JP2000121475A - 静電容量式圧力検出器 - Google Patents

静電容量式圧力検出器

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JP2000121475A
JP2000121475A JP10291829A JP29182998A JP2000121475A JP 2000121475 A JP2000121475 A JP 2000121475A JP 10291829 A JP10291829 A JP 10291829A JP 29182998 A JP29182998 A JP 29182998A JP 2000121475 A JP2000121475 A JP 2000121475A
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JP
Japan
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pressure
capacitor
differential pressure
fixed electrode
differential
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JP10291829A
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English (en)
Inventor
Kimihiro Nakamura
公弘 中村
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検出器の端子と外部回路との接続作業が容易
で、外部回路側の構造を単純な構造にすることができ、
簡単な演算で測定対象圧力を算出することができる静電
容量式圧力検出器を提供する。 【解決手段】差圧検出用のダイアフラム16等と補償部の
空隙72のための凹みとが形成されたシリコン基板1bの両
側に、差圧検出部6aの固定電極25等の固定電極と固定電
極の端子251 等と圧力導入用兼固定電極と端子との接続
用の導圧孔21等とを備えた絶縁基板A2b及び基台5の中
心孔からの圧力を導入する導圧孔31を備えた絶縁基板B
3bが接合されている。差圧検出部6a、絶対圧検出部8a
び補償部ともに1つのコンデンサで構成され、そのコ
ンデンサ内は共通の圧力伝達媒体で満たされ、端子は全
て絶縁基板A2bの上面に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧力に応じて変
位するダイアフラムを可動電極とする静電容量式圧力検
出器に関する。
【0002】
【従来の技術】静電容量式圧力検出器には、差圧、絶対
圧及びゲージ圧を検出するものがある。図4は静電容量
式差圧検出器の従来例であり、図5は差圧と絶対圧とを
1つの検出器で検出する静電容量式圧力検出器の従来例
である。
【0003】図4に示した差圧検出器には、差圧検出部
に加えて、静圧や温度等による圧力伝達媒体の誘電率
の変化を補償するための補償部が備えられている。な
お、図4において、圧力伝達媒体は明示されていない
(他の図においても同様である)。
【0004】導電性材料であり、かつ優れた弾性材料で
あるシリコン基板1には、差圧検出用ダイアフラム16が
両面からのプラズマエッチングによって形成され、補償
の空隙72となる凹みが上面側に同様の方法で形成さ
れている。このシリコン基板1の両側には、絶縁性材料
からなる2つの絶縁性基板(図においては、絶縁基板A
2及び絶縁基板B3)が接合されて一体化され、その一
体化された部材が中央に貫通孔を有する絶縁部材4及び
基台5によって保持されている。
【0005】この絶縁基板A2には、差圧検出部の可
動電極であるダイアフラム16に対向する差圧検出用固定
電極25と、補償部の補償用固定電極26と、外部回路と
接続するために上側表面に形成されている、差圧検出用
固定電極25の端子(図4では単に端子:以後に示す全て
の端子も同様)251 と補償用固定電極26の端子261 とシ
リコン基板1の端子27と、上面側からの圧力を導入し且
つ差圧検出用固定電極25と端子251 とを接続するための
スルホールである導圧孔21と、上面側からの圧力を導入
し且つ補償用固定電極26と端子261 とを接続するための
スルーホールである貫通孔22と、シリコン基板1と端子
27とを接続するスルーホールである貫通孔23とが形成さ
れている。
【0006】絶縁基板B3には、可動電極であるダイア
フラム16に対向する下側の差圧検出用固定電極35と、外
部回路と接続するために下側表面に形成されている差圧
検出用固定電極35の端子351 と、基台5及び絶縁部材4
の貫通孔から印加されるもう一方の圧力を導入し且つ固
定電極35と端子351 とを接続するためのスルホールであ
る導圧孔31とが形成されている。
【0007】絶縁基板A2及び絶縁基板B3は、シリコ
ン基板1の熱膨張係数とほぼ同じ熱膨張係数をもつパイ
レックスガラス等の絶縁性材料からなっている。シリコ
ン基板1と絶縁基板A2及び絶縁基板B3とは静電接合
等の気密性を確保できる接合方法によって接合されてい
る。
【0008】これらの固定電極25等及び端子251 等はス
パッタ法などの方法によりCr/Auの2層積層構造のメタ
ライズ層として形成されており、対応するそれぞれの固
定電極と端子とが導圧孔21等あるいは貫通孔22等を通し
て接続されている。
【0009】差圧検出部は、差圧検出用ダイアフラム
16と差圧検出用固定電極25及び35とで形成され、差動で
動く1対のコンデンサとして構成されている。導圧孔21
から導入される圧力と導圧孔31から導入される圧力との
圧力差によって差圧検出用ダイアフラム16が変位し、そ
の変位に伴う上下2つのコンデンサの静電容量値の変化
量によって圧力差を検出する。補償部は、空隙72を介
したシリコン基板1と補償用固定電極26とで形成される
コンデンサとして構成されている。温度による圧力伝達
媒体の誘電率の変化をこのコンデンサの静電容量値の変
化として検出し、差圧検出部の温度特性を補償する。
これらのコンデンサはシリコン基板1を共通電極として
おり、シリコン基板1は貫通孔23を通して端子27に接続
されている。
【0010】図5に示した圧力検出器には、差圧検出部
と絶対圧検出部とが備えられている。
【0011】導電性材料であり、かつ優れた弾性材料で
あるシリコン基板1aには、差圧検出用ダイアフラム16と
絶対圧検出用ダイアフラム18とが両面からのプラズマエ
ッチングによって形成されている。このシリコン基板1a
の両側には、絶縁性材料からなる2つの絶縁性基板(図
においては、絶縁基板A2a及び絶縁基板B3a)が接合さ
れて一体化され、その一体化された部材が中央に貫通孔
を有する絶縁部材4及び基台5によって保持されてい
る。
【0012】この絶縁基板A2aには、差圧検出部の可
動電極であるダイアフラム16に対向する差圧検出用固定
電極25と、絶対圧検出部の可動電極であるダイアフラ
ム18に対向する絶対圧検出用固定電極28と、外部回路と
接続するために上側表面に形成されている、差圧検出用
固定電極25の端子251 と絶対圧検出用固定電極28の端子
281 とシリコン基板1aの端子27と、上面側からの圧力を
導入し且つ差圧検出用固定電極25と端子251 とを接続す
るためのスルホールである導圧孔21と、上面側から圧力
基準室としての空隙82を真空引きし且つ固定電極28と端
子281 とを接続するためのスルーホールである貫通孔24
と、シリコン基板1aと端子27とを接続するスルーホール
である貫通孔23とが形成されている。
【0013】絶縁基板B3aには、可動電極であるダイア
フラム16に対向する下側の差圧検出用固定電極35と、外
部回路と接続するために下側表面に形成されている差圧
検出用固定電極35の端子351 と、基台5及び絶縁部材4
の貫通孔から印加されるもう一方の圧力を導入し且つ固
定電極35と端子351 とを接続するためのスルホールであ
る導圧孔31と、絶対圧検出部へ圧力を導入するための
導圧孔34とが形成されている。
【0014】絶縁基板A2a及び絶縁基板B3aは、シリコ
ン基板1aの熱膨張係数とほぼ同じ熱膨張係数をもつパイ
レックスガラス等の絶縁性材料からなっている。シリコ
ン基板1aと絶縁基板A2a及び絶縁基板B3aとは静電接合
等の気密性を確保できる接合方法によって接合されてい
る。
【0015】これらの固定電極25等及び端子251 等はス
パッタ法などの方法によりCr/Auの2層積層構造のメタ
ライズ層として形成されており、対応するそれぞれの固
定電極と端子とが導圧孔21等あるいは貫通孔22等を通し
て接続されている。
【0016】差圧検出部は、図4と同様に、差圧検出
用ダイアフラム16と差圧検出用固定電極25及び35とで形
成される1対のコンデンサとして構成されている。導圧
孔21から導入される圧力と導圧孔31から導入される圧力
との圧力差によって差圧検出用ダイアフラム16が変位
し、その変位に伴う上下2つのコンデンサの静電容量値
の変化量によって圧力差を検出する。絶対圧検出部
は、空隙82を介したシリコン基板1aと絶対圧検出用固定
電極28とで形成されるコンデンサとして構成されてい
る。コンデンサのギャップ部に相当する空隙82は真空引
きされた状態で蓋81によって密閉されている。導圧孔34
から導入される圧力によって絶対圧検出用ダイアフラム
18が変位し、その変位に伴うコンデンサの静電容量値の
変化量によって前記圧力を検出する。これらのコンデン
サはシリコン基板1aを共通電極としており、シリコン基
板1aは貫通孔23を通して端子27に接続されている。
【0017】絶対圧検出部の基準圧室でもある空隙82
の真空密閉状態は、真空雰囲気中において、絶縁基板A
2aに形成されている端子281 上に蓋81を拡散接合あるい
は静電接合等の方法によって気密に接合されて形成され
ている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明してきた従
来技術による静電容量式圧力検出器においては、差圧検
出部の下側のコンデンサの固定電極35の端子351 が、
その他の端子251 等とは異なる平面上に形成されてい
る。そのため、異なる平面にまたがって接続作業を実施
することが必要であり、ワークやツールの高さの調節や
ツールと他の部材との位置関係に伴う移動方向の選定等
が必要となる。したがって、接続作業が面倒であり、作
業所要時間も長くなる。当然、端子が接続される外部回
路側の構造も複雑となる。
【0019】この発明の課題は、このような従来技術の
問題点を解消して、静電容量式圧力検出器の端子と外部
回路との接続作業が容易であり、外部回路側の構造を単
純な構造にすることができ、且つ簡単な演算で測定対象
圧力値を算出することができる静電容量式圧力検出器を
提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明においては、圧
力に応じて変位する可動電極としてのダイアフラムを有
する導電性基板と、ダイアフラムに対向する位置に固定
電極及び導圧孔が設けられており、且つ導電性基板の熱
膨張係数とほぼ等しい熱膨張係数を有する絶縁性基板と
が接合されて、可動電極と固定電極とで構成されるコン
デンサの静電容量値によって測定対象圧力値を検出する
圧力検出手段が形成され、圧力伝達媒体としての封入液
が封入されており、圧力や温度等による封入液の誘電率
の変化を補償するための補償用手段が備えられている静
電容量式圧力検出器において、圧力検出手段及び補償用
手段の全ての端子が、絶縁性基板の外側表面の同一平面
上に形成されている(請求項1の発明)。
【0021】全ての端子が絶縁性基板の外側表面の同一
平面上に形成されているので、端子と外部回路との接続
作業を簡単な作業とすることができ、外部回路側の端子
もほぼ同一平面上に揃えることができるから、外部回路
側の構造が単純な構造となる。
【0022】請求項1の発明において、前記圧力検出手
段の単位としての差圧検出ユニットが1つのコンデンサ
を備えた構造であり、補償用手段が電極間隔固定のコン
デンサであり、圧力検出手段の全てのコンデンサ内及び
補償用手段のコンデンサ内には共通の封入液が充填され
ている(請求項2の発明)。
【0023】差圧検出ユニットを1つのコンデンサを備
えた構造とし、補償用手段を電極間隔固定のコンデンサ
とすることによって、全ての圧力検出手段ユニット及び
補償用手段をそれぞれ1つのコンデンサで構成すること
ができる。その結果として、圧力検出手段及び補償用手
段の全ての端子を絶縁性基板の外側表面の同一平面上に
形成することが容易となる。且つ、全てのコンデンサ内
の封入液を共通としているので、検出手段ユニットのコ
ンデンサの静電容量値と補償用手段のコンデンサの静電
容量値との差を検出手段ユニットのコンデンサの静電容
量値で除した値に比例係数を乗ずるというような簡単な
演算で測定対象圧力値を算出することができる。
【0024】請求項2の発明において、差圧検出手段と
して、適用圧力範囲の異なる複数の差圧検出ユニットが
備えられている(請求項3の発明)。
【0025】適用圧力範囲の異なる複数の差圧検出ユニ
ットが備えられているので、1つの静電容量式圧力検出
器で広い範囲の差圧を検出することができる。
【0026】請求項1の発明から請求項3の発明のいず
れかにおいて、導電性基板がシリコンであり、絶縁性基
板がパイレックスガラスである(請求項4の発明)。
【0027】導電性材料としてのシリコンは、弾性変形
範囲が広く、素材の特性のばらつきが少なく、ダイアフ
ラムの加工技術も確立されており、ダイアフラムを形成
する材料として理想的である。また、絶縁性材料として
のパイレックスガラスは、その熱膨張係数がシリコンの
熱膨張係数に極めて近く、接合材料を必要としない静電
接合で接合することができ、絶縁基板A及び絶縁基板B
には最適の材料である。
【0028】
【発明の実施の形態】この発明による静電容量式圧力検
出器の実施の形態を実施例により説明する。なお、従来
技術と同じ機能の部分については同じ符号を付してい
る。
【0029】〔第1の実施例〕図1はこの発明の第1の
実施例の構造を示す断面図であり、図2は図1と同じ構
造の検出部をハーメチックシール9に組み込んだものの
構造を示す断面図である。
【0030】この実施例は、従来例と同様に、導電性基
板としてのシリコン基板1bとその両側に配置された2つ
の絶縁性基板、すなわち絶縁基板A2b及び絶縁基板B3b
と、それらを保持する絶縁部材4及び基台5とで構成さ
れており、差圧検出部6aと、静圧や温度等による圧力伝
達媒体の誘電率の変化を補償するための補償部と、絶
対圧検出部8aとを備えている。なお、図1において、圧
力伝達媒体は明示されていない(他の実施例においても
同様)が、シリコーン等の非圧縮性液体が圧力伝達媒体
として使用されている。
【0031】導電性材料であり、かつ優れた弾性材料で
あるシリコン基板1bには、差圧検出用ダイアフラム16と
絶対圧検出用ダイアフラム18とが両面からのプラズマエ
ッチングによって形成され、補償部の空隙72となる凹
みが上面側に同様の方法で形成されている。このシリコ
ン基板1bの両側には、絶縁性材料からなる2つの絶縁性
基板(図においては、絶縁基板A2b及び絶縁基板B3b)
が接合されて一体化され、その一体化された部材が中央
に貫通孔を有する絶縁部材4及び基台5によって保持さ
れている。
【0032】この絶縁基板A2bには、差圧検出部6aの可
動電極であるダイアフラム16に対向する差圧検出用固定
電極25と、補償部の補償用固定電極26と、絶対圧検出
8aの可動電極であるダイアフラム18に対向する絶対圧
検出用固定電極28と、外部回路と接続するために上側表
面に形成されている、差圧検出用固定電極25の端子251
と補償用固定電極26の端子261 とシリコン基板1の端子
27と絶対圧検出用固定電極28の端子281 と、上面側から
の圧力を導入し且つ差圧検出用固定電極25と端子251 と
を接続するためのスルホールである導圧孔21と、上面側
からの圧力を導入し且つ補償用固定電極26と端子261 と
を接続するためのスルーホールである貫通孔22と、シリ
コン基板1と端子27とを接続するスルーホールである貫
通孔23と、上面側からの圧力を導入し且つ絶対圧用固定
電極28と端子281 とを接続するためのスルーホールであ
る導圧孔24a とが形成されている。
【0033】絶縁基板B3bには、基台5及び絶縁部材4
の貫通孔から印加されるもう一方の圧力を導入する導圧
孔31が形成されている。
【0034】絶縁基板A2b及び絶縁基板B3bは、シリコ
ン基板1bの熱膨張係数とほぼ同じ熱膨張係数をもつパイ
レックスガラス等の絶縁性材料からなっている。シリコ
ン基板1bと絶縁基板A2b及び絶縁基板B3bとは静電接合
等の気密性を確保できる接合方法によって接合されてい
る。
【0035】これらの固定電極25等及び端子251 等はス
パッタ法などの方法によりCr/Auの2層積層構造のメタ
ライズ層として形成されており、対応するそれぞれの固
定電極と端子とが導圧孔21等あるいは貫通孔22等を通し
て接続されている。
【0036】差圧検出部6aは、差圧検出用ダイアフラム
16と差圧検出用固定電極25とで形成される差圧検出用コ
ンデンサとして構成されている。導圧孔21から導入され
る圧力と導圧孔31から導入される圧力との圧力差によっ
て差圧検出用ダイアフラム16が変位する。その変位量Δ
1 は、下記に示すような計算式に基づいて、差圧検出用
コンデンサの静電容量値と次に説明する補償用コンデン
サの静電容量値とから算出される。補償部は、空隙72
を介したシリコン基板1bと補償用固定電極26とで形成さ
れる固定間隔のコンデンサとして構成されている。温度
や圧力による圧力伝達媒体の誘電率の変化等をこのコン
デンサの静電容量値の変化として検出し、差圧検出部6a
のコンデンサの静電容量値を補償する。
【0037】変位量Δ1 の計算式は次のようにして求め
られる。
【0038】計算を単純化するために、差圧検出用コン
デンサの電極面積と補償用コンデンサの電極面積とは同
じでSとし、差圧が零の場合における差圧検出用コンデ
ンサの電極間隔と補償用コンデンサの電極間隔とは同じ
でdとし、空隙62側の圧力(絶対圧)を(P0 +P2
とし、空隙63側の圧力(絶対圧)を(P0 +P1 )とす
ると、差圧検出用コンデンサの静電容量値Cx 、補償用
コンデンサの静電容量値Cr及び差圧(P2 −P1 )に
よる変位量Δ1 は次式で求められる。なお、P0 は大気
圧である。
【0039】 Cx =ε0 εr S/(d+Δ1 ) Cr =ε0 εr S/d Δ1 =k1 (P2 −P1 ) ここで、εr はこの圧力検出器の外側に充填されている
圧力伝達媒体、すなわち空隙62及び空隙72を満たしてい
る圧力伝達媒体、の非誘電率であり、k1 は比例係数で
ある。
【0040】これらの式を用いて、 f1 =−(Cx −Cr )/Cx で定義されるf1 値を求めると、 f1 =Δ1 /d=k1 (P2 −P1 )/d となり、Δ1 を求める式に書き換えると、 Δ1 =df1 となり、Δ1 はdとf1 とで決定され、εr は関係しな
くなる。
【0041】この式より、差圧(P2 −P1 )は、 (P2 −P1 )=df1 /k1 として求められる。
【0042】d/k1 を予め決定しておくことによっ
て、f1 値から差圧(P2 −P1 )を求めることができ
る。このような演算はマイクロプロセッサ等によって容
易に実行することができる。このような簡単な演算で差
圧(P2 −P1 )を求めることができるのは、固定間隔
の補償用コンデンサが備えられ、差圧検出用コンデンサ
と補償用コンデンサとに共通の圧力伝達媒体が充填され
ているからである。また、このような簡単な演算により
差圧(P2 −P1 )を求めることができるので、差圧検
出部6aは1つのコンデンサを備えるだけで済み、差圧検
出部6aの全ての端子が容易に絶縁基板A2bの上側表面に
取り出せるようになる。
【0043】また、絶対圧検出部8aは、絶対圧検出用ダ
イアフラム18と絶対圧検出用固定電極28とで形成される
絶対圧検出用コンデンサとして構成されている。導圧孔
24aから導入される圧力と真空室83内の圧力との圧力差
によって絶対圧検出用ダイアフラム18が変位する。その
変位量Δ2 は差圧検出部6aの場合と同様に求められる。
すなわち、計算を単純化するために、絶対圧検出用コン
デンサの電極面積と補償用コンデンサの電極面積とは同
じでSとし、絶対圧が零の場合における絶対圧検出用コ
ンデンサの電極間隔と補償用コンデンサの電極間隔とは
同じでdとし、空隙82側の圧力(絶対圧)は、差圧検出
6aの空隙62の圧力と同じであるから(P0 +P2 )と
し、真空室83の圧力をPV とすると、絶対圧検出用コン
デンサの静電容量値Cy 、補償用コンデンサの静電容量
値C r 及び絶対圧(P0 +P2 )による変位量Δ2 は次
式で求められる。
【0044】 Cy =ε0 εr S/(d+Δ2 ) Cr =ε0 εr S/d Δ2 =k2 (P0 +P2 −Pv ) ここで、εr はこの圧力検出器の外側に充填されている
圧力伝達媒体、すなわち空隙82及び空隙72を満たしてい
る圧力伝達媒体、の非誘電率であり、k2 は比例係数で
ある。
【0045】これらの式を用いて、 f2 =−(Cy −Cr )/Cy で定義されるf2 値を求めると、 f2 =Δ2 /d=k2 (P0 +P2 −Pv )/d となる。
【0046】k2 /dを予め決定しておくことによっ
て、f2 値から(P0 +P2 −Pv )が求められる。P
v は真空室83の圧力であるから、測定対象圧力に比べて
十分に低く設定されているので無視することができ、 f2 =Δ2 /d≒k2 (P0 +P2 )/d とすることができる。したがって、f2 値から絶対圧
(P0 +P2 )を求めることができる。このような演算
はマイクロプロセッサ等によって容易に実行することが
できる。
【0047】差圧検出部6aの説明及び絶対圧検出部8a
説明から明らかなように、両者の測定対象圧力値の算出
は殆ど同じであり、共に非常に簡単な演算で済む。
【0048】以上の説明においては、各部のコンデンサ
の電極面積が同じであり、電極間隔も同じであるとして
きたが、それぞれの電極面積や電極間隔が異なる場合に
は、それぞれのコンデンサの静電容量値を、電極面積が
同じで電極間隔が同じである場合の静電容量値に換算す
ることによって、全く同様に演算処理することができ
る。
【0049】また、基準圧が大気圧であるゲージ圧を測
定する場合には、差圧検出部6aの基台5側から圧力を大
気圧にするか、絶対圧検出部8aの真空室83に大気圧が導
入できる構造に変更することで実現できる。勿論、この
ような構造のゲージ圧検出部を追加してもよい。ゲージ
圧は上記の説明と全く同様にして測定される。すなわ
ち、差圧検出部6aによる場合には、P1 =0となるだけ
で、他は全く同じであり、絶対圧検出部8aによる場合に
は、Pv =P0 となるだけで、他は全く同じである。
【0050】図2は、以上のような検出部をハーメチッ
クシール9に装着して検出部の端子251 等とガラス封止
部91で絶縁されたリード92とを接続した状態を示すもの
である。リード92の先端の高さを端子251 等が形成され
ている絶縁基板Aの上面の高さに合わせることによっ
て、端子251 等とリード92とのボンディング線100 によ
る接続作業が非常に容易となる。また、このようなリー
ド92の先端の高さが同じであるハーメチックシール9は
構造が単純で製作が容易である。図2においては、ボン
ディング線100 による接続を示したが、ビームリードな
どを適用することもできる。
【0051】〔第2の実施例〕図3は、この発明の第2
の実施例の構造を示す断面図である。この実施例が第1
の実施例と異なる点は、差圧検出部として異なる感度を
もつ2つの差圧検出部6a及び6bを備えていることであ
る。
【0052】第1の実施例に示したのと同じ感度の差圧
検出用ダイアフラム16a とそれよりは感度が低い差圧検
出用ダイアフラム16b とを備え、基台5及び絶縁部材4
の中心孔から導入される第2の圧力(P0 +P1 )がシ
リコン基板1cに形成されている細い溝19によって空隙63
a 及び63b に導かれている。
【0053】差圧値が低い場合には差圧検出部6aで計測
し、差圧値が高い場合には差圧検出部6bで計測する。そ
れぞれの静電容量値から差圧値を求める方法は第1の実
施例と全く同じであるから省略する。
【0054】この実施例においては、2つの差圧検出部
6a及び6bを備えているが、更に多くの差圧検出部を備え
ることも可能であるし、絶対圧検出部を備えることも可
能である。
【0055】以上に説明してきた2つの実施例は共に差
圧検出部6a等を備えているが、差圧検出部を備えない圧
力検出器であってもその有効性に変わりはない。
【0056】以上の説明から明らかなように、この発明
による静電容量式圧力検出器においては、静電容量値か
らダイアフラムの変位量、言い換えれば絶対圧や差圧
等、を算出する演算方式が、単純であり且つ共通の方式
である。この点がこの発明の大きな特徴である。
【0057】このように、この発明による静電容量式圧
力検出器は多くの検出ユニットを集積化することに適し
ており、多機能化とコンパクト化とが同時に実現できる
という優れた利点をもっている。
【0058】
【発明の効果】この発明によれば、圧力に応じて変位す
る可動電極としてのダイアフラムを有する導電性基板
と、ダイアフラムに対向する位置に固定電極及び導圧孔
が設けられており、且つ導電性基板の熱膨張係数とほぼ
等しい熱膨張係数を有する絶縁性基板とが接合されて、
可動電極と固定電極とで構成されるコンデンサの静電容
量値によって測定対象圧力値を検出する圧力検出手段が
形成され、圧力伝達媒体としての封入液が封入されてお
り、圧力や温度等による封入液の誘電率の変化を補償す
るための補償用手段が備えられている静電容量式圧力検
出器において、圧力検出手段及び補償用手段の全ての端
子が、絶縁性基板の外側表面の同一平面上に形成されて
いるので、端子と外部回路との接続作業を簡単な作業と
することができ、外部回路側の端子もほぼ同一平面上に
揃えることができるから、外部回路側の構造が単純な構
造となる。したがって、静電容量式圧力検出器の端子と
外部回路との接続作業が容易であり、且つ外部回路側の
構造を単純な構造にすることができる静電容量式圧力検
出器を提供することができる(請求項1の発明)。
【0059】請求項1の発明において、前記圧力検出手
段の単位としての差圧検出ユニットが1つのコンデンサ
を備えた構造であり、補償用手段が電極間隔固定のコン
デンサであり、圧力検出手段の全てのコンデンサ内及び
補償用手段のコンデンサ内には共通の封入液が充填され
ている(請求項2の発明)。
【0060】差圧検出ユニットを1つのコンデンサを備
えた構造とし、補償用手段を電極間隔固定のコンデンサ
とすることによって、全ての圧力検出手段ユニット及び
補償用手段をそれぞれ1つのコンデンサで構成すること
ができる。その結果として、圧力検出手段及び補償用手
段の全ての端子を絶縁性基板の外側表面の同一平面上に
形成することが容易となる。且つ、全てのコンデンサ内
の封入液を共通としているので、検出手段ユニットのコ
ンデンサの静電容量値と補償用手段のコンデンサの静電
容量値との差を検出手段ユニットのコンデンサの静電容
量値で除した値に比例係数を乗ずるというような簡単な
演算で測定対象圧力値を算出することができる。したが
って、静電容量式圧力検出器の端子と外部回路との接続
作業が極めて容易であり、外部回路側の構造を単純な構
造にすることができ、且つ簡単な演算で測定対象圧力値
を算出することができる静電容量式圧力検出器を提供す
ることができる(請求項2の発明)。
【0061】請求項2の発明において、差圧検出手段と
して、適用圧力範囲の異なる複数の差圧検出ユニットが
備えられているので、1つの静電容量式圧力検出器で広
い範囲の差圧を検出することができる。したがって、測
定差圧の範囲が広く、静電容量式圧力検出器の端子と外
部回路との接続作業が極めて容易であり、外部回路側の
構造を単純な構造にすることができ、且つ簡単な演算で
測定対象圧力値を算出することができる静電容量式圧力
検出器を提供することができる(請求項3の発明)。
【0062】請求項1の発明から請求項3の発明のいず
れかにおいて、導電性基板がシリコンであり、絶縁性基
板がパイレックスガラスである。導電性材料としてのシ
リコンは、弾性変形範囲が広く、素材の特性のばらつき
が少なく、ダイアフラムの加工技術も確立されており、
ダイアフラムを形成する材料として理想的である。ま
た、絶縁性材料としてのパイレックスガラスは、その熱
膨張係数がシリコンの熱膨張係数に極めて近く、接合材
料を必要としない静電接合で接合することができ、絶縁
基板A及び絶縁基板Bには最適の材料である。したがっ
て、静電容量式圧力検出器の端子と外部回路との接続作
業が容易であり、外部回路側の構造を単純な構造にする
ことができ、簡単な演算で測定対象圧力値を算出するこ
とができ、且つ特性が優れている静電容量式圧力検出器
を提供することができる(請求項4の発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による静電容量式圧力検出器の第1の
実施例の構造を示す断面図
【図2】第1の実施例をハーメチックシールに組み込ん
だ適用例の構造を示す断面図
【図3】第2の実施例の構造を示す断面図
【図4】従来技術による静電容量式圧力検出器の1例の
構造を示す断面図
【図5】従来の他例の構造を示す断面図
【符号の説明】
1, 1a, 1b, 1c シリコン基板 16, 16a, 16b 差圧検出用ダイアフラム 18 絶対圧検出用ダイアフラム 19 細い溝 2, 2a, 2b, 2c 絶縁基板A 21, 21a, 21b 導圧孔 22, 23, 24, 24a 貫通孔 25, 25a, 25b 差圧検出用固定電極 251, 251a, 251b 端子 26 補償用固定電極 261 端子 27 端子 28 絶対圧検出用固定電極 281 端子 3, 3a, 3b, 3c 絶縁基板B 31, 34 導圧孔 35 差圧検出用固定電極 351 端子 4 絶縁部材 5 基台 , 6a, 6b 差圧検出部 62, 62a, 62b, 63 空隙 補償部 72 空隙 , 8a, 8b 絶対圧検出部 81 蓋 82 空隙 83 真空室 9 ハーメチックシール 91 ガラス封止部 92 リード 100 ボンディング線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力に応じて変位する可動電極としてのダ
    イアフラムを有する導電性基板と、ダイアフラムに対向
    する位置に固定電極及び導圧孔が設けられており、且つ
    導電性基板の熱膨張係数とほぼ等しい熱膨張係数を有す
    る絶縁性基板とが接合されて、可動電極と固定電極とで
    構成されるコンデンサの静電容量値によって測定対象圧
    力値を検出する圧力検出手段が形成され、圧力伝達媒体
    としての封入液が封入されており、圧力や温度等による
    封入液の誘電率の変化等を補償するための補償用手段が
    備えられている静電容量式圧力検出器において、 圧力検出手段及び補償用手段の全ての端子が、絶縁性基
    板の外側表面の同一平面上に形成されていることを特徴
    とする静電容量式圧力検出器。
  2. 【請求項2】前記圧力検出手段の単位としての差圧検出
    ユニットが1つのコンデンサを備えた構造であり、 補償用手段が電極間隔固定のコンデンサであり、 圧力検出手段の全てのコンデンサ内及び補償用手段のコ
    ンデンサ内には共通の封入液が充填されていることを特
    徴とする請求項1に記載の静電容量式圧力検出器。
  3. 【請求項3】差圧検出手段として、適用圧力範囲の異な
    る複数の差圧検出ユニットが備えられていることを特徴
    とする請求項2に記載の静電容量式圧力検出器。
  4. 【請求項4】導電性基板がシリコンであり、絶縁性基板
    がパイレックスガラスであることを特徴とする請求項1
    から請求項3のいずれかに記載の静電容量式圧力検出
    器。
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