JP2000000530A - 移動踏板の清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、寿命と保全性に優れた構成の移動踏
板用清掃装置を提供することを目的とする。 【解決手段】踏面３Ａに多数のクリート溝３Ｂを有して
一方の乗降床２と他方の乗降床との間を移動する踏板３
に対して、乗降床２とくし板４との間で上下方向に挟ま
れて固定される固定板６Ａを設け、この固定板６Ａの、
横幅Ｗａはくし板４の横幅Ｗと同等の寸法で、かつこの
固定板６Ａの先端であって前記くし板４の歯先部４Ｂの
後側に設けられた凹溝４Ｃに係合する係合部６Ｄを有
し、さらにこの固定板６Ａに踏板３のクリート溝３Ｂ内
に当接される摺接ブラシ６Ｂを植立した構成の清掃装置
６を乗降床２の先端部２Ａに配設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動く歩道やエスカ
レーター等の踏板用清掃装置に係り、特に、移動踏板の
クリート溝を自動的に清掃する清掃装置の構成に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】移動踏板の清掃装置に関する従来例とし
ては、実開昭５８−１８７５６８号公報に開示されたエ
スカレーター式乗客コンベア用のものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、移動
踏板の凹凸のクリート溝内に摺接される清掃用ブラシあ
るいはフエルトを直接くし板の歯先部に植立する構成で
あるために、この歯先部が欠損すると清掃機能が全く消
滅するという根本的な欠陥があった。この問題は、移動
踏板上に小石等の異物が侵入し、くし板の歯先部とクリ
ート溝間に挟まれて強い外力が発生した場合、歯先部が
先に破損してクリート溝を保護するという設計思想に沿
って、くし板を消耗品扱いとする考え方であるために前
記清掃機能の消滅は日常的に頻繁に発生することにな
る。また、上記従来例の構成では、清掃用ブラシ等に作
用する小石等による外力が直接歯先部に伝達されるため
に、これが原因でくし板を破損せしめるという問題もあ
る。さらに、くし板の裏面に、このくし板とは別体の摺
接ブラシ体を配置する構成のものも考えられるが、この
単純な構成においてはくし板と摺接ブラシ体がバラバラ
でその取付け、取外しの保全作業において不都合（煩
雑）をきたす問題がある。

【０００４】本発明の目的は、寿命と保全性に優れた構
成の移動踏板用清掃装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、一方の乗降床から他方の乗降床にかけて
無端状に連結され、その踏面に多数のクリート溝を有す
る踏板と、前記乗降床の先端に固定される根元部と前記
クリート溝に噛み合う多数の歯先部を有するくし板を備
えたものにおいて、前記乗降床の先端部に、前記乗降床
と前記根元部とで上下方向に挟まれ、かつ前記乗降床の
先端部であって前記歯先部の後部に設けられた凹溝に挿
入される係合部を有し、さらに前記くし板の横幅寸法と
同等の横幅を有する固定板と、この固定板の先端側に固
設され、前記クリート溝内に当接される摺接ブラシから
なる清掃装置を設けたのである。この清掃装置の構成に
よれば、移動踏板のクリート溝に当接される摺接ブラシ
がくし板とは別体であって従来の問題点（歯先部欠損）
が解消される。また、その固定板の先端である係合部が
くし板の歯先部の後部に設けられた凹溝に挿入され、こ
の固定板とくし板がバラバラにならない係合状態を保つ
ことができるので、部品寿命時の交換作業においても好
都合（二品を一品として扱える）である。さらに、その
固定板の横幅寸法がくし板の横幅と同等であるので摺接
ブラシの点検、摩滅寿命に際してその上側に位置するく
し板１個を脱着することで容易に対応することができ、
保全性を大幅に向上させることができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態をエ
スカレーター式乗客コンベアを例に図１〜図３を用いて
説明する。乗客コンベア１の一方の乗降口付近を斜視的
に示した図１において、乗客コンベア１は、それの一方
の乗降床２から他方の乗降床（図示省略）にかけて無端
状に連結され、その踏面３Ａに多数のクルート溝３Ｂを
有して移動する踏板３と、乗降床２の先端部２Ａに固設
される根元部４Ａとクリート溝３Ｂに噛み合う多数の歯
先部４Ｂを有するくし板４を備えている。ここで、くし
板４は、図１のＩ−Ｉ線に沿う断面図である図２に示す
ように、乗降床２の先端部２Ａの平坦斜面２Ｂにビス５
で固設される根元部４Ａと、これに連なる多数の凹凸な
歯先部４Ｂと、この歯先部４Ｂの後端に奥行ｎでなる凹
溝４Ｃを有し、これが図：３に示すように横幅寸法Ｗが
１００ｍｍ程度に分割された形で乗降床２と踏板３の横
幅いっぱいに複数個連続して配設されている。また、平
坦斜面２Ｂと根元部４Ａとの間には、図２に示す断面と
図３に示す単体外観の横幅Ｗａの清掃装置６が上下方向
に挟まれる形で固定的に設けられている。この清掃装置
６は、くし板４の横幅寸法Ｗに対して同一かもしくは多
少（図３のｍ分）小さい横幅Ｗａをもち、平板状の金属
材製や合成樹脂材製の固定板６Ａと、この固定板６Ａの
先端に位置し、クリート溝３Ｂ内に当接される摺接ブラ
シ６Ｂを植立する植立体６Ｃとの組合せ体で、さらに、
その先端であって前記凹溝４Ｃに挿入されて係合する係
合部６Ｄで構成されている。そして、図２の矢印Ｍのよ
うに移動する踏板３のクリート溝３Ｂと歯先部４Ｂの間
に侵入した小石等の異物Ｑが摺接ブラシ６Ｂの毛先を経
時的に摩滅させた場合、従来のようにくし板自身が寿命
になることはなく、万一、清掃装置６が寿命になって、
それの保全作業（交換）を行う場合でも互いに係合し一
対となっているくし板４と清掃装置６を一ユニットとし
て取扱うことができて便利となる。さらに、凹溝４Ｃと
係合部６Ｄとの係合は、前記矢印Ｍによって摺接ブラシ
６Ｂを引張り、その固定板６Ａを想像線Ｙ（図２）のよ
うに変形させようとしても上記凹凸係合関係により支持
し、それの変形を防止することができる。また、ビス５
をくし板４と固定板６Ａの穴６Ｅから取外し、上記凹凸
係合を解けばくし板４の下側で露出する清掃装置６が目
視確認でき、くし板４単位に清掃装置６の交換もできる
ので、例えば、踏板３の移動復路に摺接ブラシを設ける
方式に比べて保全性が格段に向上する構成となってい
る。

【０００７】なお、上記清掃装置６は、例示した移動す
る踏板３の形状に限定されるものではなく、平板あるい
は凹溝を有するゴムベルト等にも応用できる。

【０００８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
移動踏板用清掃装置として寿命と保全性に優れたものを
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による清掃装置を備えた乗客コンベアの
要部斜視図。

【図２】図１のＩ−Ｉ線に沿う断面図。

【図３】図２に配置したくし板と清掃装置の単体斜視
図。

【符号の説明】

１…乗客コンベア、２…乗降床、２Ａ…先端部、２Ｂ…
平坦斜面、３…踏板、３Ａ…踏面、３Ｂ…クリート溝、
４…くし板、４Ａ…根元部、４Ｂ…歯先部、４Ｃ…凹
溝、５…ビス、６…清掃装置、６Ａ…固定板、６Ｂ…摺
接ブラシ、６Ｃ…植立体、６Ｄ…係合部、６Ｅ…穴、Ｑ
…異物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の乗降床から他方の乗降床にかけて無
   端状に連結され、その踏面に多数のクリート溝を有する
   踏板と、前記乗降床の先端に固定される根元部と前記ク
   リート溝に噛み合う多数の歯先部を有するくし板を備え
   たものにおいて、前記乗降床の先端部に、前記乗降床と
   前記根元部とで上下方向に挟まれ、かつ前記乗降床の先
   端部であって前記歯先部の後部に設けられた凹溝に挿入
   される係合部を有し、さらに前記くし板の横幅寸法と同
   等の横幅を有する固定板と、この固定板の先端側に固設
   され、前記クリート溝内に当接される摺接ブラシとから
   なる清掃装置を設けたことを特徴とする移動踏板の清掃
   装置。