JP2000124564A - 回路基板及びその作製方法 - Google Patents

回路基板及びその作製方法

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JP2000124564A
JP2000124564A JP10289876A JP28987698A JP2000124564A JP 2000124564 A JP2000124564 A JP 2000124564A JP 10289876 A JP10289876 A JP 10289876A JP 28987698 A JP28987698 A JP 28987698A JP 2000124564 A JP2000124564 A JP 2000124564A
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opening
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JP10289876A
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Hiroshi Ogura
洋 小倉
和晃 ▲高▼橋
Kazuaki Takahashi
Taku Fujita
卓 藤田
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Matsushita Communication Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスを用いたエッチングにより、ウエッ
トエッチングでは不可能な環境や人体への負荷低減及び
基板に対する加工自由度の向上を図ること。 【解決手段】 シリコン基板501にドライエッチング
により開口部502を設け、蓋部材504に微細貫通孔
506をドライエッチングにより加工し、金属配線50
3を介しシリコン基板501と蓋部材504を接合す
る。この構造を取ることにより金属配線505は空気を
誘電体とした伝送線路となるため誘電損失を低減するこ
とが可能となる。また、貫通孔506は任意に孔の数も
しくは孔径を変化させることができるので、蓋部材50
4全体の見かけの誘電率を制御することができ、回路設
計自由度の向上が果せるので高性能な回路基板を容易に
製作することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシンニ
ング技術を用いたミリ波又はマイクロ波領域の高周波回
路の回路基板及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロマシニング技術を用いた高周波
回路形成方法の例として、例えば、米国特許第5608
263号に開示された方法が挙げられる。この高周波回
路作製方法においては、(100)面のシリコン基板に
対して、ウェットエッチングによりシリコン結晶面に依
存した54.75°の傾斜を有する開口部を設けてお
り、これにより回路の小型高性能化を実現させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶液を用いるウェット
エッチングは、使用した廃液を処理する必要があり、環
境負荷が大きく、人体に対しての影響も懸念される。さ
らに、溶液を用いたウェットエッチングは、シリコン基
板の結晶方位のエッチングレート差を利用した加工方法
であり、加工後の形状が結晶方位に依存してしまうた
め、自由な加工形状を創生できない。
【0004】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、自由な加工形状を実現することができる回路基板
の作製方法及び回路基板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、プラズ
マを利用したエッチングを行うことにより、ウェットエ
ッチングを用いないで回路基板を作製する方法を提供す
るものである。また、誘電体層として、空気、不活性ガ
ス、又は真空を利用する回路構成とすることで、高性能
な回路基板を実現可能とならしめるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様に係る回路基
板は、開口部を有する基体の前記開口部側の主面上に形
成された第1の金属層と、前記開口部を閉塞するように
配置されており、前記基体主面に対して略垂直方向に貫
通して設けられた複数の貫通孔を有する第1の蓋部材
と、前記蓋部材の前記開口部側の主面に設けられた第2
の金属層と、を具備する構成を採る。
【0007】この構成によれば、シールド構造を持った
マイクロストリップ線路が実現でき、特にミリ波帯にお
ける高周波回路で問題となる放射による伝送損失を低減
することが可能となる。
【0008】本発明の第2の態様に係る回路基板は、第
1の態様において、前記基体が、前記開口部底面から突
出する突起部を有する構成を採る。
【0009】この構成によれば、マイクロストリップ線
路に流れる電流密度を、突起の無い場合と比べて分散さ
せることが可能となるため、導体損失をさらに低減する
ことが可能となる。
【0010】本発明の第3の態様に係る回路基板は、第
1又は第2の態様において、前記第1の蓋部材を所定の
空間部を介して覆うように配置された第2の蓋部材を具
備する構成を採る。この構成によれば、開口部及び微細
貫通孔の空間を密閉することが可能となる。
【0011】本発明の第4の態様に係る回路基板は、第
1から第3のいずれかの態様において、前記開口部、前
記貫通孔、及び前記空間部からなる群より選ばれた少な
くとも一つに不活性ガスを充填させた構成を採る。
【0012】この構成によれば、湿度などの大気の変化
を受けにくい構造であるため、製品の信頼性を高めるこ
とができる。
【0013】本発明の第5の態様に係る回路基板は、基
体主面上に設けられた第1の金属層と、開口部を有し、
前記開口部の底面に前記基体主面に対して略垂直方向に
貫通して設けられた複数の貫通孔を有する蓋部材と、前
記蓋部材の前記開口部の底面に設けられた第2の金属層
と、を具備する構成を採る。
【0014】この構成によれば、空気を誘電体としたマ
イクロストリップ線路が実現できるため、誘電体損によ
る損失を低減できる回路基板を実現できる。
【0015】本発明の第6の態様に係る通信端末装置
は、第1から第5の態様のいずれかの回路基板を備えた
構成を採る。本発明の第7の態様に係る基地局装置は、
第1から第5の態様のいずれかの回路基板を備えた構成
を採る。本発明の第8の態様に係るレーダー装置は、第
1から第5の態様のいずれかの回路基板を備えた構成を
採る。これらの構成によれば、それぞれの装置の高性能
化を図ることができる。
【0016】本発明の第9の態様に係る回路基板の作製
方法は、10-11cm-3を超える真空度の高密度のプラ
ズマが生成させる条件下で、基体主面にドライエッチン
グを行って開口部を形成する工程と、前記開口部を有す
る基体の主面上に金属層を形成する工程と、前記開口部
を閉塞するようにして、誘電体層を備え、かつ、配線パ
ターンを有する誘電体部材を前記金属層上に形成する工
程と、を具備する。
【0017】この方法によれば、溶液を用いないため環
境及び人体への負荷の低減が図れると共に、基体に対す
る任意形状の加工が可能となる。
【0018】本発明の第10の態様に係る回路基板の作
製方法は、第9の態様において、前記誘電体部材が、誘
電体層上に配線パターンを有する金属層を形成すること
により作製される。
【0019】この方法によれば、配線が開口部に対応す
る誘電体上に形成された分布定数線路となる形態になる
ので、Q値(共振の鋭さを示す量)が高くなる。
【0020】本発明の第11の態様に係る回路基板の作
製方法は、第9の態様において、前記誘電体部材が、半
導体基体に10-11cm-3を超える真空度の高密度のプ
ラズマが生成させる条件下でドライエッチングを行って
複数の貫通孔を形成し、前記半導体基体の一方の主面に
配線パターンを有する金属層を形成することにより作製
される。
【0021】この方法によれば、シールド構造を持った
マイクロストリップ線路が実現でき、特にミリ波帯にお
ける高周波回路で問題となる放射による伝送損失を低減
することが可能となる。
【0022】本発明の第12の態様に係る回路基板の作
製方法は、第9から第11のいずれかの態様において、
前記誘電体部材を所定の空間部を介して覆う蓋部材を配
置する工程を具備する。この方法によれば、開口部及び
微細貫通孔の空間を密閉することが可能となる。
【0023】本発明の第13の態様に係る回路基板の作
製方法は、第9から第12のいずれかの態様において、
前記開口部、前記貫通孔、及び前記空間部からなる群よ
り選ばれた少なくとも一つに不活性ガスを封入する工程
を具備する。
【0024】この方法によれば、湿度などの大気の変化
を受けにくい構造であるため、製品の信頼性を高めるこ
とができる。
【0025】本発明の第14の態様に係る回路基板の作
製方法は、第1の基体主面上に第1の金属層を形成する
工程と、10-11cm-3を超える真空度の高密度のプラ
ズマが生成させる条件下で、第2の基体にドライエッチ
ングを行って開口部を形成する工程と、10-11cm-3
を超える真空度の高密度のプラズマが生成させる条件下
で、前記開口部の底面に複数の貫通孔を形成する工程
と、前記開口部の底面に第2の金属層を形成する工程
と、前記開口部を前記第1の基体で閉塞するように前記
第1の基体と前記第2の基体を結合する工程と、を具備
する。
【0026】この方法によれば、空気を誘電体としたマ
イクロストリップ線路が実現できるため、誘電体損によ
る損失を低減できる回路基板を実現できる。
【0027】以下、本発明の実施の形態について、添付
図面を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の一実施の形態に係る
回路基板を示す概念図である。図1(a)は回路基板の
断面図であり、図1(b)は図1(a)に示す回路基板
の最上層の配線を示す平面図である。この配線は、分布
定数線路を構成している。
【0028】図1における回路基板は、シリコンなどの
半導体材料で構成された基体104を有する。この基体
104には、開口部105が形成されている。また、基
体104の表面には、導体膜で構成された配線103が
形成されている。また、基体104上には、薄い誘電体
膜102が形成されている。さらに、誘電体膜102上
には、導体膜で構成され、パターニングされた配線10
1が形成されている。なお、開口部105の深さは、誘
電体膜102の厚さに比べて充分深く設定されている。
また、配線101は、図1(b)に示すようなパターン
で形成されている。この誘電体膜102及び配線101
(金属層)を本明細書中において誘電体部材という。
【0029】このような構成の回路基板では、配線10
1が開口部105に対応する誘電体上に形成された分布
定数線路となる形態になるので、Q値(共振の鋭さを示
す量)が高くなる。
【0030】このような開口部105の形成は、後述す
るガスを用いたエッチングで形成することができる。こ
のようなエッチングによれば、ウェットエッチングでは
回避不可能な環境人体への影響を低減させることがで
き、基板材料の結晶方位に依存されない自由な加工形状
を得ることができる。
【0031】以下、上記回路基板の加工方法について図
2(a)〜(d)を用いて説明する。図2(a)は、加
工が施されていない基体104を示す。図2(b)に示
すように、基体104上に金属材料を被着して金属層を
形成し、この金属層をパターニングして配線103を形
成し、その上に誘電体材料を被着して厚さ0.1〜50
μm程度の誘電体膜102を形成し、その上に金属材料
を被着して金属層を形成し、この金属層をパターニング
して厚さ0.1〜10μm程度の配線101を形成す
る。
【0032】ここで、金属層を形成する方法としては、
スパッタリング法、メッキ法などを挙げることができ
る。配線101,103を構成する材料としては、金、
アルミニウム、銅、銀などを挙げることができる。な
お、配線材料として、金などのように他の材料と密着性
が悪い材料を用いる場合には、下地層と金との間に中間
層としてクロム、チタン、タングステン、ニッケル、ニ
ッケルクロムなどの密着性の良い金属の層を少なくとも
1層形成することが好ましい。これにより、配線材料と
下地層との間の剥離の課題を解決することができる。
【0033】配線101,103の厚さは、伝送線路の
放射損を考慮すると、1〜5μm程度であることが好ま
しい。
【0034】誘電体膜102を形成する方法としては、
スピンコート法など挙げられる。また、誘電体膜102
を構成する誘電体材料としては、誘電率がおおむね12
以下である材料であれば良く、ベンゾシクロブテン(be
nzcyclobutene)、ポリイミド、シリコン酸化物、シリ
コン窒化物などを用いることができる。特に、誘電体材
料として、ベンゾシクロブテンを用いると、例えば誘電
体材料にポリイミドを用いた場合に比べて、膜自体の耐
湿性を向上させることができる。すなわち、ベンゾシク
ロブテンは、大気中の湿度に対する吸湿性が低いため、
高い信頼性の回路基板を作製できる。
【0035】次いで、図2(c)に示すように、配線1
03の端部を露出させるようにして基体104をドライ
エッチングすることにより、配線101のパターンの下
部に対応する基体104に開口部105を形成する。な
お、この開口部105の深さは、深ければ深いほど基体
104の影響がなくなる。
【0036】具体的には、基体104の配線101形成
面と反対の面に、レジストやシリコン酸化膜などで構成
されたマスクパターンを形成した後、後述するプラズマ
装置でエッチング処理を行う。しかしながら、一般のプ
ラズマエッチング装置、例えば反応性イオンエッチング
装置を用いたエッチングでは、生成できるプラズマ密度
が10-10cm-3程度と低く、エッチングレートが極め
て低いため、良好に基体を貫通加工することができな
い。そこで、本実施の形態では、10-12cm-3程度の
高密度のプラズマが生成できる誘導結合型プラズマ源を
用いて、基体104をプラズマエッチングする。また、
一般の誘導結合型プラズマ源を搭載したプラズマエッチ
ング装置は、その構造上大面積基板に対する均一なエッ
チングが難しいので、本実施の形態では、以下に説明す
るエッチング装置を用いる。
【0037】図3は、マルチスパイラルコイル搭載誘導
結合型プラズマ源を用いたプラズマエッチング装置を示
す概略構成図である。図中301は、マルチスパイラル
コイルを示す。このマルチスパイラルコイル301は、
略円筒形状を有するエッチング室302の頂部に設けら
れた石英板303上に設置されている。また、このマル
チスパイラルコイル301には、高周波電源304が接
続されており、高周波を印加できるようになっている。
マルチスパイラルコイル301には、高周波電源304
からマルチスパイラルコイル301に印加した高周波電
力の整合を取るマッチング回路308が接続されてい
る。
【0038】エッチング室302内の底面上には、略円
筒形状を有する電極305が設置されており、電極30
5上には、基板307が載置されている。また、電極3
05には、数百kHz〜13.56MHzの高周波を印
加する高周波電源306が接続されている。また、この
プラズマエッチング装置には、図示しないガス供給部及
びガス排出部が取り付けられている。
【0039】上記構成を有するプラズマエッチング装置
において、基体104にエッチング処理を施す場合、エ
ッチング室302内の電極305上に基板307を載置
し、エッチング室内にエッチングガスを導入し(図示せ
ず)、真空排気系(図示せず)を用いて1〜10Pa程
度の真空状態を保った後、高周波電源304でマルチス
パイラルコイル301に高周波を印加する。これによ
り、エッチング室302内で10-12cm-3程度の高密
度のプラズマが生成する。このように、マルチスパイラ
ルコイル301の使用により、通常のシングルスパイラ
ルコイルよりも高いイオン飽和電流密度が得られる。ま
た、多重の渦で構成されているマルチスパイラルコイル
は、それぞれの渦が中心で回路的に並列に接続されてい
るため、コイル全体のインダクタンスがシングルスパイ
ラルコイルよりも低く、大面積のプラズマ発生に適して
おり、面内均一性を確保して基板307をエッチングす
ることができる。なお、このようなエッチングを実現す
るためには、少なくとも10 -11cm-3を超える真空度
の高密度のプラズマが生成させることが必要である。
【0040】具体的に、基板に対して貫通もしくは深溝
加工を施す場合、すなわち、図1において基体104に
開口部105を形成する場合、図3に示すプラズマエッ
チング装置に、例えばシリコン基板を設置し、第1の工
程としてSF6ガスを供給し、第2の工程として弗化炭
素ガス、例えばC48ガスを導入する。この第1の工程
と第2の工程は、繰り返しながら行なう。
【0041】第1の工程におけるガス流量は、プラズマ
発生効率を考慮すると、50〜200sccm程度であ
ることが好ましい。また、第1の工程におけるエッチン
グ室内圧力は、イオン飽和電流密度を考慮すると、5P
a以下程度であることが好ましい。また、第1の工程に
おいて電極に印加する高周波は、プラズマ発生効率を考
慮すると、500〜2000W程度であることが好まし
い。
【0042】第2の工程におけるガス流量は、プラズマ
発生効率を考慮すると、30〜200程度であることが
好ましい。また、第2の工程におけるエッチング室内圧
力は、イオン飽和電流密度を考慮すると、5Pa程度で
あることが好ましい。また、第2の工程において電極に
印加する高周波は、プラズマ発生効率を考慮すると、5
00〜2000W程度であることが好ましい。
【0043】第1の工程及び第2の工程において、それ
ぞれガスを供給する時間は、1〜10秒程度であること
が好ましい。
【0044】このような工程でエッチングを行うと、シ
リコン基板の垂直加工が達成できる。すなわち、基板材
料の結晶方位に依存されない自由な加工形状を得ること
ができる。第1の工程のみでは、シリコン基板の等方的
なエッチングのみが発生し、おわん状のエッチング形状
となってしまう。これに対して、第1の工程と第2の工
程を交互に繰り返すことにより、第2の工程の際にエッ
チングされたシリコン基板に保護膜(C膜)が形成され
る。第1の工程では、シリコン基板底面へのエッチング
エネルギーが高いため、結果的にシリコン側壁は、保護
膜によりエッチングがあまり進行しない。その結果、シ
リコン基板の垂直なエッチング加工面を得ることができ
るようになる。
【0045】なお、この工程で第1の工程のみ電極30
5に高周波電源306により高周波を印加する方法を導
入すると、第1の工程におけるシリコン底面に対するエ
ッチングエネルギーがより高まり良好なエッチングが可
能となる。発明者の実験によれば、得られるシリコンの
エッチングレートは3μm/分以上であり、一般の溶液
を用いたシリコンウエットエッチングのエッチングレー
トである2μm/分と比べて同等以上のエッチング性能
が得られている。
【0046】また、誘電体膜102を形成する場合にお
いて、誘電体膜102を2層構造とし、基体104側に
近い方の面に、上記ガスプラズマエッチングの際にシリ
コンのエッチング速度と比べて非常に遅いエッチング速
度を示す材料で構成される層を形成すれば、この層がエ
ッチングストッパーとして機能するため、誘電体膜10
2に対してエッチングダメージのない加工を実現するこ
とができる。
【0047】このようなエッチングストッパー材料とし
ては、シリコン酸化物、シリコン窒物、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミ、酸化亜鉛、SiOF等の無機材料や、
PTFE、サイトップ(旭ガラス社商標)などの有機材
料を用いることができる。
【0048】次いで、図2(d)に示すように、前工程
でエッチング加工した基体104に対して、金属層を形
成してパターニングすることにより配線103を形成す
る。このようにして図1(a)に示す回路基板を作製す
ることができる。
【0049】このように、上記方法を用いることによ
り、ウェットエッチングでは回避不可能な環境人体への
影響低減、及び基板の結晶方位に依存されない自由な加
工形状を得る加工を行なうことができる。
【0050】(実施の形態2)図4は、本発明の実施の
形態2に係る回路基板の断面図である。図4において図
1と異なるのは、基体104の開口部105が空孔10
5となっている点である。このように基体104に空孔
105を形成すると、誘電体膜102を形成する場合
に、スピンコート法を採用できない。
【0051】したがって、図4に示す構造を実現するた
めに、空孔105を含む配線103を有する基体104
上に、あらかじめ上述した誘電体材料をフィルム状に加
工し、この誘電体フィルムをラミネーターにより積層す
る。
【0052】このような構造によれば、配線101は空
孔105である誘電体膜上に形成された分布定数線路と
なる形態になるので、実施の形態1と同様に、Q値(共
振の鋭さを示す量)の高い回路基板構造となる。
【0053】(実施の形態3)図5は、本発明の実施の
形態3に係る回路基板の断面図である。図5に示す回路
基板は、図1(a)に示す回路基板の配線101のパタ
ーン上方に、蓋部材を被せた構造を有する。この蓋部材
は、例えばシリコンで構成されたベース材107に上記
ドライエッチング法で矩形状の溝を形成し、その溝内に
金属配線106を形成してなる。
【0054】このような構造によれば、配線101のパ
ターン領域に中空構造を有するので、シールド効果が向
上し、特にミリ波等の高い周波数を用いた時に問題とな
る放射による損失を低減することが可能となる。
【0055】(実施の形態4)図6は、本発明の実施の
形態4に係る回路基板の断面図である。図6において、
シリコン基板501には、開口部が形成されており、シ
リコン基板501の表面上には、開口部の周面を含めて
配線503が形成されている。この配線503は、シリ
コン基板501上に金属をスパッタリングなどの方法に
より被着することにより形成する。
【0056】このシリコン基板501の開口部には、蓋
部材504が被せられている。この蓋部材504は、シ
リコン基板に上述したドライエッチングを施すことによ
り、複数の微細貫通孔506を形成し、さらに微細貫通
孔506を形成したシリコン基板の一方の表面上に配線
505を形成することにより作製する。なお、配線50
5は、シリコン基板上に金属層を形成した後にパターニ
ングすることにより形成する。
【0057】微細貫通孔の径は、使用周波数帯の波長の
1/20以下程度であると、使用は長に与える影響を無
視することが可能となる。また、微細貫通孔の密度は、
高いほど良い。
【0058】このように作製された蓋部材504を、配
線505がシリコン基板501の開口部502に向くよ
うにしてシリコン基板501の開口部領域に被せること
により、本実施の形態に係る回路基板を作製することが
できる。このように微細貫通孔506が形成され配線5
05を有する蓋部材を本明細書中において誘電体部材と
いう。
【0059】このような構造により、シールド構造を持
ったマイクロストリップ線路が実現でき、特にミリ波帯
における高周波回路で問題となる放射による伝送損失を
低減することが可能となる。また、蓋部材504に設け
られた複数の微細貫通孔506は、回路基板全体の比誘
電率をシリコンがもつ固有の比誘電率(約12)以下に
低減させる効果があるとともに、微細貫通孔506の数
や、微細貫通孔の径の大きさを変化させることにより、
任意に基板全体の比誘電率を制御することが可能である
ため、回路基板がもつ固有の比誘電率を起因とする回路
設計上の制約を排除することが可能となる。さらに、微
細貫通孔506を設けることにより、蓋部材504のシ
リコン基板の表面積が大幅に増えるため、回路基板にお
ける放熱効果の向上を果すことも可能となる。
【0060】(実施の形態5)図7は、本発明の実施の
形態5に係る回路基板の断面図である。図7に示す回路
基板は、シリコン基板601上に配線602が形成され
ており、その上に蓋部材603が被せられた構成を有す
る。この蓋部材603は、シリコン基板に上記ドライエ
ッチング方法により開口部607を形成し、開口部60
7の底面に上記ドライエッチング方法により複数の微細
貫通孔606を形成し、その後、開口部607の底面及
び開口部607以外のシリコン基板の表面にそれぞれ配
線605,604を形成することにより作製する。配線
605,604は、微細貫通孔606まで形成したシリ
コン基板の表面(開口部が開口している側の表面)にス
パッタリング法などにより金属層を形成し、パターニン
グすることにより形成する。なお、微細貫通孔の径や微
細貫通孔の密度は、実施の形態5と同様である。
【0061】このように作製された蓋部材603を、配
線605がシリコン基板601の開口部602に向くよ
うにしてシリコン基板601に被せることにより、本実
施の形態に係る回路基板を作製することができる。この
回路基板が図6に示す回路基板と異なる点は、シリコン
基板601側に開口部が設けられていない点である。
【0062】このような構造によれば、空気を誘電体と
したマイクロストリップ線路が実現できるため、誘電体
損による損失を低減できる回路基板を実現できる。
【0063】(実施の形態6)図8は、本発明の実施の
形態6に係る回路基板の断面図である。図8の回路基板
は、シリコン基板501の開口部の中央に突起701を
形成した点で図6に示す回路基板と異なる。
【0064】このような構造によれば、マイクロストリ
ップ線路505に流れる電流密度を、突起の無い場合と
比べて分散させることが可能となるため、導体損失をさ
らに低減することが可能となる。
【0065】(実施の形態7)図9は、本発明の実施の
形態7に係る回路基板の断面図である。図9の回路基板
は、蓋部材504の外側に、他の蓋部材801を被せた
点で図6に示す回路基板と異なる。この蓋部材801
は、シリコン基板に上記ドライエッチング方法により開
口部802を形成することにより作製する。
【0066】この構造により、開口部502,802、
及び微細貫通孔506の空間を密閉することが可能とな
る。この場合、この空間を真空にするか、あるいは窒素
やアルゴンなどの不活性ガスで充填することにより、大
気中の湿度などの影響を受ず、かつ低損失な回路基板を
作製することができる。
【0067】なお、上記実施の形態1から7において、
シリコン基板と蓋部材との結合は、導電性ペースト、は
んだペースト用いる接合の他に、共晶結合、陽極接合な
どの方法で行うことができる。
【0068】本発明は上記実施の形態1〜7に限定され
ず、種々変更して実施することが可能である。また、本
発明の回路基板は、無線通信システムにおける通信端末
装置や基地局装置、さらにレーダー装置に適用すること
ができる。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、環境及び
人体への負荷を低減することができると共に、加工自由
度の高い回路基板作製方法が実現でき、高性能な回路基
板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回路基板の断面図
【図2】上記実施の形態に係る回路基板の作製工程を説
明するための断面図
【図3】上記実施の形態において使用するプラズマエッ
チング装置の概略構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態2に係る回路基板の断面図
【図5】本発明の実施の形態3に係る回路基板の断面図
【図6】本発明の実施の形態4に係る回路基板の断面図
【図7】本発明の実施の形態5に係る回路基板の断面図
【図8】本発明の実施の形態6に係る回路基板の断面図
【図9】本発明の実施の形態7に係る回路基板の断面図
【符号の説明】
101,103,503,505 配線 102 誘電体膜 104 基体 105,502 開口部 501 シリコン基板 504 蓋部材 506 微細貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 卓 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する基体の前記開口部側の主
    面上に形成された第1の金属層と、前記開口部を閉塞す
    るように配置されており、前記基体主面に対して略垂直
    方向に貫通して設けられた複数の貫通孔を有する第1の
    蓋部材と、前記蓋部材の前記開口部側の主面に設けられ
    た第2の金属層と、を具備することを特徴とする回路基
    板。
  2. 【請求項2】 前記基体は、前記開口部底面から突出す
    る突起部を有することを特徴とする請求項1記載の回路
    基板。
  3. 【請求項3】 前記第1の蓋部材を所定の空間部を介し
    て覆うように配置された第2の蓋部材を具備することを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の回路基板。
  4. 【請求項4】 前記開口部、前記貫通孔、及び前記空間
    部からなる群より選ばれた少なくとも一つに不活性ガス
    を充填させたことを特徴とする請求項1から請求項3の
    いずれかに記載の回路基板。
  5. 【請求項5】 基体主面上に設けられた第1の金属層
    と、開口部を有し、前記開口部の底面に前記基体主面に
    対して略垂直方向に貫通して設けられた複数の貫通孔を
    有する蓋部材と、前記蓋部材の前記開口部の底面に設け
    られた第2の金属層と、を具備することを特徴とする回
    路基板。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の回路基板を備えたことを特徴とする通信端末装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の回路基板を備えたことを特徴とする基地局装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の回路基板を備えたことを特徴とするレーダー装置。
  9. 【請求項9】 10-11cm-3程度を超える真空度の高
    密度のプラズマが生成させる条件下で、基体主面にドラ
    イエッチングを行って開口部を形成する工程と、前記開
    口部を有する基体の主面上に金属層を形成する工程と、
    前記開口部を閉塞するようにして、誘電体層を備え、か
    つ、配線パターンを有する誘電体部材を前記金属層上に
    形成する工程と、を具備することを特徴とする回路基板
    の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記誘電体部材は、誘電体層上に配線
    パターンを有する金属層を形成することにより作製され
    ることを特徴とする請求項9記載の回路基板の作製方
    法。
  11. 【請求項11】 前記誘電体部材は、半導体基体に10
    -11cm-3を超える真空度の高密度のプラズマが生成さ
    せる条件下でドライエッチングを行って複数の貫通孔を
    形成し、前記半導体基体の一方の主面に配線パターンを
    有する金属層を形成することにより作製されることを特
    徴とする請求項9記載の回路基板の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記誘電体部材を所定の空間部を介し
    て覆う蓋部材を配置する工程を具備することを特徴とす
    る請求項9から請求項11のいずれかに記載の回路基板
    の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記開口部、前記貫通孔、及び前記空
    間部からなる群より選ばれた少なくとも一つに不活性ガ
    スを封入する工程を具備することを特徴とする請求項9
    から請求項12のいずれかに記載の回路基板の作製方
    法。
  14. 【請求項14】 第1の基体主面上に第1の金属層を形
    成する工程と、10 -11cm-3を超える真空度の高密度
    のプラズマが生成させる条件下で、第2の基体にドライ
    エッチングを行って開口部を形成する工程と、10-11
    cm-3を超える真空度の高密度のプラズマが生成させる
    条件下で、前記開口部の底面に複数の貫通孔を形成する
    工程と、前記開口部の底面に第2の金属層を形成する工
    程と、前記開口部を前記第1の基体で閉塞するように前
    記第1の基体と前記第2の基体を結合する工程と、を具
    備することを特徴とする回路基板の作製方法。
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JP2005536051A (ja) * 2002-08-14 2005-11-24 ペルキンエルメル オプトエレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 基板表面から材料を選択的に除去する方法とウエハー用のマスキング材料およびマスキング材料を伴うウエハー

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JP2005536051A (ja) * 2002-08-14 2005-11-24 ペルキンエルメル オプトエレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 基板表面から材料を選択的に除去する方法とウエハー用のマスキング材料およびマスキング材料を伴うウエハー
US8652343B2 (en) 2002-08-14 2014-02-18 Excelitas Technologies Singapore Pte. Ltd. Method for selectively removing material from the surface of a substrate, masking material for a wafer, and wafer with masking material

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