09 滑り防止層を有する敷物 Withdrawn JP2000139672A (ja)

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