JP2000123620A - 面状光源 - Google Patents

面状光源

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 青色発光ダイオ―ドを用いた白色可能な面状
光源を実現し、均一な白色発光を観測できる面状光源を
提供する。 【解決手段】 透明な導光板2の端面に発光ダイオード
1が光学的に接続されており、さらに前記導光板2の主
面のいずれか一方に、蛍光を散乱させる白色粉末が塗布
された散乱層3を有し、前記散乱層3と反対側の導光板
2の主面側には透明なフィルム6が設けられており、そ
のフィルム6には前記発光ダイオ―ド1の発光により励
起されて蛍光を発する蛍光物質が具備されており、さら
に、フィルム6の導光板2と接する表面に微細な凹凸を
施している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスプレイのバックラ
イト、照光式操作スイッチ等に使用される面状の光源に
係り、特に液晶ディスプレイのバックライトとして好適
に用いることができる面状光源に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にノート型パソコン、ワープロ等に
使用される液晶のディスプレイのバックライト用の面状
光源には、例えばEL、冷陰極管が使用されている。E
Lはそれ自体が面状光源であり、冷陰極管は拡散板を用
いて面状光源とされ、現在それらのバックライトの発光
色はほとんどが白色とされている。
【0003】一方発光ダイオード(以下LEDと記す)
もバックライト用光源として一部利用されている。しか
しLEDを用いて白色発光を得る場合、従来では青色L
EDの発光出力が数十μWほどしかないため、他の赤色
LED、緑色LEDを用いて白色発光を実現させるに
は、それら各色発光LEDの特性を合致させにくく色変
化が大きいという欠点がある。また、三原色のLEDを
集合させて、同一平面上に幾何学的に同じ位置に配置し
ても、バックライトとしてはそれらのLEDを接近した
位置で視認するため、均一な白色光源にすることは不可
能であった。従って現在白色の液晶バックライトの面状
光源には、大型では冷陰極管、小型〜中型にはELと使
い分けられているのが現状で、LEDを用いた白色発光
のバックライトはほとんど知られていない。
【0004】また、白色発光、あるいはモノクロの光源
として、一部では青色LEDチップの周囲を蛍光物質を
含む樹脂で包囲して色変換する試みもあるが、チップ周
辺は太陽光よりも強い放射強度の光線にさらされるた
め、蛍光物質の劣化が問題となり、特に有機蛍光顔料で
顕著である。更にイオン性の有機染料はチップ近傍では
直流電界により電気泳動を起こし、色調が変化する可能
性がある。また従来の青色LEDは蛍光物質で色変換す
るには十分な出力を有しておらず、たとえ色変換したと
しても実用できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような欠
点を解決するために成されたもので、その目的とすると
ころは、LEDを用い、主としてバックライトとして利
用できる白色発光可能な面状光源を実現すると共に、均
一な白色発光を観測できる面状光源を提供することにあ
り、さらには白色以外の任意色の発光が可能な面状光源
を提供し、信頼性に優れたLEDの特性を利用し、各種
操作スイッチ等に利用することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明の面状光源は、透明
な導光板2の端面の少なくとも一箇所に青色発光ダイオ
ード1が光学的に接続されており、さらに前記導光板2
の主面のいずれか一方に白色粉末が塗布された散乱層3
(以下、散乱層側の主面を第二の主面という。)を有
し、前記散乱層3と反対側の導光板2の主面(以下、第
一の主面という。)側には、透明なフィルム6が設置さ
れており、そのフィルム6の表面あるいは内部には前記
青色発光ダイオード1の発光により励起されて蛍光を発
する蛍光物質が具備されており、さらに、フィルムの導
光板と接する表面に微細な凹凸を施していることを特徴
とする。
【0007】図1は本発明の面状光源の導光板2を第二
の主面側から見た平面図である。導光板2は例えばアク
リル、硝子等の透明な材料よりなり、その導光板2の端
面に青色LED1が埋設されることにより、導光板2と
青色LED1とが光学的に接続されている。なお本発明
において、青色LED1と導光板2の端面とが光学的に
接続されているとは、簡単に言えば、導光板2の端面か
ら青色LEDの光を導入することをいい、例えばこの図
に示すように青色LED1を埋設することはもちろんの
こと、青色LEDを接着したり、また、光フィバー等を
用いて導光板2の端面に青色LEDの発光層を導くこと
によって実現可能である。
【0008】次に、散乱層3は、白色顔料で光を導光板
2内に散乱させている。特に図1では前記散乱層3をス
トライプ状とし、第一の主面側の表面輝度が一定となる
ように、LED1に接近するにつれて、第二の主面側の
単位面積あたりの散乱層3の面積を減じるようなパター
ンとし、さらにはLED1と最も離れた第二の主面の端
部の面積はやや最大面積に比して小さくしている。ここ
で、図1中の■は散乱層3のパターンを表している。図
1では青色LEDを一つの端面に六個配した構造として
いるが、導光板が四角形であれば四方の端面全てにLE
Dを接続してもよいことはいうまでもなく、LEDの個
数も限定するものではない。さらに、LEDの配置状況
により、第一の主面側から観測する発光を面状均一とす
るように散乱層3の塗布形状、塗布状態を適宜変更する
ことができる。
【0009】
【作用】図2は本発明の面状光源を例えば液晶パネルの
バックライトとして実装した場合の模式断面図である。
これは図1に示す面状光源の第二の主面側に、例えばチ
タン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等によ
りなる散乱反射層7と、例えばAlよりなるベース8と
が積層された反射板を設置し、第一の主面側には表面に
微細な凹凸が施された透明なフィルム6が設置され、こ
のフィルム6の凹凸が施された表面上には青色LED1
の発光により励起されて蛍光を発する蛍光物質が塗布さ
れている。
【0010】まず図2の矢印で示すように、青色LED
1から出た光は、チップ近傍で一部導光板2以外の外部
に放射されるが、大部分の光は、導光板2の中を全反射
を繰り返しながら、導光板2の端面に達する。端面に達
した光は端面全てに形成された反射膜4に反射されて、
全反射を繰り返す。この時、導光板2の第二の主面側に
設けられた散乱層3により光は散乱され、散乱された光
の一部は蛍光層5により吸収され同時に波長変換されて
放射され、導光板2の第一の主面側から観測する発光色
はこれらの光を合成した光が観測できる。例えば橙色の
蛍光顔料からなる蛍光層5を設けた面状光源では、先に
述べた作用により、青色LED1からの発光色が白色と
なって観測できる。
【0011】特に本発明では1つの青色LEDの発光波
長はその主発光ピークが500nmよりも短く、その発
光出力は200μW以上、更に好ましくは300μW以
上の出力が必要である。なぜなら発光波長が500nm
以上であると全ての色が実現しにくくなり、またその発
光出力が200μWよりも少ないと、たとえ導光板の端
面に光学的に接続する青色LEDの数を増やしても、充
分な明るさの均一な面状発光の光源が得られにくい傾向
にあるからである。
【0012】また本発明者は特願平5−318267号
で、発光観測面と反対側の導光板の主面側に蛍光散乱層
を形成することにより、均一な白色発光が可能な面状光
源を提案した。しかしこの方法では、得られた面状光源
において、色調を変えるには導光板に形成された蛍光散
乱層を剥して、再び目的の色調となるような蛍光散乱層
を印刷しなければならなかった。ところが本発明では、
蛍光層5と散乱層3がそれぞれ独立し、特に色調を決め
る蛍光層5が脱着可能なフィルム上に形成されているた
め、蛍光層5が形成されたフィルムを変えるだけで簡単
に色調を変化させることができる。また、同時に複数の
色を分割発光させることもできる。
【0013】しかもフィルム6の第一の主面側と接する
表面には凹凸が施されている為、発光された光を散乱さ
せるのに非常に有用であり、またフィルム6が導光板2
に張り付いて干渉縞ができるのを防ぐことができる。
【0014】
【実施例】[実施例1]厚さ2mmのアクリル板の片面
に、図1に示すストライプ状のパターンで、散乱層3を
スクリーン印刷により形成した。散乱層3はチタン酸バ
リウムよりなる白色物質をアクリル系バインダー中に分
散したものを印刷して形成した。
【0015】上記のようにして散乱層3が形成されたア
クリル板を、所望のパターンに従って切断し、アクリル
板の端面(切断面)を全て研磨した後、研磨面にAlよ
りなる反射層4を形成することにより、散乱層3が形成
された導光板2を得た。
【0016】次に、表面に微細な凹凸が施されたフィル
ム6に蛍光層5を形成した。蛍光層5は、赤色蛍光顔料
であるシンロイヒ化学製FA−001と緑色蛍光顔料で
ある同社製FA−005とを等量に混合した蛍光顔料を
アクリル系バインダー中に分散したものを塗布して形成
した。
【0017】前記導光板2の端面に六箇所、穴を設け、
その穴に発光波長480nm、発光出力1200μWを
有する窒化ガリウム系化合物半導体よりなる青色LED
1をそれぞれ1個づつ埋め込んだ。続いて、発光観測面
側には上記のように蛍光層5が形成されたフィルム6
を、散乱層3側にはAlベース8上にチタン酸バリウム
層7が塗布された反射板を設置して、バックライト用光
源としたところ、第一の主面側から完全に面状均一な白
色発光が得られた。輝度は55cd/mであった。
【0018】[実施例2]黄色蛍光染料としてBASF
社のLumogenF Yellow−083と橙色蛍
光染料として同社製Orenge−240とをほぼ等量
混合し、それらとアクリル樹脂をブチルカルビトールア
セテートに溶解した蛍光染料を微細な凹凸が施されたフ
ィルム6上に塗布した。それ以外は実施例1と同様にし
て本発明の面状光源を得たところ、ほぼ均一な面状発光
が観測された。さらに同様にしてバックライト用光源と
したところ、完全に均一な面状発光が観測された。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の面状光源
は、青色LEDを用い、しかも導光板の一方の主面側に
は白色粉末が塗布された散乱層を有し、さらにもう一方
の主面側には青色LEDにより波長変換できる蛍光物質
が塗布された透明なフィルムを設置することにより、信
頼性に優れたLEDによる面状光源を実現することが可
能となった。しかも散乱層の白色粉末は青色LEDの発
光を、反射、拡散させる作用があるため、使用する蛍光
物質の使用量が少なくて済む。更にフィルムに微細な凹
凸を形成することにより、光を散乱させる作用を高め、
フィルムが導光板に張り付いて干渉縞ができるのを防ぐ
ことができる。更に好都合なことには、LEDチップと
蛍光物質とが直接接することがないので、蛍光物質の劣
化が少なく、長期間に渡って面状光源の色調変化を起こ
すことがない。また色調に関しては、蛍光層の蛍光物質
の種類により、白色を含め任意の色調を提供することが
でき、また蛍光物質はフィルムに具備されている為、フ
ィルムを変えるだけで簡単に面状光源の色調を変化させ
ることができる。
【0020】一方蛍光層を励起する側として、最も好ま
しくは使用する青色LEDの発光出力が200μW以上
のものとすることにより、蛍光物質により効率的に波長
変換され大きな面積の明るい面状光源を実現することが
できる。このように、本発明の面状光源は、バックララ
イト用光源としてだけでなく、蛍光物質を利用した照光
式操作スイッチ等に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の面状光源の導光板を散乱
層側から見た平面図。
【図2】 本発明の一実施例の面状光源をバックライト
として実装した場合の模式断面図。
【符号の説明】
1・・・・・青色LED 2・・・・・導光板 3・・・・・散乱層 4・・・・・反射層 5・・・・・蛍光層 6・・・・・フィルム 7・・・・・散乱反射層 8・・・・・Alベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 33/00 G02F 1/1335 530

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な導光板(2)の端面の少なくとも一
    箇所に青色発光ダイオード(1)が光学的に接続されてお
    り、さらに前記導光板(2)の主面のいずれか一方に白色
    粉末が塗布された散乱層(3)を有し、前記散乱層(3)と反
    対側の導光板(2)の主面側には、透明なフィルム(6)が設
    けられており、そのフィルム(6)の表面あるいは内部に
    は前記青色発光ダイオード(1)の発光により励起されて
    蛍光を発する蛍光物質が具備されており、さらに、上記
    フィルムの導光板と接する表面に微細な凹凸が施されて
    いることを特徴とする面状光源。
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