JP2000129478A - 鋼帯洗浄用のブラシロール - Google Patents

鋼帯洗浄用のブラシロール

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JP2000129478A
JP2000129478A JP10306714A JP30671498A JP2000129478A JP 2000129478 A JP2000129478 A JP 2000129478A JP 10306714 A JP10306714 A JP 10306714A JP 30671498 A JP30671498 A JP 30671498A JP 2000129478 A JP2000129478 A JP 2000129478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼帯表面の洗浄効果を維持し、ブラシ毛の脱
毛や毛折れによるブラシロールの異常損耗の発生を防止
できる長寿命低コスト型の鋼帯洗浄用のブラシロールを
提供する。 【解決手段】 ブラシロールのブラシ毛2の断面積Aが0.
3〜0.6mm2、ブラシ毛2の長さLが20〜80mmで、かつ、ブ
ラシ毛2の形状が螺旋状または波線状である。また、ブ
ラシ毛のロール径方向に対する角度αを、上記の形状が
螺旋状または波線状の場合ロール回転方向の下流側に30
°以下の角度で、従来の形状がストレートの場合ロール
回転方向の下流側に5〜30°の角度で、あるいはブラシ
毛のロール軸方向に対する角度βを、上記の形状が螺旋
状または波線状の場合ロール胴部のほぼ中心を対称にロ
ール端部方向に35°以下の角度で、従来の形状がストレ
ートの場合ロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部方
向に5〜35°の角度で傾斜させたブラシロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯を連続洗浄す
る清浄工程のブラッシングに好適なブラシロールであっ
て、ブラシ毛の脱毛や毛折れによる異常損耗を防止でき
る鋼帯洗浄用のブラシロールに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯を製造する電解洗浄装置、電気めっ
き装置、溶融亜鉛めっき装置、連続焼鈍装置、コーティ
ング装置などの前洗浄のブラシロール、例えば、冷延工
程の清浄ラインでは、冷延鋼帯の表面に付着した圧延
油、鉄粉、それらの反応生成物である鉄石けんなどを除
去して清浄化する目的で、アルカリ洗浄やアルカリ電解
洗浄が施される。
【0003】清浄ラインは、図14に示すように、アルカリ浸
漬槽101に満たしたアルカリ液102へ鋼帯103を浸漬洗浄
したのち、No.1ブラシスクラバー104においてアルカリ
液をスプレーしながらブラシロール105によりブラッシ
ング洗浄し、アルカリ電解槽106のアルカリ液102に再度
浸漬して電解洗浄する。そして、電解洗浄された鋼帯10
3は、No.2ブラシスクラバー107において温水をスプレー
しながらブラシロール108によりブラッシング洗浄され
たのち、温水109を満たした温水リンス槽110を通過する
間にリンスされ、清浄化される。
【0004】上記ブラシロール105およびブラシロール108
は、ブラシバックアップロール111および112と対に配置
されている。ブラシバックアップロール111および112
は、ブラシロール105およびブラシロール108の押付け力
を確保するとともに、鋼帯103のパスラインを一定に保
持する。
【0005】上記ブラシロール105およびブラシロール108と
しては、一般に断面積が0.6〜1.2mm2、長さが40〜50mm
のストレート形状のブラシ毛を、ロールの径方向および
軸方向に垂直に植毛したものが使用され、ブラッシング
による機械的洗浄効果を発揮している。
【0006】鋼帯のブラッシングによる洗浄方法としては、
処理液を貯えた槽に配設した回転ブラシロールの少なく
とも一部を処理液中に浸漬した状態で、鋼帯表面にブラ
ッシングを施すことによって、鋼帯表面の洗浄効果を一
層改善でき、ブラシロールの目詰まりや著しい損傷を生
じことがない、鋼帯の表面洗浄方法( 特開昭54-133436
号公報)が提案されている。
【0007】また、研磨研削ブラシとしては、合成樹脂基材
中にビッカース硬度が500kg/mm 2以上、繊維長が0.2mm〜
20mm、繊維長と直径の比が10以上である無機質短繊維が
長手方向に対する配向角度0°〜30°にて5〜60容量%含
有して、その断面積が0.1mm2〜5mm2である毛材からな
り、研磨研削精度が良好で、研磨研削能が大きく、ブラ
シ毛自体の機械的強度や耐摩耗性に優れた研磨研削ブラ
シ(特開平6-55460号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
なブラシロールは、ブラッシングによる効率的な機械的
洗浄が可能であるが、鋼帯端部との接触によってブラシ
毛が局部的に脱毛や毛折れし、異常損耗することがしば
しば発生する。また、連続洗浄中に洗浄装置内で鋼帯の
蛇行が発生した場合は、鋼帯端部とブラシ毛の接触が激
しくなり、著しい異常損耗が発生する。ブラシ毛の局部
的な脱毛や毛折れは、局部的な洗浄力不足を発生させ、
製品の品質に悪影響を及ぼすばかりでなく、ブラシロー
ルの寿命が短くなって、取替え費用やロール整備費によ
りコスト高となる。
【0009】また、ブラシ毛の脱毛や毛折れにより発生した
ブラシ毛の屑は、アルカリ洗浄液中もしくは温水中に混
入するので、循環ポンプのフィルターやスプレーノズル
の詰まりの原因となり、アルカリ洗浄液や温水の循環使
用に支障をきたし、品質不良や操業トラブル等の二次被
害を招く恐れがある。
【0010】さらに、局部的な脱毛や毛折れによる異常損耗
が一旦発生したブラシロールは、脱毛や毛折れ部に鋼帯
端部が更に噛み込んでしまうこととなり、脱毛や毛折れ
が更に進行して脱毛や毛折部がロール全体に拡大し、ブ
ラシロールの役目を果たさなくなる。
【0011】本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、
鋼帯表面の洗浄効果を維持したうえで、ブラシ毛の脱毛
や毛折れによるブラシロールの異常損耗の発生を防止で
きる長寿命低コスト型の鋼帯洗浄用のブラシロールを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼帯洗浄用のブ
ラシロールは、ブラシ毛の断面積Aが0.3〜0.6mm2、ブラ
シ毛の長さLが20〜80mmで、かつ、ブラシ毛の形状が螺
旋状または波線状であることを特徴としている。このよ
うに、ブラシ毛の断面積、長さおよび形状を限定するこ
とによって、ブラシ毛の断面積を小さくしたことによる
密度低下により、鋼帯表面の洗浄効果が低下することを
防止できるとともに、鋼帯端部との接触によるブラシ毛
の脱毛や毛折れにより発生する異常損耗を抑制でき、鋼
帯を長期間に亘って安定して連続洗浄することができ
る。
【0013】また、本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、
断面積Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mmの形状が螺旋
状または波線状のブラシ毛を、ロール径方向に対する角
度αをロール回転方向の下流側に30°以下の角度で傾斜
させて植毛したことを特徴としている。このように、ブ
ラシ毛の断面積、長さおよび形状を限定したことによっ
て、ブラシ毛の断面積を小さくしたことによる密度低下
により、鋼帯表面の洗浄効果が低下することを防止でき
る。また、ロール径方向に対する角度αをロール回転方
向の下流側に30°以下の角度で傾斜させて植毛したこと
によって、ブラシ毛が鋼帯表面に接触してブラッシング
する際の衝突力が緩和され、鋼帯端部との接触によるブ
ラシ毛の脱毛や毛折れの発生が抑制され、ブラシロール
の異常損耗が低減し、鋼帯を長期間に亘って安定して連
続洗浄することができる。
【0014】本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、断面積
Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mmの形状が螺旋状また
は波線状のブラシ毛を、ロール軸方向に対する角度βを
ロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に35°以
下の角度で傾斜させて植毛したことを特徴としている。
このように、ブラシ毛の断面積、長さおよび形状を限定
したことによって、ブラシ毛の断面積を小さくしたこと
による密度低下により、鋼帯表面の洗浄効果の低下を防
止できる。また、ロール軸方向に対する角度βをロール
胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に35°以下の角
度で傾斜させて植毛したことによって、ブラシ毛が鋼帯
表面に接触してブラッシングする際の衝突力が緩和さ
れ、鋼帯端部との接触によるブラシ毛の脱毛や毛折れの
発生が抑制され、ブラシロールの異常損耗が低減し、鋼
帯を長期間に亘って安定して連続洗浄することができ
る。
【0015】本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、断面積
Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mmの形状が螺旋状また
は波線状のブラシ毛を、ロール径方向に対する角度αを
ロール回転方向の下流側に30°以下の角度で傾斜させ、
かつロール軸方向に対する角度βをロール胴部のほぼ中
心を対称にロール端部方向に35°以下の角度で傾斜させ
て植毛したことを特徴としている。このように、ブラシ
毛の断面積、長さおよび形状を限定したことによって、
ブラシ毛の断面積を小さくしたことによる密度低下によ
り、鋼帯表面の洗浄効果の低下を防止できる。また、ロ
ール径方向に対する角度αを、ロール回転方向の下流側
に30°以下の角度で傾斜させ、かつロール軸方向に対す
る角度βを、ロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部
方向に35°以下の角度で傾斜させて植毛したことによっ
て、ブラシ毛が鋼帯表面に接触してブラッシングする際
の衝突力が緩和され、鋼帯端部との接触によるブラシ毛
の脱毛や毛折れの発生が抑制され、ブラシロールの異常
損耗が低減し、鋼帯を長期間に亘って安定して連続洗浄
することができる。
【0016】本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、ブラシ
毛のロール径方向に対する角度αを、ロール回転方向の
下流側に5〜30°の角度で傾斜させて植毛したことを特
徴としている。このように、ブラシ毛のロール径方向に
対する角度αを、ロール回転方向の下流側に5〜30°の
角度で傾斜させて植毛したことによって、従来使用され
ていた断面積0.6〜1.2mm2、長さ40〜50mm、形状がスト
レートのブラシ毛を使用しても、鋼帯表面の洗浄効果を
維持できるとともに、ブラシ毛が鋼帯表面に接触してブ
ラッシングする際の衝突力が緩和され、鋼帯端部との接
触によるブラシ毛の脱毛や毛折れの発生が抑制され、ブ
ラシロールの異常損耗が低減し、鋼帯を長期間に亘って
安定して連続洗浄することができる。
【0017】本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、ブラシ
毛のロール軸方向に対する角度βを、ロール胴部のほぼ
中心を対称にロール端部方向に5〜35°の角度で傾斜さ
せて植毛したことを特徴としている。このように、ブラ
シ毛のロール軸方向に対する角度βを、ロール胴部のほ
ぼ中心を対称にロール端部方向に5〜35°の角度で傾斜
させて植毛したことによって、従来使用されていた断面
積0.6〜1.2mm2、長さ40〜50mm、形状がストレートのブ
ラシ毛を使用しても、鋼帯表面の洗浄効果を維持できる
とともに、ブラシ毛が鋼帯表面に接触してブラッシング
する際の衝突力が緩和され、鋼帯端部との接触によるブ
ラシ毛の脱毛や毛折れの発生が抑制され、ブラシロール
の異常損耗が低減し、鋼帯を長期間に亘って安定して連
続洗浄することができる。
【0018】本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、ブラシ
毛のロール径方向に対する角度αをロール回転方向の下
流側に5〜30°の角度で傾斜させ、かつロール軸方向に
対する角度βをロール胴部のほぼ中心を対称にロール端
部方向に5〜35°の角度で傾斜させて植毛したことを特
徴としている。このように、ブラシ毛のロール径方向に
対する角度αをロール回転方向の下流側に5〜30°の角
度で傾斜させ、かつロール軸方向に対する角度βをロー
ル胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に5〜35°の
角度で傾斜させて植毛したことによって、従来使用され
ていた断面積0.6〜1.2mm2、長さ40〜50mm、形状がスト
レートのブラシ毛を使用しても、ブラシ毛が鋼帯表面に
接触してブラッシングする際の衝突力が緩和され、鋼帯
端部との接触によるブラシ毛の脱毛や毛折れの発生が抑
制され、ブラシロールの異常損耗が低減し、鋼帯を長期
間に亘って安定して連続洗浄することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のブラシ毛の断面積Aと長
さLおよび形状を限定した鋼帯洗浄用のブラシロールで
は、鋼帯端部との接触によるブラシ毛の脱毛や毛折れに
起因する異常損耗の発生頻度、鋼帯表面の洗浄効果、ブ
ラシ毛の摩耗およびブラシ毛の強度によって、ブラシ毛
の断面積Aと長さLおよび形状が決定される。本発明者の
実験では、ブラシ毛の断面積Aが0.3mm2未満ではブラシ
毛自体の強度が不足して腰が弱くなり、鋼帯表面をブラ
ッシングする機械的衝撃力が低下して安定した洗浄効果
を得ることができなかった。また、0.6mm2を超えるとブ
ラシ毛の脱毛や毛折れによるブラシロールの異常損耗の
発生頻度が著しく増加した。このため、ブラシ毛の断面
積Aは、0.3〜0.6mm2とした。
【0020】ブラシ毛の長さLは、20mm未満ではブラシ毛の
摩耗により有効使用長さの制約を受け、ブラシロールの
寿命が制限されるため、長寿命化の目的に沿わない。ま
た、80mmを超えると、ブラシ毛自体の強度が不足して腰
が弱くなり、鋼帯表面をブラッシングする機械的衝撃力
が低下して安定した洗浄効果を得ることができなかっ
た。このため、ブラシ毛の長さLは、20〜80mmとした。
【0021】ブラシ毛の形状は、ブラシ毛の断面積Aを0.3〜
0.6mm2、長さLを20〜80mmとした場合は、図9(a)に示す
螺旋状もしくは図9(b)に示す波線状とする必要がある。
その理由は、ブラシ毛の断面積Aを小さくしたことによ
りブラシ毛の密度が低下し、鋼帯表面の洗浄効果が低下
するのを防止するためである。ブラシ毛の形状がストレ
ートの場合、ブラシ毛の断面積Aを0.3〜0.6mm2、長さL
を20〜80mmとすると、ブラシ毛の密度低下により鋼帯表
面の洗浄効果が低下するからである。
【0022】本発明の断面積Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜8
0mm、形状が螺旋状または波線状のブラシ毛の場合は、
ロール径方向に対する角度αは、本発明者の実験では、
図12に示すように、ロール回転方向の下流側に30°以
下、好ましくは5〜30°の角度で傾斜させる必要があ
る。ブラシ毛のロール径方向に対する角度αは、ロール
回転方向の下流側に0°未満の傾斜、すなわち、ブラシ
毛がロール回転方向の上流側に向く場合、ブラシ毛が鋼
帯表面に接触時の衝突力が強すぎ、鋼帯端部との接触に
よりブラシ毛の脱毛や毛折れが発生し、ブラシロールの
異常損耗が発生する。また、ロール回転方向の下流側に
30°を超える傾斜では、ブラシ毛が鋼帯表面に接触時の
衝突力が弱くなり、鋼帯表面の洗浄効果が低下する。こ
のため、断面積Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mm、形
状が螺旋状または波線状のブラシ毛の場合、ブラシ毛の
ロール径方向に対する角度αは、ロール回転方向の下流
側に30°以下、好ましくは5〜30°の角度で傾斜させる
こととした。
【0023】本発明のブラシ毛の断面積Aが0.3〜0.6mm2、長
さLが20〜80mm、形状が螺旋状または波線状のブラシ毛
の場合、ロール軸方向に対する角度βは、本発明者の実
験では、図13に示すように、ロール胴部のほぼ中心を対
称にロール端部方向に35°以下、好ましくは5〜35°の
角度で傾斜させる必要がある。ブラシ毛のロール軸方向
に対する角度βは、ロール胴部のほぼ中心を対称にロー
ル端部方向に0°未満、すなわち、鋼帯端部に向く傾斜
ではブラシ毛が鋼帯端部に接触時の衝突力が強すぎ、ブ
ラシ毛の脱毛や毛折れが発生してブラシロールの異常損
耗が著しくなる。また、35°を超える傾斜では、ブラシ
毛が鋼帯表面に接触時の衝突力が弱くなり、鋼帯表面の
洗浄効果が低下する。このため、ブラシ毛の断面積Aが
0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mm、形状が螺旋状または波
線状のブラシ毛の場合、ブラシ毛のロール軸方向に対す
る角度βは、ロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部
方向に35°以下、好ましくは5〜35°の角度で傾斜させ
ることとした。
【0024】また、本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールにお
けるブラシ毛のロール径方向に対する角度αは、鋼帯端
部との接触によるブラシ毛の脱毛や毛折れにより発生す
るブラシロールの異常損耗の発生頻度、鋼帯表面の洗浄
効果によって決定される。本発明者の実験では、ブラシ
毛の断面積Aが0.6〜1.2mm2、長さLが40〜50mm、形状が
ストレートの場合、図10に示すロール31の径方向に対す
るブラシ毛32の角度αは、ロール回転方向の下流側に5
〜30°の角度で傾斜させる必要がある。ブラシ毛のロー
ル径方向に対する角度αは、ロール回転方向の下流側に
5°未満の傾斜では、ブラシ毛が鋼帯表面に接触時の衝
突力が強すぎ、鋼帯端部との接触によるブラシ毛の脱毛
や毛折れにより、ブラシロールの異常損耗が著しく発生
する。また、30°を超える傾斜では、ブラシ毛が鋼帯表
面に接触時の衝突力が弱くなり、鋼帯表面の洗浄効果が
低下する。このため、ブラシ毛の断面積Aが0.6〜1.2m
m2、長さLが40〜50mm、形状がストレートの場合、ブラ
シ毛のロール径方向に対する角度αは、ロール回転方向
の下流側に5〜30°の角度で傾斜させることとした。
【0025】また、本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールにお
けるブラシ毛のロール軸方向に対する角度βは、鋼帯端
部との接触によるブラシ毛の脱毛や毛折れにより発生す
るブラシロールの異常損耗の発生頻度、鋼帯表面の洗浄
効果によって決定される。本発明者の実験では、ブラシ
毛の断面積Aが0.6〜1.2mm2、長さLが40〜50mm、形状が
ストレートの場合、図11に示すロール41の軸方向に対す
るブラシ毛42の角度βは、ロール胴部のほぼ中心を対称
にロール端部方向に5〜35°の角度で傾斜させる必要が
ある。ブラシ毛のロール軸方向に対する角度βは、ロー
ル胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に5°未満の
傾斜ではブラシ毛が鋼帯表面に接触時の衝突力が強す
ぎ、ブラシ毛の脱毛や毛折れが発生してブラシロールの
異常損耗が著しくなる。また、35°を超える傾斜では、
ブラシ毛が鋼帯表面に接触時の衝突力が弱くなり、鋼帯
表面の洗浄効果が低下する。このため、ブラシ毛の断面
積Aが0.6〜1.2mm2、長さLが40〜50mm、形状がストレー
トの場合、ブラシ毛のロール軸方向に対する角度βは、
ロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に5〜35
°の角度で傾斜させることとした。
【0026】本発明の鋼帯洗浄用のブラシロールは、ブラシ
毛を前記した断面積、長さ、形状および角度で植毛すれ
ばよい。ブラシ毛の材質としては、各種合成樹脂、例え
ば、ナイロンの別名で知られるポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール
等のほか、その他樹脂など公知のものを使用できる。し
かし、鋼帯表面へのブラッシング疵などの品質欠陥の発
生を防止するには、耐熱性のナイロン、例えば処理液温
度の1.1〜1.3倍の耐熱ナイロンを使用するのが好まし
い。
【0027】ブラシ毛の断面形状は、所定の断面積を確保で
きれば、円形、矩形、楕円形および多角形など周知のも
のが適用できるが、好ましくは円形である。この場合、
形状がストレートで、断面積0.6〜1.2mm2を確保するに
は、ブラシ毛の直径は約0.9〜1.2mmとなる。また、形状
が螺旋状または波線状で、断面積0.3〜0.6mm2を確保す
るには、ブラシ毛の直径は約0.6〜0.9mmとなる。
【0028】
【実施例】実施例1 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、図1(c)に示すように、ブラシ毛の
長さLが40mm、ブラシ毛の形状が波線状で、波長Pが8mm
一定とし、ブラシ毛の断面積Aを0.1〜0.9mm2の範囲で変
化させ、図1(a)に示すように、ロール1の径方向および
軸方向と垂直にブラシ毛2を植毛した各ブラシロール3を
使用し、表1に示す洗浄条件でのブラッシングにおい
て、ブラシ毛2の脱毛や毛折れによるブラシロール3の異
常損耗の状況と鋼帯表面の洗浄効果を調査した。その結
果を図2に示す。なお、異常損耗発生率は、鋼帯の端部
に当たる部分のブラシ毛の異常損耗の発生状況を調査
し、(異常損耗毛数/全ブラシ毛数)×100%により求め
た。また、洗浄効果は、ブラシスクラバー入側と出側で
鋼帯表面に付着している単位面積当たりの鉄分量を測定
し、{(入側鉄分量)-(出側鉄分量)}/(入側鉄分量)×100%
により求めた。
【0029】
【表1】
【0030】図2に示すように、ブラシ毛の断面積Aが0.6mm2
を超えると、ブラシ毛の脱毛や毛折れによる異常損耗が
発生している。また、ブラシ毛の断面積Aが0.3mm2未満
の場合は、ブラシ毛自体の強度不足により腰がなくな
り、鋼帯表面をブラッシングする機械的衝撃力が低下
し、鋼帯表面の洗浄効果が低下している。
【0031】実施例2 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、図1(c)に示すように、ブラシ毛の
断面積Aが0.4mm2、ブラシ毛の形状が波線状で、波長Pを
8mm一定とし、ブラシ毛の長さLを20〜100mmの範囲で変
化させ、図1(a)に示すように、ロール1の径方向および
軸方向と垂直にブラシ毛2を植毛した各ブラシロール3を
使用し、前記表1に示す洗浄条件でのブラッシングにお
いて、ブラシ毛2の脱毛や毛折れによるブラシロール3の
異常損耗の発生状況と鋼帯表面の洗浄効果を調査した。
その結果を図3に示す。
【0032】図3に示すように、ブラシ毛の長さLが80mmを超
えるブラシロールは、ブラシ毛自体の強度不足により腰
がなくなり、鋼帯表面をブラッシングする機械的衝撃力
が低下し、鋼帯表面の洗浄効果が低下している。
【0033】実施例3 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが0.4mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、形状が螺旋状および波線状では
波長Pを8mm一定とし、ブラシ毛の形状をストレート状、
図1(b)に示す螺旋状および図1(c)に示す波線状とし、図
1(a)に示すように、ロール1の径方向および軸方向と垂
直にブラシ毛2を植毛した各ブラシロール3を使用し、前
記表1に示す洗浄条件でのブラッシングにおいて、ブラ
シ毛の脱毛や毛折れによるブラシロール3の異常損耗の
状況と鋼帯表面の洗浄効果を調査した。その結果を図4
に示す。
【0034】図4に示すように、ブラシ毛の形状がストレー
ト状のブラシロールは、密度低下によって鋼帯表面の洗
浄効果が低下している。これに対し、ブラシ毛の形状が
螺旋状および波線状のブラシロールは、ブラシ毛の脱毛
や毛折れによる異常損耗の発生が少なく、鋼帯表面の洗
浄効果も良好である。
【0035】実施例4 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、図1(c)に示すように、ブラシ毛の
断面積Aが0.4mm2、ブラシ毛の長さLが40mm、波長Pが8mm
の波線状のブラシ毛を、図1(a)に示すように、ロール1
の径方向および軸方向と垂直にブラシ毛2を植毛した本
発明にかかるブラシロール3と、ブラシ毛の断面積Aが1.
0mm2、ブラシ毛の長さLが50mm、ブラシ毛の形状がスト
レートのブラシ毛を、ロール径方向および軸方向と垂直
に植毛した従来のブラシロールを使用し、前記表1に示
す洗浄条件でのブラッシングにおいて、ブラシ毛の脱毛
や毛折れによるブラシロールの異常損耗の状況、通常摩
耗の状況およびロール取替周期(寿命)を調査した。その
結果を表2に示す。なお、通常摩耗量は、ロール取替ま
での間のブラシロール中央部の摩耗量を測定し、1ケ月
当たりの摩耗量に換算した。また、ロール取替周期の判
断は、ブラシスクラバー入側と出側で鋼帯表面に付着し
ている単位面積当たりの鉄分量を測定し、(出側鉄分量)
/(入側鉄分量)×100%が10%を超えた時を取替時期とし
た。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が2/7に低減し、通常摩耗量が3/4に減少し
た。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブラ
シロールの3倍以上まで延命化を図ることができた。し
たがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロールは、
安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えることと
なる。
【0038】実施例5 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー108のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが0.4mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、波長Pが8mm、波幅Bが0.8mm、形
状が波線状のブラシ毛を、ロールの径方向に対する角度
αをロール回転方向の下流側に20°傾斜させて植毛した
本発明にかかるブラシロールと、ブラシ毛の断面積Aが
1.0mm2、ブラシ毛の長さLが50mm、形状がストレートの
ブラシ毛を、ロールの径方向ならびに軸方向と垂直に植
毛した従来のブラシロールを使用し、前記表1に示す洗
浄条件でのブラッシングにおいて、ブラシ毛の脱毛や毛
折れによる異常損耗の状況、通常摩耗の状況およびロー
ル取替周期(寿命)を調査した。その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が3/14に低減し、通常摩耗量が3/5に減少
した。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブ
ラシロールの4倍以上まで延命化を図ることができた。
したがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロール
は、安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えるこ
ととなる。
【0041】実施例6 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが0.4mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、波長Pが8mm、波幅Bが0.8mm、形
状が波線状のブラシ毛を、ロールの軸方向に対する角度
βを、ロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に
20°傾斜させて植毛した本発明にかかるブラシロール
と、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブラシ毛の長さLが50
mm、形状がストレートのブラシ毛を、ロールの径方向な
らびに軸方向と垂直に植毛した従来のブラシロールを使
用し、前記表1に示す洗浄条件でのブラッシングにおい
て、ブラシ毛の脱毛や毛折れによるブラシロールの異常
損耗の発生状況、通常摩耗の状況およびロール取替周期
(寿命)を調査した。その結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が3/14に低減し、通常摩耗量が3/5に減少
した。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブ
ラシロールの4倍以上まで延命化を図ることができた。
したがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロール
は、安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えるこ
ととなる。
【0044】実施例7 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが0.4mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、波長Pが8mm、波幅Bが0.8mm、形
状が波線状のブラシ毛を、ロールの径方向に対する角度
αをロール回転方向の下流側に20°、ロールの軸方向に
対する角度βを、ロール胴部のほぼ中心を対称にロール
端部方向に20°傾斜させて植毛した本発明にかかるブラ
シロールと、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブラシ毛の
長さLが50mm、形状がストレートのブラシ毛を、ロール
の径方向ならびに軸方向と垂直に植毛した従来のブラシ
ロールを使用し、前記表1に示す洗浄条件でのブラッシ
ングにおいて、ブラシ毛の脱毛や毛折れによるブラシロ
ールの異常損耗の発生状況、通常摩耗の状況およびロー
ル取替周期(寿命)を調査した。その結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】表5に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が1/7に低減し、通常摩耗量が1/2に減少し
た。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブラ
シロールの5倍以上まで延命化を図ることができた。し
たがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロールは、
安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えることと
なる。
【0047】実施例8 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー108のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、形状がストレートのブラシ毛を
用い、図10に示すロール径方向に対する取付け角度α
を、図5に示すように、ロール11の回転方向の下流側に0
°〜40°の範囲で変化させてブラシ毛12を植毛した各ブ
ラシロール13を使用し、前記表1に示す洗浄条件でのブ
ラッシングにおいて、ブラシ毛12の脱毛や毛折れによる
ブラシロール13の異常損耗の状況および鋼帯表面の洗浄
効果を調査した。その結果を図6に示す。
【0048】図6に示すように、ロール径方向に対する取付
け角度αがロール回転方向の下流側に5°未満のブラシ
ロールは、鋼帯表面の洗浄効果が良好であるが、ブラシ
毛の脱毛や毛折れによる異常損耗が多発している。ま
た、ロール径方向に対する取付け角度αがロール回転方
向の下流側に30°を超えるブラシロールは、ブラシ毛の
脱毛や毛折れによる異常損耗が少ないが、鋼帯表面の洗
浄効果が低下している。
【0049】実施例9 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、形状がストレートのブラシ毛を
用い、図11に示すロール軸方向に対する角度βを、図7
に示すように、ロール21の胴部のほぼ中心を対称にロー
ル端部方向に0°〜40°の範囲で傾斜させてブラシ毛22
を植毛した各ブラシロール23を使用し、前記表1に示す
洗浄条件でのブラッシングにおいて、ブラシ毛22の脱毛
や毛折れによるブラシロール23の異常損耗の発生状況お
よび鋼帯表面の洗浄効果を調査した。その結果を図8に
示す。
【0050】図8に示すように、ロール軸方向の取付け角度
βがロール胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に5
°未満のブラシロールは、鋼帯表面の洗浄効果が良好で
あるが、ブラシ毛の鋼帯端部との接触による脱毛や毛折
れにより異常損耗が多発している。また、ロール軸方向
の取付け角度βがロール胴部のほぼ中心を対称にロール
端部方向に35°を超えるブラシロールは、ブラシ毛の脱
毛や毛折れによる異常損耗が少ないが、鋼帯表面の洗浄
効果が低下している。
【0051】実施例10 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバーおよびNo.2ブラシスクラバーのブラシロールと
して、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブラシ毛の長さLが
40mm、形状がストレートのブラシ毛を、ロールの径方向
に対する取付け角度αを回転方向の下流側に20°傾斜さ
せて植毛した本発明にかかるブラシロールと、ブラシ毛
の断面積Aが1.0mm2、ブラシ毛の長さLが50mm、形状がス
トレートのブラシ毛を、ロールの径方向ならびに軸方向
と垂直に植毛した従来のブラシロールを使用し、前記表
1に示す洗浄条件でのブラッシングにおいて、ブラシ毛
の脱毛や毛折れによるブラシロールの異常損耗の発生状
況、通常摩耗の状況およびロール取替周期(寿命)を調査
した。その結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】表6に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が2/7に低減し、通常摩耗量が3/4に減少し
た。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブラ
シロールの3倍以上まで延命化を図ることができた。し
たがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロールは、
安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えることと
なる。
【0054】実施例11 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、形状がストレートのブラシ毛
を、ロール軸方向に対する角度βを、ロール胴部のほぼ
中心を対称にロール端部方向に20°傾斜させて植毛した
本発明にかかるブラシロールと、ブラシ毛の断面積Aが
1.0mm2、ブラシ毛の長さLが50mm、形状がストレートの
ブラシ毛を、ロールの径方向ならびに軸方向と垂直に植
毛した従来のブラシロールを使用し、前記表1に示す洗
浄条件でのブラッシングにおいて、ブラシ毛の脱毛や毛
折れによるブラシロールの異常損耗の発生状況、通常摩
耗の状況およびロール取替周期(寿命)を調査した。その
結果を表7に示す。
【0055】
【表7】
【0056】表7に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が2/7に低減し、通常摩耗量が3/4に減少し
た。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブラ
シロールの3倍以上まで延命化を図ることができた。し
たがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロールは、
安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えることと
なる。
【0057】実施例12 前記図14に示したアルカリ電解洗浄装置のNo.1ブラシス
クラバー104およびNo.2ブラシスクラバー107のブラシロ
ール105、108として、ブラシ毛の断面積Aが1.0mm2、ブ
ラシ毛の長さLが40mm、形状がストレートのブラシ毛
を、ロールの径方向に対する角度αをロール回転方向の
下流側に20°、ロールの軸方向に対する角度βを、ロー
ル胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に20°傾斜さ
せて植毛した本発明にかかるブラシロールと、ブラシ毛
の断面積Aが1.0mm2、ブラシ毛の長さLが50mm、形状がス
トレートのブラシ毛を、ロールの径方向ならびに軸方向
と垂直に植毛した従来のブラシロールを使用し、前記表
1に示す洗浄条件でのブラッシングにおいて、ブラシ毛
の脱毛や毛折れによるブラシロールの異常損耗の発生状
況、通常摩耗の状況およびロール取替周期(寿命)を調査
した。その結果を表8に示す。
【0058】
【表8】
【0059】表8に示すように、本発明に係る鋼帯洗浄用の
ブラシロールは、従来のブラシロールに比較して、異常
損耗の発生率が3/14に低減し、通常摩耗量が3/5に減少
した。これによって、ブラシロールの寿命は、従来のブ
ラシロールの4倍以上まで延命化を図ることができた。
したがって、本発明に係る鋼帯洗浄用のブラシロール
は、安定して鋼帯の連続洗浄を長期間に亘って行えるこ
ととなる。
【0060】上記各実施例では、アルカリ電解洗浄装置に適
用した場合について説明した。しかし、本発明のブラシ
ロールは、電気めっき装置、溶融亜鉛めっき装置、連続
焼鈍装置、コーティング装置などの前洗浄のブラシロー
ルとしても、上記実施例と同等の効果を発揮できること
は言うまでもない。
【0061】また、上記各実施例では、アルカリ電解洗浄装
置のNo.1ブラシスクラバーおよびNo.2ブラシスクラバー
のブラシロールすべてに本発明のブラシロールを適用し
たが、ブラシロールの異常摩耗の発生形態に応じて、一
部のブラシロールのみ本発明のブラシロールを適用する
こともできる。
【0062】
【発明の効果】本発明のブラシ毛の断面積、長さおよび
形状を限定した鋼帯洗浄用のブラシロールは、鋼帯表面
の洗浄効果を維持したうえで、鋼帯端面との接触による
ブラシ毛の脱毛や毛折れに起因する異常損耗の発生を防
止でき、鋼帯を長期間に亘って安定して連続洗浄でき
る。
【0063】また、本発明のブラシ毛のロール径方向または
軸方向に対する取付け角度を限定した鋼帯洗浄用のブラ
シロールは、鋼帯表面の洗浄効果を維持したうえで、鋼
帯端面との接触によるブラシ毛の脱毛や毛折れに起因す
る異常損耗の発生を防止でき、鋼帯を長期間に亘って安
定して連続洗浄できる。
【0064】本発明のブラシ毛の断面積、長さ、形状および
ロール径方向または軸方向に対する取付け角度を限定し
た鋼帯洗浄用のブラシロールは、鋼帯表面の洗浄効果を
維持したうえで、鋼帯端面との接触によるブラシ毛の脱
毛や毛折れに起因する異常損耗の発生を顕著に防止で
き、鋼帯を長期間に亘って安定して連続洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた本発明のブラシロールの一例を
示すもので、(a)図は形状が波線状のブラシ毛をロール
の径方向ならびに軸方向と垂直に植毛したブラシロール
の概略断面図、(b)図は形状が螺旋状のブラシ毛の説明
図、(c)図は形状が波線状のブラシ毛の説明図である。
【図2】実施例1におけるブラシ毛の断面積Aと異常損耗
発生率と洗浄効果との関係を示すグラフである。
【図3】実施例2におけるブラシ毛の長さLと異常損耗発
生率と洗浄効果との関係を示すグラフである。
【図4】実施例3におけるブラシ毛の形状別の異常損耗発
生率と洗浄効果との関係を示すグラフである。
【図5】実施例8で用いた本発明の鋼帯洗浄用のブラシロ
ール概略断面図である。
【図6】実施例8におけるアルカリ電解洗浄でのブラシ毛
のロール径方向のロール回転方向下流側に対する角度α
と異常損耗発生率、洗浄効果との関係を示すグラフであ
る。
【図7】実施例9で用いた本発明の鋼帯洗浄用のブラシロ
ールの全体概略断面図である。
【図8】実施例9におけるアルカリ電解洗浄でのブラシ毛
のロール軸方向のロール胴部のほぼ中心を対称にロール
端部方向に対する角度βと異常損耗発生率、洗浄効果と
の関係を示すグラフである。
【図9】本発明のブラシロールで使用するブラシ毛の一
例を示すもので、(a)図は形状が螺旋状ブラシ毛の説明
図、(b)図は形状が波線状のブラシ毛の説明図である。
【図10】ブラシ毛のロール径方向の回転方向下流側に対
する角度αの説明図である。
【図11】ブラシ毛のロール軸方向のロール胴部のほぼ中
心を対称にロール端部方向に対する角度βの説明図であ
る。
【図12】断面積A0.3〜0.6mm2、長さL20〜80mm、形状が
螺旋状または波線状のブラシ毛を、ロール径方向のロー
ル回転方向下流側に傾斜させたブラシロールを、アルカ
リ電解洗浄のブラシスクラパーとして用いた場合の、ブ
ラシ毛のロール径方向のロール回転方向下流側に対する
角度αと異常損耗発生率、洗浄効果との関係を示すグラ
フである。
【図13】断面積A0.3〜0.6mm2、長さL20〜80mm、形状が
螺旋状または波線状のブラシ毛を、ロール軸方向のロー
ル胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に傾斜させた
ブラシロールを、アルカリ電解洗浄のブラシスクラパー
として用いた場合の、ブラシ毛のロール軸方向のロール
胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に対する角度β
と異常損耗発生率、洗浄効果との関係を示すグラフであ
る。
【図14】冷間圧延の清浄ラインのアルカリ電解洗浄装置
の一例を示す全体説明図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、41 ロール 2、12、22、32、42 ブラシ毛 3、13、23、105、108 ブラシロール 101 アルカリ浸漬槽 102 アルカリ液 103 鋼帯 104 No.1ブラシスクラバー 106 アルカリ電解槽 107 No.2ブラシスクラバー 109 温水 110 温水リンス槽 111、112 ブラシバックアップロール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、ブラシ毛の断面積Aが0.3〜0.6mm2、ブラシ毛の
    長さLが20〜80mmで、かつ、ブラシ毛の形状が螺旋状ま
    たは波線状であることを特徴とする鋼帯洗浄用のブラシ
    ロール。
  2. 【請求項2】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、断面積Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mmの形
    状が螺旋状または波線状のブラシ毛を、ロール径方向に
    対する角度αをロール回転方向の下流側に30°以下の角
    度で傾斜させて植毛したことを特徴とする鋼帯洗浄用の
    ブラシロール。
  3. 【請求項3】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、断面積Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mmの形
    状が螺旋状または波線状のブラシ毛を、ロール軸方向に
    対する角度βをロール胴部のほぼ中心を対称にロール端
    部方向に35°以下の角度で傾斜させて植毛したことを特
    徴とする鋼帯洗浄用のブラシロール。
  4. 【請求項4】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、断面積Aが0.3〜0.6mm2、長さLが20〜80mmの形
    状が螺旋状または波線状のブラシ毛を、ロール径方向に
    対する角度αをロール回転方向の下流側に30°以下の角
    度で傾斜させ、かつロール軸方向に対する角度βをロー
    ル胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に35°以下の
    角度で傾斜させて植毛したことを特徴とする鋼帯洗浄用
    のブラシロール。
  5. 【請求項5】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、ブラシ毛のロール径方向に対する角度αを、ロ
    ール回転方向の下流側に5〜30°の角度で傾斜させて植
    毛したことを特徴とする鋼帯洗浄用のブラシロール。
  6. 【請求項6】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、ブラシ毛のロール軸方向に対する角度βを、ロ
    ール胴部のほぼ中心を対称にロール端部方向に5〜35°
    の角度で傾斜させて植毛したことを特徴とする鋼帯洗浄
    用のブラシロール。
  7. 【請求項7】 鋼帯を連続的に洗浄するブラシロールで
    あって、ブラシ毛のロール径方向に対する角度αをロー
    ル回転方向の下流側に5〜30°の角度で傾斜させ、かつ
    ロール軸方向に対する角度βをロール胴部のほぼ中心を
    対称にロール端部方向に5〜35°の角度で傾斜させて植
    毛したことを特徴とする鋼帯洗浄用のブラシロール。
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