JP2000121487A - 空缶等の漏洩検査方法 - Google Patents

空缶等の漏洩検査方法

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JP2000121487A JP10300322A JP30032298A JP2000121487A JP 2000121487 A JP2000121487 A JP 2000121487A JP 10300322 A JP10300322 A JP 10300322A JP 30032298 A JP30032298 A JP 30032298A JP 2000121487 A JP2000121487 A JP 2000121487A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感圧センサーが鈍化したり感度が変動して
も、加圧空気を使用した漏洩検査による適正な合否判定
が維持できる空缶等の漏洩検査方法を提供する。 【解決手段】 被検査品を境にして二つの密封可能な室
4,5に分割してその一方に加圧空気を供給し、他方の
室における圧力を感圧センサー10で測定することによ
り、被検査品Wに空気漏れの有無を検査する方法におい
て、他方の室4が大気に開放されている状態で感圧セン
サー10で大気圧を測定すると共に、一方の室5にに加
圧空気が供給された直後と、供給が停止される直前に、
同じ感圧センサーで再度測定し、それら三つの測定値中
の二つの測定値の差を求めてこれとそれぞれ設定した所
定圧力と比較して被検査品の空気漏れの有無を判定す
る。複数の測定値の差を取ることによって、感圧素子の
劣化幅や変動幅が相殺されて正確な圧力差を検知するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検査物品である
空缶等に生じたピンホール等の有無を、加圧空気を用い
てその漏洩の有無によって検査する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】製缶工程の中で内容物を充填する前の空
缶や缶蓋を閉鎖室内に置き、これに加圧空気を導入した
ときに、被検査物品の空缶等にピンホール等の欠陥箇所
が存在すると、そこから空気が漏洩するので、その漏れ
の有無を感圧センサーで検知する方法や装置が実用化さ
れている。
【0003】特開平7−27662号公報には、缶胴と
缶底を一体的に成形した状態の製品(缶蓋を取り付ける
前の飲み口側が開口した空缶)の検査のため、この空缶
の開口部を密封した状態で収容する密封空間部と、この
空缶とほぼ同じ大きさで空気が侵入しない擬似缶体を収
容した密封空間部とを設け、両密封空間部に0.8〜
1.0Kgf/cm2 の加圧空気を導入し、両密封空間
部間の圧力差を測定する差圧センセーを設けた検査装置
が記載されている。
【0004】また特公平2−5257号公報には、共同
して一つの閉鎖室を構成する上下部品の間に缶蓋を載置
して缶蓋を境として閉鎖室を2室に分割し、一方の室に
加圧空気を供給したときに、他方の室へ漏洩した空気に
伴う空気圧の変化を感圧センサーで検知するようにした
缶蓋エアーテスターにおいて、この缶蓋エアーテスター
への缶蓋供給の中断時に、缶蓋が載置されていない状態
の閉鎖室を一旦大気に開放し、次いで感圧センサーの感
知下限圧力よりも僅かに高い微圧空気を供給してエアー
テスターの感圧機能を検査する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のエアーテスター
に使用される感圧センサーの圧力素子は、圧力を半導体
で電圧等の電気信号に変換するものであり、通常測定範
囲がゲージ圧で±0.3Kgf/cm2 の感圧センサー
が用いられる。これに対して加圧空気圧は、検査速度を
上げるため5Kgf/cm2 前後の高い圧力が使用さ
れ、大きな漏洩箇所のある空缶や、シール不良の状態で
漏洩検査を行ったときに、高い空気圧が漏洩箇所を通し
て感圧センサーの圧力素子に作用し、その繰返しの加圧
により圧力素子の感知能力が鈍化したり、また温度に影
響されて圧力感知能力が変動したりする。
【0006】上記特開平7−27662号公報に記載さ
れた空缶の検査方法では、比較的低い0.8〜1.0K
gf/cm2 の加圧空気を用いるので、差圧センサーの
圧力感知能力の鈍化が抑制されるが、それでも差圧セン
サーの測定範囲より高い圧力が作用することがあり、ま
た温度による圧力感知能力の変動に対応できず、誤作動
の恐れがある。また特公平2−5257号公報に記載さ
れたエアーテスターの感圧機能検査方法では、感圧セン
サーの圧力素子の機能検査を各被検査品ごとに行うので
はなく、缶蓋供給の中断時という不定期ごとに行うもの
であるから、不良感圧センサーによって合格と判定され
た缶蓋の中に不良品が混在する恐れが解消しない。
【0007】本発明は、前記の課題を解決し、感圧セン
サーの圧力感知能力がある程度鈍化したり変動しても、
加圧空気を使用した漏洩検査による適正な合否判定が維
持できる空缶等の漏洩検査方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、共同して一つ
の閉鎖室の形成が可能な上室と下室とを相対的に移動さ
せて閉鎖室の形成と該閉鎖室の開放を繰返す漏洩検査機
の上室と下室との間に被検査品を供給載置し、前記閉鎖
室を被検査品を境にして少なくとも二つの密封可能な室
に分割してその一方の密封室に加圧空気を供給し、他方
の密封室における圧力を感圧センサーで測定することに
より、被検査品の空気漏れの有無を検査する方法におい
て、前記他方の室が大気に開放されている状態で前記感
圧センサーで大気圧を測定してその第1測定値を記憶す
る工程と、前記一方の密封室に加圧空気が供給された直
後に、他方の密封室内の圧力を前記と同じ感圧センサー
で測定してその第2測定値を記憶する工程と、前記一方
の密封室における加圧空気の供給が停止される直前に、
他方の密封室内の圧力を前記と同じ感圧センサーで再度
測定してその第3測定値を記憶する工程と、前記の記憶
した第1ないし第3の三つの測定値中の二つの測定値の
差を求めてこれとそれぞれ設定した所定圧力と比較して
被検査品の空気漏れの有無を判定する工程とからなる空
缶等の漏洩検査方法であって、この被検査品の空気漏れ
の有無を判定する工程を、第2の測定値と第1の測定値
との差及び第3の測定値と第2の測定値との差について
重ねて行うのが好適である。空缶の漏洩有無の判定に用
いられる複数の測定値は、いずれも同じ感圧センサーに
よるものであるから、その感圧センサーの感圧素子が劣
化したり、温度による変動が生じていても、それらの測
定値の差を取ることによって、感圧素子の劣化幅や変動
幅が相殺されて正確な圧力差を検知することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図2は本発明の方法を適用する漏
洩検査機の概要を示す装置全体の斜視図で、この装置の
概略の作動は次のとおりである。被検査品である空缶W
を開口部を下にし、インフィードターレットIでメイン
ターレットMに連続的に送る。メインターレットMには
多数のテストポケットTが設けられ、この各テストポケ
ットTに空缶Wの密封機構、加圧空気の供給機構、感圧
センサー、電磁弁等からなる漏洩検査機構が設置され、
メインターレットMの回転中に各空缶Wの漏洩検査を行
い、検査済みの空缶Wはその検査結果の信号により、デ
ィスチャージターレットDで合格品Woと不良品Wnと
に分別される。
【0010】図1は、前記図2に示す漏洩検査機の各テ
ストポケットTに設置される漏洩検査機構の要部を示す
一部断面図である。図1において、被検査品である空缶
Wは、円筒状の缶胴にタブ付き缶蓋を巻き締めた状態の
もので、これに内容物を充填し、缶底を巻き締めて缶ジ
ュース等として市販されるものである。すなわち、空缶
Wはいわゆる3ピース缶の半製品であって、この空缶W
は開口部を下にして漏洩検査機構に供給される。
【0011】漏洩検査機構は、上室部1とこれに対して
上下動可能な下室部2を備え、両室1,2が当接した状
態では、内部に閉鎖室が形成されるようになっている。
上室部1は空缶Wを入れる内面が円筒状のシリンダー室
3と、その上部に空缶Wの缶蓋に当接する缶押えパット
6及び密封体7を有し、缶押えパット6及び密封体7は
クランプロッド11で上下に駆動される。上室部1の上
部に排気管8とその通路を開閉する電磁弁9及び感圧セ
ンサー10が設けられている。下室部2は内面が円筒状
のシリンダー室12を備え、その中に中子14のピスト
ン部が気密に摺動可能に設けられると共に、シリンダー
室12の上端にゴム製のシールリング13が装着され、
その直下の内面に加圧空気の導入路16の開口が設けら
れている。中子14は昇降ロッド15で上下に駆動さ
れ、シリンダー室12も図示しない駆動機構で上下に駆
動されるようになっている。
【0012】図1に示す状態は、空缶Wが下室部2のシ
ールリング13に載置され、下室部2と中子14とが上
昇して空缶W及びシリンダー室3の開口端が下室部2の
シールリング13の上面に当接し、上下室1,2の内部
に形成される閉鎖室が空缶Wを境として外側閉鎖室4と
内側閉鎖室5の2つに分割されている。この状態で下室
部2の加圧エアー導入路16から所定圧力の加圧空気を
供給すると、加圧空気は内側閉鎖室5に入る。内側閉鎖
室5は中子14で容積を縮小されているので、内側閉鎖
室5内は迅速に所定の圧力となり、この圧力が空缶Wの
内面に作用して空缶Wを少し膨らませる。電磁弁9が閉
じていて外側閉鎖室4が閉鎖状態にあると、外側閉鎖室
4の圧力が上昇し、また空缶Wに漏洩箇所があって加圧
空気が外側閉鎖室4に洩れたときにも外側閉鎖室4の圧
力が上昇し、この圧力上昇が感圧センサー10で検出さ
れることになる。
【0013】
【実施例】図3は漏洩検査機構に空缶Wが供給されてか
ら、内外閉鎖室の形成、漏洩検査、検査後の空缶Wの開
放のための漏洩検査機構の動作を順次示すものである。
図3Aに示すように、下室部2が下降して上室部1と離
れた状態で空缶Wを下室部2のシールリング13上に載
置し、この上室部1内が大気に開放された状態で感圧セ
ンサー10で大気圧を測定し、その値(c)を記憶す
る。次に、図3Bに示すように、缶押えパット6が下降
して空缶Wの蓋を押えて保持する。この状態で下室部2
と中子14とが上昇し(図3C)、上室部1と下室部2
が当接して停止する(図3D)。この状態は図1に示し
たのと同様であり、上下室1,2の内部に形成される閉
鎖室が空缶Wを境として外側閉鎖室4と内側閉鎖室5の
2つに分割されている。
【0014】次に図3Eの状態で、加圧エアー導入路1
6から4Kgf/cm2 の加圧空気を400msecの間内
側閉鎖室5に供給する。この際、加圧空気の供給開始前
100msecから排気管8の電磁弁9を開き、加圧空気の
供給開始後100msec後に閉じる。この電磁弁9の開閉
によって、空缶Wの膨張による外側閉鎖室4内の圧力上
昇を避けて感圧センサー10に測定誤差が発生するのを
防止する。電磁弁9が閉じて外側閉鎖室4が密閉された
直後に、感圧センサー10で外側閉鎖室4内の圧力を測
定してその値(a)を記憶する。空缶Wに大きな漏洩箇
所があると、この値(a)は、先に同じ感圧センサー1
0で測定した大気圧よりかなり大きな値を示すことにな
る。
【0015】加圧空気は、なお供給されており、その供
給終了の直前に再度感圧センサー10で外側閉鎖室4内
の圧力を測定してその値(b)を記憶する。この値
(b)は、空缶Wに微小な漏洩箇所がある場合でも、外
側閉鎖室4に漏洩空気が蓄積されて先の測定値(a)よ
りも大きくなる。
【0016】以上の加圧空気の供給、排気のための電磁
弁9の開閉、感圧センサー10による測定のタイミング
を図4に示す。図4のメインターレットMには、24箇
所にテストポケットTが設けられており、1つの空缶W
がインフィードターレットIでメインターレットMの1
つのそのテストポケットTに供給されたときに、テスト
ポケットTは感圧センサー10で大気圧を測定し、その
値(c)を記憶する。
【0017】メインターレットMは右回りに回転し、そ
の空缶WがセットされたテストポケットTの漏洩検査機
構が図3Dの状態となったときに、外側閉鎖室4内の圧
力上昇を避けるため電磁弁9が開放され、この電磁弁9
は200msec後に閉じる。電磁弁9がまだ開いている状
態で加圧空気の供給が開始され、この加圧空気による加
圧は400msecの間続けられる。電磁弁9が閉じた直後
に、感圧センサー10で測定(a)し、加圧空気の供給
終了の直前に再度感圧センサー10で測定(b)する。
【0018】空缶Wの漏洩有無の判定は、加圧空気の供
給始めの圧力と大気圧の測定値の差(a−c)が、設定
値以上であった場合に不良と判定する。前記の圧力差
(a−c)が設定値以下であっても、加圧空気の供給始
めの圧力と加圧終了直前の圧力差(b−a)が、設定値
以上であった場合にも不良と判定する。また、上記の圧
力差(b−a)に代えて、加圧空気の供給始めと大気圧
との測定値の差(a−c)を用いることができる。空缶
Wの漏洩有無の判定に用いられる測定値(a,b,c)
は、いずれも同じ感圧センサー10によるものであるか
ら、その感圧センサー10の感圧素子が劣化したり、温
度による変動が生じていても、それらの測定値の差を取
ることによって、感圧素子の劣化幅や変動幅が相殺され
て正確な圧力差を検知することができる。
【0019】感圧センサー10による測定が終了する
と、図3に戻って、図3Fに示すように下室部2は空缶
Wを挟持したまま下降し、次いで、図3Gに示すように
下室部2、中子14、缶押えパット6は下死点で停止
し、続いて缶押えパット6が僅かに上昇し(図3H)て
空缶Wの挟持が開放される。この空缶Wは、前記感圧セ
ンサー10の測定値に基づく判定に従って、図2に示す
ディスチャージターレットDで合格品Woと不良品Wn
とに分別される。
【0020】上記の実施例は、空缶の漏洩検査について
記載したが、被検査品は空缶に限らず類似形状の空瓶等
とすることができ、また缶蓋だけの検査にも適用可能で
ある。缶蓋の検査に適用する場合には、特公平3−43
575号公報に記載されたように、漏洩検査機構を、缶
蓋を境にして上下2室の密閉室とするだけでなく、一方
の室を更に缶蓋中央板部密封区と缶蓋周辺部密封区とに
区分するように構成することにより、それぞれの密封区
の空気圧の変化を別個に測定することもできる。感圧セ
ンサーによる大気圧の測定は、実施例に記載した時期に
限らず、上室部1内が大気に開放された状態であればい
つでもよいのは勿論であり、感圧センサーの測定値
(a,b,c)に基づく空缶Wの漏洩有無の判定は、
(b−a)、(a−c)、(b−c)の内の一つとする
ことも、これらの内の二つを組合せて、ダブルチェック
方式とすることもできる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、各被検査品を同一感圧センサ
ーを用いて異なる環境のもとで測定し、得られた複数の
測定値の差を求めて各被検査品の合否判定を行うように
したので、感圧センサーの感圧素子が劣化したり、温度
による変動が生じていても、判定値は劣化幅や変動幅が
相殺されて正確な圧力差を検知することができ、加圧空
気を使用した漏洩検査による適正な合否判定が維持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用する漏洩検査機構の要部を
示す一部断面図。
【図2】本発明の方法を適用する漏洩検査機の概要を示
す全体の斜視図。
【図3】漏洩検査機構の動作を順次示す説明図。
【図4】本発明の測定タイミングを示す説明図。
【符号の説明】
1:上室部 2:下室部 3:シリンダー室 4:外側
閉鎖室 5:内側閉鎖室 6:缶押えパット 7:密封
体 8:排気管 9:電磁弁 10:感圧センサー 1
1:クランプロッド 12:シリンダー室 13:シー
ルリング 14:中子 15:昇降ロッド 16:加圧
エアー導入路 W:空缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 佳三 神奈川県相模原市西橋本5丁目5番1号 大和製罐株式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 2F055 AA13 BB05 CC60 DD20 EE40 FF28 GG03 2G067 AA46 BB01 BB31 DD02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共同して一つの閉鎖室の形成が可能な上
    室と下室とを相対的に移動させて閉鎖室の形成と該閉鎖
    室の開放を繰返す漏洩検査機の上室と下室との間に被検
    査品を供給載置し、前記閉鎖室を被検査品を境にして少
    なくとも二つの密封可能な室に分割してその一方の密封
    室に加圧空気を供給し、他方の密封室における圧力を感
    圧センサーで測定することにより、被検査品に空気漏れ
    の有無を検査する方法において、 前記他方の室が大気に開放されている状態で前記感圧セ
    ンサーで大気圧を測定してその第1測定値を記憶する工
    程と、 前記一方の密封室に加圧空気が供給された直後に、他方
    の密封室内の圧力を前記と同じ感圧センサーで測定して
    その第2測定値を記憶する工程と、 前記一方の密封室における加圧空気の供給が停止される
    直前に、他方の密封室内の圧力を前記と同じ感圧センサ
    ーで再度測定してその第3測定値を記憶する工程と、 前記の記憶した第1ないし第3の三つの測定値中の二つ
    の測定値の差を求めてこれとそれぞれ設定した所定圧力
    と比較して被検査品の空気漏れの有無を判定する工程と
    からなることを特徴とする空缶等の漏洩検査方法。
  2. 【請求項2】前記の記憶した第1ないし第3の三つの測
    定値中の二つの測定値の差を求めてこれとそれぞれ設定
    した所定圧力と比較して被検査品の空気漏れの有無を判
    定する工程を、第2の測定値と第1の測定値との差及び
    第3の測定値と第2の測定値との差について重ねて行う
    ことを特徴とする前記請求項1記載の空缶等の漏洩検査
    方法。
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