JP2000121330A - 光学式壁面形状測定方法および測定装置 - Google Patents

光学式壁面形状測定方法および測定装置

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JP2000121330A
JP2000121330A JP10290616A JP29061698A JP2000121330A JP 2000121330 A JP2000121330 A JP 2000121330A JP 10290616 A JP10290616 A JP 10290616A JP 29061698 A JP29061698 A JP 29061698A JP 2000121330 A JP2000121330 A JP 2000121330A
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light
optical
shape measuring
hole
wall shape
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JP10290616A
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English (en)
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Nobuhisa Nishioki
暢久 西沖
Kiyokazu Okamoto
清和 岡本
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非貫通の微小径孔の測定を行え、しかも、ワ
ーク材質や測定面粗さに制約を受けることなく精度のよ
い測定を行うことができる光学式壁面形状測定方法およ
び測定装置を提供する。 【解決手段】 照射光学系11からの光束を測定対象穴
2の壁面に照射し、その壁面における反射光を観察像と
して捉え、観察像の像面における位置情報から測定対象
壁面の形状を測定する方法において、前記測定対象穴2
に透明な微小球体3を付着させ、この球体3により入射
光に平行に反射した戻り光を観察光学系21で観察像と
して捉えて微小球体3の空間位置を求め、これらの空間
位置情報により測定対象穴2の形状を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小構造体の壁面
形状、たとえば、小径穴の内径測定などに適用される光
学式壁面形状測定方法および測定装置に関する。
【0002】
【背景技術】穴の内面を接触手段により直接測定するに
は、測定子の大きさにより測定可能な穴径に制約があ
る。そのため、小径穴の内径測定には、光学式測定顕微
鏡や投影機による非接触式測定方法が広く用いられてい
る。しかし、この場合、測定対象となるのは穴端面の形
状で穴形状を代表できるような簿い板状の被測定物にあ
けられたアスペクト比(穴の長さ/内径)の低い小径穴
に限られる。
【0003】これに対して、アスペクト比の高い微小径
穴を測定するために、特開平8−43032号公報(長
野県精密工業拭験所)、特開平8−261725号公報
(第1測範製作所)、あるいは、特願平9−l0591
7号(株式会社ミツトヨ)などが提案されている。これ
らは全て、図1に示すように、穴内部を光が通過すると
きの穴内面での正反射光を利用したものであり、穴の反
対側から出射する光の像から穴径を導くことで非常にア
スペクト比の高い微小径穴の測定を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の方法で
は、必ず光束が穴を通過しなければならず、止まり穴の
ように非貫通形状では如何にアスペクト比が低くとも測
定不可能である。また、噴射ノズルのように、部品単体
では貫通穴となっていても、アセンブリされた状態では
組み合わされた部品が通過光を遮断してしまうので、や
はり測定できない。さらに、貫通形状であっても、穴内
面の表面粗さによっては光束の反射率が低く測定しにく
い、あるいは、測定精度が低くなる場合もあり、材質に
も左右される。
【0005】本発明の目的は、非貫通の微小径孔の測定
も行え、しかも、被測定物の材質や測定面粗さに制約を
受けることなく精度のよい測定を行える光学式壁面形状
測定方法および測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学式壁面形状測定方法は、光束を測定対
象の壁面に照射し、この壁面における反射光を観察像と
して捉え、この観察像の像面における位置情報から前記
測定対象の壁面形状を測定する光学式壁面形状測定方法
において、前記測定対象の壁面上に透明な微小球体を付
着させ、この微小球体により入射光に平行に反射した戻
り光を観察光学系で観察像として捉え、この観察像を基
に前記微小球体の空間位置を求め、この空間位置情報に
より前記測定対象の壁面形状を求めることを特徴とす
る。
【0007】このような測定方法によれば、光束を測定
対象の壁面に照射すると、測定対象の壁面上に付着され
た微小球体により入射光に平行な反射光が入射側に戻っ
てくるので、この戻り光を観察光学系で観察像として捉
える。そして、この観察像を基に微小球体の空間位置を
求めれば、これらの空間位置情報により測定対象の壁面
形状を求めることができる。従って、測定対象の壁面上
に付着された微小球体からの戻り光を利用しているか
ら、非貫通の微小径孔をも測定でき、しかも、被測定物
の材質や表面粗さに制約を受けることなく精度のよい測
定を行える。
【0008】ここで、測定対象の壁面については、穴に
限らず、溝など、微小構造体のあらゆる壁面を含む。穴
の場合でも、非貫通穴(有底穴)であっても、貫通穴で
あっても測定できる。測定対象の壁面が穴の内壁面の場
合、光源からの光を所定の開き角を有するリング状円錐
光束に形成して測定対象穴内に照射すれば、より微小径
穴にも適用できる。つまり、微小径穴内の全周に光束を
均等に照射できるから、観察光学系で観察像として捉え
やすい。
【0009】また、観察像を基に微小球体の空間位置を
求め、この空間位置情報により測定対象の壁面形状、た
とえば、測定対象穴の形状を求めるにあたっては、光源
からの光を所定の開き角を有するリング状円錐光束に形
成して前記測定対象穴に照射する照射光学系と前記測定
対象穴とを、前記照射光学系の光軸中心に沿って相対的
に平行移動させ、前記戻り光を生じている反射点が前記
リング状円錐光束の照射範囲に入ってから出て行くまで
の前記平行移動量と、前記リング状円錐光束の開き角
と、前記観察像面上での前記戻り光による像の移動量と
から、前記反射点の光軸中心からの距離を求めることに
より、前記測定対象穴の形状を測定することができる。
【0010】また、本発明の光学式壁面形状測定装置
は、測定対象の壁面上に付着させた透明な微小球体と、
光源からの光を前記測定対象の壁面に照射する照射光学
系と、前記測定対象の壁面上に付着させた微小球体によ
り入射光に平行に反射した戻り光を観察像として捉える
観察光学系と、前記観察光学系で捉えられた観察像を基
に前記微小球体の空間位置を求め、この空間位置情報か
ら前記測定対象の壁面形状を求める演算手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0011】このような測定装置によれば、照射光学系
によって光束を測定対象の壁面に照射すると、測定対象
の壁面上に付着させた透明な微小球体により入射光に平
行な反射光が入射側に戻ってくるので、この戻り光を観
察光学系で観察像として捉える。演算手段は、この観察
像を基に微小球体の空間位置を求め、この空間位置情報
により測定対象の壁面形状を求める。従って、測定対象
の壁面上に付着された微小球体からの戻り光を利用して
いるから、非貫通の微小径孔をも測定でき、しかも、被
測定物の材質や表面粗さに制約を受けることなく精度の
よい測定を行える。なお、測定結果については、別の表
示手段に数値、あるいは、これと併用する図形データと
して表示することができる。
【0012】ここで、測定対象の壁面が小径穴の場合、
照射光学系は、光源からの光を所定の開き角を有するリ
ング状円錐光束に形成して前記測定対象穴内に照射する
ことが望ましい。このようにすれば、小径穴の全周に光
束を均等に照射できるから、壁面上に付着された微小球
体からの戻り光を観察光学系で観察像として捉えやす
い。
【0013】リング状円錐光束を形成するための具体的
手段としては、たとえば、光源と、この光源からの光を
リング状平行光に生成するリング状平行光生成手段と、
このリング状平行光生成手段からのリング状平行光を焦
点位置に収束させる第1のレンズ手段と、この第1のレ
ンズ手段と焦点位置を共有し第1のレンズ手段を通過し
た光をリング状平行光に生成する第2のレンズ手段と、
この第2のレンズ手段からのリング状平行光を所定の開
き角を有するリング状円錐光束に生成する第3のレンズ
手段とを含む、構成がよい。このような構成とすれば、
第3のレンズ手段に入射するリング状光束は平行光であ
るため、第3のレンズ手段を光軸中心に沿って平行移動
させた場合でも、生成されるリング状円錐光束の開き角
が変化しないので、開き角を変えることなく、リング状
円錐光束の測定対象穴内の照射位置を変化させることが
できる。
【0014】しかも、上記照射光学系の構成において、
第1および第2のレンズ手段の互いに共有する焦点位置
に絞り手段を配置すれば、戻り光と異なる光路をたどる
余分な反射光成分が遮断されるから、戻り光以外の反射
光成分の混入による外乱を除去できる。
【0015】また、観察像を基に微小球体の空間位置を
求め、この空間位置情報により測定対象の壁面形状、た
とえば、測定対象穴の形状を求めるにあたっては、前記
照射光学系と前記測定対象穴とを前記照射光学系の光軸
中心に沿って相対的に平行移動させる相対移動手段を設
けるとともに、前記演算手段は、前記戻り光を生じてい
る反射点が前記リング状円錐光束の照射範囲に入ってか
ら出て行くまでの前記平行移動量と、前記リング状円錐
光束の開き角と、前記観察像面上での前記戻り光による
像の移動量とから、前記反射点の光軸中心からの距離を
求めることにより、前記測定対象穴の形状を測定するこ
とができる。
【0016】また、前記照射光学系と観察光学系とを前
記測定対象穴の開口側に光路を一部共有して配置し、か
つ、これらの照射光学系と観察光学系との間にビームス
プリッタ手段を配置すれば、全体をコンパクトに構成で
きる。
【0017】以上の測定方法および測定装置において、
前記測定対象の壁面が小径穴の内壁面の場合、前記微小
球体の直径が前記小径穴の直径の10分の1以下である
ことが、測定精度上、望ましい。また、実際に計測して
いる反射点の位置は、穴内面上ではなく、微小球体内に
あるため、これが測定誤差として考えられる。そこで、
この点が問題になるのであれば、微小球体の直径が既知
であるものを用いて測定結果を補正するようにすればよ
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。まず、
本発明に係る方法の測定原理を図2〜図6を用いて説明
する。本発明に係る方法の基本原理は、穴の内部に入射
した光線が穴内面の反射点より光源に向けて戻ってくる
現象が起これば、光を入射させた側からの光学的手法に
よる反射点位置の検出が可能である、ということに基づ
く。
【0019】具体的手段として、微小な透明球によるキ
ヤッツアイ効果を利用している。すなわち、図2に示す
ように、透明な球体に光線が入射したとき、球体の特定
の斜面に入射する光は、図中に示す経路をとることにな
るので、入射した光の一部は必ず入射した側に向けて入
射光と平行に戻ってくる。これは、キヤッツアイ効果と
呼ばれるもので、コーナーキューブの安価な代用品とし
て交通標織や夜間安全反射板などで身近に広く利用され
ている。
【0020】以上の透明球体の光学的性質を利用して、
図3に示すように、球体の直径を微小径穴測定の分解能
レベルまで小さくした上で、好ましくは、球体の直径を
小径穴の直径の約10分の1以下にした上で、穴内面に
まばらに付着させれば、穴内面上に特定の反射点を生成
でき、なおかつ、その正確な方位を戻り光により検出で
きる。
【0021】そこで、この特定反射点からの戻り光を用
いて、反射点の位置を測定する原理について説明する。
まず、図4のように開き角α,βが既知であるリング状
円錐光束を用意し、これを図5に示すように測定対象と
なる小径穴2内面に対して入射させる。通常、微小な穴
内面に入射される光は角度が浅いので全て正反射してし
まい、反射した点から入射側に戻ることはない。そこ
で、透明な微小球体3を穴2の内面にまばらに付着した
状態に予め処理しておく。なお、微小球体(球状粉末)
3の製作と付着処理は現在の粉体技術で十分実現可能で
あるため、具体的な手順についてはここでは言及しな
い。
【0022】微小球体3を内面に付着させた穴2に向け
て、リング状円錐光束を入射すると、微小球体3に当っ
た光の一部が戻り光として入射側に返ってくる。もし、
入射する側にスクリーンなどを配置して像面を観察すれ
ば、微小球体3からの戻り光による光点が得られる。こ
の像面上の光点の位置を以下に述べる手順で検出処理す
ることで、穴2内面での微小球体3による反射点の位
置、すなわち、穴形状を測定することができる。
【0023】図6に具体的な測定原理について示す。こ
こでは、説明を簡単にするため、反射点を生成する微小
球体の一つだけについて着目する。図に示すように、被
測定物1と光学系(リング状円錘光束を発生する光学
系)を光軸中心に沿って平行に相対移動させる。する
と、微小球体3が入射光の照射範囲に入り、投影像面上
のある位置に光点が生じる(Q1)。さらに移動させる
と、光点は像面上を放射方向に移動していき、微小球体
3が入射光の照射範囲から外れたとき像面上にあった光
点は消える(Q2)。光点を生成している微小球体3に
よる反射点の位置をPとすると、投影像面の中心を原点
とする極座標系を用いて、P=(R,L,θ)で表現で
きる。
【0024】ここで、θは像面上の二次元位置を検出す
ることで直接得ることができるので、残ったRとLにつ
いて既知量と他の検出量から算出することで、Pの位置
を幾何学的に特定できる。実際の算出については、Ql
の点からQ2の点まで光点を移動させるのに必要な平行
移動量Lzmを検出すれば、既知量α,βおよび像面上
での移動距離Ldsを用いて次の式で幾何学的にRとL
を求めることができる。
【0025】 R=(Lzm・tanα+Lds)tanβ/(tanα−tanβ)………(1) L=(Lzm・tanα+Lds)/(tanα−tanβ) ………(2)
【0026】以上のように反射点の位置測定を穴内面に
まばらに付着した微小球体3全てに対して行うことで、
穴形状の座標データ取得による測定を行っていく。これ
により、非貫通穴内面の光学的手法による測定が可能と
なる。なお、本測定方法で実際に計測している反射点の
位置は穴内面上ではなく微小球体3内にある。それによ
る測定誤差が問題となるのであれば、十分に小さな球を
用いるか、球径が既知のものを用いて補正計算を行えば
よい。
【0027】次に、上述の測定原理を用いて被測定物1
の穴径測定を行うための具体的な装置構成を、図7を用
いて説明する。図における測定装置は、被測定物1の測
定対象穴2の壁面に付着させた透明な微小球体3と、光
源(図示省略)からの光を所定の開き角を有するリング
状円錐光束に形成して前記測定対象穴2の壁面に照射す
る照射光学系11と、前記測定対象穴2の壁面に付着し
た微小球体3により入射光に平行に反射した戻り光を観
察像として捉える観察光学系21と、前記照射光学系1
1および観察光学系21の間に挿入されたビームスプリ
ッタ手段31と、前記被測定物1と照射光学系11とを
照射光学系11の光軸方向へ平行的に相対移動させる相
対移動手段41と、装置全体を駆動させるとともに、前
記観察光学系21で捉えられた観察像を基に前記微小球
体3の空間位置を求め、この空間位置情報から前記測定
対象穴2の形状を求める演算手段としての演算制御手段
51と、を備える。
【0028】前記照射光学系11は、光源からの光をリ
ング状平行光に生成するリング状平行光生成手段12
と、このリング状平行光生成手段12からのリング状平
行光を焦点位置に収束させる第1のレンズ手段13と、
この第1のレンズ手段13と焦点位置を共有し第1のレ
ンズ手段13を通過した光をリング状平行光に生成する
第2のレンズ手段14と、この第2のレンズ手段14か
らのリング状平行光を所定の開き角を有するリング状円
錐光束に生成する第3のレンズ手段15とから構成され
ている。
【0029】ここで、リング状平行光生成手段12にお
けるリング状平行光の生成方法については、各種あるの
で説明を省略するが、光束内部の光強度がなるべく均一
なものが望ましい。また、レンズ手段13,14,15
の実現方法は、単レンズだけでなく、複数のレンズの組
合せでもよく、あるいは、非球面なものを用いてもよ
い。さらに、第1および第2のレンズ手段13,14の
互いに共有する焦点位置に絞り手段16を配置し、これ
により、収束された光だけを通過させるようにしてあ
る。
【0030】前記観察光学系21は、照射光学系11と
ともに測定対象穴2の同一開口側に配置され、かつ、照
射光学系11と光路を一部共有、つまり、前記第3のレ
ンズ手段15、第2のレンズ手段14および第1のレン
ズ手段13を共有し、これらを経由して戻ってきた戻り
光をビームスプリッタ手段31で照射光学系11から分
離し、二次元センサなどの画像検出手段22で光束範囲
内での位置情報として検出する。画像検出手段22で検
出された位置情報は、演算制御手段51に入力される。
【0031】前記相対移動手段41は、前記被測定物1
を載置したテーブル42と、このテーブル42を照射光
学系11の光軸中心に沿って平行的に移動させる駆動モ
ータ43とから構成されている。駆動モータ43の回転
角、つまり、テーブル42の移動量は、ロータリエンコ
ーダなどの移動量検出手段44によって検出されたの
ち、前記演算制御手段51に入力される。
【0032】前記演算制御手段51には、予め前述する
幾何計算式を実行するための計算ソフトが内蔵され、付
属キーボードの入力操作による計算ソフトの立上げによ
り、照射光学系11の光源の起動、画像データの取入
れ、駆動モータ43の正逆転駆動、移動量検出手段44
から取入れたデータを元に移動量の検出を行い、これら
に基づき幾何計算を実行し、その結果を付属モニタ順次
表示する。
【0033】以上において、計算ソフトの起動により照
射光学系11から被測定物1に向けて光が照射され、次
の測定モードが実行される。まず、照射光学系11にお
いて、光源から出光する図中実線で示すリング状平行光
は、ビームスプリッタ手段31に導かれる。ビームスプ
リッタ手段31を透過したリング状平行光は、第1のレ
ンズ手段13によって収束されたのち、第2のレンズ手
段14によってリング状平行光に戻される。第2のレン
ズ14を通過したリング状平行光は、第3のレンズ手段
15によって、既知の開き角を有するリング状円錐光束
に生成され、被測定物1の穴2内部に照射される。
【0034】被測定物1の穴2内周面には、測定に先立
つ前処理により、微小球体3がまばらに付着されてい
る。穴の2内面に向けて入射されたリング状円錐光束の
範囲内にある微小球体3に当った光は、前述のキャッツ
アイ効果によりその一部が入射光と平行な、図中破線で
示す戻り光となって光源側に戻ってくる。このとき、微
小球体3による戻り光は入射光と平行であるため、必ず
絞り手段16を通過するが、被測定物1の穴底面や段差
等による不要な反射光成分は入射光と平行でないので、
絞り手段16を通過することはない。つまり、絞り手段
16の配置により余分な反射光を遮断でき、S/N改善
を行うことができる。
【0035】微小球体3によって生じた戻り光は、照射
光に対して90°偏光しているため、ビームスプリッタ
手段31により90°反射され、画像検出手段22によ
り検出される。この検出画像は先の図5、6に示したス
クリーンイメージ図形の光点と同様の分布で検出され、
それぞれの光点は光軸中心からのX,Y座標を持つ電気
信号に変換され、演算制御手段51側に取入れられる。
【0036】この状態において、演算制御手段51は、
テーブル42をその原点位置から駆動モータ43を駆動
して平行移動させつつ、その移動量を移動量検出手段4
4により検出することにより、全ての光点が生じてから
消えるまでの間の移動量Lzmを順次モニターしつつ、
その値Q1,Q2を元に前述の幾何計算式に基づきそれ
ぞれの計算を実行し、その実行結果を付属モニタに順次
表示する。すなわち、穴に入射するリング状円錐光束の
開き角α,βは第3のレンズ手段15の特性値より既知
量あるので、演算制御手段51内では、モニタした平行
移動量Lzmと、これに対する画像検出手段22上に検
出される各光点の挙動、つまり、移動距離Ldsとか
ら、前述の式(1)(2)に基づき穴形状の演算が順次
が行われる。
【0037】なお、演算結果の表示形態としては、計算
ソフトのアルゴリズムに応じて、たとえば、被測定物1
の穴が円穴であれば、その平均半径または直径、真円
度、最大および最小値、偏差値などの数値表示のほか
に、二次元ないしは三次元図形なども併せて表示できる
ことは勿論である。
【0038】以上の測定モードは、テーブル42が原点
位置から限界位置まで平行移動するまで継続し、限界位
置、すなわち、穴の最奥部または最前部側であって、全
ての光点が消去されたと判断されると、演算制御手段5
1はモータ43の駆動を停止し、再びテーブル42を原
点位置に戻す制御がなされ、テーブル42が原点位置に
復帰した後、モニタに終了表示が表示される。従って、
その後は、キーボード操作により終了処理、あるいは必
要に応じて保存処理後、終了処理を実行すれば、再び計
測モード待機状態となる。
【0039】なお、微小球体3の直径が既知のものを用
いる場合には、キーボード入力などによってその値を入
力することで、前記計測値の補正データを得られるよう
にするプログラムを組んでおくことも可能であり、この
場合にはさらに測定精度が高いものとなる。また、処理
手段としてパソコンではなく、専用の処理装置に代替で
きることも勿論である。
【0040】さらに、以上の実施形態では、テーブル4
2側を平行移動したが、テーブル42を固定とし、第3
のレンズ手段15側を平行移動させてもよい。さらに、
本発明では貫通孔にも適用できるほか、円穴に限らず、
あらゆる形状の穴や溝などにも適合できることも勿論で
ある。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学式壁面形状
測定方法および測定装置によれば、非貫通の微小径孔の
測定を行え、しかも、被測定物の材質や表面粗さに制約
を受けることなく精度のよい測定を行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の概念を示す説明図である。
【図2】本発明の測定方法に用いる透明球体によるキャ
ッツアイ効果を示す説明図である。
【図3】微小球体による特定反射点の説明図である。
【図4】開き角を有するリング状円錐光束およびそのス
クリーン投影パターンを示す説明図である。
【図5】微小球体からの戻り光による光点分布を示す説
明図である。
【図6】本発明の測定方法の基本原理を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の測定装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被測定物 2 測定対象穴 3 微小球体 11 照射光学系 12 リング状平行光形成手段 13 第1のレンズ手段 14 第2のレンズ手段 15 第3のレンズ手段 16 絞り手段 21 観察光学系 22 画像検出手段 31 ビームスプリッタ手段 41 相対移動手段 42 テーブル 43 駆動モータ 44 移動量検出手段 51 演算制御手段(演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA03 AA04 AA19 AA27 AA51 FF01 FF04 FF17 FF67 HH01 JJ03 JJ14 JJ19 JJ26 LL11 LL30 MM03 PP12 QQ17 SS02 SS03 SS13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光束を測定対象の壁面に照射し、この壁
    面における反射光を観察像として捉え、この観察像の像
    面における位置情報から前記測定対象の壁面形状を測定
    する光学式壁面形状測定方法において、 前記測定対象の壁面上に透明な微小球体を付着させ、こ
    の微小球体により入射光に平行に反射した戻り光を観察
    光学系で観察像として捉え、この観察像を基に前記微小
    球体の空間位置を求め、この空間位置情報により前記測
    定対象の壁面形状を求めることを特徴とする光学式壁面
    形状測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学式壁面形状測定方
    法において、 前記測定対象の壁面は小径穴の内壁面であり、前記微小
    球体の直径が前記小径穴の直径の10分の1以下である
    ことを特微とする光学式壁面形状測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光学式壁面形状測定方
    法において、 光源からの光を所定の開き角を有するリング状円錐光束
    に形成して前記測定対象穴内に照射することを特徴とす
    る光学式壁面形状測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光学式壁面形状測定方
    法において、 前記光源からの光を所定の開き角を有するリング状円錐
    光束に形成して前記測定対象穴に照射する照射光学系と
    前記測定対象穴とを、前記照射光学系の光軸中心に沿っ
    て相対的に平行移動させ、 前記戻り光を生じている反射点が前記リング状円錐光束
    の照射範囲に入ってから出て行くまでの前記平行移動量
    と、前記リング状円錐光束の開き角と、前記観察像面上
    での前記戻り光による像の移動量とから、前記反射点の
    光軸中心からの距離を求めることにより前記測定対象穴
    の形状を測定することを特徴とする光学式壁面形状測定
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の光学式壁面形状測定方法において、 前記微小球体の直径が既知であるものを用いて測定結果
    を補正することを特徴とする光学式壁面形状測定方法。
  6. 【請求項6】 測定対象の壁面上に付着させた透明な微
    小球体と、 光源からの光を前記測定対象の壁面に照射する照射光学
    系と、 前記測定対象の壁面上に付着させた微小球体により入射
    光に平行に反射した戻り光を観察像として捉える観察光
    学系と、 前記観察光学系で捉えられた観察像を基に前記微小球体
    の空間位置を求め、この空間位置情報から前記測定対象
    の壁面形状を求める演算手段と、 を備えたことを特徴とする光学式壁面形状測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光学式壁面形状測定装
    置において、 前記測定対象の壁面は小径穴の内壁面であり、前記微小
    球体の直径が前記小径穴の直径の10分の1以下である
    ことを特微とする光学式壁面形状測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光学式壁面形状測定装
    置において、 前記照射光学系は、光源からの光を所定の開き角を有す
    るリング状円錐光束に形成して前記測定対象穴内に照射
    することを特徴とする光学式壁面形状測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の光学式壁面形状測定装
    置において、 前記照射光学系は、光源と、この光源からの光をリング
    状平行光に生成するリング状平行光生成手段と、このリ
    ング状平行光生成手段からのリング状平行光を焦点位置
    に収束させる第1のレンズ手段と、この第1のレンズ手
    段と焦点位置を共有し第1のレンズ手段を通過した光を
    リング状平行光に生成する第2のレンズ手段と、この第
    2のレンズ手段からのリング状平行光を所定の開き角を
    有するリング状円錐光束に生成する第3のレンズ手段と
    を含む、ことを特徴とする光学式壁面形状測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の光学式壁面形状測定
    装置において、 前記第1および第2のレンズ手段の互いに共有する焦点
    位置には、絞り手段が配置されていることを特徴とする
    光学式壁面形状測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項8ないし請求項10のいずれか
    に記載の光学式壁面形状測定装置において、 前記照射光学系と前記測定対象穴とを前記照射光学系の
    光軸中心に沿って相対的に平行移動させる相対移動手段
    を有し、 前記演算手段は、前記戻り光を生じている反射点が前記
    リング状円錐光束の照射範囲に入ってから出て行くまで
    の前記平行移動量と、前記リング状円錐光束の開き角
    と、前記観察像面上での前記戻り光による像の移動量と
    から、前記反射点の光軸中心からの距離を求めることに
    より前記測定対象穴の形状を測定することを特徴とする
    光学式壁面形状測定装置。
  12. 【請求項12】 請求項6ないし請求項11のいずれか
    に記載の光学式壁面形状測定装置において、 前記照射光学系と観察光学系とは前記測定対象穴の開口
    側に光路を一部共有して配置され、かつ、これらの照射
    光学系と観察光学系との間にはビームスプリッタ手段が
    配置されていることを特徴とする光学式壁面形状測定装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項6ないし請求項12のいずれか
    に記載の光学式壁面形状測定装置において、 前記微小球体の直径が既知であるものを用いて測定結果
    を補正することを特徴とする光学式壁面形状測定装置。
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JP2006024631A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Fujikura Ltd ブラインドビアの深さ評価方法および深さ評価装置ならびに基板の研磨装置
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