JP2000139461A - 核酸サブトラクション法及びその装置 - Google Patents

核酸サブトラクション法及びその装置

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JP2000139461A
JP2000139461A JP10316315A JP31631598A JP2000139461A JP 2000139461 A JP2000139461 A JP 2000139461A JP 10316315 A JP10316315 A JP 10316315A JP 31631598 A JP31631598 A JP 31631598A JP 2000139461 A JP2000139461 A JP 2000139461A
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nucleic acid
mrna
cdna
carbodiimide
reaction
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Jiro Kikuchi
次郎 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、目的のサンプルに特異的に発現し
ているmRNA由来のcDNAを簡便且つ高回収率で得
られる核酸サブトラクション法及びその装置を提供する
ことである。 【解決手段】 核酸サブトラクション法において、DN
AやRNAなどの核酸と共有結合する物質カルボジイミ
ドをウェル表面に塗布してあるマイクロプレートを用い
て、コントロールとするサンプルの遺伝子発現産物をカ
ルボジイミドを介してウェル上に結合・固定し、次に目
的とするサンプルのmRNAを鋳型として合成した相補
的一本鎖cDNAを加えて、cDNAを上記ウェル上に
固定してあるうちの相補的mRNAとハイブリダイズ反
応により結合させる。この反応によって、両者に共通な
遺伝子をこのウェル上に固定して上清から除去し、目的
のサンプルにのみ特異的に存在するmRNA由来のcD
NAを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に核酸サブトラ
クション法による核酸の回収法に関するものであり、更
に核酸のハイブリダイズ反応における自動化装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】サブトラクション法は、特定の性質を持
つウィルスまたは細胞、組織の遺伝子発現産物(主にm
RNA)と、そのような性質を示さないウィルスまたは
細胞、組織の遺伝子発現産物を基に、共に等しく発現し
ている遺伝子同士を一方のmRNAより合成したcDN
Aによってハイブリダイズさせて、ハイブリッドして除
去することで、特定の性質を持つ細胞等に特異的に発現
する遺伝子のみを単離する手法である。(Britten RJ a
nd Kohne DE : Science,161:529,1968)従来における代
表的な方法では、まずコントロールとするサンプルのm
RNAへ、目的とするサンプルのmRNAから合成した
cDNAを加え互いに相補的となる核酸同士つまり両者
に共通に発現している同じ遺伝子発現産物同士をハイブ
リダイズさせ、その後、2本鎖となった核酸(ハイブリ
ッド)をヒドロキシアパタイトを充填したカラムやフェ
ノール等を含んだ溶媒抽出によって除去し、目的とする
サンプルに特異的な遺伝子のみを得るものである。(Kr
ady JK. et al.;Mol.Brain Res.7:287-297,1990)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記サブトラクション
法では、まず両者より得た遺伝子発現産物であるmRN
AとcDNAのハイブリダイズ反応において、両者の核
酸の量の比や濃度、ハイブリダイズ反応の温度や時間等
が重要なパラメータとなり、反応の効率やその後の反応
生成物であるハイブリッドの除去効率にも影響を与える
ため、これらのパラメータを設定し目的とする遺伝子発
現産物を純度良く高回収率で単離することは大変困難な
ものであった。また、このハイブリダイズ反応は、一般
的に1.5ml容量のマイクロチューブ等の容器内にて
行われるため、目的の遺伝子のみを回収するには、ハイ
ブリダイズ反応によって生成した不要なハイブリッドを
ヒドロキシアパタイトを充填したカラムに通すことや、
フェノール等を含んだ溶媒抽出によって除去する工程が
必ず必要であった。
【0004】更に、ハイブリダイズ反応は、1回につき
通常24〜48時間かけて行われ、この工程を何度か繰
り返し目的の遺伝子の純度を向上させるには膨大な日数
が必要であった。
【0005】このように、これまでのサブトラクション
法では、ハイブリダイズ反応だけでなく、その反応にお
ける至適条件の設定にも多大な時間と労力が必要であ
り、また生成したハイブリッドの除去をカラムや溶媒抽
出により行うため、目的の遺伝子のロスが大きく回収率
が低いなどの問題があった。そのため、遺伝子の単離・
クローニングには必然的に高度な技術が必要となり、優
れた技術を有する研究者以外には本手法の浸透が進ま
ず、これまでの報告例も多いものではなかった。
【0006】本発明の目的は、上記問題を解消し、作業
性の悪さと低い回収率の改善を実験工程も簡略化により
行い、続いてそれぞれの工程における反応の最適条件を
提供することで、この核酸サブトラクション法を高度な
技術を要しなくても取り扱える簡便な手法として医学研
究の分子生物学的な解析の発展への寄与を図ることであ
る。また、マイコン制御された送液、温度制御システム
による自動化装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、コントロー
ルとするサンプルの遺伝子発現産物をDNAやRNAな
どの核酸と共有結合する物質カルボジイミドを介して第
1の温度のもと結合させる第1工程と、目的とするサン
プルのmRNAを鋳型として合成した相補的一本鎖cD
NAを加えて、第2の温度のもとcDNAを固定してあ
るうちの相補的mRNAとハイブリダイズ反応により結
合させる第2工程と、両者に共通な遺伝子を固定して上
清から除去する第3工程と有することにより達成され
る。
【0008】また、上記目的は、核酸と共有結合する物
質カルボジイミドの塗布されたキャピラリー管や微細粒
子の充填されたカラムを反応容器とし、ここにマイクロ
シリンジポンプやヒートブロックを用いた送液及び温度
制御システムを組み合わせることで、ウィルスや細胞或
いは組織などの2種類緒の生物試料より得た核酸のう
ち、まず一方のmRNAを上記キャピラリー管や微細粒
子に上記カルボジイミドを介してある特定の反応条件の
もとで結合させ、次にもう一方のmRNAを鋳型に合成
したcDNAのうち、先に結合させたmRNAと相補的
なcDNAのみをハイブリダイズ反応させて、上記容器
内に結合・固定させることにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、カルボジイミドを塗布し
た容量数マイクロから1ミリリットルのマイクロプレー
トウェルを用いた特殊な手法及び条件によりハイブリダ
イズ反応とハイブリッドの除去操作を同時に行える核酸
サブトラクション法を説明する。まず、コントロールと
するサンプルのmRNAの過剰量を事前にカルボジイミ
ドを塗布したマイクロプレートウェル上にカルボジイミ
ドを介して固定させる。次に目的とするサンプルのmR
NAより合成したcDNAを加えて、このマイクロプレ
ートウェル上で互いに相補的な関係にあるmRNAとc
DNAとをハイブリダイズさせる。この2段階の工程に
よって、目的とするcDNA以外のcDNAは、mRN
Aとカルボジイミドを介してマイクロプレートウェル上
に結合・固定され上清から除去されるため、上清をピペ
ット等により回収することで、目的とするcDNAのみ
を容易に回収することができる。このように、本手法で
は、ハイブリッドの除去のためのカラムや溶媒抽出等に
よる操作が不要となるため、その工程を大幅に簡略化す
ることができる。このことによって、目的の遺伝子のロ
スを少なくすることができ、回収率の向上が図れる。ま
た、コントロールとなるサンプルのmRNAを事前にマ
イクロプレートウェル上に固定できるため、その量を過
剰にするだけで目的のサンプル中の不要なcDNA除去
の効率を容易に向上させることができる。この場合でも
mRNAは、マイクロプレートウェル上に固定されてい
るため上清中に混入することがなく、核酸の量の比の調
製を容易に行うことができる。更に、事前にいくつかマ
イクロプレートウェルを調製することによって、上記ウ
ェルを移し換えるという単純な作業だけで連続的なハイ
ブリダイズ反応を行うことができ、目的の遺伝子の純度
を向上させることができる。このように各反応における
パラメータ数も軽減され条件設定の作業も簡便となる。
なお、サンプルには、核酸を有する生命体であればウィ
ルスや動物または植物の細胞、組織等全てに適用するこ
とができるが、効率の上では同種のウィルス、細胞や組
織の間などにおいて、細胞周期が異なるものや癌化した
細胞と正常細胞との間における性質の違いを利用するこ
とが好ましい。
【0010】ここで、本手法における実験工程の概略を
示す。 (a)遺伝子発現産物:mRNAの分離 コントロールとするサンプル(A)及び目的とするサン
プル(B)のそれぞれより超遠心法やオリゴ(dT)セ
ルロース等を用いた一般的な手法を用いてmRNAを分
離する。 (b)B由来mRNAからのcDNA合成 Bから得たmRNAより市販キッド(ベーリンガーマン
ハイム社製:Super Script II preamplification Syste
m等)を用いてcDNAを合成する。なお、未反応のm
RNAはRNA分解酵素により分解、その他のプライマ
ーやフリーのヌクレオチドもエタノール沈殿等により除
去し、数マイクロから数百マイクロリットルの0.75
MNaCl溶液等のバッファーに溶解させておく。 (c)A由来mRNAのウェルへの固定 (a)で得たA由来mRNAを0.75MNaCl溶液
等のバッファー数マイクロから数百マイクロリットルに
溶解する。これをカルボジイミドをコーティングしてあ
る容量数十マイクロから1ミリリットル程度のマイクロ
プレートウェル上へ70℃、15分間熱変性させた後に
添加し、32℃〜42℃で約1時間反応させる。この反
応において加えたmRNAは、上記ウェル上のカルボジ
イミドと共有結合する。また、ここで加えるmRNAの
量をBに対して過剰にすれば、目的のcDNA純度を向
上できる。 (d)ウェルの洗浄 上清に残るカルボジイミドに結合しなかったmRNA
は、コンタミネーションの原因となるので、まず上清を
ピペット等により除いた後、等量の0.75MNaCl
溶液等のバッファーを等量添加し、数回ぴペッティング
した後、上清を除くという洗浄作業を2〜3回繰り返
す。この作業によりカルボジイミドに結合しなかった未
反応のmRNAを除去する。 (e)cDNAの添加とハイブリダイズ反応 (b)で得たcDNAを100℃、3分間、熱変性させ
る。そして、このcDNAを、このcDNAがマイクロ
プレートウェル上のカルボジイミドとは結合せず、上記
ウェル上のmRNAとのみ結合する温度である42℃〜
68℃に加熱してある上記ウェルにすぐに添加し、16
時間以上ハイブリダイズ反応させる。また、反応におい
ては、バッファーの蒸発を防ぐためにAmpli Wax(TaKaR
a社製)やミネラルオイル等を滴下しておく。 (f)目的のcDNAの回収 マイクロプレートを温室に戻し、ピペット等により上清
に含まれたcDNAを回収する。このcDNAをプラス
ミドDNA等にクローニングすることによって、目的の
サンプルに特異的に発現している遺伝子のライブラリー
を得ることができる。
【0011】以下に上記工程を詳細に示す。 1.サブトラクション工程 (1)0.75MNaCl50μl中で熱変性させたA
由来のmRNA(a)10μgをカルボジイミドのコー
ティングしてあるマイクロプレートのウェル上に滴下す
る。 (2)37℃で約1時間incubateとする。 (3)上清を除き、50μlの0.75MNaCl溶液
50μlを滴下し数回ピペッティングした後、上清を除
く。この操作を2〜3回繰り返し、上記ウェルを洗浄す
る。 (4)B由来のmRNA(b)1μgから合成したcD
NA溶液50μlを熱変性させ、それを素早く60℃に
加熱してあるマイクロプレートの上記(3)で調整した
ウェル上に滴下する。 (5)Ampli Wax1個をウェルに入れる。 (6)60℃、50rpmで振とうしながら24時間ハ
イブリダイズ反応させる。 (7)マイクロプレートを室温に戻し、上清(約50μ
l)をピペットにより回収する。 (8)エタノール沈殿し、滅菌蒸留水20μlに再溶解
させる。この溶液中に目的とする遺伝子のcDNAが含
まれている。 2.回収した遺伝子:cDNAの確認:得られたcDN
A中のInterleukin-1(IL-1)及びInterleukin-1 Conv
erting Enzyme(ICE)遺伝子をPCR法により増幅さ
せ、サブトラクション反応の効率の指標とした。 (1)IL-1及びICEプライマー0.5nM、dNTPm
ix10nM、反応バッファー及びTaq Ploymerase(T
aKaRa社製)を加え、PCR反応を行った。 (2)PCR反応後、2%アガロースゲル電気泳動によ
りそれぞれの遺伝子の有無を確認した。PCR反応(9
4℃,1分、55℃,1分、72℃,2分を35サイク
ル)、アガロースゲル電気泳動は、通常一般的に行われ
ている条件及び手法を用いた。 [実施例1]遺伝子aにICE cDNA 10μg
を、遺伝子bにICE及びIL-1 mRNAを発現している
株化細胞THP−1由来のmRNA 1μgを用いて上
記したプロトコールに従い実験を行った。その結果、サ
ブトラクション反応後の上清中にICEは検出できず、IL-
1は検出することができた。ここから、遺伝子bに含ま
れるICEはマイクロプレートに結合させてある遺伝子a
のICE cDNAとハイブリダイズし、原理通りこの
マイクロプレート上に固定・除去されたことが確認でき
た。また、IL-1が検出されたことから、本手法の条件に
よってICE以外のcDNAが非特異的反応を起こして
マイクロプレートウェル上のmRNAと結合したり、ま
たはウェルに塗布してあるカルボジイミドとの間で結合
反応を起こしてトラップされることがないことを明らか
にすることができた。 [実施例2]遺伝子aにICEの発現が多く、IL-1の発
現の少ないmRNAを10μg、遺伝子bにICE及び
IL-1共に発現の多いmRNA 1μgを用いて先と同様
にサブトラクションを行った。その結果、反応後の上清
中にICEは検出されず、IL-1のみが弱く検出された。こ
こから、同程度に発現しているmRNAの場合、そのm
RNAは本手法によってほぼ完全にマイクロプレートウ
ェル上に固定・除去されることが、そして、発現量に差
異がある場合、即ち目的とする性質に関係の深いと思わ
れるmRNAは、ころ手法によって、その差異に応じて
そのcDNAを回収できることが明らかになった。
【0012】また、同時に行った従来の代表的な手法
(サブトラクターキッド:Invitrogen社製)による結果
では、回収したサンプル中にICEもIL-1も検出できな
かった。ICEについてはほぼ原理通り遺伝子が除去さ
れているためであるが、IL-1ではその結果に差異が見ら
れた。即ち本発明による手法では検出されたIL-1が従来
手法による結果では検出できなかった。原因として従来
手法で行っている溶媒抽出によるハイブリッドの除去操
作においてIL-1遺伝子のロスが起きたためと考えられ
る。従って、本発明による手法は、従来手法よりも回収
率が高く、遺伝子発現の量やその差異がごく僅かなケー
スでも遺伝子を回収をj回収することができる。 [実施例3]それぞれの反応の最適条件検討のため、双
方の遺伝子の量の比をbが1μgに対してaを0.1,
0.5,1.0,5.0,10.0μgに、ハイブリダ
イズ反応の時間を2h,4h,8h,16h,24hに
変化させた条件でそれぞれ実験を行った。遺伝子a及び
bは、[実施例2]で用いたサンプルを同様に使用し
た。その結果、ハイブリッドの除去は、遺伝子aの量が
5.0μg以下で、また反応時間は16時間以下では、
その除去が不完全であることが判明した。従って、遺伝
子量の比は、a:bが10以上:1の条件が、そしてハ
イブリダイズ反応の時間は24時間以上が最適であるこ
とが判明した。
【0013】次に上述した核酸サブトラクション法にお
ける核酸ハイブリダイズ自動装置について説明する。本
装置は、2段階の温度制御によりハイブリダイズ反応さ
せるための加熱部、この加熱部を制御する温度制御部、
そして温度を検出するための温度センサを有している。
このような装置による実験工程を図1に示すフローチャ
ートを用いて説明する。 (a)遺伝子発現産物:mRNAの分離 コントロールとするサンプル(A)及び目的とするサン
プル(B)のそれぞれより超遠心法やオリゴ(dT)セ
ルロース等を用いた一般的な手法を用いてmRNAを分
離する。 (b)B由来mRNAからのcDNA合成 Bから得たmRNAより市販キッド(ベーリンガーマン
ハイム社製:Super Script II preamplification Syste
m等)を用いてcDNAを合成する。なお、未反応のm
RNAはRNA分解酵素により分解、その他のプライマ
ーやフリーのヌクレオチドもエタノール沈殿等により除
去し、数マイクロから数百マイクロリットルのNaCl
溶液等のバッファーに溶解させておく。 (c)反応容器の取り付けと洗浄 カルボジイミドの塗布されたキャピラリー管または微細
粒子の充填されたカラムを装置にセットし、容器の約3
倍容量のバッファで洗浄する。 (d)A由来mRNAのマイクロプレートウェルへの固
定 (a)で得たA由来mRNAをバッファー数マイクロか
ら数百マイクロリットルに溶解する。これを32℃〜6
8℃、15分間熱変性させた後に、マイクロシリンジポ
ンプにより反応容器中に送液し、37度前後(32℃〜
42℃)で約1時間反応させる。この反応において加え
たmRNAは、反応容器内のカルボジイミドと共有結合
する。また、ここで加えるmRNAの量をBに対して過
剰にすれば、目的のcDNA純度を向上できる。 (e)反応容器の洗浄 反応容器中に残るカルボジイミドに結合しなかったmR
NAは、コンタミネーションの原因となるので、約3倍
量のバッファを上記容器内に送液し、未反応のmRNA
を洗い流す。 (f)cDNAの添加とハイブリダイズ反応 (b)で得たcDNAを100℃、3分間、熱変性させ
る。そして、このcDNAを、このcDNAがウェル上
のカルボジイミドとは結合せず、mRNAとのみ結合す
る温度である42℃〜68℃に加熱してある反応容器に
マイクロシリンジポンプにより送液し、16時間以上、
100rpm程度の振とうを加えながらハイブリダイズ
反応させる。 (g)目的のcDNAの回収 反応容器と等量のバッファを送液し、未反応の即ち目的
とするcDNAを回収用チューブに分取する。このcD
NAをプラスミドDNA等にクローニングすることによ
って、目的のサンプルに特異的に発現している遺伝子の
ライブラリーを得ることができる。
【0014】以上のことから、核酸サブトラクション法
における工程の中で、これまで個々に行われていたハイ
ブリダイズ反応とハイブリッドの除去操作を同時に行う
ことができるため、工程の簡略化が図れると共に、更に
送液、温度制御システムとカルボジイミドを塗布した反
応容器とを組み合わせることで、全ての工程の自動化を
図ることができる。よって、作業効率の向上及び高回収
率を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、目的のサンプルに特異
的に発現しているmRNA由来のcDNAを簡便且つ高
回収率で得るサブトラクション法を提供することで、あ
る特定の性質を示す遺伝子を、その量やコントロールと
の差異がたとえ僅かであっても回収することができると
共に、これまでよりも未知の遺伝子の探索が容易になる
だけでなく、その量が僅かなために発見が困難であった
遺伝子についても単離することができる。また、マイコ
ン制御された送液、温度制御システムによる核酸サブト
ラクション装置の自動化により、操作性及び作業性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる核酸サブトラクション自動化工
程を示すフローチャートである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コントロールとするサンプルの遺伝子発
    現産物をDNAやRNAなどの核酸と共有結合する物質
    カルボジイミドを介して第1の温度のもと結合させる第
    1工程と、目的とするサンプルのmRNAを鋳型として
    合成した相補的一本鎖cDNAを加えて、第2の温度の
    もと上記cDNAを固定してあるうちの相補的mRNA
    とハイブリダイズ反応により結合させる第2工程と、両
    者に共通な遺伝子を固定して上清から除去する第3工程
    と有することを特徴とした核酸サブトラクション法。
  2. 【請求項2】 上記遺伝子発現産物は、上記カルボジイ
    ミドの塗布されたマイクロプレートのウェルに結合・固
    定することを特徴とした請求項1記載の核酸サブトラク
    ション法。
  3. 【請求項3】 上記第1の温度は、32℃〜42℃であ
    ることを特徴とした請求項1記載の核酸サブトラクショ
    ン法。
  4. 【請求項4】 上記第2の温度は、42℃〜68℃であ
    ることを特徴とした請求項1記載の核酸サブトラクショ
    ン法。
  5. 【請求項5】 核酸と共有結合する物質カルボジイミド
    の塗布されたキャピラリー管や微細粒子の充填されたカ
    ラムを反応容器とし、ここにマイクロシリンジポンプや
    ヒートブロックを用いた送液及び温度制御システムを組
    み合わせることで、ウィルスや細胞或いは組織などの2
    種類緒の生物試料より得た核酸のうち、まず一方のmR
    NAを上記キャピラリー管や微細粒子に上記カルボジイ
    ミドを介してある特定の反応条件のもとで結合させ、次
    にもう一方のmRNAを鋳型に合成したcDNAのう
    ち、先に結合させたmRNAと相補的なcDNAのみを
    ハイブリダイズ反応させて、上記容器内に結合・固定さ
    せることを特徴とした核酸サブトラクション装置。
  6. 【請求項6】 上記反応容器と、上記反応容器を32℃
    〜68℃程度まで加熱すると同時に100rpm程度の
    振とうを加えることが可能な上記ヒートブロック及び振
    とう機を設けると共に、3方バルブで廃液と目的のサン
    プルとを分別して回収できる流路手段を有し、一連の反
    応を行う際の反応温度のシークエンスを自動制御する制
    御装置を有すること特徴とした請求項5記載の核酸サブ
    トラクション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004516014A (ja) * 2000-08-02 2004-06-03 アボット・ラボラトリーズ 差引きハイブリダイゼーションを実施する方法
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