JP2000127764A - 車両用スライドドアのスライド制御方法 - Google Patents
車両用スライドドアのスライド制御方法Info
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Abstract
イド速度の低下を防止し得ると共に挟み込みの誤判定を
防止する。 【解決手段】 スライドドアを下にして車体内側を上に
するように車体が傾斜している場合にスライドドアが曲
折部を上がるようになってスライド速度が目標速度VH
に対して所定値VJ以下に低下し、その低下状態が連続
したら、曲折部の区間Xでは比較的早く、区間Y・Zに
進むに連れて遅いタイミングでデューティdを例えば2
パーセントずつ上げる。 【効果】 デューティを徐々に増加させ、かつ全閉位置
に遠い方では早いタイミングで増加させることから、ス
ライド速度の低下を防止し得ると共に、挟み込みが生じ
ていた場合であっても、初期の駆動力がそれ程増大して
いないため挟み込み判定までの挟み込み荷重も余り増加
しない。
Description
アのスライド制御方法に関するものである。
られたスライドドアにおいて、モータによりスライドさ
せてドアの自動開閉を可能にしたものがある。そのよう
な自動スライドドアのスライド制御にあっては、スライ
ド速度を一定にしてスライドドアの開閉を行うことが考
えられ、そのためには例えば目標速度を設定してモータ
をデューティ制御すると良い。
ータ回転パルスを検出し、スライド速度に対応するパル
ス周期の長短変化に応じてデューティを増減させて、モ
ータ速度が一定になるように制御することが考えられ
る。そのような制御において閉扉時に何らかの挟み込み
が生じた場合には、スライドドアが停止状態になるに連
れてそのスライド速度が遅くなっていくため、そのよう
なスライド速度の連続低下を検知したら、スライドドア
を停止または反転させる等の挟み込み処理を行うことが
できる。
る挟み込まれたものに対するスライドドアによる荷重を
小さくすることが好ましく、上記目標速度に対するフリ
クションなどによる速度変化を考慮した許容幅を極力狭
く設定することが望まれる。
傍から全閉位置に至る間で車体内側に変位させるように
して全閉状態に収めるようにした車両があり、そのよう
な車両ではスライドドアのガイドレールが全閉位置近傍
で車体内側に向けて曲折していることになる。そのた
め、道路状況などにより車体が左右方向に傾斜した横傾
斜状態で停車している場合には、上記曲折部分をスライ
ドする際に坂を上ることになり、重力によるフリクショ
ンが増大してスライド速度が低下し、挟み込みであると
して誤判定する虞がある。
て、横方向傾斜状態で駐車している場合でもスライド速
度の低下を防止し得ると共に挟み込みの誤判定を防止し
得ることを実現するために、本発明に於いては、スライ
ドドア(1)を全閉位置近傍で車体(B)内側に向けて
変位させるように曲折されたガイドレール(2)と、前
記スライドドア(1)を開閉駆動するためのモータ
(7)と、前記スライドドア(1)を略一定の目標速度
(VH・VL)で開閉するべく前記モータ(7)をデュ
ーティ制御すると共に当該開閉時に前記スライドドア
(1)のスライド速度が前記目標速度(VH・VL)に
対して大きく低下したことを検出した場合には挟み込み
処理を行うようにしたモータ制御手段(8)とを有する
車両用スライドドアのスライド制御方法であって、前記
モータ制御手段(8)が、前記全閉位置近傍で前記スラ
イド速度が前記目標速度(VL)に対して所定値以下に
なる状態が連続したことを検出した場合には当該連続す
る状態の長さに応じてデューティ(d)を徐々に上げる
ものとした。
駐車してガイドレールの車体内向き曲折部をスライドド
アが上がるようにスライドするような場合でも、そのよ
うな負荷増大による速度低下に対して駆動デューティを
増加してスライド速度の低下を防止することができると
共に、デューティを徐々に増加することから、挟み込み
が生じた場合に大きくデューティを増加することがない
ため挟み込み荷重が過大になることがない。
位置に近づくに連れて前記デューティ(d)の増加率を
低くすることによれば、全閉位置に近い所で挟み込みを
判定した場合における挟み込み荷重の増大を防止し得
る。
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
ドドアのスライド制御装置の概略構成を示す全体図であ
る。図1において、図示されない車両の後席への乗降用
として車両前後方向にスライド自在なスライドドア1が
設けられている。スライドドア1は、その上下端の一部
を図示されないドアサッシに設けられているレールによ
りガイドかつ支持されていると共に、車両前後方向に延
在するように設けられたガイドレール2にスライド自在
に支持されたスライダ3を介して車両後方側の一部が支
持されている。そのスライダ3は、ガイドレール2の両
端部近傍に配設された両プーリ4間に巻き掛けられたワ
イヤ5に結合されている。
ング内に設けられた駆動ドラム6aに互いに逆方向に巻
回され、同じく駆動ユニット6のケーシング内に設けら
れたモータ7により駆動ドラム6aが回転駆動されるよ
うになっており、モータ7の正逆転に応じて駆動ドラム
6aも正逆転するため、ワイヤ5が往復動するようにな
っている。それにより、スライダ3がガイドレール2に
ガイドされつつ車両前後(図における左右)方向に往復
動して、スライドドア1がスライドによる開閉動作を行
い得る。
ータ制御手段としてのモータ制御装置8が設けられてお
り、そのモータ制御装置8にはモータ7の回転パルス信
号Pが入力し、モータ制御装置8からはモータ7に正逆
転駆動信号Dが出力されるようになっている。モータ制
御装置8内には、上記回転パルス信号Pに基づいてスラ
イド速度を算出すると共にそのスライド速度を予め設定
された目標速度に合わるためにデューティ制御を行うべ
く図示されないCPU及びモータ駆動回路などが設けら
れている。
れており、その状態から閉扉動作を行わせる際にはスラ
イドドア1を図の矢印Aに示される向きに移動させるこ
とになり、その閉扉時における制御を以下に示す。
ドアのスライド制御にあっては、図2に示されるよう
に、全開位置から比較的高速VH(例えば240mm/se
c)の目標速度で移動させ、全閉手前の所定の位置から
比較的低速VL(例えば100mm/sec)の目標速度で移
動させるようにしており、それら各目標速度VH・VL
に対する定速制御をデューティ制御(PWM)により行
う。なお、高速VH制御から低速VL制御への切り替え
位置は、回転パルス信号Pのカウント数を距離換算して
判断でき、実車では全閉位置手前100mm程度であり、
図における高速制御と低速制御との区間の比は実際のも
のとは異なる。
号Dによるスライドドア1の制御速度の変化を実線で示
し、その制御値による実際のスライド速度の変化を波線
で示している。図の波線に示されるように、実際のスラ
イド速度は、スライドドア1の摺接部分の摩擦抵抗など
によりある程度変化する。
定について図3を参照して以下に示す。本制御における
挟み込み判定時のタイミングは、モータ7の回転パルス
信号の検出時(例えばパルス立ち下がり時)である。例
えばモータ7の1回転(例えば20パルス)に要する周
期を1パルス入力毎に算出し、その周期の変化を監視す
る。本実施の形態では、上記モータ7の1回転に要する
周期を、判定時の前2パルス分の周期を基準周期Tdと
して算出し、その基準周期Tdを10倍してモータ7の
1回転周期に相当する20パルス分を算出して、判定の
基準となる換算1回転周期Tとしている。
て求めた換算1回転周期Tに許容偏差ΔT分を加算して
判定値Tj(=T+ΔT)とし、今回の挟み込み判定時
に求めた1回転(20パルス分)の実周期Trとを比較
して、Tr>Tjの状態であったら挟み込み判定とし、
その挟み込み判定が3回連続したら実際に挟み込み状態
になったと判定する。なお、上記許容偏差ΔTは、予め
所定値を定めておくのではなく、換算1回転周期Tに基
づき、判定計算時毎に算出する。
う際のデューティの求め方を図4を参照して示す。図4
の第1ステップST1では実スライド時間から算出する
モータ7の1回転周期であって良い負荷算出周期Tbの
測定が終了したか否かを判別する。この負荷算出周期T
bの測定は、全開位置近傍の所定区間Sを通過するスラ
イドドア1の走行時間から算出するようにしている。な
お、この所定区間Sは、図2に示されるように全開位置
から最初の定速度である高速VHに達した後であって、
極力全開位置に近い所である。本実施の形態にあって
は、所定量として所定区間Sを用い、パラメータとして
走行(スライド)時間を適用するものである。
っては、一般的にスライドドア1の全開位置における停
止状態を確保するべくガイドレール2の所定の位置に突
状のチェッカー9が設けられているため、そのチェッカ
ー9をスライダ3が乗り越えた後のガイドレール2の直
線部分を測定区間としている。本実施の形態では、全閉
位置でパルスカウント値を0として、開扉時にパルス数
をカウントしていき、全開位置(例えば所定の全開相当
カウント数)からチェッカーを乗り越えかつ上記定速度
(高速VH)になったとして良い所定の助走カウント数
経過後から測定開始し、所定の測定カウント数をカウン
トしたら測定終了としている。これによれば、別個に変
位センサなどを設ける必要がなく、部品点数を少なくし
得る。
いないと判別された場合には本ルーチンを終了し、次回
の割り込み処理で再度第1ステップST1を実行する。
第1ステップST1で負荷算出周期Tdの測定が終了し
たと判断された場合には第2ステップST2に進む。
限らず、道路形状により車両前側が下向きあるいは上向
きになる。したがって、車両前方に向けてスライドドア
1を移動させて閉扉するものにあっては、車両前側が上
向きの状態で停車している場合にはスライドドア1は全
開側に自然にスライドしようとするため、閉扉時には傾
斜による開扉方向の力が負荷として作用する。
で、モータ7に対するデューティ制御におけるデューテ
ィdを例えば図5に示される関係式から算出する。図5
には、スライド時の予め設定された定速度に対応する定
速度周期Taと、その定速度を水平停車状態にいて確保
し得る標準デューティdaとの両者の交点を通る直線が
示されているが、これは、上記測定区間を標準デューテ
ィdaで駆動した場合における負荷(デューティd)と
測定時間(周期Tb)との変化である。
くなり、それとは逆に前上がりで停車している場合には
負荷が重くなることから、標準デューティdaで駆動し
た場合には上記測定区間をスライドする際の周期Tbが
負荷の違いに応じて異なる。例えば、本制御対象の最低
負荷時と最高負荷時とにおける各周期を図5において低
負荷周期TLと高負荷周期THとして示す。そして、各
場合における上記定速度でスライドさせるためのデュー
ティdが、それぞれ低負荷デューティdminと高負荷デ
ューティdmaxとして示されるようになる。
nによる点と、高負荷周期TH及び高負荷デューティdm
axによる点とを結ぶ直線により、本制御におけるデュー
ティdを求めることができ、そのデューティdの算出式
は、
制御を行い得るデューティdを上記式(1)を用いて求
め、そのデューティdを用いて測定区間S以後における
モータ7のデューティ制御を行う。
負荷の大小に対応させて標準デューティdaに対する増
減を考慮したデューティdをもって速度制御を行うこと
から、予め最大負荷に応じた過大な駆動力をもって全て
の状況下でモータを駆動する必要がなく、スライドドア
1を負荷に応じた好適な駆動力をもって常に所定の定速
度にて自動的にスライドさせることができる。その駆動
力の標準状態(水平停車時)に対する増減分は負荷の増
減分と相殺されることになり、挟み込み時の荷重の程度
は標準状態と何ら変わることがない。したがって、挟み
込みを周期の増大で判断する制御において、挟み込み判
断終了までの荷重の増大は、傾斜停車状態による負荷の
大小に影響されることがなく、周期を基準とした挟み込
み判断を好適に行い得る。
実施の形態ではモータ1回転当たりの周期に換算してい
る)の基準値に対する大小から負荷の大きさを推定して
いる。したがって、本実施の形態で示した車両進行方向
に対する傾斜に限定されるものではなく、季節の温度変
化による摺動抵抗の変化など種々の外的要因による負荷
の変動に対しても適用可能である。
ドレール2の形状が、図6に示されるようにスライドド
ア1の全閉位置近傍にて車体内側に向けて曲折されてい
る。これは、開扉時に車体の外側にスライドしているス
ライドドア1を全閉時には車体外面と面一にするためで
ある。
あっては、道路状況などにより従来例で示したように車
体Bの左右横方向に対して傾きが生じて、図7に示され
るように車体Bが横傾斜状態に駐車する場合がある。例
えば図7にあってはスライドドア1側を下にして駐車し
ている場合であって、スライドドア1には、図7の矢印
に示される方向にかかる自重Wの分力として側方外向き
荷重(図の矢印F)が生じることになる。
の全閉位置近傍の区間(図6のX〜Z)が車体内側へ曲
折していることから、図7に示されるような場合には、
スライドドア1が全閉位置に近付くに連れて上記区間X
〜Zにおいて坂を上るようになり、荷重Fによる大きな
負荷が生じる。その荷重Fによる負荷が大きいと、挟み
込みであると誤検出する虞が生じる。なお、全閉位置か
ら最も遠い区間Xは比較的緩やかに曲がり、区間Xより
も区間Y、区間Yよりも区間Zの方の曲がりがきつくな
っている。
制御を図8を参照して以下に示す。図では、横軸に区間
(X〜Z)を、縦軸にスライドドア1の速度及び駆動デ
ューティdを示している。区間Xをスライドドア1がス
ライドし始めると、上記したように荷重Fによる負荷が
生じて、図8の区間Xに示されるようにスライド速度が
徐々に低下してくる。
も所定値低い判定速度VJを下回ったら、その目標速度
VLに対して所定値(VL−VJ)以下になる状態が連
続することを上記パルスでカウントし、そのカウント数
が連続状態判断値に達したら駆動デューティdを増加す
る。このときの増加分Δdを算出する値は比較的小さな
値とし、例えば2%であって良い。また、例えば目標速
度VLにおけるパルス検出周期が7〜8msの場合に
は、上記連続状態判断値を、区間Xでは連続して10
回、区間Yでは連続して20回、区間Zでは連続して4
0回に設定すると良い。
(2%ずつ)増加させるのは、横傾斜状態による負荷増
加分が挟み込み荷重増加分よりも小さく、そのようにす
ることにより挟み込みとの区別を容易にするためであ
る。すなわち、横傾斜状態におけるスライド速度低下で
あれば、駆動デューティを上記したように徐々に増加さ
せる程度で目標速度VLに復帰させることが可能であ
る。それに対して、挟み込み時には急激に速度低下が生
じ、相反して荷重が増大するため、挟み込み判定時まで
に過剰な荷重増加が生じないようにすることが望まし
く、上記徐々に駆動デューティを増加させることにより
不必要に駆動力を増大させてしまうことがない。
て負荷が急に上昇するに連れて駆動デューティの増加に
対する条件(連続状態判定値)を厳しくしているのは、
挟み込みが生じていた場合には挟み込みによる荷重増加
があることから、挟み込み検出前にデューティ制御にお
けるデューティdを大きくして挟み込み検出までに荷重
が早く増大してしまうことを防止するためである。
よりスライド速度が判定速度VJを上回ることができた
場合には、パルスカウント値をクリアし、何らかの原因
により再度判定値VJを下回った場合にはその時点から
カウントを開始する。
で推定外のフリクションが増加しても、誤検知をしなく
なり、かつデューティを徐々に増加させるので、挟み込
みが生じていた場合であっても、初期の駆動力がそれ程
増大していないため挟み込み判定までの挟み込み荷重も
余り増加しない。また、スライドドアが全閉位置に近づ
くに連れてデューティの増加率を低くすることから、全
閉位置に近い所で挟み込みを判定した場合における挟み
込み荷重の増大を防止し得る。
イド制御装置の概略構成を示す全体図。
要領を示す速度線図。
タイムチャート。
図。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 スライドドアを全閉位置近傍で車体内側
に向けて変位させるように曲折されたガイドレールと、
前記スライドドアを開閉駆動するためのモータと、前記
スライドドアを略一定の目標速度で開閉するべく前記モ
ータをデューティ制御すると共に当該開閉時に前記スラ
イドドアのスライド速度が前記目標速度に対して大きく
低下したことを検出した場合には挟み込み処理を行うよ
うにしたモータ制御手段とを有する車両用スライドドア
のスライド制御方法であって、 前記モータ制御手段が、前記全閉位置近傍で前記スライ
ド速度が前記目標速度に対して所定値以下になる状態が
連続したことを検出した場合にはデューティを徐々に上
げることを特徴とする車両用スライドドアのスライド制
御方法。 - 【請求項2】 前記スライドドアが前記全閉位置に近づ
くに連れて前記デューティの増加率を低くすることを特
徴とする請求項1に記載の車両用スライドドアのスライ
ド制御方法。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP31035598A JP3490913B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 車両用スライドドアのスライド制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JP3490913B2 JP3490913B2 (ja) | 2004-01-26 |
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1998
- 1998-10-30 JP JP31035598A patent/JP3490913B2/ja not_active Expired - Fee Related
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