JP2000133873A - パルス駆動発光素子 - Google Patents

パルス駆動発光素子

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JP2000133873A
JP2000133873A JP30227498A JP30227498A JP2000133873A JP 2000133873 A JP2000133873 A JP 2000133873A JP 30227498 A JP30227498 A JP 30227498A JP 30227498 A JP30227498 A JP 30227498A JP 2000133873 A JP2000133873 A JP 2000133873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続発振時の半導体レーザの寿命を超えて長
時間使用することができるパルス駆動発光素子を提供す
る。 【解決手段】 しきい電流I0 およびスロープ効率ηを
有し、かつ、連続発振時の寿命の注入電流依存性が、注
目する出力領域でτ(I)=cI-r(ただし、Iは注入
電流、cは定数)と近似される半導体レーザを用いてパ
ルス駆動発光素子を構成する。要求される平均出力P0
に対し、{(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r
<P/P0 を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなる
デューティ比で半導体レーザをパルス駆動する。最大寿
命を得る場合には、P=ηI0 /(r−1)を満たす出
力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ比で半導体
レーザをパルス駆動する。半導体レーザとしては、II
−VI族化合物半導体を用いた緑色発光の半導体レーザ
や、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた紫色な
いし青色発光の半導体レーザなどを用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パルス駆動発光
素子に関し、例えば、指示装置、照明装置、光電子情報
通信装置などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般の指示装置または建設用など
のレベリング装置としてのレーザポインタとしては、赤
色発光の半導体レーザを用いたものが実用化されてい
る。この赤色発光のレーザポインタに加えて、オレンジ
色、黄色、青色などで発光するレーザポインタが得られ
れば、多色化を図ることができる。
【0003】しかしながら、現状では、波長1.3〜
1.5μmで発光する半導体レーザ、赤外域で発光する
半導体レーザおよび赤色発光の半導体レーザ以外の半導
体レーザは連続発振時の寿命が発展途上で、万時間オー
ダーの寿命が得られていない。あるいは、これらの発光
波長の半導体レーザでも、確立した材料以外の材料を用
いた半導体レーザの寿命はまだ長くない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、これらの半導体
レーザにおいては、端面のCOD(catastrophic optic
al damage)破壊に対するレベルは、寿命によらず高いも
のが得られている。
【0005】そこで、緑色発光の半導体レーザなどの寿
命が発展途上の各種の色で発光する半導体レーザであっ
ても、実用化を図ることができる可能性がある。
【0006】また、半導体レーザの寿命が十分でも、平
均出力を一定に保ちつつその耐久時間を長くすることが
できれば有益である。
【0007】したがって、この発明の目的は、連続発振
時の半導体レーザの寿命を超えて長時間使用することが
できるパルス駆動発光素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、連続発振時
の寿命が短い半導体レーザの有効利用や連続発振時の寿
命が十分な半導体レーザのより長寿命化を図るべく、鋭
意検討を行った。以下にその概要について説明する。
【0009】いま、連続発振時の半導体レーザの寿命τ
の注入電流依存性が、注目している出力領域で τ(I)=cI-r (1) と近似することができるとする。ただし、Iは注入電
流、cは定数である。ここで、rは注目している出力領
域によって異なることがあり、例えば、ある出力領域で
はr1 であるが、他のある出力領域ではr2 (≠r1
となることがある。また、この半導体レーザは、しきい
電流I0 およびスロープ効率ηを有し、図1に示すよう
な出力(P)−電流(I)特性を有するとする。
【0010】図1に示すP−I特性は、 P=0 (I<I0 ) (2) P=η(I−I0 ) (I≧I0 ) (3) と表される。
【0011】(3)式より、 I=I0 +P/η (4) である。
【0012】要求される平均出力をP0 、パルス駆動時
の出力をPとすると、パルス駆動時のデューティ比βは
0 /Pに等しくなる。すなわち、β=P0 /Pであ
る。ここで、出力がPのときのτをτ(P)、出力がP
0 のときのτをτ(P0 )と書く。(4)式を(1)式
に代入すると τ(P)=c(I0 +P/η)-r (5) となる。
【0013】いま、パルス駆動時の実効寿命をτ(P)
/βと定義し、f(P)=τ(P)/βとおくと、
(5)式より f(P)=τ(P)/β={c(I0 +P/η)-r}/(P0 /P) =(c/P0 ){P/(I0 +P/η)r } (6) となる。
【0014】(6)式を (P0 /c)f(P)={P/(I0 +P/η)r } と変形し、両辺をPで微分すると (P0 /c)df(P)/dP =1/(I0 +P/η)r +P(−r){1/(I0 +P/η)r+1 }(1 /η) ={1/(I0 +P/η)r+1 }{I0 +P/η−(P/η)r} ={1/(I0 +P/η)r+1 }{(P/η)(1−r)+I0 }(7) となる。
【0015】df(P)/dP=0とおくと、f(P)
が最大となるのは P* =(I0 η)/(r−1) (8) のときであり、そのとき β=P0 /P* ={(r−1)/I0 η}P0 (9) である。また、f(P)の最大値は(8)式を(6)式
に代入することにより求められる。
【0016】P=P* のときの連続発振時の寿命に対す
るパルス発振時の寿命の比(以下「延命比」という。)
は 延命比={τ(P* )/β}/τ(P0 ) =[{c/(I0 +P* /η)r }/{c/(I0 +P0 /η)r }] ×(1/β) ={(ηI0 +P0 )/(ηI0 +P* )}r (1/β) (10) となる。
【0017】次に、パルス駆動時の実効寿命を連続発振
時の寿命τ(P0 )よりも長くするための条件は τ(P)/β>τ(P0 ) (11) で表される。(11)式に(5)式を代入すると {c(I0 +P/η)-r}/(P0 /P)>c(I0 +P0 /η)-r (12) となる。これより P/P0 >{(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r (13) となる。
【0018】(13)式を満たす出力Pで、かつ、β=P
0 /Pなるデューティ比でパルス駆動をすることによ
り、連続発振時の半導体レーザの寿命に比べて長寿命化
を図ることができる。
【0019】この発明は、本発明者による以上のような
検討に基づいて案出されたものである。
【0020】すなわち、上記課題を解決するために、こ
の発明は、しきい電流I0 およびスロープ効率ηを有
し、かつ、連続発振時の寿命の注入電流依存性が注目す
る出力領域でτ(I)=cI-r(ただし、Iは注入電
流、cは定数)と近似される半導体レーザを用い、要求
される平均出力P0 に対し、 {(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r <P/P
0 を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ
比で半導体レーザをパルス駆動するようにしたことを特
徴とするパルス駆動発光素子である。
【0021】この発明において、最も長寿命化を図るた
めには、P=ηI0 /(r−1)を満たす出力Pで、か
つ、β=P0 /Pなるデューティ比で半導体レーザをパ
ルス駆動する。
【0022】この発明において、典型的には、半導体レ
ーザは紫外から赤外の領域の発振波長を有し、具体的に
は、紫外、青、緑、赤、赤外の領域の発振波長を有す
る。
【0023】この発明において、半導体レーザの具体例
をいくつか挙げると、Zn、Be、Mg、CdおよびH
gからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上のII
族元素とSe、S、TeおよびOからなる群より選ばれ
た少なくとも一種類以上のVI族元素とにより構成され
たII−VI族化合物半導体を用いた半導体レーザ、A
l、Ga、InおよびBからなる群より選ばれた少なく
とも一種類以上のIII族元素とN、PおよびAsから
なる群より選ばれた少なくとも一種類以上のV族元素と
により構成されたIII−V族化合物半導体を用いた半
導体レーザ、Al、Ga、InおよびBからなる群より
選ばれた少なくとも一種類以上のIII族元素とNとに
より構成されたIII−V族化合物半導体を用いた半導
体レーザ、Al、Ga、InおよびBからなる群より選
ばれた少なくとも一種類以上のIII族元素とPおよび
Asからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上のV
族元素とにより構成されたIII−V族化合物半導体を
用いた半導体レーザ、有機半導体(有機エレクトロルミ
ネッセンス物質)を用いた半導体レーザなどである。I
I−VI族化合物半導体を用いた半導体レーザとして
は、例えばZnCdSeを活性層の材料として用いた緑
色発光の半導体レーザや、BeZnMgSeを活性層の
材料として用いた半導体レーザ、さらには赤色、緑色ま
たは青色で発光可能なZnMgCdSeを活性層の材料
として用いた半導体レーザなどが挙げられる。また、I
II−V族化合物半導体を用いた半導体レーザとして
は、紫色ないし青色で発光発光可能なInGaNを活性
層の材料として用いた半導体レーザ、可視光から赤外の
領域で発光可能なGaInNAsを活性層の材料として
用いた半導体レーザなどが挙げられる。さらに、有機半
導体を用いた半導体レーザとしては、テトラフェニルポ
ルフィリン(TPP)、テトラフェニルクロリン(TP
C)、アルミニウムヒドロキシキノリン(Alq3 )、
ジアミン誘導体(TPD)、p−sexiphenyl(p−6
P)などを活性層の材料として用いた半導体レーザが挙
げられる。これらの半導体レーザは、一般に連続発振時
の寿命が短いものである。
【0024】この発明においては、必要に応じて、これ
らの半導体レーザのうちの一つまたは複数を用いてパル
ス駆動発光素子が構成される。この場合、互いに発振波
長が異なる複数の半導体レーザを用いることにより、互
いに異なる二つ以上の発光波長を得ることができる。
【0025】上述のように構成されたこの発明において
は、要求される平均出力P0 に対し、{(I0 +P/
η)/(I0 +P0 /η)}r <P/P0 を満たす出力
Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ比で半導体レ
ーザをパルス駆動するようにしていることにより、使用
する半導体レーザの連続発振時の寿命よりも長時間使用
することができる。特に、P=ηI0 /(r−1)を満
たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ比で
半導体レーザをパルス駆動することにより、寿命の最大
化を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0027】図2はこの発明の一実施形態によるパルス
駆動発光素子の全体構成を示し、図3はこのパルス駆動
発光素子のヘッダー部分を拡大して示す。図2および図
3に示すように、この一実施形態によるパルス駆動発光
素子においては、ヘッダー1上に半円柱状のヒートシン
ク2が設けられ、このヒートシンク2の平坦な側面にチ
ップ状の半導体レーザ3がマウントされている。この場
合、この半導体レーザ3はそのp側電極(図示せず)を
上にして、すなわちpサイドアップでマウントされてい
る。符号3aはこの半導体レーザ3のストライプを示
す。ヘッダー1には3本のリード4、5、6が設けられ
ている。半導体レーザ3のp側電極とリード4の一端と
がワイヤー7によりボンディングされている。リード5
は接地端子であり、ヒートシンク2を介して半導体レー
ザ3のn側電極(図示せず)およびヘッダー1上に設け
られたモニター用フォトダイオード8のカソードと接続
されている。一方、リード6の一端は、ワイヤー9によ
りモニター用フォトダイオード8のアノードとボンディ
ングされている。半導体レーザ3およびヒートシンク2
の全体はヘッダー2上に取り付けられたキャップ10で
シールされている。キャップ10の上面には窓10aが
設けられ、この窓10aにガラス板11がはめ込まれて
いる。
【0028】図2および図3において、リード4、5を
通じて半導体レーザ3にしきい値電流以上の電流が注入
されると、そのフロント側の端面からレーザビーム12
が出射される。このレーザビーム12はキャップ10の
窓10aのガラス板11を通って外部に出射される。こ
のレーザビーム12は、必要に応じて、外部に設けられ
たレンズ系(例えば、ビームシフターと集光レンズとか
らなるものなど)に導かれる。
【0029】図4に、半導体レーザ3の一例として、I
I−VI族化合物半導体を用いた緑色発光の半導体レー
ザを示す。図4に示すように、この半導体レーザにおい
ては、n型GaAs基板101上に、図示省略したバッ
ファ層(例えば、n型GaAsバッファ層、n型ZnS
eバッファ層およびn型ZnSSeバッファ層を順次積
層したもの)を介して、n型ZnMgSSeクラッド層
102、n型ZnSSe光導波層103、活性層10
4、p型ZnSSe光導波層105、p型ZnMgSS
eクラッド層106、p型ZnSSeキャップ層10
7、p型ZnSe/ZnTe多重量子井戸(MQW)層
108およびp型ZnTeコンタクト層109が順次積
層されている。n型GaAs基板101にはn型不純物
として例えばSiがドープされ、厚さは例えば350μ
mである。n型ZnMgSSeクラッド層102および
n型ZnSSe光導波層103にはn型不純物として例
えばClがドープされている。また、p型ZnSSe光
導波層105、p型ZnMgSSeクラッド層106、
p型ZnSSeキャップ層107、p型ZnSe/Zn
TeMQW層108およびp型ZnTeコンタクト層1
09にはp型不純物として例えばNがドープされてい
る。レーザ構造を形成する各層の厚さの一例を挙げる
と、n型ZnMgSSeクラッド層102は1μm、n
型ZnSSe光導波層103およびp型ZnSSe光導
波層105はそれぞれ45nm、p型ZnMgSSeク
ラッド層106は1μm、p型ZnSSeキャップ層1
07は100nm、p型ZnTeコンタクト層110は
70nm、p型ZnSe/ZnTeMQW層108は3
nmである。活性層104は例えばZnCdSeからな
る単一量子井戸(SQW)構造を有し、そのZnCdS
e層の厚さは例えば3.5nm、そのII族元素の組成
はZnが65%、Cdが35%であり、その格子定数は
n型GaAs基板1の格子定数よりも若干大きくなって
いる。また、n型ZnSSe光導波層103およびp型
ZnSSe光導波層105のVI族元素の組成は例えば
Sが6%、Seが94%である。
【0030】p型ZnSSeキャップ層107の上部、
p型ZnSe/ZnTeMQW層108およびp型Zn
Teコンタクト層109は一方向に延びるストライプ形
状を有する。このストライプ部の幅は例えば2〜10μ
mである。このストライプ部の両側の部分には例えばA
2 3 膜のような絶縁層110が設けられており、こ
れによって電流狭窄構造が形成されている。ストライプ
形状のp型ZnTeコンタクト層109および絶縁層1
10上にはp側電極111が、p型ZnTeコンタクト
層109とオーミックコンタクトして設けられている。
p側電極111としては、例えば、厚さが10nmのP
d膜、厚さが100nmのPt膜および厚さが300n
mのAu膜が順次積層されたPd/Pt/Au電極が用
いられる。一方、n型GaAs基板101の裏面にはn
側電極112がオーミックコンタクトして設けられてい
る。このn側電極112としては例えばIn電極が用い
られる。
【0031】この半導体レーザの共振器長は例えば60
0μmであり、劈開面からなる共振器端面を有する。
【0032】図5に、半導体レーザ3の他の例として、
窒化物系III−V族化合物半導体を用いた紫色ないし
青色発光の半導体レーザを示す。図5に示すように、こ
の半導体レーザにおいては、例えば(0001)面方位
のサファイア基板201上に低温成長によるGaNバッ
ファ層202を介してアンドープGaN層203が積層
されている。サファイア基板201の厚さは例えば35
0μmである。アンドープGaN層203上にストライ
プ形状のSiO2 膜204が形成されている。そして、
アンドープGaN層203上に、このSiO2 膜204
を成長マスクとしていわゆるELOG(epitaxial late
ral over-growth)法により横方向エピタキシャル成長さ
れたアンドープGaN層205が積層されている。この
アンドープGaN層205上にn型GaNコンタクト層
206、n型AlGaNクラッド層207、n型GaN
光導波層208、活性層209、p型AlGaNキャッ
プ層210、p型GaN光導波層211、p型AlGa
Nクラッド層212およびp型GaNコンタクト層21
3が順次積層されている。n型GaNコンタクト層20
6、n型AlGaNクラッド層207およびn型GaN
光導波層208にはn型不純物として例えばSiがドー
プされている。p型AlGaNキャップ層210、p型
GaN光導波層211、p型AlGaNクラッド層21
2およびp型GaNコンタクト層213にはp型不純物
として例えばMgがドープされている。レーザ構造を形
成する各層の厚さの一例を挙げると、n型GaNコンタ
クト層206は4μm、n型AlGaNクラッド層20
7は1μm、n型GaN光導波層208は100nm、
p型AlGaNキャップ層210は20nm、p型Ga
N光導波層211は100nm、p型AlGaNクラッ
ド層212は1μm、p型GaNコンタクト層213は
50nmである。活性層209は、例えば厚さが3.5
nmのIn0.15Ga0.85N層と厚さが10.5nmのI
0.02Ga0.98N層とからなる4重量子井戸構造を有す
る。また、n型AlGaNクラッド層207およびp型
AlGaNクラッド層212のIII族元素の組成はA
lが14%、Gaが86%である。p型AlGaNキャ
ップ層210のIII族元素の組成はAlが20%、G
aが80%である。
【0033】n型GaNコンタクト層206の上部、n
型AlGaNクラッド層207、n型GaN光導波層2
08、活性層209、p型AlGaNキャップ層21
0、p型GaN光導波層211およびp型AlGaNク
ラッド層212の下部は所定のメサ形状を有する。ま
た、p型AlGaNクラッド層212の上部およびp型
GaNコンタクト層213はリッジ形状を有する。この
リッジ部の両側面およびこのリッジ部の両側の部分のp
型AlGaNクラッド層212上には例えばSiO2
のような絶縁膜214が設けられている。この絶縁膜2
14にはリッジ部の上の部分に開口214aが設けられ
ており、この開口214aを通じてp側電極215がp
型GaNコンタクト層213にオーミックコンタクトし
ている。このp側電極215としては例えばNi/Au
電極が用いられる。一方、メサ部の近傍の部分のn型G
aNコンタクト層206上にn側電極216がオーミッ
クコンタクトして設けられている。このn側電極216
としては例えばTi/Al電極が用いられる。
【0034】図6は、半導体レーザ3の駆動回路を示
す。図6に示すように、半導体レーザ3はパルス電源1
3により駆動される。半導体レーザ3はその種類に応じ
た発振波長を有する。このとき、パルス電源13を制御
することにより、レーザビーム12の出力を任意に設定
することができる。
【0035】この一実施形態において、半導体レーザ3
は、しきい電流I0 およびスロープ効率ηを有し、連続
発振時の寿命の注入電流依存性が、注目する出力領域で
τ(I)=cI-rと近似されるものである。そして、こ
のような半導体レーザ3を、要求される平均出力P0
対し、 {(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r <P/P
0 を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ
比でパルス駆動する。このときのパルス駆動発光素子の
実効寿命は半導体レーザ3の連続発振時の寿命よりも長
くすることができる。
【0036】特に、P=ηI0 /(r−1)を満たす出
力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ比で半導体
レーザをパルス駆動することにより、連続発振時の寿命
に対して、 延命比={(ηI0 +P0 )/(ηI0 +P* )}
r (1/β) を得ることができる。言い換えれば、この一実施形態に
よるパルス駆動発光素子の寿命は、連続発振時の半導体
レーザ3の寿命に比べて、この延命比倍だけ長くなる。
【0037】例えば、図7はII−VI族化合物半導体
を用いた半導体レーザの出力と寿命との関係の測定結果
の一例を示す。測定温度は40℃である。実線で示す曲
線はJ-4理論(Jはしきい電流密度)による理論曲線で
あり、特に低出力側で測定データと良く一致している。
このJ-4に従う変化はτ(I)=cI-rにおいてr=4
の場合に相当する。
【0038】図7より、10mW出力時の寿命は1mW
出力時の寿命に比べて約1/2に低下するのに対し、こ
の一実施形態によるパルス駆動発光素子においては、平
均出力P0 =1mWに対し、出力P=10mWで、か
つ、デューティ比10%でパルス駆動すると、1/β=
10であるので、約5倍の寿命向上となる。
【0039】以上のように、この一実施形態によるパル
ス駆動発光素子によれば、要求される平均出力P0 に対
し、{(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r <P
/P0 を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデュ
ーティ比で半導体レーザ3をパルス駆動することによ
り、半導体レーザ3の連続発振時の寿命を超えて長時間
使用することができる。特に、P=ηI0 /(r−1)
を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ
比で半導体レーザ3をパルス駆動することにより、寿命
の最大化を図ることができる。このため、半導体レーザ
3として、寿命が発展途上にある図4または図5に示す
ような緑色または青色発光の半導体レーザを用いて、実
用化に耐えられる十分な寿命を有するパルス駆動発光素
子を得ることができる。
【0040】この一実施形態によるパルス駆動発光素子
により、緑色または青色発光のレーザポインタを実現す
ることができる。また、そのほかに、このパルス駆動発
光素子は、光電子装置、照明装置、光通信装置などの光
装置全般に適用することができることは勿論、高温で動
作させる必要のある車載用の半導体レーザ装置を有する
機器などにも適用可能である。
【0041】以上、この発明の一実施形態について具体
的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種
の変形が可能である。
【0042】例えば、上述の一実施形態において挙げた
数値や構造などははあくまでも例に過ぎず、必要に応じ
て、これらと異なる数値や構造などを用いてもよい。
【0043】具体的には、上述の一実施形態において半
導体レーザ3の例として挙げた図4に示す半導体レーザ
において、n型ZnSSe光導波層103およびp型Z
nSSe光導波層105の代わりにアンドープZnSS
e光導波層を用いてもよい。同様に、図5に示す半導体
レーザにおいて、n型GaN光導波層208およびp型
GaN光導波層211の代わりにアンドープGaN光導
波層を用いてもよい。さらに、これらの半導体レーザの
代わりにレーザ構造が異なる他の半導体レーザを用いて
もよい。
【0044】また、上述の一実施形態においては、半導
体レーザ3をpサイドアップでマウントした場合につい
て説明したが、半導体レーザ3はpサイドダウンでマウ
ントしてもよい。このときの半導体レーザ3の駆動回路
としては図9に示すものを用いる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によるパ
ルス駆動発光素子によれば、要求される平均出力P0
対し、{(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r
P/P0 を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデ
ューティ比で半導体レーザをパルス駆動するようにして
いることにより、連続発振時の半導体レーザの寿命を超
えて長時間使用することができ、特に、P=ηI0
(r−1)を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなる
デューティ比で半導体レーザをパルス駆動することによ
り、寿命の最大化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザの出力−電流特性を示す略線図で
ある。
【図2】この発明の一実施形態によるパルス駆動発光素
子の全体構成を示す斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態によるパルス駆動発光素
子のヘッダー部を拡大して示す略線図である。
【図4】この発明の一実施形態によるパルス駆動発光素
子における半導体レーザの具体例を示す断面図である。
【図5】この発明の一実施形態によるパルス駆動発光素
子における半導体レーザの他の具体例を示す断面図であ
る。
【図6】この発明の一実施形態によるパルス駆動発光素
子における半導体レーザの駆動回路の一例を示す略線図
である。
【図7】II−VI族化合物半導体を用いた半導体レー
ザの寿命と出力との関係を示す略線図である。
【図8】この発明の一実施形態によるパルス駆動発光素
子における半導体レーザの駆動回路の他の例を示す略線
図である。
【符号の説明】
3・・・半導体レーザ、12・・・レーザビーム、13
・・・パルス電源、101・・・n型GaAs基板、1
02・・・n型ZnMgSSeクラッド層、104・・
・活性層、106・・・p型ZnMgSSeクラッド
層、111・・・p側電極、112・・・n側電極、2
01・・・サファイア基板、207・・・n型AlGa
Nクラッド層、209・・・活性層、212・・・p型
AlGaNクラッド層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 しきい電流I0 およびスロープ効率ηを
    有し、かつ、連続発振時の寿命の注入電流依存性が注目
    する出力領域でτ(I)=cI-r(ただし、Iは注入電
    流、cは定数)と近似される半導体レーザを用い、 要求される平均出力P0 に対し、 {(I0 +P/η)/(I0 +P0 /η)}r <P/P
    0 を満たす出力Pで、かつ、β=P0 /Pなるデューティ
    比で上記半導体レーザをパルス駆動するようにしたこと
    を特徴とするパルス駆動発光素子。
  2. 【請求項2】 P=ηI0 /(r−1)を満たす出力P
    で、かつ、β=P0/Pなるデューティ比で上記半導体
    レーザをパルス駆動するようにしたことを特徴とする請
    求項1記載のパルス駆動発光素子。
  3. 【請求項3】 上記半導体レーザは紫外から赤外の領域
    の発振波長を有することを特徴とする請求項1記載のパ
    ルス駆動発光素子。
  4. 【請求項4】 上記半導体レーザは、Zn、Be、M
    g、CdおよびHgからなる群より選ばれた少なくとも
    一種類以上のII族元素とSe、S、TeおよびOから
    なる群より選ばれた少なくとも一種類以上のVI族元素
    とにより構成されたII−VI族化合物半導体を用いた
    半導体レーザであることを特徴とする請求項1記載のパ
    ルス駆動発光素子。
  5. 【請求項5】 上記半導体レーザは、Al、Ga、In
    およびBからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上
    のIII族元素とN、PおよびAsからなる群より選ば
    れた少なくとも一種類以上のV族元素とにより構成され
    たIII−V族化合物半導体を用いた半導体レーザであ
    ることを特徴とする請求項1記載のパルス駆動発光素
    子。
  6. 【請求項6】 上記半導体レーザは、Al、Ga、In
    およびBからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上
    のIII族元素とNとにより構成されたIII−V族化
    合物半導体を用いた半導体レーザであることを特徴とす
    る請求項1記載のパルス駆動発光素子。
  7. 【請求項7】 上記半導体レーザは、Al、Ga、In
    およびBからなる群より選ばれた少なくとも一種類以上
    のIII族元素とPおよびAsからなる群より選ばれた
    少なくとも一種類以上のV族元素とにより構成されたI
    II−V族化合物半導体を用いた半導体レーザであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のパルス駆動発光素子。
  8. 【請求項8】 上記半導体レーザは有機半導体を用いた
    半導体レーザであることを特徴とする請求項1記載のパ
    ルス駆動発光素子。
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