JP2000125759A - 水産生物処理氷 - Google Patents

水産生物処理氷

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JP2000125759A
JP2000125759A JP10313964A JP31396498A JP2000125759A JP 2000125759 A JP2000125759 A JP 2000125759A JP 10313964 A JP10313964 A JP 10313964A JP 31396498 A JP31396498 A JP 31396498A JP 2000125759 A JP2000125759 A JP 2000125759A
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ice
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marine
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Toshiyuki Suzuki
俊行 鈴木
Naoki Morikawa
直樹 森川
Kenshin Kudegata
憲信 久手堅
Kagemasa Miyagi
景正 宮城
Futazane Kaminuma
二眞 神沼
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AQUA CREATION KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水産生物の死後の鮮度保持が商業的に容易に実
現可能な水産生物処理水及び水産生物処理氷を提供す
る。 【解決手段】水産生物処理液は海洋深層水若しくは海洋
深層水を含有の水からなる液であって、水産生物処理氷
は海洋深層水を含む水が凍結されている氷であり、それ
らは死後の水産生物のK値を5日経過後においても20
%以下に維持可能にするものである。 【効果】水産生物処理液によれば、漁獲水産生物が、特
別な鮮度低下防止手段等によることなく容易かつ高効率
に漁獲水産生物の鮮度が長期間にわたって維持される。
水産生物処理氷によれば、それらの効果に加えて、冷蔵
前の水産生物を氷に短時間接触させるだけで冷蔵時の鮮
度維持が時間及び鮮度において飛躍的に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋深層水由来の
鮮度保持機能等を備えている水産生物処理水に関する。
【0002】別の本発明は、海洋深層水由来の鮮度保持
機能が氷に付加されている水産生物処理氷に関する。
【0003】
【従来の技術】深層水は、各種の電解質の塩を含む溶液
であって、密度、圧縮率、比伝導度、比熱、表面張力、
粘度及び氷点等の物理的性質が水のそれとは相違するこ
とが知られている。深層水は、電解質の含有量及び形態
等が表層水のそれとは相違して、物理的環境(例えば、
圧力、温度)も表層水と著しく相違する。
【0004】従って、深層水は、物理的性質、化学的性
質及び生化学的性質等において表層水とは相違すると考
えられるが、その多くは未知である。
【0005】海洋深層水は、水産資源への利用の点から
は、殆どの領域が研究開始若しくは研究初期の段階にあ
って、公表デ−タの多くが海洋での循環、基本的な物理
性質の測定及び溶存成分の測定値である。
【0006】海洋水を水深(深度)の相違により分ける
方法には、海洋表層水(海洋上層水若しくは上層水等と
も称される)と海洋深層水との二つの領域に分ける方
法、及び海洋表層水、海洋中層水、海洋深層水及び海洋
底層水の五つの領域に分ける方法等があって、海洋表層
水と海洋深層水の境界となる水深は必ずしも明瞭ではな
い。
【0007】海洋表層水及び海洋深層水は、それぞれ表
層水及び深層水と称されることがある。本明細書におい
ても、以下において、便宜上から「表層水」及び「深層
水」の用語を使用することがある。
【0008】表層水と深層水との境界となる水深は、深
層水を観察若しくは利用する立場によって相違してい
て、我が国においては、比較的に浅い水深、例えば、約
200m若しくは約250mが提案されている(財団法
人電力中央研究所開催「水域環境」コ−スのセミナ配布
資料、 高橋正征:「生態からみた海洋利用、−電力と
漁業の共生の道」(平成9年)、セミナ−:「海域制御
と科学技術」、深層水利用に関する研究、p161〜1
67等参照)。ただし、約1km以深の領域の海洋水を
深層水とする分け方もある(西村雅吉編、角皆静雄、乗
木新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58年)等参
照)。 〈深層水の性質〉深層水は、水温が低い(低水温性)、
細菌が少なくて清浄である(清浄性)及び水産生物のた
めの栄養成分に富む(富栄養性)等が表層水との一般的
相違点として挙げられている。
【0009】海洋水は、一般的には、pHが8.2±
0.3であって、イオン強度が0.72前後であるとさ
れている。表層水の表面に近い水深では、大気の酸素が
溶解して溶存酸素が海水の酸化還元状態を支配する場合
にはpHが12近くになることが知られている(西村雅
吉編、角皆静雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図
書、昭和58年)、p58参照)。深層水のpH及びイ
オン強度は、それらの数値のいくらかの修正が必要とさ
れている。
【0010】海洋水は、一般的には、人工放射元素(T
c、Pm)以外の周期律表の元素の殆どを含み、ウラン
の崩壊系列の元素(At、Fr)及び超ウラン元素(N
p、Pu,Am,Cm)を極く僅かではあるが含むとさ
れている。深層水については明解ではないが、ほぼ同様
若しくは近似の状態であるとされている。
【0011】海洋水は、塩素、ナトリウム、イオウ、マ
ゲネシウム、カルシウム、カリウム、炭素及び臭素の8
種類の無機元素が溶存する全塩類の99.7%を占めて
いて、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素及びフッ素を加
えた12種類の無機元素が溶存する全塩類の99.99
9%を占めるのが一般的である(西村雅吉編、角皆静
雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58
年)、p68等参照)。
【0012】それらの無機元素は、Cl-、Na-、SO
2- 4、NaSO-、Mg2-、Ca2+、K+ 、HCO- 3、C
2- 3、CO2、Br-、Sr2+、B(OH)3、B(O
H)- 4、Si(OH)4、F-、MgF+等の形態で溶存
するとされている(西村雅吉編、角皆静雄、乗木新一
朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58年)、p54〜
p55等参照)。
【0013】なお、海水の塩類は、海水の溶存物質の濃
度の総和の意味であって、本明細書においても「塩類」
の用語を同じ意味で使用する。
【0014】海洋水の溶存物質は、表層水と深層水とで
は、異なる形態で溶存することが知られていて、例え
ば、表層水の無機窒素が亜硝酸態(NO- 2)及びアンモ
ニア態(NH+ 4)で溶存して、深層水の無機窒素が硝酸
態(NO- 3)で溶存することが知られている。
【0015】海洋水の溶存濃度は、水深により変化する
のが一般的であって、図3〜図5は海洋の水深と溶存濃
度との関係を示す公表デ−タである(西村雅吉編、角皆
静雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58
年)、p103の図32a、p103の図32b参
照)。
【0016】図3はリン酸塩の水深に対する溶存濃度で
あって、図4はケイ酸塩の水深に対する溶存濃度であ
り、図5は酸素の水深に対する溶存濃度である。図3〜
図5に示す海洋水の溶存成分は、1kmの水深若しくは
その近辺に溶存濃度が大きく変化して、深層水の領域で
は濃度が増加している。
【0017】図3〜図5に示す溶存濃度の傾向は、他の
溶存濃度が微小である元素、例えば、ヨウ素、銅、マン
ガン亜鉛、鉄及びその他の水産生物の生存に必要な元
素、も深層水での濃度が大きくなっている。表3は我が
国周辺の海域である室戸岬沖で取水された深層水につい
て表層水の対比で公表された分析値である(特開平5−
219921号公報参照)。
【0018】
【表3】 表3によれば、我が国周辺の深層水は、溶存酸素、硝酸
態窒素、リン酸態リン、ケイ酸態ケイ素、鉄、銅等の濃
度が水深に対して同様の傾向を有して、生菌数由来の清
浄性を有している。 〈魚介類の死後変化と鮮度保持〉魚介類は、漁獲後に死
後硬直が生じて、魚肉筋肉のグリコ−ゲンが無酸素状態
での解糖反応が進行して、アデノシン三リン酸(AT
P)が分解してアデノシン二リン酸(ADP)、アデニ
ル酸(AMP)及びイノシン酸(IMP)の順を経由し
てイノシン(HxR)若しくはヒポキサンチン(Hx)
に至る反応が生じる。
【0019】アデノシン三リン酸の分解は、死後直ちに
生じるところから、その分解過程が鮮度の目安にされて
いて、K値(鮮度判定指数)として実用化されいてい
る。K値は以下の式からなる。
【0020】
【化1】 K値は、即殺魚では10%以下になって、生鮮魚では2
0%若しくはその前後の値になることが認められてい
る。従って、魚介類は、K値が20%程度にある場合は
鮮度良好であると判定される。K値は、試験紙による変
色の判定によって簡易に測定可能になっている。
【0021】魚介類は、死後硬直が過ぎると、筋肉組織
が種々の酵素に分解されて軟化する自己消化が生じる。
自己消化は、酸性のpHの領域で早く進行ことが知られ
ている(野中順三九編「水産利用原料」(株)恒星社厚
生閣、昭和62年発行、p226等参照)。
【0022】また、自己消化速度に与える電解質の影響
については、食塩について検討されているだけで、濃度
が大きな食塩水で魚介類を処理すると自己消化の進行速
度が低下することが知られている(野中順三九編「水産
利用原料」(株)恒星社厚生閣、昭和62年発行、p2
26等参照)。 〈深層水の利用〉深層水は、低温である、水産生物の栄
養成分の含有濃度が大きい、生菌数が少なくて清浄であ
る等の特徴を利用する用途に利用されていて、水産生物
への利用は、飼育用海水としての利用が殆どである(特
開平6−225663号公報等参照)。
【0023】そして、深層水は、その清浄性を利用し
て、清涼飲料水(特開平5−219921号公報等参
照)、食品(みそ、醤油等)及び化粧品等に添加されて
いる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては、海水
(すなわち、表層水の海水)は、漁獲魚介類の凍結前の
洗浄処理に利用されているだけで、海水が有する、物理
的性質、化学的性質、生化学的性質、溶存成分及びミク
ロ分子構造等を漁獲魚介類の処理に利用する等について
検討及び提案が行われておらず、そのような発想自体が
存在しなかった。漁獲魚介類を冷蔵する氷についても同
様であって、氷が有する含有成分及びミクロ構造等を漁
獲魚介類の処理に利用する等は検討及び提案が行われて
おらず、そのような発想自体が存在しなかった。
【0025】そのために、深層水の水産生物への利用に
ついては、深層水が成育に有用な溶存成分の濃度が大き
いという特徴を利用して、深層水を飼育用海水にする旨
の提案(提案自体が非常に少ない)が殆どであった。
【0026】そのような実情から、水産生物の死後の内
部組織に生ずる化学反応及び生化学反応に与える海水
(特に、深層水)の溶存成分の影響等は全く未知であっ
た。
【0027】一方、氷蔵によりマグロを保存するマグロ
漁船にあっては、12〜14日程度の操業後に帰港した
場合には、陸揚したマグロは、そのマグロから溶出した
粘着物質が付着していて目視によっても判別可能な腐敗
及び悪臭の発生が生じる場合があった。
【0028】そこで、漁獲水産生物の内部組織に生ずる
化学反応及び生化学反応に対する海水(特に、深層水)
との関係が本発明者により実験的に検討されて、科学上
の事実として、深層水が漁獲水産生物の死後のアデノシ
ン三リン酸の分解反応を抑制する(すなわち、漁獲水産
生物を新鮮に保持する)役割をはたすこと等が本発明で
見いだされた。
【0029】ここにおいて、第一の本発明は、水産生物
の死後の鮮度保持が商業的に容易に実現できる水産生物
処理水を提供すること、を目的とする。
【0030】第二の本発明は、水産生物の死後の鮮度保
持が商業的に容易に実現できて、従来の冷蔵システム等
の鮮度保持能力を飛躍的に向上させる水産生物処理氷を
提供すること、を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】第一の本発明(請求項1
に記載の発明)による水産生物処理液は、海洋深層水若
しくは海洋深層水を含有の水からなる液であって、死後
の水産生物がその液に漬浸された場合に、海洋深層水に
よって前記水産生物のK値が5日経過後においても20
%以下に維持可能にされていること、を特徴とする。
【0032】又、第二の本発明(請求項2に記載の発
明)による水産生物処理氷は、海洋深層水を含む水が凍
結されている氷であって、死後の水産生物がその氷によ
って氷蔵された場合に、死後の水産生物のK値を5日経
過後においても20%以下に維持できる特徴を備えてい
る。
【0033】
【発明の具体的説明】本発明を以下において具体的に説
明する。 〔第一の本発明による水産生物処理液〕本発明の水産生
物処理液は、深層水若しくは深層水を含む水からなる液
であって、深層水の存在によって、死後の水産生物がそ
の液に漬浸された場合に、その水産生物のK値が5日経
過後にあっても20%以下に保持可能になっているもの
である。
【0034】本発明は、死後の水産生物の自己消化速度
及び腐敗に直接的若しくは間接的に関係する現象(例え
ば、細菌の繁殖)が水産生物と深層水との接触によって
抑制される現象(例えば、ATP分解反応の抑制)を利
用したものである。
【0035】水産生物処理液と死後の水産生物との接触
は、水産生物の全面若しくは部分にに対して行われて目
的に供される。水産生物処理液は、任意の方法により目
的に供されて、例えば、水産生物を浸漬する、水産生物
に散布する、水産生物に塗布する等の方法により目的に
供される。
【0036】本発明の「K値が5日経過後にも20%以
下に維持される」というのは、少なくともK値が5日経
過後に20%以下であればよいという意味である。
【0037】本発明の「海洋深層水」は、約200m以
深の海洋水の意味であって、一つの水深の領域から採取
した深層水であること及び複数の水深の領域から採取し
た深層水であることのいずれであってもよい。
【0038】本発明の「海洋深層水」は、その海域につ
いては限定的ではないが、我が国周辺(特に、沖縄周
辺)の海域の深層水を用いる場合は、我が国の他の海域
の深層水を用いる場合よりも本発明の効果の享受を最大
に享受可能となることが実験的に見いだされている(後
記比較例2を参照)。
【0039】なお、沖縄周辺の海域は、具体的には、沖
縄周辺の海域であって、深層水の採取が法的に許容され
る区域(代表的には、沖縄周辺の領海)である。
【0040】海洋深層水は、その採取された水深等によ
って魚類等の鮮度に関係する化学反応(例えば、ATP
の分解反応)の抑制力が相違する。従って、目的に応じ
た化学的性質及び物理的性質を備える水深の深層水を用
いる及び目的に応じた化学的性質及び物理的性質を備え
るように水深が相違する深層水を併用する等して発明の
効果を最大に享受可能にすることができる。
【0041】例えば、約200m〜約1kmの水深の深
層水と約1kmよりも深い水深の深層水とを併用する場
合には、死後の水産生物をしてK値を低い状態に長期間
維持する等が可能なる。
【0042】本発明の「死後の水産生物を液に浸漬した
場合」は、代表的には、漁獲後に即殺した魚類肉片を1
0倍の重量の水産生物処理液に浸漬した場合である。K
値の測定は、試験紙の変色の判定によることができる。
【0043】本発明の水産生物処理液は、鮮度保持及び
腐敗防止等に直接的若しくは間接的に関係する処理(代
表的には、漁獲魚類の死後の鮮度保持処理)に用いられ
るものである。
【0044】水産生物処理液の処理の対象となる水産生
物は、代表的には、食用に供される水産生物であって、
例えば、魚介類及び海藻類である。魚介類は、例えば、
遠洋性回游魚、近海性回游魚、底棲魚、遡河魚、河川
魚、イカタコ類、貝類、カニ・エビ、ウニ・ナマコ、ク
ラゲ・ホヤ等である。海藻類は、例えば、紅藻類、褐藻
類及び緑藻類等である。水産生物処理液の使用例として
は、例えば、死後の水産生物の洗浄及び保存等がある。
【0045】水産生物処理液は、 〔第二の本発明による水産生物処理氷〕第二の本発明の
水産生物処理氷は、深層水を含んでなる水の凍結により
調製された氷であって、その氷に深層水を含むことによ
って、その氷による死後の水産生物の氷蔵では、水産生
物のK値が5日経過後にも20%以下に保持されるもの
である。
【0046】本発明の水産生物処理氷も、鮮度維持等に
直接的若しくは間接的に関係する水産生物の処理(代表
的には、漁獲魚類の死後の鮮度保持処理)に用いられる
ものである。
【0047】第二の本発明における「海洋深層水」の意
義は第一の本発明と同様であって、第二の本発明の「死
後の水産生物を氷蔵した場合」は、例えば、漁獲魚類を
即殺して漁船の漁槽で氷蔵する場合である。実験室での
試験は、例えば、即殺した漁獲魚類の肉片を氷塊と混ぜ
て表面が氷塊で覆われた状態で保存してK値の経時変化
等を調べる等して行われる。
【0048】水産生物処理氷の深層水含有量は、その氷
を用いる氷蔵によって5日経過後においても水産生物の
K値が20%以下に保持可能になる量である。
【0049】水産生物処理氷が、複数の水深領域の深層
水を含む場合には、死後の水産生物のK値が長期にわた
って20%以下に保持される等の効果があることが本発
明で見いだされている。特に、約200m〜約1kmの
水深の深層水と約1kmよりも深い水深の深層水とを併
用する場合である。
【0050】そして、本発明の水産生物処理氷によるマ
グロの氷蔵を実際に操業のマグロ漁船の漁槽で行うと、
12〜14日程度の操業後に帰港した場合であっても、
漁槽内の滞留液は魚の鮮血色を呈していた。漁槽内の滞
留液を海面に放出しても、泡は僅かに発生するだけであ
った。陸揚したマグロは、そのえらが鮮赤色を呈して悪
臭の発生がない(詳細は後記実施例2を参照)。
【0051】本発明の水産生物処理氷は、第一の本発明
と同様に、水産生物の鮮度保持及び腐敗防止等に直接的
若しくは間接的に関係する処理に用いてその目的を達成
することが可能である。鮮度保持のための処理は、氷蔵
が代表的であるが、具体的手段において任意である。
【0052】第二の本発明は、その対象となる水産生物
については特に制約がなく、第一の本発明と同様の水産
生物を対象とすることができる。
【0053】なお、本発明においては、本発明と合目的
であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいて
は、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であっ
て、いずれも本発明の範囲である。
【0054】本発明を実施例に基づいて具体的に説明す
るが、実施例は例示であって本発明を拘束するものでは
ない。
【0055】
【実施例】〈実施例1〉約200m〜約1kmの水深の
深層水と約1kmよりも深い水深の深層水とを混合した
深層水(以下において、調合深層水ということがある)
を水によって希釈した調合深層水を含む水を凍結して試
験用氷を調製した。一方、深層水を希釈するのに使用し
た水のみを凍結して比較用氷(通常の氷)を調製した。
【0056】氷蔵試験(氷による冷蔵試験)は、それら
の試験用氷及び比較用氷を用いて漁獲後の即殺マグロか
ら採取したマグロ肉片を氷蔵することにより行った。氷
蔵は、マグロ肉片と氷塊(試験用氷を砕いたもの)を混
ぜて容器に入れて、マグロ肉片の表面が氷塊により覆わ
れるようにした。氷蔵中のマグロ肉片は、経時的にK値
が測定された。表1は、氷蔵開始から8日経過時のK値
である。
【0057】
【表1】 マグロ肉片は、氷蔵開始から8日経過すると、比較用氷
(通常の氷)による氷蔵ではK値が30%になって、新
鮮な状態を示す20%を大きく越えていた。すなわち、
マグロ肉片の組織は腐敗に近い状況になっていた。
【0058】しかし、試験用氷による氷蔵では、氷蔵開
始から8日経過しても、K値は15%であった。魚類の
即殺時のK値は、一般的には、K値が10%程度あるの
で、マグロ肉片が、試験用氷によってアデノシン三リン
酸(ATP)の分解反応が抑制されて新鮮状態が維持さ
れ、腐敗の開始が遅れていた。 〈実施例2〉実施例1で調製の試験用氷を砕いた氷塊を
用いてマグロ漁船の漁槽にマグロを氷蔵する試験をし
た。漁槽の容積は、約8,100キログラムの氷の充填
が可能な大きさであった。12日間の操業中は釣り上げ
たマグロを試験用氷を使って氷蔵した。
【0059】マグロ漁船が12日間の操業後に帰港する
と、漁槽内の滞留液を海面に放出して、その後で漁槽内
のマグロをクレ−ンにより陸揚した。漁槽内の滞留液は
鮮血色若しくはそれに近い色を呈していて、滞留液を海
面に放出しても海面の泡の発生は僅少であった。陸揚し
たマグロは、えらが鮮血色を呈して、筋肉組織全体にに
損傷が無く、かつ、悪臭の発生もなかった。 〈実施例3〉実施例1で調製の試験用氷を砕いた氷塊を
用いて釣り上げて即殺したカツオを24時間氷蔵してか
ら4℃で冷蔵した。カツオの肉片は、HE染色法により
処理して釣り上げた日から2日後及び5日後にそれを観
察した。通常の氷(実施例1の比較用氷と同じ)を用い
て同時に同じ実験を行った。
【0060】カツオ肉片は試験用氷を用いて氷蔵した後
で冷蔵した。図1は、釣り上げた日から5日経過した時
点のカツオ肉片の顕微鏡写真(×100倍)を図示した
ものである。
【0061】また、カツオ肉片は、通常の氷を用いて氷
蔵した後で冷蔵した。図2は、釣り上げた日から5日経
過した時点のカツオ肉片の顕微鏡写真(×100倍)を
図示したものである。
【0062】カツオ肉片は、試験用氷及び通常の氷につ
いて同じ条件で氷蔵した。冷蔵の条件も同じであった。
【0063】表2は2日及び5日経過時にカツオ肉片を
顕微鏡で観察した結果である。
【0064】
【表2】 〈比較例1〉実施例2のマグロをマグロ漁船の漁槽に氷
蔵する試験と同時的に、別の漁槽を使用して通常の氷
(実施例1の比較用氷と同じ)によりマグロを氷蔵する
試験を行った。マグロ漁船が12日間の操業後に帰港す
ると実施例2と同様の操作を行った。漁槽内の滞留液は
黒茶色を呈していて、滞留液を海面に放出すると泡が海
面に多量に発生して、マグロがすでに腐敗若しくはそれ
に近い状態にあることが海面の泡からも明らかであっ
た。陸揚したマグロにはそのマグロから溶出した粘着物
が付着して悪臭が発生していた。 〈比較例2〉富山湾で採取した深層水を用いて実施例1
及び2と同様の実験を行った。しかし、図1のような筋
肉組織の維持は困難であって、表1及び表2に示すよう
な効果が明瞭に発現しなかった。
【0065】
【発明の効果】第一の本発明による水産生物処理液によ
れば、下記(a)〜(d)に代表される種々の効果が得
られる。 (a)漁獲した水産生物が、特別な鮮度低下防止手段等
によることなく容易かつ高効率に鮮度が維持される。特
に、長期間にわたって鮮度が維持される。 (b)清浄性に富む海水によって長期間の鮮度維持が実
現されて、従来の鮮度維持用の化学物質(例えば、ビタ
ミン類、没食子酸、酢酸ナトリウム等)が不要になる。 (c)漁船等が特別な設備を設けることなく用いること
が可能となる。 (d)僅かな量の深層水を添加する場合及び深層水に僅
かな時間接触する場合でも長期間にわたって鮮度が維持
される。
【0066】第二の本発明による水産生物処理氷によれ
ば、それら(a)〜(d)の効果に加えて下記(i)〜
(v)に代表される種々の効果が得られる。 (i)死後の水産生物に氷を接触させるだけで、水産生
物の鮮度が長期間にわたって維持される。 (ii)冷蔵する前の水産生物を氷に短時間接触させる
だけで、冷蔵における鮮度維持が時間及び鮮度の両面で
飛躍的に向上する。 (iii)従来の冷蔵システムにおける鮮度維持が飛躍
的に向上する。 (vi)従来の冷蔵システム及び氷蔵システムに対する
僅かな付加的操作によって鮮度維持が飛躍的に向上す
る。 (v)魚類等の保存で生じていた、ドリップの発生、タ
ンパク質の変性、肉質の損傷及び風味抜け等の品質低下
が商業的に容易に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カツオ肉片の説明図である。
【図2】カツオ肉片の説明図である。
【図3】海洋の水深とリン酸塩の溶存濃度との関係を示
す線図である。
【図4】海洋の水深とケイ酸塩の溶存濃度との関係を示
す線図である。
【図5】海洋の水深と酸素の溶存濃度との関係を示す線
図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月12日(1999.2.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【従来の技術】海洋深層水は、各種の電解質の塩を含む
溶液であって、密度、圧縮率、比伝導度、比熱、表面張
力、粘度及び氷点等の物理的性質が水のそれとは相違す
ることが知られている。深層水は、電解質の含有量及び
形態等が表層水のそれとは相違して、物理的環境(例え
ば、圧力、温度)も表層水と著しく相違する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】海洋深層水は、物理的性質、化学的性質及
び生化学的性質等において表層水とは相違すると考えら
れていて海洋深層水の詳細及び海洋深層水と表層水と
の相違等は多く点において未知である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】海洋水は、一般的には、人工放射元素(T
c、Pm)以外の周期律表の元素の殆どを含み、ウラン
の崩壊系列の元素(At、Fr)及び超ウラン元素(N
p、PuAmCm)を極く僅かではあるが含むとさ
れている。深層水については明解ではないが、ほぼ同様
若しくは近似の状態であるとされている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】海洋水の溶存物質は、表層水と深層水とで
は、異なる形態で溶存することが知られていて、例え
ば、表層水の無機窒素が亜硝酸態(NO )及びアン
モニア態(NH )で溶存して、深層水の無機窒素が
硝酸態(NO )で溶存することが知られている。
層水は、取水海域によって溶存物質の状態が相違するこ
とが知れていて、我が国周辺においても海域が相偉する
と、いくつかの溶存物質の鉛直濃度分布特性等が相違す
ること等が知られれている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【表3】表3によれば、室戸岬沖の深層水は、溶存酸
素、硝酸態窒素、リン酸態リン、ケイ酸態ケイ素、鉄、
銅等の濃度が水深に対して同様の傾向を有して、生菌数
由来の清浄性を有している。なお、表3の測定項目の欄
の「T」はtotal(合計の)の意味で使用されてい
る。 〈魚介類の死後変化と鮮度保持〉魚介類は、漁獲後に死
後硬直が生じて、魚肉筋肉のグリコーゲンが無酸素状態
での解糖反応が進行して、アデノシン三リン酸(AT
P)が分解してアデノシン二リン酸(ADP)、アデニ
ル酸(AMP)及びイノシン酸(IMP)の順を経由し
てイノシン(HxR)若しくはヒポキサンチン(Hx)
に至る反応が生じる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】〔第二の本発明による水産生物処理氷〕第
二の本発明の水産生物処理氷は、深層水を含んでなる水
の凍結により調製された氷であって、その氷に深層水を
含むことによって、その氷による死後の水産生物の氷蔵
では、水産生物のK値が5日経過後にも20%以下に保
持されるものである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月1日(1999.10.
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】海洋水の溶存物質は、表層水と深層水とで
は、異なる形態で溶存することが知られていて、例え
ば、表層水の無機窒素が亜硝酸態(NO2-)及びアンモ
ニア態(NH4+)で溶存して、深層水の無機窒素が硝酸
態(NO3-)で溶存することが知られている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】図3はリン酸塩の水深に対する溶存濃度で
あって、図4はケイ酸塩の水深に対する溶存濃度であ
り、図5は酸素の水深に対する溶存濃度である。図3〜
図5に示す海洋水の溶存成分は、1kmの水深若しくは
その近辺に溶存濃度が大きく変化して、深い水深の領域
で濃度が増加している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】図3〜図5に示す溶存濃度の傾向は、他の
溶存濃度が微小である元素、例えば、ヨウ素、銅、マン
ガン亜鉛、鉄及びその他の水産生物の生存に必要な元素
深い水深の領域で濃度が大きくなっている。表3は我
が国周辺の海域である室戸岬沖で取水された深層水につ
いて表層水の対比で公表された分析値である(特開平5
−219921号公報参照)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【課題を解決するための手段】第一の本発明(請求項1
に記載の発明)による水産生物処理水は、200m以深
の複数の水深の海洋深層水を含有する水からなる水産生
物処理液であって、死後の水産生物に接触させた場合に
水産生物のK値が5日経過後においても20%以下に維
持可能にされていること、を特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】第二の本発明(請求項2に記載の発明)に
よる水産生物処理氷は、200m以深の複数の水深の
洋深層水を含む水を凍結させた氷からなる水産生物処理
であって、死後の水産生物を氷蔵した場合に死後の水
産生物のK値が5日経過後においても20%以下に維持
可能にされていること、を特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【発明の具体的説明】本発明を以下において具体的に説
明する。 〔第一の本発明による水産生物処理液〕本発明の水産生
物処理液は、200m以深の複数の水深の海洋深層水を
含有する水からなる水産生物処理液であって、死後の水
産生物に接触させた場合に水産生物のK値が5日経過後
においても20%以下に保持可能になっている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】〔第二の本発明による水産生物処理氷〕本
発明の水産生物処理氷は、200m以深の複数の水深の
海洋深層水を含む水を凍結させた氷からなる水産生物処
理氷であって、死後の水産生物を氷蔵した場合に死後の
水産生物のK値が5日経過後においても20%以下に維
持可能にされているものである。_ ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月24日(1999.12.
24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水産生物処理氷
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋深層水由来の
鮮度保持機能が氷に付加されている水産生物処理氷に関
する。
【0002】
【従来の技術】海洋深層水は、各種の電解質の塩を含む
溶液であって、密度、圧縮率、比伝導度、比熱、表面張
力、粘度及び氷点等の物理的性質が水のそれとは相違す
ることが知られている。深層水は、電解質の含有量及び
形態等が表層水のそれとは相違して、物理的環境(例え
ば、圧力、温度)も表層水と著しく相違する。海洋深層
水は、物理的性質、化学的性質及び生化学的性質等にお
いて表層水とは相違すると考えられていて、海洋深層水
の詳細及び海洋深層水と表層水との相違等は多くの点で
未知である。海洋深層水は、水産資源への利用の点から
は、殆どの領域が研究開始若しくは研究初期の段階にあ
って、公表デ−タの多くが海洋での循環、基本的な物理
性質の測定及び溶存成分の測定値である。海洋水を水深
(深度)の相違により分ける方法には、海洋表層水(海
洋上層水若しくは上層水等とも称される)と海洋深層水
との二つの領域に分ける方法、及び海洋表層水、海洋中
層水、海洋深層水及び海洋底層水の五つの領域に分ける
方法等があって、海洋表層水と海洋深層水の境界となる
水深は必ずしも明瞭ではない。
0003】海洋表層水及び海洋深層水は、それぞれ表
層水及び深層水と称されることがある。本明細書におい
ても、以下において、便宜上から「表層水」及び「深層
水」の用語を使用することがある。表層水と深層水との
境界となる水深は、深層水を観察若しくは利用する立場
によって相違していて、我が国においては、比較的に浅
い水深、例えば、約200m若しくは約250mが提案
されている(財団法人電力中央研究所開催「水域環境」
コ−スのセミナ配布資料、 高橋正征:「生態からみた
海洋利用、−電力と漁業の共生の道」(平成9年)、セ
ミナ−:「海域制御と科学技術」、深層水利用に関する
研究、p161〜167等参照)。ただし、約1km以
深の領域の海洋水を深層水とする分け方もある(西村雅
吉編、角皆静雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図
書、昭和58年)等参照)。
0004】〈深層水の性質〉深層水は、水温が低い
(低水温性)、細菌が少なくて清浄である(清浄性)及
び水産生物のための栄養成分に富む(富栄養性)等が表
層水との一般的相違点として挙げられている。海洋水
は、一般的には、pHが8.2±0.3であって、イオ
ン強度が0.72前後であるとされている。表層水の表
面に近い水深では、大気の酸素が溶解して溶存酸素が海
水の酸化還元状態を支配する場合にはpHが12近くに
なることが知られている(西村雅吉編、角皆静雄、乗木
新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58年)、p5
8参照)。深層水のpH及びイオン強度は、それらの数
値のいくらかの修正が必要とされている。海洋水は、一
般的には、人工放射元素(Tc、Pm)以外の周期律表
の元素の殆どを含み、ウランの崩壊系列の元素(At、
Fr)及び超ウラン元素(Np、Pu、Am、Cm)を
極く僅かではあるが含むとされている。深層水について
は明解ではないが、ほぼ同様若しくは近似の状態である
とされている。
0005】海洋水は、塩素、ナトリウム、イオウ、マ
ゲネシウム、カルシウム、カリウム、炭素及び臭素の8
種類の無機元素が溶存する全塩類の99.7%を占めて
いて、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素及びフッ素を加
えた12種類の無機元素が溶存する全塩類の99.99
9%を占めるのが一般的である(西村雅吉編、角皆静
雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58
年)、p68等参照)。それらの無機元素は、CL-
Na- 、SO4 2- 、NaSO- 、Mg2+、Ca2+ 、K
+ 、HCO3 -、CO3 2- 、CO2 、Br- 、Sr2+、B
(OH)3 、B(OH)4 -、Si(OH)4 、F- 、M
gF+ 等の形態で溶存するとされている(西村雅吉編、
角皆静雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和
58年)、p54〜p55等参照)。なお、海水の塩類
は、海水溶存物質の濃度の総和の意味であって、本明細
書においても「塩類」の用語を同じ意味で使用する。海
洋水の溶存物質は、表層水と深層水とでは、異なる形態
で溶存することが知られていて、例えば、表層水の無機
窒素が亜硝酸態(NO2 -)及びアンモニア態(NH4 +
で溶存して、深層水の無機窒素が硝酸態(NO3 -)で溶
存することが知られている。
0006】海洋水の溶存濃度は、水深により変化する
のが一般的であって、図3〜図5は海洋の水深と溶存濃
度との関係を示す公表デ−タである(西村雅吉編、角皆
静雄、乗木新一朗:「海洋化学」(産業図書、昭和58
年)、p103の図32a、p103の図32b参
照)。図3はリン酸塩の水深に対する溶存濃度であっ
て、図4はケイ酸塩の水深に対する溶存濃度であり、図
5は酸素の水深に対する溶存濃度である。図3〜図5に
示す海洋水の溶存成分は、1kmの水深若しくはその近
辺に溶存濃度が大きく変化して、深い水深の領域では濃
度が増加している。図3〜図5に示す溶存濃度の傾向
は、他の溶存濃度が微小である元素、例えば、ヨウ素、
銅、マンガン亜鉛、鉄及びその他の水産生物の生存に必
要な元素、も深い水深での濃度が大きくなっている。
0007】表3は我が国周辺の海域である室戸岬沖で
取水された深層水について表層水の対比で公表された分
析値である(特開平5−219921号公報参照)。
0008
【表3】 表3によれば、室戸岬沖の深層水は、溶存酸素、硝酸態
窒素、リン酸態リン、ケイ酸態ケイ素、鉄、銅等の濃度
が水深に対して同様の傾向を有して、生菌数由来の清浄
性を有している。なお、表3の測定項目の欄の「T」は
total(合計の意味)で使用されている。
0009】〈魚介類の死後変化と鮮度保持〉魚介類
は、漁獲後に死後硬直が生じて、魚肉筋肉のグリコ−ゲ
ンが無酸素状態での解糖反応が進行して、アデノシン三
リン酸(ATP)が分解してアデノシン二リン酸(AD
P)、アデニル酸(AMP)及びイノシン酸(IMP)
の順を経由してイノシン(HxR)若しくはヒポキサン
チン(Hx)に至る反応が生じる。アデノシン三リン酸
の分解は、死後直ちに生じるところから、その分解過程
が鮮度の目安にされていて、K値(鮮度判定指数)とし
て実用化されいている。K値は以下の式からなる。
0010
【化1】K値(%)=HR+H/ATP+ADP+AM
P+IMP+HR+H×100 K値は、即殺魚では10%以下になって、生鮮魚では2
0%若しくはその前後の値になることが認められてい
る。従って、魚介類は、K値が20%程度にある場合は
鮮度良好であると判定される。K値は、試験紙による変
色の判定によって簡易に測定可能になっている。魚介類
は、死後硬直が過ぎると、筋肉組織が種々の酵素に分解
されて軟化する自己消化が生じる。自己消化は、酸性の
pHの領域で早く進行ことが知られている(野中順三九
編「水産利用原料」(株)恒星社厚生閣、昭和62年発
行、p226等参照)。また、自己消化速度に与える電
解質の影響については、食塩について検討されているだ
けで、濃度が大きな食塩水で魚介類を処理すると自己消
化の進行速度が低下することが知られている(野中順三
九編「水産利用原料」(株)恒星社厚生閣、昭和62年
発行、p226等参照)。
0011】〈深層水の利用〉深層水は、低温である、
水産生物の栄養成分の含有濃度が大きい、生菌数が少な
くて清浄である等の特徴を利用する用途に利用されてい
て、水産生物への利用は、飼育用海水としての利用が殆
どである(特開平6−225663号公報等参照)。
そして、深層水は、その清浄性を利用して、清涼飲料水
(特開平5−219921号公報等参照)、食品(み
そ、醤油等)及び化粧品等に添加されている。
0012
【発明が解決しようとする課題】従来にあっては、海水
(すなわち、表層水の海水)は、漁獲魚介類の凍結前の
洗浄処理に利用されているだけで、海水が有する、物理
的性質、化学的性質、生化学的性質、溶存成分及びミク
ロ分子構造等を漁獲魚介類の処理に利用する等について
検討及び提案が行われておらず、そのような発想自体が
存在しなかった。漁獲魚介類を冷蔵する氷についても同
様であって、氷が有する含有成分及びミクロ構造等を漁
獲魚介類の処理に利用する等は検討及び提案が行われて
おらず、そのような発想自体が存在しなかった。そのた
めに、深層水の水産生物への利用については、深層水が
成育に有用な溶存成分の濃度が大きいという特徴を利用
して、深層水を飼育用海水にする旨の提案(提案自体が
非常に少ない)が殆どであった。そのような実情から、
水産生物の死後の内部組織に生ずる化学反応及び生化学
反応に与える海水(特に、深層水)の溶存成分の影響等
は全く未知であった。
0013】一方、氷蔵によりマグロを保存するマグロ
漁船にあっては、12〜14日程度の操業後に帰港した
場合には、陸揚したマグロは、そのマグロから溶出した
粘着物質が付着していて目視によっても判別可能な腐敗
及び悪臭の発生が生じる場合があった。そこで、漁獲水
産生物の内部組織に生ずる化学反応及び生化学反応に対
する海水(特に、深層水)との関係が本発明者により実
験的に検討されて、科学上の事実として、深層水が漁獲
水産生物の死後のアデノシン三リン酸の分解反応を抑制
する(すなわち、漁獲水産生物を新鮮に保持する)役割
をはたすこと等が本発明で見いだされた。
0014】ここにおいて、本発明は、水産生物の死後
の鮮度保持が商業的に容易に実現できて、従来の冷蔵シ
ステム等の鮮度保持能力を飛躍的に向上させる水産生物
処理氷を提供すること、を目的とする。
0015
【課題を解決するための手段】本発明による水産生物処
理氷は、200m以深の複数の水深の海洋深層水を含む
水が凍結されている氷であって、死後の水産生物がその
氷によって氷蔵された場合に、死後の水産生物のK値を
5日経過後においても20%以下に維持できる特徴を備
えている。
【0016】
【発明の具体的説明】〔本発明による水産生物処理氷〕
本発明の水産生物処理氷は、200m以深の複数の水深
の深層水を含んでなる水の凍結にり調製された氷であっ
て、その氷に深層水を含むことによって、その氷による
死後の水産生物の氷蔵では、水産生物のK値が5日経過
後にも20%以下に保持されるものである。本発明の
「K値が5日経過後にも20%以下に維持される」とい
うのは、少なくともK値が5日経過後に20%以下であ
ればよいという意味である。本発明の「海洋深層水」
は、約200m以深の海洋水の意味であって、複数の水
深の領域から採取した深層水が用いられる。
0017】本発明の「海洋深層水」は、その海域につ
いては限定的ではないが、我が国周辺(特に、沖縄周
辺)の海域の深層水を用いる場合は、我が国の他の海域
の深層水を用いる場合よりも本発明の効果の享受を最大
に享受可能となることが実験的に見いだされている(後
記比較例2を参照)。なお、沖縄周辺の海域は、具体的
には、沖縄周辺の海域であって、深層水の採取が法的に
許容される区域(代表的には、沖縄周辺の領海)であ
る。
0018】海洋深層水は、その採取された水深等によ
って魚類等の鮮度に関係する化学反応(例えば、ATP
の分解反応)の抑制力が相違する。従って、目的に応じ
た化学的性質及び物理的性質を備える水深の深層水を用
いる及び目的に応じた化学的性質及び物理的性質を備え
るように水深が相違する深層水を併用する等して発明の
効果を最大に享受可能にすることができる。例えば、約
200m〜約1kmの水深の深層水と約1kmよりも深
い水深の深層水とを併用する場合には、死後の水産生物
をしてK値を低い状態に長期間維持する等が可能なる。
本発明の水産生物処理氷は、鮮度維持等に直接的若しく
は間接的に関係する水産生物の処理(代表的には、漁獲
魚類の死後の鮮度保持処理)に用いられるものである。
0019】本発明の「死後の水産生物を氷蔵した場
合」は、例えば、漁獲魚類を即殺して漁船の漁槽で氷蔵
する場合である。実験室での試験は、例えば、即殺した
漁獲魚類の肉片を氷塊と混ぜて表面が氷塊で覆われた状
態で保存してK値の経時変化等を調べる等して行われ
る。水産生物処理氷の深層水含有量は、その氷を用いる
氷蔵によって5日経過後においても水産生物のK値が2
0%以下に保持可能になる量である。水産生物処理氷
が、200m以深の複数の水深の深層水を含む場合に
は、死後の水産生物のK値が長期にわたって20%以下
に保持される等の効果があることが本発明で見いだされ
ている。特に、約200m〜約1kmの水深の深層水と
約1kmよりも深い水深の深層水とを併用する場合であ
る。
0020】そして、本発明の水産生物処理氷によるマ
グロの氷蔵を実際に操業のマグロ漁船の漁槽で行うと、
12〜14日程度の操業後に帰港した場合であっても、
漁槽内の滞留液は魚の鮮血色を呈していた。漁槽内の滞
留液を海面に放出しても、泡は僅かに発生するだけであ
った。陸揚したマグロは、そのえらが鮮赤色を呈して悪
臭の発生がない(詳細は後記実施例2を参照)。本発明
の水産生物処理氷は、水産生物の鮮度保持及び腐敗防止
等に直接的若しくは間接的に関係する処理に用いてその
目的を達成することが可能である。鮮度保持のための処
理は、氷蔵が代表的であるが、具体的手段において任意
である。本発明は、その対象となる水産生物については
特に制約がなく、対象となる水産生物は、代表的には、
食用に供されるものであって、例えば、魚介類及び海藻
類である。魚介類は、例えば、遠洋性回游魚、近海性回
游魚、底棲魚、遡河魚、河川魚、イカタコ類、貝類、カ
ニ・エビ、ウニ・ナマコ、クラゲ・ホヤ等である海藻
類は、例えば、紅藻類、褐藻類及び緑藻類等である
0021】なお、本発明においては、本発明と合目的
であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいて
は、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であっ
て、いずれも本発明の範囲である。本発明を実施例に基
づいて具体的に説明するが、実施例は例示であって本発
明を拘束するものではない。
0022
【実施例】〈実施例1〉約200m〜約1kmの水深の
深層水と約1kmよりも深い水深の深層水とを混合した
深層水(以下において、調合深層水ということがある)
を水によって希釈した調合深層水を含む水を凍結して試
験用氷を調製した。一方、深層水を希釈するのに使用し
た水のみを凍結して比較用氷(通常の氷)を調製した。
氷蔵試験(氷による冷蔵試験)は、それらの試験用氷及
び比較用氷を用いて漁獲後の即殺マグロから採取したマ
グロ肉片を氷蔵することにより行った。氷蔵は、マグロ
肉片と氷塊(試験用氷を砕いたもの)を混ぜて容器に入
れて、マグロ肉片の表面が氷塊により覆われるようにし
た。氷蔵中のマグロ肉片は、経時的にK値が測定され
た。表1は、氷蔵開始から8日経過時のK値である。
0023
【表1】 マグロ肉片は、氷蔵開始から8日経過すると、比較用氷
(通常の氷)による氷蔵ではK値が30%になって、新
鮮な状態を示す20%を大きく越えていた。すなわち、
マグロ肉片の組織は腐敗に近い状況になっていた。しか
し、試験用氷による氷蔵では、氷蔵開始から8日経過し
ても、K値は15%であった。魚類の即殺時のK値は、
一般的には、K値が10%程度あるので、マグロ肉片
が、試験用氷によってアデノシン三リン酸(ATP)の
分解反応が抑制されて新鮮状態が維持され、腐敗の開始
が遅れていた。
0024】〈実施例2〉実施例1で調製の試験用氷を
砕いた氷塊を用いてマグロ漁船の漁槽にマグロを氷蔵す
る試験をした。漁槽の容積は、約8,100キログラム
の氷の充填が可能な大きさであった。12日間の操業中
は釣り上げたマグロを試験用氷を使って氷蔵した。マグ
ロ漁船が12日間の操業後に帰港すると、漁槽内の滞留
液を海面に放出して、その後で漁槽内のマグロをクレ−
ンにより陸揚した。漁槽内の滞留液は鮮血色若しくはそ
れに近い色を呈していて、滞留液を海面に放出しても海
面の泡の発生は僅少であった。陸揚したマグロは、えら
が鮮血色を呈して、筋肉組織全体にに損傷が無く、か
つ、悪臭の発生もなかった。
0025】〈実施例3〉実施例1で調製の試験用氷を
砕いた氷塊を用いて釣り上げて即殺したカツオを24時
間氷蔵してから4℃で冷蔵した。カツオの肉片は、HE
染色法により処理して釣り上げた日から2日後及び5日
後にそれを観察した。通常の氷(実施例1の比較用氷と
同じ)を用いて同時に同じ実験を行った。カツオ肉片は
試験用氷を用いて氷蔵した後で冷蔵した。図1は、釣り
上げた日から5日経過した時点のカツオ肉片の顕微鏡写
真(×100倍)を図示したものである。また、カツオ
肉片は、通常の氷を用いて氷蔵した後で冷蔵した。図2
は、釣り上げた日から5日経過した時点のカツオ肉片の
顕微鏡写真(×100倍)を図示したものである。カツ
オ肉片は、試験用氷及び通常の氷について同じ条件で氷
蔵した。冷蔵の条件も同じであった。表2は2日及び5
日経過時にカツオ肉片を顕微鏡で観察した結果である。
0026
【表2】
0027】〈比較例1〉実施例2のマグロをマグロ漁
船の漁槽に氷蔵する試験と同時的に、別の漁槽を使用し
て通常の氷(実施例1の比較用氷と同じ)によりマグロ
を氷蔵する試験を行った。マグロ漁船が12日間の操業
後に帰港すると実施例2と同様の操作を行った。漁槽内
の滞留液は黒茶色を呈していて、滞留液を海面に放出す
ると泡が海面に多量に発生して、マグロがすでに腐敗若
しくはそれに近い状態にあることが海面の泡からも明ら
かであった。陸揚したマグロにはそのマグロから溶出し
た粘着物が付着して悪臭が発生していた。
0028】〈比較例2〉富山湾で採取した深層水を用
いて実施例1及び2と同様の実験を行った。しかし、図
1のような筋肉組織の維持は困難であって、表1及び表
2に示すような効果が明瞭に発現しなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明による水産生物処理氷によれば、
下記(i)〜(vii)に代表される種々の効果が得ら
れる。 (i)漁獲した水産生物が、特別な鮮度低下防止手段等
によることなく容易かつ高効率に鮮度が維持される。特
に、長期間にわたって鮮度が維持される。 (ii)漁船等が特別な設備を設けることなく用いるこ
とが可能となる 。 (iii)死後の水産生物に氷を接触させるだけで、水
産生物の鮮度が長期間にわたって維持される。 (iv)冷蔵する前の水産生物を氷に短時間接触させる
だけで、冷蔵における鮮度維持が時間及び鮮度の両面で
飛躍的に向上する。 ()従来の冷蔵システムにおける鮮度維持が飛躍的に
向上する。 (vi)従来の冷蔵システム及び氷蔵システムに対する
僅かな付加的操作によって鮮度維持が飛躍的に向上す
る。 (vii)魚類等の保存で生じていた、ドリップの発
生、タンパク質の変性、肉質の損傷及び風味抜け等の品
質低下が商業的に容易に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カツオ肉片の説明図である。
【図2】カツオ肉片の説明図である。
【図3】海洋の水深とリン酸塩の溶存濃度との関係を示
す線図である。
【図4】海洋の水深とケイ酸塩の溶存濃度との関係を示
す線図である。
【図5】海洋の水深と酸素の溶存濃度との関係を示す線
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神沼 二眞 神奈川県川崎市宮前区宮崎1丁目4番40号 −304 フレ−ル宮崎台スカイマンション

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海洋深層水若しくは海洋深層水を含有の水
    からなる液であって、死後の水産生物がその液に漬浸さ
    れた場合に、海洋深層水によって前記水産生物のK値が
    5日経過後においても20%以下に維持可能にされてい
    ること、を特徴とする水産生物処理液。
  2. 【請求項2】海洋深層水を含む水が凍結されている氷で
    あって、死後の水産生物がその氷によって氷蔵された場
    合に、死後の水産生物のK値を5日経過後においても2
    0%以下に維持できる特徴を備えている水産生物処理
    氷。
  3. 【請求項3】下記に定義の水産生物処理氷に対して水産
    生物を鮮度維持に有効な時間接触させてから冷蔵する水
    産生物冷蔵法。水産生物処理氷 水産生物処理氷は、海洋深層水を含む水が凍結されてい
    る氷であって、死後の水産生物がその氷によって氷蔵さ
    れた場合に、死後の水産生物のK値を5日経過後におい
    ても20%以下に維持できる特徴を備えている。
  4. 【請求項4】前記海洋深層水が、下記(A)又は/及び
    (B)の特徴を備えていることを特徴とする請求項1に
    記載の水産生物処理液あるいは請求項2に記載の水産生
    物処理氷又は請求項3に記載の水産生物冷蔵法。 (A)海洋深層水は、約200m〜約1kmの水深の深
    層水及び約1km以深の水深の深層水とを含んでなる。 (B)海洋深層水は、沖縄周辺の海域から採取されたも
    のである。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002233269A (ja) * 2001-02-07 2002-08-20 Toyama Prefecture 深層水を用いた活魚輸送方法
JP2002302401A (ja) * 2001-04-02 2002-10-18 Okinawa Prefecture Deep Ocean Water Development Coop Society 鮮度液及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002233269A (ja) * 2001-02-07 2002-08-20 Toyama Prefecture 深層水を用いた活魚輸送方法
JP2002302401A (ja) * 2001-04-02 2002-10-18 Okinawa Prefecture Deep Ocean Water Development Coop Society 鮮度液及びその製造方法

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