JP2000128474A - 移動踏板の清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】移動踏板のクリート溝の自動清掃、火種等の排
除、製造及び保守性の向上を図り得る清掃装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】踏面３Ａに多数のクリート溝３Ｂを有して
一方の乗降床２と他方の乗降床との間を移動する踏板３
に対して、乗降床２とくし板４との間で上下方向に挟ま
れて固定される固定板６Ａと、この固定板６Ａの先端の
調整部６Ｂと、この調整部６Ｂに植立された難燃性ある
いは不燃性を有する材質の摺接ブラシ６Ｃとで構成され
る清掃装置６を乗降床２の先端部２Ａに配設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動く歩道やエスカ
レーター等の踏板用清掃装置に係り、特に、移動踏板の
自動清掃、火種等の排除及び毛先長さの調整を行うに好
適な清掃装置の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】移動踏板の清掃装置に関する従来例とし
ては、実開昭５８−１８７５６８号公報に開示されたエ
スカレーター式乗客コンベア用のものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、移動
踏板の凹凸のクリート溝内に摺接される清掃用ブラシあ
るいはフエルトを直接くし板の歯先部に植立する構成で
あるために、この歯先部が欠損すると清掃機能が全く消
滅するという根本的な欠陥があった。この問題は、移動
踏板上に小石等の異物が侵入し、くし板の歯先部とクリ
ート溝間に挟まれて強い外力が発生した場合、歯先部が
先に破損してクリート溝を保護するという設計思想に沿
って、くし板を消耗品扱いとする考え方であるために前
記清掃機能の消滅は日常的に頻繁に発生することにな
る。また、上記従来例の構成では、ブラシの毛先長さを
揃える術がなく、さらに、材質的に可燃性か難燃性かの
限定がないために、例えばクリート溝内に煙草などの火
種が侵入した場合には、このブラシが発煙あるいは燃焼
するという問題もある。これらの問題のうち、毛先長さ
不揃いの場合は、清掃むらが発生すること、また毛先を
揃える場合、その植立部の精度管理を要しコスト高とな
ること、さらに火種により毛先が燃焼した場合、その周
囲のくし板や踏板の一部などの合成樹脂材まで燃焼させ
る不都合がある。

【０００４】本発明の目的は、移動踏板のクリート溝の
自動清掃、火種等の排除、製造及び保全性の向上を図り
得る移動踏板用清掃装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、一方の乗降床から他方の乗降床にかけて
無端状に連結され、その踏面に多数のクリート溝を有す
る踏板と、前記乗降床の先端部に固定される根元部と前
記クリート溝に噛み合う多数の歯先部を有するくし板を
備えたものにおいて、前記乗降床の先端部に、前記乗降
床と前記根元部とで上下方向に挟まれる固定板と、この
固定板の先端側に固設され、前記クリート溝に当接され
る摺接ブラシと、この摺接ブラシの前記固定板からの毛
先長さを調整できる、前記固定板に設けられた調整部と
からなる清掃装置を設けたのである。また、前記摺接ブ
ラシは、難燃性あるいは不燃性を有する材質としたので
ある。この清掃装置の構成によれば、移動踏板のクリー
ト溝に当接される摺接ブラシがくし板とは別体であって
従来の歯先部欠損時の機能消滅という問題は解消され
る。また、前記調整部により毛先長さは簡単かつ正確に
揃えることが可能となる。更に、摺接ブラシは、難燃性
あるいは不燃性を有する材質であるので、クリート溝内
に煙草などの火種が侵入しても発煙や燃焼はなく、かつ
この火種の機械本体内への侵入を阻止することができ
る。加えて、この固定板の横幅寸法がくし板の横幅と同
等であるので摺接ブラシの点検、摩滅寿命に際してその
上側に位置するくし板１個を脱着することで容易に対応
することができ、保全性を大幅に向上させることができ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態をエ
スカレーター式乗客コンベアを例に図１〜図３を用いて
説明する。乗客コンベア１の一方の乗降口付近を斜視的
に示した図１において、乗客コンベア１は、それの一方
の乗降床２から他方の乗降床（図示省略）にかけて無端
状に連結され、その踏面３Ａに多数のクリート溝３Ｂを
有して移動する踏板３と、乗降床２の先端部２Ａに固設
される根元部４Ａとクリート溝３Ｂに噛み合う多数の歯
先部４Ｂを有するくし板４を備えている。ここで、くし
板４は、図１のＩ−Ｉ線に沿う断面図である図２に示す
ように、乗降床２の先端部２Ａの平坦斜面２Ｂにビス５
で固設される根元部４Ａと、これに連なる多数の凹凸な
歯先部４Ｂと、この歯先部４Ｂの後端に垂辺４Ｃを有
し、これが横幅寸法で１００ｍｍ程度に分割された形で
乗降床２と踏板３の横幅いっぱいに複数個連続して配設
されている。また、平坦斜面２Ｂと根元部４Ｂとの間に
は、図２に示す断面と図３に示す単体外観の横幅Ｗ（く
し板４の横幅寸法と同等かそれ以下）をもち、平坦状の
金属製材か合成樹脂製材の固定板６Ａと、この固定板６
Ａの先端に位置する略Ｕ字形の調整部６Ｂに、その板厚
を貫通する形で上側にａ、下側にｂだけ突出する難燃性
あるいは不燃性を有する不燃糸等の合成樹脂材、または
金属材からなる摺接ブラシ６Ｃが植立された清掃装置６
が設けられている。さらに、摺接ブラシ６Ｃは、図３の
ようにして所定の毛先長さｂが設定された後、図２に図
示したように調整部６Ｂ内に凝固材６Ｄ充填して固定板
６Ａと摺接ブラシ６Ｃを強固に一体化するもので、製造
（毛先揃え作業）が容易で低コスト化の効果を有する構
成となっている。そして、図２の矢印Ｍのように移動す
る踏板３のクリート溝３Ｂと歯先部４Ｂの間に侵入した
煙草等の火種や小石等の異物Ｑが機械本体内に侵入する
のを阻止する一方、例えば火種が毛先に接触しても燃焼
することはなくなる。さらに、異物Ｑが摺接ブラシ６Ｃ
の毛先を経時的に摩滅させた場合、従来のようにくし板
自身が寿命になることはなく、万一、清掃装置６が寿命
になって、それの保全作業（交換）を行う場合でもくし
板４の単位ごとに一対となっているくし板４と清掃装置
６を一ユニットとして取扱うことができて便利となる。
また、ビス５をくし板４と固定板６Ａの穴６Ｅから取外
せば、くし板４の下側で露出する清掃装置６が目視確認
でき、くし板４単位に清掃装置６の交換もできるので、
例えば、踏板３の移動復路に摺接ブラシを設ける方式に
比べて保全性が格段に向上する構成となっている。

【０００７】なお、上記清掃装置６は、例示した移動踏
板３の形状に限定されるものではなく、平坦あるいは凹
溝を有するゴムベルト等にも応用できる。

【０００８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クリート溝の自動清掃、火種等の排除、製造及び保全性
の向上を図り得る移動踏板の清掃装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による清掃装置を備えた乗客コンベアの
要部斜視図。

【図２】図１のＩ−Ｉ線に沿う断面図。

【図３】図２に配設した清掃装置単体の斜視図。

【符号の説明】

１…乗客コンベア、２…乗降床、２Ａ…先端部、２Ｂ…
平坦斜面、３…踏板、３Ａ…踏面、３Ｂ…クリート溝、
４…くし板、４Ａ…根元部、４Ｂ…歯先部、４Ｃ…垂
辺、５…ビス、６…清掃装置、６Ａ…固定板、６Ｂ…調
整部、６Ｃ…摺接ブラシ、６Ｄ…凝固剤、６Ｅ…穴、Ｑ
…異物

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の乗降床から他方の乗降床にかけて無
   端状に連結され、その踏面に多数のクリート溝を有する
   踏板と、前記乗降床の先端部に固定される根元部と前記
   クリート溝に噛み合う多数の歯先部を有するくし板を備
   えたものにおいて、前記乗降床の先端部に、前記乗降床
   と前記根元部とで上下方向に挟まれる固定板と、この固
   定板の先端側に固設され、前記クリート溝に当接される
   摺接ブラシと、この摺接ブラシの前記固定板からの毛先
   長さを調整できる、前記固定板に設けられた調整部とか
   らなる清掃装置を設けたことを特徴とする移動踏板の清
   掃装置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記摺接ブラシは、難
   燃性あるいは不燃性を有する材質であることを特徴とす
   る移動踏板の清掃装置。