JP2000123418A - 光学情報記録媒体 - Google Patents

光学情報記録媒体

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JP2000123418A
JP2000123418A JP10296360A JP29636098A JP2000123418A JP 2000123418 A JP2000123418 A JP 2000123418A JP 10296360 A JP10296360 A JP 10296360A JP 29636098 A JP29636098 A JP 29636098A JP 2000123418 A JP2000123418 A JP 2000123418A
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JP10296360A
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English (en)
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Hideo Kusada
英夫 草田
Noboru Yamada
昇 山田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録膜を急冷化させることを可能とし、極め
て優れた記録再生特性を有する媒体を提供することを目
的とする。 【解決手段】 相変化型記録媒体において、光学特性が
可逆的に変化する記録層4と、記録層4からみて基板側
とは反対側に、吸収係数k≧0.01かつ、熱伝導率T
c≧0.1(W/cm・K)かつ、30nm≦膜厚t≦
200nmを満たし、kとTcとの関係が0.1exp
(13k)≦Tc≦0.3exp(13k)を満たす少
なくとも一層以上の熱拡散吸収層6を有する構成とする
ことで、記録感度ならびにジッタ特性の優れた光情報記
録媒体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光線の照
射等の光学的な手段を用い、高密度での記録再生特性が
優れた情報の記録再生、書き換え可能な光学情報記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報を大容量に記録でき、高速での再生
及び書き換えが可能な媒体として、光磁気記録媒体や相
変化型記録媒体等が知られている。これらの可搬性に優
れた大容量記録媒体は、高度情報化社会において今後ま
すます需要が増し、アプリケーションの高機能化や、扱
う映像情報の高性能化等に伴い、さらなる高容量化、高
速度化が望まれている。
【0003】これらの光記録媒体は、レーザー光を局所
的に照射することにより生じる記録材料の光学特性の違
いを記録として利用したのもである。例えば光磁気記録
媒体では、磁化状況の違いにより生じる反射光偏向面の
回転角の違いを記録として利用している。相変化型記録
媒体は、特定波長の光に対する反射光量が、結晶状態と
非晶質状態とで異なることを記録として利用しているも
のであり、レーザーの出力パワーを変調させることによ
り記録の消去と上書きの記録を同時に行うことができる
ため、高速で情報信号の書き換えができるという利点が
ある。
【0004】従来の光学情報記録媒体の代表的な層構成
を図4に示す。基板41には例えばポリカーボネート、
ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)等の樹脂ま
たはガラス等が用いられ、レーザー光線を導くための案
内溝が施されている。記録層3は光学特性の異なる状態
を有し、この状態間を可逆的に変化し得る物質からな
る。書き換え型の相変化記録材料の場合、記録層3の材
料としてTeまたはSeを含むいわゆるカルコゲナイド
系材料またはSbを含む材料、例えばTe−Sb−G
e、Te−Sn−Ge、Te−Sb−Ge−Se、Te
−Sn−Ge−Au、Ag−In−Sb−Te、In−
Sb−Se、In−Te−Se等を含む材料が一般的に
用いられている。
【0005】保護層42、44は記録層43の材料の酸
化、蒸発や変形を防止するといった記録層43の保護機
能を担う。また、保護層42,44の膜厚を調節するこ
とにより、光学情報記録媒体の吸収率や、記録部と消去
部の間の反射率差を調節でき、媒体の光学特性の調節機
能も担っている。保護層42,44を構成する材料の条
件としては、上記目的を満たすことばかりでなく、記録
材料や基板1との接着性が良いこと、保護層42,44
自身がクラックを生じない耐候性の良い膜であることが
不可欠である。また、これらの保護層42,44が記録
層に接して用いられる場合は、記録材料の光学的変化を
損なわない材料でなければならない。保護層42,44
の材料としては、ZnS等の硫化物、SiO2、Ta2
5、Al25等の酸化物、GeN、Si34、Al34
等の窒化物、GeON、SiON、AlON等の窒酸化
物、その他炭化物、フッ化物等の誘電体、或いはこれら
適当な組み合わせが提案されている。一般的にはZnS
−SiO2がよく用いられている。反射層45は、一般
にAu、Al、Cr等の金属、又はこれら金属の合金よ
りなり、放熱効果や記録薄膜の効果的な光吸収を目的と
して設けられているが、必須の層ではない。
【0006】また、図中では省略したが、光学情報記録
媒体の酸化、腐食やほこり等の付着の防止を目的とし
て、反射層45の上にオーバーコート層を用いた構成、
或いは紫外線効果樹脂を接着剤として用い、ダミー基板
を張り合わせた構成が一般的に知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来より、媒体を構成
する各層の膜厚を調節して、記録膜の吸収率を調節する
ことにより記録感度を向上させ、小さなレーザーパワー
で記録可能とすることにより各層への熱ストレスを低減
させ、記録再生特性を向上させる技術が広く知られてい
る。この技術は多層での光干渉を応用したものであり、
各膜厚を適宜設計することにより記録膜の光吸収率を高
めることで小さなレーザーパワーで記録可能とする技術
である。
【0008】一方、従来より、記録の書き換えを行った
場合、書き換え後のマーク位置が微妙にずれ、オーバー
ライト歪みが生じるといった現象が知られている。この
歪みが生じる原因は、書き換え前の状態がアモルファス
であるか、結晶であるかによって、レーザー照射時の温
度上昇の様子が異なり、書き換え後のマークが所定の長
さよりずれてしまうためである。これを解決するため
に、アモルファス部の吸収率をAa、結晶部の吸収率を
Acとしたとき、Ac/Aaを1より大きいある一定の
範囲に保つという、いわゆる吸収補正が可能な構成をと
ると、マーク部分での温度上昇が均一となり、書き換え
マーク歪みが生じ難くなる(特開平01−149238
号公報)。
【0009】前記感度を向上させる解決策として、例え
ば、特開平8−17072号公報には基板上に、少なく
とも第1誘電体、記録層、第2誘電体および反射層を順
に積層した構造を有し、第2反射層を透明でなくするこ
とにより、低パワーで記録消去を可能とする提案がなさ
れている。
【0010】また、特開平8−518572号公報に
は、基板上に順に第1保護層、記録層、第2保護層、反
射層を有し、第2保護層の吸収係数kを、0.05≦k
≦2.5とする提案がなされている。同公報では第2保
護層の材料として、1)カーボン、2)カーボンに金属
または半金属を添加した材料、3)窒化アルミニウム、
4)硫化物、酸化物、窒化物、フッ化物、炭化物、また
はそれらの混合物中に金属または半金属を添加して得ら
れたものからなる材料を用いることにより、上記4層構
成ディスクにおいて吸収補正がとりにくくなるという問
題点を解決し、記録ビットの形状や大きさのばらつきを
低減させる提案が示されている。
【0011】すなわち、これまでに、第2誘電体が吸収
をもつことにより、記録感度を向上させ、吸収補正が取
りやすくなる構成とすることが提案されているが、これ
ら提案には第2誘電体層の熱的な特性については何ら触
れられていない。
【0012】すなわち、記録膜近傍の誘電体が吸収を持
つことにより、誘電体自体の発熱ならびに蓄熱により比
較的長時間にわたり記録膜に余分な熱量を与えつづけ
る、いわゆる徐冷化が促進されるため、記録マークを形
成した後、記録マーク周辺の未記録部である結晶状態に
ならってアモルファス化した記録マーク周辺から再結晶
化が起こりやすくなる。このことは、一旦形成した記録
マークを小さくすることであり、また、その再結晶する
領域も記録するマーク長さ、すなわちレーザービームの
照射時間により異なり、消去部の結晶状態と再結晶され
た部分の結晶状態では光学特性が異なる為、記録再生特
性に悪影響を及ぼすこととなる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、相変化型記録
媒体において、光学特性が可逆的に変化する記録層と、
記録層からみて基板側とは反対側に、吸収係数k≧0.
01かつ、熱伝導率TC≧0.1(W/cmK)を満た
す熱拡散吸収層を有し、かつ、kとTCとの関係が0.
1exp(13k) ≦TC≦0.3exp(13k)
を満たし、かつ膜厚tが50nm≦t≦200nmを満
たす少なくとも一層以上の熱拡散吸収層を有することに
より、記録膜を急冷化させることが可能となり、極めて
優れた記録再生特性を有する媒体を提供できることを見
いだした。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に関する光学情報記録媒体
の層構成の例を図1および図2に示す。図1に示す光学
情報記録媒体は、基板1上に、保護層2、記録層4、熱
拡散吸収層6、反射層7がこの順に積層された構成を有
する。また、図2に示す光学情報記録媒体は、基板1上
に、保護層2、拡散防止層3、記録層4、拡散防止層
5、熱拡散吸収層6、反射層7がこの順に積層された構
成を有する。
【0015】但し、本発明は上記構成に限定されるもの
ではなく、記録層4と反射層7の間に、1層以上の熱拡
散吸収層6を有している構成であれば何であっても良
い。
【0016】基板1の材料には、ポリカーボネード、P
MMA等の樹脂、またはガラス等が用いられ、レーザー
光線を導くための案内溝が施されていることが好まし
い。
【0017】保護層2は、記録層4での効果的な光吸収
を可能とする光学特性の調節を主な目的として設けられ
る。保護層2の材料としては、ZnS等の硫化物、Si
2、Ta25、Al23等の酸化物、GeN(但し、
価数は無視)、Si34、Al34等の酸化物、GeO
N、SiON、AlON(但し、価数は無視)等の窒酸
化物、その他炭化物、フッ化物等の記録再生消去に適用
するレーザー光を透過するいわゆる誘電体、あるいはこ
れらの適当な組み合わせ(例えばZnS−SiO2)な
ど、上記目的が達成可能な材料を用いる。
【0018】拡散防止層3または5は、記録層4の酸
化、腐食、変形等の防止といった記録層保護の役割を担
うとともに、記録層4と保護層2との間の原子拡散また
は原子移動(以下、原子拡散と称する)、特に保護層2
中に硫黄または硫化物が含まれる場合、これらの成分が
記録層4へと拡散または移動することを防止するという
役割を担う。この原子拡散を防止することにより、媒体
の繰り返し特性は飛躍的に向上する。原子拡散の防止と
いう観点からすれば、拡散防止層3または5を設ける位
置は、記録層4のいずれか一方であっても両側であって
も良いが、より効果的に防止するためには、両側に設け
ることが好ましい。原子拡散の防止については、記録層
4界面での熱の負荷が大きくかかる側、すなわち、記録
または消去時における記録層4界面での温度上昇が高い
方(多くの場合、これはレーザー入射側となる)の界面
に設けた場合(すなわち拡散防止層3)、非常に顕著に
その効果があらわれる。
【0019】拡散防止層3または5に適応する材料は、
上記の役割を満たす材料であれば良いが、例えばGe
N、GeCrN、CrN、SiN等の窒化物(但し価数
は無視。以下同じ。)GeON、GeCrON、CrO
N、SiON等の窒酸化物、その他炭化物、フッ化物等
の材料、或いは、これらの適当な混合物としても良い。
【0020】拡散防止層3または5の膜厚は、原子拡散
格子効果を確実にするために、その膜厚の下限は1nm
以上であることが好ましい。また、拡散防止層3または
5は記録再生特性に適応するレーザービームが記録層4
に透過すればよく、拡散防止層が光学的に透明な材料で
あれば特に膜厚の上限は限定されないが、吸収をもつ場
合には、記録膜の徐冷化を促進させることとなるため8
nm以下が好ましい。
【0021】次に記録層4の材料としては、光学特性が
可逆的に変化する材料を用いる。相変化型記録媒体の場
合、Sb系またはTe、Seを含むカルコゲナイド系材
料を用いることが好ましい。例えば、Te−Se−G
e、Te−Sn−Ge、Te−Sb−Ge−Se、Te
−Sn−Ge−Au、Ag−In−Sb−Te、In−
Sb−Se、In−Te−Se等を含む材料が挙げられ
る。記録層4中にはAr、Kr等のスパッタガス成分や
H、C、H2O等が不純物として含まれることがあり、
また、種々の目的の為に他の材料を微量添加(例えば約
10at%以下)する場合もあり得るが、これらの構成
を本発明で排除するものではない。
【0022】記録層4の膜厚は1nm以上25nm以下
であることが好ましい。これは膜厚が1nm未満の場合
記録材料が層状になりにくいためであり、25nm以上
のときには記録層面内での熱拡散が大きくなるため、高
密度で記録を行った際に隣接消去が生じやすくなるため
である。
【0023】熱拡散吸収層6は、記録層4が充分な吸収
率を有し、かつ吸収補正を確保できるような構成をとり
やすくする役割と、記録層4或いは/かつ拡散防止層
3、5に照射されたレーザーパワーにより発熱した熱量
を、速やかに熱吸収層としての反射層7に伝達する役割
を担う。これら役割を達成するには、熱拡散吸収層の吸
収係数と熱伝導率を最適な組み合わせにする必要があ
る。
【0024】すなわち、熱拡散吸収層の吸収係数を一定
とする時には、その熱伝導率が高い場合には、記録層で
発生した熱が熱拡散吸収層を介して熱吸収層にすばやく
奪われてしまうため、記録マーク形成に大きなレーザー
パワーが必要となる。このことは、記録膜のみならず、
他の層に多大な熱ストレスを与えることになり、記録再
生特性に悪影響を及ぼす。
【0025】また、熱拡散吸収層の吸収係数が一定のも
とで、熱伝導率が低い場合には、感度は極めて向上し、
少ないレーザーパワーで記録消去が可能となるものの、
記録層4或いは/かつ拡散防止層3、5に照射されたレ
ーザーパワーにより発熱した熱量が拡散されにくくな
り、加えて熱拡散吸収層自身が発熱することにより、記
録膜4に長時間に渡り熱が蓄熱されるため、記録マーク
周辺の再結晶化を促進させることと成り、記録再生特性
に悪影響をおよぼすこととなる。
【0026】すなわち、熱拡散吸収層の吸収係数と熱伝
導率は設計上最適にする必要がある。熱拡散吸収層6を
構成する材料としては、上記の役割を満たすもの材料で
あればよく、吸収係数k≧0.01かつ、熱伝導率TC
≧0.1(W/cmK)を満たし、かつ、kとTCとの
関係が0.1exp(13k) ≦TC≦0.3exp
(13k)を満たす材料であればよいが、窒化物、酸化
物、窒酸化物、硫化物、炭化物、炭化水素化合物、もし
くは炭素、金属、半金属のいずれかを含む材料であれば
好ましい。例えば窒化物としては、SiN、AlN、N
bN、MoN、FeN、TiN、ZrN等(但し、価数
を最適化する必要あり。以下同じ)、酸化物としてはS
iO、TaO、AlO等、窒酸化物としては、SiO
N、AlON、NbN、MoON等、硫化物としてはZ
nS等、炭化物としてはCrC、SiC、AlC、Ti
C、TaC、ZrC等、炭化水素化合物としては炭化水
素系ガスによりCVD形成されるアモルファス炭化水素
膜を用いることができる。金属ならびに半金属としては
Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、M
o、Pd、Ag、In、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Bi等が用い
ることができ、あるいは、これらの適当な混合物として
もよい。
【0027】熱拡散吸収層6の膜厚は、30nm以上2
00nm以下が必須である。さらにいえば100nm以
上150nm以下がより好ましい。膜厚が30nm未満
であると、熱拡散吸収層自身の膜強度が弱くなり、記録
膜の繰り返し特性を劣化させる要因となる。また、20
0nm以上であると熱拡散吸収層の発熱量が高くなるこ
とに加え、熱吸収層に熱が拡散しにくくなる。すなわち
熱伝導率を高くする効果が表れにくくなる構造となるた
め、記録マーク周辺の再結晶化を促進させることとな
り、記録再生特性に悪影響をおよぼすこととなる。さら
には、膜厚が100nm以上150nm 未満であれ
ば、記録部と未記録部での反射率差を大きくとることが
可能となり、再生信号が高くなり、記録再生特性がさら
に良好となるため、熱拡散吸収層の膜厚は100nm以
上150nm未満であることが望ましい。
【0028】反射層7はAu、Ag、Cu、Al、C
r、Ni等の金属、或いは適宜選択された金属の合金に
より形成する。
【0029】信号の記録、消去は、まず媒体を回転制御
装置を用いて回転させ、光学系によりレーザー光を微笑
スポットに絞り込んで、媒体へレーザー光を照射するこ
とにより行う。レーザー光の照射により記録層のうちの
局所的な一部分がアモルファス状態へと可逆的に変化し
うるアモルファス状態生成パワーレベルをP1、同じく
レーザーへの照射により結晶状態へと可逆的に変化しう
る結晶状態生成パワーレベルをP2とし、レーザーパワ
ーをP1とP2の間で変調させることで記録マーク、あ
るいは消去部分を形成し、情報の記録、消去、及び上書
き記録を行う。ここではP1のパワーを照射する場合
は、パルスの列で形成する、いわゆるマルチパルスとす
る。但し、マルチパルスを用いないパルスで構成しても
よい。
【0030】また、前記P1,P2のいずれのパワーレ
ベルよりも低く、そのパワーレベルでのレーザー照射に
よって記録マークの光学的な状態が影響を受けず、かつ
その照射によって媒体から記録マークの再生のため十分
な反射率得られるパワーレベルを再生パワーレベルP3
とし、P3のパワーのレーザー光を照射することにより
得られる媒体からの信号を検出器で読みとり、情報信号
の再生を行う。
【0031】各種条件は例えば以下の通りである。レー
ザー光の波長は650nm、用いる対物レンズの開口数
は0.60、信号方式はEFM変調方式とし、最短ビッ
ト長は0.28ミクロンメータ、レーザー光のトラック
方向の走査速度は12m/sとする。トラックピッチは
1.20ミクロンメータ、即ち0.60ミクロンメータ
ごとに溝部(グルーブとも称される)とランド部(溝部
と溝部との間)が交互に形成されている基板を用いる。
勿論、溝部とランド部の幅の比が異なった基板を用いて
もよい。
【0032】本発明の光学情報記録媒体は上記条件に限
定されるものではなく、波長680nm以下のレーザー
光を適応できることと相俟って、溝方向の記録の最短ビ
ット長が0.40ミクロンメータ/bit以下及び/又
はランドとグルーブの1周期の幅の平均値が平均値が
1.40ミクロンメータ以下という高密度化、またレー
ザー光走査のトラック方向の線速度が8m/s以上とい
う高速化にも対応できるものである。
【0033】本発明の記録再生方法においては、用いる
レーザー光の波長は680nm以下であることが好まし
い。これはレーザー光のスポットサイズが一般的に波長
に比例して大きくなるため、680nmより大きい波長
のレーザー光を用いた場合、高密度での記録が不利にな
るためである。
【0034】また、レーザー光照射のトラック方向の速
度(線速度)は8m/s以上であることが好ましい。よ
り好ましくは9m/s以上である。線速度が速いほど記
録データの読み込み速度が速くなるため、特に高密度記
録を行う場合は高線速度での記録を行うことが求められ
る。拡散防止層を設けている本発明による媒体では高速
機録が可能となるため、高線速度での記録を行う方がよ
い。
【0035】また、溝方向の記録の最短ビット長は0.
40ミクロンメータ/bit以下であることが好まし
い。これ以下の記録密度、即ち最短ビット長が0.40
ミクロンメータ/bitより長い記録密度での記録も可
能であるが、本発明による媒体を用いた場合、溝方向の
記録の最短ビット長が0.40ミクロンメータ/bit
以下での記録、消去が可能となるため、より大容量の媒
体を得ることが可能となるためである。
【0036】また、案内溝の溝部とランド部分の両方で
情報信号の記録、再生、消去を行う、いわゆるランド・
グルーブ記録を行った方が大容量化につながることはい
うまでもない。
【0037】さらに、溝部とランド部の溝方向に方向で
の幅の和の、媒体の全部分での平均は1.40ミクロン
メータ以下であることが好ましい。1.40ミクロンメ
ータ以上であっても記録は可能であるが、1.40ミク
ロンメータ以下の溝を用いて好記録密度を行う方が本発
明による高密度かの効果がより顕著に現れるためであ
る。
【0038】次にこれら光学情報記録媒体の製造法法に
ついて述べる。上記光学情報記録媒体を構成する多層膜
を作成する方法としては、スパッタリング法、真空蒸着
法、CVD等の気相成長法が可能である。ここでは、ス
パッタリング法を用いた。また、熱拡散吸収層の成膜に
ついてはCVD法も用いた。図3にその成膜装置の一例
を示す。
【0039】真空容器31には排気口32を通して真空
ポンプ(図示省略)を接続してあり、真空容器内を高真
空に保つことができるようになっている。真空ポンプに
はクライオポンプ、ターボ分子ポンプ、メカニカルブー
スタ−ポンプ、ロータリーポンプが備えてあり、適宜使
用できるようになっている。ガス供給口33からは、一
定流量の希ガス、窒素、酸素、水素、炭化水素、または
これらの混合ガスを供給することができるようになって
いる。図中34は基板であり、基板の自公転を行うため
の駆動装置35に取り付けられている。この基板を装着
するホルダー36には、外部からの切り替えでアースと
接続もしくはRF高周波を印可できるようになってお
り、スパッタリングを行うときはアースと接続し、CV
Dを行うときはRF電極と接続して使用することができ
る。図中37はスパッタターゲットであり、陰極38に
接続されている。陰極38は、図中では省略したが、ス
イッチを通して直流電源またはRF電源に接続されてい
る。また、ターゲット上方にはシャッター39が設置さ
れており、ターゲット上の汚染を防止している。なお、
真空容器31ならびにシャッター36は、アースと接続
されている。
【0040】本発明の実施例の一つとして、図2の構成
を有する光学情報記録媒体を作成した。ここで、基板1
は厚さ0.6mm、直径120mmのディスク状ポリカ
ーボネート樹脂とし、保護層2はZnSにSiO2を2
0mol%混合した材料、反射層7はAuとした。拡散
防止層3,5はGeN、記録層4の組成をGe34Sb
23Te43とした。熱拡散吸収層はAlNならびにア
モルファス炭化水素膜とした場合について作成した。
【0041】図3に示す装置を用いて、記録層4、及び
保護層2を成膜する際は、Arに窒素を3%混合したガ
スを、全圧が1mTorrとなるように一定の流量で供
給し、陰極にそれぞれDC1.27W/cm2、RF
5.10W/cm2のパワーを投入して行った。反射層
7を成膜する際は、Arガスを全圧2.0mmTorr
となるように供給し、DC4.45W/cm2のパワー
を投入して行った。なお、スパッタガス中の希ガスとし
ては、Ar以外にもKr等のスパッタ可能なガスが用い
られる。
【0042】GeN層を成膜する際はターゲット材料を
Geとした。拡散防止層3,5を成膜する際のスパッタ
ガスはアルゴンと窒素との混合ガス、スパッタガス圧は
10mTorr、スパッタガス中の窒素分圧は40vo
l%、スパッタパワー密度は6.4W/cm2ですべて
共通とした。
【0043】熱拡散吸収層を成膜する際はターゲット材
料をAlとし、スパッタガスはアルゴンと窒素の混合ガ
ス、スパッタガス圧を3〜20mTorr、スパッタガ
ス中の窒素分圧は5%〜50vol%とし、スパッタパ
ワー密度を3〜20W/cm 2として光学特性ならびに
熱特性特性の異なる熱拡散吸収層を用いた。
【0044】上記成膜条件により、吸収係数ならびに熱
伝導率が異なる熱拡散吸収層を有し、その膜厚を変えて
種々の記録媒体A〜Jを作成した。
【0045】また、熱拡散吸収層にアモルファスカーボ
ン膜を熱拡散吸収層とした記録媒体についても作成し
た。以下に記録媒体の作成方法について示す。熱拡散吸
収層6までを上記成膜条件でスパッタリング装置で作成
した後、供給ガスにエチレン、アルゴン、水素の混合ガ
スを適量流し、ガス圧を2〜10mTorrとし、基板
側にRFを印可せしめることにより、エチレン分子なら
びに水素分子を解離させ、基板側に誘発される自己バイ
アスにより、光学特性ならびに熱特性特性の異なる種々
のアモルファス炭化水素膜の形成を行った。なお、供給
ガスとしては、エチレン以外にもメタン、エタン等の炭
化水素系のガスが用いられる。
【0046】上記成膜条件により、吸収係数ならびに熱
伝導率が異なる熱拡散吸収層を有し、その膜厚を変えて
種々の記録媒体K〜Tを作成した。
【0047】このとき作成した熱拡散吸収層の熱伝導率
の測定は以下の方法で行った。上記記録媒体に用いた熱
拡散吸収層のスパッタリング条件と同条件で、3センチ
角、厚さ100ミクロンの石英基板上に別途熱拡散吸収
層を厚さ10ミクロンとなるよう成膜した。そのサンプ
ルの膜面方向の熱伝導率を測定した後、あらかじめ測定
した石英基板の膜面方向の熱伝導率を間引くことによ
り、熱拡散吸収層の熱伝導率を算出した。本測定では石
英基板と熱拡散吸収層の界面は充分に密着していて、面
内には熱抵抗がなく、熱拡散吸収層の膜質が完全に均一
で熱伝導率の値が一定であると仮定して熱拡散吸収層単
体の熱伝導率(W/cm・K)を算出した。
【0048】記録の信号方式はEFM変調方式とし、用
いたレーザーの波長は650nm、対物レンズの開口数
は0.60である。最短マーク長は0.42μm、ディ
スク回転速度は線速8.2m/sで測定を行った。トラ
ックピッチは1.20μm、即ち0.60μmごとに溝
部とランド部が交互に形成される基板を用いた。
【0049】特性の評価は、記録感度、ならび3Tから
11Tの長さのマークを溝部に記録し、マークの前端間
及び後端間のジッタ値をウインドウ幅Tで割った値(以
下ジッタ値)について行った。
【0050】記録感度の評価では、記録レーザーパワー
強度に対して再生信号が飽和値より−3db減少する記
録パワーの1.2倍を記録感度と定義して、記録感度が
10mW未満であったものを○、10mW以上12mW
未満であったものを△、12mW以上であったものを×
として示した。このときの記録感度を、以下に記す評価
での設定パワーとした。
【0051】また、ジッタ値の評価では、EFM変調方
式により最短マーク長が0.42μmとなる場合につい
て3Tから11Tの長さのランダムマークを設定パワー
で10回連続して記録を行ったときのジッタ価が10%
未満のものは○、10%以上11%未満のものは△、1
1%以上のものは×として示した。サンプルA〜Lの媒
体を評価した結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】実施例サンプルA〜EおよびK〜Oのサン
プルはいずれもkとTCとの関係が0.1exp(13
k)≦TC≦0.3exp(13k)を満たしており、
かつ膜厚が30nm以上200nm以下を満たしてい
る。その結果、極めて優れた記録感度特性ならびにジッ
タ特性を示す。しかしながら、0.1exp(13k)
≦TC≦0.3exp(13k)もしくは、膜厚が30
nm以上200nm以下を満たしていない比較例サンプ
ルF〜JおよびP〜Tでは、記録感度およびジッタ値両
方とも充分な特性を満たすディスクが得られていないこ
とがわかる。
【0054】なお上記説明ではディスク状の媒体を用い
て説明したが、カード状、テープ状、ドラム状等、各種
の形状の光記録媒体に応用することは本発明の範囲であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、相変化型記録媒体に
おいて、光学特性が可逆的に変化する記録層と、記録層
からみて基板側とは反対側に、吸収係数k≧0.01か
つ、熱伝導率Tc≧0.1(W/cmK)かつ、30n
m≦膜厚t≦200nmを満たす少なくとも一層以上の
熱拡散吸収層を有し、kとTcとの関係が0.1exp
(13k)≦Tc≦0.3exp(13k)を満たすこ
とにより、記録感度ならびにジッタ特性の優れた光情報
記録媒体が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における層構成例を示す図
【図2】本発明における層構成例を示す図
【図3】成膜装置の一例を示す図
【図4】従来技術での層構成例を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 保護層 3,5 拡散防止層 4 記録層 6 熱拡散吸収層 7 反射層 31 真空容器 32 排気口 33 ガス供給口 34 基板 35 駆動装置 36 基板ホルダー 37 スパッタターゲット 38 陰極 39 シャッター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変化型記録媒体において、光学特性が可逆
    的に変化する記録層と、記録層からみて基板側とは反対
    側に、吸収係数k≧0.01かつ、熱伝導率Tc≧0.
    1(W/cm・K)かつ、30nm≦膜厚t≦200n
    mを満たす少なくとも一層以上の熱拡散吸収層を有し、
    kとTcとの関係が0.1exp(13k)≦Tc≦
    0.3exp(13k)を満たすことを特徴とする光学
    情報記録媒体。
  2. 【請求項2】記録層の少なくとも一方の側に窒化層また
    は窒酸化層または炭化物を含む材料より成る拡散防止層
    を有し、かつ拡散防止層の膜厚が1nm以上であること
    を特徴とする請求項1記載の光学情報記録媒体。
  3. 【請求項3】前記の記録層の膜厚が、1nm以上25n
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の光学情報
    記録媒。
  4. 【請求項4】前記の熱拡散吸収層が、SiN、AlN、
    NbN、MoN、FeN、TiN、ZrN等の窒化物、
    SiO、TaO、AlO等の酸化物、、SiON、Al
    ON、NbN、MoON等の窒酸化物、ZnS等の硫化
    物、CrC、SiC、AlC、TiC、TaC、ZrC
    等の炭化物、アモルファス炭化水素膜の少なくともいず
    れか一種を含む材料であることを特徴とする請求項1記
    載の光学情報記録媒体。
  5. 【請求項5】前記の熱拡散吸収層が請求項4記載の窒化
    物、酸化物、窒酸化物、硫化物、炭化物、アモルファス
    炭化水素膜の少なくともいずれか一種を含む材料に、さ
    らに炭素またはMg、Al、Si、Ti、V、Cr、M
    n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Z
    r、Nb、Mo、Pd、Ag、In、Sn、Sb、T
    e、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pt、Au、Pb、
    Bi等の金属または半金属のうち少なくとも一種以上を
    添付して成るものからなる請求項4記載の光学情報記録
    媒体。
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