JP2000136596A - 中空部材 - Google Patents

中空部材

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JP2000136596A
JP2000136596A JP10309610A JP30961098A JP2000136596A JP 2000136596 A JP2000136596 A JP 2000136596A JP 10309610 A JP10309610 A JP 10309610A JP 30961098 A JP30961098 A JP 30961098A JP 2000136596 A JP2000136596 A JP 2000136596A
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JP10309610A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Kato
雅嗣 加藤
Kazuhiko Sugizaki
和彦 杉崎
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接部分を有することなく、異なる断面形状
を有する継ぎ目のない長尺の中空部材を提供する。 【解決手段】 上端部3aの横断面形状と下端部3bの
横断面形状とが異なり、全体として横断面形状が連続的
に大きくなる可変中空部3を少なくとも備える中空部材
1であって、可変中空部3には、上端部3aの少なくと
も一点から下端部3bの方向に次第に拡開する三角平面
9、10を、可変中空部3の中心軸Xと平行に少なくと
も一つ形成することによって、上記課題を解決する。こ
の中空部材は、可変断面押出しによって成形されるの
で、溶接部分を有することなく継ぎ目もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空部材に関し、
更に詳しくは、上端部の横断面形状と下端部の横断面形
状とが異なり、全体として横断面形状が連続的に拡大ま
たは縮小する可変中空部を少なくとも備える中空部材に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な中空部材として、中空の角柱、
例えば三角柱、四角柱、五角柱、六角柱や、管状の円柱
が使用されている。これらのうち、アルミニウムまたは
アルミニウム合金によって製造された中空部材は、耐食
性、着色性、装飾性、成形性、軽量性、リサイクル性等
に優れているので、様々な用途に使用されている。
【0003】アルミニウムまたはアルミニウム合金は融
点が低いので、上記の中空部材は、通常、押出し加工に
よって製造されている。中空部材の押出し加工は、塑性
状態の押出し材料を、中空部材の内形を成形するコア部
と外形を成形する孔部とによって構成される押出し孔を
備えた押出し用ダイスを通して押出し、その押出し用ダ
イスに設けられた押出し孔と同じ断面形状の長尺物を製
作する加工法である。従って、このような一般的な押出
し加工法によって得られる中空部材は、長手方向の全長
に渡って一定の断面形状を有している。
【0004】しかしながら、得られた中空部材の断面形
状が一定であることが、かえって不都合となる場合があ
る。例えば、底面のみが固定されている用途に使用され
る中空部材の場合には、軸圧縮応力またはそこに曲げ応
力を伴った合成圧縮応力が加わるので、主に底面付近の
断面形状がその応力に耐えうるように設計されていれば
よい。そのため、あまり応力が加わらない中間部分から
先端部分の断面形状を底面付近の断面形状と同じにする
必要はない。従って、このような中空部材の全長に渡っ
て、底部付近の断面形状と同一の形状にすることは、そ
の中空部材を構成する材料自体が無駄となる。さらに、
不必要な部分を有することによって、その中空部材の自
重および中空部材に加わる曲げ応力が増加するので、底
面付近の断面形状をそれらに耐えうるように大きくしな
ければならないという問題がある。
【0005】また、上下から応力が加わる用途に使用さ
れる中空部材の場合には、上述の圧縮応力に加えて、横
たわみによって生ずる大きな座屈応力が加わる。この
時、通常その中間部分に大きな座屈応力が加わるので、
その中間部分がその座屈応力に耐えうる程度に設計され
ていればよい。そのため、あまり応力が加わらない上下
の部分の断面形状を、中間部分の断面形状と同じにする
必要はない。従って、このような中空部材の全長に渡っ
て、中間部分の断面形状と同一の形状にすることは、上
述と同様にその中空部材を構成する材料自体が無駄とな
る。
【0006】上述の問題を解決するため、従来の中空部
材は、異なる断面形状を有する中空部材を溶接、スウェ
ージングまたはバルジ加工によって、その長さ方向で断
面を変化させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな中空部材は、例えば溶接による場合には継ぎ目を有
し、その溶接部分に歪みが生じたり、耐食性が低下した
りするおそれがある。また、溶接等の作業を伴うので製
造に手間がかかると共に、特に、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金を溶接する場合には高度の技術を要する
ため、熟練の作業者によらなければ所定の溶接強度を得
ることが難しいといった問題もある。
【0008】また、溶接部分は、研磨作業を行っても溶
接部分であることが容易に認識されるので、一様な外観
を有する中空部材とすることはできず、特に人目につく
用途に用いられる場合には、見た目に劣り装飾的にも問
題があった。さらに、断面形状の異なる中空部材の溶接
部分には、通常、段差がついてしまうので、段差のない
装飾的外観を有する中空部材を得ることは、必ずしも容
易ではなかった。
【0009】そこで、本発明の目的は、溶接部分を有す
ることなく、異なる断面形状を有する継ぎ目のない長尺
の中空部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の中空
部材は、上端部の横断面形状と下端部の横断面形状とが
異なり、全体として横断面形状が連続的に大きくなる可
変中空部を少なくとも備える中空部材であって、前記可
変中空部には、前記上端部の少なくとも一点から前記下
端部の方向に次第に拡開する三角平面が、前記可変中空
部の中心軸と平行に少なくとも一つ形成されていること
に特徴を有する。
【0011】この発明によれば、上端部の断面形状と下
端部の断面形状とが異なる可変中空部が、溶接等によら
ないで設けられているので、継ぎ目や段差がなく、意匠
性に優れた中空部材とすることができる。また、全体と
して横断面形状が連続的に大きくなる可変中空部を有す
るので、大きな曲げ応力や座屈応力が加わる部位に可変
中空部を設けることができる。その結果、断面形状を一
定にする必要がないので、中空部材の構成材料を節約す
ることができる。また、可変中空部の上端部の少なくと
も一点から下端部の方向に次第に拡開する三角平面が可
変中空部の中心軸と平行に形成されることによって中空
部材の断面形状が変化しているので、大きな断面形状を
有する部位は大きな断面係数を有することとなる。その
結果、大きな応力が加わる部位を、断面係数の大きい可
変中空部とすることによって、十分な強さを備えた中空
部材とすることができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載の中空
部材において、前記上端部の横断面形状が四以上の偶数
の偶部を有する角形であり、前記上端部の相対向する一
対の偶部を頂点として形成された一対の前記三角平面
と、前記上端部の相対向する辺から前記下端部の方向に
延び、且つ前記可変中空部の中心軸に対して傾斜した同
一幅の四角平面と、によって形成される可変中空部を少
なくとも備えることに特徴を有する。
【0013】この発明によれば、可変中空部の上端部の
横断面形状が四以上の偶数の偶部を有する角形である場
合に、その可変中空部は、上端部の相対向する一対の偶
部を頂点として形成された一対の三角平面と、上端部の
相対向する各々の辺から下端部の方向に可変中空部の中
心軸に対して傾斜した同一幅の四角平面とで囲まれた中
空構造となっている。従って、一対の三角平面は向かい
合う平行平面となっているが、その他の同一幅の四角平
面は、三角平面が下端部の方向に次第に拡開するのに伴
って、可変中空部の中心軸に対して末広がるように傾斜
して形成される。その結果、例えば可変中空部の上端部
の横断面形状が四角形である場合には下端部の横断面形
状は六角形となり、上端部の横断面形状が六角形である
場合には下端部の横断面形状は八角形となり、異なる断
面形状を有する中空部材とすることができる。
【0014】請求項3の発明は、請求項1に記載の中空
部材において、前記上端部の横断面形状が三以上の奇数
の偶部を有する角形であり、前記上端部の一つの偶部を
頂点として形成された前記三角平面と、当該三角平面と
平行な面であって、該平行な面の上端部の辺から前記下
端部の方向に延びて次第に拡開する台形平面と、前記三
角平面と非平行な面であって、該非平行面の上端部の辺
から前記下端部の方向に延び、且つ前記可変中空部の中
心軸に対して傾斜した同一幅の四角平面と、によって形
成される可変中空部を少なくとも備えることに特徴を有
する。
【0015】この発明によれば、可変中空部の上端部の
横断面形状が三以上の奇数の偶部を有する角形である場
合に、その可変中空部には、上端部の一つの偶部を頂点
として形成された三角平面と、その三角平面と平行に設
けられた台形平面と、その三角平面と非平行に設けられ
た四角平面とで囲まれた中空構造となっている。従っ
て、三角平面と台形平面は、それぞれ下端部の方向に次
第に拡開する平面となっているので、その他の同一幅の
四角平面は、可変中空部の中心軸に対して末広がるよう
に傾斜して形成されている。その結果、例えば可変中空
部の上端部の横断面形状が三角形である場合には下端部
の横断面形状は五角形となり、上端部の横断面形状が五
角形である場合には下端部の横断面形状は七角形とな
り、異なる断面形状を有する中空部材とすることができ
る。
【0016】請求項4の発明は、請求項1に記載の中空
部材において、前記上端部の横断面形状が曲線からなる
円形状であり、前記上端部の直径方向の対向部分を頂点
として形成された一対の前記三角平面と、前記上端部の
直径方向の対向部分を両端とする円弧から前記下端部の
方向に延び、且つ前記可変中空部の中心軸に対して傾斜
した同一円弧の曲面と、によって形成される可変中空部
を少なくとも備えることに特徴を有する。
【0017】この発明によれば、可変中空部の上端部の
横断面形状が曲線からなる円形状である場合に、その可
変中空部は、上端部の直径方向の対向部分を頂点とした
一対の三角平面と、上端部の直径方向の対向部分を両端
とする円弧、すなわち半円状の円弧を同一円弧とした曲
面とで囲まれた中空構造となっている。従って、一対の
三角平面は向かい合う平行平面となっているが、その他
の同一幅の曲面は、三角平面が下端部の方向に次第に拡
開するのに伴って、可変中空部の中心軸に対して末広が
るように傾斜して形成される。その結果、例えば可変中
空部の上端部の横断面形状が円形である場合には、下端
部の横断面形状は長丸状となり、異なる断面形状を有す
る中空部材とすることができる。
【0018】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の何れかに記載の中空部材において、前記上端部の横断
面形状と同一の形状で、前記上端部から上方に延びる最
小中空部をさらに備えることに特徴を有する。
【0019】この発明によれば、最小中空部が、可変中
空部の上端部の横断面形状と同一形状でその上方に設け
られているので、加わる応力が小さくて断面形状を小さ
くすることが可能な部位を最小中空部とすることができ
る。その結果、中空部材の長手方向の強さをおおむね一
様強さとすることができると共に、軽量化を達成するこ
とができる。また、中空部材を構成する材料自体を節約
することもできる。
【0020】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の何れかに記載の中空部材において、前記下端部の横断
面形状と同一の形状で、前記下端部から下方に延びる最
大中空部をさらに備えることに特徴を有する。
【0021】この発明によれば、可変中空部の下端部の
横断面形状と同一形状の断面を有する最大中空部がその
下方に設けられているので、こうした形状の最大中空部
を、加わる応力が大きくて断面形状を大きくする必要の
ある部位に設けることができる。その結果、中空部材の
各部に加わる応力によって、断面係数が大きい最大中空
部を設けたり、断面係数が小さい最小中空部を設けたり
することができる。さらに、本発明によれば、中空部材
の長手方向に沿って加わる応力に応じた異なる断面形状
とすることができるので、その強さをおおむね一様強さ
とすることができる。そのため、不必要な部分の断面形
状を小さくすることができるので、中空部材の軽量化を
達成することができると共に、中空部材を構成する材料
自体を節約することもできる。
【0022】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6
の何れかに記載の中空部材において、前記中空部材が、
アルミニウムまたはアルミニウム合金によって可変断面
押出し成形されることに特徴を有する。
【0023】この発明によれば、軽量材量であるアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金によって中空部材が成形
されるので、その軽量化を達成することができる。その
結果、中空部材の自重を減少させて中空部材に加わる圧
縮応力を小さくすることができるので、中空部材の断面
形状を小さくすることができ、構成材量の無駄を省くこ
とができる。また、可変断面押出し成形法によって中空
部材が成形されるので、継ぎ目や段差のない装飾性に優
れた外観を有し、連続的に形状が拡大または縮小する中
空部材とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
を具体的に説明する。
【0025】図1は、長手方向の各部で断面形状の異な
る本発明の中空部材の一例を示す斜視図である。図1に
示す中空部材1は、その横断面形状が四角形の上端部3
aと、その横断面形状が六角形の下端部3bとを有し、
全体として横断面形状が連続的に大きくなる可変中空部
3を一部に備えている。
【0026】可変中空部3は、図1に示すように、4つ
の四角平面11a、11b、11c、11dと2つの三
角平面9、10とによって構成されている。4つの四角
平面11a、…、11dは、上端部3aの相対向する各
辺から下端部3bの方向に延び、且つ可変中空部3の中
心軸Xに対して傾斜するように形成されている。なお、
これらの各四角平面の幅は、上端部3aの各辺の幅と同
一である。また、2つの三角平面9、10は、上端部3
aの相対向する一対の偶部P、Qを頂点として、下端部
3bの方向に次第に拡開した二等辺三角形状で形成され
ている。この時、一対の三角平面9、10は、可変中空
部3の中心軸Xと平行に相対向するように形成されてい
る。従って、可変中空部3の上端部3aは、上述した4
つの四角平面11a、…、11dの上辺によって四角形
が形成され、下端部3bは、上述した4つの四角平面1
1a、…、11dの下辺と一対の三角平面9、10の下
辺とによって六角形が形成されている。
【0027】可変中空部3の上部には、可変中空部3の
上端部3aの横断面形状と同一の四角形状で、その上端
部3aから上方に延びる最小中空部2が設けられてい
る。また、可変中空部3の下部には、可変中空部3の下
端部3bの横断面形状と同一の六角形状で、その下端部
3bから下方に延びる一定断面の最大中空部4が設けら
れている。
【0028】このような中空部材1は、異なる断面形状
に連続的に変化する可変中空部3を備えているので、大
きな曲げ応力や座屈荷重が加わる部位に可変中空部3を
設けてその断面形状を大きく変化させることができる。
【0029】また、中空部材1に加わる応力が小さくて
断面形状を小さくすることが可能な部位を上述した最小
中空部2としたり、中空部材1に加わる応力が大きくて
断面形状を大きくする必要のある部位を上述した最大中
空部4とすることによって、中空部材1の長手方向の強
さをおおむね一様強さとすることができる。
【0030】このように本発明の中空部材1は、その各
部に加わる応力によって、各部の形状を適宜設計するこ
とができるので、中空部材1全体としての軽量化を達成
することができると共に、中空部材1を構成する材料自
体を節約することができる。
【0031】以上説明した中空部材1は、図1に示した
ように、その一部に備えた可変中空部3の上端部3aの
横断面形状が四角形である場合を示しているが、その形
状は特に限定されるものではなく、以下にような種々の
形状の可変中空部を備えた中空部材とすることもでき
る。
【0032】図2は、上端部の横断面形状が六角形の時
の可変中空部の一例を示す斜視図である。例えば、可変
中空部12の上端部12aの横断面形状が、六角形や八
角形等の四以上の偶数の偶部を有する多角形である場合
には、可変中空部12は、上端部12aの相対向する一
対の偶部P、Qを頂点として形成された一対の三角平面
9、10と、上端部12aの相対向する各々の辺から下
端部12bの方向に可変中空部12の中心軸Xに対して
傾斜した同一幅の四角平面13a、…、13fとで囲ま
れた中空構造を構成する。従って、一対の三角平面9、
10は向かい合う二等辺三角形状の平行平面となってい
るが、その他の同一幅の四角平面13a、…、13f
は、三角平面9、10が下端部12bの方向に次第に拡
開するのに伴って、可変中空部12の中心軸Xに対して
末広がるように傾斜して形成される。その結果、例えば
可変中空部12の上端部12aの横断面形状が六角形で
ある場合には下端部12bの横断面形状は八角形とな
り、上端部12aの横断面形状が八角形である場合には
下端部12bの横断面形状は十角形となり、異なる断面
形状を有する中空部材とすることができる。なお、最小
中空部の断面形状は、可変中空部の横断面形状が変われ
ばそれに従って変化することになる。従って、可変中空
部の横断面形状が、六角形の時は六角形となる。
【0033】図3は、上端部の横断面形状が三角形の時
の可変中空部の一例を示す斜視図である。可変中空部1
4の上端部14aの横断面形状が、三角形や五角形等の
三以上の奇数の偶部を有する多角形である場合には、可
変中空部14は、上端部14aの一つの偶部Rを頂点と
して形成された三角平面9と、その三角平面9と平行に
設けられた台形平面14と、その三角平面9と非平行に
設けられた四角平面15a、15bとで囲まれた中空構
造を構成する。従って、三角平面9と台形平面16は、
それぞれ下端部14bの方向に次第に拡開する平面とな
っているので、その他の同一幅の四角平面15a、15
bは、可変中空部14の中心軸Xに対して末広がるよう
に傾斜して形成されている。その結果、例えば可変中空
部14の上端部14aの横断面形状が三角形である場合
には下端部14bの横断面形状は五角形となり、上端部
14aの横断面形状が五角形である場合には下端部14
bの横断面形状は七角形となり、異なる断面形状を有す
る中空部材とすることができる。
【0034】図4は、上端部の横断面形状が円形の時の
可変中空部の一例を示す斜視図である。可変中空部17
の上端部17aの横断面形状が、円形や楕円形等の曲線
からなる円形状である場合には、可変中空部17は、上
端部17aの直径方向の対向部分S、Tを頂点とした二
等辺三角形状の一対の三角平面9、10と、上端部17
aの直径方向の対向部分S、Tを両端とする円弧、すな
わち半円状の円弧を同一円弧とした曲面18a、18b
とで囲まれた中空構造を構成する。従って、一対の三角
平面9、10は向かい合う平行平面となっているが、そ
の他の同一幅の曲面18a、18bは、三角平面9、1
0が下端部17bの方向に次第に拡開するのに伴って、
可変中空部17の中心軸Xに対して末広がるように傾斜
して形成される。その結果、例えば可変中空部17の上
端部17aの横断面形状が円形である場合には、下端部
17bの横断面形状は長丸状(いわゆる陸上競技場のト
ラック形状)となり、異なる断面形状を有する中空部材
とすることができる。
【0035】なお、最小中空部と最大中空部の断面形状
は、可変中空部の上端部と下端部の横断面形状が変われ
ばそれに従ってそれぞれ変化することになる。例えば、
可変中空部の上端部の横断面形状が六角形の時は、最小
中空部の横断面形状は六角形となり、最大中空部の横断
面形状は八角形となる。また、可変中空部の上端部の横
断面形状が五角形の時は、最小中空部の横断面形状は五
角形となり、最大中空部の横断面形状は七角形となる。
【0036】得られる中空部材1を底面のみが固定され
る用途に使用する場合には、その中空部材1に加わる応
力は、底面付近が大きく、上方に行くに従って小さくな
る。そのため、図1に示すように、大きい応力がかかる
底部付近の構造は、上述の最大中空部4を備えたものと
することが好ましく、上方に行くに従って最大中空部4
の平行面9、10の幅を徐々に小さくした可変中空部3
とし、さらに上方に行くに従って、平行面9、10のな
い最小中空部2とすることが好ましい。このとき、可変
中空部3の構造は、後述するように、押出し速度と押出
しダイスの移動速度を調節することによって、平行面
9、10の幅Wの縮小の程度を適宜変化させることがで
きる。また、最小中空部2と同じ形状のまま引き続き押
出しすることによって、所定の長さの最小中空部2を成
形することができる。
【0037】このように使用される中空部材1の用途と
しては、道路街頭に設けられる照明ポールや公園の時計
ポールのように、主に意匠性を有する装飾ポールとして
の用途がある。本発明の中空部材1は、上述の最小中空
部2、可変中空部3および最大中空部4が段差も継ぎ目
もなく成形されるので、従来の中空部材のような溶接部
分が容易に認識されることがなく、装飾性に優れてい
る。また、溶接部分で起こりやすい歪みや腐食が起こり
にくい。また、道路街頭に設けられる照明ポールのよう
に、上方で曲げ加工された形状の場合は、中空部材に曲
げ応力が加わるので、その曲げ応力に適した断面係数を
有するように各部の断面形状を適宜設計することができ
る。
【0038】一方、上下から応力が加わる用途に使用す
る場合には、例えば図5に示す中空部材20のように、
一般的な圧縮応力に加えて、横たわみによって生ずる座
屈応力が主に中空部材20の中間部分21に加わるの
で、その中間部分21を最大中空部4とする中空部材2
0を成形することが好ましい。すなわち、上端部分22
および下端部分23の各支持部を、そこに加わる応力に
耐えうる程度の断面係数を有した最小中空部2とし、そ
の上端部分22および下端部分23から中間部分21に
向かって徐々に断面係数が大きくなるように可変中空部
3を設け、大きな座屈応力がかかる中間部分21を最大
中空部4とするように中空部材20を成形する。この
時、最小中空部2とするのは、上端部分22および下端
部分23の両方でも何れか一方でもよく、また、上端部
分22と中間部分21の間の位置であっても、下端部分
23と中間部分21の間の位置であってもよい。この時
の可変中空部3は、上述と同様に、押出し速度と後述す
る押出しダイスの移動速度を調節することによって、平
行面9、10の幅Wの縮小の程度を適宜変化させること
ができる。また、最小中空部2と同じ形状のまま、およ
び、可変中空部3の平行面9、10の幅Wを所定の幅に
固定したまま、引き続き押出しすることによって、所定
の長さの最小中空部2または最大中空部4、或いは、最
小中空部2と最大中空部4の中間の大きさの一定断面を
有する中空部を成形することができる。
【0039】このように使用される中空部材20の用途
としては、建築用構造部材としての中空柱のうち、主に
装飾性を重視した柱としての用途に用いることが好まし
い。得られた中空部材20は、その長手方向に沿って段
差も継ぎ目もなく、座屈応力に耐えうる形状に成形され
ている。そのため、従来の中空部材にような溶接部分が
容易に認識されることがないので、装飾性に優れてい
る。また、溶接部分で起こりやすい溶接歪みや腐食が起
こりにくいので、大きな座屈応力がかかる用途に用いら
れる柱に好適に使用することができる。また、その押出
し加工が容易であるので、断面係数を各部で適宜設定す
ることができ、その柱に加わる応力を考慮して柱の断面
形状を成形することができる。
【0040】次に、本発明の中空部材の製造方法につい
て説明する。本発明の中空部材は、可変断面押出し成形
方法によって成形される。可変断面押出し成形方法は、
可変断面押出し用ダイスを構成する移動可能な複数のダ
イスを相対移動させ、各ダイスに設けられた孔の重複部
分によって形成された押出し孔から押出し材料が押し出
されることによって、断面形状が変化した成形部材を得
る方法である。
【0041】図6〜図12は、図1または図5に示す本
発明の中空部材の成形に用いられる可変断面押出し用ダ
イスの構造の一例を示すものである。可変断面押出し用
ダイス30は、固定ダイスとして作用する第1ダイス
(以下「固定ダイス31」という。)と移動ダイスとし
て作用する第2ダイス(以下「移動ダイス32」とい
う。)を備えている。ここで、図6は平面図を示し、図
7は最小中空部を成形するときの図6のA−A断面図を
示し、図8は移動ダイス32を移動させて可変中空部を
成形するときの図6のA’−A’断面図を示している。
【0042】固定ダイス31は、押出し材料が収納され
るコンテナ21側に位置し、移動ダイス32の上流側と
なるように組み合わされている。固定ダイス31の押出
し孔は、固定ダイス31の孔部側壁73によって形成さ
れた孔部71(図13を参照。)と、その孔部71の上
方から垂れ下がるマンドレル41の先端に設けられたコ
ア部72とによって構成される。固定ダイス31の押出
し孔の周囲には、押出し材料を押出し孔に円滑に導くた
めの流路であって、その上面側から内側に向かって絞ら
れた凹部42が形成されている。また、固定ダイス31
の上面側には、押出し材料を導入するための導入孔37
が設けられている。
【0043】移動ダイス32は、固定ダイス31の下流
側に、その固定ダイス31の押出し孔に接するように配
置されている。移動ダイス32の押出し孔は、移動ダイ
ス32の孔部側壁83によって形成された孔部81(図
14を参照。)と、コア部82とによって形成される。
移動ダイス32のコア部82は、孔部81の上流側に湾
曲して設けられた連結アーム51の先端部から垂れ下が
るように孔部81内の所定の位置に配置される。図9
は、移動ダイス32のコア部82とそのコア部82を支
持する連結アーム51の側面図を示したものであり、図
10は、図9のB−B断面図である。移動ダイス32に
は、マンドレル41および固定ダイス31に摺動可能に
嵌合される嵌合部52が設けられている。移動ダイス3
2のコア部82は、嵌合部52の下流側に連結部53を
介して設けられ、マンドレル41先端に設けられた固定
ダイスのコア部72に接するように配置されている。
【0044】図11は、移動ダイス32の嵌合部52
が、固定ダイス31のマンドレル41および固定ダイス
31に嵌合した状態を示す側面図であり、図12は、図
11のC−C断面図である。移動ダイス32の嵌合部5
2を、固定ダイス31のマンドレル41内で摺動させる
ことによって、移動ダイス32の孔部81とコア部82
とから構成される押出し孔は、固定ダイス31の孔部7
1とコア部72とから構成される押出し孔に対して相対
移動する。そして、固定ダイス31の押出し孔と、移動
ダイス32の押出し孔との重複部分が、押出し材料を押
出すことができる押出し孔となる。
【0045】押出し材料は、コンテナ21から導入孔3
7に導入され、マンドレル41と凹部42との間を通
り、固定ダイス31の押出し孔と移動ダイス32の押出
し孔との重複部分から押し出されることによって、中空
部材1が成形される。
【0046】押出し成形の際、図7に示すように、移動
ダイス32をB方向に移動させて、固定ダイス31のコ
ア部72と移動ダイス32のコア部82を重ねることに
よって、最小中空部2を成形することができる。また、
図8に示すように、移動ダイス32をA方向に移動させ
ることによって、固定ダイス31の押出し孔と移動ダイ
ス32の押出し孔の重複部分の形状を変化させることが
でき、可変中空部3または最大中空部4を成形すること
ができる。
【0047】通常、固定ダイス31と移動ダイス32
は、熱間工具鋼によって略外観方形板状に形成されてい
る。
【0048】図13〜図16は、図1および図5に示す
中空部材1、20を成形するための可変断面押出し用ダ
イスの押出し孔の一例を示している。
【0049】図13は固定ダイス31の押出し孔の形状
を示している。固定ダイス31の押出し孔は、孔部側壁
73a、…、73eによって囲まれた孔部71と、その
孔部71内の所定の位置に設けられたコア部72とによ
って形成されている。また、図14は移動ダイス32の
押出し孔の形状を示している。移動ダイス32の押出し
孔は、孔部側壁83a、…、83eによって囲まれた孔
部81と、その孔部81内の所定の位置に設けられたコ
ア部82とによって形成されている。
【0050】図15は最小中空部2の成形時の固定ダイ
ス31の押出し孔と移動ダイス32の押出し孔との位置
関係を示している。移動ダイス32を移動させることに
よって形成された各ダイス31、32の押出し孔(ハッ
チング部分)の重複部分91は、固定ダイス31の孔部
側壁73a、73bと、移動ダイス32の孔部側壁83
a、83bとで囲まれた四角形の押出し孔を形成する。
そして、その中央には、固定ダイス31のコア部72
と、移動ダイス32のコア部82とが重なり合い、四角
形の中空部分を形成する。図1および図5に示した四角
形の最小中空部2は、このように配置した可変断面押出
し用ダイスを用いた押出し成形によって成形することが
できる。
【0051】図16は、可変中空部3または最大中空部
4の成形時の固定ダイス31の押出し孔と移動ダイス3
2の押出し孔との位置関係を示している。移動ダイス3
2を固定ダイス31に対して、重複部分91の外形が大
きくなるように相対移動させること、すなわち図16中
のC方向に相対移動させることによって、四角形の対向
する角部に平行面9、10を生じさせる。そして、その
幅Wは、移動ダイス32を移動させることによって拡大
させたり縮小させたりすることができる。このように押
出し孔の形状を変化させることによって、最小中空部2
に2つの辺を付加した六角形状の可変中空部3を成形す
ることができる。従って、最小中空部2を所定長さだけ
押出し成形した後、移動ダイス32を固定ダイス31に
対して相対移動させながら押出し成形することによっ
て、所望の断面係数を有する可変中空部3を中空部材
1、20の長手方向に沿って成形することができる。
【0052】なお、この時生じた平行面9、10の厚さ
は、図16に示すように、押出し孔の側壁と、コア部7
2、82との隙間の寸法によって決まる。従って、平行
面9、10の厚さは、コア部72、82の形状、例えば
六角形や八角形等の形状によって異なる。また、平行面
9、10の幅Wを変化させることによっても、各コア部
72、82の重なり状態が変化するので、その厚さが異
なる。
【0053】このように、所定の位置まで移動ダイス3
2を移動させながら可変中空部3を成形した後、移動ダ
イス32を停止し、その状態で押出しを続けることによ
って、一定長さの最大中空部4を成形することができ
る。こうして図1に示した中空部材1を成形することが
できる。
【0054】また、図5に示す中空部材20は、前記の
最大中空部4を形成した後、さらに引き続いて移動ダイ
ス32の移動を再開して平行面9、10の幅を小さくす
るように移動させながら押出し成形する。その後、必要
に応じて、移動ダイス32の移動を停止し、一定断面の
部分を成形することもできる。その一定断面の部分は、
最小断面としてもよいし、平行面9、10を有した一定
断面としてもよい。
【0055】なお、図7と図8に示すように、移動ダイ
ス32をA方向またはB方向に移動させて可変中空部3
を押出し成形するとき、固定ダイス31は移動しない。
そのため、可変中空部3の四角平面11a、…、11d
のうち、固定ダイス31の孔部72と孔部側壁73a、
73bとの隙間(図13を参照。)から押し出される四
角平面は、押出し方向に平行な面として押し出される。
その結果、押出し成形直後の可変中空部3の四角平面の
うち、該当する四角平面は、可変中空部3の上端部3a
または下端部3bからそれぞれ延びる最小中空部2また
は最大中空部4を構成する四角平面と共通する同一平面
となり、図1や図5に示すように、可変中空部3の四角
平面が下端部の方向に傾斜して延びる形状とは異なった
ものとなる。本発明の中空部材は、このような形状の可
変中空部3を備えたものであってもよく、図1または図
5に示す中空部材と同一の作用効果を有している。
【0056】従って、押出し成形直後の中空部材の形状
を、図1や図5に示すように、可変中空部3の四角平面
が下端部の方向に傾斜して延びる形状にするために、押
出し成形された後の中空部材を矯正加工する。中空部材
は、従来公知のストレッチ法(ストレッチャ)によって
容易に矯正加工することができる。なお、ストレッチ法
は、押し出された中空部材の両端部を保持して引張り張
力を加え、中空部材に引っ張り歪みを与えることによっ
て矯正する方法である。
【0057】こうして成形された中空部材は、押出し成
形中に連続的に断面形状を変化させることができるの
で、継ぎ目のない一様な中空部材とすることができる。
そのため、溶接等の加工が不要となるので、例えば溶接
によって生じる溶接歪みや溶接部の偏析等が起こらな
い。その結果、溶接部での強度低下や腐食の起こらない
中空部材とすることができる。また、溶接部分を有さ
ず、異径管をつなぎあわせた中空部材に比べて段差等も
ないので、装飾的にも優れている。その結果、建築用等
の構成部材のみならず、人目に付くインテリアまたはア
ウトテリア部材として用いることができる。また、角柱
の対向角部から新たに平行面が生じるので、デザイン的
にも優れている。さらに、応力がかかって大きな断面係
数が必要とされる部分の断面係数を適宜設定することが
できるので、中空部材の長手方向に沿っておおむね一様
強さとすることができ、部材の軽量化を図ることができ
る。
【0058】また、図16に示すダイス位置から更に断
面係数が大きくなるように移動ダイスをC方向に移動さ
せると、固定ダイス31のコア部72と移動ダイス32
のコア部82とが重複しなくなる。その結果、固定ダイ
ス31のコア部72と移動ダイス32のコア部82との
間に重複部分91が形成されるので、そこから押出し材
料が押し出され、中央部にウエブが設けられた断面形状
を有する中空部材とすることもできる。本発明の中空部
材では、断面係数が大きくなるようにその外形を連続的
に変化させることができると共に、その内部にウエブを
設けて内形をも連続的に変化させることができる。従っ
て、大きな応力が加わる部分では、外形を大きくして断
面係数を大きくするのと同時に、ウエブによって補強し
た断面形状とすることができるので、中空部材の機械的
強度を更に向上させることができる。
【0059】なお、成形する最小中空部2、可変中空部
3および最大中空部4の配置は、図1および図5に示し
た中空部材に限定されるものではない。例えば、可変中
空部3が中空部材の全長に渡って変化したものでもよ
く、また、一定の断面形状を有する部分が所定の長さで
段階的に設けられているような形状のものであってもよ
い。例えば、移動ダイス32の移動速度と、押出し材料
の押出し速度とを調整することによって、可変中空部3
の断面形状の変化の程度を変えることもできる。例え
ば、押出し速度に対して移動ダイスの移動速度を小さく
した場合には、可変中空部3の形状が徐々に変化する中
空部材を成形することができる。その逆に、押出し速度
に対して移動ダイスの移動速度を大きくした場合には、
可変中空部3の形状の変化の程度が大きい部分を有した
中空部材を成形することができる。
【0060】種々の押出し孔形状を有する移動ダイス3
2と固定ダイス31を用いることによって、最小断面形
状2が四角形でないもの、例えば六角形や八角形等の多
角形や、円形の中空部材を成形することもできる。
【0061】例えば、図17は、図2に示す可変中空部
を備えた中空部材を成形するための可変断面押出し用ダ
イスであって、六角形のコア部113を有し、そのコア
部113の3辺から所定幅を隔てて孔部側壁115a、
115b、115cが設けられた固定ダイス111と、
同じく六角形のコア部114を有し、そのコア部114
の3辺から所定幅を隔てて孔部側壁116a、116
b、116cが設けられて前記の固定ダイス111と同
じ形状の移動ダイス112とを、それぞれのコア部11
3、114を重複させ、各ダイス111、112の押出
し孔の重複部分117が六角形の最小中空部となるよう
に配置したダイスの位置関係を示している。したがっ
て、この可変断面押出し用ダイスから成形される中空部
材は、最小中空部の形状が六角形となる。
【0062】次いで、図18に示ように、重複部分11
7の外形が大きくなるように移動ダイス112を摺動さ
せることによって、六角形の対向する角部に平行面11
8、119を生じさせる。そして、その幅Wを、移動ダ
イス112を移動させることによって拡大させたり縮小
させたりすることができる。このように押出し孔の形状
を変化させることによって、最小中空部に2つの辺を付
加した八角形状の可変中空部または最大中空部を成形す
ることができる。
【0063】また、図19は、図4に示す可変中空部を
備えた中空部材を成形するための可変断面押出し用ダイ
スであって、円形のコア部133を有し、そのコア部1
33から所定幅を隔てて半円の孔部側壁135が設けら
れた固定ダイス131と、同じく円形のコア部134を
有し、そのコア部134から所定幅を隔てて半円の孔部
側壁136が設けられて前記の固定ダイス131と同じ
形状の移動ダイス132とを、それぞれのコア部13
3、134を重複させ、各ダイス131、132の押出
し孔の重複部分137が円形の最小中空部となるように
配置した位置関係を示している。したがって、この可変
断面押出し用ダイスから成形される中空部材は、最小中
空部の形状が円形管となる。
【0064】次いで、図20に示ように、重複部分13
7の外形が大きくなるように移動ダイス132を摺動さ
せることによって、円形の対向する位置に平行面13
8、139を生じさせる。そして、その幅Wを、移動ダ
イス132を移動させることによって拡大させたり縮小
させたりすることができる。このように押出し孔の形状
を変化させることによって、最小中空部に2つの平行面
を付加した長く延ばした円形断面形状の可変中空部また
は最大中空部を成形することができる。
【0065】なお、押出し材としては、アルミニウムま
たはアルミニウム合金を使用することが好ましいが、そ
の他の軽量材料を用いてもよい。このような軽量材料を
使用することによって、得られる中空部材の軽量化を達
成することができる。また、曲げ応力が小さい部分の断
面形状を小さくすることができることとも相まって、自
重によるたわみを小さくすることができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の中空部材
によれば、上端部の断面形状と下端部の断面形状とが異
なる可変中空部が、溶接等によらないで設けられている
ので、継ぎ目や段差がなく、意匠性に優れた中空部材と
することができる。また、全体として横断面形状が連続
的に大きくなる可変中空部を有するので、大きな曲げ応
力や座屈応力が加わる部位に可変中空部を設けることが
できる。その結果、断面形状を一定にする必要がないの
で、中空部材の構成材料を節約することができる。ま
た、可変中空部の上端部の少なくとも一点から下端部の
方向に次第に拡開する三角平面が可変中空部の中心軸と
平行に形成されることによって中空部材の断面形状が変
化しているので、大きな断面形状を有する部位は大きな
断面係数を有することとなる。その結果、大きな応力が
加わる部位を、断面係数の大きい可変中空部とすること
によって、十分な強さを備えた中空部材とすることがで
きる。
【0067】また、最小中空部を、可変中空部の上端部
の横断面形状と同一形状でその上方に設けることができ
るので、加わる応力が小さくて断面形状を小さくするこ
とが可能な部位を最小中空部とすることができる。その
結果、中空部材の長手方向の強さをおおむね一様強さと
することができる。さらに、可変中空部の下端部の横断
面形状と同一形状の断面を有する最大中空部をその下方
に設けることができるので、こうした形状の最大中空部
を、加わる応力が大きくて断面形状を大きくする必要の
ある部位に設けることができる。その結果、中空部材の
各部に加わる応力によって、断面係数が大きい最大中空
部を設けたり、断面係数が小さい最小中空部を設けたり
することができる。
【0068】このように、本発明によれば、中空部材の
長手方向に沿って加わる応力に応じた異なる断面形状と
することができるので、その強さをおおむね一様強さと
することができる。そのため、不必要な部分の断面形状
を小さくすることができるので、中空部材の軽量化を達
成することができると共に、中空部材を構成する材料自
体を節約することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空部材の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の中空部材を構成する可変中空部の他の
一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の中空部材を構成する可変中空部の他の
一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の中空部材を構成する可変中空部の他の
一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の中空部材の他の一例を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の中空部材の押出し成形に使用される可
変断面押出し用ダイスの一例を示す平面図である。
【図7】最小中空部を成形するときの可変断面押出し用
ダイスのA−A断面図である。
【図8】可変中空部を成形するときの可変断面押出し用
ダイスのA’−A’断面図である。
【図9】移動ダイスのコア部とそのコア部を支持する連
結アームの一例を示す側面図である。
【図10】図9のB−B断面図である。
【図11】移動ダイスの嵌合部が固定ダイスのマンドレ
ルに嵌合した状態を示す側面図である。
【図12】図11のC−C断面図である。
【図13】固定ダイスの押出し孔の形状を示す平面図で
ある。
【図14】移動ダイスの押出し孔の形状を示す平面図で
ある。
【図15】最小中空部の成形時の固定ダイスの押出し孔
と移動ダイスの押出し孔との位置関係を示す平面図であ
る。
【図16】可変中空部または最大中空部の成形時の固定
ダイスの押出し孔と移動ダイスの押出し孔との位置関係
を示す平面図である。
【図17】六角形の最小中空部を押出し成形することが
できる可変断面押出し用ダイスの一例を示す平面図であ
る。
【図18】図17に示す可変断面押出し用ダイスにおい
て、移動ダイスを移動させて可変中空部または最大中空
部を成形する際の固定ダイスの押出し孔と移動ダイスの
押出し孔との位置関係を示す平面図である。
【図19】円形の最小中空部を押出し成形することがで
きる可変断面押出し用ダイスの一例を示す平面図であ
る。
【図20】図19に示す可変断面押出し用ダイスにおい
て、移動ダイスを移動させて可変中空部または最大中空
部を成形する際の固定ダイスの押出し孔と移動ダイスの
押出し孔との位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1、20 中空部材 2 最小中空部 3、12、14、17 可変中空部 4 最大中空部 9、10 平行面 30 可変断面押出し用ダイス 31 固定ダイス 32 移動ダイス W 平行面の幅 Wmax 平行面の最大幅

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部の横断面形状と下端部の横断面形
    状とが異なり、全体として横断面形状が連続的に大きく
    なる可変中空部を少なくとも備える中空部材であって、 前記可変中空部には、前記上端部の少なくとも一点から
    前記下端部の方向に次第に拡開する三角平面が、前記可
    変中空部の中心軸と平行に少なくとも一つ形成されてい
    ることを特徴とする中空部材。
  2. 【請求項2】 前記上端部の横断面形状が四以上の偶数
    の偶部を有する角形であり、前記上端部の相対向する一
    対の偶部を頂点として形成された一対の前記三角平面
    と、前記上端部の相対向する辺から前記下端部の方向に
    延び、且つ前記可変中空部の中心軸に対して傾斜した同
    一幅の四角平面と、によって形成される可変中空部を少
    なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の中空
    部材。
  3. 【請求項3】 前記上端部の横断面形状が三以上の奇数
    の偶部を有する角形であり、前記上端部の一つの偶部を
    頂点として形成された前記三角平面と、当該三角平面と
    平行な面であって、該平行な面の上端部の辺から前記下
    端部の方向に延びて次第に拡開する台形平面と、前記三
    角平面と非平行な面であって、該非平行な面の上端部の
    辺から前記下端部の方向に延び、且つ前記可変中空部の
    中心軸に対して傾斜した同一幅の四角平面と、によって
    形成される可変中空部を少なくとも備えることを特徴と
    する請求項1に記載の中空部材。
  4. 【請求項4】 前記上端部の横断面形状が曲線からなる
    円形状であり、前記上端部の直径方向の対向部分を頂点
    として形成された一対の前記三角平面と、前記上端部の
    直径方向の対向部分を両端とする円弧から前記下端部の
    方向に延び、且つ前記可変中空部の中心軸に対して傾斜
    した同一円弧の曲面と、によって形成される可変中空部
    を少なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の
    中空部材。
  5. 【請求項5】 前記上端部の横断面形状と同一の形状
    で、前記上端部から上方に延びる最小中空部をさらに備
    えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに
    記載の中空部材。
  6. 【請求項6】 前記下端部の横断面形状と同一の形状
    で、前記下端部から下方に延びる中空部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載
    の中空部材。
  7. 【請求項7】 前記中空部材が、アルミニウムまたはア
    ルミニウム合金によって可変断面押出し成形されること
    を特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の中
    空部材。
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