JP2000132137A - 垂直同期信号検出回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶モニタ等の垂直同期信号検出回路におい
て、垂直同期信号を確実に取り込むことができ、変動の
少ない画面表示が可能となる垂直同期信号検出回路を提
供することを目的とする。 【解決手段】 水平カウンタ２と、水平同期信号幅レジ
スタ３と、比較器４と、垂直同期信号取り込み回路５か
ら構成する。水平同期信号がＨレベルの期間の後、更に
同じ期間を経過した時点で垂直同期信号を取り込む。つ
まり、水平同期信号幅の２倍の位置で垂直同期信号を取
り込むことにより確実に取り込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶モニタ等のフ
ラットパネルディスプレイの垂直同期信号検出回路に関
する。

【０００２】

【従来の技術】液晶モニタ等のフラットパネルディスプ
レイでは、垂直同期信号と水平同期信号に基づき、パー
ソナルコンピュータなどの機器から送られてくる映像信
号を各画素毎にサンプリングして各画素への表示データ
を生成している。これらの同期信号はＣＲＴへの表示を
前提にしているため、フロントポーチやブランク期間な
どＣＲＴ固有で、フラットパネルディスプレイに表示す
る際に余分なタイミングを含んでいる。これらの余分な
タイミングを取り除き表示する映像信号を抽出するため
に、横方向の表示は水平同期信号からＮＨ個のドットク
ロックを数えた後に実際に表示する映像信号を取り込
み、縦方向の表示は垂直同期信号からＮＶ個の水平同期
信号を数えた後に表示する映像信号を取り込むことによ
り、フラットパネルディスプレイの全面へ映像信号を表
示している。なお、ＮＨ、ＮＶは表示モードやソースと
なる機器によって異なる。

【０００３】通常は水平同期信号と垂直同期信号は同期
しているため、垂直同期信号は水平同期信号をクロック
として計数しても一意に定まるものであるが、垂直同期
信号の変化点は水平同期信号の立ち上がりもしくは立ち
下がり近辺にあり、かつ機器によりばらつきが伴うた
め、偶発的に垂直同期信号の開始点を取りこぼす場合が
ある。取りこぼしがあると本来表示すべき映像信号がず
れてフラットパネルディスプレイには１ライン分表示が
欠落してしまうため、垂直同期信号は水平同期信号に対
して正しく取り込む必要がある。

【０００４】従来の垂直同期信号検出回路について、図
５を参照しながら説明する。図５（ａ）は従来の垂直同
期信号検出回路のブロック図、図５（ｂ）はタイミング
チャートである。図５（ａ）において垂直同期信号をデ
ィレイバッファで遅延させたものを、水平同期信号の立
ち上がりで取り込んでいる。通常、垂直同期信号の立ち
上がり・立ち下がりは、水平同期信号の立ち上がりまた
は立ち下がり近辺に存在する。垂直同期信号をクロック
として水平同期信号で取り込んだだけでは、垂直同期信
号と水平同期信号の変化のタイミングがほぼ同じ位置に
あった場合には垂直同期信号の取りこぼしが発生してし
まい、画像の表示位置が１ライン分欠落する可能性があ
るため、垂直同期信号をディレイバッファで遅延させた
ものを、水平同期信号の立ち上がりで取り込んでいる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の垂直
同期信号検出回路を用いた液晶モニタ等の場合は、様々
な機器が出力する映像信号と同期信号に対応するため、
どの様なタイミングの同期信号を受けても正しく表示す
るよう最適な遅延量を決定する必要がある。ところが、
従来の垂直同期信号検出回路で用いている遅延回路で
は、正しく垂直同期信号を検出するために必要十分な遅
延量を得ることが難しく、実際に表示位置がずれた場合
はマニュアル操作で補正するなどの処理を行っていた。

【０００６】本発明は上記課題を解決するもので、遅延
量の決定が難しいディレイバッファ等を必要とせず、簡
単な回路構成により水平同期信号と垂直同期信号の周波
数・極性によらず、垂直同期信号を確実に取り込むこと
ができる垂直同期信号検出回路を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、同期信号処理回路より出力された正極性の
垂直同期信号と水平同期信号を受けて、ドットクロック
に基づき水平周期の間カウントアップする水平カウンタ
と、水平同期信号がＨレベルの時間の幅を計測したクロ
ック数を格納する水平同期信号幅レジスタと、前記水平
同期信号幅レジスタの値を２倍にした値と前記水平カウ
ンタの値とを比較して垂直同期取り込み信号を生成する
比較器と、前記垂直同期取り込み信号のタイミングで垂
直同期信号を取り込む垂直同期信号取り込み回路とを具
備したことを特徴とする。

【０００８】これにより、垂直同期信号の立ち上がり・
立ち下がりが、水平同期信号の立ち上がり近辺にばらつ
いても、立ち下がり近辺にばらついても、確実に垂直同
期信号を取り込むことができ、ライン欠けのない画面表
示が得られる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、水平同期信号の起点から次の水平同期信号までの間
の時間をドットクロックで計数する水平カウンタと、水
平同期信号がＨレベルである時間を前記ドットクロック
で計数した値を記憶する水平同期信号幅レジスタと、前
記水平同期信号幅レジスタの値に規定値を乗じた値と、
前記水平カウンタの値を比較することにより前記水平同
期信号より遅延したタイミングで垂直同期信号を取り込
むことを特徴とする垂直同期信号検出回路であり、垂直
同期信号の立ち上がり・立ち下がりが、水平同期信号の
立ち上がり近辺にばらついても、立ち下がり近辺にばら
ついても、確実に垂直同期信号を取り込むことができ、
変動の少ない画面表示が可能であるという作用を有す
る。

【００１０】本発明の請求項２に記載の発明は、水平同
期信号の立ち下がりから前記水平同期信号のＨレベルの
時間遅延したタイミングで垂直同期信号を取り込むこと
を特徴とする、請求項１に記載の垂直同期信号検出回路
であり、簡単な回路構成で、垂直同期信号の立ち上がり
・立ち下がりが、水平同期信号の立ち上がり近辺にばら
ついても、立ち下がり近辺にばらついても、確実に垂直
同期信号を取り込むことができ、変動の少ない画面表示
を実現するという作用を有する。

【００１１】（実施の形態）以下本発明の一実施の形態
について、図面を参照しながら説明する。

【００１２】図１において、１は同期信号処理回路であ
って、映像信号を発生するソース、例えばパーソナルコ
ンピュータが出力する同期信号を受けて常に正極性の垂
直同期信号１３と水平同期信号１４とを出力する。ソー
スとなる同期信号はコンポジットでも、シンクオングリ
ーンでも、垂直・水平が独立しているものであっても構
わない。２は水平カウンタであって、水平同期信号１４
の周期の間、水平同期信号の始まりを起点としてドット
クロックで計数した値２２を出力する。３は水平同期信
号幅レジスタであって、水平同期信号１４と、水平カウ
ンタ２の値２２とから水平同期信号がＨレベルの時間を
示す値３３を出力する。４は比較器であって、水平同期
信号幅レジスタ３の値３３と、水平カウンタ２の値２２
とを受けて、水平カウンタ２の値２２が水平同期信号幅
レジスタ３の値３３の２倍と等しくなった時点で、垂直
同期取り込み信号４３を出力する。５は垂直同期信号取
り込み回路であって、正極性の垂直同期信号１３と、垂
直同期取り込み信号４３とを受けて、垂直同期検出信号
５３を出力する。

【００１３】以上の構成に基づき、例として垂直同期信
号の幅３ライン、水平同期信号の周期Ｎ、水平同期信号
の幅Ｍ、垂直同期信号が水平同期信号の立ち上がり近辺
で変化する場合について、図２から図４を用いてその動
作を説明する。図２は垂直同期信号検出回路の垂直同期
信号付近のタイミングチャート、図３は図２のＡの部分
で、垂直同期信号の立ち上がり部分の詳細を示すタイミ
ングチャート、図４は図２のＢの部分で、垂直同期信号
の立ち下がり部分の詳細を示すタイミングチャートであ
る。同期信号処理回路１は、パーソナルコンピュータか
らの同期信号を受けて、常に正極性の垂直同期信号１３
と水平同期信号１４を出力する。水平カウンタ２は、水
平同期信号１４の周期が始まる立ち上がりで水平カウン
タ２をリセットする。そして、次の水平同期信号１４の
立ち上がりまでドットクロックを計数する。水平同期信
号幅レジスタ３は、水平同期信号１４の立ち下がりのタ
イミングにおける水平カウンタ２の値２２を取り込む。
つまり、水平同期信号がＨレベルの時間の幅をドットク
ロックで計数した値Ｍが水平同期信号幅レジスタ３に格
納される。比較器４は、水平同期信号幅レジスタ３の値
Ｍを受けて、Ｍを１ビットシフトし２倍にした値２Ｍ
と、水平カウンタ２の出力２２を比較し、水平カウンタ
２の出力２２と２Ｍが等しくなった時、垂直同期取り込
み信号４３を出力する。垂直同期信号取り込み回路５
は、垂直同期取り込み信号４３が入力されると、同期信
号処理回路１から出力される垂直同期信号１３が取り込
まれる。

【００１４】垂直同期信号１３が取り込まれる位置は、
垂直同期信号１３の変化点である立ち上がり、立ち下が
りとは十分離れた位置にあり、垂直同期信号１３を確実
に取り込むことが出来る。また、信号モードが変わって
水平同期信号の幅が変化した場合でも、それに応じて垂
直同期信号が取り込まれる位置も変化するので、さまざ
まな信号モードに対応して垂直同期信号を確実に取り込
むことが出来る。

【００１５】なお、実施の形態において垂直同期信号の
変化点が水平同期信号の立ち上がり近辺にある例を用い
て説明したが、変化点が立ち下がり近辺にある場合で
も、垂直同期信号が取り込まれる位置は垂直同期信号の
立ち上がり立ち下がりからは、水平同期信号の幅Ｍ分だ
け離れた位置にあり、垂直同期信号を確実に取り込むこ
とが出来る。そして、垂直同期信号の幅を３ラインで説
明したが、３ラインに限定するものではなく、他の値で
も同様の効果が期待できる。また、水平同期の幅の計測
に水平カウンタ２、水平同期信号がＨレベルの時間を示
す値３３の格納に水平同期信号幅レジスタ３、カウンタ
とレジスタの比較に比較器４を設けているが、カウン
タ、レジスタ、比較データのビット数を何ら限定するも
のではない。

【００１６】また、水平同期信号がＨレベルの時間の幅
だけ垂直同期信号の立ち下がりから遅延させて垂直同期
信号を取り込む例で説明したが、垂直同期信号の取り込
みのタイミングがそれよりも前または後ろにずらした方
がより安定して動作するような場合では、水平同期信号
幅レジスタ３の値３３を１ビットシフトして２倍にする
代わりに任意の値を掛け合わせる、あるいは任意の値を
加算して演算処理することにより容易に所定のタイミン
グにずらすことができる。

【００１７】また、垂直同期取り込み信号４３の発生
に、水平カウンタ２と水平同期信号幅レジスタ３と比較
器４を用いた例で説明したが、その他の計数方法で実現
してもよく、たとえばアップダウンカウンタを用いて、
水平同期信号がＨレベルの間カウントアップし、Ｌレベ
ルの間カウントダウンしてゼロになったタイミングでも
同様に水平同期信号がＨレベルの時間だけ遅延したタイ
ミングとなるので、このタイミングで垂直同期取り込み
信号４３を発生しても同様の効果が期待できる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、極めて簡
易な構成で、垂直同期信号の取り込み位置を、垂直同期
信号の変化するポイントから十分離れたタイミングと
し、垂直同期信号を確実に取り込むことができるため、
多様な同期信号のタイミングを出力する機器に接続して
も表示ラインに欠けのない画面表示が可能となり、その
実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態による垂直同期信号検出
回路のブロック図

【図２】図１における垂直同期信号検出回路のタイミン
グチャート

【図３】図２における垂直同期信号検出回路の垂直同期
信号立ち上がり検出部分Ａの詳細を示すタイミングチャ
ート

【図４】図２における垂直同期信号検出回路の垂直同期
信号立ち下がり検出部分Ｂの詳細を示すタイミングチャ
ート

【図５】（ａ）従来の垂直同期信号検出回路のブロック
図 （ｂ）タイミングチャート

【符号の説明】

１ 同期信号処理回路 ２ 水平カウンタ ３ 水平同期信号幅レジスタ ４ 比較器 ５ 垂直同期信号取り込み回路 １１ 同期信号 １３ 垂直同期信号 １４ 水平同期信号 ２２ 水平カウンタの値 ３３ 水平同期信号幅レジスタの値 ４３ 垂直同期取り込み信号 ５３ 垂直同期検出信号

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平同期信号の起点から次の水平同期信号
   の起点までの間の時間をドットクロックで計数する水平
   カウンタと、前記水平同期信号がＨレベルである時間を
   前記ドットクロックで計数した値を記憶する水平同期信
   号幅レジスタと、前記水平同期信号幅レジスタの値に規
   定値を乗じた値と、前記水平カウンタの値を比較するこ
   とにより前記水平同期信号の立ち下がりより遅延したタ
   イミングで垂直同期信号を取り込むことを特徴とする垂
   直同期信号検出回路。
2. 【請求項２】水平同期信号の立ち下がりから前記水平同
   期信号がＨレベルの時間遅延したタイミングで垂直同期
   信号を取り込むことを特徴とする、請求項１に記載の垂
   直同期信号検出回路。