JP2000126969A - 迅速工具交換型マシニングセンタ - Google Patents

迅速工具交換型マシニングセンタ

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JP2000126969A
JP2000126969A JP10304260A JP30426098A JP2000126969A JP 2000126969 A JP2000126969 A JP 2000126969A JP 10304260 A JP10304260 A JP 10304260A JP 30426098 A JP30426098 A JP 30426098A JP 2000126969 A JP2000126969 A JP 2000126969A
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tool
holding
chuck
work
axis
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JP10304260A
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English (en)
Inventor
Shintaro Murata
進太郎 村田
Katsuji Yonekawa
勝治 米川
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Fuji Corp
Original Assignee
Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具交換能率が高いマシニングセンタを提供
する。 【解決手段】 工具保持装置242は退避位置と工具交
換位置とに移動し、工具交換位置において、工具交換位
置に位置する主軸ヘッド44の工具チャックと同じ向き
で平行に並ぶ。主工具交換装置240は工具交換軸29
0,一対の工具保持アーム294を備え、工具交換軸2
90は、回転主軸とは逆向きに延び、その軸線が工具交
換位置にある工具保持装置242と工具チャックとの両
軸線の中央位置において平行に延びている。補助工具交
換装置244は一対の工具保持アーム480を備え、X
軸,Z軸方向に移動する。工具保持装置242,工具チ
ャックが工具交換位置に位置する状態で工具交換軸29
0が回転,軸方向移動して新,旧の加工工具を交換し、
補助工具交換装置244が旧加工工具を工具ストッカ2
46に戻し、新加工工具を受け取って工具保持装置24
2に保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は迅速工具交換型マシ
ニングセンタに関するものであり、特に、工具交換能率
の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタにおいては、回転主軸
の工具チャックに保持された加工工具が自動で交換さ
れ、1つのワークピースに複数種類の加工が施される。
そのため、従来のマシニングセンタには、例えば、複数
種類の加工工具が収納された工具ストッカと、先端部に
工具チャックを備えた回転主軸と、それら工具ストッカ
と回転主軸とにそれぞれ保持された加工工具を自動で交
換する自動工具交換システムとを含むものがある。この
自動工具交換システムのうちで最も単純なものは、工具
ストッカと回転主軸とが、回転主軸の回転軸線と直角な
方向において並んで設けられるとともに、それらの間の
工具交換が、工具交換軸と、工具交換軸の軸線と直交す
る一直線に沿って互いに逆向きに延び出し、各自由端部
に設けられた工具保持部において加工工具を保持する一
対の工具保持アームとを含む工具交換装置により行われ
るものである。この形態の工具交換装置を便宜上双アー
ム型工具交換装置と称することとする。工具ストッカに
は複数の工具保持部が設けられ、それら工具保持部の各
々に加工工具が保持されるとともに、複数の工具保持部
が一斉に移動させられ、双アーム型工具交換装置との間
で加工工具の受渡しを行う工具受渡位置に選択的に移動
させられる。工具受渡位置は、工具保持部が、回転主軸
の工具チャックと同じ向きで平行に並ぶ状態となる位置
に設定される。「同じ向き」とは、工具保持部と、回転
主軸の工具チャックとの加工工具を受け入れる部分が同
じ向きに開口しており、それらに保持された加工工具が
同じ向きに延び出す状態となることを意味する。また、
双アーム型工具交換装置は、工具交換軸の軸線が、工具
受渡位置に位置決めされた工具保持部の軸線と工具チャ
ックの軸線との中央に位置し、工具交換軸が回転主軸お
よび工具受渡位置に位置決めされた工具保持部と同じ向
きで平行に並ぶ状態となるように設置される。工具交換
軸に工具交換に必要な運動を付与する交換運動付与装置
が、回転主軸を回転可能に保持する主軸ヘッドと工具ス
トッカとの間に配設され、その交換運動付与装置から工
具交換軸が、回転主軸の向きと同じ向きに延び出させら
れるのである。
【0003】工具の交換は、工具交換軸の回転および軸
方向の移動により行われる。工具交換軸の回転により、
一対の工具保持アームの各工具保持具が、回転主軸の工
具チャックに保持された加工工具と、工具受渡位置に位
置決めされた工具ストッカの工具保持部が保持する加工
工具とを保持し、その状態から工具交換軸が前進させら
れることにより、加工工具が工具チャックおよび工具保
持部から抜き出される。続いて、工具交換軸が180度
回転させられた後、後退させられ、工具ストッカの工具
保持部から受け取った加工工具を工具チャックに保持さ
せ、工具チャックから受け取った加工工具を工具ストッ
カに戻す。このマシニングセンタによれば、工具交換軸
の回転および軸方向の移動によって、加工工具を迅速に
交換することができる。
【0004】しかしながら、このマシニングセンタにお
いては、前述のように、工具交換軸に工具交換に必要な
運動を付与する交換運動付与装置が、回転主軸を回転可
能に保持する主軸ヘッドと工具ストッカとの間に配設さ
れるため、それらの相互の干渉を避ける必要上、回転主
軸と工具保持部との軸線間距離が大きくなる。そのた
め、回転主軸と工具保持部との間で加工工具を行う一対
の工具保持アームの長さを長くせざるを得ず、加工工具
および工具保持アームの慣性モーメントが大きくなって
迅速に回動させることができず、工具交換時間を短縮す
ることが困難であるという問題があった。慣性モーメン
トの大きいものを大きな加速度および減速度で回動させ
るためには、大きな力を必要とし、工具交換軸に工具交
換運動を付与する工具交換運動付与装置が大形化し、あ
るいは振動が大きくなって工具交換に支障をきたすから
である。また、工具保持アームに保持された加工工具に
は、大きな慣性力(加工工具が描く円軌跡の周方向の
力)および遠心力(加工工具が描く円軌跡の半径方向の
力)等が作用し、工具保持アームから脱落する恐れがあ
るため、脱落を防止する爪部材等が配設されるのが普通
であるが、それでも、工具保持アームが長い場合には迅
速に回動させることはできない。工具保持アームの回転
速度を小さくすれば、上記問題は解消できるが、加工工
具の交換に要する時間が長くなって、マシニングセンタ
の稼働率が低下してしまう。
【0005】以上は、双アーム型工具交換装置による工
具交換が、回転主軸と工具ストッカとの間で直接行われ
る場合について説明したが、工具ストッカと双アーム型
工具交換装置との間に、一時的に加工工具を預かる一時
預かり装置や、加工工具の搬送および交換を行う補助工
具交換装置等が設けられ、それら全部により自動工具交
換システムが構成される場合がある。この場合には、双
アーム型工具交換装置は、回転主軸と、一時預かり装置
や補助工具交換装置との間で加工工具の交換を行うこと
となり、一時預かり装置や補助工具交換装置の工具保持
部の軸線と工具交換軸の軸線との間の距離は、工具スト
ッカの工具保持部の軸線と工具交換軸の軸線との間の距
離より小さくできることが多いのであるが、回転主軸の
軸線と工具交換軸の軸線との間の距離は変わらず、結
局、工具保持アームを長くせざるを得ないからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本発明は、以上の事情を背景とし、加工工具
を能率良く交換することができる迅速工具交換型マシニ
ングセンタを提供することを課題として為されたもので
あり、本発明によって、下記各態様のマシニングセンタ
が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各
項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する
形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴
およびそれらの組合わせの幾つかの理解を容易にするた
めであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合
わせが以下のものに限定されると解釈されるべきではな
い。 (1)先端部に工具チャックを備えて回転する回転主軸
と、少なくとも、工具チャックと同じ向きで平行に並ぶ
工具交換位置を取り得る工具保持装置と、それら工具チ
ャックと工具保持装置とが前記工具交換位置にある状態
で、それら工具チャックと工具保持装置とにそれぞれ保
持されている加工工具を自動で交換する双アーム型工具
交換装置とを含むマシニングセンタであって、前記双ア
ーム型工具交換装置が、工具交換軸と、その工具交換軸
を前記回転主軸とは逆向きに延び出す状態で、その工具
交換軸の軸線のまわりに回転可能かつ軸方向に移動可能
に保持するとともに、その工具交換軸の軸線が、前記工
具交換位置にある工具チャックと工具保持装置との両軸
線の中央位置においてそれら両軸線と平行に延びる状態
となるように配設されたハウジングと、前記工具交換軸
の前記ハウジングの外部に突出した先端から、その工具
交換軸の軸線と直交する一直線に沿って互いに逆向きに
延び出し、各自由端部にそれぞれ加工工具を保持する工
具保持部を備えた一対の工具保持アームと、前記ハウジ
ング内に設けられ、前記工具交換軸に、前記一対の工具
保持アームが前記工具チャックと前記工具保持装置とに
それぞれ保持されている加工工具を交換するのに必要な
交換運動を付与する交換運動付与装置とを含むマシニン
グセンタ(請求項1)。「工具交換軸が回転主軸とは逆
向きに延び出す」とは、工具交換軸がハウジングから延
び出す向きと、回転主軸が主軸ヘッドのハウジングから
突出する向きとが逆、すなわち回転主軸の先端面と工具
交換軸の先端面とが互いに逆向きということである。マ
シニングセンタは、回転主軸が水平に延びる横型でもよ
く、垂直に延びる立型でもよく、傾斜方向に延びるもの
でもよく、種々の態様のマシニングセンタに本発明を適
用することができる。工具保持装置により保持され、こ
れから加工に用いられる加工工具(新加工工具と称す
る)と、工具チャックに保持され、使用の済んだ加工工
具(旧加工工具と称する)とが双アーム型工具交換装置
によって交換される。工具保持装置は、前述のように、
工具ストッカ,一時預かり装置,加工工具の搬送および
交換を行う補助工具交換装置等の工具保持部により構成
される。工具交換時には、工具交換軸が軸方向において
移動させられ、ハウジングから伸長させられるとともに
回転させられ、一対の工具保持アームの各工具保持部
が、工具チャックと工具保持装置とによりそれぞれ保持
された旧加工工具と新加工工具とを保持する。その状態
から工具交換軸がハウジング側へ収縮させられ、新,旧
の加工工具が工具チャックおよび工具保持装置から引き
出される。そして、工具交換軸が180度回転させら
れ、新加工工具が工具チャックに対向させられ、旧加工
工具が工具保持装置に対向させられた上で、工具交換軸
が伸長させられ、新加工工具が工具チャックにより保持
され、旧加工工具が工具保持装置により保持される。最
後に、工具交換軸が一定角度回転させられ、一対の工具
保持アームの各工具保持部が新加工工具および旧加工工
具から離間させられる。工具交換軸のこれら回転および
軸方向の移動は、すべて交換運動付与装置により付与さ
れる。工具交換軸は、回転主軸とは逆向きに延び出す状
態で設けられており、双アーム型工具交換装置の交換運
動付与装置およびそれのハウジングが、工具交換時に一
対の工具保持アームが描く回動軌跡に対して、主軸ヘッ
ドおよび工具保持装置とは反対側に配設される。したが
って、回転主軸の工具チャックの軸線と工具保持装置の
軸線との距離を短くすることができ、工具保持アームを
短くすることができる。その結果、加工工具を保持した
工具保持アームの慣性モーメトが小さくなり、工具交換
運動付与装置の大形化、振動の発生、加工工具の脱落等
を回避しつつ工具交換軸の回転速度を大きくすることが
でき、工具交換時間を短縮して、マシニングセンタの稼
働率を高めることができる。工具保持アームは、上記の
ように、加工工具を保持した状態における慣性モーメン
トを小さくするために、できる限り短くすることが望ま
しく、例えば、工具交換軸の軸線から工具保持アームの
工具保持部の中心線までの距離が175mmである場合に
は、双アーム型工具交換装置の全工具交換運動の所要時
間を0.7〜0.8sec にすることができる。工具保持
アームの長さは、240mm以下,220mm以下あるいは
200mm以下と短くすることが望ましい。 (2)前記交換運動付与装置が、1本の入力軸の一方向
の等速回転を前記交換運動に変換するカム装置を含む
(2)項に記載のマシニングセンタ。カム装置によれば、
カムの形状の設定により、工具交換軸の回転速度,回転
角度および移動速度,移動距離を容易に設定し得るとと
もに、精度良く回転,移動させることができる。また、
工具交換軸の伸長,収縮と、回転とを別個の駆動源の駆
動力によって行う場合に比較して、工具交換運動を短時
間で行わせることができ、工具交換時間を短縮できる。
しかも、駆動源は1本の入力軸を一方向に等速回転させ
得るものであればよいため、安価なものを採用可能であ
る。 (3)前記カム装置が、互いに係合するローラギヤカム
およびローラギヤを備え、前記入力軸の一方向の等速回
転を前記工具交換軸の工具交換に必要な不等速回転に変
換する第1カム装置と、互いに係合する回転カムおよび
カムフォロワを備え、前記入力軸の等速回転を前記工具
交換軸の工具交換に必要な軸方向運動に変換する第2カ
ム装置とを含む (2)項に記載のマシニングセンタ。本態
様のカム装置はコンパクトに構成することができ、特
に、ローラギヤカムと回転カムとが一体的に回転する形
態である場合にコンパクトに構成することができるた
め、交換運動付与装置およびそれを収容するハウジング
を小形化することができる。交換運動付与装置およびハ
ウジングは、主軸ヘッドと工具保持装置との間に設置さ
れるわけではないため、大形となっても工具保持アーム
を長くする必要は生じないが、主軸ヘッドの前方空間に
設置されるため、できる限り小形化して加工の邪魔にな
らないようにすることが望ましい。 (4)当該マシニングセンタが、さらに、前記回転主軸
を左右方向であるZ軸方向に延びる姿勢で回転可能に支
持する主軸ヘッドと、その主軸ヘッドを上下方向である
Y軸方向に移動させるY移動装置と、前記回転主軸と対
向する位置に設けられ、ワークピースを保持するワーク
ホルダと、そのワークホルダを前後方向であるX軸方向
に移動させるX移動装置と、前記主軸ヘッドと前記ワー
クホルダとの一方を前記Z軸方向に移動させるZ移動装
置とを含む (1)項ないし (3)項のいずれか1つに記載の
マシニングセンタ。本態様のマシニングセンタにおいて
は、加工工具の交換により加工の種類が変えられるとと
もに、ワークピースと加工工具とのX軸,Y軸およびZ
軸の各方向における相対移動により、加工工具によるワ
ークピースの加工部位が変えられる。ワークホルダに保
持されたワークピースは、ワークホルダと主軸ヘッドと
がX軸,Y軸およびZ軸の各方向に相対移動させられる
ことにより、加工工具に対して位置決めされるととも
に、加工を施される。回転主軸に取り付けられている加
工工具による加工が終了すれば、双アーム型工具交換装
置,工具保持装置等を含む自動工具交換システムにより
加工工具が交換され、次の加工がワークピースに施され
る。予定された全部の種類の加工が終了すれば、加工済
みのワークピースと未加工のワークピースとが交換され
る。ワークホルダと主軸ヘッドとの一方を、X移動装
置,Y移動装置およびZ移動装置によりX軸方向,Y軸
方向およびZ軸方向の3方向に移動させることも可能で
あるが、この場合には3方向に移動させるものを剛性高
く支持することが必要である。それに対し、本態様にお
いては、ワークホルダと主軸ヘッドとの一方を2方向、
他方を1方向に移動させるため、3方向に移動させる場
合に比較して支持剛性が低くて済む。 (5)前記Y移動装置が、当該マシニングセンタのベッ
ドから垂直に立ち上がったコラムと、そのコラムにY軸
方向に平行に設けられたYガイドに案内され、前記主軸
ヘッドを支持するYスライドと、そのYスライドをY軸
方向に移動させるYスライド駆動装置とを含む (4)項に
記載のマシニングセンタ。 (6)前記Z移動装置が、前記ベッド上にZ軸方向に平
行に設けられ、前記コラムをZ軸方向に案内するZガイ
ドと、前記コラムをZ軸方向に移動させるコラム駆動装
置とを含む (5)項に記載のマシニングセンタ。ベッド上
にコラムを位置固定に設け、そのコラム上にYガイドを
設け、Yスライドを案内させるとともに、Yスライド上
にZガイドを設けてZスライドを案内させ、Zスライド
に主軸ヘッドを保持させてもよいが、その場合には、コ
ラムから回転主軸の先端までの距離が長くなり、加工工
具の保持剛性が不足し易い。それに対し、本態様におい
ては、コラムがZ軸方向に移動させられてZスライドと
して機能し、コラムに設けられたYスライドに主軸ヘッ
ドが保持されるため、コラムから回転主軸先端までの距
離が短くて済み、加工工具の支持剛性を高くすることが
容易である。また、ワークホルダをX移動装置とZ移動
装置とによりX軸方向とZ軸方向との両方に移動させる
ことも可能であるが、この場合には、ワークホルダの位
置が高くなることを避け得ず、それに伴ってコラムも高
くする必要が生じ、結局、マシニングセンタ全体の高さ
が高くなってしまう。特に、ワークホルダを (8)項に記
載の垂直軸線回転装置により回転させる場合には、垂直
軸線回転装置の分だけワークホルダの位置が高くなるた
め、一層問題が大きい。それに対し、本態様によれば、
ワークホルダの位置を低くすることができ、それに応じ
てコラムも低くできて、マシニングセンタ全体をコンパ
クトに構成することができる。 (7)前記X移動装置が、前記ワークホルダを支持する
Xスライドと、前記ベッド上にX軸方向に平行に設けら
れ、前記Xスライドを案内するXガイドと、前記Xスラ
イドをX軸方向に移動させるXスライド駆動装置とを含
む (4)項ないし (6)項のいずれか1つに記載のマシニン
グセンタ。 (8)前記ワークホルダと前記Xスライドとの間に設け
られ、ワークホルダをXスライドに対して垂直軸線まわ
りに相対回転させるワークホルダ垂直軸線回転装置を含
む (7)項に記載マシニングセンタ。ワークホルダを垂直
軸線まわりに回転させることにより、そのワークホルダ
に保持されるワークピースの垂直軸線まわりの回転姿勢
を変更することができ、加工の自由度が増す。 (9)前記ワークホルダと前記Xスライドとの間に設け
られ、ワークホルダをXスライドに対して水平軸線まわ
りに相対回転させるワークホルダ水平軸線回転装置を含
む (7)項または (8)項に記載のマシニングセンタ。ワー
クホルダを水平軸線まわりに回転させることにより、そ
れに保持されたワークピースの水平軸線まわりの回転姿
勢を変更することができる。 (10)前記工具チャックが、前記Y移動装置と前記Z
移動装置とによって、工具チャックに保持された加工工
具により前記ワークホルダに保持されたワークピースの
加工が行われる加工スペースから外れた前記工具交換位
置へ移動させられる (6)項に記載のマシニングセンタ。
加工スペースには、X移動装置,ワークホルダ等がある
ため、双アーム型工具交換装置および工具保持装置は、
加工スペースから外れたスペースに設けられ、工具チャ
ックの工具交換位置も加工スペースから外れたスペース
内に設定される。加工工具を加工のためにワークピース
に対して移動させるY移動装置およびZ移動装置により
工具チャックを工具交換位置へ移動させれば、工具交換
位置を加工スペースから十分外れた位置に設定すること
が容易となる。 (11)前記工具保持装置が、回動軸線のまわりに回動
する回動アームに設けられており、その回動アームの回
動により、前記工具交換位置とその工具交換位置から離
れた退避位置とに移動させられる (1)項ないし(10)項の
いずれか1つに記載のマシニングセンタ(請求項2)。
本態様における工具保持装置は、工具チャックとの間に
おける加工工具の交換に備えて、新加工工具を保持した
状態で、工具交換位置に待機させられる。交換後、旧加
工工具を保持した工具保持装置は、回動アームの回動に
よって退避位置へ移動させられ、退避位置において、工
具ストッカ,あるいは補助工具交換装置等、新加工工具
を保持した装置との間で加工工具の交換を行う。本態様
の工具保持装置は、双アーム型工具交換装置の工具交換
動作に対して加工工具を保持,解放可能な構成を有す
る。工具チャックから受け取った旧加工工具と、工具チ
ャックに渡す新加工工具との交換が、回転主軸の工具チ
ャックとの間での工具交換位置から離れた退避位置で行
われるため、工具保持装置との間で加工工具の交換を行
う装置の配置,構成が容易である。また、工具保持装置
を回動アームの回動により工具交換位置と退避位置とに
移動可能なものとすれば、工具保持装置を保持してフレ
ームに支持されるものを、工具交換位置へ移動させられ
た工具チャックから離して設けることができ、工具交換
位置にある工具保持装置の軸線と、回転主軸の工具チャ
ックの軸線との距離を短くすることが容易となり、双ア
ーム型工具交換装置の工具保持アームを短くすることが
できる。(4)項ないし(11)項に記載の各特徴は、 (1)項
に記載の特徴、すなわち、工具交換軸が回転主軸とは逆
向きである特徴とは別個に採用することも可能である。 (12)当該マシニングセンタが、さらに、複数の加工
工具を収納する工具ストッカと、主工具交換装置として
の前記双アーム型工具交換装置とは別に設けられ、前記
工具ストッカに保持された加工工具の任意の1つと、前
記工具保持装置に保持された加工工具とを交換する補助
工具交換装置とを含む (1)項ないし(11)項のいずれか1
つに記載のマシニングセンタ(請求項3)。本態様にお
いては、前記主工具交換装置,工具保持装置および補助
工具交換装置により自動工具交換システムが構成されて
いる。工具ストッカには、複数の工具保持部が設けられ
ており、それら複数の工具保持部が工具保持部移動装置
により移動させられ、選択的に工具受渡位置に位置決め
される。複数の工具保持部の各々に保持される加工工具
を固定的に決め、使用済みの加工工具を、それが保持さ
れていた元の工具保持部に戻すようにしてもよく、ある
いは、空いている任意の工具保持部に加工工具を戻すよ
うにしてもよい。前者の場合は、加工工具の交換によっ
て、複数の工具保持部の各々に保持される加工工具が変
わらないため、加工工具の管理や、工具ストッカによる
工具保持部の工具受渡位置への位置決め制御が容易であ
り、後者の場合は、工具ストッカにおける工具保持部の
移動時間を短縮することができる。自動工具交換システ
ムが補助工具交換装置を備えない場合には、前者を実施
することはできないが、備えている本態様によれば、前
者,後者共に実施可能なのである。 補助工具交換装置
としては、双アーム型工具交換装置が適している。補助
工具交換装置が加工工具を保持して移動し、加工工具搬
送装置を兼ねる場合には特にそうである。補助工具交換
装置が双アーム型工具交換装置である場合には、工具保
持装置との間で新,旧の加工工具を交換し、その後、工
具ストッカとの間で新,旧加工工具の交換を行うことが
できる。なお、工具保持装置と工具ストッカとの間で直
接、新,旧の加工工具の交換が行われるようにすること
も可能である。しかし、補助工具交換装置を設ければ、
工具チャックとの間での加工工具に備えて、新加工工具
を保持した工具保持装置と補助工具交換装置とを待機さ
せることによって、2つの新加工工具を待機させるに近
い状態が得られ、工具チャックに対する短い時間間隔で
の新加工工具の供給が可能となり、1つの加工工具によ
る加工時間が特に短い場合でも回転主軸に工具待ちをさ
せる必要がなくなって、マシニングセンタの稼働率が向
上する。また、工具ストッカおよび工具保持装置の配置
の自由度が高くなり、設計が容易となる。 (13)少なくとも前記補助工具交換装置を複数含む(1
2)項に記載のマシニングセンタ。1つの加工工具による
加工時間が短く、工具チャックが工具交換位置において
新加工工具を受け取ってから、加工スペースへ移動し、
加工終了後に再び工具交換位置へ戻ってくるまでの時間
(主軸側サイクルタイムと称する)が、工具チャックと
工具保持装置との間における加工工具の交換終了から、
工具保持装置が新加工工具を保持して工具交換位置にお
いて交換に備えて待機する状態となるまでの時間(スト
ッカ側サイクルタイムと称する)よりも短ければ、工具
チャックは工具交換位置で待たなければならない。スト
ッカ側サイクルタイムの長さは、補助工具交換装置の工
具保持装置と工具ストッカとの間における往復移動時間
および補助工具交換装置と工具ストッカとの間における
工具交換時間によって決まる。補助工具交換装置を複数
設ければ、工具保持装置との間における加工工具の交
換,工具ストッカとの間における加工工具の交換,工具
保持装置と工具ストッカとの間における往復移動等の動
作を並行して行わせることが可能となり、ストッカ側サ
イクルタイムを見かけ上短縮し、工具チャックを工具交
換位置で待たせる事態の発生を回避することができる。
ただし、これは、ある加工工具の主軸側サイクルタイム
は短いが、次の加工工具のそれは長いというように、長
短の主軸側サイクルタイムが混在する場合に、短い主軸
側サイクルタイムに対処する上で有効であるということ
であって、すべての主軸側サイクルタイムがほぼ同じで
ある場合には、実際のストッカ側サイクルタイムを短縮
する以外に対策なない。本項に記載の特徴は、 (1)項な
いし(11)項に記載の特徴とは別個に採用することも可能
である。 (14)前記主工具交換装置,工具保持装置および補助
工具交換装置が、前記工具チャックに保持された加工工
具により前記ワークホルダに保持されたワークピースの
加工が行われる際における前記Xスライドの上方のスペ
ースに配設された(12)項または(13)項に記載のマシニン
グセンタ(請求項4)。主工具交換装置等は、ワークピ
ースに加工を施すために不可欠な種々の構成要素を避け
て設けることが必要であるとともに、加工工具が到達可
能な位置に設けることが必要である。回転主軸はY軸方
向には移動することができるが、X軸方向には移動する
ことはできない。したがって、工具チャックに保持され
た加工工具によりワークホルダに保持されたワークピー
スの加工が行われる際におけるXスライドの上方のスペ
ース、すなわち、コラムのワークホルダ側のスペースの
上部に主工具交換装置等を設けることは、マシニングセ
ンタ全体の大形化を回避しつつ、主工具交換装置,工具
保持装置および補助工具交換装置を配設する上で有効で
ある。なお、自動工具交換システムが、補助工具交換装
置を備えないものである場合でも、双アーム型工具交換
装置および工具保持装置を、加工時におけるXスライド
の上方のスペースに配設することは有益である。 (15)前記回転主軸に取り付けられた加工工具により
前記ワークホルダに保持されたワークピースが加工され
る加工スペースより手前側の搬送スペースを、前記Z軸
方向に走行し、ワークピースの搬送と前記ワークホルダ
に対する着脱とを行うワークロボットを備えた (4)項な
いし(14)項のいずれか1つに記載のマシニングセンタ
(請求項5)。本態様のマシニングセンタにおいては、
ワークロボットは未加工のワークピースを保持して搬入
し、ワークホルダから加工済みのワークピースを受け取
るとともに、未加工のワークピースをワークホルダに保
持させる。ワークピースに対する予定された全部の種類
の加工が終了すれば、ワークロボットにより加工済みの
ワークピースと未加工のワークピースとが交換され、加
工済みのワークピースがワークロボットにより搬出され
る。ワークロボットは、マシニングセンタが1台であれ
ば、ワーク供給装置から未加工のワークピースを受け取
り、加工済みのワークピースをワーク収納装置へ収納す
る。複数台のマシニングセンタがライン状に並べられて
加工ラインを構成するのであれば、ワークロボットは、
それら複数台のマシニングセンタに共用でもよく、専用
でもよい。前者の場合は、ワークロボットは加工済みの
ワークピースを次に加工を行うマシニングセンタへ搬送
し、後者の場合は、次に加工を行うマシニングセンタに
対して設けられたワークロボットにワークピースを引き
渡す。ワークロボットとしては、ワークホルダより上方
を走行する後述の天吊ロボットや、ワークホルダ,主軸
ヘッド等が設けられたベッドの側面にZ軸方向に平行に
配設された走行レールに沿って走行するロボットや、当
該マシニングセンタが設けられた床面上にZ軸方向に平
行に配設された走行レールに沿って走行する地走行ロボ
ット等が採用可能である。本態様によれば、1台のマシ
ニングセンタにより、複数種類の加工をワークピースに
施すことができるとともに、ワークピースの着脱,搬送
をワークロボットにより、自動で迅速に行うことができ
る。ワークピースはパレットや治具を使用することな
く、ワークホルダに直接保持させることができ、治具等
の製作費や製作日数が不要となり、ワークピースの加工
コストの節減や納期の短縮が可能となる。また、ワーク
ロボットは、加工スペースより手前側のスペースである
搬送スペースを走行し、主軸ヘッドと前後方向にずれて
いるため、主軸ヘッドとの干渉を回避することが容易で
ある。さらに、搬送スペースと加工スペースとが当該マ
シニングセンタの前後方向にずれているため、ワークロ
ボットの走行とワークピースの加工とのインタロック、
すなわちワークロボットの走行とX移動装置,Y移動装
置,Z移動装置等の作動とのインタロックをとる必要が
なく、ワークピースの加工と搬送とを能率良く行うこと
ができる。また、 (5)項に記載のマシニングセンタにお
けるように、Y移動装置がベッドから垂直に立ち上がっ
たコラムを備えていても、ワークロボットの搬送スペー
スは加工スペースから外れているため、ワークロボット
がコラムと干渉することはなく、種々の効果が得られ
る。例えば、ワークロボットが天吊ロボットであって、
動力アクチュエータにより伸縮させられる伸縮アームを
備えたロボットである場合、搬送スペースが加工スペー
スの手前側に設けられていなければ、天吊ロボットは加
工スペースの上方を走行し、ワークホルダ上において停
止し、伸縮アームが伸長させられてワークホルダに対す
るワークピースの着脱を行う。そのため、天吊ロボット
と、加工スペースに設けられたコラムとの干渉を回避す
るために、天吊ロボットの走行経路をコラムより上方に
設けることが必要であり、マシニングセンタ全体の高さ
が高くなる。また、走行レールとワークホルダとの上下
方向の距離が大きくなるため、伸縮アームの長さが長く
なり、上下方向のストロークも長くなる。しかも、ワー
クピースの着脱後、伸縮アームがコラムより上方へ上昇
し、水平方向にコラムを越えて移動するまで、主軸ヘッ
ドの移動を開始することができず、時間のロスが多くな
る。それに対し、搬送スペースが加工スペースの手前側
に設けられることにより、ワークロボットが伸縮アーム
を備えた天吊ロボットであっても、コラムと干渉するこ
とはなく、走行レールを低い位置に配設することがで
き、マシニングセンタ全体が背の高いものにならず、コ
ンパクトに構成することができる。また、伸縮アームの
長さが短く、伸縮ストロークが短くて済み、ワークピー
スの着脱に要する時間が短くて済む。さらに、伸縮アー
ムがワークホルダと干渉しない位置まで移動すれば、ワ
ークホルダを移動させて加工を開始することができ、時
間のロスが少なくて済む。天吊ロボットが、(20)項に記
載の回動アームを備えたロボットであっても、走行レー
ルを低い位置に配設することが可能となり、上述の場合
と似た効果が得られる。また、 (8)項に記載のマシニン
グセンタにおけるように、ワークホルダを垂直軸線回転
装置により垂直軸線まわりに回転させる場合、ワークホ
ルダの回転は、Xスライドの加工スペースに向かっての
移動とワークロボットのワークホルダから離間する向き
の移動との少なくとも一方によって、ワークロボットと
の間にワークホルダを回転させ得るスペースが生じれ
ば、直ちに開始することができる。本項に記載の特徴
は、上記 (1)項ないし(14)項の各々に記載の特徴とは別
個に採用することも可能である。 (16)前記ワークロボットが、前記搬送スペースの上
方に前記Z軸方向に平行に配設された走行レールに沿っ
て走行し、下向きに延びたアームの下端に前記ワークピ
ースを保持して搬送する搬送チャックを備え、その搬送
チャックと前記ワークホルダとの間でワークピースを受
け渡しする天吊ロボットである(15)項に記載のマシニン
グセンタ。走行レールが上方に設けられているため、作
業者がワークホルダや主軸ヘッドに対して作業を行うと
き、走行レールが邪魔になることがなく、容易に作業を
行うことができる。 (17)前記ワークホルダが、ワークピースを心出しし
て保持するワークチャックである (1)項ないし(16)項の
いずれか1つに記載のマシニングセンタ。ワークホルダ
として、ワークピースを心出しして保持するワークチャ
ックを使用すれば、ワークロボットもワークピースを心
出しして保持する搬送チャック装置を備えたものとする
ことによって、両者の間のワークピースの受渡しを迅速
に行うことが可能となり、加工能率を向上させることが
できる。ワークチャックとしては、例えば、3個の爪部
材を備え、それら爪部材が軸対称状態を保って一斉に接
近,離間し、ワークピースを把持,解放する3つ爪チャ
ック、あるいはV字形断面の溝を備えた爪部材を2個備
え、それら爪部材が軸対称状態を保って互いに接近,離
間し、ワークピースを把持,解放するチャック等が好適
である。 (18)前記ワークホルダが、ワークピースを心出しし
て保持するワークチャックであり、前記搬送チャック装
置が、ワークピースを心出しして保持するチャックを2
個互いに同軸かつ反対向きに備え、それら2個のチャッ
クの軸線に直角な回転軸線のまわりに回転させられるこ
とにより、2個のチャックの各々が選択的に前記ワーク
チャックと同軸に対向可能なものである(16)項に記載の
マシニングセンタ。本態様によれば、ワークロボット
は、未加工のワークピースと加工済みのワークピースと
を同時に保持することができる。そのため、ワークピー
スのワークチャックからの取外しとワークチャックへの
取付けとの間に、いちいちワーク収納装置およびワーク
供給装置へ移動して加工済みのワークピースを収納し、
未加工のワークピースを受け取らなくてもよく、ワーク
ピースのワークホルダに対する着脱を短時間で行うこと
ができ、ワークピースの交換を能率よく行うことができ
る。 (19)前記X移動装置が、前記ワークチャックを前記
走行レールの下方のワーク受渡位置まで移動させるもの
であり、前記天吊ロボットのアームが動力アクチュエー
タにより伸縮させられる伸縮アームであって、その伸縮
アームの伸長状態において前記搬送チャックの2個のチ
ャックの一方が前記ワークチャックと同軸に対向する(1
8)項に記載のマシニングセンタ。アームが伸縮アームで
ある場合、ワークロボットによるワークチャックに対す
るワークピースの着脱は、天吊ロボットとワークチャッ
クとがX軸方向において同じ位置に位置する状態で行わ
れる。そのため、ワークチャックが加工スペースから搬
送スペースへ、すなわち走行レールの下方のワーク受渡
位置へ移動させられる。ワークチャックがマシニングセ
ンタの最も手前まで出てくるのであり、作業者はワーク
チャックに十分接近することができ、保守,点検等の作
業を容易に行うことができる。 (20)前記ワークロボットの前記アームが、Z軸に平
行な回動軸線のまわりに回動可能な回動アームであり、
その回動アームが、前記走行レールの下方位置から前記
加工スペースに向かって一定角度回動させられた状態
で、前記搬送チャックの2個のチャックの一方が前記ワ
ークチャックと同軸に対向する(18)項に記載のマシニン
グセンタ。アームが回動アームである場合、搬送スペー
スは、加工スペースより手前側であって、ワークチャッ
クよりも手前側に設けられる。ワークチャックはワーク
ロボットの搬送スペースまでX軸方向に移動させられる
必要がなく、ワークロボットが、回動アームの回動によ
って搬送チャック装置を加工スペース内へ移動させ、2
個のチャックの一方をワークチャックと同軸に対向させ
る。ワークピースの着脱は、ワークチャックが、加工の
ためのX軸方向移動領域のうちで最も手前側に位置する
状態で行われるようにしてもよく、あるいは、ワークチ
ャックが、加工に必要なX軸方向移動領域より更に手前
側へ移動させられた状態で行われるようにしてもよい。
後者の場合、回動アームの回動角度が小さくて済むとと
もに、ワークチャックがより手前側に出てくるため、作
業者のワークチャックに対する作業が容易となる。 (21)前記Y移動装置が、当該マシニングセンタのベ
ッドから垂直に立ち上がったコラムと、そのコラムにY
軸方向に平行に設けられたYガイドに案内され、前記主
軸ヘッドを支持するYスライドと、そのYスライドをY
軸方向に移動させるYスライド駆動装置とを含み、前記
X移動装置が、前記ワークホルダを支持するXスライド
と、前記ベッド上にX軸方向に平行に設けられ、前記X
スライドを案内するXガイドと、前記XスライドをX軸
方向に移動させるXスライド駆動装置とを含み、前記ベ
ッドが、平面視において、前記Xガイドを備えた部分が
前記コラムを支持する部分に隣接するとともにそのコラ
ムを支持する部分より手前側へ突出し、それにより、コ
ラムを支持する部分の手前側であってXガイドを備えた
部分の側方に、ベッド中央部に向かって入り込んだ入り
込部を有するものであり、かつ、前記ワークロボット
が、前記ベッドの、前記コラムを支持する部分より手前
側へ突出した部分の上方スペースにZ軸方向に平行に配
設された走行レールに沿って走行し、下向きに延びたア
ームの下端に前記ワークピースを保持して搬送する搬送
チャック装置を備え、その搬送チャック装置と前記ワー
クホルダとの間でワークピースを受け渡しする天吊ロボ
ットである(15)項に記載のマシニングセンタ。ベッドの
Xガイドを備えた部分がコラムを支持する部分より手前
側へ突出していれば、ワークホルダをその突出部へ移動
させてワークロボットによるワークピースの着脱を行う
ことができる。作業者はベッド中央部に向かって入り込
んだ入り込部に入ることによって、コラム上の主軸ヘッ
ドに十分接近することができ、また、ワークホルダをベ
ッドの突出部上へ移動させれば、ワークホルダに正対す
ることができ、主軸ヘッドやワークホルダに対する保
守,点検等の作業を容易に行うことができる。本態様に
おいては、ワークロボットが天吊ロボットであって走行
レールが上方にあるため、作業者が入り込部に入ること
を妨げない。 (22)前記Z移動装置が、前記ベッド上にZ軸方向に
平行に設けられ、前記コラムをZ軸方向に案内するZガ
イドと、前記コラムをZ軸方向に移動させるコラム駆動
装置とを含む(21)項1記載のマシニングセンタ。本態様
においては、コラムがZ軸方向に移動させられ、ワーク
ホルダはZ軸方向に移動させられないため、ベッドの手
前側へ突出させられる部分の左右方向の幅が小さくてよ
く、また、必要に応じてコラムをZ軸方向においてワー
クホルダから最も遠い位置へ移動させることができ、ベ
ッドの入り込部に入り込んでの作業者による主軸ヘッド
やワークホルダに対する作業が一層容易となる。 (23)前記工具保持部が、前記一対の工具保持アーム
の各自由端部に形成され、工具保持アームの回動につれ
て前記加工工具の被保持部にその被保持部の半径方向か
ら係合して被保持部を保持する保持凹部と、その保持凹
部に対して保持位置と退避位置とに相対移動可能に設け
られ、退避位置において保持凹部が前記被保持部と係合
することを許容し、その係合後、保持位置に移動して被
保持部に係合し、保持凹部の被保持部からの離脱を防止
する保持爪とを含む (1)項ないし(22)項のいずれか1つ
に記載のマシニングセンタ。加工工具は、被保持部を有
する部分と、刃部とが一体に構成されたものでもよく、
別体に構成されたものでもよい。後者の場合、被保持部
を有する部分は工具ホルダと称され、刃部を有する狭義
の加工工具を取り外し可能に保持した広義の加工工具と
して、工具チャックに着脱される。加工工具は、保持爪
により保持凹部からの離脱を防止された状態で工具保持
アームにより保持される。したがって、工具保持アーム
の回動時に、加工工具に作用する慣性力や遠心力によっ
て、加工工具が保持凹部から離脱することが防止され、
工具保持アームの回転速度を大きくすることが可能とな
り、工具交換に要する時間を短縮し得る。本項に記載の
特徴は (1)項ないし(22)項の各々に記載の特徴とは別個
に採用することができる。 (24)前記工具保持部が、前記保持爪を前記保持位置
に向かって付勢する保持爪付勢用弾性部材と、前記保持
爪の前記退避位置への退避を許容する解除状態と、退避
を許容しないロック状態とに切換えが可能なロック装置
とを含む(23)項に記載のマシニングセンタ。ロック装置
がロック状態にある状態では、保持爪による加工工具の
保持が解除されることがなく、より確実に加工工具が保
持される。 (25)前記ロック装置が、ロック位置と解除位置とに
移動可能なロック部材と、そのロック部材を解除位置に
向かって付勢するロック部材付勢用弾性部材と、前記ハ
ウジングに固定的に設けられ、前記工具交換軸が前記ハ
ウジング内に向かって収縮させられ、前記工具保持アー
ムに保持された加工工具が前記工具チャックおよび前記
工具保持装置から抜き出されるにつれて、前記ロック部
材の後端に当接してそのロック部材を前記ロック部材付
勢用弾性部材の弾性力に抗して前記ロック位置へ移動さ
せ、工具交換軸の回転にかかわらずその状態を維持する
ロック部材駆動部材とを含む(24)項に記載のマシニング
センタ(請求項6)。本態様のマシニングセンタにおい
ては、工具交換軸の収縮運動を利用してロック装置がロ
ック状態とされ、工具交換軸の収縮後に工具保持アーム
が回動させられる時期にはロック装置が必然的にロック
状態となって、加工工具に作用する慣性力,遠心力等に
より加工工具が工具保持アームの工具保持部から離脱す
ることが防止される。本態様によれば、工具交換軸の収
縮を利用してロック部材をロック位置へ移動させること
ができ、ロック部材駆動専用のアクチュエータを設ける
場合に比較して構成を単純化し得る。 (26)前記ロック部材が、前記一対の工具保持アーム
の各々に対応して、前記工具交換軸の軸線を中心とする
一円周上に2個設けられており、前記ロック部材駆動部
材が前記工具交換軸のまわりに前記一円周に沿って形成
された円環状の駆動面を備えた(25)項に記載のマシニン
グセンタ。本態様によれば、一対の工具保持アームの各
々に設けられた保持爪をロックする2個のロック部材を
共通の駆動部材によりロック位置へ駆動し、工具交換軸
の回転にかかわらずロック位置に維持することができ
る。なお、ロック部材を中空の工具交換軸の軸線上に1
個設け、一対の工具保持アームの各々に設けられた2つ
の保持爪に共通に作用するものとすることも可能であ
る。この構成は、ロック部材駆動装置が、ロック部材を
ロック位置と解除位置とに移動させる流体圧シリンダ等
専用のアクチュエータを備えたものである場合に特に採
用が容易であるが、ロック部材駆動装置がハウジングに
固定的な駆動部材を含むものである場合にも採用するこ
とができる。例えば、駆動部材を中空の工具交換軸に後
方から嵌入して先端面が駆動面として機能する駆動軸と
するのである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態であるマ
シニングセンタを図面に基づいて詳細に説明する。図1
において10はマシニングセンタである。マシニングセ
ンタ10の左右方向であるZ軸方向(図1においては左
右方向)において一方の側に隣接してワーク供給装置1
2が設けられ、他方の側に隣接してワーク収納装置14
が設けられている。
【0008】ワーク供給装置12は、図1および図2に
示すように、走行台18上に周回可能に設けられた複数
のワークストッカ20を備えている。これらワークスト
ッカ20はそれぞれ、基台22上に立設された3本の棒
状の位置決め部材24を有し、これら位置決め部材24
に受け板26が、位置決め部材24の軸線方向に移動可
能に嵌合され、受け板26上にワークピース28が複数
個ずつ積載されている。基台22には車輪が設けられる
とともに、複数のワークストッカ20の各基台22は互
いに連結されており、図示しないワークストッカ周回装
置により、走行台18上を一斉に周回させられる。それ
により複数のワークストッカ20のうちの1つが、後述
するワークロボットにワークピース28を供給するワー
クピース供給位置に位置決めされる。ワークピース供給
位置には、受け板24を位置決め部材22に対して昇降
させる受け板昇降装置32が設けられており、ワークピ
ースが1個、取り出される毎に受け板26が上昇させら
れ、ワークピース28が常に同じ高さでワークロボット
に渡される。
【0009】ワーク収納装置14は、ワーク供給装置1
2と同様に構成されており、対応する部分には同一の符
号を付して説明を省略する。ワーク収納装置14におい
ては、複数のワークストッカ20がワークストッカ周回
装置により周回させられ、そのうちの1つがワーク収納
位置に位置決めされる。受け板24は、空の状態では、
ワーク収納位置に設けられた受け板昇降装置32により
上昇端位置へ移動させられており、ワークピース28を
受け取る毎に、ワークピース1個分ずつ下降させられ、
ワークロボットが高さ方向において常に同じ位置でワー
クピース28をワークストッカ20に収納し得るように
されている。
【0010】マシニングセンタ10を説明する。マシニ
ングセンタ10のベッド40上には、ワークホルダたる
ワークチャック42および主軸ヘッド44が設けられて
いる。ベッド40の左右方向においてワーク供給装置1
2側の部分には、突条を成し、直線状のガイドレール4
8が一対、前後方向であるX軸方向(図2においては上
下方向)に平行に設けられており、これら一対のガイド
レール48がXガイドを構成している。X軸方向と前記
Z軸方向とは、水平面内において直角である。
【0011】一対のガイドレール48には、Xスライド
50がX軸方向に移動可能に嵌合されている。Xスライ
ド50は、駆動源たるXサーボモータ52(図14参
照)と、送りねじおよびナット(図示省略)を含み、X
サーボモータ52の回転を直線運動に変換する運動変換
装置とを含むXスライド駆動装置54により、ガイドレ
ール48に案内されつつX軸方向に移動させられる。一
対のガイドレール48,Xスライド50およびXスライ
ド駆動装置54がX移動装置56を構成している。
【0012】Xスライド50には、図1および図2に示
すように、垂直軸線まわりに回転する回転台60が設け
られており、回転用サーボモータ62(図14参照)を
駆動源とする回転台駆動装置により、垂直軸線まわりに
正逆両方向において任意の角度回転させられる。回転台
60には、回転軸66が水平軸線まわりに回転可能に保
持されており、回転用サーボモータ68(図14参照)
を駆動源とする回転軸駆動装置により、水平軸線まわり
に正逆両方向において任意の角度回転させられる。
【0013】回転軸66に、前記ワークチャック42が
同心に設けられている。回転軸66はワークホルダ保持
部材を構成しているのである。ワークチャック42は、
本実施形態においては、把持部材たる3個の把持爪が軸
対称状態を保って一斉に接近,離間させられることによ
り、ワークピース28を心出しして把持し、解放する3
つ爪チャックとされている。ワークチャック42は、X
移動装置56により、前後方向であるX軸方向に移動さ
せられ、回転台60の回転により、図2に二点鎖線で示
すように、垂直軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回
転させられ、回転軸66の回転により水平軸線まわりに
正逆両方向に任意の角度回転させられる。前記回転台6
0および回転台駆動装置が、ワークチャック42とXス
ライド50との間に設けられ、ワークチャックを垂直軸
線まわりに回転させるワークホルダ垂直軸線回転装置た
るワークチャック垂直軸線回転装置72を構成し、前記
回転軸66および回転軸駆動装置が、ワークチャック4
2とXスライド50との間に設けられ、ワークチャック
42を水平軸線まわりに回転させるワークホルダ水平軸
線回転装置たるワークチャック水平軸線回転装置74を
構成している。なお、図2において符号70はフレキシ
ブル配線・配管等保護具であり、ベッド40とXスライ
ド50との間に設けられた信号伝達線,給電線等を保護
する。
【0014】ベッド40上には、一対のガイドレール4
8に対して、ワーク収納装置14側に隣接して、別の一
対のガイドレール80がZ軸方向に平行に設けられてい
る。一対のガイドレール80は、一対のガイドレール4
8にZ軸方向に隣接して設けられているのであり、更に
詳細には、一対のガイドレール48の長手方向の中間部
に隣接して設けられ、一対のガイドレール48は、一対
のガイドレール80より手前側へ延び出している。
【0015】これら一対のガイドレール80は、一対の
ガイドレール48と同様に、直線状の突条を成し、Zガ
イドを構成している。一対のガイドレール80には、コ
ラム84がZ軸方向に移動可能に嵌合されている。コラ
ム84は、ベッド40から垂直に立ち上がっており、駆
動源たるZサーボモータ86(図3,図14参照)と、
送りねじおよびナットを含み、Zサーボモータ86の回
転を直線運動に変換する運動変換装置とを含むコラム駆
動装置により、Z軸方向に移動させられる。一対のガイ
ドレール80およびコラム駆動装置が、Z移動装置88
を構成している。
【0016】コラム84の前記一対のガイドレール48
側の面には、一対のガイドレール90が上下方向である
Y軸方向に平行に設けられ、Yガイドを構成している。
本実施形態においてY軸方向は、X軸方向とZ軸方向と
にそれぞれ直角である。一対のガイドレール80は、直
線状の突条を成す。一対のガイドレール90には、Yス
ライド92がY軸方向に移動可能に嵌合されており、Y
サーボモータ94(図14参照)と、送りねじおよびナ
ットを含み、Yサーボモータ94の回転を直線運動に変
換する運動変換装置とを含むYスライド駆動装置によ
り、Y軸方向に移動させられる。コラム84,一対のガ
イドレール80,Yスライド92およびYスライド駆動
装置がY移動装置96を構成している。
【0017】Yスライド92に、前記主軸ヘッド44が
設けられている。主軸ヘッド44は、そのハウジング内
に、回転主軸100を左右方向であるZ軸方向に延びる
姿勢で回転可能に支持しており、Z移動装置88および
Y移動装置96により、Z軸方向およびY軸方向に移動
させられる。回転主軸100は、主軸サーボモータ10
2(図14参照)を駆動源とする主軸回転駆動装置によ
り、Z軸方向に平行な自身の軸線まわりに回転させられ
る。回転主軸100は、先端部に工具チャック104
(図4参照)を備えており、加工工具106を把持,解
放する。本実施形態においては、コラム84がZ軸方向
に移動させられてZスライドとして機能し、コラム84
に設けられたYスライド92に主軸ヘッド44が保持さ
れるため、コラム84から回転主軸先端までの距離が短
くて済み、加工工具106の支持剛性を高くすることが
できる。
【0018】加工工具106は、図4に示すように、工
具の一種であるドリル108と、ドリル108を保持す
る工具ホルダ110とを含んでいる。工具ホルダ110
は、テーパ状のシャンク112,シャンク112の大径
側の端部に設けられたボトルグリップ114,シャンク
112の小径側の端部に突設されたプルスタッド116
等を含む。ボトルグリップ114は、シャンク112の
大径側の端部から半径方向外向きに設けられたフランジ
118と、フランジ118の軸線方向の中央部に設けら
れた円環状の溝120とを含み、加工工具106の被保
持部を構成している。また、ボトルグリップ114の直
径方向に隔たった2箇所にそれぞれ、係合溝122が形
成されている(図4には、一方の係合溝122のみが図
示されている)。さらに、プルスタッド116には、突
出端側ほど直径が漸減するテーパ面124および突出端
側ほど直径が漸増するテーパ面126が形成されてい
る。なお、工具はドリル108に限らず、リーマ,中ぐ
り工具等、種々の工具が加工に用いられる。そのため、
図6,図11等において加工工具106の工具に相当す
る部分は矩形で表され、工具が軸線方向および直径方向
において占める最大の大きさが示されている。
【0019】回転主軸100内には、図4に示すよう
に、その先端面に開口し、先端面ほど直径が増大し、シ
ャンク112のテーパに対応するテーパのテーパ穴13
0,テーパ穴130に続く段付穴132が形成され、段
付穴132の小径穴部134には、ドローバー136が
軸方向に移動可能に嵌合されている。ドローバー136
は円筒状を成し、先端部に設けられた複数個の半径方向
穴138にそれぞれ、係合部材たる鋼球140がドロー
バー136の半径方向に移動可能に嵌合されている。ま
た、回転主軸100の先端面には、直径方向に隔たった
2箇所にそれぞれ、突起144が設けられている。
【0020】加工工具106が工具チャック104に保
持されるときには、図4(b)に示すように、シャンク
112がテーパ穴130に嵌合されるとともに、プルス
タッド116がドローバー136内に嵌入させられる。
この際、ドローバー136は、鋼球140が大径穴部1
42内にあって、半径方向穴138から外向きに突出す
ることが許容された解放位置にあり、プルスタッド11
6は、テーパ面124が鋼球140を半径方向穴138
から押し出しつつドローバー136に嵌入させられる。
この状態で、ドローバー136が小径穴部134内へ引
き込まれれば、図4(a)に示すように、鋼球140は
半径方向穴138内へ押し込まれつつ、プルスタッド1
16に設けられたテーパ面126に係合し、斜面の作用
によりプルスタッド116をドローバー136内へ引き
込む。それにより、テーパ状のシャンク112がテーパ
穴130にしまり嵌合され、加工工具106が工具チャ
ック104により保持される。また、回転主軸100の
先端に設けられた突起144がボトルグリップ114に
形成された係合溝122に嵌合され、回転主軸100の
回転が加工工具106に伝達される状態となる。本実施
形態においては、テーパ穴130,回転主軸100のテ
ーパ穴130が設けられた部分,ドローバー136およ
び鋼球140が工具チャック104を構成しているので
ある。
【0021】ドローバー136が小径穴部134から抜
け出す向きに、すなわち工具チャック104が加工工具
106を保持する状態が得られる保持位置から解放位置
に向かって移動させられれば、ドローバー136の鋼球
140を保持する部分が大径穴部142内へ移動し、鋼
球140が半径方向外向きに移動可能な状態となる。そ
のため、加工工具106に回転主軸100から抜け出す
向きの力が加えられれば、プルスタッド116は、テー
パ面126によって鋼球140を半径方向穴138から
抜け出す向きに移動させつつ、ドローバー136から抜
け出させられ、加工工具106を工具チャック104か
ら抜き出すことができる。なお、図2および図3におい
て符号148は、フレキシブル配線・配管等保護具であ
り、ベッド40とコラム84との間に設けられた信号伝
達線,給電線等を保護する。
【0022】コラム84のZ軸方向の移動を案内する一
対のガイドレール80は、ワークチャック42のX軸方
向の移動を案内する一対のガイドレール48の長手方向
(前後方向)の中間部に隣接して設けられている。その
ため、図2に示すように、ベッド40は、平面視におい
て、ベッド40の一対のガイドレール48を備えた部分
がコラム84を支持する部分に隣接するとともに、コラ
ム84を支持する部分より手前側へ突出した突出部15
8を備え、それにより、コラム84を支持する部分の手
前側であって、一対のガイドレール48を備えた部分の
側方に、ベッド中央部に向かって入り込んだ入り込部1
60を有する。X移動装置56はワークチャック42を
コラム84より手前側の突出部158へ移動させ、ここ
においてワークチャック42に対するワークロボット
(後述する)によるワークピース28の着脱が行われ
る。
【0023】ワークチャック42により保持されたワー
クピース28の加工時には、ワークチャック42と加工
工具106とのX軸,Y軸およびZ軸の各方向における
相対移動により、加工工具106に対するワークピース
28の加工部位が変えられるとともに、ワークピース2
8の垂直軸線まわりの回転あるいは水平軸線まわりの回
転により加工姿勢が変更される。そして、ワークチャッ
ク42に保持された未加工のワークピース28は、ワー
クチャック42と主軸ヘッド44とが、X軸,Y軸およ
びZ軸の各方向において相対移動させられることによ
り、加工工具106に対して位置決めされるとともに、
加工を施される。加工は、ベッド40上の、加工工具1
06が移動可能なスペースにおいて行われる。加工工具
106によってワークピース28に加工が施されるスペ
ースが加工スペース162であり、ベッド40の突出部
158より奥側のスペースである。ワークロボットによ
るワークチャック42に対するワークピース28の着脱
のために、ワークチャック42は突出部158へ移動さ
せられるが、突出部158上のスペースは、ワークピー
ス28の軸線まわりの側面の加工に利用される。Xスラ
イド50を、図2に実線で示すように、突出部158へ
移動させるとともに、ワークチャック42を垂直軸線ま
わりに回転させ、図2に二点鎖線で示すように、その軸
線をX軸方向に平行とするとともに、加工スペース16
2側に向け、加工工具106によりワークピース28の
側面に加工が施されるようにするのである。
【0024】ベッド40のコラム84を支持する部分の
うち、最も手前側の部分であって、ベッド40のZ軸方
向に隔たった両側面にはそれぞれ、図2および図3に示
すように、支柱180が、ベッド40から上方へ立ち上
がる状態で設けられている。これら支柱180の上部
は、ベッド40のコラム84を支持する部分より手前側
へ突出させられており、その前面においてZ軸方向に平
行に支持された梁182に、直線状の突条を成す一対の
ガイドレール184がZ軸方向に平行に設けられ、走行
レールを構成している。これら一対のガイドレール18
4は、ベッド40の、コラム84を支持する部分より手
前側へ突出した部分である突出部158の上方スペース
であって、加工スペース162より手前側のスペースの
上方にZ軸方向に平行に配設されているのである。
【0025】一対のガイドレール184に、天吊ロボッ
ト190のスライド186がZ軸方向に走行可能に嵌合
されている。天吊ロボット190は、駆動源たるロボッ
ト走行用サーボモータ188(図14参照)と、送りね
じおよびナットを含み、サーボモータ188の回転を直
線運動に変換する運動変換装置とを含むロボット走行装
置により、ガイドレール184に案内されて、Z軸方向
に走行させられ、ワークピース28の搬送とワークチャ
ック42に対する着脱とを行う。ベッド40の、コラム
84を支持する部分より手前側へ突出した突出部158
の上方スペース、すなわち加工スペース162より手前
側のスペースの上側部分である搬送スペース192を、
天吊ロボット190はZ軸方向に走行するのである。突
出部158の上方のスペースを含み、天吊ロボット19
0が走行するスペース全部が搬送スペース192であ
る。搬送スペース192は走行スペースでもある。
【0026】前述のように、X移動装置56はワークチ
ャック42を突出部158へ移動させ、ワークチャック
42は搬送スペース192の下方へ移動させられるので
あるが、ワークチャック42は上下方向の寸法は小さ
く、天吊ロボット190の走行に支障はない。図2に一
点鎖線で示し、図7に二点鎖線で示すように、このワー
クチャック42が天吊ロボット190を案内するガイド
レール184の下方に位置し、かつ、Z軸方向に平行な
姿勢のワークチャック42の軸線とチャック200の軸
線とのX軸方向における位置が一致し、チャック200
がワークチャック42と同軸に対向可能な位置がワーク
受渡位置である。なお、前記ワーク供給装置12のワー
クピース供給位置およびワーク収納装置14のワークピ
ース収納位置は、天吊ロボット190の走行経路内に設
定されている。
【0027】天吊ロボット190のスライド186から
は、図3に示すように、伸縮アーム194が下向きに延
び出させられている。天吊ロボット190は、伸縮アー
ム194の延出端部(下端部)に、ワークピース28を
保持して搬送する搬送チャック196を備えている。搬
送チャック装置196は、2個のチャック200を備え
ている。これらチャック200はチャック本体202を
共用し、互いに同軸かつ反対向きに設けられるととも
に、チャック本体202において伸縮アーム194に、
2個のチャック200の軸線に直角であって、X軸方向
に平行な軸線まわりに回転可能に保持されている。この
軸線は、伸縮アーム194の長手方向と、天吊ロボット
190の移動方向との両方に直角な軸線でもある。した
がって、チャック本体202が、図示しないチャック回
転装置によって回転させられることにより、搬送チャッ
ク装置196が、2個のチャック200の軸線に直角な
軸線まわりに回転させられ、2個のチャック200の軸
線はZ軸方向に平行な垂直面内において回転し、軸線が
水平な状態で2個のチャック200の各々が選択的にワ
ークチャック42と同軸に対向可能である。
【0028】2個のチャック200はいずれも、ワーク
チャック42と同様に、3個の把持爪204(図3参
照)を備えた三つ爪チャックであり、それら把持爪20
4は、軸対称状態を保って一斉に接近,離間させられ、
ワークピース28を心出しして保持する。また、2個の
チャック200はそれぞれ、把持爪204によるワーク
ピース28の把持を解放した状態で、ワークピース28
を押し出す押出装置206を備えている。押出装置20
6は、3個の押出突起208を有する押出部材たるプッ
シャプレート210と、プッシャプレート210を、ワ
ークピース28をチャック200から押し出す向きに付
勢する付勢装置とを含んで構成されている。
【0029】伸縮アーム194は、スライド186内に
設けられた動力アクチュエータ(図示省略)により伸縮
させられ、それにより搬送チャック装置196が昇降さ
せられる。搬送チャック装置196は、伸縮アーム19
4の伸長により、図3に二点鎖線で示すように、2個の
チャック200の水平な状態にある軸線がワークチャッ
ク42の軸線と同じ高さになるワーク着脱位置へ移動さ
せられ、収縮により、実線で示すように、スライド18
6に近接した退避位置へ移動させられる。
【0030】前記ワークチャック42,主軸ヘッド4
4,X移動装置56,Y移動装置96およびZ移動装置
88等、ベッド40上に設けられたマシニングセンタ1
0の構成要素等は、ハウジング220(図3に外形のみ
を示す)により覆われている。但し、天吊ロボット19
0を設けるための支柱180,梁182,ガイドレール
184等は、ハウジング220の外にあり、ハウジング
220の搬送スペース192内に位置する部分は、図3
に示すように、ハウジング220の天井部分が低くさ
れ、天吊ロボット190が走行する走行通路222が形
成されている。前記搬送チャック装置196は、退避位
置へ移動した状態では、ハウジング220から搬送スペ
ース192へ出て走行通路222内に位置する状態とな
る。
【0031】ハウジング220の天井の走行通路222
を構成する部分のうち、ワーク受渡位置へ移動させられ
たワークチャック42に対応する部分には、天吊ロボッ
ト190のハウジング220内への進入およびワークチ
ャック42に対するワークピース28の着脱動作を許容
する大きさの開口が設けられるとともに、開口を覆うシ
ャッタが設けられ、シャッタ開閉装置により自動的に開
閉させられるようにされている。
【0032】また、ハウジング220の、ベッド40に
設けられた前記入り込部160に対応する部分には、図
示は省略するが、扉が開閉可能に設けられ、作業者が入
り込部160に入り込み、扉を開いてワークチャック4
2や主軸ヘッド44に対して保守,点検等の作業を行う
ことができるようにされている。作業者は、ベッド中央
部に向かって入り込んだ入り込部160に入ることによ
り、コラム84上の主軸ヘッド44に十分接近すること
ができ、また、ワークチャック42を突出部158上へ
移動させれば、ワークチャック42に正対することがで
き、主軸ヘッド44やワークチャック42に対する保
守,点検等の作業を容易に行うことができる。天吊ロボ
ット190の移動を案内するガイドレール184は上方
にあり、作業者が入り込部160に入ることを妨げな
い。
【0033】図1および図5に示すように、工具チャッ
ク104に保持された加工工具106により、ワークチ
ャック42に保持されたワークピース28の加工が行わ
れる際におけるXスライド50の上方のスペースであっ
て、コラム84のワークチャック42側のスペースの上
部は、仕切部材たる仕切壁230により仕切られて自動
工具交換システム配設スペース232が設けられてい
る。仕切壁230はボックス状に設けられ、自動工具交
換システム配設スペース232と加工スペース162と
が仕切られており、自動工具交換システム配設スペース
232内には、図5ないし図7に示すように、自動工具
交換システム238が配設されている。自動工具交換シ
ステム238は、主工具交換装置240,工具保持装置
242および補助工具交換装置244を含む。主工具交
換装置240,工具保持装置242および補助工具交換
装置244は、工具チャック104により保持された加
工工具106により、ワークチャック42に保持された
ワークピース28の加工が行われる際におけるXスライ
ド50の上方のスペース、すなわちコラム84のワーク
チャック42側のスペースの上部に設けられているので
ある。また、工具ストッカ246が、自動工具交換シス
テム配設スペース232および加工スペース162に跨
がって位置するとともに、一部がハウジング220外に
突出した状態で設けられている。自動工具交換システム
238は、工具ストッカ246から取り出した加工工具
106と、回転主軸100に取り付けられている加工工
具106とを自動で交換する。
【0034】工具ストッカ246を説明するが、よく知
られたものであり、簡単に説明する。工具ストッカ24
6は、複数の工具保持部を備え、回転主軸100に取り
付けられるべき複数種類の加工工具106が収納されて
いる。これら工具保持部は、加工工具106の軸線方向
の移動によって加工工具を保持し、あるいは加工工具1
06の離脱を許容するものとされている。複数の工具保
持部はトラック状に連結されており、図示しない工具保
持部移動装置により循環させられ、予め設定された工具
受渡位置に選択的に位置決めされる。工具ストッカ24
6は、ベッド40上に設けられた枠体248に、工具保
持部が加工工具106をX軸方向と平行な姿勢で保持す
るように設けられている。なお、図5および図7には、
ベッド40に設けられた枠体の一部が図示されている。
【0035】前記回転主軸100に取り付けられた工具
チャック104は、加工工具106の交換時には、Y移
動装置96およびZ移動装置88により移動させられ、
図5および図11に二点鎖線で示すように工具交換位置
へ移動させられる。工具交換位置は、Y軸方向において
は、加工スペース162から上方へ外れ、Z軸方向にお
いては、Xスライド50近傍の位置である。工具交換位
置へ移動させられた状態における工具チャック104の
上方であって、自動工具交換システム配設スペース23
2内の位置に、図5および図11に示すように、工具保
持装置242が設けられている。
【0036】工具保持装置242は、図11に示すよう
に、垂直な回動軸線のまわりに回動可能に設けられた回
動アーム250に設けられている。前記枠体248に固
定の取付部材254には、駆動源たる油圧揺動アクチュ
エータの一種である油圧揺動シリンダ256が取り付け
られており、回動アーム250は、油圧揺動シリンダ2
56により、図11に実線で示すようにX軸方向に平行
になる位置と、二点鎖線で示すようにZ軸方向に平行に
なる位置とに回動させられる。油圧揺動シリンダが回動
アーム回動装置を構成している。
【0037】工具保持装置242は、回動アーム250
の自由端部に設けられている。工具保持装置242は、
加工工具106の軸線方向の移動によって加工工具を保
持し、あるいは加工工具106の離脱を許容するものと
されており、回動アーム250の回動軸線と回動アーム
250の長手方向との両方に直角な姿勢で設けられてい
る。工具保持装置242の軸線は水平なのである。工具
保持装置242は、回動アーム250がX軸方向に平行
となる位置へ回動させられた状態において、図11に実
線で示すように、工具チャック104より上側におい
て、工具チャック104と同じ向きで平行に並ぶ状態と
なるように設けられている。この位置が工具保持装置2
42の工具交換位置である。「工具チャック104と同
じ向き」とは、工具保持装置242と、工具チャック1
04との加工工具106を受け入れる部分が同じ向きに
開口しており、それらに保持された加工工具106が同
じ向きに延び出す状態となることを意味する。
【0038】また、回動アーム250がZ軸方向に平行
となる位置へ回動させられた状態では、工具保持装置2
42は、図11に二点鎖線で示すようにX軸方向に平行
となり、工具交換位置から離れた退避位置に位置させら
れる。工具保持装置242は、回動アーム250の回動
により、工具交換位置と退避位置とに移動させられるの
である。なお、回動アーム250の2つの回動端はそれ
ぞれ、ストッパ260,262により決められるととも
に、2つの回動端への回動がそれぞれ回動端検出スイッ
チ264,266により検出され、それらスイッチ26
4,266の検出信号に基づいて油圧揺動シリンダ25
6が駆動される。回動アーム250の回動がストッパ2
60,262によって止められることにより、工具保持
装置242は工具交換位置および退避位置に精度良く停
止させられ、加工工具106の交換を確実に行うことが
できる。
【0039】主軸ヘッド44は、図1に示すように、コ
ラム84およびYスライド92からZ軸方向に突出させ
られており、工具チャック104が工具交換位置へ移動
させられたとき、図5および図11に示すように、コラ
ム84およびスライド92が工具交換位置に位置する工
具保持装置242と干渉することがない。主軸ヘッド4
4は、工具チャック104が工具交換位置へ移動させら
れたとき、コラム84やスライド92と、工具交換位置
に位置する工具保持装置242との干渉を回避するのに
十分な長さ、コラム84から突出させられているのであ
り、それにより、工具保持装置242をY軸方向におい
て、工具交換位置へ移動させられた工具チャック104
に対して近接した位置に設けることができ、共に工具交
換位置に位置する工具チャック104と工具保持装置2
42とのY軸方向における距離が短い。主軸ヘッド44
のコラム84からの突出量が少なければ、共に工具交換
位置に位置する工具チャック104と工具保持装置24
2とを、X軸方向およびZ軸方向において同じ位置であ
って、上下方向に隔たった位置に位置させるためには、
工具保持装置242をコラム84より上方に位置させな
ければならず、工具保持装置242と工具チャック10
4との上下方向の距離が長くなる。それに対し、主軸ヘ
ッド44のYスライド92からの突出量を大きくすれ
ば、工具保持装置242がスライド92やコラム84と
干渉することはなく、共に工具交換位置に位置する工具
保持装置242と工具チャック104とを近接させるこ
とができるのである。
【0040】主工具交換装置240を説明する。主工具
交換装置240は、図11に示すように、Z軸方向にお
いては、工具交換位置に位置する工具保持装置242と
工具ストッカ246との間であって、工具交換位置に位
置する工具保持装置242に対して、工具交換位置へ移
動させられた工具チャック104,回転主軸100,コ
ラム84等とは反対側に設けられ、Y軸方向(上下方
向)においては、図5に示すように、工具交換軸が、工
具保持装置242と、工具交換位置へ移動させられた工
具チャック104との間に位置するように設けられてい
る。後に、詳細に説明する。
【0041】主工具交換装置240は、工具交換軸29
0,ハウジング292,一対の工具保持アーム294お
よび交換運動付与装置296を含んでいる。ハウジング
292内には、図8および図9に示すように、入力軸3
00がY軸方向(上下方向)に平行な軸線まわりに回転
可能に支持されており、入力軸300にはローラギヤカ
ム302が固定されている。ローラギヤカム302はリ
ブ304を備えている。入力軸300は、図示しない駆
動源たる電動モータおよび電動モータの回転を入力軸3
00に伝達する回転伝達装置を含む回転駆動装置によ
り、自身の軸線まわりに一方向に等速で回転させられ、
それによりローラギヤカム302が回転させられる。
【0042】工具交換軸290は、図6,図8および図
11に示すように、ハウジング292により、前記回転
主軸100とは逆向きに延び出す状態で、Z軸方向に平
行な自身の軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動可能
に保持されており、ハウジング292は、工具交換軸2
90の軸線が、それぞれ工具交換位置にある工具チャッ
ク104と工具保持装置242との両軸線の中央位置に
おいて、それら両軸線と平行に延びる状態となるように
配設されている。「回転主軸100とは逆向きに延び出
す」とは、工具交換軸290がハウジング292から延
び出す向きと、回転主軸100が主軸ヘッド44のハウ
ジングから突出する向きとが逆、すなわち回転主軸10
0の先端面と工具交換軸290の先端面とが互いに逆向
きということであり、主工具交換装置240の交換運動
付与装置296およびそれのハウジングを構成するハウ
ジング292が、工具交換時に一対の工具保持アーム2
94が描く回動軌跡に対して、主軸ヘッド44および工
具保持装置242とは反対側に配設されている。それぞ
れ工具交換位置にある工具チャック104および工具保
持装置242の各軸線と工具交換軸290の軸線とは、
Z軸方向においては隣接し、X軸方向においては同じ位
置に位置し、また、これら3本の軸線は、上下方向(Y
軸方向)においては距離を隔てて位置する。
【0043】工具交換軸290のハウジング292内に
位置する端部には、図9に示すように、スプライン部3
10が設けられ、タレット312に設けられたスプライ
ン穴314に、軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能
に嵌合されている。タレット312は、ハウジング29
2に回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されるととも
に、カムフォロワたるローラ316が複数個(本実施形
態においては4個)、等角度間隔に、かつ工具交換軸2
90の回転軸線と直交する軸線まわりに回転可能に設け
られている。ローラ316は、ローラギヤカム302の
リブ304に噛み合わされ、ローラギヤカム302の回
転に伴って正方向あるいは逆方向に回転させられ、ある
いは停止させられる。入力軸300の一方向の等速回転
が、工具交換軸290の工具交換に必要な不等速回転に
変換されるのであり、タレット312およびローラ31
6がローラギヤを構成し、ローラギヤカム302と共に
第1カム装置318を構成している。
【0044】ローラギヤカム302にはまた、その回転
軸線と直角な一方の端面に、カム溝322が設けられて
いる。ハウジング292には、揺動レバー334が、そ
の長手方向の一端部において軸336により、入力軸3
00と平行な軸線まわりに回動可能に支持されており、
揺動レバー334の中間部に回転可能に取り付けられた
カムフォロワたるローラ338がカム溝322に嵌合さ
れ、他端部に回転可能に取り付けられた係合部材たるロ
ーラ340が、工具交換軸290に同心状に設けられた
円環状の係合溝342に係合させられている。
【0045】ローラギヤカム302が回転させられれ
ば、ローラ338がカム溝322内を移動し、揺動レバ
ー334が回動させられ、工具交換軸290が軸方向に
移動させられ、ハウジング292外に向かって伸長させ
られ、あるいはハウジング292内に向かって収縮させ
られ、あるいは停止させられる。本実施形態において
は、ローラギヤカム302と回転カムとが一体に形成さ
れているのであり、回転カムおよびローラ338が第2
カム装置344を構成し、前記第1カム装置318と共
にカム装置346を構成している。
【0046】ローラギヤカム302のリブ304および
回転カムのカム溝322は、ローラギヤカム302が1
回転する間に、図10に示すように、工具交換軸290
に軸方向の運動と回転とを付与するように設けられてい
る。カム装置346を含む交換運動付与装置296は、
工具交換軸290に、一対の工具保持アーム294が工
具チャック104と工具保持装置242とにそれぞれ保
持されている加工工具106を交換するのに必要な交換
運動を付与するのである。工具交換軸290が待機位置
(後述するように、一対の工具保持アーム294がX軸
方向に平行な水平な姿勢となり、加工工具106の交換
に備えて待機する位置)から正方向へ90度回転させた
状態で停止させ、回転方向における停止状態において、
工具交換軸290を軸方向に移動させてハウジング29
2内に向かって収縮させるとともに、その移動の完了前
に、逆方向へ180度回転させ、回転の完了前に伸長を
開始させ、伸長の完了後、回転が完了し、その後、逆方
向へ90度回転させるように設けられている。工具交換
軸290の回転の一部と軸方向運動の一部とが重複して
行われるのであり、その分、工具交換時間が短くて済
む。なお、正方向および逆方向については、後に説明す
る。また、工具交換軸290がハウジング292外へ最
も伸長した伸長端位置において、一対の工具保持アーム
294は加工工具106を工具保持装置242および工
具チャック104に押し込み、ハウジング292内へ最
も収縮した収縮端位置において、一対の工具保持アーム
294は加工工具106を工具保持装置242および工
具チャック104から抜き出すため、伸長端位置を押込
位置、収縮端位置を抜出位置と称する。
【0047】工具交換軸290のハウジング292の外
部に突出した先端に、前記一対の工具保持アーム294
が設けられている。図12に示すように、一対の工具保
持アーム294は一体に形成されており、工具交換軸2
90のハウジング292の外部に突出した先端から、工
具交換軸290の軸線と直交する一直線に沿って互いに
逆向きに延び出す状態で工具交換軸290に固定され、
各自由端部にそれぞれ工具保持部350を備えている。
主工具交換装置は、双アーム型工具交換装置なのであ
る。これら工具保持アーム294および工具保持部35
0の構成は同じであり、一方の工具保持アーム294お
よび工具保持部350を代表的に説明する。
【0048】工具保持アーム294の自由端部には、ほ
ぼ半円形状を成す保持凹部366が、工具保持アーム2
94の長手方向に直角な方向に開口する状態で形成され
ている。保持凹部366の工具交換軸290の軸線に平
行な方向の中間部には、ほぼ半円環状を成す係合突起3
68が突設されている。保持凹部366にはまた、その
凹部を画定する円の中心に対応する位置に、係合突起3
70が係合突起368よりも、係合凹部366の開口側
へ突出して設けられている。
【0049】工具保持アーム294内には、工具保持ア
ーム294の自由端側に開口する有底の嵌合穴376が
工具保持アーム294の長手方向と平行に形成されると
ともに、保持爪378が移動可能に嵌合されている。保
持爪378は、組立ての都合上、別部材である主部材3
80と補助部材382とが一体的に組み付けられて成
り、組付け後は、一体の保持爪378として機能する。
主部材380は有底円筒状を成し、嵌合穴376内に配
設された案内部材384に移動可能に嵌合されている。
案内部材384は、工具保持アーム294にボルト38
6によって固定されている。補助部材382は、主部材
380の開口側に嵌合され、係合部材たるピン388が
主部材380,補助部材382にわたって嵌合されるこ
とにより、主部材380に軸方向に相対移動不能かつ相
対回転不能に組み付けられている。なお、保持爪378
は、一体の部材により形成してもよい。
【0050】保持爪378は、補助部材382側から嵌
合穴376に嵌合され、主部材380の補助部材382
が取り付けられた側とは反対側の端部であって、嵌合穴
376からの突出端部には、図12に示すように、傾斜
面392が形成されている。この傾斜面392は、工具
保持アーム294が回動させられて保持凹部366が加
工工具106のボトルグリップ114に係合させられる
とき、加工工具106が描く相対回動軌跡に対して、加
工工具106の回動方向の上流側から下流側に向かうに
従って、回動軌跡の外側から内側に入る向きに傾斜させ
られている。主部材380にはまた、傾斜面392の最
も保持凹部366側の部分に、前記係合突起368を含
む円環状の突起の一部を成す係合突起394が設けられ
ている。
【0051】保持爪378は、主部材380と案内部材
384との間に配設された保持爪付勢用弾性部材たる圧
縮コイルスプリング396(以下、スプリング396と
略称する)により、嵌合穴376から突出する向きであ
って、加工工具106のボトルグリップ114に係合
し、保持凹部366のボトルグリップ114からの離脱
を防止する保持位置に向かって付勢されている。スプリ
ング396の付勢による保持爪378の移動限度は、補
助部材382が案内部材384に係合することにより規
定され、保持爪378の工具保持アーム294からの脱
落が防止されている。保持爪378は、後述するよう
に、スプリング396の付勢力に抗して後退させられる
ことにより、保持凹部366が加工工具106のボトル
グリップ114と係合することを許容する退避位置へ移
動させられる。なお、主部材380のボルト386に対
する移動は、主部材380に形成された長穴400によ
り許容される。また、ボルト386および長穴400
は、保持爪378の工具保持アーム294に対する回転
を阻止する。さらに、補助部材382の主部材380と
は反対側の端部には、保持爪378の移動方向に対して
傾斜させられた傾斜面402が形成されている。
【0052】本実施形態においては、工具保持アーム2
94の長さ、すなわち工具交換軸290の軸線から保持
凹部366の中心線までの距離は、185mmとされてい
る。工具交換軸290は、前述のように、ハウジング2
92に、回転主軸100とは逆向きに延び出す状態で設
けられており、主工具交換装置240の交換運動付与装
置296およびハウジング292が、工具交換時に一対
の工具保持アーム294が描く回動軌跡に対して、主軸
ヘッド44および工具保持装置242とは反対側に配設
されており、回転主軸100の工具チャック104の軸
線と工具保持装置242の軸線との距離を短くすること
ができる。また、前述のように、主軸ヘッド44はコラ
ム84から突出させられており、工具チャック104が
工具交換位置へ移動させられたとき、Y軸スライド92
やコラム84が、工具交換位置へ移動させられた工具保
持装置242と干渉することがなく、共に工具交換位置
に位置する工具チャック104と工具保持装置242と
を、上下方向(Y軸方向)において互いに近接して設
け、工具チャック104の軸線と工具保持装置242の
軸線との距離を短くすることができる。そのため、共に
工具交換位置に位置する工具チャック104と工具保持
装置242との両軸線の中央位置に位置させられた工具
交換軸290の軸線と、工具交換位置に位置する工具保
持装置242および工具チャック104の各軸線との間
の距離を短くすることができ、工具保持アーム294の
長さを185mmとすることができるのである。
【0053】工具保持アーム294にはまた、ロック装
置410が設けられている。ロック装置410は、ロッ
ク部材412を含む。工具保持アーム294の、ハウジ
ング292側の面には、保持部材414が固定されると
ともに、工具保持アーム294および保持部材414に
わたって、工具交換軸290の軸線と平行に延び、前記
嵌合穴376と、保持部材414の後端面とに開口する
嵌合穴416が形成され、ロック部材412がロック位
置と解除位置とに移動可能に嵌合されている。保持部材
414は、工具保持アーム294に固定された後は、工
具保持アーム294として機能する。ロック部材412
の嵌合穴376側の端部には、傾斜面420を有するく
さび部422が設けられている。傾斜面420は、前記
保持爪378側に設けられ、ロック部材412が工具保
持アーム294に対して相対的に前進させられる際に、
ロック部材412の移動方向の下流側から上流側に向か
うに従って前記保持爪378に接近する向きに傾斜させ
られている。保持爪378に設けられた前記傾斜面40
2は、この傾斜面420と対応する傾斜を有する。
【0054】ロック部材412は、保持部材414に設
けられた回転阻止部材たるピン426の先端部が、ロッ
ク部材412に形成された軸方向に延びる係合凹部たる
溝428に嵌入させられることにより、軸方向の相対移
動を許容されるとともに、工具保持アーム294に対す
る回転を阻止され、傾斜面420が傾斜面402に係合
可能とされている。ピン426,溝428,ボルト38
6,長穴400が、ロック部材412および保持爪37
8の工具保持アーム294に対する位相を決め、ロック
部材412と保持爪378とを、傾斜面420が傾斜面
402に当接可能に位置決めする位置決め装置を構成し
ているのである。
【0055】また、ロック部材412は、ロック部材付
勢用弾性部材の一種である圧縮コイルスプリング430
(以下、スプリング430と称する)により解除位置に
向かって付勢されている。解除位置は、くさび部422
が嵌合穴416の嵌合穴376と交差する部分から退出
し、傾斜面420が傾斜面402から離間し、保持爪3
78が退避位置へ退避することを許容する位置であり、
ロック部材412が解除位置にあるとき、ロック装置4
10は解除状態にある。ロック部材412がスプリング
430の付勢力に抗して前進させられ、傾斜面420が
傾斜面402に極く近接し、あるいは当接し、図13に
示すように、くさび部422が、傾斜面402と、嵌合
穴416の傾斜面402と対向する面とに挟まれて保持
爪378の退避位置への退避を実質的に許容しない位置
がロック位置である。ロック部材412がロック位置に
あるとき、ロック装置410はロック状態にある。以
上、保持凹部366,保持爪378,スプリング38
6,ロック装置410が工具保持部350を構成してい
る。さらに、ロック部材412の後端部、すなわち傾斜
面420が形成された側とは反対側の端部には、摩擦軽
減部材たる球432が回転可能に保持されている。
【0056】他方の工具保持アーム294も同様に構成
されているが、一方の工具保持アーム294に対して、
ちょうど180度位相を異にする状態で設けられ、一対
の工具保持アーム294の各保持凹部366は、工具交
換軸290の回転方向において同じ方向に開口させられ
ている。また、ロック部材412は、一対の工具保持ア
ーム294に対応して、工具交換軸290の軸線を中心
とする一円周上に2個設けられている。保持凹部366
の開口側が工具保持アーム294の回動方向において下
流側になる際の工具交換軸290の回転方向を正方向、
上流側になる際の回転方向を逆方向とする。
【0057】前記ハウジング292には、円環状のロッ
ク部材駆動部材450が工具交換軸290と同心に固定
されている。このロック部材駆動部材450の先端面が
円環状の駆動面452を構成し、工具交換軸290のま
わりに、2個のロック部材412が設けられた一円周に
沿って形成されている。駆動面452は、工具交換軸2
90の伸縮につれて球432を介してロック部材412
に当接,離間し、工具交換軸290が前記引出位置(収
縮端位置)にある状態では、駆動面452がロック部材
412に係合してロック位置に位置させ、押込位置(伸
長端位置)にある状態では、ロック部材412から離
れ、ロック部材412は解除位置に位置する。
【0058】なお、前記自動工具交換システム配設スペ
ース202を画定する仕切壁230のうち、工具保持ア
ーム294に対応する部分には開口が設けられるととも
に、図5に示すように、シャッタ460が開閉可能に設
けられており、工具交換軸290の回転により、工具保
持アーム294が、自動工具交換システム配設スペース
232から、回転主軸100等が設けられたスペース内
へ進入し得るようにされている。シャッタ460は、図
示しないシャッタ開閉装置により自動的に開閉させられ
る。
【0059】補助工具交換装置244を説明する。補助
工具交換装置244は、図5ないし図7に示すように、
一対の工具保持アーム480,X移動装置482および
Z移動装置484を含んでいる。Z移動装置484は、
ハウジング220の外に、枠体248およびブラケット
486に支持されて設けられている。ブラケット486
に固定の支持台488上には、直線状の突条を成す一対
のガイドレール490がZ軸方向に平行に設けられてZ
ガイドを構成するとともに、Zスライド492がZ軸方
向に移動可能に嵌合されている。Zスライド492は、
駆動源たるZサーボモータ494(図14参照),送り
ねじ496およびナットを含む運動変換装置を備えたZ
スライド駆動装置500により、ガイドレール490に
案内されてZ軸方向に移動させられる。これらガイドレ
ール490,Zスライド492,Zスライド駆動装置5
00がZ移動装置484を構成している。
【0060】Zスライド490上には、一対の直線状の
案内溝がX軸方向に平行に設けられてXガイドを構成す
るとともに、Xスライド504にX軸方向に平行に設け
られ、直線状の突条を成す一対のガイドレール506が
X軸方向に移動可能に嵌合されている。Xスライド50
4およびガイドレール506はX軸方向に長く、Xスラ
イド504には、Zスライド492上に、X軸方向に平
行に設けられた駆動源たる流体圧シリンダの一種である
油圧シリンダ508のピストンロッド510が係合させ
られている。したがって、ピストンロッド510の伸縮
により、Xスライド504がX軸方向において往復移動
させられる。油圧シリンダ508がXスライド駆動装置
を構成し、案内溝,Xスライド504と共にX移動装置
482を構成している。
【0061】Xスライド504には、回転軸516がX
軸方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられる
とともに、駆動源たる油圧揺動アクチュエータの一種で
ある油圧揺動シリンダ(図示省略)により180度往復
回動させられる。油圧揺動シリンダが回動装置を構成し
ている。一対の工具保持アーム480は、回転軸516
に、回転軸516の軸線と直交する一直線に沿って互い
に逆向きに延び出す状態で取り付けられ、各自由端部に
それぞれ、工具保持部518が設けられている。補助工
具交換装置は、双アーム型工具交換装置なのである。X
スライド504は、Zスライド490からハウジング2
20側へ延び出させられており、その延出端部および一
対の工具保持アーム480は、図6に示すように、ハウ
ジング220に設けられた図示しない開口を通って、ハ
ウジング220内に位置させられている。この開口は、
一対の工具保持アーム480のZ軸方向の移動を許容す
るように設けられている。なお、図7には、工具保持ア
ーム480が一対あることをわかり易くするために、一
対の工具保持アーム480は上下方向に平行な姿勢で図
示されている。
【0062】回転軸516はX軸方向に平行に設けられ
ており、回転軸516の回転により、一対の工具保持ア
ーム480は、Z軸方向に平行な垂直面内において回動
させられる。これら工具保持部518はそれぞれ、図示
しない一対の把持爪が、X軸方向に平行な軸線まわりに
開閉可能に連結されるとともに、図示しない弾性部材に
より閉じる向きに付勢された構成を有する。一対の把持
爪は、一対の工具保持アーム480が水平な姿勢でZ軸
方向に移動させられることにより開閉させられ、加工工
具106に係合,離脱させられる。補助工具交換装置2
44は、一対の工具保持アーム480が水平な状態で、
前記工具保持装置242と同じ高さに位置する位置に設
けられている。また、前記工具ストッカ246は、図6
に示すように、その工具保持部が、退避位置に位置する
工具保持装置242に対して、X軸方向に同じ位置に位
置するように設けられ、また、工具受渡位置は、工具保
持装置242および水平状態における一対の工具保持ア
ーム480と同じ高さの位置に設定されている。
【0063】本マシニングセンタ10は、図14に示す
制御装置530により制御される。制御装置530は、
PU(プロセッシングユニット)532,ROM53
4,RAM536およびそれらを接続するバス538を
含むコンピュータ540を主体とするものである。バス
538には入力インタフェース542が接続され、前記
回動端検出スイッチ264,266等が接続されてい
る。また、バス538には出力インタフェース544が
接続され、Xサーボモータ52を始めとする各種アクチ
ュエータが駆動回路546を介して接続されている。こ
れら駆動回路546とコンピュータ540とにより制御
装置530が構成されているのである。なお、図14に
は、マシニングセンタ10に設けられて制御装置530
により制御される全部のアクチュエータが図示されてい
るわけではなく、Xサーボモータ52等が代表的に図示
されている。コンピュータ540のROM534には、
天吊ロボット190によるワークピース28の搬送,着
脱,加工工具106によるワークピース28の加工,自
動工具交換システム238による加工工具106の交換
等のための種々のプログラムが格納されている。なお、
Xサーボモータ52は、駆動源たるモータの一種である
電動モータであり、回転角度および回転速度の精度の良
い制御が可能なモータであり、サーボモータに代えてス
テップモータを用いてもよい。Yサーボモータ94等、
他のサーボモータについても同じである。
【0064】次に作動を説明する。マシニングセンタ1
0においては、天吊ロボット190がワークピース28
を搬送し、ワークチャック42に着脱し、ワークチャッ
ク42と加工工具106とがX軸,Y軸およびZ軸の各
方向に相対移動させられてワークチャック42に保持さ
れたワークピース28に、工具チャック104が保持し
た加工工具106により加工が施される。自動工具交換
システム238により、工具チャック104が保持する
加工工具106が交換され、複数種類の加工がワークピ
ース28に施される。
【0065】天吊ロボット190によるワークピース2
8の搬送,ワークチャック42への着脱を説明する。ワ
ークチャック42に保持されたワークピース28に加工
が施されている間に、天吊ロボット190はワーク供給
装置12へ移動させられ、ワークピース供給位置に位置
決めされたワークストッカ20からワークピース28を
受け取る。ワークピース28の受取り時には、搬送チャ
ック装置156が回転させられ、2個のチャック200
の軸線が上下方向に平行とされるとともに、図示しない
動力アクチュエータにより伸縮アーム194が伸長させ
られ、2個のチャック200のうち、下向きのチャック
200が未加工のワークピース28を把持する。ワーク
ピース28の把持後、伸縮アーム194が収縮させられ
て、ワークピース28をワークストッカ20から取り出
すとともに、天吊ロボット190はワークチャック42
へ走行させられる。この際、チャック搬送装置156は
ワークピース28を受け取ったままの姿勢で走行させら
れる。
【0066】天吊ロボット190は、空のチャック20
0が、ワーク受渡位置へ移動させられた状態でのワーク
チャック42に把持された加工済みのワークピース28
よりも、ややコラム84側へ外れた着脱待機位置へ移動
させられ、ワークピース28に対する加工の終了を待
つ。ワークピース28に予定された全部の加工の終了
後、加工済みのワークピース28が未加工のワークピー
ス28に交換される。天吊ロボット190によるワーク
チャック42に対するワークピース28の着脱時には、
ワークチャック42はX移動装置56により、図2に一
点鎖線および図7に二点鎖線で示すように、ワーク受渡
位置まで移動させられる。また、ワークチャック42
は、軸線がZ軸方向と平行となり、Z軸方向においてコ
ラム84側へ向けられ、かつ、水平軸線まわりの位相は
予め設定された原位置とされる。ワーク受渡位置におい
ては、ワークチャック42の軸線は、チャック200の
軸線とX軸方向の位置が一致させられる。
【0067】そして、ハウジング220の天井の走行通
路222を形成する部分に設けられたシャッタが開か
れ、伸縮アーム194が伸長させられてハウジング22
0内へ進入させられる。進入後、搬送チャック装置15
6が回転させられ、2個のチャック200の軸線がZ軸
方向と平行とされるとともに、空のチャック200がワ
ークチャック42側に向けられ、ワークチャック42と
同軸に対向させられる。このとき、空のチャック200
は拡開させられている。
【0068】次いで、天吊ロボット190が、空のチャ
ック200が、ワークチャック42により保持された加
工済みのワークピース28に向かう向きに移動させら
れ、チャック200がワークピース28を把持する。ワ
ークピース28はプッシャプレート210を付勢装置の
付勢力に抗して後退させつつ、3個の把持爪204内に
嵌入させられる。天吊ロボット190の停止後、チャッ
ク200が収縮させられてワークピース28を把持し、
次いでワークチャック42が開かれてワークピース28
を解放する。
【0069】その後、天吊ロボット190が、ワークチ
ャック42から離れる向きに移動させられ、加工済みの
ワークピース28がワークチャック42から抜け出させ
られる。その状態で搬送チャック装置156が180度
回転させられ、他方のチャック200に把持された未加
工のワークピース28がワークチャック42と正対させ
られる。そして、天吊ロボット190が、未加工のワー
クピース28がワークチャック42に接近する向きに移
動させられ、ワークピース28がワークチャック42の
把持爪の間へ進入させられる。そして、チャック200
が拡開させられ、ワークピース28の把持が解放され
る。この際、ワークピース28はプッシャプレート21
0により押され、ワークチャック42に設けられた図示
しない把持面に押し付けられる。その後、ワークチャッ
ク42が収縮させられ、ワークピース28を把持する。
【0070】このように未加工のワークピース28をワ
ークチャック42に渡した天吊ロボット190は、小距
離、ワークチャック42から離れる向きに移動させら
れ、チャック200がワークピース28から抜け出させ
られた後、伸縮アーム194が収縮させられ、ハウジン
グ220外へ抜け出させられる。また、搬送チャック装
置156が回転させられ、チャック200の軸線が上下
方向に平行となるようにされる。そして、天吊ロボット
190はワーク収納装置14へ移動させられ、加工済み
のワークピース28をワークストッカ20に収納する。
収納後、天吊ロボット190はワーク供給装置12へ走
行し、未加工のワークピース28を受け取って着脱待機
位置へ移動し、ワークピース28の着脱に備えて待機さ
せられる。
【0071】未加工のワークピース28をワークチャッ
ク42に渡したチャック200が、ワークピース28か
ら抜け出させられたならば、伸縮アーム194が収縮を
開始する前にワークチャック42を加工スペース162
へ移動させることができる。加工のためにワークチャッ
ク42を垂直軸線まわりに回転させるのであれば、Xス
ライド50の加工スペース162に向かっての移動と、
伸縮アーム194の収縮との少なくとも一方によって、
天吊ロボット190との間にワークチャック42を回転
させ得るスペースが生じれば、直ちにワークチャック4
2が垂直軸線まわりに回転させられる。したがって、伸
縮アーム194のハウジング220外への退出とワーク
チャック42の加工スペース162への移動(更には回
転)とを並行して行うことができ、より早く加工を開始
することができる。伸縮アーム194がハウジング22
0外へ退出した後、シャッタが閉じられる。このように
本マシニングセンタ10においては、搬送スペース19
2が加工スペース162の手前側にあり、天吊ロボット
190はコラム84と干渉することなく走行し、ワーク
ピース28の着脱,搬送を自動で迅速に行う。
【0072】加工工具106の交換を説明する。図15
に、主工具交換装置240,工具保持装置242,補助
工具交換装置244,工具ストッカ246,シャッタ4
60の作動タイミングを示す。ワークチャック42に保
持された1つのワークピース28には、複数種類の加工
工具106によって複数種類の加工が施され、1つの加
工工具106による加工が終了する毎に、工具チャック
104が保持する加工工具106が、次にワークピース
28に加工を施す加工工具106に交換される。加工工
具106の交換に備えて待機している状態では、図11
に実線で示すように、主工具交換装置240において
は、工具交換軸290がハウジング292から外へ伸長
させられて押込位置にあり、一対の工具保持アーム29
4はX軸方向に平行な姿勢となる待機位置に位置させら
れている。これら工具保持アーム294の各工具保持部
350はいずれも空である。また、工具保持装置242
は工具交換位置にあり、新たに工具チャック104に保
持させる加工工具106(新加工工具106と称する)
を保持している。さらに、補助工具交換装置244は待
機位置に位置している。補助工具交換装置244の待機
位置は、一対の工具保持アーム480がZ軸方向に平行
な姿勢となり、X軸方向においては、退避位置に位置す
る際の工具保持装置242と同じ位置に位置し、Z軸方
向においては、退避位置に位置する際の工具保持装置2
42から小距離離れた位置である。一対の工具保持アー
ム480のうち、工具保持装置242に近い側の工具保
持アーム480が空であり、遠い側(工具ストッカ24
6に近い側)の工具保持アーム480は、別の新加工工
具106を保持している。
【0073】加工工具交換時には、工具チャック104
がY移動装置96およびZ移動装置88によって工具交
換位置へ移動させられる。それにより、工具チャック1
04は、図5および図11に示すように、工具保持装置
242および工具交換軸290の下方において、工具保
持装置242と同じ向きで平行に並ぶ状態とされる(図
5には、図示の都合上、工具保持装置242は、退避位
置に位置する状態が示されている)。また、工具交換軸
290は、回転主軸100とは逆向きに延び出すととも
に、その軸線は、工具チャック104と工具保持装置2
42との両軸線の中央位置において、それら両軸線と平
行に延びる状態となる。
【0074】工具チャック104の工具交換位置への移
動後、工具交換軸290が正方向に90度回転させられ
る。加工工具交換時には、仕切壁230に設けられたシ
ャッタ460が開かれ、工具保持アーム294は工具交
換軸290の回転により回動させられ、仕切壁230に
設けられた開口を通り、図5に示すように、自動工具交
換システム配設スペース232から、工具チャック10
4が位置するスペースへ突出させられる。
【0075】この際、一対の工具保持アーム294はい
ずれも空であり、一方の工具保持アーム294が、工具
チャック104に保持された加工工具106(この加工
工具106を旧加工工具106と称する)を保持し、他
方の工具保持アーム294が、工具保持装置242に保
持された新加工工具106を保持する。
【0076】工具交換軸290が押込位置に位置する状
態では、一対の工具保持アーム294において、保持爪
378は、スプリング396の付勢により、補助部材3
82が案内部材382に当接しているが、ロック部材4
12がロック部材駆動部材450の駆動面452から離
れて解除位置にあり、ロック部材412による保持爪3
78のロックが解除されており、保持爪378は退避位
置へ退避することができる。ロック装置410が解除状
態にあるのである。そのため、工具保持アーム294の
回転につれて、保持爪378および保持凹部366は加
工工具106のボトルグリップ114に半径方向から接
近し、保持爪378に設けられた傾斜面392がボトル
グリップ114のフランジ部118に係合し、斜面の効
果によって保持爪378がスプリング396の付勢力に
抗して退避位置へ移動させられ、保持凹部366がボト
ルグリップ114に係合することを許容する。保持凹部
366は、ボトルグリップ114に半径方向から係合
し、その係合突起368が突出させられていない部分
は、ボトルグリップ114のフランジ部118に係合
し、係合突起368,370はそれぞれ、溝120,係
合溝122に係合し、加工工具106は軸方向に移動不
能かつ回転不能に保持凹部366に保持される。保持凹
部366がボトルグリップ114に係合した後、保持爪
378に設けられた係合突起394が溝120に嵌入
し、係合突起394の両側の部分がフランジ部118に
係合し、保持凹部366の加工工具106からの離脱を
防止する。加工工具106は保持爪378により保持凹
部366からの離脱を防止された状態で工具保持アーム
294により保持されるのである。工具保持アーム29
4により保持される。このように工具交換軸290が回
転させられて一対の工具保持アーム294が新,旧の加
工工具106を保持するとき、ドローバー136が解放
位置へ移動させられて工具チャック104による旧加工
工具106の保持が解除される。
【0077】工具交換軸290が正方向に90度回転さ
せられ、一対の工具保持アーム294がそれぞれ、新加
工工具106,旧加工工具106を保持したならば、工
具交換軸290は収縮させられ、新,旧加工工具106
がそれぞれ、工具保持装置242,工具チャック104
から抜き出される。それにつれて一対の工具保持アーム
294にそれぞれ設けられたロック部材412の後端が
球432を介して駆動面452に当接し、その状態から
更に工具交換軸290が収縮させられることにより、工
具保持アーム294はスプリング430の付勢力に抗し
てロック部材412に対して移動させられる。ロック部
材412が、スプリング430の付勢力に抗してロック
位置へ移動させられるのである。それにより、くさび部
422が、保持爪378に設けられた傾斜面402と、
嵌合穴416の内周面とにより構成されるくさび形状の
空間へ進入し、傾斜面420が傾斜面402に極く近接
し、あるいは当接し、くさび部422が、傾斜面402
と、嵌合穴416の傾斜面402に対向する部分とに挟
まれ、保持爪378が実質的に退避位置へ退避しない状
態が得られる。ロック装置410がロック状態に切り換
えられるのである。それにより、保持爪378が保持位
置に保たれ、保持爪378による加工工具106の保持
が解除されることがなく、加工工具106が工具保持ア
ーム294により、より確実に保持される。
【0078】工具交換軸290の収縮の終了前に、工具
交換軸290が逆方向への回転を開始させられて180
度回転させられ、新加工工具106が工具チャック10
4に正対させられ、旧加工工具106が工具保持装置2
42に正対させられる。前記駆動面452は円環状を成
すため、この回転の際、ロック部材412の球432が
駆動面452から外れることはなく、ロック部材412
はロック位置に保たれ、保持爪378による加工工具1
06の保持が解除されることがなく、工具保持アーム2
94が加工工具106を保持した状態に保たれる。その
ため、一対の工具保持アーム294の回動時に加工工具
106に作用する慣性力,遠心力等により加工工具10
6が工具保持部350から離脱することが防止される。
【0079】回転の終了前に、工具交換軸290が伸長
を開始させられ、新加工工具106が工具チャック10
4に嵌合され、旧加工工具106が工具保持装置242
に嵌合されて脱落不能に保持される。工具チャック10
4においては、ドローバー136が回転主軸100内に
引っ込む向きに(保持位置に向かって)移動させられ、
加工工具106が工具チャック104により保持され
る。伸長後、工具交換軸290が逆方向に更に90度回
転させられ、工具保持部350が新,旧加工工具106
から離脱させられ、工具保持アーム294が待機位置に
戻る。
【0080】工具交換軸290が伸長させられるのにつ
れて、ロック部材412が工具保持アーム294に対し
て後退させられ、スプリング430の付勢により解除位
置へ移動させられて、ロック装置410が解除状態に切
り換えられる。工具交換軸290が押込位置へ移動した
状態では、ロック部材412はロック部材駆動部材45
0の駆動面452から離れて解除位置にあり、くさび部
422が、嵌合穴416の嵌合穴376と交差する部分
から、嵌合穴416の後部側へ抜け出させられているた
め、保持爪378は退避位置へ退避することができる。
そのため、工具保持アーム294が逆方向に回動させら
れるとき、傾斜面392の斜面の作用により、保持爪3
78はスプリング396の付勢力に抗して退避させら
れ、保持凹部366がボトルグリップ114から離脱す
ることを許容し、工具保持アーム294は加工工具10
6から抜け出させられる。
【0081】このように工具交換軸290が逆方向に9
0度回転させられることにより、一対の工具保持アーム
294は、X軸方向に平行な姿勢となる待機位置に戻
り、次の交換に備えて待機させられる。また、工具チャ
ック104には新加工工具106が取り付けられ、工具
チャック104はY移動装置96およびZ移動装置88
により加工スペースへ移動させられ、新加工工具106
によるワークピース28の加工が開始される。工具保持
アーム294が待機位置に戻り、自動工具交換システム
配設スペース232内に入れば、仕切壁230に設けら
れたシャッタ460が閉じられる。
【0082】旧加工工具106を保持した工具保持装置
242は、図16に示すように、回動アーム250の回
動により退避位置へ移動させられる。移動後、補助工具
交換装置244の工具保持アーム480がZ軸方向に工
具保持装置242に接近する向きに移動させられ、工具
保持部518が、工具保持装置242に保持された旧加
工工具106を保持する。保持後、工具保持アーム48
0はX軸方向に移動させられ、旧加工工具106を工具
保持装置242から引き出される。次いで、工具保持ア
ーム480は180度回動させられ、新加工工具106
が工具保持装置242に正対させられる。そして、X軸
方向に移動させられ、新加工工具106が工具保持装置
242に嵌合されるとともに脱落不能に保持される。
【0083】工具保持装置242が新加工工具106を
保持したならば、工具保持アーム480は、Z軸方向に
おいて工具保持装置242から離れる方向へ移動させら
れる。それにより、工具保持部518が開いて新加工工
具106から外れ、その状態で工具保持アーム480
は、旧加工工具106を保持してX移動装置56および
Z移動装置88により工具ストッカ246へ走行させら
れる。この移動時には、一対の工具保持アーム480の
うち、旧加工工具106を保持した工具保持アーム48
0がZ軸方向において工具ストッカ246側にある。工
具保持アーム480は、図17に示すように、旧加工工
具106が工具ストッカ246の、工具受渡位置に位置
する空の工具保持部に正対する状態でX軸方向において
工具ストッカ246に接近する向きに移動させられ、旧
加工工具106が工具保持部に保持され、工具ストッカ
246に戻される。
【0084】工具ストッカ246においては、先に新加
工工具106を補助工具交換装置244に渡した後、旧
加工工具106が収容されていた工具保持部が工具受渡
位置へ移動させられており、旧加工工具106が、それ
が保持されていた元の工具保持部に戻される。複数の工
具保持部の各々に保持される加工工具106が固定的に
決められているのである。次いで、工具保持アーム48
0がZ軸方向へ移動させられ、工具保持部518が旧加
工工具106が抜け出させられる。抜出し後、工具スト
ッカ246において工具保持部が移動させられ、次に供
給する新加工工具106を保持した工具保持部が工具受
渡位置へ移動させられる。この移動の間に、一対の工具
保持アームは180度回動させられ、新加工工具106
が工具受渡位置へ移動させられた後、Z軸方向に移動さ
せられて工具保持部518が新加工工具106を保持す
る。
【0085】工具保持部518が新加工工具106を保
持した後、一対の工具保持アーム480X移動装置56
およびZ移動装置86により、待機位置へ移動させら
れ、工具保持装置242との間での加工工具106の交
換に備えて待機させられる。また、工具ストッカ246
においては、工具保持部が移動させられ、現在、工具チ
ャック104に保持されて加工に使用されている加工工
具が収容されていた工具保持部が工具受渡位置へ移動さ
せられる。
【0086】このように、工具チャック104が保持す
る旧加工工具106は、主工具交換装置240により、
工具保持装置242が保持している新加工工具106と
交換されるのであるが、本実施形態においては、工具交
換軸290に設けられた一対の工具保持アーム294の
各長さは185mmとされていて短く、加工工具106の
脱落の恐れなく、工具保持アーム294を高速で回動さ
せることができ、工具交換時間が短く、マシニングセン
タ10の稼働率を高めることができる。
【0087】なお、上記実施形態において天吊ロボット
190は、伸縮アーム194を有するものとされていた
が、図18に示すマシニングセンタ600の天吊ロボッ
ト602のように、回動アーム604を有するものとし
てもよい。マシニングセンタ600のベッド601には
ワークチャック606が設けられ、図示しないX移動装
置によりX軸方向に移動させられるとともに、ワークチ
ャック垂直軸線回転装置およびワークチャック水平軸線
回転装置によりそれぞれ、垂直軸線まわりおよび水平軸
線まわりに回転させられる。
【0088】ベッド601には、天吊ロボット602の
移動を案内する走行レールたるガイドレール608が支
柱609および梁610によりZ軸方向に平行に設けら
れている。ガイドレール608は、ベッド601の図示
しないコラムを支持する部分より手前側のスペースであ
って、最も手前側へ移動したワークチャック606を支
持する部分より手前側のスペースの上方にZ軸方向に平
行に設けられており、天吊ロボット602のスライド6
12がZ軸方向に移動可能に嵌合され、ロボット走行装
置によりZ軸方向に移動させられる。本実施形態におい
ては、ワークチャック606,コラムが設けられて加工
が行われるスペースが加工スペース614であり、加工
スペース614より手前側であって、最も手前側へ移動
したワークチャック606より手前側のスペースが搬送
スペース616であり、天吊ロボット602は搬送スペ
ース616をZ軸方向に走行する。
【0089】スライド612には、回動盤618が垂直
軸線まわりに回動可能に、かつスライド612から下方
へ延び出す状態で取り付けられており、図示しない回動
盤回動装置により回動させられる。回動盤618の下部
に、回動アーム604が水平軸線まわりに回動可能に取
り付けられ、図示しない回動アーム回動装置により、正
逆両方向に任意の角度回動させられる。回動アーム60
4の下端に搬送チャック装置620が、回動アーム60
4の長手方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付け
られている。搬送チャック装置620は、2個のチャッ
ク622を備えており(図18には1個のみ図示されて
いる)、それらチャック622は同軸にかつ互いに反対
向きに設けられ、搬送チャック装置620は、2個のチ
ャック622の軸線が、搬送チャック装置620の回転
軸線と直角になる状態で回動アーム604に取り付けら
れている。搬送チャック装置620は、図示しないチャ
ック回転装置により回転させられる。
【0090】回動アーム604は、その回動軸線が、図
18に示すように、Z軸方向と平行となる姿勢において
図示しない回動アーム回動装置によって回動させられる
ことにより、図18に実線で示すように、ガイドレール
608の下方位置と、下方位置から加工スペース614
に向かって一定角度回動させられた位置であって、2個
のチャック622の一方がワークチャック606と同軸
に対向するワークピース着脱位置とに移動させられる。
また、搬送チャック装置620が図示しないチャック回
転装置によって回転させられることにより、2個のチャ
ック622が選択的にワークチャック606と同軸に対
向可能である。
【0091】なお、ベッド601上に設けられたワーク
チャック606等および天吊ロボット602は、ハウジ
ング626により覆われている。ハウジング626に
は、手動で開閉される扉628が設けられており、作業
者は扉628を開いて搬送スペース616内に入り、天
吊ロボット602やワークチャック626等に対する作
業を行うことができる。また、ベッド601には、シャ
ッタ630が設けられ、加工スペース614と搬送スペ
ース616とが仕切られている。シャッタ630はシャ
ッタ開閉装置により自動で開閉されるが、手動で開閉す
ることができ、作業者が開いてワークチャック606や
主軸ヘッド等に対して作業を行うことができる。
【0092】天吊ロボット602がワーク供給装置から
ワークピースを取り出す際には、回動盤618が回動さ
せられ、回動アーム604の回動軸線がX軸方向と平行
とされる。また、搬送チャック装置620が回転させら
れ、チャック622の軸線が、回動アーム604の回動
軸線と直角にされる。この状態で回動アーム602が回
動させられれば、2個のチャック622の一方が下向き
の状態でワークピースに接近し、回動アーム604が回
動盤618の軸線に対してちょうど直角になった状態に
おいて未加工のワークピースを把持する。ワーク供給装
置は、前記実施形態におけると同様に構成され、ワーク
ピースを1個供給する毎に、ワークピースが載置された
受け板が上昇させられ、チャック622は、常に、回動
アーム604が回動盤618の回動軸線に対して直角な
姿勢でワークピースを把持することができる。
【0093】把持後、天吊ロボット602はワークチャ
ック606へ走行させられるとともに、回動盤618が
回動させられ、回動アーム604の回動軸線がZ軸方向
に平行とされる。また、搬送チャック装置620が回転
させられ、チャック622の軸線が回動アーム604の
回動軸線と平行であって、回動アーム604がZ軸方向
に平行な軸線まわりに加工スペース614に向かって回
動させられるとき、2個のチャック622のうち、空の
チャック622がワークチャック606と同軸に対向す
る状態となる位置へ回転させられる。
【0094】ワークチャック606は、ワークピースの
着脱時には、図18に示すように、最も手前側の位置で
あって、搬送スペース616側へ移動させられるととも
に、その軸線がZ軸方向に平行になり、水平軸線まわり
において原位置に位置させられる。ワークチャック60
6に対するワークピースの着脱時には、シャッタ630
が開かれる。その状態で回動アーム604が加工スペー
ス614に向かって回動させられれば、空のチャック6
22がワークチャック606と同軸に対向させられ、ワ
ークチャック606からワークピースを受け取る。受取
り後、搬送チャック装置620が180度回転させら
れ、未加工のワークピースを把持したチャック622が
ワークチャック606と同軸に正対させられ、ワークピ
ースをワークチャック606に渡す。なお、詳細な説明
は省略するが、ワークチャック606とチャック622
との間における加工済みのワークピースおよび未加工の
ワークピースの受渡し時には、チャック622は軸線方
向に移動させられる。加工済みのワークピースの受取り
後、回動アーム604が回動させられ、ガイドレール6
08の下方位置へ移動させられた後、天吊ロボット60
2はワーク収納装置へ走行させられる。なお、回動アー
ム604が下方位置へ回動させられて加工スペース61
4から退出すれば、シャッタ630が閉じられ、加工が
開始される。
【0095】加工済みのワークピースをワーク収納装置
に収納する場合には、回動アーム604の回動軸線がX
軸方向に平行にされるとともに、搬送チャック装置62
0が、その回転軸線が回動アーム604の回動軸線と直
角であって、加工済みのワークピースを把持したチャッ
ク622が下向きとなる位置へ回転させられる。ワーク
収納装置へ移動したならば、回動アーム604が回動さ
せられて加工済みのワークピースがワーク収納装置に置
かれる。ワーク収納装置は前記実施形態のワーク収納装
置と同様に構成されており、受け板がワークピースが1
個、置かれる毎に下降させられ、常に、回動アーム60
4が回動盤618の軸線に対して直角な姿勢で、チャッ
ク200がワークピースを収納することができるように
されている。次いで、天吊ロボット602はワーク供給
装置へ移動し、未加工のワークピースを受け取った後、
ワークチャック606に隣接する着脱待機位置へ走行さ
せられ、ワークピースの着脱に備えて待機させられる。
なお、ハウジング626には、天吊ロボット602がワ
ーク供給装置およびワーク収納装置との間でワークピー
スの受渡しを行う際に回動アーム604がハウジング6
26外へ突出するための開口が設けられている。
【0096】上記各実施形態において、補助工具交換装
置は1つ設けられていたが、複数設けてもよい。補助工
具交換装置を複数設ける例を図19に基づいて説明す
る。本実施形態のマシニングセンタ648においては、
2つの補助工具交換装置650,652が設けられてい
る。これら補助工具交換装置650,652は、前記補
助工具交換装置244と同様に構成されており、対応す
る構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。こ
れら補助工具交換装置650,652は上下に並んで設
けられているが、各装置650,652の工具保持アー
ム480間の距離を短くするために、本実施形態におい
ては、上側の補助工具交換装置652は、下側の補助工
具交換装置650とは逆向きに(水平面に対して対称
に)設けられている。
【0097】また、工具保持装置654が設けられた回
動アーム656は、その回動アーム656を回動させる
油圧揺動シリンダ658ごと、油圧シリンダ660のピ
ストンロッド662に取り付けられている。工具保持装
置654および回動アーム656は、上記各実施形態に
おけると同様に構成されている。また、油圧シリンダ6
60は、駆動源たる流体圧アクチュエータの一種である
流体圧シリンダであり、ベッドに設けられた枠体に下向
きに取り付けられている。図19には、補助工具交換装
置650,652,工具保持装置654,回動アーム6
56の配置が図示され、ハウジング,枠体等の図示は省
略されている。
【0098】ピストンロッド662の伸縮により、工具
保持装置654および回動アーム656が昇降させら
れ、図19に実線で示すように、下側の補助工具交換装
置650の工具保持アーム480との間で加工工具の交
換を行う第1位置と、二点鎖線で示すように、上側の補
助工具交換装置652の工具保持アーム480との間で
加工工具の交換を行う第2位置とに選択的に移動させら
れる。油圧シリンダ660は、工具保持装置移動装置た
る昇降装置であり、工具交換位置選択装置でもある。工
具保持装置654は、第1位置に位置する状態で回動ア
ーム656の回動により工具交換位置と退避位置とに移
動させられ、工具交換位置において主軸ヘッドの工具チ
ャックとの間で新,旧の加工工具を交換する。
【0099】2つの補助工具交換装置650,652
は、前記実施形態の補助工具交換装置244と同様にし
て、工具保持装置654との間で加工工具の交換を行う
が、一方の補助工具交換装置の工具保持アームが工具保
持装置654との間で加工工具の交換を行うときには、
他方の補助工具交換装置の工具保持アームは工具ストッ
カへ移動して加工工具の交換を行い、互いに干渉するこ
とはない。2つの補助工具交換装置650,652の各
一対の工具保持アームの一方が工具保持装置に向かって
移動し、他方が工具ストッカに向かって移動するとき、
それらは水平な姿勢にあり、互いに干渉することなく、
すれ違うことができる。なお、工具ストッカには、工具
受渡位置が上下に隔たった2箇所に設定され、2つの補
助工具交換装置650,652はそれぞれ、Z軸方向に
平行な姿勢を取る工具保持アーム480と同じ高さに設
けられた工具受渡位置へ移動させられた工具保持部との
間で加工工具の交換を行う。
【0100】工具保持装置654は、補助工具交換装置
650との間で加工工具の交換を行う場合には、第1位
置に位置させられ、退避位置において補助工具交換装置
650との間で、新,旧の加工工具の交換を行った後、
工具交換位置へ移動させられる。工具保持装置654が
補助工具交換装置652との間で加工工具の交換を行う
場合には、退避位置へ移動させられるとともに第2位置
へ移動させられ、加工工具の交換後、第1位置へ移動さ
せられるとともに工具交換位置へ移動させられる。
【0101】このように補助工具交換装置を2つ設けれ
ば、工具保持装置654との間における加工工具の交
換,工具ストッカとの間における加工工具の交換,工具
保持装置654と工具ストッカとの間における往復移動
等の動作を並行して行わせることが可能であり、1つの
加工工具による加工時間が短くても、工具チャックを工
具交換位置で待たせる事態の発生を回避することができ
る。
【0102】補助工具交換装置を2つ設ける場合、それ
ら補助工具交換装置との間での加工工具の交換のために
回動アームおよび工具保持装置を移動させることは不可
欠ではない。例えば、2つの補助工具交換装置の工具保
持アームを、それら2つの補助工具交換装置の工具保持
部が1つの工具保持装置と一致する位置へ回動させれば
よい。図20に概略的に示すように、2つの補助工具交
換装置670,672の各一対ずつの工具保持アーム6
74を、工具保持装置676の軸線を含む平面(本実施
形態においては水平面)に対して互いに反対側(本実施
形態においては上側と下側)に対称に設け、それぞれ一
対の工具保持アーム674が設けられた回転軸の各々
を、油圧アクチュエータの一種である油圧揺動シリンダ
によりそれぞれ回転させ、各一対の工具保持アーム67
4の工具保持部を選択的に同じ工具保持装置676と一
致させるのである。
【0103】一対の工具保持アーム674を、図20に
実線で示すように、一方の工具保持アーム674の自由
端部に設けられた工具保持部678の軸線が工具保持装
置672の軸線と一致する工具交換位置と、二点鎖線で
示すように、ほぼ水平となり、加工工具を保持して走行
する走行位置とに回動させる。2つの補助工具交換装置
670,672の工具保持アーム674は、工具保持装
置672に対しては同じ位置で加工工具の受渡しを行う
が、工具ストッカに対しては図20に実線で示す2つの
位置で加工工具の受渡しを行う。したがって、工具スト
ッカの工具保持部の停止位置(工具受渡位置)は、補助
工具交換装置670との間で加工工具の受渡しを行う場
合と補助工具交換装置672との間で行う場合とで異な
ることになる。工具保持アーム674の工具交換位置で
の停止は、工具保持アーム674あるいは工具保持アー
ム674と一体的に回動する部材がストッパに当接する
ことにより行われる。それによって、工具保持アームが
工具交換位置に精度良く停止させられ、加工工具の交換
を確実に行うことができる。一方、工具保持アーム67
4の走行位置での停止は、図示しないセンサと電磁弁と
の共同で行われる。工具保持アーム674が走行位置に
到達したことが、光電センサ等の非接触型センサやリミ
ットスイッチ等の接触型センサにより検出され、その検
出信号に応じて、油圧揺動シリンダの作動油通路に配設
された電磁弁が作動させられ、作動油の供給と排出との
少なくとも一方が阻止されることにより、油圧揺動シリ
ンダが停止させられて工具保持アーム674の回動が止
められるのである。したがって、工具保持アーム674
の走行位置での停止位置精度は工具交換位置におけるほ
ど高くはないが、2つの補助工具交換装置670,67
2がすれ違う際に、それぞれの工具保持アーム674の
接触を回避するには十分である。
【0104】加工工具の工具保持装置676への取付
け,取外しは、前記補助工具交換装置244と同様に行
われ、工具保持アーム674の、その回動軸線に平行な
方向(X軸方向)の移動によって加工工具が工具保持装
置676に着脱され、Z軸方向の移動によって、工具保
持部678が、工具保持装置676に保持された加工工
具に対して係合,離脱させられる。工具保持部678
は、前記工具保持部518と同様に開閉可能に設けられ
た一対の把持爪を備えているが、これら一対の把持爪
は、工具保持アームがZ軸方向に対して傾斜した工具交
換位置にある状態でZ軸方向に移動させられることによ
り、加工工具に係合,離脱し得る形状とされている。
【0105】2つの補助工具交換装置670,672
は、交互に工具保持装置676との間で新,旧加工工具
の交換を行う。2つの補助工具交換装置670,672
の作動は工具保持装置676の軸線を含む水平面に対し
て面対称であるため、補助工具交換装置670について
のみ、図21を参照しつつ説明する。図21において、
○は新加工工具を、●は旧加工工具をそれぞれ表し、矢
印は工具保持アーム674の回動方向および回動角度を
表す。図21 (a)は、補助工具交換装置670が新加工
工具のみを保持して工具保持装置676に向かって右方
へ移動する状態を示す。補助工具交換装置670が補助
工具交換装置672とすれ違った後、工具保持アーム6
74は図21 (b)に示す工具交換位置へ回動させられ、
さらに右方へ移動することにより工具保持装置676に
保持されている旧加工工具に係合する。X軸方向の移動
により旧加工工具が工具保持装置676から抜き出され
た後、図21 (c)に示すように工具保持アーム674が
180度回動させられ、X軸方向の移動により新加工工
具が工具保持装置676に挿入され、Z軸方向の移動に
より新加工工具から離脱させられる。その後、工具保持
アーム674が図21(d)に示すように走行位置へ回動
させられ、空の工具保持アーム674を先にして左方の
工具ストッカに向かって走行させられる。補助工具交換
装置672とすれ違った後、工具保持アーム674が図
21 (e)に示すように工具交換位置へ回動させられ、さ
らに左方へ走行させられて、工具ストッカに保持された
新加工工具と係合する。新加工工具の抜き取り後、工具
保持アーム674が図21 (f)に示すように180度回
動させられ、旧加工工具が工具ストッカに戻される。最
後に、図21 (g)に示すように工具保持アーム674が
走行位置へ回動させられて、図21 (a)と同じ状態に戻
り、1サイクルの工具交換動作が終了する。
【0106】なお、上記実施形態において、補助工具交
換装置は2つ設けられていたが、3つ以上設けてもよ
く、また、工具保持装置は1つ設けられていたが、複数
設けてもよい。
【0107】また、上記各実施形態において、工具保持
装置242,654,672,676は、工具チャック
104から受け取った旧加工工具を補助工具交換装置2
44,650,652,670,672に渡し、新加工
工具を受け取るようにされていたが、工具ストッカとの
間で直接加工工具の交換を行うようにしてもよい。
【0108】さらに、上記各実施形態において、工具保
持装置は、回動アームに設けられ、加工工具の軸線方向
の移動によって加工工具を保持し、あるいは加工工具の
離脱を許容するものとされていたが、その他に、例え
ば、工具保持装置として双アーム型工具交換装置を設け
ることも可能である。この場合には、主工具交換装置と
工具保持装置とが共に双アーム型工具交換装置とされる
こととなる。ただし、これら双アーム型工具交換装置の
工具交換運動や工具交換運動付与装置の構成まで同じと
する必要はない。
【0109】あるいは、工具ストッカにより工具保持装
置を構成してもよい。例えば、図22に示すように、主
軸ヘッド690に、主軸回転軸線と直角な方向に隣接し
て工具ストッカ692を設ける。工具ストッカ692の
工具受渡位置へ移動させられた工具保持部694は、工
具チャック696(回転主軸の先端部をチャック本体と
して構成される)と同じ向きで平行に並ぶ状態となり、
その工具保持部694と工具チャック696との両軸線
の中央位置に、主工具交換装置698を、工具交換軸7
00が図示しないハウジングから回転主軸とは逆向きに
延び出す状態で設ける。図21において符号702は、
工具保持アームである。
【0110】さらに、図1〜図21に示す各実施形態に
おいて、工具保持装置は、工具交換位置に位置すると
き、工具交換位置へ移動させられた工具チャックの上方
に位置するようにされていたが、回転主軸の軸線まわり
のいずれの位置に位置させてもよい。加工スペースから
遠く、加工工具の交換が可能な位置に設けられればよい
のであり、工具交換位置へ移動させられた工具チャック
(主軸ヘッド)との干渉を避け、工具チャックと近接し
た位置に設ける。工具交換軸は、工具交換位置に位置さ
せられた工具保持装置および工具チャックの位置に応じ
て設けられ、回転主軸とは逆向きに延び出す向きに設け
られ、その軸線は、工具保持装置および工具チャックの
各軸線の中央位置においてそれら両軸線と平行に延びる
状態とされる。
【0111】また、上記各実施形態において、Xガイ
ド,Yガイド,Zガイド,走行レール,補助工具交換装
置244,650,652,670,672のZガイド
は、直線状を成す突条のガイドレールにより構成されて
いたが、直線状の溝により構成してもよい。また、補助
工具交換装置244等のXガイドは直線状の溝により構
成されていたが、直線状を成す突条のガイドレールによ
り構成してもよい。
【0112】また、補助工具交換装置244等の一対の
工具保持アーム480等が、工具ストッカ246に旧加
工工具を戻した後、新加工工具を把持する前に180度
回動させられ、加工工具を保持する工具保持部518が
変えられることは不可欠ではなく、ここで180度回動
させなくてもよい。
【0113】以上、本発明の幾つかの実施形態を詳細に
説明したが、これは文字通り例示であり、本発明は、前
記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および
効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知
識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態であるマシニングセンタを
示す正面図である。
【図2】上記マシニングセンタをワークロボットおよび
自動工具交換システムを除き、ワーク供給装置およびワ
ーク収納装置と共に示す平面図である。
【図3】上記マシニングセンタを示す右側面図である。
【図4】上記マシニングセンタを構成する回転主軸に設
けられた工具チャックおよび加工工具を示す正面図(一
部断面)である。
【図5】上記マシニングセンタの自動工具交換システム
を主に示す背面図である。
【図6】上記マシニングセンタの自動工具交換システム
を主に示す平面図である。
【図7】上記マシニングセンタの自動工具交換システム
を主に示す左側面図である。
【図8】上記自動工具交換システムの構成要素である主
工具交換装置の交換運動付与装置を示す平面図(一部断
面)である。
【図9】上記交換運動付与装置を示す右側面図(一部断
面)である。
【図10】上記交換運動付与装置により工具交換軸に付
与される回転および軸方向運動とローラギヤカムの回転
角度との関係を示す線図である。
【図11】上記自動工具交換システムを示す平面図であ
る。
【図12】上記主工具交換装置を構成する工具保持アー
ムを示す側面図(一部断面)である。
【図13】上記工具保持アームを示す正面図(一部断
面)であり、図12におけるXIII-XIII 図である。
【図14】上記マシニングセンタを制御する制御装置を
示すブロック図である。
【図15】上記マシニングセンタにおける加工工具の交
換を説明するタイムチャートである。
【図16】上記自動工具交換システムによる加工工具交
換時の作動状態を示す図である。
【図17】上記自動工具交換システムによる加工工具交
換時の別の作動状態を示す図である。
【図18】本発明の別の実施形態であるマシニングセン
タに設けられた天吊ロボットを示す側面図である。
【図19】本発明の更に別の実施形態であるマシニング
センタを構成する2つの補助工具交換装置,工具保持装
置および回動アーム等を示す背面図である。
【図20】本発明の更に別の実施形態であるマシニング
センタを構成する2つの補助工具交換装置および工具保
持装置を概略的に示す正面図である。
【図21】図20に示すマシニングセンタの補助工具交
換装置による工具ストッカおよび工具保持装置との間に
おける加工工具の交換を説明する図である。
【図22】本発明の更に別の実施形態であるマシニング
センタの自動工具交換システムを構成する工具保持装置
および主工具交換装置を工具ストッカと共に概略的に示
す図である。
【符号の説明】
10:ワークロボット付マシニングセンタ 40:ベ
ッド 42:ワークチャック 44:主軸ヘッド
48:ガイドレール 56:X移動装置 72:ワークチャック垂直軸線回転装置 74:ワー
クチャック水平軸線回転装置 80:ガイドレール
84:コラム 88:Z移動装置 90:ガイド
レール 92:Yスライド 96:Y移動装置
100:回転主軸 104:工具チャック 10
6:加工工具 110:工具ホルダ 114:ボトルグリップ 160:入り込部 16
2:加工スペース 184:ガイドレール 19
0:天吊ロボット 192:搬送スペース 19
4:伸縮アーム 196:搬送チャック装置 20
0:チャック 220:ハウジング 240:主工
具交換装置 242:工具保持装置 244:補助
工具交換装置 246:工具ストッカ 250:回
動アーム 290:工具交換軸 292:ハウジン
グ 294:工具保持アーム 296:交換運動付
与装置 318:第1カム装置 344:第2カム
装置 346:カム装置 350:工具保持部 366:
保持凹部 378:保持爪 410:ロック装置
412:ロック部材 450:ロック部材駆動部材
530:制御装置 600:マシニングセンタ
601:ベッド602:天吊ロボット 604:回
動アーム 606:ワークチャック614:加工スペ
ース 616:搬送スペース 620:搬送チャッ
ク装置 622:チャック 626:ハウジング
648:マシニングセンタ650,652:補助工具
交換装置 654:工具保持装置 656:回動ア
ーム 670,672:補助工具交換装置 67
6:工具保持装置 690:主軸ヘッド 692:工具ストッカ 69
6:工具チャック 698:主工具交換装置 70
0:工具交換軸 702:工具保持アーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に工具チャックを備えて回転する
    回転主軸と、 少なくとも、工具チャックと同じ向きで平行に並ぶ工具
    交換位置を取り得る工具保持装置と、 それら工具チャックと工具保持装置とが前記工具交換位
    置にある状態で、それら工具チャックと工具保持装置と
    にそれぞれ保持されている加工工具を自動で交換する双
    アーム型工具交換装置と を含むマシニングセンタであって、 前記双アーム型工具交換装置が、 工具交換軸と、 その工具交換軸を前記回転主軸とは逆向きに延び出す状
    態で、その工具交換軸の軸線のまわりに回転可能かつ軸
    方向に移動可能に保持するとともに、その工具交換軸の
    軸線が、前記工具交換位置にある工具チャックと工具保
    持装置との両軸線の中央位置においてそれら両軸線と平
    行に延びる状態となるように配設されたハウジングと、 前記工具交換軸の前記ハウジングの外部に突出した先端
    から、その工具交換軸の軸線と直交する一直線に沿って
    互いに逆向きに延び出し、各自由端部にそれぞれ加工工
    具を保持する工具保持部を備えた一対の工具保持アーム
    と、 前記ハウジング内に設けられ、前記工具交換軸に、前記
    一対の工具保持アームが前記工具チャックと前記工具保
    持装置とにそれぞれ保持されている加工工具を交換する
    のに必要な交換運動を付与する交換運動付与装置とを含
    むことを特徴とするマシニングセンタ。
  2. 【請求項2】 前記工具保持装置が、回動軸線のまわり
    に回動する回動アームに設けられており、その回動アー
    ムの回動により、前記工具交換位置とその工具交換位置
    から離れた退避位置とに移動させられることを特徴とす
    る請求項1に記載のマシニングセンタ。
  3. 【請求項3】 当該マシニングセンタが、さらに、 複数の加工工具を収納する工具ストッカと、 主工具交換装置としての前記双アーム型工具交換装置と
    は別に設けられ、前記工具ストッカに保持された加工工
    具の任意の1つと、前記工具保持装置に保持された加工
    工具とを交換する補助工具交換装置とを含むことを特徴
    とする請求項1または2に記載のマシニングセンタ。
  4. 【請求項4】 当該マシニングセンタが、さらに、 前記回転主軸を左右方向であるZ軸方向に延びる姿勢で
    回転可能に支持する主軸ヘッドと、 その主軸ヘッドを上下方向であるY軸方向に移動させる
    Y移動装置と、 前記回転主軸と対向する位置に設けられ、ワークピース
    を保持するワークホルダと、 そのワークホルダを前後方向であるX軸方向に移動させ
    るX移動装置と、 前記主軸ヘッドと前記ワークホルダとの一方を前記Z軸
    方向に移動させるZ移動装置とを含み、かつ、前記主工
    具交換装置,工具保持装置および補助工具交換装置が、
    前記工具チャックに保持された加工工具により前記ワー
    クホルダに保持されたワークピースの加工が行われる際
    における前記Xスライドの上方のスペースに配設された
    ことを特徴とする請求項3に記載のマシニングセンタ。
  5. 【請求項5】 前記回転主軸に取り付けられた加工工具
    により前記ワークホルダに保持されたワークピースが加
    工される加工スペースより手前側の搬送スペースを、前
    記Z軸方向に走行し、ワークピースの搬送と前記ワーク
    ホルダに対する着脱とを行うワークロボットを備えたこ
    とを特徴とする請求項4に記載のマシニングセンタ。
  6. 【請求項6】 前記工具保持部が、 前記一対の工具保持アームの各自由端部に形成され、工
    具保持アームの回動につれて前記加工工具の被保持部に
    その被保持部の半径方向から係合して被保持部を保持す
    る保持凹部と、 その保持凹部に対して保持位置と退避位置とに相対移動
    可能に設けられ、退避位置において保持凹部が前記被保
    持部と係合することを許容し、その係合後、保持位置に
    移動して被保持部に係合し、保持凹部の被保持部からの
    離脱を防止する保持爪と その保持爪を前記保持位置に向かって付勢する保持爪付
    勢用弾性部材と、 前記保持爪の前記退避位置への退避を許容する解除状態
    と、退避を許容しないロック状態とに切換えが可能なロ
    ック装置とを含み、かつ、ロック装置が、 ロック位置と解除位置とに移動可能なロック部材と、 そのロック部材を解除位置に向かって付勢するロック部
    材付勢用弾性部材と、 前記ハウジングに固定的に設けられ、前記工具交換軸が
    前記ハウジング内に向かって収縮させられ、前記工具保
    持アームに保持された加工工具が前記工具チャックおよ
    び前記工具保持装置から抜き出されるにつれて、前記ロ
    ック部材の後端に当接してそのロック部材を前記ロック
    部材付勢用弾性部材の弾性力に抗して前記ロック位置へ
    移動させ、工具交換軸の回転にかかわらずその状態を維
    持するロック部材駆動部材とを含むことを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれか1つに記載のマシニングセン
    タ。
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