JP2000136335A - インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法Info
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Abstract
端部で目詰まりしないインクジェット用水性インク及び
インクジェット記録方法を提供すること。 【解決手段】 カルボキシル基のアンモニウム塩構造を
有する染料、エチレングリコール、グリセリン、酸性ア
ミノ酸としてL−グルタミン酸、塩基性物質としてトリ
エタノールアミンを添加し、撹拌、濾過後、インクを得
た。トリエタノールアミンのL−グルタミン酸に対する
モル比は0.99である。このインク組成物を顕微鏡観
察したところ、凝集物は見られなかった。このインク組
成物をインクジェットヘッドに用いて印刷したところ、
噴射は良好であり、印字物の耐水性も良好であった。
Description
水性インク及びインクジェット記録方法に関するもので
ある。
ク吐出方法、例えば静電吸引方式、圧電素子を用いてイ
ンクに機械的振動または変位を与える方式、インクを加
熱することにより気泡を発生させ、その時に発生する圧
力を利用する方式等によりインク小滴を形成し、それら
の一部もしくは全部を紙等の被記録材に付着させて記録
を行うものである。
するインク組成物としては、各種の水溶性の染料又は顔
料を、水又は水と水溶性有機溶剤からなる液媒体に溶解
又は分散させたものが知られ、且つ使用されている。そ
してそのようなインク組成物は、その目的のために最適
の性能特性を有することが要求される。例えば長期間使
用されなくても沈澱や凝集が生じることがなく、インク
ジェットプリンターのヘッドの先端部及びインク流路内
で目詰まりすることがなく、印字品質が良好なこと、耐
候性が優れていること等である。また染料と顔料を比較
すると、顔料はインク媒体中に溶解せずに分散している
が、染料はインク媒体中に完全に溶解するため、染料イ
ンク組成物は顔料インク組成物と比べてインクジェット
プリンターのヘッドの先端部やインク流路内で目詰まり
しにくく、液安定性もはるかに優れている。そのためイ
ンクジェットプリンター用インクは染料インク組成物が
多い。この様な染料インク組成物の中では水に染料を溶
解させた水性染料インク組成物が主流を占めている。そ
のような水性染料インク組成物は、様々な化学構造を有
する水溶性染料を水及びまたは水溶性有機溶剤の混合溶
媒に溶解しており、必要に応じて各種添加物が添加され
たものが現在主として用いられている。中でも構造中に
カルボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニ
ウム塩の構造を有する染料は、特に良好な耐水性を与え
ることが知られている。(特開平3−91577号公報
等参照。)このような染料を含有するインクが紙に印刷
されると、上記アンモニウム塩のアンモニウムもしくは
置換アンモニウムが蒸発してカルボキシル基となり、水
に対する溶解度が低下すること、またそのカルボキシル
基が紙の水酸基と作用することにより、耐水性が向上す
る。
うな高耐水性染料でも、顔料と比較すると耐水性は十分
であるとは言えず、水に濡れた後の滲み等については依
然、改良の余地が残されている。またインクジェットヘ
ッドの先端部でも、同様な理由によってインク溶媒であ
る水に対する溶解度が低下するため、析出してくる。つ
まりインクジェットヘッドの先端部で目詰まりが生じる
ため、印字不能となり易い。
ボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニウム
塩の構造を有する染料でも顔料と比較すると耐水性は十
分であるとは言えず、水に濡れた後の滲み等については
依然、改良の余地が残されており、またインクジェット
ヘッドの先端部で析出し易いという問題点を解決するた
めになされたものであり、且つインクジェット記録用に
適した記録用水性インクを提供することを目的とする。
に、請求項1記載のインクジェット用水性インクは、カ
ルボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニウ
ム塩の構造を有する水溶性染料と、酸性アミノ酸と、塩
基性物質を含有し、且つ塩基性物質の酸性アミノ酸に対
するモル比が0.5〜2の範囲にあることを特徴とす
る。
方法は、請求項1記載のインクジェット用水性インクを
使用することを特徴とする。
て説明する。
カルボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニ
ウム塩の構造を有する水溶性染料である。構造中にカル
ボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニウム
塩の構造を有すると、紙面上でアンモニウム塩のアンモ
ニウムもしくは置換アンモニウムが蒸発してカルボキシ
ル基となり、水に対する溶解度が低下すること、またそ
のカルボキシル基が紙の水酸基と作用することにより、
耐水性が良好である。含有量としては、一般的にはイン
クの全重量に対して重量%で0.1〜20重量%、好ま
しくは0.3〜10重量%、より好ましくは1〜5重量
%の範囲である。これらの染料は一種のみならず、二種
以上を混合して用いても良い。
しては、グルタミン酸、アスパラギン酸、及びこれらの
アルキル基に置換基を導入したものである。このような
置換基としては、置換もしくは非置換のアルキル基、ヒ
ドロキシル基、ハロゲン原子、フェニル基等が挙げられ
る。本発明において特に好ましいものは、入手し易く、
生体蛋白質の構成要素であるため安全性も高いL−グル
タミン酸、L−アスパラギン酸である。酸性アミノ酸は
分子内にカルボキシル基を2個以上含有するため、前記
染料及び紙との相互作用により耐水性が向上する。これ
ら酸性アミノ酸の含有量としては、一般的にはインクの
全重量に対して重量%で0.01〜20重量%、好まし
くは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重
量%の範囲である。20重量%以上であるとインク中に
沈澱が生じたりする可能性があり、また0.01重量%
未満では十分な効果が得られない。これら酸性アミノ酸
は一種のみならず、二種以上を混合して用いても良い。
本発明に於いて使用される塩基性物質としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等に代表
される無機塩類、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン等に代表される塩基性窒
素化合物等が挙げられる。これらの中でも塩基性窒素化
合物は特に好ましいものである。これら塩基性物質の含
有量としては、酸性アミノ酸に対するモル比が0.5〜
2の範囲である。この範囲であれば、酸性アミノ酸の耐
水性向上作用が十分に発揮され、且つ染料と酸性アミノ
酸がインク溶媒に対して適度な溶解度を有するようにな
り、インクジェットヘッドの先端部で目詰まりしにくく
なる。酸性アミノ酸に対する塩基性物質のモル比が0.
5未満では、凝集、沈澱が生じ易くなる。また2を越え
ると酸性アミノ酸と染料の水に対する溶解度が高くなり
過ぎ、耐水性が悪くなる。本発明において使用される溶
媒は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である。水とし
ては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イ
オン水を使用することが望ましい。水溶性有機溶剤は主
としてインクジェットヘッドの先端部に於けるインクの
乾燥防止効果を有するものである。この様な有機溶剤と
しては一般的には多価アルコール類が使用されることが
多いが、水と混合して使用される水溶性有機溶剤として
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert
−ブチルアルコール等の低級アルコール類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセ
トン、ジアセトンアルコール等のケトン類又はケトアル
コール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジ
グリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリ
コール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの
低級アルキルエーテル類、グリセリン、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの中でも
グリセリン、ジエチレングリコール等のアルキレングリ
コール類、トリエチレングリコールモノエチルエーテル
等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類は特に好
ましいものである。インク組成物中の上記水溶性有機溶
剤の含有量は、一般的にはインクの全重量に対して重量
%で0〜95重量%、好ましくは10〜80重量%、よ
り好ましくは10〜50重量%の範囲である。この時の
水の含有量は、上記溶剤成分の種類、その組成、あるい
は所望されるインクの特性に依存して広い範囲で決定さ
れるが、インクの全重量に対して一般に10〜95重量
%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20
〜70重量%の範囲である。
以上の通りであるが、その他従来公知の各種添加剤、す
なわち、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防
黴剤等を必要に応じて添加することができる。例えばポ
リビニルアルコール、セルロース類、水溶性樹脂等の粘
度調整剤、各種界面活性剤等である。次に本発明の実施
例及び比較例を説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
換アンモニウム塩の構造を有する水溶性染料として、以
下の3つの染料を使用した。
組成にて30分間撹拌した後に、孔径0.2μmのメン
ブランフィルターにて濾過し、インクを作製した。表中
の数字は重量部を表す。
評価した。 (1)インクを顕微鏡にて観察し、凝集物の有無を確認
する。 (2)インクを特開平2−150355号公報に開示さ
れているせん断モード型のインクジェットヘッドを使用
して、次の2通りの方法で印刷し、吐出性を確認する。
どちらの方法に於いても噴射が良好であり、インクジェ
ットヘッドの先端部で目詰まりすることなく印刷できた
場合を○とし、それ以外は×とした。 1:吐出安定性確認;5℃、20℃、40℃の各雰囲気
温度でそれぞれ24時間の連続吐出を行う。 2:吐出応答性確認;1分間の間欠吐出と2ヶ月間放置
後の吐出を行う。 (3)印字物を完全に乾燥させてから、5分間水道水に
浸し、引き上げて自然乾燥させて耐水性を確認する。ほ
とんど滲みが見られず、文字がはっきりと認識でき、色
落ちしていない場合を○とし、それ以外は×とした。
表2に示す。
ェット印刷しても噴射が良好であり、印字物の耐水性が
良好であった実施例1〜7のインク組成物では、いずれ
もカルボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモ
ニウム塩の構造を有する水溶性染料と、酸性アミノ酸
と、塩基性物質を含有し、且つ塩基性物質の酸性アミノ
酸に対するモル比が0.5〜2の範囲であった。
ンクジェットヘッドの先端部で目詰まりしたり、印字物
の耐水性が悪かった比較例1〜7では、いずれも上記条
件を満たしていなかった。
求項1記載のインクジェット用水性インクは、カルボキ
シル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニウム塩の
構造を有する水溶性染料と、酸性アミノ酸と、塩基性物
質を含有し、且つ塩基性物質の酸性アミノ酸に対するモ
ル比が0.5〜2の範囲にあるので、印字物の耐水性が
良好で、且つインクジェットヘッドの先端部で目詰まり
しない。
法は、請求項1記載のインクジェット用水性インクを使
用することにより、印字物の耐水性が良好で、且つイン
クジェットヘッドの先端部で目詰まりしない。
Claims (2)
- 【請求項1】 インクジェット用水性インクにおいて、 カルボキシル基のアンモニウム塩もしくは置換アンモニ
ウム塩の構造を有する水溶性染料と、酸性アミノ酸と、
塩基性物質を含有し、且つ塩基性物質の酸性アミノ酸に
対するモル比が0.5〜2の範囲にあることを特徴とす
るインクジェット用水性インク。 - 【請求項2】 インクジェット用水性インクを用いて記
録を行うインクジェット記録方法において、 請求項1記載のインクジェット用水性インクを使用する
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31037998A JP4232237B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31037998A JP4232237B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000136335A true JP2000136335A (ja) | 2000-05-16 |
JP2000136335A5 JP2000136335A5 (ja) | 2005-11-17 |
JP4232237B2 JP4232237B2 (ja) | 2009-03-04 |
Family
ID=18004550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31037998A Expired - Fee Related JP4232237B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4232237B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7066989B2 (en) | 2003-01-08 | 2006-06-27 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Inkjet ink, production method of inkjet ink, inkjet ink set and inkjet recording method |
US7108728B2 (en) | 2003-04-15 | 2006-09-19 | Taisei Chemical Industries, Ltd. | Process for producing colorants |
US8053046B2 (en) | 2003-09-29 | 2011-11-08 | Fujifilm Corporation | Ink for inkjet printing, ink set for inkjet printing, inkjet recording material and producing method for inkjet recording material, and inkjet recording method |
-
1998
- 1998-10-30 JP JP31037998A patent/JP4232237B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8053046B2 (en) | 2003-09-29 | 2011-11-08 | Fujifilm Corporation | Ink for inkjet printing, ink set for inkjet printing, inkjet recording material and producing method for inkjet recording material, and inkjet recording method |
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