JP2000128882A - 光学活性二環性グアニジン誘導体 - Google Patents

光学活性二環性グアニジン誘導体

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JP2000128882A
JP2000128882A JP30207698A JP30207698A JP2000128882A JP 2000128882 A JP2000128882 A JP 2000128882A JP 30207698 A JP30207698 A JP 30207698A JP 30207698 A JP30207698 A JP 30207698A JP 2000128882 A JP2000128882 A JP 2000128882A
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JP
Japan
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group
optically active
compound
formula
alkyl
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Application number
JP30207698A
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English (en)
Inventor
Toshio Isobe
敏男 磯部
Keiko Fukuda
恵子 福田
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基を示し、R2 はアルキル基、
アリール基又はアラルキル基を示し、R3 はアルキル基
又はヒドロキシアルキル基を示し、*は不斉炭素の位置
を示す〕で表わされる光学活性二環性グアニジン誘導体
又はその塩。 【効果】 不斉合成試薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性化合物を
選択的に製造するために用いる不斉合成試薬として有用
な二環性グアニジン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】エナンチオマー(鏡像異性体)が存在す
る有機化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各
々のエナンチオマーにより臭いや味が異なることが知ら
れている。また医薬品では、サリドマイドの例に如実に
示されたように各異性体によって薬効や毒性が大きく異
なることが知られている。更に強誘導性液晶では、その
光学純度の低下は、顕著な機能の低下をもたらすとさ
れ、純粋なキラル分子構造を持つ化合物が求められてい
る。
【0003】このように、医薬、農薬、香料、食品添加
物、エレクトロニクス等の産業分野では、光学純度が高
い、いずれかのエナンチオマーが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光学活性化合物の製造
法としては、通常の化学反応により得られたラセミ体を
光学活性を有する分割剤を用いて分離する方法が挙げら
れる。
【0005】しかしながら、分割剤を用いる方法では、
産業上利用できない異性体が半分残ってしまうため、資
源の有効利用が図れず、不経済であった。
【0006】また、酵素又は生物学的手法を用いて片方
の異性体のみを目的物に変換する方法が知られている
が、この方法は、適用できる化合物が限定され、かつ反
応濃度が低いため大量生産が困難であるという問題点が
あった。
【0007】一方、不斉合成試薬を用いた光学活性化合
物の製造法も知られているが、当該不斉合成試薬の種類
は少なく、更に新たな試薬の開発が待たれている。従っ
て、本発明の目的は、光学純度の高い化合物を工業的に
有利に製造するための新規な不斉合成試薬を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表
わされる新規化合物を不斉合成試薬として用いれば、高
エナンチオ選択的に反応が進行し、光学活性化合物を選
択的にかつ高収率で製造することができることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、R1 はアルキル基を示し、R2
アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R3
はアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、*は不
斉炭素の位置を示す〕で表わされる光学活性二環性グア
ニジン誘導体又はその塩を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の二環性グアニジン誘導体
は前記一般式(1)で表わされるものである。式中のR
1 はアルキル基を示し、このうち好ましいものとしては
炭素数1〜24の直鎖又は分枝鎖のアルキル基が挙げら
れる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−
ヘキシル基、i−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、t
−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−
ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデ
シル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−
ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシ
ル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エ
イコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−
テトラコシル基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜
6のものが特に好ましく、炭素数1〜4のものが最も好
ましい。
【0013】R2 はアルキル基、アリール基又はアラル
キル基を示す。アルキル基としては、炭素数1〜24の
アルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、
sec−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル
基、i−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、t−ヘキシ
ル基等が挙げられる。このうち炭素数1〜4のものが特
に好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチ
ル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素数6〜
24のアリール基が挙げられ、このうちフェニル基、ナ
フチル基が特に好ましい。アラルキル基としてはフェニ
ルアルキル基(アルキル基は炭素数1〜5のものが好ま
しい)、α−ナフチルアルキル基(アルキル基は炭素数
1〜5のものが好ましい)等が好ましいものとして挙げ
られる。このうちベンジル基、α−ナフチルメチル基が
特に好ましい。
【0014】R3 はアルキル基又はヒドロキシアルキル
基を示す。アルキル基としては、炭素数1〜24のアル
キル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、se
c−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、i
−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、t−ヘキシル基等
が挙げられる。このうち炭素数1〜4のものが特に好ま
しい。ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜24
のヒドロキシアルキル基、好ましくは炭素数1〜5のヒ
ドロキシアルキル基が挙げられ、具体的にはヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル
基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基が挙げ
られる。このうちヒドロキシメチル基が特に好ましい。
【0015】前記一般式(1)で表わされる二環性グア
ニジン誘導体の2つの不斉炭素原子の立体配置は、S、
Rのいずれであってもよい。なお、R2 とR3 が異なる
基である場合R2 とR3 が結合する炭素原子も不斉とな
る。
【0016】本発明の二環性グアニジン誘導体(1)
は、その塩又はその水和物等の溶媒和物であってもよ
い。塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸
塩、酢酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
【0017】本発明の二環性グアニジン誘導体(1)
は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
【0018】
【化3】
【0019】〔式中、R1 、R2 、R3 及び*は前記と
同じものを示し、R4 はアミノ基の保護基を示し、Xは
ハロゲン原子を示し、Bは塩基を示す〕
【0020】すなわち、アミノ基が保護された光学活性
プロリン誘導体(2)と光学活性アミン誘導体(3)と
を脱水縮合しプロリンアミド誘導体(4)とし、この化
合物(4)のアミノ基の保護基を外し化合物(5)とし
た後、そのアミド基を還元し、化合物(6)を得、次い
でこれに塩基存在下チオホスゲンを反応させ二環性チオ
尿素(7)とし、これをハロゲン化しイミニウム塩
(8)とし、これに塩基存在下、一級アミン(9)を反
応せしめれば本発明の二環性グアニジン誘導体(1)を
得ることができる。
【0021】以下、上記反応を工程毎に説明する。 (1)工程1 アミノ基が保護された光学活性なプロリン誘導体(2)
と光学活性なアミン(3)とを脱水縮合剤を用いて反応
させることによりプロリンアミド誘導体(4)が得られ
る。原料として用いられる光学活性なプロリン誘導体
(2)中のR4 としては、一般的に用いられるアミノ基
の保護基ならば特に制限されないが、その中でも特にベ
ンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル
基、2−(p−ビフェニル)イソプロポキシカルボニル
基、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル基等が好ま
しい。反応に用いられる脱水縮合剤としては、2−クロ
ロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボ
ジイミド、カルボニルジイミダゾール等を挙げることが
できる。なお、ここで用いられるプロリン誘導体(2)
及びアミン(3)は不斉炭素原子を有するので、R体、
S体及びその混合物が存在するが、斯かる立体配置は、
最終生成物たるグアニジン(1)まで保持される。すな
わち、所望するグアニジン(1)の立体配置に応じた立
体配置を有するプロリン誘導体(2)及びアミン(3)
を用いればよい。ここで得られるプロリンアミド類
(4)は単離してもよいが、精製を行うことなく粗生成
物のまま次の工程2に用いることもできる。
【0022】(2)工程2 工程2はアミノ基の保護基を脱離せしめることにより脱
保護されたプロリンアミド(5)を得る反応である。保
護基の脱離反応は、保護基に応じ常法、例えば加水分解
又は加水素分解によって行われるが、より具体的には、
t−ブトキシカルボニル基の場合にはトリフルオロ酢酸
によって、又はベンジルオキシカルボニルの場合には、
パラジウム炭素等の金属触媒の存在下に水素添加するこ
とにより行われる。
【0023】(3)工程3 工程3はアミド基を還元することにより化合物(6)を
得る反応である。還元反応は、還元剤として水素化リチ
ウムアルミニウムを用い、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、ジエチルエーテル等の非プロトン性溶媒
中、室温ないし加熱下で数時間〜数十時間反応すること
によって行われる。ここで得られる化合物(6)は単離
してもよいが、精製を行うことなく粗生成物のまま次の
工程4に用いることもできる。
【0024】(4)工程4 工程4は化合物(6)に塩基存在下チオホスゲンを反応
せしめることにより閉環反応を行い、二環性チオ尿素
(7)を得る反応である。ここで用いられる塩基として
は、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、N−メ
チルモルホリン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム等の無機塩基が挙げられる。反応は、塩化メチレ
ン、クロロホルム、ベンゼン等の非プロトン性溶媒に化
合物(6)と塩基を溶解しておき、この中にチオホスゲ
ンを滴下することによって行われる。
【0025】(5)工程5 チオ尿素(7)にハロゲン化剤を反応せしめることによ
りイミニウム塩(8)が得られる。ここで使用されるハ
ロゲン化剤としては、オキザリルハロゲニド、三ハロゲ
ン化リン、五ハロゲン化リン、オキシハロゲン化リン、
ホスゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、トリホ
スゲン等が挙げられる。反応はチオ尿素(7)とハロゲ
ン化剤をトルエン等の適当な溶媒に溶解しておき、室温
ないし加熱下で数時間〜数十時間反応することによって
行うことが好ましい。また、ここで得られるイミニウム
塩(8)は単離してもよいが、単離することなく次の工
程6に用いることもできる。
【0026】(6)工程6 イミニウム塩(8)と一級アミン(9)とを塩基の存在
下で反応せしめることにより本発明の二環性グアニジン
(1)が得られる。一級アミン(9)の具体例として
は、(S)−フェネチルアミン、(R)−フェネチルア
ミン、(S)−ナフチルアミン、(R)−ナフチルアミ
ン、(S)−アラニノール、(R)−アラニノール、
(S)−2−アミノブタノール、(R)−2−アミノブ
タノール、(S)−2−アミノ−n−ペンタノール、
(R)−2−アミノ−n−ペンタノール、(S)−バリ
ノール、(R)−バリノール、(S)−ロイシノール、
(R)ロイシノール、(S)−イソロイシノール、
(R)−イソロイシノール、(S)−フェニルグリシノ
ール、(R)−フェニルグリシノール、(S)−フェニ
ルアラニノール、(R)−フェニルアラニノール等を挙
げることができる。ここで使用される塩基としては、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリ
ン、ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム等の無機塩基が挙げられるが、反応に使用されるア
ミンを塩基として使用することもできる。反応はイミニ
ウム塩(8)か一級アミン(9)のどちらか一方をベン
ゼン、アセトニトリル、塩化メチレン等の適当な溶媒に
溶解しておき、室温あるいは冷却下に他方をゆっくりと
滴下することにより行うのが好ましい。
【0027】本発明化合物(1)は、種々の不斉合成反
応に不斉合成試薬として用いることができる。例えば、
本発明化合物(1)を触媒として用いる不斉マイケル付
加反応は次の反応式によって実施することができる。
【0028】
【化4】
【0029】〔式中、R5 、R6 、R7 、R8 は有機基
を示す〕
【0030】すなわち、エノン(10)、マロン酸ジエ
ステル(11)を各1当量と触媒量の本発明化合物
(1)をクロロホルム、塩化メチレン、トルエン、テト
ラヒドロフラン等の不活性溶媒中に加え、加熱下あるい
は室温付近で反応させればマイケル付加反応がエナンチ
オ選択的に進行し、目的とする光学活性なマイケル付加
体(12)を容易に得ることができる。このマイケル付
加体(12)は、常法に従い、エステルの加水分解、脱
炭酸反応を経て医薬品原料として有用な光学活性なケト
カルボン酸に導くことができる。なお、上記反応に触媒
として用いた(1)は特に精製の操作を必要とせず再使
用することができる。ここで、R5 、R6 、R7 、R8
で示される有機基としては、脂肪族基、芳香族基いずれ
でもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明化合物を不斉合成試薬として用い
れば、光学活性化合物を選択的かつ高収率で製造するこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例、製造例等を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0033】製造例1 Nα−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−N−〔(S)−1−フェニルエチル〕−
(S)−プロリンアミドの製造 塩化メチレン100ml中にN−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−L−プロリン10.00g(46.5mmo
l)、(S)−α−フェネチルアミン5.63g(4
6.5mmol)及びトリエチルアミン11.27g(11
1.6mmol)を加え、この中に2−クロロ−1,3−ジ
メチルイミダゾリニウムクロライド9.43g(55.
8mmol)の塩化メチレン30ml溶液を水冷下ゆっくりと
滴下し、終了後更に3時間攪拌を続けた。反応液にクエ
ン酸水溶液を加え塩化メチレンで抽出し、抽出液は水、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、減圧下にて溶媒
を留去して赤褐色油状物17.98gを得た。この油状
物はこれ以上の精製を行わず次の工程に用いた。
【0034】製造例2 N−〔(S)−1−フェニルエ
チル〕−(S)−プロリンアミドの製造 トリフルオロ酢酸30gと塩化メチレン70gの混液中
にNα−(tert−ブトキシカルボニル)−N−
〔(S)−1−フェニルエチル〕−(S)−プロリンア
ミド17.98gを加え、室温で18時間攪拌した。反
応液に水酸化カリウム水溶液を加え塩化メチレンで抽出
し、抽出液は水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。次いで減圧下に溶媒を留去して得た赤褐色油状物
9.47gをシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 C
HCl3/MeOH)にて精製し、標記化合物を9.0
2g(2工程の収率89%)得た。
【0035】製造例3 N−〔(S)−1−フェニルエ
チル〕−(S)−2−ピロリジンメタンアミンの製造 テトラヒドロフラン200ml中に水素化リチウムアルミ
ニウム4.71g(124.1mmol)を加え、この中に
N−〔(S)−1−フェニルエチル〕−(S)−プロリ
ンアミド9.02g(41.4mmol)のテトラヒドロフ
ラン30ml溶液をゆっくりと滴下し、滴下終了後更に6
0℃で14時間加熱した。放冷後、反応液を飽和硫酸ナ
トリウム水溶液中に加え不溶物を濾去し、塩化メチレン
で抽出した。抽出液は、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
減圧下に溶媒を留去して赤褐色粘稠油状物9.59gを
得た。この油状物はこれ以上の精製を行わず次の工程に
用いた。
【0036】製造例4 (5S)−2−チオキソ−3−
〔(S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザビシ
クロ〔3.3.0〕オクタンの製造 塩化メチレン100ml中にN−〔(S)−1−フェニル
エチル〕−(S)−2−ピロリジンメタンアミン9.5
9g及びトリエチルアミン9.50g(94.0mmol)
を加え、この中にチオホスゲン5.41g(47.0mm
ol)を氷冷下にゆっくりと滴下し、滴下終了後室温で5
時間攪拌を続けた。反応液に希塩酸水溶液を加え塩化メ
チレンで抽出し、抽出液は水、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。次いで減圧下に溶媒を留去して得た暗赤色油状物
8.24gをシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 n
−ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物を
4.74g(2工程の収率47%)得た。
【0037】粘稠油状物 〔α〕D 23=−314.81°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1435,1300,1265 UVλmax MeOHnm:206.8(ε16500), 246.8(ε18500)
【0038】1H-NMR(CDCl3)δ:1.03-1.17(1H,m), 1.5
5(3H,d,J=7.1Hz),1.80-1.99(3H,m), 2.98(1H,dd,J=3.5
and 10.2Hz),3.28-3.36(1H,m), 3.61(1H,t,J=10.2Hz),
3.80-3.86(1H,m), 4.10-4.19(1H,m),6.07(1H,q,J=7.1H
z), 7.25-7.35(5H,m)13 C-NMR(CDCl3) δ:14.92, 24.01, 30.15, 45.68, 47.
80, 53.04, 59.14,76.57, 77.00, 77.42, 126.53, 127.
14, 128.13,139.26, 185.12 MS(FAB):m/z=247(M+1+)
【0039】実施例1 (5S)−2−〔(1S)−1
−フェニルエチルイミノ〕−3−〔(1S)−1−フェ
ニルエチル〕−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕
オクタンの製造 トルエン50ml中に(5S)−2−チオキソ−3−
〔(1S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン2.41g(9.80mm
ol)及びオキザリルクロライド1.50g(11.77
mmol)を加え、60℃で8時間加熱攪拌した。放冷後、
反応液を減圧濃縮して得られた残渣を塩化メチレン50
mlに溶解し、これを(S)−α−フェネチルアミン1.
42g(11.72mmol)、トリエチルアミン1.98
g(19.60mmol)及び塩化メチレン50mlの混液中
に滴下し、滴下終了後更に1時間攪拌を続けた。次いで
反応液に希塩酸水溶液を加え塩化メチレンで抽出した。
抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒
を留去して得た残渣を温水に溶解し、トルエンで2回洗
浄した。水層を水酸化ナトリウム水溶液で強アルカリ性
とした後、塩化メチレンで抽出した。抽出液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去して標記化合
物2.16g(収率66%)を得た。得られた化合物の
物性は以下の通りである。
【0040】粘稠油状物 〔α〕D 23=−73.60°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1640 UVλmax MeOHnm:208.0(ε30800)
【0041】1H-NMR(CDCl3)δ:1.24-1.31(1H,m), 1.3
8(1H,d,J=6.4Hz),1.49(1H,d,J=7.0Hz), 1.60-1.67(1H,
m),1.73-1.79(1H,m), 2.64(1H,dd,J=4.0 and 8.2Hz),2.
82-2.90(1H,m), 3.18-3.23(1H,m),3.28(1H,t,J=8.2Hz),
3.63-3.72(1H,m)4.79(1H,q,J=6.4Hz), 5.55(1H,q,J=7.
0Hz),7.12-7.46(10H,m)13 C-NMR(CDCl3) δ:14.52, 26.30, 27.92, 30.92, 44.
50, 50.43, 52.00,56.63, 59.05, 76.57, 77.00, 77.4
2, 125.54, 126.14,126.51, 127.19, 127.82, 128.03,
142.11, 149.45,157.12 RHFBMS m/z 334.2272(calcd for C12H28N3:334.2283)
【0042】実施例2 (5S)−2−〔(1S)−1
−ベンジル−2−ヒドロキシエチルイミノ〕−3−
〔(1S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタンの製造 トルエン50ml中に(5S)−2−チオキソ−3−
〔(1S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン2.41g(9.80mm
ol)及びオキザリルクロライド1.50g(11.77
mmol)を加え、60℃で8時間加熱攪拌した。放冷後、
反応液を減圧濃縮して得た残渣を塩化メチレン50mlに
溶解し、これを(S)−フェニルアラニノール1.78
g(11.75mmol)、トリエチルアミン1.98g
(19.59mmol)及び塩化メチレン50mlの混液中に
滴下し、滴下終了後更に30分間攪拌を続けた。以下、
実施例1と同様の操作を行い標記化合物を2.76g
(収率78%)得た。得られた化合物の物性は以下の通
りである。
【0043】粘稠油状物 〔α〕D 23=−121.72°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1635 UVλmax MeOHnm:206.4(ε24800)
【0044】1H-NMR(CDCl3)δ:1.27-1.38(1H,m), 1.3
9(3H,d,J=7.1Hz),1.70-1.90(3H,m), 2.68-2.85(3H,m),
3.23-3.70(6H,m), 3.93-3.95(1H,m),5.35(1H,q,J=7.1H
z), 7.15-7.35(10H,m)13 C-NMR(CDCl3) δ:15.40, 26.62, 31.23, 40.13, 44.
74, 50.64, 51.78,58.19, 59.22, 65.44, 125.64, 126.
75, 126.93,127.96, 128.27, 128.32, 129.56, 140.03,
142.06,159.27 HRFBMS m/z 364.2380(calcd for C23H30ON3:364.2389)
【0045】実施例3 (5S)−2−〔(1S)−1
−(ナフチル)エチルイミノ〕−3−〔(1S)−1−
フェニルエチル〕−1,3−ジアザビシクロ〔3.3.
0〕オクタンの製造 トルエン50ml中に(5S)−2−チオキソ−3−
〔(1S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン2.10g(8.52mm
ol)及びオキザリルクロライド1.30g(10.24
mmol)を加え、60℃で8時間加熱攪拌した。放冷後、
反応液を減圧濃縮して得た残渣を塩化メチレン20mlに
溶解し、これを(S)−(−)−1−(1−ナフチル)
エチルアミン1.39g(8.12mmol)、トリエチル
アミン1.64g(16.25mmol)及び塩化メチレン
30mlの混液中に滴下し、滴下終了後さらに更に1時間
攪拌を続けた。以下、実施例1と同様の操作を行い標記
化合物を1.14g(収率35%)得た。得られた化合
物の物性は以下の通りである。
【0046】樹脂状物 〔α〕D 22=+78.74°(c=1.00,CHCl3) IRνmax KBrcm-1:1640 UVλmax MeOHnm:224.8(ε9800), 281.6(ε700)
【0047】1H-NMR(CDCl3)δ:1.19-1.32(1H,m), 1.4
6-1.52(1H,m),1.51(3H,d,J=6.4Hz), 1.56(3H,d,J=7.0H
z),1.71-1.95(2H,m), 2.69(1H,dd,J=3.8 and 8.3Hz),2.
70-2.76(1H,m), 3.09-3.15(1H,m),3.34(1H,t,J=8.3Hz),
3.68-3.74(1H,m),5.53(1H,q,J=6.4Hz), 5.64(1H,q,J=
7.0Hz),7.23-7.49(8H,m), 7.68(1H,d,J=8.1Hz),7.83-7.
88(2H,m), 8.30(1H,d,J=8.3Hz)13 C-NMR(CDCl3) δ:14.84, 26.36, 27.28, 31.04, 44.
77, 50.65, 51.34,53.60, 59.22, 123.67, 124.90, 12
5.34, 125.95,126.17, 126.64, 127.31, 128.18, 128.7
5, 130,38,133.77, 142.36, 145.74, 157.03
【0048】実施例4 (5S)−2−〔(1R)−1
−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピルイミノ〕−3
−〔(1S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザ
ビシクロ〔3.3.0〕オクタンの製造 トルエン50ml中に(5S)−2−チオキソ−3−
〔(1S)−1−フェニルエチル〕−1,3−ジアザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン2.10g(8.52mm
ol)及びオキザリルクロライド1.30g(10.24
mmol)を加え、60℃で8時間加熱攪拌した。放冷後、
反応液を減圧濃縮して得た残渣を塩化メチレン20ml中
に溶解し、これを(R)−バリノール0.84g(8.
12mmol)、トリエチルアミン1.64g(16.25
mmol)及び塩化メチレン30mlの混液中に滴下し、滴下
終了後更に1時間攪拌を続けた。以下、実施例1と同様
の操作を行い標記化合物を1.05g(収率39%)得
た。得られた化合物の物性は以下の通りである。
【0049】粘稠油状物 〔α〕D 21=−93.29°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1645 UVλmax MeOHnm:207.6(ε14200)
【0050】1H-NMR(CDCl3)δ:0.82(3H,d,J=6.8Hz),
0.94(3H,d,J=6.6Hz),1.32(3H,d,J=5.9Hz), 1.65-1.80(5
H,m),2.33(1H,dd,J=7.3 and 11.3Hz),2.66(1H,dd,J=5.0
and 11.3Hz),3.28-3.39(2H,m), 3.73-3.86(3H,m),3.91
(1H,t,J=7.7Hz), 4.20(1H,t,J=7.7Hz),7.21-7.34(5H,m)13 C-NMR(CDCl3) δ:17.34, 18.89, 23.48, 24.39, 29.
59, 33.13, 47.82,51.48, 58.21, 58.49, 69.87, 126.4
2, 126.53, ,128.08, 145.60, 160.15 MS(FAB):m/z=316(M+1+)
【0051】参考例 2−シクロペンテノンとマロン酸
ジベンジルエステルとの反応
【0052】
【化5】
【0053】クロロホルム5ml中に2−シクロペンテノ
ン32mg(3.9×10-4mol)、マロン酸ジベンジル
エステル93mg(3.3×10-4mol)及び(5S)−
2−〔(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチル
イミノ〕−3−〔(1S)−1−フェニルエチル〕−
1,3−ジアザビシクロ〔3.3.0〕オクタン12mg
(3.3×10-5mol)を加え25日間加熱還流した。
放冷後、反応液をシリカゲルクロマトグラフィーにて精
製し、3−オキソシクロペンチルマロン酸ジベンジルエ
ステルを16mg得た。この化合物の光学純度を決定する
ために、p−トルエンスルホン酸存在下2−エチル−2
−メチル−1,3−ジオキソランとの反応により3−オ
キソシクロペンチルマロン酸ジベンジルエステル・エチ
レンアセタールに誘導し、HPLC分析(カラム:CH
IRALCEL OD,移動相:n−ヘキサン:イソプ
ロパノール=40:1)したところR:Sの比は39:
61であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基を示し、R2 はアルキル基、
    アリール基又はアラルキル基を示し、R3 はアルキル基
    又はヒドロキシアルキル基を示し、*は不斉炭素の位置
    を示す〕で表わされる光学活性二環性グアニジン誘導体
    又はその塩。
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