JP2000131845A - ポジ型感光性樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置

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JP2000131845A
JP2000131845A JP30046698A JP30046698A JP2000131845A JP 2000131845 A JP2000131845 A JP 2000131845A JP 30046698 A JP30046698 A JP 30046698A JP 30046698 A JP30046698 A JP 30046698A JP 2000131845 A JP2000131845 A JP 2000131845A
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JP
Japan
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photosensitive resin
resin composition
positive photosensitive
semiconductor device
dianhydride
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JP30046698A
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English (en)
Inventor
Shiyuusaku Okaaki
周作 岡明
Toshio Banba
敏夫 番場
Takashi Hirano
孝 平野
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性の高いポジ型感光性樹脂組成物によ
り、信頼性の高い半導体装置を提供する。 【解決手段】 ポリベンゾオキサゾール前駆体を主体と
してなるポジ型感光性樹脂組成物を、硬化後の膜厚が1
±0.1μmになるようにシリコンウエハー上に塗布し、硬
化し、125℃、2.3atm.,100%RH,24hrsの条件でプレッシャ
ークッカー処理した後の接着力が、スクラッチテスター
で2g/mm2以上あり、かつ、該組成物の硬化膜に対する
半導体封止用エポキシ樹脂硬化物の接着力が、前記条件
でのプレッシャークッカー処理後の剪断試験で3kg/mm2
以上あるポジ型感光性樹脂組成物を使用することによっ
て、信頼性の高い半導体装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着性の高いポジ型
感光性樹脂組成物、およびそれを用いた信頼性の高い半
導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体素子の表面保護膜や層
間絶縁膜として、優れた耐熱性、電気特性、機械特性等
を有するポリイミドが用いられてきた。近年になり、半
導体素子の高集積化やチップの大型化、パッケージの薄
型化・小型化、あるいは半田リフローによる表面実装化
等の技術展開が進んでいる。これに伴い、表面保護膜や
層間絶縁膜用の樹脂に対しても、耐熱サイクル性、耐熱
ショック性等のより一層の向上が要求されるようになっ
てきた。一方最近になり、ポリイミドの感光性化技術が
注目を集めてきており、例えば下記式(2)のようなネ
ガ型感光性ポリイミドが開発されている。
【0003】
【化2】
【0004】このネガ型感光性樹脂組成物を用いると、
パターン作成工程数を削減できるため、製造歩留まりを
向上させうる効果がある。ところがこのネガ型感光性樹
脂組成物は、現像の際に、N−メチル−2−ピロリドン
等の有機溶剤が必要となるため、安全性、取扱性におい
て問題があつた。
【0005】この様な状況に鑑み、最近、ポリイミドに
代わる新しい感光性樹脂組成物が開発されはじめた。例
えば、特公平1-46862号公報においては、ポリベンゾオ
キサゾール前駆体またはその樹脂と、ジアゾキノン化合
物より構成されたポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール
が開示されている。このポジ型感光性樹脂組成物は、安
全性、取扱性に有利なアルカリ水溶液で現像できるだけ
でなく、優れた耐熱性、電気特性、機械特性を有し、微
細加工性にも優れている。このため、ポジ型感光性樹脂
組成物は半導体装置のバッファーコート用保護膜や多層
配線用層間絶縁膜として有望である。
【0006】このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニ
ズムは次のように考えられる。すなわち、元来、感光剤
であるジアゾキノン化合物はアルカリ水溶液に不溶であ
る。一方、ポリベンゾオキサゾール前駆体はアルカリ水
溶液に可溶で、ゆっくりと溶解する。ジアゾキノン化合
物をポリベンゾオキサゾール前駆体に混合すると、ジア
ゾキノン化合物はポリベンゾオキサゾール前駆体の溶解
阻止剤として働く。すなわち、未露光部のポリベンゾオ
キサゾール前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻
止する性質を現す。一方、露光された部分のジアゾキノ
ン化合物は化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶性
となる。これにより、露光部のポリベンゾオキサゾール
前駆体のアルカリ水溶液に対する溶解性は大いに促進さ
れ、溶解速度が速くなる。この露光部と未露光部での溶
解性の差を利用して現像することにより、未露光部のみ
が残ったレリーフパターンを作成することができる。
【0007】これら感光性樹脂組成物を半導体装置に使
用する場合、特に問題となるのは、感光性樹脂の硬化膜
とシリコンウエハー、及び感光性樹脂の硬化膜と封止樹
脂の硬化物との接着性である。接着性が劣ると、その界
面で剥離が生じ、湿気その他が侵入、チップ上の配線を
腐食し、導通不良を起こし、半導体の信頼性を著しく低
下させることになる。このため半導体装置に使用できる
感光性樹脂組成物は、特に接着性が優れたものでなけれ
ばならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は接着性の高い
ポジ型感光性樹脂組成物、およびそれを用いた信頼性の
高い半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリベンゾオ
キサゾール前駆体を主体としてなるポジ型感光性樹脂組
成物を、硬化後の膜厚が1±0.1μmになるようにシリコ
ンウエハー上に塗布し、硬化し、125℃、2.3atm.,100%R
H,24hrsの条件でプレッシャークッカー処理した後の接
着力が、スクラッチテスターで2g/mm2以上あり、か
つ、該組成物の硬化膜に対する半導体封止用エポキシ樹
脂硬化物の接着力が、前記条件でのプレッシャークッカ
ー処理後の剪断試験で3kg/mm2以上あるポジ型感光性樹
脂組成物とこれを用いた半導体装置からなる。本発明で
使用するポリベンゾオキサゾール前駆体は、一般式
(1)で示される。
【0010】
【化1】
【0011】式(1)のポリベンゾオキサゾール前駆体
は、Xの構造を有するビスフェノールと、Yの構造を有
するジカルボン酸と、Eの構造を有する末端処理剤と、
必要によりZの構造を有する変性剤からなる。このポリ
ベンゾオキサゾール前駆体は、約300〜400℃で加熱され
ると閉環し、耐熱性に富むポリベンゾオキサゾールに変
化する。式(1)のXには、例えば、下記のものが挙げ
られるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0012】
【化3】
【0013】また式(1)のYには、例えば下記のもの
が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0014】
【化4】
【0015】また式(1)のEには、例えば下記のもの
が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0016】
【化5】
【0017】更に、式(1)のZには、例えば下記のも
のが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0018】
【化6】
【0019】なお、これらX、Y、E、Zの使用にあた
っては、それぞれ1種類であっても2種類以上の混合物
であっても構わない。本発明のポジ型感光性樹脂組成物
は、一般式(1)で示されるポリベンゾオキサゾール前
駆体を主体とし、ポジ型感光剤を配合することを基本と
している。
【0020】本発明で使用するポジ型感光剤は、1,2
−ベンゾキノンジアジドあるいは1,2−ナフトキノン
ジアジド構造を有するジアゾキノン化合物である。これ
らは米国特許明細書第2,772,972号、第2,797,213号、第
3,669,658号に開示された公知の物質である。
【0021】これらのキノンジアジド化合物をノボラッ
ク樹脂に配合したポジレジストは、半導体チップ上の回
路作製のために、現在盛んに使用されている。すなわ
ち、キノンジアジド化合物は溶解阻止能を有しているた
め、ノボラック樹脂の溶解性を低下させ、高残膜のレリ
ーフパターンを与えることが出来る。
【0022】ところが、特公平1-46862号公報に開示さ
れているように、ノボラック樹脂に効果のあるキノンジ
アジド化合物でも、ポリベンゾオキサゾール前駆体に対
しては効果が無く、溶解阻止能が低いものがある。溶解
阻止能が低いと残膜率が低くなり、良好なパターン形状
を得ることが出来ない。本発明で使用するキノンジアジ
ド化合物としては下記のものが挙げられるが、特にこれ
らに限定されるものではない。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】本発明で使用するポジ型感光性樹脂組成物
には、必要により感光特性を高めるためのジヒドロピリ
ジン誘導体を加えることができる。ジヒドロピリジン誘
導体としては、例えば2,6−ジメチル−3,5−ジア
セチル−4−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒ
ドロピリジン、4−(2′−ニトロフェニル)−2,6
−ジメチル−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒ
ドロピリジン、4−(2′,4′−ジニトロフェニル)
−2,6−ジメチル−3,5−ジカルボメトキシ−1,
4−ジヒドロピリジン等を挙げることができる。
【0027】本発明で使用するポジ型感光性樹脂組成物
には、感度特性を高め、かつ露光部の溶解性を向上させ
るために溶解促進剤を配合することができる。溶解促進
剤としては、例えば下記のようなフェノール化合物が挙
げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】本発明で使用するポジ型感光性樹脂組成物
には、一般式(3)、(4)、(5)で示される有機ケ
イ素化合物を、ポジ型感光性樹脂硬化膜とシリコンウエ
ハー及び半導体封止用エポキシ樹脂系硬化物との接着性
を向上させるために配合する。有機珪素化合物は1種又
は2種以上混合して用いてもよい。また使用量は、少な
すぎると接着性向上効果が得られず、多すぎるとポジ型
感光性樹脂硬化膜の機械強度が低下して応力緩和効果が
薄れるので好ましくない。
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】一般式(3)、(4)で示される有機ケイ
素化合物は、酸(二)無水物とアミノ基を備えたシラン
カップリング剤とを有機溶媒中、20〜100℃で30分〜10
時間反応させることにより得られる。
【0035】酸無水物としては、無水マレイン酸、無水
コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水
フタル酸などが挙げられるが、特にこれらに限定される
ものではない。
【0036】また酸二無水物としては、ピロメリット酸
二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン
酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレ
ン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水
物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二
無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン
酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,
7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6,−テト
ラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,
3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,
6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水
物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロ
ロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,
3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ジフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3″,4,4″−p−テルフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,2″,3,3″−p−テル
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3″,
4″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロ
パン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボ
キシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テト
ラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−
テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,
11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,
11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレ
ン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェ
ナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水
物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボ
ン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラ
カルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テ
トラカルボン酸二無水物、4,4′−ヘキサフルオロイ
ソプロピリデンジフタル酸二無水物等が挙げられるが、
特にこれらに限定されるものではない。
【0037】アミノ基を有するシランカップリング剤と
しては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−
アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルエチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジ
エチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエチルエ
トキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラ
ン等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0038】一般式(5)で示される有機ケイ素化合物
は、エポキシ基を有するシランカップリング剤とテトラ
カルボン酸二無水物とを20〜100℃で30分〜10時間反応
させることによって得られる。
【0039】酸二無水物としては、一般式(4)の有機
ケイ素化合物の場合と同様のものが挙げられるが、特に
これらに限定されない。また、シランカップリング剤と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルジエチルメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルジエチルエトキシシラン等が挙げられるが、特
にこれに限定されない。
【0040】上記の一般式(3)、(4)、(5)で表
される有機ケイ素化合物は、反応することによって得ら
れ、かつこれを配合したポジ型感光性樹脂組成物に優れ
た特性を付与しているが、反応せずに各々の原料をその
ままま配合することによっても優れた特性を発現させる
ことが出来る。
【0041】ポジ型感光性樹脂硬化膜とシリコンウエハ
ーとの接着試験はスクラッチテスターで行い、接着力は
2g/mm2以上あることが好ましい。接着力が2g/mm2以下
であると、過酷な使用条件下で剥離が生じ、これを使用
した半導体装置の信頼性が損なわれる。
【0042】また、ポジ型感光性樹脂硬化膜と半導体封
止用エポキシ樹脂硬化物との接着試験は剪断試験で行
い、接着力は3kg/mm2以上あることが好ましい。接着力
が3kg/mm2以下であると、過酷な使用条件下で剥離が生
じ、これを使用した半導体装置の信頼性が損なわれる。
【0043】本発明で使用するポジ型感光性樹脂組成物
には、必要によりレベリング剤、シランカップリング剤
等の添加剤を添加することができる。またワニス状にす
るために、各種の溶剤が使用される。溶剤としては、N
−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳
酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−
ジブチレングリコールアセテート、1,3−ジブチレン
グリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチ
ル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオ
ネート等が挙げられるが、これに限定されない。又溶剤
は単独でも混合して使用してもよい。
【0044】本発明になる、接着性の優れたポジ型感光
性樹脂組成物を使用した高信頼性の半導体装置は、例え
ば下記のような方法によって得ることが出来る。まず、
ポジ型感光性樹脂組成物をアルミあるいは銅配線の描か
れたシリコンウェハー上に塗布する。塗布方法として
は、スピンナーを用いた回転塗布や、スプレーコーター
を用いた噴霧塗布、あるいは浸漬、印刷、ロールコーテ
ィング等の方法で行われる。次に、60〜140℃でプリベ
ークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を
照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可
視光線等が使用できる。次に照射部を現像液で溶解除去
することによりレリーフパターンを得る。
【0045】現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタ
ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、
エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、
ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミ
ン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第
3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶
液、あるいはこれにメタノール、エタノールのごとき水
溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を使
用することができる。現像方法としては、スプレー、パ
ドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
【0046】次に、現像によって形成されたレリーフパ
ターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用
する。次に加熱処理を行い、オキサゾール環を形成し、
耐熱性に富む最終パターンを得る。このシリコンウェハ
ーを個別のチップに分割し、リードフレームに搭載後、
ワイヤーをはり、封止樹脂でパッケージにすることによ
り半導体装置を得る。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 《実施例1》 *ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成 ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール2モルとを反応させ
て得られたジカルボン酸誘導体443.2g(0.9モル)とヘ
キサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン366.3g(1.0モル)とを、攪拌
機、温度計、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管付き冷却
管を備えた4つ口フラスコに入れ、N−メチル−2−ピ
ロリドン3000gを加えて溶解させた後、75℃にて12時間
攪拌し反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン50
0gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン
酸二無水物32.8g(0.2モル)を加え、更に12時間攪拌し
反応を終了した。反応混合物を濾取した後、水/メタノ
ール(3/1)の溶液に投入する。その後、沈澱物を捕
集し、水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポ
リベンゾオキサゾール前駆体を得た。
【0048】*ポジ型感光性樹脂組成物の作製 該ポリベンゾオキサゾール前駆体100重量部、下記構造
式を有するジアゾキノン化合物(Q)27重量部、下記構
造式を有するフェノール化合物(P)11重量部、下記構
造式を有する有機ケイ素化合物(S−1)5重量部をN
−メチル−2−ピロリドン200重量部に溶解した後、0.2
μmのテフロンフィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂
組成物を得た。
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】*シリコンウェハーとの密着性の評価(ス
クラッチテスト) 該ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピ
ンナーを用いて塗布した。これをオーブンに入れ、120
℃で4分間プリベーク後、更に、150℃/30分間、250℃/
30分間、350℃/30分間の順で加熱し、硬化させた。得ら
れた膜厚1.1μmの硬化塗膜をプレッシャークッカー処理
(125℃、2.3atm.,100%RH,24hrs)後、任意の荷重をかけ
たスクラッチテスターで引っ掻き試験を行った。その結
果、荷重が2.8g/mm2まで剥がれはなく、接着性は良好で
あった。
【0053】*封止樹脂との剪断強度の評価 該ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピ
ンナーを用いて塗布した。これをオーブンに入れ、120
℃で4分間プリベーク後、更に、150℃/30分間、250℃/
30分間、350℃/30分間の順で加熱し、塗膜を硬化させ
た。この硬化塗膜の上に、半導体封止用エポキシ樹脂組
成物(住友ベークライト(株)製、EME-6300H)を2×2
×2mm(横×縦×高)の大きさに、熱圧プレスで成形し
た。プレッシャークッカー処理(125℃、2.3atm.,100%R
H,24hrs)後、テンシロンを用いて、硬化塗膜上に成形
した封止樹脂硬化物の剪断強度を測定した結果、3.9kgf
/mm2という強い接着力を示した。
【0054】*半導体装置の信頼性の評価 該ポジ型感光性樹脂組成物を、アルミ配線の描かれたシ
リコンウェハー上に、最終膜厚が5μmとなるように、
スピンナーで塗布した。120℃で4分間プリベークした
後、所望のパターン形状に、i線ステッパーで露光し
た。次にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
(2.38%)の現像液に120秒間浸漬し、可溶部分を溶解
除去した後、純水で30秒間リンスした。次に硬化のため
に、150℃/30分間、250℃/30分間、350℃/30分間の順で
加熱処理を行い、オキサゾール環を形成し、耐熱性に富
む最終パターンを得た。このシリコンウェハーをダイシ
ングソーで個別のチップに分割し、リードフレームに導
電性接着剤を用いて搭載した。ダイボンダーでワイヤー
をはり、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベーク
ライト(株)製、EME-6300H)でパッケージし、半導体装
置を得た。信頼性テストのため、20個の半導体装置を85
℃/85%(温度/湿度)の条件下で168時間処理した。こ
れらを、260℃の半田浴槽に10秒間浸漬し、更に、プレ
ッシャークッカー処理(125℃,2.3atm.,100%RH)を1000
時間行った。この後、半導体装置の導通試験を行った
が、アルミ配線のオープン不良(導通不良)は0で、信
頼性不良は全く起こらなかった。
【0055】《実施例2》実施例1における有機ケイ素
化合物を(S−1)を、下記構造式を有する有機ケイ素
化合物(S−2)に変え、同様の評価を行った。その結
果、このポジ型感光性樹脂組成物を使用した半導体装置
の信頼性は非常に高く、プレッシャークッカー処理1000
時間でもオープン不良は全くなかった。これはこのポジ
型感光性樹脂組成物の接着性が高いためと考えられる。
即ち、シリコンウエハーとの接着力は、スクラッチテス
トで2.9g/mm2まで剥がれることが無く、封止樹脂との剪
断接着強度は、3.5kgf/mm2と優れていた。
【0056】
【化18】
【0057】《比較例1》実施例1において、本発明の
ポジ型感光性樹脂組成物を使用しない半導体装置を作成
し、その特性を評価した。その結果、このポジ型感光性
樹脂組成物を使用しない半導体装置の信頼性は非常に低
く、プレッシャークッカー処理100時間でオープン不良
が発生した。これはポジ型感光性樹脂を保護膜として使
用しなかったために、半導体装置の熱応力を緩和でき
ず、クラックが発生した為である。
【0058】《比較例2》実施例1において、有機ケイ
素化合物を配合しないポジ型感光性樹脂組成物を作製
し、その特性を評価した。その結果、このポジ型感光性
樹脂組成物を使用した半導体装置の信頼性は非常に低
く、プレッシャークッカー処理300時間でオープン不良
が発生した。これはこのポジ型感光性樹脂組成物の接着
性が低いためと考えられる。即ち、シリコンウエハーと
の接着力は、スクラッチテストで荷重0.9g/mm2で剥が
れ、封止樹脂との剪断接着強度は、1.2kgf/mm2しかなか
った。
【0059】
【発明の効果】本発明は、密着性の高いポジ型感光性樹
脂組成物を用いて、信頼性の高い半導体装置を得ること
が出来るものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA14 AB16 AC01 AD03 BE01 BJ00 CB26 FA01 FA03 FA17 FA29 5F058 AA08 AA10 AC07 AC10 AF04 AG01 AH03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示されるポリベンゾオキ
    サゾール前駆体を主体としてなるポジ型感光性樹脂組成
    物を、硬化後の膜厚が1±0.1μmになるようにシリコン
    ウエハー上に塗布し、硬化し、125℃、2.3atm.,100%RH,2
    4hrsの条件でプレッシャークッカー処理した後の接着力
    が、スクラッチテスターで2g/mm2以上あり、かつ、該
    組成物の硬化膜に対する半導体封止用エポキシ樹脂硬化
    物の接着力が、前記条件でのプレッシャークッカー処理
    後の剪断試験で3kg/mm2以上あることを特徴とするポジ
    型感光性樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物
    を、加熱、硬化後の膜厚が0.1〜20μmになるように半導
    体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して
    得られる半導体装置。
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